JP2005535350A - ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質、前記蛋白質をコードする核酸配列及び乳腺炎ワクチンにおけるその使用 - Google Patents

ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質、前記蛋白質をコードする核酸配列及び乳腺炎ワクチンにおけるその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質をコードする核酸配列及び前記蛋白質の免疫原フラグメントをコードする前記核酸配列の部分と、前記核酸配列又はその部分を含むDNAフラグメント、組換えDNA分子、生きた組換えキャリヤー及び宿主細胞に関する。本発明はまた、22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質と前記配列によりコードされるその免疫原部分に関する。更に、本発明は、前記核酸配列及びその部分、前記核酸配列又はその部分を含むDNAフラグメント、組換えDNA分子、生きた組換えキャリヤー及び宿主細胞、蛋白質又はその免疫原部分並びに前記蛋白質又はその免疫原部分に対する抗体を含むワクチンに関する。更に、本発明は、ワクチン及びワクチン製造における前記蛋白質の使用に関する。更に、本発明は、診断又はワクチン接種を目的とする前記核酸配列、蛋白質又は抗体の使用に関する。最後に、本発明は、前記核酸、蛋白質又は前記蛋白質に対する抗体を含む診断キットに関する。

Description

本発明は、ストレプトコッカス・ユベリス(Streptococcus uberis)蛋白質をコードする核酸配列及び前記蛋白質の免疫原フラグメントをコードする前記核酸配列の部分と、前記核酸配列又はその部分を含むDNAフラグメント、組換えDNA分子、生きた組換えキャリヤー及び宿主細胞に関する。本発明は、ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質と前記配列によりコードされるその免疫原部分にも関する。更に、本発明は、前記核酸配列及びその部分、前記核酸配列又はその部分を含むDNAフラグメント、組換えDNA分子、生きた組換えキャリヤー及び宿主細胞、蛋白質又はその免疫原部分並びに前記蛋白質又はその免疫原部分に対する抗体を含むワクチンに関する。更に、本発明は、ワクチン及びワクチン製造における前記蛋白質の使用に関する。更に、本発明は、診断又はワクチン接種を目的とする前記核酸配列、蛋白質又は抗体の使用に関する。最後に、本発明は前記核酸、蛋白質又は前記蛋白質に対する抗体を含む診断キットに関する。
ウシの乳腺炎は***内感染後に一般に生じる乳腺炎症である。乳腺炎は主に細菌を原因とするが、マイコプラズマ、真菌及び藻類感染も乳腺炎の原因となることが知られている。
乳腺炎は最も損害の大きい乳牛疾患である。年間損害金額は米国だけで20億ドルを超える。牛乳廃棄と牛乳生産低下による損害合計は乳腺炎損害の約75%に相当し、動物損失、人件費及び獣医治療費が総損害の約25%に相当する。
一般に、乳腺炎は伝染性乳腺炎と環境性乳腺炎の2種類に分けられる。伝染性乳腺炎はウシからウシに伝染する型の乳腺炎である。ウシからウシに感染する乳腺炎に関与する最重要病原体は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、アガラクティエ菌(Streptococcus agalactiae)及びマイコプラズマである。環境性乳腺炎は環境中に存在する病原性微生物に起因する型の乳腺炎である。環境からウシに感染する乳腺炎の最も一般的な原因は大腸菌、エンテロバクター属、クレブシエラ属及びシトロバクター属等の大腸菌群と、ストレプトコッカス・ユベリス(Streptococcus uberis)やストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)等の連鎖球菌種である。
乳腺炎が多因子疾患であることは明白であり、従って、乳腺炎を予防又は防除するためには数種の手段を取る必要がある。これらの手段の1つは微生物汚染のない環境を目指すことであり、これは非常に望ましいが、実際には不可能である。別の手段は医薬成分の使用であり、例えば抗生物質、より厳密には乳腺炎の治療に現在非常に一般的な治療薬である抗菌剤の大量使用である。
更に別の手段は当然のことながら乳腺炎に関与する各種病原体に対するワクチン接種である。従って、特に抗生物質の使用を避ける傾向が増していることから、新規で有効なワクチン、特に広域防御を提供するワクチンが必要であることは明白である。
本発明の目的は乳腺炎感染の治療用新規ワクチン成分を提供することである。
驚くべきことに、単独又は他のワクチン成分と併用して有価ワクチン成分として使用可能な新規ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質が存在することが今回発見された。
この蛋白質をコードする遺伝子を今回クローニング及び配列決定し、その配列を配列番号1に示す。この遺伝子は分子量22.5kDの200アミノ酸蛋白質(配列番号2に示す)をコードする。
多数の異なる核酸配列が1種の同一蛋白質をコードする場合があることは当該分野で周知である。この現象はアミノ酸をコードする各三重項の2番目と特に3番目の塩基のゆらぎとして一般に知られている。この現象の結果、同一蛋白質をコードする2種の核酸配列が不均一になることがある。従って、2種の核酸配列が70%程度の配列相同性であっても1種の同一蛋白質をコードする場合がある。
従って、一態様は22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原フラグメントをコードする前記核酸配列の部分に関し、前記核酸配列又は前記その部分は配列番号1に示す22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する。
免疫原フラグメントの概念は以下のように定義する。免疫原フラグメントをコードする核酸配列の長さは一般に少なくとも21ヌクレオチドであるが、24、27、30、33又は36ヌクレオチドが好ましい。
22.5kDの分子量はポリアクリルアミドゲルでゲル電気泳動により測定した値である。当該分野では多少の分子量変動を生じることが多いので、分子量は19.5〜25.5kDとすることができる。従って、本発明の蛋白質の分子量は22.5±3kDであると解釈すべきである。
この22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質をコードする本発明の核酸配列又は前記蛋白質の免疫原フラグメントをコードする前記核酸配列の部分は配列番号1に示すストレプトコッカス・ユベリス蛋白質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
98%、99%又は100%の相同性レベルが更に好ましい。
ヌクレオチド相同性レベルはwww.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/bl2.htmlから入手可能なサブプログラム「BLASTN」を選択することによりコンピュータープログラム「BLAST 2 SEQUENCES」を使用して決定することができる。
このプログラムについてはTatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden FEMS Microbiol.Letters 174:247−250(1999)を参照されたい。使用するパラメーターは以下のデフォルトパラメーター:マッチのリワード:+1、ミスマッチのペナルティ:−2、オープンギャップ:5、エクステンションギャップ:2、ギャップx_ドロップオフ:50である。
配列番号1に示す配列に相補的なヌクレオチド配列又は本発明の配列のタンデム配列を含むヌクレオチド配列も本発明の範囲に含まれる。
新規22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質をコードする核酸配列が本発明により開示されたため、この蛋白質を十分な量で得ることが今回初めて可能になった。これは例えば発現システムを使用して前記蛋白質をコードする遺伝子又はその免疫原フラグメントの全部又は一部を発現させることにより実施することができる。
従って、この態様のより好ましい形態では、本発明は本発明の核酸配列を含むDNAフラグメントに関する。DNAフラグメントは本発明の核酸配列のキャリヤーとして機能するヌクレオチド配列である。このようなDNAフラグメントは例えば本発明の核酸配列をクローニングするプラスミドとすることができる。このようなDNAフラグメントは以下に記載するように、例えばプライマーとしてDNA量を増加したり、本発明の核酸配列を発現させるために有用である。
核酸配列の発現の必須要件は核酸配列がプロモーターの制御下におかれるように適切なプロモーターが核酸配列に機能的に連結していることである。当業者に自明のとおり、プロモーターの選択は蛋白質発現用宿主細胞として使用される細胞で遺伝子転写を誘導することが可能な任意真核、原核又はウイルスプロモーターに至る。
従って、この態様の更に好ましい形態は、本発明の核酸配列が機能的に連結したプロモーターの制御下におかれるように、本発明のDNAフラグメント及び/又は核酸配列を含む組換えDNA分子に関する。これは例えば標準分子生物学技術により得ることができる(Maniatis/Sambrook(Sambrook,J.Molecular cloning:a laboratory manual,1989.ISBN 0−87969−309−6))。機能的に連結したプロモーターはそれらが連結されている核酸配列の転写を制御することが可能なプロモーターである。このようなプロモーターは発現に使用される細胞中で機能的である限り、新規遺伝子の天然プロモーターでもよいし、ストレプトコッカス・ユベリスの別のプロモーターでもよい。プロモーターは異種プロモーターでもよい。宿主細胞が細菌である場合には、使用可能な有用な発現制御配列としてはTrpプロモーター及びオペレーター(Goeddelら,Nucl.Acids Res.,8,4057,1980);lacプロモーター及びオペレーター(Changら,Nature,275,615,1978);外膜蛋白質プロモーター(Nakamura,K.and Inouge,M.,EMBO J.,1,771−775,1982);バクテリオファージλプロモーター及びオペレーター(Remaut,E.ら,Nucl.Acids Res.,11,4677−4668,1983);α−アミラーゼ(B.subtilis)プロモーター及びオペレーター、終結配列並びに選択した宿主細胞に適合可能な他の発現エンハンサー及び制御配列が挙げられる。
宿主細胞が酵母である場合には、有用な発現制御配列としては例えばα−接合因子が挙げられる。昆虫細胞には、バキュロウイルスの多角体又はp10プロモーターを使用することができる(Smith,G.E.ら,Mol.Cell.Biol.3,2156−65,1983)。宿主細胞が脊椎動物に由来する場合には、有用な発現制御配列の例としては(ヒト)サイトメガロウイルス極初期プロモーター(Seed,B.ら,Nature 329,840−842,1987;Fynan,E.F.ら,PNAS 90,11478−11482,1993;Ulmer,J.B.ら,Science 259,1745−1748,1993)、ラウス肉腫ウイルスLTR(RSV,Gorman,C.M.ら,PNAS 79,6777−6781,1982;Fynanら,前出;Ulmerら,前出)、MPSV LTR(Staceyら,J.Virology 50,725−732,1984)、SV40極初期プロモーター(Sprague J.ら,J.Virology 45,773,1983)、SV−40プロモーター(Berman,P.W.ら,Science,222,524−527,1983)、メタロチオネインプロモーター(Brinster,R.L.ら,Nature 296,39−42,1982)、熱ショックプロモーター(Voellmyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4949−53,1985)、Ad2の主要後期プロモーター及びβ−アクチンプロモーター(Tangら,Nature 356,152−154,1992)が挙げられる。調節配列としては更にターミネーター及びポリアデニル化配列も挙げられる。使用可能な配列としては周知のウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、SV40ポリアデニル化配列、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)ターミネーター及びポリアデニル化配列が挙げられる。
細菌、酵母、真菌、昆虫及び脊椎動物細胞発現システムは非常に多用されているシステムである。このようなシステムは当該分野で周知であり、一般に入手可能であり、例えばClontech Laboratories,Inc.4030 Fabian Way,Palo Alto,California 94303−4607,米国から市販されている。これらの発現システムに次いで寄生虫系発現システムが魅力的な発現システムである。このようなシステムは例えば仏国特許出願(公開番号2714074)やUS NTIS公開番号US08/043109(Hoffman,S.and Rogers,W.:公開日1993年12月1日)に記載されている。
本発明のこの態様の更に好ましい形態は本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質もしくはその免疫原フラグメントをコードする核酸配列、本発明のDNAフラグメント又は本発明の組換えDNA分子を含む生きた組換えキャリヤー(LRC)に関する。これらのLRCは付加遺伝情報(この場合には本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメントをコードする核酸配列)をクローニングした微生物又はウイルスである。このようなLRCに感染したウシはキャリヤーの免疫原だけでなく、LRCに遺伝コード(例えば本発明の新規22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質遺伝子)を付加的にクローニングする蛋白質の免疫原部分に対しても免疫応答を発生する。
細菌LRCの例としては、当該分野で公知の弱毒サルモネラ株を非常に有利に使用することができる。
更に、生きた組換えキャリヤー寄生虫も例えばVermeulen,A.N.(Int.Journ.Parasitol.28:1121−1130(1998))に記載されている。
更に、LRCウイルスも核酸配列をターゲット細胞に導入する手段として使用することができる。生きた組換えキャリヤーウイルスはベクターウイルスとも言う。ベクターとして多用されるウイルスはワクシニアウイルス(Panicaliら;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79:4927(1982))、ヘルペスウイルス(E.P.A.0473210A2)、及びレトロウイルス(Valerio.D.ら;Baum,S.J.,Dicke,K.A.,Lotzova,E.and Pluznik,D.H.(Eds.),Experimental Haematology today−1988.Springer Verlag,New York:pp.92−99(1989))である。
挿入した本発明の核酸配列の発現を宿主動物で誘導することが可能な選択細菌、寄生虫又はウイルスのゲノムに組換え核酸配列を導入するためには当該分野で周知のin vivo相同組換え技術を使用することができる。
本発明のこの態様の更に別の形態は機能的に連結したプロモーターの制御下に本発明の蛋白質をコードする核酸配列、前記核酸配列を含むDNAフラグメント又は前記核酸配列を含む組換えDNA分子を含む宿主細胞に関する。この形態は更に、本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメントをコードする核酸分子を含む生きた組換えキャリヤーを含む宿主細胞にも関する。
宿主細胞は例えば大腸菌、枯草菌及び乳酸桿菌種等の細菌由来細胞とすることができ、pBR322等の細菌系プラスミド、又はpEX−、pET−、pGEX−シリーズ等の細菌発現ベクター、又はバクテリオファージと併用する。宿主細胞は真核起源でもよく、例えば酵母細胞と酵母特異的ベクター分子の併用や、高等真核細胞としては、例えば昆虫細胞(Luckowら;Bio−technology 6:47−55(1988))とベクター又は組換えバキュロウイルスの併用、植物細胞と例えばTi−プラスミド系ベクター又は植物ウイルスベクター(Barton,K.A.ら;Cell 32:1033(1983))の併用、Hela細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)又はCrandell Felineネコ腎細胞等の哺乳動物細胞と適当なベクター又は組換えウイルスの併用が挙げられる。
本発明の別の態様は新規22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質及び本発明のその免疫原フラグメントに関する。
免疫原フラグメントの概念は以下のように定義する。
この態様の一形態は22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質及び少なくとも33アミノ酸長のその免疫原フラグメントに関し、前記蛋白質又は免疫原フラグメントは配列番号2に示すアミノ酸配列に対して好適度を増す順に少なくとも93%、好ましくは94%、より好ましくは95%又は96%の配列相同性を有する。
好適度を増す順に97%、98%、99%又は100%の相同性レベルが更に好ましい。
本発明のストレプトコッカス・ユベリス蛋白質の免疫原フラグメントは少なくとも33、より好ましくは好適度を増す順に35、38、41、45又は50アミノ酸長である。
この態様のより好ましい形態は本発明の核酸配列によりコードされる22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質及び前記蛋白質の免疫原フラグメントに関する。
蛋白質相同性レベルはwww.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/bl2.htmlから入手可能なサブプログラム「BLASTP」を選択することによりコンピュータープログラム「BLAST 2 SEQUENCES」を使用して決定することができる。
このプログラムについてはTatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden FEMS Microbiol.Letters 174:247−250(1999)を参照されたい。使用するマトリックスは「blosum62」である。使用するパラメーターは以下のデフォルトパラメーター:オープンギャップ:11、エクステンションギャップ:1、ギャップx_ドロップオフ:50である。
当然のことながら、本発明に含まれる特定蛋白質には個々のストレプトコッカス・ユベリス株間に自然変異が存在する可能性がある。これらの変異は配列全体のアミノ酸変異でもよいし、前記配列におけるアミノ酸の欠失、置換、挿入、逆位又は付加でもよい。生物及び免疫活性を本質的に変化させないアミノ酸置換は例えばNeurathらにより“The Proteins”Academic Press New York(1979)に記載されている。近縁アミノ酸間のアミノ酸置換又は進化で頻出している置換は特にSer/Ala、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Valである(Dayhof,M.D.,Atlas of protein sequence and structure,Nat.Biomed.Res.Found.,Washington D C.,1978,vol.5,suppl.3参照)。他のアミノ酸置換としては、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Thr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Leu/Ile、Leu/Val及びAla/Gluが挙げられる。この情報に基づき、LipmanとPearsonは迅速で高感度の蛋白質比較を行い(Science,227,1435−1441,1985)、相同蛋白質間の機能的類似性を決定する方法を開発した。得られる蛋白質がその免疫反応性を維持する限り、本発明の典型的態様のこのようなアミノ酸置換形と欠失及び/又は挿入をもつ変異形も本発明の範囲に含まれる。
本発明のストレプトコッカス・ユベリス蛋白質が異なるフィールド単離株から単離した場合に、同一免疫特性をもつ同一蛋白質でありながら約70%の相同性レベルとなる場合がある理由は上記から説明される。ストレプトコッカス・ユベリス感染又は少なくとも感染の臨床症状に対して免疫応答を誘導することが可能な蛋白質を提供する本発明の所定蛋白質のアミノ酸配列のこのような変異は「免疫原性に本質的に影響しない」とみなされる。
他方、蛋白質を例えばワクチン接種目的又は抗体産生に使用する場合には、全蛋白質を使用する必要はない。単独又は例えばKLH等のキャリヤーと結合して該当蛋白質に対する免疫応答を誘導することが可能な該当蛋白質のフラグメント(所謂免疫原フラグメント)を使用することもできる。「免疫原フラグメント」とは脊椎動物宿主で免疫応答を誘導する能力を維持している全長蛋白質のフラグメントとみなされ、例えばB又はT細胞エピトープを含む。つまり、免疫原フラグメントは本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質に対する免疫応答を誘導することが可能なフラグメントである。現在、抗原フラグメント(決定基)をコードするDNAフラグメントを容易に同定する方法として各種のものを利用できる。Geysenら(特許出願WO84/03564、特許出願WO86/06487、米国特許第4,833,092号、Proc.Natl Acad.Sci.81:3998−4002(1984),J.Imm.Meth.102,259−274(1987))により記載されている方法(所謂PEPSCAN法)は蛋白質の免疫学的に重要な領域であるエピトープの検出方法として簡便で迅速な確立方法である。この方法は世界中で使用されており、従って、当業者に周知である。この(経験的)方法はB細胞エピトープの検出に特に適している。また、任意蛋白質をコードする遺伝子の配列が与えられるならば、コンピューターアルゴリズムにより現在公知のエピトープとのその配列及び/又は構造一致に基づいて、特定蛋白質フラグメントを免疫学的に重要なエピトープであると指定することができる。これらの領域の決定はHoppとWoods(Proc.Natl.Acad.Sci.78:38248−3828(1981))による疎水性基準とChouとFasman(Advances in Enzymology 47:45−148(1987)及び米国特許第4,554,101号)による二次構造特徴を組み合わせることにより行われる。同様に、T細胞エピトープもBerzofskyの両親媒性基準(Science 235,1059−1062(1987)及び米国特許出願NTIS US 07/005,885)を使用してコンピューターにより配列から予測することができる。概要は一般原理についてはShan Lu:Tibtech 9:238−242(1991),マラリアエピトープについてはGoodら;Science 235:1059−1062(1987),考察についてはLu;Vaccine 10:3−7(1992)、HIV−エピトープについてはBerzofsky;The FASEB Journal 5:2412−2418(1991)に記載されている。免疫原フラグメントは一般に最低6アミノ酸長、より一般には8アミノ酸、好ましくは9アミノ酸以上、例えば9、10、12、15又は20アミノ酸以上である。従って、このようなフラグメントをコードする核酸配列は少なくとも18、より一般には24、好ましくは27、30、36、45又は60核酸長以上である。
従って、本発明の更に別の態様の一形態は上記のような本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメントと薬学的に許容可能なキャリヤーを併有するストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチンに関する。
本発明の更に別の態様はワクチンで使用するための本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメントに関する。
本発明の更に別の態様はストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチンの製造における、配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは85%のアミノ酸配列相同性を有する22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質、又は少なくとも6アミノ酸長の前記蛋白質の免疫原フラグメントの使用に関する。
好適度を増す順に90%、95%、97%、98%、99%又は100%の配列相同性が更に好ましい。
本発明の更に別の態様は、ワクチン、特にストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチンの製造における、本発明の核酸配列、DNAフラグメント、組換えDNA分子、生きた組換えキャリヤー、宿主細胞又は蛋白質もしくはその免疫原フラグメントの使用に関する。
本発明のワクチンの製造方法の一例は、細菌を増殖させた後に、22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメントを細菌から生化学的に精製する方法である。しかし、これは非常に時間のかかるワクチン製造方法である。
従って、22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメントをコードする遺伝子の発現産物をワクチンで使用すると著しく簡便である。これは22.5kD蛋白質をコードする遺伝子の核酸配列が本発明で提供されることから今回初めて可能になった。
これらの遺伝子の発現産物をベースとするワクチンは、本発明の蛋白質又は本発明のその免疫原フラグメントを以下に記載するような薬学的に許容可能なキャリヤーと混合することにより容易に製造することができる。
あるいは、本発明のワクチンは本発明の蛋白質又はその免疫原フラグメントを発現することが可能な上記生きた組換えキャリヤーを含むことができる。例えばサルモネラキャリヤー又はウイルスキャリヤー(例えばヘルペスウイルスベクター)をベースとするこのようなワクチンはストレプトコッカス・ユベリスの自然感染経路によく似ているという点がサブユニットワクチンよりも有利である。更に、自己増殖性であるため、免疫に必要な組換えキャリヤーが少量ですむという利点もある。
ワクチンは本発明の蛋白質又はその免疫原フラグメントを含む上記宿主細胞をベースとすることもできる。
上記全ワクチンは能動的ワクチン接種に利用することができ、即ち宿主の防御系を活性化する。
あるいは、例えばウサギで抗体を産生させることもできるし、下記抗体産生細胞株から抗体を得ることもできる。このような抗体をその後、ウシに投与することができる。このワクチン接種方法は受動的ワクチン接種であり、動物が既に感染しており、自然免疫応答を誘導する時間がない場合に選択されるワクチン接種である。これは急に高感染圧を受け易い動物にワクチン接種するために好適な方法でもある。本発明の蛋白質又はその免疫原フラグメントに対する抗体を投与すると、これらの場合にストレプトコッカス・ユベリスを妨害する。これはストレプトコッカス・ユベリス増殖を低下又は停止するという利点がある。
従って、本発明のこの態様の他の一形態は、本発明のストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又は前記蛋白質の免疫原フラグメントに対する抗体と薬学的に許容可能なキャリヤーを含むストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチンに関する。
本発明の更に別の態様は本発明のストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又は前記蛋白質の免疫原フラグメントに対する抗体に関する。
本発明の抗体の大規模製造方法も当該分野で公知である。このような方法は本発明の蛋白質をコードする遺伝情報(のフラグメント)をファージディスプレイ用繊維状ファージにクローニングすることにより実施される。このような技術は例えばhttp://aximt1.imt.uni−marburg.de/〜rek/aepphage.html.に公表されている“Antibody Engineering Page”の“filamentous phage display”欄や、研究論文としてCortese,R.ら(1994)によりTrends Biotechn.12:262−267.、Clackson,T.& Wells,J.A.(1994)によりTrends Biotechn.12:173−183、Marks,J.D.ら,(1992)によりJ.Biol.Chem.267:16007−16010、Winter,G.ら,(1994)によりAnnu.Rev.Immunol.12:433−455、及びLittle,M.ら,(1994)によりBiotechn.Adv.12:539−555に記載されている。その後、ファージを使用してラクダ重鎖抗体を発現するラクダ発現ライブラリーをスクリーニングする(Muyldermans,S.and Lauwereys,M.,Journ.Molec.Recogn.12:131−140(1999)及びGhahroudi,M.A.ら,FEBS Letters 414:512−526(1997))。所望抗体を発現するライブラリーからの細胞を複製後、抗体の大量発現に使用することができる。
更に別の態様は本発明の抗体と薬学的に許容可能なキャリヤーを混合することを含む本発明のワクチンの製造方法に関する。
別の効率的なワクチン接種方法は該当抗原をコードするDNAによる直接ワクチン接種である。蛋白質をコードするDNAによる直接ワクチン接種は多種多様の蛋白質で成功している。(例えばDonnellyら,The Immunologist 2:20−26(1993)に記載)。このワクチン接種方法もストレプトコッカス・ユベリス感染に対するウシのワクチン接種に魅力的である。従って、本発明のこの態様の更に別の形態は本発明の蛋白質もしくはその免疫原フラグメントをコードする核酸配列、前記核酸配列を含むDNAフラグメント、又は本発明の組換えDNA分子と薬学的に許容可能なキャリヤーを含むワクチンに関する。
本発明のDNAワクチンで使用するのに適したDNAプラスミドの例は細菌、真核及び酵母宿主細胞用の従来のクローニング又は発現プラスミドであり、前記プラスミドの多くは市販されている。このようなプラスミドの周知例はpBR322とpcDNA3(Invitrogen)である。本発明のDNAフラグメント又は組換えDNA分子はヌクレオチド配列の蛋白質発現を誘導することができなければならない。DNAフラグメント又は組換えDNA分子は1種以上の本発明のヌクレオチド配列を含むことができる。更に、DNAフラグメント又は組換えDNA分子は非メチル化CpGジヌクレオチドを有する免疫刺激オリゴヌクレオチドや、他の抗原蛋白質又は補助サイトカインをコードするヌクレオチド配列等の他のヌクレオチド配列を含むことができる。
本発明のワクチンで使用する本発明のヌクレオチド配列又は本発明のヌクレオチド配列を含むDNAプラスミドは転写調節配列に機能的に連結することが好ましく、裸でもよいし、送達システムにパッケージングしてもよい。適切な送達システムは脂質小胞体、免疫刺激複合体(iscom)、デンドロマー、ニオソーム、多糖マトリックス等(詳細については下記参照)であり、いずれも当該分野で周知である。上記のようなサルモネラ種等の生きた弱毒細菌や、ヘルペスウイルスベクター等の生きた弱毒ウイルスも送達システムとして非常に適切である。
この態様の更に別の形態は本発明の組換えDNA分子を含むワクチンに関する。
DNAワクチンは例えば無針注射器の使用等の皮内投与により簡単に投与することができる。この投与方法はワクチン接種すべき動物の細胞にDNAを直接送達する。10pg〜1000μgのDNA量で良好な結果が得られる。1〜100μgのμg範囲の量を使用することが好ましい。
別の態様では、本発明のワクチンは更にウシ病原生物及びウイルスに由来する1種以上の抗原、前記抗原に対する抗体又は前記抗原をコードする遺伝情報及び/又は抗生物質等の医薬成分を含む。
当然のことながら、前記抗原、前記抗原に対する抗体、又は遺伝情報は例えば別のストレプトコッカス・ユベリス抗原等のストレプトコッカス・ユベリス起源とすることができる。また、別のウシ病原生物又はウイルスから選択される抗原、抗体又は遺伝情報でもよい。このような生物及びウイルスはウシヘルペスウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、パラインフルエンザ3型ウイルス、ウシパラミキソウイルス、口蹄病ウイルス、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、タイレリア(Theileria)種、バベシア(Babesia)種、トリパノソーマ(Trypanosoma)種、アナプラズマ(Anaplasma)種、ネオスポラ・カニナム(Neospora caninum)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Staphylococcus aureus)、黄色ブドウ球菌(Streptococcus agalactiae)、マイコプラズマ、大腸菌、エンテロバクター(Enterobacter)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、シトロバクター(Citrobacter)属及びストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)から構成される群から選択することが好ましい。
22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質をベースとするワクチンはマーカーワクチンとしても非常に適切である。マーカーワクチンは、例えば野生型感染により誘導される抗体パネルと異なる特徴的抗体パネルに基づいて、ワクチン接種済みウシとフィールド感染ウシを区別することができるワクチンである。例えば、野生型細菌に存在する免疫原性蛋白質がワクチンに存在しない場合に異なる抗体パネルが誘導され、その場合、宿主はワクチン接種後に該当蛋白質に対する抗体を産生しない。従って、生きた野生型弱毒ないし不活化完全ストレプトコッカス・ユベリスをベースとするワクチンは細菌蛋白質の全部又は大半に対する抗体を誘導するが、本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質をベースとするワクチンは22.5kD蛋白質に対する抗体しか誘導しない。
ウシ由来血清を試験し、ウシが22.5kD蛋白質ワクチンを接種されているか又はストレプトコッカス・ユベリスフィールド感染しているかを調べるためには、例えば別の蛋白質、即ち22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質以外の蛋白質を添加したウェルと精製22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質のみを添加したウェルを使用する単純ELISA試験で十分である。
本発明の全ワクチンは薬学的に許容可能なキャリヤーを含む。薬学的に許容可能なキャリヤーは、例えば滅菌水又は滅菌生理食塩水とすることができる。より複雑な形態では、キャリヤーは例えば緩衝液とすることができる。
ワクチンの製造方法は本発明の蛋白質又はその免疫原フラグメント、及び/又は前記蛋白質又はその免疫原フラグメントに対する抗体、及び/又は本発明の核酸配列及び/又はDNAフラグメント、組換えDNA分子、生きた組換えキャリヤー又は宿主細胞と、薬学的に許容可能なキャリヤーを混合する。
本発明のワクチンは、好ましい形態では更に免疫刺激物質(所謂アジュバント)を添加することができる。アジュバントは一般に非特異的に宿主の免疫応答を高める物質を含む。多種多様のアジュバントが当該分野で公知である。ウシワクチンで多用されているアジュバントの例はムラミルジペプチダーゼ、リポ多糖、数種のグルカン及びグリカン並びにCarbopol(登録商標)(ホモポリマー)である。
ワクチンは更に所謂「ビヒクル」を含むことができる。ビヒクルは蛋白質が共有結合せずに接着する化合物である。このようなビヒクルは例えばバイオマイクロカプセル、アルギン酸マイクロカプセル、リポソーム及びマクロゾルであり、いずれも当該分野で公知である。
抗原をビヒクルに部分的に埋込んだこのようなビヒクルの特殊形が所謂ISCOM(EP 109.942,EP 180.564,EP 242.380)である。更に、ワクチンは1種以上の適切な表面活性化合物又は乳化剤(例えばSpan又はTween)を添加することができる。
多くの場合には、例えば易分解性蛋白質を分解から保護するため、ワクチンの保存期間を延ばすため、又は凍結乾燥効率を改善するためにワクチンを安定剤と混合する。有用な安定剤は例えばSPGA(Bovarnikら;J.Bacteriology 59:509(1950))、炭水化物(例えばソルビトール、マンニトール、トレハロース、澱粉、スクロース、デキストラン又はグルコース)、蛋白質(例えばアルブミン又はカゼインもしくはその分解物)、及び緩衝液(例えばアルカリ金属リン酸塩)である。
更に、ワクチンを生理的に許容し得る希釈剤に懸濁してもよい。言うまでもなく、他のアジュバント添加、ビヒクル化合物もしくは希釈剤添加、乳化又は蛋白質安定化方法も本発明で実施される。
本発明の蛋白質又はその免疫原フラグメントをベースとする本発明のワクチンは動物1頭当たり蛋白質1〜100μgを投与すると非常に適切であるが、一般により少量を使用することもできる。100μgを上回る用量は免疫学的には非常に適切であるが、商業的理由であまり魅力的ではない。
上記LRC−ウイルス及び細菌等の生きた弱毒組換えキャリヤーをベースとするワクチンは感染中に自己増殖するので著しく低用量を投与することができる。従って、非常に適切な量は細菌及びウイルスのいずれについても10〜10CFU/PFUである。
本発明のワクチンは、例えば皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は粘膜表面(例えば経口又は鼻腔内)投与することができる。
疾患に対する有効な防御のためには、ストレプトコッカス・ユベリス感染の迅速で正確な診断が重要である。
従って、本発明の別の目的はストレプトコッカス・ユベリス感染の検出に適した診断ツールを提供することである。
本発明の核酸配列、蛋白質及び抗体は診断用にも適している。
従って、本発明の別の態様は診断で使用するための本発明の核酸配列、蛋白質及び抗体に関する。
本発明の核酸配列又はそのフラグメントはウシにおけるストレプトコッカス・ユベリスの存在を検出するために使用することができる。ストレプトコッカス・ユベリスに感染したウシから採取したサンプルは、本発明の蛋白質をコードする核酸配列を含めて前記細菌に由来する核酸物質を含有している。これらの核酸配列は本発明の核酸配列とハイブリダイズする。本発明の核酸配列に対して反応性の核酸配列の適切な検出方法としてはハイブリダイゼーション法が挙げられ、限定されないが、PCR法とNASBA法が挙げられる。従って、本発明の核酸配列、特に配列番号1に示す配列はPCR及び/又はNASBA法で使用するためのプローブとプライマーを作製するために使用することができる。
ストレプトコッカス・ユベリスの検出用診断試験キットは、例えば被験ウシから単離した細菌核酸と反応させるためのツールを含むことができる。このようなツールは、例えば本発明の核酸配列をベースとする特異的プローブ又は(PCR)プライマー(プライマーフラグメントとも言う)である。ストレプトコッカス・ユベリスの遺伝物質が動物に存在する場合には、例えば特異的PCRプライマーと特異的に結合し、例えばcDNA合成後にPCR反応で増幅される。その後、PCR増幅産物をDNAゲル電気泳動で容易に検出することができる。
標準的なPCRに関する教科書はストレプトコッカス・ユベリス DNAとの選択的PCR反応用プライマーの長さを決定する方法を記載している。少なくとも12ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するプライマーフラグメントを使用することが多いが、15より多い、より好ましくは18ヌクレオチドのプライマーは多少選択性が高い。特に、少なくとも20、好ましくは少なくとも30ヌクレオチド長のプライマーが非常に一般に適用可能である。PCR法はDieffenbach & Dreksler;PCR primers,a laboratory manual.ISBN 0−87969−447−5(1995)に詳細に記載されている。従って、好適度を増す順に少なくとも12、好ましくは15、より好ましくは18、更に好ましくは20、22、25、30、35又は40ヌクレオチド長であり、核酸配列又はその部分が配列番号1に示す核酸配列に対して少なくとも70%の相同性を有する本発明の核酸配列又は前記核酸配列のプライマーも本発明に含まれる。プライマーは少なくとも12ヌクレオチド長であり、配列番号1に示す核酸配列に対して好適度を増す順に少なくとも70%、より好ましくは80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%の相同性を有するとみなされる。このような核酸配列は、それらがコードするDNAの量又はハイブリダイゼーション反応を増すためにPCR反応で、プライマーフラグメントとして使用することができる。この結果、例えば上記のようにストレプトコッカス・ユベリスの検出用診断ツールとして使用するための特定ヌクレオチド配列をブロット上で迅速に増幅又は検出することが可能になる。
遺伝物質の別の試験は、例えばスワブから得られた細菌物質の増殖後に古典的DNA精製を行い、その後に放射活性又は色標識プライマーフラグメントとの古典的ハイブリダイゼーションを行う。色標識フラグメントと放射性標識フラグメントを一般に検出手段と言う。PCR反応とハイブリダイゼーション反応はいずれも当該分野で周知であり、例えばManiatis/Sambrook(Sambrook,J.ら.Molecular cloning:a laboratory manual.ISBN 0−87969−309−6)に記載されている。
従って、本発明の一態様はストレプトコッカス・ユベリス核酸配列の検出用診断試験キットに関する。このような試験は本発明の核酸配列又はそのプライマーフラグメントを含む。
特異的ストレプトコッカス・ユベリス 22.5kD蛋白質の抗原物質の検出に基づき、従って、ストレプトコッカス・ユベリス感染の検出に適切な診断試験キットは例えば標準ELISA試験を含むことができる。このような試験の一例では、ELISAプレートのウェルの壁に22.5kD蛋白質に対する抗体をコーティングする。被験物質と共にインキュベーション後に、標識抗ストレプトコッカス・ユベリス抗体をウェルに添加する。その後、色反応によりストレプトコッカス・ユベリスから抗原物質の存在を検出する。
従って、本発明の更に別の態様はストレプトコッカス・ユベリスの抗原物質の検出用診断試験キットに関する。このような試験キットは本発明の22.5kD蛋白質又はそのフラグメントに対する抗体を含む。
ストレプトコッカス・ユベリスの22.5kD蛋白質に対する抗体を血清中で検出することに基づき、従って、ストレプトコッカス・ユベリス感染の検出に適切な診断試験キットは例えば標準ELISA試験を含むことができる。このような試験では、ELISAプレートのウェルの壁に、例えば22.5kD蛋白質をコーティングする。被験材料と共にインキュベーション後に、標識抗22.5kD抗体をウェルに添加する。その後、色反応の不在により、ストレプトコッカス・ユベリスに対する抗体の存在を検出する。
従って、本発明の更に別の態様はストレプトコッカス・ユベリスに対する抗体の検出用診断試験キットに関する。このような試験キットは本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はそのフラグメントを含む。
イムノアッセイのデザインは種々のものが可能である。例えば、イムノアッセイは競合又は直接反応に基づくことができる。更に、プロトコールは固体支持体を使用してもよいし、細胞材料を使用してもよい。抗体−抗原複合体の検出には標識抗体を使用することができ、ラベルは例えば酵素、蛍光、化学発光、放射性又は色素分子とすることができる。
サンプル中で本発明の蛋白質に対して反応性の抗体を検出するのに適切な方法としては酵素免疫測定法(ELISA)、免疫蛍光試験(IFT)及びウェスタンブロット分析が挙げられる。
例えば上記のように発現された本発明の蛋白質又はその免疫原フラグメントを使用して、ポリクローナル、単一特異的又はモノクローナル抗体(又はその誘導体)であり得る抗体を生産することができる。ポリクローナル抗体が所望される場合には、ポリクローナル血清の生産処理方法は当該分野で周知である(例えばMayer and Waiter,eds.Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology,Academic Press,London,1987)。
本発明の蛋白質又は本発明のその免疫原フラグメントに対して反応性のモノクローナル抗体は、同様に当該分野で公知の方法により、近交系マウスを免疫することにより作製することができる(Kohler and Milstein,Nature,256,495−497,1975)。
22.5kDa S.uberis蛋白質をコードする遺伝子のクローニングと発現
本発明の22.5kDa蛋白質のアミノ酸配列は21残基の疎水性N末端シグナル配列を含む(配列番号2)。大腸菌で発現させるために、このドメインを欠失させ、当該分野で公知の標準pETベクターに例えば数個のヒスチジンを導入することにより構築したpET由来ベクターpETHis1(アンピシリン耐性)で発現構築物を作製した。図1はT7プロモーターとマルチクローニング部位の5’及び3’末端に数個のヒスチジンを含む該当領域の配列を示す。残基22(下線部コドン)から開始し、付加NdeI制限部位(太字斜体部)をもつフォワードプライマー:
Figure 2005535350
と、遺伝子の最後の22ヌクレオチド(下線部)を含み、TAA停止コドンをもたないが、付加BamHI制限部位をもつリバースプライマー:
Figure 2005535350
を使用して22.5kDa蛋白質の残基22−200をコードするDNAフラグメントをPCR増幅した。オリゴヌクレオチドはGibco(BRL Life Technologies Inc.,米国)から購入した。このクローニングストラテジーの結果、N末端に6xHISタグとC末端に10xHISタグをもち、金属アフィニティーカラムによる蛋白質の精製に効率的に使用可能な発現産物が得られる。PCR増幅はPE GeneAmp PCR system 9700(Perkin Elmer,California,米国)を使用して実施した。PCR混合物はSupertaq 20U/ml、1xSupertaq緩衝液、dATP,dCTP,dGTP,dTTP(HT Biotechnology,Ltd,Cambridge,英国)80μM(各)、使用したプライマー10pmol及び鋳型としてS.uberisの染色体DNA1μlから構成し、総容量50μlとした。PCRは以下のプログラムを使用して実施した。2分間95℃で変性後に30秒間95℃で変性、30秒間45℃でアニール及び1分間72℃で伸長を30サイクル行い、7分間72℃で終了し、4℃まで冷却した。
このPCRフラグメントのサイズをアガロースゲル電気泳動により確認し、バンドをゲルから切り出し、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen,Inc,CA,米国)を使用して精製した。
PCRフラグメントをNdeIとBamHIで消化し、NdeI及びBamHI制限部位を使用してpETHIS1ベクターにクローニングし、プラスミドpETHis1−USP22.5を得た。ライゲーション混合物を適当な大腸菌宿主に形質転換し、クローンを選択し、ヌクレオチド配列分析により遺伝子が適正に挿入されていることを確認した。PE GeneAmp PCR system 9700(Perkin Elmer,Ca,米国)を使用してサイクルシーケンシング反応を実施した。サイクルシーケンシング反応混合物はミニプレップDNA約375ng又はPCR産物(PCRプライマーは除去する)約75ng、Big dye Terminator Ready Reaction mix(Perkin Elmer,Ca,米国)8μl、プライマー2.5pmolから構成し、総容量20μlとした。サイクルシーケンシング反応は以下のプログラムを使用して実施した。10秒間95℃、5秒間50℃、及び4分間60℃を25サイクル後に4℃とした。取込まれなかった色素をDye Ex Spin Kit(Qiagen,Inc,CA,米国)により除去した。ABI 310 Automatic Sequencerを使用してヌクレオチド配列を決定した。sequencher version 4.0.5(Gene Codes Corporation,Michigan,米国)を使用して配列分析を実施した。
正しいpETHis1−USP22.5クローンのプラスミドDNAを単離し、ベクターpLysS[遺伝子型:F,ompT,hsdS(r−,m−),gal,dcm,me131(DE3)pLysS(Cam)]を組込んだ大腸菌宿主株BL21 Star(登録商標)(DE3)に形質転換した。アンピシリン100μg/ml、クロラムフェニコール25μg/ml及びMgSO 5mMを添加したTerrific Broth(Sambrookら,1989.Molecular Cloning;a laboratory manual.Cold Spring Harbor Laboratory.Cold Spring Harbor,N.Y.)5ml中でプラスミドpLysS及びpETHis1−USP22.5を組込んだ大腸菌株BL21 Star(DE3)を30℃又は37℃にて一晩200rpmで増殖させた。この一晩培養液を新鮮な同一培地50mlで50倍に希釈した。Novaspec IIスペクトロフォトメーター(Pharmacia)で600nmにて測定したOD600が0.5に達するまでこれらの培養液を同一条件下で増殖させた。この時点で100μlサンプルを分析用に抽出した。OD600=0.5で培養液を終濃度0.1mMのIPTGで誘導し、引き続き3時間増殖を続けた。再び100μlサンプルを分析用に抽出した。サンプルをNuPAGE(登録商標)電気泳動システムでSDS−PAGEにより分析した。ゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色した。
図2はCBB染色ゲルの写真を示し、誘導後の培養液のレーンには約23kDaの明白な蛋白質バンドが認められるが、IPTG誘導前の対照レーンに存在しない。従って、S.uberisの22.5kDa蛋白質を大腸菌でHISタグ付き蛋白質として効率的に発現させることができると言える。
HISタグ付き蛋白質の金属アフィニティー精製
誘導培養液50mlの細菌ペレットを37℃で5分間解凍した。ペレットを溶解用緩衝液(8M尿素,100mM NaCl,50mM NaHPO,10mM TrisHCl pH8.0)20mlに再懸濁し、室温で15分間インキュベートした。溶解用混合物のサンプルを後期分析用に保存した。溶解用混合物1.5mlをTalonスピンカラム(Clontech,Palo Alto,California,米国)に加えた。His融合蛋白質を樹脂と5分間結合させた。カラムを2分間700xgで遠心した。溶出液を後期分析用に保存した。融合蛋白質が結合したカラムを溶解用緩衝液1mlで3回洗浄した。洗浄段階の流出液を後期分析用に保存した。6M尿素と100mM EDTAを添加した緩衝液を使用して結合蛋白質を2段階で溶出させた。この方法を使用して22.5kDa蛋白質を大腸菌溶解液から精製することができた(データは示さず)。
発現された22.5kD蛋白質のイムノブロット
大腸菌22.5kDa発現産物の反応性を実証するために、イムノブロットを実施した。
精製Hisタグ付き22.5kDa蛋白質をS.uberis蛋白質と共に蛋白質ゲルで泳動させた。S.uberisを標準条件下で増殖させた後に、連鎖球菌種の細胞壁を分解する酵素であるムタノリシンで処理した。こうすると、細胞壁会合蛋白質が放出される。遠心後に、これらの放出された蛋白質は上清中に存在する。上清と細胞ペレットの両者を蛋白質ゲルで泳動させた。
精製22.5kD蛋白質とS.uberis蛋白質の電気泳動後に、ゲルをニトロセルロースメンブレンにブロットした後、S.uberis乳腺炎に罹患しているウシに由来する1000倍希釈抗血清と共にインキュベートした。S.uberis及び大腸菌蛋白質と反応するウシ抗体を抗ウシに結合したアルカリホスファターゼで染色した。
精製22.5kDa発現産物を含むレーンには、約23kDaの明白なバンドが認められた。ウェスタンイムノブロットでこのバンドはS.uberisに感染したウシに由来する抗体に対して陽性反応した(図2のレーン6参照)。更に、ムタノリシンで処理したS.uberis細胞の培養上清を含むレーン3及び5にも類似分子量のバンドが観察された。分子量の多少の差は大腸菌発現産物の付加HIS残基による。これは22.5kDa蛋白質がS.uberis細胞の細胞壁又は表面に局在することを示している。
従って、本発明の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質は効率的に発現させた後に単離することができ、ストレプトコッカス・ユベリスに感染したウシに由来する抗血清に対して天然22.5kD蛋白質と同等レベルまで反応する。
T7プロモーターと、N末端の6xHISとC末端の10xHISの2個のHISタグを付加した多重クローニング部位を含むpETHIS1ベクターの領域を示す。 大腸菌における22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質の発現を示すSDS−PAAGEゲル。レーン1はマーカー蛋白質とその分子量を示す。「誘導前」と記載したレーン2は発現誘導前の全細胞調製物を示す。「誘導後」と記載したレーン3は発現誘導後の全細胞調製物を示す。SDS−PAAGEゲルで「誘導後」のレーンには明白な22.5kDバンド(矢印で示す)が認められる。 大腸菌において発現した22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質のウェスタンブロット。レーン1:MWマーカー、レーン2:ムタノリシン処理後のS.uberis024株の菌体(ペレット)、レーン3:ムタノリシン処理後のS.uberis024株の培養上清、レーン4:ムタノリシン処理後のS.uberis629株の菌体、レーン5:ムタノリシン処理後のS.uberis629株の培養上清、レーン6:大腸菌細胞から精製したHISタグ付き22.5kDa蛋白質。
【配列表】
Figure 2005535350
Figure 2005535350
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Claims (20)

  1. 22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス(Streptococcus uberis)蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原フラグメントをコードする前記核酸配列の部分であって、前記核酸配列又は前記その部分が配列番号1に示すストレプトコッカス・ユベリス蛋白質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する前記核酸配列又はその部分。
  2. 配列が配列番号1に示すストレプトコッカス・ユベリス蛋白質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有することを特徴とする請求項1に記載の核酸配列又はその部分。
  3. 請求項1又は2に記載の核酸配列を含むDNAフラグメント。
  4. 機能的に連結したプロモーターの制御下に請求項1もしくは2に記載の核酸配列又は請求項3に記載のDNAフラグメントを含む組換えDNA分子。
  5. 請求項1もしくは2に記載の核酸配列、請求項3に記載のDNAフラグメント又は請求項4に記載の組換えDNA分子を含む生きた組換えキャリヤー。
  6. 請求項1もしくは2に記載の核酸配列、請求項3に記載のDNAフラグメント、請求項4に記載の組換えDNA分子、又は請求項5に記載の生きた組換えキャリヤーを含む宿主細胞。
  7. 配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも93%の配列相同性を有することを特徴とする22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又は少なくとも33アミノ酸長の前記蛋白質の免疫原フラグメント。
  8. 配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも94%、好ましくは95%、より好ましくは96%のアミノ酸配列相同性を有する請求項7に記載の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメント。
  9. 前記蛋白質又は免疫原フラグメントが請求項1又は2に記載の核酸配列によりコードされることを特徴とする請求項7又は8に記載の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又は前記蛋白質の免疫原フラグメント。
  10. ワクチンで使用するための請求項7から9のいずれか一項に記載の22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又はその免疫原フラグメント。
  11. ストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチンの製造における、配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは85%のアミノ酸配列相同性を有する22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又は少なくとも6アミノ酸長の前記蛋白質の免疫原フラグメントの使用。
  12. ストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチンの製造における、請求項1もしくは2に記載の核酸配列、請求項3に記載のDNAフラグメント、請求項4に記載の組換えDNA分子、請求項5に記載の生きた組換えキャリヤー、請求項6に記載の宿主細胞又は請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質もしくはその免疫原フラグメントの使用。
  13. 配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは85%のアミノ酸配列相同性を有する22.5kD ストレプトコッカス・ユベリス蛋白質又は少なくとも6アミノ酸長の前記蛋白質の免疫原フラグメントと、薬学的に許容可能なキャリヤーを含むことを特徴とするストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチン。
  14. 請求項1もしくは2に記載の核酸配列、請求項3に記載のDNAフラグメント、請求項4に記載の組換えDNA分子、請求項5に記載の生きた組換えキャリヤー、請求項6に記載の宿主細胞又は請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質もしくはその免疫原フラグメントと、薬学的に許容可能なキャリヤーを含むことを特徴とするストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチン。
  15. 請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質又はその免疫原フラグメントに対する抗体と、薬学的に許容可能なキャリヤーを含むことを特徴とするストレプトコッカス・ユベリス感染の治療用ワクチン。
  16. 前記ワクチンがアジュバントを含むことを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載のワクチン。
  17. 前記ワクチンがウシに病原性のウイルス又は微生物に由来する付加抗原、前記抗原に対する抗体又は前記抗原をコードする遺伝情報及び/又は医薬成分を含むことを特徴とする請求項13から16のいずれか一項に記載のワクチン。
  18. 前記ウシに病原性のウイルス又は微生物がウシヘルペスウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、パラインフルエンザ3型ウイルス、ウシパラミキソウイルス、口蹄病ウイルス、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、タイレリア(Theileria)種、バベシア(Babesia)種、トリパノソーマ(Trypanosoma)種、アナプラズマ(Anaplasma)種、ネオスポラ・カニナム(Neospora caninum)、黄色ブドウ球菌、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、マイコプラズマ、大腸菌、エンテロバクター(Enterobacter)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、シトロバクター(Citrobacter)属及びストレプトコッカス・デイスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)から構成される群から選択されることを特徴とする請求項17に記載のワクチン。
  19. 請求項1もしくは2に記載の核酸配列、請求項3に記載のDNAフラグメント、請求項4に記載の組換えDNA分子、請求項5に記載の生きた組換えキャリヤー、請求項6に記載の宿主細胞、請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質又は請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質に対する抗体と、薬学的に許容可能なキャリヤーを混合することを含む請求項13から18のいずれか一項に記載のワクチンの製造方法。
  20. 適切な検出手段と、請求項1もしくは2に記載の核酸配列もしくはそのプライマー、又は請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質もしくはその免疫原フラグメント、又は請求項7から9のいずれか一項に記載の蛋白質に対して反応性の抗体を含む診断キット。
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