JP2006013381A - 発光素子 - Google Patents

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和徳 萩本
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Abstract


【課題】 発光層部を金属層で覆った発光素子において、金属層による実質的な反射率をより高めることができ、ひいては光取出し効率により優れた発光素子を提供する。
【解決手段】 発光素子100は、発光層部24を有した化合物半導体層50の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層50の第二主表面側に、発光層部24からの光を光取出面PF側に反射させる反射面を有した金属層10が形成される。そして、金属層10と発光層部24との間には該金属層10と接する形で、発光層部24のピーク発光波長に対する屈折率が、自身の第一主表面側に接する化合物半導体よりも小さい化合物半導体よりなる反射調整層BGが設けられている。
【選択図】 図1

Description

発明の属する技術分野
この発明は発光素子に関する。
特開平7−66455号公報 特開2001−339100号公報 日経エレクトロニクス2002年10月21日号124頁〜132頁
発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子に使用される材料及び素子構造は、長年にわたる進歩の結果、素子内部における光電変換効率が理論上の限界に次第に近づきつつある。従って、一層高輝度の素子を得ようとした場合、素子からの光取出し効率が極めて重要となる。例えば、AlGaInP混晶により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP(あるいはGaInP)活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。このようなAlGaInPダブルへテロ構造は、AlGaInP混晶がGaAsと格子整合することを利用して、GaAs単結晶基板上にAlGaInP混晶からなる各層をエピタキシャル成長させることにより形成できる。そして、これを発光素子として利用する際には、通常、GaAs単結晶基板をそのまま素子基板として利用することも多い。しかしながら、発光層部を構成するAlGaInP混晶はGaAsよりもバンドギャップが大きいため、発光した光がGaAs基板に吸収されて十分な光取出し効率が得られにくい難点がある。この問題を解決するために、半導体多層膜からなる反射層を基板と発光素子との間に挿入する方法(例えば特許文献1)も提案されているが、積層された半導体層の屈折率の違いを利用するため、限られた角度で入射した光しか反射されず、光取出し効率の大幅な向上は原理的に期待できない。
そこで、特許文献2には、成長用のGaAs基板を剥離する一方、補強用の素子基板(導電性を有するもの)を、反射用のAu層を介して剥離面に貼り合わせる技術が開示されている。このAu層は反射率が高く、また、反射率の入射角依存性が小さい利点がある。しかし、Au層は、白色光下にて黄色に着色して見える事実からも明らかな通り、特定波長帯の光に対して吸収が大きく、ピーク波長が該波長域に設定された発光素子の場合、吸収による反射率の低下を生ずる問題がある。そこで、非特許文献1には、反射率の波長依存性がAuよりも小さいAlにて反射層を構成することにより、反射強度を高めるようにした発光素子が開示されている。
本発明者が検討したところ、非特許文献1の構成で用いているAl層は、可視光域での反射率が大気中では概ね90%前後の良好な値を示すが、発光層部を構成するAlGaInP等の化合物半導体と接した状態では反射率が80%前後まで大きく低下し、光取出し効率が必ずしも良好とならないことが判明した。また、Al以外の金属で反射面を形成した場合も、このような反射率の低下が多かれ少なかれ生ずることがわかった。
本発明の課題は、発光層部を金属層で覆った発光素子において、金属層による実質的な反射率をより高めることができ、ひいては光取出し効率により優れた発光素子を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に、発光層部からの光を光取出面側に反射させる反射面を有した金属層が形成されるとともに、金属層と発光層部との間には該金属層と接する形で、発光層部のピーク発光波長に対する屈折率が、自身の第一主表面側に接する化合物半導体よりも小さい化合物半導体よりなる反射調整層が設けられていることを特徴とする。
上記本発明の発光素子によると、反射面を形成する金属層と発光層部との間に、金属層と接する形で、自身の第一主表面側に接する化合物半導体よりも低屈折率の化合物半導体からなる反射調整層を介挿した。これにより、自身の第一主表面側に接する化合物半導体が発光層部をなすものである場合、該発光層部が金属層と直接接した構造の発光素子と比べて、金属層による反射率を高めることができ、ひいては光取出し効率により優れた発光素子が実現する。該効果は、金属層の反射面がAlを主成分とするAl系金属にて形成されてなる場合に特に顕著である。他方、金属層の反射面がAuを主成分とするAu系金属又はAgを主成分とするAg系金属にて形成されている場合も、反射調整層の配置により、Al系金属の場合ほどではないが反射光強度を高める効果が同様に発揮される。なお、上記の効果を顕著なものとするためには、反射調整層の屈折率をn、発光層部の大気中でのピーク発光波長をλ、発光層部からの発光光束の反射調整層内での波長λ’をλ/nとして、反射調整層の光学的膜厚をλ’/4以上に調整しておくことが望ましい。
ベールの法則によると、入射光強度をI、反射光強度をIとしたとき、反射率I/Iは以下の式で表される:
(I/I)=exp(−αZ) ‥(1)
α=4πk/λ’ ‥(2)
Z:入射光の浸透深さ、α:吸収係数、λ’:波長、k:消衰係数
(1)式において、入射光の浸透深さは反射面を構成する材質によって固有に定まってしまうので、反射率を向上するには吸収係数をなるべく小さくすることが必要であることがわかる。他方(2)式によると、材料固有の消衰係数kのほかに、入射光の波長λ’も吸収係数αの値に影響することがわかる。同じバンドギャップエネルギーを有する発光層部であっても、発光光束の波長は光が伝播する媒質の屈折率により変化する。大気中での波長(可視光の場合、真空中の波長とほぼ同じである)をλとし、媒質の屈折率をnとすれば、当該媒質中での波長λ’はλ/nにて表され、媒質の屈折率nが大きくなるほど波長は短くなる。
従って、反射面を形成する金属層に、例えば高屈折率の発光層部が直接接していれば、入射光の波長λ’は(2)式により短くなり、吸収係数αが大きくなって(1)式により反射率は低下しやすくなる。そこで、金属層と接する層を、該発光層部をなす化合物半導体よりも低屈折率の化合物半導体よりなる反射調整層とすることで、入射光の波長λ’は長くなり、反射率を向上できることがわかる。
一方、吸収係数αを支配するもう一つの因子である消衰係数kは、入射光の波長によっても異なるが、Al:Ag:Auの相対比で表すと、おおむね13:11:8とAlが最も高い。(1)式から明らかな通り、反射率は吸収係数αひいては消衰係数kの増加に対し指数関数的に減少するため、反射率低下への影響も特に著しいことがわかる。これは、反射調整層の配置により反射率を改善する効果がAl系金属の場合に特に著しい理由の一つになっていると考えられる。
金属層は発光層部への通電経路の一部をなすので、これと接する反射調整層も、導電性を確保できる化合物半導体により構成する必要がある。また、化合物半導体からなる反射調整層は発光層部とともにエピタキシャル成長により形成できるので、工程簡略化の点で有利であることはいうまでもない。この場合、反射調整層を、発光層部のピーク発光波長に対応する光量子エネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有する化合物半導体にて構成しておくと、反射調整層の追加が発光光束の吸収に作用せず、ひいては光取出し効率をさらに向上することができる。
例えば、発光層部がGaAsと格子整合するAlGaInP化合物のダブルへテロ構造を有するものとして構成されている場合、反射調整層はAlGaAsにて構成することができる。AlGaAsはGaAsとの格子定数差が小さく、GaAs基板上にAlGaInP化合物からなる発光層部と一括してエピタキシャル成長できる利点がある。この場合、AlGaAs化合物からなる反射調整層は、発光層部のクラッド層をなすAlGaInP化合物よりも屈折率が小さくなるように、AlAs混晶比を調整する必要がある。AlGaAs化合物の屈折率は、AlAs混晶比が増加するほど小さくなる。一方、AlAs混晶比xの下限値は、発光層部に含まれる活性層よりもバンドギャップエネルギーが大きくなるように(つまり、ピーク発光波長に対応する光量子エネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するものとなるように)設定しておくと、発光光束の吸収を生じないので好都合である。
本発明において、「GaAsと格子整合する化合物半導体」とは、応力による格子変位を生じていないバルク結晶状態にて見込まれる、当該の化合物半導体の格子定数をa1、同じくGaAsの格子定数をa0として、{|a1−a0|/a0}×100(%)にて表される格子不整合率が、1%以内に収まっている化合物半導体のことをいう。また、「組成式(Alx’Ga1−x’y’In1−y’P(ただし、0≦x’≦1,0≦y’≦1)にて表される化合物のうち、GaAsと格子整合する化合物」のことを、「GaAsと格子整合するAlGaInP」などと記載する。
本発明の発光素子は、化合物半導体層に金属層を介して素子基板が貼り合わされたものとして構成することができる。他方、素子基板を省略し、化合物半導体層の第二主表面に電極を兼ねた金属層を形成する構成を採用することも可能である。
以下、本発明に係る発光素子の製造方法の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の適用対象となる発光素子の概念図である。該発光素子100は、素子基板としてのシリコン単結晶よりなるシリコン基板7(本実施形態ではn型であるがp型でもよい)の第一主表面上に、金属層10を介して発光層部24を含む化合物半導体層50が貼り合わされた構造を有してなる。
発光層部24はGaAsと格子整合するAlGaInPからなり、ノンドープの(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55、0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、第一導電型クラッド層、本実施形態ではp型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6と、第一導電型クラッド層とは異なる第二導電型クラッド層、本実施形態ではn型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有し、活性層5の組成に応じて、発光波長を、緑色から赤色領域(発光波長(ピーク発光波長)が550nm以上670nm以下)にて調整できる。
発光層部24の第一主表面上には、AlGaAs(AlInPあるいはGaInPでもよい)からなる電流拡散層20が形成され、発光層部24とともに化合物半導体層50を構成している。電流拡散層20の第一主表面の略中央には、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための光取出面側電極9(例えばAu電極)が形成されている。該光取出面側電極9と電流拡散層20との間には、光取出側接合合金化層としてのAuBe接合合金化層9aが配置されている。そして、電流拡散層20の第一主表面における光取出面側電極9の周囲の領域が、発光層部24からの光取出領域PFを形成している。
n型クラッド層4及びpクラッド層6の厚さは、例えばそれぞれ0.8μm以上4μm
以下(望ましくは0.8μm以上2μm以下)であり、活性層5の厚さは例えば0.4μm以上2μm以下(望ましくは0.4μm以上1μm以下)である。発光層部24全体の厚さは、例えば2μm以上10μm以下(望ましくは2μm以上5μm以下)である。さらに、電流拡散層20の厚さは、例えば5μm以上28μm以下(望ましくは8μm以上15μm以下)である。従って、化合物半導体層50の厚さは、例えば7μm以上30μm以下(望ましくは5μm以上15μm以下)である。なお、本実施形態では、p型クラッド層6が光取出面側に位置する積層形態としているが、n型クラッド層4が光取出面側に位置する積層形態としてもよい(この場合、電流拡散層20はn型にする必要があり、また、接合合金化層9aはAuGeNi等で構成する)。
他方、発光層部24の第二主表面には、AlGaAsよりなる反射調整層BGが形成されてなる。反射調整層BGは、発光層部24のクラッド層4をなすAlGaInPよりも屈折率が小さくなるように、AlGa1−xAsにてAlAs混晶比xが調整される。
赤色発光の場合の具体的な各層の組成設定例を以下に示す:
p型クラッド層6 :(Al0.85Ga0.150.5In0.5
活性層5 :(Al0.04Ga0.960.5In0.5
n型クラッド層4 :(Al0.85Ga0.150.5In0.5
反射調整層BG :Al0.9Ga0.1As
活性層5のバンドギャップエネルギーは1.94eVであり、ピーク発光波長λ(大気中)は639nmである。また、該波長に対するn型クラッド層4の屈折率は3.27、反射調整層BGの屈折率は3.22である。
また、黄色発光の場合の具体的な各層の組成設定例を以下に示す:
p型クラッド層6 :(Al0.85Ga0.150.5In0.5
活性層5 :(Al0.3Ga0.70.5In0.5
n型クラッド層4 :(Al0.85Ga0.150.5In0.5
反射調整層BG :Al0.9Ga0.1As
活性層5のバンドギャップエネルギーは2.06eVであり、ピーク発光波長λ(大気中)は602nmである。また、該波長に対するn型クラッド層4の屈折率は3.26、反射調整層BGの屈折率は3.21である。
反射調整層BGの光学的厚さはλ/4以上である。また、反射調整層BGの光学的厚さの上限値は、素子厚さの過度の増大や反射調整層BGによる光吸収の影響が顕著とならないように、例えば1μm以下の範囲で適宜調整する。
次に、金属層10は、反射面を形成するために反射調整層BGと接して配置された反射金属層10rと、該反射金属層10rとシリコン基板7との結合する結合用金属層10a,10bと、さらに、反射金属層10rと結合用金属層10a,10bとの間に介在する反射金属層側拡散阻止層10fとからなる(従って、後述のコンタクト金属層31,32は金属層10には属さないものとする)。反射金属層10rは、本実施形態ではAl系金属層(Al層)であり、結合用金属層10a,10bはAu系金属層(たとえばAu層)である。さらに、反射金属層側拡散阻止層10fはTi系金属層(例えばTi層)であり、その厚さは1nm以上10μm以下(本実施形態では200nm)である。反射金属層側拡散阻止層10fは、Ti系金属層に代えてNi系金属層(例えばNi層)、Cr系金属層(例えばCr層)あるいはW系金属層(例えばW層)としてもよい。
一方、発光層部24と反射金属層10rとの間には、発光層部側コンタクト金属層としてAuGeNiコンタクト金属層31(例えばGe:15質量%、Ni:10質量%)が形成されており、素子の直列抵抗低減に貢献している。AuGeNiコンタクト金属層31は、反射金属層10rの主表面上に分散形成され、その形成面積率は1%以上25%以下である。また、AuGeNiコンタクト金属層31に代えてAlGeNiコンタクト金属層を用いてもよい。
シリコン基板7は、Si単結晶インゴットをスライス・研磨して製造されたものであり、その厚みは例えば100μm以上500μm以下である。Si単結晶基板7と金属層10との間には、Si単結晶基板7の主表面と接する形で、基板側コンタクト金属層としてのAuSbコンタクト金属層32(例えばSb:5質量%)が形成されている。なお、AuSbコンタクト金属層32に代えてAuSnコンタクト金属層を用いてもよい。
そして、該AuSbコンタクト金属層32の全面が、Ti系金属層(例えばTi層)からなる基板側拡散阻止層10cにより覆われている。基板側拡散阻止層10cの厚さは1nm以上10μm以下(本実施形態では200nm)である。なお、基板側拡散阻止層10cはTi系金属層に代えてNi系金属層(例えばNi層)、Cr系金属層(例えばCr層)あるいはW系金属層(例えばW層)としてもよい。そして、該基板側拡散阻止層10cの全面を覆う形で、これと接するようにAu系金属からなる結合用金属層10a,10bが配置されている。他方、シリコン基板7の裏面には、その全体を覆うように裏面電極(例えばAu電極である)15が形成されている。該裏面電極15とシリコン基板7との間には基板側接合合金化層として、AuSb接合合金化層16が介挿されている。なお、AuSb接合合金化層16に代えてAuSn接合合金化層を基板側接合合金化層として用いてもよい。
発光層部24からの光は、光取出面側に直接放射される光に、反射金属層10rによる反射光が重畳される形で取り出される。反射金属層10rの厚さは、反射効果を十分に確保するため、80nm以上とすることが望ましい。また、厚さの上限には制限は特にないが、反射効果が飽和するため、コストとの兼ね合いにより適当に定める(例えば1μm程度)。また、結合用金属層10a+10bの層厚は200nm以上10μm以下とする。Al層からなる反射金属層10rは発光層部24と直接接していると反射率の低下が著しいが、AlGaAsからなる反射調整層BGを介挿することで、入射光が長波長化し、吸収係数が減少するので反射率を高めることができ、光取出し効率の向上に寄与する。
以下、上記発光素子100の製造方法の具体例について説明する。
まず、図2の工程1に示すように、成長用基板をなすGaAs単結晶基板1の主表面に、n型GaAsバッファ層2を例えば0.5μm、AlAsからなる剥離層3を例えば0.5μm、この順序にてエピタキシャル成長させる。その後、AlGaAsからなる反射調整層BGを例えば100nmエピタキシャル成長し、次いで発光層部24をエピタキシャル成長させる。発光層部24の全厚は2.6μmである。また、さらにp型AlGaAsよりなる電流拡散層20を例えば5μmエピタキシャル成長させる。これら各層のエピタキシャル成長は、公知のMOVPE法により行なうことができる。Al、Ga、In、P及びAsの各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス;ターシャルブチルホスフィン(TBP)、ホスフィン(PH)など。
・As源ガス;ターシャルブチルアルシン(TBA)、アルシン(AsH)など。
また、ドーパントガスとしては、以下のようなものを使用できる;
(p型ドーパント)
・Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)など。
・Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
・Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
これによって、GaAs単結晶基板1上に、反射調整層BG、発光層部24及び電流拡散層20からなる化合物半導体層50が形成される。該化合物半導体層50の厚さは7.7μmであり、GaAs単結晶基板1を除去した場合、これを単独で無傷にハンドリングすることは事実上不可能である。なお、化合物半導体層50の第一主表面には、この段階でAuBe接合金属層9a’(光取出面側接合合金化層)とこれを覆う光取出面側電極9をパターニング形成する。このあと引き続き光取出側合金化熱処理を行ってAuBe接合金属層9a’を接合合金化層9aとしてもよいが、本実施形態では該光取出側合金化熱処理を、後述の第一の貼り合わせ金属層12a側のAuGeNi接合合金化層31を形成する際の、貼り合わせ側合金化熱処理に兼用させている。
次に、工程2に示すように、化合物半導体層50の第一主表面に高分子材料結合層111を、光取出面側電極9を覆う形態で塗付形成し、工程3に示すように、高分子材料結合層111を加熱軟化させた状態で、別途用意した仮支持基板110を重ね合わせて密着させ、その後冷却して該高分子材料結合層111を硬化させることにより、化合物半導体層50と仮支持基板110とを高分子材料結合層111を介して貼り合わせた仮支持貼り合わせ体120を作成する(工程3)。この時点では、化合物半導体層50の第二主表面側には、成長用基板であるGaAs単結晶基板1が付随した状態となっている。
仮支持基板110の材質は、後述の合金化熱処理時においても剛性を保ち、かつ、ガス発生等が少ない材料で構成する。具体的には、Si基板やセラミック板(例えばアルミナ板)、あるいは金属板等で構成することができる。その厚さは、例えば100μm以上500μm以下であるが、もっと厚くてもよい。他方、高分子材料結合層111としては、ホットメルト型接着剤やワックス類を用いることができる。
次に、図3の工程4に示すように、仮支持貼り合わせ体120に付随している成長用基板としてのGaAs単結晶基板1を除去する。該除去は、例えば仮支持貼り合わせ体120(工程3参照)をGaAs単結晶基板1とともにエッチング液(例えば10%フッ酸水溶液)に浸漬し、バッファ層2と発光層部24との間に形成したAlAs剥離層3を選択エッチングすることにより、該GaAs単結晶基板1を仮支持貼り合わせ体120から剥離する形で実施することができる。なお、AlAs剥離層3に代えてAlInPよりなるエッチストップ層を形成しておき、GaAsに対して選択エッチング性を有する第一エッチング液(例えばアンモニア/過酸化水素混合液)を用いてGaAs単結晶基板1をGaAsバッファ層2とともにエッチング除去し、次いでAlInPに対して選択エッチング性を有する第二エッチング液(例えば塩酸:Al酸化層除去用にフッ酸を添加してもよい)を用いてエッチストップ層をエッチング除去する工程を採用することもできる。なお、高分子材料結合層111は、上記のエッチング液に対し耐腐食性を有したものを用いることが望ましく、前述の市販品は該耐腐食性の観点でも本発明に好適に採用可能である。
このようにして、GaAs単結晶基板1が除去された化合物半導体層50は、高分子材料結合層111を介して仮支持基板110と貼り合わされ、仮支持貼り合わせ体120を形成している。従って、化合物半導体層50がごく薄いにもかかわらず、GaAs単結晶基板1のエッチング除去時に泡等の衝撃で破壊される不具合を生じにくく、かつ、GaAs単結晶基板1の除去後も仮支持貼り合わせ体120の形で補強されているために、以降の工程に供する際のハンドリングを容易に行なうことが可能となる。
次に、工程5に示すように、上記仮支持貼り合わせ体120の状態で、GaAs単結晶基板1の除去により露出した化合物半導体層50の第二主表面にAuGeNi接合金属層を分散形成し、さらに該AuGeNi接合金属層をAuGeNi接合合金化層31とするための貼り合わせ側合金化熱処理を行なう。このとき、光取出面側電極9に対するAuBe接合金属層9a’の合金化も同時に行なうことができる(つまり、光取出側合金化熱処理にも兼用されている)。
AuGeNi接合金属層の成膜は、真空雰囲気にてスパッタリングあるいは真空蒸着等により行なわれる。また、合金化熱処理は、300℃以上450℃以下の温度の不活性ガス雰囲気下で実施され、具体的には、大気圧と同程度のN等の不活性ガス雰囲気下で行なうことができる。なお、合金化熱処理の上記温度は、高分子材料結合層111のガラス転移温度(80〜90℃程度)よりも高いので、処理中に高分子材料結合層111は軟化する。そこで、合金化熱処理中においては滑り防止のため、仮支持貼り合わせ体120を、化合物半導体層50側を上側、仮支持基板110側を下側となるように(つまり、図3の工程5とは上下反対の状態)水平配置し、さらに、セラミック基板やSi基板などの荷重付与体を載置することが望ましい。
次に、工程6に進み、仮支持貼り合わせ体120の状態で、化合物半導体層50の第二主表面にAl系金属からなる反射金属層10rを蒸着により形成し、次いでTi系金属からなる反射金属層側拡散阻止層10fを蒸着により形成し、さらにAu系金属からなる結合用金属層10aを蒸着により形成する。他方、シリコン基板7を別途用意し、その両主表面にAuSb接合金属層を形成して、さらに250℃以上360℃以下の温度域で合金化熱処理を行なうことにより、それぞれAuSb接合合金化層32,16とする。そして、接合合金化層32を覆うようにTi系金属層(例えばTi層)からなる基板側拡散阻止層10cを蒸着により形成し、さらにAu系金属からなる結合用金属層10bを形成する。なお、合金化熱処理は結合用金属層10bを形成後に行なってもよい。
次に、図4の工程7に示すように、化合物半導体層50側に形成されたAu系金属層10aを、シリコン基板7側に形成されたAu系金属層10bに重ね合わせて圧迫し、180℃以上360℃以下(前述の合金化熱処理よりも低温とする)、例えば250℃にて貼り合わせ熱処理する。これにより、Au系金属層10aとAu系金属層10bとが十分な強度にて貼り合わされる。また、化合物半導体層50とシリコン基板7とは、金属層10を介して貼り合わされ、貼り合わせ結合体130となる。Au系金属層10a,10bは、いずれも酸化しにくいAuを主体に構成されているので、上記貼り合わせ熱処理は、例えば大気中でも問題なく行なうことができる。
貼り合わせ熱処理が完了したら仮支持基板分離工程を行なう。仮支持基板分離工程は、図4の工程8に示すように、高分子材料結合層111を加熱・軟化させ、仮支持基板110を分離・除去する。なお、この分離は、工程7の貼り合わせ熱処理の際に同時に行なうことも可能である。その後、工程9に示すように、化合物半導体層50の第一主表面上に残存している高分子材料結合層111を有機溶剤を用いて溶解・除去する。
以上においては、理解を容易にする便宜上、貼り合わせ結合体130を作る工程を素子単体の積層形態にて図示しつつ説明していたが、実際は、複数の素子チップがマトリックス状に配列した形で一括形成された貼り合わせウェーハが作成される。そして、この貼り合わせウェーハを通常の方法によりダイシングして素子チップとし、これを支持体に固着してリード線のワイヤボンディング等を行った後、樹脂封止をすることにより最終的な発光素子が得られる。
なお、本発明の発光素子は、図5の発光素子200のように、反射面の形成部も含めて金属層10の全体をAu系金属により構成することもできる(図1の発光素子100と共通部分には同一の符号を付与した)。該金属層10は、Au系金属層10a,10b同士が貼り合わされたものである。また、Au系金属層10a,10bをAg系金属層に置き換えて、それらAg系金属層同士の貼り合わせにより形成することもできる。この場合、反射面の形成部も含めて金属層の全体がAg系金属により構成される。これらの構成においても、Al系反射金属層10rを用いる図1の発光素子100ほどではないが、反射調整層BGの形成により反射率の向上を図ることができる。さらに、図6の発光素子300においては、発光層部24の第二主表面に透明導電性半導体基板であるGaP基板(n型)70が貼り合わされ、該GaP基板70の第二主表面にAlGaAs(n型)からなる反射調整層BGが形成されている。そして、反射調整層BGの第二主表面にはAuGeNi合金を用いた接合合金化層16’が分散形成され、これを覆うように、Al系金属、Ag系金属あるいはAu系金属のいずれかからなる、反射金属層を兼ねた裏面電極15が形成されている。反射調整層BGの第一主表面に接するのはGaPであるが、反射調整層BGをなすAlGaAsはGaPよりも屈折率が低く、裏面電極15による反射率向上に寄与している。
本発明の発光素子の第一例を示す断面模式図。 図1の発光素子の製造方法の一例を示す工程説明図。 図2に続く工程説明図。 図3に続く工程説明図。 本発明の発光素子の第二例を示す断面模式図。 本発明の発光素子の第三例を示す断面模式図。
符号の説明
10 金属層
10r 反射金属層
24 発光層部
BG 反射調整層
50 化合物半導体層
100,200,300 発光素子

Claims (6)

  1. 発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に、前記発光層部からの光を前記光取出面側に反射させる反射面を有した金属層が形成されるとともに、前記金属層と前記発光層部との間には該金属層と接する形で、前記発光層部のピーク発光波長に対する屈折率が、自身の第一主表面側に接する化合物半導体よりも小さい化合物半導体からなる反射調整層が設けられていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記反射調整層の前記屈折率をn、前記発光層部の大気中でのピーク発光波長をλ、前記発光層部からの発光光束の前記反射調整層内での波長λ’をλ/nとして、前記反射調整層の光学的膜厚がλ’/4以上に調整されてなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記金属層の前記反射面がAlを主成分とするAl系金属にて形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記金属層の前記反射面がAuを主成分とするAu系金属又はAgを主成分とするAg系金属にて形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
  5. 前記反射調整層は、前記発光層部のピーク発光波長に対応する光量子エネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有する化合物半導体よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記発光層部がGaAsと格子整合するAlGaInP化合物のダブルへテロ構造を有するものとして構成され、前記発光層部のクラッド層をなすAlGaInP化合物よりも前記屈折率が小さくなるようにAlAs混晶比が調整されたAlGaAsにより前記反射調整層が構成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発光素子。
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