JP2005520872A - 両親媒性ジブロック共重合体及び疎水性化合物を含むベシクル - Google Patents

両親媒性ジブロック共重合体及び疎水性化合物を含むベシクル Download PDF

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Abstract

本発明は、新規のベシクル構造及び活性剤を供給するためのそれらの使用に関するものである。本発明に従うベシクルは、ジブロック共重合体から得られる。これらのベシクルは、親水性ブロック及び疎水性ブロックを含むジブロック共重合体の外部シェルと、親水性ブロック及び疎水性ブロックを含む同一又は別のジブロック共重合体の少なくとも1個の内部シェルとを含み(該外部シェルの疎水性ブロックは該内部シェルの親水性ブロックに面している)、そして該シェル間に疎水性化合物をさらに含む。

Description

本発明は、新規なベシクル構造及び活性剤を供給するためのそれらの使用に関する。本発明に従うベシクルは、ジブロック共重合体から得られる。
ベシクル、及び親水性活性剤を供給ためのそれらの使用が知られている。古典的なベシクルは、通常、疎水性部分と親水性部分からなる両親媒性化合物の2層膜である。この膜は、通常、両親媒性化合物の外部相と、同一の両親媒性化合物の内部相とからなり、該外部相の疎水性部分が該内部相の疎水性部分に面している。この膜は、通常は活性剤のようなある種の化合物を含む水性相を閉じこめる閉じたポケットである。ベシクルは、ある種の化合物を供給し、運び、保護し、及び/又は包封するために多くの分野で使用できる。これらの分野は、ヒト又は動物の体内にある種の化合物を送達すること、着色物質を包封することなどを包含する。
上記の構造を有するベシクルを作るための両親媒性化合物として、リン脂質が知られている。また、合成ジブロック共重合体も知られている。例えば、Discher外は、「Science,1999年5月、p.1143」において、ポリエチレンオキシド・ポリエチルエチレン[EO]40−[EE]37ブロック共重合体を使用することを記載している。彼らは、ブロック共重合体を使用すると、膜のいくつかの性質、例えば機械的性質を制御することが可能になることを教示している。Yu外は、「Langmuir,1999,15,7157−7167」において、ポリスチレン・ポリエチレンオキシドブロック共重合体を使用し、そして膜構造を制御することを記載している。Shen外は、「J.Phys.Chem.B1999,103.9473−9487」において、ポリスチレン・ポリアクリル酸[スチレン]310−[AA]52ブロック共重合体を使用することを記載している。また、ポリスチレン・ポリアクリル酸ブロック共重合体の使用することは、「Yu外,Macromolecules,第31巻,1144−1154」にも記載されている。
Discher外,「サイエンス(Science)」,1999年5月,p.1143 Yu外,「ラングミュア(Langmuir)」,1999年,15,p.7157−7167 Shen外,「ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(J. phys. Chem)」,B,1999年,103.p.9473−9487 Yu外,「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」,第31巻,p.1144−1154
ベシクルは、通常、親水性活性剤を包封するために使用される。この活性剤は、膜を介した拡散によって、及び/又は膜の破壊によって膜の外部に放出され得る。ベシクルが使用できる用途の範囲を広げ、活性剤の放出を制御し、又は包封できる活性剤の範囲を広げるためには、新規な膜構造を提供する必要がある。特に、非水相溶性活性剤を包封し、又は水相溶性活性剤と非水相溶性活性剤の両方を包封するための手段を提供する必要がある。また、強化された膜を有するベシクルに対するニーズも存在する。
本発明は、例えば、ある種の化合物の包封、ベクター化、保護及び/又は放出制御のための新規な手段を提供する、ブロック共重合体を含む新規なベシクル構造に関する。
発明の要約
本発明は、親水性ブロック及び疎水性ブロックを含むジブロック共重合体の外部シェルと、親水性ブロック及び疎水性ブロックを含む同一又は別のジブロック共重合体の内部シェルとを含むベシクルであって、該外部シェルの疎水性ブロックが該内部シェルの疎水性ブロックに面し、これらのシェルの間に疎水性化合物をさらに含むベシクルに関する。
別の側面では、本発明は、ベシクルを作るための方法に関する。
特定の側面では、本発明は、疎水性相が疎水性相中に分散され、これが水性相中に分散された3重エマルジョン型組成物に関する。また、本発明は、このような三重エマルジョン型組成物の製造方法に関するものでもある。
さらに別の側面では、本発明は、上記のようなベシクルを、疎水性化合物若しくは疎水性化合物と親水性化合物の両方の包封、ベクター化、保護及び/又は放出制御のために使用することに関する。これらのベシクルは、医薬品、在宅医療処方物、個人医療処方物、農業用処方物、織物処理用処方物又はその他の産業分野で使用できる。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において、重合体、共重合体又はブロックの分子量とは、該重合体、共重合体又はブロックの重量平均分子量をいう。重合体又は共重合体の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定できる。本明細書において、ブロックの分子量とは、該ブロックを作るために使用される単量体、重合体、開始剤及び/又は連鎖移動剤の量から算出される分子量をいう。当業者であれば、これらの分子量の算出方法を熟知している。ブロック間の重量比とは、広範囲にわたる重合を考慮して、該ブロックを作るために使用される化合物の量の間の比をいう。
典型的には、あるブロックの分子量Mは、次式:
Figure 2005520872
(式中、Miは単量体iの分子量であり、niは単量体iのモル数であり、そしてn先駆物質は、該ブロックのマクロ分子鎖が結合する化合物のモル数である)
に従って算出される。該化合物は、連鎖移動剤若しくは連鎖移動基又は前ブロックであることができる。このものが前ブロックである場合には、そのモル数は、該前ブロックのマクロ分子鎖が結合している化合物、例えば、連鎖移動剤又は連鎖移動基のモル数とみなされ得る。また、これは、該前ブロックの分子量の測定値から算出することによって得ることもできる。2種のブロックが前ブロックから両方の末端で同時に成長する場合には、上記式に従って算出される分子量を2で割るべきである。
本明細書において、ある種の単量体から誘導される単位とは、該単量体から重合によって直接得られ得る単位をいうものとする。従って、アクリル酸又はメタクリル酸のエステルから誘導される単位は、例えば、アクリル酸若しくはメタクリル酸のエステル又は酢酸ビニルを重合させ、次いで加水分解させることによって得られる次式:−CH−CH(COOH)−、−CH−C(CH3)(COOH)−、−CH−CH(OH)−、−CH−C(CH3)(OH)−の単位を包含しない。アクリル酸又はメタクリル酸から誘導される単位は、例えば、ある種の単量体(例えば、アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル)を重合させ、次いで反応(例えば、加水分解)させて次式:−CH−CH(COOH)−又は−CH−C(CH3)(COOH)−の単位を得ることによって得られる単位を包含する。ビニルアルコールから誘導される単位は、ある種の単量体(例えば、ビニルエステル)を重合させ、次いで反応(例えば、加水分解)させて次式:−CH−CH(OH)−又は−CH−C(CH3)(OH)−の単位を得ることによって得られる単位を包含する。
本発明に従うベシクルは、1種又は数種のジブロック共重合体及び疎水性化合物を含む。ジブロック共重合体は、疎水性化合物を取り囲む少なくとも2個のシェル(外部シェル及び少なくとも1個の内部シェル)内に配置される。これは、疎水性化合物が該外部シェルと内部シェルによって画定される空間内に含まれることを意味する。また、これらのシェルは、疎水性化合物と共に、ベシクルの膜とも呼ばれる。ベシクルの2層膜は、通常、疎水性部分と親水性部分を含む両親媒性化合物の2層(即ち、2個のシェル)からなるため、本発明に従うベシクルの膜は、疎水性化合物によって膨張した膜又は疎水性化合物を詰め込んだ膜と呼ばれる。
シェル内に含まれるジブロック共重合体は、親水性ブロックと疎水性ブロックを含む。従って、このものは両親媒性ブロック共重合体である。外部シェル及び内部シェルは、同一又は異なるブロック共重合体を含むということをさらに言及しておく。該ブロック共重合体についてのさらなる詳細を以下に与える。外部シェルの疎水性シェルと内部シェルの疎水性ブロックとは、疎水性化合物と接触した状態で互いに面している。外部シェルの親水性ブロックは、通常、ベシクルが分散される外部親水性媒体(水又は水を含む組成物のような)と接触する。換言すれば、外部シェルの疎水性ブロックは、通常、ベシクルが分散される外部親水性媒体に面する。内部シェルの親水性ブロックは、通常、ベシクル内部で内部親水性媒体(水又は水を含む組成物のような)と接触する。換言すれば、内部シェルの親水性ブロックは、通常、ベシクル内部の内部親水性媒体に面している。
第1の具体例によれば、ベシクルは、1個のみの外部シェルを含む。この具体例によれば、ベシクルの構造は、
・膜の内部に水又は水を含む組成物のような内部親水性媒体を含むコア、
・該コアを取り囲む膜であって、
親水性ブロックが該コアに面し、そして疎水性ブロックが下記の中間層に面する、ジブロック共重合体の内部シェル又は内部相と、
該内部シェルを取り囲む、疎水性化合物を含む中間層と、
該中間層を取り囲むジブロック共重合体の外部シェル又は外部相であって疎水性ブロックが該中間層に面するものと
を含むもの
を含む。
この具体例に従うベシクルは、通常、親水性の外部媒体中に分散されており、外部シェルの親水性ブロックは、該親水性外部媒体、例えば、水又は水を含む組成物に面している。この具体例に従うベシクルは、疎水性内部相が親水性相中に分散されていることを示す画像及び環である疎水性層又は化合物の画像によって特定できる。
この具体例に従うベシクルは、通常、
・親水性ブロックが親水性単位を含み、疎水性ブロックが疎水性単位を含み、そして疎水性単位と親水性単位の量の間の重量比が25/75〜70/30、好ましくは50/50〜70/30で構成されるジブロック共重合体、及び
・ジブロック共重合体の重量に対して1%以上、好ましくは3%以上で、15重量%以下、好ましくは10%以下の重量の疎水性重合体
を含み、又は好ましくはこれらによって得られる。
一方で、疎水性単位の量の間の重量比は、疎水性ブロックと疎水性重合体の両方で構成され、そして親水性ブロック中に含まれる単位の量は、70/30以下であることが好ましい。
第2の具体例によれば、ベシクルは、少なくとも2個の内部シェルを含む。また、この具体例に従うベシクルは、複合エマルジョン型ベシクルと呼ぶこともできる。この具体例によれば、ベシクルの構造は、
・水又は水を含む組成物のような内部親水性媒体の液滴(それぞれの液滴は、ジブロック共重合体の内部シェルによって取り囲まれ、その親水性ブロックは該液滴に面し、そして疎水性ブロックは以下の疎水性相に面する)
・該液滴が分散される、疎水性化合物を含む疎水性相、及び
・疎水性相を取り囲むジブロック共重合体の外部シェル(その疎水性ブロックが該疎水性層に面する)
を含む。
この具体例に従うベシクルは、通常、水又は水を含む組成物のような親水性外部媒体中に分散されており、外部シェルの親水性ブロックが該親水性外部媒体に面している。
第2の具体例に従う、外部親水性媒体を有するベシクルは、内部親水性相を疎水性相に分散し、そして該疎水性相を外部親水性相に分散してなる3重エマルジョン化合物を形成し、そしてこれは、好ましくは、次の工程:
(a)ある表面上に、ジブロック共重合体及び疎水性重合体を溶媒に溶解させてなる溶液を付着させ、
(b)該溶媒を蒸発させてジブロック共重合体及び疎水性重合体を含む乾燥した薄膜を得、及び
(c)該薄膜を再水和させること
を含む方法によって得られ、ここで、
・該外部親水性相は外部親水性媒体を含み、
・該親水性相はシェルの間に疎水性化合物を含み、そして
・該内部親水性相は内部親水性媒体を含む。
この方法は、ベシクルを作るための典型的な被膜再水和方法である。これは、通常は第1油中水型エマルジョンを調製し、次いで該第1エマルジョンの第2水中エマルジョンを調製する、3重エマルジョン組成物を作るための他の方法に代わるものである。他の方法が実施困難であり、しかも該他の方法によって特定の相の3重エマルジョンを得ることが困難であるときに、上記方法は、新規の3重エマルジョン組成物又は新規の活性剤若しくは新規の活性剤の混合物を含む3重エマルジョン組成物を得るのを可能にする。
この具体例に従うベシクルは、好ましくは、
・親水性ブロックが親水性単位を含み、疎水性ブロックが疎水性単位を含み、そして疎水性単位と親水性単位との間の重量比が25/75〜70/30、好ましくは50/50〜70/30で構成されるジブロック共重合体、及び
・ジブロック共重合体の重量に対して10%以上、好ましくは15%以上の重量の疎水性重合体
を含み、又は好ましくはこれらによって得られる。
第1の具体例又は第2の具体例に従うベシクルが得られるかどうかを広範囲にわたって制御するのは困難であることをさらに言及しておく。従って、本発明に従うベシクルは、第1及び第2の具体例に従うベシクルの混合物を包含する。
ジブロック共重合体
ジブロック共重合体は、親水性ブロック及び疎水性ブロックを含む。ブロックは、櫛形重合体構造を有する、即ち、重合体部分(マクロ単量体)からなる反復単位を含むブロックであることができる。以下、親水性ブロックをブロックAと呼び、疎水性ブロックをブロックBと呼ぶ。
ブロックは、通常、このものに含まれる反復単位によって定義される。ブロックは、数種の単量体から誘導される数種の反復単位を含む共重合体であることができる。従って、ブロックAとブロックBは、異なる単量体から誘導される異なる重合体であるが、これらのものは、いくつかの共通の反復単位を含むことができる(共重合体)。ブロックA及びブロックBは、好ましくは、共通の反復単位(同一の単量体から誘導されたもの)を50%以上含まない。
ブロックAは親水性であり、ブロックBは疎水性である。あるブロックの親水性又は疎水性の特性とは、該ブロックがその他のブロックなしに有するであろう特性、即ち、該ブロックと同一の反復単位からなり、同一の分子量を有する重合体の特性をいう。親水性のブロック、重合体又は共重合体とは、該ブロック、重合体又は共重合体が20℃〜30℃の水中において0.01重量%〜10重量%の濃度で肉眼的に相分離を起こさないことを意味する。疎水性のブロック、重合体又は共重合体とは、該ブロック、重合体又は共重合体が同一の条件で肉眼的に相分離を起こすことを意味する。
ブロック共重合体は、水、エタノール、THF及び/又は疎水性化合物に可溶であることができることをさらに言及しておく。
好ましくは、ブロックBは、
・プロピレンオキシド、
・アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸ラウリル及びメタクリル酸ラウリルのようなα−エチレン性不飽和(好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸のアルキルエステル、
・ベルサチン酸ビニル、
・アクリロニトリル、
・3〜12個の炭素原子を含むビニルニトリル、
・ビニルアミンアミド、及び
・スチレンのようなビニル芳香族化合物
よりなる群から選択される単量体から誘導される反復単位を含む。
好ましくは、ブロックAは、
・エチレンオキシド、
・ビニルアルコール、
・ビニルピロリドン、
・アクリルアミド、メタクリルアミド、
・ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(即ち、ポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、
・アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、
・α−エチレン性不飽和(好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸のヒドロキシアルキルアミド、
・(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジ−t−ブチルアミノエチル、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
・エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
・トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルスルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド(2−(アクリルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMSとも呼ばれる)クロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(2−アクリルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMSとも呼ばれる)メチルスルフェート、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、
・塩化ジアリルジメチルアンモニウム、
・ホスフェート又はホスホネート基を含むα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)単量体、
・アクリル酸、メタクリル酸のようなα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)ジカルボン酸、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)ジカルボン酸のモノアルキルアミド、
・スルホン酸基を含むα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)化合物及びスルホン酸基を含むα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)化合物の塩、例えば、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、メタクリル酸2−スルホエチル、メタクリル酸2−スルホエチルの塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩及びスチレンスルホネート(SS)
よりなる群から選択される単量体から誘導される反復単位を含む。
ブロックAは、好ましくは、
・アクリル酸、メタクリル酸、
・アクリルアミド、メタクリルアミド、
・ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸塩、
・ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸塩、
・α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、
・メタクリル酸2−スルホエチル、メタクリル酸2−スルホエチルの塩、
・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、及び
・スチレンスルホネート(SS)
よりなる群から選択される単量体から誘導される単位を含む。
ブロックBは、通常、中性のブロックであるが、ブロックAは、その電気的挙動又は性質の点で区別され得る。これは、ブロックAが中性ブロック又はポリイオン性ブロック(ポリ陰イオン性ブロック又はポリ陽イオン性ブロック)であることができることを意味する。電気的挙動又は性質(中性、ポリ陰イオン性又はポリ陽イオン性)は、エマルジョンのpHに依存し得ることをさらに言及しておく。ポリイオン性とは、ブロックがそのpHに関わらずイオン性(陰イオン性又は陽イオン性)の反復単位を含むこと、又はブロックがエマルジョンのpHに依存して中性又はイオン性(陰イオン性又は陽イオン性)であることができる反復単位(この単位は恐らくイオン性である)を含むことを意味する。組成物のpHに依存して中性又はイオン性(陰イオン性又は陽イオン性)であることができる単位を、以下、このものが中性の形であるかイオン性の形(陰イオン性又は陽イオン性)であるかに関わらず、イオン性単位(陰イオン性又は陽イオン性)又はイオン性単量体(陰イオン性又は陽イオン性)から誘導された単位と呼ぶものとする。
ポリ陽イオン性ブロックの例は、
・(メタ)アクリル酸アミノアルキル、アミノアルキル(メタ)アクリルアミド、
・少なくとも1個の第二、第三又は第四アミン官能基又は窒素原子、ビニルアミン若しくはエチルアミンを含有する複素環式基を含む単量体(特に(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド誘導体を含む)、
・ジアリルジアルキルアンモニウム塩、
・これらの2種以上の混合物、これらの塩及びこれらから誘導されるマクロ単量体
のような陽イオン性単量体から誘導される単位を含むブロックである。
陽イオン性単量体の例としては、
・(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジ−t−ブチルアミノエチル、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
・エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
・トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルスルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド(2−(アクリルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム:TMAEAMSとも呼ばれる)クロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(2−(アクリルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム:TMAEAMSとも呼ばれる)メチルスルフェート、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、
・塩化ジアリルジメチルアンモニウム、
・次式:
Figure 2005520872
(式中、
・R1は水素原子又はメチル若しくはエチル基であり、
・R2、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なり、そして線状又は分岐C1〜C6、好ましくはC1〜C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキル基であり、
・mは1〜10の整数、例えば1であり、
・nは1〜6、好ましくは2〜4の整数であり、
・Zは、−C(O)O−若しくは−C(O)NH−基又は酸素原子を表し、
・Aは(CH2p基を表し、ここで、pは1〜6、好ましくは2〜4の整数であり、
・Bは、随意として1個以上のヘテロ原子又はヘテロ基、特にO又はNHで中断され、しかも随意として1個以上のヒドロキシル又はアミノ基、好ましくはヒドロキシル基で置換された線状又は分岐のC2〜C12、有利にはC3〜C6ポリメチレン鎖を表し、
・Xは同一又は異なり、そして対イオンを表す。)
を有する単量体、
・これらの2種以上の混合物及びこれらから誘導されるマクロ単量体
が挙げられる。
陰イオン性ブロックの例は、
・ホスフェート又はホスホネート基を含むα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)単量体、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)ジカルボン酸のモノアルキルエステル、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)ジカルボン酸のモノアルキルアミド、
・スルホン酸基を含むα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)化合物及びスルホン酸基を含むα−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)化合物
である。
好ましい陰イオン性ブロックとしては、
・アクリル酸、メタクリル酸、
・ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸塩、
・ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸塩、
・α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、
・メタクリル酸2−スルホエチル、メタクリル酸2−スルホエチルの塩、
・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、及び
・スチレンスルホネート(SS)
よりなる群から選択される少なくとも1種の陰イオン性単量体から誘導されるものを含むブロックが挙げられる。
中性ブロック(ブロックA又はブロックB)の例は、
・アクリルアミド、メタクリルアミド、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸のアミド、
・α−エチレン性不飽和(好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和)モノカルボン酸のエステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルのようなアルキルエステル又はアクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなヒドロキシアルキルエステル、
・ポリエチレン及び/又はポリプロピレンオキシド(メタ)アクリレート(即ち、ポリエトキシル化及び/又はポリプロポキシル化(メタ)アクリル酸)、
・ビニルアルコール、
・ビニルピロリドン、
・酢酸ビニル、ベルサチン酸ビニル、
・好ましくは3〜12個の炭素原子を含むビニルニトリル、
・アクリロニトリル、
・ビニルアミンアミド、
・スチレンのようなビニル芳香族化合物、及び
・これらの2種以上の混合物
よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位を含むブロックである。
ブロックAは、好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和単量体から誘導される。ブロックBは、好ましくは、モノ−α−エチレン性不飽和単量体から誘導される。好ましい具体例では、ブロックA及びブロックBの両方がモノ−α−エチレン性不飽和単量体から誘導される。より正確に言えば、これは、ブロックA及び/又はブロックBについて、反復単位の少なくとも50%が好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和単量体から誘導された単位であることを意味する。
上に挙げた単量体は、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドを除き、モノ−α−不飽和単量体である。
好ましい具体例では、ブロックAは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ブロック又はそれらの塩である。好ましい具体例では、ブロックBは、ポリアクリル酸ブチルブロック又はポリメタクリル酸ブチルブロックである。さらに好ましい具体例では、ブロックAはポリアクリル酸ブロックであり、ブロックBはポリアクリル酸ブチルブロック(p(BA)−p(AA)ジブロック共重合体)である。
ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは、1000〜100000g/モルで構成される。より好ましくは、これは、2000〜20000g/モルで構成される。これらの範囲内で、それぞれのブロックの重量比が変化し得る。しかしながら、それぞれのブロックは、500g/モル以上、好ましくは1000g/モル以上の分子量を有することが好ましい。これらの範囲内で、共重合体中のブロックBの重量比は、25%以上、より好ましくは50%以上であり、そして好ましくは70%以下である。
ブロック共重合体を作るためのいくつかの方法が存在する。このような重合体を作るためのいくつかの方法を以下に与える。
例えば、「Schmolka,J.Am.Oil Chem.Soc,1977,54,110」或いは「Wilczek−Veraet外,Macromolecules,1996,29,4036」に記載されるように陰イオン重合を2種単量体の連続添加と共に使用することが可能である。使用できる別法は、例えば、「片寄及び片岡,Proc.Intern.Symp.Control.Rel.Bioact.Materials,1996,23,899」に記載されるように、ある種のブロック重合体の重合を別のブロック重合体の末端のそれぞれで開始させることからなる。
本発明においては、Quirk及びLee(Polymer International,27,359(1992))によって定義されるようなリビング又は制御重合を使用することが勧められる。実際に、この特定の方法は、狭い分散度を有し、しかもブロックの長さ及び組成が化学量論及び転化率によって制御される重合体を製造するのを可能にする。このタイプの重合においては、より具体的には、例えば、
・WO98/58974及び米国特許第6153705号の教示に従ってキサンテートによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO98/01478の教示に従ってジチオエステルによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO99/35178の教示に従ってジチオエステルによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO99/35177の教示に従ってジチオカルバメートによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO99/03894の教示に従ってニトロオキシド先駆物質を使用するフリーラジカル重合、
・WO99/31144の教示に従ってジチオカルバメートによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO02/26836の教示に従ってジチオカルバゼートによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO00/75207及び米国特許出願公開第09/980387号の教示に従ってハロゲン化キサンテートによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO02/10223の教示に従ってジチオホスホロエステルによって制御されるフリーラジカル重合、
・WO02/22688の教示に従って二硫黄化合物の存在下に連鎖移動剤によって制御されるフリーラジカル重合、
・WO96/30421の教示に従う原子移動ラジカル重合(ATRP)、
・大津外,Makromol.Chem.Rapid.Commun.,3,127(1982)の教示に従ってイニファーターによって制御されるフリーラジカル重合、
・立本外,Jap.50,127,991(1975),ダイキン工業株式会社及びMatyjaszewski外,Macromolecules,28,2093(1995)の教示に従ってイオジンの変性移動によって制御されるフリーラジカル重合、
・H.F.Mark,N.M.Bikales,C.G.Overberger及びG.Menges著,「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」,第7版、Wiley Interscience,ニューヨーク,1987におけるWebster,O.W.,「グループ移動重合」,p.580−588の教示に従うグループ移動重合、
・テトラフェニルエタン誘導体によって制御されるラジカル重合(D.Braun外,Macromol.Symp.,111,63(1996))、
・オルガノコバルト錯体によって制御されるラジカル重合(Wayland外,J.Am.Chem.Soc.,116,7973(1994))
のような任意のいわゆるリビング又は制御重合法によって得ることができる重合体が勧められる。
好ましい方法は、連鎖移動剤の使用を伴う連続リビングフリーラジカル重合方法である。好ましい連鎖移動剤は、次式:−S−C(S)−Y−、−S−C(S)−S−、−S−P(S)−Y−又は−S−P(S)−S−(式中、Yは、硫黄とは異なる原子、例えば、酸素原子、窒素原子及び炭素原子である)の基を含む薬剤である。これらのものは、ジチオエステル基、チオエーテル−チオン基、ジチオカルバメート基、ジチオホスホロエステル、ジチオカルバゼート及びキサンテート基を含む。好ましい連鎖移動剤中に含まれる基の例としては、次式:−S−C(S)−NR−NR'2、−S−C(S)−NR−N=CR'2、−S−C(S)−O−R、−S−C(S)−CR=CR'2及び−S−C(S)−X(式中、R及びR'は同一又は異なり、水素原子又は随意として置換され、随意としてヘテロ原子を含むヒドロカルビル基のような有機基であり、Xはハロゲン原子である)の基が挙げられる。好ましい重合方法は、キサンテートを使用するリビングラジカル重合である。
リビング又は制御フリーラジカル重合方法によって得られる共重合体は、該重合体鎖の末端に少なくとも1個の連鎖移動剤基を含むことができる。特定の具体例では、このような基は取り除かれ、又は不活性化される。
例えば、ジブロック共重合体を作るために使用される「リビング」又は「制御」ラジカル重合方法は、次の工程:
(a)モノ−α−エチレン性不飽和単量体と、少なくとも1種のフリーラジカル源化合物と、連鎖移動剤とを反応させて第1ブロックを得、ここで、該連鎖移動剤は該第1ブロックに結合し、
(b)該第1ブロックと、別のモノ−α−エチレン性不飽和単量体と、随意として少なくとも1種のラジカル源化合物とを反応させてジブロック重合体を得、次いで、
(c)随意として、該連鎖移動剤をこれを不活性化させる手段と反応させること
を含む。工程(a)中に、該重合体の第1ブロックが合成される。工程(b)、(b1)又は(b2)中に、重合体の別のブロックが合成される。
連鎖移動剤の例は、次式(I):
Figure 2005520872
(式中、
・RはR2O−、R2R'2N−又はR3−基を表し、ここで、R2及びR'2は同一又は異なり、そして(i)アルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、又は(ii)随意として芳香族飽和若しくは不飽和炭素環、又は(iii)飽和若しくは不飽和複素環(ここで、これらの基及び環(i)、(ii)及び(iii)は置換されていてよい)を表し、R3は、H、Cl、アルキル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、随意として置換された飽和若しくは不飽和(複素)環、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシル、アシルオキシ、カルバモイル、シアノ、ジアルキル若しくはジアリールホスホナト、ジアルキル若しくはジアリールホスフィナト基又は重合体鎖を表し、
・R1は、(i)随意として置換されたアルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基又は(ii)飽和若しくは不飽和であり且つ随意として置換された若しくは芳香族の炭素環又は(iii)随意として置換された飽和若しくは不飽和複素環若しくは重合体鎖を表し、
・このR1、R2、R'2及びR3基は、置換フェニル若しくはアルキル基、置換芳香族基又は次の基:オキソ、アルコキシカルボニル若しくはアリールオキシカルボニル(−COOR)、カルボキシル(−COOH)、アシルオキシ(−O2CR)、カルバモイル(−CONR2)、シアノ(−CN)、アルキルカルボニル、アルキルアリールカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、イソシアナト、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミド、アミジノ、グアニジノ、ヒドロキシ(−OH)、アミノ(−NR2)、ハロゲン、アリル、エポキシ、アルコキシ(−OR)、S−アルキル、S−アリール若しくはシリル、親水性若しくはイオン性の性質を示す基、例えば、カルボン酸のアルカリ塩若しくはスルホン酸のアルカリ塩、ポリアルキレンオキシド(PEO、PPO)鎖又は陽イオン性置換基(第四アンモニウム塩)(ここで、Rはアルキル又はアリール基を表す)で置換されていてよい)
の連鎖移動剤である。
好ましくは、式(I)の連鎖移動剤は、次式(IA)、(IB)及び(IC):
Figure 2005520872
(式中、
・R2及びR2'は、(i)アルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基又は(ii)随意として芳香族の飽和若しくは不飽和炭素環又は(iii)飽和若しくは不飽和複素環(これらの基及び環(i)、(ii)及び(iii)は置換されていてよい)を表し、
・R1及びR1'は、(i)随意として置換されたアルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基又は(ii)飽和若しくは不飽和であり且つ随意として置換された若しくは芳香族の炭素環又は(iii)随意として置換された飽和若しくは不飽和複素環若しくは重合体鎖を表し、
・pは2〜10である)
の化合物から選択されるジチオ炭酸エステルである。
連鎖移動剤のその他の例は、次式(II)及び(III):
Figure 2005520872
(式中、
・R1は有機基、例えば、式(I)、(IA)、(IB)及び(IC)の連鎖移動剤について上に定義されるような基R1であり、
・R2、R3、R4、R7及びR8は同一又は異なるものであり、そして水素原子又は随意として環を形成する有機基である)
の連鎖移動剤である。R2、R3、R4、R7及びR8の有機基の例としては、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及び置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルが挙げられる。
モノ−α−エチレン性不飽和単量体及びそれらの割合は、ブロックについて所望の特性を得るために選択される。この方法によれば、連続重合の全てが同一の反応器中で実施される場合には、一般に、一工程中で使用される単量体の全てが、次の工程の重合が始まる前に、しかして新たな単量体が導入される前に消費されていることが好ましい。しかしながら、前工程の単量体が次のブロックの重合中に反応器内になお存在していることが起こり得る。この場合には、これらの単量体は、一般に、全ての単量体の5モル%以上を占めない。
重合は、水性及び/又は有機溶媒中で実施できる。また、重合は、実質的に純粋な溶融形態(塊重合)で、又は水性媒体中でのラテックス型プロセスに従って実施することもできる。
疎水性化合物
疎水性化合物は、シェルの間に含まれる。例としては、疎水性重合体及び疎水性無機粒子が挙げられる。
ある具体例では、疎水性化合物は、疎水性無機粒子、例えば疎水性ナノ粒子である。この粒子は、ジブロック共重合体の疎水性ブロック内部の膜内に分散されていると考えられる。有用なナノ粒子の例としては、随意として被覆又は処理された疎水性TiO2、随意として被覆又は処理された酸化セリウムナノ粒子及び任意の医薬上活性な疎水性ナノ粒子が挙げられる。
疎水性化合物は、好ましくは疎水性重合体である。疎水性とは上に定義されるようなものとする。この具体例に従うベシクルは、通常、強い膜を有する。このような強化された膜を有すると、処理時の破壊の防止によって処方が容易になり、又は制御された放出(長く続く)が可能となる。疎水性重合体としては、ブロックBとして上に挙げた単量体から誘導される反復単位を含む重合体が挙げられる。
好ましい具体例では、疎水性重合体と疎水性ブロック(ブロックB)は同一である。これは、これらのものが同一の単量体から誘導される単位を含むことを意味する。従って、好ましい具体例では、疎水性ブロック(ブロックB)と疎水性重合体は、ポリアクリル酸ブチル又はポリメタクリル酸ブチルをベースとする。これらのものは、同一又は異なる分子量を有していてよい。この好ましい具体例によれば、疎水性ポリアクリル酸ブチル又はポリメタクリル酸ブチルは、5000g/モル〜15000g/モルの重量平均分子量を有する。
疎水性化合物が重合体であるときに、該重合体は、架橋のための手段を含むことができることをさらに言及しておく。疎水性化合物を架橋することは、例えば、膜の強度を制御し、又は膜を介した若しくは膜からの活性剤の放出を制御するための方法である。
活性剤
本発明に従うベシクルは活性剤成分を含むことができる。ベシクルは、通常、動物若しくはヒトの体内に導入され、皮膚、毛髪、織物表面若しくは塗装表面のような表面上に塗布され、又はある領域に塗りつけられるような目的を有する組成物中に含まれる。活性剤成分は、目的の環境において、例えば膜を破壊させることによってすぐに、又は例えば膜を介して拡散することによって徐々に、迅速に又はゆっくりと供給されるために、組成物中に含まれる。従って、ベシクルは、化粧用組成物、薬剤組成物、香料、農薬組成物、織物処理用組成物に有用な活性剤を含むことができる。
活性剤成分は、ベシクルが1個のみの内部シェルを含む具体例によれば疎水性化合物中(より正確に言えば膜中)に、又はベシクルが1個以上の内部シェルを含む具体例によれば疎水性化合物を含む疎水性相中に含まれ得る。これらの活性成分は、好ましくは疎水性活性剤である。これらのものは、疎水性化合物中に分散又は溶解され得る。
活性剤成分は、ベシクルが1個のみの内部シェルを含む具体例によれば内部親水性媒体中(より正確に言えば内部親水性媒体を含むコア中)に、又はベシクルが1個以上の内部シェルを含む具体例によれば内部親水性媒体の液滴中に含まれ得る。これらの活性剤成分は、好ましくは親水性活性剤である。これらのものは、内部親水性媒体中に分散又は溶解され得る(例えば、水又は水を含む組成物中に分散又は溶解され得る)。
内部親水性媒体と疎水性化合物の両方は、上記のような活性成分を含むことができる。
疎水性化合物は、それ自体が活性剤であるとみなすことができることを付言しておく。
疎水性化合物中に含まれ得る(例えば、分散又は溶解できる)活性剤成分としては、有機又は無機化合物が挙げられる。無機化合物は、例えば、ナノ粒子のような無機粒子であり、該粒子は、随意として疎水性化合物中での及び/又は該化合物内部での相溶性及び/又は分散性を制御するための表面処理を受ける。また、疎水性化合物は、活性無機粒子をも包含できる。
疎水性化合物中に含まれる活性剤は、液状又は別の形態、疎水性化合物又は疎水性化合物が混和できる有機溶媒の溶液状であることができる。
好ましくは、疎水性化合物である活性剤又はその中に含まれる活性剤は、その水への溶解度が25℃で10重量%以下であるものである。
食品産業において使用できる疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例としては、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、揮発性物質、香料及び食品に適合できる着色料が挙げられる。
化粧品に使用できる疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例としては、フレグランス、パフューム、ジメチコーンのようなシリコーンオイル、ビタミンAのような脂溶性ビタミンが挙げられる。
塗料に使用できる疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例としては、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、マスクされた又はマスクされていない(ポリ)イソシアネートが挙げられる。
紙産業において使用できる疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例としては、アルキルセテンダイマー(AKD)及びアルケニル無水琥珀酸(ASA)が挙げられる。
農薬に使用できる疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例としては、カルボン酸α−シアノフェノキシベンジル、カルボン酸α−シアノハロゲノフェノキシ、芳香族基を含むN−メチルカーボネート、アルドリン、アジンホス−メチル、ベンフルラリン、ビフェントリン、クロルホキシム、クロルピリホス、フルクロラリン、フルロキシピル、ジクロルボス、マラチオン、モリネート、パラチオン、ペルメトリン、プロフェノホス、プロピコナゾール、プロチオホス、ピリフェノックス、ブタクロール、メトラクロール、クロリメホス、ジアジノン、フルアジホップ−P−ブチル、ヘプトパルギル、メカルバム、プロパルギト、プロスルホカルブ、ブロモホス−エチル、カルボフェノチオン及びシハロトリンが挙げられる。
洗剤組成物に使用できる疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例としては、シリコーン消泡剤、フレグランス及びパフュームが挙げられる。
疎水性化合物である活性剤又は中に含まれる活性剤の例として、有機溶媒又はそれらの混合物、例えば、芳香油留分のような洗浄又は剥離用の溶媒、D−又はL−リモネンのようなテルペン化合物及びSolvesso(登録商標)のような溶媒も挙げられる。また、溶媒として、酢酸、琥珀酸、グルタル酸の混合物(ナイロン単量体の製造の副産物の混合物)のメチルエステルのような脂肪族エステル及び塩素化溶媒も挙げられる。
内部親水性媒体中に含まれ得る活性成分としては、有機又は無機化合物が挙げられる。古典的なベシクル中に導入できる当業者に周知の任意の親水性活性剤が使用できる。
内部親水性媒体(好ましくは水をベースとする)中の活性剤は、水に可溶であることができる。これらのものは、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンのような水と混和性のある親水性溶媒に可溶化できる。また、活性剤は、水又は水を含む組成物のような親水性媒体中に分散された固体の形であることもできる。
内部親水性媒体中に含まれる活性剤の例として、化粧効果、治療効果を有する化合物及び毛髪又は皮膚を処置するために使用される化合物が挙げられる。
しかして、使用できる活性化合物としては、随意として複素環中に含まれる第四アンモニウム基を含む重合体(クオタニウム又はポリクオタニウム型化合物)のような毛髪及び皮膚コンディショニング剤、保湿剤、固定(スタイリング)剤、より好ましくは単独重合体、共重合体又は三元共重合体のような固定用重合体、例えば、アクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム、スルホン化ポリスチレン、陽イオン性重合体、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。
また、内部親水性媒体中に含まれ得る活性剤として、脱臭用組成物に使用できる着色剤、収斂剤、例えば、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔剤、日焼け止め剤なども挙げられる。
化粧品に使用できる内部親水性媒体中に含まれる活性剤としては、クエン酸、乳酸、グリコール酸、サリチル酸のようなα−及びβ−オキシ酸、ジカルボン酸、好ましくはアゼライン酸のような9〜16個の炭素原子を含む不飽和のもの、ビタミンC及びその誘導体、特にホスフェートをベースとする又はグリコシルをベースとする誘導体、殺生物剤、例えば、好ましくは陽イオン性のもの(例えば、ロディア社によって販売されているGlokill PQ、Phodoaquat RP50)が挙げられる。
食品産業において使用できる内部親水性媒体中に含まれる活性剤の例としは、アルギン酸塩、カラギナンのような架橋性食感改良用重合体のために使用できる2価カルシウム塩(燐酸塩、塩化物など)が挙げられる。また、重炭酸ナトリウムも使用できる。
農薬に使用できる内部水性媒体中に含まれる活性剤の例としては、親水性殺生物剤及び親水性栄養成分が挙げられる。
油田で使用できる内部親水性媒体中に含まれる活性剤の例としては、油井をセメンチングし、掘削し、又は刺激(例えば、破砕)するために有用な親水性化合物が挙げられる。例としては、リチウム塩、塩化物、酢酸塩のような架橋用触媒が挙げられる。また、例としては、カルボン酸(例えば、クエン酸)、酵素及び酸化剤のような多糖類を分解させる化合物も挙げられる。
紙産業において使用できる内部親水性媒体中に含まれる活性剤の例としては、塩化カルシウム及び塩酸が挙げられる。
疎水性化合物及び内部親水性媒体は、ベシクル中の浸透圧を制御する及び/又はベシクルの安定性を制御するためのいくつかの化合物をさらに含むことができる。例えば、内部親水性媒体は、ハライド若しくは硫酸のアルカリ塩若しくはアルカリ土類金属塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム)又はそれらの混合物を含むことができる。また、内部親水性媒体は、グルコースのような糖質若しくは少なくともデキストランのような多糖類又はそれらの混合物であることもでき、或いはこれらを含むこともできる。
本発明に従うベシクルは、薄膜再水和方法によって製造できる。この方法によって得られたベシクルは、水性媒体中に分散される。この方法は、次の工程:
(a)ある表面に、溶媒に溶解したジブロック共重合体及び該溶媒に分散又は溶解した疎水性化合物、好ましくは該溶媒に溶解した疎水性重合体を含む溶液を付着させ、
(b)該溶媒を蒸発させて該ジブロック共重合体及び疎水性重合体を含む乾燥した薄膜を得、
(c)該薄膜を水又は水を含む組成物で再水和させること
を含む。
ベシクルの水又は水を含む組成物の懸濁液、分散体又はエマルジョンが得られる。このものは、随意として、細孔を含む膜、例えば細孔を含むポリカーボネート膜を介してさらに押し出される。このような押出工程は、ベシクルの技術分野、例えば、単分散のリン脂質ベースのベシクルを製造するための化粧品産業における当業者に周知である。これは、狭い寸法の分散性を有する、より小さなベシクルを得るのを可能にする。また、これは、ベシクルの膜を強化することを可能にする。一般に、ベシクルに含まれる重合体の疎水性が高ければ高いほどベシクルの膜が強いことが分かった。
ベシクルが活性剤を含み得るときに、疎水性活性剤は、通常、溶液中に導入することによって導入され、そして親水性活性剤は、通常、薄膜を再水和させるときに水を含む組成物中に導入することによって導入されることを言及しておく。
上述のように、1個のみの内部シェルを含むベシクル又は数個の内部シェルを含むベシクルが本方法によって得られ得る。通常、少量の疎水性重合体は、1個のみの内部シェルを含むベシクルをもたらし、そして大量の疎水性化合物は、数個の内部シェルを含むベシクルをもたらす(3重エマルジョン型組成物)。また、2つの具体例に従う混合物を得ることもできる。使用される疎水性化合物の量及び疎水性ブロックと親水性ブロックとの間の比は上述した。
特性
本発明に従うベシクルは、膜(ジブロック共重合体、疎水性化合物及び随意として少なくとも1種の活性剤化合物を含む)の特性を制御することを可能にする。制御される特性としては、強さ、寿命、透過性、活性剤についての分散パラメーターなどが挙げられる。従って、膜は、疎水性化合物を有する方がそれを有しないものよりも強く、そしてベシクルに含まれる化合物が疎水性であればあるほど膜は強い。強度を制御することは、例えば、・ベシクルをこれが使用されるであろう目的の媒体に適合させること、
・化粧用組成物、洗剤組成物、織物用被覆組成物のような組成物中にベシクルを導入するためにベシクルを処理加工すること(ベシクルが十分に強くない場合には、処理加工中に分解される可能性がある)、及び
・活性剤の放出のタイミングを制御すること(いったん膜が破壊されると、活性剤が放出される)
を可能にする。
本発明に従うベシクルは、活性剤を供給するのに、又は活性剤を相溶性のない媒体中に導入するのを可能にするのに特に有用である。これらのベシクルにより、化粧用組成物、洗剤組成物において、例えば、洗浄に耐えるパフューム又はフレグランス活性を有する該組成物を提供するための用途が見いだされる。また、これらのベシクルにより、織物の処理において、例えば、長期間にわたって及び/又は数回の洗浄後に効果(抗菌効果、医療効果、耐ストレス性のような「心地よい」効果、爽快にする効果、親水化効果、化粧感効果など)を与える活性剤を放出させるための用途も見いだされる。また、これらのベシクルにより、医薬組成物における用途も見いだされる。
活性剤は、上で説明したように、疎水性活性剤及び/又は親水性活性剤であることができる。活性剤の例は上に与えた。本発明に従うベシクルは、親水性活性剤と疎水性活性剤の両方を含むことができるため、特に有用である。しかして、ベシクルは、通常ベシクル中に含まれる活性剤及びさらなる疎水性活性剤を含むことができる。これは、親水性活性剤を含むベシクルを含む組成物中に疎水性化合物を導入するための別の手段を使用することを防止できる。これは、いくつかの活性剤が相溶性でなくてもよいため、「1種中2種」の組成物を得るのを容易にし得る。
本発明のさらなる理解のために、いくつかの例示の実施例を与える。

使用した化合物:
ジブロック共重合体1:15000g/モルの重量平均分子量を有するポリアクリル酸ブチル・ポリアクリル酸(PBA−b−PAA)ブロック共重合体であって、ポリアクリル酸ブチルブロックを50重量%及びポリアクリル酸ブロックを50重量%含むもの。
ジブロック共重合体2:15000g/モルの重量平均分子量を有するポリアクリル酸ブチル・ポリアクリル酸(PBA−b−PAA)ブロック共重合体であって、ポリアクリル酸ブチルブロックを70重量%及びポリアクリル酸ブロックを30重量%含むもの。
疎水性化合物1:7500g/モルの重量平均分子量を有するポリアクリル酸ブチル単独重合体。
疎水性化合物2:アクリル酸ブチルから誘導される単位と蛍光マークされた単位とを含み、3500g/モルの重量平均分子量を有するポリアクリル酸ブチル重合体。
疎水性化合物3:ZnSの保護層及び油溶性にするためのTOPO(酸化トリオクチルホスフィン)の層によって覆われた表面を有する、2量体のCdSeナノ粒子(量子ドット)。
例1〜3
手順:
ジブロック共重合体1のTHF(99.9%、シグマ−アルドリッチ)ストック溶液4mg/mLを調製する。疎水性化合物1のTHF(99.9%、シグマ−アルドリッチ)ストック溶液4mg/mLを調製する。
この2つの溶液を、ジブロック共重合体溶液の量に関して、疎水性化合物溶液の異なる量の比でボルテクスすることによって混合する:3重量%、5重量%、30重量%。
Figure 2005520872
25μLのそれぞれの混合物をガラス瓶中に付着させる。次いで、THF溶媒を蒸発させて(4時間真空下で)該瓶の底部に薄い重合体被膜を得る。次いで、この薄膜を250μLのmilli−Q水で、穏やかな撹拌を可能にするために窒素バブリングしつつ再水和させる。この再水和プロセスは1時間続行する。0重量%の比較例を除き、ベシクルを水に分散させてなる懸濁液を得る。この工程の全てを室温で実施する。これらのベシクルの光学顕微鏡写真を例2については図1に、例3については図2に与えている。
例4:蛍光実験−親水性相
例3について記載された方法を、被膜再水和のために使用したmilli−Q水中に50nMのデキスラン−テキサス赤色顔料10K(モレキュラー・プローブス社)を添加することにより実施する。懸濁液中におけるベシクルの水性外面の蛍光消光を、特異的抗顔料(アンチ−テキサス赤色,モレキュラー・プローブス社)を添加することによって達成する。この目的のために、20μLの抗テキサス赤色をベシクル懸濁液の50μLに添加する。蛍光顕微鏡による画像化の前に、消光を生じさせる室温で15〜20分のインキュベーション時間を与える。図3は、30重量%の疎水性化合物1によって得られたベシクルの蛍光顕微鏡画像図である。図3は、疎水性化合物相内部に水をベースとする液滴を含むベシクルの処方物を示している。
例5:蛍光実験−疎水性相
例1について記載された方法を、ジブロック共重合体1及び10重量%の疎水性化合物2の溶液を使用して実施する。
図4は、得られたベシクルの蛍光顕微鏡の画像である。図4は、疎水性化合物がベシクルの膜中に存在することを示している。
例6
ヘキサン中に分散された2μLの疎水性化合物3のナノ粒子を1mLのTHF(テトラヒドロフラン)と混合する。この溶液をその後1%までmilli−Q水で希釈し、そして粉末状の2mgのブロック共重合体2に添加する。
次いで、該溶液を5分間にわたってボルテクスすることによってベシクルを形成させる。図5は、ベシクルの蛍光顕微鏡画像である。これは、量子ドットがベシクル膜に包封されていることを示している。
本発明に従うベシクルの光学顕微鏡写真図である。 本発明に従うベシクルの光学顕微鏡写真図である。 親水性内部相を示す本発明に従うベシクルの蛍光顕微鏡画像図である。 重合体である疎水性化合物を示す本発明に従うベシクルの蛍光顕微鏡画像図である。 ナノ粒子である疎水性化合物を示す本発明に従うベシクルの蛍光顕微鏡画像図である。

Claims (21)

  1. 親水性ブロック及び疎水性ブロックを含むジブロック共重合体の外部シェルと、親水性ブロック及び疎水性ブロックを含む同一又は別のジブロック共重合体の少なくとも1個の内部シェルとを含むベシクルであって、該外部シェルの疎水性ブロックが該内部シェルの疎水性ブロックに面しており、そしてこれらのシェル間に疎水性化合物をさらに含むベシクル。
  2. 疎水性化合物が疎水性重合体である請求項1に記載のベシクル。
  3. 疎水性ブロック及び疎水性重合体が同一の反復単位を含む請求項1又は2に記載のベシクル。
  4. 疎水性化合物が無機粒子である請求項1に記載のベシクル。
  5. 親水性ブロックが親水性単位を含み、疎水性ブロックが疎水性単位を含み、ここで、該疎水性単位と該親水性単位の量の間の重量比が25/75〜70/30で構成され、しかも、疎水性重合体の重量がジブロック共重合体の重量に対して1%以上である、請求項3に記載のベシクル。
  6. 親水性ブロックが親水性単位を含み、疎水性ブロックが疎水性単位を含み、ここで、該疎水性単位と該親水性単位の量の間の重量比が50/50〜70/30で構成され、しかも、疎水性重合体の重量がジブロック共重合体の重量に対して3%以上である、請求項3に記載のベシクル。
  7. 外部親水性媒体中に分散され、外部シェルの親水性ブロックが該外部親水性媒体に面し、しかも、内部シェルの内部に内部親水性媒体を含み、該内部シェルの親水性ブロックが該内部親水性媒体に面している、請求項1〜6のいずれかに記載のベシクル。
  8. 内部及び外部親水性媒体が水又は水を含む組成物である請求項7に記載のベシクル。
  9. 疎水性化合物中に分散された疎水性活性剤をさらに含む請求項1〜8のいずれかに記載のベシクル。
  10. 内部シェルの内部に内部親水性媒体を含み、該内部シェルの親水性ブロックが該内部親水性媒体に面している、請求項1〜9のいずれかに記載のベシクル。
  11. 内部親水性媒体が水又は水を含む組成物である請求項10に記載のベシクル。
  12. 親水性媒体が活性剤を含む請求項7〜11のいずれかに記載のベシクル。
  13. 疎水性化合物中に分散された疎水性活性剤をさらに含む請求項10〜12のいずれかに記載のベシクル。
  14. 疎水性ブロックがポリアクリル酸ブチルブロックであり、親水性ブロックがポリアクリル酸ブロックであり、そして疎水性重合体がポリアクリル酸ブチル単独重合体である、請求項3又は5〜13のいずれかに記載のベシクル。
  15. 次の工程:
    (a)ある表面上に、ジブロック共重合体及び疎水性重合体を溶媒に溶解してなる溶液を付着させ、
    (b)該溶媒を蒸発させて該ジブロック共重合体及び該疎水性重合体を含む乾燥した薄膜を得、及び
    (c)該薄膜を再水和させること
    を含む方法によって得られた、請求項2、3又は5〜14のいずれかに記載のベシクル。
  16. 前記方法が膜を介して押し出すことをさらに含む請求項15に記載のベシクル。
  17. 疎水性化合物が架橋性重合体であり、該重合体がベシクルの透過性又は機械的性質を制御するためにさらに架橋された請求項2、3又は5〜16のいずれかに記載のベシクル。
  18. 次の工程:
    (a)ある表面上に、ジブロック共重合体及び疎水性重合体を溶媒に溶解してなる溶液を付着させ、
    (b)該溶媒を蒸発させて該ジブロック共重合体及び該疎水性重合体を含む乾燥した薄膜を得、及び
    (c)該薄膜を再水和させること
    を含む方法によって得られ、
    外部親水性媒体とベシクルが、内部親水性相を疎水性相中に分散し、そして該疎水性相を外部親水性相中に分散してなる3重エマルジョンを形成し、ここで、該外部親水性相は外部親水性媒体を含み、該親水性相はシェル間に疎水性化合物を含み、そして該内部親水性相は内部親水性媒体を含む
    ことを特徴とする、請求項7〜17のいずれかに記載のベシクル。
  19. 内部及び外部親水性媒体が水又は水を含む組成物である請求項18に記載のベシクル。
  20. 親水性ブロックが親水性単位を含み、疎水性ブロックが疎水性単位を含み、ここで該疎水性単位と該親水性単位の量の間の重量比が25/75〜70/30で構成され、しかも疎水性重合体の量が10%以上である、請求項18又は19に記載のベシクル。
  21. 親水性ブロックが親水性単位を含み、疎水性ブロックが疎水性単位を含み、ここで、該疎水性単位と該親水性単位の量の間の重量比が50/50〜70/30で構成され、しかも疎水性重合体の量が15%以上である、請求項20に記載のベシクル。
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