ところが、上記した従来のレンズ保持体の構成では、以下の問題が生ずる。
(1)第1レンズ保持部101においては、平面部101aが、第1レンズの光軸に垂直な環状の平面で構成されているとともに、周面部101bが、第1レンズの外周面全周と接触するように形成されている。この場合、レンズ保持体の成形時に第1レンズ保持部101が歪むと、平面部101aや周面部101bに対して、第1レンズが2点当たりで保持される状態となり、第1レンズの保持が不安定になる。
(2)第1レンズ保持部101を上記の平面部101aと周面部101bとで構成することにより、レンズ保持体の成形時に用いる金型の金属加工を、1工程で段取り換えなく行えるため、金属加工精度は極めて良好である。しかし、第2レンズ保持部102については、平面部102a、周面部102bおよび接着剤逃げ部103を形成する都合上、その金型が複雑な凹凸形状となり、研削加工では対応できず、放電加工が必要になると思われる。
つまり、第2レンズ保持部102で凸部になる部分は、金型では凹部に対応するが、その凹部には研削に使用される部品(バイト)が入り込むことができないため、その部分の金型の加工は放電加工にならざるを得ないと考えられる。そのため、金型の加工精度が悪化しやすい。
なお、金型を複数に分割して成形品を個々に作製し、後でこれらを合成する手法も考えられるが、この手法では合成の際の位置決め誤差が生じるため、精度良く成形品を得ることはできない。
(3)例えば第2レンズ保持部102に第2レンズを組み込む際には、先に第2の接着剤を平面部102aに塗布した後、第2レンズを第2レンズ保持部102に組み込んでいる。この場合、第2の接着剤の量によっては、第2レンズ保持部102内で第2レンズが傾くため(光軸ずれを起こすため)、第2レンズの位置精度が落ちることが懸念される。そこで、先に第2レンズを第2レンズ保持部102に組み込んでから、第2の接着剤を所望の位置に流し込むようにする手法が望ましいと言える。
そこで、上記レンズ保持体の構成において、後から第2の接着剤を流し込むとすれば、例えば第2レンズ保持部102の接着剤逃げ部103に第2の接着剤を流し込むことが考えられる。しかし、上記の接着剤逃げ部103には、保持される第2レンズの近傍に第2の接着剤の光軸方向の受けがないため、第2レンズの接着に際し、第2の接着剤が多量に必要となり、第2の接着剤の無駄が生じる。また、第2の接着剤が第1レンズの方向に流れ込むため、第2の接着剤による第2レンズの接着が不十分となる。
(4)第2レンズ保持部102において、平面部102aと周面部102bとは、第2レンズの光軸周りに同じ位置に形成されているため、光軸周りに隣り合う平面部102a・102a間、および光軸周りに隣り合う周面部102b・102b間には、接着剤逃げ部103の空間が大きく形成される。したがって、接着剤逃げ部103に第2の接着剤を充填する際に、第2の接着剤が多量に必要となる。
(5)上記レンズ保持体では、第2レンズを光軸方向に受ける平面部102aを光軸周り3箇所に設けており、第2レンズを安定して保持できると考えられるが、さらに第1レンズを安定して保持するために、第1レンズを光軸方向に受ける平面部101aを光軸周り3箇所に設ける構成が考えられる。このとき、平面部101aと平面部102aとが光軸周りに同じ位置に形成されていると、接着剤を充填するためのノズルの通路となる凹部を光軸方向に沿ってそれぞれの平面部101a・102aに向かうように形成したい場合でも、互いの凹部が干渉し合うため、それらを形成できなくなる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のレンズを安定して保持することができ、金型の加工精度を向上させることができ、接着剤の無駄を無くしてレンズの接着を十分に行うことができ、ノズルの通路となる凹部をレンズ保持部ごとに確実に形成できるレンズ保持体、レンズブロックおよび撮像装置を提供することにある。
本発明のレンズ保持体は、レンズを光軸方向に受けるレンズ受け部と、上記レンズを光軸方向に嵌合させた状態で上記レンズの外周面を保持するレンズ嵌合部と、を有するレンズ保持部を複数備え、光軸に沿って同一の方向から組み込まれる複数のレンズを保持するレンズ保持体であって、m、nを3以上の自然数とすると、各レンズ保持部におけるレンズ受け部は、保持するレンズの光軸周りm箇所に配置され、上記レンズの光軸に垂直な平面を有するm個の平面受け部で構成されており、各レンズ保持部におけるレンズ嵌合部は、保持するレンズの光軸周りn箇所に配置され、上記レンズの光軸に平行な平面を有するn個の平面嵌合部で構成されており、同じレンズ保持部におけるレンズ受け部とレンズ嵌合部とは、光軸周りにずれて配置されており、光軸方向に隣接するレンズ保持部におけるレンズ受け部同士は、光軸周りにずれて配置されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、各レンズ保持部のレンズ受け部を構成するm個の平面受け部は、光軸に垂直な平面でレンズと接触(点接触または線接触)することにより、レンズを光軸方向に受ける。また、レンズ嵌合部を構成するn個の平面嵌合部は、光軸に平行な平面でレンズ外周面と接触することにより、レンズの外周面を保持する。
このとき、m個の平面受け部が光軸周りm箇所に設けられているとともに、n個の平面嵌合部が光軸周りn箇所設けられているので、仮に、レンズ保持体の成形時にレンズ保持体に変形(歪み)が生じても、各レンズ保持部において、レンズを光軸方向に3点以上の当たりで受けることができ、また、レンズをその外周面の3箇所以上で保持できる。これにより、各レンズ保持部において、複数のレンズを安定して保持することができる。
また、各レンズ保持部のレンズ受け部およびレンズ嵌合部を、平面受け部および平面嵌合部で構成するので、レンズ保持体を成形する金型の加工として、平面の加工に適した研削加工で十分に対応することができ、放電加工を不要とすることができる。その結果、金型の加工修正精度を向上させることができる。
また、各レンズ保持部のレンズ嵌合部は、n個の平面嵌合部によってレンズ外周面をn箇所で保持することとしているため、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部の間であって、レンズ外周面と保持体内面との間には、接着剤を充填できる隙間を形成することができる。一方、同じレンズ保持部におけるレンズ受け部とレンズ嵌合部とは、光軸周りにずれているので、上記隙間に接着剤を流し込んだときに、その接着剤をレンズ受け部にて堰き止めることができる。したがって、接着剤漏れ(接着剤の無駄)を抑えて保持体内部でのレンズの接着を十分に行うことができる。しかも、レンズ受け部とレンズ嵌合部とを光軸周りにずらさない場合(光軸周りに同じ位置に形成する場合)に比べて、接着剤が充填される上記の隙間を小さく形成することができる。この結果、多量の接着剤を用いることなく、レンズ保持部にレンズを接着することができる。
また、光軸方向に隣接するレンズ保持部におけるレンズ受け部同士は、光軸周りにずれて配置されているので、例えば、接着剤充填のためのノズルの通路となる凹部を、各々のレンズ受け部に向かうように、ほぼ光軸に沿ってレンズ保持体の内面に形成することができる。つまり、各レンズに対応する上記の凹部を光軸周りにずらして配置させることができ、各レンズごとに上記の凹部を確実に確保することができる(凹部同士が干渉し合うことがない)。
本発明のレンズ保持体において、上記レンズ受け部におけるm個の平面受け部は、保持するレンズの表面と光軸周りに線接触する形状でそれぞれ形成されていてもよい。この場合、点接触によりレンズを光軸方向に受ける場合に比べて、レンズを安定して保持することができる。
本発明のレンズ保持体において、上記m個の平面受け部は、光軸周りに等間隔で配置されていてもよい。この構成によれば、レンズを光軸方向に確実に安定して保持することができる。
本発明のレンズ保持体では、m=n=3であってもよい。この場合、各レンズ保持部を、レンズを安定して保持するのに必要最小限の構成(平面受け部および平面嵌合部の数を必要最小限の数)とすることができ、レンズ保持体の構成を最も簡素化することができる。
本発明のレンズ保持体の内面において、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部同士の間には、接着剤充填のためのノズルの通路となる凹部が、保持するレンズに対応するレンズ受け部に向かうように形成されていてもよい。
このような凹部が保持体内面に形成されていれば、上記凹部に沿ってノズルを挿入することで、保持するレンズの外周面と保持体内面との間に接着剤を充填することができる。しかも、充填された接着剤は、光軸方向においてはレンズ受け部にて堰き止められるので、接着剤の漏れ(接着剤の無駄)を無くしながら、レンズ外周面と保持体内面とを接着することができる。
本発明のレンズ保持体において、光軸周りに隣り合うレンズ受け部同士の間の保持体内面は、光軸側が凹となる形状で形成されていてもよい。
この構成の場合、例えば、先に組み込まれるレンズを第1レンズとし、それに続いて組み込まれるレンズを第2レンズとすると、第2レンズに対応するレンズ受け部において、光軸周りに隣り合うレンズ受け部同士の間に、第1レンズに対応するレンズ受け部に向かう接着剤充填用の凹部を形成するためのスペースを確保することができる。これにより、第2レンズの径を大きくすることなく(第2レンズの径に制約を付することなく)、上記凹部を形成することができる。
本発明のレンズブロックは、上述した本発明のレンズ保持体にて複数のレンズを保持してなる構成であってもよい。また、本発明の撮像装置は、被写体の光学像が形成されるように、上記のレンズブロックを少なくとも1つ備え、上記光学像を電気的な信号に変換する撮像素子を備えた構成であってもよい。
本発明によれば、各レンズ保持部において、m個の平面受け部が光軸周りm箇所に設けられるとともに、n個の平面嵌合部が光軸周りn箇所に設けられているので、仮に、レンズ保持体の成形時にレンズ保持体に変形(歪み)が生じても、各レンズ保持部において、レンズを光軸方向に3点以上の当たりで受けることができ、また、レンズをその外周面の3箇所以上で保持できる。その結果、各レンズ保持部において、複数のレンズを安定して保持することができる。
また、各レンズ保持部のレンズ受け部を平面受け部で構成し、レンズ嵌合部を平面嵌合部で構成しているので、レンズ保持体を成形する金型の加工として、平面の加工に適した研削加工で十分に対応できる。その結果、金型の加工修正精度を向上させることができる。
また、同じレンズ保持部におけるレンズ受け部とレンズ嵌合部とは、光軸周りにずれているので、レンズ外周面と保持体内面との間の隙間に接着剤を流し込んだときに、その接着剤をレンズ受け部にて堰き止めることができる。したがって、接着剤漏れ(接着剤の無駄)を抑えて保持体内部でのレンズの接着を十分に行うことができる。しかも、接着剤が充填される上記の隙間を小さく形成することができるので、多量の接着剤を用いることなく、レンズ保持部にレンズを接着することができる。
また、光軸方向に隣接するレンズ保持部におけるレンズ受け部同士は、光軸周りにずれて配置されているので、例えば、接着剤充填のためのノズルの通路となる凹部を、各々のレンズ受け部に向かうように、光軸周りにずらして保持体内面に形成することができ、各レンズごとに上記の凹部を確実に確保することができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2(a)は、本発明のレンズ保持体が適用されるデジタルカメラ1の概略の構成を示す正面図であり、図2(b)は、デジタルカメラ1の背面図である。
デジタルカメラ1は、最も短い辺が他の辺の数分の1程度の大きさの概ね直方体状の筐体2を有しており、通常の撮影時には、筐体2の最も短い辺の方向(図2(a)(b)の紙面に垂直な方向)が前後方向、最も長い辺の方向(図2(a)(b)の左右方向)が左右方向、それらの間の長さの辺の方向(図2(a)(b)の上下方向)が上下方向を向く状態で、使用者に把持されるように設定されている。以下、この状態を基準として、前後、左右、上下の各方向を定める。なお、デジタルカメラ1が撮影する範囲は長方形であり、通常の撮影とは、正立した使用者が、正面の横に長い長方形の範囲を、横に長く撮影することをいう。
デジタルカメラ1は、筐体2の前面に、対物窓3、ファインダー前窓4、フラッシュ発光部5およびセルフタイマーランプ6を備えており、筐体2の背面に、ファインダー後窓7、表示部8、モード設定スイッチ9、カーソルボタン10および複数の操作キー11を備えており、筐体2の上面にレリーズボタン12を備えている。
対物窓3は開閉可能であり、対物窓3を開くと、後述の撮像光学系22(図3参照)に含まれる第1のレンズ群31が現れる。ファインダー前窓4およびファインダー後窓7は、使用者に撮影対象の光学像を提供するための窓である。フラッシュ発光部5は、撮影対象を照明するフラッシュ光を発する。セルフタイマーランプ6は、セルフタイマー撮影の準備が進行中であることを点灯により示す。
表示部8は、撮影した画像のほか、デジタルカメラ1の設定状況、操作案内等の諸情報を表示するものであり、例えば液晶表示装置で構成されている。モード設定スイッチ9は、デジタルカメラ1の動作モードの設定に用いられ、スライド式のスイッチで構成されている。
ここで、デジタルカメラ1の動作モードとしては、静止画を撮影して記録する静止画撮影モードと、動画を撮影して記録する動画撮影モードと、記録している画像を再生表示する再生モードとがある。モード設定スイッチ9を各動作モードに対応する位置にスライドさせることにより、使用者はデジタルカメラ1を所望の動作モードで動作させることができる。なお、モード設定スイッチ9の近傍には、各動作モードを表すマークがモード設定スイッチ9のスライド方向に沿って記されており、スライド位置と動作モードとの対応関係を使用者が容易に認識できるようになっている。
カーソルボタン10は、上下左右に4つの接点を有しており、表示部8に表示されるカーソルの移動に用いられる。また、デジタルカメラ1は、撮像光学系としてズームレンズを備えており、カーソルボタン10はその焦点距離の調節にも使用される。操作キー11は、表示部8に表示する項目の切り換え、表示した項目の選択等、デジタルカメラ1の機能に関する設定に用いられる。レリーズボタン12は、2段階で動作し、記録する画像の撮影の準備の指示と、記録する画像の撮影の指示とに用いられる。デジタルカメラ1は、自動焦点調節(AF)および自動露光制御(AE)の機能を有しており、撮影の準備ではAFおよびAEを行う。
また、デジタルカメラ1は、筐体2の内部に撮像装置21を有している。以下、撮像装置21の具体的な構成について説明する。
図3は、撮像装置21の概略の構成を示す断面図である。この撮像装置21は、撮像光学系22と、撮像素子23と、光学的なローパスフィルタ24とを有している。本実施形態では、撮像装置21は筐体2内で横置きに配置されているが、縦置きに配置されていても勿論構わない。
撮像光学系22は、後述する複数のレンズ群を有して構成され、撮影対象からの光を撮像素子23に結像させる。撮像素子23は、例えばCCDエリアセンサで構成され、筐体2内の支持基板23aに固定されている。ローパスフィルタ24は、撮像光学系22と撮像素子23との間の光路中に配置されている。
撮影対象からの光は、撮像光学系22によって光学的ローパスフィルタ24を介して撮像素子23上に結像され、その光学像が撮像素子23にて電気的な信号に変換される。撮像素子23が出力する信号は、不図示の回路によって処理されて、撮影した画像を表す画像データとされる。この画像データは、例えば着脱可能な記録媒体(不図示)に記録される。
次に、撮像光学系22の詳細について説明する。
撮像光学系22は、プリズムユニット25と、撮像光学ユニット26とで構成されている。プリズムユニット25は、第1のレンズ群31と、プリズム35と、プリズム保持枠36とを有している。
第1のレンズ群31は、レンズ31aとレンズ31bとを入射光の進行方向に沿ってこの順で備えている。レンズ31aは、光軸が前後方向を向くように配置されており、レンズ31bは、光軸がレンズ31aの光軸と直交して左右方向を向くように配置されている。
プリズム35は、断面が直角二等辺三角形の三角プリズムであり、レンズ31aとレンズ31bとの間に配置されている。より詳細には、プリズム35は、互いに直交する2つの面の一方がレンズ31aに対向し、他方がレンズ31bに対向し、さらに、斜面が、レンズ31aの光軸とレンズ31bの光軸との交点上に位置し、かつ、レンズ31aの光軸とレンズ31bの光軸に対して45度を成すように配置されている。プリズム35の斜面には、反射コーティングが施されており、プリズム35はレンズ31aを透過して入射する撮影対象からの光を、斜面によって反射させてレンズ31bに導く。
プリズム保持枠36は、第1のレンズ群31とプリズム35とを保持するものであり、例えば樹脂材料を金型で成形して得られる。
一方、撮像光学ユニット26は、第2のレンズ群32と、第3のレンズ群33と、第4のレンズ群34と、レンズ鏡胴37とを有している。
第2のレンズ群32、第3のレンズ群33および第4のレンズ群34は、少なくとも1個のレンズをそれぞれ有しており、各々の光軸が第1のレンズ群31のレンズ31bの光軸と一致するように、第1のレンズ群31を介して入射する光の進行方向に沿ってこの順でレンズ鏡胴37内に配置されている。したがって、撮像光学系22全体としての光軸は、プリズム35によって筐体2の前後方向から左右方向に90度折り曲げられ、その大部分が左右方向を向く設定となっている。
なお、本発明は、第2のレンズ群32を構成するレンズ保持体に最も大きな特徴があるが、これについては後述する。
レンズ鏡胴37は、第2のレンズ群32、第3のレンズ群33および第4のレンズ群34を保持するものであり、プリズム保持枠36と同様に、例えば樹脂材料を金型で成形して得られる。このレンズ鏡胴37は、プリズム保持枠36と接着により固定されている。
撮像光学系22においては、第1のレンズ群31および第4のレンズ群34は、固定であり、第2のレンズ群32および第3のレンズ群33は、いずれも光軸方向に移動可能である。第2のレンズ群32の移動によってズーミングすなわち焦点距離の変更が行われ、第3のレンズ群33の移動によってフォーカシングすなわち撮影対象に対する焦点の調節が行われる。
次に、第2のレンズ群32の詳細について説明する。
図4は、第2のレンズ群32の詳細な構成を示す断面図である。第2のレンズ群32は、被写体(撮影対象)の光学像が撮像素子23上に形成されるようにレンズ鏡胴37内に配置されるレンズブロックである。この第2のレンズ群32は、第1レンズ41と、第2レンズ42と、第3レンズ43と、レンズ保持体44とを有している。
第1レンズ41、第2レンズ42および第3レンズ43は、光軸に沿って同一の方向から(本実施形態では第3のレンズ群33側から)この順でレンズ保持体44に組み込まれる。第1レンズ41の第1のレンズ群31側の面は、光軸中心から半径方向外側の端部まで全面、第1のレンズ群31側に凸となる曲面で形成されている。第2レンズ42は、半径方向の最も外側の端部が光軸に垂直な平面となっている。第3レンズ43は、第1のレンズ群31側および第3のレンズ群33側の面が第3のレンズ群33側に凸となる形状で形成されており、半径方向の最も外側の端部が光軸に垂直な平面となっている。また、これら第1レンズ41、第2レンズ42および第3レンズ43は、この順で径が大きくなるように形成されている。
レンズ保持体44は、第1レンズ41、第2レンズ42および第3レンズ43を保持する玉枠であり、略円筒形状で構成されている。より具体的には、レンズ保持体44は、第1レンズ41を保持する第1レンズ保持部51と、第2レンズ42を保持する第2レンズ保持部52と、第3レンズ43を保持する第3レンズ保持部53とを有している。第1レンズ保持部51の円筒部の内径は、第1レンズ41の外径よりも大きく、第2レンズ保持部52の円筒部の内径は、第2レンズ42の外径よりも大きく、第3レンズ保持部53の円筒部の内径は、第3レンズ43の外径よりも大きく形成されている。なお、以下では、説明の便宜上、第1レンズ保持部51、第2レンズ保持部52および第3レンズ保持部53を特に区別しないときは、その各々をレンズ保持部50とも称することとする。
また、レンズ保持体44の周面の外壁は、第1のレンズ群31側から第3のレンズ群33側に向かうにつれて、階段状に広がる形状で形成されている。これは、レンズ保持体44の第1レンズ保持部51、第2レンズ保持部52および第3レンズ保持部53が、保持するレンズの外径に応じた形状で形成されることによる。レンズ保持体44において、第1のレンズ群31側の開口45は、第3のレンズ群33側の開口46よりも内径が小さく形成されている。
以下、レンズ保持体44の詳細な構成について説明する。
図1は、第3のレンズ群33側から見たときのレンズ保持体44の概略の構成を示す平面図であり、図5は、第1のレンズ群31側から見たときのレンズ保持体44の概略の構成を示す平面図である。なお、図4のレンズ保持体44の断面図は、図1および図5のレンズ保持体44のA−A’線矢視断面図にも相当している。
レンズ保持体44は、光軸方向に隣接するレンズ保持部50の少なくとも2つに、レンズ受け部とレンズ嵌合部とを有している。レンズ受け部は、保持するレンズを光軸方向に受けるものであり、レンズ嵌合部は、保持するレンズを光軸方向に嵌合させた状態で上記レンズの外周面を保持するものである。
より詳細には、第1レンズ保持部51は、レンズ受け部51aとレンズ嵌合部51bとを有しており、第1レンズ保持部51と光軸方向に隣接する第2レンズ保持部52は、レンズ受け部52aとレンズ嵌合部52bとを有している。また、第3レンズ保持部53は、レンズ受け部53aのみを有しており、レンズ嵌合部は有していない。これは、第3レンズ43を第3レンズ保持部53に組み込むときに、第3レンズ43の偏芯調整を可能にするためである。
なお、以下では、説明の便宜上、レンズ受け部51a・52a・53aを特に区別しないときは、その各々をレンズ受け部50aとも称することとする。同様に、レンズ嵌合部51b・52bを特に区別しないときは、その各々をレンズ嵌合部50bとも称することとする。
レンズ受け部50aは、保持するレンズの光軸周り3箇所に配置され、上記レンズの光軸に垂直な平面を有する3個の平面受け部で構成されている。本実施形態では、レンズ受け部50aは、平面視で弓状に形成され、その弧に相当する部分(弧部)がレンズ保持部50の円筒内面と一致し、その弦に相当する部分(弦部)が光軸側となるように形成されている。そして、弧部と弦部とで囲まれた部分が、光軸に垂直な上記平面となっている。また、同じレンズ保持部50におけるレンズ受け部50aは、光軸からの距離がほぼ等しい位置に配置されている。
また、レンズ受け部51a・52a・53aは、光軸に垂直な上記平面の面積がこの順で大きくなるように形成されているとともに、光軸との距離がこの順で大きくなるような位置に設けられている。
レンズ受け部50aを3個の平面受け部で構成することにより、レンズをレンズ保持部50に組み込んだときに、レンズ表面とレンズ受け部50aの上記平面(特に弦部)とが光軸周りに異なる3箇所で光軸方向に接触し、レンズを光軸方向に受けることが可能となる。なお、このときの接触は、レンズ受け部50aがレンズの曲面を受けるときは点接触となり、レンズ受け部50aがレンズの平面(第2レンズ42、第3レンズ43の半径方向外側の端部の平面)を受けるときは面接触となる。なお、レンズ受け部50aにおいて、光軸方向の受けを和らげるために、上記の弦部に多少の丸みを持たせても構わない。
また、同じレンズ保持部50における3個のレンズ受け部50aは、光軸周りに等間隔で(120度ずつずれて)配置されている。これにより、保持するレンズを光軸方向に確実に安定して受けることが可能となる。
一方、光軸方向に隣接するレンズ保持部50におけるレンズ受け部50a同士は、光軸周りにずれて配置されている。例えば、第1レンズ保持部51のレンズ受け部51aと、第2レンズ保持部52のレンズ受け部52aとは、光軸周りに60度ずれて配置されており、第2レンズ保持部52のレンズ受け部52aと、第3レンズ保持部53のレンズ受け部53aとは、光軸周りに60度ずれて配置されている。この構成による効果については後述する。
一方、レンズ嵌合部50bは、保持するレンズの光軸周り3箇所に配置され、上記レンズの光軸に平行な平面を有する3個の平面嵌合部で構成されている。本実施形態では、レンズ嵌合部50bは、平面視でレンズ受け部50aよりも小さい弓状に形成され、その弧に相当する部分(弧部)がレンズ保持部50の円筒内面と一致し、その弦に相当する部分(弦部)が光軸側となるように形成されている。そして、レンズ嵌合部50bにおける光軸に平行な平面の一部が、上記の弦部となっている。
また、同じレンズ保持部50においては、レンズ嵌合部50bは、光軸からの距離がほぼ等しい位置にそれぞれ配置されており、同じレンズ保持部50のレンズ受け部50aよりも光軸方向において第3のレンズ群33側に配置されている。
また、レンズ嵌合部51b・52bは、光軸に垂直な断面における断面積がこの順で大きくなるように形成されているとともに、光軸との距離がこの順で大きくなるような位置に設けられている。
レンズ嵌合部50bを3個の平面嵌合部で構成することにより、レンズをレンズ保持部50に組み込んだときに、レンズ外周面とレンズ嵌合部50bの上記平面とが光軸周りに異なる3箇所で光軸方向に線接触となり、レンズをその外周面で保持することが可能となる。
これら3個のレンズ嵌合部50bは、光軸周りに等間隔で(120度ずつずれて)配置されており、保持するレンズをその外周面で確実に安定して保持することが可能となっている。また、同じレンズ保持部50におけるレンズ受け部50aとレンズ嵌合部50bとは、光軸周りにずれて(例えば60度ずつ等間隔でずれて)配置されているが、この構成による効果については後述する。
また、図4に示すように、第1レンズ保持部51および第2レンズ保持部52については、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部50b・50b同士の間に、接着剤充填部54が形成されている。より具体的には、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部51b・51b同士の間に、接着剤充填部54aが形成されている。また、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部52b・52b同士の間に、接着剤充填部54bが形成されている。
この接着剤充填部54には、接着剤充填用のノズル55(図6、図7参照)から吐出される接着剤が充填され、この接着剤により、レンズ外周面がレンズ保持部50の内面に接着される。一方、第3レンズ保持部53については、レンズ嵌合部が形成されていないため、第3レンズ43の外周面と第3レンズ保持部53の内面との間であって、レンズ受け部53aにて接着剤を受けることができる部位が接着剤充填部となっている。
また、図1および図4に示すように、レンズ保持体44の内面において、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部50b・50b同士の間には、接着剤充填用のノズル55(図6、図7参照)の通路となる凹部56が、保持するレンズに対応するレンズ受け部50aに向かうようにほぼ光軸方向に沿って形成されている。
より具体的には、レンズ保持体44の内面には、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部51b・51b同士の間に、ノズル55の通路となる凹部56aが、保持する第1レンズ41を受けるレンズ受け部51aに向かうようにほぼ光軸方向に沿って形成されており、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部52b・52b同士の間に、ノズル55の通路となる凹部56bが、保持する第2レンズ42を受けるレンズ受け部52aに向かうようにほぼ光軸方向に沿って形成されている。
この構成により、図6に示すように、第1レンズ41をレンズ嵌合部51bに嵌合させた後、第3のレンズ群33側からノズル55を凹部56aに沿って挿入すれば、接着剤充填部54aに接着剤を充填することが可能となる。また、図7に示すように、第2レンズ42をレンズ嵌合部52bに嵌合させた後、第3のレンズ群33側からノズル55を凹部56bに沿って挿入すれば、接着剤充填部54bに接着剤を充填することが可能となる。
また、図1に示すように、光軸周りに隣り合うレンズ受け部50a・50a同士(例えばレンズ受け部52a・52a同士)の間のレンズ保持体44の内面は、光軸側が凹となる形状で形成されている。これにより、光軸周りに隣り合うレンズ受け部52a・52a同士の間に、レンズ受け部51aに向かう凹部56aを形成するためのスペースを確保することができる。これにより、第2レンズ42の径を大きくすることなく(レンズ保持体44を大型化することなく)、凹部56aを形成することができる。
上述した構成において、第1レンズ41、第2レンズ42および第3レンズ43をレンズ保持体44に組み込むときは、以下の手順により行えばよい。
まず、図6に示すように、レンズ保持体44の第1レンズ保持部51に第1レンズ41を第3のレンズ群33側から光軸に沿って組み込む。第1レンズ41がレンズ受け部51aと当接し、その外周面がレンズ嵌合部51bに嵌合した後、凹部56aに沿ってノズル55を挿入し、接着剤充填部54aに接着剤を充填し、それを硬化させる。なお、充填した接着剤の量が多すぎたとしても、余分な量の接着剤は凹部56aに流れ出るため、特に問題はない。
続いて、図7に示すように、第2レンズ保持部52に第2レンズ42を第3のレンズ群33側から光軸に沿って組み込む。第2レンズ42がレンズ受け部52aと当接し、その外周面がレンズ嵌合部52bに嵌合した後、凹部56bに沿ってノズル55を挿入し、接着剤充填部54bに接着剤を充填し、それを硬化させる。なお、充填した接着剤の量が多すぎたとしても、余分な量の接着剤は凹部56bに流れ出るため、特に問題はない。
最後に、図4に示すように、第3レンズ保持部53に第3レンズ43を第3のレンズ群33側から光軸に沿って組み込む。第3レンズ43がレンズ受け部53aと当接した後、第3レンズ43の外周面と第3レンズ保持部53の内面との間であってレンズ受け部53aのある位置に、接着剤を充填し、それを硬化させる。このとき、第3レンズ43の偏芯調整を行いながら第3レンズ43を第3レンズ保持部53に組み込む。
以上で説明したように、本発明のレンズ保持体44は、特に、以下の構成(A)(B)(C)を備えている。これにより、以下の作用効果を得ることができる。
(A)各レンズ保持部50におけるレンズ受け部50aは、保持するレンズの光軸周り3箇所に配置され、上記レンズの光軸に垂直な平面を有する3個の平面受け部で構成されており、各レンズ保持部50におけるレンズ嵌合部50bは、保持するレンズの光軸周り3箇所に配置され、上記レンズの光軸に平行な平面を有する3個の平面嵌合部で構成されている。
(B)同じレンズ保持部50におけるレンズ受け部50aとレンズ嵌合部50bとは、光軸周りにずれて配置されている。
(C)光軸方向に隣接するレンズ保持部50におけるレンズ受け部50a同士は、光軸周りにずれて配置されている。
上記(A)の構成によれば、仮に、レンズ保持体44の成形時にレンズ保持体44に歪みなどの変形が生じても、各レンズ保持部50において、レンズを光軸方向に3点以上の当たりで受けることができるとともに、レンズをその外周面の3箇所以上で保持することができる。これにより、成形時にレンズ保持体44に歪みが生じていても、各レンズ保持部50において、複数のレンズを安定して保持することができる。
また、レンズ受け部50aが平面受け部で構成され、レンズ嵌合部50bが平面嵌合部で構成されているので、レンズ保持体44を成形する金型の加工として、平面の加工に適した研削加工を用いることができる。つまり、従来のレンズ保持体の金型の加工時に使用されていたと思われる放電加工を不要とすることができる。その結果、金型の加工修正精度を向上させることができる。
上記(B)の構成によれば、各レンズ保持部50において、光軸周りに隣り合うレンズ嵌合部50b・50bの間に、上述した接着剤充填部54となる隙間を形成することができる。一方、同じレンズ保持部50におけるレンズ受け部50aとレンズ嵌合部50bとは、光軸周りにずれているので、接着剤充填部54に接着剤を第3のレンズ群33側から流し込んだときに、その接着剤をレンズ受け部50aにて堰き止めることができる。したがって、接着剤漏れ(接着剤の無駄)を抑えて保持体内部でのレンズの接着を十分に行うことができる。
しかも、レンズ受け部50aとレンズ嵌合部50bとを光軸周りにずらさない場合(光軸周りに同じ位置に形成する場合)に比べて、接着剤充填部54を小さく形成することができる。この結果、多量の接着剤を用いることなく、レンズ保持部50にレンズを接着することができる。また、接着剤充填部54を小さく形成できるので、レンズ保持体44ひいてはレンズ鏡胴37の小型化を容易に図ることができる。
上記(C)の構成によれば、ノズル55の通路となる凹部56を、各々のレンズ受け部50aに向かうように、ほぼ光軸に沿ってレンズ保持体44の内面に形成することができる。つまり、各レンズに対応する凹部56同士が互いに干渉することなく、凹部56を各レンズごとに確実に確保することができる。
ところで、以上では、第1レンズ保持部51のレンズ受け部51aを、光軸に垂直な平面で第1レンズ41と点接触させる構成について説明したが、レンズ受け部51aはこの構成に限定されるわけではなく、例えば以下のように構成することも可能である。
図8は、第3のレンズ群33側から見たレンズ保持体44の他の構成例を示す平面図である。同図に示すように、レンズ受け部51aは、光軸に垂直な平面を有する3個の平面受け部で構成されるとともに、保持する第1レンズ41の表面と光軸周りに線接触する形状でそれぞれ形成されていてもよい。このようにレンズ受け部51aを構成すれば、点接触により第1レンズ41を光軸方向に受ける場合に比べて、第1レンズ41を安定して保持することができる。また、この構成では、レンズ受け部51aと第1レンズ41との3箇所の線接触だけで第1レンズ41を位置決めできるので、第1レンズ41の外周面をレンズ嵌合部51bに嵌合させなくても、第1レンズ41を第1レンズ保持部51にて保持するようにすることもできる。
なお、保持するレンズの表面が球面または非球面であり、そのレンズ表面をレンズ受け部50aが光軸方向に受けるのであれば、図8のレンズ受け部51aの構成は、他のレンズ保持部50のレンズ受け部50aにも勿論適用することができる。
また、以上では、レンズ保持部50のレンズ受け部50aが光軸周りに等間隔で配置されており、レンズ嵌合部50aが光軸周りに等間隔で配置されている例について説明したが、本発明のレンズ保持体44はこの構成に限定されるわけではない。
図9は、第3のレンズ群33側から見たレンズ保持体44のさらに他の構成例を示す平面図である。なお、同図では、説明の便宜上、第3レンズ保持部53の図示を省略している。このレンズ保持体44は、第2レンズ42を保持する第2レンズ保持部52のレンズ嵌合部52bが、光軸周りにおよそ135度、135度、90度の間隔をおいて配置されており、レンズ受け部52aが光軸周りにおいてはレンズ受け部52aと光軸を中心とするほぼ点対称となる位置に配置されている。
第2レンズ保持部52の上記構成によれば、第2レンズ42として、小判型のレンズを用いることができる。この小判型のレンズとは、第2レンズ42を光軸に平行な2つの平面で光軸から等しい距離でその端部を切り落としたときにできる、互いに平行な面を有するレンズである。第2レンズ42を小判型のレンズで構成すれば、その小判型のレンズの互いに平行な面の対向方向の長さ(レンズの幅)が、端部を切り落とす前のレンズの直径よりも短くなるので、これに合わせて、第2レンズ42を保持する第2レンズ保持部52ひいてはレンズ保持体44の幅を狭めることができる。これにより、レンズ保持体44ひいてはレンズ鏡胴37をさらに薄型化することができ、デジタルカメラ1をさらに薄型化することができる。
なお、図9では、第2レンズ保持部52において、小判型の第2レンズ42を収容可能とする構成としたが、第1レンズ41や第3レンズ43を小判型のレンズで構成し、第1レンズ保持部51や第3レンズ保持部53に、図9の第2レンズ保持部52の構成を適用することも勿論可能である。この場合、レンズ保持体44、レンズ鏡胴37、デジタルカメラ1のさらなる薄型化を追求することが可能となる。
以上、本実施形態では、同じレンズ保持部50におけるレンズ受け部50aとレンズ嵌合部50bとを、3個ずつ同数設けた例について説明したが、3個以上であれば同数である必要はない。特に、本実施形態のように、同じレンズ保持部50におけるレンズ受け部50aとレンズ嵌合部50bとを3個ずつ同数設けることにより、各レンズ保持部50を、レンズを安定して保持するのに必要最小限の構成とすることができ、上述した本発明の効果を損なわない範囲で、レンズ保持体50の構成を最も簡素化することができる。
なお、本実施形態では、レンズ保持体44がレンズ保持部50を3個有し、3枚のレンズ(第1レンズ41、第2レンズ42、第3レンズ43)を保持する場合について説明したが、レンズ保持部50を4個以上有し、4枚以上のレンズを保持する場合でも、本実施形態の構成を適用することは可能である。
なお、本実施形態では、第2のレンズ群32のレンズ保持体44について説明したが、複数のレンズを保持するレンズ保持体であれば、他のレンズ群のレンズ保持体にも本実施形態の構成を適用することが可能である。
なお、本実施形態で説明したレンズ保持体44は、以下のように表現することもできる。
本発明のレンズ保持体44は、複数のレンズ(第1レンズ41、第2レンズ42、第3レンズ43)を同一方向から組み込み、保持するレンズ保持体であって、各レンズのレンズ保持部50は、(i)光軸方向にレンズ受けとなり、円周方向に等分配置され、光軸に垂直な3箇所の平面で構成されるレンズ受け部50aと、(ii)レンズ受け部50aと位相を60度ずらした位置に配置され、レンズ外周に対面してレンズ外周を保持し、光軸と平行な3箇所の平面で構成されるレンズ嵌合部50bとを有し、レンズ嵌合部50b・50b間のレンズ保持部50内面は、レンズ外径よりも大きい内径を有する円筒内面として構成され、レンズ外周と円筒内面との間に形成される接着剤充填部54を有し、各レンズ保持部50同士において、レンズ受け部50aおよびレンズ嵌合部50bは、60度位相がずれて構成されている。