JP2006009138A - 鉄粉の仕上熱処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 予熱方法の改良により仕上熱処理の効率を向上させた鉄粉の仕上熱処理方法および装置を提供する。
【解決手段】 鉄粉7を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、該鉄粉を加熱気体(高温かつ非酸化性の気体52)と直接接触させて予熱した後に前記処理を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄粉の仕上熱処理方法および装置に関する。仕上熱処理とは、脱炭、脱酸、脱窒のいずれか1種または2種以上の処理を指す。仕上熱処理後の鉄粉は、焼結部品、磁性材料等の焼結製品の原料粉として使用され、あるいは、粉末のまま使用されることが多い。
一般に、鉄粉の仕上熱処理工程では、粗還元したミルスケール還元鉄粉やアトマイズしたままの鉄粉を処理対象とし、製品の用途に応じて脱炭、脱酸、脱窒のいずれか1種または2種以上の処理が施される。これらの処理では、移動床と呼ばれる連続的に移動するベルト上に鉄粉を積層し、この移動床を、温度および雰囲気が制御された水平炉(連続式移動床炉という)内に連続的に送り込んで、水平炉内を通過させる。移動床が炉内を通過中、移動床上の鉄粉は、雰囲気中の水蒸気ないし水素と反応し、下記の反応式に従って脱炭、脱酸ないし脱窒が行われる(例えば、特許文献1参照)。
C(in Fe)+HO(g)=CO(g)+H(g) (1)
FeO(s)+H(g)=Fe(s)+HO(g) (2)
N(in Fe)+3/2H(g)=NH(g) (3)
図6は、従来の仕上熱処理装置の1例を示す側断面図である。鉄粉7はホッパ8からベルト9上に積層され、ベルト9はホイール10で駆動されて炉(水平炉または連続式移動床炉)30内を炉長方向に移動し、ベルト9上の鉄粉7の積層を連続的に炉内に搬入し炉内を通過させ炉外に搬出する。炉内はラジアントチューブ11で所定の温度に加熱される。雰囲気ガスは炉出口側の雰囲気ガス導入口5から炉内に導入され、炉入口側の雰囲気ガス排出口6から炉外に排出され、燃焼された後、雰囲気ガス排気管13を介して排気ダクト14へ送られる。ラジアントチューブ11内の燃焼ガスは燃焼ガス排気管12を通じて炉外に排出され排気ダクト14へ送られる。
ベルト9上の鉄粉7は炉内を連続通過中に、雰囲気中の水素ないし水蒸気と反応し、上記の反応式で示される脱炭、脱酸ないし脱窒の反応が進行する。これらの反応はそれぞれ反応進行に最適の温度、雰囲気ガス組成の条件で行なわれ、脱炭では600〜1100℃、露点30〜60℃の還元ガス雰囲気、脱酸では700〜1100℃、露点40℃以下の還元ガス雰囲気、脱窒では450〜750℃、露点40℃以下のHガス雰囲気が最適とされている。このため、炉内は炉長方向に入口側から第一室2、第二室3、第三室4の三室に区分され、室間に仕切壁1が配設され、第一室2では脱炭、第二室3では脱酸、第三室4では脱窒が主反応になるように、各室の温度および雰囲気が制御される。
効率よく仕上熱処理するためには、炉内各室での温度管理が重要である。しかし、通常規模の炉では、炉内で室温状態から鉄粉7を加熱すると、第一室2内を移動する鉄粉7の積層中心部が所定の温度に到達するのは同室の出口付近となる。このため、ベルト速度を上げたり、ベルト9上の鉄粉7の積層厚さを厚くするといった方法で生産性の向上を図ろうとしても鉄粉7の積層中心部の温度が所定の温度まで上昇することは困難である。
そこで、仕上熱処理の効率を向上させるために、第一室に入る前の鉄粉を予熱し、第一室の入口通過時の積層の温度を高くしておく方法が提案され、具体的には、予熱の熱源として、炉内を加熱するときに排出される燃焼排ガスを用い(例えば、特許文献2参照)、鉄粉との熱交換は、図6、図7に示す間接加熱方式の熱交換器である予熱器15を用いて行う(例えば、特許文献3参照)ことが知られている。
予熱器15は、ホッパ8の下部と排気ダクト14とを交叉させ、該交叉部内において排気ダクト14を複数の熱交換用パイプ16に分岐させた形態を有する。鉄粉7は、ホッパ8を出た後複数並んだ熱交換用パイプ16の間を抜けてベルト9上に積層する。
排気ダクト14内のいわゆる燃焼排ガスは、ラジアントチューブ11内で燃焼したガス(燃焼ガス)を炉外に排出したガスおよび炉内で鉄粉と反応させた雰囲気ガス(反応排ガス)を炉外で燃焼させたガスの混合ガスである。
予熱器15を用いることで、鉄粉7は、内側に燃焼排ガスが流れている熱交換用パイプ16の外面と接触して予熱されるので、酸化・固着することなくベルト9上に積層する。
特開昭52−156714号公報 特開昭62−235401号公報 特開昭63−153204号公報
しかしながら、上記従来の予熱方法では、熱交換用パイプを介して燃焼排ガスから鉄粉に熱が移動するため、熱交換用パイプの周囲の鉄粉にしか熱が伝わらないことや、熱交換用パイプの熱伝導率が熱移動の抵抗として働くことなどから、熱交換の効率が低いという問題があった。また、鉄粉が熱交換用パイプの間を移動するため、該移動する鉄粉により摩耗して熱交換用パイプに穴があくという問題や、鉄粉が熱交換用パイプとの接触により摩耗して球状化し、圧粉密度が低下するため、粉末冶金に使われる高密度材には適さなくなるという問題もあった。
本発明は、上述の問題を解決し、予熱方法の改良により仕上熱処理の効率を向上させた鉄粉の仕上熱処理方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成した本発明は、以下のとおりである。
(発明項1)鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、該鉄粉を加熱気体と直接接触させて予熱した後に前記処理を行なうことを特徴とする鉄粉の仕上熱処理方法。
(発明項2)前記加熱気体として、前記処理の反応排ガス、水素ガス、窒素ガス、不活性ガス、AXガスのうち1種または2種以上のガスを用いることを特徴とする発明項1記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
(発明項3)前記加熱気体は前記処理の反応排ガスを燃焼した燃焼排ガスと間接的に熱交換させて加熱されたものであることを特徴とする発明項1または2に記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
(発明項4)前記加熱気体が鉄粉を予熱する時の同加熱気体の流速を1m/s以下とすることを特徴とする発明項1〜3のいずれかに記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
(発明項5)鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す炉と、該炉に入る前の鉄粉を予熱する予熱手段とを有する鉄粉の仕上げ熱処理装置において、前記予熱手段が、前記鉄粉と加熱気体とを直接接触させて伝熱を行う予熱手段であることを特徴とする鉄粉の仕上げ熱処理装置。
(発明項6)前記予熱手段が、前記鉄粉の移動経路を挟んで相対する両側の一方の側から該移動経路内に気体を放出する気体供給部と、他方の側から該移動経路内の気体を回収する気体排出部とを有することを特徴とする発明項5記載の鉄粉の仕上熱処理装置。
(発明項7)前記移動経路の気体供給部と排出部の間の移動層の幅が10〜300mmであることを特徴とする発明項5または6に記載の鉄粉の仕上熱処理装置。
(発明項8)前記予熱手段に入る前の加熱気体を前記炉から発生する反応排ガスを燃焼した燃焼排ガスと間接的に熱交換させる熱交換器を有することを特徴とする発明項5〜7のいずれかに記載の鉄粉の仕上熱処理装置。
本発明によれば、鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、前記処理を施される前(炉に入る直前)の鉄粉に、高温かつ非酸化性の気体を直接接触させるように流して該鉄粉を予熱するようにしたので、鉄粉は酸化されることなく、均等に予熱される。したがって、温度制御が的確にできるようになり、炉に入る時の鉄粉温度が従来よりも高くなって、仕上熱処理の燃料原単位を低減できる。また、鉄粉の所定の処理温度への到達時間が短縮するので、鉄粉の炉内通過速度を増すことができて生産性が向上する。
また、鉄粉の移動経路と交叉する熱交換用パイプがなくなるから、その交換のための装置停止がなくなって稼動率が向上し、また、熱交換用パイプとの擦れによる鉄粉の球状化の問題がなくなって高密度材の製造が容易となる。
本発明において、鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す工程については、従来と同様、水平炉を用いて行うことができる。その際、本発明では、処理を施される直前の鉄粉に、該鉄粉よりも高温の加熱気体を直接接触させるように流す。
水平炉を用いて仕上熱処理を行う場合、ホッパを出た鉄粉は移動経路内を下降してベルト上に到達し、移動経路内に鉄粉の充填層が形成されるので、この充填層内に該層を挟んで相対する両側の一方の側から加熱気体を送り込み、他方の側から回収するようにするのが好適である。鉄粉の充填層内に直接加熱気体を流すので、粉体粒子の間を加熱気体が流れ、粉体の表面積全体が熱伝導する面積となるため高効率で熱の交換ができる。例えば、互いに同じ体積の直径10cmの管と直径100μmの粉体とでは、表面積は粉体の方が1000倍大きくなる。熱交換される熱の量は接触面積に比例するので、粉体粒子に気体を直接接触させる方が効率は格段によくなる。なお、加熱気体の温度は、鉄粉よりも高い温度であれば鉄粉の昇温に寄与し、熱処理炉へ供給する鉄粉の温度を上昇させて熱処理炉での生産性を向上させる効果を有するといえるが、実質的には、加熱気体の温度として200℃以上程度であれば熱処理炉での投入熱量低減や装入鉄粉量増加による生産性向上に大きな効果があると考えられる。
また、前記したように、脱炭、脱酸、脱窒等の熱処理には、それぞれ最適の温度があるので、熱処理炉での最初の工程で熱処理に好適な温度以上の温度に鉄粉を加熱する必要はないので、加熱温度の上限も熱処理炉での最初の工程に応じて設定すればよい。
もっとも、高温の気体を直接鉄粉に接触させて予熱する場合、かかる高温の気体は、非酸化性の気体、すなわち、その温度で鉄を酸化させない気体でなければならない。
鉄粉と熱交換した後の気体の温度が露点以下になると、気体に含まれている水蒸気が結露して、鉄粉表面に水滴ができ、これをもとに鉄粉が酸化される。また、反応式、
FeO(s)+H(g)=Fe(s)+HO(g) (1)
に従う反応は、200℃では露点25℃以上、500℃では露点55℃以上になると、反応が右から左に進み、鉄粉が酸化される。
例えば、ラジアントチューブ内で燃焼させるガスとしてプロパンガスを用い、空燃比1.2として燃焼させた場合、燃焼排ガスの露点は45℃となり、また、燃焼排ガス中に残留している酸素が3%程度となる。このため、燃焼排ガスは、温度が約900℃である(高温の気体に該当する)が、直接鉄粉の充填層内に通すと予熱とともに鉄粉の酸化反応が進むので、非酸化性の気体に該当しない。
非酸化性の気体としては、酸素を含まずかつ露点が25℃以下であるという条件を満たす気体を用いることが好ましい。かかる非酸化性の気体としては、例えば、水素ガス、窒素ガス、不活性ガス(アルゴンガス等)、AXガス(アンモニア分解ガス)のうちのいずれか1種または2種以上の混合ガスが挙げられる。なお、上記条件を満たすものであれば、可燃性ガスを不完全燃焼させたガスを用いてもよい。
また、仕上熱処理の反応排ガスは、主に水素ガスと水蒸気の混合ガスであるが、処理前の鉄粉中の炭素濃度が低い(例えば0.5mass%以下)場合には、水蒸気の添加が少なくて済むので露点が25℃以下となっており、温度も約900℃で排出されるため、高温かつ非酸化性の気体として利用できる。
非酸化性の気体を高温にする手段としては、ボイラ等による加熱もあるが、炉から900℃以上の高温で排出される燃焼排ガスを、非酸化性の気体と間接的に熱交換させ、燃焼排ガスの熱を非酸化性の気体に与えて該気体を高温にする方法が好ましく用いうる。
予熱温度(予熱後の鉄粉の温度)は、高温ほど仕上熱処理工程の生産性が向上するが、600℃以上にすると鉄粉が焼結し、炉への供給が困難となるため、その上限を600℃に設定するのが好ましい。
鉄粉がホッパから水平炉まで移動する移動経路中で加熱気体が鉄粉を予熱する時の同加熱気体の流速が大きすぎると鉄粉が流動化してしまい,鉄粉の移動を妨げることがある。あるいは、移動経路から加熱気体の排出管側へ鉄粉か吹き飛ばされて、ロスとなる虞もある。鉄粉の粒径は100μm以下程度であることから、加熱気体が鉄粉を予熱する時の同加熱気体の流速を1m/s以下とすることが望ましい。
ここで加熱気体の流速は、加熱気体の気体供給部の温度、圧力での実ガス体積を気体供給部の開口面積で除した値で考えることができる。
図1は、本発明の仕上熱処理装置の一例を示す側断面図である。同図において、17は熱交換器、18は気体供給管、19は気体排出管、50は反応排ガス、51は非酸化性の気体(反応排ガスを除く)、53は燃焼排ガスであり、図6と同一または相当部材には同じ符号を付し説明を省略する。また、図2は、本発明で用いる予熱手段の一例を示す側断面図であり、図1と同一または相当部材には同じ符号を付し説明を省略する。図示のように、本発明の仕上熱処理装置は、炉30に入る直前の鉄粉7を予熱する予熱手段として、ホッパ8からベルト9上に至る鉄粉7の移動経路を挟んで相対する両側の一方の側から該移動経路内に加熱気体(高温かつ非酸化性の気体)52を放出する気体供給部と他方の側から該移動経路内の気体を回収する気体排出部とを有する。図2においては、気体供給部として複数の気体供給管18、気体排出部として複数の気体排出管19を設けた例を示している。
これにより、加熱気体52は気体供給管18から鉄粉7の充填層内に放出され、該充填層内で鉄粉7と直接接触して流れながら鉄粉7に熱を与えた後、充填層を挟んで気体供給管18と相対する気体排出管19により回収される。該回収された気体は、仕上熱処理装置外に排出される。
この例では、加熱気体52として、雰囲気ガス排気管13内を通って流れてくる反応排ガス50に外部から非酸化性の気体51を加え、これを熱交換器17に通して燃焼排ガス53と間接的に熱交換させ、高温としたものを用いている。
また、図3は、予熱手段のもう一つの例を示すものであり、この例では、気体供給管18の気体放出口側が他の側よりも下方に位置し、かつ気体排出管19の気体回収口側が他の側よりも下方に位置するように、両管を傾斜させて配置した。これにより、下向きに移動する鉄粉7が気体供給管18や気体排出管19に侵入しなくなるので、これらの管の詰まりを有効に防止することができる。
また、図4は、予熱手段のもう一つの例を示すものであり、この例では、気体供給管18の気体放出口および気体排出管19の気体回収口にそれぞれフィルタ20を配設した。これにより、図3の例と同様、下向きに移動する鉄粉7が気体供給管18や気体排出管19に侵入しなくなるので、これらの管の詰まりを有効に防止することができる。フィルタとしては、耐熱性の点から焼結金属あるいはセラミックスが好ましく用いうる。
以上図示した例では気体供給部と気体排出部に管を使用した例を示したが、気体供給部、気体排出部には、その他、上下方向に複数の棚段を設けた構成や、鉄粉の移動経路の側面全体をセラミックフィルター等の多孔質体で形成しても良い。
鉄粉が加熱気体で予熱される移動経路では、気体供給部から気体排出部の間に充填される鉄粉の厚み(層厚)は10〜300mmであることが好ましい。鉄粉の厚みが10mmを下回るような条件では、鉄粉を供給するホッパ内の棚吊り等が生じ易く、ホッパからの排出が不安定となることがある。また、300mmを超える層厚とすると、鉄粉の移動経路中での通気抵抗が大きくなるため、加熱気体を昇圧する必要があるので、設備的に過大なものとなってしまう。加えて、移動経路内の加熱気体の流通が偏りやすくなり、加熱むらが起りやすい。
また、本発明に係る予熱手段では、鉄粉の移動経路に対して交叉する方向へ加熱気体を流すので、加熱気体が鉄粉の供給口から流出する虞がある。そこで、本発明では、加熱気体の供給口、排出口の上端部より上方に予熱対象である鉄粉を積層することで、粉体シールを形成し、この抵抗により加熱気体の流出を防ぐことが好ましい。このためには、鉄粉の供給口よりも上方に設けるホッパ8内の鉄粉の堆積高さを加熱気体の供給口から排出口までの間の距離に対して3倍以上に管理することが好ましい。
(比較例1)
比較例1では、図6に示した構成の仕上熱処理装置から予熱器15を取り除いた構成の仕上熱処理装置を用い、鉄粉の予熱は行わず、以下の条件Aで鉄粉の仕上熱処理を行った。
条件A:炉内温度=950℃、炉内通過時間=60分、鉄粉7の粒径=100μm以下、ベルト9上の鉄粉の積層厚さ=40mm
(比較例2)
比較例2では、図6に示した構成の仕上熱処理装置を用い、鉄粉の予熱を行いつつ、前記条件Aで鉄粉の仕上熱処理を行った。なお、燃焼排ガス温度=900℃である。
(実施例)
実施例では、図1に示した構成の仕上熱処理装置を用い、鉄粉の予熱を行いつつ、前記条件Aで鉄粉の仕上熱処理を行った。なお、燃焼排ガス温度=900℃である。
比較例1、2および実施例について、移動するベルト上の鉄粉の積層の厚さ中心位置に温度センサを配置し、炉内での鉄粉温度の時間変化を測定した。その結果を図5に示す。
予熱なしの比較例1では、鉄粉が常温で炉に入ってから200℃まで昇温するのに7分、500℃までで15分、炉内温度の950℃に到達するのに30分かかっている。従来の方法で予熱を行った比較例2では、炉に入った時の鉄粉温度が200℃になっていたが、炉内温度の950℃に到達するのに28分かかっている。これに対し、本発明の方法で予熱を行った実施例では、予熱手段の出側で鉄粉が500℃まで昇温し、炉に入った時の鉄粉温度は450℃となり、20分で炉内温度の950℃に到達した。
実施例では、比較例1に比べて、炉内温度への到達時間が10分短くなる。鉄粉を炉内温度に等しい温度に保持する時間は比較例1と同じでよいから、実施例では炉内通過時間を50分にすることができ、そうすることで、20%の増産を達成することができる。
上記実施例の条件で図1の気体排出管19の経路中に排気ブロアを設置して加熱ガスの流速を0.5〜2m/sに変更して実験を行い、各条件で、排出ガス中の粉塵量(含塵量)を測定した。測定結果を図8に示す。この結果より、移動層の気体供給部での加熱気体(鉄粉を予熱している加熱ガス)の流速が1m/sを超えると排出ガス中の含塵量が増加するので、好ましくない。
本発明は、機械部品などを粉末冶金で製造する産業や磁性材料用などの焼結製品を製造する産業、あるいは化学反応用鉄粉、カイロ用鉄粉、脱酸素剤用鉄粉など粉末のままで使用される鉄粉を製造する産業などにおいて、仕上熱処理を行う工程を有するもの全てに利用でき、製造量の調整が容易にできて有利である。
本発明の仕上熱処理装置の一例を示す側断面図である。 本発明で用いる予熱手段の一例を示す側断面図である。 本発明で用いる予熱手段の一例を示す側断面図である。 本発明で用いる予熱手段の一例を示す側断面図である。 仕上熱処理装置内での粉体温度の時間変化を示すグラフである。 従来の仕上熱処理装置の一例を示す側断面図である。 従来の予熱手段の一例を示す側断面図である。 鉄粉を予熱している加熱ガスの流速と排出ガス中の含塵量の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 仕切壁
2 第一室
3 第二室
4 第三室
5 雰囲気ガス導入口
6 雰囲気ガス排出口
7 鉄粉
8 ホッパ
9 ベルト
10 ホイール
11 ラジアントチューブ
12 燃焼ガス排気管
13 雰囲気ガス排気管
14 排気ダクト
15 予熱器
16 熱交換用パイプ
17 熱交換器
18 気体供給管
19 気体排出管
30 炉(水平炉または連続式移動床炉)
20 フィルタ
50 反応排ガス
51 非酸化性の気体(反応排ガスを除く)
52 加熱気体(高温かつ非酸化性の気体)
53 燃焼排ガス

Claims (8)

  1. 鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、該鉄粉を加熱気体と直接接触させて予熱した後に前記処理を行なうことを特徴とする鉄粉の仕上熱処理方法。
  2. 前記加熱気体として、前記処理の反応排ガス、水素ガス、窒素ガス、不活性ガス、AXガスのうち1種または2種以上のガスを用いることを特徴とする請求項1記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
  3. 前記加熱気体は前記処理の反応排ガスを燃焼した燃焼排ガスと間接的に熱交換させて加熱されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
  4. 前記加熱気体が鉄粉を予熱する時の同加熱気体の流速を1m/s以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
  5. 鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうち1種または2種以上の処理を施す炉と、該炉に入る前の鉄粉を予熱する予熱手段とを有する鉄粉の仕上げ熱処理装置において、前記予熱手段が、前記鉄粉と加熱気体とを直接接触させて伝熱を行う予熱手段であることを特徴とする鉄粉の仕上げ熱処理装置。
  6. 前記予熱手段が、前記鉄粉の移動経路を挟んで相対する両側の一方の側から該移動経路内に気体を放出する気体供給部と、他方の側から該移動経路内の気体を回収する気体排出部とを有することを特徴とする請求項5記載の鉄粉の仕上熱処理装置。
  7. 前記移動経路の気体供給部と排出部の間の移動層の幅が10〜300mmであることを特徴とする請求項5または6に記載の鉄粉の仕上熱処理装置。
  8. 前記予熱手段に入る前の加熱気体を前記炉から発生する反応排ガスを燃焼した燃焼排ガスと間接的に熱交換させる熱交換器を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の鉄粉の仕上熱処理装置。
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