JP2005532321A - 呼吸器の疾患および状態の、選択的iNOS阻害剤とPDE阻害剤による治療方法、ならびにそのための組成物 - Google Patents

呼吸器の疾患および状態の、選択的iNOS阻害剤とPDE阻害剤による治療方法、ならびにそのための組成物 Download PDF

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Abstract

呼吸器の疾患または状態を予防または治療するための治療方法を記載するが、この方法は、その必要のある対象に、誘導型一酸化窒素シンターゼの選択的阻害剤を、呼吸器の疾患または状態に有効な量だけ投与することを含む。

Description

本発明は、一般に、誘導型の一酸化窒素シンターゼ(iNOS)の選択的阻害剤と、ホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害剤とを使用する医学的治療方法、より詳細には、喘息状態、ならびに概して慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる肺疾患を含む呼吸器の疾患および状態の医学的予防および治療に有用な新規の方法、ならびにその組成物に関する。
喘息は、世界中で約1億5千万人が罹患しており、幼小児期の最も罹患率の高い慢性疾患である。ここ数十年間認められている小児喘息の高い罹患率から、適切な予防手段を講じない限り、近い将来喘息罹患率が増大することが予測される。約1千万のアメリカ人が喘息に罹患しており、その3分の1が18才未満である。米国だけでも、年間数十億ドルが喘息関連の保健医療に費やされている。喘息の特徴である時折の呼吸困難は、1)気管支攣縮、すなわち、気道筋の収縮による変化しやすく可逆性の気道閉塞、2)気道の内側の炎症、および3)気道中に過剰の粘液をもたらす気管支の過剰応答を含む3大要因が組み合わさってもたらされる。喘息発作の誘因には、個体によって様々であるが、ヒョウダニやカビなどのアレルゲン、環境汚染物質、ウイルス性病原体、および肉体労作もしくは運動が含まれる。
COPDの世界的な推定値は、昔から主として死亡率の統計値に基づくものである。このことは、COPDの診断がなされていながら、死亡の主因または一因として挙げられないことがしばしばあるので、誤解を招く数字をもたらす。罹患率の見積りには、気流閉塞の測定が必要である。その結果として、COPD罹患率についての人口に基づく良好なデータをもつ国はほとんどない。それにもかかわらず、推定値は、COPDによる死亡および能力障害が、ほとんどの地域で男女共に増加していることを示す。メイヨークリニックは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、主として気腫または慢性気管支炎が、米国で年間85,000人の死者を出していることを報告している。慢性閉塞性肺疾患とは、実際は、いずれもが炎症を含む喘息性気管支炎、(気流が正常な)慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎、水泡性疾患、および気腫を含む、いくつかの慢性もしくは進行性肺疾患を一まとめにして指す。たとえば、慢性気管支炎は、慢性の咳、粘液の増加、頻繁な去痰動作、および息切れを含む症状を引き起こす、気管支の管の内側の炎症およびその結果として生じた瘢痕である。気腫は、タバコの煙などの環境汚染物質への長期間の暴露に対する、気道内側の正常であるが慢性の炎症性応答の結果として生じる。
喘息およびCOPDの薬物治療には、βアドレナリン作動薬、メチルキサンチン、および抗コリン作動薬を含む気管支拡張剤の静脈内、経口、皮下、または吸入投与のほか、抗炎症作用では、副腎皮質ステロイド、クロモリンおよびタイレード(Tilade)として知られている肥満細胞メディエーター放出阻害剤、またはより最近では、抗ロイコトリエン剤の投与が含まれる。しかし、喘息およびCOPDの病因および進行において役割を担う、炎症および免疫の過程についての細胞および分子の機序は、まだよくわかっていない。
一酸化窒素(NO)は、酵素の一酸化窒素シンターゼ(NOS)のいくつかのアイソフォームのいずれか1種によって生成される、生理活性のあるフリーラジカルガスである。後にNOであると同定された物質の生理活性は、1980年代初期に最初に発見され、そのとき、アセチルコリンによって引き起こされる血管の弛緩が、血管内皮の存在に依存していることがわかった。当時内皮由来弛緩因子(EDRF)と呼ばれた、そうした血管の弛緩の媒介となる内皮由来の因子は、現在、NOSの一アイソフォームによって血管内皮中で産生されるNOであることがわかっている。NOの血管拡張剤としての活性は、100年前からよく知られている。また、NOは、亜硝酸アミルおよび三硝酸グリセリルを含む既知のニトロ血管拡張剤から誘導される活性化学種である。一酸化窒素は、可溶性グアニル酸シクラーゼの内在性刺激因子でもあり、したがってcGMP産生を刺激する。NOSがN−モノメチルアルギニン(L−NMMA)によって阻害されるとき、cGMPの生成は完全に妨げられる。内皮依存的な弛緩に加えて、NOは、食細胞による細胞毒性、および中枢神経系における細胞から細胞への伝達を含むいくつかの生理作用に関与することがわかっている。
EDRFがNOであると同定されると同時に、アミノ酸L−アルギニンから酵素NOシンターゼによってNOが合成される生化学経路が発見された。NOシンターゼは、次のように少なくとも3種類存在する。
(i)受容体または物理的刺激に応答してNOを放出する、内皮にある構成型のCa++/カルモジュリン依存性酵素。
(ii)受容体または物理的刺激に応答してNOを放出する、脳にある構成型のCa++/カルモジュリン依存性酵素。
(iii)血管平滑筋、マクロファージ、内皮細胞、および他のいくつかの細胞が内毒素およびサイトカインによって活性化された後に誘導される、130kDのタンパク質であるCa++非依存性酵素。この誘導型一酸化窒素シンターゼ(以下では「iNOS」)は、発現したならば、長期間絶え間なくNOを産生する。
臨床研究は、リウマチや骨関節炎などの様々な慢性炎症性疾患でNO産生およびiNOS発現が増大することを示しており、iNOSが、このような慢性炎症性疾患の主な病理学的要因であることが示唆されている。
したがって、iNOSによる過剰なNO産生の阻害は、抗炎症性である見込みがある。しかし、eNOSおよびnNOSからのNOの産生は、正常な生理機能に関与し、したがって炎症の治療に使用するNOS阻害剤は、eNOS産生NOによる血圧の正常な生理的モジュレーション、ならびにnNOS産生NOによる非アドレナリン作用性、非コリン作用性の神経伝達が影響を受けないままとなるよう、iNOSに対して選択的でなければならない。
喘息患者および他の炎症性気道疾患患者は、呼気中のNO濃度が正常者よりも増大しており、吐き出されたNOは、気道炎症のマーカーとして提案されている。iNOSの発現の増加は、喘息患者の上皮、および気管支炎患者の肺マクロファージ中で認められる。たとえば、Barnes,P.J.およびLiew,F.Y.、Immunol.Today、第16巻(3):128〜30ページ(1995年)を参照されたい。
iNOSによるNOの過剰産生は、喘息の気道炎症の病因と関連付けられてきた。たとえば、Eissa,N.T.ら、Am.J.Resp.Cell and Mol.Biol.第24巻(5):616〜20ページ(2001年)を参照されたい。マウスのアレルギー性喘息モデルでは、NOS阻害剤のL−NAME、S−エチルイソチオ尿素、または2−アミノ−5,6−ジヒドロ 6−メチル4H−1,3−チアジンのうちの1種を投与すると、ケモカイン発現の下向き調節によって気道炎症が抑制された。Trifilieff,A.ら、J.Immunol.第165巻(3)1526〜33ページ(2000年)を参照されたい。喘息ならびに鼻炎のための治療戦略に、アミノグアニジンによるiNOSの選択的な阻害を含めることが提唱されている。Schapowal,A.G.およびBrunnenkant,W.、Allergologie、第19巻(1):49ページ(1996年)を参照されたい。高レベルのiNOS産生NOの持続的な産生は、気道内皮の破壊、繊毛機能の低下、およびTH−1支配性応答からTH−2支配性応答へのバランス移行の根底をなしていると考えられ、さらに好酸球に対する化学誘引物質をもたらすとも考えられており、喘息においてiNOSを選択的に阻害すると、肺の炎症が軽減され、気道の機能が改善されることが示唆される。Manning,P.T.ら、Prog.in Resp.Res.第31巻:156〜59ページ(2001年)を参照されたい。
PCT特許出願第WO01/05748号は、新規なオリゴマーアミノ酸誘導体を、喘息を含む、自己免疫状態または炎症状態の治療に有用な選択的iNOS阻害剤として開示している。
患者にヘパリンを投与して、核因子κB(NF−kB)が細胞原形質から核へと転位されるのをブロックし、それによってNF−kBの発現を阻害する、喘息、糖尿病性血管疾患、心不全、および敗血症を治療するためのNF−kB活性の阻害も記載されている。PCT公開第01/019376号を参照のこと。NF−kB依存的な遺伝子発現の支配下にあると考えられているタンパク質には、サイトカインのTHF、IL−1、IL−2、IL−6、IL−8、インターフェロンβ、インターフェロンγ、組織因子1、補体、およびiNOSが含まれる。同上。
しかし、喘息およびCOPDの根底にある細胞および分子の機序はまだよくわかっていない。そのような呼吸器の病気をNOS活性の阻害によって治療すべきだという提議とは対照的に、喘息患者および他の肺疾患患者の呼気中に認められるNO濃度の増加が、NOS活性を含む代償的な機序を示すものであるという提議もなされている。したがって、NOS活性の阻害を含む、提唱されている喘息またはCOPDの治療とは対照的に、代わりに一酸化窒素を供与し、移動させ、または放出する化合物、あるいはNOの内発的な産生を刺激する化合物の投与を含む治療方法が必要であることも提議されている。たとえば、米国特許第RE37,116号および同第6,331,543号を参照のこと。
他の研究は、喘息またはCOPDのiNOS阻害剤による治療とは距離を置く教示をしている。グアニルシクラーゼによるGTPからcGMPへの変換は、iNOSによって刺激されるので、iNOSを選択的に阻害すると、グアニル酸シクラーゼ活性およびcGMPレベルが低下するはずであると考えられる。しかし、米国特許第6,333,354号は、喘息を含む急性もしくは慢性の気管支閉塞または急性もしくは慢性の炎症を、PDE阻害剤とグアニルシクラーゼアゴニストを併用して治療することを教示している。グアニルシクラーゼアゴニストは、iNOS阻害剤と反対の作用をもち、cGMPレベルを低下させず、グアニルシクラーゼ活性およびcGMP産生の増大をもたらすことが予想される。
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、全身の組織で数多くの機能し得る経路に関与している。テオフィリンやカフェインなどの薬剤は、数十年の間非特異的なPDE阻害剤として認められてきた。「GOODMAN & GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS」、832〜4ページ(Joel G.Hardman他編、第9版、1996年)を参照されたい。より最近では、多数のPDEアイソフォームの1種または複数に対して多少の特異性を示すPDE阻害剤のクラスが記載されており、これらは、機能特異的な作用を引き起こす。たとえば、PDE−III特異的阻害剤は、血管および気道の拡張、血小板凝固の阻害、脂肪分解の刺激、およびサイトカイン産生の阻害を引き起こす。同上。PDE−IV特異的阻害剤は、気道平滑筋の弛緩、炎症メディエーター放出の抑制、CNSのモジュレーション、および胃酸分泌を引き起こす。同上。
しかし、喘息およびCOPDの治療にPDE阻害剤を使用する既知の方法は、iNOSの阻害によって引き起こされるものと反対の作用をもつはずの化合物を使用している。上述の米国特許第6,333,354号は、PDE阻害剤とグアニルシクラーゼアゴニストを併用する、cGMPを減らすというより、cGMPレベルを高めることになる、喘息を含む、急性もしくは慢性の気管支閉塞または急性もしくは慢性の炎症の治療を教示している。他の特許は、内在NOレベルを低下させるというより高める、ニトロソ化およびニトロシル化PDE阻害剤を含む、特に喘息、気管支炎、およびCOPD治療のための方法および組成物を記載している。たとえば、米国特許第6,331,543号を参照されたい。
こうした背景を背に、炎症および気道閉塞を含む、肺および呼吸器の、過剰なiNOS活性およびPDE活性に関連しているであろう様々な疾患および状態を治療および予防するため、さらに毒性および有害な副作用を最小限に抑えて全体としての治療効果を向上させるための新規な薬剤および方法を発見することへの関心がますます高まってきている。したがって、炎症に関連した肺の疾患および状態を治療および予防するための新しい組成物および治療方法を発見し、記載することは有利なはずである。
iNOS阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの投与を含む、呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象におけるそのような治療、予防、または抑制のための方法、ならびにそのための組成物を記載する。
代表的な実施形態では、iNOS阻害剤は、NOSのiNOSアイソフォームに選択的な任意の阻害剤である。
PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグは、アイソザイム選択的な、PDE−I、PDE−II、PDE−III、PDE−IV、PDE−V、PDE−VI、およびPDE−VIIの阻害剤のほか、PDE−III/IV二重阻害剤を含む任意のPDE阻害剤である。代表的な実施形態では、PDE阻害剤は、PDE−III阻害剤またはPDE−IV阻害剤である。
呼吸器の疾患または状態は、アレルゲン誘発性喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性喘息、冷気誘発性喘息、ウイルス誘発性喘息、気流が正常な慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎、気腫、喘息様気管支炎、嚢胞症(bullous disease)、嚢胞性線維症、鳩愛好者病、農夫肺、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、呼吸もしくは吸入傷害、肺の脂肪閉塞、肺のアシドーシス炎症、急性肺水腫、急性高山病、心臓手術後、急性肺性高血圧、新生児の持続性肺性高血圧、周産器呼吸器症候群、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリンを含む喘息状態およびCOPDからなる群から選択される。
iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグは、対象に、実質的に同時にまたは逐次的に、少なくとも1日1回、経口的に、吸入によって、経腸的に、または非経口的に投与する。
別の実施形態では、本発明は、炎症性要素を有する呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象における、その治療、予防、または抑制のための方法であって、前記対象に、ある用量のiNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、ある用量のPDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを投与することを含み、前記iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの前記用量と、前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの前記用量が合わさって、前記の呼吸器の疾患または状態を治療、予防、または抑制する治療有効量となる方法を対象とする。
本発明は、ある量のiNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、ある量のPDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを含む、呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象におけるその治療、予防、または抑制のための組成物も対象とする。
本発明は、呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象におけるその治療、予防、または抑制のためのキットであって、iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含む第1の剤形と、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含む第2の剤形とを含み、前記剤形が合わさって、前記の呼吸器の疾患または状態を治療、予防、または抑制する治療有効量である前記iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを含むキットも対象とする。
当業者に本発明を実施しやすくするために、以下に詳細な説明を記載する。しかし、この詳細な説明は、本発明を過度に限定するものと解釈すべきでなく、したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって、本明細書で論じる典型的な実施形態に変更および変化を添えることができる。
本明細書に引用する主要な各参照文献の内容は、その主要な参照文献内に引用される参照文献の内容を含めて、その全体を参照により本明細書に援用する。
本発明は、選択的iNOS阻害剤とホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤を使用して、呼吸器の疾患または状態を治療、予防、または抑制する治療方法、ならびにそのための組成物を含む。この組成物および方法は、アレルゲン誘発性喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性喘息、冷気誘発性喘息、およびウイルス誘発性喘息を含む喘息状態;気流が正常な慢性気管支炎、気流閉塞を伴う慢性気管支炎(慢性閉塞性気管支炎)、気腫、喘息様気管支炎、および嚢胞症を含む慢性閉塞性肺疾患、ならびに嚢胞性線維症、鳩愛好者病、農夫肺、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、呼吸もしくは吸入傷害、肺の脂肪閉塞、肺のアシドーシス炎症、急性肺水腫、急性高山病、心臓手術後、急性肺性抗血圧、新生児の持続性肺性抗血圧、周産期呼吸器症候群、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン−プロタミン反応、敗血症、喘息発作重積状態、および低酸素症を含む炎症を伴う他の肺疾患を含む呼吸器の疾患または状態を予防、治療、または抑制するための医学で使用するためのものである。
a.定義付け
用語「一酸化窒素シンターゼ」および「NOS」とは、本明細書では互換的に、eNOS、nNOS、およびiNOSを含む酵素一酸化窒素シンターゼのアイソフォームのいずれかのアイソフォームを指す。
用語「誘導型一酸化窒素シンターゼ」、「NOS−2」、および「iNOS」とは、本明細書では互換的に、酵素一酸化窒素シンターゼのCa+2非依存性誘導型アイソフォームを指す。
用語「一酸化窒素シンターゼ阻害剤」および「NOS阻害剤」とは、本明細書では互換的に、一酸化窒素シンターゼ酵素の生理作用を低減する化合物を意味する。そのような阻害剤は、一酸化窒素シンターゼの特定のアイソフォームに対して選択的であってもよいし、または実質的に非選択的、すなわち広範囲に2種以上の一酸化窒素シンターゼアイソフォームに対して有効であってもよい。
用語「選択的一酸化窒素シンターゼ阻害剤」および「選択的NOS阻害剤」とは、特定の一酸化窒素シンターゼアイソフォームの生理作用を、他の一酸化窒素シンターゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「選択的誘導型一酸化窒素シンターゼ阻害剤」、「選択的NOS−2阻害剤」、および「選択的iNOS阻害剤」とは、カルシウムイオン非依存性の一酸化窒素シンターゼアイソフォームの生理作用を、他の一酸化窒素シンターゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。一実施形態では、選択的iNOS阻害剤は、in vivoでの投与が100mg/kg未満の効果(ED50)をもたらす程度に、内皮NOSまたはニューロンNOSよりもiNOSに選択的な阻害を引き起こす。別の実施形態では、げっ歯類の内毒素モデルにおいて、選択的iNOS阻害剤は、in vivoでの投与が10mg/kg未満の効果(ED50)をもたらす程度に、内皮NOSまたはニューロンNOSよりもiNOSに選択的な阻害を引き起こす。別の実施形態では、iNOS阻害剤は、平均動脈血圧の上昇によって測定してeNOSについて約20倍の選択性を示す。さらに別の実施形態では、iNOS阻害剤は、平均動脈血圧の上昇によって測定してeNOSについて100倍以上の選択性を示す。さらに別の実施形態では、iNOS阻害剤は、消化管輸送能または陰茎***能の低減によって測定してnNOSについて約20倍の選択性を示す。別の実施形態では、iNOS阻害剤は、消化管輸送能または陰茎***能の低減によって測定してnNOSについて約100倍以上の選択性を示す。
用語「ホスホジエステラーゼ阻害剤」および「PDE阻害剤」とは、本明細書では互換的に、ホスホジエステラーゼ酵素の生理作用を低減し、したがって環状AMP(cAMP)および環状(cGMP)の分解を緩慢にする化合物を意味する。このような阻害剤は、ホスホジエステラーゼの特定のアイソザイムに特異的(すなわち、選択的)であってもよいし、または実質的に非特異的(非選択的)、すなわち、広範囲に2種以上のホスホジエステラーゼアイソフォームに有効であってもよい。
用語「PDE−I阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−Iアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「PDE−II阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−IIアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「PDE−III阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−IIIアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「PDE−IV阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−IVアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
PDE IV阻害剤は、異なるPDEアイソフォームについて、異なるin vitroIC50値を示し得る。ある化合物が示した別のPDEアイソフォーム(ここでは「PDE Z」)の阻害についてのin vitroでのIC50値を、PDE IVの阻害についてのIC50値で割ったものを、本明細書では、その別のPDEアイソフォームについての「アイソフォーム間(inter-isoform)選択性」と呼ぶ。
用語「アイソフォーム間選択的PDE IV阻害剤」とは、そのアイソフォーム間選択性が別のPDEアイソフォームの選択性に対して1よりも大きいPDE IV阻害剤を指す。
阻害剤が結合するヒト単球組換えPDE IV(ヒトPDE IV)には、少なくとも2種の結合型が存在すると考えられている。このような知見の理由は、1つには、ヒトPDE IVが2種の異なる形態で存在することである。一方は、ロリプラムを高い親和性で結合し、他方は、ロリプラムを低い親和性で結合する。本明細書では、我々は、高親和性ロリプラム結合型(HPDE IV)および低親和性結合型(LPDE IV)と呼んでこれらの形態を区別する。HPDE IVに結合しようと強力に競合するある化合物が、LPDE IVとより強力に競合する化合物よりも多くの副作用、またはより重い副作用を有することが報告されている(たとえば、参照により本明細書に援用する米国特許第5,998,428号を参照のこと)。別のデータは、化合物の標的を、低親和性結合型のPDE IVにすることができること、ならびにこの形態が、ロリプラムをそれに対する高親和性結合剤とする結合型とは別個のものであることを示している。LPDE IVと相互に作用する化合物は、抗炎症活性を有することが報告されているが、HPDE IVと相互に作用する化合物は、副作用を引き起こし、またはそのような副作用をより強く示す。ロリプラムは、一方の型の触媒部位1箇所に、ここではKが10ナノモル未満であると規定する高い親和性で結合し(HPDE IV)、他方の型には、ここではKが100ナノモルを上回ると規定する低い親和性で結合する(LPDE IV)。米国特許第5,998,428号は、化合物のHPDE IVとLPDE IVについてのIC50比を測定する方法を記載している。
本明細書では、用語「アイソフォーム内(intra-isoform)選択性」とは、特定の化合物に関して、そのHPDE IVについてのin vitroでのIC50を、そのLPDE IVについてのin vitroでのIC50で割ったものを指す。
用語「アイソフォーム内選択的PDE IV阻害剤」とは、アイソフォーム内選択性がそれに対して約0.1以上であるPDE IV阻害剤を意味する。
用語「PDE−V阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−Vアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「PDE−VI阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−VIアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「PDE−VII阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−VIIアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「PDE−III/IIV二重阻害剤」とは、ホスホジエステラーゼのPDE−IIIアイソフォームとPDE−IVアイソフォームの生理作用を、他のホスホジエステラーゼアイソフォームよりも優先的に低減することのできる化合物を意味する。
用語「アルキル」とは、単独または複合語で、好ましくは1個〜約10個の炭素原子、より好ましくは1個〜約6個の炭素原子を含む、直鎖状または分枝状の非環式アルキル基を意味する。「アルキル」は、3個〜約7個の炭素原子、好ましくは3〜5個の炭素原子を含む環式アルキル基も含む。前記アルキル基は、以下で規定するような基で置換されていてもよい。このような基の例には、メチル、エチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、シアノブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、アミノペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチルなどが含まれる。
用語「アルケニル」とは、少なくとも1個の二重結合を含む、直鎖状または分枝状の不飽和非環式炭化水素基を指す。このような基は、2個〜約6個の炭素原子、好ましくは2個〜約4個の炭素原子、より好ましくは2個〜約3個の炭素原子を含む。前記アルケニル基は、以下で規定するような基で置換されていてもよい。適切なアルケニル基の例には、プロペニル、2−クロロプロペニル、ブテン−1−イル、イソブテニル、ペンテン−1−イル、2−メチルブテン−1−イル、3−メチルブテン−1−イル、ヘキセン−1−イル、3−ヒドロキシヘキセン−1−イル、ヘプテン−1−イル、およびオクテン−1−イルなどが含まれる。
用語「アルキニル」とは、1個または複数の三重結合を含む、直鎖状または分枝状の不飽和非環式炭化水素基を指し、このような基は、2個〜約6個の炭素原子、好ましくは2個〜約4個の炭素原子、より好ましくは約2個〜約3個の炭素原子を含む。前記アルキニル基は、以下で規定するような基で置換されていてもよい。適切なアルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ペンチン−1−イル、ペンチン−2−イル、4−メトキシペンチン−2−イル、3−メチルブチン−1−イル、ヘキシン−1−イル、ヘキシン−2−イル、ヘキシン−3−イル、3,3−ジメチルブチン−1−イル基などが挙げられる。
用語「アルコキシ」は、メトキシ基などの、1個〜約6個の炭素原子、好ましくは1個〜約3個の炭素原子からなるアルキル部分をそれぞれが有する直鎖状または分枝状のオキシ含有基を含む。用語「アルコキシアルキル」は、1個または複数のアルコキシ基がそのアルキル基に結合している、すなわちモノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキル基を形成しているアルキル基を含む。そのような基の例には、メトキシアルキル、エトキシアルキル、プロポキシアルキル、ブトキシアルキル、およびt−ブトキシアルキルが含まれる。「アルコキシ」基は、フルオロ、クロロ、ブロモなどの1個または複数のハロ原子でさらに置換されて、「ハロアルコキシ」基になっていてもよい。そのような基の例としては、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、およびフルオロプロポキシが挙げられる。
用語「アルキルチオ」は、1個〜約6個の炭素原子からなる直鎖状または分枝状のアルキル基を含む基が2価の硫黄原子に結合したものを含む。「低級アルキルチオ」の例は、メチルチオ(CH−S−)である。
用語「アルキルチオアルキル」は、アルキルチオ基がアルキル基に結合したものを含む。そのような基の例としては、メチルチオメチルが挙げられる。
用語「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素原子などのハロゲンを意味する。
用語「ヘテロシクリル」とは、1個または複数の炭素原子がN、S、P、またはOによって置換されている、飽和または不飽和の単環式もしくは多環式炭素環を意味する。これには、たとえば、次の構造
Figure 2005532321
[式中、Z、Z、Z、またはZは、C、S、P、O、またはNであり、ただし、Z、Z、Z、またはZのうちの1個は、別のZ原子に二重結合によって結合している、あるいは別のOまたはS原子に結合しているとき、炭素以外であるが、OおよびSでない。]さらに、任意選択の置換基は、それぞれがCであるときのみZ、Z、Z、またはZに結合すると理解される。用語「ヘテロシクリル」には、ピペラジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、オキシラニル、アジリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、チアゾリジニル他などの、完全に飽和した環構造も含まれる。用語「ヘテロシクリル」には、ジヒドロフラニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、クロマニル、ジヒドロチオフェニル他など、部分的に不飽和の環構造も含まれる。
用語「ヘテロアリール」とは、完全に不飽和の複素環を意味する。
「複素環」または「ヘテロアリール」では、問題の分子との結合箇所は、ヘテロ原子の箇所でも、またはその環内の他の箇所でもよい。
用語「シクロアルキル」とは、各環が3個〜約7個の炭素原子、好ましくは3個〜約5個の炭素原子を含む単環式もしくは多環式炭素環を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルケニル、シクロヘプチルなどの基が含まれる。用語「シクロアルキル」はさらに、シクロアルキル環が、ベンゾチエピンの7員複素環と同じような環上炭素原子を有するスピロ系を含む。
用語「オキソ」とは、二重結合している酸素を意味する。
用語「アルコキシ」とは、メトキシ基などの、酸素原子に結合したアルキル基からなる基を意味する。より好ましいアルコキシ基は、1個〜約10個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」基である。さらにより好ましいアルコキシ基は、1個〜約6個の炭素原子を有する。そのような基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。
用語「アリール」とは、完全に不飽和の単環式もしくは多環式炭素環を意味し、これには、それだけに限らないが、置換または非置換のフェニル、ナフチル、またはアントラセニルが含まれる。
語句「置換されていてもよい」とは、指示される基の水素が置換されていてもよいが、その必要がないことを意味する。したがって、語句「1個または複数の...で置換されていてもよい」とは、指示される部分で置換が行われる場合、その上に1回を超える置換が考えられることを意味する。このことについては、1個を超える任意選択の置換基が存在する場合、いずれかの置換基を選択してもよいし、あるいは置換基の組合せを選択してもよいし、あるいは同じ置換基を1個を超えて選択してもよい。例として、限定するものではないが、用語「1個または複数のハロまたはアルコキシで置換されていてもよいC〜Cアルキル」とは、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルが、置換可能なすべての位置に、水素、フッ素、塩素、もしくは他のハロゲン、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、もしくは他のアルコキシ基、ならびにこれらの組合せをもっていてよいことを意味すると解釈すべきである。非限定的な例には、プロピル、イソプロピル、メトキシプロピル、フルオロメチル、フルオロプロピル、1−フルオロ−メトキシメチルなどが含まれる。
化合物を構造と名称の両方で記載するとき、名称は示される構造に対応するものとし、同様にその構造は示される名称に対応するものとする。
用語「対象」とは、本明細書では、治療、診察、または実験の目的の動物、一実施形態では哺乳動物、代表的な実施形態では特にヒトを指す。
用語「投与」および「治療」とは、本明細書では、対象、特にヒトが、対象の状態を直接または間接的に改善する目的を伴う医学的援助を受ける任意の経過、行為、適用、治療などを指す。
用語「治療用化合物」とは、本明細書では、呼吸器の疾患または状態の予防または治療に有用な化合物を指す。
用語「治療上有効な」とは、本明細書では、治療用化合物の量の特性、または併用療法では、組み合わせる治療用化合物の各量の特性を指す。この量または組み合わせる各量は、呼吸器の疾患または状態を予防し、回避し、軽減し、または消失させる目的を達成するものである。
用語「プロドラッグ」とは、対象に投与され、その後吸収された後、代謝過程などのいくらかの過程を経てin vivoで活性化学種に変換される薬物前駆体である化合物を指す。変換過程からの他の産物は、身体によって容易に処分される。より好ましいプロドラッグには、一般に安全であると認められている産物を生じる交換過程が関与する。
用語「併用療法」とは、2種以上の治療剤を投与して状態を治療するものである。そのような投与は、そうした治療剤を、各活性成分を定率で含む単一のカプセルや、各活性成分別の複数のカプセルにするなど、実質的に一時に同時投与することを含む。さらに、このような投与は、それぞれの種類の治療剤を連続的に使用することも含む。どちらの場合でも、治療投与計画によって、その状態の治療に薬物併用の有益な効果がもたらされる。
用語「喘息」とは、1)気管支攣縮、すなわち、気道筋の収縮による変化しやすく可逆性の気道閉塞、2)気道の内側の炎症、および3)気道中に過剰の粘液をもたらす気管支の過剰応答を含む3大要因のいずれか1つまたは組合せによって引き起こされる時折の呼吸困難を特徴とする呼吸障害を指し、ヒョウダニやカビなどのアレルゲンもしくはアレルゲンの組合せ、ウイルスもしくは細菌感染、特に「感冒」ウイルスによる感染、化学薬品の煙霧や噴煙などの環境汚染物質、運動中などの過度の肉体労作、ストレス、または冷気の吸入に対する暴露がきっかけとなり得る。
用語「喘息状態」とは、個体が、その個体にとっての任意の1種または数種の喘息誘因にさらされて喘息発作に遭う特性を指す。個体は、たとえば、アレルゲン誘発性喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性喘息、ウイルス誘発性喘息、または冷気誘発性喘息に罹患していることを特徴としていてよい。
用語「慢性閉塞性肺疾患」および「COPD」とは、本明細書では互換的に、数カ月間にわたり著しく変化せず、在来の気管支拡張剤では回復しないか、または最小限にしか回復しない、肺の最大呼気流量の減少および緩慢な努力呼出を特徴とする慢性の障害または障害の併発を指す。最も一般には、COPDは、慢性気管支炎、すなわち連続する約2年間に3カ月間以上咳および痰があることと、気腫、すなわち肺胞の損傷とが併発するものである。しかし、COPDは、気流が正常な慢性気管支炎、気流閉塞を伴う慢性気管支炎(慢性閉塞性気管支炎)、気腫、喘息様気管支炎、嚢胞症、およびこれらの組合せと関連していてよい。
用語「呼吸」とは、鼻、喉、喉頭、気管、気管支、および肺を含む身体系統を通して酸素が身体に取り込まれ、二酸化炭素が排出される過程を指す。
用語「呼吸器の疾患または状態」とは、炎症を伴い、特に気管、気管支、および肺を含む呼吸器系の構成部分が罹患する病のいずれか1種を指す。そのような病には、アレルゲン誘発性喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性喘息、冷気誘発性喘息、ストレス誘発性喘息、およびウイルス誘発性喘息を含む喘息状態;気流の正常な慢性気管支炎、気流閉塞を伴う慢性気管支炎(慢性閉塞性気管支炎)、気腫、喘息様気管支炎、および嚢胞症を含む慢性閉塞性肺疾患、ならびに嚢胞性線維症、鳩愛好者病、農夫肺、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、呼吸もしくは吸入傷害、肺の脂肪閉塞、肺のアシドーシス炎症、急性肺水腫、急性高山病、心臓手術後、急性肺性高血圧、新生児の持続性肺性高血圧、周産器呼吸器症候群、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン−プロタミン反応、敗血症、喘息発作重積状態、および低酸素症を含む炎症を伴う他の肺疾患が含まれる。
用語「呼吸器状態に有効な」とは、本明細書では、治療用化合物の量の特性、または併用療法では、組み合わせる治療用化合物の各量の特性を指す。この量または組み合わせる各量は、呼吸器の疾患または状態を予防し、回避し、軽減し、または消失させる目的を達成するものである。
本発明は、その化合物がその阻害作用を発揮する機序に特に関係なく、任意のiNOS選択的阻害剤の使用を企図する。誘導型NOS選択的阻害剤には、例として述べると、S−(2−アミノエチル)イソチオ尿素、アミノグアニジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、AMT、L−カナバニン、2−イミノピペリジン、S−イソプロピルイソチオ尿素、S−メチルイソチオ尿素、L−NIL、および1400W、または薬剤学的に許容できるその塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物が含まれる。
本発明は、阻害剤がiNOSに対して選択的であろうと非選択的であろうと、NOS酵素のiNOSアイソフォームのどんな阻害剤の使用も企図する。
代表的な実施形態では、iNOS阻害剤は、iNOSに選択的である。選択的iNOS阻害剤の実例となる例では、次式I
Figure 2005532321
の化合物または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグによって治療を容易にするが、上式で、
は、H、ハロ、および1個または複数のハロで置換されていてもよいアルキルからなる群から選択され、
は、H、ハロ、および1個または複数のハロで置換されていてもよいアルキルからなる群から選択され、
ただし、RまたはRの少なくとも一方はハロを含み、
は、Hおよびヒドロキシからなる群から選択され、
Jは、ヒドロキシ、アルコキシ、およびNRからなる群から選択され、
は、H、低級アルキル、低級アルキレニル、および低級アルキニルからなる群から選択され;Rは、H、およびその環の少なくとも1員が炭素原子であり、1個〜約4個のヘテロ原子が酸素、窒素、および硫黄からそれぞれ独立に選択されている複素環からなる群から選択され、前記複素環は、ヘテロアリールアミノ、N−アリール−N−アルキルアミノ、N−ヘテロアリールアミノ−N−アルキルアミノ、ハロアルキルチオ、アルカノイルオキシ、アルコキシ、ヘテロアラルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ニトロ、低級アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アルールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、アミドスルホニル、モノアルキルアミドスルホニル、ジアルキルアミドスルホニル、モノアリールアミドスルホニル、アリールスルホンアミド、ジアリールアミドスルホニル、モノアルキルモノアリールアミドスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイル、ハロアルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレンジオキシ、ハロアルキレンジオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルケニルアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシハロアルキル、ヒドロキシアラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシヘテロアラルキル、ハロアルコキシアルキル、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、飽和ヘテロシクリル、部分的に飽和したヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボキサミドアルキル、ジカルボキサミドアルキル、シアノカルボアルコキシアルキル、カルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、シアノシクロアルキル、ジシアノシクロアルキル、カルボキサミドシクロアルキル、ジカルボキサミドシクロアルキル、カルボアルコキシシアノシクロアルキル、カルボアルコキシシクロアルキル、ジカルボアルコキシシクロアルキル、ホルミルアルキル、アシルアルキル、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキル、ホスホノアルキル、ジアルコキシホスホノアルコキシ、ジアラルコキシホスホノアルコキシ、ホスホノアルコキシ、ジアルコキシホスホノアルキルアミノ、ジアラルコキシホスホノアルキルアミノ、ホスホノアルキルアミノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキル、グアニジノ、アミジノ、およびアシルアミノで置換されていてもよい。
別の実施形態では、本発明は、化合物またはその塩を利用する治療を提供するが、その化合物は、次式II
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグに相当する構造を有する。
式IIの構造では、Xは、−S−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択される。Xは、−S−であることが好ましい。R12は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ−Cアルキル、およびC〜Cアルキルチオ−Cアルキルからなる群から選択され、これらの基はそれぞれ、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい。R12は、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキルであることが好ましい。R13およびR18について、R18は、−OR24および−N(R25)(R26)からなる群から選択され、R13は、−H、−OH、−C(O)−R27、−C(O)−O−R28、および−C(O)−S−R29からなる群から選択されるか;あるいはR18は−N(R30)−であり、R13は−C(O)−であり、R18とR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しているか;あるいはR18は−O−であり、R13は−C(R31)(R32)−であり、R18とR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成している。R13が−C(R31)(R32)−である場合、R14は−C(O)−O−R33であり、そうでない場合、R14は−Hである。R11、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cアルコキシ−Cアルキルからなる群から選択される。R19およびR20は、それぞれ独立に、−H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cアルコキシ−Cアルキルからなる群から選択される。R21およびR22について、R21は、−H、−OH、−C(O)−O−R34、および−C(O)−S−R35からなる群から選択され、R22は、−H、−OH、−C(O)−O−R36、および−C(O)−S−R37からなる群から選択されるか;あるいはR21は−O−であり、R22は−C(O)−であり、R21とR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しているか;あるいはR21は−C(O)−であり、R22は−O−であり、R21とR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成している。R23は、Cアルキルである。R24は、−HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、R24がC〜Cアルキルであるとき、R24は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよい。R25およびR26について、R25は、−H、アルキル、およびアルコキシからなる群から選択され、R26は、−H、−OH、アルキル、アルコキシ、−C(O)−R38、−C(O)−O−R39、および−C(O)−S−R40からなる群から選択され、ここで、R25およびR26が、それぞれ独立に、アルキルまたはアルコキシであるとき、R25およびR26は、それぞれ独立に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよく;あるいはR25は−Hであり、R26は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される。R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、およびR40は、それぞれ独立に、−Hおよびアルキルからなる群から選択され、アルキルは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよい。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、およびR40のいずれかが、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される部分であるとき、その部分は、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよい。
好ましい化合物では、R18は−OHである。R18が−OHであるとき、XはSであることが好ましい。別の化合物では、R11、R15、R16、R17、R19、およびR20は、それぞれ独立に、−HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択されている。R15、R16、R17、R19、およびR20はそれぞれ、−Hであることが好ましい。R23は、様々な基、たとえばフルオロメチルまたはメチルでよい。R11は、−OHおよびハロゲンからなる群から選択される置換基によって置換されていてもよいC〜Cアルキルでよく、好ましくは、R11は、ハロゲンで置換されていてもよいCアルキルであり、より好ましくは、R11は、フルオロメチル、ヒドロキシメチル、およびメチルからなる群から選択されている。重要な一化合物では、R11は、メチルでよい。あるいは、R11は、フルオロメチルでよい。別の選択肢では、R11は、ヒドロキシメチルでよい。別の化合物では、R12は、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキルである。好ましい一化合物では、R12は、ハロゲンで置換されていてもよいCアルキルである。たとえば、R12はメチルでよい。あるいは、R12はフルオロメチルでよい。さらに別の例では、R12はヒドロキシメチルでよい。さらに別の例では、R12はメトキシメチルでよい。
この代表的な化合物では、R13、R14、R21、およびR22がそれぞれ、−Hであることが好ましい。この化合物では、R11、R15、R16、R17、R19、およびR20が、それぞれ独立に、−HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択されていることがさらに好ましい。R15、R16、R17、R19、R20はそれぞれ、−Hであることが好ましい。この別の化合物では、R23は、たとえばフルオロメチルでよく、または別の例では、R23はメチルでよい。このような例の好ましい化合物では、R12は、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキルである。R12は、ハロゲンで置換されていてもよいCアルキルであることが好ましい。そのような一例では、R12はフルオロメチルである。別の例では、R12はメチルである。あるいは、R12はヒドロキシメチルでよい。別の選択肢では、R12はメトキシメチルでよい。
23がメチルであるとき、R11は、たとえば、−H、または−OHおよびハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキルでよい。好ましい化合物では、R11は−Hである。あるいは、R11は、−OHおよびハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキルでよい。たとえば、R11は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル異性体、またはヘキシル異性体でよい。たとえば、R11はエチルでよい。あるいは、R11は、−OHおよびハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていてもよいCアルキルでよく、たとえば、R11はメチルでよい。あるいは、R11はフルオロメチルでよい。別の選択肢では、R11はヒドロキシメチルでよい。
別の化合物では、R18は−OR24でよい。R24は、上で規定したとおりでよい。R24は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよいC〜Cアルキルであることが好ましく、より好ましくは、R24はC〜Cアルキルであり、さらに好ましくは、R24はメチルである。化合物IIのさらに別の例では、R18は−N(R25)(R26)でよく、R25およびR26は、上で規定したとおりである。さらに別の化合物では、R18は−N(R30)−でよく、R13は−C(O)−でよく、R18およびR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成している。さらに別の例では、R18は−O−でよく、R13は−C(R31)(R32)−でよく、R18およびR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成している。
式IIの化合物では、R21は、−OH、−C(O)−O−R34、および−C(O)−S−R35からなる群から選択されていてよい。R21は、−OHであることが好ましい。別の例では、R22は、R21が−OHであるとき−Hである。
しかし、今回の例は、R21が−O−であり、R22が−C(O)−であり、R21およびR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成している、有用な式IIの化合物も提供する。別の有用な化合物では、R21は−C(O)−であり、R22は−O−であり、R21およびR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成している。あるいは、R22は、−OH、−C(O)−O−R36、および−C(O)−S−R37からなる群から選択されていてよい。この代替例では、R21は、−Hであることが好ましい。
本発明を実施する際に有用な別の選択的iNOS阻害剤では、化合物は、次式III
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグ
によって表され、上式で、
41は、Hまたはメチルであり、
42は、Hまたはメチルである。
本発明を実施する際に有用な別の選択的iNOS阻害剤は、次式IVの化合物
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグに代表される。
本発明に有用な、代表的な別の選択的iNOS阻害剤は、次式V
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグによって表わされ、上式で、
43は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
44は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
45は、C〜Cアルキル、またはアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルである。
別の例示的な選択的iNOS阻害剤は、次式VI
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグによって表わされ、上式で、
46は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい。
本発明に有用な、代表的な別の選択的iNOS阻害剤は、次式VII
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグによって表わされ、上式で、
47は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
48は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルからなる群から選択され、
49は、C〜Cアルキル、またはアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルである。
本発明に有用な代表的な別の選択的iNOS阻害剤は、次式VIII
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグに代表され、上式で、
50は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい。
本発明を実施する際に有用な別の選択的iNOS阻害剤は、次式IXの化合物
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグに代表され、上式で、
51は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロによって置換されていてもよく、
52は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
53は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
54は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
55は、ハロおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい。
本発明を実施する際に有用なさらに別の選択的iNOS阻害剤は、次式Xの化合物
Figure 2005532321
または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグに代表され、上式で、
56は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい。
代表的な別の化合物では、誘導型一酸化窒素シンターゼ選択的阻害剤は、式XIを有する化合物またはその薬剤学的に許容できるものである。化合物XIは、以前に2000年5月11日に公開された国際公開第WO00/26195号に記載されており、この文献を参照により本明細書に援用する。
Figure 2005532321
本発明は、他の選択的iNOS阻害剤の使用も企図する。例として、同様に本発明に有用なiNOS選択的阻害剤は、米国特許第6,355,689号、Beswickら、2000年11月29日出願、2002年3月12日発行に記載されており、次式XIの選択的iNOS阻害剤
Figure 2005532321
[式中、Rは、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、およびC1〜4ハロアルキルから選択されている。]を記載し、その特許を請求している。米国特許第6,355,689号の記述には、RがC1〜4アルキルであることが好ましく、メチルであることがより好ましいと述べられている。米国特許第6,355,689号で開示され、この方法および組成物での使用に適する詳細な実施形態には、
S−((R)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
S−((S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
S−((R)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
S−((S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)ブチル)−L−システイン、
S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ,2−シクロプロピル)エチル)−L−システイン、および
S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ,3−ヒドロキシ)プロピル)−L−システイン、
または薬剤学的に許容できるその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能し得る誘導体が含まれる。
iNOSの二量体化を阻害してその阻害作用を発揮すると考えられているiNOS阻害剤の本発明での使用も企図するが、そうした阻害剤には、Berlex Laboratories,Inc.、15049 San Pablo Avenue,P.O.Box4099、Richmond、CA94804−0099、およびPharmacopeia,Inc.、Princeton Forrestal Center、101 College Road East、Princeton、NJ08540による1998年8月27日公開の国際公開第WO9837079、国際特許出願第PCT/US98/03176号に記載されている化合物が含まれる。簡潔に述べると、その公開特許は、次式XIII、XIV、およびXVの化合物
Figure 2005532321
式XIII、
Figure 2005532321
式XIV、または
Figure 2005532321
式XV
[式中、
Aは、−R、−OR、C(O)N(R)R、P(O)[N(R)R、−N(R)C(O)R、−N(R16)C(O)OR、−N(R)R21、−N(R16)C(O)N(R)R16、−S(O)、−SONHC(O)R、−NHSO22、−SONH(R)H、−C(O)NHSO22、および−CH=NORであり、
各X、Y、およびZは、それぞれ独立に、NまたはC(R19)であり、
各Uは、NまたはC(R)であり、ただし、Uは、XがNであり、ZおよびYがCR19であるときのみNであり、
Vは、N(R)、S、O、またはC(R)Hであり、
各Wは、NまたはCHであり、
Qは、直接結合、−C(O)−、−O−、−C(=N−R)−、S(O)、および−N(R)−からなる群から選択され、
mは、0、または1〜4の整数であり、
nは、0、または1〜3の整数であり、
qは、0または1であり、
rは、0または1であり、ただし、QおよびVがヘテロ原子であるとき、m、q、およびrは、すべてが0になることはできず、
Aが−OR、N(R)C(O)R、−N(R16)C(O)OR、−N(R)R21、−N(R16)C(O)N(R)R16、−S(O)(tは0である)、または−NHSO22であるとき、n、q、およびrは、すべてが0になることはできず、Qがヘテロ原子であり、Aが−OR、N(R)C(O)R、−N(R16)C(O)OR、−N(R)R21、N(R16)C(O)N(R)R16、−S(O)(tが0であるとき)、または−NHSO22であるとき、mおよびnは、両方とも0になることはできず、
tは、0、1、または2であり、
Figure 2005532321
は、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルであり、
Figure 2005532321
は、置換されていてもよいカルボシクリルまたは置換されていてもよいN−ヘテロシクリルであり、
各RおよびRは、水素、置換されていてもよいC〜C20アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、−[C〜Cアルキル]−R、−[C〜Cアルケニル]−R、−[C〜Cアルキニル]−R、−[C〜Cアルキル]−R10(ヒドロキシで置換されていてもよい)、−[C〜C]−R11(ヒドロキシで置換されていてもよい)、置換されていてもよいヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
あるいはRおよびRは、その結合相手の窒素原子と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、ハロアルキル、−[C〜Cアルキル]−C(O)N(R)R、−[C〜Cアルキル]−N(R)R、−[C〜Cアルキル]−R、−[C〜Cアルキル]−R10、−[C〜Cアルキル]−R11、およびヘテロシクリル(ハロ、アルキル、アルコキシ、およびイミダゾリルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)からなる群から選択され、
あるいはQが−N(R)−、またはRへの直接結合であるとき、Rはさらに、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、および−C(=NR18)−NHでよく、
あるいは−Q−Rは、一緒になって−C(O)OH、−C(O)N(R)R、または
Figure 2005532321
を表し、
は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、
ただし、Aが−Rまたは−ORであるとき、Rは水素になることができず、VがCHであるとき、Rはさらにヒドロキシでもよく、
は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ハロアルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアリール、−OR16、−S(O)−R16、N(R16)R21、N(R16)C(O)N(R)R16、N(R16)C(O)OR16、N(R16)C(O)R16、−[C〜Cアルキル]−C(H)[C(O)R16、および−[C〜Cアルキル]−C(O)N(R)R16からなる群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、−[C〜Cアルキル]−R、−[C〜C]アルキル]−R10、−[C〜Cアルキル]−R11、アシル、−C(O)R、−C(O)− −[C〜Cアルキル]−R、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アリールスルホニルアミノカルボニル、置換されていてもよいN−ヘテロシクリル、−C(=NH)−N(CN)R、−C(O)R23−N(R)R、−C(O)−N(R)R23−C(O)ORからなる群から選択され、
各RおよびRは、ハロアルキル、シクロアルキル(ハロ、シアノ、アルキル、またはアルコキシで置換されていてもよい)、カルボシクリル(ハロ、アルキル、およびアルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)、およびヘテロシクリル(アルキル、アラルキル、またはアルコキシで置換されていてもよい)からなる群からそれぞれ独立に選択され、
各R10は、ハロ、アルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアラルコキシ、置換されていてもよい−S(O)−R22、アシルアミノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(トリフェニルメチル)アミノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルスルホンアミドからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各R11は、シアノ、ジ(アルコキシ)アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各R12、R13、R14、R15、R17、およびR20は、それぞれ独立に、水素またはアルキルであり、
各R16は、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、またはシクロアルキルであり、
18は、水素、NO、またはトルエンスルホニルであり、
各R19は、それぞれ独立に、水素、アルキル(ヒドロキシで置換されていてもよい)、シクロプロピル、ハロ、またはハロアルキルであり、
各R21は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、−C(O)R22、または−SO22であり、あるいは
21は、R、およびこれらの結合相手の窒素と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、あるいは
21は、R16、およびこれらの結合相手の窒素と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、
各R22は、それぞれ独立に、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいアラルキルであり、
23は、アミノ酸残基である。]の、
単一の立体異性体もしくはその混合物としてのもの、または薬剤学的に許容できるその塩を開示している。
別のiNOS二量体化阻害剤である3−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−{2−[4−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)フェノキシ]エトキシ}−2−フェニルピリジン(PPA250)は、Ohtsukaら、J Phamacol Exp Ther第303巻第1号、52〜57ページ、2002年10月に記載されている。PPA250は、次の構造
Figure 2005532321
を有する。
したがって、本発明の別の実施形態では、化合物PPA250を選択的iNOS阻害剤として使用してよい。
アンチセンスオリゴヌクレオチドが、ヒトを含む脊椎動物のmRNAレベルを効果的にブロックし、したがって、iNOSの発現を低減または抑制し得ることも提唱されている。たとえば、2001年7月26日にWO01/52902として公開された、ISIS Pharmaceuticals,Inc.による国際出願第PCT/US01/01381号は、iNOSの発現をモジュレートするためのアンチセンス化合物、詳細には、iNOSをコードしている核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを記載している。本発明は、本発明の方法および組成物に、そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドをiNOS選択的阻害剤として使用することも企図する。
本発明の方法および組成物で使用するPDE阻害剤には、特異的(すなわち選択的)および非特異的(すなわち非選択的)PDE阻害剤が含まれる。しかし、気道の拡張または気道平滑筋の弛緩に特異的に関与することがわかっているPDEアイソザイム選択的阻害剤が特に好ましい。たとえば、PDE−IIIアイソザイム選択的阻害剤は、気道の拡張を引き起こす。「GOODMAN & GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS」、832〜4ページ(Joel G.Hardmanら編、第9版、1996年)を参照されたい。PDE−IVアイソザイム選択的阻害剤は、気道平滑筋の弛緩を引き起こす。同上。
したがって、代表的な一実施形態では、PDE阻害剤は、PDE−III阻害剤の群から選択する。代表的な別の実施形態では、PDE阻害剤は、PDE−IV阻害剤の群から選択する。代替実施形態では、PDE阻害剤は、PDE−III/IV二重阻害剤の群から選択する。さらに別の実施形態では、PDE阻害剤は、PDE−II阻害剤の群から選択する。
非特異的PDE阻害剤には、例として述べれば、テオフィリン、ジピリダモール、トレンタール(ペントキシフィリン)、ヘキストマリオンルセル、(ドイツ国Bad Soden);およびイソブチルメチルキサンチン(IBMX)が含まれる。
特異的PDE−I阻害剤には、例として述べれば、ビンポセチン、KS−505a、W−7、およびフェノチアジンが含まれる。
特異的PDE−II阻害剤は、例として述べれば、EHNAである。PDE IV阻害剤のアイソフォーム間選択性を決定するには、推定上の阻害剤化合物を、典型的な場合では、ホスホジエステラーゼの個々のアイソフォームそれぞれと一緒に、また基質の環状ヌクレオチドも同時にインキュベートする。次いで、基質分解産物の有無によってPDE阻害剤の判定を行う。たとえば、Hatzelmann,A.ら、J.Pharm.Exper.Therap.、第297巻(1):267〜279ページ(2001年)を参照されたい。阻害化合物がトリチウム化された環状ヌクレオチドの分解を緩慢にし、または防止する能力を比較すると、問題の化合物が、各アイソフォームの1種または複数をどれだけうまく選択して阻害するかが示される1つの試験となる。代表例となるPDEアイソフォーム酵素および他の反応基質は、適切な組織から単離して得ることができ、その購入も報告されている。
実際、PDE IV阻害剤のin vitroでの選択性は、試験を実施する条件および試験する阻害剤に応じて様々でよい。しかし、本明細書の目的では、PDE IV阻害剤の選択性は、PDE IVでない他の任意のホスホジエステラーゼ酵素アイソフォーム(Z)の阻害についてのin vitroIC50値を、PDE IVの阻害についてのIC50値で割ったもの(PDE Z IC50/PDE IV IC50)の比として測定することができ、Zは、PDE IVでない任意のPDEである。本明細書では、用語「IC50」とは、ホスホジエステラーゼ活性を50%阻害するのに必要な化合物濃度を指す。PDE IV選択的阻害剤は、PDE Z IC50対PDE IV IC50の比が1を上回る任意の阻害剤である。好ましい実施形態では、この比は、2を上回り、より好ましくは10を上回り、さらに好ましくは100を上回り、それ以上に好ましくは1000を上回る。
例として、Hatzelmann,A.ら、J.Pharm.Exper.Therap.、第297巻(1):267〜279ページ(2001年)では、PDE IV対するロフルミラスト活性についてのIC50が、0.0008μMであると報告されている一方、PDE Iに対するロフルミラスト活性についてのIC50は、>10μMであると報告されている。したがって、ロフルミラストのPDE IVに対する選択性は、PDE Iの>10/0.0008倍、または少なくとも約12,500倍になるはずである。同様に、ロフルミラストのPDE IVに対する選択性は、PDE Vの8/0.0008倍または少なくとも約10,000倍になるはずである。
したがって、本発明の好ましいPDE IV選択的阻害剤は、PDE IV IC50が約1μM未満であり、より好ましくは約0.1μM未満、さらに好ましくは約0.01μM未満、さらにまた好ましくは約0.001μM未満である。好ましいPDE IV選択的阻害剤は、PDE Z IC50が約1μMを上回り、より好ましくは10μMを上回る。本発明での使用に特に好ましい選択的PDE IV阻害剤の例が、最近になって肺の炎症の治療での使用について記載されており、それは、効力が強くかつ選択性のある新規なPDE4阻害剤であるピリジルベンズアミド誘導体のロフルミラスト(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシ−N−(3,5−ジクロロピリド−4−イル]−ベンズアミド)である。参照により本明細書に援用する米国特許第5,712,298号を参照されたい。
PDE IV阻害剤は、1)カテコールエーテル(構造上ロリプラムと関連付けられる、広範な順応性のある阻害剤分子がこれに分類される)、2)構造上ニトラクアゾンと関連付けられるキナゾリンジオン、および3)テオフィリンが属するキサンチンの3通りの主な化学クラスに分類される。このクラスの中で、キナゾリジオンおよびキサンチンは、2つのサブクラスに分類することができる。
PDE IV阻害剤は、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラスト、およびZK−117137、バミフィリン(bamifylline)、ダイフィリン、イブジラスト、およびテオフィリンからなる群から選択されることが好ましい。本発明に有用な更なる個々のPDE IV阻害剤は、表1に個別にリストする。
Figure 2005532321
Figure 2005532321
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Figure 2005532321
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Figure 2005532321
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Figure 2005532321
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Figure 2005532321
Figure 2005532321
Figure 2005532321
Figure 2005532321
Figure 2005532321
Figure 2005532321
一実施形態では、PDE IV阻害剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、プマフェントリン(Pumafentrin)、L−869298、ZK−117137、およびロリプラムからなる群から選択されるカテコールエーテルである。好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、シロミラストである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、ロフルミラストである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、ロリプラムである。
別の実施形態では、PDE IV阻害剤は、YM−976、Sch−351591、IC−485、Sch−365351、PD−189659、CP−77059、RS−14203e、AWD−12−281、D−22888、およびYM58977からなる群から選択される、キナゾリジンまたは類似の化合物である。
別の実施形態では、PDE IV阻害剤は、テオフィリン、シパムフィリン(cipamfylline)、アロフィリン(arofylline)、V−11294A、RPR−132294、IBMX、イスブフィリン(isbufylline)、ドキソフィリン、ダイフィリン、ベロフィリン(verofylline)、バミフィリン(bamifylline)、ペントキシフィリン、エンプロフィリン(enprofylline)、デンブフィリン(denbufylline)、カイロサイエンス245412(Chiroscience245412)、ICI−63197、SCA−40、イブジラスト、N−シクロペンチル−8−シクロプロピル−3−プロピル−3H−プリン−6−アミン、および8−シクロプロピル−N,3−ジエチル−3H−プリン−6−アミンからなる群から選択されるキサンチンまたは類似化合物である。好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、テオフィリンである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、アロフィリンである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、ドキソフィリンである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、ダイフィリンである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、バミフィリンである。別の好ましい実施形態では、PDE IV阻害剤は、イブジラストである。
別の実施形態では、PDE IV阻害剤は、リリミラスト(lirimilast)、(4−クロロフェニル)[3−(3,3−ジヒドロキシブチル)−6−ヒドロキシ−1−ベンゾフラン−2−イル]メタノン、1−{3−(ジメチルアミノ)−4−[(ジメチルアミノ)メチル]−7−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−1−ベンゾフラン−2−イル}エタノン、N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−8−メトキシ−2,2−ジメチルクロマン−5−カルボキサミド、および2−アセチル−N−ベンジル−7−メトキシ−1−ベンゾフラン−4−スルホンアミドからなる群から選択される、ベンゾフラン、ベンゾピラン、または類似化合物である。別の実施形態では、PDE IV阻害剤は、1−シクロペンチル−N−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−3−エチル−1H−インダゾール−6−カルボキサミド、1−シクロペンチル−3−エチル−6−(2−メチルフェニル)−1,3a,4,5,6,7a−ヘキサヒドロ−7H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−7−オン、N−(4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1−hi]インドール−3−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド、CI−1118、4−[4−シクロプロピル−6−(シクロプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1λ〜4〜,4−チアジナン−1,1−ジオール、N−シクロプロピル−4−(2−メチルシクロプロピル)−6−(2−メチルモルホリン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン、およびアチゾラム(atizoram)、フィラミナスト(filaminast)、ピクラミラスト(piclamilast)、チベネラスト(tibenelast)、CDP840、GW3600、NCS613、PDB093、Ro20−1724、RS25344−000、SKF107806、XT−44、トラフェントリン(tolafentrine)、ザルダベリン(zardaverine)、T−2585、SDZ−ISQ−844、SB207499、RPR−117658A、L−787258、E−4021、GF−248、IPL−4088、CP−353164、CP−146523、CP−293321、T−611、WAY−126120、WAY−122331、WAY−127093B、PDB−093、CDC−801、CC−7085、CDC−998、CH−3697、CH−3442、CH−2874、CH−4139、RPR−114597、RPR−122818、KF−19514、CH−422、CH−673、CH−928、KW−4490、Org 20241、Org30029、VMX554、VMX565、ベナフェントリン(benafentrine)、トレキンシン(trequinsin)、EMD54622、RS17597、ニトラクアゾン(Nitraquazone)、オキサグレラート(oxagrelate)、T440からなる群から選択される。
詳細なPDE−IV阻害剤には、例として述べると、RO−20−1724、デンブフィリン、オキサグレラート、ニトラクアゾン、Y−590、DH−6471、SKF−94120、モタピゾン(MOTAPIZONE)、リキサジノン(LIXAZINONE)、インドリダン(INDOLIDAN)、オルプリノン(OLPRINONE)、アチゾラム、KS−506−G、ジパムフィリン(DIPAMFYLLINE)、BMY−43351、アチゾラム、アロフィリン、フィラミナスト、PDB−093、UCB−29646、CDP−840およびそのS−鏡像異性体、CT1731、SKF−107806、ピクラミラスト、RS−17597、RS−25344−000、SB−207499、チベネラスト、SB−210667、SB−211572、SB−211600、SB−212066、SB−212179、およびGW−3600、特にモピダモール(MOPIDAMOL)、アナグレリド、イブジラスト、アムリノン、ピモベンダン、シロスタゾール、LAS−31025−アルミラル;プロペントフィリン(PPF HWA285としても知られている);L−826,141;クアジノン(QUAZINONE)およびN−(3,5−ジクロロピリド−4−イル)−3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシベンズアミド;および
次の構造
Figure 2005532321
を有するシロミラスト(Ariflo(登録商標)、SB207499)(c−4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル−r−1−シクロヘキサンカルボン酸)、SmithKline Beecham Pharmaceuticals plc(英国、ハーロ);
D4418;D4396;SCH351591;MESOPRAM、Chiroscienceおよびシェリングプラウ;
次の構造
Figure 2005532321
を有するロリプラム[4−(3−シクロペンテニルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−ピロリジン]、CAS[61413−54−5]、ScheringAG(ドイツ国、ベルリン);
次の構造
Figure 2005532321
を有するYM976(4−(3−クロロフェニル)−1,7−ジエチルピリド[2,3−d]ピリミジン−2(1H)−オン、山之内製薬株式会社(日本、つくば市);
RP73401(3−シクロペンチルオキシ−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−4−メトキシベンズアミド);
次の構造
Figure 2005532321
を有するCT−2450、((R)−N−{4−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−(4−ピリジル)エチル]フェニル}N’−エチル尿素)、Celltech Group plc(英国、Berkshire);
次の構造
Figure 2005532321
を有するCT−3405、Celltech Group plc(英国、Berkshire);
および米国特許第5,712,298号に記載の化合物、Amschler、BYK Gulden Lomberg Chemische Fabrik GmbH(ドイツ国、Konstanz)、詳細には、次の構造
Figure 2005532321
を有する化合物ロフルミラスト(RP73401)、(ベンズアミド 3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−(ジフルオロメトキシ)−(9Cl));
およびベナフェントリン(6−(p−アセタミドフェニル)−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8,9−ジメトキシ−2−メチル−ベンゾ[c][1,6]ナフチリジン);BAY19−8004、バイエル;プマフェントリン;INS−365;AWD12−281、Asta Medica(現在はElbionとして知られている);米国特許第6,384,236号に記載の化合物、ファイザー;CDC−801およびCDC−998、Celgene;および5CC(カテコールのヒドラジン型誘導体)、Cheil Je Dang Corp.が含まれる。
PDE−III/IV二重阻害剤には、例として述べれば、トレキンシン、ORG−30029、L−686398、SDZ−ISQ−844、ORG−20241、EMD−54622;ザルダベリン(ZARDAVERINE);トラフェントリン(TOLAFENTRINE)、Byk Gulden Pharmaceuticals(ドイツ国、Konstanz)が含まれる。
PDE−III阻害剤には、例として述べれば、アムリノン、サルマゾール(SULMAZOLE)、アンピゾン(AMPIZONE)、シロスタミド(CILOSTAMIDE)、カルバゼラン(CARBAZERAN)、ピロキシモン(PIROXIMONE)、イマゾダン(IMAZODAN)、CI−930、シグアゾダン(SIGUAZODAN)、アジベンダン(ADIBENDAN)、サテリノン(SATERINONE)、SKF−95654、SDZ−MKS−492、349−U−85、エモラダン(EMORADAN)、EMD−53998、EMD−57033、NSP−306、NSP−307、レビジノン(REVIZINONE)、NM−702、WIN−62582、およびWIN−63291、特にエノキシモンおよびミルリノン;ベスナリノン;インドリダン;キアジノン(QUAZINONE);モタピゾン;SK&F94836;MKS492;CI−930(4,5−ジヒドロ−6−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−フェニル]−5−メチル−3(2H)−ピリダジノン)、田辺製薬(日本、大阪市);および次の構造
Figure 2005532321
を有するATZ−1993;
オルプリノン(E−1020:1,2−ジヒドロ−6−メチル−2−オキソ−5−[イミダゾ(1,2−a)ピリジン−6−イル]−3−ピリジンカルボニトリル塩酸塩一水和物);およびシロスタゾールが含まれる。
詳細なPDE V阻害剤には、例として述べると、ジピリダモール、MY−5445、RX−RA−69、SCH−51866、KT−734、ベスナリノン、ザプリナスト(ZAPRINAST)、SKF−96231、ER−21355、BF/GP−385、NM−702、およびシルデナフィルが含まれる。
詳細なPDE VI阻害剤には、例として述べると、ジピリダモールおよびザプリナストが含まれる。
iNOS選択的阻害剤の説明に役立つ実施例
以下の合成例は、例示目的で示すものであり、決して本発明の範囲を限定するものでない。異性体を明確に述べていない場合は、適切なクロマトグラフィー法を利用すると、単一の異性体が得られる。
(実施例A)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩一水和物
Figure 2005532321
EX−A−1)L−グルタミン酸(30.00g、0.20モル)を300mLのメタノールに溶かした冷却溶液に、0℃で塩化トリメチルシリル(107.8g、1.00モル)を滴下した。得られた無色透明な溶液を室温で攪拌した。18時間後、薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。次いで、反応液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(134g、1.33モル)を加えると、白色の沈殿が生成した。二炭酸ジ−t−ブチル(49g、0.23モル)を加え、混合物が室温に温まるようにした。3時間後、溶媒を除去し、700mLのジエチルエーテルを加えた。溶液を濾過し、濾過ケーキを追加の500mLのジエチルエーテルですすいだ。濾液を濃縮して60.8g(>95%)の黄褐色の油とし、これをそれ以上精製せずに次のステップに持ち込んだ。LCMS:m/z=298.1[M+Na]。HRMS C1221NOの計算値:276.1447[M+H]、実測値:276.1462。H NMR(CDCl)δ1.45(s,9H)、1.95(m,1H)、2.50(m,1H)、2.40(m,2H)、3.69(s,3H)、3.75(s,3H)、4.32(m,1H)、5.15(m,1H)。
Figure 2005532321
EX−A−2)EX−A−1の粗生成物(60g、0.22モル)を300mLのアセトニトリルに溶かした室温の溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(5.3g、0.44モル)および二炭酸ジ−t−ブチル(79.2g、0.36モル)を加えた。得られた混合物を室温で2日間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(25%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料がほとんど消費されたことが示された。真空中で溶媒を除去して、赤色の油85gを得た。粗製材料を、1:10のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のジ−Boc生成物66.4g(81%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z=398.2[M+Na]。HRMS C1729NOの計算値:398.1791[M+Na]、実測値:398.1790。H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、2.19(m,1H)、2.41(m,2H)、2.46(m,1H)、3.66(s,3H)、3.70(s,3H)、4.91(dd,1H)。
Figure 2005532321
EX−A−3)EX−A−2(20g、53.3ミリモル)を400mLの無水ジエチルエーテルに溶かした***液に、DIBALの溶液(1.0Mのヘキサン溶液64mL、63.9ミリモル)を−78℃で30分間かけて滴下した。−78℃でさらに30分間経過後、溶液を水(12mL、666ミリモル)で失活させ、室温に温まるようにした。濁った混合物を350mLの酢酸エチルで希釈し、MgSO上で乾燥させ、セライトパッドで濾過した。濾液を濃縮して黄色の油とした。粗製材料の黄色の油18.9gを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアルデヒド生成物13.8g(75%)を透明な油として得た。LCMS:m/z=368.2[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、2.19(m,1H)、2.41(m,2H)、2.46(m,1H)、3.70(s,3H)、4.91(dd,1H)、9.8(s,1H)。
Figure 2005532321
EX−A−4)2−フルオロホスホノ酢酸トリエチル(4.67g、19.3ミリモル)を20mLのTHFに溶かした冷(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液10.9mL、17.5ミリモル)を加えた。この混合物を−78℃で20分間攪拌して、鮮黄色の溶液を生成した。次いで、EX−A−3の生成物(6.0g、17.5ミリモル)を5mLのTHFに溶かした溶液をシリンジで加え、得られた混合物を−78℃で2時間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。NHClの飽和水溶液(30mL)を用い、反応液を−78℃で失活させた。有機層を収集し、水層をジエチルエーテル(2×50mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の黄色の油8.6gを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のフルオロオレフィン生成物6.05g(79%)を透明な油として得た。H NMRおよび19F NMRは、単離された生成物が95:5という適切なE:Z比を有することを示した。LCMS:m/z=456.2[M+Na]。HRMS C2032NOFの計算値:456.2010[M+Na]、実測値:456.2094。H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、2.0(m,1H)、2.25(m,1H)、2.6(m,2H)、3.7(s,3H)、4.25(m,2H)、4.9(m,1H)、5.9(dt,ビニル,1H,J=20Hz)、6.2(dt,ビニル,1H,J=30Hz)。19F NMR(CDCl)δ−129.12(d,0.09F,J=31Hz,9% Z−異性体)、−121.6(d,0.91F,J=20Hz,91% E−異性体)。
Figure 2005532321
EX−A−5)EX−A−4(805mg、1.86ミリモル)を20mLのメタノールに溶かした室温の溶液に、固体のNaBH(844mg、22.3ミリモル)を200mgずつ加えた。反応液を周囲温度で18時間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液をNHClの飽和水溶液20mLで失活させ、酢酸エチル(2×35mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の透明な油700mgを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアリル型アルコール生成物353mg(48%)を透明な油として得たが、これは、19F NMRによると主として所望のE異性体を含んでいた。LCMS:m/z=414.2[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、1.95(m,1H)、2.1(m,1H)、2.2(m,1H)、2.35(t,1H)、3.7(s,3H)、4.25(m,2H)、4.8(m,1H)、5.15(dt,1H,J=20Hz)。19F NMR(CDCl)δ−119.1(d,0.02F,J=37Hz,2% Z−異性体)、−111.8(d,0.98F,J=24Hz,98% E−異性体)。
Figure 2005532321
EX−A−6)EX−A−5(1.37g、3.5ミリモル)、重合体によって担持されたトリフェニルホスフィン(3ミリモル/g、1.86g、5.6ミリモル)、および3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オン(450mg、4.55ミリモル)を50mLのTHFに混ぜた混合物に、ジメチルアゾジカルボキシラート(820mg、5.6ミリモル)を滴下した。反応液を室温で1時間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(40%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮した。得られた黄色の油を30mLの塩化メチレンと30mLの水とに分配した。有機層を分離し、水(1×30mL)およびブライン(1×30mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の黄色の油1.8gを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の保護されたE−アリル型アミジン生成物670mg(40%)を透明な油として得たが、これは、19F NMRによると、所望のE異性体のみを含んでいた。LCMS:m/z=496.2[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、1.85(m,1H)、2.2(m,3H)、2.25(s,3H)、3.64(s,3H)、4.25(m,2H)、4.8(m,1H)、5.3(dt,1H,J=20Hz)。19F NMR(CDCl)δ−110.8(q,1F,J=20Hz)。
Figure 2005532321
EX−A−7)EX−A−6の生成物(670mg、1.4ミリモル)を25mLのメタノールおよび25%の水中酢酸25mLに溶解させた。亜鉛粉塵(830mg、12.7ミリモル)を加え、混合物を超音波処理しながら8時間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって出発材料が20%しか残っていないことが示された。亜鉛粉塵を反応混合物から濾別し、濾液を−20℃で12時間貯蔵した。濾液を室温に温め、追加の氷酢酸(7mL)および亜鉛粉塵(400mg、6.1ミリモル)を加え、混合物を室温で1時間超音波処理し、この時点で、HPLC分析によって生成物が96%であることが示された。混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮した。粗製材料を、A(A:0.01%のトルフルオロ酢酸を加えた100%のアセトニトリル、B:0.01%のトリフルオロ酢酸を加えた100%のHO)を20〜95%の勾配で使用して8分間かけて溶離する、YMC Combiprepカラムの逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望のアセトアミジン生成物344mg(45%)をトリフルオロ酢酸塩として得たが、これは、19F NMRによると、所望のE異性体のみを含んでいた。LCMS:m/z=432.3[M+H]H NMR(CDOD)δ1.52(s,18H)、2.9(m,1H)、2.2(m,3H)、2.27(s,3H)、4.2(d,1H)、5.4(dt,ビニル,1H,J=20Hz)。19F NMR(CDOD)δ−110.83(m,1F,J=20Hz)。
Figure 2005532321
EX−A−8)EX−A−7の生成物のサンプルを氷酢酸に溶解させる。この攪拌溶液に10当量のジオキサン中1N HClを加える。この溶液を室温で10分間攪拌した後、真空中で溶媒をすべて除去して、図示したメチルエステル二塩酸塩を生成する。
実施例A)EX−A−7(344mg、1.4ミリモル)を6mLの6.0N HClに溶かした溶液を1時間還流させた。真空中で溶媒を除去した。得られた固体をさらに3回水に溶解、濃縮した後、次いで5回1.0N HClに溶解、濃縮して、残っているTFA塩を除去した。終了後、所望の(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩生成物160mg(37%)を白色の固体、融点51.5〜56.3℃として得たが、これは、19F NMRによると、所望のE異性体のみを含んでいた。LCMS:m/z=218.1[M+H]。HRMS C16FNの計算値:218.1305[M+H]、実測値:218.1325。H NMR(DO)δ1.8(m,2H)、2.05(m,2H)、2.1(s,3H)、3.7(t,1H)、4.00(d,2H)、5.3(dt,ビニル,1H,J=21Hz)。19F NMR(DO)δ−109.9(m,1F,J=20Hz)。
(実施例B)
Figure 2005532321
(2S,5E/Z)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
EX−B−1)L−グルタミン酸5−メチルエステル(50.00g、0.31モル)を1:1のジオキサン中HO 400mLに溶かした冷却(0℃)溶液に、トリエチルアミン(38.35g、0.38モル)を加えた後、二炭酸ジ−t−ブチル(80.00g、0.37モル)を加えた。得られた無色透明な溶液を室温で攪拌した。18時間後、薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。反応混合物をKHSOの1.0N水溶液200mLで失活させた。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(3×100mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物72.00g(89%)を淡黄色の油として得た。LCMS:m/z=284.1[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.50(s,9H)、2.00(m,1H.)、2.20(m,1H)、2.42(m,2H)、3.66(s,3H)、4.34(d,1H)、5.24(d,1H)。
Figure 2005532321
EX−B−2)EX−B−1の生成物(72.60g、0.28モル)を300mLのTHFに溶かした−10℃の溶液に、4−メチルモルホリン(28.11g、0.28モル)およびクロロギ酸イソブチル(37.95g、0.28モル)を速やかに加えた。透明な黄色の溶液が、直ちに白色の沈殿を生じた。4分後、得られた黄色の濁った混合物を濾過し、濾液を−10℃に冷却し、温度を0℃以下に保ちながら、NaBH(15.77g、0.42モル)を200mLのHOに溶かした溶液を滴下した。NaBHをすべて加えたなら、氷浴を取り外し、反応液を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を200mLのHOで失活させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×100mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物58g(85%)を黄色の油として得た。LCMS:m/z=270.1[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.42(s,9H)、1.65(m,1H)、1.85(m,2H)、2.42(t,2H)、3.66(s,3H)、4.8(d,1H)。
Figure 2005532321
EX−B−3)EX−B−2(30.95g、0.13モル)を100mLのベンゼンに溶かした溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(65.00g、0.63モル)を加えた後、p−トルエンスルホン酸(2.40g、12.5ミリモル)および5gの3Å分子ふるいを加えた。得られた混合物を2時間還流させ、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、完全に反応したことが示された。混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(150mL)で希釈し、NaHCOの飽和水溶液(100mL)で洗浄した後、ブライン(100mL)で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の黄色の油30.5gを、1:10のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物15.40g(42%)を淡黄色の油として得た。LCMS:m/z=310.1[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.42(s,12H)、1.56(d,3H)、1.85(m,2H)、2.38(m,2H)、3.66(s,3H)、3.7(d,1H)、3.95(m,2H)。
Figure 2005532321
EX−B−4)EX−B−3の生成物(1.00g、3.00ミリモル)を10mLの塩化メチレンに溶かした冷(−78℃)溶液に、DIBAL(1.0Mのトルエン溶液6.0mL)を滴下した。30分後、反応液を5mLの飽和酒石酸ナトリウムカリウム(ロッシェル塩)で失活させ、次いで室温に温まるようにした。次に、混合物をセライトパッドで濾過し、MgSO上で乾燥させ、濾過し直し、濃縮して、黄色の油を得た。粗製材料の黄色の油610mgを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物550mg(71%)を透明の油として得た。H NMR(CDCl)δ1.50(s,12H)、1.58(d,3H)、2.00(m,2H)、2.5(m,2H)、3.7(d,1H)、3.95(m,2H)、9.8(s,1H)。
Figure 2005532321
EX−B−5)2−フルオロ−ホスホノ酢酸トリエチル(6.70g、27.6ミリモル)を100mLの塩化メチレンに溶かした氷冷(0℃)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(4.70g、31.0ミリモル)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌すると、橙色の溶液になった。次いで、EX−B−4の生成物(5.71g、22.2ミリモル)を15mLの塩化メチレンに溶かした氷冷(0℃)溶液をシリンジで加え、得られた混合物を周囲温度で18時間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。真空中で溶媒を除去し、得られた混合物を、200mLの酢酸エチルと100mLの水とに分配した。有機層を収集し、水層を酢酸エチル(2×50mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて、KHSOの1.0M水溶液(100mL)、水(100mL)、およびブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望のフルオロオレフィン生成物を黄色の油(8.0g)として得た。H NMRおよび19F NMRによって、単離された生成物のZ:E比が、ほぼ70:30であることが示された。LCMS:m/z=368.2[M+Na]H NMR(CDCl)δ5.9〜6.0(dt,1H,J=20Hz)、6.05〜6.20(dt,1H,J=33Hz)。19F NMR(CDCl)δ−129.89(d,0.7F,J=38Hz,70% Z−異性体)、−122.05(d,0.3F,J=20Hz,30% E−異性体)。この混合物は、それ以上精製せずに粗製のままとした。
Figure 2005532321
EX−B−6)EX−B−5の生成物(8.0g、23.0ミリモル)を70mLのTHFに溶かした氷冷(0℃)溶液に、LiBH(2.0MのTHF溶液12.7mL、25.0ミリモル)をシリンジで加えた。反応混合物を周囲温度で18時間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。THFを除去し、得られた混合物を塩化メチレンに溶解させた。0℃に冷却した後、KHSOの1.0M水溶液をゆっくりと加えて、反応液を失活させた。次いで、混合物を酢酸エチル(3×50mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の透明の油8.0gを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物900mg(13%)を透明な油として得た。LCMS:m/z=326.2[M+Na]H NMR(CDCl)δ4.79〜4.94(dm,1H)、5.10〜5.25(dt,1H)。19F NMR(CDCl)δ−119.82(dt,0.7F,J=38Hz,70% Z−異性体)、−111.09(dt,0.3F,J=27Hz,30% E−異性体)。
Figure 2005532321
EX−B−7)EX−B−6の生成物(950mg、3.1ミリモル)を5mLのピリジンに溶かした氷冷(0℃)溶液に、塩化メタンスルホニル(390mg、3.4ミリモル)を加えた。反応液を0℃で5分間攪拌し、次いで、室温に温め、3時間攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。反応液をジエチルエーテル(10mL)で希釈し、NaHCOの飽和水溶液(20mL)で洗浄した後、1.0Mのクエン酸(20mL)で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望のアリル型塩化物生成物500mg(51%)を白色の固体として得た。この生成物をそれ以上精製せずに次に進めた。LCMS:m/z=344.1[M+Na]
Figure 2005532321
EX−B−8)EX−B−7の生成物(440mg、1.37ミリモル)を10mLのDMFに溶かした攪拌中の溶液に、カリウムフタルイミド(290mg、1.57ミリモル)を加えた。得られた混合物を、還流しながら18時間加熱し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。混合物を冷まして30mLの水で希釈し、酢酸エチル(30mL)での抽出に2回かけ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物540mg(91%)を黄色の油として得た。LCMS:m/z=455.2[M+Na]。HRMSの計算値:433.2139[M+H]、実測値:433.2144。H NMR(CDCl)δ1.4(s,18H)、1.6(m,6H)、2.05(m,2H)、3.6〜4.42(m,4H)、4.9(dt,ビニル,1H)、5.2,(m,ビニル,1H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)。19F NMR(CDCl)δ−117.09(m,0.7F,J=38Hz,70% Z−異性体)、−111.61(m,0.3F,J=22Hz,30% E−異性体)。
Figure 2005532321
EX−B−9)EX−B−8の生成物(600mg、1.38ミリモル)を、8mLの酢酸および2mLの水に溶解させた。混合物を室温で終夜攪拌し、この時点で薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。溶液を窒素気流中で濃縮し、粗生成物を、1:2のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物248mg(63%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z=415.1[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.41(s,9H)、1.56(m,2H)、2.15(m,1H)、3.64(m,2H)、4.35(d,2H)、4.9(dt,ビニル,1H,J=37Hz)、7.73(m,2H)、7.86(m,2H)。19F NMR(CDCl)δ−116.96(dt,0.8F,J=37Hz,80% Z−異性体)、−111.09(dt,0.2F,J=22Hz,20% E−異性体)。
Figure 2005532321
EX−B−10)EX−B−9の生成物(237mg、0.605ミリモル)を6mLのDMFに溶かした攪拌中の溶液に、二クロム酸ピリジニウム(1.14g、3.03ミリモル)を加えた。溶液は暗橙色に変わり、これを室温で18時間攪拌し、その時点でこれを20mLのHO中に注いだ。混合物を酢酸エチル(4×25mL)での抽出にかけた。有機層を合わせてKHCOの5%水溶液(3×25mL)で洗浄した。1.0MのKHSOを用いて水層をpH=3に酸性化した後、酢酸エチル(3×50mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて濃縮して、所望のアミノ酸生成物235mg(95%)を得た。得られた白色の固体は、それ以上精製せずに粗製のままとした。LCMS:m/z=429.1[M+Na]
Figure 2005532321
EX−B−11)EX−B−10の生成物(230mg、0.56ミリモル)を7mLのエタノールに溶かした攪拌中の溶液に、ヒドラジン水和物(70mg、1.13ミリモル)を加え、得られた溶液を2時間還流させて、白色沈殿を生成した。真空中で溶媒を除去した。得られた白色の固体を8mLの水に溶解させ、氷酢酸を用いてpH=4に酸性化した。次いで、これを氷浴中で冷却し、濾過した。濾液を濃縮して、所望のアリルアミン生成物136mg(87%)を黄色の結晶として得、これを精製せずに次のステップに持ち込んだ。LCMS:m/z=277.1[M+H]
Figure 2005532321
EX−B−12)EX−B−11の生成物(136mg、0.50ミリモル)を6mLのDMFに溶かした攪拌中の溶液に、アセトイミド酸エチル(252mg、2.04ミリモル)を1.5時間間隔で3回に分けて加えた。加え終えた後、混合物を室温で終夜攪拌した。ピンク色の溶液を濾過し、濾過ケーキを水で洗浄した。真空中で溶媒を除去し、得られた黄色の油を、YMC Combiprep ODS−A半分取カラムを使用し、7分間の1〜50%の勾配のA(A:0.05%のTFAを加えた100のアセトニトリル、B:0.05%のTFAを加えた100の水)を溶離液とする逆相HPLCによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望のアセトアミジン生成物約50mgをトリフルオロ酢酸塩として得、これを次のステップに持ち込んだ。LCMS:m/z=318.2[M+H]
実施例B)EX−B−12の生成物を6mLの6.0N HClに溶解させ、室温で1時間攪拌した。真空中で溶媒を除去した。得られた固体をさらに3回水に溶解させ濃縮して、TFA塩を除去した。19F NMRによってTFAがすべて除去されたことが示されたとき、生成物を真空中で乾燥させて、所望の(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩と、(2S,5Z)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩とを含むE:Zの20:80混合物30mg(20%、2ステップ合わせての収率)を泡状の透明な固体として得た。HRMS C16FNの計算値:218.1305[M+H]、実測値:218.1309。H NMR(DO)δ2.01(m,2H)、2.21(s,3H)、2.24(m,2H)、3.96(t,1H)、4.00(d,2H)、5.07(dt,ビニル,1H,J=37Hz)、5.4(dt,ビニル,1H,J=37Hz)。19F NMR(DO)δ−116.8(m,0.8F,J=37Hz,80% Z−異性体)、−109.6(m,0.2F,J=21Hz,20% E−異性体)。
(実施例C)
Figure 2005532321
(2S,5Z)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプタン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
EX−C−1)2−フルオロ−ホスホノ酢酸トリエチル(3.54g、14.6ミリモル)を、0℃で20mLのCHClに溶解させ、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(2.4mL、16.4ミリモル)を加えた。混合物を0℃で20分間攪拌して、橙色の溶液を生成した。次いで、EX−A−3のアルデヒド生成物(4.04g、11.7ミリモル)の溶液を0℃で加え、得られた褐色の混合物を室温で終夜攪拌し、この時点で、LCMSによって出発材料が残っていないことが示された。溶媒を除去し、残渣を水(60mL)と酢酸エチル(120mL)とに分配した。有機層を収集し、水層を酢酸エチル(2×50mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて水(60mL)およびKHSOの10%水溶液(60mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の橙色の油5.7gを、10%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のフルオロオレフィン生成物3.5g(69%)を透明の油として得た。H NMRおよび19F NMRは、単離された生成物のZ/E比が70:30であることを示した。HRMS C2032FNの計算値:456.2010[M+Na]、実測値:456.2017。H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、2.0(m,1H)、2.25(m,1H)、2.6(m,2H)、3.7(s,3H)、4.25(m,2H)、4.9(m,1H)、5.9(dt,ビニル,1H,J=21.2Hz)、6.1(dt,ビニル,1H,J=32.4Hz)。19F NMR(CDCl)δ:−129.4(d,0.7F,J=34Hz,70% Z 異性体)、−121.6(d,0.3F,J=22Hz,30% E 異性体)。
Figure 2005532321
EX−C−2)EX−C−1のエステル生成物(3.5g、8.1ミリモル)を、室温で80mLのメタノールに溶解させ、次いで、固体のNaBH(3g、80ミリモル)を少量ずつ加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって、反応が>90%完了したことが示された。反応液を飽和NHClで失活させた。生成物を酢酸エチルでの抽出にかけ、NaSO上で乾燥させた。有機層を蒸発にかけて、粗生成物3.2gを無色の油として得、これを、20%〜30%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、フルオロオレフィン生成物のZ/E混合物2.11g(67%)を透明な油として得ると共に、所望の純粋な(19F NMRによるとZ:E=97:3)Z異性体生成物0.41g(13%)を透明な油として得た。HRMS C1830NOFの計算値:414.1904[M+Na]、実測値:414.1911。H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、2.0(m,1H)、2.2(m,3H)、3.7(s,3H)、4.1(dd,2H,J=17Hz)、4.8(dt,1H,J=39Hz)、4.9(m,1H)。19F NMR(CDCl)δ−119.1(dt,1F,J=39Hz,J=17Hz)。
Figure 2005532321
EX−C−3)EX−C−2のZ−アルコール生成物(390mg、1ミリモル) および3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オン(130mg、1.3ミリモル)を、20mLのTHFに溶解させた。次いで、重合体によって担持されたPPhを溶液に加え、混合物を10分間穏やかに攪拌した。次いで、アゾジカルボン酸ジエチルを滴下し、混合物を室温で1時間攪拌し、この時点で、LCMS分析によって、生成物が生成しており、出発材料が存在しないことが示された。重合体をセライトパッドで濾別し、パッドをTHFで洗浄した。濾液を蒸発にかけて、粗生成物1.0gを得、これを、20%〜30%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、若干のヒドラジン副産物が混入した500mgの生成物を得た。この材料を、98:2:0.01の塩化メチレン:メタノール:水酸化アンモニウムを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、所望の保護されたアミジン生成物180mg(38%)を透明な油として得たが、これは、19F NMRによると所望のZ異性体のみを含んでいた。HRMS C2132Fの計算値:491.2517[M+NH、実測値:491.2523。H NMR(CDCl)δ1.5(s,18H)、1.9(m,1H)、2.1(m,3H)、2.3(s,3H)、3.7(s,3H)、4.2(d,2H)、4.8(m,1H)、5.0(dt,1H,J=36Hz)。19F NMR(CDCl)δ−116.5(dt,1F,J=38Hz)。
Figure 2005532321
EX−C−4)EX−C−3の生成物(88mg、0.19ミリモル)を、メタノールを数滴含む25%の水中酢酸4mLに溶解させ、次いでZn粉塵(109mg、1.67ミリモル)を加えた。混合物を超音波処理しながら3時間攪拌した。Znをセライトパッドで濾別し、パッドを水で洗浄した。濾液を蒸発乾燥して、粗生成物を得、これを、20〜80%の勾配のA(A:0.01%のTFAを加えた100%のACN、B:0.01%のTFAを加えた100%のHO)で8分間かけて溶離する、YMC Combiprepカラムの逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物が2つの画分で収集され、各画分を合わせて濃縮した。生成物は、19F NMRによると所望のZ異性体のみを含有するトリフルオロ酢酸塩の混合物としての無色の油として得られた。すなわち、30%が一Boc保護された生成物:C1526Fに対するHRMS計算値:332.1986[M+H]、実測値:332.2001であり、70%がジ−Boc保護された生成物:C2034Fに対するHRMS計算値:432.2510[M+H]、実測値:432.2503であった。HRMS C1526Fの計算値:332.1986[M+H]、実測値:332.2001、70%はジ−BOC−保護生成物:HRMS C2034Fの計算値:432.2510[M+H]、実測値:4322503。H ジ−Boc生成物のNMR(DO)δ1.3(s,18H)、1.8(m,1H)、2.1(m,3H)、2.1(s,3H)、3.6(s,3H)、3.9(d,2H)、4.9(dt,ビニル,1H,J=37Hz)。19F NMR(DO)δ−117.3(dt,1F,J=37Hz)。
実施例C)EX−C−4の一もしくはジ−Boc生成物を合わせて30mLの6N HClに溶解させ、溶液を4時間還流させ、この時点で、LCMS分析によって、反応が完了したことが示された。真空中で過剰のHClおよび水を除去した。終了後、所望の(2S,5Z)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩生成物9mg(2ステップ合わせての収率40%)を、非常に吸湿性のある薄黄色の泡として得たが、これは、19F NMRによると所望のZ異性体のみを含んでいた。HRMS C16Fの計算値:218.1305[M+H]、実測値:218.1320。H NMR(DO)δ1.3(s,18H)、1.9(m,2H)、2.1(m,2H)、2.1(s,3H)、3.8(t,1H)、3.9(d,2H)、4.9(dt,ビニル,1H,J=37Hz)。19F NMR(DO)δ−117.3(dt,1F,J=37Hz)。
(実施例D)
Figure 2005532321
(2S,5Z)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸三塩酸塩二水和物
Figure 2005532321
EX−D−1)EX−D−2の生成物(3.75g、10ミリモル)を60mLのメタノールに溶解させ、固体のNaBH(4g、106ミリモル)を室温で10時間かけて少量ずつ加え、この時点で、HPLC分析によって、約84%が還元されたことが示された。反応混合物を飽和NHClで失活させ、次いで、酢酸エチルでの抽出に3回かけた。有機層を合わせてMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発にかけて、粗生成物3.2gを黄色の油として得た。HRMS C1629NOの計算値:348.2022[M+H]、実測値:348.2034。H NMR(CDOD)δ4.9(q,1H)、3.7(s,3H)、3.5(t,2H)、3.2(m,1H)、2.1(m,1H)、1.9(m,2H)、1.5(s,18H)。
Figure 2005532321
EX−D−2)EX−D−1のアルコール生成物(3.2g、9.0ミリモル)を100mLのTHFに溶解させ、氷浴中で冷却した。四臭化炭素(4.27g、12.9ミリモル)を加え、得られた溶液を、窒素中、0℃で30分間攪拌した。重合体に担持されたPPhを加え、混合物を、0℃で1時間、次いで室温で終夜穏やかに攪拌した。セライトで濾過して重合体を除去し、セライトパッドをTHEで洗浄した。濾液を蒸発にかけて粗生成物を得、これを、1:3のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のブロモ生成物2.0g(54%、2ステップ合わせての収率)を無色の油として得た。HRMS C1628NOBrの計算値:410.1178[M+H]、実測値:410.1137。H NMR(CDCl)δ4.9(q,1H)、3.7(s,3H)、3.4(m,2H)、2.2(m,2H)、1.9(m,2H)、1.5(s,18H)。
Figure 2005532321
EX−D−3)NaOEt(EtOH中21%、41.1mL、0.11モル)を60mLのエタノールに溶かした溶液を、p−メトキシベンゼンチオール(14.0g、0.1モル)で処理した後、クロロフルオロ酢酸エチル(18.3g、0.13モル)で処理した。混合物を室温で2時間攪拌し、1:1の酢酸エチル中ヘキサン250mLで希釈した。有機層を水で3回洗浄し、NaSO上で乾燥させた。乾燥させた有機層を蒸発にかけて、粗生成物25gを得、これをそれ以上精製せずに次に進めた。C1113SFのLCMS:m/z=267.10[M+Na]H NMR(CDCl)δ7.5(d,2H)、6.9(d,2H)、6.0(d,1H,J=51.9Hz)、4.2(q,2H)、3.8(s,3H)、1.2(t,3H)。19F NMR(CDCl)δ−146.2(d,1F,J=53.6Hz)。
Figure 2005532321
EX−D−4)EX−D−3の粗生成物(24g、0.1モル)を200mLの塩化メチレンに溶かした溶液を−78℃に冷却し、3−クロロ過安息香酸(27g、0.12モル)の入った200mLの塩化メチレンで処理した。反応混合物をゆっくりと室温に温め、終夜攪拌し、この時点で、LCMS分析によって、生成物が生成しており、出発材料が残っていないことが示された。固体を濾別し、濾液を飽和NaHCOおよびNHClで洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、蒸発にかけて、橙色の油30gを得、これを、2:1の酢酸エチル中ヘキサンを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のスルホキシド生成物17.5g(70%)をオフホワイトの油として得た。HRMS C1113FSの計算値:261.0597[M+H]、実測値:261.0598。H NMR(CDCl)δ7.6(m,2H)、7.0(m,2H)、5.6(d,1H,J=50Hz 主ジアステレオマー)、5.4(d,1H,J=49Hz 副ジアステレオマー)、4.2(q,2H)、3.8(s,3H)、1.2(t,3H)。19F NMR(CDCl)δ−194.3(d,1F,J=53.6Hz 主ジアステレオマー)、−191.7(d,1F,J=50.4Hz 副ジアステレオマー)。
Figure 2005532321
EX−D−5)NaH(鉱油中60%、212mg、5.3ミリモル)を6mLの無水DMFに懸濁させた懸濁液を、窒素中で0℃に冷却し、EX−D−4のスルホキシド生成物(1.25g、4.8ミリモル)を2mLのDMFに溶かした溶液で処理した。室温で20分間攪拌した後、混合物を5℃に冷却し、EX−D−2のブロモ生成物(2.17g、5.3ミリモル)を一度に加えた。反応液を室温で3時間攪拌し、次いで95℃で1時間加熱還流し、この時点で、LCMS分析によって生成物が生成したことが示された。混合物を氷/水性NHCl混合物中に注いだ。生成物を1:1の酢酸エチル中ヘキサンでの抽出にかけた。有機層をNaSO上で乾燥させ、蒸発にかけて、粗製の黄色の油3.17gを得、これを、10%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のフルオロオレフィンエステル生成物1.05g(50%)を無色の油として得た。19F NMRは、単離された生成物が所望のZ異性体を95:5で含んでいることを示した。HRMS C2032FNの計算値:456.2010[M+Na]、実測値:456.2017。H NMR(CDCl)δ1.5(s,18H)、2.0(m,1H)、2.3(m,4H)、3.7(s,3H)、4.3(m,2H)、4.9(m,1H)、6.1(dt,ビニル,1H,J=32.4Hz,Z 異性体)。19F NMR(CDCl)δ−129.4(d,0.95F,J=34.8Hz,95% Z 異性体)、−121.6(d,0.05F,J=21.6Hz,5% E 異性体)。
Figure 2005532321
EX−D−6)EX−D−5のエステル生成物(1.05g、2.4ミリモル)を室温でメタノールに溶解させ、固体のNaBHを少量ずつ加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、次いで、2mLの水を加え、混合物をさらに3時間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって、反応が>95%完了したことが示された。反応液を飽和NHClで失活させた。生成物を酢酸エチルでの抽出にかけ、有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発にかけて、粗生成物0.95gを無色の油として得た。19F NMRは、単離された粗生成物が所望のZ異性体のみを含んでいることを示した。HRMS C1830NOFの計算値:414.1904[M+Na]、実測値:414.1949。H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、2.0(m,1H)、2.2(m,3H)、3.7(s,3H)、4.1(dd,2H,J=17Hz)、4.8(dt,1H,J=36Hz)、4.9(m,1H)。19F NMR(CDCl)δ−119.1(dt,1F,J=38Hz,J=17Hz)。
Figure 2005532321
EX−D−7)EX−D−6のアルコール生成物(0.95g、2.4ミリモル)および3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オン(290mg、2.9ミリモル)を60mLのTHFに溶解させた。重合体の結合したトリフェニルホスフィンを加え、混合物を10分間穏やかに攪拌した。次いで、アゾジカルボン酸ジメチルを滴下し、混合物を室温で1時間攪拌し、この時点で、LCMS分析によって、生成物が生成しており、出発材料が残っていないことが示された。重合体をセライトパッドで濾別し、パッドをTHFで洗浄した。濾液を蒸発にかけて残渣を得、これを塩化メチレンと水とに分配した。有機層を水で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、蒸発にかけて、粗生成物1.3gを得、これを20%〜30%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするバイオタージのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の保護されたアミジン生成物390mg(34%、2ステップ合わせての収率)を無色の油として得た。19F NMRは、単離された生成物が所望のZ異性体のみを含んでいることを示した。HRMS C2132Fの計算値:491.2517[M+NH、実測値:491.2523。H NMR(CDCl)δ1.5(s,18H)、1.9(m,1H)、2.1(m,3H)、2.3(s,3H)、3.7(s,3H)、4.2(d,2H)、4.8(m,1H)、5.0(dt,1H,J=36Hz)。19F NMR(CDCl)δ−116.5(dt,1F,J=38Hz)。
Figure 2005532321
EX−D−8)EX−D−7の生成物(390mg、0.82ミリモル)を、メタノール4mLを含有する25%の水中HOAc20mLに溶解させ、Zn粉塵(482mg、7.42ミリモル)を2回で加えた。混合物を超音波処理しながら3時間攪拌した。Znをセライトパッドで濾別し、パッドを水で洗浄した。濾液を蒸発乾燥して、粗生成物を得、これを逆相HPLCによって精製した。所望の生成物を含有する画分を収集し、合わせ、濃縮した。生成物は、19F NMRによると所望のZ異性体のみを含有するトリフルオロ酢酸塩の混合物としての無色の油として得られた。すなわち30%が一Boc保護された生成物:C1526Fに対するHRMS計算値:332.1986[M+H]、実測値:332.2001であり、70%がジ−Boc保護された生成物:C2034Fに対するHRMS計算値:432.2510[M+H]、実測値:432.2503であった。H ジBoc生成物のNMR(DO)δ1.3(s,18H)、1.8(m,1H)、2.1(m,3H)、2.1(s,3H)、3.6(s,3H)、3.9(d,2H)、4.9(dt,ビニル,1H,J=37Hz)。19F NMR(DO)δ−117.3(dt,1F,J=37Hz)。
実施例D)EX−D−8の一およびジ−Boc生成物を80mLの6N HClに溶解させ、溶液を1時間加熱還流し、この時点で、LCMS分析によって反応が完了したことが示された。真空中で過剰のHClおよび水を除去して、所望の(2S,5Z)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸三塩酸塩二水和物生成物150mg(2ステップ合わせての収率50%)を、非常に吸湿性のある薄黄色の泡として得た。HRMS C16Fの計算値:218.1305[M+H]、実測値:218.1290。H NMR(DO)δ1.3(s,18H)、1.9(m,2H)、2.1(m,2H)、2.1(s,3H)、3.8(t,1H)、3.9(d,2H)、4.9(dt,ビニル,1H,J=37Hz)。19F NMR(DO)δ−117.3(dt,1F,J=37Hz)C16F・HCl・2HOの元素分析:計算値:C,29.81;H,6.39;N,11.59;実測値:C,29.80;H,6.11;N,11.20。
(実施例E)
Figure 2005532321
(2R,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩一水和物
Figure 2005532321
EX−E−1)D−グルタミン酸をメタノールに溶かした冷却溶液に、0℃で塩化トリメチルシリルを滴下する。得られた無色透明な溶液を、薄層クロマトグラフィーで分析して出発材料が残っていないことがわかるまで室温で攪拌する。次いで、反応液を0℃に冷却し、トリエチルアミンを加えると、白色の沈殿が生成する。二炭酸ジ−t−ブチルを加え、混合物が室温に温まるようにする。3時間後、溶媒を除去し、ジエチルエーテルを加える。溶液を濾過し、濾過ケーキを追加のジエチルエーテルですすぐ。濾液を濃縮して、所望の一Bocジエステル生成物を得、これをそれ以上精製せずに次のステップに持ち込む。
Figure 2005532321
EX−E−2)EX−E−1の粗生成物をアセトニトリルに溶かした室温の溶液に、4−ジメチルアミノピリジンおよび二炭酸ジ−t−ブチルを加える。得られた混合物を、薄層クロマトグラフィーで分析して出発材料がほとんど消費されたことがわかるまで室温で攪拌する。真空中で溶媒を除去し、得られた残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のジ−Boc保護されたジエステル生成物を得る。
Figure 2005532321
EX−E−3)EX−E−2を無水ジエチルエーテルに溶かした***液に、−78℃でDIBALの溶液を加える。−78℃で30分経過後、溶液を水で失活させ、室温に温まるようにする。得られた濁った混合物を酢酸エチルで希釈し、MgSO上で乾燥させ、セライトパッドで濾過する。濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアルデヒド生成物を得る。
Figure 2005532321
EX−E−4)2−フルオロホスホノ酢酸トリエチルをTHFに溶かした冷(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウムを加える。この混合物を−78℃で攪拌して、鮮黄色の溶液を生成する。次いで、EX−E−3の生成物のTHF溶液をシリンジで加え、得られた混合物を、薄層クロマトグラフィーによって出発材料が残っていないことがわかるまで−78℃で攪拌する。NHClの飽和水溶液を用い、反応液を−78℃で失活させる。有機層を収集し、水層をジエチルエーテルでの抽出にかける。有機抽出物を合わせて水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。次いで、粗製材料をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のフルオロオレフィン生成物を得る。
Figure 2005532321
EX−E−5)EX−E−4の室温のメタノール溶液に、固体のNaBHを少量ずつ加える。反応液を、薄層クロマトグラフィーで分析して出発材料がほとんど消費されたことがわかるまで周囲温度で攪拌する。反応液をNHClの飽和水溶液で失活させ、酢酸エチルでの抽出にかける。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗製材料をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアリル型アルコール生成物を得る。
Figure 2005532321
EX−E−6)EX−E−5、重合体によって担持されたトリフェニルホスフィン、および3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オンをTHF中に混ぜた混合物に、アゾジカルボン酸ジメチルを滴下する。反応混合物を、薄層クロマトグラフィーで分析して出発材料が残っていないことがわかるまで室温で攪拌する。混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮する。得られた黄色の油を塩化メチレンと水とに分配する。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗製材料をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の保護されたE−アリルアミド生成物を得る。
Figure 2005532321
EX−E−7)EX−E−6の生成物を、メタノールおよび水中酢酸に溶解させる。亜鉛粉塵を加え、混合物を、HPLC分析によって出発材料がほとんど残っていないことがわかるまで超音波処理しながら攪拌する。Zn粉塵をセライトで反応混合物から濾別し、濾液を濃縮する。粗製材料を逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製する。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望のアセトアミジン生成物をトリフルオロ酢酸塩として得る。
実施例E)EX−E−7を6.0N HClに溶かした溶液を1時間還流させる。真空中で溶媒を除去する。得られた固体を水に溶解させ、1.0N HClから繰り返し濃縮して、残っているTFA塩を除去し、所望の(2R,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩生成物を得る。
(実施例F)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩一水和物
Figure 2005532321
EX−F−1)窒素中のEX−A−3の生成物(5.0g、11.5ミリモル)のTHF(45ml)溶液に、Red−Al(5.22ml、17.4ミリモル)を5.6mLのTHFに溶かした溶液を30分間かけて滴下した。内部温度を−10℃より低く保った。5分後、反応液を1.3Mの酒石酸Na・K 33.7mlで失活させた。混合物にトルエン(11mL)を加えて分離しやすくした。有機層を1.3Mの酒石酸Na・K 33.7mlで洗浄した後、ブライン(40mL)で洗浄した。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の薄黄色の油3.8g(84%)をそのまま次のステップに持ち込んだ。LCMS:m/z=414.2[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、1.95(m,1H)、2.1(m,1H)、2.2(m,1H)、2.35(t,1H)、3.7(s,3H)、4.25(m,2H)、4.8(m,1H)、5.15(dt,1H,J=20Hz)。19F NMR(CDCl)δ−119.1(d,0.02F,J=37Hz,2% Z−異性体)、−111.8(d,0.98F,J=24Hz,98% E−異性体)。
Figure 2005532321
EX−F−2)EX−F−1の生成物(50.0g、0.128モル)を500mLの塩化メチレンに溶かした−10℃の溶液に、トリエチルアミン(18.0g、0.179モル)を加えた。塩化メタンスルホニル(17.5g、0.153モル)を50mLの塩化メチレンに溶かした溶液をゆっくりと加えて、温度は−10℃に保った。反応液を−10℃で45分間攪拌し、この時点で、薄層クロマトグラフィー(50%のヘキサン中酢酸エチル)およびLCMSによる分析によって、出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液を1.0Mのクエン酸600mLで失活させ、酢酸エチル(2×400mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の黄色の油70gをそのまま次のステップに持ち込んだ。LCMS:m/z=492.2[M+Na]。
Figure 2005532321
EX−F−3)EX−F−2の生成物(70.0g、0.128モル)を400mLのジメチルホルムアミドに溶かした室温の溶液に、カリウム3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オンアート(28.7g、0.192モル)を加えた。反応液を室温で2.5時間攪拌し、この時点で、薄層クロマトグラフィー(30%のヘキサン中酢酸エチル)およびLCMSで分析すると出発材料が消費されたことが示された。反応液を400mLの水で希釈し、酢酸エチル(5×400mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、400mLの水、400mLのブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の黄色の油70gを、1:4のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、わずかに黄色の油38g(63%)を得た。
EX−F−4)EX−F−3のいくつかの複製調製物からなる生成物の組合せを、Merk製シリカゲルMODCOLカラムのHPLCカラムクロマトグラフィーによって、500mL/分の流量で、60:40のMtBE:ヘプタンの定組成で精製した。回収された63gに対する次の精製は、Chiral Pak−ADカラムのキラルHPLCカラムクロマトグラフィーとし、550mL/分の流量を10:90のA:B(A:100%のエタノール、B:100%のヘプタン)の定組成で流した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望の保護されたL,E−アリル型アミジン生成物41g(68%)を透明な油として得たが、これは、19F NMRおよびキラルクロマトグラフィーによると所望のLおよびE異性体のみを含んでいた。LCMS:m/z=496.2[M+Na]。[M+NH。HRMS C2132FNの計算値:491.2507[M+NH、実測値:491.2517。H NMR(CDCl)δ1.48(s,18H)、1.85(m,1H)、2.2(m,3H)、2.25(s,3H)、3.64(s,3H)、4.25(m,2H)、4.8(m,1H)、5.3(dt,1H,J=20Hz)。19F NMR(CDCl)δ−110.8(q,1F,J=20Hz)。
Figure 2005532321
EX−F−5)EX−F−4の生成物(22.5g、0.047モル)を112mLのメタノールに溶解させた。激しい攪拌を開始し、40%の水中酢酸225mLを加えた後、亜鉛粉塵(11.5g、0.177ミリモル)を加えた。攪拌した状態の反応液を2.5時間還流条件下(約60℃)におき、この時点で、HPLC分析によって出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液を冷却し、Znをセライトで反応混合物から濾別し、セライトを追加のメタノールでよく洗浄した。濾液とメタノール洗液を合わせ、濃縮した。得られた油性の白色固体を塩化メチレン(2×500ml)で洗浄し、セライトパッドで濾過し、追加の500mLの塩化メチレンで洗浄した。濾液を合わせ、濃縮して、薄黄色の油を得た。粗製材料の薄黄色の油39gを、80:19:1のメタノール:塩化メチレン:酢酸を溶離液とする、200mLのシリカゲルでの充填剤濾過によって精製して、所望の生成物13g(83%)を得た。LCMS:m/z=432.3[M+H]。1[M+H]。HRMS C1526FNの計算値:332.1986[M+H]、実測値:332.1982。H NMR(CDOD)δ1.42(s,9H)、1.7(m,1H)、1.9(m,1H)、2.17(m,2H)、2.22(s,3H)、3.3(m,1H)、3.7(s,3H)、4.2(d,2H)、5.1(dt,ビニル,1H,J=21Hz)。19F NMR(CDOD)δ−110.83(m,1F,J=21Hz)。
実施例F)EX−F−5の生成物(22g、0.066モル)を750mLの6.0N HClに溶かした溶液を、45分間還流させた。真空中で溶媒を除去した。得られた固体をさらに3回水に溶解させ濃縮した。粗製材料を、100%の定組成のBを30分間、その後0〜100%の勾配のAを10分間、さらに100%の洗浄用のAを20分間(A:100%のアセトニトリル、B:0.0025%の酢酸を加えた100%のHO)をポンピングして60分間かけて溶離する、YMC ODS−AQカラムの逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望の(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩生成物のみを含む、二塩酸塩としての所望のアセトアミジン生成物3.5g(68%)を白色固体、融点51.5〜56.3℃として得たが、これは、19F NMRによると所望のE異性体のみを含んでいた。LCMS:m/z=218.1[M+H]。HRMS C16FNの計算値:218.1305[M+H]、実測値:218.1325。H NMR(DO)δ1.8(m,2H)、2.05(m,2H)、2.1(s,3H)、3.7(t,1H)、4.00(d,2H)、5.3(dt,ビニル,1H,J=21Hz)。19F NMR(DO)δ−109.9(m,1F,J=20Hz)。[δ]589=+15.3(C,0.334,(HO);)。[δ]365=+52.8(C,0.334,(HO)
(実施例G)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−ヒドロキシイミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸
Figure 2005532321
EX−G−1)EX−F−3の生成物(14g、30.0ミリモル)を100mLのメタノールに溶かした攪拌中の冷(0℃)溶液に、気体のHClを5分間バブルした。得られた暗黄色の溶液をさらに30分間攪拌し、この時点で、HPLCによって出発材料が完全に消費されたことが示された。得られた混合物を飽和NaHCOで中和してpH=8とし、生成物をEtOAcでの抽出にかけた。有機層をMgSO上で乾燥させ、濃縮して、所望のアミノエステル生成物を暗黄色の油として得、これを粗製のまま次のステップに持ち込んだ。LCMS:m/z=274[M+Na]H NMR(CDCl)δ1.8(m,4H)、2.25(s,3H)、3.42(bm,1H)、3.80(s,3H)、4.4(dd,2H)、5.40(dt,ビニル,1H,J=21Hz)。19F NMR(CDCl)δ−110.38(m,1F,J=21Hz)。
実施例G)EX−G−1の生成物(8g、30ミリモル)を70mLの2.5N NaOHに溶かした溶液を10分間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって出発材料が完全に消費されたことが示された。得られた溶液を12N HCl(約50mL)で中和してpH=7〜8とし、濃縮した。得られたスラリーをメタノールで洗浄し、濾過して塩を除去し、濃縮して、褐色がかった油とした。粗製材料を、100%の定組成のBを30分間、その後0〜100%の勾配のAを10分間、さらに100%の洗浄用のAを20分間(A:100%のアセトニトリル、B:100%)ポンピングして60分間かけて溶離する、YMC ODS−AQカラムの逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望の生成物1.0g(14%)を白色の固体として得た。生成物を湯およびイソプロピルアルコールから再結晶化し、濾過によって収集して、純粋な(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−ヒドロキシイミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸を白色の結晶性固体として得た。融点:198.00〜200.00℃。LCMS:m/z=234.1[M+H]H NMR(DO)δ1.8(m,4H)、2.05(m,2H)、3.6(t,1H)、3.9(d,2H)、5.2(dt,ビニル,1H,J=21Hz)。19F NMR(DO)δ−112.1(m,1F,J=20Hz)。)。Cl6FNの元素分析:計算値:C,46.35;H,6.91;N,18.02;O,20.58。実測値:C,46.44;H,6.95;N,17.94;O,20.78。キラル分析>97.7%:CrownPak CR(+)0.8mL/min、100% Aで定濃度溶離(A:水性HclO,pH=1.5)。
(実施例H)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−N−(1H−テトラゾール−5−イル)5−ヘプテンアミド二塩酸塩
Figure 2005532321
EX−H−1)EX−F−3の生成物(6.1g、0.013モル)を4mLのメタノールに溶解させた。激しい攪拌を開始し、10mLの6N HClを加えた。攪拌した状態の反応液を18時間還流条件下(約60℃)におき、この時点で、HPLC分析によって出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液を冷却し、濃縮して、3.3g(100%)の橙色の油とした。LCMS:m/z=282[M+Na]
Figure 2005532321
EX−H−2)EX−H−1の生成物(3.3g、0.013モル)を1:1のHO:ジオキサン12mLに溶解させた。攪拌を開始し、トリエチルアミン(1.95g、0.019モル)を加えた。反応液を0℃に冷却し、二炭酸ジ−t−ブチル(3.4g、0.016モル)を加えた。反応液が室温に温まるようにし、その時点でアセトニトリル(4mL)を加えて固体を溶解させた。反応液を室温で18時間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液を1.0N KHSO(25mL)で失活させ、酢酸エチル(3×50mL)での抽出にかけ、有機層をMgSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製材料の暗色の油3.5gを、4:95:1のメタノール:塩化メチレン:酢酸を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物2.4g(52%)を薄黄色の油として得た。LCMS:m/z=382[M+Na]
Figure 2005532321
EX−H−3)EX−H−2の生成物(2.4g、0.007モル)を13mLのTHFに溶解させた。攪拌を開始し、5−アミノテトラゾール一水和物(0.83g、0.008モル)を加えた後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(1.0g、0.008モル)を加えた。得られた混合物を3時間かけて室温に温め、この時点で、HPLCによって出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液に12mLの水を加え、真空蒸留によってTHFを除去した。エタノール(30mL)を加え、反応液を加熱還流した。還流させて15分経過後、反応液を−10℃に冷却し、そのとき所望の生成物が溶液から沈殿した。生成物を濾過によって収集して、白色の固体1.25g(50%)を得た。LCMS:m/z=449[M+Na]
Figure 2005532321
EX−H−4)EX−H−3の生成物(1.0g、0.0023モル)を5mLのメタノールに溶解させた。激しい攪拌を開始し、40%の水中酢酸10mLを加えた後、亜鉛粉塵(0.5g、0.008モル)を加えた。攪拌した状態の反応液を1.5時間還流条件下(約60℃)におき、この時点で、HPLC分析によって出発材料がほとんど消費されたことが示された。反応液を冷却し、Znをセライトで反応混合物から濾別し、セライトを追加のメタノールでよく洗浄した。濾液とメタノール洗液を合わせ、濃縮した。得られた油状の白色固体を、100%の定組成のBを30分間、その後0〜100%の勾配のAを10分間、さらに100%の洗浄用のAを20分間(A:100%のアセトニトリル、B:0.0025%の酢酸を加えた100%のHO)ポンピングして60分間かけて溶離する、YMC ODS−AQカラムの逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望のアセトアミジン生成物0.390g(44%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z=407.3[M+Na]。
実施例H)EX−H−4の生成物(0.30g、0.780ミリモル)を5mLの濃HOAcに溶解させた。これに、4Nのジオキサン中HCl 1mLを加えた。反応液を室温で5分間攪拌した。真空中で溶媒を除去した。得られた固体をさらに3回水に溶解させ濃縮した。HPLCによっていくらかの出発材料があることが示された。固体を1N HClに溶解させ、3時間攪拌し、この時点で、HPLCは、出発材料がほとんど消費されたことを示した。溶液を濃縮して、二塩酸塩としての所望のアセトアミジン生成物290mg(98%)を得た。LCMS:m/z=285.1[M+H]。
(実施例I)
Figure 2005532321
S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン二塩酸塩
実施例−I−1)(2R,4R)−メチル−2−t−ブチル−1,3−チアゾリン−3−ホルミル−4−カルボキシラート
JeanguenatおよびSeebach、J.Chem.Soc.Perkin Trans.第1巻、2291ページ(1991年)、ならびにPattendenら、Tetrahedron、第49巻、2131ページ(1993年)を参照されたい。(R)−システインメチルエステル塩酸塩(8.58g、50ミリモル)、ピバルアルデヒド(8.61g、100ミリモル)、およびトリエチルアミン(5.57g、55ミリモル)を、Dean−Starkトラップを使用して絶えず水を除去しながらペンタン(800ml)中で還流させた。混合物を濾過し、蒸発にかけた。得られたチアゾリジン(9.15g、45ミリモル)およびギ酸ナトリウム(3.37g、49.5ミリモル)をギ酸(68ml)中で攪拌し、無水酢酸(13mL、138ミリモル)を0〜5℃で1時間かけて滴下して処理した。溶液を室温に温め、終夜攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をNaHCOの5%水溶液で中和し、エーテル(3回)での抽出にかけた。有機層を合わせて乾燥させ(無水MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、標題化合物を得、これをヘキサン−エーテルから白色の結晶(8.65g)(全体として80%、8:1の配座異性体混合物)として結晶化した。H NMR(CDCl)δ 主配座異性体:1.04(s,9H)、3.29(d,1H)、3.31(d,1H)、3.78(s,3H)、4.75(s,1H)、4.90(t,1H)、8.36(s,1H)。MS m/z(エレクトロスプレイ)232(M+H)(100%)、204(10)164(24)。
実施例−I−2)(2R,4R)−メチル−2−t−ブチル−1,3−チアゾリン−3−ホルミル−4−メチル−4−カルボキシラート
実施例−I−1の生成物、すなわち(2R,4R)−メチル−2−t−ブチル−1,3−チアゾリン−3−ホルミル−4−カルボキシラート(8.65g、37.4ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(130mL)に溶かしたN中の−78℃の溶液に、DMPU(25mL)を加え、混合物を5分間攪拌した。1Mのテトラヒドロフラン中リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(37.5mL)を加え、混合物を30分間攪拌した。ヨウ化メチル(5.84g、41.1ミリモル)を加えた後、混合物を4時間−78℃に保ち、次いで絶えず攪拌しながら室温に温めた。真空中で溶媒を蒸発させ、ブラインおよび酢酸エチルを加えた。水層をEtOAcでの抽出に3回かけ、有機層を合わせて10%のKHSO、水、およびブラインで洗浄した。次いでそれを乾燥させ(無水MgSO)、濾過し、減圧下ですべての溶媒を揮散させた。残った油を、1〜10%のEtOAc/ヘキサンを用いてシリカのクロマトグラフィーにかけると、標題化合物(5.78g、63%、2.4:1の配座異性体混合物)が得られた。H NMR(CDCl)δ 主配座異性体、1.08(s,9H)、1.77(s,3H)、2.72(d,1H)、3.31(d,1H)、3.77(s,3H)、4.63(s,1H)、8.27(s,1H);副配座異性体、0.97(s,9H)、1.79(s,3H)、2.84(d,1H)、3.63(d,1H)、3.81(s,3H)、5.29(s,1H)、8.40(s,1H);MS m/z(エレクトロスプレイ)246(M+H)(100%)、188(55)160(95)。ダイセル化学工業株式会社製Chiracel OASカラムで16.5分の滞留時間、10〜40%のIPA/ヘキサン0〜25分間、eeは>95%。
実施例−I−3)(2R)2−メチル−L−システイン塩酸塩
実施例−I−2の生成物、すなわち(2R,4R)−メチル−2−t−ブチル−1,3−チアゾリン−3−ホルミル−4−メチル−4−カルボキシラート(5.7g、23.2ミリモル)をN中で6N HCl(100mL)と共に攪拌し、2日間激しい還流を続けた。溶液を冷却し、EtOAcで洗浄し、蒸発にかけて、生成物(2R)2−メチル−システイン塩酸塩(3.79g、95%)を薄黄色の粉末として得た。H NMR(DMSO−d)δ1.48(s,3H)2.82(t,1H)、2.96(bs,2H)、8.48(s,3H)。MS m/z(エレクトロスプレイ)136[M+H]。
実施例−I−4)S−[2−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイントリフルオロ酢酸
オーブン乾燥し、真空冷却した、酸素フリーの1−メチル−2−ピロリジノン(5mL)を含む丸底フラスコに、水素化ナトリウム(2.6g、鉱油中60%、65ミリモル)を加えた。混合物を−10℃に冷却し、N中で攪拌した。実施例−I−3の生成物、すなわち2−メチル−L−システイン塩酸塩(3.6g、21.0ミリモル)を酸素フリーの1−メチル−2−ピロリジノン(25ml)に溶解させたものを少量ずつ加えた。すべてのH放出が止んだ後、臭化2−[(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)−アミノ]エチル(4.94g、21ミリモル)を含んだ酸素フリーの1−メチル−2−ピロリジノン(15mL)を−10℃で加えた。次いで、反応液を4時間攪拌して、室温に温まるようにした。溶液を1N HClで中和し、真空中で蒸発にかけて1−メチル−2−ピロリジノンを除去した。0.05%のトリフルオロ酢酸水溶液中1〜20%のアセトニトリルを用いる逆相クロマトグラフィーにかけると、標題化合物(5.9g)が、適切な画分の凍結乾燥によって回収されて得られた。H NMR(DMSO−d/DO)δ1.31(s,9H)、1.39(s,3H)、2.55(m,2H)、2.78(d,1H)、3.04(d,1H)、3.06(t,2H)。HRMS C1122Sの計算値:279.1375(M+H)、実測値:279.1379。
実施例−I−5)S−(2−アミノエチル)−2−メチル−L−システイン塩酸塩
実施例−I−4の生成物、すなわちS−[2−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイントリフルオロ酢酸塩(5.5g、14.0ミリモル)を1N HCl(100mL)に溶解させ、窒素中、室温で終夜攪拌した。溶液を凍結乾燥によって除去して、標題のS−(2−アミノエチル)−2−メチル−L−システイン塩酸塩を得た。H NMR(DMSO−d/DO)δ1.43(s,3H)、2.72(m,2H)、2.85(d,1H)、2.95(t,2H)、3.07(d,1H)。m/z[M+H]179。
実施例I)実施例−I−5の生成物をHOに溶解させ、1N NaOHを用いてpHを10に整え、アセトイミド酸エチル塩酸塩(1.73g、14.0ミリモル)を加えた。反応液を15〜30分間攪拌し、pHを10に上げ、この過程を3回繰り返した。HClを用いてpHを3に整え、溶液を洗浄済みのDOWEX 50WX4−200カラムに載せた。カラムをHO、0.25MのNHOH、その後0.5 MのNHOHで洗浄した。0.5M NHOHでの洗浄による各画分を直ちに凍結させ、合わせて凍結乾燥して、油を得、これを1N HClに溶解させ、蒸発にかけて、標題化合物を白色の固体(2.7g)として得た。H NMR(DMSO−d/DO)δ1.17(s,3H)、2.08(s,3H)、2.52(d,1H)、2.68(m,2H)、2.94(d,1H)、3.23(t,2H)。HRMS C18Sの計算値:220.1120[M+H]、実測値:220.1133。
(実施例J)
Figure 2005532321
2−[[[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]チオ]メチル]−O−メチル−D−セリン二塩酸塩
この実施例で利用した手順および方法は、実施例−I−2のステップで、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化メトキシメチルを使用したことを除き、実施例Iと同一であった。この手順では、標題生成物が白色の固体(2.7g)として得られた。H NMR(DO)δ2.06(s,3H)、2.70(m,3H)、3.05(d,1H)、3.23(s,3H)、3.32(t,2H)、3.46(d,1H)、3.62(d,1H)。HRMS C20Sの計算値:250.1225[M+H]、実測値:250.1228。
(実施例K)
Figure 2005532321
S−[(1R)−2−[(1−イミノエチル)アミノ]−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイン二塩酸塩
実施例−K−1)(S)−1−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−プロパノール
(S)−1−アミノ−2−プロパノール(9.76g、130ミリモル)を無水ベンゼン(60mL)に溶かした0℃の溶液に、クロロギ酸ベンジル(10.23g、60ミリモル)の入った無水ベンゼン(120mL)を、窒素雰囲気中で激しく攪拌しながら20分間かけて少量ずつゆっくりと加えた。混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで室温に温まるようにし、さらに2時間攪拌した。混合物を水(2回)およびブライン(2回)で洗浄した後、有機層を無水MgSO上で乾燥させた。溶媒をすべて蒸発させると、標題生成物が油として得られた。H NMR(CDCl)δ1.22(d,3H)2.40(bs,1H)、3.07(m,1H)、3.37(m,1H))、3.94(m,1H)、5.16(s,2H)、5.27(m,1H)、7.38(m,5H)。MS m/z(エレクトロスプレイ)232[M+23](100%)、166(96)。
実施例−K−2)(S)−1−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−プロパノールトシラート
実施例−K−1の生成物、すなわち(S)−1−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−プロパノール(9.74g、46.7ミリモル)およびトリエチルアミン(7.27g、72ミリモル)を塩化メチレン(60mL)に溶かした0℃の溶液に、塩化トルエンスルホニル(9.15g、48ミリモル)の入った塩化メチレン(18mL)を、窒素中で激しく攪拌しながら20分間かけて少量ずつゆっくりと加えた。混合物が室温に温まるようにし、窒素中でさらに36時間攪拌した。有機層を、1N HCl、水、NaHCOの5%溶液、水、およびブラインで洗浄した後、無水MgSO上で乾燥させた。溶媒をすべて蒸発させると、白色の固体が得られ、これを酢酸エチル/ヘキサン(1:4)と共にシリカ充填物に通して過剰の塩化トルエンスルホニルを除去し、次いで酢酸エチル/ヘキサン(1:3)と共に通して、標題生成物を白色の結晶として得た。この材料を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、白色の針状物(10.8g)を得た。H NMR(CDCl)δ1.22(d,3H,)2.39(s,3H)、3.20(m,1H)、3.43(dd,1H))、4.66(m,1H)、5.02(m,1H)、5.04(ABq,2H)、7.34(m,7H)、7.77(d,2H)。MS m/z(エレクトロスプレイ)386[M+23](100%)、320(66)。この生成物を、使用する移動相をイソプロパノール/ヘキサンとし、使用する勾配を10%のイソパノールを5分間、次いで10〜40%のイソプロパノールを25分間とし、さらにUVおよびLaser Polarimetry検出装置を使用して、Regis Technologies Inc.製Perkle Covalent(R,R)−GEM1 HPLCカラムで調べた。主要ピークの滞留時間:22.2分間、eeは>98%。
実施例−K−3)S−[(1R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイントリフルオロ酢酸塩
実施例−I−3の生成物、すなわち2−メチル−L−システイン塩酸塩(1g、6.5ミリモル)を、オーブン乾燥しNでフラッシュした丸底フラスコに加え、酸素フリーの1−メチル−2−ピロリジノン(5mL)に溶解させ、この系を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(0.86g、鉱油中60%、20.1ミリモル)を加え、混合物を0℃で15分間攪拌した。実施例−K−2の生成物である(2S)−1−[(N−ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−プロパノールトシラート(2.5g、7ミリモル)を酸素フリーの1−メチル−2−ピロリジノン(10mL)に溶かした溶液を10分間かけて加えた。0℃で15分間経過後、反応混合物を室温で4.5時間攪拌した。次いで、1N HClを用いて溶液をpH4に酸性化し、真空中で蒸発にかけて1−メチル−2−ピロリジノンを除去した。0.05%のトリフルオロ酢酸水溶液中20〜40%のアセトニトリルを用いる逆相クロマトグラフィーにかけると、標題化合物(0.57g)が凍結乾燥によって回収されて得られた。H NMR(HO,400MHz)δ1.0(d,3H)、1.4(s,3H)、2.6(m,2H)、2.8(m,1H)、3.1(m,2H)、3.6(s,1H)、5.0(ABq,2H)、7.3(m,5H)。MS m/z(エレクトロスプレイ):327[M+H](100%)、238(20)、224(10)、および100(25)。
実施例−K−4)S−[(1R)−2−アミノ−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイン塩酸塩
実施例−K−3の生成物、すなわちS−[(1R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイントリフルオロ酢酸塩(0.5g、1.14ミリモル)を6N HClに溶解させ、1.5時間還流させた。次いで、混合物を室温に冷却し、EtOAcでの抽出にかける。真空中で水層を濃縮して、標題化合物、すなわち(2R,5R)−S−(1−アミノ−2−プロピル)−2−メチル−システイン塩酸塩(0.29g)を得、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(HO,400MHz)δ1.2(m,3H)、1.4(m,3H)、2.7(m,1H)、2.8〜3.2(m,2H)、3.4(m,1H)。(回転異性体によるピークのいくらかの重複)。MS m/z(エレクトロスプレイ):193[M+H](61%)、176(53)、142(34)、134(100)、および102(10)。
実施例K)実施例−K−4の生成物、すなわちS−[(1R)−2−アミノ−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイン塩酸塩(0.2g、0.76ミリモル)を2mLのHOに溶解させ、1N NaOHを用いてpHを10.0に整え、アセトイミド酸エチル塩酸塩(0.38g、3ミリモル)を10分間かけて4回で加え、必要に応じて1N NaOHを用いてpHを10.0に整えた。1時間後、1N HClを用いてpHを3に整えた。水で洗浄したDOWEX 50WX4−200カラムに溶液を載せた。カラムをHOおよび0.5N NHOHで洗浄した。塩基性の画分をプールし、真空中で濃縮乾燥した。残渣を1N HClで酸性化し、濃縮して、実施例Kの標題化合物(49mg)とした。H NMR(HO,400MHz)δ1.3〜1.0(m,3H)、1.5(m,3H)、2.1〜1.8(m,3H)、3.4〜2.6(m,5H)、3.6(m,1H)(観察された回転異性体)。MS m/z(エレクトロスプレイ):234[M+H](100%)、176(10)、および134(10)。
(実施例L)
Figure 2005532321
S−[(1S)−2−[(1−イミノエチル)アミノ]−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイン二塩酸塩
ここで使用した手順および方法は、実施例−K−1のステップで、(S)−1−アミノ−2−プロパノールの代わりに(R)−1−アミノ−2−プロパノールを使用して、標題の材料であるS−[(1S)−2−[(1−イミノエチル)アミノ]−1−メチルエチル]−2−メチル−L−システイン塩酸塩を得たことを除き、実施例Kと同一であった。H NMR(HO,400MHz)δ3.6(m,1H)、3.4〜2.6(m,5H)、2.1〜1.8(m,3H)、1.5(m,3H)、および1.3〜1.0(m,3H)。HRMS C19S[M+H]の計算値:234.1276。実測値:234.1286。
(実施例M)
Figure 2005532321
S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−エチル−L−システイン二塩酸塩
この合成で使用した手順および方法は、実施例−I−2で、ヨウ化メチルの代わりにエチルトリフラートを使用したことを除き、実施例Iで使用したものと同じであった。標題化合物の精製には、10〜40%の勾配の水中アセトニトリルを使用する逆相クロマトグラフィーを使用した(収率20%)。H NMR(DO)δ0.83(t,3H)、1.80(m,2H)、2.08(s,3H)、2.68(m,1H)、2.78(m,1H)、2.83(m,1H)、3.11(m,1H)、3.36(t,2H)。HRMS C20Sの計算値:234.1276[M+H]、実測値:234.1284。
(実施例N)
Figure 2005532321
2−[[[[2−(1−イミノエチル)アミノ]エチル]チオ]メチル]−D−バリン二塩酸塩
実施例−N−1)イソプロピルトリフラート
窒素中で、ジエチルエーテル(300mL)に加えて攪拌した銀トリフラート(25.25g、98.3ミリモル)を、ヨウ化イソプロピル(16.54g、98.5ミリモル)の入ったエーテル(200mL)で15分間かけて処理した。混合物を10分間攪拌し、次いで濾過した。減圧下で濾液を蒸留した。留出物を大気圧で蒸留し直して、大部分のジエチルエーテルを除去すると、標題のイソプロピルトリフラートとジエチルエーテルの混合物(重量比で84:16)(15.64g、70%を収集)が無色の液体として残った。H NMR(CDCl,400MHz)δ1.52(d,6H)、5.21(七重線,1H)。
ここで利用した手順および方法は、実施例−I−2のヨウ化メチルをイソプロピルトリフラートに替えたことを除き、実施例Iで使用したものと同じであった。粗製の標題生成物は、10〜40%の水中アセトニトリルの勾配溶離を使用する逆相クロマトグラフィーによって精製した。H NMR(HO,400MHz)δ0.94(dd,6H)、2.04(七重線,1H)、2.10(s,3H)、2.65、2.80(d m,2H)、2.85、3.10(dd,2H)、3.37(t,2H)。HRMS C1022Sの計算値:248.1433[M+H]、実測値:248.1450。
(実施例O)
Figure 2005532321
S−[2−(1−イミノエチルアミノ)エチル]−2−メチル−(D/L)−システインビストリフルオロ酢酸塩
実施例−O−1)S−(2−アミノエチル)−L−システインメチルエステル
S−(2−アミノエチル)−L−システインの10g(50ミリモル)のサンプルを、400mLのメタノールに溶解させた。冷却したこの溶液に、無水HClを30分間バブルした。室温で終夜攪拌した後、溶液を濃縮して、標題化合物12.7gを得た。
実施例−O−2)N−{4−クロロフェニル)メチレン]−S−[2−[[(4−クロロフェニル)メチレン]アミノ]エチル]−L−システインメチルエステル
実施例−O−1の生成物、すなわちS−(2−アミノエチル)−L−システインメチルエステルの12.7g(50ミリモル)のサンプルをアセトニトリルに溶解させた。この溶液に、12.2g(100ミリモル)の無水MgSO、14g(100ミリモル)の4−クロロベンズアルデヒド、および100ミリモルのトリエチルアミンを加えた。この混合物を12時間攪拌し、濃縮して体積を小さくし、500mLの酢酸エチルで希釈した。有機溶液を、(0.1%の)NaHCO、(2Nの)NaOH、およびブライン溶液で順次洗浄した。有機物を乾燥させ(無水MgSO)、濾過し、濃縮して、標題化合物7.5gを得た。[M+H]=179。
実施例−O−3)N−[4−クロロフェニル)メチレン]−S−[2−[[(4−クロロフェニル)メチレン]アミノ]エチル]−2−メチル−D/L−システインメチルエステル
実施例−O−2の生成物、すなわちN−{4−クロロフェニル)メチレン]−S−[2−[[(4−クロロフェニル)メチレン]アミノ]エチル]−L−システインメチルエステルのサンプル(7.5g、17ミリモル)を無水THF中に入れたものを、窒素中、−78℃で、17ミリモルのナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドで処理した後、2.4g(17ミリモル)のヨウ化メチルで処理した。溶液を4時間−78℃に保ち、次いで、間断なく攪拌しながら室温に温めた。真空中で溶媒を蒸発させ、ブラインおよび酢酸エチルを加えた。水相をEtOAcでの抽出に3回かけ、有機層を合わせて、10%のKHSO、水、およびブラインで洗浄した後、これを乾燥させ(無水MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、標題化合物を得た。
実施例−O−4)S−(2−アミノエチル)−2−メチル−D/L−システイン塩酸塩
実施例−O−3の生成物、すなわちN−[4−クロロフェニル)メチレン]−S−[2−[[(4−クロロフェニル)メチレン]アミノ]エチル]−2−メチル−D/L−システインメチルエステルのサンプル(4.37g、10ミリモル)を攪拌し、2N HClと共に一晩加熱し(60℃)、溶液を酢酸エチルで洗浄した(3回)。水溶液を凍結乾燥して、標題化合物を得た。
実施例O)実施例−O−4の生成物、すなわちS−(2−アミノエチル)−2−メチル−D/L−システイン二塩酸塩のサンプル(2.5g(10ミリモル)をHOに溶解させ、1N NaOHを用いてpHを10に整えた。次いで、反応混合物にアセトイミド酸エチル塩酸塩(1.24g、10.0ミリモル)を加えた。反応液を15〜30分間攪拌し、pHを10に上げ、この過程を3回繰り返した。HClの溶液を用いてpHを4に下げ、溶液を蒸発にかけた。残渣を、トリフルオロ酢酸を0.05%含有するHOを移動相として用いる逆相HPLCによって精製して、実施例Oの標題生成物を得た。M+H=220。
(実施例P)
Figure 2005532321
(2R)−2−アミノ−3[[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]スルフィニル]−2−メチルプロパン酸二塩酸塩
S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン二塩酸塩(実施例I、0.2g、0.73ミリモル)を3mLの水に溶かした溶液を攪拌し、0℃に冷却し、H(0.8mL、0.73ミリモル)の3%のギ酸(0.4mL、0.73ミリモル)溶液を0.3mLずつ加えた。冷浴を取り外し、反応混合物を室温で48時間攪拌した。真空中で溶液を濃縮し、水(10mL)で希釈し、再度濃縮して、粗製のスルホンを得た。この残渣をクロマトグラフィー(C−18逆相、移動相はトリフルオロ酢酸0.05%含有HO)にかけて、純粋なスルホンを得る。このスルホンを1MのHCl(10mL)で処理し、真空中で濃縮して、標題化合物の2種のジアステレオ異性体からなる混合物140mgをHCl塩である無色の油として得た。H NMR(300MHz,DO)δ1.5(s,2H)、1.6(s,1H)、2.0(s,3H)、3.1(m,2H)、3.3(m,2H)3.6(m,2H)。HRMS C18Sの計算値:236.1069[M+H]、実測値:236.1024。
(実施例Q)
Figure 2005532321
(2R)−2−アミノ−3[[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]スルホニル]−2−メチルプロパン酸二塩酸塩
S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン二塩酸塩、すなわち実施例Iの生成物(0.15g、0.54ミリモル)を2mLの水に溶かした溶液を0℃に冷却し、H(1.6mL、1.46ミリモル)の3%ギ酸(0.8mL、14.6ミリモル)溶液を加えた。冷浴を取り外し、反応混合物を室温で18時間攪拌した。真空中で溶液を濃縮し、10mLの水で希釈し、再度濃縮して、粗製スルホキシドを得た。残渣を4mLの水で希釈し、2.5N NaOHを用いてpH9に整えた。アセトン(5mL)加えた後、BocO(0.2g)を加え、反応液を室温で48時間攪拌した。1MのHClを用いて反応混合物をpH6に整え、真空中で濃縮した。この残渣をクロマトグラフィー(C−18逆相、40〜50%ACN:HO、0.05%TFA)にかけて、Boc保護された純粋な材料を得た。各画分を真空中で濃縮し、残渣を1N HCl(3mL)で1時間かけて処理した。溶液を濃縮して、標題化合物30mgを無色の油として得た。H NMR(400MHz,DO)δ4.0(d,1H)、3.7(d,1H)、3.6(t,2H)、3.5(t,2H)、2.1(s,3H)、および1.5(s,3H)ppm. HRMS C18Sの計算値:252.1018[M+H]、実測値:252.0992。
(実施例R)
Figure 2005532321
(2S,5Z)−2−アミノ−6−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
実施例R−1)
Figure 2005532321
トリエチル−2−ホスホノプロピオナート(6.5mg、27.1ミリモル)のトルエン(60ML)溶液を、0.5Mのカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(50.0ML、トルエン中)で処理し、得られたアニオンを、実施例U−4の方法(以下の実施例Uを参照のこと)によって実施例U−3のアルデヒド生成物と縮合させた。これによって、クロマトグラフィーにかけた後、所望のZジエステルとEジエステルそれぞれ3:7の混合物8gが生成した。(H)NMR(300MHz,CDCl)6.7〜6.8ppm(m,1H)、5.9ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、4.2ppm(q,2H)、3.7ppm(s,3H)、2.5ppm(m,1H)、2.2〜2.3ppm(m,2H)、2.0ppm(m,1H)、1.9ppm(s,3H)、1.8ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)、1.3ppm(t,3H)。
実施例R−2)
Figure 2005532321
実施例R−1の混合生成物(850mg、2.0ミリモル)をEt2O(30mL)中に加え、実施例U−5の方法によって、ジイソブチルアルミニウム/水素化物(DIBAL)を用い20分間かけて還元して、Eアルコールと還元されていないZエステルの図示した所望の粗製混合物を生成した。この混合物を、n−ヘキサン:EtOAc(9:1)〜n−ヘキサン:EtOAc(1:1)を溶離液とするシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、Zエステル(530mg)および所望のEアルコール材料のサンプルを生成した。
Zエステル:(H)NMR(300MHz,CDCl)5.9ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、4.2ppm(q,2H)、3.7ppm(s,3H)、2.5ppm(m,1H)、2.2〜2.3ppm(m,2H)、1.9ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)、1.3ppm(t,3H)。
Eアルコール:(H)NMR(300MHz,CDCl)5.35ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、3.95ppm(s,1H)、3.7ppm(s,3H)、1.8〜2.2ppm(m,6H)、1.6ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)。
実施例R−3)
Figure 2005532321
実施例R−2のZエステル生成物(510mg、1.2ミリモル)をEt2O(30ML)中に加え、実施例U−5の方法によって、ジイソブチルアルミニウム/水素化物(DIBAL)を用い2時間かけて還元して、図示した所望の粗製Zアルコールを生成した。この材料を、n−ヘキサン:EtOAc(9:1)〜n−ヘキサン:EtOAc(8:2)を溶離液とするシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、所望のZアルコール生成物340mgを得た。
H)NMR(300MHz,CDCl)δ5.3ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、4.2ppm(d,1H)、4.0ppm(d,1H)、2.2ppm(m,3H)、1.95ppm(m,1H)、1.8ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)。
実施例R−4)
Figure 2005532321
実施例R−3のアルコール生成物(340mg、0.9ミリモル)のCHCl溶液(5ML)をトリエチルアミン(151mg、1.5ミリモル)で処理した。この溶液を氷浴中で冷却したものに、塩化メタンスルホニルのCHCl溶液(1.5ML)を加えた。15分後、氷浴を取り外し、反応液を周囲温度で20時間攪拌した。次いで、反応混合物を10%のKHSOで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下ですべての溶媒を除去して、所望のZアリル塩化物350mgを生成した。
H)NMR(300MHz,CDCl)δ5.4ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、4.1ppm(d,1H)、4.0ppm(d,1H)、2.1ppm(m,3H)、1.95ppm(m,1H)、1.8ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)。
実施例R−5)
Figure 2005532321
カリウム3−メチル−1,2,4−オキサ−ジアゾリン−5−オンのDMF懸濁液を、以下の実施例S−2の方法によって、実施例R−4の生成物のDMF溶液と反応させてこの材料を生成した。
実施例R−6)
Figure 2005532321
実施例R−5の生成物を、実施例U−7の方法によってHOAc中、亜鉛と反応させて、このアミジンを得る。
実施例R−7)
Figure 2005532321
実施例R−6の生成物を、氷酢酸中でジオキサン中4N HClと反応させて、このアミジンを得た。
実施例R)
Figure 2005532321
実施例R−7の生成物を脱保護して、このアミノ酸二塩酸塩を得た。
(実施例S)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−6−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
実施例S−1)
Figure 2005532321
実施例R−2のEアルコール生成物(1.3g、3.3ミリモル)を、実施例R−4の方法によって、トリエチルアミン(525mg、5.2ミリモル)および塩化メタンスルホニル(560mg、5.2ミリモル)と反応させて、所望のEアリル塩化物1.4gを得た。
H)NMR(400MHz,CDCl)δ5.5ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、4.0ppm(s,2H)、3.7ppm(s,3H)、2.1〜2.3ppm(m,3H)、1.9ppm(m,1H)、1.7ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)。
実施例S−2)
Figure 2005532321
カリウム3−メチル−1,2,4−オキサ−ジアゾリン−5−オン(460mg、3.35ミリモル)を5mLのDMFに懸濁させた懸濁液を、実施例S−1の生成物のDMF(15mL)溶液と反応させた。この反応混合物を50℃で17時間攪拌した後、追加のジアゾリン−5−オン塩50mg(0.04ミリモル)を加えた。攪拌した反応液の加熱をさらに3時間続けた後、これを室温に冷却し、180mLの水で希釈した。この混合物をEtOAcでの抽出にかけ、抽出物を120mLのn−ヘキサンで希釈し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下ですべての溶媒を除去して、この材料1.3gを得た。
H)NMR(400MHz,CDCl)5.5ppm(m,1H)、4.9ppm(m,1H)、4.2ppm(s,3H)、3.7ppm(s,3H)、2.2ppm(m,3H)、1.95ppm(m,1H)、1.8ppm(s,3H)、1.5ppm(s,18H)。
実施例S−3)
Figure 2005532321
実施例S−2の生成物(460mg、1.0ミリモル)を、実施例U−7の方法(以下の実施例Uを参照のこと)によってHOAc中、亜鉛と反応させて、HPLCによる精製後、所望のアミジン312mgを得た。
実施例S)
Figure 2005532321
実施例S−3の生成物(77mg、0.2ミリモル)を、実施例Uの方法によって、2N HClを用い脱保護して、E−アミノ酸二塩酸塩63mgを得た。
(実施例T)
Figure 2005532321
(2S,5Z)−2−アミノ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例T−1)ビス(トリフルオロエチル)ホスホノ酢酸メチル(4.77g、15ミリモル)および23.7g(90ミリモル)の18−クラウン−6を80mLの無水THFに溶解させ、−78℃に冷却した。この溶液に、30mL(15ミリモル)のカリウムビス(トリメチルシリル)アミドを加えた後、実施例U−3のN,N−ジ−Bocグルタミン酸アルデヒドメチルエステル5.1g(14.7ミリモル)(以下の実施例Uを参照のこと)を加えた。−78℃で30分間攪拌した後、反応液をKHSO水溶液で失活させた。反応混合物をEiOAcでの抽出にかけ、濃縮すると、所望の化合物2.95g(49%)が得られた。質量スペクトルM+H=402。
Figure 2005532321
実施例T−2)実施例T−1の生成物を実施例U−5の方法によって還元して、所望の化合物を得た。
Figure 2005532321
実施例T−3)実施例T−2の生成物を、実施例U−6の方法によって3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オンと反応させて、所望の化合物を得た。
Figure 2005532321
実施例T−4)実施例T−3の生成物を、実施例U−7の方法によって脱保護して、所望の化合物を得た。
実施例T)実施例T−4の生成物を2N HClに溶解させ、加熱還流した。反応混合物を冷却し、濃縮して、所望の生成物0.12gを得た。 H−NMR 1.8〜2.0(m,2H);2.05(s,3H);2.15(q,2H);3.75(d,2H);3.9(t,1H);5.45(m,1H);5.6(m,1H)
(実施例U)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例U−1)L−グルタミン酸(6.0g、40.78ミリモル)をメタノール(100mL)に溶解させた。反応混合物に、窒素中、0℃で塩化トリメチルシリル(22.9mL、180ミリモル)を加え、終夜攪拌した。窒素中の0℃の反応混合物に、トリエチルアミン(37mL、256ミリモル)および二炭酸ジ−t−ブチル(9.8g、44.9ミリモル)を加え、2時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をエーテル(200mL)で摩砕した。摩砕した混合物を濾過した。濾液を蒸発にかけて油とし、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離液とするシリカのクロマトグラフィーにかけて、モノ−bocL−グルタミン酸ジエステル(10.99g、98%)を得た。
Figure 2005532321
実施例U−2)モノbocL−グルタミン酸(10.95g、39.8ミリモル)をアセトニトリル(130mL)に溶解させた。反応混合物に、4−ジメチルアミノピリジン(450mg、3.68ミリモル)および二炭酸ジ−t−ブチル(14.45g、66.2ミリモル)を加え、20時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離液とするシリカのクロマトグラフィーにかけて、ジ−boc−L−グルタミン酸ジエステル(14.63g、98%)を得た。
Figure 2005532321
実施例U−3)実施例U−2の生成物(10.79g、28.7ミリモル)をジエチルエーテル(200mL)に溶解させ、ドライアイス浴中で−80℃に冷却した。反応混合物に、水素化ジイソブチルアルミニウム(32.0mL、32.0ミリモル)を加え、25分間攪拌した。反応混合物をドライアイス浴から外し、水(7.0mL)を加えた。反応混合物に酢酸エチル(200mL)を加え、20分間攪拌した。反応混合物に硫酸マグネシウム(10g)を加え、10分間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮して、透明な黄色の油(11.19g)を得た。この黄色の油を、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離液とするシリカのクロマトグラフィーにかけた。生成物(8.61、87%)は、透明な薄黄色の油であった。
質量分析:M+H 346、M+Na 378
H)NMR(400MHz,CDCl)9.74ppm(s,1H)、4.85ppm(m,1H)、3.69ppm(s,3H)、2.49ppm(m,3H)、2.08ppm(m,1H)、1.48ppm(s,18H)。
Figure 2005532321
実施例U−4)ホスホノ酢酸トリエチル(6.2mL、31.2ミリモル)をトルエン(30mL)に溶解させ、窒素中で氷浴中に置き、0℃に冷却した。反応混合物に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(70ML、34.9ミリモル)を加え、90分間攪拌した。反応混合物に、トルエン(20mL)に溶解させた実施例U−3の生成物(8.51g、24.6ミリモル)を加え、1時間攪拌した。反応混合物を室温に温めた。反応混合物に、硫酸水素カリウム(25mL、25ミリモル)を加え、20分間攪拌した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)での抽出にかけ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮して、暗褐色がかった黄色の油(12.11g)を得た。この油を、酢酸エチルおよびトルエンを溶離液とするシリカのクロマトグラフィーにかけて、薄黄色の油(7.21g、70%)を得た。
質量分析:M+H 416、M+NH 433、−boc 316、−2 boc、216。
H)NMR(400MHz,CDCl)6.88ppm(m,1H)、5.82ppm(d,1H)、4.81ppm(m,1H)、5.76ppm(s,3H)、2.50ppm(m,3H)、2.21ppm(m,1H)、1.45ppm(s,18H)。
Figure 2005532321
実施例U−5)実施例U−4の生成物(5.0g、12.03ミリモル)をジエチルエーテル(100mL)に溶解させ、ドライアイス浴中に置き、−80℃に冷却した。反応混合物に水素化ジイソブチルアルミニウム(21.0mL、21.0ミリモル)を加えた。そして30分間攪拌した。反応混合物に水(10mL)を加え、ドライアイス浴から外し、60分間攪拌した。反応混合物に、硫酸マグネシウム(10g)を加え、10分間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮して、黄色の油(5.0g)を得た。この油を、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離液とするシリカのクロマトグラフィーにかけて、薄黄色の油(2.14g、47%)を得た。
質量分析:M+H 374、M+NH 391
H)NMR(400MHz,CDCl)5.63ppm(m,2H)、4.88ppm(m,1H)、4.02ppm(s,2H)、3.68ppm(s,3H)、2.12ppm(m,4H)、1.47ppm(s,18H)。
Figure 2005532321
実施例U−6)実施例U−5の生成物をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解させた。反応混合物に、トリフェニルホスフィン担持重合体(3.00g、8.84ミリモル)、オキサジアゾリノン(720mg、7.23ミリモル)、およびアゾジカルボン酸ジメチルエステル(1.17g、3.21ミリモル)を加え、室温で6時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮して、暗黄色の油(2.81g)を得た。この油を、ヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカのクロマトグラフィーにかけて、透明な無色の油(1.66g、68%)を得た。
質量分析:M+H 456、M+NH 473、−boc 356、−2 boc 256
H)NMR(400MHz,CDCl)5.65ppm(m,1H)、5.45ppm(m,1H)、4.79ppm(m,1H)、4.11ppm(d,2H)、3.68ppm(s,3H)、2.17ppm(m,4H)、1.47ppm(s,18H)。
Figure 2005532321
実施例U−7)実施例U−6の生成物(300mg、0.66ミリモル)を、亜鉛金属を含有する酢酸エチルと水の溶液(10mL、25/75)に溶解させ、3時間超音波処理した。反応混合物をセライトで濾過し、逆相HPLCにかけて、無色透明の残渣(13mg、4%)を得た。
H)NMR(400MHz,CDCl)8.89ppm(m,1H)、5.68ppm(m,1H)、5.47ppm(m,1H)、3.80ppm(d,2H)、3.71ppm(s,3H)、2.18ppm(m,4H)、1.41ppm(s,18H)。
実施例U)実施例U−7の生成物(13.0mg、0.031ミリモル)を2N HCl(1.22mL、2.44ミリモル)に溶解させ、1時間還流させた。反応混合物を冷却し、濃縮して、無色透明の油(6.6mg、95%)を得た。
質量分析:M+H 200、
H)NMR(400MHz,DO)5.65ppm(m,1H)、5.47ppm(m,1H)、3.80ppm(t,1H)、3.72ppm(d,2H)、2.0ppm(m,5H)、1.87ppm(m,2H)。
(実施例V)
(α,2S)−α−アミノヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−ヘキサン酸三水和物塩酸塩
Figure 2005532321
実施例V−1)
Figure 2005532321
3L容三つ口フラスコを窒素パージした後、これにシクロヘキサノン(1.27モル、132mL)および500mLのトルエンを装入した。この混合物を攪拌して0℃に冷却し、157.2g(1.1当量)のカリウムt−ブトキシドを加えた。この混合物を1時間攪拌した後、色およびテクスチャーの変化を確認してから、機械で攪拌されている反応混合物に、臭化5−ペンチル(1.27モル、136mL)を100mLのトルエンに溶かした溶液を1時間かけて滴下した。反応混合物が25℃に温まるようにし、終夜攪拌した。次いで、800mLの1N KHSOで希釈し、有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発乾燥して、粗生成物208.5gを得た。次いで、この材料を、(水流ポンプ圧力下での)減圧蒸留によって精製して、標題生成物を収率47%で得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.0〜2.4(m,13H)、4.9〜5.1(m,2H)、5.7〜5.9(m,1H)。
実施例V−2)
Figure 2005532321
実施例V−1の生成物(93.67g、0.563モル)と、EtOH(600mL)、水(300mL)、NaOAc(101.67g、1.24モル)、およびNHOH.HCl(78.31g、1.13モル)を3L容三つ口フラスコ中で合わせた。この反応混合物を攪拌したものを、16時間還流させ、次いで25℃でさらに24時間攪拌した。減圧下で溶媒をすべて除去し、残渣をジエチルエーテル(EtO、500mL)と水(200mL)とに分配した。水層を3×200mLのエーテルでの抽出にかけた。有機層を合わせてMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で揮散処理して、標題のオキシム(121.3g、粗収率100%)を得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.2〜2.6(m,13H)、4.9〜5.1(m,2H)、5.7〜5.9(m,1H)。
実施例V−3)
Figure 2005532321
3L容三つ口フラスコを窒素パージし、次いで、ヘキサメチジシロキサン(471.7mL、2.2モル)、トルエン(500mL)、および五酸化リン(203.88g、1.4モル)を装入した。この不均一な混合物を、透明な溶液が得られたまで(約1.5時間)還流させた。この混合物を室温に冷却した後、上記反応混合物に、実施例V−1のオキシム生成物(102.1g、0.563モル)の入った200mLのトルエンを25℃で1時間かけて加えた。反応混合物をさらに4〜6時間(TLCによって確認:50%のヘキサン中EA、I)攪拌した後、十分に混合しながらこれを氷水中に注いだ。この氷スラリー混合物に、250gのNaClを加え、得られた混合物に固体の炭酸カリウムを加えてpH5に整えた。このスラリーを3×500mLのジエチルエーテル(EtO)での抽出にかけ、有機画分を合わせてMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で揮散処理して、位置異性体ラクタムの粗製混合物(84.6g)を得た。
実施例V−4)
Figure 2005532321
実施例V−3の生成物を次に、精製し、位置異性体を分離するためのクロマトグラフィー(シリカ:アセトニトリル)にかけた。粗製のサンプルから、7−ペンテニル位置異性体を50%の収率で単離し、キラルクロマトグラフィーにかけた後、所望の単一の鏡像異性体をそれぞれ43%の収率で単離した。
R異性体:
1119NOの元素分析計算値:C,71.99;H,10.57;N,7.63。実測値:C,71.97;H,10.58;N,7.52
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜1.6(m,7H)、1.75〜1.9(m,2H)、1.95〜2.15(m,3H)、2.4〜2.5(m,2H)、3.25〜3.35(m,1H)、4.95〜5.05(m,2H)、5.7〜5.85(m,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm):23.166、25.169、29.601、33.209、35.475、35.624、36.783、53.600、114.976、137.923、177.703
[α]25=+26.9°(CHCl)(365nm)。
S異性体:
1119NO:C,71.99の元素分析計算値;H,10.57;N,7.63。実測値:C,72.02;H,10.61;N,7.57
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜1.6(m,7H)、1.75〜1.9(m,2H)、1.95〜2.15(m,3H)、2.4〜2.5(m,2H)、3.25〜3.35(m,1H)、4.95〜5.05(m,2H)、5.7〜5.85(m,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm):23.187、25.178、29.630、33.230、35.526、35.653、36.778、53.621、115.032、137.914、177.703
[α]25=−25.7°(CHCl)(365nm)。
実施例V−5)
Figure 2005532321
実施例V−4のR異性体生成物(102.1g、0.56モル)、無水THF(800mL)、DMAP(68.9g、0.56モル)、二炭酸ジ−t−ブチル(BocO、99g、0.45モル)を、アルゴンパージした3L容三つ口フラスコ中で混合した。反応混合物を30分間かけて70℃に温めた後、追加の52.8gのBocOおよび200mLの無水THFを加えた。30分後、さらに32gのBOCOを加え、混合物を70℃で1時間攪拌した。さらに36gのBocOを加え、混合物を1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下、18℃〜20℃でTHFを揮散させた。沈殿を濾過し、100mLの酢酸エチル(EA)で洗浄し、廃棄した(約45g)。EA濾液を追加のEA500mLでの抽出にかけた後、それを1N KHSO 500mL、NaHCOの飽和水溶液500mL、およびブライン500mLで洗浄し、次いで無水NaSO上で12時間乾燥させた。次いで、このEA抽出物を20gのDARCOで処理し、セライトで濾過し、MgSO上に通し、真空中で濃縮して、標題生成物150gを暗褐色の油として得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜1.6(m,4H)、1.5(s,9H)、1.6〜1.9(m,6H)、1.95〜2.05(m,2H)、2.5〜2.7(m,2H)、4.2〜4.25(m,1H)、4.95〜5.05(m,2H)、5.7〜5.85(m,1H)。
実施例V−6)
Figure 2005532321
実施例V−5の生成物(150g、0.533)を3LのCHClに溶解させたものを含む3L容三つ口フラスコを−78℃に冷却した。反応混合物の色が青に変わるまで、溶液に2.5時間O気流を通した。次いで、溶液が無色透明になるまで、−60℃から−70℃に保った溶液にアルゴンをバブルした(約30分間)。次いで、ジメチルスルフィド(DMS、500mL)を加えた後、反応液が還流するようにし、この還流を24時間続けた。DMSをさらに100mL加え、還流を12時間続けた。DMSをさらに100mL加え、還流を12時間続けた。次いで、回転式蒸発装置を用い、溶媒および過剰のDMSを20℃で揮散させた。得られた残りの黄色の油を500mLの脱イオン水で希釈し、3×300mLのEAでの抽出にかけた。EA層を無水MgSO上で乾燥させ、20gのDARCOで処理し、セライトの薄層で濾過し、無水MgSO上に通し、減圧下で溶媒をすべて揮散させて、粗製の標題生成物156gを橙黄色の油として得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜1.6(m,4H)、1.5(s,9H)、1.6〜1.9(m,6H)、2.45〜2.75(m,4H)、4.2〜4.25(m,1H)、9.75(s,1H)。
実施例V−7)
Figure 2005532321
N−(ベンジルオキシカルボニル)−α−ホスホノグリシントリメチルエステルのサンプル(160g、0.48モル)を1Lのジクロロメタン(CHCl)に溶解させ、0℃に冷却したものに、DBU(110.29g、0.72モル)を100mLのCHClに溶かした溶液を加えた。この無色透明な反応混合物を0℃〜6℃で1時間攪拌した後、実施例V−6のBoc−アルデヒド生成物(150g、0.53モル)の入った600mLのCHClを−5℃〜−1℃で滴下した。反応混合物をその温度で30分間攪拌した後、これを約1時間でゆっくりと10℃に温めた。反応混合物を1N KHSO(500mL)、NaHCOの飽和水溶液(200mL)、および50%のNaCl水溶液(200mL)で洗浄した。次いで、有機層を無水MgSO上で乾燥させ、40gのDARCOで処理し、セライトの薄層で濾過し、MgSO上に通し、濃縮して、粗製の標題生成物258gを黄色の油として得た。この材料をクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な標題生成物130g(55%)が得られた。
2636の元素分析計算値:C,63.96;H,7.42;N,5.77。実測値:C,63.42;H,8.16;N,5.31。
H NMR(CDCl,δppm):1.25(m,2H)、1.5(s,9H)、1.51〜1.9(bm,8H)、2.25(m,2H)、2.5(m,1H)、2.65(m,1H)、3.75(s,3H)、4.12(m,1H)、5.15(s,2H)、6.3(bs,1H)、6.55(t,1H)、7.45(m,5H)。
13C NMR(CDCl,δppm):14.04、22.62、23.46、24.08、25.27、27.89、27.92、28.34、28.95、31.81、31.86、32.05、39.18、52.31、54.65、67.27、82.62、128.07、128.18、128.46、135.98、136.82、154.50、164.92、176.68。
[α]25=+10.9°(CHCl)(365nm)。
実施例V−8)
Figure 2005532321
実施例V−7の生成物(91.3g、0.19モル)のMeOH(1L)溶液に、2.5gのS,S−Rh−DIPAMP触媒を加えた後、水素を加えた。Parr製装置中で、25℃で1.5時間の水素化を実施した。反応混合物をセライトで濾過した後、濃縮して、粗製の標題生成物(90g、98%)を褐色の油として得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.35(m,4H)、1.5(s,9H)、1.55〜1.95(m,10H)、2.4〜2.7(m,2H)、3.75(s,3H)、4.2(m,1H)、4.4(m,1H)、5.1(m,2H)、5.35(d,1H)、7.35(m,5H)。
実施例V−9)
Figure 2005532321
実施例V−8の生成物(90g)を200mLの氷酢酸に溶かした溶液に、4Nのジオキサン中HCl 200mLを加えた。反応混合物を25℃で20分間攪拌した後、40℃の減圧下でその溶媒をすべて揮散させて、赤褐色の油を得た。この油性の生成物を500mLの水で処理し、2×300mLのジクロロメタンでの抽出にかけた。有機層を合わせて炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒をすべて揮散させて、粗製の標題生成物を得た。この材料をクロマトグラフィーにかけて、純粋な標題生成物45g(62%)を得た。
2130の元素分析計算値:C,64.02;H,7.68;N,7.17。実測値:C,63.10;H,7.88;N,6.60。
H NMR(CDCl,δppm):1.2〜2.0(m,14H)、2.45(t,2H)、3.25(m,1H)、3.75(s,3H)、4.38(m,1H)、5.1(s,2H)、5.3(d,1H)、5.45(bs,1H)、7.35(m,5H)。
13C NMR(CDCl,δppm):14.09、23.11、24.89、25.41、29.53、32.33、35.52、35.79、36.68、52.26、53.51、53.55、53.60、60.26、66.86、127.97、128.05、128.40、136.18、155.85、172.85、177.80。
[α]25=−9.9°(CHCl)(365nm)。
実施例V−10)
Figure 2005532321
実施例V−9の45.0g(0.115モル)のサンプルの入った300mLのジクロロメタンをアルゴンパージしたものに、テトラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウム23.0g(0.121モル)を加えた。この混合物を25℃で1時間攪拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液150mLを加えた。ジクロロメタン層を分離し、NaClの50%水溶液150mLで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、セライトで濾過し、25℃で濃縮して、透明な黄色の油の標題生成物47.0g(97%)を得た。
2334に対する成分分析値:C,60.01;H,8.19;N,6.69。実測値:C,65.13;H,8.45;N,6.64。
2334の元素分析計算値:C,60.01;H,8.19;N,6.69。実測値:C,65.13;H,8.45;N,6.64。
H NMR(CDCl,δppm):1.2(t,3H)、1.25〜1.74(m,12H)、1.75〜1.95(m,2H)、2.2〜2.3(m,1H)、2.4〜2.5(m,1H)、3.1(m,1H)、3.7(s,3H)、3.9〜4.0(m,2H)、4.35(m,1H)、5.1(s,2H)、5.25(d,1H)、7.35(m,5H)。
13C NMR(CDCl,δppm):14.23、23.38、25.01、25.21、26.10、30.24、32.16、32.77、33.92、39.15、52.22、53.91、58.05、60.19、66.92、128.11、128.33、128.48、136.27、155.83、166.29、173.11、177.64。
実施例V−11)
Figure 2005532321
塩化アンモニウム7.0g(0.130モル)を500mLのメタノールに溶かした溶液に、実施例V−10の標題の材料(45.0g、0.107モル)31.2gを加えた。反応液を65℃で5時間還流させた後、減圧下で溶媒をすべて除去して、粗生成物40g(87%)を粘性のある泡状の塊として得た。この材料をカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題生成物37g(81%)を得た。
2131の元素分析計算値:C,59.22;H,7.57;N,9.86;Cl,8.32。C2131+1.2HCl+0.5HOの実測値:C,57.20;H,7.99;N,9.66;Cl,9.62。
IR(ニート,λmax cm−1):2935、1716、1669。
H NMR(CDCl,δppm):1.2〜2.0(m,13H)、2.5(t,1H)、2.95(m,1H)、3.4(bs,1H)、3.7(s,3H)、4.3(m,1H)、5.1(s,2H)、5.55(d,1H)、7.3(m,5H)、8.75(bs,1H)、8.9(bs,1H)、9.5(s,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm):23.20、24.95、25.22、28.94、31.80、32.05、33.75、34.89、52.33、53.76、56.07、66.83、127.93、128.04、128.43、136.26、156.00、172.24、172.87。
質量(ESI):M/Z,390。
[α]25=+31.5°(365nm)。
実施例V)
実施例V−11の標題生成物(36.0g、0.084モル)の入った1Lの2.3N HClを3時間還流させた。室温に冷却した後、溶液を2×150mLのCHClで洗浄し、次いで真空中で溶媒をすべて揮散させて、標題のアミノ酸生成物25.6g(96%)を淡黄色の泡として得た。
1223.2HClの元素分析計算値:C,46.02;H,8.01;N,13.39;Cl,22.45。C1223+2.2HCl+0.1HOの実測値:C,42.76;H,8.02;N,12.41;Cl,22.79。
IR(ニート,λmax,cm−1):2930、2861、1738、1665。
H NMR(CDOD,δppm):1.3〜2.5(m,16H)、2.6(dd,1H)、2.8(t,1H)、3.65(m,1H)、4.0(t,1H)、7.85(s,1H)、8.85(s,1H)、8.95(s,1H)。
13C NMR(CDOD,δppm):24.49、25.67、26.33、29.71、31.26、32.45、35.04、35.87、53.73、57.21、171.77、173.96。
UV、282nm、abs 0.015。
質量(M+1)=242。
[α]25=−47.4°(MeOH)(365nm)。
ee=91%(λ=214nmでCEにより決定)。
(実施例W)
(αS,2R)−α−アミノヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−ヘキサン酸三水和物塩酸塩
Figure 2005532321
実施例W−1)
Figure 2005532321
実施例V−4のS異性体生成物(5.45g、0.030モル)を、実施例V−5の方法によってそのBoc誘導体に変換した。この反応によって、クロマトグラフィーにかけた後、所望の標題生成物6.3g(75%)が得られた。
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜1.6(m,4H)、1.5(s,9H)、1.6〜1.9(m,6H)、1.95〜2.05(m,2H)、2.5〜2.7(m,2H)、4.2〜4.25(m,1H)、4.95〜5.05(m,2H)、5.7〜5.85(m,1H)。
実施例W−2)
Figure 2005532321
実施例W−1の生成物(6.3g、0.025モル)を実施例V−6の方法によってオゾン化して、粗製の標題アルデヒド8.03gを得、これをそれ以上精製せずに使用した。
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜1.6(m,4H)、1.5(s,9H)、1.6〜1.9(m,6H)、2.45〜2.75(m,4H)、4.2〜4.25(m,1H)、9.75(s,1H)。
実施例W−3)
Figure 2005532321
実施例V−7の手順を利用して、実施例W−2の生成物(8.03g、0.024モル)をN−(ベンジルオキシカルボニル)−α−ホスホノグリシントリメチルエステル(7.9g、0.024モル)と縮合させて、クロマトグラフィーにかけた後、所望の標題生成物4.9g(44%)を生成した。
H NMR(CDCl,δppm):1.25(m,2H)、1.5(s,9H)、1.51=1.9(bm,8H)、2.25(m,2H)、2.5(m,1H)、2.65(m,1H)、3.75(s,3H)、4.15〜4.25(m,1H)、5.15(s,2H)、6.3〜6.4(bs,1H)、6.45〜6.55(t,1H)、7.3〜7.4(m,5H)。
実施例W−4)
Figure 2005532321
実施例W−3の生成物(4.8g、0.010モル)を、実施例V−8の方法によってR,R−Rh−DIPAMP触媒の存在下で還元して、クロマトグラフィーにかけた後、所望の標題生成物2.9g(60%)を生成した。
実施例W−5)
Figure 2005532321
実施例W−4の生成物(2.9g、0.006モル)を、実施例V−9の方法を使用し、HClで処理して脱保護して、所望の標題生成物2.3g(100%)を生成した。
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜2.0(m,14H)、2.45(t,2H)、3.25(m,1H)、3.75(s,3H)、4.38(m,1H)、5.1(s,2H)、5.3(d,1H)、5.45(bs,1H)、7.35(m,5H)。
実施例W−6)
Figure 2005532321
実施例V−10の方法を使用して、実施例W−5の生成物(0.56g、0.0015モル)を、テトラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウムを用いてアルキル化して、所望の標題生成物0.62g(98%)を生成した。
実施例W−7)
Figure 2005532321
実施例V−11の方法を使用して、実施例W−6の生成物(0.62g、0.0015モル)メタノール中塩化アンモニウムで処理して、クロマトグラフィーによる精製の後、所望の標題生成物0.50g(88%)を生成した。
実施例W−8)
Figure 2005532321
実施例W−7の生成物(0.37g、0.0009モル)をMeOHに溶解させてParr製水素化装置に加えた。この容器に触媒量の5%Pd/Cを加えた。水素を導入し、室温かつ5psiの圧力で7時間かけて反応を実施した。濾過によって触媒を除去し、減圧下で濾液からすべての溶媒を除去して、所望の標題生成物0.26g(定量的)を生成した。
実施例W)
実施例W−8の生成物を2N HCl(30mL)に溶解させた溶液の還流を2時間続けた後、それを室温に冷却した。減圧下で溶媒をすべて除去し、残渣を50mLの水に溶解させた。減圧下でこの溶液の溶媒を再度すべて揮酸させた後、それを再度12mLの水に溶解させ、次いで凍結乾燥して、標題化合物0.245g(71%)を生成した。
1223.2.3HCl.1.9HOの元素分析計算値:C,40.10;H,8.16;N,11.69;Cl,22.69。C1223+2.1HCl+0.7HOの実測値:C,40.27;H,8.28;N,11.62;Cl,22.70。
H NMR(CDOD,δppm):1.4〜2.1(m,16H)、2.6(dd,1H)、2.8(t,1H)、3.65(m,1H)、4.0(t,1H)、7.85(s,1H)、8.45(s,1H)、8.9(s,1H)。
13C NMR(CDOD,δppm):24.46、25.64、26.31、29.69、31.24、32.54、35.00、35.83、53.75、57.20、171.85、173.93。
[α]25=+25.7°(MeOH)(365nm)。
(実施例X)
(αS,2S)−α−アミノヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−ヘキサン酸三水和物塩酸塩
Figure 2005532321
実施例X−1)
Figure 2005532321
オーバーヘッド攪拌機、半月型パドル、マントルヒーター、電熱対、および銀製の真空被筒(vacuum jacketed)蒸留カラム(5プレート)を装備した22L容丸底フラスコに、シクロヘキサノン(4500.0g、45.85モル)、アセトンジメチルアセタール(5252.6g、50.43モル)、アリルアルコール(6390.87g、110.04モル)、およびp−トルエンスルホン酸(PTSA)(0.256g、0.001モル)を装入した。攪拌(137rpm)を開始した後、このポットをゆっくりと加熱し、最初の設定値は70℃とした。加熱を段々に強め、最終ポット器温度を150℃とした。反応器の設定値を上げるかどうかは、蒸留速度に基づいて決断した。蒸留速度が遅くなるか、または停止した場合、さらに熱を加えた。さらに150℃に加熱すると、クライゼン転位が起こるようになる。ポット温度が150℃に上昇し、留出物が認められなくなった後、マントルヒーターの力を弱め、反応混合物が130℃に冷えるようにした。次いで、PTSAを3滴の2.5N NaOHで中和した。次いで真空中での揮散処理を開始し、フラスコのマントルヒーターを下ろした。蒸発冷却を使用して、ポットの温度を下げ、圧力を徐々に40mmHgに下げた。ポットの温度が約100℃に下がったとき、マントルヒーターを加熱に適する位置まで引き上げた。未反応のシクロヘキサノンおよび融点の低い不純物を留去した。ポットの温度をゆっくりと上昇させた(ポットと蒸気の最大温度差は、約12℃であった)。生成物を109〜112℃かつ40mmHgで単離した。典型的な収率は、40〜45%であった。<95面積%であった各画分(GC)を合わせ、蒸留し直して、総収率55%で標題化合物を得た。
H NMR(CDCl,δppm):5.8〜5.6(m,1H)、4.8〜5.0(m,2H)、2.5〜2.4(m,1H)、2.3〜2.1(m,3H)、2.1〜1.2(m,7H)。
13C NMR(CDCl,δppm):212.53、136.62、116.32、50.39、42.18、33.91、33.52、28.09、25.10。
GC/MS m/z=138。
実施例X−2)
Figure 2005532321
機械式攪拌機、熱電対、0℃に冷やしたコンデンサー、および添加漏斗を装備した1L容Bayerフラスコに、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(91.8g)を酢酸(470g)に溶解させたものを加え、70℃に加熱した。温度を70℃〜78℃に保ちながら、アリルシクロヘキサン(100g)を上記溶液に約40分間で滴下した。加える間、反応液の外観が白色のスラリーから透明な橙色の溶液へと変化した。加えた後、反応液を加熱し、75℃でさらに5時間攪拌した。毎時間IPCサンプルを取った。反応が完了した後、回転式蒸発装置上で減圧下、50℃で酢酸を揮散させた。次いで、残渣に水(200mL)を加え、溶液をトルエン(2×300mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、水(150ml)で処理し、10分間攪拌した。水層が塩基性(pH12)に変わるまで、水酸化ナトリウムの溶液(50溶液を79.4g)を加えた。温度を40℃より低く制御することによって、反応器中で中和を行った。次いで、各層を分離し、トルエン層を濾紙に通して、固体またはタール状材料を除去した。次いで、回転式蒸発装置上で、有機溶液を減圧下、50℃で揮散させた。残渣をトルエン(510mL)とヘプタン(2040mL)の混合物中に溶かし、3L容反応器中で60℃に加熱した。透明な黄橙色の溶液が得られた。溶液を攪拌しながらゆっくりと5℃に冷却した際、標題生成物が53℃で結晶化し始めた。固体を濾過し、ヘプタン(50mL)で洗浄し、屋内圧(house vacuum)下、40℃で一晩乾燥させて、標題生成物66.3g(60%)を得られたオフホワイトの結晶として生成した。この材料の一部をトルエンおよびヘプタンから再結晶化して、標題生成物を白色の結晶性固体として精製した。
H NMR(CDCl,δppm):5.8〜5.6(m,1H)、5.5(bs,1H)、4.8〜5.0(m,2H)、3.4〜3.3(m,1H)、2.5〜2.3(m,2H)、2.3〜2.1(nm,2H)2.0〜1.2(m,6H)
13C NMR(CDCl,δppm):117.73、133.83、119.31、52.88、40.95、37.20、35.75、29.96、23.33。
GC/MS(Elモード)=153。
融点=97〜99℃。
実施例X−3)
Figure 2005532321
実施例X−2のラセミ生成物の混合物を、100%のアセトニトリルを溶離液とするChiralpac AS 20umカラムのキラルクロマトグラフィーによって分離した。検出装置では220nMの波長を使用した。サンプル負荷量0.08g/mLのアセトニトリルを使用して、分離された異性体を90%の回収率で得、eeはそれぞれ>95%であった。R異性体材料の一部をトルエンおよびヘプタンから再結晶化して、R異性体の標題生成物を白色の結晶性固体として生成した。
R異性体:融点=81〜82℃。
実施例X−4)
Figure 2005532321
滴下漏斗、温度計、および機械式オーバーヘッド攪拌機を装備した五つ口平底フラスコをガス抜きし、3回窒素パージした。実施例X−3のラクタムのR異性体生成物(100.0g、0.653モル)、DMAP(7.98g、65ミリモル)、およびN−ジイソプロピルエチルアミン(Hunigs塩基、113.3g、0.876ミリモル)をトルエン(350mL)に溶解させ、二炭酸ジ−t−ブチル(170.2g、0.78モル)のトルエン(100mL)溶液を加えた(注:2.0当量のHunigs塩基を使用したとき、より良好に反応した)。混合物を65℃に加熱した(注:反応の間安定した気体放出が認められた)。1.5時間後、さらに86.25gの二炭酸ジ−t−ブチル(0.395モル)をトルエン(50mL)に溶解させたものを加えた。加熱を17時間続け、HPLCによるIPCは、75%の転換率を示した。さらに42.78gの二炭酸ジ−t−ブチル(0.196モル)をトルエン(30mL)に溶解させたものを加え、褐色の混合物を5.5時間加熱した。周囲温度に冷却した後、混合物を4MのHCl(215mL)で処理し、水層をトルエン(2×80mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて、NaHCO(170mL)および250mlの水で洗浄した(注:失活させる間の内部温度は、外から氷/水で冷却して制御した)。気体の放出が認められた。有機層を蒸発にかけて、褐色の液体257.4gを得た。この粗製材料を、トルエン/EtOAc 9/1(6L)およびトルエン/AcOEt 1/1(0.5L)を溶離液として使用する、SiO(950g)上での充填物濾過によって精製して、黄色の液体の標題生成物139.5g(51%)を得た。
実施例X−5)
Figure 2005532321
実施例X−6)
Figure 2005532321
バッフルおよび6枚羽の気体分散軸インペラーを装備した2L容ステンレス鋼製オートクレーブに、Rh(CO)(acac)(0.248g、0.959ミリモル)、BIPHEPHOS(以下に示す構造であり、米国特許第4,769,498号の実施例13に記載のとおりに調製されるもの、2.265g、2.879ミリモル)、
Figure 2005532321
実施例X−4の生成物(N−(t−ブトキシカルボニル)−S−7−アリルカプロラクタム(242.9g、0.959モル)、およびトルエン(965g)を装入した。反応器を密閉し、100%の一酸化炭素をパージした(8×515kPa)。反応器を100%の一酸化炭素で加圧して308kPa(30psig)とし、次いで1:1のCO/H気体混合物を加えて、全圧を515kPa(60psig)とした。機械で激しく攪拌しながら混合物を50℃に加熱すると共に、全圧が約515kPa(60psig)に保たれるよう1:1のCO/H気体混合物を加えた。22時間後、混合物を約25℃に冷却し、圧力を慎重に解除した。生成物の混合物を減圧濾過し、減圧下で濾液を蒸発にかけると、薄黄色の油267.7gが得られた。H NMRによる分析は、出発材料が約96%の選択性で実施例V−6に相当するアルデヒド生成物に本質的に定量的に変換される場合と一致していた。この油を次の実施例でそれ以上精製せずに使用した。
H NMR(CDCl)δ1.47(s,9H)、1.6〜1.80(m,9H)、1.84〜1.92(m,1H)、2.41〜2.58(m,3H)、2.61〜2.71(m,1H)、4.2(d,J=5.2Hz,1H)、9.74(s,1H)。
実施例X−8)
Figure 2005532321
N−(ベンジルオキシカルボニル)−α−ホスホノグリシントリメチルエステルのサンプル(901.8g、2.7モル)をCHClに溶解させ、0℃に冷却したものに、DBU(597.7g、3.9モル)のCHCl溶液を加えた。この無色透明な反応混合物を0℃〜6℃で1時間攪拌した後、実施例V−6のBoc−アルデヒド生成物のサンプル(812.0g、2.9モル)の入ったCHClを−5℃〜−1℃で滴下した。実施例V−7に記載のとおりに反応、後処理、および精製を完了して、少量のCHClを含有する実施例V−7の標題生成物1550gを得た。
実施例X−9)
実施例V−7の生成物(100g、0.20モル)のMeOH(1L)溶液に、3gのRR−Rh=DIPAMP触媒を加えた。Parr製装置中、25℃で1.5時間の水素化を実施した。反応混合物をセライトで濾過した後、濃縮して、実施例X−9の粗製の生成物を褐色の油(100g)として得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.35(m,4H)、1.5(s,9H)、1.6〜1.9(m,10H)、2.5〜2.8(m,2H)、3.75(s,3H)、4.25(m,1H)、4.45(m,1H)、5.1(m,2H)、5.65(d,1H)、7.35(m,5H)。
実施例X−10)
Figure 2005532321
実施例V−8の生成物(100g)を200mLの氷酢酸に溶かした溶液に、4Nのジオキサン中HCl 25mLを加えた。反応混合物を25℃で20分間攪拌した後、減圧下、40℃でその溶媒をすべて揮散させて、赤褐色の油状物105gを得た。この油状の生成物を500mLの水で処理し、ジクロロメタン2×300mLでの抽出にかけた。有機層を合わせて炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒をすべて揮散させて、標題生成物99.9gを赤褐色の油として得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.25〜2.0(m,14H)、2.45(t,2H)、3.25(m,1H)、3.7(s,3H)、4.35(m,1H)、5.1(s,2H)、5.5(d,1H)、6.45(bs,1H)、7.35(m,5H)。
ee=95%(キラルHPLCで決定)。
実施例X−11)
Figure 2005532321
実施例X−10の生成物のサンプル30.0g(0.077モル)を600mLのジクロロメタン中に入れ、アルゴンでパージしたものに、四フッ化ホウ酸トリエチルオキソニウム15.7g(0.082モル)を加えた。この混合物を25℃で1時間攪拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液300mLを加えた。ジクロロメタン層を分離し、NaClの50%水溶液300mLで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、セライトで濾過し、25℃で濃縮して、透明な黄色の油の標題生成物31.2g(約97%)を得た。
2334の元素分析計算値:C,60.01;H,8.19;N,6.69。C2334+0.5HOの実測値:C,64.66;H,8.24;N,6.59。
H NMR(CDCl,δppm):1.25(t,3H)、1.28〜1.75(m,12H)、1.8〜1.98(m,2H)、2.2〜2.3(m,1H)、2.4〜2.5(m,1H)、3.1(m,1H)、3.78(s,3H)、3.9〜4.0(m,2H)、4.35(m,1H)、5.1(s,2H)、5.25(d,1H)、7.35(m,5H)。
13C NMR(CDCl,δppm):14.27、23.36、25.21、25.53、26.09、30.22、32.15、32.73、33.90、39.14、52.21、53.89、58.04、60.33、66.89、128.11、128.35、128.48、136.29、155.86、166.30、173.14、177.69。
IR(ニート,λmax,cm−1):3295、2920、1739、1680。
UV、257nm、abs 0.015。
[α]25=+39.8°(CHCl)(365nm)。
実施例X−12)
Figure 2005532321
塩化アンモニウム4.2g(0.078モル)の入った500mLのメタノールに、実施例X−11の標題の材料31.2gを加えた。反応液を65℃で5時間還流させた後、減圧下で溶媒をすべて除去して、粗製の生成物29g(92%)を粘性のある泡状の塊として得た。この材料をカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題生成物23g(70%)を得た。
2131.1HClの元素分析計算値)C,59.28;H,7.57;N,9.89;Cl,8.39。(C2131+1HCl+1HO)の実測値:C,56.73;H,7.74;N,9.40;Cl,8.06。
IR(ニート,λmax cm−1):3136、30348、2935、1716、1669。
H NMR(CDCl,δppm):1.3〜2.05(m,13H)、2.5(t,1H)、2.98(m,1H)、3.4(bs,1H)、3.75(s,3H)、4.35(m,1H)、5.1(s,2H)、5.5(d,1H)、7.35(m,5H)、8.75(s,1H)、9.0(s,1H)、9.5(s,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm):23.25、25.01、25.34、29.01、31.88、32.26、33.89、35.06、52.33、53.73、56.20、66.89、127.95、128.06、128.45、136.27、155.93、172.27、172.80。
UV、257nm、abs 0.009。
質量(ESI):M/Z,390。
[α]25=−42.8°(MeOH)(365nm)。
ee=96%(キラルHPLCで決定)。
実施例X)
実施例X−12の標題生成物(23g)の入った500mLの2N HClを5時間還流させた。次いで、真空中で溶媒をすべて除去し、残渣を水に溶解させて2×300mLのCHClで洗浄した。次いで、水性のものを真空中で濃縮して、吸湿性のある薄褐色の固体標題生成物17g(100%)を得た。
1223.2HClの元素分析計算値:C,45.86;H,8.02;N,13.37;Cl,22.56。C1223+2.1HCl+0.7HOの実測値:C,43.94;H,8.65;N,12.52;Cl,22.23。
IR(ニート,Amax,cm−1):2936、1742、1669。
H NMR(CDOD,δppm):1.3〜2.1(m,16H)、2.6(dd,1H)、2.8(t,1H)、3.65(m,1H)、4.0(t,1H)、7.85(s,1H)、8.4(s,1H)、8.95(s,1H)。
13C NMR(CDOD,δppm):24.49、25.67、26.33、29.71、31.26、32.45、35.04、35.87、53.73、57.21、171.77、173.96。
UV、209nm、abs 0.343。
質量(M+1)=242。
[α]25=+60.0°(MeOH)(365nm)。
ee=92%(λ=210nmでCEにより決定)。
(実施例Y)
(αR,2S)−α−アミノヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−ヘキサン酸酸水和物塩酸塩
Figure 2005532321
実施例Y−1)
Figure 2005532321
実施例X−3(3.0g、0.015モル)を塩化メチレンおよびメタノール(75/45mL)に溶かした溶液をドライアイス浴中で−78℃に冷却した。溶液に流速3ml/分でオゾンをバブルして溶液を攪拌した。溶液が一貫して紺色のままになったとき、オゾンを除去し、反応液を窒素パージした。***液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.14g、.061モル)を非常にゆっくりと加えて、一度にガスが放出するのを最小限に抑えた。反応液に氷酢酸をゆっくりと加えて、pHを3にした。次いで、反応液を飽和炭酸水素ナトリウムで中和した。次いで、有機物を3×50mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で除去した。淡い色の油をシリカ充填物(15g)に通して、アルコール5.15g、0.026モル(64%)を得た。C14
H NMR(CDCl,δppm)1.18〜2.15(m,8H)、3.59(m,2H)、4.39(m,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm)24.45、25.71、26.47、32.56、34.67、51.16、58.85、160.66、160.89。
実施例Y−2)
Figure 2005532321
氷浴に入れた、実施例Y−1(5.15g、0.026モル)の0℃の塩化メチレン(100mL)溶液に、四臭化炭素(10.78g、0.033モル)を加えた。溶液を氷浴中で0℃に冷却した。次いで、温度上昇が3℃を上回らないように、トリフェニルホスフィン(10.23g、0.39モル)を滴下した。反応液を2時間攪拌し、真空中で溶媒を除去した。粗製品をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、臭化物(5.9g、0.023モル)を87%の収率で得た。
1016の元素分析計算値:C,41.40;H,5.02;N,10.73;Br,30.60。実測値:C,41.59;H,5.07;N,10.60、Br,30.86。
H NMR(CDCl,δppm)1.50〜2.60(m,9H)、2.99(dd,1H)、3.35(m,2H)、4.41(m,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm)23.89、25.33、26.04、28.06、31.59、35.05、52.79、159.3、160.2。
実施例Y−3)
Figure 2005532321
実施例Y−2(5.71g、0.026モル)のトルエン(25mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(7.17g、0.027モル)を加えた。反応液を油浴に入れて16時間還流させた。冷却した後、トルエンをガラス状の固体からデカントした。固体を一晩かけてジエチルエーテルで摩砕して、臭化ホスホニウム(10.21g、0.020モル)を90%の収率で得た。
H NMR(CDCl,δppm):1.50〜2.9(m,11H)、3.58(m,1H)、4.16(m,1H)、4.41(m,1H)、7.6〜8.0(m,15H)。
13C NMR(CDCl,δppm):24.43、24.97、25.50、55.08、55.27、116.9、118.1、130.4、130.6、133.5、135.1、135.2、159.4、160。
31P NMR(CDCl,δppm)26.0。
実施例Y−4)
Figure 2005532321
1L容丸底フラスコに、N−ベンジルオキシカルボニル−D−ホモセリンラクトン(97g、0.442モル)の入ったエタノール(500mL)を加えた。反応液に水酸化ナトリウム(1M、50mL)の溶液を加えた。出発材料が消費されるまで、反応を薄層クロマトグラフィーによって12時間モニターした。トルエン(60mL)を加え、次いで真空中で溶媒を除去した。残渣をそれ以上精製せずに続行した。
実施例Y−5)
Figure 2005532321
実施例Y−4の残渣を、1L容丸底フラスコに入ったDMFに懸濁させた。懸濁液に臭化ベンジル(76.9g、0.45モル、53.5mL)を加え、混合物を1時間攪拌した。サンプルを失活させ、質量分析によって分析すると、出発材料が消費され、ラクトンの再生成がないことが示された。反応液に、1Lの酢酸エチルおよび500mLのブラインを加えた。水層を500mLの酢酸エチルでさらに2回洗浄した。有機物を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにかけると、N−ベンジルオキシカルボニル−S−ホモセリンベンジルエステルが白色の固体(80g)として得られた。
実施例Y−6)
Figure 2005532321
2L容丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム(187g、0.867モル)およびシリカゲル(197g)をCHCl(600mL)に懸濁させたものを加えた。スラリーに、実施例Y−5の生成物(80g、0.233モル)のCHCl(600mL)溶液を加えた。混合物を4時間攪拌した。薄層クロマトグラフィーによって、出発材料が消費されたことが示された。反応液に1Lのジエチルエーテルを加えた。次いで、溶液をセライトパッドで濾過した後、シリカゲルで濾過した。真空中で溶媒を除去し、得られた油をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、アルデヒド(58.8g)を全体として38%の収率で得た。
MH 342.5、MH+NH4 359.5。
H NMR(CDCl,δppm)3.15(q,2H)、4.12(m,1H)、5.15(s,2H)、5.20(s,2H)、7.31(m,10H)、9.72(s,1H)。
実施例Y−7)
Figure 2005532321
3L容三つ口フラスコに、真空中のP上で乾燥させておいた実施例Y−3のホスホニウム塩(56.86g、0.11モル)の入ったTHF(1L)を加えた。スラリーをドライアイス浴中で−78℃に冷却した。冷えたスラリーに、温度が−72℃より高くならないようにKHMDS(220mL、0.22モル)を滴下した。反応液を−78℃で20分間、次いで−45℃で2時間攪拌した。次いで温度を−78℃に戻し、実施例Y−6のアルデヒド(15.9g、0.047モル)をTHF(50mL)中に入れたものを45分間かけて滴下した。反応液を−77℃で30分間攪拌し、次いで1時間かけて−50℃に温めた後、これを4時間かけて室温に温めた。反応液に酢酸エチル(200mL)および飽和塩化アンモニウムを加えた。有機物を収集し、MgSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製の油をシリカのクロマトグラフィーによって精製して、オレフィン化合物(45.1g)を粘性のある淡黄色の油として81%の収率で得た。
H NMR(CDCl,δppm)1.4〜2.6(m,.10H)、2.92(d,1H)、4.17(m,1H)、4.38(m,1H)、5.05(q,2H)、5.40(m,2H)、7.3(m,10H)。
13C NMR(CDCl,δppm)29.49、29.64、31.32、39.60、49.56、53.98、61.01、65.25、124.14、127.81、128.20、128.55、128.79、129.30、130.96、135.68、137.31、152.59、157.57、171.61。
実施例Y)
20mL容バイアルに、実施例Y−7の生成物(19.77g、0.039モル)の入ったジオキサン(50mL)およびHClの4N水溶液(250mL)を加えた。この溶液を、触媒量の10%Pd担持炭素の入った水素化フラスコに加えた。このフラスコをH2(50psi)で5時間加圧した。反応を質量分析によってモニターすると、出発材料が消費されていた。溶液をセライトパッドで濾過し、水で洗浄した。凍結乾燥によって溶媒を除去して、標題化合物(7.52g)を81%の収率で得た。
MH 242.2、MH+NH 259.2。
H NMR(CDOD δppm)1.2〜2.0(m,15H)、2.42(d,1H)、2.65(dd,1H)、3.49(m,1H)、3.98(t,1H)、7.26(s)、8.05(s)、8.35(s)。
13C NMR(CDCl,δppm)24.43、25.58、26.00、26.10、32.75、33.45、35.31、53.76、54.55、157.27、175.13。
(実施例Z)
(αS,2S)−α−アミノヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−ヘキサン酸三水和物塩酸塩
Figure 2005532321
実施例Z−1)
Figure 2005532321
1L容三つ口フラスコに、実施例Y−3のホスホニウム塩(21.21g、0.041モル)の入ったTHF(200mL)を加えた。スラリーをドライアイス浴中で−78℃に冷却した。冷えたスラリーに、内部温度が−72℃より高くならないようにKHMDS(88mL、0.044モル)を滴下した。反応液を−78℃で20分間、次いで−45℃で1時間攪拌した。次に温度を−78℃に戻し、アルデヒド(15.9g、0.047モル)(N−ベンジルオキシカルボニル−L−ホモセリンラクトンを使用して実施例Y(4〜6)のとおりに調製)をTHF(50mL)中に入れたものを45分間かけて滴下した。反応液を−77℃で30分間攪拌し、30分間かけて−50℃に温め、次いで4時間かけて室温に温めた。反応液に酢酸エチル(100mL)および飽和塩化アンモニウムを加えた。有機物を収集し、MgSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製の油をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製して、オレフィン化合物(9.0g)を粘性のある淡黄色の油として45%の収率で得た。
H NMR(CDCl,δppm)1.4〜2.6(m,10H)、2.92(d,1H)、4.17(m,1H)、4.38(m,1H)、5.05(q,2H)、5.40(m,2H)、7.3(m,10H)。
13C NMR(CDCl,δppm)29.49、29.64、31.32、39.60、49.56、53.98、61.01、65.25、124.14、127.81、128.20、128.55、128.79、129.30、130.96、135.68、137.31、152.59、157.57、171.71。
実施例Z)
20mL容バイアルに、実施例Z−1の生成物の入ったジオキサン(5mL)およびHClの4N水溶液(16mL)を加えた。この溶液を触媒量の10%Pd担持炭素の入った水素化フラスコに加えた。このフラスコをH(50psi)で5時間加圧した。反応を質量分析によってモニターすると、出発材料が消費されていた。溶液をセライトパッドで濾過し、水で洗浄した。凍結乾燥によって溶媒を除去して、標題化合物(98.7mg)を79.4%の収率で得た。
MH 242.2、MH+NH 259.2。
H NMR(CDOD,δppm)1.2〜2.0(m,15H)、2.42(d,1H)、2.6(dd,1H)、3.49(m,1H)、3.98(t,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm)24.43、25.58、26.00、26.10、32.75、33.45、35.31、53.76、54.55、157.27、175.13。
(実施例AA)
(2S,4Z)−2−アミノ−6−[(2R)−ヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−イル]−4−ヘキサン酸
Figure 2005532321
実施例AA−1)
(2S,4Z)−6−[(2R)−ヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−イル]−2[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−4−ヘキサン酸フェニルメチルエステル
Figure 2005532321
50mL容フラスコに、実施例Z−1のサンプル(1.5g、2.97ミリモル)の入ったメタノール(25mL)を加えた。次いで、反応混合物に氷酢酸の60%溶液(16mL)を加えた。沈殿が認められた。追加のメタノールを加えて、固体を溶解させた(1mL)。次いで、反応液に亜鉛粉塵(0.200g)を加えた。反応液を4時間超音波処理し、その間温度を37℃に保った。出発材料が消費され、生成物に相当する塊が認められるまで、TLCおよびMSによって反応をモニターした。溶液を亜鉛からデカントし、濾液にアセトニトリル/水の30%溶液(100mL)を加えた。反応液を、52%のアセトニトリル/水を用いるWaters Preparatory HPLC[30分間で20%〜70%の勾配のアセトニトリル]によって2回精製した。得られた生成物を凍結乾燥すると、実施例AA−1の標題材料(1.01g)が白色の固体として73%の収率で得られた。
MH 464.4、MH+Na 486.4。
H NMR(CDOD,δppm):1.2〜2.0(m,8H)、2.42(m,2H)、2.6(m,5H)、3.49(q,1H)、4.31(t,1H)、5.15(s,2H)、5.22(s,2H)、5.43(q,1H)、5.59(q,1H)、7.25(bs,10H)。
13C NMR(CDCl,δppm):24.37、29.61、30.76、32.45、33.73、34.42、55.40、57.09、68.06、68.07、122.3、124.9、128.76、129.09、129.28、129.39、129.51、129.61、155.71、158.35、173.90。
実施例AA)
250mL容フラスコに、実施例AA−1の生成物(1.0g、2.2ミリモル)の入った4MのHCl(100mL)を加えた。反応液を終夜還流させ、出発材料が消費され、生成物の塊が認められるまで、MSによってモニターした。反応液を、それ以上後処理をせずに、18%のアセトニトリル/水[30分間で0%〜30%のアセトニトリル/水]を使用するWater’s分取逆相カラムによって2回精製した。各画分を合わせて凍結乾燥すると、標題生成物(0.348)がクリーム色の泡として64%の収率で得られた。
MH 240.3、MH+Na 486.4。
H NMR(CDOD,δppm):1.2〜2.0(m,6H)、2.35(m,2H)、2.45(dd,2H)、2.69(m,2H)、3.61(dt,1H)、3.98(t,1H)、5.59(m,1H)、5.65(m,1H)。
13C NMR(CDCl,δppm):23.65、24.66、32.51、32.84、33.1、33.25、54.10、56.1、126.80、129.33、153.33、172.52。
(実施例BB)
(2S,4E)−2−アミノ−6−[(2R)−ヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−イル]−4−ヘキサン酸
Figure 2005532321
実施例BB−1)
(2S,4E)−2−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−6−[(5R)−6,7,8,9−テトラヒドロ−3−オキソ−3H,5H−[1.2.4]オキサジアゾロ[4,3−a]アゼピン−5−イル]−4−ヘキサン酸フェニルメチルエステル
Figure 2005532321
250mL容フラスコに、実施例Z−1(2.0g、3.9ミリモル)および二硫化フェニル(0.860g、3.9ミリモル)の入ったシクロヘキサン(70mL)/ベンゼン(40mL)溶液を加えた。溶液に窒素をバブルして、この系の酸素をパージした。週末にかけて反応液を波長の短いUVランプに当てておいた。反応を順相HPLC(酢酸エチル/ヘキサン)によって評価した。71%のトランス異性体および29%のシス異性体が認められた。反応液をさらに3日間UVにさらすと、出発材料の84%がトランス異性体に変換され、出発材料の16%がシス異性体のままであった。クロマトグラフィーによって精製すると、実施例BB−1(0.956g)が48%の収率で得られた。
MH 506.1、MH+NH 523.2。
H NMR(CDOD,δppm):1.2〜2.0(m,8H)、2.42〜2.6(m,6H)、2.91(dd,1H)、4.19(m,1H)、4.31(dt,1H)、5.09(s,2H)、5.11(s,2H)、5.18(dt,1H)、5.27(m,1H)、7.25(bs,10H)。
実施例BB−2)
(2S,4E)−6−[(2R)−ヘキサヒドロ−7−イミノ−1H−アゼピン−2−イル]−2−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−4−ヘキサン酸フェニルメチルエステル一塩酸塩
Figure 2005532321
Zn粉塵(1.5g)および60%のHOAc/HO(40mL)を用いる実施例AA−1の方法によって、実施例BB−1の生成物のサンプル(0.956g、1.9ミリモル)の入ったMeOH(80mL)を脱保護した。得られた生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、標題の材料(0.248g)を28%の収率で得た。
実施例BB)
HCl(2mL)、HO(2mL)、CHCN(4mL)を使用する実施例AAの方法によって、実施例BB−2の生成物(0.248g、0.53ミリモル)を標題生成物に変換した。粗生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、実施例BBの標題生成物(0.073g)を57%の収率で得た。
MH 240.3、MH+Na 486.4。
H NMR(CDOD,δppm)1.2〜2.0(m,6H)、2.35(t,2H)、2.55〜2.82(m,4H)、3.68(dt,1H)、4.05(t,1H)、5.65(m,2H)。
(実施例CC)
(E)−2−アミノ−2−メチル−6−[(1−イミノエチル)アミノ]−4−ヘキサン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例CC−1)
Figure 2005532321
DL−アラニンエチルエステル塩酸塩(5g、32.5ミリモル)をトルエン(50mL)に懸濁させた。トリエチルアミン(4.5mL、32.5ミリモル)を加えた後、無水フタル酸(4.8g、32.5mL)を加えた。反応フラスコに、Dean−Starkトラップおよび還流冷却器の装備を施し、混合物を終夜加熱還流した。約10mLのトルエン/水を収集した。反応混合物を室温に冷却し、NHClの水溶液およびEtOAcで希釈した。各層を分離し、水層をEtOAc(3回)での抽出にかけた。酢酸エチル抽出物をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、標題のフタリル保護されたアミノエステルを白色の結晶性固体としてほぼ定量的な収率で得た。
H NMR(400MHz,CDCl,δppm):1.2(t,3H)、1.6(d,3H)、4.2(m,2H)、4.9(q,1H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)
実施例CC−2)
Figure 2005532321
二塩化1,4−ブテン(25g、0.2モル)を含む250mL容丸底フラスコに、カリウムフタルイミド(18.5g、0.1モル)を加えた。反応混合物を1.5時間かけて150℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、ブラインとEtOとに分配した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を熱エタノールから再結晶化して、標題の1−クロロ−4−フタルイミドブテン(8.9g、39%)を橙色の結晶として得た。
HRMS C1210ClNOの計算値:m/z=236.0478[M+H]。実測値:236.0449
H NMR(300MHz,CDCl,δppm:4.1(d,2H)、4.3(d,2H)、5.9(m,2H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)
実施例CC−3)
Figure 2005532321
実施例CC−2の生成物のサンプル(2.3g、9.8ミリモル)をアセトン(50mL)に溶解させた。NaI(3.2g、21ミリモル)を加え、混合物を終夜還流させた。室温に冷却した後、EtOを加え、混合物をチオ硫酸ナトリウムおよびブラインで順次洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、標題のヨウ化物(2.8g、87.5%)を薄黄色の固体として得、これをそれ以上精製せずに使用した。
H NMR(400MHz,CDCl,δppm):3.8(d,2H)、4.2(d,2H)、5.7(m,1H)、6.0(m,1H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)
質量(M+1)=328
実施例CC−4)
Figure 2005532321
KHMDS(2.6g、13.3ミリモル)のTHF(50mL)溶液を−78℃に冷却した。実施例CC−1の生成物(2.2g、8.87ミリモル)のTHF(15mL)溶液を加え、その後直ちに1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU、1.0mL、8.87mL)を加えた。溶液を−78℃で40分間攪拌した後、実施例CC−3の生成物(2.9g、8 87ミリモル)のTHF(15mL)溶液を加えた。フラスコを冷浴から外し、室温で3時間攪拌した。反応混合物をNaHCOの飽和水溶液とEtOAcとに分配した。有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望のビス−フタリル保護されたアミノエステルを黄色の固体として得た。この残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:EtOAc)にかけ、標題の材料1.4g(35%)を白色の固体として得た。
H NMR(300MHz,CDCl,δppm:1.2(t,3H)、1.6(d,3H)、2.8(dd,1H)、3.1(dd,1H)、4.2(m,4H)、5.6(m,1H)、5.8(m,1H)、7.6(m,4H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)
質量(M+H)=447
実施例CC−5)
Figure 2005532321
実施例CC−4の生成物(0.78g、1.76ミリモル)をギ酸(10mL、95%)とHCl(20mL、濃HCl)の混合物に溶解させ、3日間還流させた。反応混合物を0℃に冷却し、濾過して、無水フタル酸を除去した。真空中で濃縮(T<40℃)した後、標題の不飽和αメチルリジンを白色の固体(0.38g、95%)として得、これをそれ以上精製せずに使用した。
H NMR(300MHz,DO,δppm):1.4(s,3H)、2.4(dd,1H)、2.6(dd,1H)、3.5(d,2H)、5.7(m,2H)
質量(M+H)=317
実施例CC)
実施例CC−5の生成物(0.2g、0.86ミリモル)をHO(8mL)に溶解させ、2.5N NaOHを用いてpHを9とした。アセトイミド酸エチル−HCl(0.42g、3.4ミリモル)を1時間かけて4回で加えた。1時間後、10%のHClを用いて混合物をpH4に酸性化し、真空中で濃縮した。次いで、残渣を、水で洗浄したDOWEX 50WX4−200カラム(H型、溶離液は0.5N NHOH)に通した。残渣を真空中で濃縮し、10%のHClを用いてpH4に酸性化し、濃縮して、標題生成物(17mg、6%)を油として得た。
HRMS C17の計算値:m/z=200.1399[M+H]。実測値:200.1417
H NMR(400MHz,DO,δppm):1.4(s,3H)、2.1(s,3H)、2.5(dd,1H)、2.6(dd,1H)、3.8(d,2H)、5.6(m,2H)
(実施例DD)
(R,E)−2−アミノ−2−メチル−6−[(1−イミノエチル)アミノ]−4−ヘキサン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例DD−1)
Figure 2005532321
(2S,4S)−3−ベンゾイル−2−(t−ブチル)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−5−オンをSeebachの手順に従って調製した。Seebach,D.、Fadel,A.、Helvetica Chimica Acta 1985年、第68巻、1243ページ。
実施例DD−2)
Figure 2005532321
KHMDS(0.65g、3.24ミリモル)、DMPU(0.33mL、2.7ミリモル)、およびTHF(40mL)の溶液を−78℃に冷却した。(2S,4S)−3−ベンゾイル−2−(t−ブチル)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−5−オン(実施例DD−1)(0.70g、2.7ミリモル)のTHF(10mL)溶液を滴下した。45分後、実施例CC−3の生成物(0.88g、2.7ミリモル)のTHF(10mL)溶液を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、NaHCOの飽和水溶液で失活させた。各層を分離し、水層をEtOAcでの抽出にかけた。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた黄色の油をシリカゲルのクロマトグラフィー(9:1、次いで4:1のヘキサン/酢酸エチル)にかけて、標題の保護された不飽和αメチルD−リシン(0.26g、20%)を無色の油として得た。
HRMS C2728の計算値:m/z=461.2076[M+H]。実測値:461.2033
H NMR(400MHz,CDCl,δppm:0.9(s,9H)、1.5(s,3H)、4.3(m,2H)、5.5(m,2H)、5.6(m,2H)、6.1(m,1H)、7.5(m,5H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)
実施例DD−3)
Figure 2005532321
実施例DD−2の生成物(0.255mg、0.55ミリモル)を6N HCl(6mL)およびギ酸(6mL)に溶解させ、24時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣を水に懸濁させ、CHClで洗浄した。水層を濃縮し、水で洗浄したDOWEX 50WX4−200カラム(H型、溶離液は0.5N NHOH)に通した。残渣を真空中で濃縮し、10%のHClを用いてpH4に酸性化し、濃縮して、標題の不飽和D−リシン(71mg、55%)を油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。
H NMR(400MHz,DO,δppm):1.4(s,3H)、2.5(dd,1H)、2.6(dd,1H)、3.4(d,2H)、5.6(m,2H)、5.7(m,2H)
実施例DD)
実施例DD−3の生成物(13mg、0.056ミリモル)をHO(5mL)に溶解させ、2.5N NaOHを用いてpHを9とした。アセトイミド酸エチル−HCl(27mg、0.2ミリモル)を2時間かけて4回で加えた。2時間後、10%のHClを用いて混合物をpH4に酸性化し、真空中で濃縮した。残渣を、水で洗浄したDOWEX 50WX4−200カラム(H型、溶離液は0.5N NHOH)に通した。残渣を真空中で濃縮し、10%のHClを用いてpH4に酸性化し、濃縮して、標題生成物(45mg)を油として得た。
HRMS C17の計算値:m/z=200.1399[M+H]。実測値:200.1386
H NMR(400MHz,DO,δppm):1.4(s,3H)、2.1(s,3H)、2.5(dd,1H)、2.6(dd,1H)、3.8(d,2H)、5.6(m,2H)
(実施例E)
(S,E)−2−アミノ−2−メチル−6−[(1−イミノエチル)アミノ]−4−ヘキセン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例EE−1)
Figure 2005532321
(2R,4R)−3−ベンゾイル−2−(t−ブチル)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−5−オンをSeebachの手順に従って調製した。Seebach,D.、Fadel,A.、Helvetica Chimica Acta、1985年、第68巻、1243ページ。
実施例EE−2)
Figure 2005532321
実施例EE−1の(2R,4R)−3−ベンゾイル−2−(t−ブチル)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−5−オン生成物(2.0g、7.6ミリモル)のTHF(50mL)溶液を−78℃に冷却した。KHMDS(0.65g、3.24ミリモル)をTHF(25mL)に溶かした−78℃の溶液を滴下した。30分後、実施例CC−3の生成物(2.8g、8.6ミリモル)のTHF(25mL)溶液を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、NaHCOの飽和水溶液で失活させた。各層を分離し、水層をEtOAcでの抽出にかけた。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた橙色の油をシリカゲルのクロマトグラフィー(9:1、次いで4:1のヘキサン/酢酸エチル)にかけて、保護された標題の不飽和αメチルL−リシン(0.5g、15%)を白色の固体として得た。
HRMS C2728の計算値:m/z=461.2076[M+H]。実測値:461.2043
H NMR(400MHz,CDCl,δPPM):0.9(s,9H)、1.5(s,3H)、4.3(m,2H)、5.5.(m,2H)、5.6(m,2H)、6.1(m,1H)、7.5(m,5H)、7.7(m,2H)、7.9(m,2H)
実施例EE−3)
Figure 2005532321
実施例EE−2の生成物(0.5g、1ミリモル)を12N HCl(10mL)およびギ酸(5mL)に溶解させ、この混合物を12時間加熱還流した。反応混合物を3時間冷凍庫に入れて冷却し、濾過して固体を除去した。残渣をCHClおよびEtOAcで洗浄した。水層を真空中で濃縮し、標題の不飽和αメチルL−リジン(0.26g、99%)を油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。
H NMR(300MHz,DO,δppm):1.4(s,3H)、2.5(dd,1H)、2.6(dd,1H)、3.4(d,2H)、5.7(m,2H)
実施例EE)
実施例EE−3の生成物(0.13g、0.56ミリモル)をH2O(1mL)に溶解させ、2.5N NaOHを用いてpHを9にした。アセトイミド酸エチル−HCl(0.28g、2.2ミリモル)を1時間かけて4回で加えた。1時間後、10%のHClを用いて混合物をpH4に酸性化し、真空中で濃縮した。残渣を、水で洗浄したDOWEX 50WX4−200カラム(溶離液は0.5N NHOH)に通した。残渣を真空中で濃縮し、10%のHClを用いてpH4に酸性化し、濃縮して、標題生成物を油(40mg)として得た。
HRMS C17の計算値:m/z=222.1218[M+Na]。実測値:222.1213
H NMR(300MHz,DO,δppm):1.4(s,3H)、2.1(s,3H)、2.4(dd,1H)、2.6(dd,1H)、3.8(d,2H)、5.6(m,2H)
(実施例FF)
2−アミノ−2−メチル−6−[(1−イミノエチル)アミノ]−4−ヘキシン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例FF−1)
Figure 2005532321
Tetrahedron Lett.第21巻、4263ページ(1980年)に記載の手順に従って、N−boc−1−アミノ−4−クロロブタ−2−インを調製した。
実施例FF−2)
Figure 2005532321
J.Org.Chem.、第47巻、2663ページ(1982年)に記載の手順に従って、N−(ジフェニルメチレン)−L−アラニン酸メチルを調製した。
実施例FF−3)
Figure 2005532321
アルゴンパージしたフラスコに無水THF(1000mL)を入れ、鉱油中に分散させた60%のNaH(9.04g、0.227モル)を加えた。この混合物に実施例FF−2の生成物(30.7g、0.114モル)を加えた。次いで、反応混合物を10℃〜15℃で30分間攪拌した。ヨウ化カリウム(4g)およびヨウ素(2g)を加え、その直後に実施例FF−2の生成物(23g、200mLのTHF中0.113モル)を30分間で加えた。次いで、反応混合物を、出発材料が消失するまで(約2時間)55℃で攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、溶媒を蒸発させた。酢酸エチル(500mL)を加え、混合物を2×200mLの脱イオン水で慎重に洗浄した。有機層を無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発にかけて、粗生成物44gを得た。20%のヘキサン中酢酸エチルを使用するクロマトグラフィーによって精製すると、標題の保護された不飽和αメチルリシン(28g、57%)が得られた。
2630および0.5酢酸エチルの実測値:C,70.42;H,7.14;N,5.91。実測値:C,70.95;H,7.73;N,6.09
IR(ニート,λmax,cm−1):2981、1714、1631
H NMR(CDCl,δppm):1.28(s,9H)、1.4(s,3H)、2.65〜2.76(m,2H)、3.15(s,3H)、3.7(bs,2H)、4.6(bs,1H)、6.95〜7.4(m,10H)
13C NMR(CDCl,δppm):24.29、28.33、28.39、33.24、51.60、53.55、127.79、127.97、128.26、128.36、128.43、128.54、128.66、130.05、130.22、132.39
質量(M+1)=435
DSC純度:261.95℃
実施例FF−4)
Figure 2005532321
実施例FF−3の生成物(16g、0.0368モル)を1N HCl(300mL)に溶解させ、25℃で2時間攪拌した。反応混合物をエーテル(2×150mL)で洗浄し、水層を分離し、木炭で脱色した。濃縮すると、約9g(収率100%)の脱保護された不飽和αメチルリジンエステルFF−4が白色の泡状固体として得られた。
2.26HClおよび1.19HOを含むC14の実測値:C,35.06;H,6.86;N,10.22;Cl,29.24。実測値:C,35.31;H,7.38;N,10.70;Cl,29.77
H NMR(DO,δppm):1.56(s,3H)、2.8〜3.0(2 dt,2H)、3.75(s,2H)、3.79(s,3H)
13C NMR(DO,δppm):23.89、29.81、32.05、57.08、61.90、79.57、82.43、173.92
質量(M+1)=171
DSC純度:114.22℃
UV=206nm、abs 0.013
[α]25(メタノール中)=0(365nm)
実施例FF−5)
Figure 2005532321
実施例FF−4の生成物(2.43g、0.01モル)を脱イオン水(25mL)に溶解させた。NaOH(400mg、0.01モル)を脱イオン水(25mL)に溶かした溶液を25℃で加えて、pHを約7.95とし、さらに10分間攪拌を続けた。反応混合物にアセトイミド酸エチル塩酸塩(988mg、0.008モル)を加え、同時に1N NaOHを加えてpHを約8.5に整えた。反応混合物を、アセトイミド酸を加えてから3時間pH8〜8.5で攪拌した。反応混合物に1N HClを加えた(pH4.1)。溶媒を50℃で蒸発させて、吸湿性のある黄色の粗製残渣(4g、>収率100%)を得た。0.1%のAcOH/CHCN/HOを使用するGilsonクロマトグラフィーシステムによって精製を行った。
2.25HClおよび1.7HOを含むC1017の実測値:C,37.08;H,7.05;N,12.97;Cl,24.63。実測値:C,37.01;H,6.79;N,12.76;Cl,24.87
IR(ニート,λmax,cm−1):2953、2569、1747、1681、1631
H NMR(DO,δppm):1.52(s,3H)、2.12(s,3H)、2.74〜2.96(2 dt,2H)、3.75(s,3H)、3.95(t,2H)
13C NMR(DO,δppm):23.89、29.81、32.05、57.08、61.90、79.57、82.43、173.92
質量(M+1)=212
実施例FF)
実施例FF−5の生成物(100mg、0.0005モル)を8N HCl(20mL)に溶解させ、還流させながら10時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、回転式蒸発装置で水性HClを蒸発させた。残渣を脱イオン水(10mL)および水に溶解させ、真空中で濃縮し直して、標題生成物を黄色のガラス状固体としてほとんど定量的な収率で得た(88mg)。
2.4HClおよび1.8HOを含むC15の実測値:C,34.08;H,6.67;N,13.25;Cl,26.83。実測値:C,34.32;H,6.75;N,13.63;Cl,26.47
IR(ニート,λmax,cm−1):1738、1677、1628、1587
H NMR(DO,δppm):1.6(s,3H)、2.24(s,3H)、2.8〜3.0(2 dt,2H)、4.1(s,2H)
13C NMR(DO,δppm):21.22、24.10、29.88、34.58、80.04、80.99、128.39、168.07、176.13
質量(M+1)=198
(実施例GG)
Figure 2005532321
(2R/S,4Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−4−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例GG−1)5,6−ジヒドロピラン−2−オン(49.05g、0.5モル)を200mLの水に溶解させた。水酸化カリウム(35g、0.625モル)を加え、反応混合物を周囲温度で5時間攪拌した。真空中で溶媒を除去して、無色のガラス状固体(65g、84%)を得たが、これは、NMRによって、標題化合物のシス異性体が優勢であることが特徴付けられた。
H NMR(CDCl)δ:2.7(m,2H)、3.6(t,2H)、5.8〜5.85(m,1H)、5.9〜5.97(m,1H)。
Figure 2005532321
実施例GG−2)実施例GG−1の生成物を100mLのジメチルホルムアミドに溶解させた。次いで、ヨウ化メチル(52mL、0.84モル)を加えると、40℃に発熱した。反応混合物を室温で10時間攪拌し、20/80の比の酢酸エチル/ジエチルエーテル150mLと水とに分配した。水層を分離し、100mLのジエチルエーテルで抽出にかけ直した。有機層を合わせ、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒をすべて揮散させて、所望のメチルエステル生成物(40g、71%)を得た。この材料を200mLの塩化メチレンに溶解させ、溶液を0℃に冷却した。t−ブチルジメチルシリル塩化物、トリエチルアミン、およびジメチルアミノピリジンを加えた。反応混合物をゆっくりと室温に温め、窒素中で10時間攪拌した。反応液を、亜硫酸水素カリウムの1N水溶液100mLでの抽出にかけた。有機層を2×100mLのブライン、次いで3×150mLの水で洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、揮散処理して、標題の材料42g(56%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:0.02(s,6H)、0.085(s,9H)、2.8〜2.85(m,2H)、3.65(s,3H)、3.66〜3.7(m 2H)、5.8(m,1H)、6.3(m,1H)
Figure 2005532321
実施例GG−3)実施例GG−2の生成物を25mLのトルエンに溶解させ、0℃に冷却した。温度を5℃と−10℃の間に保ちながら、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1.0M、32mL、48ミリモル)を滴下した。反応混合物を6℃と−8℃の間で1.5時間攪拌した後、それを−25℃に冷却した。この混合物に0.5Nの酒石酸ナトリウムカリウム100mLを加えた。反応混合物を室温に温め、1時間攪拌した。ゼラチン質の沈殿が生成し、これを濾過した。水相を2×100mLのEtOAcでの抽出にかけた。有機層を合わせて乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、真空中で濃縮して、標題生成物(3.45g、66%)を無色の油として得た。
H NMR(CDCl)δ:0.02(s,6H)、0.085(s,9H)、2.25〜2.32(m,2H)、2.6(bs,1H)、3.6(t,2H)、4.08(d,2H)、5.45〜5.55(m,1H)、5.7〜5.75(m,1H)
Figure 2005532321
実施例GG−4)実施例GG−3の生成物(8g、37ミリモル)を100mLの塩化メチレンに溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。次いで、塩化メタンスルホニルを加え、この混合物を5分間攪拌した。次いで、トリエチルアミンを加えた。前述の試薬を加える間、温度を0℃と−10℃の間に保った。その後反応混合物を室温に温め、24時間攪拌した。次いで、これを炭酸水素ナトリウムの50%水溶液100mLでの抽出にかけた。有機層をブラインの飽和水溶液100mLで洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、真空中で揮散処理して、標題の材料(8.2g、94%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:0.02(s,6H)、0.085(s,9H)、2.25〜2.32(m,2H)、3.6(t,2H)、4.08(d,2H)、5.6〜5.7(m,2H)
Figure 2005532321
実施例GG−5)N−p−クロロフェニルイミンアラニンメチルエステル(8.85g、34ミリモル)を59mLのテトラヒドロフランに溶かした溶液をアルゴンパージした。NaH(1.64g、41ミリモル)を加え、その結果、溶液が鮮橙色に変わり、その後濃赤色に変わった。上記の陰イオン性の溶液に、実施例GG−4の標題材料(8g、34ミリモル)を40mLのテトラヒドロフランに溶かした溶液を加えた。温度がほとんど40℃に上昇し、発熱が認められた。反応混合物を2時間48℃と−52℃の間に保った。次いでこれを室温に冷却し、濾過した。真空中で濾液を揮散処理して、標題の材料(8.4g、粗収率50%)を黄色の油として得た。
H NMR(CDCl)δ:0.02(s,6H)、0.085(s,9H)、1.45(s,3H)、1.6(s,1H)、2.2〜2.25(m,2H)、2.65(d,2H)、3.55(m,2H)、3.7(s,3H)、5.45〜5.55(m,2H)、7.35〜7.7(m,4H)
Figure 2005532321
実施例GG−6)実施例GG−5の標題材料(8.4g、18.2ミリモル)を、1Nの塩酸125mLで処理し、反応液を室温で1時間攪拌した。反応混合物を2×75mLの酢酸エチルでの抽出にかけた後、56℃の真空中で水層を揮散処理して、標題の材料4g(粗収率100%)を得た。
H NMR(CDOD)δ:1.6(s,3H)、2.3〜2.4(m,2H)、2.65〜2.8(m,2H)、3.6〜3.65(m,2H)、3.87(s,3H)、5.4〜5.5(m,1H)、5.75〜5.85(m,1H)
Figure 2005532321
実施例GG−7)実施例GG−6の標題生成物(1.9g、8.5ミリモル)を、15mLのジオキサンと8mLの水の混合物に溶解させた。次いで、泡立ちを防止するために、固体の炭酸水素カリウムを慎重に加えた。反応混合物を10分間攪拌した後、t−ブチルオキシカルボニル無水物を滴下し、反応混合物を室温で24時間攪拌した。反応混合物を100mLの酢酸エチルおよび50mLの水で希釈した後、それを分液漏斗に注いだ。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、揮散処理して、標題の材料を無色の油(1.9g、粗収率78%)として得た。
H NMR(CDCl)δ:1.42(s,9H)、1.55(s,3H)、2.3〜2.36(m,2H)、2.58〜2.65(m,2H)、3.65〜3.7(t,2H)、3.75(s,3H)、5.42〜5.5(m,1H)、5.55〜5.62(m,1H)
実施例GG−8)実施例GG−6の標題材料の別のサンプル1.9gを、実施例GG−7の方法によって、実施例GG−7の標題生成物の粗製Z/E混合物に変換した。この材料を20/80の比の酢酸エチル/ヘキサンからなる溶媒系を用い、シリカによって精製して、E異性体を少なく、Z異性体を多く得た。
Figure 2005532321
実施例GG−9)実施例GG−8の標題のZ異性体(1.8g、6.25ミリモル)を20mLのアセトニトリルに溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。次いで、ピリジン(0.76g、9.4ミリモル)を加えた後、固体のジブロモトリフェニルホスホラン(3.46g、8.2ミリモル)を10分間かけて滴下した。反応混合物を、アルゴン中、室温で24時間攪拌した。生成した沈殿を濾別した。真空中で濾液を濃縮して、2.8gの油を得、これを、60/40の比の酢酸エチル/ヘキサンからなる溶媒系を使用して、シリカゲルによって精製した。標題の材料1.1g(50%)をNMRによって特徴付けた。
H NMR(CDCl)δ:1.44(s,9H)、1.55(s,3H)、2.6〜2.65(m,4H)、3.35〜3.4(m,2H)、3.75(s,3H)、5.4〜5.45(m,1H)、5.55〜5.6(m,1H)
Figure 2005532321
実施例GG−10)実施例GG−8の標題材料(300mg、0.86ミリモル)を25mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた。3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オンのカリウム塩(130mg、0.94ミリモル)を加え、反応混合物を52℃に加熱し、攪拌しながら18時間その温度に保った。次いで、これを室温に冷却した後、60℃の真空中でDMFを揮散させた。残渣を、60/40〜90/10の勾配の酢酸エチル/ヘキサンを用い、シリカゲルによって精製して、標題の材料300mg(95%)を得た。
H NMR(CDOD)δ:1.35(s,3H)、1.43(s,9H)、2.32(s,3H)、2.45〜2.55(m,4H)、3.65〜3.7(m,2H)、3.72(t,3H)、5.5〜5.6(m,2H)
Figure 2005532321
実施例GG−11)実施例GG−10の生成物(300mg)を、HClの0.05N水溶液で処理し、この溶液を30分間攪拌した。真空中で溶媒を除去して、所望の材料をほぼ定量的な収率で得た。
H NMR(CDOD)δ:1.6(s,3H)、2.25(s,3H)、2.45〜2.55(m,2H)、2.7〜2.8(m,2H)、3.3〜3.4(m,5H)、5.5〜5.6(m,1H)、5.7〜5.8(m,1H)
Figure 2005532321
実施例GG−12)実施例GG−11の標題材料(198mg、0.54ミリモル)を50mLのMeOHに溶解させた。次いで、ギ酸(40mg)を加えた後、パラジウム担持炭酸カルシウム(400mg)を加えた。密閉された管の中で、反応混合物を65℃まで24時間攪拌しながら加熱した。次いで、これを室温に冷却し、濾過した。真空中で濾液を濃縮し、残渣を逆相HPLCによって精製して、標題の材料115mg(75%)を得た。
H NMR(CDOD)δ:1.4(s,3H)、1.95(s,3H)、2.25(s,3H)、2.4〜2.52(m,4H)、3.25〜3.35(m,2H)、3.75(t,3H)、5.54〜5.62(m,2H)
実施例GG)実施例GG−12の標題材料(75mg)を2Nの塩酸15mLに溶解させた。反応混合物を加熱還流し、6時間攪拌した後、室温に冷却した。真空中で溶媒を除去した。残渣を25mLの水に溶解させ、回転式蒸発装置上で揮散処理を施して過剰な塩酸を除去した。残渣を水に溶解させ、凍結乾燥して、標題の材料76mg(約100%)を得た。
1019+2.2HCl+2.2HOの元素分析計算値:C,36.06;H,7.75;N,12.61。C1019+2.2HCl+2.2HOの実測値:C,35.91;H,7.61;N,12.31
H NMR(CDOD)δ:1.47(s,3H)、2.32(s,3H)、2.45〜2.64(m,4H)、2.58〜2.65(m,2H)、3.65〜3.7(t,2H)、5.55〜5.65(m,2H)
(実施例HH)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例−HH−1)2−フルオロホルホノ酢酸トリエチル(25.4g、105ミリモル)を100mLのTHFに溶かした冷(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、63mL、101ミリモル)を加えた。この混合物を−78℃で20分間攪拌して、鮮黄色の溶液を生成した。次いで、粗製の3−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]プロパナール(J.Org.Chem.、1994年、第59巻、1139〜1148ページ)(20.0g、105ミリモル)を120mLのTHFに溶かした溶液を10分間かけて滴下し、得られた混合物を−78℃で1.5時間攪拌し、この時点で、薄層クロマトグラフィー(5%のヘキサン中酢酸エチル)によって分析すると、出発材料が残っていないことが示された。NH4Clの飽和水溶液(150mL)を用い、反応液を−78℃で失活させた。有機層を収集し、水層をジエチルエーテル(300mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブライン(200mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の材料を、ヘキサン(2L)を溶離液としながらシリカゲル充填物(150g)に通して濾過して、所望の(2E)−5−[[(1,1−ジメチルエチル)ジ−メチルシリル]オキシ]−2−フルオロ−2−ペンテン酸エチルエステル生成物14.38g(52%)を透明な油として得た。H NMRおよび19H NMRは、単離された生成物のE:Z比が約95:5であることを示した。
HRMS C1326FOSiの計算値:m/z=277.1635[M+H]、実測値:277.1645。
H NMR(CDCl)δ0.06(s,6H)、0.94(s,9H)、1.38(t,3H)、2.74(m,2H)、3.70(m,2H)、4.31(q,2H)、6.0(dt,ビニル,1H)。
19F NMR(CDCl)δ−129.78(d,0.05F,J=35Hz,5% Z−異性体)、−121.65(d,0.95F,J=23Hz,95% E−異性体)。
Figure 2005532321
実施例−HH−2)実施例−HH−1(6.76g、24.5ミリモル)を100mLのメタノールに溶かした室温の溶液に、固体のNaBH(4.2g、220ミリモル)を1.4gずつ3時間かけて加えた。3.5時間後に水を加えた(10mL)。追加の固体NaBH(4.2g、220ミリモル)を1.4gずつ3時間かけて加えた。反応液をのNHClの飽和水溶液150mLで失活させ、ジエチルエーテル(2×250mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料の透明な油4.81gを、10%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の(2E)−5−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2−フルオロ−2−ペンテン−1−オール生成物2.39g(42%)を透明な油として得たが、これは、19F NMRによると約93:7のE:Z比を含んでいた。
HRMS C1124FOSiの計算値:m/z=235.1530[M+H]、実測値:235.1536。
H NMR(CDCl)δ0.06(s,6H)、0.88(s,9H)、2.35(m,2H)、3.62(t,2H)、4.19(dd,2H)、5.2(dt,ビニル,1H)。
19F NMR(CDCl)δ−120.0(dt,0.07F,7% Z−異性体)、−109.82(q,0.93F,J=21Hz,93% E−異性体)。
Figure 2005532321
実施例−HH−3)実施例−HH−2(2.25g、9.58ミリモル)、重合体を担体とするトリフェニルホスフィン(3ミリモル/g、1.86g、15ミリモル)、および3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オン(1.25g、12.5ミリモル)を60mLのTHFに混ぜた混合物に、アゾジカルボン酸ジエチル(2.35mL、14.7ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、追加の3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オン(0.30g、3.0ミリモル)を加えた。30分後、混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮した。得られた黄色の油をジエチルエーテル(30mL)で摩砕し、濾過によって固体を除去した。濾液を濃縮し、ヘキサン(30mL)で摩砕し、濾過した。濾液を濃縮して油とし、これを、15%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の4−[(2E)−5−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2−フルオロ−2−ペンテニル]−3−メチル−1,2,4−アキサジ−アゾール−5(4H)−オン生成物1.83g(60%)を透明な油として得たが、これは、19F NMRによると所望のE異性体のみを含んでいた。
HRMS C1426FNSiの計算値:m/z=317.1697[M+H]、実測値:317.1699。
H NMR(CDCl)δ0.04(s,6H)、0.85(s,9H)、2.28(s,3H)、2.37(m,2H)、3.64(t,2H)、4.32(d,2H)、5.4(dt,ビニル,1H)。
19F NMR(CDCl)δ−110.20(q,1F,J=21Hz)。
Figure 2005532321
実施例−HH−4)実施例−HH−3(1.83g、5.78ミリモル)を、酢酸(6mL)、THF(2mL)、および水(2mL)の混合物に溶かした溶液を室温で2.5時間攪拌した。得られた溶液を真空中で濃縮して油とし、これをジエチルエーテル(50mL)に溶解させた。有機層を飽和NaHCOで洗浄し、水層をジエチルエーテル(2×50mL)および酢酸エチル(2×50mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、所望の4−[(2E)−2−フルオロ−5−ヒドロキシ−2−ペンテニル]−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン生成物1.15g(98%)を無色透明な油として得た。
HRMS C12FNの計算値:m/z=203.0832[M+H]、実測値:203.0822。
H NMR(CDCl)δ2.31(3H)、2.4(m,2H)、3.66(t,2H)、4.37(d,2H)、5.42(dt,ビニル,1H)。19F NMR(CDCl)δ−110.20(q,1F,J=21Hz)。
Figure 2005532321
実施例−HH−5)トリフェニルホスフィン(238mg、0.91ミリモル)およびイミダゾール(92mg)の0℃のCHCl(2mL)溶液に、固体のヨウ素(230mg、0.91ミリモル)を加え、混合物を5分間攪拌した。得られた黄色のスラリーに、実施例−HH−4(0.15g、0.74ミリモル)のCHCl(1.5mL)溶液を加えた。スラリーが室温に温まるようにし、30分間攪拌した。反応混合物をCHCl(10mL)で希釈し、飽和Na2S2O3(5mL)およびブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて油とした。この油にジエチルエーテル(10mL)を加えると、白色の沈殿が得られ、これを濾過によって除去し、濾液を濃縮して油とした。粗製材料を、30%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の4−[(2E)−2−フルオロ−5−ヨード−2−ペンテニル]−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン生成物0.18g(78%)を透明な油として得、これを放置しておくと凝固した。融点=58.1〜58.6℃。
10FINの元素分析:計算値:C,30.79;H,3.23;N,8.98。実測値:C,30.83;H,3.11;N,8.85。HRMS C11FINの計算値:m/z=330.0115[M+H]、実測値:330.0104。
H NMR(CDCl)δ2.31(s,3H)、2.75(q,2H)、3.21(t,2H)、4.31(d,2H)、5.39(dt,ビニル,1H)。19F NMR(CDCl)δ−108.21(q,1F,J=21Hz)。
Figure 2005532321
実施例−HH−6)(3S,6R)−6−イソプロピル−3−メチル−5−フェニル−3,6−ジヒドロ−2H−1,4−オキサジン−2−オン(Synthesis、1999年、第4巻、704〜717ページ)(1.10g、4.76ミリモル)、LiI(0.63g、4.76ミリモル)、および実施例−HH−5(0.85g、2.72ミリモル)を1−メチル−2−ピロリジノン(12mL)に溶かした氷浴中の溶液に、2−t−ブチルアミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(1.38mL、4.76ミリモル)を加えた。塩基を加えると黄色の溶液が橙色になり、得られた溶液を室温で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて黄色の油とした。粗製材料を、30%のヘキサン中酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアルキル化された生成物0.64g(57%)を透明な油として得た。
H NMR(C)δ0.57(d,3H)、0.89(d,3H)、1.30(s,3H)、1.65(s,3H)、1.8(m,2H)、2.0(m,2H)、2.1(m,1H)、3.22(m,2H)、4.88(dt,ビニル,1H)、5.49(d,1H)、7.1(m,3H)、7.6(m,2H)。19F NMR(CDCl)δ−110.37(q,1F,J=21Hz)。
Figure 2005532321
実施例e−HH−7)実施例−HH−6(0.13g、0.31ミリモル)のメタノール(20mL)溶液にリンドラー触媒(1.0g)を加えた。攪拌したスラリーを1時間かけて60℃に加熱し、追加のリンドラー触媒(0.30g)を加えた。スラリーを60℃でさらに1時間攪拌し、次いで室温に冷却した。セライトで濾過して触媒を除去し、濾液を揮散処理して、所望の脱保護されたアミジン生成物0.58g(100%)を淡黄色の油として得た。
MS:m/z=374.2[M+H]
H NMR(CDOD)δ0.77(d,3H)、1.07(d,3H)、1.58(s,3H)、2.02(s,3H)、1.8〜2.2(m,5H)、3.83(d,2H)、5.20(dt,ビニル,1H)、5.69(d,1H)、7.4(m,3H)、7.7 m,2H)
19F NMR(CDCl)δ−109.4(m,1F,J=21Hz)
実施例−HH)実施例−HH−7の生成物(0.58g、1.54ミリモル)の1.5N HCl(25mL)溶液をジエチルエーテル(2×20mL)で洗浄し、1時間還流させた。溶媒を揮散させ、粗製アミノ酸エステルを6N HCl(15mL)に溶解させ、加熱還流した。6時間後、真空中で溶媒を除去し、得られた泡を、30分間で0〜40%の勾配をかけてCHCN/HO(0.25%の酢酸)で溶離する逆相HPLCによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して泡とした。生成物を1N HClに溶解させ、真空中で溶媒を除去して(2回)、所望の(2S,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩生成物0.15g(29%)を得た。
HRMS C1019FNの計算値:m/z=232.1461[M+H]、実測値:232.1485。
H NMR(DO)δ1.43(s,3H)、2.10(s,3H)、1.8〜2.1(m,4H)、3.98(d,2H)5.29(dt,ビニル,1H)。19F NMR(CDCl)δ−109.97(q,1F,J=21Hz)。
(実施例II)
Figure 2005532321
(2S,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例−II−1)N−[(3,4−ジクロロフェニル)−メチレン]−アラニン酸メチル(748.5g、2.88モル)を1−メチル−2−ピロリジノン(7500mL)に溶かした窒素中の溶液に、LiI(385.5g、2.88モル)を加え、得られたスラリーを約20分間攪拌して、透明な溶液を得た。次いで、実施例−HH−5の固体(750g、2.40モル)を加え、得られた溶液を氷浴中で約0℃に冷却した。内部温度を5℃未満に保ちながら、純粋なBTPP(900g、2.88モル)を25分間かけて滴下した。5℃でさらに1.5時間攪拌した後、HPLCによって、反応が完了していることを判定した。この時点で、7500mLのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)を加えた後、9750mLの水/氷砕片混合物を加えた。この操作の間、温度が20℃に上昇した。5〜10分間激しく攪拌した後、層を分離し、水層を6000mLのMTBEで2回洗浄した。MTBE層を合わせ、7500mLの水で2回洗浄した。次いで、得られたMTBE溶液を約5000mLに濃縮し、11625mLの1.0N HClで処理し、室温で1時間激しく攪拌した。層を分離し、水層を7500mlのMTBEで洗浄した。水層に約1kgの塩化ナトリウムを加え、得られた混合物を、塩がすべて溶解するまで攪拌した。この時点で、7500mLの酢酸エチルを加え、得られた混合物を10℃に冷却し、適度に攪拌しながら6.0Nの水酸化ナトリウム2025mLを加えた。その結果、pHは約9となるべきである。層を分離し、水層を塩化ナトリウムで飽和させ、ここでも7500mLの酢酸エチルを用い抽出にかけた。酢酸エチル抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、濃縮して、さらりとした油とした。酢酸エチルを完全に除去しなかったことに留意されたい。次いで、攪拌しながら3000mlのヘキサンを加えて、スラリーを生成し、これを10℃に冷却した。顆粒状の固体を濾過によって収集し、1500mLのヘキサンで洗浄した。所望の純粋なアミノエステル(HPLCによると純度>95%)約564g(収率82%)が白色の固体として得られた。融点82.9〜83.0℃。LCMS:m/z=288.2[M+H]。キラルHPLC(ChiralPak−AD順相カラム、100%のアセトニトリル、210nm、1mL/分):4.71分および5.36分に2箇所の主要ピーク(1:1)。
H NMR(CDCl):δ1.40(s,3H)、1.7〜1.8(m,2H)、2.0(br s,2H)、2.2(m,2H)、2.29(s,3H)、3.73(s,3H)、4.34(dd,2H)、5.33(dt,1H)。
Figure 2005532321
実施例−II−2)キラルHPLCクロマトグラフィー(ChiraIPak−AD、順相カラム、100%のアセトニトリル)を使用して、実施例−II−1の生成物の個々の鏡像異性体の分離を分取スケールで実施し、所望の純粋な(2S)−2−メチルアミノエステル生成物の標題生成物を得た。ChiralPak−AD、順相カラム、100%のアセトニトリル、210nm、1mL/分):5.14分間(99%)。
Figure 2005532321
実施例−II−3)実施例−II−2の生成物(2.30g、8.01ミリモル)の0.993M NaOH(30.0ml、29.79ミリモル)中スラリーを室温で2時間攪拌した。得られた無色透明な溶液に、1.023MのHCl(29.10mL、29.76ミリモル)を加えた。得られた透明な溶液を、沈殿が生成し始めるまで濃縮した(約30mL)。スラリーを温めて、透明な溶液を得、これを室温で一晩放置しておいた。沈殿を濾過によって単離した。固体を冷水(2×10mL)、冷メタノール(2×10mL)、およびEtO(2×20mL)で洗浄した。白色の固体を40℃の真空中で4時間乾燥させて、図示した所望のN−ヒドロキシ生成物1.04g(53%)を得た。融点=247.2℃。
1018FNの元素分析:計算値:C,48.57;H,7.34;N,16.99;Cl,0.0。実測値:C,48.49;H,7.37;N,16.91;Cl,0.0。
HRMS C1019FNの計算値:m/z=248.1410[M+H]、実測値:248.1390。
H NMR(DO)δ1.35(s,3H)、1.81(s,3H)、1.7〜2.0(m,4H)、3.87(d,2H)5.29(dt,ビニル,1H)。19F NMR(CDCl)δ−112.51(q,1F,J=21Hz)。
実施例−II−4)実施例−II−3のメタノール溶液にリンドラー触媒を加えた。攪拌したスラリーを2時間還流させ、次いで室温に冷却した。セライトで濾過して触媒を除去し、濾液を揮散処理した。得られた固体を水に溶解させ、1.0N HClから繰り返し濃縮して、所望の(2R,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩生成物を得た。
Figure 2005532321
実施例−II−5)実施例−II−2の生成物73.5g(0.3モル)の溶液を300mLのメタノールに溶解させ、リンドラー触媒13.7gおよびギ酸73.5g(1.53モル)を312mLのメタノールに混ぜた、予め生成しておいた混合物に滴下し、その間、反応液の温度は22℃と26℃の間に保った。室温でさらに約15時間攪拌した後、19F NMRによって、反応が完了していることを判定した。得られた反応混合物をセライトで濾過し、セライトを125mLのメタノールで3回洗浄した。メタノール洗液を合わせ、濃縮して、所望のアミジン標題生成物115gを粘性のある油として生成した。
MS:m/z=246(M+H)
H NMR(CDOD)δ1.6(s,3H)2.0〜2.2(m,4H)2.3(s,3H)、3.9(s,3H)、4.2(d,2H)、5.4(dt,ビニル)、8.4(σ,3H)。
19 NMR(CDOD)δ−110.4(q,J=21Hz)−111.7(q,J=21Hz)。
微量の鉛を除去するため、粗生成物を750mLのメタノールに溶解させ、150gのチオール樹脂(Deloxan THP11)を加えた。室温で3時間攪拌した後、樹脂を濾別し、500mLのメタノールで2回洗浄した。濾液を収集し、濃縮して、粘性のある油としての99gの所望のアミジン標題生成物とした。
代替法:合計5.0gの実施例−II−2の生成物(0.0174モル、1.0当量)と5.0gの亜鉛粉塵(0.0765モル、4.39当量)とを40mLの1−ブタノールおよび10mLの酢酸中で混合した。50℃で5時間攪拌した後、LC分析によって、反応が完了したことが示された。固体を直ちに濾別した。濾液を、氷水中で7℃に冷却した後、激しく攪拌しながら、30mLの6N NaOH(0.180モル)で一度に処理した。反応混合物を33℃〜20℃に冷却した後、透明なブタノール層を分離し、水層を40mLの1−ブタノールでの抽出にかけた。ブタノール抽出物を合わせ、30mLのブラインで洗浄した後、約10mLの6N HClで洗浄した。70℃で濃縮した後、透明なガラスが得られ、これが所望のアミジン標題生成物であることを同定した。
実施例−II)実施例−II−5の生成物99gを6N HClに溶かした溶液を1時間還流させ、この時点で、LC分析によって反応が完了したことが示された。真空中で溶媒を除去して、ガラス状の油89.2gを得、これを、1466mLのエタノールと7.5mlの脱イオン水の混合物に溶解させた。この溶液を攪拌したものに、THFを周囲温度で曇点に到達するまで加えた(5.5リットル)。追加の30mlの脱イオン水を加え、溶液を室温で終夜攪拌した。得られたスラリーを濾過し、200mLのTHFで洗浄して、所望の標題生成物であることが同定された白色の固体65gを得た。
[α] 25=+7.2(c=0.9,HO)
融点=126〜130℃。
MS:m/z=232(M+H)
1022Clの元素分析:計算値:C,37.28;H,6.88;N,13.04;Cl,22.01。実測値:C,37.52,H,6.84,N,13.21,Cl,21.81。
H NMR(DO)δ1.4(s,3H)、1.8〜2.1(m,4H)、1.9(s,3H)、4.0(d,2H)、5.3(dt,ビニル,1H)。
19 NMR(DO)δ−109.6(q,J=21Hz)−112.1(q,J−21Hz)。
(実施例JJ)
Figure 2005532321
(2R,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例−JJ−1)キラルHPLCクロマトグラフィーを使用して、実施例−II−1の生成物の個々の鏡像異性体の分離を分取スケールで実施し、所望の純粋な(2R)−2−メチルアミノエステル生成物を得た。
Figure 2005532321
実施例−JJ−2)実施例−JJ−1の生成物を水および酢酸に溶解させる。亜鉛粉塵を加え、混合物を、HPLC分析によって出発材料がほとんど残っていないことがわかるまで60℃で加熱する。Znをセライトで反応混合物から濾別し、濾液を濃縮する。粗製材料を逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製する。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望の(2R)−2−メチルアセトアミジン生成物を得る。
実施例−JJ)実施例−JJ−2の2.0N HCl溶液を2時間還流させる。真空中で溶媒を除去する。得られた固体を水に溶解させ、1.0N HClから繰り返し濃縮して、所望の(2R,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩性生物を得る。
(実施例KK)
Figure 2005532321
(2R/S,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
実施例−KK−1)N−[(4−クロロフェニル)メチレン]−グリシン酸メチル(0.33g、1.6ミリモル)、LiI(0.20g、1.0ミリモル)、および実施例−HH−5の生成物のサンプル(0.30g、0.96ミリモル)を1−メチル−2−ピロリジノン(5mL)に溶かした氷浴中の溶液に、2−t−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(0.433mL、1.5ミリモル)を加えた。溶液を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、混合物を水(2×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、粗製の所望のラセミ体アルキル化イミンを黄色の油として得た。
粗製材料を酢酸エチル(10mL)に溶解させ、1N HCl(10mL)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、有機層を分離した。水層を固体のNaHCOで中和し、酢酸エチル(2×30mL)での抽出にかけた。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、所望の標題ラセミ体アミノエステル生成物0.13gを黄色の油として得た。この生成物をそれ以上精製せずに次のステップで使用した。LCMS:m/z=288.2[M+H]
Figure 2005532321
実施例−KK−2)実施例−KK−1(1.36g、4.98ミリモル)のCHCl(15mL)溶液に、4−クロロベンズアルデヒド(0.70g、5.0ミリモル)およびMgSO(約5g)を加えた。スラリーを室温で18時間攪拌した。このスラリーを濾過し、濾液を揮散処理して、所望の標題イミン生成物1.98g(100%)を淡黄色の油として得た。この生成物をそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
H NMR(C)δ1.34(s,3H)、2.0(br m,4H)、3.32 s,3H)、3.42(m,2H)、3.83(t,1H)、4.98(dt,ビニル,1H)。
Figure 2005532321
実施例−KK−3)実施例−KK−2の生成物(0.25g、0.63ミリモル)のCHCl(2mL)溶液に、ヨウ化メチル(0.200mL、3.23ミリモル)および臭化O(9)−アリル−N−(9−アントラセニルメチル)−シンコニジニウム(40mg、0.066ミリモル)を加えた。溶液を−78℃に冷却し、純粋なBTPP(0.289mL、0.95ミリモル)を加えた。得られた橙色の溶液を−78℃で2時間攪拌し、−50℃になるようにした。−50℃で2時間経過した後、溶液をCHCl(10mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、粗製の所望のラセミ体アルキル化イミンを黄色の油として得た。
粗製材料を酢酸エチル(10mL)に溶解させ、1N HCl(10mL)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、有機層を分離した。水層を固体のNaHCOで中和し、酢酸エチル(2×30mL)での抽出にかけた。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発にかけて、所望のラセミ体2−メチルアミノエステル生成物0.16gを黄色の油として得た。この生成物をそれ以上精製せずに次のステップで使用した。LCMS:m/z=288.2[M+H]
Figure 2005532321
実施例−KK−4)実施例−KK−3のラセミ体生成物を水および酢酸に溶解させる。亜鉛粉塵を加え、混合物を、HPLC分析によって出発材料がほとんど残っていないことがわかるまで60℃で加熱する。Zn粉塵をセライトで反応混合物から濾別し、濾液を濃縮する。粗製材料を逆相HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製する。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、所望のアセトアミジン生成物を得る。
実施例−KK)ラセミ体の実施例−KK−4の2.0N HCl溶液を1時間還流させる。真空中で溶媒を除去する。得られた固体を水に溶解させ、1.0N HClから繰り返し濃縮して、所望の標題(2R/S,5E)−2−アミノ−2−メチル−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩性生物を得る。
(実施例LL)
Figure 2005532321
(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
Figure 2005532321
4−[(テトラヒドロピラニル)オキシ]ブチン
実施例LL−1)4−ジヒドロ−2H−ピリジン(293.2g、3.5モル)と濃HCl(1.1mL)の混合物を5℃に冷却した。外から冷却し続けながら、3−ブチン−1−オール(231.5g、3.3モル)を30分間かけて加え、温度が50℃になるようにした。反応液を室温で攪拌しながら2.5時間おいた後、これをMTBE(1.0L)で希釈した。得られた混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(2×150mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、500g(粗収率98%)の生成物を得た。GC面積%は96%。
Figure 2005532321
5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ペンタ−2−イン−1−オール
実施例LL−2)実施例LL−1の4−[(テトラヒドロピラニル)オキシ]ブチン生成物(50.0g、0.33モル)のTHF(125mL)溶液に、窒素雰囲気中で2N EtMgClのTHF溶液(242mL、0.48モル)を30分間かけて加え、温度が48℃に上昇するようにした。混合物をさらに66℃に加熱し、この温度で2時間おいた後、周囲温度に冷却した。パラホルムアルデヒド(14.5g、0.48モル)を加え(弱い発熱が認められた)、得られた混合物を45℃に加熱した。温度を45〜55℃に制御して1時間経過後、混合物が透明に変わった。この時点で、混合物を66℃にまで加熱し、2.5時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム(125mL)を30分間かけてゆっくりと加え(強い発熱が認められた)、温度を40℃未満に保った。液層をデカントして分離し、酢酸エチル(250mL)およびブライン(50mL)を加えた。有機相を分離し、ブライン(2×50mL)および水(1×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、薄い黄色の油51gを得た(粗収率85%)。GC面積%=標題生成物88%、出発材料6%。
Figure 2005532321
5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ペンタ−2−エン−1−オール
実施例LL−3)500mL容Parr製ボトルに、窒素中で、実施例LL−2の5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ペンタ−2−イン−1−オール生成物(40.2g、0.22モル)、リンドラー触媒(2.0g)、エタノール(120mL)、ヘキサン(120mL)、および2,6−ルチジン(457mg)を装入した。反応混合物を窒素ガスおよび水素ガスで5回ずつパージした。Parr製ボトルを水素で5psiに加圧し、理論上の水素が98%消費されるまで振盪した。容器から水素を放ち、反応液を窒素で5回パージした。混合物をSolka Flocパッドで濾過し、触媒をエタノール(2×50mL)ですすいだ。濾液と洗液を合わせ、減圧下で濃縮して、標題の材料40.3g(収率99%)を黄色の油として得た(GC面積%=96%)。
Figure 2005532321
3−メチル−4−[5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ペンタ−2−エニル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
実施例LL−4)実施例LL−3の5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ペンタ−2−エン−1−オール生成物(11.8g、0.063モル)のトルエン(42mL)溶液に、トリエチルアミン(6.4g、0.063モル)を加えた。混合物を−5℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(7.3g、0.63モル)を、シリンジを用い、ポットの温度が10℃未満に保たれるような速度で加えた。混合物が室温に温まるようにし、2時間攪拌した。混合物を吸引濾過し、濾紙の上からトルエン(2×20mL)ですすいだ。濾液および洗液を、3−メチル−1,2,4−オキサジアゾリン−5−オンのナトリウム塩(8.6g、0.063モル)のDMF(10mL)中混合物に加えた。混合物を機械式攪拌機で攪拌し、45℃で5時間加熱した。水(40mL)を加え、混合物を5分間攪拌し、次いで層を分離した。トルエン層を水(3×20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮して、橙色の粗生成物16.5g(97.3%)を得た(GC面積%は、71%の標題生成物、18%のトルエン、および4%の不純物からなっていた)。
Figure 2005532321
4−(5−ヒドロキシ−ペンタ−2−エニル)−3−メチル−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
実施例LL−5)実施例LL−4の3−メチル−4−[5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ペンタ−2−エニル]−4H−[1,2,4]オキサジ−アザ−オール−5−オン生成物(16g、0.06モル)のメタノール(48mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(0.34g、2.0ミリモル)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム(0.27g、3.0ミリモル)を加え、混合物を回転式蒸発装置上で濃縮した。残渣を飽和NaHCO(20mL)で希釈し、得られた混合物を酢酸エチル(2×60mL)での抽出にかけた。抽出物を合わせ、水(2×25mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮して、粗製の橙色の油状標題生成物8.4gを得た(面積%GC=80%)。
Figure 2005532321
メタンスルホン酸5−(3−メチル−5−オキソ−[1,2,4]オキサジアゾール−4−イル)−ペンタ−3−エニルエステル
実施例LL−6)実施例LL−5の4−(5−ヒドロキシ−ペント−2−エニル)−3−メチル−4H[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン生成物(8.27g、0.045モル)の塩化メチレン(33mL)溶液に、トリエチルアミン(5.0g、0.49モル)を加えた。混合物を−5℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(5.5g、0.048モル)を、温度が8℃未満に保たれるような速度で加えた。冷却浴を外し、混合物を3時間攪拌すると、混合物が室温まで温まった。水(15mL)を加え、混合物を5分間攪拌し、次いで層を分離した。有機層を水(10mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮して、薄い琥珀色の残渣を得た。残渣を酢酸エチル(8mL)に溶解させ、一晩5℃に保った。沈殿した固体を吸引濾過によって取り分け、濾紙上で最小量の酢酸エチルですすぎ、次いで濾紙上風乾して、6.8g(収率58%)の標題生成物を得た。
H NMR(CDCl)δ5.76(dtt,J=10.9,7.5,1.5Hz,1H)、δ5.59(dtt,J=10.9,7.0,1.5Hz,1H)、δ4.31(t,J=6.3Hz,2H)、δ4.27(dd,J=7.0,1.5Hz,2H)、δ3.04(s,3H)、δ2.67(q,J=6.7Hz,2H)、δ2.28(s,3H)
13C(CDCl)δ159.0、156.3、129.9、125.1、68.4、38.9、37.2、27.5、10.2。
IR(cm−1)1758、1605、1342、1320、1170。
14Sの元素分析:計算値:C,41.21;H,5.38;N,10.68。実測値:C,41.15;H,5.41;N,10.51。
Figure 2005532321
4−(5−ヨード−ペンタ−2−エニル)−3−メチル−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
実施例LL−7)実施例LL−6のメタンスルホン酸5−(3−メチル−5−オキソ[1,2,4]オキサジアゾール−4−イル)−ペンタ−3−エニルエステル生成物(20.0g、0.076モル)のアセトン(160ml)溶液に、ヨウ化ナトリウム(17.15g、0.114モル)を加えた。混合物を加熱還流し、3時間攪拌した。外からの加熱を止め、混合物を室温で一晩おいた。濾過によって固体を除去し、濾紙上ですすいだ。濾液と洗液を合わせ、濃縮し、不均質な残渣を酢酸エチル(120mL)での抽出にかけた。有機層を、水(60mL)、チオ硫酸ナトリウムの15%水溶液(60mL)、および水(60mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、標題の油状生成物22.1g(収率98%)を得た。
Figure 2005532321
2−[(3,4−ジクロロ−ベンジリデン)−アミノ]−プロピオン酸メチルエステル
実施例LL−8)L−アラニンメチルエステル塩酸塩(200.0g、1.43モル)を塩化メチレン(2.1L)に溶かして機械で攪拌した窒素雰囲気中の溶液に、トリエチルアミン(199.7mL、1.43モル)を12分間かけて加えた(加える間、固体が一部溶解し、次いで再沈殿した)。10分後、3,4−ジクロロベンズアルデヒド(227.5g、1.30モル)および硫酸マグネシウム(173.0g、1.43モル)を加えた(温度が30分間で6℃上昇した)。2.5時間後、混合物を濾過した。濾液を水(1×1L)およびブライン(1×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、油状生成物313.3g、収率92.4%を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.25(s,1H)、7.91(d,1H)、7.58(dd,1H)、7.49(d,1H)、4.17(t,1H)、3.76(s,3H)、1.53(d,3H)。C1111ClNOの元素分析:計算値:C,50.79;H,4.26;Cl,27.26;N,5.38。実測値:C,50.37;H,4.10;Cl,26.87;N,5.38。
Figure 2005532321
Rac−2−アミノ−2−メチル−7−(3−メチル−5−オキソ−[1,2,4]オキサジアゾール−4−イル)−ヘプタ−5−エン酸メチルエステル
実施例LL−9)方法1.実施例LL−7の生成物(114.2g、0.39モル)および実施例LL−8の生成物(151.5g、0.58モル)をジメチルホルムアミド(1.4L)に溶かした窒素雰囲気中の溶液を−8℃に冷却した。次いでヨウ化リチウム(78.1g、0.58モル)を19分間かけて3等分して加えた。混合物を−7℃で20分間攪拌し、次いで、(t−ブチルイミノ)−トリス(ピロリジノ)ホスホラン(194.0mL、0.62)を36分間かけて加えた(最高温度=−2.6℃)。10分後、冷却浴を取り外し、溶液を周囲温度で1時間攪拌した。次いで、混合物を冷水(1.4L)中に注ぎ、酢酸エチル(2×1.0L)での抽出にかけた。有機層を合わせて水(2×400mL)およびブラインで洗浄した。酢酸エチル層を1N HCl(780mL)で処理し、1時間攪拌した。水層を分離し、酢酸エチル(2×400mL)での抽出にかけ、次いで炭酸水素ナトリウム(110g)で中和した。混合物を酢酸エチル(1×500mL)での抽出にかけた。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いでメチルt−ブチルエーテルで処理して、結晶性の生成物:最初の分14.4g、次の分6.6g(GC純度=それぞれ96.2%および91.9%)を得た。水相を塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチル(4×500mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いでメチルt−ブチルエーテルで処理して、結晶性の生成物:最初の分33.4g、次の分10.8g(GC純度=それぞれ89.6%および88.8%。総粗収率65.2g、62.4%。
方法2.実施例LL−7の生成物(20.7g、0.070モル)および実施例LL−8の生成物(22.9g、0.088モル)をジメチルホルムアミド(207mL)に溶かした窒素雰囲気中の溶液に、炭酸セシウム(29.8g、0.092)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌し、次いで水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)での抽出にかけた。酢酸エチル層を合わせて水(3×100mL)およびブラインで洗浄し、次いで1N HCl(184mL)で処理した。1時間後、層を分離し、水層を酢酸エチル(3×100mL)での抽出にかけ、次いで炭酸水素ナトリウム(15.5g)で中和した。混合物を酢酸エチル(1×150mL)での抽出にかけた。水層を塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチル(3×100mL)での抽出にかけた。有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の固体11.9g、62.9%を得た。GC純度=96.6%。粗生成物を温メチルt−ブチルエーテルまたは酢酸エチルから再結晶化した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ5.68(m,1H)、5.36(m,1H)、4.23(d,2H)、3.73(s,3H)、2.43(s,3H)、2.18(m,2H)、1.81(m,1H)、1.69(s,br,2H)、1.66(m,1H)、(1.36,3H)
13C NMR(400MHz,CDCl)δ177.60、159.01、156.10、135.12、121.82、57.48、52.29、40.12、39.00、26.62、22.56、10.41
Figure 2005532321
Rac−2−アミノ−2−メチル−7−(3−メチル−5−オキソ−[1,2,4]オキサジアゾール−4−イル)−ヘプタ−5−エン酸
実施例LL−10)実施例LL−9の生成物(0.269g、1ミリモル)を5mLの2N HClに溶解させ、アルゴン中で加熱還流した。6時間還流してから室温で72時間攪拌した後、一定分量を移し、H NMRによって調べた。所望の生成物と共に約6%の未処理の出発エステルが残った(LC−MSによって確認)。真空中で水性部分を除去し、0.38gの濃厚な琥珀色の油を残した。逆相クロマトグラフィーによって精製してから凍結乾燥した後、標題化合物0.23g、90.2%を非潮解性の白色固体として得た。
1117.0.77HOの元素分析:計算値:C,49.09;H,6.94;N,15.61。実測値:C,48.71;H,6.94;N,15.98
質量分析:M+1=256。
Figure 2005532321
(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−(3−メチル−5−オキソ−[1,2,4]オキサジアゾール−4−イル)−ヘプタ−5−エン酸メチルエステル
実施例LL−11)定常状態再循環オプションを付したNovaprep200装置を使用する分取キラルクロマトグラフィーによって、標題化合物(827.3g)をそのR鏡像異性体から分離した。材料を40mg/mlの濃度で無水エタノールに溶解させ、50×500mmの充填済みChiral Technologiesステンレス鋼製カラムに載せた。吸着剤は20μのChiralPak ADであった。移動相はエタノール/トリエチルアミン100/0.1、流速は毎分125mlとした。粗製溶液(25mL)を12分毎にカラムに載せた。定常状態再循環技術を使用した。回転式蒸発装置を使用して溶媒を除去した。最終生成物を金色の油として得、これを静置して凝固させた。399.0g(回収率96.4%)。
H(400MHz,CDOD)δ5.68(dtt,1H,Jオレフィニック=10.7Hz)、5.43(dtt,1H,Jオレフィニック=10.7Hz)、4.82(s,br,2H)、4.28(d,2H,J=5.5Hz)、3.73(s,3H)、2.27(s,3H)、2.26(m,1H)、2.14(m,1H)、1.82(ddd,1H,J=13.6,11.3,5.4Hz)、1.67(ddd,I H,J=13.6,11.2,5.5Hz)、1.34(s,3H)
13C NMR(400MHz,CDOD)δ178.49、161.13、158.70、135.92、123.47、58.55、52.77、41.38、39.96、26.23、23.47、10.23
1219の元素分析:計算値:C,53.52;H,7.11;N,15.60。実測値:C 52.35;H,7.20;N,15.60。
Figure 2005532321
(2S,5Z)−7−アセトイミドイルアミノ−2−アミノ−2−メチル−ヘプト−5−エン酸メチルエステル二塩酸塩水和物
実施例LL−12)実施例LL−11の生成物(114.5g、0.425モル)のメタノール(2.4L)溶液に、固体のジベンゾイル−L−酒石酸(152.5g、0.425モル)および88%のギ酸(147mL、3.428モル)を周囲温度で加えた。窒素中で、リンドラー触媒、すなわち酢酸鉛(37.9g)を被毒させた5wt%パラジウム担持炭酸カルシウムのメタノール(200mL)中スラリーを調製した。次いで、薄灰色の触媒スラリーに、出発材料の溶液を周囲温度で加えた後、メタノール(200mL)ですすいだ。不均質な反応混合物を45℃で1.5時間加熱した。約40℃で始まる安定した気体の放出が認められたが、これによって、反応が進行中であることが示された。混合物を氷/水浴中で冷却し、次いでSupercell HyFlo充填物で濾過した。黄色の溶液を真空中で濃縮して、粘性のある油を得、これをHClの2N水溶液(2L)および酢酸エチル(0.8L)に溶解させ分配した。層を分離し、水層を酢酸エチル(0.8L)で1回洗浄した。高めの温度(=70℃)の真空中で溶媒および揮発性物質を除去した。中間体生成物を、それ以上の精製または特徴付けを行わずに次のステップで使用した。LC−MS[M+H]=228。
実施例LL)実施例LL−12(170g)の粗生成物をHClの2N水溶液(1L)に溶解させた。得られた橙色の溶液を終夜還流させた後、周囲温度に冷ました。反応混合物をその約1/3の体積に濃縮し、酸性の溶液を固相抽出カートリッジ(C18シリカ25g)に通して、色および他の不純物を除去した。真空中(=70℃)で溶媒を除去して、粗生成物208gを黄味がかったゴムとして得た。
粗製のゴム(31.3g)を水(250mL)に溶き、材料を、酸性樹脂Dowex 50WX4−400(約600g)を充填した、前処理したイオン交換カラムに載せた。まず樹脂を水(1L)で洗浄し、次いでHClの水溶液(濃度が10/90v/vのHCl/水1L)で洗浄した。イオン強度のより高いHClの水溶液(濃度が20/90v/v〜25/75v/vのHCl/水1.5L)を用い、生成物を樹脂から溶出した。真空中で水性溶媒を除去し(=70℃)、ゴム質の残渣をトリフルオロ酢酸の4体積%水溶液(100mL)に溶いた。真空中(=70℃)で水性溶媒を除去し、この手順をもう一度繰り返した。次いで、残渣を高真空中で乾燥させて、32.2gのゴムをトリフルオロ酢酸塩として得た。
粗製(2S,5Z)−7−アセトイミドイルアミノ−2−アミノ−2−メチル−ヘプタ−5−エン酸二トリフルオロ酢酸塩水和物(32.2g)を逆相分取クロマトグラフィーによって精製した。粗製物をTFAの0.1%水溶液(50ml)に溶解させ、吸着剤(BHK極性W/S、50μ、1.16kg)が充填してある2インチID×1メートルのステンレス鋼製カラムに載せた。TFAの0.1%水溶液から25/75/0.1のアセトニトリル/水/TFAへと段階的に勾配をかけて、120mL/分の流速で生成物の溶離を行った。シリカ対サンプルの装入比率は、36:1w/wとした。真空中で溶媒を除去し、材料を希HCl水溶液で繰り返しすすいでHCl塩に変換し、真空中で溶媒を除去した。高真空中で乾燥させると、標題の二塩酸塩水和物27.4gが黄色のゴムとして得られた。
LC−MS[M+H]=214.16 Da
H NMR(DO,δ:1.48(s,3H)、1.8〜1.9(AB,2H)、2.10(s,3H)、2.01/2.12(AB,2H)、3.78(d,2H)、rotamere 3.87(d,2H)、5.6/5.5(dt,2H,11Hz)
13C NMR(DO)δ:18.7、21.5、21.6、36.4、39.1、59.8、122.6、134.3、164.5、173.7
1019・2.2HCl・2HOの元素分析計算値:C,36.21;H,8.33;N,12.67;Cl 23.51。実測値:C,36.03;H,7.72;N,12.67;Cl,23.60。
(実施例MM)
Figure 2005532321
(2R,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−]−5−ヘプテン酸二塩酸塩
実施例LL−11で記載した分離の際に単離されたR鏡像異性体(1.13g、4.2ミリモル)を25%の酢酸水溶液11mLに溶解させ、60℃に加熱した。次いで、亜鉛粉塵(1.10g)を4等分して30分間隔で加えた。合計で3時間加熱した後、一定分量を移し、LC−MSによって調べると、所望の生成物と共に、ほんのわずかな未反応出発材料が残っていることが示された。混合物を室温に冷却し、濾過し、真空中で揮散処理すると、どろどろとした白色の固体2.31gが残った。メチルエステルを熱希HClで加水分解して、標題化合物を得た。逆相クロマトグラフィーによって精製してから凍結乾燥した後、標題化合物0.31gをガラス状の固体として得た。
1019.1.22HCl.1.15HOに対する計算値:C,46.13、H,8.15、N,15.09、Cl,15.53。
実測値:C,46.38、H,8.51、N,15.13、Cl,15.80
質量分析:M+1=214
(実施例NN)
Figure 2005532321
2S−アミノ−6−[(1−イミノエチル)アミノ]−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサンアミド水和物二塩酸塩
NN−1 Boc−L−Lys(Cbz)−OH(5g、13.18ミリモル)、5−アミノテトラゾール一水和物(1.36g、13.18ミリモル)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(5.1g、6.9mL、39.54ミリモル)を20mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶かした、周囲温度で攪拌中の溶液に、ヘキサフルオロリン酸ベンゾチリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)(6.4g、14.49ミリモル)を加えた。
1時間攪拌した後、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を60mLの酢酸エチル(EtOAc)と50mLの水とに分配した。層を分離した。有機層をKHSO4の1M溶液50mLで洗浄し、50mLの水で2回洗浄した。生成物が沈殿し始め、懸濁液を真空中で濃縮して、9gの粗製化合物を得た。乾燥させた後、塩化メチレン中で煮沸してから濾過して精製し、3.7gの1Aを得た(62.7%)。化合物をH NMRによって特徴付けた。
触媒水素化条件下、50%のEtOH/AcOH溶液中でPdブラックを使用し、NN−2(2g、4.5ミリモル)を5psiで12時間かけて還元して、1.55g(100%)のNN−2を得た。化合物をH NMRによって特徴付けた。
NN−3 NN−2(1.55g、4.15ミリモル)およびアセトイミド酸メチル塩酸塩(0.91g、8.31ミリモル)を25mLのDMFに溶かした攪拌中の溶液に、トリエチルアミン(TEA)(1.26g、1.74mL、12.45ミリモル)を加えた。周囲温度で16時間攪拌した後、反応混合物をトリエチルアミン二塩酸塩から濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を50%のAcOHに溶解させ、凍結乾燥した。C18カラムの逆相クロマトグラフィーを使用して粗生成物(2g)を精製し、0.9g(52.3%)の1Cを得た。生成物をH NMRによって特徴付けた。
NN−4 (0.9g、2.17ミリモル)を30mLの酢酸に溶解させ、3mLの4N HCl/ジオキサンを加えた。反応液を周囲温度で20分間攪拌し、次いで150mLのエチルエーテルを加えた。2時間後、沈殿を濾過し、エチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、0.78gの1(96%)を得た。C18O,2HCl,1.25HOに対する計算値:C,30.91、H,6.48、N,32.04、Cl,20.27。実測値:C,31.64、H,6.43、N,32.19、Cl,20.19。DSC融点144.9℃。
実施例NNは、2S−アミノ−6−[(1−イミノエチル)アミノ]ヘキサンアミド(NILアミド)またはNILジメチルアミドよりも強力なi−NOS阻害剤である。実施例1もより選択的である。実施例NNは、具合よく結晶性の生成物であり、その中間体もすべて同様である。対照的に、NILはガラスであり、そのために扱いにくくなっている。
c.生物学データ
以下のアッセイの一部または全部を使用して、本発明の化合物の一酸化窒素合成阻害活性を証明し、有用な薬理特性を検証する。
一酸化窒素シンターゼのシトルリンアッセイ
一酸化窒素シンターゼ(NOS)活性は、L−[2,3−H]−アルギニンのL−[2,3−H]−シトルリンへの変換をモニターして測定することができる(BredtおよびSnyder、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、第87巻、682〜685ページ、1990年、およびMooreら、J.Med.Chem.、第39巻、669〜672ページ、1996年)。ヒト誘導型NOS(hiNOS)、ヒト内皮構成型NOS(hecNOS)、およびヒトニューロン構成型NOS(hncNOS)をそれぞれ、ヒト組織から抽出したRNAからクローン化する。ヒト誘導型NOS(hiNOS)のcDNAは、潰瘍性大腸炎患者の大腸サンプルから抽出したRNAから作製したλcDNAライブラリーから単離する。ヒト上皮構成型NOS(hecNOS)のcDNAは、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)から抽出したRNAから作製したλcDNAライブラリーから単離し、ヒトニューロン構成型NOS(hncNOS)のcDNAは、死体から得たヒト小脳から抽出したRNAから作製したλcDNAライブラリーから単離する。バキュロウイルスベクターを使用して、Sf9昆虫細胞中に組換え酵素を発現させる(Rodiら、「The Biology of Nitric Oxide」の第4部:Enzymology,Biochemistry and Immunology、編集:Moncada,S.、Feelisch,M.、Busse,R.、Higgs,E.、英国ロンドンPortland Press Ltd.、1995年、447〜450ページ)。可溶性細胞抽出物から酵素活性を単離し、DEAE−セファロースクロマトグラフィーによって部分的に精製する。NOS活性を測定するために、試験化合物の存在下または不在下で、50mMのトリス(pH7.6)40μLに10μLの酵素を加え、50mMのトリス(pH7.6)、2.0mg/mLのウシ血清アルブミン、2.0mMのDTT、4.0mMのCaCl、20μMのFAD、100μMのテトラヒドロビオプテリン、0.4mMのNADPH、および60μMの[2,3−H]−アルギニン0.9μCi含有L−アルギニンを含有する50μLの反応混合物を加えて反応を開始する。このアッセイでは、L−アルギニンの最終濃度を30μMとする。hecNOSまたはhncNOSについては、カルモジュリンを40〜100nMの最終濃度で含める。37℃で15分間インキュベートした後、10mMのEGTA、100mMのHEPES、pH5.5、および1mMのL−シトルリンを含有する停止緩衝液にDowex 50W X−8陽イオン交換樹脂を懸濁させた懸濁液(樹脂1部、緩衝液3部)400μLを加えて反応を停止した。混合した後、樹脂が沈むようにし、一定分量の上清を液体シンチレーションカウンターによるカウントにかけて、L−[2,3−H]−シトルリンの生成を測定した。結果は、表IIでhiNOS、hecNOS、およびhncNOSに対する化合物のIC50値として報告する。
未処理細胞の亜硝酸塩アッセイ
RAW264.7細胞を96穴組織培養プレートに集密に播き、LPS存在下で終夜(17時間)増殖さると、NOSを誘導することができる。3〜6穴の一並びを未処理のままとし、非特異的なバックグラウンドを除外するために対照として使用する。各ウェルから培地を取り除き、細胞を、2mg/mlのグルコースを加えたKrebRingers−Hepes(25mM、pH7.4)で2回洗浄する。次いで、細胞を氷上に置き、L−アルギニン(30μM)+/−阻害剤を含有する50μLの緩衝液と共に1時間インキュベートする。アッセイは、プレートを水浴中で1時間かけて37℃に温めて開始することができる。細胞内iNOSによる亜硝酸塩の生成は、時間に正比例する。細胞アッセイを終わらせるために、細胞のプレートを氷上に置き、亜硝酸塩含有緩衝液を移し、これまでに発表されている亜硝酸塩の蛍光定量法を使用して、亜硝酸塩を分析することができる。T.P.Miskoら、Analytical Biochemistry、第214巻、11〜16ページ(1993年)。
ヒト軟骨外植片アッセイ
骨片をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(GibcoBRL)で2回、ダルベッコ変法イーグル培地(GibcoBRL)で1回洗浄し、フェノールレッドフリーの最小必須培地(MEM)(GibcoBRL)を含むペトリ皿に置いた。軟骨を切断して重さ約15〜45mgの小さな外植片にし、1ウェルあたり200〜500μLの培地を含む96穴または48穴培養皿に、1ウェルあたり1または2個の外植片を配置する。培地は、L−アルギニン、L−グルタミン、およびフェノールレッドなしで調製してある、Earle’s塩を含む最小必須培地(イーグル)(GibcoBRL)を特別に変更したもの、またはL−アルギニン、インシュリン、アスコルビン酸、L−グルタミン、およびフェノールレッドなしで調製してある、血清を含まないNeuman and Tytell(GibcoBRL)培地とした。どちらとも、使用前に、100μMのL−アルギニン(Sigma)、2mMのL−グルタミン、1倍のHL−1サプリメント(BioWhittaker)、50mg/mlのアスコルビン酸(Sigma)、および150pg/mlの組換え型ヒトIL−1β(RD Systems)を補充して、一酸化窒素シンターゼを誘導する。次いで、化合物を10μLの一定量で加え、外植片を5%のCOと共に37℃で18〜24時間インキュベートする。その日に、古い上清を捨て、組換え型ヒトIL−1βおよび化合物を含有する新鮮な培地に替え、さらに20〜24時間インキュベートする。蛍光アッセイによってこの上清の亜硝酸塩を分析する(Miskoら、Anal.Biochem.、第214巻、11〜16ページ、1993年)。すべてのサンプルで4通り行った。刺激を与えていない対照は、組換え型ヒトIL−1βなしの培地で培養する。6種類の阻害剤濃度での亜硝酸塩酸性の阻害百分率をプロットしてIC50値(表II)を決定する。
表IIは、本発明の化合物の一部についての生理活性の例を示す。
Figure 2005532321
in vivoアッセイ
ラットは、一酸化窒素シンターゼ阻害剤を経口投与し、またはそれを投与せずに1〜12.5mg/kgのエンドトキシン(LPS)の腹腔内注射によって処置することができる。処置してから5時間後に血漿亜硝酸塩/硝酸濃度を定量することができる。結果を使用して、一酸化窒素シンターゼ阻害剤の投与によって、エンドトキシンによって誘発された一酸化窒素産生を示す信頼できる指標である血漿亜硝酸塩/硝酸塩濃度上昇の低減を示すことができる。表IIIに示すように、実施例A((2S,5E)−2−アミノ−6−フルオロ−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸二塩酸塩)は、LPSによって誘発された血漿亜硝酸塩/硝酸塩濃度上昇を抑制し、<0.1mg/kgのED50値が認められ、誘導型一酸化窒素シンターゼ活性をin vivoで阻害できることが実証された。
Figure 2005532321
時間依存的な阻害のアッセイ
L−アルギニンを除くシトルリン酵素アッセイの構成成分の存在下、化合物を酵素と共に37℃で0〜60分の範囲の時間プレインキュベートすることによって、ヒトNOSアイソフォームが時間依存的に阻害されるかどうか化合物を評価する。0、10、21、および60分目に一定量(10μL)を取り除き、直ちにL−[2,3−H]−アルギニンを含有し、最終L−アルギニン濃度が100μLの最終体積中30μMであるシトルリンアッセイの酵素反応混合物に加える。反応は、37℃で15分間進行させ、停止緩衝液を加え、シトルリンNOSアッセイについて記載したようなDowex 50W X−8陽イオン交換イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーにかけて停止する。阻害剤によるNOS活性の阻害百分率は、阻害剤なしで同時間プレインキュベートした対照酵素に対する活性阻害百分率であるとみなした。表IVに示すデータは、阻害剤を酵素と共にインキュベートしてから21分後および60分後の阻害百分率である。
Figure 2005532321
気道上皮細胞でのin vitro研究
気管支擦過後の免疫細胞化学:Shandon Cytospin 3遠心分離機を使用して、喘息でない健康な個体から気管支擦過によって得た上皮細胞の調製を行った。スライドを風乾し、氷冷アセトンで10分間かけて固定した。0.02%(w/v)のアジ化ナトリウムを含有する1%(v/v)のPBS中H中に1時間スライドを浸漬して、内在する過酸化物の活性を失活させた。その後、スライドをPBS中で5分間かけて3回洗浄した。非特異的な結合を防止するために、スライドを5%(v/v)の正常なブタ血清と共に20分間インキュベートした。次いで、抗iNOS抗体(ウサギポリクローナル、アフィニティー精製された抗ヒトiNOS MoAb 720;ファルマシア社、ミズーリ州セントルイス)、または免疫前のウサギ血清を50倍希釈にして室温で1時間スライドに適用した。次いで、スライドを洗浄し、ビオチン標識されたブタ抗ウサギIgGと共に(1:200)室温で30分間インキュベートし、洗浄した。次いで、スライドをアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ中で(1:500)さらに30分間インキュベートした。スライドを再度洗浄し、ジアミノベンジジンを使用して抗原を可視化した。ヘマトキシリンを使用してスライドを10秒間対比染色し、上昇アルコール系列中で脱水し、キシレンを用いて透明にし、DPXを使用して取り付けた。次いで、光学顕微鏡で細胞を観察した。
ヒト気道内皮細胞の初代培養物:初代ヒト気道内皮細胞を以前に記載されているとおりに培養し(Donnelly,L.E.およびBarnes,P.J.、Am J Respir Cell Mol.Biol、第24巻:295〜303ページ(2000年)を参照のこと)、Miskoら、Anal.Biochem.第4巻:11〜16ページ(1993年)の分光蛍光分析法の変法を使用して、細胞培地中の安定なNOの酸化産物である亜硝酸塩の量を測定した。
培養した上皮細胞のiNOSウエスタンブロット:サイトカイン混合物のみ、またはそれと様々な濃度のL−NILと共にインキュベートした後、上皮細胞を、0.25mMのエチレンジアミノテトラ酢酸、0.5mMのフッ化フェニルメチルスルホニル、5μg/mlのアンチパイン、5μg/mlのロイペプチン、および5μg/mlのベンズアミニジンを含有する50mMのトリス/HCl、pH7.4に溶解させた。BioRadタンパク質アッセイキットを製造者の指示に従って使用し、タンパク質濃度を決定した。ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動のサンプル緩衝液(0.0625mMのトリス/HCl、pH6.8;10%v/vのグリセロール、1%のw/vSDS、1%w/vのβ−メルカプトエタノール、および0.01%w/vのブロモフェノールブルーを含有)中で細胞タンパク質を可溶化した。タンパク質(レーンあたり15μg)を、3〜8%(w/v)のトリス−酢酸塩SDS−ポリアクリルアミドゲルの電気泳動によって分解し、Hybond−Enhanced Chemiluminescence(ECL)ニトロセルロース膜に移した。ブロットを5%(v/v)の酢酸中0.1%(w/v)のポンソーSで染色して、同等なタンパク質ローティングを決定した。次いで、ニトロセルロースを、3%(w/v)の正常なヤギ血清、1%(w/v)のウシ血清アルブミン、および0.05%(v/v)のTween−20を含有する0.5Mのトリス−HCl、pH7.4中、4℃で終夜ブロックした。ブロットを0.05%(v/v)のTween−20を含有するPBS中で洗浄し、抗ヒトiNOS一次抗体(1:1000)の存在下で1時間インキュベートした。ブロットを広範囲に洗浄し、次いで、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合した抗ウサギIgGと共に(1:4000)1時間インキュベートした。ブロットを再度広範囲に洗浄し、ECL試薬を使用してバンドを可視化した。
iNOS活性に対するL−NILの効果および初代ヒト気道上皮細胞中での発現:正常な個体に由来するBrushing細胞は、iNOSの発現を示した。タンパク質は、基底細胞の細胞質のいたるところに均等に分布していたが、円柱状の繊毛細胞の繊毛の下方にはっきりと確認された。気道上皮細胞を50ng/mlのIL−1β、TNF−α、およびIFN−γ(サイトミックス)で24時間かけて処理すると、iNOSタンパク質の誘導が引き起こされ、細胞培地中の亜硝酸塩の蓄積が、サイトミックスなしの2.20±0.2μMからサイトミックス存在下での3.5±0.4μMに増大した。
iNOS活性に対するL−NILの効果および初代ヒト気道上皮細胞中での発現を図1および図2に示す。培地を収集し、亜硝酸塩含有量を測定した(図1)。3〜8%トリス−酢酸塩ポリアクリルアミドゲル上で細胞タンパク質を展開し、iNOSタンパク質の免疫ブロットを行った(図2)。
図1は、細胞培地にL−NILを加えることによって、培地中の亜硝酸塩の増加が用量依存的に抑制されたことを示す(IC50 5.7μM)。図2は、免疫ブロットによって検出されたように、L−NILを含めてもiNOS発現に影響が及ばないので、亜硝酸塩の生成が、iNOSタンパク質発現の阻害を媒介とするものではないことを示す。むしろ、予想通り、酵素活性が阻害されるためであると思われる。
臨床試験
英国ロンドンにある国立心臓肺研究所(National Heart and Lung Institute)(NHLI)の臨床試験ユニット(Clinical Studies Unit)において、単施設試験を実施した。臨床プロトコールは、Royal Brompton Hospital Trustの倫理委員会によって提起され受諾されたものであり、GCPに従って試験を行った。各被験者から、書面によるインフォームドコンセントを得た。
24人の健常成人志願者と24人の軽度の喘息患者がこの試験に参加した。被験者は全員、生来の非喫煙者である。喘息患者(n=24)は、米国胸部学会基準(American Thoracic Society Criteria)による軽度の喘息に罹患しており、薬物療法は、必要に応じてアルブテロールの吸入のみを基本としている。患者は、努力肺活量1秒量(FEV)が>70%であり、短時間作用型β2アゴニストでの可逆性が>15%であることが記録されており、FEV(PC20)を20%低下させるメタコリンまたはヒスタミンの誘発濃度が<8.0mg/mlであった。さらに、喘息患者は、皮膚穿刺試験で少なくとも1種の一般的な吸入アレルゲン(ヤケヒョウダニ、雑草花粉、またはネコのフケ)に対して陽性であることが記録されており、試験前の4週間に喘息の悪化または呼吸器管の感染があるものはなかった。喘息患者は全員、ベースラインの呼気NOレベルが>15十億分率(ppb)であった。健常人対照(n=24)被験者は、年齢および性別をマッチさせ、臨床上重要な疾患に罹患していなかった。健常被験者には、ベースラインの呼気NOレベルが4ppbと9ppbの間であることが要求される。
試験には、経口化合物NNまたはプラセボを、二重盲検無作為式に単回投与した健康な志願者と喘息患者からなる2つのパネルが含まれた。試験は、試験化合物NNの用量による2段階で実施した。第1のパネルは、化合物NN20mgおよびプラセボを単回投与した軽度〜中等度の喘息患者(n=12)と健常被験者(n=12)からなり、第2のパネルは、化合物NN200mgおよびプラセボを単回投与した軽度〜中等度の喘息患者(n=12)と健常被験者(n=12)からなっていた。この試験の両方のパネルに参加した患者または被験者はいなかった。第1のパネルの評価は、第2のパネルに移る前に完了した。試験では、経口投与した化合物NNの忍容性および薬物動態、ならびにモニターした呼気NOレベルを評価した。
呼出NOの測定:呼出NOは、化学発光分析装置(Logan 2000、英国ロチェスター)および国際ガイドラインに従う方法を使用して測定した。分析装置は、50〜200ppbの確認済みNO混合物(BOC Special gases、英国ギルフォード)を使用して毎日較正し、時間単位で周囲空気NOを記録した。対象に、測定前に激しい運動を控えるように要求した。被験者は各自、測定を行う前に少なくとも5分間腰を掛け、手順の間も腰掛けたままであった。被験者は、始めに残気量まで吐き出した後、即座に全肺気量まで吸入した。健常被験者では吸息が迅速であり、<2.5秒であるが、喘息患者では<4秒であった。分析装置のNOをゼロに合わせた後、被験者が、全肺気量から、弱い抵抗(5〜20cmのHO)に対し、250ml/秒の一定の安定した流速で、化学発光分析装置に取り付けられた内径の広いTeflon(登録商標)管に15〜20秒間かけて吐き出した。サンプル採取は、250ml/分の速度で行った。NO安定期応答は、期間が少なくとも10秒間であるものと解釈した。2回連続で記録を取り、平均値を算出した。
臨床データの統計的方法:ShapiroWilks検定を使用して、ベースラインからの変化および百分率の変化を含む呼出NOデータの正規性を検定した。偏差が有意であることがわかり、したがって、ノンパラメトリックな統計方法を使用した。Wilcoxon符合付き順位和検定を使用して、ベースラインからの変化を検定した。ベースラインからの変化および百分率の変化についての曲線下面積(AUC)、ならびに活性薬とプラセボの差を算出した。正規性の検定によって、偏差が有意であることがわかったので、ノンパラメトリックな統計方法を使用した。全体としての変化の有意性は、Wilcoxon符合付き順位和検定を使用して、AUCを0と比較して検定した。各パネル内の治療間の差は、クロスオーバー研究のノンパラメトリックな分析を使用して検定した。2パネルの2種の活性薬用量(20mgと200mg)間の差は、Wilcoxon順位和検定を使用して検定した。
一秒努力肺活量(FEV1)および心拍数データは、Shapiro−Wilks検定を使用しても正規性からの有意なずれを示さず、したがってパラメトリックな統計方法を使用し、ベースラインからの変化の有意性を、対応のあるt−順位和検定(paired t−rank test)を使用して検定した。
正常な被験者および喘息患者におけるiNOS阻害の効果:プラセボ、および20mgもしくは200mg用量の化合物NNを投与した後の正常な被験者および喘息患者の呼出NOレベルを図3に示す。(A)化合物NN(20mg)および(B)化合物NN(200mg)を経口投与した後の呼気一酸化窒素(NO)レベルの変化は、軽度〜中等度の喘息患者(塗りつぶしの三角形)とプラセボ(中空三角形)、ならびに健常被験者(塗りつぶし円形)とプラセボ(中空円形)とを比較して示す。垂直の矢印は、化合物NNまたはプラセボの投与時期を表す。平均値を示してある(n=12)。
図3は、プラセボでは、4群の被験者のいずれでも、呼出NO変化のAUCがほとんど0と変わらなかったことを示した。両方の用量の化合物NNを投与した後、72時間評価する間、両方の健康な志願者と喘息患者の両方で呼出NOの急速な減少に大きな有意差があった。さらに、200mgの化合物NNを与えた被験者のNO変化のAUCの差は、健常志願者(p<0.001)および喘息患者(p=<0.01)のいずれでも、20mgの化合物NNを与えた被験者(p=0.004)のAUCよりも顕著であった。
図4は、化合物NNの経口投与が、FEV、血圧、および心拍数に与える効果を示す。化合物NN(200mg)を経口投与した後のFEVの変化を、(A)軽度〜中等度の喘息患者(塗りつぶし三角形)とプラセボ(中空三角形)、ならびに健常被験者(塗りつぶし円形)とプラセボ(中空円形)とで比較したもの。(B)化合物NN(200mg)を経口投与した後の収縮期血圧の変化(塗りつぶしの四角形)をプラセボ(中空四角形)と比較したもの、ならびに化合物NN(200mg)を経口投与した後の拡張期血圧の変化(塗りつぶしの菱形)をプラセボ(中空菱形)と比較したもの。(C)200mgの化合物NNを経口投与した後の心拍数の変化(塗りつぶしの三角形)をプラセボ(中空三角形)と比較したもの。垂直の矢印は、各用量の化合物NNまたはプラセボの投与時期を表す。平均値を示してある(n=12)。
図4は、化合物NNが、心拍数、血圧、およびFEVに明らかな影響を及ぼすことなく十分に許容されたことを示す。さらに、血液学または血液生化学に関する影響はなかった。
選択的iNOS阻害剤化合物NNは、すべての被験者に十分に許容され、健常志願者および喘息患者のどちらに経口投与した後も、急速な呼気NOの減少を引き起こした。さらに、呼気NOの減少状態は、どちらの群でも3日間続いた。肺機能、血圧、および心拍数、あるいは実験室での血液学および生化学パラメーターに有意な変化はなかった。非選択的NOS阻害剤であるL−NMMAを静脈内投与した研究では、動物およびヒトの両方で高血圧が引き起こされた。eNOSの遺伝子を欠いている変異体マウスの高血圧についての記述(Huang,P.L.ら、Nature、第377巻:239〜42ページ(1995年))は、L−NMMAが、eNOSの阻害によって高血圧を引き起こすことを示している。したがって、化合物NNの優れた忍容性は、この化合物が、試験した用量ではeNOSをそれほど阻害しないことを示唆しており、喘息に加え、他の炎症状態でもiNOS阻害剤の研究が奨励される。
単回投与後、呼出NOが長期間低下することは、この化合物の投与計画を調整して、1日1回の投与が可能になり得ることを示唆する。NOに対する効果は、迅速に始まり、用量に相関することが実証された。より大量の200mgの用量は、用量応答曲線の平坦部に見出される過最大用量となり得る。さらに、200mgの用量は、喘息において呼出NOの95%の抑制をもたらすが、これは、高用量のL−NMMA(Yates,D.H.ら、Am J Respir Crit Care Med、第152巻:892〜896ページ(1995年))やL−NAME(Gomez,F.P.ら、Eur Respir J、第12巻:865〜871ページ(1998年))などの非特異的阻害剤、ならびにより選択的なアミノグアニジン(Yates,D.H.ら、Am J Respir Crit Care Med、第154巻:247〜250ページ、(1996年))で得られた約70%の阻害を上回っている。iNOSの完全な阻害が選択的に実現されたことを想定して、健康な志願者および喘息患者では、構成型のnNOSおよびeNOS、ならびに外部からの大気中の供給源によって、<1ppbの残呼出NOが生じる。
展開中の一連の調査が、ヒトの喘息におけるNOの重要な役割を証拠付けている。選択的iNOS阻害剤は、げっ歯類のアレルギー性気道炎症モデルにおいて、好酸球の肺への浸潤を抑制し(Koarai,A.ら、Pulm.Pharmacol Ther.第13巻:267〜275ページ(2000年))、それに関連して、肺のケモカイン発現が低減し(Trifilieff,A.ら、J Immunol、第165巻:1526〜33ページ(2000年))、iNOS欠損マウスにおいてアレルギー性気道炎症が抑制される(Xiong,Y.ら、The Journal of Immunology、第162巻:445〜52ページ(1999年))ことが示されている。気体のNOは、喘息患者の呼気中でより多い量が検出可能であり(たとえば、Stirling,R.G.ら、Thorax、第53巻:1030〜34ページ(1998年)を参照のこと)、喘息患者の気管支生検材料(Saleh,D.ら、FASEB J、第12巻:929〜37ページ(1998年))ではペルオキシ亜硝酸(Sadeghi−Hashjin,G.ら、Clin Exp Allergy、第28巻:1464〜73ページ(1998年))が増加している。また、呼気凝縮物(Hanazawa,T.ら、Am J Respir Crit Care Med、第162巻:1273〜76ページ(2000年))、ならびに喘息で死亡した患者の肺実質および気道(Kaminsky,D.A.ら、J.Allergy Clin Immunol、第104巻:747〜54ページ(2000年))では、ニトロチロシンが増加している。最近では、S−ニトロソチオールが、低酸素に対する換気反応のシグナル伝達を行い、ニューロン組織および他の組織で一酸化窒素シンターゼ(NOS)が活性化されるとき、S−ニトロソグルタチオンが生成することがわかっている(Lipton,A.J.ら、Nature、第413巻:171〜74ページ(2001年)).
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に選択的iNOS療法を使用する、治療上の理論的根拠もある(たとえば、Barnes,P.J.、N Engl J Med、第343巻:269〜80ページ(2000年)を参照のこと)。呼出NOをCOPDの実際的なマーカーとして使用することについては、まだ議論の最中にあるが(Maziak,W.ら、Am J Respir Crit Care Med、第157巻:998〜1002ページ(1998年)、Corradi,M.ら[処理中の引用]、Thorax、第54巻:572〜75ページ(1999年)、およびRutgers,S.R.ら、Thorax、第54巻:576〜80ページ(1999年)を比較参照のこと)、喀痰細胞中では、ニトロチロシンおよびiNOSがより多くなっている(Ichinose,M.ら、Am J Respir Crit Care Med、第162巻:701〜6ページ(2000)年)。NOが反応性のオキシダント種によって消費されるという可能性が残っており、これによって、安定した重症COPDの患者の呼出NOレベルが低下していることの説明がつく(Clini,E.ら、Thorax、第53巻:881〜3ページ(1998年)。また、NOの吸入は、慢性COPDの治療に使用されている(Ashutosh,K.ら、Thorax、第55巻:109〜13ページ(2000年))。
c.投与量、製剤、および投与経路
本発明の方法で有用なiNOS選択的阻害剤化合物の多くは、少なくとも2種の不斉炭素原子をもっていてよく、したがって、ジアステレオ異性体や鏡像異性体などのラセミ体および立体異性体を純粋な形および混合物として含む。このような立体異性体は、従来の技術を使用して、鏡像異性体の出発材料を反応させるか、または本発明の化合物の異性体を分離して調製することができる。異性体には、二重結合を挟んだ幾何異性体、たとえばシス異性体またはトランス異性体が含まれる。このような異性体はすべて、本発明の方法で有用な化合物に含めて考える。この方法は、iNOS選択的阻害剤化合物の互変異性体、塩、溶媒和物、およびプロドラッグも企図する。
本発明の方法では、選択的iNOS阻害剤の適切な投与経路には、このような化合物と対象の身体中、たとえば、特に気管、気管支、および肺からなる気道中のその作用部位とを接触させる任意の手段が含まれる。より詳細には、適切な投与経路には、経口吸入または経鼻吸入を含む吸入、鼻腔内経粘膜投与、経口、静脈内、皮下、直腸、局所、頬側(すなわち舌下)、筋肉内、および皮内投与が含まれる。
呼吸器の疾患および状態の予防または治療について、状態には、喘息状態、慢性気管支炎および気腫を含むCOPD、および嚢胞性線維症、ならびに気道または肺の炎症を含む、呼吸器または肺の他の障害が含まれるが、この方法は、化合物それ自体または薬剤学的に許容できるその塩としてのiNOS選択的阻害剤の使用を含む。用語「薬剤学的に許容できる塩」は、アルカリ金属塩の生成および遊離の酸または遊離塩基の付加塩の生成に一般に使用される塩を含む。塩の性質は、それが薬剤学的に許容できるという条件付きで、クリティカルでない。薬剤学的に許容できる塩は、水への溶解性が対応する親化合物または中性化合物よりも高いので、本発明の方法の製品として特に有用である。そのような塩は、薬剤学的に許容できるアニオンまたはカチオンを持っていなければならない。本発明の化合物の適切な薬剤学的に許容できる酸の付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。そうした無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸である。適切な有機酸には、脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族(araliphatic)、複素環、カルボキシル、およびスルホンのクラスの有機酸が含まれ、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、シクロオキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸である。本発明の化合物の薬剤学的に許容できる適切な塩基の付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛からできる金属塩、またはN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、コリン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、およびプロカインからできる有機の塩が含まれる。本発明の化合物の薬剤学的に許容できる適切な酸の付加塩には、可能であるとき、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、(炭酸塩および炭酸水素アニオンを含む)炭酸、スルホン酸、および硫酸などの無機酸から誘導されたもの、ならびに酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸、およびトリフルオロ酢酸などの有機酸から誘導されたものが含まれる。医療目的では塩化物塩が特に好ましい。薬剤学的に許容できる適切な塩基の塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、およびマグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類塩が含まれる。これらの塩はすべて、相応する酸または塩基と共役塩基または共役酸である化合物とをそれぞれ反応させて、本発明の化合物の対応する共役塩基または共役酸から、従来の手段によって調製することができる。
一実施形態では、本発明の方法で有用なiNOS選択的阻害剤を、医薬組成物の形で、許容できる担体と共に提供する。担体は、医薬組成物の他の成分と適合性があるという意味で許容できなければならず、対象に有害であってはならない。担体に適する形態には、固体もしくは液体、またはその両方が含まれ、代表的な実施形態では、担体は、単位投与組成物、たとえば約0.05重量%〜約95重量%の活性化合物を含有する錠剤としての治療用化合物に配合する。代替実施形態では、本発明の別の化合物を含む他の薬理活性物質も存在する。本発明の医薬化合物は、本質的に諸成分の混合からなる周知のいずれかの薬学技術によって調製する。
好ましい単位投与製剤は、本明細書の以下で記載するように、組成物の1種または複数の治療用化合物の有効な用量またはその適切な画分を含有するものである。
一般に、iNOS選択的阻害剤の総1日用量は、約0.001mg/体重kg/日〜約2500mg/体重kg/日の範囲にある。成人の用量範囲は、一般に1日約0.005mg〜約10gである。別々の単位で提供される錠剤または他の形態の体裁は、治療用化合物を、その剤形またはその剤形の複数回分で有効となる量だけ都合よく含んでいてよい。たとえば、本発明で使用する選択的iNOS阻害化合物は、5mg〜500mg、通常は約10mg〜約200mgを含有する単位にして提供することができる。本発明で使用するPDE阻害化合物は、0.005mg〜500mg、通常は約5mg〜約200mgを含有する単位にして提供することができる。
一般に、PDE阻害剤の総1日用量は、約0.001mg/体重kg/日から約2500mg/体重kg/日の範囲にある。成人の用量範囲は、一般に1日約0.005mg〜約10gである。特に、約1mg〜約500mgの範囲の成人向け1日投与量を企図する。たとえば、PDE−III阻害剤アムリノンを含む組成物の静脈内投与製剤は、大量瞬時投与のための0.5μg/kgを含み、その後毎分2〜20μg/kgを注入する。PDE−III阻害剤のミルリノンを含む組成物の静脈内投与製剤は、大量瞬時投与のための50μg/kgを含み、その後毎分0.25〜1.0μg/kgを注入する。
PDE−IV阻害剤の1日投与量は、広い範囲で様々としてよく、特定の各症例で個体の要件に合わせることになる。一般に、成体への投与については、適切な1日投与量を以下に記載したが、適宜、好ましいものであると確認された範囲を超えてもよい。1日投与量は、1回で、または数回に分けて投与することができる。様々な送達系として、たとえば、カプセル剤、錠剤、食品、およびゼラチンカプセル剤が上げられる。
PDE IV阻害剤を投与するための正確な投与量および投与計画は、必然的に、使用する化合物の作用の効力および持続時間、治療する疾患の性質および重症度、ならびに治療を受ける患者の性別、年齢、体重、全身の健康状態、および個々の応答性、さらに他の関連する状況に応じて変わる。限定するものではないが、PDE IV阻害剤のロフルミラスト向けに通常処方される投与量の例は、ヒトの鼻炎の治療で約0.5mgを1日1回であると報告されている。Schmidt,M.ら、J.Allergy Clin.Immunol.第108巻(4):530〜536ページ(2001年)を参照されたい。ヒトでは、ロフルミラストが、吸入で約0.01〜0.5mg/体重kg、全身療法では1日約0.05〜2mg/体重kgを投与したときに有効であることが報告されている。米国特許第5,712,298号を参照のこと。
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別々の単位で提供される錠剤または他の形態の体裁は、治療用化合物を、その剤形またはその剤形の複数回分で有効となる量だけ都合よく含んでいてよい。たとえば、本発明で使用する選択的iNOS阻害化合物は、5mg〜500mg、通常は約10mg〜約200mgを含有する単位にして提供することができる。
治療用化合物の薬剤学的に許容できる塩の場合では、上で示した重量は、その塩から誘導される治療化合物の酸の当量または塩基の当量からなる重量を指す。
本明細書に記載の方法について、所望の対生物効果を実現するのに必要な選択的iNOS阻害化合物の量は、選択した個々の特定の1種または複数の化合物、特定の用途、投与経路、対象の臨床状態、対象の年齢、体重、性別、および食事を含むいくつかの要因に応じて変わることを理解されたい。
前段落で種々の治療化合物について述べた1日用量は、1回で、または細かく分けて複数回で投与する。細分用量は、1日2〜6回投与する。一実施形態では、各用量を、所望の対生物効果を得るのに有効な徐放性形態にして投与する。
経口にせよ経鼻にせよ、本発明の方法に従う吸入による送達には、当業界でよく知られているように、吸入による送達向けにエアロゾル化することのできる製剤を含めることができる。計量済み用量吸入器またはネブライザーによってエアロゾルが送達される。どちらも装置でも、約1ミクロン〜約5ミクロンの好ましい範囲の粒子を含むある範囲の粒径を送達することができる。約10ミクロンより大きな粒子は、最初に口腔および中咽頭に沈着し、0.5ミクロンより小さい粒子は、肺胞へと吸入され、次いで肺で十分に沈着しないまま吐き出される。これに代わる吸入療法用の装置は、たとえばラクトースまたはグルコース粉末を使用して治療用化合物を運ぶ、乾燥粉末吸入器である。吸入療法のすべての形態について、1回換気量、呼吸速度、および息こらえ時間を含む、粒径および装置の型以外の要因も、肺での沈着量を左右する。したがって、本発明の方法による吸入療法の指示を受ける個人には、ゆっくりと深く息をつき、その度に数秒間、好ましくは約5〜10秒間息をこらえることも指示すべきである。通常、本発明の方法による治療用化合物の合計1日用量は、b.i.d〜q.i.d(すなわち1日2回、1日3回、または1日4回)と必要時、または必要時のみに1〜4吹きとして投与する。
本発明の方法による経口送達には、当業界でよく知られているように、いくつかの機構によって薬物を呼吸器系に長時間または持効性に送達するための製剤を含めることができる。それには、小腸のpH変化に従う剤形からのpH感応性放出、崩壊の緩慢な錠剤またはカプセル剤、製剤の物理的性質による胃での滞留、消化管粘膜内側への剤形の生体付着、または酵素による剤形からの活性薬の放出が含まれるがこれに限らない。
本発明の方法による経口送達は、固体、半固体、または液体剤形を使用して実現することができる。適切な半固体および液体形態には、たとえば、ゲルカプセルに含まれたシロップまたは液体が含まれる。
本発明の方法を実施するために、経口投与に適する医薬組成物は、本発明の方法で有用な少なくとも1種の治療用化合物をそれぞれが所定の量だけ含有するカプセル剤、カシェ剤、トローチ剤、もしくは錠剤などの、別々の単位;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液;または油中水もしくは水中油エマルジョンとしての体裁でよい。
d.各実施形態の実施例
以下の非限定的な実施例を用いて、本発明の様々な態様を例示する。
(実施例1)
医薬組成物
表VIに記載する、組成物の100mg錠は、湿式造粒法を使用して調製することができる。
Figure 2005532321
(実施例2)
医薬組成物
表VIIに記載する、組成物の100mg錠は、直接打錠法を使用して調製することができる。
Figure 2005532321
併用例
表VIIIは、限定するのではなく例として、本発明の多くの併用例をいくつか例示するものであり、併用例は、ある量のiNOS阻害剤とある量のPDE阻害剤とを含み、iNOS阻害剤の量とPDE阻害剤の量は、iNOS阻害剤およびPDE阻害剤について呼吸器の疾患または状態に有効な量を全体として構成している。
Figure 2005532321
本明細書に記載の例は、包括的にまたは詳細に記載してある治療用化合物または不活性成分を、前述の例で使用したものの代わりに使用して実施してよい。
本明細書で示した説明および実例は、他の当業者に本発明、その原理、およびその実際の適用例を知らせるものである。当業者ならば、本発明の数多くの形態を、特定の用途の要件に最も合うように改変および応用することができよう。したがって、記載した本発明の特定の実施形態は、本発明について網羅的または限定的でないものである。
L−NILの存在下または不在下で、50ng/mlのIL−1β、TNF−α、およびIFN−γ(cyt)の存在下、初代ヒト気道上皮細胞を24時間培養した後の培地中硝酸塩含有量を示すグラフである。 3〜8%トリス−酢酸塩ポリアクリルアミドゲル上で細胞タンパク質を展開し、iNOSタンパク質の免疫ブロットを行った結果を示す図である。 (A)20mgのiNOS選択的阻害剤(化合物NN)および(B)200mgの化合物NNを経口投与した後の呼気一酸化窒素(NO)レベルの変化を、軽度〜中等度の喘息患者(塗りつぶし三角形)とプラセボ(中空三角形)、ならびに健常被験者(塗りぶつし円形)とプラセボ(中空円形)とを比較して示すグラフである。 化合物NNの経口投与が、FEV、血圧、および心拍数に与える効果を示すグラフである。

Claims (46)

  1. 呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象におけるそのような治療、予防、または抑制のための方法であって、前記対象に、iNOSブロッカーまたは薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
  2. 前記iNOSブロッカーがiNOS選択的阻害剤である、請求項1に記載の方法。
  3. iNOSブロッカーまたは薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを合わせて投与することが、呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制のための、呼吸器の疾患または状態に有効な方法を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記iNOS阻害剤が次式
    Figure 2005532321
    [式中、Rは、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、およびC1〜4ハロアルキルから選択される]によって表されるまたは薬剤学的に許容できるその塩である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記iNOS阻害剤が、
    S−((R)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
    S−((S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
    S−((R)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
    S−((S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)ブチル)−L−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ,2−シクロプロピル)エチル)−L−システイン、および
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ,3−ヒドロキシ)プロピル)−L−システイン、
    または薬剤学的に許容できるその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能し得る誘導体からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記iNOS阻害剤が、
    式Iの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、Rは、H、ハロ、および1個または複数のハロで任意に置換されていてもよいアルキルからなる群から選択され、
    は、H、ハロ、および1個または複数のハロで任意に置換されていてもよいアルキルからなる群から選択され、
    ただし、RまたはRの少なくとも一方はハロを含み、
    は、Hおよびヒドロキシからなる群から選択され、
    Jは、ヒドロキシ、アルコキシ、およびNRからなる群から選択され、
    は、H、低級アルキル、低級アルキレニル、および低級アルキニルからなる群から選択され;
    は、H、およびその環の少なくとも1員が炭素原子であり、1個〜約4個のヘテロ原子が酸素、窒素、および硫黄からそれぞれ独立に選択されている複素環からなる群から選択され、前記複素環は、ヘテロアリールアミノ、N−アリール−N−アルキルアミノ、N−ヘテロアリールアミノ−N−アルキルアミノ、ハロアルキルチオ、アルカノイルオキシ、アルコキシ、ヘテロアラルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ニトロ、低級アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、アミドスルホニル、モノアルキルアミドスルホニル、ジアルキルアミドスルホニル、モノアリールアミドスルホニル、アリールスルホンアミド、ジアリールアミドスルホニル、モノアルキルモノアリールアミドスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイル、ハロアルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレンジオキシ、ハロアルキレンジオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルケニルアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシハロアルキル、ヒドロキシアラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシヘテロアラルキル、ハロアルコキシアルキル、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、飽和ヘテロシクリル、部分的に飽和したヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボキサミドアルキル、ジカルボキサミドアルキル、シアノカルボアルコキシアルキル、カルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、シアノシクロアルキル、ジシアノシクロアルキル、カルボキサミドシクロアルキル、ジカルボキサミドシクロアルキル、カルボアルコキシシアノシクロアルキル、カルボアルコキシシクロアルキル、ジカルボアルコキシシクロアルキル、ホルミルアルキル、アシルアルキル、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキル、ホスホノアルキル、ジアルコキシホスホノアルコキシ、ジアラルコキシホスホノアルコキシ、ホスホノアルコキシ、ジアルコキシホスホノアルキルアミノ、ジアラルコキシホスホノアルキルアミノ、ホスホノアルキルアミノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキル、グアニジノ、アミジノ、およびアシルアミノで任意に置換されていてもよい];
    式IIに相当する構造を有する化合物
    Figure 2005532321
    [式中、Xは、−S−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され、R12は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ−Cアルキル、およびC〜Cアルキルチオ−Cアルキルからなる群から選択され、これらの基はそれぞれ、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基で任意に置換されていてもよく、R18は、−OR24および−N(R25)(R26)からなる群から選択され、R13は、−H、−OH、−C(O)−R27、−C(O)−O−R28、および−C(O)−S−R29からなる群から選択されるか;あるいはR18は−N(R30)−であり、R13は−C(O)−であり、R18とR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しているか;あるいはR18は−O−であり、R13は−C(R31)(R32)−であり、R18とR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しており、R13が−C(R31)(R32)−である場合、R14は−C(O)−O−R33であり、そうでない場合、R14は−Hであり、R11、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cアルコキシ−Cアルキルからなる群から選択され、R19およびR20は、それぞれ独立に、−H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cアルコキシ−Cアルキルからなる群から選択され、R21は、−H、−OH、−C(O)−O−R34および−C(O)−S−R35からなる群から選択され、R22は、−H、−OH、−C(O)−O−R36、および−C(O)−S−R37からなる群から選択されるか;あるいはR21は−O−であり、R22は−C(O)−であり、R21とR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しているか;あるいはR21は−C(O)−であり、R22は−O−であり、R21とR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しており、R23は、Cアルキルであり、R24は、−HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、R24がC〜Cアルキルであるとき、R24は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で任意に置換されていてもよく、R25は、−H、アルキル、およびアルコキシからなる群から選択され、R26は、−H、−OH、アルキル、アルコキシ、−C(O)−R38、−C(O)−O−R39、および−C(O)−S−R40からなる群から選択され、ここで、R25およびR26が、それぞれ独立にアルキルまたはアルコキシであるとき、R25およびR26は、それぞれ独立に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で任意に置換されていてもよく;あるいはR25は−Hであり、R26は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、およびR40は、それぞれ独立に、−Hおよびアルキルからなる群から選択され、ここでアルキルは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で任意に置換されていてもよく、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、およびR40のいずれかが、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される部分であるとき、その部分は、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基によって任意に置換されていてもよい];
    式IIIによって表される化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R41は、Hまたはメチルであり、
    42は、Hまたはメチルである];
    式IVの化合物
    Figure 2005532321
    式Vの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R43は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    44は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    45は、C〜Cアルキル、またはアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルである];
    式VIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R46は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよい];
    式VIIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R47は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    48は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    49は、C〜Cアルキル、またはアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルである];
    式VIIIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R50は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよい];
    式IXの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R50は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロによって任意に置換されていてもよく、
    51は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよく、
    52は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよく、
    53は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよく、
    54は、ハロおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよい];
    式Xの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R55は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで任意に置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで任意に置換されていてもよい];
    式XIの化合物
    Figure 2005532321
    式XIIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R79は、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、およびC1〜4ハロアルキルから選択される];
    式XIII、XIV、またはXVの化合物
    Figure 2005532321
    式XIII、
    Figure 2005532321
    式XIV、または
    Figure 2005532321
    式XV
    [式中、
    Aは、−R56、−OR56、C(O)N(R56)R57、P(O)[N(R56)R57、−N(R56)C(O)R57、−N(R76)C(O)OR56、−N(R56)R76、−N(R71)C(O)N(R56)R71、−S(O)56、−SONHC(O)R56、−NHSO77、−SONH(R56)H、−C(O)NHSO77、および−CH=NOR56であり、
    各X、Y、およびZは、それぞれ独立に、NまたはC(R19)であり、
    各Uは、NまたはC(R60)であり、ただし、Uは、XがNであり、ZおよびYがCR74であるときのみNであり、
    Vは、N(R59)、S、O、またはC(R59)Hであり、
    各Wは、NまたはCHであり、
    Qは、直接結合、−C(O)−、−O−、−C(=N−R56)−、S(O)、および−N(R61)−からなる群から選択され、
    mは、0、または1〜4の整数であり、
    nは、0、または1〜3の整数であり、
    qは、0または1であり、
    rは、0または1であり、ただし、QおよびVがヘテロ原子であるとき、m、q、およびrは、すべてが0になることはできず、
    Aが−OR56、N(R56)C(O)R57、−N(R71)C(O)OR57、−N(R56)R76、−N(R71)C(O)N(R56)R71、−S(O)56(tは0である)、または−NHSO77であるとき、n、q、およびrは、すべてが0になることはできず、Qがヘテロ原子であり、Aが−OR56、N(R56)C(O)R57、−N(R71)C(O)OR57、−N(R56)R76、N(R71)C(O)N(R56)R71、−S(O)56(tが0であるとき)、または−NHSO77であるとき、mおよびnは、両方とも0になることはできず、
    tは、0、1、または2であり、
    Figure 2005532321
    は、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルであり、
    Figure 2005532321
    は、置換されていてもよいカルボシクリルまたは置換されていてもよいN−ヘテロシクリルであり、
    各R56およびR57は、水素、置換されていてもよいC〜C20アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、−[C〜Cアルキル]−R64、−[C〜Cアルケニル]−R64、−[C〜Cアルキニル]−R64、−[C〜Cアルキル]−R65(ヒドロキシで置換されていてもよい)、−[C〜C]−R66(ヒドロキシで置換されていてもよい)、置換されていてもよいヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
    あるいはR56とR57は、その結合相手の窒素原子と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、
    58は、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、ハロアルキル、−[C〜Cアルキル]−C(O)N(R56)R57、−[C〜Cアルキル]−N(R56)R57、−[C〜Cアルキル]−R63、−[C〜Cアルキル]−R65、−[C〜Cアルキル]−R66、およびヘテロシクリル(ハロ、アルキル、アルコキシ、およびイミダゾリルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    あるいはQが−N(R58)−、またはR58への直接結合であるとき、R58はさらに、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、および−C(=NR73)−NHでよく、
    あるいは−Q−R58は、一緒になって−C(O)OH、−C(O)N(R56)R57、または
    Figure 2005532321
    を表し、
    59は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、
    ただし、Aが−R56または−OR56であるとき、R59は水素になることができず、VがCHであるとき、R59はさらにヒドロキシでもよく、
    60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ハロアルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアリール、−OR71、−S(O)−R71、N(R71)R76、N(R71)C(O)N(R56)R71、N(R71)C(O)OR71、N(R71)C(O)R71、−[C〜Cアルキル]−C(H)[C(O)R71、および−[C〜Cアルキル]−C(O)N(R56)R71からなる群から選択され、
    61は、水素、アルキル、シクロアルキル、−[C〜Cアルキル]−R63、−[C〜C]アルキル]−R65、−[C〜Cアルキル]−R66、アシル、−C(O)R63、−C(O)− −[C〜Cアルキル]−R63、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、置換されていてよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アリールスルホニルアミノカルボニル、置換されていてもよいN−ヘテロシクリル、−C(=NH)−N(CN)R56、−C(O)R78−N(R56)R57、−C(O)−N(R56)R78−C(O)OR56からなる群から選択され、
    各R63およびR64は、それぞれ独立に、ハロアルキル、シクロアルキル(ハロ、シアノ、アルキル、またはアルコキシで置換されていてもよい)、カルボシクリル(ハロ、アルキル、およびアルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)、およびヘテロシクリル(アルキル、アラルキル、またはアルコキシで置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    各R65は、それぞれ独立に、ハロ、アルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアラルコキシ、置換されていてもよい−S(O)−R77、アシルアミノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(トリフェニルメチル)アミノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルスルホンアミドからなる群から選択され、
    各R66は、それぞれ独立に、シアノ、ジ(アルコキシ)アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルからなる群から選択され、
    各R67、R68、R69、R70、R72、およびR75は、それぞれ独立に、水素またはアルキルであり、
    各R71は、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、またはシクロアルキルであり、
    73は、水素、NO、またはトルエンスルホニルであり、
    各R74は、それぞれ独立に、水素、アルキル(ヒドロキシで置換されていてもよい)、シクロプロピル、ハロ、またはハロアルキルであり、
    各R76は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、−C(O)R77、または−SO77であり、あるいは
    76は、R56、およびこれらの結合相手の窒素と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、あるいは
    76は、R71、およびこれらの結合相手の窒素と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、
    各R77は、それぞれ独立に、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいアラルキルであり、
    78は、アミノ酸残基である];および
    PPA250
    Figure 2005532321
    または前記誘導型一酸化窒素シンターゼ阻害剤のいずれかの薬剤学的に許容できる塩もしくはプロドラッグからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  7. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、PDE−III阻害剤およびPDE−IV阻害剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、PDE−III阻害剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、PDE−IV阻害剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、次の構造
    Figure 2005532321
    を有するロフルミラストまたは薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記の呼吸器の疾患または状態が、アレルゲン誘発性喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性喘息、冷気誘発性喘息、ウイルス誘発性喘息、正常気流の慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎、気腫、喘息様気管支炎、嚢胞症、嚢胞性線維症、鳩愛好者病、農夫肺、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、呼吸もしくは吸入傷害、肺の脂肪閉塞、肺のアシドーシス炎症、急性肺水腫、急性高山病、心臓手術後、急性肺性高血圧、新生児の持続性肺性高血圧、周産器呼吸器症候群、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン−プロタミン反応、敗血症、喘息発作重積状態、および低酸素症からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記の呼吸器の疾患または状態が、喘息状態およびCOPDからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記の呼吸器の状態が喘息状態である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記の喘息状態がアレルゲン誘発性喘息である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記の喘息状態が汚染誘発性喘息である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記の喘息状態が運動誘発性喘息である、請求項13に記載の方法。
  17. 前記の喘息状態がウイルス誘発性喘息である、請求項13に記載の方法。
  18. 前記の喘息状態が冷気誘発性喘息である、請求項13に記載の方法。
  19. 前記の呼吸器の状態が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記の呼吸器の状態が気腫である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記の呼吸器の状態が慢性気管支炎である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記の呼吸器の状態が正常気流の慢性気管支炎である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記の呼吸器の状態が慢性閉塞性気管支炎である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記の呼吸器の状態が喘息様気管支炎である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記の呼吸器の状態が嚢胞症である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記の呼吸器の状態が嚢胞性線維症である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記の呼吸器の状態が気管支拡張症である、請求項1に記載の方法。
  28. iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとPDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを投与することが、対象に、少なくとも1日1回、経口的に、吸入によって、経腸的に、または非経口的に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  29. iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを、対象に実質的に同時に投与する、請求項1に記載の方法。
  30. iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを、対象に逐次的に投与する、請求項1に記載の方法。
  31. 炎症性要素を有する呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象における、その治療、予防、または抑制のための方法であって、前記対象に、ある用量のiNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、ある用量のPDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを投与することを含み、前記iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの前記用量と、前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの前記用量が合わさって、前記の呼吸器の疾患または状態を治療、予防、または抑制する治療有効量となる方法。
  32. ある量のiNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、ある量のPDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとを含む、呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象におけるその治療、予防、または抑制のための組成物。
  33. iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの量と、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグの量が合わさって、呼吸器の疾患または状態の抑制、予防、または阻止に有効な量となる、請求項32に記載の組成物。
  34. 吸入による対象への送達用に、組成物をエアロゾル化するための薬剤学的に許容できるエアロゾル化剤をさらに含む、請求項32に記載の組成物。
  35. 前記iNOS阻害剤が次式
    Figure 2005532321
    [式中、Rは、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、およびC1〜4ハロアルキルから選択される。]によって表されるかまたは薬剤学的に許容できるその塩である、請求項32に記載の組成物。
  36. 前記iNOS阻害剤が、
    S−((R)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
    S−((S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−L−システイン、
    S−((R)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
    S−((S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)プロピル)−D−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ)ブチル)−L−システイン、
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ,2−シクロプロピル)エチル)−L−システイン、および
    S−((R/S)−2−(1−イミノエチルアミノ,3−ヒドロキシ)プロピル)−L−システイン、
    または薬剤学的に許容できるその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能し得る誘導体からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  37. 前記iNOS阻害剤が、
    次式Iの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、Rは、H、ハロ、および1個または複数のハロで置換されていてもよいアルキルからなる群から選択され、
    は、H、ハロ、および1個または複数のハロで置換されていてもよいアルキルからなる群から選択され、
    ただし、RまたはRの少なくとも一方はハロを含み、
    は、Hおよびヒドロキシからなる群から選択され、
    Jは、ヒドロキシ、アルコキシ、およびNRからなる群から選択され、
    は、H、低級アルキル、低級アルキレニル、および低級アルキニルからなる群から選択され;
    は、H、およびその環の少なくとも1員が炭素原子であり、1個〜約4個のヘテロ原子が酸素、窒素、および硫黄からそれぞれ独立に選択されている複素環からなる群から選択され、前記複素環は、ヘテロアリールアミノ、N−アリール−N−アルキルアミノ、N−ヘテロアリールアミノ−N−アルキルアミノ、ハロアルキルチオ、アルカノイルオキシ、アルコキシ、ヘテロアラルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ニトロ、低級アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、アミドスルホニル、モノアルキルアミドスルホニル、ジアルキルアミドスルホニル、モノアリールアミドスルホニル、アリールスルホンアミド、ジアリールアミドスルホニル、モノアルキルモノアリールアミドスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイル、ハロアルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレンジオキシ、ハロアルキレンジオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルケニルアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシハロアルキル、ヒドロキシアラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシヘテロアラルキル、ハロアルコキシアルキル、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、飽和ヘテロシクリル、部分的に飽和したヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボキサミドアルキル、ジカルボキサミドアルキル、シアノカルボアルコキシアルキル、カルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、シアノシクロアルキル、ジシアノシクロアルキル、カルボキサミドシクロアルキル、ジカルボキサミドシクロアルキル、カルボアルコキシシアノシクロアルキル、カルボアルコキシシクロアルキル、ジカルボアルコキシシクロアルキル、ホルミルアルキル、アシルアルキル、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキル、ホスホノアルキル、ジアルコキシホスホノアルコキシ、ジアラルコキシホスホノアルコキシ、ホスホノアルコキシ、ジアルコキシホスホノアルキルアミノ、ジアラルコキシホスホノアルキルアミノ、ホスホノアルキルアミノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキル、グアニジノ、アミジノ、およびアシルアミノで置換されていてもよい。];
    次式IIに相当する構造の化合物
    Figure 2005532321
    [式中、Xは、−S−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され、R12は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ−Cアルキル、およびC〜Cアルキルチオ−Cアルキルからなる群から選択され、これらの基はそれぞれ、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、R18は、−OR24および−N(R25)(R26)からなる群から選択され、R13は、−H、−OH、−C(O)−R27、−C(O)−O−R28、および−C(O)−S−R29からなる群から選択されるか;あるいはR18は−N(R30)−であり、R13は−C(O)−であり、R18とR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しているか;あるいはR18は−O−であり、R13は−C(R31)(R32)−であり、R18とR13が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しており、R13が−C(R31)(R32)−である場合、R14は−C(O)−O−R33であり、そうでない場合、R14は−Hであり、R11、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cアルコキシ−Cアルキルからなる群から選択され、R19およびR20は、それぞれ独立に、−H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cアルコキシ−Cアルキルからなる群から選択され、R21は、−H、−OH、−C(O)−O−R34、および−C(O)−S−R35からなる群から選択され、R22は、−H、−OH、−C(O)−O−R36、および−C(O)−S−R37からなる群から選択されるか;あるいはR21は−O−であり、R22は−C(O)−であり、R21とR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しているか;あるいはR21は−C(O)−であり、R22は−O−であり、R21とR22が、その結合相手の原子と一緒になって環を形成しており、R23は、Cアルキルであり、R24は、−HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、R24がC〜Cアルキルであるとき、R24は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよく、R25は、−H、アルキル、およびアルコキシからなる群から選択され、R26は、−H、−OH、アルキル、アルコキシ、−C(O)−R38、−C(O)−O−R39、および−C(O)−S−R40からなる群から選択され;ここで、R25およびR26は、それぞれ独立にアルキルまたはアルコキシであるとき、R25およびR26は、それぞれ独立に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよく;あるいはR25は−Hであり、R26は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、およびR40は、それぞれ独立に、−Hおよびアルキルからなる群から選択され、アルキルは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される1個または複数の部分で置換されていてもよく、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、およびR40のいずれかが、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される部分であるとき、その部分は、−OH、アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよい];
    次式IIIによって表される化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R41は、Hまたはメチルであり、
    42は、Hまたはメチルである];
    次式IVの化合物
    Figure 2005532321
    次式Vの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R43は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    44は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    45は、C〜Cアルキル、またはアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルである];
    次式VIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R46は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい];
    次式VIIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R47は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    48は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、およびアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルからなる群から選択され、
    49は、C〜Cアルキル、またはアルコキシもしくは1個または複数のハロで置換されたC〜Cアルキルである];
    次式VIIIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R50は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい。];
    次式IXの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R50は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロによって置換されていてもよく、
    51は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
    52は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
    53は、水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよく、
    54は、ハロおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい];
    次式Xの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R55は、C〜Cアルキルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロまたはアルコキシで置換されていてもよく、前記アルコキシは、1個または複数のハロで置換されていてもよい];
    次式XIの化合物、
    Figure 2005532321
    次式XIIの化合物
    Figure 2005532321
    [式中、R79は、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、およびC1〜4ハロアルキルから選択されている];
    次式XIII、XIV、またはXVの化合物
    Figure 2005532321
    式XIII、
    Figure 2005532321
    式XIV、または
    Figure 2005532321
    式XV
    [式中、
    Aは、−R56、−OR56、C(O)N(R56)R57、P(O)[N(R56)R57、−N(R56)C(O)R57、−N(R76)C(O)OR56、−N(R56)R76、−N(R71)C(O)N(R56)R71、−S(O)56、−SONHC(O)R56、−NHSO77、−SONH(R56)H、−C(O)NHSO77、および−CH=NOR56であり、
    各X、Y、およびZは、それぞれ独立に、NまたはC(R19)であり、
    各Uは、NまたはC(R60)であり、ただし、Uは、XがNであり、ZおよびYがCR74であるときのみNであり、
    Vは、N(R59)、S、O、またはC(R59)Hであり、
    各Wは、NまたはCHであり、
    Qは、直接結合、−C(O)−、−O−、−C(=N−R56)−、S(O)、および−N(R61)−からなる群から選択され、
    mは、0、または1〜4の整数であり、
    nは、0、または1〜3の整数であり、
    qは、0または1であり、
    rは、0または1であり、ただし、QおよびVがヘテロ原子であるとき、m、q、およびrは、すべてが0になることはできず、
    Aが−OR56、N(R56)C(O)R57、−N(R71)C(O)OR57、−N(R56)R76、−N(R71)C(O)N(R56)R71、−S(O)56(tは0である)、または−NHSO77であるとき、n、q、およびrは、すべてが0になることはできず、Qがヘテロ原子であり、Aが−OR56、N(R56)C(O)R57、−N(R71)C(O)OR57、−N(R56)R76、N(R71)C(O)N(R56)R71、−S(O)56(tが0であるとき)、または−NHSO77であるとき、mおよびnは、両方とも0になることはできず、
    tは、0、1、または2であり、
    Figure 2005532321
    は、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルであり、
    Figure 2005532321
    は、置換されていてもよいカルボシクリルまたは置換されていてもよいN−ヘテロシクリルであり、
    各R56およびR57は、水素、置換されていてもよいC〜C20アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、−[C〜Cアルキル]−R64、−[C〜Cアルケニル]−R64、−[C〜Cアルキニル]−R64、−[C〜Cアルキル]−R65(ヒドロキシで置換されていてもよい)、−[C〜C]−R66(ヒドロキシで置換されていてもよい)、置換されていてもよいヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
    あるいはR56とR57は、その結合相手の窒素原子と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、
    58は、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、ハロアルキル、−[C〜Cアルキル]−C(O)N(R56)R57、−[C〜Cアルキル]−N(R56)R57、−[C〜Cアルキル]−R63、−[C〜Cアルキル]−R65、−[C〜Cアルキル]−R66、およびヘテロシクリル(ハロ、アルキル、アルコキシ、およびイミダゾリルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    あるいはQが−N(R58)−、またはR58への直接結合であるとき、R58はさらに、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、および−C(=NR73)−NHでよく、
    あるいは−Q−R58は、一緒になって−C(O)OH、−C(O)N(R56)R57、または
    Figure 2005532321
    を表し、
    59は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、
    ただし、Aが−R56または−OR56であるとき、R59は水素になることができず、VがCHであるとき、R59はさらにヒドロキシでもよく、
    60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ハロアルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアリール、−OR71、−S(O)−R71、N(R71)R76、N(R71)C(O)N(R56)R71、N(R71)C(O)OR71、N(R71)C(O)R71、−[C〜Cアルキル]−C(H)[C(O)R71、および−[C〜Cアルキル]−C(O)N(R56)R71からなる群から選択され、
    61は、水素、アルキル、シクロアルキル、−[C〜Cアルキル]−R63、−[C〜C]アルキル]−R65、−[C〜Cアルキル]−R66、アシル、−C(O)R63、−C(O)− −[C〜Cアルキル]−R63、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、置換されていてよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アリールスルホニルアミノカルボニル、置換されていてもよいN−ヘテロシクリル、−C(=NH)−N(CN)R56、−C(O)R78−N(R56)R57、−C(O)−N(R56)R78−C(O)OR56からなる群から選択され、
    各R63およびR64は、それぞれ独立に、ハロアルキル、シクロアルキル(ハロ、シアノ、アルキル、またはアルコキシで置換されていてもよい)、カルボシクリル(ハロ、アルキル、およびアルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)、およびヘテロシクリル(アルキル、アラルキル、またはアルコキシで置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    各R65は、それぞれ独立に、ハロ、アルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアラルコキシ、置換されていてもよい−S(O)−R77、アシルアミノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(トリフェニルメチル)アミノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルスルホンアミドからなる群から選択され、
    各R66は、それぞれ独立に、シアノ、ジ(アルコキシ)アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルからなる群から選択され、
    各R67、R68、R69、R70、R72、およびR75は、それぞれ独立に、水素またはアルキルであり、
    各R71は、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、またはシクロアルキルであり、
    73は、水素、NO、またはトルエンスルホニルであり、
    各R74は、それぞれ独立に、水素、アルキル(ヒドロキシで置換されていてもよい)、シクロプロピル、ハロ、またはハロアルキルであり、
    各R76は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、−C(O)R77、または−SO77であり、あるいは
    76は、R56、およびこれらの結合相手の窒素と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、あるいは
    76は、R71、およびこれらの結合相手の窒素と一緒になって、置換されていてもよいN−ヘテロシクリルになり、
    各R77は、それぞれ独立に、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいアラルキルであり、
    78は、アミノ酸残基である];および
    PPA250
    Figure 2005532321
    または前記誘導型一酸化窒素シンターゼ阻害剤のいずれかの薬剤学的に許容できる塩もしくはプロドラッグからなる群から選択される、請求項32に記載の組成物。
  38. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、PDE−III阻害剤からなる群から選択される、請求項32に記載の組成物。
  39. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、PDE−IV阻害剤からなる群から選択される、請求項32に記載の組成物。
  40. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、PDE−III/IV二重阻害剤からなる群から選択される、請求項32に記載の組成物。
  41. 前記PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグが、次の構造
    Figure 2005532321
    を有するロフルミラストまたは薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含む、請求項32に記載の組成物。
  42. 呼吸器の疾患または状態の治療、予防、または抑制を必要とする対象におけるその治療、予防、または抑制のためのキットであって、iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含む第1の剤形と、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含む第2の剤形とを含み、用量が一緒になって、呼吸器の疾患または状態を治療、予防、または抑制用に治療上有効な量の、iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグおよびPDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグを含むキット。
  43. iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとが、別の剤形中にある、請求項42に記載のキット。
  44. iNOS選択的阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、PDE阻害剤または薬剤学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグとが、単一の剤形中にある、請求項42に記載のキット。
  45. 吸入装置をさらに含む、請求項42に記載のキット。
  46. ネブライザーをさらに含む、請求項42に記載のキット。
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