JP2005523722A - 改善されたウイルス精製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ウイルス(特に、レオウイルス)を精製する改善された方法に関する。感染性ウイルスは、高力価のウイルスを産生するために界面活性剤を用いて細胞培養物から抽出され得、次いでこのウイルスは、濾過およびカラムクロマトグラフィーのような単純な工程により精製され得る。本発明に従って調製されたウイルスおよびこれらのウイルスを含む組成物もまた提供される。本発明の方法は、細胞の培養物からウイルスを産生するための方法であって、(a)該ウイルスによって感染された細胞の培養物を提供する工程;(b)界面活性剤を該培養物に添加し、そして細胞溶解産物をもたらす時間にわたってインキュベートすることにより、該ウイルスを該細胞から抽出する工程;(c)細胞の破片を除去する工程;および(d)該ウイルスを収集する工程を包含する方法が提供される。

Description

(関連出願)
本出願が、米国仮出願第60/377,273号(2002年4月30日出願)および同第60/443,176号(2003年1月29日出願)の利益を主張する。これらの先の出願の開示全体は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、ウイルスを細胞培養物から抽出する方法に関する。特に、この方法は、哺乳動物(ヒトを含む)に臨床的に投与するために適切な感染性ウイルスを抽出するために有用である。
(参考文献)
Figure 2005523722
Figure 2005523722
Figure 2005523722
上記または本願の他の箇所に引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、各々の個々の刊行物、特許出願または特許が、その全体が参考として援用されると具体的かつ個別に示されたとの同程度まで、その全体が本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
ウイルスによって引き起こされる非常に多数の疾患に起因して、ウイルス学は、集中して研究された分野である。ウイルスタンパク質を単離して精製するため、ワクチンを産生するため、または実験室での研究のために感染性ウイルスを提供するために、ウイルスを効率的に産生する必要性が常に存在している。近年、ウイルス治療の新たな開発は、感染性ウイルスの効率的産生についての必要性をさらに必要とさせた。
レオウイルス治療は、ウイルス治療の一例である。レオウイルスは、多数の細胞に結合し得る二本鎖RNAウイルスである。しかし、大部分の細胞は、レオウイルス感染が可能でなく、そしてその細胞レセプターへのレオウイルスの結合は、非ウイルス性複製またはウイルス粒子産生をこれらの細胞においてをもたらす。これはおそらく、レオウイルスが何らかの特定の疾患と関連することが公知ではない理由である。
ras癌遺伝子で形質転換した細胞がレオウイルス感染感受性になり、一方それらの形質転換していない対応物はレオウイルス感染感受性ではないことが近年見出された(Strongら,1998)。例えば、レオウイルス耐性NIH 3T3細胞を活性化RasまたはSos(Rasを活性化するタンパク質)で形質転換した場合、レオウイルス感染が増強された。同様に、レオウイルス感染に耐性であるマウス線維芽細胞は、EGFレセプター遺伝子またはv−erbB癌遺伝子(これらは両方とも、ras経路を活性化する)でのトランスフェクション後に感受性になった(Strongら,1993;Strongら,1996)。従って、レオウイルスは、活性化されたRas経路を有する細胞内に選択的に感染し得、そして複製し得る。
ras癌遺伝子は、大きな百分率の哺乳動物腫瘍の原因を占める。ras遺伝子自体の活性化変異は、全てのヒト腫瘍のうちの約30%において(主に、膵臓癌(90%)、散在性結腸直腸癌(50%)および肺癌(40%)、ならびに骨髄性白血病(30%)において)生じる(Bos,1989)。ras経路におけるrasの上流または下流の因子の活性化もまた、腫瘍に関連する。例えば、HER2/Neu/ErbB2または上皮増殖因子(EGF)レセプターの過剰発現は、乳癌(25%〜30%)において普通であり、そして血小板由来増殖因子(PDGF)レセプターまたはEGFレセプターの過剰発現は、神経膠腫および神経膠芽細胞腫(40%〜50%)において一般的である。EGFレセプターおよびPDGFレセプターは両方とも、それらのそれぞれのリガンドへの結合によってrasを活性化することが公知であり、そしてv−erbBは、細胞外ドメインを欠く、構成的に活性化されるレセプターをコードする。
多数のヒト腫瘍が原癌遺伝子rasの遺伝的変化または高いRas活性の原因であるので、レオウイルス治療は、このような状態に関する新たな、有望な治療である(Coffeyら,1998)。レオウイルス治療は、Ras関連腫瘍細胞に高度に選択的であり、そして正常細胞を未感染のままにする。この治療は、広範な適用を有し、そしてヒトおよび非ヒト動物の両方において用いられ得る。
臨床投与に適切なレオウイルスを産生するために、培養細胞においてレオウイルスを産生する迅速かつ効率的な方法が必要である。さらに、培養細胞からウイルスを精製する伝統的方法は、退屈であり、時間がかかり、ウイルス産生のコストを高くしすぎる。それゆえ、ウイルス精製のための改善された方法もまた必要とされている。
(発明の要旨)
本発明は、小規模ウイルス産生および大規模ウイルス産生の両方に適用され得る、細胞培養物からウイルスを抽出および精製する改善された方法に関する。この方法は、界面活性剤が細胞培養物に直接的に添加される、単純な抽出工程を含む。その後、細胞の破片は、抽出混合物から、例えば、濾過または遠心分離によって除去され得る。得られるウイルス懸濁物は、クロマトグラフィー方法によりさらに濃縮および/または富化され得る。本発明に従って調製されたウイルスは、任意の目的(ウイルスタンパク質の精製、ワクチン接種、宿主細胞の感染および臨床投与が挙げられる)のために用いられ得る。
従って、本発明の1つの局面は、細胞の培養物からウイルスを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程:
(a)このウイルスによって感染された細胞の培養物を提供する工程;
(b)界面活性剤をこの培養物に添加し、そして細胞溶解産物をもたらす時間にわたってインキュベートすることにより、このウイルスを該細胞から抽出する工程;
(c)細胞の破片を除去する工程;および
(d)このウイルスを収集する工程
を包含する。
任意の方法を用いて、工程(c)において細胞の破片を除去し得る(すなわち、細胞溶解産物を清澄にし得る)。この方法は好ましくは、細胞溶解産物中のウイルスと他の構成要素との間のサイズまたは密度の差に基づく単純な方法(例えば、濾過または遠心分離)である。より詳細には、濾過(特に、段階的濾過)が用いられる。適切な段階的濾過は、おり大きな孔サイズを有するプレフィルター、続いて、プレフィルターの孔サイズよりも小さな孔サイズを有する少なくとも別のフィルターを含む。好ましい実施形態では、この細胞の破片は、以下を含む段階的濾過によって除去される:
(1)5μMまたは8μMの孔サイズを有するプレフィルターを通して濾過する工程、および
(2)工程(1)の後に、3μMおよび0.8μMの孔サイズを有する組み合わせフィルターを通して濾過する工程。
この細胞溶解産物は、必要に応じて、長い粘着性細胞DNAを切断するために、ベンゾナーゼ(benzonase)または他のDNA切断酵素を用いて処理され得る。
細胞の破片を濾過によって除去した後、濾液は、ウイルス懸濁物の体積を減らすために必要に応じて濃縮され得る。ウイルス濃縮に適切な任意の方法(好ましくは、限外濾過またはダイアフィルトレーション(接線流濾過を含む))が用いられ得る。例示的な方法としては、プレートフレーム(Plate and Frame)系および中空繊維系が挙げられる。より好ましくは、中空繊維系が用いられる。
本発明の方法は、任意のウイルス(好ましくは、エンベロープに包まれていないウイルス、最も好ましくはレオウイルス)の産生において適用され得る。レオウイルスは、好ましくは哺乳動物レオウイルスであり、より好ましくはヒトレオウイルスであり、なおより好ましくは血清型3レオウイルスであり、そして最も好ましくはDearing株レオウイルスである。レオウイルスは、組換えレオウイルスであり得る。組換えレオウイルスは、異なるサブタイプのレオウイルスを用いた細胞(例えば、哺乳動物細胞または鳥類細胞)の共感染によって生成され得る。組換えレオウイルスは、天然に存在してもよく、または天然に存在しなくてもよい。組換えレオウイルスは、2以上の株のレオウイルス(特に、Dearing株、Abney株、Jones株、およびLang株からなる群より選択される2以上の株のレオウイルス)由来であり得る。組換えレオウイルスはまた、(例えば、血清型1レオウイルス、血清型2レオウイルスおよび血清型3レオウイルスからなる群より選択される)異なる血清型由来のレオウイルスの再組み合わせから生じ得る。組換えレオウイルスは、天然に存在する改変体コートタンパク質コード配列または変異体コートタンパク質コード配列を含み得る。
本発明において用いられる細胞培養物は、所望のウイルスの産生に適切な任意の細胞を含み得る。レオウイルスについて、この細胞は、好ましくはヒト胚性腎臓293(HEK 293)細胞またはそれらに由来する細胞(特に、懸濁培養状態での増殖に適応させたHEK 293細胞)である。
この方法は、イオン交換クロマトグラフィーの工程を必要に応じて含み得、ここで、このウイルスは、適切な結合および条件下でのイオン交換樹脂への結合により富化される。次いで、このウイルスは、適切な溶出溶液を用いてイオン交換体から溶出される。イオン交換体および結合/溶出条件の選択は、精製されるウイルスによって変化する。レオウイルスについては、陰イオン交換体および約7.0〜9.0のpHが最も有効である。このpHは好ましくは、約7.5〜約8.5であり、そして最も好ましくは約8.0である。
このウイルスはまた、サイズ排除クロマトグラフィーを使用することにより精製され得る。特に、イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーの組み合わせが用いられ得る。
本発明の別の局面は、本明細書中に記載される方法のいずれかに従って精製されたウイルスを含む組成物を提供する。この組成物は好ましくは、臨床投与(特に、ヒトへの臨床投与)に適切である。より詳細には、この組成物は、約学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアを含む。
本発明の別の局面は、感染性レオウイルスを産生する方法を提供し、この方法は、以下:
(a)レオウイルスによって感染したHEK 293細胞の培養物を提供する工程;
(b)Triton X−100をこの培養物に添加し、そして約25℃〜約37℃でインキュベートすることによりこのウイルスをこの細胞から抽出する工程;
(c)工程(b)からの混合物をベンゾナーゼで処理する工程;
(d)細胞の破片を濾過によって除去する工程;
(e)濾液を限外濾過またはダイアフィルトレーションによって濃縮する工程;
(f)このレオウイルスをイオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーの組み合わせによって精製する工程;ならびに
(g)このレオウイルスを収集する工程
を包含する。
また提供されるのは、この方法に従って収集されたレオウイルスを含む組成物(特に、薬学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアをさらに含む組成物)である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、小規模ウイルス産生および大規模ウイルス産生の両方に適用され得る、ウイルスを細胞培養物から抽出および精製する、改善された方法に関する。この方法は、界面活性剤が細胞培養物に直接的に適用される単純な抽出工程を含む。その後、細胞破片は、抽出混合物から、例えば、濾過または遠心分離によって除去され得る。得られるウイルス懸濁物は、クロマトグラフィー方法によってさらに濃縮および/または富化され得る。本発明に従って調製されたウイルスは、任意の目的(ウイルスタンパク質の精製、ワクチン接種、宿主細胞の感染および臨床投与を含む)に使用され得る。
本発明をさらに詳細に記載する前に、本願において用いられる用語は、そうでないと示されない限り、以下の通りに定義される。
(定義)
本明細書中で用いられる場合、「ウイルス感染」とは、細胞内へのウイルスの侵入およびその後の、その細胞内でのそのウイルスの複製をいう。
本明細書中で用いられる場合、「感染多重度」とは、細胞に接触させるためにウイルスを用いる場合のウイルス数の、細胞数に対する比をいう。
本明細書中で用いられる場合、「細胞溶解」とは、細胞の細胞膜の破壊、およびその後のその細胞の内容物の全てまたは一部の放出をいう。
本明細書中で用いられる場合、「培養条件」とは、細胞培養において用いられる条件をいい、温度、培養容器の型、湿度、この培養容器において用いられるCO濃度または任意の他のガスの濃度、培養培地の型、培養される細胞の初期密度、および細胞がウイルスで感染される場合、初期感染多重度が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書中で用いられる場合、「細胞培養物」または「細胞の培養物」とは、それらの培養条件において見出されるような培養細胞の集団を意味する。特に、細胞培養物は、細胞および培養培地を含む。ペレット化した細胞は、培養条件下で培養培地中に再度配置されない限り、細胞培養物とはみなされない。
本明細書中で用いられる場合、「細胞に会合した」ウイルスとは、そのウイルスが産生された細胞の一部に結合しているかまたは捕捉されているウイルスをいう。従って、ウイルスは、宿主細胞が溶解される前は、細胞に会合している。細胞溶解が始まるとき、ウイルスは、破壊された細胞の一部に依然として結合したままであり得るかまたは捕捉されたままであり得、そして細胞に会合したままであり得る。しかし、このウイルスが培地中に遊離放出された場合、これは、もはや細胞に会合していない。「無細胞ウイルス」は、細胞に会合していないウイルスである。
本明細書中で用いられる場合、ウイルスを「抽出する」とは、細胞に会合したウイルスを無細胞ウイルスへと変換する作用をいう。
本明細書中で用いられる場合、「界面活性剤」は、親水性末端および疎水性末端を有する物質である。界面活性剤は好ましくは、合成化合物であり、より好ましくは生分解性合成化合物である。本発明において有用な界面活性剤は、細胞膜の破壊を増強して、破壊された細胞の内容物の放出を促進する。
本明細書中で用いられる場合、細胞培養物への界面活性剤の添加後に「インキュベートする」とは、細胞培養物を界面活性剤と一定時間混合させる作用をいう。
本明細書中で用いられる場合、ウイルスを「収集する」とは、予めこのウイルスに感染させた細胞培養物から産生されたウイルスを収集する作用をいう。このウイルスは代表的に、細胞の破片をこのウイルスから分離し、そしてこのウイルスを含む部分を収集することによって収集される。必要に応じて、このウイルスは、可溶性物質から(例えば、遠心分離により)さらに分離され得る。
本明細書中で用いられる場合、「室温」とは、約10℃と約30℃との間の温度をいう。室温は好ましくは、約15℃と約30℃との間であり、より好ましくは約20℃と約25℃との間であり、そして最も好ましくは約25℃である。
本明細書中で用いられる場合、「細胞変性効果」は、細胞が膨潤して外観が顆粒状になり、そして細胞塊が破壊されることにより示される。細胞変性効果を示す細胞はまた、生体細胞計数において染色色素を取り込む。
本明細書中で用いられる場合、「接着細胞」とは、細胞培養物において培養容器に接着する細胞をいう。接着細胞の例としては、単層細胞が挙げられ、単層細胞は、培養容器の表面に細胞の単一層を形成する細胞である。「懸濁細胞」または「懸濁した細胞」とは、細胞培養物において培養容器に接着しない細胞をいう。懸濁細胞は、「回転培養」において増殖され得、回転培養は、培養プロセスの間に培養培地が連続的に攪拌される培養である。
本明細書中で用いられる場合、細胞は、細胞膜が破断され、そして細胞内容物の少なくとも一部がその細胞から放出される場合、「破壊」される。細胞は、例えば、凍結−融解処理、超音波処理または界面活性剤処理により破壊され得る。
本明細書中で用いられる場合、「細胞の生存率」または「生存したままの細胞の百分率」は、集団中の細胞変性効果を示さない細胞の百分率である。
本明細書中で用いられる場合、「エンベロープに包まれていないウイルス」は、エンベロープを有さないウイルスである。例えば、エンベロープに包まれていないウイルスは、以下の科に属する任意のウイルスであり得る:Adenoviridae(例えば、アデノウイルス)、Picornaviridae(例えば、ポリオウイルス)、Reovirudae(例えば、レオウイルス)、Papovarviridae(例えば、パピローマウイルス)、Parvoviridae(例えば、キルハムラットウイルス)またはIridoviridae(例えば、ティプラ(tipula)イリデスセントウイルス)。
本明細書中で用いられる場合、「レオウイルス」とは、天然に存在しようが、改変型であろうが、または組換え型であろうが、レオウイルス属に分類される任意のウイルスをいう。レオウイルスは、二本鎖の分節型RHAゲノムを有するウイルスである。ビリオンは、60nm〜80nmの直径に達し、そして2つの同心円状のキャプシド殻を有し、その各々が正二十面体である。このゲノムは、10〜12個の別個のセグメントの二本鎖RNAからなり、総ゲノムサイズは、16kbp〜27kbpである。ここのRNAセグメントは大きさが変動する。3つの別個であるが関連する型のレオウイルスが、多くの種から回収されている。3つ全ての型は、共通の補体結合抗原を共有する。
ヒトレオウイルスは、3つの血清型からなる:1型(Lang株またはTIL株)、2型(Jones株、T2J株)および3型(Dearing株またはAbney株、T3D株))。これらの3つの血清型は、中和アッセイおよび血球凝集素阻害アッセイ(例えば、Fields,B.N.ら,1996を参照のこと)に基づいて容易に識別可能である。
このレオウイルスは、天然に存在してもよく、または改変型であってもよい。このレオウイルスは、天然の供給源から単離され得、そして実験室において人為的に意図的に改変されていない場合、「天然に存在する」。例えば、このレオウイルスは、「野外供給源」由来、すなわち、レオウイルスに感染したヒト由来であり得る。
このレオウイルスは、改変され得るが、活性なras経路を有する哺乳動物細胞を依然として溶解感染し得る。このレオウイルスは、増殖中の細胞への投与の前に、(例えば、プロテアーゼ(例えば、キモトリプシンまたはトリプシン)を用いた処理によって)化学的または生化学的に前処理され得る。プロテアーゼを用いた前処理は、このウイルスの外側のコートまたはカプシドを除去し、そしてこのウイルスの感染性を増大させ得る。このレオウイルスは、リポソームまたはミセル中にコーティングされ得る(ChandronおよびNibert,1998)。例えば、ビリオンは、ミセル形成濃度の硫酸アルキル界面活性剤の存在下で、キモトリプシンを用いて処理されて、新たな感染性サブビリオン粒子を生成し得る。
このレオウイルスは、2以上の遺伝的に別個のレオウイルス由来のゲノムセグメントの組換え/再組み合わせから生じる組換えレオウイルスであり得る。レオウイルスのゲノムセグメントの組換え/再組み合わせは、少なくとも2つの遺伝的に別個のレオウイルスによる宿主生物の感染後に天然に生じ得る。組換えビリオンはまた、(例えば、遺伝的に別個のレオウイルスによる許容性宿主細胞の共感染(Nibertら,1995)により)細胞培養において生成され得る。
従って、本発明は、2以上の遺伝的に別個のレオウイルス(ヒトレオウイルス(例えば、1型(例えば、Lang株)、2型(例えば、Jones株)、および3型(例えば、Dearing株またはAbney株)、非ヒト哺乳動物レオウイルス、または鳥類レオウイルスを含むがこれらに限定されない)由来のゲノムセグメントの再組み合わせから生じた組換えレオウイルスを意図する。本発明はさらに、2以上の遺伝的に別個のレオウイルス由来のゲノムセグメントの再組み合わせから生じる組換えレオウイルスを意図し、ここで、少なくとも1つの親ウイルスは、遺伝子操作されているか、1以上の化学合成されたゲノムセグメントを含むか、化学的変異原もしくは物理的変異原で処理されているか、またはそれ自体が組換え事象の結果である。本発明はさらに、化学的変異原(硫酸ジメチルおよび臭化エチジウムを含むがこれらに限定されない)または物理的変異原(紫外光および他の形態の放射線を含むがこれらに限定されない)の存在下で組換えを受けた組換えレオウイルスを意図する。
本発明はさらに、宿主細胞ゲノムとの組換えの結果としてさらなる遺伝的情報を含むか、または合成遺伝子を含む、1以上のゲノムセグメントにおける欠失または複製を含む組換えレオウイルスを意図する。
このレオウイルスは、変異したコートタンパク質(例えば、σ1)のビリオン外側キャプシドへの取り込みにより改変され得る。このタンパク質は、置換、挿入または欠失によって変異され得る。置換としては、ネイティブアミノ酸の代わりの、異なるアミノ酸の挿入が挙げられる。挿入としては、このタンパク質への1以上の位置でのさらなるアミノ酸残基の挿入が挙げられる。欠失としては、このタンパク質における1以上のアミノ酸残基の欠失が挙げられる。このような変異は、当該分野で公知の方法により作製され得る。例えば、コートタンパク質のうちの1つをコードする遺伝子のオリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発は、所望の変異体コートタンパク質の生成をもたらし得る。インビトロでのレオウイルス感染哺乳動物細胞(例えば、COS1細胞)における変異タンパク質の発現は、レオウイルスビリオン粒子への変異タンパク質の組込みをもたらす(TurnerおよびDuncan,1992;Duncanら,1991;Mahら,1990)。
本明細書中で用いられる場合、「HEK 293細胞」とは、293と命名されたヒト胚性腎臓細胞株(ATCC番号CRL−1573)またはその誘導体をいう。例えば、293/SF細胞(ATCC番号CRL−1573.1)は、無血清培地中での増殖に適応させたHEK 293細胞である。本発明においてまた意図されるのは、他の培養条件における増殖に適応させたHEK 293細胞、または外因性DNAで形質転換した、任意の種類のHEK 293細胞もしくは誘導体であるが、但し、この形質転換は、この細胞が本発明に記載される通りの効率的なレオウイルス産生を支持する能力を損なわない。
本明細書中で用いられる場合、物質の「臨床投与」とは、生物の健康状態を改善または維持するために、生存している生物の身体の任意の部分を物質と接触させることをいう。
(方法)
本発明者らは、レオウイルスをHEK 293細胞において増殖させる方法を以前に開発した(米国特許出願公開第20020037576号)。レオウイルスは、HEK 293細胞において複製して、ウイルス感染のすぐ後にこの細胞において高力価のウイルスを生じ、それにより、レオウイルスを産生する単純かつ効率的な方法を提供する。さらに、HEK 293細胞は、懸濁状態で増殖するように適応しており、これは、大量に培養され得、そして本発明者らは、大規模産生方法を開発した。懸濁培養物からレオウイルスを単離するために、本発明者らは、最初、伝統的方法に従って、ウイルス粒子を抽出および精製した。手短に述べると、この細胞を、凍結融解によって破壊し、そしてFreonによって3回抽出した。次いで、このウイルス粒子を、CsCl勾配および超遠心分離を用いて精製した。しかし、このプロトコルは、大規模ウイルス産生には冗長すぎ、かつ時間がかかりすぎた。
それゆえ、本発明者らは、レオウイルスを抽出する単純化した方法を開発した。HEK 293細胞培養物を界面活性剤とともに短時間インキュベートすることにより、高レベルの感染性レオウイルスが抽出物中に放出されることが見出された。次いで、このウイルスは、サイズまたは密度の差に基づく単純な分離方法(例えば、濾過、ダイアフィルトレーションまたはサイズ排除)を用いて、細胞の破片から分離され得、そして得られるウイルスは、レオウイルス治療のために用いられ得る。本発明に従って産生されるレオウイルスは、ヒトにおける投与に適切であり、そしてこのプロトコルは、界面活性剤の存在下で細胞を破壊するというFDAの推奨と一貫している。
本発明者らは、4つの界面活性剤(非イオン性界面活性剤Triton X−100、NP−40およびTween 20、ならびにイオン性界面活性剤デオキシコール酸ナトリウム)を予備実験において試験した。4つ全ての界面活性剤は、この細胞を溶解し得、そしてバックグラウンドレベルよりも高い感染性ウイルス粒子を放出し得、そしてTriton X−100が最も有効であった。他の界面活性剤(特に、細胞を破壊するために通常用いられる界面活性剤)が、本発明においても同様に用いられ得ることが意図される。これらの他の界面活性剤の例としては、他のTriton界面活性剤、他のTween界面活性剤(例えば、Tween80)、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、およびドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
この結果はまた、界面活性剤抽出が、ウイルス抽出について標準的な手順である凍結−融解よりも有効であり得ることを示す。さらに、鳥類レオウイルスを、レオウイルスが高度に細胞に会合しているVero細胞から抽出するために、蒸留した脱イオン水は、凍結−融解、freon抽出またはトリプシン処理よりもさらに有効であることが報告されている(Drastiniら,1992)。本発明は、より迅速かつ便利な、さらに有効なアプローチを提供する。なぜなら、蒸留水方法によって必要とされるような、細胞をペレット化し、次いで再懸濁するという必要性は存在しないからである。
高濃度の塩(例えば、塩化グアニジン)が、界面活性剤を置き換えるために本発明において用いられ得ることが意図される。しかし、高濃度の塩よりも界面活性剤を使用することが好ましい。
従って、本発明は、ウイルスを細胞培養物から抽出する迅速かつ単純な方法を提供する。この界面活性剤は、懸濁培養物へと、または接着細胞の培地へと、直接添加され得る。いずれの場合も、この培地は、最初に除去することが必要とされない。さらに、細胞を破壊するかまたはウイルスを抽出する他の手段(例えば、凍結−融解または超音波処理)は必要でない。
本発明の重要な特徴は、抽出手順が室温以上で実施され得ることである。伝統的に、ウイルスの抽出および精製は、タンパク質の構造および機能を保持するために、低温(代表的に、0℃〜4℃)にて実施される。同じ理由から、プロテアーゼインヒビターもまた通常、抽出溶液中に含まれる。それゆえ、本発明のプロトコルが、何のプロテアーゼインヒビターも用いずに、より高い温度にて実施され得ることは驚くべきである。実際、37℃程度の高い温度は、25℃とほぼ同量の感染性ウイルスを生じた。その結果、ウイルス抽出は、界面活性剤をこの細胞培養物に直接的に添加し、そして温度を変化させることなく、このウイルスを放出させるためにこの培養物を攪拌し続けることにより実施され得る。あるいは、本発明に従ってウイルス抽出のために一定温度を維持する必要はないので、この手順は、室温で行われ得るが、室温は、場所により、そして同じ場所でも時間により、変化し得る。
抽出に続いて、このウイルスは、このウイルスと抽出物中の他の構成要素との間の、例えば、サイズまたは密度の差に基づいて精製され得る。特に、濾過または遠心分離は、細胞の破片をこのウイルスから除去するために用いられ得る。濾過条件を最適にするために、本発明者らは、いくつかの異なる抽出界面活性剤の存在下での種々のフィルターの影響を試験した(実施例1)。段階的濾過プロトコルは、最も有効であることが証明された。従って、比較的大きな孔サイズ(例えば、5μMまたは8μM)を有するプレフィルターが、この抽出混合物から大きな破片を除去するために最初に用いられ、続いて、小さな孔サイズを有するフィルター(例えば、3μMのフィルターおよび0.8μMのフィルターを含む組み合わせフィルターユニット)が用いられる。プレフィルターの不存在下では、この抽出混合物は、フィルターを迅速に詰まらせ、それにより、材料および時間の両方を浪費する。
実施例1に示すように、濾過の後に収集した体積に基づいて、ウイルス抽出のために1% Triton X−100を使用することが好ましい。さらに、酢酸セルロース膜フィルターは、ガラス繊維膜フィルターよりも良好である。なぜなら、酢酸セルロース膜フィルターは、より多い体積の抽出混合物を濾過することを可能にし、これを大規模産生により適切にするからである。
ウイルス産生の目的に依存して、ウイルス含有濾液を濃縮することが所望され得る。限外濾過/ダイアフィルトレーションを用いた濃縮工程は、実施例2において実証される。2つの限外濾過/ダイアフィルトレーション系(Pall FiltronのPlate and Frame CassetteおよびA/G TechnologyのHollow Fiber Cartridge)を試験した。これらの結果は、これらの2つの系が、それらの操作速度または体積損失程度において匹敵するが、Hollow Fiber Cartridgeは、操作がより容易であることを示す。
このウイルスはさらに、その表面電荷に基づいて精製され得る。異なるウイルスが、任意の所定のpHでのそれらの表面電荷を支配する異なる表面タンパク質を有するので、精製に適切な条件は、各ウイルスについて決定されなければならない。実施例3は、レオウイルスについての最適イオン交換条件の決定を例示する。従って、異なる樹脂を含むイオン交換カラムを、上記の通りに抽出し、濾過し、そして濃縮したレオウイルス調製物を精製するために、異なるpHで用いた。この結果は、pH7.0〜8.5のANX Sepharoseを含む弱い陰イオン交換カラムが最も有効であることを示す。pHは、より好ましくは約7.5または8.0であり、最も好ましくは約8.0である。
このウイルスはまた、サイズにおける差に基づいて、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製され得る。レオウイルスについては、イオン交換クロマトグラフィーとサイズ排除クロマトグラフィーとの組み合わせが特に有効である。他のクロマトグラフィー方法(例えば、アフィニティー相互作用または疎水性相互作用に基づく方法)っまた、適切な場合、用いられ得る。それゆえ、カラムクロマトグラフィーは、良好な収率、純度およびスケーラビリティを達成するために、有効な代替物としてCsCl密度勾配超遠心分離に対して採用され得る。
本発明の方法は、マウスL929細胞、Vero細胞およびチャイニーズハムスター卵巣細胞が挙げられるがこれらに限定されない、HEK 293細胞以外の細胞を用いて、レオウイルス産生に適用され得る。本発明の方法が他のウイルス(特に、エンベロープに包まれていない他のウイルス)にも適用されることが意図される。他のウイルスの精製についての適切な条件は、本明細書中の開示に基づいて、当業者により決定され得る。本発明の方法を用いて調製され得るウイルスとしては、以下の科のウイルスが挙げられるがこれらに限定されない:
Figure 2005523722
(組成物)
また提供されるのは、本発明の方法に従って調製されたウイルスを含む組成物である。これらの組成物は、ウイルスタンパク質の単離および特徴付け、ワクチンの産生、またはこの組成物が感染性ウイルスを含む場合、ウイルスストックとして、または臨床投与において用いられ得る。
臨床投与の目的のために、この組成物は通常、賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、またはカプセル剤、サシェ剤、紙もしくは他の容器のような形態であり得るキャリア(WO99/08692A1)内に薬学的組成物として封入される。薬学的に受容可能な賦形剤が希釈剤として作用する場合、これは、活性成分についてのビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する、固体、半固体または液体の物質であり得る。従って、この組成物は、錠剤、丸剤、散剤、菓子錠剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳濁剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体媒体または液体媒体として)、例えば、10重量%までの活性化合物を含む軟膏、軟質ゼラチンカプセル剤および硬質ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌の注射可能液剤、ならびに無菌の無菌の包装された散剤の形態であり得る。
適切な賦形剤のいくつかの例としては、以下が挙げられる:ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、滅菌生理食塩水、シロップ、およびメチルセルロース。この処方物は、以下をさらに含み得る:滑沢剤(例えば、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油);湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;保存剤(例えば、安息香酸メチルおよび安息香酸プロピルヒドロキシル);矯味矯臭剤;ならびに芳香剤。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を用いることにより、患者への投与後に活性成分の迅速な放出、持続放出または遅延した放出を提供するように処方され得る。
レオウイルスが投与される経路、ならびに処方、キャリアまたはビヒクルは、位置ならびに標的細胞の種類に依存する。広範な種々の投与経路が用いられ得る。例えば、接近可能な固形新生物に関して、このレオウイルスは、この新生物への注射により直接的に投与され得る。造血性新生物に関して、例えば、このレオウイルスは、静脈剤または脈管内に投与され得る。身体内の容易には接近可能でない新生物(例えば、転移物)に関して、このレオウイルスは、哺乳動物の身体を通して全身的に輸送されて新生物に到達し得る様式で(例えば、静脈内または筋肉内に)投与される。あるいは、このレオウイルスは、単一の固形新生物へと直接的に投与され得、次いでこれは、身体を通して転移物へと全身的に運ばれる。このレオウイルスはまた、皮下に、腹腔内に、髄腔内に(例えば、脳腫瘍について)、局所的に(例えば、黒色腫について)、経口的に(例えば、局所新生物もしくは食道新生物について)、直腸的に(例えば、結腸直腸新生物について)、膣に(例えば、頸部もしくは膣の新生物について)、鼻腔内に、または吸入スプレーによって(例えば、肺新生物について)投与され得る。好ましくは、このレオウイルスは、注射により投与される。
本発明の薬学的組成物が経口的または注射による投与のために組み込まれ得る液体形態としては、水性液剤(適切に風味を付けられたシロップ)、水性もしくは油性の懸濁物、ならびに、食用油(例えば、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、または落花生油)、ならびにエリキシル剤および同様の薬学的ビヒクルを用いて風味を付けられた乳濁剤が挙げられる。
固体組成物(例えば、錠剤)を調製するために、主な活性成分/レオウイルスは、薬学的賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均質な混合物を含む、固体の事前処方組成物を形成する。これらの事前処方組成物を均質という場合、これは、この組成物が、等しく有効な単位投与形態(例えば、錠剤、丸剤およびカプセル剤)へと容易にさらに分けられ得るように活性成分が組成物全体に均等に分散していることを意味する。
本発明の錠剤または丸剤は、長期作用の利点を提供する投与形態を提供するために、コーティングされ得るか、さもなければ化合され得る。例えば、この錠剤または丸剤は、内部投与成分および外部投与成分を含み得、後者は、前者を覆うエンベロープの形態である。これらの2つの成分は、胃における崩壊に抵抗するように作用して内部成分がインタクトなまま通過して十二指腸に届くことまたは放出が遅延することを可能にする腸溶性層によって分離され得る。種々の物質は、このような腸溶性層またはコーティングのために用いられ得、このような物質としては、多数のポリマー酸、ならびにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースような材料との混合物が挙げられる。
吸入またはガス注入のための組成物としては、薬学的に受容可能な、水性もしくは有機性の溶媒、またはそれらの混合物中の、液剤および懸濁剤、ならびに散剤が挙げられる。液体もしくは固体の組成物は、本明細書中に記載の通りの適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。好ましくは、この組成物は、局所効果または全身効果のために、経口経路または鼻腔吸入経路により投与される。好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性気体の使用により噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接的に吸入され得るか、または噴霧デバイスは、フェイスマスクテントもしくは断続的陽圧呼吸器に取り付けられ得る。液体組成物、懸濁組成物または粉末組成物は、好ましくは経口的にまたは鼻腔的に、処方物を適切な様式で送達するデバイスから投与され得る。
本発明の方法において用いられる別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。このような経皮パッチは、本発明のレオウイルスの連続注入または不連続注入を制御された量で提供するために用いられ得る。薬学的薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野で周知である。例えば、本明細書中に参考として援用される、米国特許5,023,252号を参照のこと。このようなパッチは、薬学的薬剤の連続送達、拍動送達、または必要に応じた送達のために構成され得る。
本発明において使用するための他の適切な処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出され得る。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を限定するとは決して解釈されない。
以下の実施例では、以下の略号が以下の意味を有する。定義していない略号は、それらの一般的に受け入れられた意味を有する。
CI=信頼区間;
TCID50=組織培養感染用量50
μM=マイクロモル濃度;
mM=ミリモル濃度;
M=モル濃度;
ml=ミリリットル;
μl=マイクロリットル;
mg=ミリグラム;
μg=マイクログラム;
g/L=1リットルあたりのグラム;
rpm=1分間あたりの回転;
FBS=ウシ胎仔血清;
DTT=ジチオトレイトール;
NP−40=Nonidet P−40(オクチルフェノキシポリエトキシエタノール);
SDS=ドデシル硫酸ナトリウム;
PBS=リン酸緩衝化生理食塩水;
β−ME=β−メルカプトエタノール;
MOIまたはm.o.i.=感染多重度;
PFU=プラーク形成単位;
hr=時間;
℃=摂氏度。
(一般的材料および方法)
(細胞およびウイルス)
ヒト胚性腎臓293(HEK 293)細胞およびマウス線維芽細胞L−929細胞は、製造業者BioReliance Corporation(Rockville,Maryland)によって提供された。HEK 293細胞を、10%熱不活化ウマ血清および90%の以下の混合物を含む培養培地中で増殖させた:2mM L−グルタミン、ならびに1.5g/L重炭酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸、および1.0mMピルビン酸ナトリウムを含むように調整されたEarle平衡塩溶液を有するEagle最小必須培地。マウスL−929細胞を、10% FBSおよび90%の以下の混合物を含む培養培地中で増殖させた:2mM L−グルタミン、ならびに1.5g/L重炭酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸、および1.0mMピルビン酸ナトリウムを含むように調整されたEarle平衡塩溶液を有するEagle最小必須培地。
この293/SF細胞を、4mM L−グルタミンを補充した293 Serum Free Medium(Life Technologies,Rockville,Maryland)中で、36℃±2℃、6%±2% COおよび80%±5%相対湿度にて、スピナーフラスコ中で、35〜40rpmのインペラー速度にて増殖させた。
これらの研究において用いたレオウイルス血清型3のDearing株を、β−メルカプトエタノール(β−ME)を抽出緩衝液から除いたこと以外は、Smith(Smithら,1969)に従って精製したL−929細胞の懸濁培養物中で最初に増殖させた。精製したレオウイルスについての粒子/PFU比は、代表的に、100/1であった。ウイルス力価を、L−929細胞についてのプラーク力価決定によって決定し、そしてLog10TCID50/mlとして表した。次いで、このウイルスを、293/SF細胞中で大規模で産生した。
(懸濁細胞の感染)
293/SF細胞を、10/mlになるまで増殖させ、そしてこのレオウイルスで感染させた。この培養物を、培地の色が赤色からオレンジ色になるまで、または生存細胞数によって証明された場合の細胞の生存率が所望のレベルまで低下するまで、増殖させた。生存細胞数計数は、細胞変性効果を示さない細胞の顕微鏡下で行われ得る。これは、細胞が膨潤し、そして外観が顆粒状になり、そして細胞塊が破壊されることによって示される。生存細胞計数はまた、当該分野において通常用いられるような生体染色によって実施され得る。
(ウイルスの抽出および精製の伝統的方法)
所望の細胞生存率レベルに到達したら、この細胞を遠心分離機においてペレット化し、そして10mM Tris(pH7.4)、250mM NaClおよび0.1% Triton X−100中に再懸濁した。次いで、この細胞を凍結−融解により溶解し、そして定期的にボルテックスにかけて細胞を混合および溶解しながら、20〜40分間氷上で保持した。この懸濁物を、10分間ボルテックスにかけることにより、等しい体積の予め冷却したFreon(登録商標)(1,1,2−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロ−エタン)で抽出し、続いて2500rpmにて10分間、4℃にて遠心分離して、異なる相を分離した。水(上)相を取り出し、そして上記の通りに2回再抽出し、そしてこのウイルスを、25,000rpmにて1時間、4℃にて超遠心分離によってペレット化した。
このペレットをPBS中に再懸濁し、そしてこのウイルスを塩化セシウム段階勾配によって精製した。この勾配は、10mM Tris(pH7.4)中に調製した2層のCsCl溶液(それぞれ、1.20g/mlおよび1.4g/ml)を含んでいた。このウイルス懸濁物を勾配の上にローディングし、そしてSW 28.1ローター中で、26,000rpmにて2時間、4℃にて遠心分離した。このウイルスのバンド(2つのバンドのうちの下の方、なぜなら、上のバンドは、空のキャプシドを含んでいたので)を収集し、そして無菌PBSに対して透析した。
(ベンゾナーゼ処理)
細胞を界面活性剤で溶解した後、50mM MgClの溶液を、1mM MgClの最終濃度になるように粗製溶解産物に添加した。次いで、ベンゾナーゼ(250,000単位/ml、EM Industriesカタログ番号1016979M)を約10単位/mlになるように添加した。この溶解産物を、インキュベーター中で36℃にて1時間攪拌した。
(実施例1:清澄化:細胞の破片の除去)
この実施例の目的は、細胞を溶解するための界面活性剤を用いるプロトコルに適合性でかつ詳細の規模拡大および製造が可能である、適切な清澄化手順を開発することであった。この実施例では、溶解産物を、3μm/0.8μm莢膜フィルターを通して、またはプレフィルター(5μmまたは8μm)、次いで3μm/0.8μm莢膜フィルターの組み合わせを通過させるかのいずれかを通した濾過した。本研究において用いた全てのフィルターは、0.015ftの表面積を有した。0.015ft膜を通して濾過した体積に基づいて、膜の容量を、大規模濾過について決定した。また、濾過効率を、3μm/0.8μm莢膜フィルターについて2つの異なる膜物質(酢酸セルロースおよびガラス繊維膜)について比較した。
3つの界面活性剤を試験した。レオウイルスを保有する細胞を、試験する3つの異なる溶解剤についてラベルを貼った3つの無菌の1L瓶に均等に分けた:1% Triton X−100、0.3% Triton X−100および0.1% Na−DOC。92mLおよび28mLの体積の10% Triton X−100を瓶1および瓶2に添加し、その結果、これらの瓶における作業濃度は、それぞれ、1%および0.3% Triton X−100であった。9.2mLの体積の10% Na−DOCを、作業濃度が0.1%になるように第3の瓶に添加した。3つの瓶全てを、攪拌プレート上に配置し、そして室温にて160±20rpmにて30分間攪拌した。溶解後のサンプルを、各溶解条件について、それらの力価の分析のために採取した。
約20mLの50mM MgClを、瓶の各々において、約1mM MgClの作業濃度になるように、粗製溶解産物中に添加した。これに続いて、約10単位/mLの作業濃度になるように40μLベンゾナーゼ(250,000単位/mL)を添加した。粗製溶解産物を、36℃にて1時間、インキュベーター中で設定5において攪拌した。これらの工程を、宿主細胞DNAを除去して溶解産物の粘度を下げ、それにより、さらなる処理の容易さを促進するために含めた。
Watson−Marlowポンプ(505U)を、流速をポンプ速度に関連させるために較正した。販売者による示唆に従って、5rpmのポンプ速度(40mL/minの流速)を、清澄化研究全体を通して用いた。
各処理条件からの溶解産物を、以下のフィルターのうちの1をに通過させた。
1)3μm/0.8μm莢膜フィルター;
2)一連で接続した、5μmサイズのプレフィルター→3μm/0.8μmの莢膜フィルター;および
3)一連で接続した、8μm膜孔サイズのプレフィルター→3μm/0.8μmの莢膜フィルター。
3μm/0.8μmの莢膜フィルターは、ごみの多い(high dirt)ローディング容量および増大したスループットを可能にする二重層不均質膜構成を有した。この第1のフィルターは、第2のフィルター(0.8μm)よりも大きな孔サイズ(3μm)のものである。このプレフィルターは、複数層の徐々に細かくなるひだ状の不織布ポリプロピレン深層フィルター材料を合わせる。この研究で用いたフィルターは全て、0.015ftの表面積を有した。2つの膜材料(すなわち、酢酸セルロースおよびガラス繊維)を、3μm/0.8μm莢膜フィルターについて試験した。
溶解剤とフィルター条件との最良の組み合わせを、力価の値およびフィルターを通過した体積に基づいて決定した。膜を超えての圧力低下をモニタリングして、膜汚れがいつ生じたかを決定した。膜汚れについての指標は、25psiの圧力低下であった。これを超えると、このフィルターは破壊され得る。3μm/0.8μmの莢膜フィルターを単独で用いた場合、膜の汚れの前に35mL以下が、これらの莢膜フィルターを通過した。膜サイズ3/0.8μmは、5分以内に汚れた。このことは、細胞破片による膜の詰まりを排除するためにプレフィルターの使用が必要であったことを示唆する。3/0.8μmの莢膜フィルターの前での5μmのプレフィルターの使用は、得られた濾液の量を顕著に増加させ、一方、8μmのプレフィルター、続いて3μm/0.8μmの莢膜濾過を通しての濾過は、このフィルターを通過した体積に関して最大の膜容量を与えた(0.015ftのフィルター表面積につき平均200mLが収集された)。1% Triton X−100は、他の2つの溶解条件と比較して最良の結果を与えた。
この結果はまた、酢酸セルロース膜材料が、ガラス繊維膜よりも良好に作用したことを、これらの膜を通して濾過された体積に基づいて示す。感染性の顕著な喪失は、バルク収集物(溶解および濾過の前の細胞培養物)の感染性と比較した場合、濾過のどの段階でも観察されなかった。この研究からの結果に基づいて、20Lのバルク収集物は、濾過のために1.5ftの膜表面積を必要とする。
(実施例2:濃縮)
清澄化された溶解産物を濃縮してダイアフィルトレーションするための適切な系を選択するために、Pall FiltronからのPlate and Frameカセット(www.pall.com)と、A/G TechnologyからのHollow Fiberカートリッジ(www.agtech.com)とを比較した。同じポリエーテルスルホン膜材料を両方の系において用いた。選択基準は、使用の容易さ、達成された濃縮程度および生成物のウイルス力価であった。
この研究において用いたPlate and Frameカセットは、Pall’s MINIM系(この系は、実験室ベンチトップユニットである)および300kD限外濾過膜(各々0.2ft)の2つの懸垂篩漏斗を備えるLV Centramateであった。清澄化した溶解産物を濃縮する前に、この装置を2LのReverse Osmosis(RO)水(USPグレード)でリンスして、貯蔵ゲルを洗い流した。このカセットを、2Lの温めた0.1N NaOHで消毒した。次いで、この系を排水し、2LのRO水でリンスし、そしてウイルスについての増殖培地を用いて条件付けした。系全体を排水し、そしてこの系およびチュービングの保持体積が6mLであると決定した。
この研究において試験したHollow Fiberカートリッジは、A/G TechnologyのQuixStand Benchtop System,Size 4MカラムUltrafiltration Cartridge(650cm表面積)であった。Plate and Frameカセットを用いた場合と同様に、この装置を、貯蔵ゲルを洗い流すために、2LのReverse Osmosis(RO)水(USPグレード)で最初に洗った。このカセットを、2Lの温めた0.1N NaOHで消毒した。次いで、この系を排水し、2LのRO水でリンスし、そしてウイルスの増殖培地を洗い流すことにより条件付けした。600mL/分という一定の供給流速をこの実験全体で用いた。
両方の系について、清澄化した溶解産物を、この物質が約250mL(10倍濃度)まで濃縮させるまで再度循環させ、そしてサンプルを力価分析のために採取した(Iの後の濃度)。この濃縮物(濃縮水)を、1L(5ダイアフィルトレーション体積)のダイアフィルトレーション緩衝液(20mM Tris+0.2M NaCl+1mM MgCl、pH8.0±0.1)に対してダイアフィルトレーションし、そして別のサンプルを力価分析のために採取した(ダイアフィルトレーション後)。この残留物を、約120mLになるようにさらに濃縮した。最終濃縮の後、この生成物を、この系から排水し、そして1つの無菌容器中に収集した(最終濃縮後)。次いで、この系を、40mLのダイアフィルトレーション緩衝液でリンスして、最大の生成物回収を確実にした。
中空繊維系およびプレートフレーム系の両方を用いた濃縮プロセスの間にモニタリングしたこのプロセスのパラメーターを表1に示す。
Figure 2005523722
膜圧力(TMP)は、中空繊維プロセス全体を通して8psi未満にとどまり、一方、TMPは、プレートフレームプロセスを用いると30psiまで上昇した。中空繊維系についての、より大きな膜表面積の使用は、おそらく、カートリッジの汚れがより少ないことをもたらした。
Plate and Frameカセットを4時間用いて約20倍濃縮が達成され、一方、Hollow Fiber Cartridgeを3時間用いて14倍濃縮が得られ、本発明者らは、さらに30分間で20倍濃縮を得ることができた。溶解後の値と比較した場合、いずれの系を用いた場合も、45%〜50%の生成物損失が存在した。Hollow Fiber Cartridgeの設定は、Plate and Frame Cassetteよりも容易であった。それゆえ、Hollow Fiber Cartridgeは、取り扱いの容易さに基づいて、限外濾過工程およびダイアフィルトレーション工程に適切な系である。
(実施例3:イオン交換)
ウイルスは、それらの表面分子に起因して、異なる表面電荷を有する。それゆえ、イオン交換クロマトグラフィーを用いてウイルスを精製することが可能であり、そしてこの条件は、ウイルスの性質に依存して変化する。従って、本発明者らは、レオウイルスについて種々のpHのイオン交換クロマトグラフィー条件を試験した。レオウイルスを、異なるpHにてクロマトグラフィーにかけた。各工程の後での力価を決定し、そして以下に列挙した。
Figure 2005523722
従って、pH7.0〜9.0が、他のpHよりも高い収率のレオウイルスをもたらした。この工程において用いたpHは、好ましくは7.5〜8.5であり、特にpH8.0であった。陽イオン交換体および陰イオン交換体の両方が作用したが、陰イオン交換体が一般により有効であった。

Claims (23)

  1. 細胞の培養物からウイルスを産生するための方法であって、以下の工程:
    (a)該ウイルスによって感染された細胞の培養物を提供する工程;
    (b)界面活性剤を該培養物に添加し、そして細胞溶解産物をもたらす時間にわたってインキュベートすることにより、該ウイルスを該細胞から抽出する工程;
    (c)細胞の破片を除去する工程;および
    (d)該ウイルスを収集する工程
    を包含する、方法。
  2. 前記細胞の破片が、濾過によって除去される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞の破片が、以下:
    (1)5μMまたは8μMの孔サイズを有するプレフィルターを通して濾過する工程、および
    (2)工程(1)の後に、3μMおよび0.8μMの孔サイズを有する組み合わせフィルターを通して濾過する工程
    を含む段階的濾過によって除去される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記細胞溶解産物を、ベンゾナーゼで処理する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  5. 濾液を濃縮する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
  6. 前記濾液が、ダイアフィルトレーションによって濃縮される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ウイルスが、エンベロープに包まれていないウイルスである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ウイルスが、レオウイルスである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記レオウイルスが、哺乳動物レオウイルスである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記哺乳動物レオウイルスが、ヒトレオウイルスである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ヒトレオウイルスが、血清型3ウイルスである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記血清型3レオウイルスが、Dearing株である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記レオウイルスが、組換えレオウイルスである、請求項1に記載の方法。
  14. 前記細胞が、ヒト胚性腎臓293(HEK 293)細胞である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記HEK 293細胞を、懸濁状態で増殖させる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ウイルスを陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記ウイルスをイオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーの組み合わせによって精製する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  18. 請求項1に記載の収集されたウイルスを含む、組成物。
  19. 臨床投与に適切な、請求項18に記載の組成物。
  20. 薬学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアをさらに含む、請求項19に記載の組成物。
  21. 感染性レオウイルスを産生する方法であって、以下:
    (a)レオウイルスによって感染したHEK 293細胞の培養物を提供する工程;
    (b)Triton X−100を該培養物に添加し、そして約25℃〜約37℃でインキュベートすることにより該ウイルスを該細胞から抽出する工程;
    (c)工程(b)からの混合物をベンゾナーゼで処理する工程;
    (d)細胞の破片を濾過によって除去する工程;
    (e)濾液を限外濾過またはダイアフィルトレーションによって濃縮する工程;
    (f)該レオウイルスをイオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーの組み合わせによって精製する工程;ならびに
    (g)該レオウイルスを収集する工程
    を包含する、方法。
  22. 請求項21に記載の方法に従って調製されたレオウイルスを含む、組成物。
  23. 薬学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアをさらに含む、請求項22に記載の組成物。
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