JP2006001981A - 乳化重合方法、ラテックスポリマーの調製方法及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラテックスポリマーの調製方法において粗大成分の生成を抑える。
【解決手段】ラテックスポリマーの調製法であって、(i)アニオン性界面活性剤を含む水相を調製する工程と、(ii)アニオン性界面活性剤を用いてモノマー類の水性エマルションを調整する工程と、(iii)前記モノマーエマルションの一部と遊離基開始剤を前記水相に加え、種重合を開始して種ポリマーを生成する工程と、(iv)前記工程(iii)で生成した組成物に前記モノマーエマルションを追加して乳化重合を完了し、ラテックスポリマーを生成する工程とを含む調製法において、前記(iii)において水溶性開始剤の添加速度が全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分以上0.11モル%/分以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】ラテックスポリマーの調製法であって、(i)アニオン性界面活性剤を含む水相を調製する工程と、(ii)アニオン性界面活性剤を用いてモノマー類の水性エマルションを調整する工程と、(iii)前記モノマーエマルションの一部と遊離基開始剤を前記水相に加え、種重合を開始して種ポリマーを生成する工程と、(iv)前記工程(iii)で生成した組成物に前記モノマーエマルションを追加して乳化重合を完了し、ラテックスポリマーを生成する工程とを含む調製法において、前記(iii)において水溶性開始剤の添加速度が全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分以上0.11モル%/分以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、半連続式乳化重合法によりラテックスポリマーを生成する調製法、及び、このラテックスポリマーを用いた静電荷像現像用トナーの製造方法に関するものである。
当該技術においては、バッチ式又は半連続式乳化重合により生成したラテックスポリマーと、着色剤とを凝集させてトナーとする方法が知られている。例えば、特許文献1は、種ポリマーの生成後にラテックスを調製する半連続式乳化重合法に関するもので、より詳細には次の工程を含む製法を述べている。
(i)モノマー類と、連鎖移動剤と、ジスルホン酸界面活性剤(類)と、必要に応じて遊離基開始剤を含む、モノマー類の乳化を行う工程と、
(ii)(i)で調製したモノマーエマルションの約0.5〜約50重量%、望ましくは約1〜約25重量%のモノマーエマルション部分(a)と、ラテックスポリマーの調製に用いる全遊離基開始剤の約0.5〜約100重量%、望ましくは約3〜約100重量%の遊離基開始剤(b)とを含む混合物を、約35〜約125℃の温度で乳化重合して、種粒子ラテックスを調製する工程と、
(iii)生成した種粒子を、約35〜約125℃の温度に加熱し、(i)で調製したモノマーエマルションの約50〜約99.5重量%、望ましくは約75〜約99重量%の残りのモノマーエマルションと、必要に応じて、ラテックスポリマーの調製に用いる全遊離基開始剤の約0〜約99.5重量%、望ましくは約0〜約97重量%の遊離基開始剤とを加える工程と、
(iv)上記の反応器中の内容物を、約35〜約125℃の温度で、ラテックスポリマーの生成に効果的な時間、例えば約0.5〜約8時間、望ましくは約1.5〜約6時間保持した後、放冷する工程と、を含む。
(ii)(i)で調製したモノマーエマルションの約0.5〜約50重量%、望ましくは約1〜約25重量%のモノマーエマルション部分(a)と、ラテックスポリマーの調製に用いる全遊離基開始剤の約0.5〜約100重量%、望ましくは約3〜約100重量%の遊離基開始剤(b)とを含む混合物を、約35〜約125℃の温度で乳化重合して、種粒子ラテックスを調製する工程と、
(iii)生成した種粒子を、約35〜約125℃の温度に加熱し、(i)で調製したモノマーエマルションの約50〜約99.5重量%、望ましくは約75〜約99重量%の残りのモノマーエマルションと、必要に応じて、ラテックスポリマーの調製に用いる全遊離基開始剤の約0〜約99.5重量%、望ましくは約0〜約97重量%の遊離基開始剤とを加える工程と、
(iv)上記の反応器中の内容物を、約35〜約125℃の温度で、ラテックスポリマーの生成に効果的な時間、例えば約0.5〜約8時間、望ましくは約1.5〜約6時間保持した後、放冷する工程と、を含む。
また、エマルション凝集によるトナー粒子の調製に用いるラテックスを、アニオン性界面活性剤の添加量を調節し、非イオン性界面活性剤を使用せずに調製する調製方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、上記調製法により得られたラテックスは、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上述した方法で調製したラテックスポリマーと、少なくとも着色剤を含む複数種の分散液に、必要に応じて凝集剤及び/又は電荷添加剤及び/又は他の添加剤を混合し、得られた混合物をラテックスポリマーのTg近辺の温度、望ましくはラテックスポリマーのTg±10℃で効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、凝集体懸濁液を、ラテックスポリマーのTg又はそれより高い温度、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合すると共にトナー形状を制御する。この際、トナー形状の制御性は、粒子表面の親水性度、すなわちラテックス粒子表面の親水性度に影響される。この、ラテックス粒子表面の親水性度を調整するため、ラテックス生成の際のモノマーエマルション中に不飽和脂肪族カルボン酸エステルモノマー(例えば、エチレン性不飽和カルボン酸エステルモノマー)を存在させる方法が用いられている。この様にして造粒されたトナー粒子は、ろ過などの手段で母液から分離して、必要に応じてイオン交換水などで洗浄した後、乾燥する。
既知の半連続式乳化重合法では、モノマー類の水性エマルションを調整した後、該エマルションの一部を反応槽に添加し、続いて遊離基開始剤を添加して、種ポリマーを生成し、その後反応槽に残りの水性エマルションを添加して随時反応させる形態をとるが、前記種ポリマーの出来栄えによっては、所望のラテックス特性が得られない、粗大粒子を多量に含む、あるいはトナー化工程において凝集・融合過程等における製造性が悪化する等大きな影響が発生する。またトナー品質上においても剥離性悪化、グロス低下等の問題を生じる。
また、前記モノマー類の水性エマルションの出来栄えによっては、しばしばラテックス粒子径や分子量のバラツキが起こり所望のラテックス特性が得られないばかりか、エマルション添加時のエマルション破壊、セジメントの多発生など、粗大粒子混入の原因や、安定生産上の障害になる等の問題があった。このようにして粗大粒子が混入してしまったラテックスを用いたトナーは、OHP透過性の悪化等、重大な問題を生じる。
また、上述した既知のラテックスポリマーの調製方法は、調整中の分散液の攪拌、重合時の不均一性などから樹脂粗大成分が発生する。そして、大きな樹脂粗大成分が発生した場合、槽内容物の排出が困難となり操業が停止となる可能性があり、また、粗大成分を含有した樹脂微粒子分散液を用いて作製したトナーを用いた場合、着色剤未含有物によるミクロな画像白抜けや電荷制御剤、ワックス等の添加成分未含有による定着不良などの画質ディフェクトを生じさせるなどの問題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特に、種ポリマーを生成する工程において、水溶性開始剤の添加速度を規定することで所望のラテックス特性が精度良く得られることを見出し、本発明を完成するに至った。その理由については定かではないが、水溶性開始剤添加初期について、添加速度が遅い場合は、水相に一部投入したモノマーに対して作用する水溶性開始剤が少ないため、発生する種ポリマーの数が少なくなり、最終的に得られるラテックスの粒子径が大きくなると考えられる。同様に水溶性開始剤の添加速度が速い場合は、水相に一部投入したモノマーに対して作用する水溶性開始剤が多いため、発生する種ポリマーの数が多くなり、最終的に得られるラテックスの粒子径が小さくなるものと考えられる。
さらに、モノマー類の水性エマルションを調整する工程において、エマルションを形成させる際の調整液に負荷する攪拌の周速度を特定の範囲に規定し、それによって得られるモノマー類液滴の平均粒子径を特定の範囲に規定することで、エマルション液がより安定となり、ラテックス粒子径や分子量のバラツキが抑制されることにより、所望のラテックス特性が得られ、かつエマルション添加時のエマルション破壊、セジメントの発生が抑制されることから、粗大粒子のラテックスへの混入がなくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記構成により上記課題を解決する方法と、この方法により得られたラテックスを用いた静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
(1)乳化重合方法において、水溶性開始剤の添加速度が、全モノマー100モル%に対し、0.03モル%/分以上0.11モル%/分以下である乳化重合方法である。
(2)ラテックスポリマーの調製法であって、(i)アニオン性界面活性剤を含む水相を調製する工程と、(ii)アニオン性界面活性剤を用いてモノマー類の水性エマルションを調整する工程と、(iii)前記モノマーエマルションの一部と遊離基開始剤を前記水相に加え、種重合を開始して種ポリマーを生成する工程と、(iv)前記工程(iii)で生成した組成物に前記モノマーエマルションを追加して乳化重合を完了し、ラテックスポリマーを生成する工程とを含む調製法において、前記(iii)において水溶性開始剤の添加速度が全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分以上0.11モル%/分以下であるラテックスポリマーの調製方法である。
(3)上記(2)に記載のラテックスポリマーの調製方法により得られた樹脂微粒子分散液の粗粉成分を除去するラテックスポリマーの調製方法である。
(4)上記(2)に記載のラテックスポリマーの調製方法において、さらに、前記(ii)の水性エマルションを調整する工程における攪拌周速度が4m/s以上10m/s以下であり、生成されるモノマー類液滴の平均粒子径が1μm以上30μm以下であるラテックスポリマーの調製方法である。
(5)少なくとも樹脂微粒子を分散させてなる分散液中で前記微粒子を凝集させて凝集粒子を形成した後、加熱して前記凝集粒子を融合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記樹脂微粒子が上記(1)に記載の乳化重合法または上記(2)から(4)のいずれか1つに記載のラテックスポリマーの調製方法で得られた樹脂微粒子である静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明によれば、生産効率を向上させ、生産コストを削減することができると共に、得られたラテックスポリマーを用いた高品質な静電荷像現像用トナーを提供することができる。
[ラテックスポリマーの製造方法]
本発明の製法は、モノマーの水性エマルションの調製を含む。エマルションを生成するには、通常モノマーと界面活性剤とを水に加え、攪拌してエマルションとする。
本発明の製法は、モノマーの水性エマルションの調製を含む。エマルションを生成するには、通常モノマーと界面活性剤とを水に加え、攪拌してエマルションとする。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
また、上記アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;ジフェニルオキシドジスルホン酸塩類;アルキルベンゼンスルホン酸塩類;アルキルナフタレンスルホン酸塩類及び硫酸塩類等、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限るものではない。本発明の望ましい実施の形態で用いる界面活性剤は、ダウ・ケミカルより入手可能な、ダウファクスシリーズなどの、市販のジフェニルオキシドジスルホン酸塩類である。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
界面活性剤の各分散液中における含有量としては、本発明を阻害しない程度であれば良く、一般的には少量であり、具体的には0.01〜10質量%程度の範囲であり、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2質量%程度の範囲である。含有量が0.01質量%未満であると、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等の各分散液が不安定になり、そのため凝集を生じたり、また凝集時に各粒子間の安定性が異なるため、特定粒子の遊離が生じる等の問題があり、また、10質量%を越えると、粒子の粒度分布が広くなったり、また、粒子径の制御が困難になる等の理由から好ましくない。一般的には粒子径の大きい懸濁重合トナー分散物は、界面活性剤の使用量は少量でも安定である。
本発明では、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤を使用できるが、一般的にはアニオン系界面活性剤が、分散力が強く、樹脂粒子、着色剤の分散に優れているため、好ましい。非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
モノマーエマルションが生成したら、モノマーエマルションの25重量%以下を、水とアニオン性界面活性剤とを混合した水相に加えて混合し、続いて遊離基開始剤を加え所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この組成物にモノマーエマルションを追加し、規定の温度で所望の時間、重合を続けて重合を完了し、ラテックスポリマーを生成する。
ラテックスポリマーが生成したら、着色剤とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
本発明ではラテックスポリマーの生成に1種以上のモノマーを使用する。適当であればどのようなモノマーも使用できる。本発明に有用なモノマー類は、例えば、熱可塑性樹脂などを挙げることができ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂;及びこれら非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
これら樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合等により樹脂分散液を容易に調製できる点で有利である。前記ビニル性重合性単量体の具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体または共重合体;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体;などが挙げられる。
なお、トナー形状制御性の観点から、エチレン性不飽和カルボン酸類を含ませることが好ましい。適当なエチレン性不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸二量体(例えば、アクリル酸2−カルボキシエチル(β−CEA))、アクリル酸三量体等である。より具体的には、スチレン、アクリル酸n−ブチル、及びアクリル酸2−カルボキシルエチルを含むモノマー類が望ましい。
生成するラテックスポリマーは、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。このような架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3'−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類;、ジアクリル酸エステル類、ジメタクリル酸エステル類、等が挙げられる。
本発明において、これらの架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。また、上記架橋剤のうち、本発明における架橋剤としては、合一状態で結着樹脂を必要以上に高粘度にしないために、冷却時における離型剤のトナー表面への析出を抑制できるブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類などを用いることが好ましい。
前記架橋剤の好ましい含有量は、重合性単量体総量の0.05〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜1.0質量%の範囲がより好ましい。
これらモノマー類を、水とアニオン性界面活性剤と混合してエマルションとする。乳化は一般に、5℃〜70℃、好ましくは5〜40℃の温度で行うが、より高い温度でもエマルションは生成する。エマルションを生成するため、通常この混合物を適当な混合装置、例えば通常の攪拌機、あるいはインライン混合装置を含む外部ループを取り付けた容器などを用いて攪拌するが、本発明では、エマルションを生成する際の攪拌周速度は、4m/s以上10m/s以下、好ましくは6m/s以上10m/s以下、さらに好ましくは8m/s以上10m/s以下である。
エマルションを生成する際の攪拌周速度が4m/sより遅い場合には、エマルション液が不安定となり、ラテックス粒子径や分子量のバラツキが起こり所望のラテックス特性が得られない。また、エマルション添加時のエマルション破壊や、セジメントの多発生など、ラテックス中への粗大粒子混入の原因や、槽内、邪魔板、攪拌翼等への多大な付着物により、安定生産上の障害になる等の問題がある。
一方、エマルションを生成する際の攪拌周速度が10m/sより速い場合には、生成されたエマルションが高粘度となり、所定の流量でエマルションを均一に添加することが困難となり、ラテックス粒子径や分子量のバラツキが起こり所望のラテックス特性が得られない等の問題がある。
また、エマルションの安定性はエマルションを生成する際のモノマー滴の平均粒子径に依存し、1μm以上30μm以下である必要がある。
生成されたエマルションのモノマー滴の平均粒子径が30μmより大きい場合には、エマルション液が不安定となり、ラテックス粒子径や分子量のバラツキが起こり所望のラテックス特性が得られない。また、エマルション添加時のエマルション破壊や、セグメントの多発生など、ラテックス中への粗大粒子混入の原因や、槽内、邪魔板、攪拌翼等への多大な付着物により、安定生産上の障害になる等の問題がある。
一方、生成されたエマルションのモノマー滴の平均粒子径が1μmより小さい場合には、生成されたエマルションが高粘度となり、所定の流量でエマルションを添加することが困難となり、ラテックス粒子径や分子量のバラツキが起こり所望のラテックス特性が得られない等の問題がある。
更に、生成するポリマーの分子量を調整するため、モノマーエマルションに連鎖移動剤を加えることが望ましい。本発明で用いる連鎖移動剤としては、具体的には炭素原子と硫黄原子との共有結合を持つものが好ましく、より具体的には、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−アミルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘプチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ノニルメルカプタン、n−デシルメルカプタン等のn−アルキルメルカプタン類;イソプロピルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、s−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、tert−ヘキサデシルメルカプタン、tert−ラウリルメルカプタン、tert−ノニルメルカプタン、tert−オクチルメルカプタン、tert−テトラデシルメルカプタン等の分鎖型アルキルメルカプタン類;アリルメルカプタン、3−フェニルプロピルメルカプタン、フェニルメルカプタン、メルカプトトリフェニルメタン等の含芳香環系のメルカプタン類;ドデカンチオール、ブタンチオール、3−メルカプトプロピオン酸イソオクチル(IOMP)、2−メチル−5−tert−ブチルチオフェノール、四塩化炭素、四臭化炭素、等が挙げられるが、これらに限るものではない。連鎖移動剤は効果的な量、例えばモノマーエマルション中のモノマーの約0.1〜約10重量%を用いる。また、連鎖移動剤は、予めモノマーエマルションに添加しても良いし、モノマーエマルションの添加の後に加えても良いし、またはモノマーエマルションの添加と同時に加えても良い。
種ポリマーを生成するため、モノマーエマルションの一部を水相に加える。水相に含まれるアニオン性界面活性剤は、ラテックスポリマーの生成に用いるアニオン性界面活性剤の全量の50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。さらに望ましくは、水相に含まれるのは、ラテックスポリマーの生成に用いるアニオン性界面活性剤の全量の0.5〜10重量%である。水相には、上記のもの等どのようなアニオン性界面活性剤を用いても良く、水相中のアニオン性界面活性剤は、モノマーエマルションの生成に用いるアニオン性界面活性剤と同じでも、あるいは異なるものでも良い。
種ポリマーの生成に用いるモノマー部分は、通常ラテックスポリマーの調製に用いるモノマーの全量の約0.25〜約25重量%である。望ましくは、種ポリマーの生成に用いるモノマー量は、ラテックスポリマーの生成に用いるモノマーの全量の約0.5〜10重量%、より望ましくは約0.5〜3重量%である。
適当な水溶性開始剤としては、好ましくは遊離基開始剤である。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル、重硫酸アンモニウム、重硫酸ナトリウム、等の過酸化物類;等が挙げられるが、これらに限るものではない。望ましい遊離基開始剤は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の、過硫酸開始剤である。遊離基開始剤は、通常水溶液としてモノマーエマルション及び/又は水相に加える。
ラテックスポリマーの生成に用いる水溶性開始剤の量は、通常重合すべきモノマーの約0.1〜約10質量%である。ラテックスポリマーの調製に用いる水溶性開始剤の全量を、種重合段階で加える。本発明では水溶性開始剤の添加速度を全モノマー100モル%に対し、0.03モル量%/分以上0.11モル%/分以下とすることが好ましく、より好ましくは、0.05モル量%/分以上0.09モル%/分以下である。水溶性開始剤の添加速度が全モノマー100モル%に対し0.03モル%/分より低いと、ラテックスの平均粒子径は小さくなりすぎ、トナー化工程において特に凝集性が悪化するほか、画像を定着する際の剥離性も悪化し、製造上および品質上に多大な悪影響を及ぼす。また、水溶性開始剤の添加速度が全モノマー100モル%に対し0.11モル%/分より大きいと、ラテックスの平均粒子径は大きくなりすぎ、粗大粒子を多量に含み、ラテックスの製造性が悪化するほか、画質面においてはグロスが低下するなど、製造上および品質上に多大な悪影響を及ぼす。
種ポリマーの生成では、通常約35〜約150℃、望ましくは約50〜約95℃の温度で乳化重合を行う。
次に、種ポリマーにモノマーを追加して重合を完了する。追加モノマーは前述の如く水中に乳化して、エマルションの形態としても良いが、モノマーのままでも良い。本発明では、この段階で追加モノマーに、モノマー構造式中のエステル基内に親水基を有する不飽和脂肪族カルボン酸エステル類を混合する。この際、追加モノマーに対して、モノマー構造式中のエステル基内に親水基を有する不飽和脂肪族カルボン酸エステル類を分割し、種ポリマーにモノマーを追加している途中で複数回混合しても良いし、種ポリマーにモノマーを追加している際に連続的に、上記モノマー構造式中のエステル基内に親水基を有する不飽和脂肪族カルボン酸エステル類を混合していく形態でも良い。実施の形態では、追加モノマーはポリマーの生成に一部を使用したモノマーエマルションの残りである。乳化重合は通常約35〜約150℃、望ましくは約50〜約95℃の温度で行う。追加モノマーは、通常効果的な時間、例えば0.5〜8時間、望ましくは2〜6時間かけてこの組成物に加える。
更に、種重合の後に遊離基開始剤を追加しても良い。反応のこの段階で遊離基開始剤を追加する場合、遊離基開始剤は、種ポリマーの生成で加えたものと同じ種類でも、あるいはそうでなくても良い。
本発明の製法で生成するラテックスポリマーの具体例としては、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸2−カルボキシエチル)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸2−カルボキシエチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸ブチル−アクリル酸2−カルボキシエチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸2−カルボキシエチル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸2−カルボキシエチル)、ポリ(アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸2−カルボキシエチル)、上記の分枝/部分架橋共重合体、等の既知のポリマー類が挙げられるが、これらに限るものではない。
[静電荷像現像用トナーの製造方法]
上記調製法により得られたラテックスは、次のような方法でトナーの調製に用いられる。樹脂を乳化重合その他の方法で樹脂分散液を作製し、顔料、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後融合・合一する乳化重合凝集法が特に好ましい。乳化重合凝集法は、粒径が1μm以下の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、及び着色剤等を分散した着色剤分散液等を混合し、樹脂粒子、着色剤をトナー粒径に凝集させる工程(以下、「凝集工程」と称することがある)、樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱し凝集体を融合しトナー粒子を形成する工程(以下、「融合工程」と称することがある)を含む。
上記調製法により得られたラテックスは、次のような方法でトナーの調製に用いられる。樹脂を乳化重合その他の方法で樹脂分散液を作製し、顔料、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後融合・合一する乳化重合凝集法が特に好ましい。乳化重合凝集法は、粒径が1μm以下の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、及び着色剤等を分散した着色剤分散液等を混合し、樹脂粒子、着色剤をトナー粒径に凝集させる工程(以下、「凝集工程」と称することがある)、樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱し凝集体を融合しトナー粒子を形成する工程(以下、「融合工程」と称することがある)を含む。
上記凝集工程においては、互いに混合された樹脂粒子分散液、着色剤分散液、及び必要に応じて離型剤分散液中の各粒子が凝集して凝集粒子を形成する。該凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、該凝集粒子の安定化、粒度/粒度分布制御を目的として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物が添加されてもよい。
前記融合工程においては、前記凝集粒子中の樹脂粒子が、その結着樹脂のTgの1.6倍以上の温度条件で溶融し、凝集粒子は不定形から徐々に球形へと変化してゆく。このとき凝集粒子の形状は不定形であるが、合一により球形に近くなってゆく。所望の形状係数SF1になった段階でトナーの加熱を中止し、冷却することによってトナー粒子を形成する。
また、前記凝集工程と融合工程との間に、凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(付着工程)を設けることもできる。
付着工程では、凝集工程で調製された凝集粒子分散液中に、微粒子分散液を添加混合して、凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成するが、添加される微粒子は、凝集粒子に凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、本明細書では「追加微粒子」と記載する場合がある。追加微粒子としては、樹脂微粒子の他に離型剤微粒子、着色剤微粒子等を単独もしくは複数組み合わせたものであってもよい。微粒子分散液を追加混合する方法としては、特に制限はなく、例えば徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、微粒子(追加微粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる静電荷現像用トナーの粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与する。
また、付着工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができ、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性やキャリアの寿命を向上させることができることや、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質の改善可能となる点で有利である。特に、本実施形態においては、離型剤を使用するため、付着工程により樹脂微粒子を主体とした追加微粒子を添加することが好ましい。さらに、この方法を用いれば、融合工程において、温度、攪拌数、pHなどの調整により、トナー形状制御を容易に行うことができる。
また、本実施形態に用いられる静電荷現像用トナーの製法として、懸濁重合法も好ましく用いることができる。前記懸濁重合法は、着色剤粒子、離型剤粒子等を、重合性単量体とともに、必要に応じて分散安定剤等が添加された水系媒体中へ懸濁させ、所望の粒度、粒度分布に分散させた後、加熱等の手段により重合性単量体を重合し、その後重合物を水系媒体から分離、必要に応じて洗浄、乾燥させることによって、トナー粒子を形成する方法である。
特に、上述した方法で調製したラテックスポリマーと、少なくとも着色剤を含む複数種の分散液に、必要に応じて凝集剤及び/又は電荷添加剤及び/又は他の添加剤を混合し、得られた混合物をラテックスポリマーのTg近辺の温度、望ましくはラテックスポリマーのTg±10℃で効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、凝集体懸濁液を、ラテックスポリマーのTg又はそれより高い温度、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、必要に応じてイオン交換水などで洗浄した後、乾燥する。
ラテックスポリマーは、通常トナーの約75〜約98重量%存在する。本発明の製法に適したラテックスポリマーの大きさは、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA-700)で測定した体積平均粒径で、約0.05〜約1μmであり、望ましくは150〜300nmである。実施の形態では、これ以外の大きさや効果的な量のラテックスポリマーを用いることもできる。
着色剤は、通常トナー中に効果的な量、例えばトナーの約1〜約15重量%、望ましくは約3〜約10重量%存在する。
本発明の製法で使用する、着色剤としては特に限定されず、公知の着色剤を使用することができ、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロライド、銅フタロシアニン、キノリンイエロー、クロームイエロー、デュポンオイルレッド、オリエントオイルレッド、ローズベンガル、マラカイトグリーンオキサレート、ニグロシン染料、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられる。
さらに、マピコブラック(登録商標)とシアン成分との混合物などの着色マグネタイトも、本発明の製法の顔料として使用できる。
凝集剤は効果的な量、例えばトナーの約0.01〜約10重量%を用いる。使用する凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、(ジアルキル)フェニルアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、(アルキルベンジル)メチルアンモニウムクロリド、(アルキル)(ベンジル)ジメチルアンモニウムブロマイド、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムブロマイド、C12、C15、C17トリメチルアンモニウムブロマイド類、4級化ポリオキシエチレンアルキルアミン類のハロゲン化物塩、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、アルカリル・ケミカル社(Alkaril Chemical Company)より入手可能な、ミラポール(MIRAPOL)(登録商標)及びアルカクワット(ALKAQUAT)(登録商標)、花王化学(Kao Chemicals)より入手可能なサニゾール(SANIZOL)(登録商標)(塩化ベンザルコニウム)、等が挙げられるが、これらに限るものではない。
帯電制御剤も効果的な量、例えばトナーの0.1〜5重量%を使用しても良い。適当な帯電制御剤としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物類、重硫酸塩類、ジステアリルジメチルアンモニウム=メチル硫酸塩帯電制御剤を用いるトナーについて述べた、米国特許第3,944,493号、米国特許第4,007,293号、米国特許第4,079,014号、米国特許第4,394,430号、米国特許第4,560,635号(その内容は全て本件に引用して援用する)の帯電制御剤類、アルミニウム錯体のような負帯電制御剤、等が挙げられるが、これらに限るものではない。
使用する他の添加剤としては、離型剤として働くワックス類などが挙げられるが、これに限るものではない。
上述したラテックスポリマーの調製方法により調製した後に、さらに調製されたラテックスポリマー中の粗大成分を除去してもよい。
本発明において粗大成分の除去は、SUS、ナイロン製の篩網を使用し振動式篩装置を用いる方法、目開きの細かいSUS、ナイロン製の篩網またはメンブランフィルター等を使用し加圧ろ過する方法、デカンテーション法などの手法を用いることができる。
次の実施例は、本発明の詳細な実施の形態を示すものである。当業者には、特定の製品特性とするために、必要に応じて適当な試薬、成分比/濃度とすることは理解されよう。特に記載のない限り、部は全て重量比である。
[実施例1]
ラテックス1の調製
アニオン性界面活性剤としてテトラプロピルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム(ダウファクス 2A1(登録商標))、遊離基開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)、架橋剤としてジアクリル酸デカンジオール(A−DOD(登録商標))、連鎖移動剤としてドデカンチオールを用いた乳化重合法により、組成比76.5/23.5/3の、スチレン/アクリル酸n−ブチル/β−CEA共重合体を含む、ラテックスを合成した。
ラテックス1の調製
アニオン性界面活性剤としてテトラプロピルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム(ダウファクス 2A1(登録商標))、遊離基開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)、架橋剤としてジアクリル酸デカンジオール(A−DOD(登録商標))、連鎖移動剤としてドデカンチオールを用いた乳化重合法により、組成比76.5/23.5/3の、スチレン/アクリル酸n−ブチル/β−CEA共重合体を含む、ラテックスを合成した。
ジャケット付き反応器に、556部の脱イオン水と、1.0部のダウファクス2A1とを入れ水相を作製した。160rpmにて攪拌し、温度を75℃に上げた。
また、別の乳化槽で、モノマー混合物(460部のスチレンと、140部のアクリル酸n−ブチルと18部のアクリル酸2−カルボキシエチル(β―CEA)と、2部のジアクリル酸デカンジオール(A−DOD)と、4.5部の1−ドデカンチオール)と、250部の脱イオン水に12.0部のダウファクス2A1を加えたものとを、室温(25℃)で攪拌翼にて撹拌周速度5m/sで60分間混合して、モノマーエマルションを調製した。
次いで、このモノマーエマルションから9部の種用モノマーエマルションを取り、2分間かけてポンプで反応器に入れた。その5分後、9部の過硫酸アンモニウムを43部の脱イオン水に溶解して調製した遊離基開始剤水溶液を、10分かけて加えた(全モノマー100モル%に対して0.11モル%/分)。更に30分間攪拌を続け、種ポリマーを生成させた。次に残りのモノマーエマルションを、3部/分で反応器に加えた。モノマーエマルションの残りが、全モノマーエマルションの50%に達した時、モノマーエマルションに新たに5部の1−ドデカンチオールを加え、10分間攪拌した後、4部/分の速度で反応器へと全量添加した。モノマー添加後、この組成物を75℃で180分間後加熱して反応を完了し、放冷した。反応の間、反応系には窒素気流を流し、脱酸素化した。
この結果、Mw26,500、Mn11,200、オンセットTg53℃、平均粒子径150nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[実施例2]
APS水溶液添加時間を38分(全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を9m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス2を合成した。
APS水溶液添加時間を38分(全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を9m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス2を合成した。
この結果、Mw35,200、Mn11,500、オンセットTg53℃、平均粒子径300nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[実施例3]
APS水溶液添加時間を15分(全モノマー100モル%に対して0.073モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を7m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス3を合成した。
APS水溶液添加時間を15分(全モノマー100モル%に対して0.073モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を7m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス3を合成した。
この結果、Mw30600、Mn11000、オンセットTg53℃、平均粒子径300nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[実施例4]
APS水溶液添加時間を38分(全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を12m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス4を合成した。
APS水溶液添加時間を38分(全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を12m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス4を合成した。
この結果、Mw36100、Mn10200、オンセットTg53℃、平均粒子径300nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[実施例5]
モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を3m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス5を合成した。
モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を3m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス5を合成した。
この結果、Mw25300、Mn11100、オンセットTg53℃、平均粒子径300nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[実施例6]
実施例1にて得られたラテックスポリマー分散液を目開き15μmのナイロンメッシュを使用し円形振動式篩を用い、上記ラテックスポリマーの粗大成分を除去した以外は、実施例1と同様の方法でラテックス6を合成した。
実施例1にて得られたラテックスポリマー分散液を目開き15μmのナイロンメッシュを使用し円形振動式篩を用い、上記ラテックスポリマーの粗大成分を除去した以外は、実施例1と同様の方法でラテックス6を合成した。
[実施例7]
実施例1にて得られたラテックスポリマー分散液を目開き2mmのストレーナーを通過させて、上記ラテックスポリマーの粗大成分を除去した以外は、実施例1と同様の方法でラテックス7を合成した。
実施例1にて得られたラテックスポリマー分散液を目開き2mmのストレーナーを通過させて、上記ラテックスポリマーの粗大成分を除去した以外は、実施例1と同様の方法でラテックス7を合成した。
[比較例1]
APS水溶液添加時間を2分(全モノマー100モル%に対して0.55モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を12m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス8を合成した。
APS水溶液添加時間を2分(全モノマー100モル%に対して0.55モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を12m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス8を合成した。
この結果、Mw21,000、Mn9,000、オンセットTg53℃、平均粒子径120nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[比較例2]
APS水溶液添加時間を5分(全モノマー100モル%に対して0.22モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を12m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス9を合成した。
APS水溶液添加時間を5分(全モノマー100モル%に対して0.22モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を12m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス9を合成した。
この結果、Mw24,200、Mn10,000、オンセットTg53℃、平均粒子径130nmのラテックスが得られた。このラテックス中に粗大粉は殆ど含まれなかった。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等への目立った付着物は見られなかった。
[比較例3]
APS水溶液添加時間を50分(全モノマー100モル%に対して0.02モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を3m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス10を合成した。
APS水溶液添加時間を50分(全モノマー100モル%に対して0.02モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を3m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス10を合成した。
この結果、Mw40,400、Mn12,000、オンセットTg53℃、平均粒子径320nmのラテックスが得られた。このラテックス中には粗大粉が多量に存在した。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等に付着物が多く見られた。
[比較例4]
APS水溶液添加時間を60分(全モノマー100モル%に対して0.018モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を3m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス11を合成した。
APS水溶液添加時間を60分(全モノマー100モル%に対して0.018モル%/分)にし、モノマーエマルションを調整する工程において、撹拌周速度を3m/sにしたこと以外は実施例1と同様の方法でラテックス11を合成した。
この結果、Mw42,900、Mn12,900、オンセットTg53℃、平均粒子径340nmのラテックスが得られた。このラテックス中には粗大粉が多量に存在した。また、重合槽内壁、邪魔板、攪拌翼等に付着物が多く見られた。
トナーの調整
実施例1,2,3,4,5,6、比較例1,2,3,4で得たラテックスを用いて、次の手法によりそれぞれトナーを調製した。イオン交換水600部に、ラテックス250部と20%カーボンブラック分散液(リーガル 330(登録商標))70部と、30%ワックス分散液60部(ポリエチレン P725ワックス)とを加え、ホモジナイザで5分間混合した。この混合物に、調節した量の10%のポリ塩化アルミニウム溶液を加えて、再び5分間混合した後、攪拌しながら50℃に加熱して、粒子を凝集させた。凝集体の粒径が5.0μmに達した時、新たにラテックス120部を追加して外殻を形成し、30分凝集させた後、1%のNaOHを用いてスラリーのpHを6.0に調整して、反応器の温度を95℃に上げた。この温度で6時間置いた後、混合物を放冷し、ろ過して母液から粒子を分離した後、洗浄・乾燥を行った。
実施例1,2,3,4,5,6、比較例1,2,3,4で得たラテックスを用いて、次の手法によりそれぞれトナーを調製した。イオン交換水600部に、ラテックス250部と20%カーボンブラック分散液(リーガル 330(登録商標))70部と、30%ワックス分散液60部(ポリエチレン P725ワックス)とを加え、ホモジナイザで5分間混合した。この混合物に、調節した量の10%のポリ塩化アルミニウム溶液を加えて、再び5分間混合した後、攪拌しながら50℃に加熱して、粒子を凝集させた。凝集体の粒径が5.0μmに達した時、新たにラテックス120部を追加して外殻を形成し、30分凝集させた後、1%のNaOHを用いてスラリーのpHを6.0に調整して、反応器の温度を95℃に上げた。この温度で6時間置いた後、混合物を放冷し、ろ過して母液から粒子を分離した後、洗浄・乾燥を行った。
評価方法及び評価基準
後述する印刷後のトナー定着性、トナー画質については、以下に示す方法で現像剤を作成し、この現像剤を用いて印刷後の品質を評価した。
後述する印刷後のトナー定着性、トナー画質については、以下に示す方法で現像剤を作成し、この現像剤を用いて印刷後の品質を評価した。
実施例1,2,3及び比較例1,2,3,4のそれぞれのトナー50部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を1.0部添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。ポリメタクリル酸メチル(綜研化学社製:Mw=76000)を1.5wt%コートした体積平均粒径D50が50μmのフェライトキャリアに対して、トナー濃度が8.0wt%になるように前記外添トナーを秤量し、Vブレンダーで10分間攪拌、混合して現像剤を調製した。現像剤調整後目開き350μmの篩によりシブンを行った。
前記現像剤に対して、富士ゼロックス社製「DocuCenter Color400CP」改造機を用い画質ディフェクト評価を実施した。記録媒体としてP紙を用い、送り速度160mm/秒、定着温度180℃で評価を行った。
ラテックスの製造性:
重合層内壁、邪魔板、撹拌翼への付着物を目視観察にて評価した。
重合層内壁、邪魔板、撹拌翼への付着物を目視観察にて評価した。
◎:付着物が見られない。
○:目立った付着物が見られない。
△:目立った付着物が少量見られた。
×:目立った付着物が多く見られた。
○:目立った付着物が見られない。
△:目立った付着物が少量見られた。
×:目立った付着物が多く見られた。
トナーの剥離性(定着性):
DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部の動作により評価した。
DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部の動作により評価した。
◎:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部が良好に動作している。
○:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部の動作は許容範囲である。
△:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部で音が発生している。
×:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部で巻き付きが発生している。
○:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部の動作は許容範囲である。
△:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部で音が発生している。
×:「DocuCenter Color400CP」改造機のローラ部で巻き付きが発生している。
トナー画質(グロス):
JIS試験に準じて、光反射にて評価した。
JIS試験に準じて、光反射にて評価した。
◎:40°以上50°未満
○:30°以上40°未満
△:20°以上30°未満
×:10°以上20°未満
○:30°以上40°未満
△:20°以上30°未満
×:10°以上20°未満
乳化重合方法において、粗大成分の生成を抑える重合方法を要する用途に好適に用いることができる。
さらに、一般に、印刷時のトナーのグロスと剥離性は両立しないが、本発明により得られたラテックスポリマーは、上記両特性を両立しており、特に両特性を望む印刷用途に好適に用いることができる。
Claims (5)
- 乳化重合方法において、水溶性開始剤の添加速度が、全モノマー100モル%に対し、0.03モル%/分以上0.11モル%/分以下であることを特徴とする乳化重合方法。
- ラテックスポリマーの調製法であって、(i)アニオン性界面活性剤を含む水相を調製する工程と、(ii)アニオン性界面活性剤を用いてモノマー類の水性エマルションを調整する工程と、(iii)前記モノマーエマルションの一部と遊離基開始剤を前記水相に加え、種重合を開始して種ポリマーを生成する工程と、(iv)前記工程(iii)で生成した組成物に前記モノマーエマルションを追加して乳化重合を完了し、ラテックスポリマーを生成する工程とを含む調製法において、前記(iii)において水溶性開始剤の添加速度が全モノマー100モル%に対して0.03モル%/分以上0.11モル%/分以下であることを特徴とするラテックスポリマーの調製方法。
- 請求項2に記載のラテックスポリマーの調製方法により得られた樹脂微粒子分散液の粗粉成分を除去することを特徴とするラテックスポリマーの調製方法。
- 請求項2に記載のラテックスポリマーの調製方法において、
さらに、前記(ii)の水性エマルションを調整する工程における攪拌周速度が4m/s以上10m/s以下であり、生成されるモノマー類液滴の平均粒子径が1μm以上30μm以下であることを特徴とするラテックスポリマーの調製方法。 - 少なくとも樹脂微粒子を分散させてなる分散液中で前記微粒子を凝集させて凝集粒子を形成した後、加熱して前記凝集粒子を融合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記樹脂微粒子が請求項1に記載の乳化重合法または請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のラテックスポリマーの調製方法で得られた樹脂微粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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2004
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