以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るサーバシステムの構成を示すブロック図、図2は図1の中継サーバ103に保持されているホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104の一例を示す図である。
サーバシステムにおいては、図1に示すように、公衆電話網108を用いてインターネット107へ接続する接続型サーバであるモバイルサーバ101の使用者がWeb公開をする場合、公衆無線データ通信カード102を用いて、公衆無線基地局110および公衆電話網108を介して、プロバイダのインターネットアクセスポイント109とのダイヤルアップ接続が行われ、モバイルサーバ101のインターネット107への接続が行われる。モバイルサーバ101がインターネット107と接続されると、プロバイダによってIPアドレス(動的IPアドレス)が割り振られるので、割り振られたIPアドレスはモバイルサーバ101から中継サーバ103へ通知される。
中継サーバ103においては、モバイルサーバ101よりIPアドレスが通知されると、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104に記述されているIPアドレスが通知されたIPアドレスに書き換えられる。ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104は、図2に示すように、ホスト名と電話番号とIPアドレスとが対応付けて記述されたものであり、ホスト名と電話番号との対応関係は、中継サーバ103の使用者によって予め設定されたものであり、IPアドレスは必要に応じて随時書き換えられるものである。中継サーバ103は、モバイルサーバ101などの接続型サーバがインターネット107に接続中であるか否かを判定する機能を有する。また、中継サーバ103は、電話網接続装置105を介して公衆電話網109に発信が可能である。
次に、中継サーバ103がクライアントPC106からホスト名に対応するIPアドレス取得要求を受信した場合における、モバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作について図3〜図7を参照しながら説明する。図3は中継サーバ103がクライアントPC106からホスト名に対応するIPアドレス取得要求を受信した場合で、そのホスト名に対応するモバイルサーバ101がインターネット107と接続されている場合における、モバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作を示すシーケンス図、図4は中継サーバ103がクライアントPC106からホスト名に対応するIPアドレス取得要求を受信した場合で、そのホスト名に対応するモバイルサーバ101がインターネット107と接続されていない場合における、モバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作を示すシーケンス図、図5は中継サーバ103の動作の手順を示すフローチャート、図6はモバイルサーバ101の動作の手順を示すフローチャート、図7はDNSの仕組みを用いてクライアントPC106がモバイルサーバ101のホスト名「server1.abcdefg.co.jp」からIPアドレスを得る場合のシーケンス図である。
クライアントPC106の使用者がモバイルサーバ101により公開されるWebページを閲覧する場合、通常クライアントPC106のWebブラウザソフトウェアが起動され、モバイルサーバ101により公開されるWebページのURL(Uniform Resource Locator)が入力される。URLは、例えばhttp://server1.abcdefg.co.jp/index.htmlというように表され、このURLには、スキーム名(本例のhttp)、サーバ名(本例のserver1.abcdefg.co.jp)、ポート名(本例では省略されている)、パス名(本例のindex.html)、ユーザ名、パスワード(本例では省略されている)の各情報が記載されている。Webブラウザは、サーバ名の部分がIPアドレスの数字列でない場合すなわちホスト名が文字列で入力された場合、ホスト名からIPアドレスを得るようにクライアントPC106を制御する。
クライアントPC106がホスト名からIPアドレスを得るためには、図7に示すDNSの仕組みが用いられる。このDNSの仕組みを用いてクライアントPC106がモバイルサーバ101のホスト名「server1.abcdefg.co.jp」からIPアドレスを得る場合、クライアントPC106に設定されているDNSサーバ(フルサービスリゾルバ)701のIPアドレスが用いられて、「server1.abcdefg.co.jp」のIPアドレス再帰検索要求が行われる(ステップS751)。クライアントPC106から上記IPアドレス再帰検索の要求を受け取ったDNSサーバ701は、ルートサーバ702から順に再帰検索を行い(ステップS752〜759)、その検索により得られた「server1.abcdefg.co.jp」のIPアドレスをクライアントPC106に対して返す(ステップS750)。これは、従来のDNSの仕組みと同一であるので、以後の説明において、このDNSの仕組みは省略する。
ここでは、図3または図4に示すように、クライアントPC106が中継サーバ103にIPアドレス取得要求M301を直接送信して、中継サーバ103からIPアドレス返答M302を直接受信する場合を説明する。ここで、クライアントPC106からのIPアドレス取得要求M301により指定されるホスト名は、モバイルサーバ101のホスト名であるとする。
具体的には、図5に示すように、中継サーバ103が、ホスト名が指定されたIPアドレス取得要求をクライアントPC106から受信すると(ステップS501)、中継サーバ103は、上記受信したIPアドレス取得要求により指定されたホスト名に対応するモバイルサーバ101がインターネット107に接続されているか否かを判定する(ステップS502)。ここで、モバイルサーバ101がインターネット107に接続されていると判定された場合、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応するIPアドレスを含む返答M302(図3を参照)をクライアントPC106に対して行う(ステップS506)。
これに対し、上記ステップS502においてモバイルサーバ101がインターネット107に接続されていないと判定された場合、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応する電話番号への発信をを要求する発信要求M401(図4を参照)を電話網接続装置105に対して行う(ステップS503)。この発信要求M401を中継サーバ103から受け取った電話網接続装置105は、図4に示すように、公衆電話網108に対して指定された電話番号で発信M402を行う。
モバイルサーバ101は、図6に示すように、常に着信を待ち受け状態にある(ステップS601)。ここで、電話接続装置105からの着信M402があると、モバイルサーバ101は、予め登録されているインターネットアクセスポイント109に対して発信M403を行い、インターネットアクセスポイント109の応答後にインターネット接続M404(図4を参照)を行う(ステップS602)。インターネット107との接続が完了すると、モバイルサーバ101は、インターネットアクセスポイント109からのIPアドレスの付与されるM405(図4を参照)を待つ(ステップS603)。ここで、IPアドレスの付与M405が行われると、モバイルサーバ101は、付与されたIPアドレスの通知M406(図4を参照)をインターネット107経由で中継サーバ103に対して行う(ステップS604)。
モバイルサーバ101よりIPアドレス通知M406を受信した中継サーバ103は、図5に示すように、通知されたIPアドレスをホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104の指定されたホスト名に対応するIPアドレスとして登録し(ステップS505)、このIPアドレスの返答M302(図4を参照)をクライアントPC106に対して行う(ステップS506)。
例えば図2に示すホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104において、ホスト名「server1.abcdefg.co.jp」のモバイルサーバ(接続型サーバ)は、インターネット107と接続しており、ホスト名「server2.abcdefg.co.jp」のモバイルサーバは、インターネット107と接続していないとする。ここで、クライアントPC106から「server1.abcdefg.co.jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301が行われると、このIPアドレス取得要求M301を受け取った中継サーバ103は、IPアドレスの取得が要求されたホスト名「server1.abcdefg.co.jp」のモバイルサーバ101がインターネット107と接続されているので、そのホスト名「server1.abcdefg.co.jp」のIPアドレス「123.456.789.012」をホスト・電話番号・IPアドレス対応表104から見出すことができ、そのIPアドレスを含む返答M302をクライアントPC106に対して行う。
これに対し、クライアントPC106から「server2.abcdefg.co.jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301が行われると、このIPアドレス取得要求M301を受け取った中継サーバ103は、ホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照して「server2.bcdefg.co.jp」に対応付けられている電話番号「09022222222」への発信要求M401を電話網接続装置105に対して行い、電話網接続装置105は、「09022222222」へ発信を行う。ここで、電話番号「09022222222」は現在インターネット107と接続していないモバイルサーバ101の電話番号である。モバイルサーバ101は、着信を受けると、インターネット107に接続し、接続時に付与されたIPアドレス「123.456.789.013」を中継サーバ103に通知する。中継サーバ103は、通知されたIPアドレス「123.456.789.013」をホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104のホスト名「server2.abcdefg.co.jp」に対応するIPアドレスのエリアに格納し、IPアドレス「123.456.789.013」を含む返答M302をクライアントPC106に対して行う。
本実施の形態において、中継サーバ103による、モバイルサーバ101がインターネット107に接続しているか否かを判定する(ステップS502)方法としては、次の三つの方法がある。これらの判定方法について図8〜図10を参照しながら説明する。図8は第一の判定方法を実施した場合のモバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作を示すシーケンス図、図9は第1の判定方法において中継サーバ103からモバイルサーバ101に対してポーリングを行う場合のシーケンスを示す図、図10は第三の判定方法を実施した場合のモバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作を示すシーケンス図である。
第一の判定方法は、モバイルサーバ101がインターネット107へ接続している場合およびインターネット107との接続を切断した場合に、その旨を中継サーバ103に対して通知する方法である。モバイルサーバ101は、図8に示すように、インターネット107との接続M404を行った後、インターネット接続開始通知M801を中継サーバ103に対して送信する。また、モバイルサーバ101は、インターネット107からの切断M803を行う前にインターネット切断通知M802を送信する。これにより、中継サーバ103は、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを常に判断することができる。
しかしながら、モバイルサーバ101がインターネット107との接続中に移動し、公衆無線基地局110の圏外になり、突然インターネット107との接続が切断された場合などは、中継サーバ103に対してインターネット切断通知M802を送信することができない。これを防止するためには、中継サーバ103からモバイルサーバ101に対して常にポーリングを行えばよい。
中継サーバ103からモバイルサーバ101に対してポーリングを行う場合、図9に示すように、中継サーバ103は、モバイルサーバ101に対して一定間隔毎にポーリング要求M901を送信する。モバイルサーバ101は、ポーリング要求M901を受信すると、ポーリング応答M902を中継サーバ103に対して送信する。中継サーバ103は、ポーリング要求M901をモバイルサーバ101に送信してから、一定時間以内にモバイルサーバ101からポーリング応答M902を受信した場合は、モバイルサーバ101がインターネット107に接続中であると判断し、一定時間以内にモバイルサーバ101からポーリング応答を受信しない場合は、モバイルサーバ101がインターネット107から切断されたと判断する。これによって、中継サーバ103は、常に、モバイルサーバ101が突然インターネット107から切断された場合も含め、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判断することができる。
第二の判定方法は、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判定する場合に、中継サーバ103がインターネットアクセスポイント109に対して問い合わせを行う方法である。これは、インターネットアクセスポイント109が、モバイルサーバ101がインターネット107に接続している否かを常に把握していることを利用するものである。この第二の判定方法によれば、モバイルサーバ101がインターネット107との接続中に移動して公衆無線基地局110の圏外になり突然インターネット107から切断された場合でも、インターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101がインターネット107から切断されたことを認識することができるので、上記第一の判定方法のようにモバイルサーバ101をポーリングする必要はない。
第三の判定方法は、モバイルサーバ101がインターネット107と接続した場合およびインターネット107から切断された場合にインターネットアクセスポイント109が中継サーバ103に対して通知する方法である。
具体的には、図10に示すように、モバイルサーバ101のインターネット107との接続M404後、インターネットアクセスポイント109は、インターネット接続開始通知M1001を中継サーバ103に対して送信する。また、インターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101のインターネット107からの切断M803後に、インターネット切断通知M1002を中継サーバ103に対して送信する。これにより、中継サーバ103は、常に、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判断することができる。この第三の判定方法において、モバイルサーバ101がインターネット107との接続中に移動して公衆無線基地局110の圏外になり、突然インターネット107から切断された場合でも、インターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101がインターネット107から切断されたことを認識することができるので、上記第一の判定方法のようにモバイルサーバ101をポーリングする必要はない。
よって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
モバイルサーバ101がインターネット107と接続する毎にモバイルサーバ101のIPアドレスが変更されても、クライアントPC106から常に同じホスト名でアクセスすることが可能である。
また、モバイルサーバ101がインターネット107と接続されていない場合でも、クライアントPC106からホスト名を用いてモバイルサーバ101に対してアクセスすれば、モバイルサーバ101がインターネット107と接続するので、クライアントPC106の使用者は、モバイルサーバ101がインターネットと接続しているか否かを認識することなく、モバイルサーバ101へアクセスを行うことが可能になる。
また、モバイルサーバ101がインターネット107と接続している場合は、中継サーバ103からモバイルサーバ101に対して着信を行わないので、他人がクライアントPC106からモバイルサーバ101のインターネット107との接続を起動した場合でも、クライアントPC106からのアクセスが可能である。
また、モバイルサーバ101は、クライアントPC106からアクセスがあったときのみにインターネット107と接続すればよいので、モバイルサーバ101のインターネット107との接続中における消費電流、通話料金、無線チャネルなどのリソースが無駄にならない。
また、上述した各効果を奏する中継サーバシステムは、現在広く普及しているインターネットアクセスポイント109に変更を加えることなく、実現することできる。但し、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判定する方法として、第一の判定方法を用いない場合は、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを示す情報を中継サーバ103へ通知する手段を、インターネットアクセスポイント109に設ける必要がある。
本実施の形態においては、間違い電話など、電話網接続装置105以外からの着信がある場合でも、モバイルサーバ101はインターネット107と接続することになる。これを防止するためには、電話網接続装置105の電話番号を記憶するエリアをモバイルサーバ101に設け、着信があった場合に通知される発信元電話番号と記憶されている電話網接続装置105の電話番号とが一致した場合にのみモバイルサーバ101がインターネット107と接続するよう構成すればよい。
また、本実施の形態において、電話網接続装置105と中継サーバ103の間は、ケーブルなどで接続されていてもよいし、インターネット107を介して接続されていてもよい。また、電話網接続装置105と中継サーバ103が一体型の場合でも同様の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図11〜図13を参照しながら説明する。図11は本発明の第2の実施の形態に係るサーバシステムにおけるモバイルサーバが電話網接続装置からの着信に応答してインターネットと接続する場合のモバイルサーバ、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図、図12は本発明の第2の実施の形態においてモバイルサーバが電話網接続装置から着信があった場合に電話網接続装置に発信を行ってインターネットと接続する場合のモバイルサーバ、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図、図13は本発明の第2の実施の形態において、モバイルサーバがインターネットと接続されているか否かを判定する方法として、第三の判定方法を実施した場合のモバイルサーバ、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図である。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態と基本的に同じ構成を有するので、その構成は省略するとともに、同一の符号を用いて説明を行う。
上記第1の実施の形態においては、モバイルサーバ101がインターネット107と接続する場合は、インターネットアクセスポイント109を介してモバイルサーバ101とインターネット107との接続が行われるが、本実施の形態においては、電話網接続装置105がインターネットアクセスポイント109の機能を有し、モバイルサーバ101が電話網接続装置105経由でインターネット107と接続することが可能である。また、本実施の形態においては、電話網接続装置105が、モバイルサーバ101にIPアドレスを付与する機能を有する。
まず、モバイルサーバ101が電話網接続装置105からの着信に応答してインターネット107と接続する場合について説明する。
モバイルサーバ101は、図11に示すように、クライアントPC106からのIPアドレス取得要求に基づいた電話接続装置105からの着信M402があると、応答M1101を行い、電話網接続装置105を介してインターネット接続M1102を行う。このとき、電話網接続装置105は、モバイルサーバ101に対してIPアドレス付与M1103を行う。モバイルサーバ101は、IPアドレスが付与されると、付与されたIPアドレスを通知するためのIPアドレス通知M406を中継サーバ103に対して行う。中継サーバ103は、通知されたIPアドレスを含むIPアドレス返答M302を行う。
次に、モバイルサーバ101が電話網接続装置105からの着信M402に応答して電話網接続装置105に発信を行う場合について説明する。
この場合、図12に示すように、モバイルサーバ101は、クライアントPC106からのIPアドレス取得要求に基づいた電話接続装置105からの着信M402があると、発信M1201を行い、電話網接続装置105を介してインターネット接続M1102を行う。ここで、モバイルサーバ101が電話網接続装置105に発信M1201を行ってインターネット107と接続する場合は、電話網接続装置105の電話番号がモバイルサーバ101に予め設定されていなければならないが、着信M402時に通知される発信元電話番号に対して発信M1201を行うようにすれば、電話網接続装置105の電話番号をモバイルサーバ101に予め設定する必要はない。現在の電話料金体系では、通常発信者が課金されるので、着信M402に対して、応答M1101を行ってインターネット107に接続するか、発信M1201を行ってインターネット107に接続するかは、電話網接続装置105を所有するいわゆるプロバイダ側とモバイルサーバ101の使用者のどちらが電話料金を負担するかによって決定される。
本実施の形態において、中継サーバ103による、モバイルサーバ101がインターネット107に接続されているか否かを判定する方法としては、第一、第二および第三の判定方法がある。第一の判定方法は、上記第1の実施の形態における第一の判定方法と同じである。
第二の判定方法は、中継サーバ103が電話網接続装置105に対して、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを問い合わせる方法である。これは、電話網接続装置105が、常に、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを把握していることを利用したものである。この第二の判定方法によれば、モバイルサーバ101がインターネット107との接続中に移動して公衆無線基地局110の圏外になり突然インターネット107から切断された場合でも、電話網接続装置105は、モバイルサーバがインターネット107から切断されたことを認識するので、第一の判定方法のように、モバイルサーバ101をポーリングする必要はない。
第三の判定方法は、電話網接続装置105が、モバイルサーバ101がインターネット107と接続した場合およびインターネット107から切断された場合に、その旨を中継サーバ103に対して通知する方法である。
この第三の判定方法を用いた場合のモバイルサーバ101、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作について説明する。
図13に示すように、モバイルサーバ101のインターネット107との接続M1102後、電話網接続装置105は、インターネット接続開始通知M1301を中継サーバ103に対して送信する。また、モバイルサーバ101のインターネット107からの切断M1302後、電話網接続装置105は、インターネット接続終了通知M1303を中継サーバ103に対して送信する。これにより、中継サーバ103は、常に、モバイルサーバ101がインターネット107に接続しているか否かを判断することができる。第三の判定方法によれば、上記第二の判定方法と同様に、モバイルサーバ101がインターネット107との接続中に移動して公衆無線基地局110の圏外になり突然インターネット107から切断された場合でも、電話網接続装置105は、モバイルサーバ101がインターネット107から切断されたことを認識することができるので、第一の判定方法のようにモバイルサーバ101をポーリングする必要はない。
以上より、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態の効果に加えて、以下のような効果を奏する。
モバイルサーバ101の使用者がインターネットアクセスポイント109を有するプロバイダと契約する必要がない。
また、モバイルサーバ101が電話網接続装置105からの着信に応答してインターネット107と接続する場合、インターネットアクセスポイント109に相当する電話網接続装置105の電話番号を設定する必要がない。
また、モバイルサーバ101へ電話網接続装置105からの着信に応答して、モバイルサーバ101が電話網接続装置105に対して発信を行ってインターネット107と接続する場合、モバイルサーバ101が着信時により通知される発信元電話番号に対して発信すれば、モバイルサーバ101が電話網接続装置105を介してインターネット107と接続することができるので、インターネットアクセスポイント109に相当する電話網接続装置105の電話番号を設定する必要がない。
また、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判定する方法として、第一の判定方法を用いない場合でも、モバイルサーバ101がインターネット107と接続した場合およびインターネット107から切断した場合は、中継サーバ103に対して通知する手段をインターネットアクセスポイント109に設けなくてもよいので、現在広く普及しているインターネットアクセスポイント109に全く変更を加えることなく、中継サーバシステムを実現することできる。
また、本実施の形態においては、間違い電話など、電話網接続装置105以外からの着信があれば、モバイルサーバ101は、応答しまたは通知された発信元電話番号に対して発信することになる。これを防止するためには、モバイルサーバ101に電話網接続装置105の電話番号を記憶するエリアを設け、着信時に通知される発信元電話番号と記憶されている電話網接続装置105の電話番号とが一致した場合のみに、応答しまたは通知された発信元電話番号に対して発信するようにすればよい。
また、本実施の形態においては、電話網接続装置105を中継サーバ103と一体型とするように構成してよく、この場合でも同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図14〜図17を参照しながら説明する。図14は本発明の第3の実施の形態において中継サーバがクライアントPCからのホスト名に対応するIPアドレス取得要求を受信した場合でそのホスト名に対応するモバイルサーバがインターネットと接続していない場合のモバイルサーバ、インターネットアクセスポイント、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれにおける動作を示すシーケンス図、図15は本発明の第3の実施の形態における中継サーバの動作を示すフローチャート、図16は本発明の第3の実施の形態におけるモバイルサーバの動作を示すフローチャート、図17は第三の判定方法を実施した場合におけるモバイルサーバ、インターネットアクセスポイント、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図である。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態と基本的に同じ構成を有するので、その構成は省略するとともに、同一の符号を用いて説明を行う。
上記第1の実施の形態においては、中継サーバ103へのIPアドレスの通知がモバイルサーバ101から行われるが、本実施の形態においては、IPアドレスの通知がインターネットアクセスポイント109から行われる。
中継サーバ103は、図15に示すように、ホスト名が指定されたIPアドレス取得要求M301(図14を参照)をクライアントPC106から受信すると(ステップS501)、指定されたホスト名に対応するモバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判定する(ステップS502)。モバイルサーバ101がインターネット107と接続していると判定された場合、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応するIPアドレスを含む返答M302(図14を参照)をクライアントPC106に対して行う(ステップS506)。
上記ステップS502においてモバイルサーバ101がインターネット107と接続していないと判定された場合、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応する電話番号に対して発信を行うことを要求する要求M401(図14を参照)を電話網接続装置105に対して行う(ステップS503)。上記要求M401を受け取った電話網接続装置105は、公衆電話網108に対して指定された電話番号で発信M402を行う(図14を参照)。
モバイルサーバ101は、図16に示すように、着信を待ち受け状態にある(ステップS601)。ここで、モバイルサーバ101は、電話網接続装置105からの着信M402があると、予め登録されているインターネットアクセスポイント109に対して発信M403(図14を参照)を行い、インターネットアクセスポイント109からの応答後にインターネット接続M404を行う(ステップS602)。モバイルサーバ101とインターネット107との接続が完了すると、モバイルサーバ101は、インターネットアクセスポイント109によるIPアドレスの付与M405(図14を参照)を待ち(ステップS603)、IPアドレスが付与されると、本処理を終了する。
IPアドレスの付与M405を行ったインターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101に付与したIPアドレスの通知M1401(図14を参照)をインターネット107経由で中継サーバ103に対して行う。
中継サーバ103は、図15に示すように、インターネットアクセスポイント109からIPアドレス通知M1401を受信すると(ステップS1501)、通知されたIPアドレスをホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104の指定されたホスト名に対応するIPアドレスとして登録するとともに(ステップS505)、通知されたIPアドレスの返答M302をクライアントPC106に対して行う(ステップS506)。
例えば図2に示すホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104において、現在、ホスト名「server1.abcdefg.co.jp」のモバイルサーバはインターネット107と接続しており、ホスト名「server2.abcdefg.co.jp」のモバイルサーバはインターネット107と接続していないとする。
クライアントPC106が「server1.abcdefg.co.jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301を行うと、中継サーバ103は、ホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、「server1.abcdefg.co.jp」のIPアドレス「123.456.789.012」の返答M302をクライアントPC106に対して行う。
これに対し、クライアントPC106が「server2.abcdefg.co,jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301を行うと、中継サーバ103は、ホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、「server2.bcdefg.co.jp」の電話番号「09022222222」への発信要求M401を電話網接続装置105に対して行い、電話網接続装置105は伝番号「09022222222」へ発信を行う。電話番号「09022222222」は現在インターネット107と接続していないモバイルサーバ101の電話番号であり、モバイルサーバ101は、着信を受けると、インターネット107と接続する。インターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101に付与したIPアドレス「123.456.789.013」を中継サーバ103に通知すると、中継サーバ103は、IPアドレス「123.456.789.013」をホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104のホスト名「server2.abcdefg.co.jp」に対応するIPアドレスのエリアに格納し、IPアドレス「123.456.789.013」を含む返答M302をクライアントPC106に対して行う。
本実施の形態において、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判定する方法としては、第一、第二および第三の判定方法がある。
第一の判定方法は、上記第1の実施の形態の第一の判定方法と同じである。
第二の判定方法は、中継サーバ103がインターネットアクセスポイント109に対して問い合わせを行い、中継サーバ103が、問い合わせの結果に基づいて、モバイルサーバ101がインターネット107に接続しているか否かを判定する方法である。これは、インターネットアクセスポイント109が、常に、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを把握していることを利用したものである。この第二の判定方法によれば、モバイルサーバ101がインターネット107との接続中に移動して公衆無線基地局110の圏外になり、突然インターネット107との接続がされた場合でも、インターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101がインターネット107から切断されたことを認識することができるので、第一の判定方法のようにモバイルサーバ101をポーリングする必要はない。
第三の判定方法は、モバイルサーバ101がインターネット107と接続した場合およびインターネット107との接続を切断した場合に、その旨をインターネットアクセスポイント109から中継サーバ103に対して通知する方法である。
この第三の判定方法を実施した場合におけるモバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105、中継サーバ103、クライアントPC106のそれぞれの動作について説明する。
具体的には、図17に示すように、モバイルサーバ101のインターネット接続M404後、インターネットアクセスポイント109は、インターネット接続開始通知M1001を中継サーバ103に送信する。また、インターネットアクセスポイント109は、モバイルサーバ101のインターネット107からの切断M803後、インターネット切断通知M1002を送信する。これにより、中継サーバ103は、常に、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かを判断することができる。この第三の判定方法によれば、上記第二の判定方法と同様に、モバイルサーバ101をポーリングする必要はない。
以上より、本実施の形態によれば、上記第1および第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図18〜図22を参照しながら説明する。図18は本発明の第4の実施の形態において中継サーバがクライアントPCからホスト名に対応するIPアドレス取得要求を受信した場合でそのホスト名に対応するモバイルサーバがインターネットに接続していない場合のモバイルサーバ、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図、図19は本発明の第4の実施の形態における中継サーバの動作の手順を示すフローチャート、図20は本発明の第4の実施の形態における電話網接続装置の動作の手順を示すフローチャート、図21は本発明の第4の実施の形態におけるモバイルサーバの動作の手順を示すフローチャート、図22は本発明の第4の実施の形態におけるモバイルサーバが電話網接続装置からの着信により、電話網接続装置に発信を行ってインターネットと接続する場合のモバイルサーバ、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図である。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態と基本的に同じ構成を有するので、その構成は省略するとともに、同一の符号を用いて説明を行う。
上記第1の実施の形態においては、中継サーバ103へのIPアドレスの通知がモバイルサーバ101から行われているが、本実施の形態においては、IPアドレスの通知が電話網接続装置105から行われる。
中継サーバ103は、図19に示すように、クライアントPC106からホスト名が指定されたIPアドレス取得要求M301(図18を参照)を受信すると(ステップS501)、指定されたホスト名に対応するモバイルサーバ101がインターネット107と接続中であるか否かを判定する(ステップS502)。モバイルサーバ101がインターネット107と接続中である場合、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応するIPアドレスの返答M302をクライアントPC106に対して行う(ステップS507)。
モバイルサーバ101がインターネット107と接続中でないと判定された場合、中継サーバ101は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応する電話番号に対して発信することを要求する要求M401(図18を参照)を電話網接続装置105に対して行う(ステップS503)。ここで、電話網接続措置105は、図20に示すように、上記要求M401を中継サーバ103から受け取ると(ステップS2001)、モバイルサーバ101に対する発信によって引き起こされる一連のインターネット接続シーケンスにおいてモバイルサーバ101に付与する予定のIPアドレスの通知M1801(図18を参照)を中継サーバ103に対して行う(ステップS2002)。その後、電話網接続装置105は、公衆電話網108に対して指定された電話番号で発信M402(図18を参照)を行う(ステップS2003)。
中継サーバ103は、図19に示すように、電話網接続装置105からIPアドレス通知M1801を受信すると(ステップS1901)、通知されたIPアドレスをホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104の指定されたホスト名の対応するIPアドレスとして登録し(ステップS505)、通知されたIPアドレスの返答M302(図18を参照)をクライアントPC106に対して行う(ステップS506)。
モバイルサーバ101は、図21に示すように、常に着信を待ち受け状態にある(ステップS601)。ここで、モバイルサーバ101は、電話接続装置105から着信M402があると、応答M1101(図18を参照)を行い、電話網接続装置105に対してインターネット接続M1102を行う(ステップS2101)。インターネット107への接続が完了すると、モバイルサーバ101は、電話網接続装置105からのIPアドレス付与M1103(図18を参照)を待つ(ステップS2102)。
ここで、例えば図2のホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104において、ホスト名「server1.abcdefg.co.jp」の接続型サーバ(モバイルサーバ)は、インターネット107と接続中であり、ホスト名「server2.abcdefg.co.jp」の接続型サーバ(モバイルサーバ)は、インターネット107と接続中でないとする。
上記の場合において、クライアントPC106が「server1.abcdefg.co.jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301を行うと、中継サーバ103は、ホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、「server1.abcdefg.co.jp」のIPアドレス「123.456.789.012」の返答M302をクライアントPC106に対して行う。
これに対し、クライアントPC106が「server2.abcdefg.co,jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301を行うと、中継サーバ103はホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、「server2.bcdefg.co.jp」の電話番号「09022222222」への発信要求M401を電話網接続装置105に対して行う。電話網接続装置105は、モバイルサーバ101に付与する予定のIPアドレス「123.456.789.013」を中継サーバ103に通知した後、電話番号「09022222222」へ発信を行う。電話番号「09022222222」は、現在インターネット107と接続していないモバイルサーバ101の電話番号であり、モバイルサーバ101が上記着信に応答してインターネット107と接続し、電話網接続装置105は、モバイルサーバ101にIPアドレス「123.456.789.013」を付与する。
上記の例は、モバイルサーバ101が電話網接続装置105からの着信M402に応答M1101をしてインターネット107と接続する場合の例であるが、図22に示すように、モバイルサーバ101が電話網接続装置105からの着信M402があると、電話網接続装置105に発信M1201を行い、インターネット107と接続するようにすることもできる。
この場合は、モバイルサーバ101が着信M402により通知される発信元電話番号に対して発信M1201すればよいので、モバイルサーバ101に電話網接続装置105の電話番号を予め設定しておく必要はない。また、現在の電話料金体系においては、通常発信者が課金されるので、モバイルサーバ101が着信M402に対して応答M1101を行ってインターネット107と接続するか、発信M1201を行ってインターネット107と接続するかは、電話網接続装置105を所有するいわゆるプロバイダ側とモバイルサーバ101の使用者のどちらが電話料金を負担するかによって決定されるものである。
本実施の形態において、中継サーバ103による、モバイルサーバ101がインターネット107と接続中であるか否かの判定方法としては、上記第2の実施の形態における第一の判定方法、第二の判定方法、第三の判定方法のいずれかが用いられる。
以上より、本実施の形態によれば、上記第1または第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
特に、上記第1〜第3の実施の形態においては、モバイルサーバ101がインターネット107と接続するまでは中継サーバ103にIPアドレスが通知されないので、クライアントPC106へのIPアドレス返答M302を行うまでに時間が掛かり、DNS検索においてIPアドレス取得要求M301から一定時間以内にIPアドレス返答を受信しないと、タイムアウトエラーになるが、本実施の形態においては、電話網接続装置105が中継サーバ103から発信要求M401を受信した時点でモバイルサーバ101に割り当てるIPアドレスの通知M1801を中継サーバ103に対して行うので、クライアントPC106に対して通常のDNS検索とほぼ同等の時間でIPアドレス返答M302を行うことができ、タイムアウトエラーを回避することができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について図23〜図26を参照しながら説明する。図23は本発明の第5の実施の形態におけるホスト名・電話番号・IPアドレス対応表の一例を示す図、図24は本発明の第5の実施の形態においてモバイルサーバがインターネットアクセスポイントを介してインターネットと接続する場合のモバイルサーバ、インターネットアクセスポイント、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図、図25は本発明の第5の実施の形態においてモバイルサーバが電話網接続装置を介してインターネットと接続する場合のモバイルサーバ、電話網接続装置、中継サーバ、クライアントPCのそれぞれの動作を示すシーケンス図、図26は本発明の第5の実施の形態における中継サーバの動作の手順を示すフローチャートである。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態と基本的に同じ構成を有するので、その構成は省略するとともに、同一の符号を用いて説明を行う。
上記第1〜第4の実施の形態においては、モバイルサーバ101のIPアドレス(動的IPアドレス)がインターネットアクセスポイント109または電話網接続装置105により割り振られていたが、本実施の形態においては、登録されているモバイルサーバが固定のIPアドレスを有する。例えば図23のホスト名・電話番号・IPアドレス対応表に示されるように、ホスト名「server2.abcdefg.co.jp」のモバイルサーバがインターネット107と接続していない場合でも、当該モバイルサーバに対応するIPアドレスが記載されている。従って、中継サーバ103には、各ホスト名に対するIPアドレスを予め設定する必要がある。
本実施の形態においては、図26に示すように、中継サーバ103が、ホスト名が指定されたIPアドレス取得要求M301をクライアントPC106から受信すると(ステップS601)、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応するIPアドレスの返答M302をクライアントPC106に対して行う(ステップS506)。そして、中継サーバ103は、指定されたホスト名に対応するモバイルサーバ101がインターネット107と接続中であるか否かを判定する(ステップS502)。
上記ステップS502においてモバイルサーバ101がインターネット107と接続していないと判定された場合は、中継サーバ103は、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、指定されたホスト名に対応する電話番号への発信要求M401を電話網接続装置105に対して行う(ステップS503)。電話番号への発信要求M401を中継サーバ103から受け取った電話網接続装置105は、公衆電話網108に対して指定された電話番号で発信M402を行う。
常に着信を待ち受け状態にあるモバイルサーバ101は、電話接続装置105からの着信M402があると、インターネット107との接続行う。ここで、モバイルサーバ101がインターネットアクセスポイント109を介してインターネット107と接続する場合、図24に示すように、モバイルサーバ101は、電話網接続装置105から着信M402があると、予め登録されているインターネットアクセスポイント109に対して発信M403を行い、インターネットアクセスポイント109の応答後に、インターネット接続M404を行う。
これに対し、モバイルサーバ101が電話網接続装置105を介してインターネット107と接続する場合、図25に示すように、モバイルサーバ101は、電話網接続装置105から着信M402があると、電話網接続装置105に対して発信M1201を行い、電話網接続装置105を介してインターネット接続M404を行う。
ここで、例えば図23のホスト名・電話番号・IPアドレス対応表において、ホスト名「server1.abcdefg.co.jp」の接続型サーバは、インターネット107と接続しており、「server2.abcdefg.co.jp」の接続型サーバは、インターネット107と接続していないとする。
クライアントPC106が、「server1.abcdefg.co.jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301を行うと、中継サーバ103は、ホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、ホスト名「server1.abcdefg.co.jp」に対するIPアドレス「123.456.789.012」の返答M302をクライアントPC106に対して行う。
クライアントPC106が「server2.abcdefg.co,jp」のホスト名に対するIPアドレス取得要求M301を行うと、中継サーバ103は、ホスト・電話番号・IPアドレス対応表104を参照し、ホスト名「server2.bcdefg.co.jp」に対するIPアドレス「123.456.789.013」の返答M302をクライアントPC106に対して行った後、電話番号「09022222222」への発信要求M401を電話網接続装置105に対して行い、電話網接続装置105は、電話番号「09022222222」へ発信を行う。電話番号「09022222222」は、現在インターネット107と接続していないモバイルサーバ101の電話番号であり、モバイルサーバ101が着信を受けると、インターネット107と接続する。
本実施の形態において、中継サーバ103による、モバイルサーバ101がインターネット107と接続しているか否かの判定方法としては、上記第1の実施の形態と同じ第一の判定方法、第二の判定方法および第三の判定方法がある。
第二の判定方法としては、モバイルサーバ101がインターネットアクセスポイント109を介してインターネット107と接続している場合は、上記第3の実施の形態における第二の判定方法が、モバイルサーバ101が電話網接続装置105を介してインターネット107と接続している場合は、上記第4の実施の形態における第二の判定方法が用いられる。
第三の判定方法としては、モバイルサーバ101がインターネットアクセスポイント109を介してインターネット107と接続している場合は、上記第3の実施の形態における第三の判定方法が、モバイルサーバ101が電話網接続装置105を介してインターネット107と接続している場合は、上記第4の実施の形態における第三の判定方法が用いられる。
以上説明したように、本実施の形態は、上記第1〜4の実施の形態から、インターネットアクセスポイント109または電話網接続装置105におけるIPアドレス付与手段、および中継サーバ103がモバイルサーバ101、インターネットアクセスポイント109、電話網接続装置105からモバイルサーバ101のIPアドレスを取得する手段を除いたものとなる。
そして、本実施の形態によれば、モバイルサーバ101のIPアドレスは固定IPアドレスであるので、IPアドレスを中継サーバ103に予め設定しておけば、中継サーバ103は、クライアントPC106からIPアドレス取得要求M301を受けた場合に即座にIPアドレスの返答M302を行うことができ、上記第1〜第3の実施の形態において述べたDNS検索におけるタイムアウトの問題は発生しない。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について図27を参照しながら説明する。図27は本発明の第6の実施の形態で用いられるホスト名・電話番号・IPアドレス対応表の一例を示す図である。
上記第5の実施の形態においては、モバイルサーバ101のIPアドレスが固定アドレスであった場合を説明したが、本実施の形態においては、モバイルサーバ101のIPアドレスがインターネットアクセスポイント109または電話網接続装置105により割り振られている場合と固定されている場合とが混在する場合を説明する。
このような場合、ホスト名・電話番号・IPアドレス対応表104としては、例えば図27に示すホスト名・電話番号・IPアドレス対応表が用いられる。本例では、IPアドレスが固定アドレスであるか、動的アドレスであるかを区別するために、ホスト名に対応するモバイルサーバ101が固定IPアドレスを有する場合は「固定」、IPアドレスがインターネットアクセスポイント109または電話網接続装置105により割り振られる場合は「動的」と記述される。
本実施の形態において、中継サーバ103がクライアントPC106からIPアドレス取得要求を受信した場合、中継サーバ103は、図27に示されるホスト名・電話番号・IPアドレス対応表を参照し、指定されたホスト名が固定のIPアドレスの場合は、上記第5の実施の形態と同様の動作を行い、指定されたホスト名が動的なIPアドレス、すなわちIPアドレスがインターネットアクセスポイント109または電話網接続装置105から割り当てられる場合は、上記第1〜第4の実施の形態と同様の動作を行う。
このように、固定IPアドレスを有するモバイルサーバ101とインターネットアクセスポイント109または電話網接続装置105により割り振られるIPアドレスを有するモバイルサーバ101が混在する場合においても、上記第1〜第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。