JP2006017983A - ダッシュパネル用防音部材 - Google Patents

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城裕 大田
Kiyomi Nishida
清美 西田
Katsutoshi Hashimoto
克俊 橋本
Daisaku Sato
大作 佐藤
Shinji Miyagawa
伸二 宮川
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Abstract

【課題】防音性能を維持しつつ、取付工数を低減する。
【解決手段】連泡率が50%以上の連続気泡構造をもち、硬度が5N/cm2 以上、密度が0.03〜0.15g/cm3 、セル径が0.5〜10mm、1〜2KHz の音の平均吸音率が45%以上、の各特性を備えた硬質発泡ウレタンからなる基材層1を有する。
基材層1は上記特性を備えているので、十分な形状保持性を備えるとともに吸音特性も優れている。
【選択図】 図1

Description

本発明は自動車のダッシュパネルに用いられる防音部材に関し、詳しくはエンジンルーム内の騒音や車外の騒音が車室内に侵入するのを防止するとともに、取付工数を低減できる防音部材に関する。
近年、自動車車室内の静粛性の改善が求められ、エンジンルームからの騒音、風切り音、タイヤからの騒音などが車室内へ侵入するのを抑制する手段が種々採用されている。例えばエンジンルームからの騒音の車室内への伝搬を抑制する一つの手段として、ダッシュパネルの車室側表面に沿ってダッシュサイレンサーを配置することが行われている。
このダッシュサイレンサーは、例えばフェルト層とPVC製などのシート層が積層されたものであり、フェルト層がダッシュパネルに対向して配置され、シート層が車室側に配置されて用いられる。そしてフェルト層が騒音を吸音する吸音層として作用し、シート層が意匠表面を構成する意匠層として積層されている。
ところがフェルト層はダッシュパネルの凹凸形状への追従性に劣り、ダッシュパネルとの間に隙間が生じて制振性能及び防音性能が低下するという問題がある。そこで近年では、特許文献1に記載されているように、シート層の裏面側に軟質発泡ウレタンから型成形によって吸音層を形成することで、ダッシュパネルの凹凸形状に沿う形状とすることが行われている。
ところで近年においては、ダッシュサイレンサーの組付工程においても自動化が進んでおり、ダッシュサーレンサーが軟質であることがマテハン(マテリアルハンドリング)の大きな障害になりつつある。すなわちシート層が軟質であり、発泡ウレタンからなる吸音層も軟質である場合は、ダッシュサイレンサー全体が軟らかいために確実な自動搬送がし難いだけでなく、車両への取付け時に変形し易いので、自動で精度良く取付けることができないといった問題が発生する。シート層を意匠層を兼ねた硬質の樹脂板に置き換えれば、形状を保持することができるので容易に搬送でき、ダッシュパネルに向かって一方向に押圧するだけで精度良く取付けることができるものの、シート層が従来のように軟質ではないのでダッシュパネルの振動が固定手段を介して硬質の樹脂板へ伝わり易くなり、二次騒音を引き起こす可能性がある。また固定手段にゴムなどのグロメットを介在させれば、二次騒音の問題は解消されるものの、部品点数が多くなり組付工数も増大するためコストが高くなる。さらに、硬質の樹脂板においても、形状を保持できるだけの厚みを確保しようとすれば、ダッシュサイレンサー自体の重量が増大し走行性能にも影響が生じる。
そこでダッシュパネルの凹凸形状への追従性や軽量化、取付時の形状保持の観点から、従来のフェルト層や軟質発泡ウレタンに換えて硬質の発泡ウレタンを用いることが考えられる。意匠層が従来のシート層のように軟質であれば、二次騒音の発生も抑制される。しかし、一般的な硬質発泡ウレタンは軟質発泡ウレタンに比べて肝心の吸音特性が低く、ダッシュパネル用の防音部材としては防音機能面で好ましくない。なお特許文献1には、軟質発泡ウレタンからなる吸音層の一部に硬質ウレタンからなる衝撃吸収パッドを積層することが記載されているが、局所的に設置されるものであるので、組付工程における様々な問題を解決することにはならない。
因みに一般的な硬質発泡ウレタンの特性値は、連泡率が15%程度、硬度が70N/cm2 程度、密度が 0.1g/cm3 程度、セル径が 0.1〜 0.5mm程度であり、1〜2KHz の音の平均吸音率は10%未満である。
実開平07−005966号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、エンジンルーム内の騒音や車外の騒音が車室内に侵入するのを防止するとともに、取付工数を低減できる防音部材とすることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のダッシュパネル用防音部材の特徴は、ダッシュパネルに対向するように設置されるダッシュパネル用防音部材であって、ダッシュパネル用防音部材は、少なくともダッシュパネル用防音部材の形状を保持可能な基材層と、基材層に対してダッシュパネルとは反対の車室側に設けられた意匠層とからなり、
基材層は硬質発泡ウレタンから形成され、硬質発泡ウレタンは硬度が5N/cm2 以上、密度が0.03〜0.15g/cm3 であって、連泡率が50%以上の連続気泡構造を有し、
消泡剤成分の含有によりセル径を 0.5〜10mmとすることで、1〜2KHz の音の平均吸音率が意匠層を除いた防音部材全体で45%以上となるように構成されていることにある。
なお、ここでいう1〜2KHz における平均吸音率とは、1、1.25、1.6 、2KHz の1/3オクターブ毎の周波数における吸音率(JIS A 1405の基準に従い、垂直入射法により測定)の平均値をいう。
基材層のダッシュパネル側及び意匠層側の少なくとも一方の表面には、軟質の吸音層が積層されていることが好ましい。またこの場合、吸音層は基材層のダッシュパネル側に対向する表面に積層されているのが好ましい。
基材層の内部に形成されたセルと基材層の外部とが連通していることが好ましい。また型成型によって形成された基材層の場合は、表面のスキン層は平均厚さが2mm以下となるように構成されていることが望ましい。さらに基材層の車室側表面から意匠層までの間に、遮音層が設けられていることが好ましい。
本発明のダッシュパネル用防音部材によれば、基材層が上記特性をもつ硬質発泡ウレタンから形成されているので、十分な形状保持性を備えている。したがって車両への取付け時に変形しにくいので、容易に取付けることができ組付けなどの自動化がしやすくなる。そして上記特性をもつことで基材層は吸音特性に優れ、エンジンルーム内の騒音が車室内に伝搬するのを抑制することができる。さらに基材層を形成する硬質発泡ウレタンは衝撃吸収機能も有するため、乗員の脚部を保護することも可能となり、軽量という効果が損なわれることもない。
本発明のダッシュパネル用防音部材は、少なくとも基材層と意匠層とから構成されている。基材層はダッシュパネルに対向するように設置され、この基材層の剛性によって防音部材の形状が保持されている。したがって車両への取付け時には、防音部材が変形しにくいので自動化が容易となり、精度良く取り付けることができる。
この基材層は、硬度が5N/cm2 以上、密度が0.03〜0.15g/cm3 、連泡率が50%以上の連続気泡構造を有し、消泡剤成分の含有によりセル径が 0.5〜10mmであり、1〜2KHz の音の平均吸音率が意匠層を除いた防音部材全体で45%以上、の各特性を備えた硬質発泡ウレタンから形成されたことで、軟質発泡ウレタンに匹敵する吸音特性が発現される。
硬度が5N/cm2 未満では、取付け時に変形しやすく形状保持において問題があり、 100N/cm2 を超えると、音の反射などにより吸音機能が損なわれる可能性があるため、硬度は5〜 100N/cm2 の範囲とすることが好ましい。また取付け時の変形をより少なく抑え、吸音機能をより多く確保するためには、硬度を10〜80N/cm2 とすることが好ましく、より好ましくは20〜70N/cm2 とする。なお硬度は、JIS K 6400に準拠して測定される数値である。
密度が0.03g/cm3 未満では硬度と連泡率との両方を上記範囲とすることが困難であり、密度が0.15g/cm3 を超えると通気量が低下し十分な吸音特性が得られなくなるとともに、重量が増大してしまう。密度は0.04〜0.12g/cm3 であることがより好ましく、0.05〜 0.1g/cm3 であることが特に好ましい。
連泡率が50%未満では、吸音特性が不十分となってダッシュパネル用防音部材として実用的でない。連泡率は高いほど好ましく、 100%であってもよいが、50%未満になると、吸音特性が不十分となり、ダッシュパネル用防音部材として実用的ではない。
またセル径が 0.5mm未満では吸音特性が低下し、10mmを超えると十分な強度が得られない。強度を保ち吸音機能を確保するには、セル径は1〜8mmであることがより好ましく、さらに好ましくは 1.5〜7mm、特に好ましくは2〜6mmである。
さらに本発明の防音部材は、意匠層を除いた防音部材全体で、1〜2KHz の音の平均吸音率が45%以上の特性を有している。このような吸音特性を有することで、エンジンルームの騒音を効果的に吸音することができ、ダッシュパネル用防音部材として特に効果的である。
一般的な硬質発泡ウレタンは、硬質でありかつ内部のセル径が小さいために、吸音特性は低いものである。しかし消泡剤を加えて発泡成形することで、発泡樹脂の表面張力を部分的に低下させることができ、発泡させた際にセルが連続気泡構造となるとともに平均セル径を大きくすることができるので、上記したような特性をもつ硬質発泡ウレタンを製造することができる。
なお、本発明に用いる硬質発泡ウレタンを製造する際に必要な成分及び含有量は、下記のとおりである。
ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールなどが例示され、これらの単独あるいは2種以上の混合品を用いることができる。
ポリイソシアネートは、芳香族系、脂肪族系及び脂環族系から選ばれる各種ポリイソシアネートを用いることができる。クルードMDIが特に好ましい。このポリイソシアネートの配合量は、イソシアネートインデックスとして50〜 500、好ましくは80〜 400、より好ましくは 100〜 300である。イソシアネートインデックスが50未満の場合、発泡が正常に行われず、割れが生じたり、泡体の崩落が発生することがある。
発泡剤は特に制限されないが、通常、水が用いられる。またメチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩化アルキレン、イソペンタンなどを用いてもよい。この発泡剤の配合量は特に限定されないが、ポリオール 100質量部に対して、通常、1〜15質量部、好ましくは2〜10質量部、より好ましくは3〜8質量部である。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系、油脂径、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、リン酸エステル系のものが挙げられる。中でもシリコーン系消泡剤が特に好ましい。このシリコーン系消泡剤としては、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルジョン型、自己乳化型及び粉末型のものが例示され、特にオイル型のものが好ましい。
消泡剤は、HLB値が5以下であることが好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは 0.5〜 3.5、特に好ましくは1〜3である。HLB値が5を超えると、親水性が強くなり過ぎるため、連続気泡構造の硬質発泡ウレタンが得られなくなることがある。なお、このHLB値は、グリフィンの式{20×(親水基の質量比)}に基づいて算出した値である。
消泡剤の配合量は、ポリオール 100質量部に対して、通常、 0.001〜1質量部、好ましくは 0.002〜 0.8質量部、より好ましくは 0.004〜 0.6質量部である。この範囲で配合することで、好ましい平均セル径を有する連泡硬質発泡ウレタンが得られる。この配合量が 0.001質量部未満では、セルが荒れて均一なセルが得られず、硬度が不足する。また1質量部を超えると、平均セル径が小さくなって吸音特性が不十分となる。
また架橋剤を配合すれば、架橋構造により樹脂強度に優れた硬質発泡ウレタンを形成することができる。この架橋剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミンなどのトリオール、ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ペンタエリスリトールなどのテトラオールが挙げられる。
基材層の厚さは、5mm以上とすることが望ましい。厚さが5mm未満では、所望の吸音特性が発現されなかったり、形状を保持するうえで強度的に不足する場合がある。なお厚さは厚いほど好ましいが、スペース上の制約や重量アップなどの問題により上限が決定される。
基材層は、予め形成された板状の硬質発泡ウレタンから切り出すことで所定形状とすることもできるが、型成形によって最終形状に形成されていることが望ましい。このようにすれば、ダッシュパネルの表面形状が複雑であってもその表面形状に沿う形状とすることが容易であり、局所的に厚さに差があっても容易に形成することができる。したがって衝撃をより吸収させたい部位のみを厚くすることなども、容易に行うことができる。
また、基材層の内部のセルを介して、基材層の一方の表面から他方の表面まで連通していることが好ましい。すなわち、基材層の内部に形成されたセルが各々閉じられた状態ではなく、各セルどうしが空気を行き来可能に連通している状態であることが好ましい。これによって、型成形過程において、基材層の表面にスキン層が形成された場合であっても、このスキン層に起因する防音部材の吸音特性の低下を回避することができる。
なお、前述のように、基材層においてその一方の表面から他方の表面まで連通していることで、防音部材の内部のセルとともにレゾネータ機能を果たすことが可能になるため、より高い防音性能をもたらすことも可能となる。
基材層の製造過程において、あらかじめ基材層表面から内部まで連通する空洞を作成することで、基材層が連通した状態となるが、基材層の表面に前記スキン層が形成された場合は、このスキン層を削り取って基材層の表面に開口を表出させるか、スキン層に穴を形成することで、前述のような基材層の連通した状態を形成する必要がある。
またスキン層を薄くすれば、意図的に連通させなくても吸音特性を満足させることができる。この場合は、スキン層の平均厚さを2mm以下、より好ましくは1mm以下とすればよい。スキン層をこのように薄く形成するには、発泡成形時間を短縮することで行うことができ、具体的には型温を高くする方法、触媒などで硬化時間を調節する方法などがある。
また基材層は、上記特性値の組み合わせによっては、吸音特性が相対的に低くなる場合もある。そのような場合には、基材層の表面に軟質の吸音層をさらに積層することが好ましい。このように硬質発泡ウレタンと軟質の吸音層との2色積層体とすることで、同じ厚さ及び同じ重量の硬質発泡ウレタンのみの場合に比べて広い周波数域で吸音特性が向上する場合がある。この吸音層の材質は、吸音特性に優れた軟質発泡ウレタンが特に好ましい。
なお、ピーク周波数が異なる軟質ウレタン発泡体どうしを組み合わせた場合、個々の特性が必ずしも生かされるような結果になるとは限らず、広い周波数域で吸音特性に優れる結果にはならない。ただし、本発明のように、ピーク周波数が異なる硬質発泡ウレタンと軟質発泡ウレタンとを組み合わせた場合には、比較的広い周波数域で吸音特性が優れるようになることが確認されている。
軟質の吸音層をさらに積層する場合、基材層の表裏面のどちらに用いても吸音特性が向上するが、吸音層は基材層のダッシュパネルに対向する表面側に積層するのが好ましい。このようにすればダッシュパネルの表面形状への追従性が高まるため、隙間が生じるのが抑制され防音性能がより向上する。この場合、基材層の厚さは形状保持性が確保できればよく、5mm以上とすればよい。
基材層は、ダッシュパネルに対向する表面と反対側の表面に遮音層が積層されていることも好ましい。このようにすれば、基材層を透過した音が遮音層とダッシュパネルで反射する度に基材層を通過し、それによって吸音特性がさらに向上する。遮音層としてはある程度の質量が必要であるが、二次騒音を考慮すると軟質であることが好ましい。例えばPVC、熱可塑性エラストマ、ゴムなどを用いることができ、これらに各種充填材を添加して質量を増大させたものが特に好ましい。この遮音層は、基材層と意匠層との界面に形成してもよいが、他の内装品に色を合わせたりシボ模様の加工を施すなどして意匠性をアップすることにより、遮音層が意匠層を兼ねることもできる。製造コストやスペース上の制約を考慮した場合、遮音層が意匠層を兼ねるようにした方が好ましい。
意匠層は、基材層に対してダッシュパネルとは反対の車室側に設けられるものであり、上記したように意匠層が遮音効果を備えている場合や、遮音層が基材層との間に介在しないような場合は、基材層と一体であることが望ましい。一体化する方法として、基材層と接着剤などで接合してもよいが、意匠層を型内に配置して基材層を発泡成形して一体化する方が、接合工数が低減されるため、より好ましい。
なお意匠層の材質は、基本的に意匠性を有するものであれば特に限定されるものではないが、従来のシート層と同様のPVCに加え、遮音層でも例示したような熱可塑性エラストマ、ゴムなどから形成することができる。また、この意匠層を発泡体やフェルトのように吸音機能をもつものとすれば、室内に入り込んだ騒音を吸収することも可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例のダッシュパネル用防音部材をダッシュパネルに取付けた状態を示す。この防音部材は、厚さ5〜30mmの基材層1と、基材層1の表面に一体的に積層された厚さ1mmの意匠層2とから形成され、基材層1の表面がダッシュパネル3に当接するように取付けられる。
基材層1は硬質発泡ウレタンから形成され、連泡率が95%以上の連続気泡構造をもち、硬度が30N/cm2 、密度が 0.1g/cm3 、セル径が4mmの各特性を備えている。
意匠層2は炭酸カルシウムを20〜50重量%含有するPVCから形成され、硬度はショアA50以上である。
この防音部材は、先ず意匠層2を真空成形法によって所定形状に形成し、その意匠層2を発泡成形型の型面に沿うように配置して、表1に示す配合で消泡剤を含む硬質発泡ウレタン樹脂から基材層1を形成した。これにより意匠層2は、基材層1と一体的に接合されている。なお基材層1の表面には、厚さ1mmの図示しないスキン層が形成されている。
Figure 2006017983
実施例1の防音部材では、硬度が30N/cm2 の形状保持性に優れた基材層1を有しているので、ダッシュパネル3への取付け時に変形が生じにくく、組付工程の自動化を容易に行うことができる。
(実施例2)
図2に本実施例のダッシュパネル用防音部材をダッシュパネルに取付けた状態を示す。この防音部材は、実施例1と同様の硬質発泡ウレタンからなる基材層10と、表2に示す配合で形成され、低周波数域における吸音特性に優れた軟質発泡ウレタンBからなる吸音層11とを有し、基材層10の表面に実施例1と同様の意匠層2が一体的に積層されていること以外は実施例1と同様である。吸音層11は、連泡率が92%の連続気泡構造をもち、硬度が3N/cm2 、密度が 0.1g/cm3 、セル径が 0.2mmの各特性を備えている。
Figure 2006017983
実施例2の防音部材では、実施例1と同様に形状保持性に優れる基材層10を有しているので、ダッシュパネル3への取付け時に変形が生じにくい。さらにダッシュパネル3に対向する表面に軟質の吸音層11を有しているので、ダッシュパネル3の表面形状に沿い易く、隙間が生じにくいので防音特性がさらに向上する。
(実施例3)
実施例2の防音部材に対して、基材層10に表面から剣山状の針で7mm突き刺して針穴を形成した。1個の針の直径は1mmであり、針穴は表面積の1cm2 に対して2個の割合で形成した。
本実施例の防音部材の拡大断面図を図3に示す。この防音部材は、実施例1と同様の硬質発泡ウレタンからなる基材層10と、実施例2と同様の軟質発泡ウレタンBからなる吸音層11とから構成され、基材層10の表面に実施例1と同様の意匠層2が一体的に積層されている。そして基材層10には、基材層10を厚さ方向に貫通する針穴12が形成されている。
実施例3の防音部材では、実施例1と同様に形状保持性に優れる基材層10を有しているので、ダッシュパネル3への取付け時に変形が生じにくい。さらに実施例2と同様にダッシュパネル3に対向する表面に軟質の吸音層11を有しているので、ダッシュパネル3の表面形状に沿い易く、隙間が生じにくいので防音特性がさらに向上する。
(比較例1)
実施例1の基材層1が、表3に示す配合で、従来から知られている軟質発泡ウレタンAから形成されたものを比較例1とした。この基材層1は、連泡率が90〜95%の連続気泡構造をもち、硬度が0.01〜0.05N/cm2 、密度が0.07g/cm3 、セル径が 0.1〜 0.5mmの各特性を備えている。
Figure 2006017983
比較例1の防音部材では、基材層1、意匠層2共に軟質であるため、形状保持性に劣り、組付工程において変形が生じやすい。
(比較例2)
実施例1の基材層1が、実施例2の吸音層11に用いた軟質発泡ウレタンBから形成されたものを比較例2とした。
比較例2の防音部材では、比較例1と同様に基材層1、意匠層2共に軟質であるため、形状保持性に劣り、組付工程において変形が生じやすい。
(比較例3)
発泡成形型の温度を変えたこと以外は実施例1と同様にして基材層1を形成した。実施例1及び比較例3ともに基材層1にはスキン層が形成されているが、実施例1のスキン層の厚さは1mmであるのに対し、比較例3では3mmと厚くなっている。
比較例3の防音部材では、実施例1と同様に、形状保持性に優れた基材層1を有しているので、ダッシュパネル3への取付け時に変形が生じにくい。
なお、各実施例及び比較例における吸音特性を確認するため、以下に記載する1〜4の試験を行った。
<試験例1>
実施例1と比較例1の吸音特性を比較するために、基材層1の厚さを15mmとした試験片を用い、吸音特性をそれぞれ評価した。なお意匠層2は形成されていない。吸音特性は JIS A 1405に規定された方法に従って各周波数で吸音率を測定し、 200〜3150Hzの周波数の音の吸音率で比較した。結果を図4に示す。
図4より実施例1の基材層は、1〜2KHz の音の平均吸音率が45%以上(46.9%)であり、比較例1の基材層における1〜2KHz の音の平均吸音率(39.4%)より高い吸音特性を示している。また1KHz を超える高周波数域で比較例1より高い吸音特性を示し、ダッシュパネル用防音部材として特に好適であることがわかる。
<試験例2>
実施例2と比較例2及び実施例1の吸音特性を比較するために、基材層10と吸音層11の合計厚さ及び基材層1の厚さを15mmとした試験片を用い、試験例1と同様に吸音特性をそれぞれ評価した。なお意匠層2は形成されていない。また実施例2の試験片において、基材層10の厚さは5mm、吸音層11の厚さは10mmである。結果を図5に示す。
図5より、実施例2は1〜2KHz の音の平均吸音率が45%以上(70.4%)であり、実施例1における1〜2KHz の音の平均吸音率(46.9%)より高い吸音特性を示している。また実施例2は、2KHz 以上の高周波数域で比較例2より高い吸音特性を示し、広い周波数域で吸音特性に優れていることが明らかである。
すなわち、比較的低周波数域で吸音特性が良好な軟質発泡ウレタンを組み合わせることで、同じ厚さとほぼ同じ重量としても、広い周波数域で高い吸音特性を確保することができる。
<試験例3>
実施例2と実施例3の吸音特性を比較するために、基材層10と吸音層11の合計厚さを15mmとした試験片を用い、試験例1と同様にして吸音特性をそれぞれ評価し、結果を図6に示す。なお意匠層2は形成されていない。
図6から、実施例3では実施例2より1〜2KHz の音の平均吸音率が73.1%とさらに向上していることがわかり、これは針穴を形成した効果であることが明らかである。すなわちスキン層に基材層10内部のセルと連通する針穴(連通部)を形成することで、吸音特性がさらに向上する。
<試験例4>
実施例1と比較例3の吸音特性を比較するために、基材層1の厚さを15mmとした試験片を用い、試験例1と同様にして吸音特性をそれぞれ評価し、結果を図7に示す。なお意匠層2は形成されていない。
図7から、比較例3では実施例1より1〜2KHz の音の平均吸音率が19.5%と低くなっており、スキン層を厚くすると吸音率が低下することが明らかである。
本発明の防音部材は、乗用車、トラック、バス、産業車両など、各種自動車のダッシュパネルの防音部材に用いることができる。
本発明の一実施例の防音部材をダッシュパネルに取付けた状態で示す断面図である。 本発明の第2の実施例の防音部材をダッシュパネルに取付けた状態で示す断面図である。 本発明の第3の実施例の防音部材をダッシュパネルに取付けた状態で示す拡大断面図である。 周波数と吸音率との関係を示すグラフである。 周波数と吸音率との関係を示すグラフである。 周波数と吸音率との関係を示すグラフである。 周波数と吸音率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1:基材層 2:意匠層 3:ダッシュパネル
10:基材層 11:吸音層

Claims (6)

  1. ダッシュパネルに対向するように設置されるダッシュパネル用防音部材であって、
    該ダッシュパネル用防音部材は、少なくとも該ダッシュパネル用防音部材の形状を保持可能な基材層と、該基材層に対してダッシュパネルとは反対の車室側に設けられた意匠層とからなり、
    該基材層は硬質発泡ウレタンから形成され、
    該硬質発泡ウレタンは硬度が5N/cm2 以上、密度が0.03〜0.15g/cm3 であって、連泡率が50%以上の連続気泡構造を有し、
    消泡剤成分の含有によりセル径を 0.5〜10mmとすることで、1〜2KHz の音の平均吸音率が該意匠層を除いた防音部材全体で45%以上となるように構成されていることを特徴とするダッシュパネル用防音部材。
  2. 前記基材層のダッシュパネル側及び前記意匠層側の少なくとも一方の表面に軟質の吸音層が積層されている請求項1に記載のダッシュパネル用防音部材。
  3. 前記吸音層は前記基材層のダッシュパネル側に対向する表面に積層されている請求項2に記載のダッシュパネル用防音部材。
  4. 前記基材層の内部に形成されたセルと該基材層の外部とが連通している請求項1〜3のいずれかに記載のダッシュパネル用防音部材。
  5. 型成型によって形成された前記基材層表面のスキン層は、平均厚さが2mm以下となるように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のダッシュパネル用防音部材。
  6. 前記基材層の車室側表面から前記意匠層までの間に遮音層が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載のダッシュパネル用防音部材。
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