JP2006015392A - 加圧装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 固定部において、第二流体室から外部へ向けて、軸方向に延びる第三貫通穴が貫通形成されており、第三貫通穴には、第三貫通穴を閉塞するように軸体が摺動支持されており、軸体の一端には、弁体が固定されており、他端には、出力軸に固定される進退機構が連結されており、進退機構が作動して弁体を軸方向に進退させることにより、第一連通穴を開閉させる。
【選択図】 図1
Description
前記第一連通穴を開放するとともに前記入力軸と前記出力軸とを直結した状態で前記入力軸を移動させることによる、前記出力軸の高速移動と、前記第一連通穴を閉鎖するとともに前記入力軸と前記出力軸とを流体的に連結した状態で前記入力軸を移動させることによる、前記出力軸の高推力加圧と、を選択的に実施することができる加圧装置であって、
前記固定部において、前記第二流体室から外部へ向けて、前記筒軸方向に延びる第三貫通穴が貫通形成されており、前記第三貫通穴には、前記第三貫通穴を閉塞するように軸体が摺動支持されており、該軸体の一端には、前記弁体が固定されており、他端には、前記出力軸に固定される進退機構が連結されており、該進退機構が作動して前記弁体を前記筒軸方向に進退させることにより、第一連通穴を開閉させることを特徴とする加圧装置を提供する。
本実施形態に係る加圧装置は、図1乃至図3に示されるように、主として、固定部1と、固定部1に挿通されて軸方向に摺動可能に支持される出力軸2と、出力軸2に挿通されて出力軸2と同軸方向に相対移動可能に支持される入力軸3と、の三部材で構成される。入力軸3は、不図示の駆動源によって、軸方向における高速移動が可能となるように、かつ、出力軸2と直結(相対移動が生じないように連結)することが可能となるように設定されている。また、出力軸2と入力軸3との間には、パスカルの原理を利用した流体圧機構(倍力機構)が設けられており、両軸間に相対移動が生じたときに、入力軸3の推力が増大されて出力軸2に伝達されるようになっている。
固定部1は、主として、中空筒状の固定部本体11と、固定部本体11に固定されて固定部本体11の筒軸方向(図中の上下方向)に延びる複数本のガイドロッド12と、ガイドロッド12の先端12aに固定支持される板状の軸受部13と、及び軸受部13に回転自在に支持されるボールネジ14と、で構成され、固定側に設置される。
固定部本体11は、内断面円形で直管状の筒体111と、その両端の開口を覆うように取り付けられる第一蓋体112及び第二蓋体113とからなる。第一蓋体112及び第二蓋体113には、出力軸2を摺動支持するための第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bが形成されている。第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bは、同軸線上に、かつ、筒体111の内周径よりも小径に形成されており、それぞれの内周面には筒軸方向に間隔をおいて複数本の円周溝が彫り込まれている。各円周溝には、樹脂製のシール材や金属製の滑り材が嵌め込まれている。また、第二蓋体113において、第二貫通穴11bの周囲には、筒軸方向に貫通形成される第三貫通穴11cが複数個備えられており、第三貫通穴11cの内周面に形成される円周溝には、樹脂製のシール材や金属製の滑り材が嵌め込まれている。
ガイドロッド12は、第二蓋体113において第二貫通穴11bを取り囲む位置であって、第三貫通穴11cの形成位置から外れた位置に立設される。ガイドロッド12は、その先端12aで軸受部13を固定支持するとともに、出力軸2の上部に取り付けられる摺動部23を摺道自在に支持して、出力軸2のスムーズな前後動を保証するものである。
軸受部13は、周縁部がガイドロッド12の先端12aに固定支持される部材であって、中央部には、貫通穴13aが形成され、貫通穴13aには、ボールネジ14を回転自在に支持するローラーベアリング131が取り付けられている。また、軸受部13のガイドロッド12側(図中の下側)には、回転ローラー132aを備えたフック戻し機構132が設けられている。フック戻し機構132は、出力軸2が初期位置(図1に示される位置)に戻るときに回転ローラー132aをフック35に接触させて、フック35を、図3に示されるように内方に倒れ込んで出力軸2より外れた状態から、図1に示されるように起立して出力軸2に係合した状態に回動させる。
ボールネジ14は、入力軸3に設けられるボールブッシュ33と組み合わされることにより、入力軸3をその軸方向(図中の上下方向)に直動させる回転−直動変換機構を構成する。ボールネジ14は、ローラーベアリング131から外方に突出する先端14aに、プーリー141が固定されており、プーリー141に巻き掛けされるベルト142を介して、不図示のサーボモーターにより正逆回転可能とされている。また、ボールネジ14の先端14aには、不図示のエンコーダーが設けられており、そのエンコーダーからの出力に基づいて、ボールネジ14の回転数が正確に割り出されるようになっている。
出力軸2は、主として、中空円筒状の出力軸本体21と、出力軸本体21の中途部において出力軸本体21と一体形成されるとともに筒軸方向に貫通形成される第一連通穴22bを備える環状の第一ピストン22と、出力軸本体21の後端(図中の上端)に取り付けられて中央部に貫通穴23aが形成される板状の摺動部23と、摺動部23の後面(図中の上面)に取り付けられる複数個のシリンダーユニット24と、シリンダーユニット24に後端25aを連結された状態で前記筒軸方向に延びる軸体であって第三貫通穴11cに挿通される駆動ロッド25と、駆動ロッド25の先端25bに設けられて第一連通穴22bを開放・閉鎖するための弁体26と、からなる。
出力軸本体21は、その先端が本加圧装置による加圧処理を行う際の加圧面2aとなるものであって、外周面21aをもって第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bに摺動支持されており、外周面21aと固定部本体11(筒体111)の内周面11dとの間に、第一流体室A1及び第二流体室A2を規定する。第一流体室A1及び第二流体室A2には、流体(油)が充填されているが、第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bの内周面に嵌め込まれているシール材によって、油が固定部本体11の外部に洩れ出さないように封入されている。なお、出力軸本体21の側面には、第二流体室A2と後述する第三流体室A3を連通する第二連通穴21dが、外周面21aから内周面21bへ貫通するように周方向に所定間隔をおいて複数個形成されている。
第一ピストン22は、出力軸本体21の外周面21aより外径方向に突出するように、かつ、その外周面22aが固定部本体11の内周面11dに沿うように形成されており、第一流体室A1と第二流体室A2を筒軸方向で区画する。第一ピストン22の外周面22aには、シール材、滑り材が嵌め込まれており、固定部本体11の内周面11dとの隙間は、第一流体室A1と第二流体室A2の相互間における油洩れが発生しないようにシールされている。なお、第一ピストン22には、筒軸方向に貫通形成される第一連通穴22bが形成されているため、固定部1と出力軸2との相対摺動によって、第一ピストン22が上下摺動するときに、第一流体室A1及び第二流体室A2に充填されている油が第一連通穴22bを通して相互に移動可能となっている。なお、出力軸本体21において、第一ピストン22が一体形成される部分の内周面21cは、その部分以外の内周面21bより小径に絞られている。
摺動部23は、中央部に大径の貫通穴23aが形成される板状体であって、出力軸本体21の後端にボルトで固定されている。貫通穴23aは、ボールネジ14を貫挿させるほか、その周縁部に入力軸3に設けられるフック35を係合させて、出力軸2と入力軸3を直結(相対移動が生じないように連結)するために利用される。摺動部23の周縁部のガイドロッド12に対応する位置には第一挿通穴23bが形成されており、出力軸2の上下動に応じてガイドロッド12と第一挿通穴23bが摺動するようになっている。すなわち、摺動部23は、出力軸2の後端を摺動支持する役割を果たす。摺動部23の周縁部には、第一挿通穴23bとは別に、シリンダーユニット24の駆動軸24aを挿通させるための第二挿通穴23cが形成されている。なお、摺動部23の前面側のフック35に対応する位置には、エアシリンダー231が取り付けられており、その駆動軸231aがフック35を内方に押して解除位置(図2において一点鎖線で示される位置)まで回動させれば、フック35と貫通穴23aの係合を解除して、出力軸2と入力軸3を切り離すことができる。
シリンダーユニット24は、電気等によって進退する駆動軸24aが下方に向けられて第二挿通穴23cに挿通された状態で、摺動部23の後面に取付け固定されている。シリンダーユニット24は、駆動軸24aに取り付けられて下方に延びる駆動ロッド25を進退させて、駆動ロッド25の先端に設けられる弁体26を、第一連通穴22bを開放する開放位置(図1)あるいは閉鎖する閉鎖位置(図2,図3)のいずれかに配置させることができる。
駆動ロッド25は、後端25aが駆動軸24aに連結されるとともに出力軸2の軸方向(摺動方向)に延びており、軸方向の中途部が第三貫通穴11cに摺動支持され、先端25bが第二流体室A2内に露出している。駆動ロッド25は、第三貫通穴11cに摺動支持されているが、第三貫通穴11cと駆動ロッド25の隙間は、第三貫通穴11cの内周面に設けられる円周溝に嵌めこまれた環状のシール材によって密封されており、第二流体室A2内の油が外部に洩れ出さないようにシール処理されている。なお、駆動ロッド25は、装置外部から目視可能に露出されている。
弁体26は、コマ状に形成されるとともに駆動ロッド25の先端25bに固定されている。駆動軸24aが下方に前進して弁体26が開放位置(図1)にあるときは、第一連通穴22bが開放されて、第一流体室A1の油を第一連通穴22bの全周方向から第二流体室A2へスムーズに流入させることができる。また、駆動軸24aが上方に後退して弁体26が閉鎖位置(図2又は図3)にあるときは、第一連通穴22bの第一流体室A1側の開口に着座して第一連通穴22bが閉鎖されることにより、第一流体室A1及び第二流体室A2の間の油移動を完全に阻止することができるようになっている。
入力軸3は、主として、円筒状の入力軸本体31と、入力軸本体31の上方において入力軸本体31と一体形成される環状の第二ピストン32と、入力軸本体31をその軸方向に貫通する穴に固定されてボールネジ14と組み合わせられるボールブッシュ33と、初期位置における出力軸2と入力軸3の軸方向の位置関係を規定するL字型のストッパ34と、出力軸2と入力軸3を直結するフック35と、からなる。
入力軸本体31は、出力軸本体21の内部に挿通される筒状体であって、その外周面31aが出力軸本体21の内周面21c(第一ピストン22に対応する位置の内周面)に摺動支持されており、一体形成される第二ピストン32の外周面32aが出力軸本体21の内周面21bと摺動支持されている。これにより、入力軸3が出力軸2に対して筒軸方向に摺動自在にされるとともに、入力軸本体31の外周面31aと出力軸本体21の内周面21bの間に第三流体室A3が規定される。なお、第三流体室A3に充填された油が、出力軸2と入力軸3の摺動面から洩れ出すことがないように、出力軸本体21の内周面21c及び第二ピストン32の外周面32aにはシール材が嵌め込まれ、また、所定の滑り具合を確保するための滑り材が嵌め込まれている。
第二ピストン32は、入力軸3を出力軸2に対して下方に相対移動させたときに、第三流体室A3を加圧圧縮して、第三流体室A3の内部に充填されている油を、第二連通穴21dを通して第二流体室A2に押し出す。第二流体室A2に押し出された油は、第二流体室A2にある第一ピストン22を押し下げる。ここで、第二ピストン32は、第二流体室A2にある第一ピストン22に比べて、加圧面積(筒軸方向と直交する方向の断面積)がかなり小さく設定されているため、第一ピストン22は、パスカルの原理により両ピストンの加圧面積の比率に応じた力で加圧されることとなる。すなわち、第一ピストン22、第二ピストン32、第二流体室A2及び第三流体室A3が組み合わされることにより、入力軸3と出力軸2を流体的に連結するとともに、第二ピストン32(入力軸3)からの入力を、パスカルの原理により増大させて、第一ピストン22(出力軸2)に伝達する流体圧機構(倍力機構)として作用することとなる。
ボールブッシュ33は、固定部1に回転支持されるボールネジ14と組み合わされて、不図示のサーボモーターでボールネジ14を回転駆動することにより、入力軸3を軸方向に往復移動させる回転−直動変換機構を構成する。ボールブッシュ33の上方には、ボールブッシュ33にグリスを供給するグリス供給ユニット331が取り付けられている。なお、入力軸3が共回りすることが無いように、ボールブッシュ33は、入力軸本体31の中心からオフセットされた位置に配置されている。
ストッパ34は、入力軸本体31の後端に取付け固定されるL字型部材であって、出力軸2の初期位置(図1)において、出力軸2の摺動部23の前面側に突き当てられることにより、出力軸2と入力軸3の軸方向の位置関係を規定する。なお、フック35は、この位置関係において、摺動部23の貫通穴23aに係合可能となるように設定されている。
フック35は、不図示のバネによって、図1に示されるように起立して摺動部23に係合する位置と、図3に示されるように倒れ込んで摺動部23との係合が解除される位置と、のいずれかの位置となるように回動支持されており、いずれの位置に回動させられている場合でも、外力が加えられない限りは、反対側の位置に回動することがないように設定されている。
圧力吸収機構4は、出力軸2が高推力加圧される際に圧縮される第一流体室A1の流体圧力を逃がすための機構である。圧力吸収機構4は、チャンバーケース41と、チャンバーケース41を軸方向で区画して第四流体室A4を規定するとともに、チャンバーケース41内を軸方向に摺動するチャンバーピストン42と、チャンバーピストン42が不用意に摺動しないようにチャンバーピストン42を支持するピストン保持スプリング43と、チャンバーピストン42から延びてチャンバーケース41の外部に突出するスケール軸44と、チャンバーケース41に固定されてスケール軸44を挿通させるように設けられる筒状のスケール軸カバー45と、スケール軸44とスケール軸カバー45の相対動き量を検出してデジタル表示する表示器46と、からなる。
チャンバーケース41は、筒状のシリンダー容器であって、その筒軸方向における第四流体室A4が形成される側の端部には、第四流体室A4をケース外部に連通する外部連通管411が取り付けられており、外部連通管411は、第二蓋体113に形成されて第一流体室A1に連通する第三連通穴11eに接続されている。したがって、第一流体室A1に加えられる圧力は、外部連通管411を通じて第四流体室A4に伝達されることとなる。チャンバーケース41の後面(上面)には、取り外し可能な蓋体412が設けられており、蓋体412を取り外して、チャンバーピストン42を取り出すことにより、圧力吸収機構4の整備や加圧装置への油補給を行うことができるようになっている。また、蓋体412には、貫通穴412aが形成されており、その貫通穴412aの上方には、スケール軸カバー45が取り付けられている。
チャンバーピストン42は、チャンバーケース41を軸方向に2つのスペースに区画して、その前面42b側に、流体が充填される第四流体室A4を規定するものであるが、その外周面42aにはシール材及び滑り材が備えられており、第四流体室A4から背面42c側にある他方のスペースへの流体洩れが生じないように、かつ、チャンバーケース41内をスムーズに摺動できるように構成されている。したがって、チャンバーピストン42は、第一流体室A1が圧縮されて、その流体圧力が第四流体室A4に伝達されたときに、図中の上方にスムーズに後退して第四流体室A4の容積を拡大することにより、流体圧力の上昇を吸収するものである。なお、チャンバーピストン42の加圧面積は、第一ピストン22の加圧面積と同一に設定されており、チャンバーピストン42の移動量は、高推力加圧時における第一ピストン22(出力軸2)の移動量と同一になるように設定されている。
ピストン保持スプリング43は、チャンバーピストン42の背面42c側に区画されるスペースに収容された状態で、チャンバーピストン42を背面42c側から支持する圧縮スプリングである。ピストン保持スプリング43は、第一連通穴22bが開放された状態で第一ピストン22が下方に高速移動して第一流体室A1(第四流体室A4)の流体圧力が僅かに上昇するぐらいでは、チャンバーピストン42を移動しないように保持する一方、第一連通穴22bが閉鎖された状態で第一ピストン22が高推力加圧して第一流体室A1(第四流体室A4)の流体圧力が大きく上昇するときには、チャンバーピストン42が上方に後退して流体圧力の上昇を吸収できるように設定されている。
スケール軸44は、一端がチャンバーピストン42の背面42cに固定された状態で、スケール軸カバー45に挿通されている。スケール軸44及びスケール軸カバー45には、それぞれ目盛が設けられて両者の相対移動量を読み取ることができるようにされており、また、スケール軸44(チャンバーピストン42)の移動量は、高推力加圧時における第一ピストン22の移動量と同一に設定されていることから、高推力加圧時における出力軸2の移動量を容易に測定することができるものである。
表示器46は、スケール軸44とスケール軸カバー45の相対移動量を検出して、その数値をデジタル表示することができるものであり、これにより、目盛を読み取らなくても出力軸2の移動量をモニターすることができるものである。また、表示器46から相対移動量を示す電気信号を出力させて、パソコン等で自動モニターさせるようにすれば、油洩れ等の故障を早期に発見することができる。
上記のように構成される加圧装置の作動について、以下に説明する。
図1は、出力軸2を高速移動させる前の初期状態を示す。出力軸2と入力軸3は、それぞれの後端に固定される摺動部23とストッパ34が当接されることにより、両軸の相対的な位置関係が規定されており、また、入力軸3に回動支持されるフック35がフック戻し機構132により起立させられて摺動部23に係合することにより、両軸は相対動きが生じないように連結されている。また、シリンダーユニット24の駆動軸24aは上方に後退しており、駆動ロッド25の先端25bに固定される弁体26は、図1に示されるように、第一連通穴22bを開放している。
上述した状態から、不図示のサーボモーターでボールネジ14を回転させて、回転−直動変換機構を作動させると、ボールブッシュ33が固定される入力軸3のみならず、出力軸2も下方移動を開始する。ここで、第一流体室A1は、出力軸2に一体形成される第一ピストン22によって容積を狭められることとなるが、第一流体室A1に充填されている油は、開放されている第一連通穴22bを通して、逆に容積が広げられる第二流体室A2に移動することとなるので、第一流体室A1に大きな流体圧力が加わることはなく、出力軸2の下方移動が阻害されることもない。
出力軸2は、図1に実線で示される位置から、出力軸2の加圧面2aが加圧位置に近接した位置(一点鎖線で示される位置)まで高速移動した後、サーボモーターの駆動停止に伴って停止する。出力軸2の停止後、次のように、高速移動から高推力加圧への切り替えが行われる。
切り替えが完了した後、サーボモーターでボールネジ14を再び回転させて、回転−直線変換機構を作動させると、入力軸3は再び下方移動を開始する。出力軸2と入力軸3とはフック35による直結が解除されており、両軸は相対移動させられるため、第三流体室A3は、入力軸3に一体形成される第二ピストン32によって容積を狭められ、第三流体室A3に充填されている油は、第二連通穴21dから第二流体室A2側に押し出される。第二流体室A2側に押し出された油は、第一ピストン22が一体成形される出力軸2を加圧するが、第一ピストン22は、第二ピストン32に比べて加圧面積が小さく設定されている。したがって、出力容量の小さなサーボモーターでも、パスカルの原理により、出力軸2を高推力加圧することができるものである。
高推力加圧が完了した後は、シリンダーユニット24を作動させて弁体26を後退させることにより第一連通穴22bを開放させるとともに、エアシリンダー231の駆動軸231aを後退させる。その後に、回転−直線変換機構を作動させて入力軸3を上方移動(後退)させることにより、ストッパ34を押し当てて、出力軸2を、図1に示される初期位置まで戻すことができる。
本実施形態に係る加圧装置には、上記のように構成される結果、下記のような特徴点を有する。
11a 第一貫通穴
11b 第二貫通穴
11c 第三貫通穴
2 出力軸
22 第一ピストン
22b 第一連通穴
24 シリンダーユニット(進退機構)
25 駆動ロッド(軸体)
26 弁体
3 入力軸
32 第二ピストン
4 圧力吸収機構
41 チャンバーケース
A1 第一流体室
A2 第二流体室
A3 第三流体室
前記入力軸を前記出力軸と相対移動を生じないように連結して、前記出力軸を高速移動すること、及び、前記入力軸と前記出力軸の相対移動を生じないようにする連結を解除して、前記入力軸を前記出力軸と相対移動させることにより、前記出力軸を高推力加圧すること、ができる加圧装置であって、
前記高速移動から前記高推力加圧に切替える切替え機構の動力源を、前記固定部の外側に設けたことを特徴とする加圧装置を提供する。
前記第一連通穴を開放するとともに、前記入力軸を前記出力軸と相対移動を生じないように連結して、前記出力軸の高速移動させること、及び、前記第一連通穴を閉鎖するとともに、前記入力軸と前記出力軸の相対移動を生じないようにする連結を解除して、前記入力軸を前記出力軸と相対移動させることにより、前記出力軸を高推力加圧すること、が選択的に実施できる加圧装置であって、
前記固定部には、前記第二流体室から外部に向けて、前記軸方向に延びる第三貫通穴が形成されており、前記第三貫通穴には、軸体が前記第三貫通穴を閉塞するように摺動支持されており、前記軸体の一端には、前記弁体が固定されており、他端には、前記固定部の外側に設けられる動力源が連結されており、該動力源が作動して前記弁体を前記軸方向に進退させることにより、第一連通穴を開放及び閉鎖させることを特徴とする加圧装置を提供する。
本実施形態に係る加圧装置は、図1乃至図3に示されるように、主として、固定部1と、固定部1に挿通されて軸方向に摺動可能に支持される出力軸2と、出力軸2に挿通されて出力軸2と同軸方向に相対移動可能に支持される入力軸3と、の三部材で構成される。入力軸3は、不図示の駆動源によって、軸方向における高速移動が可能となるように、かつ、出力軸2と直結(相対移動が生じないように連結)することが可能となるように設定されている。また、出力軸2と入力軸3との間には、パスカルの原理を利用した流体圧機構(倍力機構)が設けられており、両軸間に相対移動が生じたときに、入力軸3の推力が増大されて出力軸2に伝達されるようになっている。
固定部1は、主として、中空筒状の固定部本体11と、固定部本体11に固定されて固定部本体11の筒軸方向(図中の上下方向)に延びる複数本のガイドロッド12と、ガイドロッド12の先端12aに固定支持される板状の軸受部13と、及び軸受部13に回転自在に支持されるボールネジ14と、で構成され、固定側に設置される。
固定部本体11は、内断面円形で直管状の筒体111と、その両端の開口を覆うように取り付けられる第一蓋体112及び第二蓋体113とからなる。第一蓋体112及び第二蓋体113には、出力軸2を摺動支持するための第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bが形成されている。第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bは、同軸線上に、かつ、筒体111の内周径よりも小径に形成されており、それぞれの内周面には筒軸方向に間隔をおいて複数本の円周溝が彫り込まれている。各円周溝には、樹脂製のシール材や金属製の滑り材が嵌め込まれている。また、第二蓋体113において、第二貫通穴11bの周囲には、筒軸方向に貫通形成される第三貫通穴11cが複数個備えられており、第三貫通穴11cの内周面に形成される円周溝には、樹脂製のシール材や金属製の滑り材が嵌め込まれている。
ガイドロッド12は、第二蓋体113において第二貫通穴11bを取り囲む位置であって、第三貫通穴11cの形成位置から外れた位置に立設される。ガイドロッド12は、その先端12aで軸受部13を固定支持するとともに、出力軸2の上部に取り付けられる摺動部23を摺道自在に支持して、出力軸2のスムーズな前後動を保証するものである。
軸受部13は、周縁部がガイドロッド12の先端12aに固定支持される部材であって、中央部には、貫通穴13aが形成され、貫通穴13aには、ボールネジ14を回転自在に支持するローラーベアリング131が取り付けられている。また、軸受部13のガイドロッド12側(図中の下側)には、回転ローラー132aを備えたフック戻し機構132が設けられている。フック戻し機構132は、出力軸2が初期位置(図1に示される位置)に戻るときに回転ローラー132aをフック35に接触させて、フック35を、図3に示されるように内方に倒れ込んで出力軸2より外れた状態から、図1に示されるように起立して出力軸2に係合した状態に回動させる。
ボールネジ14は、入力軸3に設けられるボールブッシュ33と組み合わされることにより、入力軸3をその軸方向(図中の上下方向)に直動させる回転−直動変換機構を構成する。ボールネジ14は、ローラーベアリング131から外方に突出する先端14aに、プーリー141が固定されており、プーリー141に巻き掛けされるベルト142を介して、不図示のサーボモーターにより正逆回転可能とされている。また、ボールネジ14の先端14aには、不図示のエンコーダーが設けられており、そのエンコーダーからの出力に基づいて、ボールネジ14の回転数が正確に割り出されるようになっている。
出力軸2は、主として、中空円筒状の出力軸本体21と、出力軸本体21の中途部において出力軸本体21と一体形成されるとともに筒軸方向に貫通形成される第一連通穴22bを備える環状の第一ピストン22と、出力軸本体21の後端(図中の上端)に取り付けられて中央部に貫通穴23aが形成される板状の摺動部23と、摺動部23の後面(図中の上面)に取り付けられる複数個のシリンダーユニット24と、シリンダーユニット24に後端25aを連結された状態で前記筒軸方向に延びる軸体であって第三貫通穴11cに挿通される駆動ロッド25と、駆動ロッド25の先端25bに設けられて第一連通穴22bを開放・閉鎖するための弁体26と、からなる。
出力軸本体21は、その先端が本加圧装置による加圧処理を行う際の加圧面2aとなるものであって、外周面21aをもって第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bに摺動支持されており、外周面21aと固定部本体11(筒体111)の内周面11dとの間に、第一流体室A1及び第二流体室A2を規定する。第一流体室A1及び第二流体室A2には、流体(油)が充填されているが、第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bの内周面に嵌め込まれているシール材によって、油が固定部本体11の外部に洩れ出さないように封入されている。なお、出力軸本体21の側面には、第二流体室A2と後述する第三流体室A3を連通する第二連通穴21dが、外周面21aから内周面21bへ貫通するように周方向に所定間隔をおいて複数個形成されている。
第一ピストン22は、出力軸本体21の外周面21aより外径方向に突出するように、かつ、その外周面22aが固定部本体11の内周面11dに沿うように形成されており、第一流体室A1と第二流体室A2を筒軸方向で区画する。第一ピストン22の外周面22aには、シール材、滑り材が嵌め込まれており、固定部本体11の内周面11dとの隙間は、第一流体室A1と第二流体室A2の相互間における油洩れが発生しないようにシールされている。なお、第一ピストン22には、筒軸方向に貫通形成される第一連通穴22bが形成されているため、固定部1と出力軸2との相対摺動によって、第一ピストン22が上下摺動するときに、第一流体室A1及び第二流体室A2に充填されている油が第一連通穴22bを通して相互に移動可能となっている。なお、出力軸本体21において、第一ピストン22が一体形成される部分の内周面21cは、その部分以外の内周面21bより小径に絞られている。
摺動部23は、中央部に大径の貫通穴23aが形成される板状体であって、出力軸本体21の後端にボルトで固定されている。貫通穴23aは、ボールネジ14を貫挿させるほか、その周縁部に入力軸3に設けられるフック35を係合させて、出力軸2と入力軸3を直結(相対移動が生じないように連結)するために利用される。摺動部23の周縁部のガイドロッド12に対応する位置には第一挿通穴23bが形成されており、出力軸2の上下動に応じてガイドロッド12と第一挿通穴23bが摺動するようになっている。すなわち、摺動部23は、出力軸2の後端を摺動支持する役割を果たす。摺動部23の周縁部には、第一挿通穴23bとは別に、シリンダーユニット24の駆動軸24aを挿通させるための第二挿通穴23cが形成されている。なお、摺動部23の前面側のフック35に対応する位置には、エアシリンダー231が取り付けられており、その駆動軸231aがフック35を内方に押して解除位置(図2において一点鎖線で示される位置)まで回動させれば、フック35と貫通穴23aの係合を解除して、出力軸2と入力軸3を切り離すことができる。
シリンダーユニット24は、電気等によって進退する駆動軸24aが下方に向けられて第二挿通穴23cに挿通された状態で、摺動部23の後面に取付け固定されている。シリンダーユニット24は、駆動軸24aに取り付けられて下方に延びる駆動ロッド25を進退させて、駆動ロッド25の先端に設けられる弁体26を、第一連通穴22bを開放する開放位置(図1)あるいは閉鎖する閉鎖位置(図2,図3)のいずれかに配置させることができる。
駆動ロッド25は、後端25aが駆動軸24aに連結されるとともに出力軸2の軸方向(摺動方向)に延びており、軸方向の中途部が第三貫通穴11cに摺動支持され、先端25bが第二流体室A2内に露出している。駆動ロッド25は、第三貫通穴11cに摺動支持されているが、第三貫通穴11cと駆動ロッド25の隙間は、第三貫通穴11cの内周面に設けられる円周溝に嵌めこまれた環状のシール材によって密封されており、第二流体室A2内の油が外部に洩れ出さないようにシール処理されている。なお、駆動ロッド25は、装置外部から目視可能に露出されている。
弁体26は、コマ状に形成されるとともに駆動ロッド25の先端25bに固定されている。駆動軸24aが下方に前進して弁体26が開放位置(図1)にあるときは、第一連通穴22bが開放されて、第一流体室A1の油を第一連通穴22bの全周方向から第二流体室A2へスムーズに流入させることができる。また、駆動軸24aが上方に後退して弁体26が閉鎖位置(図2又は図3)にあるときは、第一連通穴22bの第一流体室A1側の開口に着座して第一連通穴22bが閉鎖されることにより、第一流体室A1及び第二流体室A2の間の油移動を完全に阻止することができるようになっている。
入力軸3は、主として、円筒状の入力軸本体31と、入力軸本体31の上方において入力軸本体31と一体形成される環状の第二ピストン32と、入力軸本体31をその軸方向に貫通する穴に固定されてボールネジ14と組み合わせられるボールブッシュ33と、初期位置における出力軸2と入力軸3の軸方向の位置関係を規定するL字型のストッパ34と、出力軸2と入力軸3を直結するフック35と、からなる。
入力軸本体31は、出力軸本体21の内部に挿通される筒状体であって、その外周面31aが出力軸本体21の内周面21c(第一ピストン22に対応する位置の内周面)に摺動支持されており、一体形成される第二ピストン32の外周面32aが出力軸本体21の内周面21bと摺動支持されている。これにより、入力軸3が出力軸2に対して筒軸方向に摺動自在にされるとともに、入力軸本体31の外周面31aと出力軸本体21の内周面21bの間に第三流体室A3が規定される。なお、第三流体室A3に充填された油が、出力軸2と入力軸3の摺動面から洩れ出すことがないように、出力軸本体21の内周面21c及び第二ピストン32の外周面32aにはシール材が嵌め込まれ、また、所定の滑り具合を確保するための滑り材が嵌め込まれている。
第二ピストン32は、入力軸3を出力軸2に対して下方に相対移動させたときに、第三流体室A3を加圧圧縮して、第三流体室A3の内部に充填されている油を、第二連通穴21dを通して第二流体室A2に押し出す。第二流体室A2に押し出された油は、第二流体室A2にある第一ピストン22を押し下げる。ここで、第二ピストン32は、第二流体室A2にある第一ピストン22に比べて、加圧面積(筒軸方向と直交する方向の断面積)がかなり小さく設定されているため、第一ピストン22は、パスカルの原理により両ピストンの加圧面積の比率に応じた力で加圧されることとなる。すなわち、第一ピストン22、第二ピストン32、第二流体室A2及び第三流体室A3が組み合わされることにより、入力軸3と出力軸2を流体的に連結するとともに、第二ピストン32(入力軸3)からの入力を、パスカルの原理により増大させて、第一ピストン22(出力軸2)に伝達する流体圧機構(倍力機構)として作用することとなる。
ボールブッシュ33は、固定部1に回転支持されるボールネジ14と組み合わされて、不図示のサーボモーターでボールネジ14を回転駆動することにより、入力軸3を軸方向に往復移動させる回転−直動変換機構を構成する。ボールブッシュ33の上方には、ボールブッシュ33にグリスを供給するグリス供給ユニット331が取り付けられている。なお、入力軸3が共回りすることが無いように、ボールブッシュ33は、入力軸本体31の中心からオフセットされた位置に配置されている。
ストッパ34は、入力軸本体31の後端に取付け固定されるL字型部材であって、出力軸2の初期位置(図1)において、出力軸2の摺動部23の前面側に突き当てられることにより、出力軸2と入力軸3の軸方向の位置関係を規定する。なお、フック35は、この位置関係において、摺動部23の貫通穴23aに係合可能となるように設定されている。
フック35は、不図示のバネによって、図1に示されるように起立して摺動部23に係合する位置と、図3に示されるように倒れ込んで摺動部23との係合が解除される位置と、のいずれかの位置となるように回動支持されており、いずれの位置に回動させられている場合でも、外力が加えられない限りは、反対側の位置に回動することがないように設定されている。
圧力吸収機構4は、出力軸2が高推力加圧される際に圧縮される第一流体室A1の流体圧力を逃がすための機構である。圧力吸収機構4は、チャンバーケース41と、チャンバーケース41を軸方向で区画して第四流体室A4を規定するとともに、チャンバーケース41内を軸方向に摺動するチャンバーピストン42と、チャンバーピストン42が不用意に摺動しないようにチャンバーピストン42を支持するピストン保持スプリング43と、チャンバーピストン42から延びてチャンバーケース41の外部に突出するスケール軸44と、チャンバーケース41に固定されてスケール軸44を挿通させるように設けられる筒状のスケール軸カバー45と、スケール軸44とスケール軸カバー45の相対動き量を検出してデジタル表示する表示器46と、からなる。
チャンバーケース41は、筒状のシリンダー容器であって、その筒軸方向における第四流体室A4が形成される側の端部には、第四流体室A4をケース外部に連通する外部連通管411が取り付けられており、外部連通管411は、第二蓋体113に形成されて第一流体室A1に連通する第三連通穴11eに接続されている。したがって、第一流体室A1に加えられる圧力は、外部連通管411を通じて第四流体室A4に伝達されることとなる。チャンバーケース41の後面(上面)には、取り外し可能な蓋体412が設けられており、蓋体412を取り外して、チャンバーピストン42を取り出すことにより、圧力吸収機構4の整備や加圧装置への油補給を行うことができるようになっている。また、蓋体412には、貫通穴412aが形成されており、その貫通穴412aの上方には、スケール軸カバー45が取り付けられている。
チャンバーピストン42は、チャンバーケース41を軸方向に2つのスペースに区画して、その前面42b側に、流体が充填される第四流体室A4を規定するものであるが、その外周面42aにはシール材及び滑り材が備えられており、第四流体室A4から背面42c側にある他方のスペースへの流体洩れが生じないように、かつ、チャンバーケース41内をスムーズに摺動できるように構成されている。したがって、チャンバーピストン42は、第一流体室A1が圧縮されて、その流体圧力が第四流体室A4に伝達されたときに、図中の上方にスムーズに後退して第四流体室A4の容積を拡大することにより、流体圧力の上昇を吸収するものである。なお、チャンバーピストン42の加圧面積は、第一ピストン22の加圧面積と同一に設定されており、チャンバーピストン42の移動量は、高推力加圧時における第一ピストン22(出力軸2)の移動量と同一になるように設定されている。
ピストン保持スプリング43は、チャンバーピストン42の背面42c側に区画されるスペースに収容された状態で、チャンバーピストン42を背面42c側から支持する圧縮スプリングである。ピストン保持スプリング43は、第一連通穴22bが開放された状態で第一ピストン22が下方に高速移動して第一流体室A1(第四流体室A4)の流体圧力が僅かに上昇するぐらいでは、チャンバーピストン42を移動しないように保持する一方、第一連通穴22bが閉鎖された状態で第一ピストン22が高推力加圧して第一流体室A1(第四流体室A4)の流体圧力が大きく上昇するときには、チャンバーピストン42が上方に後退して流体圧力の上昇を吸収できるように設定されている。
スケール軸44は、一端がチャンバーピストン42の背面42cに固定された状態で、スケール軸カバー45に挿通されている。スケール軸44及びスケール軸カバー45には、それぞれ目盛が設けられて両者の相対移動量を読み取ることができるようにされており、また、スケール軸44(チャンバーピストン42)の移動量は、高推力加圧時における第一ピストン22の移動量と同一に設定されていることから、高推力加圧時における出力軸2の移動量を容易に測定することができるものである。
表示器46は、スケール軸44とスケール軸カバー45の相対移動量を検出して、その数値をデジタル表示することができるものであり、これにより、目盛を読み取らなくても出力軸2の移動量をモニターすることができるものである。また、表示器46から相対移動量を示す電気信号を出力させて、パソコン等で自動モニターさせるようにすれば、油洩れ等の故障を早期に発見することができる。
上記のように構成される加圧装置の作動について、以下に説明する。
図1は、出力軸2を高速移動させる前の初期状態を示す。出力軸2と入力軸3は、それぞれの後端に固定される摺動部23とストッパ34が当接されることにより、両軸の相対的な位置関係が規定されており、また、入力軸3に回動支持されるフック35がフック戻し機構132により起立させられて摺動部23に係合することにより、両軸は相対動きが生じないように連結されている。また、シリンダーユニット24の駆動軸24aは上方に後退しており、駆動ロッド25の先端25bに固定される弁体26は、図1に示されるように、第一連通穴22bを開放している。
上述した状態から、不図示のサーボモーターでボールネジ14を回転させて、回転−直動変換機構を作動させると、ボールブッシュ33が固定される入力軸3のみならず、出力軸2も下方移動を開始する。ここで、第一流体室A1は、出力軸2に一体形成される第一ピストン22によって容積を狭められることとなるが、第一流体室A1に充填されている油は、開放されている第一連通穴22bを通して、逆に容積が広げられる第二流体室A2に移動することとなるので、第一流体室A1に大きな流体圧力が加わることはなく、出力軸2の下方移動が阻害されることもない。
出力軸2は、図1に実線で示される位置から、出力軸2の加圧面2aが加圧位置に近接した位置(一点鎖線で示される位置)まで高速移動した後、サーボモーターの駆動停止に伴って停止する。出力軸2の停止後、次のように、高速移動から高推力加圧への切り替えが行われる。
切り替えが完了した後、サーボモーターでボールネジ14を再び回転させて、回転−直線変換機構を作動させると、入力軸3は再び下方移動を開始する。出力軸2と入力軸3とはフック35による直結が解除されており、両軸は相対移動させられるため、第三流体室A3は、入力軸3に一体形成される第二ピストン32によって容積を狭められ、第三流体室A3に充填されている油は、第二連通穴21dから第二流体室A2側に押し出される。第二流体室A2側に押し出された油は、第一ピストン22が一体成形される出力軸2を加圧するが、第一ピストン22は、第二ピストン32に比べて加圧面積が小さく設定されている。したがって、出力容量の小さなサーボモーターでも、パスカルの原理により、出力軸2を高推力加圧することができるものである。
高推力加圧が完了した後は、シリンダーユニット24を作動させて弁体26を後退させることにより第一連通穴22bを開放させるとともに、エアシリンダー231の駆動軸231aを後退させる。その後に、回転−直線変換機構を作動させて入力軸3を上方移動(後退)させることにより、ストッパ34を押し当てて、出力軸2を、図1に示される初期位置まで戻すことができる。
本実施形態に係る加圧装置には、上記のように構成される結果、下記のような特徴点を有する。
11a 第一貫通穴
11b 第二貫通穴
11c 第三貫通穴
2 出力軸
22 第一ピストン
22b 第一連通穴
24 シリンダーユニット(進退機構)
25 駆動ロッド(軸体)
26 弁体
3 入力軸
32 第二ピストン
4 圧力吸収機構
41 チャンバーケース
A1 第一流体室
A2 第二流体室
A3 第三流体室
本実施形態に係る加圧装置は、図1乃至図3に示されるように、主として、固定部1と、固定部1に挿通されて軸方向に摺動可能に支持される出力軸2と、出力軸2に挿通されて出力軸2と同軸方向に相対移動可能に支持される入力軸3と、の三部材で構成される。入力軸3は、不図示の駆動源によって、軸方向における高速移動が可能となるように、かつ、出力軸2と直結(相対移動が生じないように連結)することが可能となるように設定されている。また、出力軸2と入力軸3との間には、パスカルの原理を利用した流体圧機構(倍力機構)が設けられており、両軸間に相対移動が生じたときに、入力軸3の推力が増大されて出力軸2に伝達されるようになっている。
固定部1は、主として、中空筒状の固定部本体11と、固定部本体11に固定されて固定部本体11の筒軸方向(図中の上下方向)に延びる複数本のガイドロッド12と、ガイドロッド12の先端12aに固定支持される板状の軸受部13と、及び軸受部13に回転自在に支持されるボールネジ14と、で構成され、固定側に設置される。
固定部本体11は、内断面円形で直管状の筒体111と、その両端の開口を覆うように取り付けられる第一蓋体112及び第二蓋体113とからなる。第一蓋体112及び第二蓋体113には、出力軸2を摺動支持するための第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bが形成されている。第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bは、同軸線上に、かつ、筒体111の内周径よりも小径に形成されており、それぞれの内周面には筒軸方向に間隔をおいて複数本の円周溝が彫り込まれている。各円周溝には、樹脂製のシール材や金属製の滑り材が嵌め込まれている。また、第二蓋体113において、第二貫通穴11bの周囲には、筒軸方向に貫通形成される第三貫通穴11cが複数個備えられており、第三貫通穴11cの内周面に形成される円周溝には、樹脂製のシール材や金属製の滑り材が嵌め込まれている。
ガイドロッド12は、第二蓋体113において第二貫通穴11bを取り囲む位置であって、第三貫通穴11cの形成位置から外れた位置に立設される。ガイドロッド12は、その先端12aで軸受部13を固定支持するとともに、出力軸2の上部に取り付けられる摺動部23を摺道自在に支持して、出力軸2のスムーズな前後動を保証するものである。
軸受部13は、周縁部がガイドロッド12の先端12aに固定支持される部材であって、中央部には、貫通穴13aが形成され、貫通穴13aには、ボールネジ14を回転自在に支持するローラーベアリング131が取り付けられている。また、軸受部13のガイドロッド12側(図中の下側)には、回転ローラー132aを備えたフック戻し機構132が設けられている。フック戻し機構132は、出力軸2が初期位置(図1に示される位置)に戻るときに回転ローラー132aをフック35に接触させて、フック35を、図3に示されるように内方に倒れ込んで出力軸2より外れた状態から、図1に示されるように起立して出力軸2に係合した状態に回動させる。
ボールネジ14は、入力軸3に設けられるボールブッシュ33と組み合わされることにより、入力軸3をその軸方向(図中の上下方向)に直動させる回転−直動変換機構を構成する。ボールネジ14は、ローラーベアリング131から外方に突出する先端14aに、プーリー141が固定されており、プーリー141に巻き掛けされるベルト142を介して、不図示のサーボモーターにより正逆回転可能とされている。また、ボールネジ14の先端14aには、不図示のエンコーダーが設けられており、そのエンコーダーからの出力に基づいて、ボールネジ14の回転数が正確に割り出されるようになっている。
出力軸2は、主として、中空円筒状の出力軸本体21と、出力軸本体21の中途部において出力軸本体21と一体形成されるとともに筒軸方向に貫通形成される第一連通穴22bを備える環状の第一ピストン22と、出力軸本体21の後端(図中の上端)に取り付けられて中央部に貫通穴23aが形成される板状の摺動部23と、摺動部23の後面(図中の上面)に取り付けられる複数個のシリンダーユニット24と、シリンダーユニット24に後端25aを連結された状態で前記筒軸方向に延びる軸体であって第三貫通穴11cに挿通される駆動ロッド25と、駆動ロッド25の先端25bに設けられて第一連通穴22bを開放・閉鎖するための弁体26と、からなる。
出力軸本体21は、その先端が本加圧装置による加圧処理を行う際の加圧面2aとなるものであって、外周面21aをもって第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bに摺動支持されており、外周面21aと固定部本体11(筒体111)の内周面11dとの間に、第一流体室A1及び第二流体室A2を規定する。第一流体室A1及び第二流体室A2には、流体(油)が充填されているが、第一貫通穴11a及び第二貫通穴11bの内周面に嵌め込まれているシール材によって、油が固定部本体11の外部に洩れ出さないように封入されている。なお、出力軸本体21の側面には、第二流体室A2と後述する第三流体室A3を連通する第二連通穴21dが、外周面21aから内周面21bへ貫通するように周方向に所定間隔をおいて複数個形成されている。
第一ピストン22は、出力軸本体21の外周面21aより外径方向に突出するように、かつ、その外周面22aが固定部本体11の内周面11dに沿うように形成されており、第一流体室A1と第二流体室A2を筒軸方向で区画する。第一ピストン22の外周面22aには、シール材、滑り材が嵌め込まれており、固定部本体11の内周面11dとの隙間は、第一流体室A1と第二流体室A2の相互間における油洩れが発生しないようにシールされている。なお、第一ピストン22には、筒軸方向に貫通形成される第一連通穴22bが形成されているため、固定部1と出力軸2との相対摺動によって、第一ピストン22が上下摺動するときに、第一流体室A1及び第二流体室A2に充填されている油が第一連通穴22bを通して相互に移動可能となっている。なお、出力軸本体21において、第一ピストン22が一体形成される部分の内周面21cは、その部分以外の内周面21bより小径に絞られている。
摺動部23は、中央部に大径の貫通穴23aが形成される板状体であって、出力軸本体21の後端にボルトで固定されている。貫通穴23aは、ボールネジ14を貫挿させるほか、その周縁部に入力軸3に設けられるフック35を係合させて、出力軸2と入力軸3を直結(相対移動が生じないように連結)するために利用される。摺動部23の周縁部のガイドロッド12に対応する位置には第一挿通穴23bが形成されており、出力軸2の上下動に応じてガイドロッド12と第一挿通穴23bが摺動するようになっている。すなわち、摺動部23は、出力軸2の後端を摺動支持する役割を果たす。摺動部23の周縁部には、第一挿通穴23bとは別に、シリンダーユニット24の駆動軸24aを挿通させるための第二挿通穴23cが形成されている。なお、摺動部23の前面側のフック35に対応する位置には、エアシリンダー231が取り付けられており、その駆動軸231aがフック35を内方に押して解除位置(図2において一点鎖線で示される位置)まで回動させれば、フック35と貫通穴23aの係合を解除して、出力軸2と入力軸3を切り離すことができる。
シリンダーユニット24は、電気等によって進退する駆動軸24aが下方に向けられて第二挿通穴23cに挿通された状態で、摺動部23の後面に取付け固定されている。シリンダーユニット24は、駆動軸24aに取り付けられて下方に延びる駆動ロッド25を進退させて、駆動ロッド25の先端に設けられる弁体26を、第一連通穴22bを開放する開放位置(図1)あるいは閉鎖する閉鎖位置(図2,図3)のいずれかに配置させることができる。
駆動ロッド25は、後端25aが駆動軸24aに連結されるとともに出力軸2の軸方向(摺動方向)に延びており、軸方向の中途部が第三貫通穴11cに摺動支持され、先端25bが第二流体室A2内に露出している。駆動ロッド25は、第三貫通穴11cに摺動支持されているが、第三貫通穴11cと駆動ロッド25の隙間は、第三貫通穴11cの内周面に設けられる円周溝に嵌めこまれた環状のシール材によって密封されており、第二流体室A2内の油が外部に洩れ出さないようにシール処理されている。なお、駆動ロッド25は、装置外部から目視可能に露出されている。
弁体26は、コマ状に形成されるとともに駆動ロッド25の先端25bに固定されている。駆動軸24aが下方に前進して弁体26が開放位置(図1)にあるときは、第一連通穴22bが開放されて、第一流体室A1の油を第一連通穴22bの全周方向から第二流体室A2へスムーズに流入させることができる。また、駆動軸24aが上方に後退して弁体26が閉鎖位置(図2又は図3)にあるときは、第一連通穴22bの第一流体室A1側の開口に着座して第一連通穴22bが閉鎖されることにより、第一流体室A1及び第二流体室A2の間の油移動を完全に阻止することができるようになっている。
入力軸3は、主として、円筒状の入力軸本体31と、入力軸本体31の上方において入力軸本体31と一体形成される環状の第二ピストン32と、入力軸本体31をその軸方向に貫通する穴に固定されてボールネジ14と組み合わせられるボールブッシュ33と、初期位置における出力軸2と入力軸3の軸方向の位置関係を規定するL字型のストッパ34と、出力軸2と入力軸3を直結するフック35と、からなる。
入力軸本体31は、出力軸本体21の内部に挿通される筒状体であって、その外周面31aが出力軸本体21の内周面21c(第一ピストン22に対応する位置の内周面)に摺動支持されており、一体形成される第二ピストン32の外周面32aが出力軸本体21の内周面21bと摺動支持されている。これにより、入力軸3が出力軸2に対して筒軸方向に摺動自在にされるとともに、入力軸本体31の外周面31aと出力軸本体21の内周面21bの間に第三流体室A3が規定される。なお、第三流体室A3に充填された油が、出力軸2と入力軸3の摺動面から洩れ出すことがないように、出力軸本体21の内周面21c及び第二ピストン32の外周面32aにはシール材が嵌め込まれ、また、所定の滑り具合を確保するための滑り材が嵌め込まれている。
第二ピストン32は、入力軸3を出力軸2に対して下方に相対移動させたときに、第三流体室A3を加圧圧縮して、第三流体室A3の内部に充填されている油を、第二連通穴21dを通して第二流体室A2に押し出す。第二流体室A2に押し出された油は、第二流体室A2にある第一ピストン22を押し下げる。ここで、第二ピストン32は、第二流体室A2にある第一ピストン22に比べて、加圧面積(筒軸方向と直交する方向の断面積)がかなり小さく設定されているため、第一ピストン22は、パスカルの原理により両ピストンの加圧面積の比率に応じた力で加圧されることとなる。すなわち、第一ピストン22、第二ピストン32、第二流体室A2及び第三流体室A3が組み合わされることにより、入力軸3と出力軸2を流体的に連結するとともに、第二ピストン32(入力軸3)からの入力を、パスカルの原理により増大させて、第一ピストン22(出力軸2)に伝達する流体圧機構(倍力機構)として作用することとなる。
ボールブッシュ33は、固定部1に回転支持されるボールネジ14と組み合わされて、不図示のサーボモーターでボールネジ14を回転駆動することにより、入力軸3を軸方向に往復移動させる回転−直動変換機構を構成する。ボールブッシュ33の上方には、ボールブッシュ33にグリスを供給するグリス供給ユニット331が取り付けられている。なお、入力軸3が共回りすることが無いように、ボールブッシュ33は、入力軸本体31の中心からオフセットされた位置に配置されている。
ストッパ34は、入力軸本体31の後端に取付け固定されるL字型部材であって、出力軸2の初期位置(図1)において、出力軸2の摺動部23の前面側に突き当てられることにより、出力軸2と入力軸3の軸方向の位置関係を規定する。なお、フック35は、この位置関係において、摺動部23の貫通穴23aに係合可能となるように設定されている。
フック35は、不図示のバネによって、図1に示されるように起立して摺動部23に係合する位置と、図3に示されるように倒れ込んで摺動部23との係合が解除される位置と、のいずれかの位置となるように回動支持されており、いずれの位置に回動させられている場合でも、外力が加えられない限りは、反対側の位置に回動することがないように設定されている。
圧力吸収機構4は、出力軸2が高推力加圧される際に圧縮される第一流体室A1の流体圧力を逃がすための機構である。圧力吸収機構4は、チャンバーケース41と、チャンバーケース41を軸方向で区画して第四流体室A4を規定するとともに、チャンバーケース41内を軸方向に摺動するチャンバーピストン42と、チャンバーピストン42が不用意に摺動しないようにチャンバーピストン42を支持するピストン保持スプリング43と、チャンバーピストン42から延びてチャンバーケース41の外部に突出するスケール軸44と、チャンバーケース41に固定されてスケール軸44を挿通させるように設けられる筒状のスケール軸カバー45と、スケール軸44とスケール軸カバー45の相対動き量を検出してデジタル表示する表示器46と、からなる。
チャンバーケース41は、筒状のシリンダー容器であって、その筒軸方向における第四流体室A4が形成される側の端部には、第四流体室A4をケース外部に連通する外部連通管411が取り付けられており、外部連通管411は、第二蓋体113に形成されて第一流体室A1に連通する第三連通穴11eに接続されている。したがって、第一流体室A1に加えられる圧力は、外部連通管411を通じて第四流体室A4に伝達されることとなる。チャンバーケース41の後面(上面)には、取り外し可能な蓋体412が設けられており、蓋体412を取り外して、チャンバーピストン42を取り出すことにより、圧力吸収機構4の整備や加圧装置への油補給を行うことができるようになっている。また、蓋体412には、貫通穴412aが形成されており、その貫通穴412aの上方には、スケール軸カバー45が取り付けられている。
チャンバーピストン42は、チャンバーケース41を軸方向に2つのスペースに区画して、その前面42b側に、流体が充填される第四流体室A4を規定するものであるが、その外周面42aにはシール材及び滑り材が備えられており、第四流体室A4から背面42c側にある他方のスペースへの流体洩れが生じないように、かつ、チャンバーケース41内をスムーズに摺動できるように構成されている。したがって、チャンバーピストン42は、第一流体室A1が圧縮されて、その流体圧力が第四流体室A4に伝達されたときに、図中の上方にスムーズに後退して第四流体室A4の容積を拡大することにより、流体圧力の上昇を吸収するものである。なお、チャンバーピストン42の加圧面積は、第一ピストン22の加圧面積と同一に設定されており、チャンバーピストン42の移動量は、高推力加圧時における第一ピストン22(出力軸2)の移動量と同一になるように設定されている。
ピストン保持スプリング43は、チャンバーピストン42の背面42c側に区画されるスペースに収容された状態で、チャンバーピストン42を背面42c側から支持する圧縮スプリングである。ピストン保持スプリング43は、第一連通穴22bが開放された状態で第一ピストン22が下方に高速移動して第一流体室A1(第四流体室A4)の流体圧力が僅かに上昇するぐらいでは、チャンバーピストン42を移動しないように保持する一方、第一連通穴22bが閉鎖された状態で第一ピストン22が高推力加圧して第一流体室A1(第四流体室A4)の流体圧力が大きく上昇するときには、チャンバーピストン42が上方に後退して流体圧力の上昇を吸収できるように設定されている。
スケール軸44は、一端がチャンバーピストン42の背面42cに固定された状態で、スケール軸カバー45に挿通されている。スケール軸44及びスケール軸カバー45には、それぞれ目盛が設けられて両者の相対移動量を読み取ることができるようにされており、また、スケール軸44(チャンバーピストン42)の移動量は、高推力加圧時における第一ピストン22の移動量と同一に設定されていることから、高推力加圧時における出力軸2の移動量を容易に測定することができるものである。
表示器46は、スケール軸44とスケール軸カバー45の相対移動量を検出して、その数値をデジタル表示することができるものであり、これにより、目盛を読み取らなくても出力軸2の移動量をモニターすることができるものである。また、表示器46から相対移動量を示す電気信号を出力させて、パソコン等で自動モニターさせるようにすれば、油洩れ等の故障を早期に発見することができる。
上記のように構成される加圧装置の作動について、以下に説明する。
図1は、出力軸2を高速移動させる前の初期状態を示す。出力軸2と入力軸3は、それぞれの後端に固定される摺動部23とストッパ34が当接されることにより、両軸の相対的な位置関係が規定されており、また、入力軸3に回動支持されるフック35がフック戻し機構132により起立させられて摺動部23に係合することにより、両軸は相対動きが生じないように連結されている。また、シリンダーユニット24の駆動軸24aは上方に後退しており、駆動ロッド25の先端25bに固定される弁体26は、図1に示されるように、第一連通穴22bを開放している。
上述した状態から、不図示のサーボモーターでボールネジ14を回転させて、回転−直動変換機構を作動させると、ボールブッシュ33が固定される入力軸3のみならず、出力軸2も下方移動を開始する。ここで、第一流体室A1は、出力軸2に一体形成される第一ピストン22によって容積を狭められることとなるが、第一流体室A1に充填されている油は、開放されている第一連通穴22bを通して、逆に容積が広げられる第二流体室A2に移動することとなるので、第一流体室A1に大きな流体圧力が加わることはなく、出力軸2の下方移動が阻害されることもない。
出力軸2は、図1に実線で示される位置から、出力軸2の加圧面2aが加圧位置に近接した位置(一点鎖線で示される位置)まで高速移動した後、サーボモーターの駆動停止に伴って停止する。出力軸2の停止後、次のように、高速移動から高推力加圧への切り替えが行われる。
切り替えが完了した後、サーボモーターでボールネジ14を再び回転させて、回転−直線変換機構を作動させると、入力軸3は再び下方移動を開始する。出力軸2と入力軸3とはフック35による直結が解除されており、両軸は相対移動させられるため、第三流体室A3は、入力軸3に一体形成される第二ピストン32によって容積を狭められ、第三流体室A3に充填されている油は、第二連通穴21dから第二流体室A2側に押し出される。第二流体室A2側に押し出された油は、第一ピストン22が一体成形される出力軸2を加圧するが、第一ピストン22は、第二ピストン32に比べて加圧面積が小さく設定されている。したがって、出力容量の小さなサーボモーターでも、パスカルの原理により、出力軸2を高推力加圧することができるものである。
高推力加圧が完了した後は、シリンダーユニット24を作動させて弁体26を後退させることにより第一連通穴22bを開放させるとともに、エアシリンダー231の駆動軸231aを後退させる。その後に、回転−直線変換機構を作動させて入力軸3を上方移動(後退)させることにより、ストッパ34を押し当てて、出力軸2を、図1に示される初期位置まで戻すことができる。
本実施形態に係る加圧装置には、上記のように構成される結果、下記のような特徴点を有する。
11a 第一貫通穴
11b 第二貫通穴
11c 第三貫通穴
2 出力軸
22 第一ピストン
22b 第一連通穴
24 シリンダーユニット(進退機構)
25 駆動ロッド(軸体)
26 弁体
3 入力軸
32 第二ピストン
4 圧力吸収機構
41 チャンバーケース
A1 第一流体室
A2 第二流体室
A3 第三流体室
Claims (5)
- 筒軸方向の両端に第一貫通穴及び第二貫通穴が形成される中空筒状体を有する固定部と、
前記第一貫通穴及び前記第二貫通穴により摺動支持される中空筒状体を有し、前記固定部との間に、第一流体室及び第二流体室を規定する出力軸と、
該出力軸に一体形成され、前記第一流体室と前記第二流体室とを区画するとともに、前記第一流体室と前記第二流体室を連通する第一連通穴を備える第一ピストンと、
前記第一連通穴を開放及び閉鎖可能な弁体と、
前記出力軸に摺動支持されて、前記出力軸との間に、前記第二流体室と連通される第三流体室を形成する入力軸と、
該入力軸に一体形成され、前記入力軸の往復動に伴い第三流体室を拡縮させる、前記第一ピストンよりも加圧面積の小さい第二ピストンと、
前記第一流体室が前記第一ピストンにより高推力加圧されるときに、前記第一流体室の内部流体圧力を逃がす圧力吸収機構と、を備えてなり、
前記第一連通穴を開放するとともに前記入力軸と前記出力軸とを直結した状態で前記入力軸を移動させることによる、前記出力軸の高速移動と、
前記第一連通穴を閉鎖するとともに前記入力軸と前記出力軸とを流体的に連結した状態で前記入力軸を移動させることによる、前記出力軸の高推力加圧と、を選択的に実施することができる加圧装置であって、
前記固定部において、前記第二流体室から外部へ向けて、前記筒軸方向に延びる第三貫通穴が貫通形成されており、
前記第三貫通穴には、前記第三貫通穴を閉塞するように軸体が摺動支持されており、
該軸体の一端には、前記弁体が固定されており、他端には、前記出力軸に固定される進退機構が連結されており、
該進退機構が作動して前記弁体を前記筒軸方向に進退させることにより、第一連通穴を開閉させることを特徴とする加圧装置。 - 前記軸体は、作動状態が外部から目視可能となるように露出させられていることを特徴とする請求項1に記載の加圧装置。
- 前記圧力吸収機構は、内部圧力に応じて容積変化するチャンバーを前記第一流体室に連通させてなり、前記チャンバーは、前記固定部の外側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧装置。
- 前記チャンバーは、中空筒状体のチャンバーケースと、該チャンバーケース内において摺動支持される圧力吸収ピストンと、該圧力吸収ピストンの摺動距離を検出する測定器とを備えることを特徴とする請求項3に記載の加圧装置。
- 前記圧力吸収ピストンの加圧面積は、前記第一ピストンの加圧面積と同一であることを特徴とする請求項4に記載の加圧装置。
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