JP2005534568A - 安全関連システムの予備電圧供給用装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、特に自動車における、安全関連システムの予備電圧供給用の装置及び方法に関する。安全関連システムへの電圧供給の停止が認識されると結果的に別の電圧供給への切換を伴い、さらに電圧切換用1つ又は2つの制御装置の障害においても、電圧切換が引き継ぎ可能となる既定値レベルは保証される。このように、安全関連システム用電圧供給の停止及び制御装置の障害の両方に対して、電圧切換が実行可能であり、さらにこうして安全関連システムの有用性が著しく改善されることが保証できる。
Description
本発明は、特に自動車における、安全関連システムの予備電圧供給用の装置及び方法に関する。
今日まで、特に自動車において、安全関連システムへの電源供給を確保するため、予備電圧供給を備えた様々なシステムが提案されてきた。
特許文献1は、自動車における安全関連システム、例えば電気式ブレーキ等、のための電圧供給回路について開示しており、その回路において、システムはそれ自体に連結された補助バッテリを有し、そのバッテリは、充電回路及び切換装置を使用して並びに電力の監視及び分配手段を介して、車両電気系統のバッテリ及び/又は発電機に接続可能である。通常の運転では、安全関連システムはそれに連結された補助バッテリから電源供給され、補助バッテリが故障した場合あるいは補助バッテリが過大に放電した場合に切換が行われ、安全関連システムは車両電気系統のバッテリから直接電源供給される。補助バッテリにこれ以上十分な電力がない場合、この車両電気系統のバッテリへの切換によって、補助バッテリ用の監視回路の必要性はなくなる。
特許文献2は、安全関連負荷用の予備電圧供給について開示している。この装置は、車両電気系統内に配置された第1電圧供給と、第2電圧供給とを有し、第1と第2電圧供給は減結合要素によって接続されている。例えばダイオードのような、減結合要素、電流方向検知を備えたスイッチ、又は内部の短絡回路の電流探知を備えた電界効果トランジスタは、第1から第2電圧供給への電流の有向流を確保する。これに加えて、第1電圧供給、第2減結合要素、及び第2電圧供給は、第3減結合要素を用いて安全関連負荷に接続され、電流の有向流を確保する。第1電圧供給の電圧が第2電圧供給のものより低下した場合、電圧は減結合要素を通じて転送され、その結果第2電圧供給が安全関連負荷への電圧の供給機能を引き継ぐ。
最後に、特許文献3は、特に電気式操作ブレーキで使用される車両電気系統内の電気負荷への予備電圧供給について明示している。電圧供給を確保するため、電気負荷は2つの独立した電圧経路へ切断モジュールを介して同時に接続され、上記電圧経路は各々専用の電圧貯蔵部に充電・切断モジュールを介して接続されている。負荷への電圧供給を危うくする故障が供給経路の1つに発生した場合、この供給経路は適切な切換手段を用いて遮断され、電圧の供給機能は、専ら稼動中の電圧経路によって引き継がれる。切断モジュール及び充電・切断モジュールは、バッテリ連結子に組み込み可能である。
このように上述の先行技術は、安全関連システムの障害の、正確に言うと電圧供給停止の場合の、予防策を改善する様々な解決策を提供しているが、その結果、例えば、電気油圧式ブレーキ(EHB)、電気油圧式舵取り装置(EHL)等における予備レベルなしには、制動又は操舵動作を予備電源供給への切換によって利用することはできない。
しかし、これら従来の実施形態は、電圧停止の際の切換はその時にはもはや不可能なので、安全関連システム、例えば電気油圧式ブレーキ(EHB)、電気油圧式舵取り装置(EHL)等、の完全な機能停止を同様に招くかもしれない作動論理障害を補える安全対策機能を含んでいない。正確に言うと、車両内の特定の電圧は、通常は車両電気系統にとって稼動リレーによって利用可能となり、独占的に供給される。
従って、本発明の目的は、安全関連システムの予備電圧供給用の装置であって、それによって電圧供給停止と電圧供給停止の際に切り換えるための作動論理障害との両方を、簡単で費用効率の高い方法で補足できる装置を立案することである。
この目的は、請求項1の特徴を有する安全関連システムの予備電圧供給用の装置、及び請求項4の特徴を有する安全関連システムの予備電圧供給の方法によって達成される。
本発明による装置及び本発明による方法においては、安全関連システム全体にわたって異なる電圧が存在するかどうかの監視と、第1作動装置及び/又は第2作動装置が電圧のスイッチを入れたかどうかの監視との両方が、第1予備レベルとして実施され、第1及び第2作動装置が機能しない場合は、第3作動装置が電圧のスイッチを入れる。
このようにして、電圧供給の可用性は、同様に切換を実施できる2つの予備レベルの形成の結果として、イグニッション「オン」及び障害予防策の増加に対して増大する。
さらに、安全関連システムの予備電圧供給用の本発明による装置は、極めて費用効果の高い解決策を提示しているが、何故ならそれぞれに1つの電圧供給用の専用リレーを作動させる個々の作動装置は既に従来の装置に存在するので、追加的に必要なのは、通信経路、例えばCANバス、を介して情報の連絡と交換を提供することと、各作動装置が全てのリレーを作動できるようにすることのみだからである。
本発明のこれらの目的とさらなる目的、特徴及び本発明の利点について、図面を参照して以下により詳細を説明する。
以下の記述ではまず、予備電圧供給用の本発明による装置の単純化した構造を、図1を参照してより詳細に述べる。
図1では、通信信号が転送されるのに通る通信経路の例として、11がCANバスを示している。予備電圧供給用の本発明による装置は、第1作動装置1を有し、この装置は1つ以上の安全関連システム5全体にわたる電圧の存在をラインSp1を介して監視し、そこに電圧が存在しない場合、リレー装置4に含まれる1つ以上のリレーを制御信号St1を用いて作動させることができ、それによって電圧はその後安全関連システム5に再び印加される。さらに、第1作動装置1は、安全関連システム5への電圧供給を復旧するためリレー装置4内の1つ以上のリレーが作動される場合、要請メッセージAnf1をCANバス11に出力する。これらリレー装置4のリレーは、安全関連電気系統5、例えば電気油圧式ブレーキ(EHB)、電気油圧式舵取り装置(EHL)等、のための電圧供給のスイッチを入れたり切ったりする。
さらに、本発明による装置は、第2作動装置2を備え、この装置は1つ以上の安全関連システム5全体にわたる電圧の存在をラインSp2を介して監視し、そこに電圧が存在しない場合、リレー装置4内のリレーを同様に作動させることができる。第2作動装置2が第1作動装置1からCANバス11を介して要請メッセージAnf1を受信した場合、第2作動装置2は、第1作動装置1がリレー装置4の切換を起動させたかどうか、つまり1つ以上の安全関連システム5の電圧供給が復旧されたかどうかを確認する。リレー装置4が未だ切り換えておらず、その上安全関連システム5には電圧が印加されていないとラインSp2を介して判断された場合、第2作動装置は、電圧供給を復旧するためにリレー装置4内のリレーを作動させる。第2作動装置2は、安全関連システム5全体にわたる電圧の欠乏にも関わらずリレー装置4内のリレーを切り換えできない場合、要請メッセージAnf2をCANバス11に送信するように構成されている。
これら2つの第1及び第2作動装置1、2に加えて第3作動装置3もあり、この装置は1つ以上の安全関連システム5全体にわたる電圧の存在をラインSp3を介して監視し、そこに電圧が存在しない場合、リレー装置4内のリレーを同様に作動させることができる。作動装置3が、第1作動装置1からの要請メッセージAnf1と、第2作動装置2からの要請メッセージAnf2との両方をCANバスを介して受信し、安全関連システム5にわたる電圧の欠如を検知した場合、作動装置3は、リレーが切り換えられるようにリレー装置4を作動させ、それによって安全関連システム5への電圧供給は回復する。
安全上の重要システムの予備電圧供給のための本発明による方法について、図2aと2bからなる図2を参照して以下の本文により詳細を説明する。
最初に、ステップS1において、第1作動装置1はラインSp1を介して、1つ以上の安全関連システム5全体にわたって電圧が検知可能かどうか監視する。検知できる場合、手順は終了し、再び開始(監視)へ戻る。
ステップS1において、1つ以上の安全関連システム5に電圧が印加されていないと判断された場合、ステップS2において、第1作動装置1は制御信号St1を用いてリレー装置4を作動させるので、電圧は再び安全関連システムに印加される。そうでなければ、手順はステップS1の後終了する。
引き続きステップS3において、電圧を供給するためにリレーを切り換える必要があることを提示する、要請メッセージAnf1がCANバス11に出力される。要請メッセージAnf1は、第2作動装置2によってステップS4で受信される。これに続いて、第2作動装置2は、第1作動装置1がリレー装置4の作動/切換に成功したかどうかを、ステップS5において確認する。成功している場合、手順は終了する。そうでなければ、手順はステップS6へ進み、そこで1つ以上の安全関連システム5に電圧が印加されているかどうかラインSp2を介して判断される。Yesの場合、手順は終了する。Noの場合、手順はステップS7へ進み、そこで第2作動装置2がリレー装置4を作動/切換することが可能かどうかが確認される。ステップS7において作動/切換が可能であると判断された場合、次にステップS8において、第2作動装置2は制御信号St2を用いてリレー装置4を作動/切換し、その後手順は終了する。
第2作動装置2にとって、如何なる理由でも、例えば制御信号St2用のラインの断線などが原因でも、リレー装置4の作動/切換が不可能な場合は、第2作動装置2は、ステップS9において、要請メッセージAnf2をCANバス11に出力する。ステップS10において、第3作動装置3は、第1作動装置1からの要請メッセージAnf1と共に、この要請メッセージAnf2を第2作動装置2から受信する。これに続いて、ステップS11において、第3作動装置3によって制御信号St3を用いてリレー装置4を作動/切換する。その後手順は終了する。
安全関連システムの予備電圧供給用の本発明による上記の装置及び方法は、実現するのに費用効率が良い。何故なら、1つの電圧供給に対してその都度専用リレーを作動させる個々の作動装置は既に従来の装置に存在しており、さらに必要とされるのは、通信経路の一例として、例えば制御回路、LIN等、CANバスを介して情報の連絡及び交換を提供することだけだからである。
このようにして、安全関連システムの予備電圧供給用の信頼性のある装置及び方法は簡単明瞭かつ費用効果の高い方法で実現可能であり、回路部品及び構成要素に多額な追加費用がかからない。
本願において、安全関連システムの予備電圧供給用の本発明による装置及び方法の利点は、リレーの切換のための二重化である。特別な目的の電圧供給の準備を確保することで、結果として安全上の重要システムの可用性水準はより高いものとなる。
当業者は、好ましい例示された実施形態で使用された3つの作動装置の代わりに、より多くの作動装置を、あるいはリレー用の車両内の多数の作動装置の中からそれぞれに3つの作動装置を、使用してもよいことは言うまでもない。
Claims (4)
- 特に自動車用の安全関連システムの予備電圧供給用の装置であって、
少なくとも1つの第1作動装置(1)と、
1つの第2作動装置(2)と、
1つの第3作動装置(3)と、を有し、これら作動装置は各々安全関連システム(5)の電圧供給を切り換えるためリレー装置(4)内のリレーを作動させるよう構成されており、
前記作動装置(1、2、3)は通信経路(11)に接続されており、
前記第1及び第2作動装置(1、2)は前記安全関連システム(5)に印加された電圧を監視する装置をそれぞれ有し、
前記第1作動装置(1)は、前記安全関連システム(5)に印加される電圧を監視する前記装置が電圧は印加されていないことを検知した場合、前記リレー装置(4)の切換工程を始動可能で、並びに前記通信経路(11)へ要請メッセージ(Anf1)を出力可能であり、
前記第2作動装置(2)は、前記第1作動装置が既に前記リレー装置(4)を作動させ切り換えたかどうかを確認する装置を有し、前記確認用装置が前記第1作動装置は未だ前記リレー装置を作動させていないあるいは切り換えていないと判断した場合、及び前記安全関連システム(5)に印加される電圧を監視する前記装置が電圧は印加されていないことを検知した場合、前記第2作動装置は前記リレー装置(4)の切換工程を始動可能で、前記リレー装置(4)の切換工程の始動が不可能な場合、前記通信経路(11)へ別の要請メッセージ(Anf2)を出力可能であり、
前記第3作動装置(3)は、前記第1及び第2作動装置(1、2)からの前記要請メッセージ(Anf1、Anf2)を前記通信経路(11)から受信可能で、両方の要請メッセージ(Anf1、Anf2)が受信されると前記リレー装置(4)の切換工程を始動可能とすることを特徴とする装置。 - リレーを備えた前記リレー装置(4)の代わりに電圧を切り換える別の装置が使用できることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記通信経路(11)はCANバスであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の装置。
- 自動車に好適な安全関連システムの予備電圧供給の方法であって、
(S1)第1作動装置(1)は、第1ライン(Sp1)を介して、1つ以上の安全関連システム(5)全体にわたって電圧が検知可能かどうか監視し、そうである場合は開始点へ戻るステップと、
(S2)ステップS1において1つ以上の安全関連システム(5)に電圧が印加されていないと判断された場合、前記第1作動装置(1)は第1制御信号(St1)を用いてリレー装置(4)を作動させ、それによって電圧が再び前記安全関連システム(5)に印加されるステップと、
(S3)前記第1作動装置(1)は、電圧を供給するために前記リレー装置(4)の少なくとも1つのリレーを切り換える必要があることを提示する第1要請メッセージ(Anf1)を通信経路(11)へ出力するステップと、
(S4)前記第2作動装置(2)が前記第1要請メッセージ(Anf1)を受信するステップと、
(S5)前記第1作動装置(1)が前記リレー装置(4)の作動/切換に成功したかどうかを、前記第2作動装置(2)が確認し、そうである場合は開始点へ戻るステップと、
(S6)前記第2作動装置(2)が、1つ以上の安全関連システム(5)に電圧が印加されているかどうかを第2ライン(Sp2)を介して判断し、Yesの場合は前記開始点へ戻るステップと、
(S7)Noの場合、前記第2作動装置(2)が前記リレー装置(4)を作動/切換することが可能かどうか確認するステップと、
(S8)ステップS7において作動/切換が可能であると判断された場合、前記第2作動装置(2)は第2制御信号(St2)を用いて前記リレー装置(4)を作動/切換し、その後前記開始点へ戻るステップと、
(S9)如何なる理由でも、例えば前記第2制御信号用の前記ラインの断線などが原因でも、前記第2作動装置(2)にとって前記リレー装置(4)の作動/切換が不可能な場合は、前記第2作動装置(2)は、第2要請メッセージ(Anf2)を前記通信経路(11)に出力するステップと、
(S10)前記第3作動装置(3)が、前記第1作動装置(1)からの前記第1要請メッセージ(Anf1)と共に、前記第2要請メッセージ(Anf2)を前記第2作動装置(2)から受信するステップと、
(S11)前記第3作動装置(3)は、第3制御信号(St3)を用いて前記リレー装置(4)を作動/切換し、前記開始点へ戻るステップと、
を特徴とする方法。
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