CMP処理ベルトおよびこれを作成する方法に関する発明を開示する。好適な実施形態において、CMP処理ベルトは、処理ベルトを形成するためにメッシュベルトを包み込む重合体材料を有する補強メッシュベルトと、重合体材料で構築され、CMP工程において使用される処理ベルトを形成するために織物または合成材料により補強された処理ベルトとを含む。
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細について述べる。しかしながら、こうした特定の詳細の一部または全部が無くとも本発明を実施し得ることは当業者には理解されよう。また、本発明を不必要に曖昧にしないため、周知の処理工程は詳細に説明していない。
図1Aは、代表的な直線ベルトCMPシステム100を例示している。直線CMP処理ベルト102は、二つのドラム104の周りに配置される。処理するウェーハ106は、直線ベルトCMPシステム100の上のウェーハキャリヤ108に取り付ける。ウェーハキャリヤ108では、ウェーハ106の回転を引き起こす回転110を発生させ、ドラム104は、直線CMP処理ベルト102は方向112に移動させるように回転する。ウェーハ106が取り付けられた回転するウェーハキャリヤ108は、ドラム104の周りを方向112で移動する直線CMP処理ベルト102に当てる。プラテン114は、直線CMP処理ベルト102の下で、ウェーハ106を取り付けたウェーハキャリヤ108と向かい合って(例えば、直線CMP処理ベルト102の反対側に)配置される。プラテン114は、望ましい平坦化またはその他のCMPプロセスを達成するのに十分な力でウェーハ106を直線CMP処理ベルト102に当て、一貫して測定可能な処理のための平坦な表面を提供するために、追加的な支持を提供する。図1Bは、説明した直線ベルトCMPシステム100の側面を図示している。
図1Aおよび1Bから理解できるように、直線CMP処理ベルト102は、直線ベルトCMPシステム100の動作中に様々なストレスを受ける。一例として、直線CMP処理ベルト102上の一点は、ドラム104の周りを移動するにつれて、伸長力を受け、直線CMP処理ベルト102の外部領域は、直線CMP処理ベルトの内部領域よりも大きな伸長力を受ける。直線CMP処理ベルト上の一点は、引き続きドラム104を離れて遠くへ移動するにつれて、ベルトが真っ直ぐになり、直線ベルトCMPシステム100の上部または底部を次のドラム104に向かって移動する際に収縮力を受ける。更に、直線ベルトCMP処理システム100は、処理面に対するウェーハの下降力と、回転ウェーハ106と直線CMP処理ベルト102との間の摩擦接触と、こうしたその他の処理力とのような処理ストレスを、直線CMP処理ベルト102に与える。
図2Aは、代表的な直線CMP処理ベルト120の断面を示している。例示的な直線CMP処理ベルト120は、三つの層122、124、および126を含む。最も上の重合体層122は、CMP処理のためにウェーハ106を当てる(図1A、1B参照)処理面を提供する。緩衝層124は、通常、処理面重合体層122と、支持層または基層126との間に構築され、処理面重合体層122と、硬質で硬質な支持層または基層126との間に緩衝遷移層を提供する。通常、支持層または基層126は、緩衝層124と重合体処理面層122とが上に作成された固体ステンレス鋼またはその他の同様の金属ベルトまたはバンドである。複数の層は、通常、接着剤、他の層上での層の成型、あるいは、ある層と次の層との他の同様の接合によって接合される。
図2Bは、in−situ光学終点検出(EPD)システムで使用するベルトの開放断面128を有する図2Aの代表的な直線CMP処理ベルト120の断面を示している。図2Bにおいて理解できるように、直線CMP処理ベルト120の一区画は、支持層または基層126と、緩衝層124と、処理面重合層122とを含め除去されている。直線CMP処理ベルト120において開放区画128が構築される時には、光学EPDの実施にとって十分なサイズの開放区画128が、直線処理ベルト120において形成される。通常、十分なサイズは、代表的な寸法として長さ約1.25インチ(1インチは25.4ミリ)および幅0.75インチを有する特定の処理ツールに応じてサイズが変化する直線CMP処理ベルト120の小さな円形、楕円形、または正方形区画を含み、そのため、直線CMP処理ベルト120の幅全体を含まず、あるいは、直線CMP処理ベルト120の構造的整合性を大幅に弱めるような大きなサイズのものを含まない。EPDで使用する開放区画128の構築は、通常、直線CMP処理ベルト120内で、処理面重合体層122と、緩衝層124と、支持層または基層126とのそれぞれを通じて穴または開口部を形成することを含む。
上記のように、直線CMP処理システム100(図1Aおよび1B参照)の通常の使用中に発生する伸長および収縮力により、図2aに示す例示的なベルト等の直線CMP処理ベルト120では、剥離または分離が発生する。通常の摩耗のストレスの影響は、スラリ、リンス、およびその他の使用を含む湿潤環境によって悪化する。図2Aに例示する開放区画128のような構造は、ストレスを受ける表面積の増加と、層接合部および接着剤またはその他の接合が湿潤環境に晒される可能性の増加と、形成された開口部または開口部群による基層または支持層126の構造的弱体化と、その他とによる剥離または分離を含む構造的欠陥を直線CMP処理ベルト120が被る可能性を増加させる恐れがある。
図3Aは、本発明の実施形態によるCMP処理ベルト150の断面である。図3Aに示す本発明のCMP処理ベルト150において、CMP処理ベルト150は、ステンレス鋼またはその他の適切な材料のメッシュコア154と共に、実質的に重合体152材料(本明細書では重合体層152および重合体152とも呼ばれる)で構築される。一実施形態において、メッシュコア154は、ほぼ中核または中心の層を形成し、重合体152は、メッシュコア154の周囲および内部を通じて成型される。CMP処理ベルトの重合体152を成型するのに使用される重合体材料の例は、ポリウレタン、ポリエステル、PVC、ポリアクリレート、およびエポキシを含む。結果として生じる構造は、直線ベルトCMPシステム100(図1Aおよび1B参照)での使用における伸長および収縮ストレスに耐える柔軟性および弾性を有し、単一の一体化構造として成型されるため、剥離または分離の高い可能性に影響されず、CMP処理のための安定した表面を提供し、光学EPDシステムに容易に統合され、耐久性に優れ、長持ちし、従来技術に対する複数の利点を提供する。
本発明の一実施形態において、メッシュコア154は、図2Aおよび2Bを参照して説明した基層または支持層126に類似する内部での支持を提供する。本明細書で説明するように、CMP処理ベルトのメッシュコアは、連続ループであるベルト形の内部コアとして画定される。連続ループは、開始部と終了部とを有していないため、ベルトまたはバンド形の構造となる。図2Aおよび2Bの固体基層または支持層126とは異なり、本発明のメッシュコア154は、内部コアとして望ましい強度および支持を提供し、メッシュ設計のため、重合体152内部で接合および成型され、図2Aおよび2Bにおいて例示したような固体基層または支持層126に対して重合体が接合またはその他の形で成型される時に生じる恐れがある剥離またはその他の分離の可能性を実質的に低減し、あるいは本質的に排除する。
図3Bは、本発明の別の実施形態によるCMP処理ベルト150の断面である。図3Bに例示する実施形態において、重合体CMP処理ベルト150は、メッシュ補強層154により補強される。図3Bのメッシュ補強層154は、図3Aに示すメッシュコア154と同じ構造である。したがって、メッシュ補強層154は、連続ループであるベルト形の構造を有するCMP処理ベルト150のメッシュ層となる。一実施形態において、CMP処理ベルト150は、本質的には重合体152の成型物であり、補強メッシュ層154は、重合体152材料の底面に対して配置される。補強メッシュ層154は、その後、本質的に追加重合体層153を形成する追加的な重合体材料153をスプレ156することで、重合体層152に接合され、結果として、メッシュ層154は、メッシュコア154となる。一実施形態において、追加重合体層153は、重合体層152と同じ材料である。別の実施形態において、追加重合体層153は、処理要件および要求により、重合体層152とは異なる材料となる。
本発明の一実施形態では、重合体152を成型したCMP処理ベルト150に対して配置された補強メッシュ層154に対して、アプリケータ158を使用して重合体をスプレ156するか、あるいはその他の形で適用する。補強メッシュ層154および重合体152に適用する追加重合体153は、一実施形態において、重合体層152と同じ重合体材料である連続構造を形成し、補強メッシュ層154の全般的に多穴性であるグリッドパターンを貫流し、その周囲を流れる。
図3Cは、本発明の更に別の実施形態によるCMP処理ベルト150の断面である。図3Cに例示する実施形態において、重合体CMP処理ベルト150は、メッシュ補強層154により補強される。図3Cのメッシュ補強層154は、図3Aおよび3Bに図示したメッシュコア154と同じ構造である。図3Cに例示する実施形態において、CMP処理ベルト150は、本質的には、図3Aに例示するCMP処理ベルト150と同様にメッシュコア154を包む重合体152の成型物である。処理面層155は、一実施形態において、その後、メッシュコア154を包む重合体152の上に成型される。別の実施形態において、処理面層は、図3Bを参照して上で説明したように、アプリケータを使用してスプレされる。図3Cに例示するCMP処理ベルト150は、処理面層155が重合体層152とは異なる硬度を有することになる材料を使用して処理条件が最適化された場合に利用できる。処理面層155と重合体層152とは、両方とも、重合体材料にすることが可能であり、したがって、しっかりと接合できる。追加として、処理条件で認められる時には、処理面層155には、一つ以上の個別の層を成型またはその他の形で適用し、含めることが可能であり、図3Cにはその一つのみが例示されている。二つ以上の重合体材料の層で構成される処理面層155は、例えば、処理面の下の緩衝層等、CMP処理ベルト150において異なる硬度の層を実施して、望ましい処理面特性を達成するために使用できる。
図4Aは、本発明の実施形態によるCMP処理ベルト160の断面である。図4Aに図示する本発明のCMP処理ベルト160において、CMP処理ベルト160は、実質的に、織物または合成材料補強層164を有する重合体材料162と、スプレまたはその他の形で適用され、織物または合成材料補強層164を重合体材料162に接合する重合体材料層166とにより構築される。重合体材料162は、ポリウレタン、ポリエステル、PVC、ポリアクリレート、任意の複数のエポキシ、およびその他を含め、CMP処理ベルトおよび表面を構築するのに最適な任意の複数の重合体材料を含むことができる。
一実施形態において、織物または合成材料補強層164は、ケブラの織物である。他の実施形態において、織物は、ナイロン、ポリイミド、ポリエステル、およびその他の合成繊維といった剛性材料で構築され、一部の実施形態において、織物は、例えば、織物の一方向を形成するナイロン材料と、織物の他の方向を形成するポリエステル材料とのような、合成材料の組み合わせとなる。これにより、特定の処理の必要性に応じて、CMP処理ベルト160に沿って、更にはその全体で、強度、または剛性、または弾力性といった、特定の合成物質の最も望ましい特性が、選択的に実施される。
図4Aに例示する実施形態では、追加重合体材料層166は、織物または合成材料補強層164を重合体材料162に接合する状態で図示されている。追加重合体材料層166は、ポリウレタン、ポリエステル、PVC、ポリアクリレート、任意の複数のエポキシ、およびその他を含め、CMP処理ベルトの構築に使用するのに適した任意の複数の重合体を含むことができる。
図4Aに例示するように、本発明の一実施形態は、重合体スプレアプリケータ158を使用して望ましい重合体をスプレして、追加重合体材料層166を適用することを含む。織物または合成材料補強層164は、重合体材料162に対して、一時的にクランプ留め、ステープル留め、鋲留め、接着剤留め、またはその他の形で一時的に配置される(図4に図示せず)。重合体スプレアプリケータ158は、追加重合体材料層166が織物または合成材料補強層164上に適用され、更に織物または合成材料補強層164に浸透し、一実施形態において、重合体材料162と追加重合体材料層166との間に化学接合が形成されるように、追加重合体材料層166をスプレ156するのに使用される。一実施形態において、重合体材料162および追加重合体材料層166は、同じ重合体により作成される。代替実施形態において、重合体材料162および追加重合体材料層166は、異なる重合体で作成される。しかしながら、重合体の特性は、層の間に、強く、永続的で、一部のケースでは化学的な接合を提供し、織物または合成材料補強層164を接合した重合体162、166の内部で効果的に包む。
一実施形態において、織物または合成材料補強層164は、CMP処理ベルトの補強層を形成するため、CMP処理ベルト160の重合体材料162と同じ連続ループのベルト形構造を有する。上記のように、本発明の一実施形態の製造は、クランプ留め、ステープル留め、鋲留め、接着剤の使用、およびその他といった方法により、織物または合成材料補強層164を重合体材料162に一時的に適用することを含む。図5を参照して、下で更に詳細に説明するように、織物または合成材料補強層164は、重合体材料162の内面に対して作成および配置することが可能であり、あるいは、織物または合成材料補強層164は、重合体材料162の外面に対して作成および配置することが可能である。本明細書での使用において、重合体材料162の内面は、CMP処理ベルト160を形成する連続ループのベルト形構造の内面に対応する。CMP処理ベルト160の内面は、ドラム(図1Aおよび1B参照)およびプラテン114(図1Aおよび1B参照)に接触する面である。したがって、外面は、処理面を有し、処理のためにウェーハを当てる面である。
図4Bは、本発明の実施形態によるCMP処理ベルト160の断面である。図4Aに例示するCMP処理ベルト160と同様に、図4BのCMP処理ベルトは、重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166とを含む。織物または合成材料補強層164は、重合体材料162に対して配置され、追加重合体材料層166は、適用された重合体が織物または合成材料補強層164に浸透し、重合体材料162と追加重合体材料層166との間で強く永続的な接合が形成され、CMP処理ベルト160内部に織物または合成材料補強層164が効果的に包まれるように、追加重合体材料層166をスプレ156またはその他の形で適用することで、織物または合成材料補強層164上に適用される。一部の実施形態において、形成される接合は、重合体材料162と追加重合体材料層166との間での化学接合である。図4Bに例示される実施形態は、図2Bを参照して上で説明したように機能するEPD開口部168を含む。
EPD開口部168は、織物または合成材料補強層164を重合体材料162に対して配置する前に、織物または合成材料補強層164において作成される。追加重合体材料層166が適用された後、重合体材料162と追加重合体材料層166とは接合し、織物または合成材料補強層164を包み込む。一実施形態において、EPD開口部168は、織物または合成材料補強層164において既に形成されている開口部に位置合わせし、この開口部を通して、追加重合体材料層166と重合体材料162とを通る開口部を形成することでCMP処理ベルト160において作成される。一部の応用において、選択される織物または合成材料は、EPD開口部を形成するために、丈夫で、強く、耐久性に優れ、その他の点においては、切断またはその他の形で貫通することが非常に困難となる。織物または合成材料が重合体材料に包まれる時、開口部の形成は極めて困難となるため、開口部は、織物または合成材料補強層164を重合体材料162に対して配置する前に形成される。
別の実施形態では、重合体材料162と追加重合体材料層166とは、織物または合成材料補強層164を通じてEPD開口部168が形成される領域において薄くする(図4Bに図示せず)。一部の実施において、重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166との全てを完全に貫通する必要はない。織物または合成材料補強層163は、補強層を通る光の透過を可能にするEPD開口部を有しているため、重合体材料162および追加重合体材料層166では、EPDのための光の透過を可能にするように薄くする必要のみがある。
別の実施形態において、EPD開口部168は、一体となった重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166とのそれぞれを通じて、製造済みのCMP処理ベルト160において開口部を形成することで作成される。代替実施形態において、EPD開口部168は、連続ループのベルト形構造の成型中に重合体材料162において作成可能であり、織物または合成材料補強層164においては、CMP処理ベルト160の製造中に重合体材料162に対して配置する前に開口部を形成できる。構成要素である層の開口部は、織物または合成材料補強層164が重合体材料162に対して配置される時に位置合わせされる。追加重合体材料層166が追加され、層を接合し、織物または合成材料補強層164を包み込み、CMP処理ベルト160が形成される。EPD開口部168は、その後、重合体材料162と織物または合成材料補強層164において既に形成された開口部上の追加重合体材料層166を通して穴を空けることで形成される。
図5は、本発明の一実施形態による、図4Aおよび4Bを参照して説明した追加重合体材料層166の適用の詳細図を示している。図4Aおよび4Bを参照して説明したように、織物または合成材料補強層164は、連続ループのベルト形構造として作成され、同じく連続ループのベルト形構造である重合体材料162に対して配置される。織物または合成材料補強層164は、CMP処理ベルト160の望ましい実施および使用により、重合体材料162の内面または外面のいずれかに対して配置できる。一実施形態において、織物または合成材料補強層164は、ケブラから作成される。別の実施形態において、織物または合成材料補強層164は、ポリエステル、レイヨン、ナイロン、ポリイミド、合成物質の混合物、およびその他を含む、任意の複数の繊維または合成物質で作成される。選択される織物または合成材料は、一般に多穴性であり、追加重合体材料層166は織物または合成材料に浸透可能となり、重合体材料162の(複数の)重合体と追加重合体材料層166は接合を形成し、織物または合成材料補強層は、一体構造のCMP処理ベルト160をなす重合体材料162と追加重合体材料層166の内部に効果的に包まれるようになる。このように形成された一体構造は、本質的に、一部の従来技術のCMP処理ベルトおよび表面の構築において通常使用される層の剥離または分離を発生させにくい。
図5に表示するように、本発明の実施形態は、重合体スプレアプリケータ158で重合体材料をスプレ156することによる追加重合体材料層166の適用を含む。適用される追加重合体材料層166の重合体または重合体材料は、重合体材料162と同じ重合体または重合体材料にすることが可能であり、あるいは、一部の実施形態では、異なる重合体または重合体材料にすることができる。好適な実施形態において、選択される重合体または重合体材料は、強く永続的な接合の形成を提供する特性を有する。一部の実施形態において、形成される接合は、化学接合である。例示的な重合体材料は、ポリウレタン、ポリエステル、PVC、ポリアクリレート、任意の複数のエポキシ、およびその他を含む。図5において理解できるように、適用される重合体は、織物または合成材料補強層164に浸透し、重合体材料162と追加重合体材料層166との間で強く永続的な接合を形成し、織物または合成材料補強層164を包み込む。結果として生じる構造は、一体構造のユニットとして、補強されたCMP処理ベルトを形成する。
図6は、本発明の別の実施形態によるCMP処理ベルト170の断面を示す。図6に例示する実施形態において、CMP処理ベルト170は、図4A、4B、および5を参照して上で例示および説明したように、重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166とを含む。処理面層172は、図6に例示するCMP処理ベルト170に対して成型、スプレ、またはその他の形で適用される。図4A、4B、および5において例示および説明した実施形態において、重合体材料162は、処理面を形成する。図6に例示する実施形態において、分離処理面層172は、重合体材料162上に成型、スプレ、またはその他の形で作成され、CMP処理ベルト170のための処理面を形成する。
図6に例示するCMP処理ベルト170は、下の重合体材料162または追加重合体材料層166とは異なる硬度の処理面層172を有することが望ましい用途において、処理面を最適化するために作成される。図5を参照して上で説明したように、織物または合成材料補強層164は、重合体材料162の内面または重合体材料162の外面のいずれかに対して配置できる。これにより、層の異なる硬度を組み合わせ、処理条件および要求に従って、処理面層172の硬度を最適化できる。一実施形態において、重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166とは、図4A、4B、および5を参照して上で説明したように作成され、その後、既に作成された層の上に処理面層172を成型し、CMP処理ベルト170の処理面を形成する。他の実施形態では、重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166とを作成し、作成済みの層の上に処理面層172をスプレまたはその他の形で適用して、CMP処理ベルト170を形成する。
図6に例示するCMP処理ベルト170の実施形態は、更に、性能要件を満たすためにCMP処理ベルト170の厚さを制御するために利用できる。代表的なCMP処理ベルト170、160、150は、上で説明した本発明の実施形態によれば、約80ミル(1ミルは1/1000インチ=25.4μm)ないし約100ミルの厚さの範囲となる。本発明によるCMP処理ベルト170の実施形態において、一体化された重合体材料162と、織物または合成材料補強層164と、追加重合体材料層166との厚さは、望ましい強度および構造的支持特性を保持しながら、約20ミルないし約30ミルの範囲に最小化できる。CMP処理ベルト170の全体的な厚さは、その後、処理面層172のタイプおよび厚さに応じて決まる。一例として、厚いCMP処理ベルト170が望ましい場合には、重合体材料162と、追加重合体材料層166と、処理面層172とのいずれかを、望ましい厚さに合わせて作成し、設計の目標を達成できる。同様の方法において、層172、162、166の厚さと組成とは、処理条件および要求による望ましい硬度、剛性、およびその他を達成するために調整できる。
更に、図3A、3B、および3Cに例示する実施形態によるCMP処理ベルト150の実施形態において、望ましい厚さは、上で説明したように、重合体152、追加重合体154、処理面155の層のいずれかを調整することで得られる。一実施形態において、CMP処理ベルト150の全体的な厚さは、その後、処理面層155のタイプおよび厚さに応じて決まる。厚いCMP処理ベルトが望ましい場合には、埋め込まれたメッシュコア154を有する重合体層152を望ましい厚さにして作成し、CMP処理ベルトにとって望ましい厚さを達成できる。
図3A、3B、および3Cに例示する本発明の実施形態の構造を更に綿密に見ると、図7は、本発明の一実施形態によるメッシュコア154の詳細図を示している。例示する実施形態において、メッシュコア154は、グリッド配列で構成される、本明細書で説明するように、グリッドは、内部メッシュコア154のメッシュ構造を定め、グリッドは、代替として、マトリクス状に形成される。垂直部材174aおよび水平部材174bは、例示のように垂直グリッドを形成するように配列される。一実施形態において、メッシュコア154は、垂直部材174aと水平部材174bとを接着、接合、溶接、半田付け、またはその他の形で固定することにより構築される。図8Aおよび8Bを参照して更に詳細に説明するように、メッシュコア154は、垂直部材174aおよび水平部材174bに限定されず、処理環境、要求、仕様、およびその他による任意の望ましい方向性またはグリッドパターンにすることが可能なグリッド部材174(図7において174aおよび174bとして例示)となる。
グリッド部材174aおよび174b間の各接合部176は、図8Aおよび8Bを参照して下で更に詳細に説明するように、グリッドの不連続性を可能にするために、一実施形態において固定される。別の実施形態において、グリッドまたはマトリクスは、織ること、編むこと、絡み合わせること、またはその他の形で織り込んだ部材174a、174bのグリッドを形成することで構築される。
一実施形態において、垂直部材174aおよび水平部材174bは、ステンレス鋼で構築された円筒型のシャフトまたは単一繊維のワイヤである。メッシュコア154を構築可能なその他の材料は、通常の直線CMP処理によって発生するストレスに対して弾性があり、容易に製造され重合体に包まれるため剥離を生じにくく、更に、CMP処理のためのウェーハの適用を十分に支持し、持続したCMPツール動作のための耐久性の高い補強型処理ベルトを提供し、伸長またはその他の変形の影響を受けない硬質構造を提供する、直線CMP処理ベルト150(例えば、図3A参照)用の強固な内部フレームワークを提供するために、ステンレス鋼合金、アルミニウム、スチール、銅、およびその他を含むことができる。円筒型シャフト構造は、単一繊維ワイヤ、シャフト、またはロッドと同様に、メッシュコア154の構築において使用する最も弾性が高く強固な、あるいは耐久性のある、構造を提供するために選択される。本発明のその他の実施形態は、グリッド部材174a、174b間の接合部において大きな接合表面積を提供する平坦な面と薄い断面とを有する基本的に長方形のシャフト、あるいはメッシュのグリッドまたはマトリクスパターンを容易に形成する他の任意の構造の使用を含む。
図8Aおよび8Bは、代替のグリッドまたはマトリクスパターンで構築されたメッシュコア154の実施形態を示している。図8Aにおいて、メッシュコア154は、単純な交差または対角線グリッドパターンで構築された状態で図示されている。図8Bにおいて、メッシュコア154は、図7に例示されるような垂直グリッドと、図8Aに例示するような交差または対角線グリッドパターンとの組み合わせにより構築された状態で図示されている。図8Aおよび8Bは、複数のグリッド配列または構成のうち二つの代替実施形態のみを表示している。メッシュコア154のグリッド部材174は、特定の用途のために配列および構成できると理解するべきである。一例として、メッシュコア154は、追加的なクロスベルト補強を提供するように、あるいは直線CMP処理ベルトの胴回りでの追加的なベルト補強を提供するように、あるいはエッジ補強を提供するように、あるいは必要に応じた特定の局所的な補強または強化を提供するように、構成することができる。特定の局所的な補強の一例は、図9Bを参照して更に説明する。グリッドまたはマトリクスパターンの代替物は、複数のCMP処理用途の要件を満たすために、本発明の複数の実施形態を提供する。
図9Aは、本発明の一実施形態によるメッシュコア154の詳細図を例示している。図9Aに例示する実施形態において、EPD開口部178は、メッシュコア154から取り去っている。図7を参照して上で説明したように、メッシュコア154の実施形態は、垂直部材174aと水平部材174bとを接着、接合、溶接、半田付け、またはその他の形で固定することにより構築される。グリッド部材174a、174b間の各接合部176は、グリッド内での不連続性を可能にするために固定される。図9Aは、メッシュコア154のグリッドにおける不連続性の例を示している。グリッド部材接合部は、固定した接合部から一本のシャフトを除去することで、残りの三本のシャフトと固定接合部とが原形を保って残るように固定される。図9Aに例示するように、EPD開口部178は、メッシュコア154において、EPD開口部178を形成するグリッド接合に隣接する複数の垂直部材174aと複数の水平部材174bとを選択的に切断することで構築される。グリッド接合部176は固定されているため、メッシュコア154は、メッシュコア154が当初提供した望ましい強度、剛性、柔軟性、および弾性を維持する。EPD開口部178は、直線CMP処理ベルト150(図3A参照)を通じて伝送される光学EPD信号を可能にする。EPD開口部178は、図9Aにおいて、例示するメッシュコア154のグリッドから容易に構築される形状で表示されている。代表的なCMP処理ベルト150において、EPD開口部178の形状は、円形、楕円形、または正方形であり、特定の処理要件に一致させるために、必要に応じて修正できる。例示のEPD開口部178は、任意の複数の可能な形状を代表するものである。
図9Bは、本発明の別の実施形態によるメッシュコア154の詳細図を例示している。図9Bにおいて、EPD開口部178は、メッシュコア154内に構築されている。EPD開口部178は、例示する実施形態において、支持部材180により補強されている。支持部材180は、EPD開口部178の周囲を画定するために、必要に応じて作成および取り付け可能である。グリッド部材174を織ること、編むこと、またはその他の形で絡み合わせることでグリッドが構築されたメッシュコア154の実施形態において、支持部材180を有するEPD開口部178は、グリッドの不連続箇所における分解、伸長、またはその他の形の変形を防止するのに特に有用である。一実施形態において、支持部材は、EPD開口部の周囲で、少なくとも各グリッド接合部において固定される。例示する実施形態は、グリッド部材174のための複数の構成およびパターンの一つである。別の実施例(図示せず)では、一つ以上の円形支持部材180が、EPD開口部178の周囲を定め、少なくとも隣接する各グリッド接合部において、メッシュコア154のグリッドに取り付けられる。
図10Aは、本発明の一実施形態によるCMP処理ベルトを製造する方法を示している。図10Aは、鋳型182a、182b内で形成されるCMP処理ベルトの断面を示しており、メッシュコア154内のEPD開口部178を含んでいる。一実施形態において、メッシュコア154は、鋳型の第一の側182aと第二の側182bとの間に配置される。一実施形態において、EPD開口部178は、EPD開口部178の位置で直線CMP処理ベルトにおける薄い領域を形成するために、鋳型の第二の側182bにある特徴部184に隣接して配置される。重合体先駆物質または液体重合体は、鋳型内に導入され、内部メッシュコア154の周りを流動し、形を成す。重合体および鋳型を使用した直線CMP処理ベルトの形成は、図11を参照して下で更に詳細に説明する。
本発明の一実施形態において、EPD開口部178の位置の特徴部184は、EPD開口部170において重合体152表面の薄い領域を形成する。光学EPDシステムを実施する直線ベルトCMPシステム100(図1Aおよび1B)において、光学ビームは、直線CMPベルトを通じて伝送される。EPD開口部178は、メッシュコア154を通じて伝送される光学ビームを可能にする。複数の重合体は、重合体材料層を通る限られた光の透過を可能にし、本発明の一実施形態において、重合体152材料層の厚さは、光の透過が可能となるように最小化される。特徴部184は、EPD開口部178の位置での重合体152の薄い領域の成型を提供する、代替実施形態において、鋳型の第一の側182aおよび第二の側182bは特徴部184を有しておらず、EPD開口部178の位置の重合体152表面は、必要な場合、直線CMP処理ベルトの形成後に薄くする。更なる実施形態において、重合体152材料層は、重合体152を除去するために、EPD開口部178の位置で局所的に処理される。局所的に除去された重合体152領域は、EPD178を通る窓として機能する。
図10Bは、本発明の鋳型182a、182bの別の実施形態を示している。図10Bに例示する鋳型の第一の側182aおよび第二の側182bは、それぞれ、EPD開口部178に配置された特徴部184を有する。特徴部184は、直線CMPの上面および底面の両方で、重合体152材料層の薄い領域を形成する。図10Aを参照して上で説明したように、EPD開口部178の重合体152は、重合体152領域を除去するために追加的に処理し、窓を形成できる。
図11は、本発明の一実施形態による重合体直線CMP処理ベルトを製造する方法動作を例示するフローチャート図200である。例示する方法は、動作202で開始され、ここで、重合体直線CMP処理ベルトのためのメッシュコアは、直線CMP処理ベルト鋳型内に配置される。直線CMP処理ベルト鋳型は、図13Aおよび13Bを参照して下で更に詳細に説明する。動作202において、重合体直線CMP処理ベルトのメッシュコアは、必要に応じてEPD開口部を含んでも、含まなくてもよく、メッシュコアの周囲および内部を通る重合体の成型が可能になるように鋳型内に配置される。
方法は、動作204に続き、直線CMP処理ベルトへと成型される重合体が準備される。一実施形態では、図13Aおよび13Bを参照して下で更に詳細に説明するような完全な重合体成型容器を利用して、重合体CMP処理ベルトを成型するために、重合体材料が準備される。意図する処理要件により、任意の望ましい重合体を使用してよい。一般に、スクラッチのない効果的なウェーハ平坦化のために、直線CMP処理ベルトには、柔軟で、耐久性が高く、丈夫な材料が望ましい。選択される重合体は、完全な伸縮性を有する必要はなく、使用により緩みまたは弛みを生じるべきではない。意図するプロセスの特定の特徴を強化するために、様々な重合体を選択してよい。一実施形態において、ポリマは、ポリウレタンにしてよい。別の実施形態において、重合体は、完成した直線CMP処理ベルトの処理面を生成するウレタン混合物にしてよく、ウレタン混合物は、約0.4ないし1.5g/cm2 の比重と、ショアD2.5ないし90の硬度とを有するマイクロセルラポリウレタンである。通常は、液体樹脂と液体硬化剤とを組み合わせて、ポリウレタン混合物を形成する。別の実施形態では、重合体ゲルを利用して、直線CMP処理ベルトを形成してもよい。
動作204の後、方法は動作206に進み、ここで、準備されたポリマが、鋳型に注入される。一実施形態において、ウレタンあるいはその他の重合体または重合体材料は、高温円筒形鋳型に分配される。円筒形鋳型の一実施形態は、図10Aおよび10Bを参照して下で更に詳細に説明する。その他のタイプおよび形状の鋳型を適切な形で使用してよいと理解するべきである。
次に、動作208において、準備された重合体を加熱し硬化させる。任意のタイプの重合体を、完成した重合体直線CMP処理ベルトにおいて望ましい物理特性を生成する任意の形で加熱し硬化させてよいと理解するべきである。一実施形態においては、ウレタン混合物を、所定の温度で所定の時間に渡って加熱し硬化させ、ウレタン処理面を形成する。選択した重合体または重合体材料に適した、あるいは特定の望ましい特性を達成するのに適した、硬化時間および温度に従ってよい。単なる一例では、熱可塑性材料を高温で処理し、その後、冷却することで固める。
動作208の後、方法は動作210に進み、鋳型からベルトを取り出すことで、重合体直線CMP処理ベルトを鋳型から外す。一実施形態において、鋳型は、図13Aおよび13Bを参照して更に詳細に説明するような重合体直線CMP処理ベルト成型容器である。
次に、動作212において、重合体直線CMP処理ベルトは、所定の寸法まで旋盤加工される。動作212では、重合体直線CMP処理ベルトは、最適な直線CMP処理にとって望ましい厚さおよび寸法まで切断される。重合体直線CMP処理ベルトが、EPD開口部を備える実施形態である場合、動作212は、上で説明したように、EPD開口部の位置で、重合体領域を薄くすることおよび除去することを含む。一実施形態において、重合体直線CMP処理ベルトは、重合体直線CMP処理ベルトを使用することが意図されるCMP処理により、約0.02インチないし約0.2インチの範囲の厚さまで旋盤加工され、好適な厚さは約0.09インチとなる。
動作212の後、方法は動作214に進み、本発明の一実施形態により、重合体直線CMP処理ベルトの処理面に、溝が形成される。別の実施形態において、溝は、鋳型の内部に適切なパターンを提供することで、成型中に形成してもよい。一実施形態では、未加工の成型物を回転させ、旋盤上で溝を付け、正方形の溝を備えた平滑な研磨面を生成する。
動作214後、方法は動作216に進み、ここで、重合体直線CMP処理ベルトのエッジを切り取る。次に、動作218において、重合体CMP処理ベルトを洗浄し、使用のために準備する。一実施形態において、重合体直線CMP処理ベルトは、長さ90ないし110インチ、幅8ないし16インチ、厚さ0.020ないし0.2インチである。したがって、Lam Research Corporationが製造するTeresTM直線研磨装置において使用するのに適したものとなる。重合体直線CMP処理ベルトを使用する準備が整うと、方法は終了となる。
図12Aは、直線CMP処理ベルト鋳型(図示せず)の内部に配置されたメッシュコア154の部分を例示している。一実施形態において、メッシュコア154は、鋳型内部において、鋳型の底部トラック220cから延びる支持部上で、トラック内に配置される。別の実施形態では、メッシュコア154の垂直部材174aが、周期的に延び、メッシュコア154の支持部を提供する。メッシュコア154の支持部は、メッシュコア154のエッジと完成した重合体直線CMP処理ベルトのエッジとの十分な望ましい分離を備えた状態で、重合体直線CMP処理ベルトがメッシュコア154の周囲および内部を通じて成型されるように、鋳型(図示せず)内部でメッシュコア154を配置するために提供される。メッシュコア154の硬質構造は、鋳型(図示せず)内部でのメッシュコア154の配置および支持を可能にすると理解するべきである。メッシュコア154は、一実施形態において支持部上に配置され(図12B参照)、一実施形態においては、鋳型内部でメッシュコア154を支持する目的で延びる垂直部材174a上に配置される。配置される時、メッシュコア154の材料特性は、撓み、屈曲、折れ、およびその他を防止する。一実施形態では、鋳型内部で、例えば、EPD開口部に隣接して、メッシュコア154を正確に配置するために、内部位置決めピン(図示せず)が提供される。
図12Bは、本発明の一実施形態による、メッシュコア154を配置するメッシュコア支持部230を例示している。一実施形態において、メッシュコア支持部230は、鋳型(図示せず)の底部トラックから延び、完成した重合体直線CMP処理ベルトのエッジから望ましい距離でメッシュコア154を配置する。一実施形態において、メッシュコア支持部230のステム230aは、メッシュコア154を所定の位置に支持し、重合体成型の熱または任意の力に耐え、重合体直線CMP処理ベルトが成型された後、底部トラック220cから容易に切断するために、十分な強度を有する材料で構築される。例示的な材料は、軟性または脆性の金属およびその他を含む。
図13Aおよび13Bは、本発明の一実施形態による重合体直線CMP処理ベルト鋳型220を例示している。図13Aにおいて、鋳型220は、鋳型220の第一の側220aおよび第二の側220b、更に底部トラック220cを示すために、分離して図示されている。メッシュコア位置決めトラック220dは、底部トラック220c内部に図示されている。第一の側220aおよび第二の側220bは、方向を示す矢印222が示す通り、同心となるように組み立てられ、第一の側220aは、結果として生じる重合体直線CMP処理ベルトの第一の表面を定め、第二の側220bは、結果として生じる重合体直線CMP処理ベルトの第二の表面を定め、底部トラック220cは、結果として生じる重合体直線CMP処理ベルトの第三の表面を形成する。一実施形態において、第一の側220aは、結果として生じるベルトの上面を定め、第二の側220bは、結果として生じるベルトの底面を定め、底部トラック220cは、結果として生じるベルトのエッジを画定する。内部メッシュコア154(図12A参照)は、第一の側220aと第二の側220bとの間に配置され、底部トラック220cの上で支持される。
図13Bは、組み立てた状態の重合体直線CMP処理ベルト鋳型220を示しており、この鋳型220内には、内部メッシュコア154(図12A参照)を配置可能であり、その後、液体重合体または重合体先駆物質を鋳型に流し込み、重合体直線CMP処理ベルトを形成できる。図13Aを参照して説明したように、一実施形態において、底部トラック220cは、結果として生じる重合体直線CMP処理ベルトのエッジを画定する。重合体ベルトの形成では、一実施形態において液体重合体または重合体先駆物質として、重合体材料を鋳型220に流し込む。液体重合体または重合体先駆物質は、その後、鋳型220を満たし、本発明の一実施形態による内部メッシュコアの周囲および内部を通じて流動する。鋳型の最上部では、その後、液体重合体または重合体先駆物質の表面が、結果として生じた重合体直線CMP処理ベルトの第二のエッジを画定する。
図14は、本発明の別の実施形態による補強型重合体CMP処理ベルトを製造する方法動作を例示するフローチャート図250である。例示する方法は、動作252で開始され、ここで、織物または合成材料補強層が作成される。一実施形態において、織物または合成材料補強層は、ケブラで作成される。他の実施形態において、織物または合成材料補強層は、ナイロン、レイヨン、ポリエステル、ポリイミド、混合合成材料、あるいは、他の任意の望ましい織物または合成材料補強層で作成され、製造されるCMP処理ベルトの望ましい補強を提供する。望ましい補強の品質は、強度と、耐久性と、連続する継続的な使用によりCMP処理ベルトが伸長する傾向の低減と、直線CMP処理ツールまたはシステムにおいて使用するための柔軟性と、その他とを含む。
一実施形態において、織物または合成材料補強層は、製造されるCMP処理ベルトの重合体材料の内部表面に対して配置するように作成される。別の実施形態において、織物または合成材料補強層は、製造されるCMP処理ベルトの外部表面に対して配置するように作成される。方法動作252において、織物または合成材料補強層は、連続ループのベルト状構造において望ましい寸法および配置に従って製造される。一実施形態において、EPD開口部は、処理要求による層の作成中に、織物または合成材料補強層において作成される。
方法は動作254に続き、CMP処理ベルトへと成型される重合体が準備される。一実施形態では、重合体鋳型を利用して重合体CMP処理ベルトへと成型するために、重合体または重合体材料が準備される。重合体鋳型は、通常、望ましい重合体または重合体材料を望ましい形状および寸法の鋳型または型枠に注入することで、連続ループのベルト状構造として重合体CMP処理ベルトを成型するために使用される。一実施形態において、方法動作254は、図4A、4B、5、および6を参照して上で説明した、参照数字162により特定される重合体材料を成型するために使用される重合体または重合体材料の準備を含む。一実施形態において、方法動作254における重合体または重合体材料の準備は、重合体材料の準備と、上で説明した、参照数字166により特定される追加重合体材料層のための重合体または重合体材料の準備とを含む。
動作254では、意図する処理要件による任意の望ましい重合体または重合体材料を使用してよい。一般に、スクラッチのない効果的なウェーハ平坦化のために、直線CMP処理ベルトには、柔軟で、耐久性が高く、丈夫な材料が望ましい。選択される重合体は、完全な伸縮性を有する必要はなく、使用により緩みまたは弛みを生じるべきではない。意図するプロセスの特定の特徴を強化するために、様々な重合体を選択してよい。一実施形態において、ポリマは、ポリウレタンにしてよい。別の実施形態において、重合体は、完成した重合体CMP処理ベルトの処理面を生成するウレタン混合物にしてよく、ウレタン混合物は、約0.4ないし1.5g/cm2 の比重と、ショアD2.5ないし90の硬度とを有するマイクロセルラポリウレタンである。通常は、液体樹脂と液体硬化剤とを組み合わせて、ポリウレタン混合物を形成する。別の実施形態では、重合体ゲルを利用して、重合体材料を形成してもよい。
動作254の後、方法は動作256に進み、ここで、準備されたポリマが、鋳型に注入される。一実施形態において、ウレタンあるいはその他の重合体または重合体材料は、高温円筒形鋳型に分配される。一実施形態において、準備された重合体の鋳型への注入は、上で説明した図において参照数字162で特定される重合体材料を形成することになる。
動作258において、準備された重合体を加熱し硬化させる。任意のタイプの重合体を、完成した重合体CMP処理ベルトにおいて望ましい物理特性を生成する任意の形で加熱し硬化させてよいと理解するべきである。一実施形態においては、ウレタン混合物を、所定の温度で所定の時間に渡って加熱し硬化させ、ウレタン処理面を形成する。選択した重合体または重合体材料に適した、あるいは特定の望ましい特性を達成するのに適した、硬化時間および温度に従ってよい。単なる一例では、熱可塑性材料を高温で処理し、その後、冷却することで固める。
動作258の後、方法は動作260へ進み、鋳型からベルトを取り出すことで、重合体材料を鋳型から外す。一実施形態において、鋳型は、織物またはその他の合成材料補強層により補強される重合体材料と、CMP処理ベルトの重合体構造内に織物または合成材料補強層を包み込む追加重合体材料と、を形成するために使用される重合体直線CMP重合体直線CMP処理ベルト成型容器である。
次に、動作262において、重合体材料は、処理要件による望ましい厚さおよび寸法に加工される。一実施形態において、重合体材料は、所定の寸法に旋盤加工される。動作262において、重合体材料は、成型された連続ループのベルト形の形態において、最適な直線CMP処理のために、望ましい厚さおよび寸法まで切断される。一実施形態において、重合体CMP処理ベルトは、重合体直線CMP処理ベルトを使用することが意図されるCMP処理に従って、約0.02インチないし約0.2インチの範囲の厚さまで旋盤加工され、好適な厚さは約0.02インチないし約0.05インチとなる。
方法は動作264へ進み、ここで、織物または合成材料補強層が、重合体材料に対して配置され、一時的に取り付けられる。一時的な取り付けの方法は、織物または合成材料補強層を重合体材料に対して正確に配置するために、クランプ留め、ステープル留め、鋲留め、接着剤の使用、およびその他を含む。一実施形態において、織物または合成材料補強層は、重合体層の内面に対して配置される。別の実施形態において、織物または合成材料補強層は、処理および製造の要求により、重合体層の外面に対して配置される。
方法動作266では、追加重合体材料層を形成し、製造されたCMP処理ベルトの重合体構造内に織物または合成材料補強層を包み込むために、追加重合体材料が適用される。一実施形態において、追加重合体材料は、追加重合体材料を織物または合成材料補強層全体にスプレすることで適用される。別の実施形態においては、一時的に取り付けた織物または合成材料補強層を有する重合体材料を鋳型内に配置し、追加重合体材料を織物または合成材料補強層の上で成型する。しかしながら、追加重合体材料層が適用され、重合体または重合体材料は、織物または合成材料に浸透し、重合体材料と接合し、織物または合成材料補強層を包み込んで、補強されたCMP処理ベルトを、一体構造として形成する。
方法は動作268に続き、ここで、補強型重合体CMP処理ベルトは、重合体構造と、織物または合成材料補強層と、追加重合体材料層とを一体構造として含み、補強されたCMP処理ベルトにとって望ましい厚さおよび寸法に加工される。一実施形態において、加工には、望ましい厚さおよび表面品質を達成する旋盤加工、切り取り、およびその他を含む。重合体直線CMP処理ベルトが、EPD開口部を備えた実施形態である場合、動作268の一実施形態は、上で説明したように、織物または合成材料補強層において作成されたEPD開口部の位置の重合体領域の貫通、薄化、および除去を含む。本発明によるCMP処理ベルトの加工の一実施形態において、方法動作256において使用される鋳型または型枠は、鋳型または型枠内でEPD開口部を構造的に画定するものとしても働く。織物または合成材料補強層は、方法動作264において、作成されたEPD開口部が重合体材料により形成された構造と並んだ状態で配置され、動作268において、EPD開口部の最終的な薄化または貫通が、必要に応じて達成される。
方法動作268の一実施形態において、補強型重合体CMP処理ベルトは、処理要件による望ましい厚さおよび寸法に加工される。一実施形態において、一体化した重合体材料は、所定の寸法まで旋盤加工される。一実施形態において、補強型重合体CMP処理ベルトは、重合体CMP処理ベルトを使用することが意図されるCMP処理に従って、約0.02インチないし約0.2インチの範囲の厚さまで旋盤加工され、好適な厚さは約0.07インチないし約0.12インチとなる。
方法動作268の一実施形態では、補強型重合体CMP処理ベルトのエッジを切り取り、補強型重合体CMP処理ベルトを洗浄し、使用のために準備する。一実施形態において、重合体直線CMP処理ベルトは、長さ90ないし110インチ、幅8ないし16インチ、厚さ0.020ないし0.2インチである。したがって、Lam Research Corporationが製造するTeresTM直線研磨装置において使用するのに適したものとなる。
一実施形態において、一体構造の補強型重合体CMP処理ベルトの望ましい厚さおよび寸法への加工により、補強型CMP処理ベルトの製造が完了すると、方法は終了する。一実施形態において、方法は、追加の方法動作270を含み、ここで、望ましい準備面が加工される。方法動作270の準備面の加工では、本発明の一実施形態による補強型重合体CMP処理ベルトの処理面に、溝が形成される。別の実施形態において、溝は、鋳型の内部に適切なパターンを提供することで、成型中に形成してよい。一実施形態では、未加工の成型物を回転させ、旋盤上で溝を付け、正方形の溝を備えた平滑な研磨面を生成する。別の実施形態では、別個の重合体または重合体材料処理面が、補強型CMP処理ベルトに適用され、追加一体化構造として、(複数の)重合体または重合体材料が補強型CMP処理ベルトに接合する。追加処理面の実施形態は、補強型重合体CMP処理ベルトの下層とは異なる硬度、望ましい表面の織り目加工、およびその他を提供する表面を含む。追加の方法動作228が達成された場合、補強型重合体CMP処理ベルトでは、処理面の加工および準備が完了し、方法は終了する。
上記の発明を明確な理解のためにある程度詳細に説明してきたが、付記する請求項の範囲内で、特定の変更および修正を実施し得ることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定的ではなく例示的であると見做されるべきであり、また、本発明は、本明細書に記載の詳細に限定されるべきではなく、付記する請求項の範囲および等価物の範囲で修正してもよい。