JP2006014630A - 大型魚の分割包装体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドリップ流出量の低い、大型魚の分割包装体及びその製造方法の提供。
【解決手段】 鮮度指標K値が3%以下の大型魚をブロックに分割し、プラスチックフィルムに密封包装する。この包装体は、10℃以下の温度で貯蔵または輸送され冷却される。
マグロの分割包装に適しており、変色が生ぜず、ドリップの流出量も顕著に低い。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生鮮大型魚、特に生鮮マグロの品質を有効に保持し、ドリップ流出量の少ない分割包装体及びその製造方法に関するものである。
大型魚、特にマグロ、カツオ等は切断によって肉面が空気中に露出すると、主要色素ミオグロビンの酸化による変色や、脂質酸化による異臭が生じ、1〜2日で商品価値が失われてしまう。 したがって、マグロ、カツオ等を冷蔵(未凍結)で貯蔵あるいは輸送する場合は、肉面が露出するのを避け、 “ラウンド”(丸ごと)、“GG あるいは セミドレス”(鰓と内臓を除去した状態)、“ドレス”(鰓、内臓、頭を除去した状態)の形態をとるのが一般的である。
最近、新しい試みとして、マグロの産地においてマグロを分割後、酸素ガス透過度の低いプラスチックフィルムで密着包装して流通させる方法が考案され、上記ラウンド、GG、ドレス形態での輸送に比べて、“予め不要部分が除かれているので輸送コストが安く、最終加工時の廃棄処理の手間が省ける”、“部位別に包装されているので、末端流通業者は欲しい商品だけを手軽に購入できる”といったメリットを生み出している(特許文献1)。それゆえ、当該包装方法は蓄養マグロの流通分野において実用化されているが、一方では、新たな問題として、密着包装体内部へのマグロ肉汁(ドリップ)分離が指摘されている。すなわち、密着包装体を得るために、マグロブロックは真空包装機を用いて脱気・密着包装されるが、包装体内が減圧されているためマグロブロックからのドリップ流出が促進され、包装後の時間とともにドリップ流出量が多くなるという問題が指摘されている。
ドリップの流出は、包装体の外観劣化や魚肉の正味重量低下による商品ロスにつながるだけでなく、魚肉の本質的な品質低下を引き起こす原因にもなりうる。たとえば、包装体内に滞留したドリップは魚肉をふやかし変色や食感の低下を引き起こすことが知られている。また、皮付きの魚肉ブロックを包装した場合などは、皮表面に付着した細菌がドリップとともに清浄な可食部分に伝播し、魚肉全体が細菌に汚染されてしまうこともある。したがって、包装体内におけるドリップの流出量は出来る限り少ないのが望ましく、たとえわずかなドリップ低減効果であっても、そのメリットは非常に大きい。ドリップ防止対策としては、一般的には、ドリップ吸収材料を包装体内に挿入し、ドリップによる商品外観の低下を防ぐことが行われるが、前述したドリップ流出による可食部正味重量の低下(マグロ肉歩留りの低下)を抑えることはできない(特許文献1)。また、ドリップ吸収材料自体の吸収性により、魚肉から強制的に液汁が吸い取られる場合もある。また、密着包装時における減圧条件の緩和もドリップロス抑制に有効と考えられるが、その場合は、不十分な脱気による気泡が残存し、当該部分において酸化変色が生じるという問題がある。
WO03/024236号公報
本発明は、上記のようなプラスチックフィルムによるマグロ等の大型魚の分割包装技術において指摘されている貯蔵・流通中のドリップロスを低減し、マグロ可食部の歩留り向上を達成するための大型魚分割包装体及びその製造方法を提供することを課題とする。
現行のマグロ出荷(ラウンド、GG、セミドレス、ドレス形態での出荷)においては、水揚げされたマグロを〆た後、氷あるいは氷水に浸漬して少なくとも一晩以上放置し、マグロ魚体温度(芯温)を5℃程度まで下げてから、出荷するのが常識となっている。これは、マグロの体温が高温(概ね 15〜20℃以上)のまま放置すると、ヤケとよばれる肉の変色が生じるという経験的事実に基づくものである。現在行われているマグロを分割包装して出荷する場合も、例外ではなく、マグロ魚体温度(芯温)を5℃程度まで下げてから、分割包装して出荷されているのが実情である。なお、通常、生きた状態で水揚げされたマグロを〆てから氷中で一晩冷却すると、鮮度指標K値は3%を超える。すなわち、現行のマグロ出荷あるいは分割包装は、K値が3%を超えてから行われているといいかえることができる。
ここでいう鮮度指標のK値とは、魚肉に含まれるATP関連化合物の酵素的分解度合いを示すもので、下記の式で表され、魚肉の鮮度指標として広く用いられている。また、K値は、温度と時間に依存して変化し、魚肉温度が高いほど、あるいは経過時間が長くなるほど大きい値を示す。
発明者らは、上記現状をみて、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、鮮度指標K値が 3%以下の大型魚をブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装後に 10℃以下の温度で貯蔵あるいは輸送することにより、大型魚ブロックのドリップロスを低減し、大型魚可食部の歩留りが向上することを見出した。
なお、本発明はカツオ等の大型魚にも適用されるが、主に適用されるのがマグロであるため、ここではマグロについて説明する。しかし、このことはカツオ等の大型魚への適用を排除するものではない。
たとえば、水揚げしたマグロを〆た後、氷中に入れ、概ね 6時間以内に取り出してブロックに分割すると、該時点の K値は 3%以下となる。〆後のマグロの氷冷時間が短いほど、K値はさらに低い値となる。このようなK値が3%以下の条件でブロックに分割されたマグロについて、プラスチックフィルムによる真空包装のような密着包装を施し、10℃以下の温度で冷却する。この冷却は、貯蔵あるいは輸送しながら行われる。このようにすると、現行の分割包装品に比べて、貯蔵或いは輸送中におけるドリップロスを少なくし、マグロ可食部の歩留りを向上することが可能となる。また、マグロ魚体の冷却時間が短縮されることによって、その分、高鮮度のマグロを早く出荷できるという効果も期待できる。(ドリップロス低減のメカニズムについては明らかではないが、マグロ肉は高鮮度であるほど保水性に優れ、そのような高い保水性を有する状態で密着包装することが、包装体内の減圧によるドリップの浸出低減に貢献しているのではないかと考えられる。)
すなわち、本発明は次のとおりの大型魚分割包装体及びその製造法である。
(1) 鮮度指標K値が 3%以下の大型魚を ブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装した後、10℃以下の温度で冷却してなるドリップ流出量の少ない大型魚分割包装体。
(2)大型魚がマグロである(1)記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体。
(3) 鮮度指標K値が3%以下の大型魚を、ブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装した後、10℃以下の温度で冷却してなることを特徴とするドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
(4) 前記大型魚が、体重10kg以上のクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガのいずれかから選択されるものであることを特徴とする(3)に記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
(5) 前記ブロックの重量が1kg以上、20kg以下であることを特徴とする(3)または(4)のいずれかに記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
(6) 前記プラスチックフィルムの0℃、乾燥条件(0-10%RH)における酸素ガス透過度が、20cm3/m2・d・atm以下であることを特徴とする(3)〜(5)のいずれかに記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
本発明では、大型魚がマグロ、特に、体重10kg以上のクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガのいずれかから選択されるものである場合に、当該マグロをブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装する。この密着包装体を 10℃以下の温度で冷却(貯蔵あるいは輸送)するとよい。マグロの体重が 10kg未満の場合、ラウンド、GG、セミドレス あるいは ドレスで出荷する場合に比べて、ブロックに分割包装して出荷するメリットは 生じにくくなる。
また、上記マグロを分割したブロックの重量が、1kg以上、20kg以下である場合に該ブロックをプラスチックフィルムで密着包装して密着包装体を製造する。この密着包装体を、 10℃以下の温度で冷却(貯蔵あるいは輸送)するとよい。マグロブロックの重量が 1 kg未満の場合、本発明の方法によってドリップロスが軽減されても、マグロ重量に占めるドリップロス率は依然として高い値でありマグロ可食部の歩留りの点で好ましくない。また、K値が3%以下という極めて高鮮度な状態で密着包装すると、包装後の死後硬直(筋収縮)により、図1に示したような“***現象”が生じる。重量が1kg未満の小型ブロックの場合、その***が目立ち、商品外観を損ねる場合があるので、本発明の包装体は1kg以上のブロックを用いるのが好ましく、さらに好ましくは3kg以上のブロックに対して行うのが好ましい。なお、ブロック重量が 20kgを超えると、そのサイズゆえに 密着包装が困難となるほか、包装体のハンドリング性も悪くなり好ましくない。
さらに、鮮度指標K値が 3%以下のマグロをブロックに分割し、0℃、乾燥条件(0-10%RH)における酸素ガス透過度が、20 cm3/m2・d・atm以下であるプラスチックフィルムで密着包装後に 10℃以下の温度で冷却(貯蔵あるいは輸送)するとよい。酸素ガス透過度が 20 cm3/m2・d・atmを超えると、マグロブロックの酸化による変色が生じるので好ましくない。
密着包装に用いるプラスチックフィルムは、0℃、乾燥条件(0-10%RH)の酸素ガス透過度が20cm3/m2・d・atm以下、好ましくは12cm3/m2・d・atm以下、より好ましくは7cm3/m2・d・atm以下、最も好ましくは3cm3/m2・d・atm以下である。それによって、マグロ魚肉の酸化を抑制し、ひいては変色などの品質劣化を抑制することができる。酸素ガス透過度が上記範囲を越えると、マグロ魚肉の変色(ミオグロビンのメト化)や、脂質酸化が生じ、商品としての品質が損なわれるので好ましくない。酸素ガス透過度はASTM D3985-81に準拠し、Modern Controls Inc.製MoconTM Oxytran Model 100を用いて、0℃、0-10%RHにおける値を測定する。
プラスチックフィルムとしては、単一もしくは複数の材料からなるものが用いられる。通常は2種類以上の材料を積層したフィルムが用いられ、材質に関しては特に制限はないが、ポリエステル、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6とナイロン66の共重合体、ナイロン6とナイロン12の共重合体など)、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレンとビニルアルコールの共重合体などが用いられる。なお、2種類以上の材料を積層したフィルムの場合、共押出法やラミネート法によって製造される。
フィルムを積層するにあたって、必要ならば、従来より知られている接着剤を使用することもできる。
本発明の大型魚のブロック分割密着包装体は、従来の技術にくらべてK値が非常に低い状態で包装されているので、これを冷却(貯蔵あるいは輸送)しても、ドリップの流出量が非常に少なく、また変色も少なく品質のよい大型魚のブロック体を得ることができる。本発明は、特にマグロのブロック分割密着包装体に適している。
以下、本発明の好適な実施形態について説明するが、必ずしもこれらの例に制限されるものではない。
本発明において、鮮度指標K値が 3%以下のマグロをブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装体を製造する。そしてこの密着包装体を 10℃以下の温度で冷却(貯蔵あるいは輸送)する。
ここで、マグロのK値は 3%以下であるか、2%以下であることが好ましく、さらには、1%以下であることがさらに好ましい。K値が 3%を超えると、ブロック包装品の貯蔵中におけるドリップ発生が大きくなり、好ましくない。K値が3%以下のマグロブロックを得るためには、水揚げ後のマグロを〆てから氷冷し、概ね6時間以内、少なくとも 8時間以内にブロックへの分割を行うことによって実現できる。また、水揚げ後のマグロを〆てから、-20℃以下の冷凍庫に入れる、あるいは -20℃以下のブライン溶液(塩化カルシウムなどの塩類溶液、あるいは アルコール類溶液)に浸漬する、あるいは ドライアイスなどの冷媒を用いるなどの手段によっても 3%以下のK値を達成することが可能である。ただし、マグロ肉をその凍結温度(-1〜-2℃)以下に長時間晒すと、マグロ肉が凍結し、凍結-解凍によるドリップの浸出や変色が生じる恐れがあるため、マグロの状況を観察しながら慎重に冷却する必要がある。
また、プラスチックフィルムによる包装は、真空包装のような密着包装が好ましい。ラッピング包装による密着包装も可能だが、フィルムとマグロブロックの間に空気を巻き込むと、その部分が変色する場合があるので注意が必要である。また、ここでいう密着包装には、脱気包装も含まれる。脱気包装の方法としては、ノズル式脱気法(包装袋内の空気をノズルによって脱気する方式)やチャンバー式脱気法(チャンバー内部を真空包装機によって減圧し、包装袋内部を脱気してから口部を密封する方式)があげられる。真空包装の大半はチャンバー式脱気法によって行われており、手動型チャンバー式真空包装機、自動型ロータリー真空包装機や深絞り型自動真空包装機などがある。なお、プラスチックフィルムによる包装を行う際に、マグロブロックと共に、吸水材料を添付してもよい。本発明の効果により、マグロブロックからのドリップ流出は従来の技術に比べて著しく低減されるものの、全く生じないわけではない。包装体内に生じた微量のドリップを吸水材料が吸収することで、包装体の外観はより好ましいものとなる。また、本発明の場合、従来技術よりもドリップ流出が低減されるため、少量あるいは吸水能力の低い吸水材料でも対応が可能である。従来よりも少量あるいは吸水能力が低い吸水材料を用いることにより、魚肉から強制的に液汁が吸い取られるといった問題も回避することができる。吸水材料の形態は特に制限しないが、形態としてはフィルムあるいはシート状に成型したものが扱いやくす、材質としては、たとえば、デンプン系、セルロース系、あるいはポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系などの物質を単独または複数組み合わせて用いることができる。
密着包装後の冷却(貯蔵あるいは輸送温度)は 10℃以下が好ましく、5℃以下がより好ましい。さらに好ましくは、-1〜2℃である。貯蔵あるいは輸送温度が 10℃を超えると、マグロブロックに付着した細菌の増殖や、マグロ肉の鮮度低下が促進され、その賞味期間が短縮されるので好ましくない。密着包装後のマグロブロックを10℃以下に保つ方法としては、庫内温度が10℃以下の冷蔵庫やコンテナに入れるほか、氷などの冷媒とともに保冷容器、たとえば 発泡スチロール箱やダンボール箱に入れて貯蔵あるいは輸送する方法がある。水揚げ後短時間のうちにブロックに分割して包装し、そのまま氷とともに保冷容器に入れて出荷すれば、従来にない高鮮度な状態でデリバリーを行うことが可能となり好ましい。
以下、実施例および比較例に基づき、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
体重約50kgの養殖クロマグロを水揚げ後、〆て、鰓と内臓を除去し、氷水中に入れ、1〜2時間後に 重量9kgの背ロインを採取し、さらに、重量1〜2kgのブロック5個(頭側から、A,B,C,D,Eとする)に分割した。ブロックE肉については普通肉を採取し、液体クロマトグラフィー法(HPLC法)にて速やかにATP関連化合物量の分析を行い、K値を算出した。すなわち、ブロックE肉を分割後、速やかに表面部を4gを採取し、1M過塩素酸10mlを加えてホモジナイズし、遠心分離(3000rpm,5分)後、上清を取り、1M炭酸水素カリウム溶液を加えてpH6.5に調整した。pH調整後の試料液上清部分をメンブランフィルタでろ過し、ろ液5μlをHPLCに注入し、下記条件に基づきATP関連化合物の分析を行った。
a) カラム:STR ODS-II(4.6mmφ×150mm)*STR ODS-IIガードカラム併用
b) 移動層:100mM リン酸(トリエチルアンモニウム)緩衝溶液(pH6.8)/アセトニトリル=100/l(v/v)
c) 温度:40℃
d) 流量:0.5ml/min
e) 検出方法:260nmにおける吸光度測定
f) 使用システム:島津製作所製 LC-VP HPLCシステム
分析の結果、得られたATP関連化合物の濃度を、[0008]で記したK値の計算式に当てはめ、K値を算出した。A〜Dの4ブロックについては、0℃、乾燥条件(0-10%RH)における酸素ガス透過度が、2〜3 cm3/m2・d・atmであるプラスチックフィルムパウチ(呉羽化学工業(株)製クレハロンVS-20 (樹脂構成:PET/ad/PA/EVOH/ad/PE,総厚み:40μm(PET:ポリエチレンテレフタレート、PA:ポリアミド、EVOH:エチレン-ビニルアルコール共重合体、PE:ポリエチレン、ad:接着層))に入れて、真空包装を施し、発泡スチロール箱に氷とともに詰めて1日間保管し、2日目より 5℃冷蔵庫中にて保管を行った。漁獲日から起算して、3日後、6日後、9日後、13日後に、包装を開封して、包装体内に生じたドリップを回収して重量を測定し、元のブロック重量に対する比率を計算して、ドリップ流出率(%)を求めた。
マグロの分割時期が、水揚げ後、〆て、鰓と内臓を除去し、氷水中に入れてから3〜4時間後であること以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
マグロの分割時期が、水揚げ後、〆て、鰓と内臓を除去し、氷水中に入れてから6〜7時間後であること以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
比較例1
マグロの分割時期が、水揚げ後、〆て、鰓と内臓を除去し、氷水中に入れてから、10〜11時間後であること以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
比較例2
マグロの分割時期が、水揚げ後、〆て、鰓と内臓を除去し、氷水中に入れてから、16〜17時間後であること以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
これらのドリップ流出率を表1及び図2に示す。
表1及び図2に示したように、K値が3%以下の時点で包装した実施例1〜3の場合、K値が3.5%、4.6%の時点で包装した比較例1〜2よりもドリップ流出率(元マグロブロック重量に占める流出ドリップ重量の比率)は明らかに低く、ブロック包装品の外観が優れていたほか、マグロ可食部の歩留りも向上した。さらに、実施例1〜3は、比較例1〜2よりも、ブロック包装品を12時間以上早く出荷することができ、迅速なデリバリーという観点からも優れていた。
さらに、実施例3で得られたマグロ冷却分割包装体と比較例2で得られたマグロ冷却分割包装体について漁獲13日目における外観を図3に示す。
両者を比較すると、実施例3の方が比較例に比べて外観が美しく、ドリップ量も明らかに少ないことが分る。
実施例1及び比較例2における魚肉***(矢印部分)の対比を示す。 実施例1〜3及び比較例1〜2の包装時のK値別マグロのドリップ流出率を示す。 実施例3と比較例2の漁獲後13日目における外観の対比を示す。

Claims (6)

  1. 鮮度指標K値が 3%以下の大型魚を ブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装した後、10℃以下の温度で冷却してなるドリップ流出量の少ない大型魚分割包装体。
  2. 大型魚がマグロである請求項1記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体。
  3. 鮮度指標K値が3%以下の大型魚を、ブロックに分割し、プラスチックフィルムで密着包装した後、10℃以下の温度で冷却してなることを特徴とするドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
  4. 前記大型魚が、体重10kg以上のクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガのいずれかから選択されるものであることを特徴とする請求項3に記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
  5. 前記ブロックの重量が1kg以上、20kg以下であることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。
  6. 前記プラスチックフィルムの0℃、乾燥条件(0-10%RH)における酸素ガス透過度が、20cm3/m2・d・atm以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のドリップ流出量の少ない大型魚の分割包装体の製造方法。







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