JP2006009702A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リッチスパイク操作時に直噴インジェクタとポートインジェクタとを機関運転状態に応じて使い分ける。
【解決手段】 機関1の排気通路5にNOX吸蔵還元触媒7を配置し、機関1のリーン空燃比運転中に短時間運転空燃比をリッチ空燃比に切り換えてNOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOXを還元浄化する。機関1は各気筒に直接燃料を噴射する直噴インジェクタ11と各気筒ポートに燃料を噴射するポートインジェクタ13とを備える。機関の電子制御ユニット30は、リッチスパイク操作開始時に触媒7の床温が所定温度より低い場合にはリッチスパイク操作時にポートインジェクタから燃料の全量を噴射する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、詳細には気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとの両方を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
直噴インジェクタとポートインジェクタとを備え、機関の運転モード(燃焼モード)に応じてそれぞれのインジェクタからの燃料噴射量の割合を変更する内燃機関の燃料噴射制御装置が知られている。
例えば、直噴インジェクタからの燃料噴射は噴射燃料を燃焼室内に拡散混合させずに燃焼室内に局所的な混合気を成層させるのに適しており、また、ポートインジェクタからの燃料噴射は、噴射燃料を吸気中に拡散混合させ、燃焼室内全体に均一な混合気を生成するのに適している。
この種の内燃機関の燃料噴射制御装置の例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1の燃料噴射制御装置では、直噴インジェクタから圧縮行程時に燃料噴射を行うとこにより、燃焼室内に均一に燃料を拡散させることなく少量の燃料を点火プラグ近傍のみに成層させることにより可燃空燃比の混合気を点火プラグ近傍に形成し全体としてリーン空燃比の運転を行う成層燃焼モードと、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方からそれぞれ所定の分担率で燃料を噴射し燃焼室内に均質混合気を形成してリーン空燃比からリッチ空燃比までの運転を行う均質燃焼モードとの、両方における適切な運転を可能としている。
特開2001−20837号公報
特許文献1の燃料噴射制御装置では、直噴インジェクタとポートインジェクタからの燃料噴射割合を機関の運転モードに応じて設定することにより、リーン空燃比からリッチ空燃比までの各運転領域で機関の適切な燃焼状態を得ることを可能としている。しかし、特許文献1の燃料噴射制御装置では、リーン空燃比運転中に機関排気通路に配置した排気浄化触媒にリッチ空燃比の排気を短時間供給するリッチスパイク操作を行う場合等について必ずしも適切な燃料噴射を行うための考慮がなされていない。
例えば、排気浄化触媒としては、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収、吸着またはその両方で吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になったときに吸蔵したNOXを排気中のHC、CO等の成分を用いて還元浄化するNOX吸蔵還元触媒が知られている。
このようなNOX吸蔵還元触媒を排気通路に配置して機関の排気浄化を行う場合には、機関のリーン空燃比運転中に所定の間隔で機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えるリッチスパイク操作が必要となる。
すなわち、機関のリーン空燃比運転中、NOX吸蔵還元触媒は排気中のNOXを吸蔵するが、リーン空燃比運転が続いてNOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量が増大した場合には、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOXで飽和することを防止するためにリッチスパイク操作を行い、NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給して触媒が吸蔵したNOXを還元浄化する必要が生じるのである。
ところが、直噴インジェクタとポートインジェクタとでは空燃比切換時の応答速度や排気性状が異なる場合があり、リッチスパイク操作時に単に直前の運転モードと同じインジェクタを用いて燃料を増量しただけでは不都合が生じる場合がある。
例えば、リッチスパイク操作時にはできるだけ急速に排気空燃比をリーン空燃比からリッチ空燃比に変化させるようにして排気が中間の空燃比(特に理論空燃比よりややリーンな空燃比)にとどまる時間を短くすることが必要となる。ところが、ポートインジェクタからの燃料噴射量を増量することによりリッチスパイク操作を行うと、噴射された燃料の一部は液状のまま吸気ポート壁面に付着するため、実際に燃焼室に供給される燃料の増加速度は遅くなり、機関の燃焼空燃比(排気空燃比)が上記中間空燃比領域にとどまる時間が長くなってしまう問題が生じる。
また、直噴インジェクタから比較的多量の燃料を噴射すると運転条件によっては排気中の未燃HC成分が増大する場合があり、触媒の状態によってはこれらの未燃HC成分を適切に浄化できない場合が生じるのみならず、排気空燃比を検出するために触媒下流側に配置したO2センサの出力が未燃HC成分により誤差を含むようになる。このため、触媒下流側に比較的多量の未燃HCが流出すると、排気エミッションが悪化するのみならずO2センサ出力に基づく空燃比制御が不正確になる可能性がある。
更に、直噴インジェクタはノズル先端の噴孔が燃焼室内に開口しているためインジェクタ先端が燃焼室内の高温に曝されている。直噴インジェクタからの燃料噴射実行中はインジェクタ先端は噴射する燃料により冷却されるため問題は生じないが、燃料噴射を停止していると直噴インジェクタ先端部は高温になりやすく、インジェクタ内に滞留した燃料の炭化によりインジェクタ内にデポジットが生成され燃料噴射特性が変化してしまい、直噴インジェクタ使用時に空燃比制御に誤差を生じる可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑み、リッチスパイク操作時の燃料噴射を行うインジェクタを機関の運転条件に応じて選択することにより、例えば空燃比制御に誤差を生じたり排気性状の悪化が生じることを防止可能な内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと、吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとを備え、機関のリーン空燃比運転中に機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えて運転し機関排気通路に配置された排気浄化触媒にリッチ空燃比排気を供給するリッチスパイク操作を行う内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタを、機関の運転状態に応じて前記直噴インジェクタのみ、または前記ポートインジェクタのみのいずれか一方から選択することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明ではリッチスパイク操作時に機関に燃料を供給するインジェクタとして機関の運転状態に応じて、直噴インジェクタのみ、またはポートインジェクタのみのどちらか一方が選択される。
前述したように、直噴インジェクタによる燃料噴射とポートインジェクタによる燃料噴射とは、それぞれ機関の運転や排気に与える特性が異なる。
従って、機関の運転状態(例えば触媒床温やリッチスパイク操作開始直前の運転モード等)によっては直噴インジェクタから全燃料を噴射した方が好ましい場合や、逆にポートインジェクタから全燃料を噴射した方が好ましい場合等がある。
本発明では、上記のように機関運転状態に応じてリッチスパイク操作時に燃料噴射を行うインジェクタを直噴インジェクタまたはポートインジェクタの一方から選択することにより、リッチスパイク操作時に常に最適な燃料噴射を行うことが可能となっている。
請求項2に記載の発明によれば、前記リッチスパイク操作時に、前記機関の運転状態として、前記排気浄化触媒床温に応じて前記機関への燃料噴射を行うインジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、前記排気浄化触媒床温が予め定めた温度より低い場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記ポートインジェクタを選択する、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、前記排気浄化触媒床温が予め定めた温度より高い場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記直噴インジェクタを選択する、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項2から4の発明では、機関排気通路に配置された排気浄化触媒の床温に応じて、リッチスパイク操作時に燃料噴射を行うインジェクタを選択する。
例えば、リッチスパイク操作時などのように比較的多量の燃料を直噴インジェクタから噴射すると、燃焼により比較的多量の未燃HCやCO成分が発生し排気とともに排出される。この場合、排気浄化触媒床温が低いとHC、CO等の浄化率が低いため排気浄化触媒でNOXの浄化に使用されずに下流側に流出するHC、CO成分の量が増大し、排気エミッションが悪化する。
また、排気中に多量のHC成分が含まれる場合には、排気の酸素濃度を検出するO2センサの出力が安定しなくなる問題がある。このため、触媒下流側排気通路に配置したO2センサ出力に基づいてリッチスパイク操作時の空燃比や終了時期をフィードバック制御するような場合には、排気浄化触媒床温が低い場合に直噴インジェクタからの燃料噴射によりリッチスパイク操作を行うと、未浄化HC、CO成分が大気に放出されやすくなるのみならず、リッチスパイク操作時の空燃比制御にばらつきを生じ排気エミッションが更に悪化する可能性がある。
そこで、請求項3の発明では、排気浄化触媒床温が低い場合にはリッチスパイク操作時の燃料の全量をポートインジェクタから噴射するようにしている。ポートインジェクタから噴射された燃料は吸気と混合し、筒内に均一な混合気を形成するため燃焼時のHC、COの発生が少なくなる。このため、排気浄化触媒床温が低い場合にもエミッションの悪化や空燃比制御のばらつきが生じにくくなる。
従って、排気浄化触媒床温が低い場合には、リッチスパイク操作時の燃料の全量をポートインジェクタから噴射することにより、エミッションの悪化が防止される。
一方、排気浄化触媒床温が高い場合にはHCの浄化率が十分に高いため、比較的多量のHC、CO成分が排気中に存在しても触媒下流側にはHC成分は流出しない。
また、直噴インジェクタからの燃料噴射はポートインジェクタからの燃料噴射に較べて空燃比制御の応答性が良好である。
このため、請求項4の発明では、排気浄化触媒床温が十分に高い場合にはリッチスパイク操作時に直噴インジェクタから燃料の全量を噴射し、リッチスパイク操作時の空燃比制御の精度を向上させている。
請求項5に記載の発明によれば、前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記直噴インジェクタのみから燃料噴射を行う成層燃焼によるリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記ポートインジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項5の発明ではリッチスパイク操作開始時にリーン空燃比運転で、比較的少量の燃料を直噴インジェクタから噴射して点火プラグまわりに可燃空燃比範囲の混合気を成層させることにより全体としてリーン空燃比の燃焼を得る成層燃焼が行われている場合には、リッチスパイク操作時に燃料噴射を行うインジェクタとしてポートインジェクタを選択する。
通常、直噴インジェクタのみからの燃料噴射による成層燃焼はかなり空燃比が大きい(リーンの程度が高い)リーン空燃比燃焼時に行われるため排気温度も低くなり、排気浄化触媒の床温も低下している場合が多い。
このため、本発明ではリッチスパイク操作開始時に成層燃焼によるリーン空燃比運転が行われていた場合には請求項3の場合と同様にリッチスパイク操作時に燃料の全量をポートインジェクタから噴射するようにしている。
これにより、排気浄化触媒温度を検出することなく簡易に適切なリッチスパイク操作時に使用するインジェクタを選択することが可能となる。
また、直噴インジェクタのみからの燃料噴射が続く運転状態では、燃料噴射を停止しているポートインジェクタ噴孔部にデポジットが形成される場合がある。しかし、リッチスパイク時にポートインジェクタから燃料噴射を行うことにより、噴孔部を燃料によって洗浄することができるため、ポートインジェクタ噴孔部にデポジットが堆積しにくくなる効果も得ることが出来る。
請求項6に記載の発明によれば、前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記直噴インジェクタ先端部の温度が予め定めた温度より高くなっている場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記直噴インジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項6の発明ではリッチスパイク操作開始時の直噴インジェクタ先端部温度に応じてリッチスパイク操作時に燃料噴射を行うインジェクタを選択する。直噴インジェクタはその先端部(ノズル部)が燃焼室の高温に曝されているため先端部温度が高くなりやすい。
ところが、インジェクタ先端部の温度が高い状態が長時間続くとインジェクタ内の残留燃料の炭化などによる堆積物(デポジット)が発生し、燃料通路の抵抗の変化によりインジェクタの燃料噴射特性の変化が生じたり、極端な場合にはインジェクタのスティックなどが生じる可能性がある。
そこで、本発明ではリッチスパイク操作開始時(開始直前)の直噴インジェクタ温度が高い場合には、リッチスパイク操作時に燃料の全量を直噴インジェクタから噴射し、インジェクタ先端部付近に燃料が長時間滞留することを防止している。これにより、インジェクタの先端部温度が高い場合にもインジェクタにデポジットが生成することが防止される。なお、インジェクタ先端温度はインジェクタに温度センサを配置して直接計測しても良いし、機関の運転状態に基づいて推測するようにしても良い。
請求項7に記載の発明によれば、前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記直噴インジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項7の発明ではポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が実行されている場合には、リッチスパイク操作時に燃料の全量を直噴インジェクタから噴射する。ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射が行われている運転状態では、比較的負荷が高く燃焼室内温度が高くなっているにもかかわらず、直噴インジェクタから全く燃料が噴射されないか、あるいは噴射されても十分に直噴インジェクタ先端を冷却でき量より少ないため、燃焼室内に面した直噴インジェクタ先端部は高温になっている。この高温状態を長時間保持すると直噴インジェクタ内にデポジットの発生などが生じる場合がある。
そこで、本発明ではポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方からの燃料噴射によるリーン空燃比運転時には、リッチスパイク操作時に燃料の全量を直噴インジェクタから噴射するようにしてインジェクタ内の燃料の滞留を防止し、デポジットの生成を抑制するようにしている。
このように、ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方からの燃料噴射中のリッチスパイク操作時に直噴インジェクタから燃料の全量を噴射するようにしたことにより、直噴インジェクタ先端部の温度を直接検出することなく高温によるインジェクタ内でのデポジット生成を防止することが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと、吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとを備え、機関のリーン空燃比運転中に機関への燃料噴射量を増量し機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えて運転し機関排気通路に配置された排気浄化触媒にリッチ空燃比排気を供給するリッチスパイク操作を行う内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時の前記燃料噴射量の増量分のみを前記直噴インジェクタから噴射することを特徴とする、内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項8の発明ではポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方からの燃料噴射中のリッチスパイク操作時には、ポートインジェクタからの燃料噴射量は変更せず、リッチ空燃比運転を行うための燃料増量分のみを直噴インジェクタから噴射する。
ポートインジェクタから燃料噴射を行っている場合には、噴射した燃料の一部が吸気ポートに付着しており、この付着燃料量はポートインジェクタからの燃料噴射量に応じて変化する。このため、請求項7の発明のようにポートインジェクタから燃料噴射を行っている運転中のリッチスパイク操作時に直噴インジェクタからの燃料噴射に切り換えてポートインジェクタからの燃料噴射を停止してしまうと、その間に吸気ポート壁面付着燃料の量が変化(減少)してしまい、リッチスパイク操作完了後ポートインジェクタからの噴射を再開した後噴射燃料の一部が壁面付着燃料量の回復に使用され実際に燃焼室に供給される燃料量がリッチスパイク操作直前の状態に戻るまでに時間を要し、機関運転空燃比が変動する場合がある。
そこで、本発明ではポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方からの燃料噴射を行うリーン空燃比運転中にリッチスパイク操作が行われた場合には、ポートインジェクタからの燃料噴射量は変更せずに、リッチ空燃比運転切換に必要とされる燃料増量分のみを直噴インジェクタから噴射する。
これにより、直噴インジェクタにおけるデポジット生成が防止されるとともに、リッチスパイク操作中も吸気ポート壁面付着燃料量が変化することが防止されるため、リッチスパイク操作終了後のリーン空燃比運転復帰後の機関運転空燃比の変動が防止される。
請求項9に記載の発明によれば、内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと、吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとを備え、機関のリーン空燃比運転中に機関への燃料噴射量を増量し機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えて運転し機関排気通路に配置された排気浄化触媒にリッチ空燃比排気を供給するリッチスパイク操作を行う内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時に前記ポートインジェクタからの燃料噴射による吸気ポート壁面付着燃料量の変化が予め定めた範囲内になるように前記直噴インジェクタからの燃料噴射量を設定することを特徴とする、内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項9の発明ではポートインジェクタからの燃料噴射が行われている場合(ポートインジェクタのみ、もしくはポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方からの燃料噴射を含む)には、リッチスパイク操作時に吸気ポート壁面付着燃料量が大きく変動しない範囲でポートインジェクタからの燃料噴射量も変化させる。
これにより、リッチスパイク操作時にもポートインジェクタからの燃料噴射量を許容範囲内で増減することができるようになり、必要に応じてポート噴射と筒内噴射との特性を利用することが可能となる。この場合、例えばポートインジェクタからの燃料噴射量を比較的多くして、機関の燃焼状態を良好に維持しながら直噴インジェクタ先端部のデポジット形成を防止することや、或いは逆に直噴インジェクタからの燃料噴射量を比較的多くして(許容範囲内でポートインジェクタからの燃料噴射量を減らして)空燃比変化の応答性を良好にすることも可能となる。
なお、上記の吸気ポート壁面付着燃料量の変化の許容範囲はリッチスパイク終了後のリーン空燃比運転復帰時の空燃比変動が許容できる程度の変化であり、例えば一般に吸気ポート壁面付着燃料量の変化がプラスマイナス30パーセント程度であれば復帰時の空燃比変動を許容できる。この壁面付着燃料量変化の許容範囲は機関型式などによって異なるため、詳細には実際の機関を用いて壁面付着燃料量が許容範囲になる燃料噴射量の変化量を決定することが好ましい。
各請求項に記載の発明によれば、リッチスパイク操作時の燃料噴射を行うインジェクタを機関の運転条件に応じて選択することにより、例えば排気浄化触媒の浄化率の低下や排気性状の悪化などの問題が生じることを防止可能とする共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明を自動車用内燃機関に適用した実施形態の概略構成を示す図である。
図1において、1は自動車用内燃機関を示す。本実施形態では、機関1は4気筒ガソリン機関とされ、各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタ11と各気筒の吸気通路(吸気ポート)に燃料を噴射するポートインジェクタ13との2つのインジェクタがそれぞれの気筒に設けられている。
図1において、4は吸気通路2を機関1の各気筒吸気ポートに接続する吸気マニホルド、21は吸気通路2に配置されたスロットル弁である。本実施形態では、スロットル弁21はアクチュエータ21aを備え、運転者のアクセルペダル(図示せず)操作とは直接関連しない動作が可能な、いわゆる電子制御スロットル弁とされている。
又、図1において、3は各気筒の排気ポートを共通の排気通路5に接続する排気マニホルド、7は排気通路5上に配置された排気浄化触媒としてのNOX吸蔵還元触媒を示す。
本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7は、流入する排気の空燃比がリーンのとき、排気中のNOX(窒素酸化物)を吸蔵し、排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると吸蔵したNOXを排気中のCO等の還元成分やHC成分を用いて還元し、N2の形で排気中に放出する。
後述するように、本実施形態では機関1はリーン空燃比からリッチ空燃比までの広い空燃比範囲で運転される。このため、機関1のリーン空燃比運転中にはNOX吸蔵還元触媒7は排気中に含まれるNOXを吸蔵し排気から除去する。また、機関1が理論空燃比またはリッチ空燃比で運転されると、NOX吸蔵還元触媒7は吸蔵したNOXを排気中の還元成分等を用いてN2の形に還元し、排気とともに大気に放出する。これにより、排気中のNOXが未浄化のまま大気に放出されることが防止される。
図1において、9は排気マニホルド3に配置された上流側空燃比センサ、10は排気通路5のNOX吸蔵還元触媒7下流側に配置された下流側空燃比センサである。
本実施形態では空燃比センサ9、10は、広い空燃比範囲で排気空燃比に対応する電圧信号を出力するいわゆるリニア空燃比センサとされているが、本発明ではリニア空燃比センサの代わりに、排気中の酸素濃度を検出し出力が理論空燃比を境に急激に変化する、いわゆるZ型出力特性を有するO2センサを使用することも可能である。
本実施形態では、上流側空燃比センサ9と下流側空燃比センサ10出力は、機関1の運転空燃比が所定の目標空燃比になるように機関1への燃料供給量をフィードバック制御する空燃比制御のために用いられる。
図1に30で示すのは機関1の電子制御ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU30としては公知の構成のマイクロコンピュータが使用されており、機関1の点火時期制御や燃料噴射制御を行う他、本実施形態ではNOX吸蔵還元触媒7のリッチスパイク操作を行う際のインジェクタの選択やそれぞれのインジェクタへの燃料噴射量の振り分けなどの制御を行う。
次に、本実施形態の機関1の運転モードについて説明する。
図2は、本実施形態の機関1の各気筒におけるインジェクタ11、13の配置を示す気筒断面図である。
図2において、100は気筒燃焼室、101はピストン、103は吸気ポート、105は排気ポート、107は吸気弁、109は排気弁、111は点火プラグを、それぞれ示している。
図2に示すようにポートインジェクタ13は、吸気マニホルド4に配置され、各気筒の吸気ポートに燃料を噴射する。又、直噴インジェクタ11は、機関の燃焼室100内に開口する噴孔を有し、気筒内に直接燃料を噴射する。
本実施形態では、機関1はリーン空燃比からリッチ空燃比まで広い空燃比範囲で運転可能である。また、リーン空燃比運転時には直噴インジェクタ11とポートインジェクタ13とは機関の運転モードに応じて以下のように使用される。
すなわち、リーン空燃比運転中の低負荷運転時には機関1は直噴インジェクタからの燃料噴射による成層燃焼モードで運転される。
成層燃焼モードでは、燃料は圧縮行程後半に直噴インジェクタ11から噴射される。成層燃焼モードでは燃料噴射量はかなり少ないため、燃料を燃焼室全体に均一に拡散させたのでは混合気の空燃比がリーンになりすぎて可燃空燃比から外れてしまう。このため、成層燃焼モードでは圧縮行程後半に直噴インジェクタから燃料噴射を行い、点火プラグ近傍に噴射燃料を成層させ、点火プラグまわりに可燃空燃比範囲の混合気を形成する。そして、この成層混合気が拡散する前に点火プラグにより点火を行うことにより、燃焼室全体としては極めてリーンな空燃比での安定した燃焼を行う。
また、リーン空燃比運転時に更に負荷が増大した場合には、機関は均質燃焼モードで運転される。
均質燃焼モードでは、燃料はポートインジェクタ13から吸気ポートに噴射される。吸気ポートに噴射された燃料は吸気弁107の開弁時に吸気と十分に混合した状態で燃焼室内に流入し、燃焼室内に均一なリーン空燃比の可燃混合気を形成する。これによりリーン空燃比での比較的高負荷の運転が行われる。
また、上記均質燃焼モードと成層燃焼との中間の負荷範囲ではポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方のインジェクタから燃料噴射を行い、ポートインジェクタからの燃料噴射により形成された希薄な均質混合気中に直噴インジェクタからの燃料噴射による混合気を成層させる中間モードでの運転が行われる。
上記のように、本実施形態ではリーン空燃比運転時に機関負荷領域に応じて直噴インジェクタ11(成層燃焼)とポートインジェクタ13とを使い分けているが、ポートインジェクタ13による燃料噴射(ポート噴射)と直噴インジェクタ11による燃料噴射(筒内噴射)とには、それぞれ以下のような長所と短所とがある。
(1)ポート噴射
ポート噴射は燃焼室内に均一な混合気を形成して燃焼を行うため、比較的多量の燃料を噴射した場合でも燃焼状態を良好に維持することができ、燃料噴射量が多い場合にも未燃HCなどの生成量が少なく排気エミッションを良好に維持することができる長所がある。このため、リッチスパイク操作時に燃料の全量をポートインジェクタ13から噴射した場合にも未燃HCの増大は生じずエミッションの悪化が生じない。
しかし、その反面ポート噴射では吸気ポートに噴射が行われるため燃料の一部が液状のまま吸気ポート壁面に付着するポートウエット現象が生じる問題がある。ポートウエットで壁面に付着する燃料の量は燃料噴射量、吸気量、機関回転数などの種々の条件によって変化する。このため、機関の運転状態が一定に維持される定常運転中であれば壁面付着燃料の量も一定となるため、ポートインジェクタ13から噴射された燃料の全量が気筒内に流入する。すなわち、燃焼室内に実際に供給される燃料量はポートインジェクタからの燃料噴射量に等しくなるため問題は生じない。
ところが、燃料噴射量や他の機関運転条件が変化する過渡運転時には運転条件の変化に応じて壁面付着燃料量も増減する。このため、過渡運転時には燃料噴射量と実際に気筒内に供給される燃料量との間に差が生じる問題がある。
例えば燃料噴射量が増大された場合には、燃料噴射量の増大に応じて壁面付着燃料量も増大する。このため、燃料噴射量を増大した直後は噴射された燃料の一部は壁面付着燃料量の増量に消費されてしまい、実際に燃焼室内に供給される燃料量は燃料噴射量より少なくなる。このため、燃料噴射量変化直後に燃焼空燃比が燃料噴射量に対応した値にならない場合が生じ、空燃比制御に誤差や遅れが生じる問題がある。
(2)筒内噴射
直噴インジェクタ11による筒内噴射では、当然ながらポートウエットは生じないためインジェクタからの燃料噴射量と実際に燃焼室に供給される燃料量とは常に等しくなる。このため、過渡運転時にも燃焼空燃比は常に燃料噴射量に対応した値となるため、極めて応答性の良い空燃比制御が可能となる長所がある。
リッチスパイク操作時には、NOX吸蔵還元触媒7に流入する排気の空燃比をできるだけ短時間でリッチ空燃比にする必要があるが、リッチスパイク操作時に燃料の全量を直噴インジェクタから噴射するようにすれば、過渡時の空燃比制御の遅れが生じることが防止され、短時間で機関の燃焼空燃比を目標のリッチ空燃比に制御することが可能となる。
しかし、直噴インジェクタでは燃料噴射を吸気行程中に行った場合でも噴射した燃料が吸気中に霧化、拡散するための時間が比較的短くなる。このため、特に筒内噴射で比較的多量の燃料を噴射する場合には燃焼状態が比較的悪くなり、排気中の未燃HCが増大する問題がある。
本実施形態では、上記ポート噴射と筒内噴射との特性を考慮してリッチスパイク操作時に機関の運転状態に応じてポート噴射と筒内噴射とのうち一方を選択するようにしている。
以下、リッチスパイク操作時のインジェクタ選択例について説明する。
(1)触媒床温に基づく選択。
まず、NOX吸蔵還元触媒7の床温に基づいてリッチスパイク操作時に使用するインジェクタを選択する場合について説明する。
NOX吸蔵還元触媒7はリッチスパイク操作時に排気中のHCやCO成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するものである。ところが、触媒7の床温が低い場合には排気中のHCの一部がNOXの還元に使用されないままNOX吸蔵還元触媒7を通過して触媒下流側に流出する場合が生じる。
また、前述したように筒内噴射で比較的多量の燃料を噴射すると燃焼が悪化し、排気中のHC生成量が増大する。このため、NOX吸蔵還元触媒7床温が低い場合に筒内噴射によりリッチスパイク操作を行うと排気中のHC量が増大し、比較的多量のHCがNOX吸蔵還元触媒7を通過して大気に放出され、排気エミッションが悪化する問題が生じる。
また、図1に示すように本実施形態ではNOX吸蔵還元触媒7の上流側と下流側とに配置した空燃比センサ9、10との出力に基づいてリッチスパイク操作時の空燃比制御を行っている。ところが、空燃比センサ9、10は排気中に比較的多量の未燃HC成分が含まれるとHC成分の影響により出力が不安定になる問題がある。
通常、上流側空燃比センサ9の出力が多少変動した場合でも下流側空燃比センサ10の出力が正確であれば空燃比制御には問題を生じないが、比較的多量のHC成分がNOX吸蔵還元触媒7を通過すると、上流側空燃比センサ9のみならず下流側空燃比センサ10の出力も不安定になってしまうため、空燃比制御が不安定になり、極端な場合には更に排気エミッションが悪化する問題が生じる。
そこで、本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒7の床温が所定温度より低い場合には、リッチスパイク操作開始時のリーン空燃比運転中に成層燃焼が行われていると均一燃焼が行われているとにかかわらずリッチスパイク操作時にはポートインジェクタ13から燃料の全量を噴射するようにしている。
これにより、リッチスパイク操作時に多量の未燃HCが発生することが防止されるため、NOX吸蔵還元触媒7の床温が低い場合でも触媒7を通過して下流側に未燃HCが到達することが防止され、リッチスパイク操作時のエミッション悪化と空燃比制御の不安定化が防止される。
一方、NOX吸蔵還元触媒7の床温が上記所定温度より高い場合には、排気中に比較的多量の未燃HCが含まれていた場合であってもNOX吸蔵還元触媒7では排気中のHCのほぼ全てがNOXの還元に消費されるため、触媒7下流側に未燃HCが流出することはない。
このため、NOX吸蔵還元触媒7の床温が高い場合にはポートウエットが生じず、空燃比制御の応答が良好な筒内噴射によりリッチスパイク操作を行う。これにより、リッチスパイク操作時に燃料が増量された場合でも空燃比制御の応答遅れが生じることを防止可能となるため、リッチスパイク操作時にも精度の良い空燃比制御を行うことが可能となる。
上述のように、本実施形態では、リッチスパイク操作開始時に排気浄化触媒7床温が所定の温度以下の場合にはリッチスパイク操作中の燃料噴射をポートインジェクタから行い、ハウジング触媒7床温が所定の温度以上の場合にはリッチスパイク捜査中の燃料噴射を直噴インジェクタから行う。
なお、直噴インジェクタ11を選択するかポートインジェクタ13を選択するかを決定する上記所定温度は、リッチスパイク操作時にNOX吸蔵還元触媒7を通過するHC量が排気エミッションと空燃比センサ出力の安定性とを悪化させない程度になる温度であり、触媒7の種類などにより異なってくるため、実際のNOX吸蔵還元触媒7を持ちいた実験により定めることが好ましい。
また、NOX吸蔵還元触媒7床温は、触媒床に温度センサを配置して直接検出しても良いし、他の機関運転状況に基づいて触媒7床温を推測するようにしてもよい。
例えば、機関が成層燃焼によるリーン空燃比運転(直噴インジェクタから燃料噴射を行うリーン空燃比運転)が行われている場合には、機関負荷が低く空燃比も高いため排気温度は低くなっているのが通常である。従って、このような場合にはNOX吸蔵還元触媒7温度もかなり低くなっていると推測できる。
そこで、リッチスパイク操作開始時に機関が成層燃焼によるリーン空燃比運転が行われている場合にはリッチスパイク操作中に燃料の全量をポートインジェクタから噴射するようにしても良い。このように、機関運転状態に基づいてリッチスパイク操作時に使用するインジェクタを選択することにより、排気浄化触媒7床温を検出することなく簡易にインジェクタの選択を行うことが可能となる。
(2)直噴インジェクタ先端部温度に基づく選択
直噴インジェクタは燃焼室内に直接燃料を噴射するため、噴孔がある先端部は機関運転中常に燃焼室内の高温に曝されている。
この場合、筒内噴射が行われている場合には直噴インジェクタ先端部は噴射する燃料により冷却されるため問題は生じない。しかし、例えばポート噴射が行われる機関運転状態では直噴インジェクタからは燃料噴射が行われないため直噴インジェクタ先端部は噴射燃料による冷却が行われない。
このため、長時間ポート噴射のみの運転が続くと直噴インジェクタ先端部の温度が高くなる場合が生じる。一方、燃料噴射停止時には直噴インジェクタ内には燃料が滞留しているが、インジェクタ先端ではある温度以上(例えば約440度K以上)になると滞留した燃料の炭化などによるデポジットが生成される。
このように、インジェクタ内でデポジット堆積が生じると燃料通路の抵抗変化のためにインジェクタの燃料噴射特性が変化したり、デポジットにより燃料通路が閉塞してしまう場合が生じる。
また、直噴インジェクタからの燃料噴射が停止されない場合でも、前述の中間モードでは比較的機関負荷が大きく燃焼室内温度も高くなっている。ところが、この運転状態では直噴インジェクタからの燃料噴射量は比較的少ないため直噴インジェクタ先端部を十分に冷却することができず、直噴インジェクタ先端温度がデポジットが生成される程度の高温になってしまう場合がある。
そこで、本実施形態では直噴インジェクタ先端温度が所定温度(デポジットの生成が生じる可能性がある温度、例えば440度K程度の温度)以上になっている場合には、リッチスパイク操作時に燃料噴射を行うインジェクタとして直噴インジェクタを選択する。
リッチスパイク操作時に直噴インジェクタのみから燃料噴射を行うことにより、インジェクタ内に滞留した高温の燃料が燃焼室内に噴射されるとともに、新たに低温の燃料がインジェクタ内を通って噴射されるためインジェクタ先端温度が低下し、デポジットの生成が防止されるようになる。
なお、直噴インジェクタ先端温度は、例えばインジェクタ先端に温度センサを配置して直接検出してもよいが、機関の運転状態に基づいて直噴インジェクタ先端温度が上記所定値を越えているか否かを判断してもよい。
例えば、リッチスパイク操作開始時にポート噴射によるリーン空燃比運転が行われている場合には、ある程度の時間直噴インジェクタからの燃料噴射が停止されていると考えられ、しかもポート噴射によるリーン空燃比運転では比較的負荷が高くなっており、燃焼室内温度もある程度の高温になっていると考えられる。
また、リッチスパイク操作開始時にポート噴射と筒内噴射との両方によるリーン空燃比運転が行われている場合も、負荷に比較して直噴インジェクタからの燃料噴射量が少ない状態になっていると考えられる。
このため、リッチスパイク操作開始時にポート噴射、もしくはポート噴射と筒内噴射との両方によるリーン空燃比運転が実行されていた場合にはリッチスパイク操作時に使用するインジェクタとして直噴インジェクタを選択するようにしてもよい。これにより、インジェクタ先端の温度を直接検出することなく簡易にリッチスパイク操作時のインジェクタ選択を行うことが可能となる。
次に、本発明の上記とは異なる実施形態について説明する。
前述の各実施形態ではリッチスパイク操作時に直噴インジェクタとポートインジェクタとのうち一方のみから燃料を噴射することにより、空燃比制御の誤差発生や排気性状の悪化を防止していた。
しかし、前述したように、筒内噴射とポート噴射とはそれぞれ長所と短所とがあり、リッチスパイク操作時に一方のインジェクタからのみ燃料噴射を行っていたのでは、筒内噴射またはポート噴射の短所も現れてしまう場合がある。このため、リッチスパイク操作開始時の機関運転状態によっては一方のみではなく両方のインジェクタから燃料噴射を行った方が適している場合がある。
例えば、リッチスパイク開始時に機関がポート噴射を行うリーン空燃比運転(ポート噴射のみ、もしくはポート噴射と筒内噴射との併用)を行っていたような場合には、リッチスパイク操作時に直噴インジェクタからのみ燃料噴射を行うようにすると、ポート噴射が停止されている間に吸気ポートの壁面付着燃料量が変化(減少)してしまい、リッチスパイク操作完了後にポート噴射によるリーン空燃比運転を再開したときに、燃料噴射量の一部が壁面付着燃料量を増大することに用いられてしまい、燃料噴射量と実際に燃焼室に供給される燃料量とが異なってくる場合が生じる。
一方、この場合に、リッチスパイク操作時にもポートインジェクタからのみ燃料噴射を行うようにすると、前述したようにポートインジェクタからの燃料噴射量の増大による壁面付着燃料量の変化のため、空燃比制御の応答が遅れる問題や、ポートインジェクタからの噴射のみが継続することにより直噴インジェクタ先端が高温になりデポジットが生じる問題などが生じる可能性がある。
そこで、本実施形態ではリッチスパイク操作開始時にポート噴射が行われている場合には、直噴インジェクタとポートインジェクタとの両方から燃料噴射を行うことにより上記問題を解決している。
すなわち、本実施形態ではリッチスパイク操作開始時にポート噴射を行うリーン空燃比運転が実施されていた場合には、リッチスパイク操作時にポートインジェクタからの燃料噴射量はリッチスパイク操作開始時と同一に維持し、機関の空燃比を所定のリッチ空燃比にするために上記ポートインジェクタからの燃料噴射量に対して増量すべき燃料量のみを直噴インジェクタから噴射するようにしている。
リッチスパイク操作中もポートインジェクタからの燃料噴射量は燃料噴射開始時とほぼ同一に維持されるようになり、ポートインジェクタからの燃料噴射量変化による壁面付着燃料量の変化が生じない。このため、リッチスパイク操作終了後にリッチスパイク操作開始時の運転(ポート噴射によるリーン空燃比運転)に復帰する場合にも、壁面付着燃料量の変化による空燃比制御の応答遅れが生じることが回避される。
また、この場合には、増量分の燃料は直噴インジェクタから噴射されるため、増量分の燃料は直接燃焼室に供給されるようになり、リッチスパイク操作時の空燃比変化の遅れが防止される。
さらに、増量分の燃料が直噴インジェクタから噴射されることにより、インジェクタ冷却効果が増大する。このため、直噴インジェクタ先端部の温度が低下するようになり直噴インジェクタ内のデポジットの生成が防止される。
なお、上記実施形態ではリッチスパイク操作時にポートインジェクタからの噴射量をほぼ同一に維持することにより、ポート噴射による壁面付着燃料量をリッチスパイク操作中も同一に維持するようにしている。
しかし、実際にはリッチスパイク操作中に壁面付着燃料量が多少変動しても、リッチスパイク操作終了後のリーン空燃比運転復帰時に空燃比が大きく変動しなければ問題は生じない。
そこで、予めリーン空燃比運転復帰時に空燃比の変動幅が許容範囲内になるような壁面付着燃料量の変動量の範囲(一般的にプラスマイナス約30パーセント程度)と、そのときのポート噴射燃料量の変化幅(許容ポート噴射量変動量)を実際の機関を用いた運転により求めておき、リッチスパイク操作時にはポートインジェクタの燃料噴射量も上記許容ポート噴射量変動量の範囲内で変化(増大または減少)させ、増量分の残りの量だけ直噴インジェクタの燃料噴射量を増量するようにしてもよい。
これにより、上記の実施形態と同様に、空燃比変化応答性を良好に保つとともに直噴インジェクタ先端部でのデポジット生成を防止しながら、更に機関の燃焼状態を良好に維持することが可能となる。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。 直噴インジェクタとポートインジェクタとの配置の一例を示す図である。
符号の説明
1 機関本体
2 吸気通路
3 排気通路
4 吸気マニホルド
7 NOX吸蔵還元触媒
9 上流側空燃比センサ
10 下流側空燃比センサ
11 直噴インジェクタ
13 ポートインジェクタ
30 ECU(電子制御ユニット)

Claims (9)

  1. 内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと、吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとを備え、
    機関のリーン空燃比運転中に機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えて運転し機関排気通路に配置された排気浄化触媒にリッチ空燃比排気を供給するリッチスパイク操作を行う内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタを、機関の運転状態に応じて前記直噴インジェクタのみ、または前記ポートインジェクタのみのいずれか一方から選択することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記リッチスパイク操作時に、前記機関の運転状態として、前記排気浄化触媒床温に応じて前記機関への燃料噴射を行うインジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記排気浄化触媒床温が予め定めた温度より低い場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記ポートインジェクタを選択する、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記排気浄化触媒床温が予め定めた温度より高い場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記直噴インジェクタを選択する、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記直噴インジェクタのみから燃料噴射を行う成層燃焼によるリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記ポートインジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記直噴インジェクタ先端部の温度が予め定めた温度より高くなっている場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記直噴インジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時に機関への燃料噴射を行うインジェクタとして前記直噴インジェクタを選択する、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと、吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとを備え、
    機関のリーン空燃比運転中に機関への燃料噴射量を増量し機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えて運転し機関排気通路に配置された排気浄化触媒にリッチ空燃比排気を供給するリッチスパイク操作を行う内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時の前記燃料噴射量の増量分のみを前記直噴インジェクタから噴射することを特徴とする、内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタと、吸気通路に燃料を噴射するポートインジェクタとを備え、
    機関のリーン空燃比運転中に機関への燃料噴射量を増量し機関運転空燃比を短時間リッチ空燃比に切り換えて運転し機関排気通路に配置された排気浄化触媒にリッチ空燃比排気を供給するリッチスパイク操作を行う内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記リッチスパイク操作を開始すべきときに、前記ポートインジェクタのみ、もしくは、ポートインジェクタと直噴インジェクタとの両方から燃料噴射を行うリーン空燃比運転が行われている場合には、前記リッチスパイク操作時に前記ポートインジェクタからの燃料噴射による吸気ポート壁面付着燃料量の変化が予め定めた範囲内になるように前記直噴インジェクタからの燃料噴射量を設定することを特徴とする、内燃機関の燃料噴射制御装置。
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