JP2006010424A - ウラン回収設備及びウラン回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄物の量を低減すると共にウランを好適に回収するウラン回収設備及びウラン回収方法を提供する。
【解決手段】ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着させるウラン吸着塔1を備え、ウラン吸着塔1の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備える。これにより、ウランを吸着させる吸着剤の焼却処理により廃棄物の量を低減することができ、又、ウランを好適に回収することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着させるウラン吸着塔1を備え、ウラン吸着塔1の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備える。これにより、ウランを吸着させる吸着剤の焼却処理により廃棄物の量を低減することができ、又、ウランを好適に回収することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを回収するウラン回収設備及びウラン回収方法に関するものである。
一般に、核燃料等の処理の際には、ウランを含有したフッ化ナトリウム(NaF)等のハロゲン化物を生じており、ウランを含有したハロゲン化物は、ウランを回収するためにウラン回収手段により種々の処理がなされる。
ウラン回収手段の一例としては、ウランを含有したハロゲン化物を600℃以上に加熱して溶融塩にし、溶融塩を電解還元して陰極側の電極にウランを付着生成させ、更に昇温して電極のウランを溶融し、冷却によりウランとフッ化ナトリウムを比重分離してウランを回収するものがある(例えば特許文献1参照。)。
又、他の例としては6フッ化ウラン(UF6)を、NaFの吸着剤に吸着させて回収するものがある(例えば特許文献2参照。)。
特開平10−81989号公報
特開平11−304995号公報
しかしながら、ウランを含んだハロゲン化物を溶融塩にして処理する際には、ウランを付着させる電極が二次廃棄物になると共に溶融塩自体(フッ化ナトリウム)も廃棄物になるため、最終的な廃棄物の量が増大するという問題があった。又、溶融塩の融点が600℃以上にする必要があるため、ランニングコストが高く、安全対策も過大になるという問題があった。更に、廃棄物の量を低減すると共にウランを好適に回収することが求められていた。
本発明は上述の実情に鑑み、廃棄物の量を低減すると共にウランを好適に回収するウラン回収設備及びウラン回収方法を提供することを目的としたものである。
本発明の請求項1は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着させるウラン吸着塔を備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項2は、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化する溶解槽と、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着させるウラン吸着塔とを備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項3は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離させる脱離炉と、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着させるウラン吸着塔とを備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項4は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離させる脱離炉と、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化する溶解槽と、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着させるウラン吸着塔とを備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項5は、ウラン吸着塔の吸着剤を、ウランを吸着し得る有機系材料にした請求項1〜4のいずれかに記載のウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項6は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを沈殿させる沈殿槽を備え、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を沈殿槽に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をウラン吸着塔へ送る構成を備えた請求項2又は4記載のウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項7は、脱離炉を回避するバイパスラインを備え、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を脱離炉に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をバイパスラインへ送る構成を備えた請求項3又は4記載のウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項8は、ウラン吸着後のハロゲン化物の溶液を処理する構成を備えた請求項1〜7のいずれかに記載のウラン回収設備、にかかるものである。
本発明の請求項9は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法、にかかるものである。
本発明の請求項10は、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化し、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法、にかかるものである。
本発明の請求項11は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させ、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法、にかかるものである。
本発明の請求項12は、ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させ、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化し、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法、にかかるものである。
本発明の請求項13は、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物からウランを沈殿させた後に吸着剤に吸着させ、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着剤に直接吸着させる請求項10又は12記載のウラン回収方法、にかかるものである。
本発明の請求項14は、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させ、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を、脱離炉を避けて次処理へ送る請求項11又は12記載のウラン回収方法、にかかるものである。
本発明の請求項15は、ウラン吸着後のハロゲン化物の溶液を処理する請求項9〜14のいずれかに記載のウラン回収方法、にかかるものである。
このように、本発明によれば、ウランを吸着させる吸着剤は、焼却処理により廃棄物の発生を防止し得るので、ウランを付着させる電極等を不要にし、廃棄物の量を低減することができる。又、ウランを吸着させる吸着剤は、焼却処理によりウランを回収し得るので、ウランの回収量に損失を生じることなく、好適に回収することができる。更に、ハロゲン化物を溶融塩にする必要がないので、融点600℃以上にする加熱手段を不要にし、ランニングコストを抑制すると共に安全対策の過大化を不要にすることができる。
ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化すると、ウランを含有したハロゲン化物を湿式溶解し、ウランを吸着剤に適切に吸着させるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ウランを含有したハロゲン化物を湿式溶解し、ウランを吸着剤に適切に吸着させるので、ウランを一層好適に回収することができる。更に、ハロゲン化物を湿式溶解するので、加熱により溶融塩にする必要がなく、ランニングコストを一層抑制すると共に安全対策の過大化を不要にすることができる。
ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させると、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで容易に除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、ウランを吸着剤に容易に且つ十分に吸着させ、ウランを一層好適に回収することができる。
ウラン吸着塔の吸着剤を、ウランを吸着し得る有機系材料にすると、吸着剤を焼却した際には廃棄物を出すことなく好適に処理し得るので、廃棄物の量を一層低減することができる。又、有機系材料の吸着剤に対してウランを吸着させ、ウランを好適に回収することができる。
ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を沈殿槽に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をウラン吸着塔へ送る構成を備えると、ウランの濃度が高い場合には、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで容易に除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ウランの濃度によって選択的に使用し得るので、設備及び方法の自由度が高く、廃棄物の量を適切に低減することができる。
ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を脱離炉に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をバイパスラインへ送る構成を備えると、ウランの濃度が高い場合には、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで容易に除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ウランの濃度によって選択的に使用し得るので、設備及び方法の自由度が高く、廃棄物の量を適切に低減することができる。
ウラン吸着後のハロゲン化物の溶液を処理する構成を備えると、ウランを取り除いたハロゲン化物を処理して廃棄し得るので、廃棄物の量を適切に低減することができる。
以上、述べたように、本発明のウラン回収設備及びウラン回収方法によれば、ウランを吸着させる吸着剤の焼却処理により廃棄物の量を低減することができ、又、ウランを好適に回収することができるという種々の優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態の第一例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のウラン回収設備及びウラン回収方法を実施する形態の第一例を示す概念図である。
本発明の形態の第一例は、ウランを含んだフッ化ナトリウム(NaF)等のハロゲン化物を導入し得るウラン吸着塔1と、ウラン吸着塔1の下流で処理液を処理する第一処理手段2と、ウラン吸着塔1の吸着剤を焼却し得る第二処理手段3とを備えている。
ウラン吸着塔1は、内部に、フミン酸、タンニン等の有機系材料や、ウランを吸着し得るイオン交換樹脂で構成された吸着剤を充填している。ここで、吸着剤は、ウランを吸着し得る性質を有し、且つ吸着剤自身の完全焼却により、ウランを除き、他を大気中へ安全に廃棄し得るものであれば特に限定されるものではない。
第一処理手段2には、ウラン吸着塔1からの処理液を受け入れる調整槽4と、調整槽4からの処理液を処理する凝集沈殿槽5と、凝集沈殿槽5からの処理液を脱水する脱水機6とを備えており、調整槽4には、外部より消石灰及びCaCl2を導入すると共に攪拌器7を備え、凝集沈殿槽5には、外部より凝集沈殿剤を導入すると共に攪拌器8を備えている。ここで、調整槽4、凝集沈殿槽5、脱水機6の構成は、特に限定されるものではなく、まとめて構成されてもよい。
第二処理手段3には、ウラン吸着塔1から取り出した吸着剤を焼却し得る焼却手段(図示せず)と、焼却手段で焼却された吸着剤からウランを回収する回収手段(図示せず)とを備えている。ここで、焼却手段の構成は、吸着剤を焼却し得るものならば特に限定されるものでなく、回収手段の構成も同様に、焼却された吸着剤からウランを回収し得るならば特に限定されるものではない。又、焼却手段と回収手段は、まとめて構成されてもよい。
以下、本発明を実施する形態の第一例の作用を説明する。
ウランを含有したハロゲン化物(使用済のフッ化ナトリウム(NaF))からウランを回収する際には、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化してウラン吸着塔1に導入し、ウランを吸着剤に吸着させる。次に、ウラン吸着塔1から吸着剤を取り出して焼却手段に投入し、吸着剤を完全に燃焼させてCO2、H2O等にすると共にウランを酸化物として残し、残ったウランの酸化物を回収手段により回収する。ここで、吸着剤の完全燃焼により生じたCO2、H2O等は、ウランの酸化物を除き、外気へ放出される。なお、外気へ放出されるCO2、H2O等は安全なクリアランスレベルとなっている。
ここで、ウランをウラン吸着塔1に吸着した際には、処理液をウラン吸着塔1から安全なクリアランスレベルで排出しており、処理液は調整槽4に送られる。調整槽4では、処理液に消石灰及びCaCl2を加えて攪拌し、処理液を凝集沈殿槽5へ流入させており、凝集沈殿槽5では、続いて処理液に凝集沈殿剤を加えて攪拌し、処理液のフッ素をフッ化カルシウム(CaF2)として沈殿させ、処理液及び沈殿物を脱水機6へ移送させる。脱水機6では、脱水処理により、水、NaCl、CaCl2の排水と、フッ化カルシウムの沈殿物に分離しており、沈殿物は廃棄物として処理されると共に、排水は排水処理設備へ送給されて処理される。ここで、排水中のNaCl及びCaCl2は溶解度が高いため、水で所定の濃度にした後、放流される。
このように、本発明の形態の第一例によれば、ウランを吸着させる吸着剤は、焼却処理により、ウランの酸化物を除き、外気へ放出可能なCO2、H2O等を生じて廃棄物の発生を防止し得るので、従来必要であったウランを付着させる電極等を不要にし、廃棄物の量を低減することができる。又、ウランを吸着させる吸着剤は、焼却処理によりウランの酸化物を完全に回収し得るので、ウランの回収量に損失を生じることなく、好適に回収することができる。更に、ハロゲン化物を溶融塩にする必要がないので、従来必要であった融点600℃以上にする加熱手段を不要にし、ランニングコストを抑制すると共に安全対策の過大化を不要にすることができる。
ウラン吸着塔1の吸着剤を、ウランを吸着し得る有機系材料にすると、吸着剤を焼却した際には廃棄物を出すことなく好適に処理し得るので、廃棄物の量を一層低減することができる。又、有機系材料の吸着剤にウランを吸着させ、ウランを好適に回収することができる。更に、吸着剤がフミン酸、タンニンの場合には、特に焼却処理を容易に行うことができると共にウランの吸着割合を十分に維持することができる。
ウラン吸着後のハロゲン化物の溶液を処理する構成の第一処理手段2を備えると、ウランを取り除いたハロゲン化物の処理液を処理することにより、沈殿物を除き、残りの排水を廃棄し得るので、廃棄物の量を適切に低減することができる。
次に、本発明の実施の形態の第二例を図面に基づいて説明する。
図2は本発明のウラン回収設備及びウラン回収方法を実施する形態の第二例を示す概念図である。なお、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
本発明の形態の第二例は、ウランを含んだフッ化ナトリウム(NaF)等のハロゲン化物のガスを導入し得る溶解槽9と、溶解槽9からウランを含んだハロゲン化物の水溶液を流入させるウラン吸着塔1と、ウラン吸着塔1の下流で処理液を処理する第一処理手段2と、ウラン吸着塔1の吸着剤を焼却し得る第二処理手段3とを備えている。
溶解槽9は、外部より、水、塩酸、NaOHを導入可能に構成されると共に攪拌器10を備え、更に沈殿槽11及び脱水機12を介してウラン吸着塔1へ送る粗回収のライン13を備えている。又、沈殿槽11は、塩酸、過酸化水素、NaOHを導入可能に構成されると共に攪拌器14を備え、脱水機12は、沈殿槽11からの処理液を脱水する構成を備えている。ここで、溶解槽9、沈殿槽11、脱水機12の構成は、特に限定されるものではなく、まとめて構成されてもよい。
ウラン吸着塔1及び吸着剤、第一処理手段2の調整槽4及び凝集沈殿槽5並びに脱水機6、第二処理手段3の焼却手段(図示せず)及び回収手段(図示せず)は第一例と略同じ構造である。
以下、本発明を実施する形態の第二例の作用を説明する。
ウランを含有したハロゲン化物(使用済のフッ化ナトリウム(NaF))のガスからウランを回収する際には、ウランを含有したハロゲン化物のガスを溶解槽9に導入し、水、塩酸、NaOHにより溶解度を適宜調整して水溶液化する。次に、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液を粗回収のライン13の沈殿槽11に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液をウラン吸着塔1へ送る。
ここで、ウランの濃度が高い場合には、沈殿槽11に、塩酸、NaOHによりpHを調整すると共に酸化剤の過酸化水素を加えて攪拌し、ウランを含有したハロゲン化物のうち多くのウランをウラン酸化物(UO4)として沈殿させ、溶液及び沈殿物を脱水機12へ移し、脱水機12で脱水処理により、ウランを含有した溶液と、ウラン酸化物の沈殿物とに分離し、ウランを粗回収すると共に残りのウランを含有した水溶液をウラン吸着塔1へ送る。
次に、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液を、溶解槽9からウラン吸着塔1に直接導入した場合や、沈殿槽11及び脱水機12を介してウラン吸着塔1に導入した場合には、第一例と略同様に、吸着剤へのウランの吸着、吸着剤の焼却を介してウランの酸化物を回収すると共に、ウラン吸着塔1からの処理液を処理する。
このように、本発明の形態の第二例によれば、第一例と略同様な作用効果を得ることができる。
ウランを含有したハロゲン化物を溶解槽9で水溶液化すると、ウランを含有したハロゲン化物を湿式溶解し、ウランをウラン吸着塔1の吸着剤に適切に吸着させるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ウランを含有したハロゲン化物を湿式溶解し、ウランをウラン吸着塔1の吸着剤に適切に吸着させるので、ウランを一層好適に回収することができる。更に、ハロゲン化物を湿式溶解するので、加熱により溶融塩にする必要がなく、ランニングコストを一層抑制すると共に安全対策の過大化を不要にすることができる。
ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を沈殿槽11に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をウラン吸着塔1へ送る構成を備えると、ウランの濃度が高い場合には、粗回収によりハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで容易に除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ウランの濃度によって選択的に使用し得るので、設備及び方法の自由度が高く、廃棄物の量を適切に低減することができる。更に、沈殿槽11で塩酸、NaOHを加えてpHを調整すると共に酸化剤の過酸化水素を加えるので、ウランを好適に沈殿させてウランの回収率を向上させることができる。
続いて、本発明の実施の形態の第三例を図面に基づいて説明する。
図3は本発明のウラン回収設備及びウラン回収方法を実施する形態の第三例を示す概念図である。なお、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
本発明の形態の第三例は、ウランを含んだフッ化ナトリウム(NaF)等のハロゲン化物のガスを導入し得る粗回収の脱離炉15と、ウランを含んだハロゲン化物を脱離炉15を回避するバイパスライン16と、ウランを含んだハロゲン化物を脱離炉15もしくはバイパスライン16から流入させるウラン吸着塔1と、ウラン吸着塔1の下流で処理液を処理する第一処理手段2と、ウラン吸着塔1の吸着剤を焼却し得る第二処理手段3とを備えている。
脱離炉15は、外部より、F2ガス、N2ガスを導入可能に構成されると共に、外周に加熱手段の電気炉17を備え、更にコールドトラップ18を介してシリンダ19若しくは排ガス処理設備へ送る構成を備えている。
ウラン吸着塔1及び吸着剤、第一処理手段2の調整槽4及び凝集沈殿槽5並びに脱水機6、第二処理手段3の焼却手段(図示せず)及び回収手段(図示せず)は第一例と略同じ構造である。
以下、本発明を実施する形態の第三例の作用を説明する。
ウランを含有したハロゲン化物(使用済のフッ化ナトリウム(NaF))のガスからウランを回収する際には、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を粗回収用の脱離炉15に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をバイパスライン16を介してウラン吸着塔1(次処理)へ送る。
脱離炉15では、ウランを含有したハロゲン化物を電気炉17により350℃以上600℃未満に加熱してウランをフッ化ウラン(UF6)にし、フッ化ウランをコールドトラップ18に送ると共に、残りのウランを含有したハロゲン化物をウラン吸着塔1へ送る。ここで、コールドトラップ18では所定温度に冷却されることによりフッ化ウランと窒素等に分け、フッ化ウランをシリンダ19へ送って粗回収すると共に窒素等を排ガス処理設備へ送って処理している。
次に、ウランを、バイパスライン16を介してウラン吸着塔1に直接導入した場合や、脱離炉15を介してウラン吸着塔1に導入した場合には、以下、第一例と略同様に、吸着剤へのウランの吸着、吸着剤の焼却を介してウランの酸化物を回収すると共に、ウラン吸着塔1からの処理液を処理している。
このように、本発明の形態の第三例によれば、第一例と略同様な作用効果を得ることができる。
ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉15で脱離させると、粗回収し、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで容易に除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、ウランをウラン吸着塔1の吸着剤に容易に且つ十分に吸着させ、ウランを一層好適に回収することができる。更に、ウランを含有したハロゲン化物を脱離炉15で350℃以上600℃未満で脱離させるので、ランニングコストを一層抑制することができる。
ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を脱離炉15に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をバイパスライン16へ送る構成を備えると、ウランの濃度が高い場合には、ハロゲン化物に含有されるウランの濃度を下げるので、汚染された放射性の二次廃棄物をクリアランスレベルまで容易に除染し、廃棄物の量を一層低減することができる。又、ウランの濃度によって選択的に使用し得るので、設備及び方法の自由度が高く、廃棄物の量を適切に低減することができる。
次に、本発明の実施の形態の第四例を図面に基づいて説明する。
図4は本発明のウラン回収設備及びウラン回収方法を実施する形態の第四例を示す概念図である。なお、図中、図1〜図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
本発明の形態の第四例は、ウランを含んだフッ化ナトリウム(NaF)等のハロゲン化物のガスを導入し得る粗回収の脱離炉15と、ウランを含んだハロゲン化物を脱離炉15を回避するバイパスライン16と、ウランを含んだハロゲン化物を脱離炉15もしくはバイパスライン16から流入させる溶解槽9と、溶解槽9からウランを含んだハロゲン化物の水溶液を流入させるウラン吸着塔1と、ウラン吸着塔1の下流で処理液を処理する第一処理手段2と、ウラン吸着塔1の吸着剤を焼却し得る第二処理手段3とを備えている。
脱離炉15及びバイパスライン16は第三例と略同じ構造であり、溶解槽9及び沈殿槽11並びに脱水機12は第二例と略同じ構造であり、ウラン吸着塔1及び吸着剤、第一処理手段2の調整槽4及び凝集沈殿槽5並びに脱水機6、第二処理手段3の焼却手段(図示せず)及び回収手段(図示せず)は第一例と略同じ構造である。
以下、本発明を実施する形態の第四例の作用を説明する。
ウランを含有したハロゲン化物(使用済のフッ化ナトリウム(NaF))のガスからウランを回収する際には、第三例と略同様に、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を粗回収の脱離炉15に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をバイパスライン16を介して溶解槽9(次処理)へ送り、脱離炉15では、第三例と略同様に処理する。
次に、溶解槽9では、第二例と略同様に、ウランを含有したハロゲン化物のガスを、水、塩酸、NaOHにより溶解度を適宜調整して水溶液化し、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液を粗回収の沈殿槽11に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液をウラン吸着塔1へ送り、沈殿槽11では、第二例と略同様に処理する。
続いて、ウラン吸着塔1では、第一例と略同様に、ウランを吸着剤に吸着させた後、ウラン吸着塔1の吸着剤を燃焼してウランの酸化物を回収する。又、ウラン吸着塔1から排出した処理液は、第一例と略同様に処理する。
このように、本発明の形態の第四例によれば、第一例〜第三例と略同様な作用効果を得ることができる。
又、脱離炉15、溶解槽9を個々に適用してウランを粗回収し得るので、設備及び方法の自由度が最も高く、廃棄物の量を好適に低減することができる。
なお、本発明のウラン回収設備及びウラン回収方法は、上述の形態例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 ウラン吸着塔
9 溶解槽
11 沈殿槽
15 脱離炉
16 バイパスライン
9 溶解槽
11 沈殿槽
15 脱離炉
16 バイパスライン
Claims (15)
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着させるウラン吸着塔を備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備。
- ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化する溶解槽と、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着させるウラン吸着塔とを備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備。
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離させる脱離炉と、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着させるウラン吸着塔とを備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備。
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離させる脱離炉と、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化する溶解槽と、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着させるウラン吸着塔とを備え、ウラン吸着塔の吸着剤は、焼却処理してウランを回収し得ると共に廃棄物の発生を防止し得る構成を備えたことを特徴とするウラン回収設備。
- ウラン吸着塔の吸着剤を、ウランを吸着し得る有機系材料にした請求項1〜4のいずれかに記載のウラン回収設備。
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを沈殿させる沈殿槽を備え、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を沈殿槽に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をウラン吸着塔へ送る構成を備えた請求項2又は4記載のウラン回収設備。
- 脱離炉を回避するバイパスラインを備え、ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を脱離炉に送り、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物をバイパスラインへ送る構成を備えた請求項3又は4記載のウラン回収設備。
- ウラン吸着後のハロゲン化物の溶液を処理する構成を備えた請求項1〜7のいずれかに記載のウラン回収設備。
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法。
- ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化し、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法。
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させ、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法。
- ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させ、ウランを含有したハロゲン化物を水溶液化し、ウランを含有したハロゲン化物の水溶液からウランを吸着剤に吸着させ、吸着剤を焼却処理してウランを回収すると共に廃棄物の発生を防止することを特徴とするウラン回収方法。
- ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物からウランを沈殿させた後に吸着剤に吸着させ、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物からウランを吸着剤に直接吸着させる請求項10又は12記載のウラン回収方法。
- ウランの濃度が高い場合には、ウランを含有したハロゲン化物からウランを脱離炉で脱離させ、ウランの濃度が低い場合には、ウランを含有したハロゲン化物を、脱離炉を避けて次処理へ送る請求項11又は12記載のウラン回収方法。
- ウラン吸着後のハロゲン化物の溶液を処理する請求項9〜14のいずれかに記載のウラン回収方法。
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JP2004186004A JP2006010424A (ja) | 2004-06-24 | 2004-06-24 | ウラン回収設備及びウラン回収方法 |
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JP2008139265A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Toshiba Corp | 放射性廃棄物の処理方法および処理装置 |
CN102915783A (zh) * | 2012-10-24 | 2013-02-06 | 上海核工程研究设计院 | 一种核电厂废液的絮凝吸附处理方法及絮凝剂 |
CN109234529A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-01-18 | 中核通辽铀业有限责任公司 | 一种地浸采铀浸出液处理工艺 |
-
2004
- 2004-06-24 JP JP2004186004A patent/JP2006010424A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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