JP2006009899A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一方向クラッチを用いないで回転変動を効率的に吸収可能とすること。
【解決手段】径方向内外に同心配置した外側環体2(プーリ)と内側環体3(ロータ軸)との間に可動環状レース12と固定環状レース13とを軸方向に対向配置し、可動環状レース12を外側環体2に一体回転可能かつ軸方向変位可能に係合するとともに、該可動環状レース12の背面側にバネ15を配置し、固定環状レース13を内側環体3に回転一体に固定するとともに、両環状レース12,13の対向面に環状波形部(係合部)16,17を設け、可動環状レース12を、両環状波形部16,17の係合位置の変化により軸方向に変位可能とした構成。
【選択図】図1
【解決手段】径方向内外に同心配置した外側環体2(プーリ)と内側環体3(ロータ軸)との間に可動環状レース12と固定環状レース13とを軸方向に対向配置し、可動環状レース12を外側環体2に一体回転可能かつ軸方向変位可能に係合するとともに、該可動環状レース12の背面側にバネ15を配置し、固定環状レース13を内側環体3に回転一体に固定するとともに、両環状レース12,13の対向面に環状波形部(係合部)16,17を設け、可動環状レース12を、両環状波形部16,17の係合位置の変化により軸方向に変位可能とした構成。
【選択図】図1
Description
本発明は、径方向内外に同心配置した2つの環体間で回転動力の伝達を行う動力伝達装置に関する。この種の動力伝達装置は、例えばエンジンのクランクシャフトやクランクシャフトからベルトを介して駆動される補機類に装備することができる。補機類には、例えば自動車のオルタネータ、エアコンディショナ用コンプレッサ、ウオーターポンプ、冷却ファンなどが挙げられる。
自動車等の車両には、エンジンのクランクシャフトからベルトを介して駆動されるオルタネータ、エアコンディショナ用コンプレッサ、ウオーターポンプ、冷却ファン等の補機が装備されている。エンジンの回転動力をクランクシャフトからベルトを介して補機に伝達する場合、クランクシャフトの回転速度の変動に起因して、ベルトに滑りが起こって異音が発生する傾向となる。このことを、補機類の一つであるオルタネータを例にとって説明すると、エンジンの動作工程により、クランクシャフトは、その回転中、常にその回転速度に変動がある。一方、オルタネータのロータは、大きな回転慣性を有しているから、当該ロータには慣性トルクがかかっている。このため、オルタネータのロータを、回転速度の変動を伴うクランクシャフトで駆動すると、ベルトの緩み側と張り側とが交互に入れ替わって張力変動が発生する一方で、該ベルトには、ロータの慣性トルクがかかる結果、ベルトに滑りが起こって異音が発生したり、耐久性が低下したりする傾向となりやすい。
そのため、従来、オルタネータのロータ軸と、上記ベルトが巻き掛けられるプーリとの間に、動力伝達部材として一方向クラッチを用いた動力伝達装置が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、一方向クラッチ式の動力伝達装置では、入力回転の変動に応じて、クラッチ接続(動力伝達)状態とクラッチ遮断(動力非伝達)状態とが繰り返され、動力伝達状態の間に動力非伝達状態が介在することになる。入力側の大きな回転変動に伴ってクラッチ接続状態からクラッチ遮断状態に切り換わる場合、くさび部材としてのころやスプラグが急激にかみ合って出力側の回転にも比較的大きな変動が現れ、回転変動の吸収効果が不充分である。
特開2001−90751号公報
したがって、本発明により解決すべき課題は、このような一方向クラッチを用いず、バネを用いて上記回転変動を効率的に吸収可能な動力伝達装置を提供することである。
本発明が完成されるに至るまでの過程を説明すると、本発明者らは、回転変動の吸収性能に劣る一方向クラッチの代わりにバネを用いた動力伝達装置を鋭意研究していた。その中で、プーリとロータ軸との間に当該両者と例えばスプライン嵌合して軸方向変位可能な環状レースと、該環状レースの軸方向両側に配置したコイルバネとで構成し、入力回転の変動に応じて環状レースをコイルバネのバネ力に抗して軸方向に変位させて回転変動を吸収する構成としたバネ式の動力伝達装置を考え付くに至った。なお、この考えに従い、本願出願人は、既に、特願2004−88950の動力伝達装置を提案している。しかしながら、このような本出願人の提案に係るバネ式の動力伝達装置の場合、スプライン嵌合部分が2つ存在しており、特に環状レースとロータ軸との間のスプライン嵌合による摩擦損失が大きく、動力伝達性能に影響を及ぼすものとなる上、コイルバネが2つ軸方向に配置するので、軸方向長さが長くなる。そこで、環状レースとロータ軸とをスプライン嵌合しない構成とし、かつ、軸方向に配置するバネの個数が1つで済む本発明を完成できるに至った。
本発明による動力伝達装置は、径方向内外に同心配置した外側環体と内側環体との間で回転動力の伝達を行う動力伝達装置であって、上記両環体間に2つの環状レースを軸方向に対向配置し、一方の環状レースを外側環体に回転一体でかつ軸方向変位可能に結合し、該一方の環状レースの背面側にバネを配置し、他方の環状レースを内側環体に回転一体に結合し、両環状レースの対向面それぞれに上記回転方向に係合の位置関係が変化する係合部を設けたことを特徴とするものである。好ましくは、上記係合部を、両環状レースの対向面それぞれに上記回転方向に対して波形に起伏する環状波形部により構成する。また、好ましくは、上記係合部を、両環状レースの対向面それぞれに互いに径方向に偏心した環状の軌道溝を設けるとともに当該両軌道溝間にピッチ円径を不変とした複数の転動体を介装して構成する。
当該バネは、金属製だけでなく、樹脂製のバネも含む。上記バネは、コイルバネだけでなく、バネとしての機能を備えたものであればその名称や形状を問わないものであり、例えば、弾性体と表現されても、バネ機能を備えていれば、本発明のバネに含むものと解釈される。
本発明の動力伝達装置においては、例えば、外側環体の回転動力は、両環状レースを介して内側環体に伝達される。この場合、外側環体が例えば加速側に回転変動すると、その外側環体の回転により可動環状レースが回転するが、内側環体は例えばロータ軸等のごとく慣性が大きいため回転しにくく、そのため、当該可動環状レースは固定環状レースに対して相対回転しつつ係合部の係合位置変化に従い軸方向に離隔変位してバネを圧縮する。その結果、外側環体の回転変動は、内側環体に伝達されにくく、該回転変動はバネで吸収される。
以上により、本発明の動力伝達装置によれば、一方向クラッチを用いないから、一方向クラッチを用いた動力伝達装置のごとく、回転動力の伝達に回転動力が伝達されていない状態が介在することがなく、また、入力側の回転変動が出力側の回転に大きな変動として現れることがなくなり、回転変動の吸収効果が円滑で充分に行われる。本発明の動力伝達装置ではさらに、固定環状レースを内側環体例えばロータ軸に固定するから、当該ロータ軸との間での摩擦損失が発生しなくて済むとともに、バネも可動と固定の両環状レースの軸方向両側ではなく軸方向一方側に配置するだけで済み、軸方向長さが短縮化される上、バネ個数を減らしてコストの削減を図れるものとなる。
本発明によれば、一方向クラッチ式ではなくバネ式とし、特に、回転変動の吸収性をより向上可能とした動力伝達装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するうえで最良の形態を、添付した図面を参照して説明する。この実施の形態では、動力伝達装置を車両の補機に用いるプーリユニットに適用させている。図1はプーリユニットの全体構成を示す側面断面図、図2は同プーリユニットにおける可動と固定の両環状レースの斜視図である。これらの図を参照して、1はプーリユニットの全体を示す。プーリユニット1は、外側環体としてのプーリ2と、内側環体としてのロータ軸3とを備える。
プーリ2は、外周側にエンジンのクランクシャフトに連動して回送されるベルト(図示省略)が巻き掛けられるプーリ溝4を有するとともに、内周側に軸方向直線状をなす雌のスプライン5を備える。ロータ軸3は、プーリ2に対してその径方向内側に同心配置されている。
転がり軸受6は、ロータ軸3をプーリ2に支持する深溝玉軸受であり、ロータ軸3の外周側の段部7と止め環8とにより軸方向不動に固定され、ロータ軸3に対してプーリ2の軸方向の位置決めをしている。プーリ2の鍔部9の内周側とロータ軸3の外周側との間には、プーリ2とロータ軸3との間の環状空間10を外部から密封するシール11が設けられている。
そして、本実施形態では、プーリ2とロータ軸3との間の環状空間10に軸方向に可動と固定の2つの環状レース12,13を軸方向に相対向してスラスト軸受の形態にして設けている。可動環状レース12は、外周面に、プーリ2の雌スプライン5に嵌合する雄スプライン14を備え、プーリ2に対して互いのスプライン5,14で嵌合してプーリ2と一体回転可能かつ軸方向変位可能になっている。可動環状レース12の背面側とプーリ2の鍔部9との間には圧縮コイルバネ15が配置されている。固定環状レース13は、ロータ軸3に回転一体に固定されてロータ軸3と一体回転可能で軸方向変位不能になっている。
両環状レース12,13の軸方向対向面は、それぞれ、円周方向に沿って波形に起伏する環状波形部(係合部)16,17を有する。両環状波形部16,17は、それぞれ、円周方向に180度離れた2つの頂部と、180度離れた2つの底部とを有し、これら頂部と底部との間の斜面はトルク伝達性向上のため、ほぼ直線状とし頂部付近と底部付近とを衝撃緩和のため円弧状にしている。頂部と回転方向に両側にそれぞれ隣接する各底部との回転方向間隔は90度である。可動環状レース12の環状波形部16の頂部は固定環状レース13方向に突出し、可動環状レース12の環状波形部16の底部は、固定環状レース13から遠ざかる方向に退出している。一方、固定環状レース13の環状波形部17の頂部は、可動環状レース12に近づく方向に突出し、固定環状レース13の環状波形部17の底部は、可動環状レース12から遠ざかる方向に退出している。可動環状レース12と固定環状レース13それぞれの環状波形部16,17には、互いに軸方向で対向する転動体用の軌道溝18,19が形成されている。両軌道溝18,19間には、多数の転動体20が保持器21に保持されて介装されている。ただし、転動体20と保持器21は図解の複雑化を避けるため簡略に示されている。両軌道溝18,19は、共に、溝深さが円周方向に一様になっている。なお、上記動力伝達装置においては、軌道溝18,19、転動体20、保持器21は、必ずしも、必須となるものではない。なお、環状波形部16,17の波形状は、三角波状が好ましいが、必ずしもこの波形状に限定されない。
上記環状レース12,13の構成では、例えば可動環状レース12の環状波形部16の頂部が、固定環状レース13の環状波形部17の底部に対向位置して、両環状レース12,13が最も接近しているときに、可動環状レース12が回転すると、可動環状レース12の環状波形部16は、固定環状レース13の環状波形部17の斜面がその回転方向に対して昇り勾配の斜面となり、可動環状レース12は、その回転により固定環状レース13から離隔する方向に変位可能となる。また、例えば、可動環状レース12の環状波形部16の頂部が、固定環状レース13の環状波形部17の頂部に対向位置して、両環状レース12,13が最も離れているときでは、上記とは逆に可動環状レース12が回転すると、固定環状レース13の同斜面は降り勾配の斜面となり、可動環状レース12は、その回転により固定環状レース13に近接する方向に変位可能となる。この場合、可動環状レース12のねじれ最大角度は片側90度であり、可動環状レース12は、環状波形部16,17の頂部と底部との軸方向高さの差分だけ、軸方向に変位可能となる。
以上の構成を備えたプーリユニット1の動作を説明すると、まず、ロータ軸3が回転静止の状態において、プーリ2がベルトにより駆動されて回転を開始(回転加速)すると、可動環状レース12が該プーリ2と一体回転する。このとき、可動環状レース12はその環状波形部16が、固定環状レース13の環状波形部17に係合して当該固定環状レース13を回転させようとするが、当該ロータ軸3が大きな慣性を有するために固定環状レース13を回転させにくく、そのため、可動環状レース12は、その環状波形部16の斜面が固定環状レース13の環状波形部17の斜面を登るようにして回転していく(ねじれていく)結果、可動環状レース12は固定環状レース13から軸方向に圧縮コイルバネ15を押圧しつつ離隔する方向に変位しようとする。これによって、可動環状レース12の回転トルクは、一部が圧縮コイルバネ15に吸収される一方、ロータ軸3が遅れて回転する。このことにより、慣性を有するロータ軸3の回転加速度を小さくして、過大トルクの発生を抑制し、ベルトの張力変動を低減することが可能になる。こうして、ロータ軸3が徐々に回転すると、可動環状レース12は圧縮コイルバネ15に押されて可動環状レース12と固定環状レース13それぞれの環状波形部16,17同士の結合状態が密となり、プーリ2からロータ軸3に回転動力を円滑に伝達することができる。なお、プーリ2の回転変動を両回転方向に吸収するため、回転方向一方に対する可動環状レース12の最大回転(ねじれ)角は、環状波形部16の頂部とこの頂部から90度離れて隣接する底部との角度である90度以内である。
このようにして本実施形態のプーリユニット1では、プーリ2の回転変動は、ロータ軸3には伝達されず、圧縮コイルバネ15に吸収され、回転変動に伴うベルトへの急激なテンションの作用を防止され、ベルトやプーリ2の寿命を長くできる。
また、上記実施形態では、転動体20が保持器21により保持されており、環状波形部16,17の斜面に対して複数個常に介在するから、回転動力の伝達トルクが大きくなり、かつ、その安定したトルク伝達特性を得ることができる。
(他の形態)
図3ないし図6を参照して本発明の他の形態に係るプーリユニットを説明する。図3は、当該他の形態に係るプーリユニットの全体を示す側面断面図、図4は、可動環状レース12と固定環状レース13との斜視図、図5は、当該プーリユニットの動作説明に供するものでスラスト軸受を構成する可動環状レース12と固定環状レース13との部分側面図、図6は、図5の可動環状レース12と固定環状レース13それぞれの軌道溝の関係の説明に供する図である。図3および図4を参照して、この形態に係るプーリユニット1では、可動環状レース12は、外周面にスプライン14が形成され、対向面16に環状の軌道溝30が形成されている。固定環状レース13は、対向面17に軌道溝30に対して径方向一方に偏心した環状の軌道溝31が形成されている。両軌道溝30,31間に複数の転動体32が介装されている。これら軌道溝30,31と転動体32とにより、係合部を構成する。転動体32は、可動環状レース12と固定環状レース13とが相対回転しても、図示略の保持器によりピッチ円径不変の状態に保持されて、両軌道溝30,31間を転動可能とされている。
図3ないし図6を参照して本発明の他の形態に係るプーリユニットを説明する。図3は、当該他の形態に係るプーリユニットの全体を示す側面断面図、図4は、可動環状レース12と固定環状レース13との斜視図、図5は、当該プーリユニットの動作説明に供するものでスラスト軸受を構成する可動環状レース12と固定環状レース13との部分側面図、図6は、図5の可動環状レース12と固定環状レース13それぞれの軌道溝の関係の説明に供する図である。図3および図4を参照して、この形態に係るプーリユニット1では、可動環状レース12は、外周面にスプライン14が形成され、対向面16に環状の軌道溝30が形成されている。固定環状レース13は、対向面17に軌道溝30に対して径方向一方に偏心した環状の軌道溝31が形成されている。両軌道溝30,31間に複数の転動体32が介装されている。これら軌道溝30,31と転動体32とにより、係合部を構成する。転動体32は、可動環状レース12と固定環状レース13とが相対回転しても、図示略の保持器によりピッチ円径不変の状態に保持されて、両軌道溝30,31間を転動可能とされている。
図5を参照して、可動環状レース12の対向面16の軌道溝30と固定環状レース13の対向面17の軌道溝31との関係を説明すると、可動環状レース12の回転位置により、両軌道溝30,31の対向関係は、図5(a)で示すように軸方向に正対する関係と、図5(b)で示すように軌道溝31に対して軌道溝30が上記正対位置から径方向に偏心する関係と、図5(c)で示すように軌道溝31に対して軌道溝30が上記正対位置からさらに径方向に偏心する関係とがある。この実施形態では、可動環状レース12の回転(ねじれ)に伴い、軌道溝30,31の対向関係が、図5(a)から図5(c)で示すような関係となる形状に当該軌道溝30,31を形成している。したがって、図5(a)では、軌道溝30,31が軸方向に正対して転動体32は両軌道溝30,31の最も深い位置に位置するため、可動環状レース12は固定環状レース13に軸方向に対して最接近した位置(両環状レースの対向間隔dA)にある。図5(b)では、軌道溝30,31の対向関係が正対位置から径方向に少しずれるため、転動体32は軌道溝30,31の溝深さが浅い側に位置して、可動環状レース12は固定環状レース13から軸方向に少し離隔した位置(両環状レースの対向間隔dB)にある。図5(c)では、軌道溝30,31の対向関係が正対位置から径方向に大きくずれるため、転動体32は軌道溝30,31の溝深さが最も浅い側に位置して、可動環状レース12は固定環状レース13から軸方向に最も離隔した位置(両環状レースの対向間隔dC)にある。
したがって、プーリ2が例えば増速方向に回転変動すると、可動環状レース12は、転動体32を介して固定環状レース13を回転させようとするが、当該ロータ軸3が大きな慣性を有するために、固定環状レース13を回転させにくい。そのため、可動環状レース12の回転に伴い、その対向面16の軌道溝30は、固定環状レース13の対向面17の軌道溝31に対して、図5(a)の正対した位置から、図5(b)のように径方向に偏心した位置、さらに図5(c)のようにさらに径方向に偏心した位置とされ、これによって、両軌道溝30,31間の転動体32は、軌道溝30,31の溝深さが順次、浅い位置側に位置していく結果となる。これによって可動環状レース12は圧縮コイルバネ15を圧縮しつつ固定環状レース13から軸方向に離隔する方向に変位していく。そのため、可動環状レース12の回転トルクは、一部が圧縮コイルバネ25に吸収される結果、プーリ2の加速時では、瞬間的にロータ軸3が遅れて回転する。このことにより、慣性を有するロータ軸3の回転加速度を小さくして、過大トルクの発生を抑制し、ベルトの張力変動を低減することが可能になる。こうして、ロータ軸3が徐々に回転すると、可動環状レース12は圧縮コイルバネ15に押されて固定環状レース13に回転動力を伝達させやすくなり、プーリ2の回転動力は、ロータ軸3に円滑に伝達される。
なお、図6を参照して、上記図5(a)、図5(b)および図5(c)の動作の理解のため補足説明すると、図6では、それぞれ、図5(a)の状態が状態(A)、図5(b)が状態(B)、図5(c)が状態(C)に示されている。図6では、プーリ2とロータ軸3を共にハッチングで示している。可動環状レース12は、ハッチング示すプーリ2に一体回転し、固定環状レース13はハッチングで示すロータ軸3に一体回転する。状態(C)で示す可動環状レース12の軌道溝30とその軌道溝30の中心O1と、固定環状レース13の軌道溝31と、該軌道溝31の中心O2と、プーリ2とロータ軸3それぞれの回転中心O3と、両軌道溝30,31間に介装した複数の転動体32とが示されている。転動体32のうち、荷重を受ける転動体32に対してのみハッチングが施されている。ハッチングが施されている転動体32は2個である。すなわち、状態(C)では、荷重を受ける転動体32は2個だけである。軌道溝30の中心O1で直交する2つの線L1,L2と、軌道溝31の中心O2で直交する2つの線L3,L4とにおいて、線L2と線L4とがなす角度θがねじれ角となり、回転中心O3の中心O1からの線L2上のずれが、偏心量δである。状態(A)では可動環状レース12と固定環状レース13との対向間隔dAが最も狭く、状態(B)の間隔dBはその次に狭く、状態(C)の間隔dCが最も広い。転動体32のPCD(ピッチ円径)は状態(A)(B)(C)のいずれも同じで不変である。
2 プーリ(外側環体)
3 ロータ軸(内側環体)
5 プーリのスプライン
12 可動環状レース
13 固定環状レース
14 可動環状レースのスプライン
15 圧縮コイルバネ
16 可動環状レースの環状波形部(係合部)
17 固定環状レースの環状波形部(係合部)
3 ロータ軸(内側環体)
5 プーリのスプライン
12 可動環状レース
13 固定環状レース
14 可動環状レースのスプライン
15 圧縮コイルバネ
16 可動環状レースの環状波形部(係合部)
17 固定環状レースの環状波形部(係合部)
Claims (1)
- 径方向内外に同心配置した外側環体と内側環体との間で回転動力の伝達を行う動力伝達装置であって、上記両環体間に2つの環状レースを軸方向に対向配置し、一方の環状レースを外側環体に回転一体でかつ軸方向変位可能に結合し、該一方の環状レースの背面側にバネを配置し、他方の環状レースを内側環体に回転一体に結合し、両環状レースの対向面それぞれに上記回転方向に係合の位置関係が変化する係合部を設けた、ことを特徴とする動力伝達装置。
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