JP2006016571A - 含フッ素化合物、含環化フッ素ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素化合物、含環化フッ素ポリマー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】官能基の濃度が高く充分な官能基の特性を得ることができ、かつ、Tgの低下をもたらさない含フッ素ポリマー。
【解決手段】式(1)で表される含フッ素ジエンを環化重合してなるモノマー単位を有する含フッ素ポリマー。CF2=CFCH2−CHQ−R2・・・(1)ただし、式(1)中Qは(CH2nC(CF32OR1(nは0または1であり、R1は水素、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH23(R3は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R2は環状不飽和炭化水素基または少なくとも1つの水素原子が環状不飽和炭化水素に置換されたアルキル基を表す。R2において、環状不飽和炭化水素基中の炭素原子の一部はヘテロ原子やカルボニル基に置換されていてもよく、また環状不飽和炭化水素基中の水素原子の一部はフッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基に置換されていてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素化合物、官能基を有する改良された含フッ素環化ポリマー、及びその製造方法に関する。
官能基を有する含フッ素ポリマーとして、フッ素系イオン交換膜や硬化性フッ素樹脂塗料などに使用されている官能基含有含フッ素ポリマーが知られているが、これらはすべて基本骨格が直鎖状ポリマーであり、テトラフルオロエチレンに代表されるフルオロオレフィンと官能基を有するモノマーとの共重合より得られる。
また、官能基を含有しかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーも知られており、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーに官能基を導入する方法としては、重合で得られたポリマーの末端基を利用する方法、ポリマーを高温処理してポリマーの側鎖、または末端を酸化分解せしめて官能基を形成する方法、官能基を有するモノマーを共重合させ、必要に応じて加水分解などの処理を加えることによって導入する方法などが知られている(特許文献1〜3参照)。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーに官能基を導入する方法としては前述した方法があるが、ポリマーの末端基を処理することにより官能基を導入する方法では官能基濃度が低く、充分な官能基の特性が得られないという欠点がある。また官能基を有するモノマーを共重合させて導入する方法では、官能基濃度を高くするとガラス転移温度(Tg)の低下による機械特性の低下などの問題が生じる。
特開平4−189880号公報 特開平4−226177号公報 特開平6−220232号公報
本発明が解決しようとする課題は、官能基の濃度が高く充分な官能基の特性を得ることができ、かつ、Tgの低下をもたらさない含フッ素化合物、含フッ素ポリマー及びその製造方法を提供することである。
前述の課題を解決するために、本発明は、含フッ素脂肪族環に直接結合した官能基や官能基含有側鎖基を有する含フッ素ポリマーに関する下記の発明を提供する。
本発明は、下記式(1)で表される含フッ素ジエンを提供する。
CF2=CFCH2−CHQ−R2・・・(1)
ただし、式(1)中Qは(CH2nC(CF32OR1(nは0または1であり、R1は水素、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH23(R3は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R1を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR3は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有しても良い。R2は環状不飽和炭化水素基または少なくとも1つの水素原子が環状不飽和炭化水素に置換されたアルキル基を表す。R2において、環状不飽和炭化水素基中の炭素原子の一部はヘテロ原子やカルボニル基に置換されていてもよく、また環状不飽和炭化水素基中の水素原子の一部はフッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基に置換されていてもよい。
また、本発明は、上記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位を有する含フッ素ポリマーを提供する。
また、本発明は、上記式(1)で表される含フッ素ジエンを環化重合することを特徴とする含フッ素ポリマーの製造方法を提供する。
本発明によれば、主鎖に脂肪族環構造を有し、側鎖に官能基を有する含フッ素ポリマーを製造できる。本発明で得られる含フッ素ポリマーは主鎖に環構造を有し、高い化学安定性や耐熱性を備えている。しかも環側鎖に官能基が導入されているため、従来の含フッ素ポリマーでは達成困難であった、Tgの低下をおこさずに、充分な官能基特性の発現が可能である。本発明の含フッ素ポリマーは、例えばイオン交換樹脂、イオン交換膜、燃料電池、各種電池材料、フォトレジスト、光ファイバー、電子用部材、透明フィルム材、濃ビ用フィルム、接着剤、繊維材、耐候性塗料などに利用可能である。
本発明によって環側鎖に官能基を有する含フッ素環化ポリマーを製造することが可能になった。
すなわち、本発明により、下記式(1)で表される含フッ素ジエン(以下、単に本発明の含フッ素ジエンという場合もある。)が環化重合してなるモノマー単位を有する含フッ素ポリマーを得ることができる。
CF2=CFCH2−CHQ−R2・・・(1)
ただし、式(1)中Qは(CH2nC(CF32OR1(nは0または1であり、R1は水素、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH23(R3は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R1を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR3は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有しても良い。R2は環状不飽和炭化水素基または少なくとも1つの水素原子が環状不飽和炭化水素に置換されたアルキル基を表す。R2において、環状不飽和炭化水素基中の炭素原子の一部はヘテロ原子やカルボニル基に置換されていてもよく、また環状不飽和炭化水素基中の水素原子の一部はフッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基に置換されていてもよい。
式(1)において、環状不飽和炭化水素基とは、環を構成する炭素原子のうち隣り合う炭素−炭素結合の少なくとも一つが不飽和結合である炭化水素基であり、単環式不飽和炭化水素、複環式不飽和炭化水素、一部水素添加した縮合多環式炭化水素、不飽和結合を有する橋かけ環式炭化水素、不飽和結合を有するスピロ炭化水素などが挙げられる。環を構成する炭素の数は4から6であることが好ましく、該炭素原子の一部がヘテロ原子やカルボニル基に置換されていても構わない。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられ、なかでも酸素原子が好ましい。不飽和結合は一つまたは二つであることが好ましく、特に一つの不飽和結合を有する環状不飽和炭化水素が好ましい。該環状不飽和炭化水素中の水素原子の一部はフッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基に置換されていてもよい。アルキル基としては、炭素数1から3のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。フルオロアルキル基としても炭素数1から3が好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。具体的には、以下に示すようなシクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環基、4−シクロヘキシルシクロヘキセニル基等の複環基、ヒドロナフテニル基等の縮合環基、ノルボルネニル基等の複式環基、スピロ[3.4]オクテニル基等のスピロ環基等が含まれる。また、メチルシクロペンテニル基、トリフルオロメチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、トリフルオロメチルヘキセニル基、ジヒドロフリル基、ジヒドロピラニル基、シクロヘキセノニル基、シクロペンテノニル基等も挙げられる。好ましくは、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基またはジヒドロフリル基である。
Figure 2006016571
少なくとも一つの水素原子が環状不飽和炭化水素に置換されたアルキル基を構成するアルキル基としては、一つの水素原子のみが環状不飽和炭化水素基に置換されていることが好ましい。また、該アルキル基としては、炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。水素原子の一つが環状不飽和炭化水素基に置換されたメチル基が最も好ましく、具体的にはシクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニルメチル基など、上記具体例の環状不飽和炭化水素基が置換されたメチル基が挙げられる。炭素数1から4のアルキル基がメチル基でない場合は、そのアルキル基の1位の水素原子の一つが環状不飽和炭化水素に置換された炭素数2から4のアルキル基が好ましい。
2が環状不飽和炭化水素基である場合、式(2)で示すように、不飽和結合を形成する炭素原子に隣接する炭素原子が式(1)の残りの部分と結合していることが好ましい。また、R2が少なくとも一つの水素原子が環状不飽和炭化水素基に置換されたアルキル基である場合は、式(3)で示すようにアルキル基がメチル基であり、かつ不飽和結合を形成する炭素原子がメチル基の炭素原子に結合していることが好ましい。
Figure 2006016571
Figure 2006016571
本発明の含フッ素ジエンの具体例としては、下記式で表されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006016571
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Figure 2006016571
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上記式中において、R1は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH23(R3は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、前記アルキル基は炭素数15以下であることが好ましく、前記アルコキシカルボニル基は炭素数12以下であることが好ましい。R1を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR3は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有しても良い。具体例としてはメチル基、トリフルオロメチル基、−(t−C49)、−CH2OCH3、−CH2O−C25、−CH2OCH2CF3、−C(O)O(t−C49)、−CH2C(O)O(t−C49)、2−テトラヒドロピラニル基、−C(O)O(AdM)、−CH2C(O)O(AdM)、および下記に示すものが挙げられる。(ただし、AdMは2−メチルアダマンチル−2−イル基を表し、結合位置を明確にするため−OR1の形で表す。)
Figure 2006016571
本発明の含フッ素ジエンは、入手が容易であること、およびTgが高く機械的特性に優れるポリマーを与えることから、下記式(4)または(5)で表されるものが好ましい。
Figure 2006016571
Figure 2006016571

上記式(4)または(5)において、Qは式(1)について上記した通りである。
本発明の含フッ素ポリマーは、上記した本発明の含フッ素ジエンを環化重合してなるモノマー単位を有する。
このモノマー単位の構造を、R2が環状不飽和炭化水素基であって式(2)で表される構造を有する場合、およびR2が少なくとも一つの水素原子が環状不飽和炭化水素基に置換されたアルキル基であって式(3)で表される構造を有する場合を例にとって説明する。前者(式(2))の場合、分光学的分析の結果等から、本発明の含フッ素ポリマーは、下記モノマー単位(a),(b)または(c)のうち、少なくとも1つを繰り返し単位とする構造を有していると考えられる。なお、この環化重合体の主鎖とは重合性不飽和結合を構成する4個の炭素原子から構成される炭素連鎖をいう。
Figure 2006016571
また、後者(式(3))の場合、分光学的分析の結果等から、本発明の含フッ素ポリマーは、下記モノマー単位(d),(e)または(f)のうち、少なくとも1つを繰り返し単位とする構造を有していると考えられる。なお、この環化重合体の主鎖とは重合性不飽和結合を構成する4個の炭素原子から構成される炭素連鎖をいう。
Figure 2006016571
上記モノマー単位(a)〜(f)において、Qは式(1)について前記した通りである。
本発明の含フッ素ポリマーにおいて、R1が水酸基である場合のように、OR1が酸性基である場合、該酸性基は、アルコール類やカルボン酸またはこれらの活性誘導体などのブロック化剤と反応させて、ブロック化されていてもよい。ここで活性誘導体としては、アルキルハライド、酸塩化物、酸無水物、クロル炭酸エステル類、ジアルキルジカーボネート(ジ−tert−ブチルジカーボネートなど)、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどが挙げられる。
ブロック化酸性基としてのR1の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、COO(t−C49)、CH(CH3)OC25、2−テトラヒドロピラニル基の他、以下に示す基などが挙げられる。
Figure 2006016571
また、下記のような炭素数20以上の巨大なブロック化酸性基も導入可能である。
Figure 2006016571
ブロック化剤として有用な試薬の具体例は、A. J. PearsonおよびW. R. Roush編、Handbook of Reagents for Organic Sybthesis: Activating Agents and Protecting Groups, John Wiley & Sons (1999)に記載されている。
本発明の含フッ素ポリマーにおいて、酸性基であるOR1のブロック化率(酸性基OR1の総数に対するブロック化されたOR1の割合)は10〜100モル%が好ましく、特に10〜50モル%が好ましい。
本発明の含フッ素ポリマーは、上記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位のうち、少なくとも1つを繰り返し単位として含むことが必須であるが、その特性を損なわない範囲でそれら以外のラジカル重合性モノマーに由来するモノマー単位を含んでもよい。この場合、他のモノマー単位の割合は50モル%以下が好ましく、特に30モル%以下が好ましい。
例示しうる他のモノマーとして、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィン類、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールなどの含フッ素環状モノマー類、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの環化重合しうるパーフルオロジエン類やハイドロフルオロジエン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のアクリルエステル類、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アダマンチル酸ビニル等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、シクロヘキセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン類等、無水マレイン酸、塩化ビニルなどに由来するモノマー単位が挙げられる。
また、補助的に、ブロック化された酸性基を有するモノマーも使用可能である。アクリル酸テトラヒドロピラニル等の(メタ)アクリル酸エステル類、tert−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、CH2=CHCH2C(CF32OCO2−t−C49、CH2=CHCH2C(CF32OCH(CH3)OC25等が挙げられる。
なかでも以下のようなハイドロフルオロジエン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が好ましい。
CF2=CFCF2−C(CF3)(OH)−CH2CH=CH2
CF2=CFCF2−C(CF3)(OCH2OCH3)−CH2CH=CH2
CF2=CFCH2−CH(CH2C(CF32OH)−CH2CH=CH2
CF2=CFCH2−CH(CH2C(CF32OCH2OCH3)−CH2CH=CH2
CF2=CFCH2−CH(C(CF32OH)−CH2CH=CH2
CF2=CFCH2−CH(C(CF32OCH2OCH3)−CH2CH=CH2
CH2=CHC(O)OR
CH2=C(CH3)C(O)OR
CH2=CFC(O)OR
CH2=C(CF3)C(O)OR
なお、上式中、OR基の具体例としては以下の基が挙げられる。
OC(CH33、OCH(CF32
Figure 2006016571
本発明の含フッ素ポリマーの分子量は、用途に応じて適宜選択される。例えば、フォトレジスト材料として使用する場合、有機溶媒に均一に溶解することができ、かつ基材に均一に塗布できることが必要であるため、通常はポリスチレン換算数平均分子量は1,000〜10万が適当であり、好ましくは2,000〜2万である。数平均分子量が1,000未満であると、得られるレジストパターンが不良になったり、現像後の残膜率の低下、パターン熱処理時の形状安定性が低下したりする不具合を生じやすい。また数平均分子量が10万を超えると組成物の塗布性が不良となったり、現像性が低下したりする場合がある。
本発明の含フッ素ポリマーは、本発明の含フッ素ジエンを重合開始源の下で環化重合させることにより得られる。本明細書において、環化重合と言った場合、1種類の本発明の含フッ素ジエンを環化重合させて単独重合体を得ること以外に、2種以上の含フッ素ジエンを環化重合させ、かつ共重合させて共重合体を得ること、および本発明の含フッ素ジエンを環化重合させつつ、上記した他のモノマーと共重合させて他のモノマー単位を繰り返し単位として有する共重合体を得ることを含む。
重合開始源としては、重合反応をラジカル的に進行させるものであればなんら限定されないが、例えばラジカル発生剤、光、電離放射線などが挙げられる。特にラジカル発生剤が好ましく、過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などが例示される。なかでも以下に示す過酸化物が好ましい。
65−C(O)O−OC(O)−C65
65−C(O)O−OC(O)−C65
37−C(O)O−OC(O)−C37
(CH33C−C(O)O−OC(O)−C(CH33
(CH32CH−C(O)O−OC(O)−CH(CH32
(CH33C−C610−C(O)O−OC(O)−C610−C(CH33
(CH33C−O−C(O)O−OC(O)−O−C(CH33
(CH32CH−O−C(O)O−OC(O)−O−CH(CH32
(CH33C−C610−O−C(O)O−OC(O)−O−C610−C(CH33
但し、−C65はフェニル基、−C65はヘプタフルオロフェニル基、−C610はシクロへキシレン基を表す。
重合の方法もまた特に限定されるものではなく、モノマーをそのまま重合に供するいわゆるバルク重合、モノマーを溶解するフッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素、その他の有機溶剤中で行う溶液重合、水性媒体中で適当な有機溶剤存在下あるいは非存在下に行う懸濁重合、水性媒体に乳化剤を添加して行う乳化重合などが例示される。
重合の際に溶媒とする有機溶剤は1種類とは限らず、複数種類の有機溶剤による混合溶媒としても良い。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の炭化水素系アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の炭化水素系ケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の炭化水素系エーテル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状脂肪族炭化水素系エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の炭化水素系エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化炭化水素類、R−113、R−113a、R−141b、R−225ca、R−225cb等のフッ化塩化炭化水素類、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフロロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフロロヘキサンなどのフッ化炭化水素類、メチル2,2,3,3−テトラフロロエチルエーテル等のフッ化炭化水素系エーテル類、2,2,2−トリフロロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロパノール、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロペンタノール等のフッ化炭化水素系アルコール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合を行う温度や圧力も特に限定されるものではないが、モノマーの沸点、所用加熱源、重合熱の除去などの諸因子を考慮して適宜設定することが望ましい。例えば、0℃〜200℃の間で好適な温度の設定をおこなうことができ、室温〜100℃程度ならば実用的にも好適な温度設定をおこなうことができる。また重合圧力としては減圧下でも加圧下でも良く、実用的には常圧〜100気圧程度、さらには常圧〜10気圧程度でも好適な重合を実施できる。
上記したように、本発明の含フッ素ポリマーにおいて、酸性基であるOR1基はブロック化されていてもよい。このような酸性基であるOR1基がブロック化された含フッ素ポリマーを得るには、OR1基がブロック化されていない含フッ素ジエンを環化重合させて、含フッ素ポリマーを製造した後、その含フッ素ポリマー中のOR1基をブロック化剤でブロック化してもよく、または予めブロック化剤を用いてOR1基がブロック化された含フッ素ジエンを環化重合させて、OR1基がブロック化された含フッ素ポリマーを得てもよい。
次に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。下記例に用いられた略称は以下のとおりである。
THF;テトラヒドロフラン、BPO;ベンゾイルパーオキシド、PFBPO;パーフルオロベンゾイルパーオキシド、PFB;パーフルオロブチリルパーオキシド、PSt;ポリスチレン、R225;ジクロロペンタフルオロプロパン(溶媒)。
(実施例1)
1,1,2,6,6,6,−ヘキサフルオロ−4−(2−シクロペンテニル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシヘキセン(6)の合成
Figure 2006016571
1Lのガラス反応器にCF2ClCFClIの500g、CH2=CHC(CF3) 2OHの344gとBPOの32.6gを入れ、95℃で71時間加熱した。反応粗液を減圧蒸留して、544gのCF2ClCFClCH2CHI(C(CF3)2OH) (55−58℃/0.2kPa)を得た。
5Lのガラス反応器に上記で合成したCF2ClCFClCH2CHI(C(CF3) 2OH)の344gと脱水THFの1.7Lを入れ、−70℃に冷却した。そこに1−ブロモ−2−シクロペンテンとマグネシウムから調製した2-シクロペンテニルマグネシウムブロミドの2M THF溶液1.8Lを窒素雰囲気下で約5.5時間かけて滴下した。
0℃まで昇温し、16時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1.6Lを添加して室温まで昇温した。反応液を分液し、有機層をエバポレーターで濃縮し、次いで減圧蒸留して240gの化合物X(1,2−ジクロロ−1,1,2,6,6,6−ヘキサフルオロ−4−(2−シクロペンテニル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシヘキサン)を得た。
Figure 2006016571
1Lのガラス反応器に亜鉛76gと水300gを入れ、90℃に加熱した。そこに上記で合成した化合物Xの240gを滴下し、24時間攪拌した。反応液に塩酸70mLを滴下して2時間攪拌した後、ろ過して分液し、減圧蒸留して149gの含フッ素ジエン化合物(6)を得た。
NMRスペクトル
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3
δ(ppm):
−73.6(m,6F),−104.1(m,1F),−123.1(m,1F),−175.4(m,1F)。
(実施例2)
1,1,2,6,6,6,−ヘキサフルオロ−4−(2−シクロヘキセニル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシヘキセン(7)の合成
Figure 2006016571
実施例1において、1−ブロモ−2−シクロペンテンとマグネシウムから調製した2−シクロペンテニルマグネシウムブロミドの替わりに、1−ブロモ−2−シクロヘキセンとマグネシウムから調製した1−シクロヘキセニルマグネシウムブロミドを用いることによって、含フッ素ジエン化合物(7)を得ることができる。
(実施例3)
1,1,2,6,6,6,−ヘキサフルオロ−4−(1−シクロペンテニルメチル)−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシヘキセン(8)
Figure 2006016571
実施例1において、1−ブロモ−2−シクロペンテンとマグネシウムから調製した2−シクロペンテニルマグネシウムブロミドの替わりに、1−ブロモメチル−1−シクロペンテンとマグネシウムから調製した1−シクロペンテニルメチルマグネシウムブロミドを用いることによって、含フッ素ジエン化合物(8)を得ることができる。
(実施例4)
1,1,2,6,6,6,−ヘキサフルオロ−4−(2−シクロペンテニル−4−オキソ−1−イル)−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシヘキセン(9)
Figure 2006016571
実施例1において、1−ブロモ−2−シクロペンテンとマグネシウムから調製した2−シクロペンテニルマグネシウムブロミドの替わりに、4−ブロモ−2,3−ジヒドロフランとマグネシウムから調製したグリニャール反応剤を用いることによって、含フッ素ジエン化合物(9)を得ることができる。
(実施例5)
1,1,2,6,6,6,−ヘキサフルオロ−4−(2−シクロペンテニル−4−トリフルオロメチル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシヘキセン(10)
Figure 2006016571
実施例1において、1−ブロモ−2−シクロペンテンとマグネシウムから調製した2−シクロペンテニルマグネシウムブロミドの替わりに、1−ブロモ−4−トリフルオロメチル−2−シクロペンテンとマグネシムから調製したグリニャール反応剤を用いることによって、含フッ素ジエン化合物(10)を得ることができる。
(実施例6)
実施例1で得た含フッ素ジエン化合物(6)の4g、および酢酸エチルの2.2gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてPFBの3wt%R225溶液6.23gを添加した。系内を凍結脱気した後、封管し、恒温振とう槽内(20℃)で41時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で21時間真空乾燥を実施した。その結果、下記式で表される主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー1.33gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)10600、重量平均分子量(Mw)21300、Mw/Mn=2.01であり、室温で白色粉末状のポリマーであった。得られたポリマーはアセトン、THF、メタノール、R225には可溶であった。
Figure 2006016571

Claims (3)

  1. 式(1)で表される含フッ素ジエン。
    CF2=CFCH2−CHQ−R2・・・(1)
    (ただし、式(1)中Qは(CH2nC(CF32OR1(nは0または1であり、R1は水素、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH23(R3は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R1を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR3は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有しても良い。R2は環状不飽和炭化水素基または少なくとも1つの水素原子が環状不飽和炭化水素に置換されたアルキル基を表す。R2において、環状不飽和炭化水素基中の炭素原子の一部はヘテロ原子やカルボニル基に置換されていてもよく、また環状不飽和炭化水素基中の水素原子の一部はフッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基に置換されていてもよい。)
  2. 請求項1に記載の含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位を有する含フッ素ポリマー。
  3. 請求項1に記載の含フッ素ジエンを環化重合することを特徴とする含フッ素ポリマーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008243420A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Asahi Glass Co Ltd フッ素系不織布の製造方法、フッ素系不織布、固体高分子形燃料電池用固体高分子電解質膜および膜電極接合体

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