JP2006003491A - 眼鏡用素材。 - Google Patents
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Abstract
【課題】モアレが生じる変化に富んだ繊細な模様を有し、昨今の市場のニーズに充分応え得る眼鏡用素材を提供する。
【解決手段】樹脂板Pよりなる眼鏡用素材であって、多数のスリットを規則的に備えた少なくとも二つの模様面1a,1bがモアレを生じるように樹脂板Pの厚み方向に間隔をあけて樹脂板P中に埋設された構成の眼鏡用素材とする。二つの模様面1a,1bによってモアレが生じ、見る角度や方向によって模様の濃淡などが変化する。模様面1a,1bは、多数の平行線又はドットから構成され、その多数の平行線又はドットの間に多数のスリットを規則的に備えたものが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】樹脂板Pよりなる眼鏡用素材であって、多数のスリットを規則的に備えた少なくとも二つの模様面1a,1bがモアレを生じるように樹脂板Pの厚み方向に間隔をあけて樹脂板P中に埋設された構成の眼鏡用素材とする。二つの模様面1a,1bによってモアレが生じ、見る角度や方向によって模様の濃淡などが変化する。模様面1a,1bは、多数の平行線又はドットから構成され、その多数の平行線又はドットの間に多数のスリットを規則的に備えたものが好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は、見る方向によって濃淡などが変化する所謂モアレが生じるようにした斬新な眼鏡用素材に関する。
近年、眼鏡の個性化、多用化に伴い、従来見られなかった繊細で変化に富む特異な模様を備えた眼鏡用素材が市場においてますます要求されるようになってきた。
しかしながら、従来の多層押出成形で得られる眼鏡用素材は、流れ模様などのラフな模様に限られ、繊細な模様を形成することは困難であった。一方、スクリーン印刷を行ったプリントシートを積層樹脂板中に挟挿して一体化した眼鏡用素材は、繊細な模様を形成できるというものの、模様が平面的であり、市場のニーズに充分応え得るとは言い難いものであった。
これに対し、立体的な模様を有する眼鏡用素材として、樹脂基材に形成した穴部に色の異なるブロックを接着嵌合して複数色からなる模様を表出してなるものが提案されている(特許文献1)。けれども、この眼鏡用素材は、複数色で立体感のあるものであるが、模様が変化することがなく単一模様しか表出できない点でまだ充分とは言い難いものであった。
特開2004−45998号公報
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、所謂モアレが生じる変化に富んだ繊細な模様を有し、昨今の市場のニーズに充分応え得る眼鏡用素材を提供することを解決すべき課題としている。
上記課題を解決するため、本発明に係る眼鏡用素材は、樹脂板よりなる眼鏡用素材であって、多数のスリットを規則的に備えた少なくとも二つの模様面がモアレを生じるように樹脂板の厚み方向に間隔をあけて樹脂板中に埋設されていることを特徴とするものである。
本発明の眼鏡用素材においては、模様面が多数の平行線から構成され、その多数の平行線の間に多数のスリットを規則的に備えたものや、模様面が多数のドットから構成され、その多数のドットの間に多数のスリットを規則的に備えたものが好ましく、また、樹脂板がセルロース系樹脂よりなるものも好ましい。
本発明の眼鏡用素材は、樹脂板中に厚み方向に間隔をあけて埋設された少なくとも二つの模様面によってモアレが生じ、見る角度や方向によって模様の濃淡などが変化する。特に、模様面が多数の平行線から構成されてその多数の平行線の間に多数のスリットを規則的に備えた繊細な線模様からなるものや、模様面が多数のドットから構成されてその多数のドット間に多数のスリットを規則的に備えた繊細なドット模様からなるものは、モアレが生じやすく、変化に富み、模様が繊細であるが故に、昨今のニーズに充分応え得るものである。そして、樹脂板がセルロース系樹脂よりなる眼鏡用素材は、人の肌に優しく、触れたときの感触が良好である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1は本発明の一実施形態に係る眼鏡用素材の平面図、図2は同眼鏡用素材の概略断面図、図3は同眼鏡用素材の積層前の分解断面図、図4の(a),(b)は同眼鏡用素材に埋設される二つの模様面の平面図である。
この眼鏡用素材は、図2に示すように、二つの模様面1a,1bが樹脂板Pの厚み方向に間隔をあけて樹脂板P中に埋設されたものであって、これらの模様面1a,1bの重なりでモアレが生じ、図1に示すように濃淡の変化した繊細な線模様が発現している。
上記の樹脂板Pは、図3に示すように、上下の透明な樹脂プレート2a,2bと、その間に埋設される模様入り樹脂シート3a,3bからなるもので、模様入り樹脂シート3a,3bの片面には模様面1a,1bが形成されている。
一方の模様入り樹脂シート3aの模様面1aは、図4(a)に示すような線模様、即ち、多数の縦の平行線10aと多数の横の平行線11aから構成され、これらの平行線10a,11aの間に多数の規則的なスリット(隙間)12aを備えた碁盤目状の線模様が、スクリーン印刷によって形成されたものである。
また、他方の模様入り樹脂シート3bの模様面1bも、図4(b)に示すような線模様、即ち、多数の縦の平行線10bと多数の横の平行線11bから構成され、これらの平行線10b,11bの間に多数の規則的なスリット12bを備えた碁盤目状の線模様が、スクリーン印刷によって形成されたものであるが、モアレを生じやすくするために、スリット12bが上記模様面1aのスリット12aよりも少し狭く設定されている。
上記模様面1a,1bにおける好ましいスリット12a,12bの大きさは、スリット12a間が0.5〜3mm程度であり、スリット12bはこれより0.05〜0.3mm程度小さいことが好ましい。スリット12a,12bがこの程度の大きさであると、モアレが生じやすくなる。尚、スリット12aとスリット12bの大きさは同じでも勿論よく、その場合でも、模様面1a,1bが積層樹脂板Pの厚み方向に間隔をあけて挟挿されている限り、見る方向や角度によってモアレが生じる。より好ましいスリット12a,12bの大きさは0.5〜1.5mmである。
模様面1a,1bは、スクリーン印刷以外の方法、例えばインクジェットプリントなどで形成してもよいが、スクリーン印刷を採用すると、繊細な線模様等を容易に形成できる利点があるので、スクリーン印刷で模様面1a,1bを形成することが好ましい。
模様面1a,1bは樹脂板Pの厚み方向に間隔を開けて埋設する必要があり、間隔を開けないで重ね合わせて挟挿すると、模様面1a,1bのスリット12a,12bの大きさが同じ場合はモアレを生じない。模様面1a,1bのスリット12a,12bの大きさが若干異なる場合は、模様面1a,1bを重ね合わせてもモアレは生じるが、見る方向や角度によって変化する立体的なモアレは生じない。これに対し、模様面1a,1bを樹脂板Pの厚み方向に間隔を開け、その間隔を調節して埋設すると、見る方向や角度によりモアレの数や濃淡の程度が種々変化する立体感に富んだモアレ特有の模様を発現させることができる。ちなみに、模様面1a,1bのスリット12a,12bが前述の大きさである場合には、模様面1a,1bの間隔を0.2〜5.0mm、好ましくは0.5〜3.0mm程度の範囲内で調節すると、変化や立体感に富んだモアレ特有の模様を容易に発現させることができる。
模様面1a,1bの間隔の調節は、模様入り樹脂シート3bの厚さを変更したり、模様入り樹脂シート3aを上下反転させたり、双方の模様入り樹脂シート3a,3bの間に厚さ調節用の透明な樹脂シートを挟み込むなどの方法によって、容易に行うことができる。
樹脂プレート2a,2bや模様入り樹脂シート3a,3bの材料樹脂としては、人の肌に優しく、触れたときの感触が良好なセルロース樹脂が好ましく使用される。勿論、これ以外の合成樹脂も使用可能である。樹脂プレート2a,2bや模様入り樹脂シート3a,3bは、無色透明でもよいし着色透明でもよい。また、これらのプレートやシートの間に、種々の色に着色した着色透明樹脂シートや、種々の色分け模様に着色した着色透明樹脂シートを挟むことによって、色彩の変化に富んだ樹脂板Pからなる眼鏡用素材を得るようにしてもよい。
上記のような樹脂板Pからなる眼鏡用素材は、二枚の樹脂プレート2a,2bの間に模様入り樹脂シート3a,3bを挟み込み、場合に応じて、前述した模様面の間隔調節用の樹脂シートや上記の着色透明樹脂シートを更に挟み込んで、熱プレスなどの手段で熱圧着一体化して積層することにより、容易に製造することができる。
このようにして得られる眼鏡用素材は、模様面1a,1bの線模様が繊細であり、見る方向や角度によりモアレの数や濃淡の程度が種々変化する立体感に富んだモアレ特有の模様を発現するため、昨今のニーズに充分応えることができるものである。
図5は本発明の他の実施形態に係る眼鏡用素材の部分平面図、図6の(a),(b)は同眼鏡用素材に埋設される二つの模様面の部分平面図である。
この眼鏡用素材は、樹脂板P中に厚み方向に間隔をあけて挟挿される模様面1a,1bの線模様が前述した眼鏡用素材のものと異なっている。即ち、一方の模様面1aは、図6(a)に示すように、右上がりに傾斜した多数の平行な斜線13aから構成され、該斜線13aの間に一定幅の多数の規則的なスリット14aを備えた斜線模様が形成されたものである。そして、他方の模様面1bは、図6(b)に示すように、左上がりに傾斜した多数の平行な斜線13bから構成され、該斜線13bの間に一定幅の多数の規則的なスリット14bを備えた斜線模様が形成されたものである。このような斜線模様にあっても、スリット14a,14bの大きさは0.5〜3mm、好ましくは0.5〜1.5mmである。なお、スリット14a,14bの大きさは図示のように同じであってもよいし、異ならせてもよい。
このような斜線模様が形成された模様面1a,1bを樹脂板P中に厚み方向に間隔をあけて積層して埋設すると、図5に示すように、濃淡のある菱目状の立体感に富むモアレが発現し、昨今のニーズに充分応え得る眼鏡用素材が得られる。この模様面1a,1bの間隔は、前記と同様に0.2〜5.0mm、好ましくは0.5〜3.0mm程度の範囲内で調節するのが良い。
この眼鏡用素材の他の構成は、前述した図1〜4に示す眼鏡用素材と同様であるから、その説明を省略する。
以上に例示した眼鏡用素材はいずれも、線模様の模様面1a,1bを間隔をあけて積層して樹脂板P中に埋設したものであるが、本発明における模様面はそのような線模様に限定されるものではなく、繊細でモアレを生じやすい模様であれば全て採用可能である。線模様以外の模様面としては、例えば、図7に示すように、多数のドット15aから構成され、その多数のドット間に多数のスリット16aを規則的に備えた繊細なドット模様を形成した模様面1aが好ましく採用される。このようなドット模様の二つの模様面1a,1aを、上下に間隔をあけて互いに前後左右に少し位置をずらせて樹脂板中に埋設すると、モアレが生じる変化に富んだドット模様を発現する眼鏡用素材が得られる。
また、以上の眼鏡用素材はいずれも、二つの模様面を間隔を開けて樹脂板中に積層、埋設したものであるが、場合によっては三つ以上の模様面を間隔を開けて積層、埋設することにより、更に複雑で変化に富む立体的なモアレを発現させるようにすることも好ましい。また、以上の各模様面の位置や角度や組み合わせを選択して種々のモアレ模様を発現させることも好ましい。
1a,1b 模様面
10a,10b 縦の平行線
11a,11b 横の平行線
12a,12b,14a,14b,16a スリット
13a,13b 平行な斜線
15a ドット
2a,2b 樹脂プレート
3a,3b 模様入り樹脂シート
P 樹脂板
10a,10b 縦の平行線
11a,11b 横の平行線
12a,12b,14a,14b,16a スリット
13a,13b 平行な斜線
15a ドット
2a,2b 樹脂プレート
3a,3b 模様入り樹脂シート
P 樹脂板
Claims (4)
- 樹脂板よりなる眼鏡用素材であって、多数のスリットを規則的に備えた少なくとも二つの模様面が樹脂板の厚み方向に間隔をあけてモアレを生じるように樹脂板中に埋設されていることを特徴とする眼鏡用素材。
- 模様面が多数の平行線から構成され、その多数の平行線の間に多数のスリットを規則的に備えたものである請求項1に記載の眼鏡用素材。
- 模様面が多数のドットから構成され、その多数のドットの間に多数のスリットを規則的に備えたものである請求項1に記載の眼鏡用素材。
- 樹脂板がセルロース系樹脂よりなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の眼鏡用素材。
Priority Applications (1)
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JP2004177893A JP2006003491A (ja) | 2004-06-16 | 2004-06-16 | 眼鏡用素材。 |
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Citations (5)
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2004
- 2004-06-16 JP JP2004177893A patent/JP2006003491A/ja active Pending
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