本発明は、タンパク質キナーゼの阻害剤の分野に関する。
タンパク質キナーゼは、タンパク質の特定の残基のリン酸化を触媒する酵素の一ファミリーである。一般にタンパク質キナーゼはいくつかのグループに分類され、セリンおよび/またはトレオニン残基を優先的にリン酸化するグループ、チロシン残基を優先的にリン酸化するグループ、ならびにチロシンおよびSer/Thr残基の両方をリン酸化するグループである。したがってタンパク質キナーゼは、受容体でのサイトカイン作用を含む、核への細胞外シグナル伝達に関与するシグナル伝達経路の主要な要素であり、種々の生物学的事象を誘発する。正常な細胞生理におけるタンパク質キナーゼの多くの役割には、細胞周期の制御、ならびに細胞成長、分化、アポトーシス、細胞移動性、および有糸***誘発が含まれる。
タンパク質キナーゼは、これに限定されるものではないが、たとえばタンパク質チロシンキナーゼファミリー(PTK)のメンバーを含み、これはさらに細胞質PTK、および受容体PTK(RTK)に分類することができる。細胞質PTKには、SRCファミリー(BLK、FGR、FYN、HCK、LCK、LYN、SRC、YES、およびYRKを含む)、BRKファミリー(BRK、FRK、SAD、およびSRMを含む)、CSKファミリー(CSKおよびCTKを含む)、BTKファミリー(BTK、ITK、TEC、MKK2、およびTXKを含む)、Janusキナーゼファミリー(JAKI、JAK2、JAK3、およびTyk2を含む)、FAKファミリー(FAKおよびPYK2を含む)、Fesファミリー(FESおよびFERを含む)、ZAP70ファミリー(ZAP70およびSYKを含む)、ACKファミリー(ACK1およびACK2を含む)、ならびにAblファミリー(ABLおよびARGを含む)が含まれる。RTKファミリーには、EGF受容体ファミリー(EGFR、HER2、HER3、およびHER4を含む)、インスリン受容体ファミリー(INS-RおよびIGF1-Rを含む)、PDGF受容体ファミリー(PDGFRα、PDGFRβ、CSF1R、KIT、FLK2を含む)、VEGF受容体ファミリー(FLT1、FLK1、およびFLT4を含む)、FGF受容体ファミリー(FGFR1、FGFR2、FGFR3、およびFGFR4を含む)、CCK4ファミリー(CCK4を含む)、METファミリー(METおよびRONを含む)、TRKファミリー(TRKA、TRKB、およびTRKCを含む)、AXLファミリー(AXL、MER、およびSKYを含む)、TIE/TEKファミリー(TIEおよびTIE2/TEKファミリーを含む)、EPHファミリー(EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB5、EPHB6を含む)、RYKファミリー(RYKを含む)、MCKファミリー(MCKおよびTYRO10を含む)、ROSファミリー(ROSを含む)、RETファミリー(RETを含む)、LTKファミリー(LTKおよびALKを含む)、RORファミリー(ROR1およびROR2を含む)、Muskファミリー(Muskを含む)、LMRファミリー(LMR1、LMR2、およびLMR3を含む)、ならびにSuRTK106ファミリー(SuRTK106を含む)が含まれる。
同様に、セリン/トレオニン特異的キナーゼは、いくつかの異なるサブファミリーを含み、サブファミリーには、細胞外シグナル制御キナーゼ(p42/ERK2およびp44/ERK1)、c-Jun NH2末端キナーゼ(JNK)、cAMP反応エレメント結合タンパク質キナーゼ(CREBK)、cAMP依存性キナーゼ(CAPK)、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性化タンパク質キナーゼ(MAPKおよびその関連物質)、ストレス活性化タンパク質キナーゼp38/SAPK2、マイトジェンおよびストレス活性化キナーゼ(MSK)、タンパク質キナーゼ、特にPKA、PKB、およびPKCが含まれる。
さらに、いくつかの病原体のゲノムは、タンパク質キナーゼをコードする遺伝子を有する。たとえば、マラリア原虫Plasmodium falciparum、ならびにHPVおよび肝炎ウイルスなどのウイルスは、キナーゼ関連遺伝子を有すると考えられる。
タンパク質キナーゼの不適切に高い活性は、異常な細胞機能に起因する多くの疾患に関係があるとされている。これは、たとえば酵素の変異、過剰発現、または不適切な活性化に関連するキナーゼの適切な制御機構の不全によって、あるいはキナーゼの上流または下流のシグナル伝達にも関与するサイトカインまたは成長因子の過剰または過少産生によって、直接または間接的に生じる可能性がある。これらのすべての例において、キナーゼ作用の選択的阻害が有益な効果を有することが予期され得る。異常なキナーゼ活性が関係しているとされている疾患には、糖尿病、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、肝臓および腎臓の線維症、眼疾患、骨髄増殖性およびリンパ増殖性疾患、前立腺癌、結腸癌、乳癌、頭頸部癌、白血病、およびリンパ腫などの癌、ならびにアトピー性皮膚炎、喘息、関節リウマチ、クローン病、乾癬、クルゾン症候群、軟骨形成不全症、および致死性異形成などの自己免疫疾患が含まれる。
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)のJAKファミリーは、免疫系のいくつかの重要な細胞型の増殖および最終機能のサイトカイン依存性調節において中心的役割を果たす。
現在知られている哺乳動物JAKファミリーの4種のメンバーを直接比較することによって、高度に保存された7つのドメインの存在が明らかとなる(Harpur他、1992)。このPTKファミリーに特徴的な高度に保存されたドメインの命名の探索において、用いた分類はSRC相同(SH)ドメインの処理におけるPawson等のアプローチに従った(Sadovski等、1986)。これらのドメインは、JAK相同ドメイン1(JH1)と称される最もC末端側の相同ドメインに従って列挙されている。JH1の次のN末端側ドメインは、キナーゼ関連ドメインであり、本明細書ではJH2ドメインと称する。次いで各ドメインは、N末端に位置するJH7まで列挙される。これらのJAK相同(JH)ドメインの高い保存性は、それらのタンパク質が機能する細胞プロセスにおいて、それぞれのドメインが重要な役割を果たす可能性の高いことを示唆している。しかしながら、JAK相同ドメインの境界は任意であり、機能ドメインを規定することもあるが、規定しないこともある。それでもなお、それらの解明は、この種のタンパク質の全体的な構造上の類似性を考慮する一助となる有用な方策である。
PTKのJAKファミリーに最も特徴的な性質は、2つのキナーゼ関連ドメイン(JH1およびJH2)を有することである(Wilks等、1991)。このJAK1の推定PTKドメイン(JH1)はPTKドメインに典型的な高度に保存されたモチーフを含有し、チロシン特異的タンパク質キナーゼ種のメンバーであることの判断材料であると考えられる、サブドメインVIIの11残基C末端側に位置する1022位におけるチロシン残基の存在が含まれる。ヒトJAK1PTKドメイン(255アミノ酸)をPTK種タンパク質の他のメンバーとアラインメントすることによって、他の機能性タンパク質PTKとの相同性が明らかとなった(たとえば、c-fesと28%同一(WilksおよびKurban、1988)、TRKと37%相同(Kozma等、1988))。各JAKファミリーメンバーのJH1ドメインは、活性部位の近くに位置し、基質特異性を規定すると考えられている高度に保存されたサブドメインVIIIモチーフ(JAK2の残基1015から1027)に興味深い特質を有する。このモチーフの保存されたトリプトファンに隣接するフェニルアラニンおよびチロシン残基は、PTKのJAKファミリーに固有のものである。この要素を除いて、JAKファミリーの各メンバーのJH1ドメインは典型的なPTKドメインである。
いくつかの重要な細胞型の増殖および最終機能のサイトカイン依存性調節において、タンパク質チロシンキナーゼのJAKファミリーが中心的役割を果たすということは、JAKを阻害する薬剤が、それらの酵素に依存する疾患状態の予防および化学療法に有用であることを意味する。現在知られているJAKファミリーの4種の各メンバーの有効かつ特異的な阻害剤は、喘息(たとえばIL-13、JAK1、JAK2)および白血病/リンパ腫(たとえばIL-2、JAK1およびJAK3)などの免疫疾患を促進するサイトカインの作用を阻害する手段を提供することになる。
さらに、前立腺癌などのある種の癌は、増殖および/または転移能を高める選択可能な機構として、ある種のサイトカインのオートクラインによる産生を発現する。その例には、TSUおよびTC3などの前立腺癌細胞系の増殖によってIL-6が産生され、それによって増殖が刺激される前立腺癌がある(Spiotto MTおよびChung TD、2000)。興味深いことに、IL-6のレベルは転移性前立腺癌を有する患者の血清で上昇している。
多くの文献が、サイトカインシグナル伝達の分野を対象としている。本発明者等は、標的遺伝子(細胞周期調節因子(たとえばp21)および抗アポトーシス遺伝子(たとえばBcl-XL)など)に対するサイトカイン受容体の直接結合に関与するJAK/STAT経路に注目してきた。
Harpur他、1992
Sadovski等、1986
Wilks等、1991
WilksおよびKurban、1988
Kozma等、1988
Spiotto MTおよびChung TD、2000
JAK/STAT経路
近年、非タンパク質チロシンキナーゼサイトカイン受容体の下流で特に優れたシグナル伝達経路が明らかにされた。この経路の主要な構成要素は、(i)インターロイキン-4受容体またはインターフェロンγ受容体などのサイトカイン受容体鎖(または複数の鎖)、(ii)PTKのJAKファミリーのメンバー(または複数のメンバー)、(iii)転写因子のSTATファミリーのメンバー(または複数のメンバー)、および(iv)活性化STATが結合する配列特異的DNAエレメントである。
JAK/STATに関する文献の概観は、ウイルスおよび細菌感染などの外界からの刺激に対する宿主免疫応答の増大および先導においてこの経路が重要であるという考えを強く支持するものである。表1および表2にそれを例示する。遺伝子ノックアウト実験によって蓄積された情報は、いくつかの重要な免疫調節サイトカインによって誘発される細胞内シグナル伝達におけるJAKファミリーメンバーの重要性を強調している。したがって、免疫調節の領域においてJAK/STAT経路の阻害(または増強)に由来する治療の可能性は高く、この分野の一連の疾患を治療するための有望な薬剤となることが考えられる。表1および表2に挙げた疾患に加えて、JAKの阻害剤は、臓器移植、ならびに狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、I型糖尿病、自己免疫甲状腺障害、アルツハイマー病、および他の自己免疫疾患などの自己免疫疾患の免疫抑制剤として用いることができる。さらに、JAK阻害剤による前立腺癌などの癌の治療も示唆されている。
本発明者は、2置換ピラジン骨格Iに基づく化合物群がタンパク質キナーゼの阻害剤であることを見出した。
したがって第1の態様において、本発明は、以下の一般式の化合物、あるいは
薬剤として許容されるその塩、水和物、溶媒和物、結晶形態、またはジアステレオマーにあり、
式中、Dは、以下から選択された複素環であり、
式中、X1、X2、X3、X4は任意選択で置換された炭素であるか、またはX1、X2、X3、X4の1つはNであり、R2は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、CH2F、CHF2、CF3、OCF3、アリール、ヘタリール、C1-4アルキルOC1-4アルキル、C1-4アルキルOアリール、C1-4アルキルNR3R4、CO2R3、CONR3R4、CONR3SO2R4、NR3R4、C1-4アルキルNR3R4、ニトロ、NR3COR4、NR5CONR3R4、NR3SO2R4、C1-4アルキルNR3COR4、C1-4アルキルNR5CONR3R4、C1-4アルキルNR3SO2R4から独立して選択された0〜4個の置換基であり、R3、R4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CH2F、CHF2、CF3、C1-4アルキル、C1-4アルキルシクロアルキル、C1-4シクロヘタルキル、アリール、C1-4アルキルアリール、ヘタリール、C1-4アルキルヘタリールであるか、または結合して、O、S、NR6から選択された原子を任意選択で含有する任意選択で置換された3〜8員(飽和または不飽和)環を形成していてもよく、R5は、H、C1-4アルキル、ハロゲン、CH2F、CHF2、CF3、アリール、またはヘタリールから選択され、R6は、H、C1-4アルキル、アリール、ヘタリール、C1-4アルキルアリール、C1-4アルキルヘタリールから選択され、
R1は、H、C1-4アルキル、C1-6シクロアルキルであり、
Qは、結合、CH2、C1-4アルキルであり、
Aは、ハロゲン、C1-4アルキル、CH2F、CHF2、CF3、OCF3、CN、NR8R9、アリール、ヘタリール、C1-4アリール、C1-4ヘタリール、C1-4アルキルNR8R9、0C1-4アルキルNR8R9、ニトロ、NR10C1-4NR8R9、NR8COR9、NR10CONR8R9、NR8SO2R9、CONR8R9、CO2R8から独立して選択された0〜3個の置換基で任意選択で置換されたアリール、ヘタリールであり、R8およびR9はそれぞれ独立して、H、C1-4アルキル、アリールであるか、またはO、S、NR11から選択されたヘテロ原子を含有することのできる任意選択で置換された4〜8員環を共に形成し、R11はC1-4アルキルであり、R10は、H、C1-4アルキルから選択され、
Wは、H、C1-4アルキル、C2-6アルケニルから選択され、ここでC1-4アルキルまたはC2-6アルケニルは、C1-4アルキル、OH、OC1-4アルキル、NR12R13で任意選択で置換されていてもよく、R12およびR13はそれぞれ独立して、H、C1-4アルキルであるか、または結合して、O、S、NR14から選択された原子を任意選択で含有する任意選択で置換された3〜8員環を形成していてもよく、NR14は、H、C1-4アルキルから選択される。
第2の態様において、本発明は、担体、および本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物を含む組成物にある。
第3の態様において、本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患状態を治療する方法であって、治療上有効量の本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物、または治療上有効量の本発明の第2の態様の組成物を投与することを含む方法にある。
他の態様において、本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患状態を治療するための薬剤の調製における前記化合物の使用を提供する。
第1の態様において、本発明は、以下の一般式の化合物、あるいは
薬剤として許容されるその塩、水和物、溶媒和物、結晶形態、またはジアステレオマーにあり、
式中、Dは、以下から選択された複素環であり、
式中、X1、X2、X3、X4は任意選択で置換された炭素であるか、またはX1、X2、X3、X4の1つはNであり、R2は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、CH2F、CHF2、CF3、OCF3、アリール、ヘタリール、C1-4アルキルOC1-4アルキル、C1-4アルキルOアリール、C1-4アルキルNR3R4、CO2R3、CONR3R4、CONR3SO2R4、NR3R4、C1-4アルキルNR3R4、ニトロ、NR3COR4、NR5CONR3R4、NR3SO2R4、C1-4アルキルNR3COR4、C1-4アルキルNR5CONR3R4、C1-4アルキルNR3SO2R4から独立して選択された0〜4個の置換基であり、R3、R4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CH2F、CHF2、CF3、C1-4アルキル、C1-4アルキルシクロアルキル、C1-4シクロヘタルキル、アリール、C1-4アルキルアリール、ヘタリール、C1-4アルキルヘタリールであるか、または結合して、O、S、NR6から選択された原子を任意選択で含有する任意選択で置換された3〜8員(飽和または不飽和)環を形成していてもよく、R5は、H、C1-4アルキル、ハロゲン、CH2F、CHF2、CF3、アリール、またはヘタリールから選択され、R6は、H、C1-4アルキル、アリール、ヘタリール、C1-4アルキルアリール、C1-4アルキルヘタリールから選択され、
R1は、H、C1-4アルキル、C1-6シクロアルキルであり、
Qは、結合、CH2、C1-4アルキルであり、
Aは、ハロゲン、C1-4アルキル、CH2F、CHF2、CF3、OCF3、CN、NR8R9、アリール、ヘタリール、C1-4アリール、C1-4ヘタリール、C1-4アルキルNR8R9、0C1-4アルキルNR8R9、ニトロ、NR10C1-4アルキルNR8R9、NR8COR9、NR10CONR8R9、NR8SO2R9、CONR8R9、CO2R8から独立して選択された0〜3個の置換基で任意選択で置換されたアリール、ヘタリールであり、R8およびR9はそれぞれ独立して、H、C1-4アルキル、アリールであるか、またはO、S、NR11から選択されたヘテロ原子を含有することのできる任意選択で置換された4〜8員環を共に形成し、R11はC1-4アルキルであり、R10は、H、C1-4アルキルから選択され、
Wは、H、C1-4アルキル、C2-6アルケニルから選択され、ここでC1-4アルキルまたはC2-6アルケニルは、C1-4アルキル、OH、OC1-4アルキル、NR12R13で任意選択で置換されていてもよく、R12およびR13はそれぞれ独立して、H、C1-4アルキルであるか、または結合して、O、S、NR14から選択された原子を任意選択で含有する任意選択で置換された3〜8員環を形成していてもよく、NR14は、H、C1-4アルキルから選択される。
上記において、
C1-4アルキルは、直鎖または分枝鎖アルキル鎖を意味し、
アリールは、非置換または任意選択で置換されたフェニルまたはナフチルを意味し、
ヘタリールは、O、N、Sから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含有する非置換または任意選択で置換された5または6員芳香族複素環を意味し、
シクロアルキルは、3〜8員飽和環を意味し、
シクロヘタルキルは、O、S、NR13から選択された1〜3個のヘテロ原子を含有し、R13がH、C1-4アルキル、アリール、ヘタリールである3〜8員飽和環を意味することが理解される。
さらなる好ましい実施形態において、化合物は、以下の一般式IIの化合物、あるいは
薬剤として許容されるその塩、水和物、溶媒和物、結晶形態、またはジアステレオマーから選択され、
式中、Dは、以下から選択された複素環であり、
式中、X1、X2、X3、X4は任意選択で置換された炭素であるか、またはX1、X2、X3、X4の1つはNであり、R2は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、CH2F、CHF2、CF3、OCF3、アリール、ヘタリール、C1-4アルキルOC1-4アルキル、C1-4アルキルOアリール、C1-4アルキルNR3R4、CO2R3、CONR3R4、CONR3SO2R4、ニトロ、NR3R4、C1-4アルキルNR3R4、NR3COR4、NR5CONR3R4、NR3SO2R4、C1-4アルキルNR3COR4、C1-4アルキルNR5CONR3R4、C1-4アルキルNR3SO2R4から独立して選択された0〜4個の置換基であり、R3、R4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CH2F、CHF2、CF3、C1-4アルキル、C1-4アルキルシクロアルキル、C1-4シクロヘタルキル、アリール、C1-4アルキルアリール、ヘタリール、C1-4アルキルヘタリールであるか、または結合して、O、S、NR6から選択された原子を任意選択で含有する任意選択で置換された3〜8員(飽和または不飽和)環を形成していてもよく、R5は、H、C1-4アルキル、ハロゲン、CH2F、CHF2、CF3、アリール、またはヘタリールから選択され、R6は、H、C1-4アルキル、アリール、ヘタリール、C1-4アルキルアリール、C1-4アルキルヘタリールから選択され、
R1は、H、C1-4アルキル、C1-6シクロアルキルであり、
Wは、H、C1-4アルキルであり、
Aは、ハロゲン、C1-4アルキル、CH2F、CHF2、CF3、OCF3、CN、ニトロ、NR8R9、アリール、ヘタリール、C1-4アリール、C1-4ヘタリール、C1-4アルキルNR8R9、0C1-4アルキルNR8R9、NR10C1-4アルキルNR8R9、NR8COR9、NR10CONR8R9、NR8SO2R9、CONR8R9、CO2R8から独立して選択された0〜3個の置換基で任意選択で置換されたアリール、ヘタリールであり、R8およびR9はそれぞれ独立して、H、C1-4アルキル、アリールであるか、またはO、S、NR11から選択されたヘテロ原子を含有することのできる任意選択で置換された4〜8員環を共に形成し、R11はC1-4アルキルであり、R10は、H、C1-4アルキルから選択される。
上記において、
C1-4アルキルは、直鎖または分枝鎖アルキル鎖を意味し、
アリールは、非置換または任意選択で置換されたフェニルまたはナフチルを意味し、
ヘタリールは、O、N、Sから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含有する非置換または任意選択で置換された5または6員芳香族複素環を意味し、
シクロアルキルは、3〜8員飽和環を意味し、
シクロヘタルキルは、O、S、NR13から選択された1〜3個のヘテロ原子を含有し、R13がH、C1-4アルキル、アリール、ヘタリールである3〜8員飽和環を意味することが理解される。
本発明の化合物には、すべての配座異性体(たとえば、シスおよびトランス異性体)が含まれる。本発明の化合物は不斉中心を有し、したがって、種々のエナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在する。本発明は、本発明の化合物のすべての光学異性体および立体異性体、ならびにそれらの混合物の使用に関し、さらにそれらを使用または含有することのできるすべての薬剤組成物および治療方法に関する。この点において、本発明はEおよびZ両方の立体配置を含む。式Iの化合物は、互変異性体として存在することもできる。本発明は、そのようなすべての互変異性体、およびそれらの混合物の使用に関する。
本発明はさらに、式Iの化合物のプロドラッグを含有する薬剤組成物を包含する。本発明はさらに、JAKなどのタンパク質キナーゼの阻害によって治療または予防することのできる障害を治療または予防する方法であって、式Iの化合物のプロドラッグを投与することを含む方法を包含する。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシ、またはカルボキシル基を有する式Iの化合物は、プロドラッグに転換することができる。プロドラッグには、アミノ酸残基、または2個以上(たとえば2、3、または4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、式Iの化合物の遊離アミノ、ヒドロキシ、およびカルボン酸基にペプチド結合を介して共有結合している化合物が含まれる。アミノ酸残基には、一般的に3文字の記号で示される20種の天然アミノ酸が含まれ、さらに4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3-メチルヒスチジン、ノルブリン(norvlin)、ベータアラニン、ガンマアミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、およびメチオニンスルホンが含まれる。プロドラッグにはさらに、カーボネート、カルバメート、アミド、およびアルキルエステルが、カルボニル炭素プロドラッグ側鎖を介して上記の式Iの置換基に共有結合している化合物が含まれる。プロドラッグにはさらに、リン-酸素結合を介して式Iの化合物の遊離ヒドロキシルに結合している式Iの化合物のリン酸誘導体(酸、酸の塩、またはエステルなど)が含まれる。
他の好ましい実施形態において、化合物は、Wを有するキラル炭素においてSキラリティを有し、WはC1-4アルキルである。この化合物は、精製された異性体として、または任意の比率の異性体混合物として用いることができる。しかしながら、混合物は、好ましい異性体を少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%含むことが好ましい。
他の好ましい実施形態において、化合物は、
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、N-ベンジル-6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン、N-(4-フルオロベンジル)-6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-ベンジルピラジン-2-アミン、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-(4-フルオロベンジル)ピラジン-2-アミン、6-{5-[(モルホリノ-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-{6-[(モルホリノ-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-(4-モルホリン-4-イルフェニル)ピラジン-2-アミン、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ニコチンアミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]シクロプロパンカルボキサミド、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-[6-(4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(4-フェニル-1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン、1-[6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]メタンスルホンアミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]メタンスルホンアミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]イソニコチンアミド、6-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]イソニコチンアミド、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-[5-(4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、1-[6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、6-(5-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]ニコチンアミド、N-メチル-1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]-2,2-ジメチルプロパンアミド、N-メチル-1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-2,2-ジメチルプロパンアミド、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン、2-メトキシ-N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]アセトアミド、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン、2-メトキシ-N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]アセトアミド、N-ベンジル-1-[6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ピラジン-2-カルボキサミド、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-N-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]ピラジン-2-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]アセトアミド、6-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]アセトアミド、[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]メタノール、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]ベンズアミド、[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]メタノール、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ベンズアミド、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-N-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン、tert-ブチル(2S)-2-({[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]アミノ}カルボニル)ピロリジン-1-カルボキシレート、6-(3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-3-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[1-(4-フルオロフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(4-ピリジン-3-イルフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン、(2S)-N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ピロリジン-2-カルボキサミド、N-[(1S)-1-フェニルエチル]-6-(5-ピリジン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン、N-[(1S)-1-フェニルエチル]-6-(5-ピリジン-3-イル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン、6-(5-ブロモ-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン、N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-1-[6-([(1S)-1-フェニルエチル]アミノ)ピラジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド、N-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド、N-(3-モルホリン-4-イルプロピル)-1-[6-([(1S)-1-フェニルエチル]アミノ)ピラジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド、N-(3-モルホリン-4-イルプロピル)-1-[6-([(1S)-1-フェニルエチル]アミノ)ピラジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ピペリジン-3-カルボキサミド、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-ピリジン-3-イルエチル]ピラジン-2-アミン、6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(1,1'-ビフェニル-4-イル)エチル]ピラジン-2-アミン、N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ベンゼンスルホンアミド、および6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(1,1'-ビフェニル-4-イル)エチル]ピラジン-2-アミンからなるグループから選択される。
第2の態様において、本発明は、担体、および本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物を含む組成物にある。
第3の態様において、本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患状態を治療する方法であって、治療上有効量の本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物、または治療上有効量の本発明の第2の態様の組成物を投与することを含む方法にある。
好ましい実施形態において、疾患状態は、EGF、HER2、HER3、HER4、IR、IGF-1R、IRR、PDGFR.アルファ.、PDGFR.ベータ.、CSFIR、C-Kit、C-fms、Flk-1R、Flk4、KDR/Flk-1、Flt-1、FGFR-1R、FGFR-2R、FGFR-3R、およびFGFR-4Rからなるグループから選択された受容体チロシンキナーゼに関連する。
他の好ましい実施形態において、疾患状態は、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、ZAP70、Fes/Fps、Fak、Ack、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、Fgr、およびYrkからなるグループから選択された細胞チロシンキナーゼに関連する。
他の好ましい実施形態において、疾患状態は、JAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2からなるグループから選択されたチロシンキナーゼに関連する。
他の好ましい実施形態において、疾患状態は、ERK2、c-Jun、p38 MAPK、PKA、PKB、PKC、サイクリン依存性キナーゼ、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、およびCDK11からなるグループから選択されたセリン/トレオニンキナーゼに関連する。
本発明の好ましい実施形態において、疾患状態は、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎(湿疹)、およびアレルギー性鼻炎などのアトピー、アレルギー性接触皮膚炎および過敏性肺炎などの細胞媒介過敏症、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎などのリウマチ病、I型糖尿病、自己免疫甲状腺障害、およびアルツハイマー病などの他の自己免疫疾患、エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)などのウイルス疾患、白血病、リンパ腫、および前立腺癌などの癌からなるグループから選択される。
本明細書では、「タンパク質キナーゼ関連疾患状態」という用語は、異常なタンパク質キナーゼ活性、特にJAK活性に起因し、かつ/あるいは1種または複数のそれらの酵素の阻害によって緩和される障害を指す。
他の態様において、本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患状態を治療するための薬剤の調製における前記化合物の使用を提供する。
本明細書では、「JAK」、「JAKキナーゼ」、または「JAKファミリー」という用語は、本明細書に記載のJAK1、JAK2、JAK3、およびTYKの特徴的性質を有するタンパク質チロシンキナーゼを指す。
本発明は、JAK関連障害などのタンパク質キナーゼ関連障害を治療することのできる有効量の本発明の少なくとも1種の化合物、および薬剤として許容されるビヒクルまたは希釈剤を含む薬剤組成物を提供する。本発明の組成物は、以下に記載する他の治療剤を含有することができ、薬剤製剤の分野でよく知られているような技術に従って、たとえば通常の固体または液体ビヒクルまたは希釈剤、ならびに所望の投与形態に適した種類の薬剤添加剤(たとえば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、香味剤など)を用いて製剤化することができる。
本発明の化合物は、たとえば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、または粉剤などの形態で経口投与、舌下投与、頬腔内投与、皮下、静脈内、筋内、または槽内注射、あるいは注入技法などにより非経口投与(たとえば、無菌注入可能水性または非水性溶液または懸濁液として)、吸入スプレーなどにより経鼻投与、クリームまたは軟膏などの形態で局所投与、あるいは坐剤などの形態で直腸投与などの任意の適切な手段によって、薬剤として許容される非毒性ビヒクルまたは希釈剤を含有する投与単位製剤で投与することができる。この化合物は、たとえば即時放出または持続放出に適した形態で投与することができる。即時放出または持続放出は、本発明の化合物を含む適切な薬剤組成物を用いて、あるいは特に持続放出の場合には、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプなどの装置を用いて達成することができる。この化合物は、リポソームによって投与することもできる。
ヒトなどの霊長類に加えて、本発明の方法に従って他の種々の哺乳動物を治療することができる。たとえば、これに限定されるものではないが、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、あるいは他のウシ類、ヒツジ類、ウマ類、イヌ類、ネコ類、齧歯類、またはマウス類を含む哺乳動物を治療することができる。しかしながら、本方法は、鳥類(たとえば、ニワトリ)などの他の種で実施することもできる。
炎症および感染に関連する疾患および状態を、本発明の方法を用いて治療することができる。好ましい実施形態において、この疾患または状態は、炎症応答を調節するために、好酸球および/またはリンパ球の作用が阻害または促進される疾患または状態である。
上記方法で治療される、JAK阻害が望まれる対象は、これに限定されるものではないが、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、あるいは他のウシ類、ヒツジ類、ウマ類、イヌ類、ネコ類、齧歯類、またはマウス類を含む哺乳動物であり、好ましくはヒトの男性または女性である。
「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医学者が求める、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を誘出する対象組成物の量を意味する。
本明細書では、「組成物」という用語は、指定量の指定成分を含む生成物、ならびに指定量の指定成分の組合せから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものである。「薬剤として許容される」とは、担体、希釈剤、または賦形剤が、製剤の他の成分と適合性であり、受容者に有害であってはならないことを意味する。
化合物の「投与」および/または化合物を「投与する」という用語は、治療を必要とする個体に本発明の化合物を提供することを意味するものであると理解されるべきである。
本発明の化合物を投与するための薬剤組成物は、好都合には投与単位形態で提供することができ、薬学分野でよく知られている任意の方法によって調製することができる。すべての方法は、1種または複数の補助成分を構成する担体と活性成分とを混合するステップを含む。一般に、この薬剤組成物は、活性成分を液体担体、または微細に分割された固体担体、あるいはその両方と均一かつ充分に混合し、その後、必要であれば所望の製剤に成形することによって調製される。薬剤組成物において、活性な対象化合物は、疾患の経過または状態に所望の効果を生じるのに充分な量で含まれる。本明細書では、「組成物」という用語は、指定量の指定成分を含む生成物、ならびに指定量の指定成分の組合せから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものである。
活性成分を含有する薬剤組成物は、たとえば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁剤、分散性粉剤または顆粒剤、エマルション、硬質または軟質カプセル剤、あるいはシロップ剤、またはエリキシル剤などの、経口使用に適した形態であることができる。経口で用いる組成物は、薬剤組成物を製造するために当分野で知られている任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬剤として外見がよく風味のよい製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなるグループから選択された1種または複数の薬剤を含有させることができる。錠剤は、錠剤の製造に適した薬剤として許容される非毒性賦形剤と混合した活性成分を含有する。それらの賦形剤は、たとえば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、コーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤、デンプン、ゼラチン、またはアカシアなどの結合剤、ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどの潤滑剤であることができる。錠剤は被覆されていなくてもよく、あるいは消化管での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長期間にわたる持続性作用を提供するために、既知の技法によって被覆されていてもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いることができる。それらを被覆して、放出を制御する浸透性治療錠剤を形成することもできる。
経口で用いるための製剤は、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンなどの不活性固体希釈剤と活性成分が混合されている硬ゼラチンカプセル剤として、あるいは水、またはたとえば落花生油、パラフィン油、またはオリーブ油などの油性媒体と活性成分が混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提供することもできる。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含有する。そのような賦形剤は、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴムなどの懸濁化剤であり、分散剤または湿潤剤は、たとえばレシチンなどの天然ホスファチド、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、たとえばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど、または脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであることができる。水性懸濁剤はさらに、1種または複数の保存剤、たとえばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn-プロピル、1種または複数の着色剤、1種または複数の香味剤、および1種または複数の甘味剤、たとえばショ糖またはサッカリンなどを含有することができる。
油性懸濁剤は、たとえば落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油などの植物油、またはパラフィン油などの鉱油に活性成分を懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁剤は、たとえば蜜ロウ、固形パラフィン、またはセチルアルコールなどの増粘剤を含有することができる。風味のよい経口製剤を提供するために、上記のような甘味剤、および香味剤を添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加して保存することができる。
水を添加して水性懸濁剤を調製するのに適した分散性粉剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種または複数の保存剤と混合した活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤の例は、前に述べたものである。他の賦形剤、たとえば甘味剤、香味剤、および着色剤などを含むこともできる。
本発明の薬剤組成物は、水中油型エマルションの形態であることもできる。油相は、オリーブ油または落花生油などの植物油、あるいはパラフィン油などの鉱油、あるいはそれらの混合物であることができる。適切な乳化剤は、アカシアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然ゴム、ダイズ、レシチンなどの天然ホスファチド、モノオレイン酸ソルビタンなどの脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのエチレンオキシドと前記部分エステルの縮合生成物であることができる。エマルションはさらに、甘味剤および香味剤を含有することができる。
シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはショ糖などの甘味剤を用いて製剤化することができる。そのような製剤はさらに、粘滑剤、保存剤、香味剤、および着色剤を含むことができる。
薬剤組成物は、注射可能な無菌水性または油性懸濁剤の形態であることができる。この懸濁剤は、前述の適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、当分野で知られている技術に従って製剤化することができる。注射可能な無菌製剤は、たとえば1,3-ブタンジオール溶液など、非経口として許容される非毒性希釈剤または溶媒の無菌注射可能溶液または懸濁液であることもできる。用いることのできる許容ビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌固定油も慣習的に溶媒または懸濁媒体として用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も注射可能剤の製剤に有用である。
本発明の化合物は、薬剤を直腸投与するための坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体であるために、直腸で融解して薬剤を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することによって調製できる。そのような材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
局所使用の場合、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液などが用いられる(この適用に関して、局所適用には口腔洗浄剤および咽頭洗浄剤が含まれる)。
本発明の化合物は、リポソームの形態で投与することもできる。当分野で知られているとおり、リポソームは一般にリン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体に分散された単層または多層水和液晶によって形成される。リポソームを形成することのできる、生理的に許容され代謝可能な任意の非毒性脂質を用いることができる。リポソーム形態の本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有できる。好ましい脂質は、天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリンである。リポソームを形成する方法は当分野で知られている。
本発明の薬剤組成物および方法はさらに、上記の疾病状態の治療に通常用いられる、本明細書に記載の他の治療上活性な化合物を含むことができる。併用療法に用いる適切な薬剤は、通常の薬学原理に従って、当分野の技術者によって選択されることができる。この治療剤の組合せは、相乗的に作用し、上記の種々の障害を治療または予防する可能性がある。このアプローチを用いることによって、各薬剤の用量を減らし、それにより副作用の可能性を低減しながら、治療効果を得られる可能性がある。
他の治療剤の例には以下のものが含まれる。シクロスポリン(たとえば、シクロスポリンA)、CTLA4-Ig、抗体、たとえばICAM-3、抗IL-2受容体(抗Tac)、抗CD45RB、抗CD2、抗CD3(OKT-3)、抗CD4、抗CD80、抗CD86など、CD40とgp39の相互作用を遮断する薬剤、たとえばCD40および/またはgp39に特異的な抗体(すなわちCD154)、CD40およびgp39から構築された融合タンパク質(CD401gおよびCD8gp39)など、阻害剤、たとえばデオキシスパガリン(DSG)などのNF-カッパB機能の核転座阻害剤、HMG CoA還元酵素阻害剤(ロバスタチンおよびシンバスタチン)などのコレステロール生合成阻害剤、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、およびロフェコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンなどのステロイド、金化合物、メトトレキサート、FK506(タクロリムス、プログラフ)、ミコフェノレートモチフェルなどの抗増殖剤、アザチオプリン、VP-16、エトポシド、フルダラビン、シスプラチン、およびシクロホスファミドなどの細胞傷害性剤、テニダップなどのTNF-α阻害剤、抗TNF抗体、または可溶性TNF受容体、およびラパマイシン(シロリムスまたはラパミューン)、あるいはそれらの誘導体である。
本発明の化合物と組み合わせて他の治療剤が用いられるとき、それらの薬剤は、たとえばPhysician Desk Reference(PDR)に記載の量、または他の方法で当分野の技術者によって決定された量で用いることができる。
タンパク質チロシンキナーゼの阻害を要する状態の治療または予防において、適切な用量レベルは一般に、1日当たり、患者の体重1kg当たり約0.01から500mgとなり、これを単回または複数回で投与することができる。好ましくは、用量レベルは、約0.1から約250mg/kg/日、より好ましくは約0.5から約100mg/kg/日となる。適切な用量レベルは、約0.01から250mg/kg/日、約0.05から100mg/kg/日、または約0.1から50mg/kg/日であることができる。この範囲内で、用量は、0.05から0.5、0.5から5、または5から50mg/kg/日であることができる。経口投与の場合、組成物は、好ましくは1.0から1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤、特に治療を受ける患者の症状に合わせて用量を調節するために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。化合物は、1日1回から4回、好ましくは1日1回または2回の投与計画で投与することができる。
しかしながら、特定の患者に対する特定の用量レベルおよび投与頻度は一様でなく、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与形態および時間、排出速度、併用薬剤、特定の状態の重篤度、および治療を受けている宿主を含む種々の要因によって決まることが理解されよう。
本明細書を通じて、「含む(comprise)」という語、あるいは「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」などの変形形態は、記載した要素、整数、または段階、あるいは要素、整数、または段階の群を含むことを意味するものであるが、他の任意の要素、整数、または段階、あるいは要素、整数、または段階の群を除外するものではないことが理解されよう。
本明細書に記載したすべての刊行物を参照により本明細書の一部とする。
本明細書に含まれるいずれの文書、行為、材料、装置、物品などに関する議論は、単に本発明のコンテクストを提供することを目的とするものである。それらの事項のいずれかまたはすべてが、従来技術の基礎の一部を構成することを認めるものとして理解されるべきではなく、あるいは本出願の各請求項の優先日前にそれらがオーストラリアに存在したものとして本発明に関する分野の共通の一般知識であったことを認めるものとして理解されるべきものではない。
本発明の性質をより明確に理解するために、本発明の好ましい形態を、以下の非限定的な実施例を参照することにより記載する。
材料および方法
化合物合成
化合物は一般に2,6-ジクロロピラジンから2段階の工程で調製される。
第1段階は、モノアミノ-モノハロ中間体を生成する求核芳香族置換である(スキーム1)。
求核芳香族置換は典型的に、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、ジオキサン、THF、DMF、トルエン、またはキシレンなどの溶媒中、ジハロゲン化複素環に第1級アミンを添加することによって行われる。この反応は典型的に、過剰アミン、あるいは非求核塩基、たとえばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど、あるいは無機塩基、たとえば炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなどの存在下、高温で行われる。
あるいは、アミノ置換基は、遷移金属触媒性アミノ化反応によって導入することもできる。そのような転換の典型的な触媒には、Pd(OAc)2/P(t-Bu)3、Pd2(dba)3/BINAP、およびPd(OAc)2/BINAPが含まれる。
これらの化合物の合成の第1段階に用いられるアミンは、市販により入手されるか、あるいは当分野の技術者によく知られている方法を用いて調製される。特に注目すべきは、市販により入手されるか、オキシムの還元(スキーム2)によって調製することのできるα-メチルベンジルアミンである。典型的な還元剤には、水素化アルミニウムリチウム、活性炭担持触媒性パラジウム存在下の水素ガス、塩酸存在下のZn、TiCl3、ZrCl4、NiCl2、およびMoO3などのルイス酸存在下の水素化ホウ素ナトリウム、またはAmberlyst H15イオン交換樹脂およびLiClと組み合わせた水素化ホウ素ナトリウムが含まれる。オキシムは、ヒドロキシルアミンとの縮合によって、対応するケトンから1段階で得られる。この反応は一般に、水またはエタノールなどのプロトン性溶媒中、0℃から還流温度で行われる。ヒドロキシルアミンは一般に、その塩酸塩の形態で用いられ、したがって反応は、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で行われる。出発原料として用いられるケトンは一般に、市販により入手されるか、当分野の技術者によく知られている手順によって得られる。
光学純度の高いα-メチルベンジルアミンは、当分野の技術者によく知られている方法を用いてキラルα-メチルベンジルアルコールから調製することができる。そのような方法には、メシレートまたはトシレートとしてヒドロキシルを誘導体化すること、およびフタルイミドまたはアジドなどの窒素求核試薬で置換し、次いでそれを通常の合成法を用いて第1級アミンに転換することが含まれ、あるいはMitsunobu条件下で適切な窒素求核試薬によってヒドロキシルを置換することが含まれる。キラルα-メチルベンジルアルコールは、対応するケトンのキラル還元によって得ることができる。キラル還元法は、現在では有機化学においてよく知られており、酵素処理、不斉水素化手順、およびキラルオキサザボロリジンを含む。
合成の第2段階は、イミダゾール、ベンズイミダゾール、またはインダゾールによるモノクロロ-モノアミノピラジンの求核芳香族置換反応を含む。この反応は典型的に、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエン、またはキシレンなどの溶媒中、室温から還流温度で、イミダゾール、ベンズイミダゾール、またはインダゾールの塩を用いて行われる。このイミダゾール、ベンズイミダゾール、またはインダゾール塩は、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの金属水素化物との反応によって、あるいは炭酸セシウムとの反応によって調製される。あるいは、金属触媒性カップリング反応を用いて、イミダゾール、ベンズイミダゾール、またはインダゾール環を導入することができる。この反応は典型的に、キシレン、トルエン、およびDMFなどの溶媒中、室温から還流温度で、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、炭酸カリウム、tert-ブトキシドナトリウム、またはリン酸カリウムなどの塩基を用いて行われる。相間移動剤(たとえば、臭化セトリモニウム)、または銅錯化剤(たとえば、フェナントロリン)などの補助試薬をこの反応に用いることもできる。
この反応に用いられるイミダゾール、ベンズイミダゾール、またはインダゾール成分は、市販により入手されるか、あるいは当分野の技術者によく知られている技法によって、市販され入手可能なイミダゾール類、ベンズイミダゾール類、またはインダゾール類から調製される。
あるいは、イミダゾール、ベンズイミダゾール、またはインダゾール誘導体は、モノアミノモノクロロピラジンと反応させ、その生成物を当分野の技術者によく知られている方法を用いてさらに誘導体化することができる。
代表的な合成を以下に示す。
6-クロロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
R-α-メチルベンジルアミン(3.64g、30.0mmol)および2,6-ジクロロピラジン(1.50g、10.0mmol)のジオキサン(5mL)溶液を、N2下、48時間加熱還流した。溶媒を除去し、生成物をトルエン-ヘキサンから結晶化した。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.59(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.88(q,1H,J=6.6Hz,CH)、5.13(br s,1H,NH)、7.27〜7.36(m,5H,ArH)、7.64(s,1H, ピラジン-H)、7.79(s,1H, ピラジン-H)。
6-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
イミダゾール(82mg、1.2mmol)の無水DMF(5mL)攪拌溶液に、N2下0℃で水素化ナトリウム(58mg、油中60%分散、1.45mmol)を添加した。この混合物を0℃で10分間、室温で30分間攪拌した。この混合物に6-クロロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(280mg、1.2mmol)のDMF(5mL)溶液を添加した。次いで、混合物を室温で62時間攪拌し、その後、18時間加熱還流した。減圧下でDMFを除去し、残渣をクロロホルムで希釈した。有機層を水で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物を得た。溶離液としてジクロロメタン-メタノール(19:1→10:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、生成物(177mg、56%)から回収出発原料を分離した。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.62(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.97(m,1H,CH)、5.46(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.17(s,1H,イミダゾール-H)、7.23〜7.40(m,5H,Ph-H)、7.47(s,1H,イミダゾール-H)、7.76(s,1H,ピラジン-H)、7.91(s,1H,ピラジン-H)、8.20(s,1H,イミダゾール-H)。
m/z(ES)266(M++H)、162、105。
6-クロロ-N-(4-モルホリン-4-イルフェニル)ピラジン-2-アミン
実施例1に類似の手順で、4-モルホリノアニリン(2.15g、12.1mmol)および2,6-ジクロロピラジン(0.756g、5.03mmol)の反応から生成物(0.54g、37%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ3.25(br s,4H,CH2)、3.99(br s,4H,CH2)、7.05〜7.17(m,2H,ArH)、7.42〜7.54(m,2H,ArH)、7.94(s,1H,ピラジン-H)、8.04(s,1H,ピラジン-H)、8.06(s,1H,NH)。
6-クロロ-N-(4-フルオロベンジル)ピラジン-2-アミン
実施例1に類似の手順で、4-フルオロベンジルアミン(3.75g、30.0mmol)および2,6-ジクロロピラジン(1.49g、10.0mmol)の反応から生成物(2.35g、99%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ4.53(s,2H,CH2)、5.08(br s,1H,NH)、7.01〜7.07(m,2H,ArH)、7.30〜7.34(m,2H,ArH)、7.77(s,1H,ピラジン-H)、7.83(s,1H,ピラジン-H)。
6-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-(4-モルホリン-4-イルフェニル)ピラジン-2-アミン
実施例2に類似の手順で、6-クロロ-N-(4-モルホリン-4-イルフェニル)ピラジン-2-アミン(100mg、0.34mmol)およびイミダゾール(126mg、0.38mmol)の反応から生成物(37mg、34%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ3.18(br s,4H,2CH2)、3.87〜3.91(m,4H,2CH2)、6.77(s,1H,イミダゾール-H)、6.94〜6.98(m,2H,ArH)、7.36(d,2H,J=8.7Hz,ArH)、7.62(br s,1H,イミダゾール-H)、8.03(s,1H,ピラジン-H)、8.08(s,1H,ピラジン-H)、8.39(br s,1H,イミダゾール-H)。
m/z(ES)323(M++H)。
N-(4-フルオロベンジル)-6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン
実施例2に類似の手順で、6-クロロ-N-(4-フルオロベンジル)ピラジン-2-アミン(240mg、1.01mmol)およびイミダゾール(76mg、1.11mmol)の反応から生成物(210mg、65%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ4.59(d,2H,J=5.7Hz,CH2)、5.23(t-様,1H,NH)、7.03〜7.08(m,2H,ArH)、7.20(s,1H,イミダゾール-H)、7.32〜7.37(m,2H,ArH)、7.55(s,1H,イミダゾール-H)、7.85(s,1H,ピラジン-H)、8.00(s,1H,ピラジン-H)、8.29(s,1H,イミダゾール-H)。
m/z(ES)270(M++H)。
6-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例2に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(150mg、0.64mmol)および2-メチルイミダゾール(58mg、0.71mmol)の反応から生成物(172mg、40%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.59(d,3H,J=6.8Hz,CH3)、2.43(s,3H,CH3)、4.98(m,1H,CH)、5.45(br s,1H,NH)、6.98(d,1H,J=1.3Hz,イミダゾール-H)、7.17(d,1H,J=1.3Hz,イミダゾール-H)、7.22〜7.35(m,5H,ArH)、7.82(s,1H,ピラジン-H)、7.84(s,1H,ピラジン-H)。
m/z(ES)280(M++H)。
N-(4-フルオロベンジル)-6-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン
実施例2に類似の手順で、6-クロロ-N-(4-フルオロベンジル)ピラジン-2-アミン(150mg、0.63mmol)および2-メチルイミダゾール(57mg、0.69mmol)の反応から生成物(42mg、23%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.56(s,3H,CH3)、4.57(d,J=5.7Hz,1H,CH2)、5.34(br s,1H,NH)、7.01〜7.07(m,3H,Ar-H)、7.26(s,1H,イミダゾール-H)、7.29〜7.34(m,2H,ArH)、7.92(s,2H,ピラジン-H)。
m/z(ES)284(M++H)。
N-(4-フルオロベンジル)-6-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミンおよびN-(4-フルオロベンジル)-6-(5-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン
実施例2に類似の手順で、2-(4-フルオロベンジルアミノ)-6-クロロ-ピラジン(190mg、0.80mmol)および4-メチルイミダゾール(72mg、0.88mmol)の反応から以下の生成物、4-メチル誘導体(100mg、44%)、5-メチル誘導体(19mg、8%)を得た。
(4-メチル誘導体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.31(s,3H,CH3)、4.58(d,2H,J=5.7Hz,CH2)、5.40(br s,1H,NH)、6.92(s,1H,イミダゾール-H)、7.00〜7.08(m,2H,ArH)、7.25(s,1H,イミダゾール-H5)、7.31〜7.36(m,2H,ArH)、7.84(s,1H,ピラジン-H5)、7.93(s,1H,ピラジン-H3)、8.24(br s,1H,イミダゾール-H2)。
m/z(ES)284(M++H)。
(5-メチル誘導体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.34(s,3H,CH3)、4.57(d,2H,J=5.7Hz,CH2)、5.44(br s,1H,NH)、6.92(s,1H,イミダゾール-H)、7.00〜7.07(m,2H,ArH)、7.28〜7.34(m,2H,ArH)、7.93(s,1H,ピラジン-H)、7.95(s,1H,ピラジン-H)、7.98(br s,1H,イミダゾール-H)。
m/z(ES)284(M++H)。
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(4-フェニル-1H-イミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン
実施例2に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(180mg、0.77mmol)および4-フェニルイミダゾール(122mg、0.85mmol)の反応から生成物(176mg、67%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.93〜5.02(m,1H,CH)、5.26(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.25〜7.44(m,8H,ArH)、7.72(d,1H,J=1.2Hz,イミダゾール-H)、7.77(s,1H,ピラジン-H)、7.82〜7.86(m,2H,ArH)、7.92(s,1H,ピラジン-H)、8.22(s,1H,イミダゾール-H)。
m/z(ES)342(M++H)。
実施例1に類似の手順で、ベンジルアミン(3.21g、30.0mmol)および2,6-ジクロロピラジン(1.49g、10.0mmol)の反応から生成物(2.15g、98%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ4.55(d,2H,J=5.7Hz,CH2)、7.28〜7.40(m,5H,ArH)、7.76(s,1H,ピラジン-H)、7.83(s,1H,ピラジン-H),。
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-ベンジルピラジン-2-アミン
ベンズイミダゾール(130mg、1.1mmol)の無水DMF(5mL)攪拌溶液に、N2下0℃で水素化ナトリウム(56mg、油中60%分散、1.45mmol)を2分かけて少しずつ添加した。この混合物を0℃で15分間、室温で60分間攪拌した。これに(6-クロロ-ピラジン-2-イル)-(1-ベンジル)-アミン(220mg)のDMF(5mL)溶液を添加し、得られた混合物を18時間加熱還流した。減圧下でDMFを除去し、残渣をクロロホルムで希釈した。有機層を水で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物を得た。溶離液としてジクロロメタン-メタノール(20:1→10:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、生成物(100mg)を分離した。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ4.66(d,2H,J=5.7Hz,CH2)、5.56(m,1H,NH)、7.29〜7.39(m,7H,Ar-H)、7.78〜7.89(m,2H,Ar-H)、7.92(s,1H,ピラジン-H)、8.16(s,1H,ピラジン-H)、8.48(s,1H,ベンズイミダゾール-H2)。
m/z(ES)302(M++H)。
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(240mg、1.03mmol)およびベンズイミダゾール(130mg、1.10mmol)の反応から生成物(187mg、59%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.6Hz,CH3)、4.98〜5.20(m,1H,CH)、5.58(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.25〜7.42(m,6H,Ph-H,ベンズイミダゾール-H)、7.70(dd,1H,J=7.2,1.0Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.82(dd,1H,J=8.0,1.2Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.87(s,1H,ピラジン-H)、8.11(s,1H,ピラジン-H)、8.38(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)315(M++H)、212、105。
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(140mg、0.60mmol)およびベンズイミダゾール(78mg、0.66mmol)の反応から生成物(71mg、38%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.57(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.95(m,1H,CH)、5.29(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.19〜7.35(m,7H,Ph-H,ベンズイミダゾール-H)、7.63〜7.66(m,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.74〜7.77(m,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.78(s,1H,ピラジン-H)、8.06(s,1H,ピラジン-H)、8.31(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)316(M++H)、212、105
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-(4-モルホリン-4-イルフェニル)ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-(4-モルホリン-4-イルフェニル)ピラジン-2-アミン(150mg、0.52mmol)およびベンズイミダゾール(67mg、0.57mmol)の反応から生成物(60mg、31%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ3.19(br s,4H,2CH2)、3.90(t,4H,J=4.6Hz,2CH2)、6.69(s,1H,NH)、6.98(d,2H,J=8.4Hz,ArH)、7.37〜7.41(m,4H,ArH)、7.87〜7.90(m,1H,ArH)、8.00〜8.03(m,1H,ArH)、8.08(s,1H,ピラジン-H)、8.31(s,1H,ピラジン-H)、8.59(s,1H,ベンズイミダゾール-H2)。
m/z(ES)373(M++H)。
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-(4-フルオロベンジル)ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-(4-フルオロベンジル)ピラジン-2-アミン(240mg、1.01mmol)およびベンズイミダゾール(130mg、1.1mmol)の反応から生成物(170mg、53%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ4.64(d,2H,J=5.7Hz,CH2)、5.46(br s,1H,NH)、7.06(m,2H,ArH)、7.30〜7.38(m,4H,ArH)、7.82〜7.88(m,2H,ArH)、7.93(s,1H,ピラジン-H)、8.20(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.49(s,1H,ピラジン-H)。
m/z(ES)320(M++H)。
6-(1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミンおよび6-(3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(240mg、1.03mmol)および4-アザベンズイミダゾール(130mg、1.09mmol)の反応から、位置異性体の1:1混合物として生成物(7mg、2%)を得た。
1H-n.m.r.(1:1混合物)(CDCl3)δ1.54(d,3H,CH3)、1.63(d,3H,CH3)、4.63(br s,1H,NH)、4.82〜4.91(m,1H,CH)、4.95〜5.04(m,1H,NH)、5.16(m,1H,NH)、7.07(s,1H,ArH)、7.22〜7.43(m,16H,ArH)、7.87(s,1H,ArH)、8.11(dd,1H,J=8.1,1.5Hz,ArH)、8.48(dd,1H,J=4.8,1.2Hz,ArH)、8.80(s,1H,ArH)。
m/z(ES)317(M++H)。
6-(5-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミンおよび6-(6-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(91mg、0.39mmol)および5-メチルベンズイミダゾール(57mg、0.43mmol)の反応から、1:1混合物として生成物(61mg、148%)を得た。
1H-n.m.r.(1:1混合物)(CDCl3)δ1.65(d,3H,CH3)、1.66(d,3H,CH3)、2.49(s,3H,CH3)、2.50(s,3H,CH3)、5.01(m,1H,CH)、5.04(m,1H,CH)、5.56(d,1H,NH)、5.62(d,1H,NH)、7.27〜7.45(m,10H,Ph-H)、7.56〜7.85(m,4H,ベンズイミダゾール-H)、7.94(s,1H,ピラジン-H)、7.97(s,1H,ピラジン-H)、8.02(s,2H,ベンズイミダゾール-H)、8.16(s,1H,ピラジン-H)、8.17(s,1H,ピラジン-H)、8.59(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.70(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)330(M++H)。
6-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(120mg、0.51mmol)および2-メチルベンズイミダゾール(75mg、0.57mmol)の反応から生成物(18mg、11%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、2.59(s,3H,CH3)、4.93(m,1H,CH)、5.89(br s,1H,NH)、7.16〜7.49(m,7H,ArH)、7.93(d,2H,J=8.1Hz,Ar-H)、8.00(br s,1H,ピラジン-H)、8.23(br s,1H,ピラジン-H)。
m/z(ES)330(M++H)。
N-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド
ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(0.40g、2.50mmol)のベンゼン(8mL)攪拌懸濁液に、室温で塩化チオニル(2mL)を1滴ずつ添加した。次いで、この混合物すべてを5時間加熱還流した。ベンゼンおよび塩化チオニルを減圧下で蒸発させて除去し、得られた酸塩化物をテトロヒドロフランに懸濁した。これに2-ヒドロキシエチルアミンを0℃で1滴ずつ添加し、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。その後、溶媒をデカントし、残渣をジエチルエーテル(40mL)で洗浄した。次いで、残渣の油を冷水(5mL)で処理し、水溶液を慎重にデカントした。このステップを繰り返し、薄茶色の固形としてアミド0.19g(37%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ3.30〜3.37(m,2H,CH2)、3.51〜3.55(m,2H,CH2)、4.69(s,1H,OH)、7.59(d,1H,J=8.1Hz,ArH)、7.73(d,1H,J=8.4Hz,ArH)、8.13(br s,1H,NH)、8.30(s,1H,H-4)、8.35(br s,1H,H-2)、12.47(br s,1H,CONH)。
1-[6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(91mg、0.39mmol)およびベンズイミダゾール5-カルボン酸(2-ヒドロキシエチル)アミド(88mg、0.43mmol)の反応から生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィーによって精製した(22mg、14%)。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、3.68(2H,dt,J=5.1Hz,CH2NH)、3.91(2H,t,J=5.1Hz,CH2OH)、4.98(m,1H,CH)、5.50(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.15(1H,t,J=5.1Hz,CONH)、7.28〜7.41(m,5H,Ar-H)、7.60(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.73(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.88(s,1H,ピラジン-H)、8.05(s,1H,ピラジン-H)、8.20(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.40(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。m/z(ES)403(M++H)。
[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]メタノールおよび[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]メタノール
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(1.07g、4.6mmol)および5-ヒドロキシメチルベンズイミダゾール(0.68g、Y4.60mmol)の反応から、カラムクロマトグラフィーで分離した2種の生成物を得た。5-ヒドロキシメチル異性体(34mg、2%)、6-ヒドロキシメチル異性体(36mg、2%)。
(5-ヒドロキシメチル異性体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.82(s,2H,CH2OH)、5.03(m,1H,CH)、5.26(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.25〜7.40(m,6H,Ar-H)、7.68(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.85(s,1H,ピラジン-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.39(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。m/z(ES)346(M++H)。
(6-ヒドロキシメチル異性体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.79(s,2H,CH2OH)、5.03(m,1H,CH)、5.42(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.25〜7.42(m,6H,Ar-H)、7.78(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(s,1H,ピラジン-H)、7.90(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.10(s,1H,ピラジン-H)、8.35(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。m/z(ES)346(M++H)。
N-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド
実施例20に類似の手順で、ベンズイミダゾール-5-カルボン酸およびメチルアミン水溶液の反応から収率67%で生成物を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.79(s,3H,CH3)、7.59(d,1H,J=8.4Hz,H-6)、7.71(dd,1H,J=8.4,1.2Hz,H-7)、8.10(s,1H,H-4)、8.29(s,1H,H-2)、8.36(br s,1H,NH)、12.56(br s,1H,CONH)。
N-メチル-1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミドおよびN-メチル-1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド
実施例12に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(91mg、0.39mmol)および5-カルボキシベンズイミダゾールN-メチルアミド(75mg、0.43mmol)の反応から、カラムクロマトグラフィーで分離した2種の生成物を得た。5-異性体(23mg、16%)、6-異性体(38mg、26%)。
(5-異性体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.67(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、3.06(d,3H,J=4.5Hz,NCH3)、5.01(m,1H,CH)、5.58(br s,1H,NH)、6.43(br s,1H,CONH)、7.30〜7.43(m,5H,Ph-H)、7.71(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.84〜7.88(m,2H,ベンズイミダゾール-H,ピラジン-H)、8.19(s,1H,ピラジン-H)、8.53(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.57(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)373(M++H)。
(6-異性体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、3.07(d,3H,J=4.5Hz,NCH3)、5.02(m,1H,CH)、5.31(d,1H,J=4.8Hz,NH)、6.30(br s,1H,CONH)、7.31〜7.41(m,5H,Ph-H)、7.68(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.92(s,1H,ピラジン-H)、8.13(s,1H,ピラジン-H)、8.18(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.49(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)373(M++H)。
1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミンおよび1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン
5-アミノベンズイミダゾール(290mg、2.2mmol)の無水DMF(10mL)攪拌溶液に、N2下、炭酸セシウム(980mg)を添加した。得られた混合物を、70℃で60分間攪拌した。これに6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(470mg)のDMF(5mL)溶液を添加し、得られた混合物を48時間加熱還流した。減圧下でDMFを除去し、残渣をクロロホルムで希釈した。有機層をNa2CO3水溶液で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物を得た。溶離液としてジクロロメタン-メタノール(95:5→92:8)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、未反応出発原料から2つの画分を分離した。周波数の高い画分を6-異性体とした(276mg、42%)。1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、2.90(br s,2H,NH2)、5.05(m,1H,CH)、5.21(d,1H,NH)、6.70(dd,1H,J=8.7,2.1Hz,ベンズイミダゾール-H)、6.97(d,1H,J=1.8Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.28〜7.43(m,5H,Ph-H)、7.58(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.84(s,1H,ピラジン-H)、8.08(s,1H,ピラジン-H)、8.21(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。m/z(ES)331(M++H)。低い画分を5-異性体とした(170mg、26%)。1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,3H,J=6.9Hz,CH)、2.85(br s,2H,NH2)、5.01(m,1H,CH)、5.19(d,1H,NH)、6.70(dd,1H,J=8.7,2.1Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.11(d,1H,J=MHz,ベンズイミダゾール-H)、7.29〜7.40(m,5H,Ph-H)、7.51(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(s,1H,ピラジン-H)、8.10(s,1H,ピラジン-H)、8.32(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)331(M++H)。
N-ベンジル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド
実施例20に類似の手順で、ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(400mg、2.50mmol)およびベンジルアミンの反応から生成物(410mg、66%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ4.56(d,2H,J=5.8Hz,CH2)、7.13〜7.31(m,5H,Ph-H)、7.59(d,1H,J=8.5Hz,H-6)、7.79(dd,1H,J=8.5Hz,H-7)、7.96(br s,1H,CONH)、8.21(s,1H,H-4)、8.29(s,1H,H-2)。
N-ベンジル-1-[6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミドおよびN-ベンジル-1-[6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド
実施例25に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(91mg、0.39mmol)およびN-ベンジル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド(108mg、0.43mmol)の反応から、位置異性体の3:1混合物として生成物(132mg、75%)を得た。
1H-n.m.r.(3:1混合物)(CDCl3)δ1.62(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.68(d,2H,J=5.4Hz,CH2)、4.70(d,2H,J=5.4Hz,CH2)、4.95〜5.04(m,1H,CH)、5.55(d,1H,NH)、5.61(d,1H,NH)、6.80(t-様,1H,CONH)、6.92(t-様,1H,CONH)、7.22〜7.40(m,Ph-H,Ph-H)、7.66(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.71(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.80〜7.85(m,ベンズイミダゾール-H)、7.91(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.05(s,1H,ピラジン-H)、8.13(s,1H,ピラジン-H)、8.25(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.38(s,1H,ピラジン-H)、8.46(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.59(s,1H,ピラジン-H)。
m/z(ES)449(M++H)。
N-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド
実施例20に類似の手順で、ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(400mg、5.50mmol)およびアニリン(510mg、5.50mmol)の反応から生成物(370mg、63%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ6.83(m,1H,Ar-H)、7.08(m,2H,Ar-H)、7.53〜7.74(m,4H,Ar-H)、8.13〜8.31(m,2H,Ar-H+CONH)、9.57(s,1H,H-2)。
1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-N-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミドおよび1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-N-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド
実施例25に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(91mg、0.39mmol)およびN-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド(102mg、0.43mmol)の反応から、位置異性体の2:1混合物として生成物(100mg、59%)を得た。
1H-n.m.r.(2:1混合物)(CDCl3)δ1.61(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、1.62(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.94〜5.03(m,CH,CH)、5.55(d,1H,NH)、5.62(d,1H,NH)、7.18〜7.45(m,Ph-H,Ph-H)、7.61〜7.83(m,ベンズイミダゾール-HおよびPh-H))、7.85(s,1H,ピラジン-H)、7.90(s,1H,ピラジン-H)、8.06(s,1H,ピラジン-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.33(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.36(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.46(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.49(s,1H,CONH)、8.52(s,1H,CONH)、8.57(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)435(M++H)。
5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール
実施例20に類似の手順で、ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(400mg、2.50mmol)およびN-メチルピペラジン(550mg、5.0mmol)の反応から生成物(380mg、63%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.33(s,3H,CH3)、2.44(br s,4H,CH2)、3.70(br s,4H,CH2)、7.25(s,1H,ArH)、7.66(br s,1H,ArH)、7.87(s,1H,ArH)、11.88(s,1H,H-2)。
m/z(ES)245(M++H)。
6-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミンおよび6-{6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
実施例25に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(91mg、0.39mmol)および5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール(105mg、0.43mmol)の反応から位置異性体の混合物として生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィーによって分離した。6-異性体(58mg、34%)、5-異性体(68mg、40%)。
(5-異性体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、2.33(s,3H,NCH3)、2.44(br s,4H,CH2)、3.67(br s,4H,CH2)、5.01(m,1H,CH)、5.48(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.26〜7.38(m,6H,Ar-H)、7.65(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.85(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.89(s,1H,ピラジン-H)、8.09(s,1H,ピラジン-H)、8.41(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)442(M++H)。
(6-異性体)1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、2.31(s,3H,NCH)、2.43(br s,4H,CH2)、3.4〜3.9(br m,4H,CH2)、4.99(m,1H,CH)、5.54(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.23〜7.39(m,6H,Ar-H)、7.83〜7.85(m,2H,Ar-H,ピラジン-H)、8.07(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.44(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。m/z(ES)442(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]アセトアミド
2-(S-α-メチルベンジルアミノ)-6-(5-アミノベンズイミダゾ-1-イル)-ピラジン(66mg、0.2mmol)の無水THF(2mL)攪拌溶液に、N2下、トリエチルアミン(41mg、0.4mmol)を添加した。この溶液を0℃で冷却し、塩化アセチル(17mg、0.22mmol)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌した。18時間後、この溶液を水(30mL)に注加し、生成物をクロロホルム(2×20mL)に抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を除去して、薄黄色の固体として粗生成物を得た。溶離液としてジクロロメタン-メタノール(200:15)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、薄黄色の固体として生成物を分離した(38mg)。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.6Hz,CH3)、2.21(s,3H,CH3)、5.00(m,1H,CH)、5.43(d,1H,J=5.7Hz,NH)、7.27〜7.38(m,5H,ArH)、7.49(d,1H,J=9.0Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.61(d,1H,J=9.0Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.74(br s,1H,CONH)、7.84(s,1H,ピラジン-H)、7.90(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.11(s,1H,ピラジン-H)、8.36(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)373(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]アセトアミド
実施例32に類似の手順で、2-(S-α-メチルベンジルアミノ)-6-(6-アミノベンズイミダゾ-1-イル)-ピラジン(66mg、0.20mmol)および塩化アセチル(17mg、0.22mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(70mg、94%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、2.22(s,3H,CH)、5.07(m,1H,CH)、5.29(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.28〜7.43(m,6H,ArH,ベンズイミダゾール-H)、7.72(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.84(s,1H,ピラジン-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.27(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.34(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)373(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ベンズアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化ベンゾイル(14mg、0.10mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(23mg、53%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,3H,J=6.8Hz,CH3)、5.02(m,1H,CH)、5.33(d,1H,J=4.5Hz,NH)、7.27〜7.68(m,10H,ArH)、7.85(s,1H,ピラジン-H)、7.90〜7.93(m,2H,ベンズイミダゾール-H)、8.03(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.06(s,1H,CONH)、8.10(s,1H,ピラジン-H)、8.38(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)435(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]ベンズアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン(50mg、0.15mmol)および塩化ベンゾイル(21mg、0.15mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(50mg、76%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,3H,J=6.6Hz,CH3)、5.11(m,1H,CH)、5.31(d,1H,J=6.6Hz,NH)、7.16〜7.58(m,10H,ArH)、7.78(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.83(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.90(d,1H,J=8.1Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.97(s 1H,CONH)、8.15(s,1H,ピラジン-H)、8.35(s,1H,ピラジン-H)、8.51(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)435(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]イソニコチンアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化イソニコチノイル塩酸塩(20mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(10mg、23%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.56(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.98(m,1H,CH)、6.21(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.11〜7.37(m,5H,ArH)、7.59(d,1H,J=9.0Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.65(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(d,2H,J=5.7Hz,ピリジン-H)、7.87(s,1H,ピラジン-H)、8.01(s,1H,ピラジン-H)、8.10(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.32(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.72(d,2H,J=5.7Hz,ピリジン-H)、9.58(s,1H,CONH)。
m/z(ES)436(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]イソニコチンアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化イソニコチノイル塩酸塩(20mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(10mg、23%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、5.11(m,1H,CH)、5.40(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.18〜7.42(m,6H,ArH,CONH)、7.73〜7.79(m,3H,ベンズイミダゾール-H)、7.83(s,1H,ピラジン-H)、8.10(s,1H,ピラジン-H)、8.36(br s,2H,ピリジン-H)、8.48(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.79(d,2H,J=5.7Hz,ピリジン-H)。
m/z(ES)436(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ニコチンアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化ニコチノイル塩酸塩(20mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(17mg、39%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.48(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.91(m,1H,CH)、6.59(d,1H,J=5.7Hz,NH)、7.11〜7.32(m,6H,ArH,ピリジン-H)、7.58(d,1H,J=9.0Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.83(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.91(s,1H,ピラジン-H)、8.07(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.20(d,1H,J=8.1Hz,ピリジン-H)、8.24(s,1H,ピラジン-H)、8.61(d,1H,J=4.6Hz,ピリジン-H)、9.12(s,1H,ピリジン-H)、9.80(s,1H,CONH)。
m/z(ES)436(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]ニコチンアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化イソニコチノイル塩酸塩(20mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(27mg、62%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.62(d,3H,J=6.6Hz,CH3)、5.12(m,1H,CH)、5.41(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.17〜7.21(m,1H,Ar-H)、7.26〜7.29(m,1H,Ar-H)、7.39〜7.45(m,4H,ArH,ピリジン-H)、7.76(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.82(s,1H,ピラジン-H)、8.11(s,1H,ピラジン-H)、8.21(d,1H,J=8.1Hz,ピリジン-H)、8.33(s,1H,CONH)、8.35(s,1H,Ar-H)、8.47(3,1H,ピリジン-H)、8.76(1H,d,J=4.5Hz,ピリジン-H)、9.13(s,1H,ピリジン-H)。
m/z(ES)436(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]ピラジン-2-カルボキサミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化ピラジン-2-カルボニル(0.11mmol)(室温で、ジクロロメタン中塩化オキサリルとピラジン-2-カルボン酸を反応させることによって調製)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(24mg、55%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、5.04(m,1H,CH)、5.35(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.28〜7.41(m,5H,Ar-H,ピリジン-H)、7.71(s,1H,ピラジン-H)、7.87(s,1H,ピラジン-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.21(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.40(s,1H,ピラジン-H)、8.61〜8.62(m,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.81(d,1H,J=2.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、9.55(d,1H,J=1.2Hz,ベンズイミダゾール-H)、9.78(s,1H,CONH)。
m/z(ES)437(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]ピラジン-2-カルボキサミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化イソニコチノイル塩酸塩(0.11mmol)(室温で、ジクロロメタン中塩化オキサリルとピラジン-2-カルボン酸を反応させることによって調製)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(28mg、64%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.67(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、5.18(m,1H,CH)、5.39(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.23〜7.46(m,6H,Ar-H,ピリジン-H)、7.82(d,1H,J=9.0Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.84(s,1H,ピラジン-H)、8.18(s,1H,ピラジン-H)、8.39(s,1H,ピラジン-H)、8.61〜8.62(m,1H,ピラジン-H)、8.81〜8.84(m,2H,Ar-H)、9.52(d,1H,J=1.2Hz,ベンズイミダゾール-H)、9.81(s,1H,CONH)。
m/z(ES)437(M++H)。
2-メトキシ-N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]アセトアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化メトキシアセチル(12mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(20mg、50%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、3.55(s,3H,OCH3)、4.07(s,2H,CH2)、5.02(m,1H,CH)、5.27(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.30〜7.40(m,5H,Ar-H)、7.54(dd,1H,J=8.7,1.5Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.66(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.85(s,1H,ピラジン-H)、8.01(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.11(s,1H,ピラジン-H)、8.35(s,1H,CONH)、8.38(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)403(M++H)。
2-メトキシ-N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]アセトアミド
実施例32に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-アミン(33mg、0.10mmol)および塩化メトキシアセチル(20mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(10mg、25%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,3H,J=6.9Hz,CH)、3.54(s,3H,OCH3)、4.06(s,2H,CH2)、5.08(m,1H,CH)、5.36(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.24〜7.42(m,6H,Ar-H)、7.76(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(s,1H,ピラジン-H)、8.14(s,1H,ピラジン-H)、8.35(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.39(s,1H,CONH)、8.52(d,1H,J=1.5Hz,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)403(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-6-イル]-2,2-ジメチルプロパンアミド
2-(ベンジルアミノ)-6-(5-アミノ-ベンズイミダゾ-1-イル)-ピラジン(33mg、0.1mmol)の無水THF(2mL)攪拌溶液に、N2下、トリエチルアミン(38l、0.3mmol)を添加した。この溶液を0℃に冷却し、ピバリン酸(12mg、0.11mmol)およびEDC(23mg、0.12mmol)を添加し、その後、得られた混合物を室温で攪拌した。64時間後、溶液をH2Oで希釈し、混合物をCHCl3(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を10%Na2CO3水溶液で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を除去した。溶離液としてジクロロメタン-メタノール(100:6)を用いるカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製し、純粋な生成物(15mg)を分離した。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.35(s,9H,3CH3)、1.65(d,3H,J=6.6Hz,CH3)、5.14(m,1H,CH)、5.24(d,1H,J=5.7Hz,NH)、7.13(d,1H,J=8.7Hz,Ar-H)、7.29〜7.47(m,5H,ArH)、7.75(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(s,1H,ピラジン-H)、8.17(s,1H,ピラジン-H)、8.35(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.69(s,1H,CONH)。
m/z(ES)415(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-2,2-ジメチルプロパンアミド
実施例44に類似の手順で、1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン(33mg、0.10mmol)およびピバリン酸(12mg、0.11mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(12mg、29%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.35(s,9H,CH3)、1.66(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、5.14(m,1H,CH)、5.24(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.13(d,1H,J=8.7Hz,Ar-H)、7.29〜7.47(m,6H,ArH)、7.75(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.81(s,1H,ピラジン-H)、8.17(s,1H,ピラジン-H)、8.35(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、8.69(s,1H,CONH)。
m/z(ES)415(M++H)。
6-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン
6-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル}-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミン(22mg、0.05mmol)の無水THF(1mL)溶液に、LiAlH4(4mg、0.1mmol)のTHF(1mL)懸濁液を添加し、混合物を4時間加熱還流した。室温に冷却し、逐次的にH2O(1mL)、NaOH水溶液(1mL、2M)、およびH2O(5mL)で処理した。得られた混合物をCHCl3(2×10ml)で抽出し、合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)した。減圧下で溶媒を除去し、溶離液としてCH2Cl2-MeOH(10:1→1:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製して、黄色の固体として生成物を得た(11mg、52%)。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH)、2.58(s,3H,NCH)、2.81(br s,4H,CH2)、2.90(br s,4H,CH2)、3.74(s,2H,NCH2)、5.03(m,1H,CH)、5.33(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.25〜7.42(m,6H,Ar-H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.77(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.87(s,1H,ピラジン-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.39(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)428(M++H)。
1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-N-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ベンズイミダゾール-5-アミン
実施例46に類似の手順で、N-{1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル}ニコチンアミド(33mg、0.10mmol)とLiAlH4(5.7mg、0.15mmol)の反応から、クロマトグラフィー後に生成物(10mg、24%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.64(d,J=6.9Hz,3H,CH3)、4.42(s,2H,CH2)、5.01(m,1H,CH)、5.20(d,J=6.0Hz,1H,NH)、6.66(dd,J=8.7,2.1Hz,1H,H-7')、7.01(d,J=2.1Hz,1H,H-4')、7.25〜7.45(m,6H,ArH)、7.51(d,J=8.7Hz,1H,H-6')、7.74(d,J=7.8Hz,ピリジン-H)、7.80(s,1H,ピラジン-H)、8.09(s,1H,ピラジン-H)、8.30(s,1H,H-2')、8.53(d,J=3.6Hz,1H,ピリジン-H)、8.68(s,1H,ピリジン-H)。
m/z(ES)422(M++H)。
N-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-6-クロロピラジン-2-アミン
実施例1に類似の手順で、4-ブロモ-α-S-メチルベンジルアミン(877mg、4.4mmol)および2,6-ジクロロピラジン(597mg、4.0mmol)の反応から生成物(835mg、67%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.56(d,J=6.9Hz,3H,CH3)、4.86(m,1H,CH)、5.0(d,1H,NH)、7.24(AA'XX',2H,Ar-H)、7.60(s,1H,ピラジン-H)、7.81(s,1H,ピラジン-H)。
6-クロロ-N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン
実施例1に類似の手順で、4-メトキシ-α-S-メチルベンジルアミン(700mg、4.6mmol)および2,6-ジクロロピラジン(626mg、4.2mmol)の反応から生成物(873mg、79%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.56(d,J=6.9Hz,3H,CH3)、3.80(s,3H,OCH3)、4.84(m,1H,CH)、5.01(d,1H,NH)、6.88(AA'XX',2H,Ar-H)、7.28(AA'XX',2H,Ar-H)、7.621(s,1H,ピラジン-H)、7.79(s,1H,ピラジン-H)。
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン
実施例25に類似の手順で、N-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-6-クロロピラジン-2-アミン(125mg、0.40mmol)およびベンズイミダゾール(52mg、0.44mmol)の反応から生成物(66mg、42%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.63(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.99(m,1H,CH)、5.19(d,1H,J=5.1Hz,NH)、7.26〜7.37(m,3H,Ar-H)、7.51(AA'XX',2H,Ar-H)、7.65(d,1H,J=8.1Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.83〜7.86(m,2H,ベンズイミダゾール-H+ピラジン-H)、8.17(s,1H,ピラジン-H)、8.39(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)396、394(M++H)。
6-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン
実施例25に類似の手順で、6-クロロ-N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン(105mg、0.40mmol)およびベンズイミダゾール(52mg、0.44mmol)の反応から生成物(57mg、41%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.62(d,3H,J=6.8Hz,CH3)、3.80(s,3H,CH3)、4.99(m,1H,CH)、5.31(br d,1H,J=6.2Hz,NH)、6.91(AA'XX',2H,Ar-H)、7.28〜7.36(m,4H,Ar-H)、7.77(d,1H,J=2.0Hz,Ar-H)、7.78(s,2H,ベンズイミダゾール-H+ピラジン-H)、8.13(s,1H,ピラジン-H)、8.44(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)346(M++H)
2-(S-α-メチルベンジルアミノ)-6-(5-(N-メチルピペラジン-4-イル-メチル)-ベンズイミダゾ-1-イル)-ピラジン
3-[6-(S-α-メチルベンジルアミノ)-ピラジン-2-イル]-3H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸N-メチルピペラジニルアミド(22mg、0.05mmol)の無水THF(1mL)溶液に、LiAlH4(4mg、0.1mmol)のTHF(1mL)懸濁液を添加し、混合物を4時間加熱還流した。室温に冷却し、逐次的にH2O(1mL)、NaOH水溶液(1mL、2M)、およびH2O(5mL)で処理した。得られた混合物をCHCl3(2×10ml)で抽出し、合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)した。減圧下で溶媒を除去し、溶離液としてCH2Cl2-MeOH(10:1→1:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製して、黄色の固体として生成物(11mg、52%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、2.58(s,3H,NCH3)、2.81(br s,4H,CH2)、2.90(br s,4H,CH2)、3.74(s,2H,NCH2)、5.03(m,1H,CH)、5.33(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.25〜7.42(m,6H,Ar-H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.77(s,1H,ベンズイミダゾール-H)、7.87(s,1H,ピラジン-H)、8.12(s,1H,ピラジン-H)、8.39(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)428(M++H)。
1-{4-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}エタノン
DMSO(30ml)中の4-ブロモアセトフェノン(5g、25mmol)、ジエチルアミノエタノール(3.5g、38mmol)、K2CO3(2g)、銅粉末(0.5g)、ヨウ化銅(I)(2.5g)の混合物を、出発原料が消費されたことがTLCによって示されるまで120℃で加熱した。室温に冷却後、混合物をNH3水溶液(28%、100ml)に注入し、CH2Cl3(3×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、CH2Cl2で減圧蒸留した。粗生成物を、EtOAc-MeOH(95:5)で溶離してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、純粋な化合物(4.85g、82%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ0.98(t,J=7.2Hz,6H,NCH2 CH3)、2.43(s,3H,Ar-C-CH3)、2.57〜2.50(m,4H,NCH2CH3)、2.78(t,J=6.3Hz,2H,ArOCH2CH2N)、4.00(t,J=6.3Hz,2H,ArO-CH2)、6.85(d,J=9Hz,2H,ArH)、7.83(d,J=9Hz,2H,ArH)。
1-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]エタノン
実施例53に類似の手順で、炭酸カリウム、銅、およびヨウ化銅の存在下、4-ブロモアセトフェノンをN-メチルピペラジンと反応させ、収率82%で所望の生成物を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.35(s,3H,Ar-C-CH3)、2.52(s,3H,N-CH3)、2.55(t,J=5.1Hz,4H,CH2-N-CH3)、3.37(dd,J=5.1,5.1Hz,4H,ArNCH2)、6.89(AA'XX',2H,ArH)、7.89(AA'XX',2H,ArH)。
ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.44g)の水(20ml)溶液に、NaOH(20%、30ml)を添加した。ケトン(5g、41mmol)を同時に添加し、得られた混合物を、ケトンが残留していないことがTLCによって示されるまで室温で攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をCH2Cl2(3×100ml)で抽出し、乾燥(Na2SO4)した。濾過し、溶媒を除去した後、CH2Cl2/n-へキサンから粗ケトキシムを再結晶した。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.31(s,3H,CH3)、7.33(dd,J=4.8,4.8Hz,1H,ArH)、7.97(ddd,J=8.1,1.8,1.8Hz,1H,ArH)、8.61(dd,J=5.1,1.8Hz,1H,ArH)、8.96(d,J=1.8Hz,1H,ArH)、10.62(s,1H,OH)。
ケトン(2.0g、13mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.98g、14mmol)、NaOH(10%、4ml)、水(6.2ml)、およびEtOH(25ml)の混合物を、2時間加熱還流した。氷中で冷却して、ケトキシムを沈殿させ、吸引濾過によって回収した。粗生成物をCH2Cl2/n-へキサンから再結晶した(1.88g、86%)。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ2.28(s,3H,CH3)、7.51(s,4H,ArH)、8.67(s,1H,OH)。
無水THF(100ml)中のケトキシム(1g、6mmol)およびLiAlH4(0.27g)の混合物を、一晩、乾燥N2下で加熱還流した。反応混合物を氷水中で冷却し、慎重にH2O(60mL)でクエンチした。混合物を室温で30分間攪拌し、その後、Celite(登録商標)で濾過した。この無機塩をEtOAc(3×100ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、2MのHCl(50ml)で希釈し、水相をEt2O(2×70ml)で洗浄した。水相を40%NaOH水溶液で塩基性化し、生成物をEt2O(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。減圧下で溶媒を除去して、純粋なアミン(0.65g、71%)を得た。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.38(d,J=6.6Hz,3H,CH-CH3)、1.63(br s,2H,NH2)、4.13〜4.06(m,1H,CH-CH3)、7.23〜7.18(m,3H,ArH)、7.35(s,1H,ArH)。
ケトキシム(4.85g、36mmol)およびZn粉末(12g)の混合物に、0℃で強く攪拌しながら、濃HCl(50ml)をゆっくり添加した。最初の強い反応が終わったとき、すべてのケトキシムが消費されたことがTLCによって示されるまで、反応物を加熱還流した。室温に冷却した後、この強酸性混合物をCH2Cl2(2×75ml)で抽出した。次いで、反応混合物を50%KOH溶液で強塩基性化した。溶媒を除去した後、残渣を沸騰MeOH(4×100ml)で抽出した。MeOHを留去し、粗アミンを得て、それをさらに精製することなく、次の反応に用いた。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.07(d,J=6.6Hz,3H,CH3)、1.37(br s,2H,NH2)、3.84(q,J=4.6Hz,1H,CH-CH3)、6.93(dd,J=7.8,4.8Hz,1H,ArH)、7.38(ddd,J=7.8,2.1,1.5Hz,1H,ArH)、8.15(dd,J=4.8,1.5Hz,1H,ArH)、8.27(d,J=2.1Hz,1H,ArH)。
6-クロロ-N-[(1S)-1-(4-ピリジン-3-イルフェニル)エチル]ピラジン-2-アミン
窒素雰囲気下、N-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-6-クロロピラジン-2-アミン(0.117g、0.37mmol)、ピリジン-3-ボロン酸1,3-プロパンジオール環状エステル(67mg、0.41mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(65mg、0.06mmol)、およびトルエン(4mL)の混合物を、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.2mL)で処理した。得られた混合物を、強く攪拌しながら24時間加熱還流した。冷却し、溶液をメタノールおよびジクロロメタンで希釈し、混合物を乾燥(MgSO4)、濾過した。減圧下で溶媒を除去し、粗生成物を得て、溶離液としてジクロロメタン-ジエチルエーテル(90:10)、次いでジクロロメタン-メタノール(99:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した(50mg)。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.61(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、4.97(m,1H,CH)、5.42(d,1H,J=6.3Hz,NH)、7.33〜7.37(m,1H,ArH)、7.42〜7.56(m,4H,ArH)、7.66(m,1H,ピラジン-H)、7.78(s,1H,ピラジン-H)、7.83〜7.86(m,1H,ArH)、8.58(br s,1H,ピリジン-H)、8.83(br s,1H,ピリジン-H)。
m/z(ES)313、311(M++H)。
N-[1-(6-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}ピラジン-2-イル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]メタンスルホンアミド
2-(S-α-メチルベンジルアミノ)-6-(5-アミノベンズイミダゾ-1-イル)-ピラジン(33mg、0.1mmol)の無水THF(2mL)攪拌溶液に、N2下、トリエチルアミン(40mg、0.4mmol)を添加した。この溶液を0℃で冷却し、塩化メタンスルホニル(25mg、0.2mmol)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌した。16時間後、この溶液を水(30mL)に注加し、生成物をクロロホルム(2×15mL)に抽出した。合わせた有機層を10%Na2CO3で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を除去して、薄黄色の固体として粗生成物を得た。溶離液としてジクロロメタン-メタノール(100:6)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、最も極性の画分から薄黄色の固体として生成物を分離した(16mg)。
1H-n.m.r.(CDCl3)δ1.65(d,3H,J=6.9Hz,CH3)、3.00(s,3H,CH3)、5.02(m,1H,CH)、5.27(d,1H,J=6.0Hz,NH)、7.21〜7.40(m,6H,ArH)、7.64(d,1H,J=8.7Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.69(d,1H,J=1.9Hz,ベンズイミダゾール-H)、7.88(s,1H,ピラジン-H)、8.10(s,1H,ピラジン-H)、8.41(s,1H,ベンズイミダゾール-H)。
m/z(ES)409(M++H)。
N-[(1S)-1-フェニルエチル]-6-(5-ピリジン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミンおよびN-[(1S)-1-フェニルエチル]-6-(6-ピリジン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)ピラジン-2-アミン
6-(5-ブロモ-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミンおよび6-(6-ブロモ-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピラジン-2-アミンの1:1混合物(160mg、0.4mmol)、ピリジン-4-ボロン酸ピナコール環状エステル(91mg、0.44mmol)のトルエン(5mL)攪拌溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(46mg、0.04mmol)、次いで炭酸ナトリウム水溶液(0.22mL、2M)を添加した。その後、この溶液を24時間加熱還流した。標準的な処理の後(実施例60を参照)、溶離液としてジクロロメタン-メタノール(100:6)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって、1:1混合物として生成物を得た。
1H-n.m.r.(1:1混合物)(CDCl3)δ1.66(d,J=6.9Hz,3H,CH3)、5.07(m,1H,CH)、5.25(d,J=6.0Hz,1H,NH)、7.29〜7.42(m,5H,ArH)、7.52〜7.64(m,3H)、7.78(d,J=8.7Hz)、7.88および7.90(s,1H,ピラジン-H)、7.94(d,1H,J=8.4Hz)8.12(s,1H)、8.16(s,1H)、8.19および8.20(s,1H,ピラジン-H)、8.44および8.45(s,1H,H-2')、8.68(d,J=3.6Hz,1H,ピリジン-H)、8.68および8.71(d,1H,J=8.7Hz,ピリジン-H)。
m/z(ES)393(M++H)。
スクリーニング
化合物の希釈
スクリーニングのために、化合物を96ウェルプレートで20μMの濃度に希釈した。アッセイの前に、プレートを30分間37℃で温めた。
JAKチロシンキナーゼドメイン生産
JAKキナーゼドメインを以下のように生産した。
JAK1
ヒトJAK1のキナーゼドメインを、以下のプライマーによるポリメラーゼ連鎖反応を用いて、U937mRNAから増幅した。
XHOI-J1 5'-CCG CTC GAG ACT GAA GTG GAC CCC ACA CAT-3'
J1-KPNI 5'-CGG GGT ACC TTA TTT TAA AAG TGC TTC AAA-3'
JAK1PCR産物を、XhoIおよびKpnI部位を介してpFastBacHTb発現ベクター(Gibco)にクローニングした。次いで、JAK1プラスミドを受容能力DH10Bac細胞(Gibco)に形質転換し、生産した組換えバキュロウイルスを、Sf9昆虫細胞へのトランスフェクション用に調製した。
JAK2
ヒトJAK2のキナーゼドメインを、以下のプライマーによるポリメラーゼ連鎖反応を用いて、U937mRNAから増幅した。
SALI-jk2 5'-ACG CGT CGA CGG TGC CTT TGA AGA CCG GGA T-3'
jk2-NOTI 5'-ATA GTT TAG CGG CCG CTC AGA ATG AAG GTC ATT T-3'
JAK2PCR産物を、SAlIおよびNotI部位を介してpFastBacHTc発現ベクター(Gibco)にクローニングした。次いで、JAK2プラスミドを受容能力DH10Bac細胞(Gibco)に形質転換し、生産した組換えバキュロウイルスを、Sf9昆虫細胞へのトランスフェクション用に調製した。
JAK3
ヒトJAK3のキナーゼドメインを、以下のプライマーによるポリメラーゼ連鎖反応を用いて、U937mRNAから増幅した。
XHOI-J3 5'-CCG CTC GAG TAT GCC TGC CAA GAC CCC ACG-3'
J3-KPNI 5'-CGG GGT ACC CTA TGA AAA GGA CAG GGA GTG-3'
JAK3PCR産物を、XhoIおよびKpnI部位を介してpFastBacHTb発現ベクター(Gibco)にクローニングした。次いで、JAK3プラスミドを受容能力DH10Bac細胞(Gibco)に形質転換し、生産した組換えバキュロウイルスを、Sf9昆虫細胞へのトランスフェクション用に調製した。
TYK2
ヒトTYK2のキナーゼドメインを、以下のプライマーによるポリメラーゼ連鎖反応を用いて、A549mRNAから増幅した。
HT2EK 5'-GGA GCA CTC GAG ATG GTA GCA CAC AAC CAG GTG-3'
ITY2.2R 5'-GGA GCA GGA ATT CCG GCG CTG CCG GTC AAA TCT GG-3'
TYK2PCR産物を、EcoRI部位を介してpBlueBacHis2A(Invitrogen)にクローニングした。生産した組換えTYK2バキュロウイルスを、Sf9昆虫細胞へのトランスフェクション用に調製した。
キナーゼドメインの大量生産
JAKファミリーの各メンバーからのバキュロウイルス産物を、High Five無血清培地(Invitrogen)で細胞密度約1〜2×106細胞/mlに増殖させた5リットルのHigh Five細胞(Invitrogen)に感染させた。細胞を、MOI0.8〜3.0でウイルスに感染させた。細胞を回収し、溶解した。JAKキナーゼドメインを、Probond(Invitrogen)ニッケルキレートアフィニティカラムで、アフィニティクロマトグラフィーによって精製した。
アッセイプロトコル
96ウェル捕捉ベースELISAアッセイ、またはAlphascreenタンパク質チロシンキナーゼキットを用いる384ウェルOptiplate(Packard)で、キナーゼアッセイを行った。いずれの場合も、50mM HEPES、pH7.5 10mM MgCl2、150mM NaCl、および10μM〜1mM ATPの存在下、約1.5μgのアフィニティ精製PTKドメインを用いた。基質として、ビオチン化基質ビオチン-EGPWLEEEEEAYGWMDF-NH2(最終濃度5μM)を用いた。ELISAアッセイでは、ペルオキシダーゼ結合抗ホスホチロシン抗体PY20を用い、アビジン被覆ELISAプレートに移した後、チロシンリン酸化を定量した。Alphascreenアッセイでは、抑制光下、Alphascreenホスホチロシンアクセプタービーズ、続いてストレプトアビジンドナービーズを加えた。ELISAプレートはBMG Fluorostar、AlphascreenプレートはPackard Fusion Alphaで読み取った。ATPを加える15分前に、アッセイに阻害剤を添加した。DMSO濃度が1%を超えないようにして、阻害剤をDMSO水溶液に添加した。
TEL:JAK細胞系の確立
TELのヌクレオチド1〜487を含むコード領域を、オリゴヌクレオチド5TEL(5'-GGA GGA TCC TGA TCT CTC TCG CTG TGA GAC-3')および3TEL(5'-AGGC GTC GAC TTC TTC TTC ATG GTT CTG-3')ならびにテンプレートとしてU937mRNAを用いて、PCRによって増幅した。BamHI部位を5TELプライマーに提示し、SalI部位を3TELプライマーに組み込んだ。JAK2(ヌクレオチド2994〜3914、JAK2F 5'-ACGC GTC GAC GGT GCC TTT GAA GAC CGG GAT-3'、JAK2R 5'-ATA GTT TAG CGG CCG CTC AGA ATG AAG GTC ATT T-3')およびJAK3(ヌクレオチド2520〜3469、JAK3F 5'-GAA GTC GAC TAT GCC TGC CAA GAC CCC ACG ATC TT-3'、JAK3R 5'-GGA TCT AGA CTA TGA AAA GGA CAG GGA GTG GTG TTT-3')のキナーゼドメインを含む領域を、TaqDNAポリメラーゼ(Gibco/BRL)およびテンプレートとしてU937mRNAを用いて、PCRによって生産した。SalI部位をJAK2およびJAK3のフォワードプライマーに組み込み、NotI部位をJAK2のリバースプライマーに組み込み、XbaI部位をJAK3のリバースプライマーに加えた。
TELPCR産物のBamHI/SalIによる消化、JAK2PCR産物のSalI/NotIによる消化、それに続くライゲーションおよびBamHI-NotIで消化された哺乳動物発現ベクターpTRE2(Clontech)へのライゲーションおよびサブクローニングによってTEL/Jak2融合を生産した(pTELJAK2)。JAK3の場合、SalI/NotI開裂キナーゼドメインPCR産物をBamHI/SalI開裂TEL産物を用いてライゲートし、その後、BamHI/NotI開裂pTRE2にライゲートした(pTELJAK3)。
pTETオフプラスミド(Clontech)を有する増殖因子依存性骨髄単球細胞系BaF3を、pTELJAK2またはpTELJAK3でトランスフェクトし、因子依存性増殖に関して細胞を選択した。BaF3野生型細胞を、DMEM 10%FCS、10%WEHI 3B条件培地で培養した。BaF3 TELJAK細胞を、DMEM10% Tet-System Approved FBS(WEHI 3B条件培地を含まない)で培養した。
細胞アッセイを以下のように行った。
培養物から細胞を回収することによって、細胞懸濁液を調製した(本試験に用いられる細胞は、後期対数増殖期にあり、高生存性であるべきである)。細胞を1.1×最終濃度(細胞系に応じて50000細胞/mlから200000細胞/mL)に、調整増殖培地で希釈した。
試験を行う化合物を、平底96ウェルプレートに加えた(10μL、10×最終濃度)。細胞懸濁液(ウェル当たり90μL)を加え、プレートを37℃、5%CO2で40時間インキュベートした。MTT(ウェル当たり20μL、5mg/PBSmL)を加え、プレートをさらに6時間インキュベータに戻した。溶解バッファ(ウェル当たり100μL、10%SDS、0.01N HCl)を加え、プレートを一晩インキュベータに置いた。その後、590nmでプレートを読み取った。
結果
一連の化合物の活性を表3に示す。50μMの濃度でJAK活性の50%を阻害する能力を示した化合物を「+」とする(標準条件下で測定、方法を参照のこと)。
広く記載した本発明の精神または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態において示した本発明に多くの変更および/または修正が可能であることを当分野の技術者は理解するであろう。したがって本発明の実施形態は、あらゆる点において例示的なものであると考えられ、制限的なものであると考えられるべきではない。
図1は、Tel-Jak2形質転換細胞系において阻害活性を有する代表的ピラジンの用量反応曲線を示すグラフである。
図2は、Tel-Jak3形質転換細胞系において阻害活性を有する代表的ピラジンの用量反応曲線を示すグラフである。
図3は、Tel-Jak2形質転換細胞系において阻害活性を有する代表的2-(α-メチルベンジルアミノ)ピラジンのRおよびSエナンチオマーの用量反応曲線を示すグラフである。