JP2005518354A5 - - Google Patents

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コドラッグを含有する医薬組成物
本件の関連出願
本出願は、米国仮出願第60/331512号(2001年11月19日出願)を基礎として優先権主張するものであり、その明細書の全てをここで資料として使用する。
本発明は医薬組成物の局所的(topical:外用)投与分野に関する。特に本発明はコドラッグの局所的投与に関する。
生物学的活性成分を患者へ投与する方法として、静脈内、皮下、腹腔内、硬膜外、筋肉内、経口及び(皮膚への)局所的投与が挙げられる。これらの投与態様はそれぞれ欠点を有する。例えば、静脈内投与等の非経口的(腸管外)投与には、正看護婦等の医療専門家の注意が必要である。非経口的投与の全ての態様では、患者が寝たきりであるか、医薬用物質を飲み込むことができない場合以外には一般的に好まれない針及びシリンジの使用を必要とする。一方、経口投与は魅力的であるが、医薬組成物が消化管中で安定であり、腸管からの優れた摂取特性を有する必要がある。一般的に後者の要求は、医薬組成物が小腸のpH範囲内である程度水溶性でなくてはならないことを意味する。
生物学的活性成分の局所的投与が研究対象分野として急速に一般化してきた。公知の方法の1つは、ある種の生物学的活性成分を1以上のキャリアと組み合わせ、一定の症状の局所的又は全身的治療のためにその配合物を皮膚へ適用する。例えば、ハイドロコルチゾンは、局所的な皮膚刺激を伴う、炎症、かゆみ及び/又は痛みに対する局所的治療用に、皮膚へ局所的に適用するためにクリーム又は基礎膏中で長く使用されてきている。スコポラミン等の抗嘔吐薬は、吐き気の予防及び治療のための貼付剤を介して経皮的に適用されている。しかし、薬投与の局所的態様は、皮膚から又はその障壁を通って吸収されることが可能な薬の候補の能力により限界があった。
それにもかかわらず、広い範囲の生物学的活性成分を、ローション、クリーム又は他の半固体の媒体(vehicle)の形状のいずれかで局所的経路を経るか、徐放性貼付剤等の徐放性局所的医薬的装置経路を経て投与できることは非常に好ましい。従来、多くの医学的症状の、治療用組成物の局所的投与を経由する治療は、組成物が皮膚中へ浸透しにくいため困難であった。
このように、抗増殖剤、抗乾癬剤、抗炎症剤、抗不安薬、抗うつ剤、抗精神病薬、抗生物質及び鎮痛成分等の生物学的活性成分を、それら成分での治療を必要としている患者へ皮膚的又は経皮的に放出するための、改良された成分及び組成物が求められている。
本発明は、少なくとも1の生物学的活性成分を含む、局所的皮膚的又は経皮的全身的な投与のための医薬組成物を提供し、上記組成物は、医薬的に許容できるキャリア;及び表皮層中に吸収され又は層を横切って輸送されることのできるコドラッグを含有し、コドラッグは比較的親油性であり、コドラッグが表皮層中に吸収され又は層を横切って輸送された後に構成成分が再生される。
本発明は更に、それを必要としている患者へ1以上の生物学的活性成分を投与する方法を提供し、上記方法はそれを必要としている患者の皮膚へ治療的有効量の医薬組成物を適用することを含み、組成物は医薬的に許容できるキャリア、及び表皮層中に吸収され又は層を横切って輸送されることのできるコドラッグを含有し、コドラッグは比較的親油性であり、コドラッグが表皮層中に吸収され又は層を横切って輸送された後に構成成分が再生される。
本発明は、1以上の生物学的活性成分を皮膚に又は皮膚を通して放出する装置であり、本発明の組成物;及びコドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段;を含む装置も提供する。
又本発明は、優れた皮膚浸透性及び/又は透過性を有するコドラッグであり、皮膚に浸透して、それを必要としている患者へ1以上の医学的疾患の治療用構成成分を投与することができるコドラッグも提供する。
本発明は更に、医学的治療を必要としている患者へ局所的投与をするための医薬組成物であり、1以上の上記コドラッグと混合される1以上の媒体を含む組成物を提供する。
本発明は更に、そのような治療を必要としている患者へ1以上の上記コドラッグを投与することの出来る医薬的装置を提供する。
本発明は更に、治療的処理方法を提供し、その方法は、そのような治療を必要としているヒトへ1以上の上記コドラッグを投与することを含む。
本発明の医薬組成物は、少なくとも1の構成成分に関して、改良された局所的投与経路を経た皮膚浸透性及び/又は透過性、従って改良された生物学的利用能という長所を示す。本発明の医薬組成物は又、少なくとも1の構成成分に関して、より好ましい皮膚滞留性という長所を示す。
本発明の別の長所は、特許請求の範囲、明細書及び要約の記載から考慮して当業者に明らかである。
I.概略
本発明は、コドラッグの皮膚的(局所的)及び経皮的(全身的)投与用医薬組成物を提供する。本発明は、皮膚中に又は皮膚を通して通過するコドラッグ中間体を経由して局所的又は全身的のいずれかで1以上の構成成分を投与することにより、当分野の課題を解決する。コドラッグのそれぞれの分子は、少なくとも2、3、4又は5の構成成分分子を含有する。コドラッグは、構成成分よりも更に親油性であるため、構成成分よりも皮膚(表皮)へ浸透及び/又は通過可能である。コドラッグは更に、一旦コドラッグが細胞中又は、血液、間質液、リンパ液等の種々の水性生物学的媒体中で水性環境にin vivoで曝されると、コドラッグは加水分解されて構成成分を形成する性質を有する。従って、本発明は、コドラッグの一部として構成成分を効果的に輸送し、生物学的活性構成成分をin vivoで効果的に投与することを目的とする。
本発明の組成物は、直接的に皮膚へ又は医薬的活性成分の全身的投与用に経皮的に、医薬的活性成分を投与するために特に有用である。
本発明は、少なくとも1の生物学的活性成分の局所的投与用のコドラッグ、又はその医薬的に許容できる塩若しくはプロドラッグ、を含有する医薬組成物であり、
上記コドラッグは:
a)少なくとも2の構成成分を含有し、それぞれの成分は生物学的活性化合物又はそのプロドラッグの残基(residue)であり、第一構成成分及び第二構成成分を含み;
b)少なくとも2の構成成分が共有結合して上記コドラッグを形成する結合を含有し、上記結合は、コドラッグが表皮層中に又は横切って輸送された後に生理学的条件下で開裂して、上記構成成分を再生し;
上記組成物のpHは約7未満であり、上記コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す医薬組成物を提供する。
本発明は又、少なくとも1の生物学的活性成分の局所的投与用のコドラッグ、又はその医薬的に許容できる塩若しくはプロドラッグ、を含有する医薬組成物であり、上記コドラッグは:
a)第一構成成分及び第二構成成分を含む少なくとも2の構成成分を含有し、それぞれの成分は生物学的活性化合物又はそのプロドラッグの残基であり;
b)少なくとも2の構成成分が共有結合して上記コドラッグを形成する結合を含有し、上記結合は、コドラッグが表皮層中に又は横切って輸送された後に生理学的条件下で開裂して、上記構成成分を再生し;
上記コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、上記コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す医薬組成物を提供する。
少なくとも1の上記構成成分は、コドラッグのlogP値よりも少なくとも1のlogPユニット少ないlogP値を有してもよい。又、少なくとも1の構成成分は、コドラッグのlogP値よりも少なくとも1.5のlogPユニット少ない、好ましくは少なくとも2のlogPユニット少ないlogP値を有してもよい。
本発明のコドラッグは、約1〜約3のlogP値を有してもよい。又、本発明のコドラッグは約3〜約6のlogP値を有してもよい。
第一構成成分は、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれてもよい。
第二構成成分は、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれてもよい。
本発明は又、上記コドラッグは下記構造式を有し:
1−L−(R2n
(但し、第一構成成分はR1であり;
第二構成成分はR2であり;
1及びR2はそれぞれ独立して、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれた化合物の残基を表し;
nは1〜4の整数であり;
Lは直接結合又は結合基である);
上記コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、上記コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す請求項1又は2の医薬組成物を提供する。
本発明は又、上記コドラッグは下記構造式を有し:
1−(L−R2n
(但し、第一構成成分はR1であり;
第二構成成分はR2であり;
1及びR2はそれぞれ独立して、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれた化合物の残基を表し;
nは1〜4の整数であり;
Lは直接結合又は結合基である);
コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す請求項1又は2の医薬組成物を提供する。
本発明は又、上記コドラッグは下記構造式を有し:
(R1−L)m2(L2−R3n
(但し、R1、R2、L、m及びnは上記定義のとおりであり;
3はそれぞれ独立して、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれた化合物の残基を表し;
2はLと同一又は異なる結合基である。)医薬組成物を提供する。ここで、対イオン又は塩は、それ自体でも薬理活性を有する。
好ましい上記n及びmの値は1又は2である。
好ましくはR1及びR2はそれぞれ独立して、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、及び角質溶解薬の群から選ばれた化合物の残基を表す。更に好ましくはR1及びR2はそれぞれ独立して、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗真菌剤、抗増殖剤、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、及び角質溶解薬の群から選ばれた化合物の残基を表す。特に好ましくはR1及びR2はそれぞれ独立して、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗増殖剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、及び角質溶解薬の群から選ばれた化合物の残基を表す。
2は例えば、ジクロフェナク、エトドラック、ケトロラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ナブメトン、ピロキシカム、アセトアミノフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、アスピリン、コリンマグネシウムトリサルチレート、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン又はそれらの塩の残基でもよい。
1は例えば、アリトレチノイン(9−シス−レチノイン酸);アミホスチン;bexarotene(4−[1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,8,8−ペンタメチル−2−ナフタレニル)エテニル]安息香酸);ブレオマイシン;カペシタビン(5’−デオキシ−5−フルオロ−シチジン);クロラムブシル;ブレオマイシン;BCNU;クラドリビン;シタラビン;ダウノルビシン;ドセタキセル;ドキソルビシン;エピルビシン;エストラムスチン;エトポシド;エキセメスタン(6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン);フルダラビン;5−フルオロウラシル;ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;イダルビシン;イリノテカン;メルファラン;メトトレキサート;ミトキサントロン;パクリタキセル;ペントスタチン;ストレプトゾシン;テモゾールアミド;テニポシド;トムデックス;トポテカン;バルルビシン(N−トリフルオロアセチルアドリアマイシン−14−バレレート);又はビノレルビンの残基でもよい。
2は例えば、下式で表される化合物の残基でもよい:
Figure 2005518354
但し、R1は=O、−OH又は−(CH21〜4Clであり;
R2はH、C1〜4アルキル、Cl又はBrであり;
R4はH、F又はClであり;
R5はH、F、Cl、CH3又は−CHOであり;
R6はH、OH又はClであり;
R7はH、OH、CH3、O−COCH3、O(CO)OCH2CH3、O−(CO)−2−フラニル又はO−C(O)−(CH22CH3であり;
R8はH、CH3、OH、=CH2又はR7及びR8は共に、隣接した炭素原子と結合して下記化合物を形成し:
Figure 2005518354
R9はCH3、CH2OH、CH2O(CO)CH3、CH2−O−C1〜4アルキル、CH2Cl、−OCH2Cl、−CH2−N−(N’−メチル)ピペラジニル、−CH2−O−(CO)−CH2−N(Et)2、エチル、CH2SH、CH2O(CO)C1〜4アルキル、CH2(CO)C(2−プロピル)−NH(CO)C65又は−S−CH2−Fであり;
Figure 2005518354
で表される結合は二重結合又は一重結合のいずれかである。
2は例えば、21−アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニソン、クロベタゾール、クロコルトロン、cloprednol、コルチコステロン、コルチゾン、cortivazol、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、difuprednate、エノクソロン、fluazacort、flucloronide、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンデンアセテート、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカソン、formocortal、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ハイドロコルチゾン、ロテプレドノール・エタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニソン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニソン、プレドニバル、プレドニリデン、rimexolone、tixocortol、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンbenetonide、トリアムシノロンヘキサアセトニド、及びそれらの塩、の残基でもよい。
請求項1又は2の医薬組成物は、更にキャリア、賦形剤、溶媒、アジュバント、希釈剤、分散剤、及び界面活性剤の群から選ばれた少なくとも一種を含有してもよい。上記キャリアは生体適合性ポリマーを含有してもよい。上記ポリマーはPVAを含有してもよい。
本発明の組成物は約6未満のpHを有してもよい。又本発明の組成物は、例えば約1〜約7、好ましくは約2〜約6、更に好ましくは約4〜約6のpHを有してもよい。
本発明の組成物は、局所的な皮膚投与用でもよく、全身的な経皮投与用でもよい。
本発明の第一構成成分は第二構成成分と同じでもよい。又、第一構成成分は第二構成成分と異なってもよい。
本発明の第一構成成分は第二構成成分と同じ効能を有してもよい。本発明のそれぞれの構成成分の効能は、EC50により測定できる。第一構成成分のEC50の第二構成成分のEC50に対する比は、好ましくは約1である。又、第一構成成分のEC50の第二構成成分のEC50に対する比は、好ましくは約1〜約4でもよい。
本発明の第一及び第二構成成分は、第一構成成分の官能基と第二構成成分の官能基との間に形成された共有結合を通して直接的に結合されていてもよい。又第一及び第二構成成分は、第一及び第二構成成分にその官能基を通して共有結合している結合基を介して互いに結合していてもよい。
本発明の第一構成成分はコルチステロイドでもよい。本発明の第二構成成分はコルチステロイド、角質溶解薬、皮膚処理剤、抗増殖剤又は非ステロイド性抗炎症性化合物でもよい。
本発明のコルチステロイドは、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセテート、フルオシノロンアセトニド、コルチゾン、ハイドロコルチゾン及びハイドロコルチゾンエステルの群から選ばれてもよい。
本発明の第一構成成分は抗増殖剤であり、第二構成成分は非ステロイド性抗炎症性薬でもよい。本発明の第一構成成分はフロクスウリジンではなく、第一構成成分が5−フルオロウラシルである場合には第二構成成分はフルルビプロフェン又はインドメタシンではなくてもよい。
本発明の第一構成成分は抗増殖剤で(第二)構成成分はコルチステロイド剤でもよい。(第一構成成分の)抗増殖剤が5−フルオロウラシルである場合には、(第二構成成分の)コルチステロイドはフルオシノロンアセトニド、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デソキシメタゾン又はハイドロコルチゾン−17−ブチレートのいずれでもなく、又(第一構成成分の)抗増殖剤は1−β−アラビノフラノシルシトシン誘導体でなくてもよい。
本発明は又、それを必要としている患者へ治療的有効量の請求項1又は2の組成物又はその医薬的に許容できる塩を投与することを含む治療方法を提供する。
本発明の治療的有効量は、鎮痛、抗炎症、抗生物質、抗真菌、抗ウィルス、抗増殖、皮膚処理、遮光、皮膚保護、代謝拮抗、抗乾癬、及び/又は角質溶解効果を生じるのに有効な量でもよい。好ましくは、治療的有効量は、鎮痛、抗炎症、抗増殖、遮光、皮膚保護、代謝拮抗、抗乾癬及び/又は角質溶解効果を生じるのに有効な量である。更に好ましくは治療的有効量は、抗炎症、抗増殖、皮膚処理、遮光、皮膚保護、代謝拮抗、抗乾癬及び/又は角質溶解効果を生じるのに有効な量である。
本発明は又、1以上の生物学的活性成分を皮膚に又は皮膚を通して放出する装置であり、請求項1の組成物;及びコドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段;を含む装置を提供する。上記コドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段は、顕微針、包帯、ガーゼパッド又は貼付剤でもよい。
コドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段は貼付剤であり、上記貼付剤は不透過性バッキング層、透過性皮膚密着層及び上記組成物を含有する貯留層を有してもよい。上記貯留層は、溶媒、透過性補強剤、ハイドロゲル及び非親水性ポリマーの群から選ばれた少なくとも一種を有してもよい。
結合Lは、個々の構成成分間の直接結合でもよく、結合基でもよい。本発明のコドラッグの第一及び第二構成成分は、エステル、アミド、カルバメート、カーボネート、環状ケタール、チオエステル、チオアミド、チオカルバメート、チオカーボネート、ザンテート及びリン酸エステル結合等の可逆的な共有結合を介して結合し、それらが体内の目的部位で開裂して、構成(成分の)医薬的活性剤の活性体を再生してもよい。
残基間の共有結合として下記結合構造が挙げられる:
Figure 2005518354
但し、ZはO、N、−CH2−、−CH2−O−又は−CH2−S−であり、YはO又はNであり、XはO又はSである。個々の成分の開裂速度は、結合形式、構成成分の選択及びコドラッグの物理的形状により調節できる。選択された結合タイプの不安定性は酵素特異的であってもよい。本発明の結合は、エステラーゼの存在下で選択的に不安定でもよい。本発明の結合は、例えば酸−触媒又は塩基−触媒が関与する加水分解等に対して化学的に不安定でもよい。
本発明の結合基Lは、好ましくは糖、還元糖、ピロリン酸エステル又はリン酸エステルを含まない。
生理学的に不安定な結合とは、真皮又は生存表皮中にみられるような、生理学的流体中でみられるものと近似した条件下で不安定ならどのような結合でもよい。結合は、直接結合(例えば、エステル、アミド、カルバメート、カーボネート、環状ケタール、チオエステル、チオアミド、チオカルバメート、チオカーボネート、ザンテート、リン酸エステル、スルホン酸エステル又はスルファミン酸エステル、の結合)でもよく、結合基(例えば、C1−C12ジアルコール、C1−C12ヒドロキシルアルカン酸、C1−C12ヒドロキシアルキルアミン、C1−C12ジ(カルボン)酸、C1−C12アミノ酸又はC1−C12ジアミン)でもよい。特に好ましい結合は、直接の、アミド、エステル、カーボネート、カルバメート及びスルファミン酸エステル結合、並びにコハク酸、サリチル酸、ジグリコール酸、oxa acid、オキザメチレン(oxamethylene)及びそれらのハライドを介した結合である。結合は、一般的に約6〜約8のpHである生理学的条件下で不安定である。結合の不安定性は結合の特別なタイプ、生理学的流体の厳密なpH及びイオン強度、並びにin vivoでの加水分解反応を触媒しやすい酵素の存在又は非存在に依存する。一般的に、in vivoでの結合の不安定性は、コドラッグが生理学的流体中に可溶化されていない場合の結合の安定性について測定される。本発明のコドラッグがいくつかの生理学的流体中で比較的安定である場合でも、それらが単体であるか非−生理学上の流体中に溶解されている場合(例えば、アセトン等の非水性溶媒)と比較して、それらはin vivoで(自然分泌性又は擬似物質のいずれかの生理学的流体中に溶解された場合はin vitroで)比較的加水分解を受けやすい。従って、不安定な結合とは、コドラッグが水溶液中、特に真皮又は生存表皮中にみられる生理学的流体中に溶解された時に、(加水分解)反応が進み、上記構成成分を含む加水分解物を生成できるものである。
本発明の第一及び第二構成医薬的活性成分はそれぞれハイドロコルチゾンでもよい。
本発明の第一構成成分は抗炎症剤であり、第二構成成分は抗乾癬剤でもよい。又、本発明の第一構成成分はコルチステロイド化合物であり、第二構成成分は抗乾癬剤でもよい。又、本発明の第一構成成分はNSAIDであり、第二構成成分は抗乾癬剤でもよい。又、本発明の第一構成成分は抗炎症剤であり、第二構成成分は抗生物質でもよい。
本発明の炎症治療用コドラッグとして、ハイドロコルチゾン−ハイドロコルチゾンコドラッグ、特に下記に示されたハイドロコルチゾン−マレイン酸エステル−ハイドロコルチゾン等のコルチステロイド−コルチステロイドコドラッグが挙げられる。
コドラッグ1:
Figure 2005518354
本発明の炎症治療用コドラッグとして、下記に示された抗乾癬剤−ハイドロコルチゾンコドラッグ等の抗乾癬剤−抗炎症剤コドラッグが挙げられる。
コドラッグ2:
Figure 2005518354
本発明の局所的又は経皮的組成物を生成するコドラッグは、下記合成スキームで表される方法の一種で合成できる。一般的に、第一及び第二医薬的活性成分が直接的に結合される場合、第一成分は第二成分と、生理学的条件下で不安定な結合を形成するために適当な条件で縮合される。一方の、他方、又は両方の成分上にある反応性基をブロック(保護)することが必要な場合もある。医薬的活性成分が、オキザメチレン、コハク酸又はジグリコール酸等の結合リンカーを通して共有結合している場合、最初に第一医薬的活性成分を結合リンカーと縮合することが有利である。アセトニトリル等の適切な溶媒中で;EDCI(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド)及びDCC(DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド)を含むカルボジイミド等の適切な触媒の存在下で;縮合水若しくは他の反応生成物の留去をするための適切な条件(例えば、還流)下で;又はこれら2以上の組み合わせで、反応を行なうことが有利な場合もある。第一医薬的活性成分をリンカーと縮合した後、結合された第一成分及びリンカーは第二医薬的活性成分と縮合される。(この第2成分との縮合も)同様に、アセトニトリル等の適切な溶媒中で;EDCI及びDCCを含むカルボジイミド等の適切な触媒の存在下で;縮合水若しくは他の反応生成物の留去をするための適切な条件(例えば、還流)下で;又はこれら2以上の組み合わせで、反応を行なうことが有利な場合もある。1以上の活性基がブロックさる場合、選択的条件下で保護基を脱離することが有利であるが、保護基及びブロックされた基を有する加水分解物が生理学的に生命や健康に危険のない場合には、ブロックされた活性基をそのままにしておくことも有利である。
当業者であれば、ジ(カルボン)酸、ジアルコール、アミノ酸等が上記で適切なリンカーとして記載されていれば、他のリンカーも本発明の範囲内であると認識できる。例えば、本発明のコドラッグの加水分解物にジ(カルボン)酸が含まれる場合、結合を形成するために実際に使用される試薬は、例えば、コハク酸クロリド等のアシルハライドが使用できる。当業者は他の可能な酸、アルコール、アミノ、スルファト及びスルファモイル誘導体も、対応する結合を形成する試薬として使用できることが認識できる。
第一及び第二医薬的活性成分が共有結合を介して直接的に結合される場合、リンカーを加えるステップの必要がない場合を除き本質的に同一のプロセスが実施できる。第一医薬的活性成分及び第二医薬的活性成分は、共有結合を形成するために適切な条件下で簡単に結合される。一方の、他方、又は両方の医薬的活性成分上にある活性基を保護することが必要な場合もある。これらにおいて、アセトニトリル等の適切な溶媒を使用し;EDCI及びDCCを含むカルボジイミド等の、直接結合を形成するのに適切な触媒の存在下で;又は縮合水の留去(例えば、還流)若しくは他の反応副生成物の除去をするための適切な条件下で;行なうことが有利な場合もある。
当業者は、多くの場合に第一及び第二成分はそれらの元の形で直接的に結合されるが、活性基の反応性を高めるために活性基を誘導体化できることが理解できる。例えば、第一成分が酸であり第二成分がアルコール(即ち、遊離水酸基を有する)の場合、第一成分は誘導体化されて、酸クロリド又は酸ブロマイド等の対応する酸ハライドを形成してもよい。当業者は、本発明のコドラッグ製造用に従来法により誘導体化した出発材料を使用して、本発明のコドラッグの収率を上昇させ、製造費用を低下させ、純度を改良するための他の可能性があることも理解できる。
本発明の反応スキーム例して下記スキーム1〜4を示す。これらスキームを一般化するには、医薬的に許容できるリンカーを介して直接的又は間接的に、類似又は異なる官能基を有する別の治療薬へ共有結合を形成できる少なくとも1の官能基を有する他の治療薬で置き換えればよい。当業者は又、他の適切なリンカーを使用してもこれらのスキームを一般化出来ることが認識できる。
スキーム1
1−COOH+R2−OH→R1−COO−R2=R1−L−R2
但し、Lはエステルリンカー−COO−であり、R1及びR2はそれぞれ第一及び第二構成成分の残基又は薬理的成分である。
スキーム2
1−COOH+R2−NH2→R1−CONH−R2=R1−L−R2
但し、Lはアミドリンカー−CONH−であり、R1及びR2は上記と同意である。
スキーム3
ステップ1:R1−COOH+HO−L−CO−Prot→R1−COO−L−CO−Prot
但し、Protは適切な可逆的な保護基である。
ステップ2:R1−COO−L−CO−Prot→R1−COO−L−COOH
ステップ3:R1−COO−L−COOH+R2−OH→R1−COO−L−COOR2
但し、R1、L及びR2は上記と同意である。
スキーム4
Figure 2005518354
但し、R1及びR2は上記と同意であり;Gは直接結合、C1〜C4アルキレン、C2〜C4アルケニレン、C2〜C4アルキニレン又は1,2−縮合環であり;Gは無水物基と共に環状無水物を形成する。適切な無水物として、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水ジグリコール酸及び無水フタル酸が挙げられる。
角質層の経皮的透過性に影響する因子は、次の3つの主分類に区分できる:1)浸透剤の物理化学的性質;2)ドラッグデリバリーシステムの物理化学的性質;及び3)皮膚の生理学的及び病理学的状態。物理化学的データに基づいた種々のモデルが、医薬活性剤の(適切な)経皮的溶剤を予想するために提案されてきた。これらのモデルは、特定の浸透剤に対する皮膚の透過性(Kp)と;浸透剤の皮膚を通る拡散係数(Ds)並びに親油性角質層及び更に水性の生存生体組織の間の分配係数(km);とを関係付ける。
本発明のコドラッグのいくつかは、非常に親油性、即ち3を超えるlogP値を有する。これらコドラッグは、角質層により又は角質層中に容易に吸収され、その高い親油性のおかげでコドラッグの貯留部又は貯蔵部が形成される角質層に留まることが期待される。この貯留部又は貯蔵部は、コドラッグが角質層から浸出するか、構成成分(それらの少なくとも1はコドラッグよりも低い親油性を有する)へ加水分解されるに従い、生存表皮中へ構成成分を徐々に放出投与することができる。
非イオン化形態の化合物の皮膚に対する特定の透過性は、イオン化形態のそれよりも実質的に大きくなくてはならないことが予想される。しかし、皮膚の遊離塩基に対する固有透過性が(イオン化塩)より大きい場合でさえ、遊離塩基の非イオン化化合物の水溶性はそのイオン化された塩よりも低い場合、その非イオン化形態の透過速度はその塩のそれよりも小さい。Y.W.Chien「経皮的な放出制御薬の投与、新規なドラッグデリバリーシステム原理」Development Concepts、Biomedical Assessments、Marcel Dekker Inc.、N.Y.1982;及びGuyら、「経皮的浸透性の物理化学的見地及びその増強」Pharmaceutical Research、Vol.5、No.12、1988(これら全体を資料として使用する。)参照。
II.定義
ここで使用される「活性」は治療的又は薬理的活性を言う。
「ED50」は、その反応又は効果の最大値の50%を生じる生物学的活性成分の投与量を言う。
「IC50」は、生物学的活性の50%を抑制する生物学的活性成分の投与量を言う。
「LD50」は、被験体の死亡率が50%である生物学的活性成分の投与量を言う。
「治療指数」は、LD50/ED50で定義される生物学的活性成分の治療指数を言う。
ここで、「コドラッグ」とは、少なくとも1の他の構成成分(第一構成成分と同一又は異なる)に化学的に結合している第一構成成分をいう。個々の構成成分は、同一の成分の医薬的活性形態又はそのプロドラッグとして縮合に先だって再生される。
ここで使用される用語「構成成分」は、本発明のコドラッグを形成するように結合されている2以上の生物学的活性成分を言う。本発明では、同一の構成成分の2つの分子が結合されて二量体を形成してもよい。成分の遊離、非縮合形態に関する場合、「構成成分」は、他の医薬的活性成分と結合してコドラッグを形成する前、又はコドラッグが加水分解されて2以上の構成成分間の結合が除去された後のいずれかの場合での医薬的活性成分を言う。この場合、構成成分は、縮合前の同一成分の医薬的活性形態又はそのプロドラッグと化学的に同一である。
「改良された表皮摂取」は、in vitro皮膚浸透試験及びin vivo皮膚テープストリッピング法を使用して決定できる。これらの方法は、Brainら「皮膚化学及び経皮的配合物」中の「経皮的吸収の研究方法」eds.K.Walters及びM.Dekker、NY、pp.197−269、(2002)に全て記載されている。
「Log P」はP(分配係数)の対数を言う。Pは、オクタノール及び水間の物質分配の行なわれやすさの指標である。P自身は対象とする分子に関する定数である。それは、中性分子としての非混合性溶媒中の化合物濃度に対する水相中の化合物濃度の割合として定義される。
分配係数P=[有機相]/[水相](但し、[]は濃度を表す。)
LogP=log10(分配係数)=log10
実際には、LogP値は、測定条件及び分配する溶媒の選択により変わってくる。1のLogP値は、化合物濃度が有機相中で水相中より10倍大きいことを示す。1のlogP値の増加は、水相と比べて有機相中での化合物濃度の10倍が増加することを示す。5を超えるlogP値を有する化合物は、非常に低い水溶性を有すると考えられる。通常、7〜10のlogP値を有する化合物は、水性媒体にほとんど溶解しない。
本発明のコドラッグに関して、「構成成分の残基」とは、それを通してその構成成分が他の構成成分へ結合している官能基から分離した構成成分に構造的に由来するコドラッグの部分を言う。例えば、官能基が−NH2であり、構成基が他の構成成分とアミド(−NH−CO−)結合を形成する場合、構成成分の残基はアミドの−NH−を含む構成成分の部分であり、アミド結合が形成された時に失われた水素(H)は含まない。この意味で、ここで使用する「残基(residue)」はペプチド中のアミノ酸の残基を表すためにペプチド及び蛋白質化学分野で使用される「残基(residue)」の意味に似ている。
「薬」及び「医薬」は、ここでは同意であり、当分野で使用される意味である。
ここで使用される「コドラッグは比較的親油性である。」とは、コドラッグがそれを有する1以上の構成成分よりも更に親油性であることをいう。本発明のコドラッグは、ただ1つの構成成分よりも親油性でもよい。本発明のコドラッグは1を超える構成成分よりも更に親油性でもよく、特に本発明のコドラッグは全ての構成成分よりも更に親油性でもよい。
ここで、本発明の方法により治療される「患者」又は「被験体」は、ヒトもヒト以外の動物も言う。
「薬理的成分」とは、活性又は活性化された場合に、目的とする医薬的効果を生じることが出来る成分である。薬理的成分は通常、薬の対象(一般的には、成分が投与された、特にヒト又はヒトの病気又は疾患のモデルである哺乳動物の被検体体内で又は同様に成分の獣医学的投与における鳥又は哺乳動物等の動物内でも可能である。)に作用するように製造された場合に、これらの効果を生じる。
ここで使用される「医薬的に許容できるキャリア」とは、液体又は固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料等の医薬的に許容できる材料、組成物又は媒体を言い、体の1つの器官又は一部から体の別の器官又は一部へ目的の調整物質を運び輸送する場合に使用される。それぞれのキャリアは配合物の他の成分と共存でき、患者に有害でない意味で「適合性」がある必要がある。医薬的に許容できるキャリアに使用できる材料の例として、(1)乳糖、ブドウ糖及びショ糖等の糖類;(2)コーンスターチ及び馬鈴薯澱粉等の澱粉;(3)カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテートのナトリウム塩等のセルロース及びその誘導体;(4)粉末化トラガカント;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び座薬ワックス等の賦形剤;(9)落花生油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油等の油;(10)プロピレングリコール等のグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオール;(12)オレイン酸エチルエステル及びラウリン酸エチルエステル等のエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩水;(18)エチルアルコール;(19)リン酸塩緩衝溶液;並びに(20)医薬配合物で使用される他の非毒性かつ共存性の物質、が挙げられる。
「生理学的条件」は、例えばin vivo等の有機的組織体中の条件を言う。生理学的条件として、体腔及び器官の酸性及び塩基性環境、酵素的開裂、新陳代謝及び他の生物学的プロセスが挙げられ、好ましくはほ乳類等の脊椎動物中の生理学的条件を言う。
「プロドラッグ」は一般的に薬理的に活性ではない成分である。しかし通常in vivoで、プロドラッグが生物学的活性成分へ転換する酵素的又は加水分解性開裂により活性化される場合、プロドラッグの個体への投与は目的とする医薬的効果を生じる。プロドラッグは通常、生物学的活性成分の化学的修飾により形成される。プロドラッグは又、皮膚的膜を通しての浸透を強化することにより経皮的吸収を増加させるために使用できる。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製の従来の手順は、例えば「プロドラッグ設計」ed.H.Bundgaard、Elsevier、1985に記載されている。
本発明において、「増殖性皮膚障害」は、皮膚組織の望ましくない異常な増殖を特徴とする皮膚の病気/障害を言う。これらの状態は、通常表皮細胞増殖又は不充分な細胞分化により特徴付けられ、例えばX−linked魚鱗癬、乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮剥離性角質増殖症及び脂漏性皮膚炎等が挙げられる。例えば疣贅状表皮発育異常症(epidermodysplasia)は表皮の成長欠陥の1種である。他の例である「表皮剥離」は、自然発生的又は外傷部位でのブレブ及びブラの形成を伴う表皮の遊離した状態を言う。
「癌腫(carcinoma)」は、周囲の組織を浸潤して転移を引き起こしやすい上皮細胞からなる悪性新生物を言う。癌腫として:ほとんど転移しないが、局所的浸潤及び破壊の可能性を有する上皮の皮膚腫瘍である「基底細胞癌腫」;扁平上皮で発生し、立方形細胞を有する癌腫である「扁平上皮細胞癌腫」;癌腫性及び肉腫性組織からなる悪性腫瘍を含む「癌肉腫」;小さな上皮細胞の集団(nest)又は索状配列(cord)により分割され又は囲まれ、乳腺、唾液腺及び気道の粘液腺中に発生する、円柱又は帯状のヒアリン又はムチン支質を特徴とする癌腫である「腺癌(adenocystic carcinoma)」;表皮と同じ方法で分化しやすい(即ち、有棘細胞を形成して角質化を受けやすい)癌細胞である「類表皮癌(皮膚の有棘細胞癌)」;鼻後ろの空間の上皮表面に発生する悪性腫瘍である「鼻咽頭癌腫」;及び、異なる配置の管状細胞からなる腎臓実質の癌腫である「腎細胞癌腫」が挙げられる。他の癌腫性上皮増殖として、上皮組織に由来し、原因物質として乳頭種(パピローマ)ウィルスを有する良性腫瘍である「乳頭種」、及び神経溝が閉鎖する時に外胚葉部位を取り込むことにより形成される大脳又は髄膜腫瘍である「類表皮腫(epidermoidomas)」が挙げられる。
ここで使用される「乾癬」は、皮膚の調節メカニズムを変化させる高増殖性皮膚障害を言う。形成される障害として特に;表皮増殖;皮膚の炎症性反応;リンフォカイン及び炎症性因子等の調節分子の発現;の主要な及び二次的な変化が挙げられる。乾癬皮膚は、表皮細胞の代謝回転の増加、表皮肥大、角化異常、炎症性細胞の真皮層への浸潤及び多形核白血球の表皮層への浸潤を形態的な特徴とし、それにより基底細胞サイクルが増加する。更に、過角化及び錯角化細胞も存在する。
「角化症」は、表皮の角質層の過形成を特徴とする増殖性皮膚障害を言う。角化(角質増殖性)障害の例として、毛包性角化症、掌蹠角皮症、咽頭角化症、毛孔性角化症及び光線性角化症が挙げられる。
「皮膚」は、体の外側の保護被覆をいい、真皮及び表皮からなり、汗腺及び脂腺、並びに毛包構造を含むと理解される。本発明において、形容詞的な「皮膚性」も使用され、それらは使用される概念において適切な一般的「皮膚」に関すると理解できる。
「表皮」は、皮膚の最表面の無血管層を言い、胚性外胚葉に由来し、0.07〜1.4mmの厚みを有する。それは掌及び足底表面上には外側に向かって5層存在する:垂直に並んだ円柱細胞からなる基底層;小突起又は棘を有する扁平な多面体細胞からなる有棘細胞又は有棘層;扁平な顆粒細胞からなる顆粒層;内部の核が不明瞭であるが存在しない透明な細胞の複数層からなる透明層;及び扁平な、角質化した無核化細胞からなる角質層。通常の体表面の表皮中には、透明層は普通存在しない。
「真皮(corium又はdermis)」は、表皮深部の皮膚層を言い、血管結合組織の高密度層からなり、感覚神経及び末端器官を含有する。毛根、並びに脂腺及び汗腺は、真皮中に深く入り込んでいる表皮構造である。
ここで使用される「全身的投与」、「全身的に投与された」、「末端的投与」及び「末端的に投与された」は、生物学的活性成分、コドラッグ又は他の材料の、患者の系に入り込み代謝や他のプロセスを経るような中枢神経系への直接的投与ではなく、皮下投与等の投与を意味する。
「経皮的」は、外用又は経皮的投与、即ち本発明のコドラッグが全身的投与処理されるために皮膚用組成物を直接的に皮膚へ投与することを意味する。「皮膚的」は、本発明のコドラッグの局所的投与のためのコドラッグの局所的投与を意味する。一般的に「皮膚(skin又はderma)」、「表皮(epidermis)」及び「真皮(dermis)」は、特記しない限り共通に使用される。
「経皮的貼付剤」は、皮膚又は口中等の粘膜を含む適切な皮膚表面を通って患者へ生物学的活性成分を投与できるシステムを意味する。このようなデリバリーシステムは、一般的に可撓性のバッキング、粘着剤及び生物学的活性成分を保持するマトリックスを含み、バッキングは粘着剤及びマトリックスを保護し、粘着剤は患者の皮膚上にその(システム)全体を固定する。皮膚との接触において、生物学的活性成分−保持マトリックスは、生物学的活性成分を皮膚へ放出し、成分は皮膚を通って患者の系中に入る。
「治療」は、又予防、治療及び療養を含むものである。この治療を受ける患者とは、一般的に治療を必要とする動物、霊長類、特にヒト、及びウマ、ウシ、ブタ及びヒツジ;並びにトリ及びペット等の他の哺乳動物を含む。
小さな有機分子上の「置換」又は「置換基」は、一般的に、例えば直鎖又は環の員原子以外の直鎖又は環上の、水素以外の成分により占められる多価の原子上の結合成分(valency)をいう。これら成分として、ここで記載されるもの及び当分野で公知のものが挙げられ、例えば、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アジド、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、ケトン、アシル等)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート又はチオホルメート等)、アルコキシル、ホスホリル、ホスホネート、ホスフィネート、アミン、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホン酸エステル、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、シリル、エーテル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニル、ヘテロアラルキル、アラルキル、アリール又はヘテロアリールが挙げられる。アリール、ヘテロアリール、多環式、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキル、シクロアルキル、複素環、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニル等のある種の置換基は、適切であれば、それ自身が置換されてもよいことは当業者には明らかである。本発明は、どのような可能な有機化合物の置換基によっても目的が制限されるものではない。「置換」又は「で置換された」とは、これらの置換は置換された原子及び置換基の許される原子価の範囲内で起こり、転位、環化、脱離、加水分解等による変形を自然発生的には受けない安定な化合物が、置換により生じることは当然である。
「アミン」及び「アミノ」は当分野で理解されるとおりであり、非置換及び置換されたアミンの両方、並びにアンモニウム塩をいい、例えば、下記一般式で表されてもよい:
Figure 2005518354
但し、R9、R10及びR’10は、それぞれ独立して水素又は炭化水素置換基を表し、R9及びR10はN原子に結合して一緒に環構造中に4〜8原子を有する複素環を形成しても良い。好ましくは、R9、R10及びR’10のいずれもアシルではなく、例えばR9、R10及びR’10は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環式脂肪族系及び複素環脂肪族系から選ばれてもよい。ここで使用される「アルキルアミン」は、上記記載のアミン基をいい、それに結合した少なくとも1の置換された又は非置換のアルキル基を有する。正に荷電したアミノ基(R’10が存在する等)は、「アンモニウム」基という。アンモニウム基以外のアミノ基中で、アミンは好ましくは塩基性、例えば、その共役酸は7を超えるpKaを有する。
「アミド(amido又はamide)」は、下記一般式で表される成分等のアミノ−置換されたカルボニルとして当分野で理解されるとおりである:
Figure 2005518354
但し、R9及びR10は上記記載のとおりである。本発明のアミドはイミドを含んでも良い。通常上記式の酸素原子がイオウ原子に置換された場合、式は「チオアミド」を表す。
「カルボニル」は、下記一般式で表される成分等の当分野で理解されるとおりである:
Figure 2005518354
但し、Xは単なる結合、又は酸素原子若しくはイオウ原子を表し、R11は水素、炭化水素置換基又は医薬的に許容できる塩を表し、R’11は水素又は炭化水素置換基を表す。Xが酸素原子でR11又はR’11が水素でない場合、式は「エステル」である。Xが酸素原子でありR11が上記記載である場合、成分はここではカルボキシル基をいい、特にR11が水素の場合、式は「カルボン酸」を表す。Xは酸素原子でありR’11が水素である場合、式は「ホルメート」を表す。一般的に、上記式の酸素原子がイオウ原子で置換された場合、式は「チオカルボニル」基を表す。Xがイオウ原子でありR11又はR’11が水素でない場合、式は「チオエステル」を表す。Xがイオウ原子でR11が水素の場合、式は「チオカルボン酸」を表す。Xがイオウ原子でR’11が水素の場合、式は「チオホルメート」を表す。一方、Xが結合でありR11が水素原子でなくカルボニルが炭化水素に結合している場合、上記式は「ケトン」基を表す。Xが結合でありR11が水素でありカルボニルが炭化水素に結合している場合、上記式は「アルデヒド」又は「ホルミル」基を表す。
「カルバメート」は下記一般構造を有する基を言う。
Figure 2005518354
但し、Rは水素又は炭化水素置換基を表す。
「チオカルバメート」は、カルボニルの酸素原子がイオウ原子で置換されている上記基の一種を言う。
「カーボネート」は下記一般構造を有する基を言う。
Figure 2005518354
「チオカーボネート」はカルボニルの酸素原子がイオウ原子で置換された上記構成の一種を言う。
「環状ケタール」は、下記構成の一種を有する成分等の2つの酸素原子を有する環状脂肪族系基をいう:
Figure 2005518354
但し、C1上に表されているもののような置換基は、その代わりに又は更に、C2又はC3等の環上の他の位置に存在しても良く、及び/又は2つの置換基はその環の同一の位置に存在しても良い。3炭素原子(C1、C2及びC3)中の2つの炭素原子は、環構造中に4〜8原子を有する他の環構造中に共に含まれても良い。
「リン酸エステル」は下記一般構造を有する基をいう。
Figure 2005518354
但し、酸素原子に結合しているそれぞれの基は水素、炭化水素又は対イオン(ナトリウム等)又は上記記載の他の置換基である。
環状リン酸エステルは下記一般式構造を有する。
Figure 2005518354
但し、C1上に表されているもののような置換基は、その代わりに又は更に、C2又はC3等の環上の他の位置に存在しても良く、及び/又は2つの置換基はその環の同一の位置に存在しても良い。3炭素原子(C1、C2及びC3)中の2つの炭素原子は、環構造中に4〜8原子を有する他の環構造中に共に含まれても良い。
「グアニジノ」は下記一般構造を有する基をいう。
Figure 2005518354
但し、それぞれのRは、独立してそれぞれの位置で、水素又は炭化水素置換基でもよい。2つのR’は共に1つの環を形成しても良い。従って、一般的な構造は、1つの環又は多環式構造の一部でもよい。
「アミジン」は下記一般式で表される塩基性基である;
Figure 2005518354
但し、それぞれのRは、独立してそれぞれの位置で、水素又は炭化水素置換基でもよい。2つのRは一緒に環を形成しても良い。
「炭化水素置換基」は少なくとも1のC−H結合を有する成分であり、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環式脂肪族系及び複素環脂肪族系基等の基が挙げられる。
「ヘテロ原子」は、ボロン、リン、ケイ素、窒素原子、イオウ原子又は酸素原子等の多価の非炭素原子を言い、好ましくは窒素原子、イオウ原子又は酸素原子をいう。1を超えるヘテロ原子を含有する基は、異なるヘテロ原子を含んでいても良い。
「複素環脂肪族環」は、炭素原子及び1〜約4ヘテロ原子を環中に含む非芳香族系飽和又は不飽和環であり、2つのヘテロ原子が環中で隣接することはなく、好ましくはヘテロ原子に結合している環中の炭素原子は、それに結合しているヒドロキシル、アミノ又はチオール基を有さない。複素環脂肪族環は単環式、又は縮合若しくは架橋して二環式となっている環系である。単環式複素環脂肪族環は約4〜約10員原子(炭素及びヘテロ原子)、好ましくは4〜7、更に好ましくは5〜6員原子を環中に有する。二環式複素環脂肪族環は、8〜12員原子、好ましくは9又は10員原子を環中に有する。複素環脂肪族環は、非置換でも環上で1〜約4置換基で置換されてもよい。好ましい複素環脂肪族環置換基として、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシ又は又はそれらの混合が挙げられる。更に好ましい置換基には、ハロ及びハロアルキルが挙げられる。複素環基として、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、ヒダントイン、オキサゾリン、イミダゾリントリオン、トリアゾリノン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオレン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、ラクトン、ラクタム、例えばアゼチジノン及びピロリジノン、スルタム、スルトン等が挙げられる。好ましい複素環脂肪族環として、ピペラジル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピペリジルが挙げられる。複素環は又多環式でもよい。
「ヘテロアルキル」は、炭素原子及び少なくとも1のヘテロ原子からなり、2つのヘテロ原子が隣接することはない、飽和又は不飽和鎖であ。ヘテロアルキル鎖は、鎖中に1〜18、好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜4員原子(炭素及びヘテロ原子)を含む。ヘテロアルキル鎖は直鎖状でも分岐状でもよい。好ましい分岐状ヘテロアルキルは、1又は2の分岐、好ましくは1の分岐を有する。好ましいヘテロアルキルは飽和である。不飽和ヘテロアルキルは1以上の二重結合及び/又は1以上の三重結合を有する。好ましい不飽和ヘテロアルキルは1若しくは2の二重結合又は1の三重結合、更に好ましくは1の二重結合を有する。ヘテロアルキル鎖は、特記されない限り非置換又は、1〜約4置換基で置換されてもよい。好ましいヘテロアルキルは非置換である。好ましいヘテロアルキル置換基として、ハロ、アリール(フェニル、トリル、アルコキシフェニル、アルコキシカルボニルフェニル、ハロフェニル等)、複素環、ヘテロアリールが挙げられる。アルキル鎖で置換された下記の置換基は、ヘテロアルキル:アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ等)、アリーロキシ(フェノキシ、クロロフェノキシ、トリロキシ、メトキシフェノキシ、ベンジロキシ、アルコキシカルボニルフェノキシ、アシロキシフェノキシ等)、アシロキシ(プロピオニロキシ、ベンゾイロキシ、アセトキシ等)、カルバモイロキシ、カルボキシ、メルカプト、アルキルチオ、アシルチオ、アリールチオ(フェニルチオ、クロロフェニルチオ、アルキルフェニルチオ、アルコキシフェニルチオ、ベンジルチオ、アルコキシカルボニルフェニルチオ等)、アミノ(アミノ、モノ−及びジ−C1〜C3アルキルアミノ、メチルフェニルアミノ、メチルベンジルアミノ、C1〜C3アルキルアミド、カルバマミド、ウレイド、グアニジノ等)である。
「医薬的に許容できる塩」は、酸性(ヒドロキサム酸又はカルボン酸等)基で形成されるカチオン性塩又は塩基性(アミノ又はグアニジノ等基で形成されるアニオン性塩を言う。これらの塩は当分野で公知である。例えば、国際公開第87/05297号(ここで、資料として使用する。)を参照。これらの塩は当業者に公知の方法で製造される。当業者は、溶解性、安定性、配合容易性、費用等を改良するためにそれらの中から1の塩を選ぶことが出来るのは当然である。それらの塩の決定及び最適化は、当業者の実施の範囲内である。好ましいアニオンとして、ハライド(クロリド等)、スルホネート、カルボキシレート、ホスフェート、治療的活性カルボキシレート等が挙げられる。
「ザンテート」は下記一般構造を有する基を言う。
Figure 2005518354
但し、Rは炭化水素置換基を表す。
III.コドラッグの例示
本発明のコドラッグは、2以上の構成成分の共有結合により形成されても良い。構成成分は、可逆的な共有結合により単一のコドラッグを形成するように結合されてもよく、共有結合された構成成分は、体内の目的とする部位で開裂して構成成分の活性体又は対象である生物学的活性成分へのプロドラッグ前駆体を再生することができる。構成成分の開裂速度は、構成成分の結合タイプ、構成成分の選択及び成分の物理的形状により調節できる。本発明のコドラッグは水、血清又は他の体液中で不安定であり、生物学的活性成分又はそれらのプロドラッグを再生する。本発明のコドラッグは、1以上の血清又は他の体液中で非常に低い溶解性を有し、生物学的環境中への溶解に際して素早く加水分解されて生物学的活性成分及びそれらのプロドラッグを再生しても良い。
それぞれの構成成分は、1以上の官能基を有し、その官能基は他の構成成分又は1つの構成成分と結合している結合基と不安定な結合を形成することが出来る。適切な不安定結合として、エステル、アミド、カルバメート、カーボネート、環状ケタール、チオエステル、チオアミド、チオカルバメート、チオカーボネート、ザンテート、リン酸エステル、スルホン酸エステル、又はスルファミン酸エステル、無水物、ウレア、グアニジノ及びスルホンアミド結合が挙げられる。これらの結合を形成する適切な官能基としてアミノ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール及びスルホン酸エステル基が挙げられる。適切な結合基として、ジ(カルボン)酸、ジアミン、アミノ酸、ヒドロキシ酸、ヒドロキシアミン、ジアルコール等である。
構成成分は、1以上の官能基を有する生物学的活性成分であり、その官能基はそれら構成成分(二量体、三量体等となる)、他の生物学的活性成分又は使用された場合には結合基と加水分解可能な結合を形成する。構成成分として例えば、抗うつ剤;リドカイン、ベンゾジアゼパム、トラマドール及び関連する化合物等の鎮痛剤;抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド);ジクロフェナク、ナプロキセン、ケトロラク、フルルビプロフェン及びインドメタシン等の非ステロイド性抗炎症剤(NSAID);抗生物質;フルコナゾール及び関連化合物等の抗真菌剤;フォスカルネットナトリウム、トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ジデオキシイノシン(ddI)、ジデオキシシチジン(ddC)等の抗ウィルス剤;5−フルオロウラシル、アドリアマイシン及びその関連化合物等の抗増殖剤;カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、ベータブロッカー、縮瞳剤、コリンエステラーゼ阻害剤及び交感神経興奮様薬等の抗緑内障剤;ムラミールジペプチド及び関連化合物等の免疫調節剤;コルヒチン、ビンクリスチン、cytochalsianB及び関連化合物等の細胞輸送/移動阻害剤;シクロスポリン、インシュリン、成長因子又は成長ホルモン等のサイトカイン及びペプチド/蛋白質;ビタミンE又はレチノール等の皮膚処理剤;遮光剤;皮膚保護剤;代謝拮抗物質;抗乾癬剤;角質溶解薬;抗不安薬;並びに抗精神病薬等が挙げられる。
1として好ましい抗増殖剤は1以上の官能基を有し、その官能基はR2上の官能基又は結合基のいずれかと反応して結合を形成できる。R1が有する官能基の例として、ヒドロキシ基、アミン基、カルボキシレート基(カルボン酸及びエステルを含む)、酸無水物基、チオール基、スルホニルハライド基等が挙げられる。好ましい官能基は、−OH、−NH2、−CO2H及び−CO2 -基(但し、ダッシュは、抗増殖剤の残基への結合を表す。)である。
本発明の1以上の構成成分に適切な抗増殖剤として:アリトレチノイン(9−シス−レチノイン酸);アミホスチン;bexarotene(4−[1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,8,8−ペンタメチル−2−ナフタレニル)エテニル]安息香酸);ブレオマイシン;カペシタビン(5’−デオキシ−5−フルオロ−シチジン);クロラムブシル;クラドリビン;シタラビン;ダウノルビシン;ドセタキセル;ドキソルビシン;エピルビシン;エストラムスチン;エトポシド;エキセメスタン(6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン);フルダラビン;5−フルオロウラシル;ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;イダルビシン;イリノテカン;メルファラン;メトトレキサート;ミトキサントロン;パクリタキセル;ペントスタチン;プレドニムスチン(プレドニムスチン);ストレプトゾシン;テモゾールアミド;テニポシド;トムデックス;トポテカン;バルルビシン(N−トリフルオロアセチルアドリアマイシン−14−バレレート);ビノレルビン;及び上記記載の塩が挙げられる。好ましい抗増殖剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート及び5−フルオロウラシルである。これらの抗増殖剤は、それぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、同一又は異なる官能基を有する1以上の;同一の抗増殖剤、異なる抗増殖剤又は異なる医薬的活性化合物に、直接的又は医薬的に許容できるリンカーを通して間接的に結合されることが出来る。
本発明の1以上の構成成分として使用できる適切なコルチステロイドとして:21−アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニソン、クロベタゾール、クロコルトロン、cloprednol、コルチコステロン、コルチゾン、cortivazol、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、difuprednate、エノクソロン、fluazacort、flucloronide、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカソン、formocortal、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ハイドロコルチゾン、ロテプレドノール・エタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニソン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニソン、プレドニバル、プレドニリデン、rimexolone、tixocortol、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンbenetonide、トリアムシノロンヘキサアセトニドが挙げられる。これらのコルチステロイド成分は、それぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一のコルチステロイド、異なるコルチステロイド又は異なる医薬的活性成分へ結合されることが出来る。
本発明のコドラッグ製造用に好ましいコルチステロイド成分として下式の成分が挙げられる:
Figure 2005518354
但し、R1は=O、−OH又は−(CH21〜4Clであり;
R2はH、C1〜4アルキル、Cl又はBrであり;
R4はH、F又はClであり;
R5はH、F、Cl、CH3又は−CHOであり;
R6はH、OH又はClであり;
R7はH、OH、CH3、O−COCH3、O(CO)OCH2CH3、O−(CO)−2−フラニル又はO−C(O)−(CH22CH3であり;
R8はH、CH3、OH、=CH2であるか、R7及びR8は共に隣接した炭素原子と結合して下記化合物を形成し:
Figure 2005518354
R9はCH3、CH2OH、CH2O(CO)CH3、CH2−O−C1〜4アルキル、CH2Cl、−OCH2Cl、−CH2−N−(N’−メチル)ピペラジニル、−CH2−O−(CO)−CH2−N(Et)2、エチル、CH2SH、CH2O(CO)C1〜4アルキル、CH2(CO)C(2−プロピレン)−NH(CO)C65又は−S−CH2−Fであり;
Figure 2005518354
で表される結合は二重結合又は一重結合のいずれかである。
当業者は、コルチステロイド化合物のクラスは、エストロゲン又はアンドロゲンを含まないステロイドの特定の(distinct)クラスであることが理解できる。
適切なβ−ラクタム抗生物質の例として、アモキシシリン、アンピシリン、アミルペニシリン、アパルシリン、アジドシリン、アズロシリン、アズトレオナム、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ビアペネム、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、cefazedone、セファゾリン、セフブペラゾン、セフカペンピボキシル、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セフミノクス、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォチアム、セフォキシチン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフロキサジン、セフソロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチオフル、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、cephacetrilic酸、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリンC、セファロチン、セファマイシン、セファピリン酸、セフラジン、クロメトシリン、クロクサシリン、シクラシリン、ジクロクサシリン、フェンベニシリン、フロモキセフ、フロキサシリン、ヘタシリン、イミペネム、レナンピシリン、ロラカルベフ、メロペネム、メタンピシリン、モクサラクタム、norcardicins(例えば、norcardicinA)、オキサシリン、パニペネム、ペニシリンG、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンS、ペニシリンV、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバンピシリン、ピブセファレキシン、プロピシリン、スルベニシリン、スルタミシリン、タランピシリン、テモシリン、チカルシリン及びtigemonamが挙げられる。上記β−ラクタム抗生物質はそれぞれ1以上の官能基を有し、その官能基は少なくとも1の他の医薬効果的な成分と、直接的に又は不安定リンカーを通して共有結合を形成することが出来る。
更に本発明の構成成分に適切な抗生物質化合物として:メトロニダゾール、シプロフロキサシン等が挙げられる。
2として適切な非ステロイド性抗炎症性(NSAID)化合物は、1以上の官能基を有し、その官能基はR1上の官能基又は結合基と反応して結合を形成することが出来る。R2が有する官能基の例として、ヒドロキシ基、アミン基、カルボキシレート基(カルボン酸及びエステルを含む。)、酸無水物基、チオール基、スルホニルハライド基等が挙げられる。好ましい官能基は−OH、−NH2、−CO2H(−CO2 -を含む。)基、(ダッシュは、抗増殖剤の残基への結合を表す。)。
1以上の本発明の構成成分に適切なNSAID化合物として:ジクロフェナク、エトドラック、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ナブメトン、ピロキシカム、アセトアミノフェン、アスピリン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトロラク、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、コリンマグネシウムトリサルチレート、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸及びフェニルブタゾン又はそれらの、プロドラッグ、塩、若しくは活性代謝産物が挙げられる。上記NSAID化合物はそれぞれ1以上の官能基を有し、その官能基は1以上の官能基を有する他の成分と直接結合又は間接的結合を形成することが出来る。従ってそれら全ては、1以上の同一のNSAID、異なるNSAID又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。本発明のコドラッグの製造に好ましいNSAIDは、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ナプロキセン及びケトプロフェンである。好ましい塩としてナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
1以上の本発明の構成成分に適切な鎮痛剤として:ベンゾジアゼパム、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デスモルヒネ(desmorphine)、デゾシン、ジヒドロモルヒネ、dimepbeptanol、エプタゾシン、エチルモルヒネ、フェンタニル、グラフェニン、ヒドロモルホン、isoladol、ketobenidone、p−lactophetide、レボルファノール、リドカイン、moptazinol、メタゾシン、メペリジン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ノルレボルファノール、ノルモルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、phenperidine、phenylramidol、プロポキシフェン、トラマドール及びviminol並びにそれらの、塩、医薬的エステル及びプロドラッグが挙げられる。上記鎮痛剤はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、それら全ては、1以上の同一の鎮痛剤、異なる鎮痛剤又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る鎮痛剤である。
本発明の主成分に使用できる抗うつ剤として;caroxazone、フェンカミン、indalpine、インデロキサジン、ノミフェンシン、オキシトリプタン(L−5HTP)、パロキセチン及びセルトラリン等の二環式抗うつ剤;benmoxine、iproclozide、イプロニアジド、イソカルボキサジド、octamoxin及びフェネルジン等のヒドラジド;rolicyprine、ロリプラム及びセルチンドール等のピロリドン;マプロチリン等の四環式抗うつ剤;アモキサピン、デメキシプチリン、デシプラミン、メタプラミン、nortiptaline、オピプラモール、propizepine、プロトリプチリン及びチアネプチン等の三環式抗うつ剤;並びにアドラフィニル、ベナクチジン、ジオキサドロール、デュロキセチン、febarbamate、fenpentadiol、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、pyrisuccideanol、roxindole、スルピリド、toloxatone、トラニルシプロミン、l−トリプトファン、ベンラファキシン及びビロキサジン等の他の抗うつ剤が挙げられる。上記抗うつ剤はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の抗うつ剤、異なる抗うつ剤又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明の主な化合物に使用できる抗精神病薬として;アミスルプリド、ネモナプリド及びスルピリド等のベンズアミド;ベンズイソオキサゾール;ベンペリドール、ブロムペリドール、ドロペリドール、ハロペリドール、モペロン、ピパンペロン、スピペロン、チミペロン及びトリフルペリドール等のブチロフェノン;アセトフェナジン、カルフェナジン、ジキシラジン、フルフェナジン、ペリシアジン、perimethazine、ペルフェナジン、ピペラセタジン及びピポチアジン等のphothiazines;クロペンチキソール及びフルペンチキソール等のチオクサンテン;カルピプラミン、クロカプラミン、モサプリミン、オランザピン、オピプラモール及びセロクエル等の他の三環式抗精神病薬;並びにburamate、ペンフルリドール、ピモジド及びジプラシドン等の他の抗精神病薬が挙げられる。これらの抗精神病薬はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の抗精神病薬、異なる抗精神病薬又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明の主な化合物に使用できる抗不安薬化合物として;enciprazine及びフレシノキサン等のアリールピペラジン;クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、フルタゾラム、ロラゼパム、メキサゾラム、ノルダゼパム及びオキサゼパム等のベンゾジアゼピン誘導体;エミルカメート、ヒドロキシフェナメート、メプロバメート、フェンプロバメート及びチバメート等のカルバメート;ベンズオクタミン、グルタミン酸、ヒドロキシジン、mecloralurea、メフェノキサロン及びオキサナミド等の他の抗不安薬;並びにフルオキセチン、フルボキサミン、indalpine、インデロキサジンHCl、ミルナシプラン、パロキセチン及びセルトラリン等の選択的セロトニン摂取阻害剤(SSRI)が挙げられる。これらの抗不安薬はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の抗不安薬、異なる抗不安薬又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明の1以上の構成化合物に適切な角質溶解薬として:レチノイン酸(ビタミンA)、ジジクロロ酢酸、レゾルシノール、サリチル酸及びテトキノンが挙げられる。これらの角質溶解薬はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の角質溶解薬、異なる角質溶解薬又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
代謝拮抗物質は、例えば代謝性プロセスを担当する酵素と結合することにより、細胞中の正常な代謝性プロセスを阻害する。本発明の1以上の構成化合物に適切な代謝拮抗物質として;5−フルオロウラシル、メトトレキサート、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン(FUDR)、Ara−C(シタラビン)、ゲムシタビン、メルカプトプリン及び他の修飾ヌクレオチド及びヌクレオシドが挙げられる。これらの代謝拮抗物質はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の代謝拮抗物質、異なる代謝拮抗物質又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明の1以上の構成成分に適切な抗乾癬剤として;レチノイド(レチノイン酸、アシトレチン及びタザロテンを含むがこれに限定されるものではない。)、サリチル酸(モノアンモニウム塩)、アントラリン、6−アザウリジン、ビタミンD誘導体(カルシポトリエン及びカルシトリオールを含むがこれに限定されるものではない。)、ピロガロール、並びにタカルシトールが挙げられる。これらの抗乾癬剤はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の抗乾癬剤、異なる抗乾癬剤又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明の1以上の構成成分に適切な遮光剤の例として;アクチノキノール、p−アミノ安息香酸(PABA)及び4−ジメチルアミノ安息香酸が挙げられる。これらの遮光剤はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の遮光剤、異なる遮光剤又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明の1以上の構成成分に適切な皮膚保護剤例として:アラントイン及びエスクリンが挙げられる。これらの皮膚保護剤はそれぞれ1以上の上記記載の官能基を有し、従ってそれら全ては、1以上の同一の皮膚保護剤、異なる皮膚保護剤又は異なる医薬的活性成分に結合されることが出来る。
本発明では特に、治療的有効量の本発明の生物学的活性成分、塩又は組成物が、約1日〜10日、好ましくは約2日〜1週間の間、全身的経皮的量投与されてもよい。全身的経皮的量は例えば1日未満、好ましくは数時間以下で投与されても良い。
本発明では特に、治療的有効量の本発明の生物学的活性成分、塩又は組成物が、約1日〜10日、好ましくは約2日〜1週間の間、局所的皮膚的量投与されてもよい。局所的皮膚的量は例えば1日未満、好ましくは数時間以下で投与されても良い。
本発明では特に、治療的有効量の本発明の生物学的活性成分、塩又は組成物が、約1日〜10日、好ましくは約2日〜1週間の間、抗増殖剤の局所的細胞毒性量投与されてもよい。局所的細胞毒性量は例えば1日未満、好ましくは数時間以下で投与されても良い。
本発明では、例えば治療的有効量の本発明の生物学的活性成分、塩又は組成物が、約1日〜10日、好ましくは約2日〜1週間の間、抗増殖剤の局所的アポトーシス量投与されてもよい。局所的アポトーシス量は例えば1日未満、好ましくは数時間以下で投与されても良い。
本発明では、例えば治療的有効量の本発明の生物学的活性成分、塩又は組成物が、約1日〜10日、好ましくは約2日〜1週間の間、抗増殖剤の局所的抗炎症量投与されてもよい。局所的抗炎症量は、例えば1日未満、好ましくは数時間以下で投与されても良い。
本発明のコドラッグは、腫瘍治療用にも使用できる。本発明のコドラッグは、抗新生物薬(抗ガン剤)成分の局所的治療用レベル量を放出しながら、同時にコルチステロイド成分の局所的効果的レベル量を放出できる。従ってコドラッグは、腫瘍に伴う炎症、時には痛み及び/又は狭窄を軽減させながら、同時に腫瘍を治療できる。この2元的作用は、抗新生物薬治療の患者耐性を改良することにより、コドラッグの効能を増加させる。又この2元的作用は、時には腫瘍に近接した部分での炎症及びそれに伴う上昇した流体圧力を低減させることより、拡散された流出物が薬剤耐性を増大することを低減する。
IV.方法の例示
本発明の製薬製造は、角化症等の過形成性(増殖性)表皮疾患の治療及び、基底細胞癌腫又は扁平上皮細胞癌腫等の種々の皮膚癌腫の高い増殖率に特徴を有する過形成的表皮状態の治療に使用出来る。本発明の方法は又、皮膚に影響する自己免疫性病気の治療、特に乾癬又はアトピー性皮膚病を原因とする病的増殖及び/又は表皮の角化等の皮膚化学病の治療に使用できる。
多くの一般的皮膚病、乾癬、扁平上皮細胞癌腫、角化性棘細胞腫及び光線性角化症等は、局所的な異常増殖及び異常成長に特徴を有する。例えば、乾癬では皮膚上の、鱗片性で、赤色の盛り上がった色斑に特徴を有し、ケラチノサイトは正常な場合よりも更に急速に増殖し、より不完全に分化することで知られている。
本発明の医薬品は、例えば、炎症性要素に特徴を有する皮膚細胞の異常な増殖を引き起こす角化障害に関連する皮膚化学(慢性軽症)疾患の治療に適している。上記のように乾癬は、通常「再生的」経路にそっての増殖性活性化及び分化を明白に示す表皮ケラチノサイトを特徴とする。本発明の方法例である抗増殖剤による治療は、病理学的表皮活性化を戻すのに使用でき、病気の持続的緩解の基礎を提供できる。
他の種々の角化(角質増殖性)障害も又、本発明の抗増殖剤医薬品による治療対象である。例えば、光線性角化症は、日焼け及び放射線照射された皮膚で発生する表面の炎症性前悪性腫瘍である。この障害は、様々な皮の剥がれと共に茶色になる紅斑である。従来の治療法には切除及び冷凍外科がある。これらの治療は痛みを伴うが、しばしば美容的に不適当な傷跡を残す。従って光線性角化症等の角化症の治療には、障害のある表皮/類表皮細胞の過増殖を阻止するために充分な量の本発明の組成物を、好ましくは局所的に投与することが挙げられる。
「にきび(acne)」は、本発明の方法例である抗増殖剤による治療ができる別の皮膚化学的(慢性軽症)疾患である。例えば尋常性挫瘡(にきび)は、10代及び若者に最も良く起きる多因性病気であり、顔及び体幹上部上の炎症性及び非炎症性障害として表れることに特徴を有する。尋常性挫瘡を発生させる基本的欠陥は、高活性な脂腺の導管の高角質化である。高角質化は皮膚及び毛包中の微生物の正常な移動(排出)を阻害し、そうすることにより、アクネ菌(Propinobacterium acnes)、表皮ブドウ球菌及び酵母菌(Pitrosporum ovale)によるリパーゼの放出を刺激する。本発明の抗増殖剤コドラッグ、特に局所的医薬品による治療は、導管の変化した形状、例えば障害形成に導くような高角質化等、を防止するために有効である。本発明の治療には、例えば、抗生物質、レチノイド及びアンチアンドロゲンが含まれる。
本発明は又、種々の形態の皮膚炎の治療方法を提供する。「皮膚炎」は、掻痒性、紅斑性、鱗片性、水疱性、滲出性、ひび割れ又はかさぶたのある状態のいずれかである区別しにくい障害をいう用語である。これらの障害は、広い範囲の原因により発生する。最も一般的な皮膚炎のタイプは、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎及びおむつかぶれである。例えば脂漏性皮膚炎は、慢性で通常掻痒性の、種々の部位、特に頭皮での、紅斑、乾燥性、湿潤性又は脂性鱗屑及び黄色の堅い斑点を有し、過度の量の乾燥性ふけの剥離を伴う皮膚炎であり、しばしば慢性で通常の湿疹性皮膚炎及び鬱血性皮膚炎である。光線性皮膚炎は、太陽光、紫外線又はx線若しくはγ線などの光線照射への曝露による皮膚炎である。本発明のコドラッグ医薬品は、上皮細胞の望ましくない増殖に起因する皮膚炎の特定の症状の治療及び/又は予防に使用できる。これらの種々の形態の皮膚炎の予防は又、局所的及び全身的コルチステロイド、止痒薬(鎮痒薬)及び抗生物質を含む。
本発明の方法の1例として、それを必要としている患者の皮膚へ上記のようにハイドロコルチゾン−ハイドロコルチゾンコドラッグを適用することが挙げられる。本発明では特に、ハイドロコルチゾン−ハイドロコルチゾンコドラッグを直接的に皮膚へ、軟膏、膏薬、ローション又はクリームの形状で適用しても良く、その効果は、局所的炎症、かゆみ及び/又は痛みの軽減等である。
本発明の方法の1例として、乾癬の治療用に本発明の組成物を有効量投与することが挙げられる。例えば、本発明の組成物は、第一構成成分がコルチステロイド及びNSAIDから選ばれ、第二構成成分がアシトレチン、サリチル酸、アントラリン、6−アザウリジン、カルシポトリエン、ピロガロール及びタカルシトール等の抗乾癬剤成分から選ばれたコドラッグを含んでも良い。本発明の方法では、特に、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、プレドニゾロン及びプレドニソン等のコルチステロイド、並びにアシトレチン、アントラリン又は6−アザウリジン等の抗乾癬剤成分のコドラッグを含有する組成物を使用してもよい。
本発明は又、過形成的病気(腫瘍)の治療方法をも提供する。本発明の方法は、癌性又は充実性腫瘍等の良性障害の治療に有用である。本発明の1以上の生物学的活性成分で治療可能な癌腫として、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含む、乳癌、子宮頸癌、子宮癌腫、卵巣癌腫、肺癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌腫及びリンパ腫が挙げられる。本発明のコドラッグで治療可能な他の過形成的病気として良性前立腺過形成(BPH)が挙げられる。好ましい本発明の治療方法としては、任意で放射線治療と組み合わせたBPH又は前立腺癌の治療が挙げられる。
本発明の方法は、ヒト又は非ヒト哺乳動物等の個体へ、コドラッグ、それらの塩又はコドラッグを含む組成物の少なくとも1の治療的に有効な服用量を投与することを含む。本発明のコドラッグ、塩又は組成物の治療的有効量は、治療で投与された時に約1以上の下記効果:過形成的病気の成長又は拡張を停止させ;過形成的障害の転移を防止し;過形成的障害中に細胞毒性効果を生成し;癌性又は前癌性の過形成的細胞中のアポトーシスを誘導し;局所的若しくは全身的炎症を軽減又は防止し又は過形成的障害に伴う痛みを減少させる効果を引き起こすことの出来る量である。本発明の治療的効果的な服用量は、例えば、標的過形成的障害中の細胞毒性効果を生成するのに充分な時間中、充分な濃度の抗増殖剤を充分放出するような本発明のコドラッグ、塩又は組成物の量である。
本発明の方法は、本発明のコドラッグ又は組成物を、好ましくは局所的投与を経由して使用する。
本発明は、又これらの治療を必要としている患者の治療方法に関する。患者は、どのような哺乳動物種でもよく、特にヒトでもよい。獣医学的患畜として、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ及びブタの種が挙げられる。治療の必要性は、当業者である医師又は獣医により患者の示す症状に基づいて決定される。
これらの治療を必要としている患者の治療方法は、上記コドラッグを含む本発明の組成物の治療的有効量の皮膚への適用を含む。組成物は、軟膏、膏薬、ローション、クリーム、ゲル又は皮膚への投与に適切な他の物理的形状の形状で、直接的に皮膚へ適用されても良い。組成物は、ここで記載される医薬的装置の形状で、特に下記顕微針、包帯、ガーゼパッド又は貼付剤により皮膚へ間接的に適用されても良い。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組成物及び投与の態様で、患者へ毒にならずに、目的とする治療反応を獲得するために効果的な活性成分量を得るために変化しても良い。
選択される投薬量レベルは、使用される特別な本発明のコドラッグの構成薬又はそれらのエステル、塩、若しくはアミドの活性度、投与経路、投与時間、使用された特別なコドラッグ(及び/又はその構成薬)の排出速度、治療持続性、他の生物学的活性成分(使用された特別なコドラッグと組み合わせて使用される材料)、年齢、性別、体重、症状、体全体の健康及び治療前の患者の医薬的治療歴等の種々の因子及び医師等に公知の類似因子に依存する。
当業者である医師又は獣医は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し処方できる。例えば、医師又は獣医は、医薬組成物中に使用される本発明のコドラッグの服用量を、目的とする治療用効果を得るために必要な量より低いレベルで開始し、目的とする効果が得られるまで投薬量を徐々に増加できる。
当業者である医師又は獣医は、治療方法は患者の皮膚へコドラッグの治療的有効量の投与を必要とすることが理解できる。コドラッグの治療的有効量は患者から患者で変化しても良く、患者の種類、性別、体重、年齢及び体全体の健康により一部決定される。有効量は又、コドラッグの皮膚的透過性に依存し、透過性補強剤が医薬組成物中に含有されるか否か、目的とする効果は全身的又は局所的等であるか否かに依存する。全身的効果を目的とする場合、1回の服用量で皮膚に適用されるコドラッグの量は、患者の体重1キログラム当たり1日約0.001mg〜100.0mgの投与である。局所的効果が求められる場合、コドラッグ量は体の全表面積に相当するように処置される部位の表面積にあわせて調節するべきである。局所的投与の服用量は、例えば処置面積1cm2当り約0.001μg〜100μgである。
本発明の治療方法は多くの様々な身体的(慢性軽症)疾患の治療に使用できる。ここで「処置」、「処理」及び「治療」には、1以上の症状の緩和、進行性病状の進行速度の低減、病状の緩解の誘導及び療養が含まれる。本発明では、軽減される症状には、痛み、炎症、かゆみ、しびれ、吐き気、嘔吐、めまい、うつ状態、不安障害及び精神病又は2以上のこれらの症状の組み合わせが挙げられる。本発明で治療される病状は、例えば、乾癬等の増殖性病気又は黒色腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫若しくは癌腫等の過形成的病気である。例えば、本発明の方法は、痛み等の症状の軽減;及び/又は病気細胞の細胞分割を緩慢に又は停止させることにより病気の進行を遅延又は停止させ;及び/又は選択的に病気細胞を死滅し若しくは病気細胞増殖を充分に遅延させることにより病気の緩解を誘起させ、患者の免疫システムを病気と闘わせる。
本発明の治療方法は、痛み、炎症及びかゆみ等のそれら自身又はその基本的病状に付随する種々の症状及び病状の処置にも使用できる。本発明の方法により処置できる他の病状として、乾癬等の増殖性病気、黒色腫、リンパ腫、肉腫及び癌腫等の過形成的病気、精神***病、両極性障害、不安障害、うつ状態、多幸症、精神病、恐怖症、摂食障害及び物質中毒等の精神病障害、過敏性腸症候群、吐き気、嘔吐、クローン病等の胃腸障害が挙げられる。又本発明の方法により処置できる(慢性軽症)疾患は、(動物性)ダニ病等の非ヒトに特異的な障害も含む。
V.配合物及び医薬品の例示
本発明の配合処方は、局所的(ほほ(バッカル錠)及び舌下(錠)を含む)投与に好適である。配合物はユニット投薬量形状で好適に提供でき、薬剤学分野で公知の方法により製造できる。単一の投薬量形状を形成するためにキャリア材料と組み合わせることのできる活性成分量は、治療されるホスト(患者)、投与の特別な態様に応じて変化できる。単一の投薬量形状を製造するためにキャリア材料と組み合わせることのできる活性成分は、一般的に治療用効果を生じるコドラッグ量である。一般的に、この量は活性成分の100%以外に、好ましくは約1%〜約99%、更に好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%である。
これらの配合物又は組成物の製造方法は、本発明のコドラッグ並びにキャリア、及び任意で1以上の補助成分をキャリアと結合させるステップを含む。一般的に、配合物は、本発明のコドラッグを液体キャリア、微細粉末固体キャリア又はその両方と均一かつ密接に接触させ、次に必要であれば生成物を成形して製造される。
懸濁液は、コドラッグの他に、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント及びそれらの混合物等の懸濁化剤を含有してもよい。
本発明の医薬組成物は、コルチステロイド抗炎症剤又はその塩の残基に直接的又は間接的に結合している抗増殖剤又はその塩の残基を治療用投与用に好適な量で、任意で1以上の医薬的に許容できるアジュバント、賦形剤、希釈剤、キャリア又は分散剤の混合物として含むコドラッグを含有してもよい。アジュバント、賦形剤、希釈剤、キャリア又は分散剤は、治療される症状、コドラッグの構造、目的とする投与態様等に応じて変化しても良い。アジュバントとして、水溶液中に分散された上記ポリマー及びオイル、並びにリポゾームが挙げられる。
本発明のコドラッグは、遊離体として製造されてもよく、鉱酸、カルボン酸、水酸化アンモニウム又はアミン塩等の塩として製造されてもよい。本発明のコドラッグは、非結晶状態又は結晶体として製造してもよく、無水物又は水和物としてもよい。本発明のコドラッグは、エステル等のプロドラッグであってもよい。それぞれの場合、最も重要なのは、本発明のコドラッグが生理学的条件以外の一定の条件下で安定であり、生理学的条件下で分解して、上記記載の同一又は異なる第一及び第二構成成分を形成できることである。
本発明のコドラッグは又、例えば角質層等の厳しい環境を通過する間に変化しないように生物学的活性成分を保護するために、プロドラッグの形で製造できる。プロドラッグは、生物学的活性成分及び改質剤の間に共有結合を形成することにより製造することができる。例えば、Balantら.、Eur.J.Drug Metab.Pharmacokinetics、1990、15(2)、143−153参照。上記結合は、通常pH変化又は特定の酵素への接触等の特定の環境下で分解されるように設計される。生物学的活性成分の改質剤への共有結合は、変化したlogP値及び/又は新しい立体配置等の新しい性質を有する新しい分子を基本的に生成する。新しい分子は、異なる溶解性性質を有し、酵素的消化の影響を受けにくい。プロドラッグ設計及び製造に関する一般的な資料として、Bundraard、「プロドラッグの設計」Elsevier Science Pub.Co.、N.Y.(1985)及び「新規なドラッグデリバリーシステムとしてのプロドラッグ」Symposium、168th Annual Meeting、American Chemical Society、Atlantic City、N.J.、Eds.T.Higuchi及びV.Stella、ACS Symposium Series 14、1975を参照(これらを資料として使用する。)。
アミン含有成分のプロドラッグは当分野で公知であり、例えば成分のアミン部分をカルボン酸、酸クロリド、クロロホルメート又はスルホニルクロリド改質剤等と反応させて、アミド、スルホンアミド、カルボキシアミド、カルバメート及び類似化合物を形成することにより製造できる。例えば、Abuchowskiら、J.Biol.Chem.1977、252、3578−358;Senterら、J.Org.Chem.、1990、55、2975−2978;Amsberryら、J.Org.Chem.、1990、55、5867−5877;Klotz、Clin.Pharmacokinetics、1985、10、285−302(これらを資料として使用する。)を参照。同様の他の実施計画も本発明のコドラッグのプロドラッグの形成に使用できる。
本発明の組成物に使用できるポリマーは、本発明のコドラッグに対して透過性であるか、コドラッグ及びコドラッグが開裂した後のその開裂生成物に対して透過性である生物学的耐性ポリマーでもよく、本発明のコドラッグを徐放様式で放出する生物分解性(生体内崩壊性)でもよい。本発明で好ましくは、ポリマーは、ポリマーからの本発明のコドラッグの放出速度における主要な速度決定因子とはならない透過性を有する。本発明でのポリマーは、放出速度又は安定性に対する影響を有しても良い。又、本発明でのポリマーは、非生物分解性でもよい。本発明で使用できる非生物分解性ポリマーとして、ポリビニルアルコール及びポリウレタンが挙げられる。又、本発明でのポリマーは生物分解性でもよい。本発明で使用できる生物分解性ポリマーとして、無水物ポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルソエステル、ポリアルキルシアノアクリレート又はそれらの誘導体及びコポリマーが挙げられる。当業者は、ポリマーの生物分解性又は非生物分解性の選択は、下記に更に詳細に記載されるように系の最終的な物理的形状に依存することが理解できる。本発明の他のポリマーとして、ポリシリコーン樹脂及びヒアルロン酸由来のポリマーが挙げられる。当業者は、本発明のポリマーは、ポリマーからの低溶解性薬剤の放出での主要な速度決定因子とならないような透過性を付与するための適切な条件下で製造できることが理解できる。
更に、適切なポリマーとして、体液及び哺乳動物性組織に対して生物学的に親和性があり、ポリマーが接触する体液に基本的に不溶である自然分泌性物質(コラーゲン、ヒアルロン酸)又は合成材料が挙げられる。更に、適切なポリマーは、ポリマー中に分散/懸濁された低溶解性薬剤及び体液中の蛋白質性成分間の相互作用を基本的に防止しても良い。
他の適切なポリマーとして、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンビニルアセテート(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリカルボン酸、ポリアルキルアクリレート、セルロースエーテル、ポリアルキル−アルキルアクリレートコポリマー、ポリエステル−ポリウレタンブロックコポリマー、ポリエーテル−ポリウレタンブロックコポリマー、ポリジオキサノン、ポリ−(β−ヒドロキシブチレート)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸及びPEO−PLAコポリマーが挙げられる。
更に適切なポリマーは、米国特許第6051576号(Ashtonら)2000年4月18日発行(これらを特に資料として使用する。)に記載されている。
一般的な本発明の組成物は、広い範囲の物理的形状を有する。本発明を制限するものではないがその形状として、溶液、ローション、クリーム、オイル、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、香膏、シャンプー及びペーストが挙げられる。一般的に、これらのキャリアシステムは、溶液、エマルジョン、ゲル、固体及びエーロゾルでもよい。組成物は、外用的に皮膚へ適用されても良く、顕微針、貼付剤、包帯又はガーゼパッド等の当分野で公知の経皮的放出装置の形状で適用されても良い。
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、本発明のコドラッグ組成物の他に、動物性及び植物性油、オイル、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン樹脂、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛又はそれらの混合物等の賦形剤を含有してもよい。
粉末及びスプレーは、本発明のコドラッグ組成物の他に、乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末又はこれら物質の混合物等の賦形剤を含有してもよい。スプレーは、更に通常のクロロフルオロ炭化水素等の噴射剤並びにブタン及びプロパン等の揮発性非置換炭化水素を含有してもよい。
一般的に、溶媒は適切な本発明の局所的組成物の医薬品に使用される。これら溶媒は、水性又は有機ベースでもよいが、医薬的に許容できる疎水性溶媒が好ましい。溶媒は、治療される動物を刺激せずに、その中に上記活性成分を分散され又は溶解されることができる必要がある。水が全ての水性溶媒のベースとなる一方、適切な有機溶媒としてプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサントリオール、エタノール、イソプロパノール、ブタンジオール及びそれらの混合物が挙げられる。溶媒は、組成物全体量の例えば0.1%〜99%、好ましくは2.0%〜75%で含有されることができる。本発明の組成物は、皮膚軟化剤−含有組成物の形でも製造できる。広い範囲の適切な皮膚軟化剤が公知であり、ここで使用できる。この点に関して米国特許番号第5296500号が資料として利用できる(これらを資料として使用する。)。
本発明の組成物は、本発明のコドラッグ中に飽和又は過飽和状態で存在してもよい。その場合、コドラッグは部分的にキャリア又は媒体に可溶しているが、部分的にキャリア又は媒体中に分散されている。本発明の組成物は、連続的な溶媒−溶質相及び分散された固体相の二相(但し、溶質及び分散された固体の両方はコドラッグからなる)を含有してもよい。下記理論により本発明を限定するものではないが、このような系中の溶媒は、コドラッグが容易に表皮へ浸透して、コドラッグを皮膚へ又は皮膚を通して供給するように、皮膚へのコドラッグの投与を助けると考えられる。更に、分散された固体相は徐々に溶媒中に溶質として取り込まれ、皮膚的境界を越えて通過すると考えられる。その場合、皮膚上の残留時間はコドラッグのために長期化され、構成成分の持続的放出が達成される。
本発明の組成物は、溶媒又はキャリア中に完全に溶解され、単一の、連続的な、溶液相を形成しているコドラッグを含有するものでもよい。
本発明の組成物は、上記コドラッグを約0.01%〜10%含有するローションとして配合されてもよい。本発明の組成物は、溶液キャリアシステム中にクリームとして配合されてもよい。本発明の組成物クリームは、上記活性成分を好ましくは約0.1%〜15%、更に好ましくは1%〜5%含有してもよい。ローション及びクリームは、エマルジョン及び溶液として配合されることができる。
本発明では特に、上記コドラッグは、水中油滴型又は油中水滴型のローション又はクリームエマルジョンとして調製されてもよい。油中水滴型多相エマルジョンの適切な成分は、米国特許番号第4254105号に記載されている(これを資料として使用する。)。組成物は、又当分野で市販されている様々な種類のスプレーのように、液体中に懸濁されたリポゾーム形状の液状で投与されてもよい。
本発明の上記コドラッグは軟膏として配合されてもよい。適切な軟膏は、動物性若しくは植物性油又は半固体の炭化水素(油性)の単一ベースを含んでも良い。又適切な軟膏として、水を吸収してエマルジョンを形成する吸収性基礎膏も挙げられる。軟膏キャリアは又水溶性でもよい。軟膏は約0.1%〜99%の増粘剤に加え、1%〜99%の皮膚軟化剤を含有してもよい。上記コドラッグと組み合わせて使用できる種々の軟膏、クリーム及びローション配合物は、米国特許番号第5296500号及びそれに挙げられた引用文献に更に完全に開示されているので参照のこと。
組成物中のコドラッグの割合は、例えば約0.01wt%〜約100wt%、好ましくは約0.1wt%〜約99.9wt%、更に好ましくは約1.0wt%〜約99.0wt%で変化できる。
本発明の組成物は、皮膚部位に直接的に適用しても良い。本発明の組成物は、顕微針、貼付剤、包帯又はガーゼパッド等の経皮的投与装置を経由して皮膚へ適用してもよい。
本発明の組成物は、経皮的投与貼付剤を経由して皮膚へ適用してもよい。適切な経皮的投与貼付剤は、不透過性バッキング層、透過性皮膚密着層を有し、上記二層は、二層間には本発明の組成物を収容するための貯留層が形成されるように配置されている。本発明の貯留層は、キャリア又は媒体を含有してもよい。
経皮的貼付剤は、本発明のコドラッグの体への放出制御が可能になる長所を更に有する。このような投薬形状は、組成物を適切な溶媒中へ溶解又は分散することにより形成できる。又吸収増強剤を、皮膚を通る組成物の流動を増加させるために使用できる。この流動速度は、速度制御膜を使用するかコドラッグをポリマーマトリックス又はゲル中に分散させることにより調節できる。
本発明で使用できる適切な貼付剤装置は、目的とするコドラッグの全身的投与を可能とする長期間の間、無傷(健康)な皮膚表面へ接着させることの出来る包帯でもよい。これらの経皮的貼付剤装置は皮膚をふさぎ、生物学的活性成分を皮膚及び外側の不透過性バッキング層との間に揮発性成分及び媒体賦形剤と共にせき止める。バッキング層は、媒体、賦形剤、揮発性成分及び生物学的活性成分の標的皮膚部位以外の環境への蒸発又は拡散を防止する。
「キャリア」又は「媒体(vehicle)」は、好ましくは経皮的薬投与に適切なキャリア材料をいい、当分野で公知の、非毒性であり、他の組成物成分と相互作用して有毒とならない、液体、ゲル溶媒、液体希釈剤、可溶化剤等の材料を含む。本発明で使用できる適切なキャリアとして、水、シリコーン樹脂、液体糖類、ワックス、オイル、ワセリン及び種々の他の材料が挙げられる。「キャリア」又は「媒体」は又、結晶化阻害剤又は経皮的ドラッグデリバリーを促進するのに使用できる他の種類の添加物でもよい。
本発明のキャリア又は媒体として、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1,2−ブタンジオール、グリセロール及びアミルアルコール等のC2〜C10アルコール;n−ヘキサン、シクロヘキサン及びエチルベンゼン等のC5〜C10炭化水素;ヘプチルアルデヒド、シクロヘキサノン及びベンジルアルデヒド等のC4〜C10アルデヒド及びケトン;アミルアセテート及びベンジルプロピオネート等のC4〜C10エステル;ユーカリ油、ヘンルーダ油、クミンオイル、リモネン、チモール及び1−ピネン等のエーテル油;1−クロロヘキサン、1−ブロモヘキサン及びクロロシクロヘキサン等の2〜8炭素原子を有するハロゲン化炭化水素;等の1以上の溶媒が挙げられる。適切な溶媒は、米国特許番号第3598122号(これらを特に資料として使用する。)に記載されている。
オイルとして、オリーブ油及び水素化オイル等の脂肪及びオイル;蜜蝋及びラノリン等のワックス;液体パラフィン、セレシン及びスクアラン等の炭化水素;ステアリン酸及びオレイン酸等の脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール及びヘキサデカノール等のアルコール;並びにミリスチン酸イソプロピルエステル、パルミチン酸イソプロピルエステル及びステアリン酸ブチルエステル等のエステルが挙げられる。界面活性剤の例として、ナトリウムステアリン酸、ナトリウムセチルスルフェート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩、ナトリウムN−アシルグルタメート等のアニオン性界面活性剤;ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びステアリルトリメチルアンモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤;アルキルアミノエチルグリシン塩酸溶液及びレシチン等の両性界面活性剤;及びグリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンココナッツ脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレングリコール(例えば、商品名「Pluronic」として市販されている材料)、ポリオキシエチレンカストールオイル及びポリオキシエチレンラノリン等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。湿潤剤の例として、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられ;低級アルコールの例としてエタノール及びイソプロパノールが挙げられ;増粘剤の例として、キサンタンガム、ヒドロキシプロピレンセルロース、ヒドロキシプロピレンメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びナトリウムカルボキシメチルセルロースが挙げられ;抗酸化剤の例として、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、クエン酸及びエトキシキンが挙げられ;キレート化剤の例として、エデト酸二ナトリウム塩及びエタンヒドロキシ二リン酸塩が挙げられ;緩衝剤の例として、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂及びリン酸水素二ナトリウム塩が挙げられ;防腐剤の例として、メチルパラヒドロキシ安息香酸、エチルパラヒドロキシ安息香酸、デヒドロ酢酸、サリチル酸及び安息香酸が挙げられる。貯留層は、空間でも良く、本発明の組成物を物理的に安定化できる適切な材料の1以上の層を含むものでも良い。貯留層に適切な材料として、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、可塑化エチレンビニルアセテートコポリマー、低分子量ポリエーテルアミドブロックポリマー(例えば、PEBAX)、粘着性ゴムが挙げられ、例えばポリイソブテン、ポリスチレン−イソプレンコポリマー、ポリスチレン−ブタジエンコポリマー及びそれらの混合物等である。貯留層層は、ポリイソブチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタン及びポリアクリレート等の粘着剤材料を含有してもよく、好ましくはポリイソブチレンである。
本発明の組成物は、経皮的投与顕微針装置を介して適用されてもよい。装置の顕微針は、金属、セラミックス、半導体、有機物、ポリマー及び複合体等の種々の材料から構成されても良い。好ましい構成材料として、医薬品グレードのステンレススチール、金、チタン、ニッケル、鉄、スズ、クロム、銅、これら又は他の金属の合金、ケイ素、二酸化ケイ素及びポリマーが挙げられる。代表的な生物分解性ポリマーとして、乳酸及びグリコール酸ポリラクチド等のヒドロキシ酸ポリマー、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリド及びPEGとのコポリマー、無水物ポリマー、ポリ(オルソ)エステル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)及びポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)等が挙げられる。代表的な非生物分解性ポリマーとしてポリカーボネート、ポリメタクリル酸、エチレンビニルアセテート、ポリテトラフルオロエチレン及びポリエステルが挙げられる。
一般的に、顕微針は、皮膚中に挿入されて長期間そこに留まった後除去される間、生物学的活性成分の投与のために変化せずに留まり、生物学的流体及び/又は組織の採取用導管として働くための機械的強度を有する。本発明の顕微針は、生物分解性ポリマーで形成されても良い。しかし生物分解性材料を使用する場合は、機械的強度の要求はより緩やかである。
顕微針は、シールコーティング又は外側部を備えても備えなくてもよく、中空又はそうでない、多孔質固体で形成されても良い。ここで使用される「多孔質」とは、孔又は空間を少なくとも顕微針構造部分に有し、その孔又は空間は流体及び/又は固体材料が顕微針を通過することを可能とする程度に充分に大きく、充分に相互に連結されていることをいう。ここで使用される「中空」とは、顕微針構造の内部を通る1以上の実質的に環状の孔又は溝を有し、顕微針を通して流体及び/又は固体材料が通過することを可能とする充分な大きさの直径を有することを意味する。環状の孔は、先端から根元の方向に向かって針全体に又は一部に伸びていても良く、針の方向に平行に伸びても、適宜針の側部に分岐するか、出口を有してもよい。固体又は多孔質顕微針は中空でもよい。当業者は、特定の投与に必要な適切な空隙率及び/又は孔形状を選択することができる。例えば、当業者は、顕微針装置を通して輸送される特定材料の通路が確保されるように孔径又は孔直径を調節できる。
顕微針は、まっすぐ又は先細りの軸を有してもよい。実質的に均一な直径を有し、針が先端に向かって先細りとなっていない中空顕微針を、ここでは「マイクロチュープ」という。ここで使用される用語「顕微針」は、本発明を制限するものではないが、特記しない限りマイクロチュープ及び先細り針の両方をいう。顕微針の直径は、好ましくは顕微針の根元で最大であり根元の反対側の末端に向かって先細りである。又顕微針はまっすぐな(先細りにならない)部及び先細り部の両方を有する1本の軸を有するようにも製造できる。
顕微針は、垂直な横断面が円形であるか横断面が非円形である軸を有するように製造できる。例えば、顕微針断面は多角形(例えば、星形、四角、三角)、長方(楕円)形又は他の形でも良い。軸は1以上の孔を有しても良い。断面寸法は、通常約10nm〜1mm、好ましくは1ミクロン〜200ミクロン、更に好ましくは10〜100μmである。外径は通常約10μm〜約100μmであり、内径は通常約3μm〜約80μmである。
顕微針の長さは、通常約1μm〜1mm、好ましくは10ミクロン〜500ミクロン、更に好ましくは30μm〜200μmである。長さは、挿入される部位又は挿入されない部位の両方を考慮して特定の投与用に選ぶことが出来る。顕微針アレイは、様々な、長さ、外径、内径、断面形状及び顕微針間の距離、を有する顕微針の混合物を含むことが出来る。
本発明のコドラッグは、任意で1以上の長鎖脂肪酸アミド等と可塑化されたポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、非可塑化軟性ナイロン、シリコーン樹脂ゴム、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の疎水性ポリマー中に封入されてもよく;又は1以上の、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(ポリマー)、改質コラーゲン、架橋親水性ポリエーテルゲル、架橋ポリビニルアセテート及び架橋、部分的加水分解されたポリビニルアセテート等の親水性ポリマー中に封入されてもよい。適切な封入剤は、米国特許番号第3731683号(これらを特に資料として使用する。)に記載されている。
本発明のキャリアは、最低限の皮膚刺激で皮膚を通しての生物学的活性成分浸透性の最適強化を生じるような制御された皮膚の閉塞を達成するために上記記載の材料で構成されてもよい。例えば、貯留マトリックスは、連続相中に分散されたコドラッグを含有する微粒子相を保持する補助をするために分散剤を含有してもよい。例えば、ラウリルアルコール、プロピレングリコールモノラウレート、ミリスチルラクテート、ラウリルラクテート等の非イオン性賦形剤は拡散を促進する。
生物学的活性成分の皮膚的表面を通した放出速度は、経皮的投与増強剤により増加できる。適切な経皮的投与増強剤として、ジメチルスルホキシド及びジメチルアセトアミド等のプロトン受容体溶媒が挙げられる。他の適切な経皮的投与増強剤として、2−ピロリジン、N,N−ジエチル−m−トルアミド(商標Deet)、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(商標Azone)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジン、テルペン、界面活性剤及びカルシウムチオグリコレートが挙げられる。しかし、投与部位での刺激の問題が克服されていないため、これらの皮膚的増強剤には課題が残されている。
適切な皮膚的浸透性増強剤として、パラ−アミノ安息香酸の1〜5炭素原子脂肪酸エステル、パルミチン酸イソプロピレンエステル、ミリスチン酸イソプロピレンエステル、エタノール、イソブチルアルコール、イソブチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセロール、2−ピロリドン、ウレア、プロピレングリコール、オレイン酸、パルミチン酸、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1,5−ジメチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン−5−カルボン酸、N,N−ジメチル−m−トルアミド、酢酸エチル、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(商標Azone)、オレイン酸、イミダゾリン、ブチルウレア及びピロリドンカルボン酸エステルが挙げられる。
本発明の貯留部は又、ハイドロゲルでもよい。本発明の貼付剤で使用できる適切なハイドロゲルとして、メチルセルロース等の可溶性セルロースエーテル及びセルロース誘導体等の当分野で公知のものが挙げられる。他の適切なハイドロゲル材料として、N−ビニルラクタム又はN−ビニルラクタムのコポリマーのブレンド、N−ビニル−2−ピロリドン及びエチレンオキシドのポリマー等の照射架橋可能な水溶性ポリマーの水性混合物、及びプロピレングリコール等の経皮的ドラッグデリバリーシステムで使用できる湿潤剤が挙げられる。
適切なハイドロゲルは、プロピレンパラベン及びメチルパラベン等の防腐剤を含有してもよい。
透過性皮膚密着層の適切な材料として、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、メタクリルコポリマー、ポリスルホネート、ハロゲン化ポリマー、ポリクロロエーテル、アセタールポリマー、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアセテート、芳香族系及び脂肪族系ポリエーテル、セルロースエステル、セルローストリアセテート、セルロース、ニトロセルロース、エポキシ樹脂及びポリエチレン及びポリプロピレン等のオレフィン等のミクロ多孔質速度制御材料が挙げられる。
本発明のコドラッグの局所的又は経皮的投与のための投薬形態として、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、貼付剤及び吸入剤が挙げられる。コドラッグは、無菌状態で医薬的に許容できるキャリア及び必要とされる防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合されることが出来る。
眼用軟膏、粉末、溶液等の眼科用配合物も又、本発明の範囲内である。
上記のとおり、本発明のコドラッグは、アミノ又はアルキルアミノ等の塩基性官能基を含有してもよく、従って医薬的に許容できる酸と共に医薬的に許容できる塩を形成できる。ここで「医薬的に許容できる塩」とは、比較的非毒性の、本発明のコドラッグの無機及び有機酸付加塩である。これらの塩は、in situで本発明のコドラッグの最終的分離又は精製することで、又は独立して(in situではなく)本発明の精製コドラッグをその遊離塩基形態で適切な有機又は無機酸と反応させ、次に生成塩を分離することで製造できる。代表的な塩として、臭化水素酸、塩酸、硫酸塩、亜硫酸塩、ギ酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、バレレート、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、ホスホン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メタンスルホン酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩及びラウリルスルホン酸塩等が挙げられる(例えば、Bergeら(1977)「医薬塩」、J.Pharm.Sci.66:1−19参照)。
本発明のコドラッグの医薬的に許容できる塩として、例えば非毒性の有機又は無機酸からのコドラッグの従来の非毒性の塩又は4級アンモニウム塩が挙げられる。従来の非毒性の塩として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸から得られる塩;及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サルチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸等の有機酸から得られる塩が挙げられる。
又、本発明のコドラッグは、1以上の酸性官能基を含有してもよく、従って、医薬的に許容できる塩基と共に医薬的に許容できる塩を形成できる。ここで「医薬的に許容できる塩」とは、比較的非毒性の本発明のコドラッグの無機及び有機塩基付加塩である。これらの塩は、同様にin situで本発明のコドラッグの最終的に分離及び精製するか、独立して本発明の精製コドラッグをその遊離酸形態で、医薬的に許容できる金属カチオンの水酸化物、カーボネート、バイカーボネート等の適切な塩基;アンモニア;又は医薬的に許容できる有機第1級、第2級又は第3級アミンと独立して反応させることで製造できる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類塩としてリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩等が挙げられる。塩基付加塩の形成に使用される代表的な有機アミンとして、エチアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等が挙げられる(例えば、Bergeら、supra参照)。
ナトリウムラウリルスルフェート及びマグネシウムステアレート等の、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤及び潤滑剤、並びに着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、調味剤、香料、防腐剤及び抗酸化剤も又本発明の組成物中に存在できる。
医薬的に許容できる抗酸化剤として:(1)アスコルビン酸、システイン塩酸、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性抗酸化剤;(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール等の油溶性抗酸化剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート化剤が挙げられる。
局所的投与用に適切な組成物として、通常局所的投与治療用に使用される全ての組成物、例えば、クリーム、ゼリー、包帯その他の手当用品、シャンプー、チンキ剤、ペースト、軟膏、膏薬、粉末、液体又は半流動体配合物等が挙げられる。上記組成物の投与は、窒素、二酸化炭素ガス、商標「フレオン」等の噴射剤と共に又はポンプスプレーとして噴射剤なしに、エーロゾルにより投与でき、点滴剤、ローション又は綿棒により適用できる濃縮化組成物等の半固体によっても投与できる。特に膏薬、クリーム、ペースト、ゼリー、軟膏等の半固体組成物は好適に使用できる。
本発明の組成物を、投与容易性及び均一投薬性のために投薬単位形態で配合することが特に好ましい。ここで使用される「投薬単位形態」は、物理的に分離した単位であり、それぞれの単位は、目的とする治療用効果を生じるように計算された活性成分の予定量を必要な医薬キャリアと共に含む、単位的な投薬に適切なものをいう。これら投薬単位形態の例として粉末小包、貼付剤、懸濁液等及びそれらの複合物分離体が挙げられる。
軟膏、クリーム、化粧水、乳液等の製造には、コドラッグ等の活性成分の通常0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%、更に好ましくは0.2〜2.5%が組成物中に配合される。軟膏又はクリーム中に、キャリアは、例えば1〜20%、好ましくは5〜15%の湿潤剤;例えば0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%の増粘剤及び水から構成されるものでもよい。上記キャリアは、例えば70〜99%、好ましくは20〜95%の界面活性剤;例えば0〜20%、好ましくは2.5〜15%の脂肪から構成されるものでもよく;例えば80〜99.9%、好ましくは90〜99%の増粘剤から構成されるものでもよく;例えば5〜15%の界面活性剤、例えば2〜15%の湿潤剤、例えば0〜80%のオイル、非常に少量の(<2%)防腐剤、着色剤及び/又は香料及び水から構成されるものでもよい。化粧水中に、キャリアは、例えば2〜10%の低級アルコール、例えば0.1〜10%、好ましくは0.5〜1%の界面活性剤、例えば1〜20%、好ましくは3〜7%の湿潤剤、例えば0〜5%の緩衝剤、水及び少量の(<2%)防腐剤、染料及び/又は香料から構成されるものでもよい。乳液中に、キャリアは、通常10〜50%のオイル、1〜10%の界面活性剤、50〜80%の水並びに0〜3%の防腐剤及び/又は香料から構成されるものでもよい。上記医薬品で、%は全て重量%を表す。
本発明の方法で使用できる特別な組成物は、コドラッグがリポゾーム含有組成物中に配合されたものである。リポゾームは、ホスファチジルコリン、エタノールアミン及びセリン、スフィンゴミエリン、カルジオリピン、プラズマロゲン、ホスファチド酸及びセレブロシド等の極性脂質等の両親媒性分子により形成される人工的媒体である。リポゾームは、適切な両親媒性分子を水又は水溶液中で膨潤させて形成し、それにより通常互いに水性材料により分離されている多くの二層から構成される多層構造の液体結晶(粗雑なリポゾームともいう)が形成される。単一の二層封入水性材料から構成される他の種類のリポゾームは、単一層状(unilamellar)媒体をもいう。脂質の膨潤中に水溶性材料が水性相中に含まれる場合、それらは脂質二層の間の水性層中に捕捉される。
封入された本発明のコドラッグを含有する単一の二層を有するリポゾームは、直接的に使用されても良く、局所的投与用の適切な医薬的に許容できるキャリア中で使用されても良い。リポゾームの粘度は、キサンタンガム、ヒドロキシプロピレンセルロース、ヒドロキシプロピレンメチルセルロース及びそれらの混合物等の1以上の適切な増粘剤の添加により増加できる。水性成分は、水のみから構成されても良く、電解質、緩衝系、及び防腐剤等の他の成分を含有してもよい。使用できる適切な電解質として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩等の金属塩が挙げられる。好ましい金属塩は塩化カルシウム、塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。電解質濃度は、通常0〜260mM、好ましくは5mM〜160Mmの範囲で変化しても良い。水性成分は、有機成分の注入時に大きな乱流効果により均一化ができる適切な容器中に置かれる。2つの成分の均一化は容器中で行なわれても良く、その代わりに水性及び有機成分が容器外部に設置された混合手段中に別々に注入されてもよい。後者の場合、リポゾームは混合手段中で形成され、次に回収のため他の容器に移動される。
有機成分は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール等の、適切な非毒性の医薬的に許容できる溶媒及び溶媒中に可溶である適切なリン脂質から構成される。使用できる適切なリン脂質として、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノール−アミン、ホスファチジルイノシトール、ライサホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロールが挙げられる。リポゾームの性質を選択的に改質するために、他の親油性添加剤も使用できる。これら添加剤の例として、ステアリルアミン、ホスファチド酸、トコフェロール、コレステロール及びラノリン抽出物が挙げられる。
更に、リン脂質の酸化を防止できる他の成分も有機成分へ添加できる。それら他の成分の例として、トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸パルミテート及びアスコルビン酸オレエートが挙げられる。安息香酸、メチルパラベン及びプロピレンパラベン等の防腐剤も又添加できる。
上記組成物以外にも、絆創膏、包帯、その他の手当用品、ガーゼパッド等の、適切な量のコドラッグを含有するカバーが使用できる。時には治療用配合物を含有する局所的配合物で含浸された絆創膏、包帯、その他の手当用品、ガーゼパッド等も使用できる。
均等物
当業者は、通常の実施技術を使用するのみで、本発明の特定の生物学的活性成分、方法、希釈剤、ポリマー及び塩の種々の均等物を認識し、確認できる。これらの均等物は本発明の範囲内である。

Claims (41)

  1. 少なくとも1の生物学的活性成分の局所的投与用のコドラッグ、又はその医薬的に許容できる塩若しくはプロドラッグ、を含有する医薬組成物であり、
    上記コドラッグは:
    a)少なくとも2の構成成分を含有し、それぞれの成分は生物学的活性化合物又はそのプロドラッグの残基(residue)であり、第一構成成分及び第二構成成分を含み;
    b)少なくとも2の構成成分が共有結合して上記コドラッグを形成する結合を含有し、上記結合は、コドラッグが表皮層中に又は横切って輸送された後に生理学的条件下で開裂して、上記構成成分を再生し;
    上記組成物のpHは約7未満であり、上記コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す医薬組成物。
  2. 少なくとも1の生物学的活性成分の局所的投与用のコドラッグ、又はその医薬的に許容できる塩若しくはプロドラッグ、を含有する医薬組成物であり、上記コドラッグは:
    a)第一構成成分及び第二構成成分を含む少なくとも2の構成成分を含有し、それぞれの成分は生物学的活性化合物又はそのプロドラッグの残基であり;
    b)少なくとも2の構成成分が共有結合して上記コドラッグを形成する結合を含有し、上記結合は、コドラッグが表皮層中に又は横切って輸送された後に生理学的条件下で開裂して、上記構成成分を再生し;
    上記コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、上記コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す医薬組成物。
  3. 第一構成成分は、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれる請求項1又は2の医薬組成物。
  4. 第二構成成分は、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれる請求項3の医薬組成物。
  5. 上記コドラッグは下記構造式を有し:
    1−L−(R2n
    (但し、第一構成成分はR1であり;
    第二構成成分はR2であり;
    1及びR2はそれぞれ独立して、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれた化合物の残基を表し;
    nは1〜4の整数であり;
    Lは直接結合又は結合基である);
    上記コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、上記コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す請求項1又は2の医薬組成物。
  6. 上記コドラッグは下記構造式を有し:
    1−(L−R2n
    (但し、第一構成成分はR1であり;
    第二構成成分はR2であり;
    1及びR2はそれぞれ独立して、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれた化合物の残基を表し;
    nは1〜4の整数であり;
    Lは直接結合又は結合基である);
    コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す請求項1又は2の医薬組成物。
  7. 上記コドラッグは下記構造式を有し:
    (R1−L)m2(L2−R3n
    (但し、第一構成成分はR1であり;
    第二構成成分はR2であり;
    1、R2及びR3はそれぞれ独立して、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症性ステロイド剤(コルチステロイド)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗増殖剤、抗緑内障剤、免疫調節剤、細胞輸送/移動阻害剤、サイトカイン及びペプチド/蛋白質、皮膚処理剤、遮光剤、皮膚保護剤、代謝拮抗物質、抗乾癬剤、角質溶解薬、抗不安薬、並びに抗精神病薬の群から選ばれた化合物の残基を表し;
    mは1〜4の整数であり;
    nは1〜4の整数であり;
    L及びL2はそれぞれ独立して直接結合又は結合基である);
    コドラッグは約1〜約8のlogP値を有し、コドラッグは少なくとも1の構成成分に関して改良された表皮摂取性を示す請求項1又は2の医薬組成物。
  8. 2はジクロフェナク、エトドラック、ケトロラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ナブメトン、ピロキシカム、アセトアミノフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、アスピリン、コリンマグネシウムトリサルチレート、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、又はそれらの塩の残基である請求項5〜7いずれか1項記載の医薬組成物。
  9. 1はアリトレチノイン(9−シス−レチノイン酸);アミホスチン;bexarotene(4−[1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,8,8−ペンタメチル−2−ナフタレニル)エテニル]安息香酸);ブレオマイシン;カペシタビン(5’−デオキシ−5−フルオロ−シチジン);クロラムブシル;ブレオマイシン;BCNU;クラドリビン;シタラビン;ダウノルビシン;ドセタキセル;ドキソルビシン;エピルビシン;エストラムスチン;エトポシド;エキセメスタン(6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン);フルダラビン;5−フルオロウラシル;ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;イダルビシン;イリノテカン;メルファラン;メトトレキサート;ミトキサントロン;パクリタキセル;ペントスタチン;ストレプトゾシン;テモゾールアミド;テニポシド;トムデックス;トポテカン;バルルビシン(N−トリフルオロアセチルアドリアマイシン−14−バレレート);又はビノレルビンの残基である請求項5〜7いずれか1項記載の医薬組成物。
  10. 2は下式で表される化合物の残基であり:
    Figure 2005518354
    但し、R1は=O、−OH、又は−(CH21〜4であり;
    R2はH、C1〜4アルキル、Cl又はBrであり;
    R4はH、F、又はClであり;
    R5はH、F、Cl、CH3、又は−CHOであり;
    R6はH、OH、又はClであり;
    R7はH、OH、CH3、O−COCH3、O(CO)OCH2CH3、O−(CO)−2−フラニル、又はO−C(O)−(CH22CH3であり;
    R8はH、CH3、OH、=CH2、又はR7及びR8は共に、隣接した炭素原子と結合して下記化合物を形成し:
    Figure 2005518354
    R9はCH3、CH2OH、CH2O(CO)CH3、CH2−O−C1〜4アルキル、CH2Cl、−OCH2Cl、−CH2−N−(N’−メチル)ピペラジニル、−CH2−O−(CO)−CH2−N(Et)2、エチル、CH2SH、CH2O(CO)C1〜4アルキル、CH2(CO)C(2−プロピル)−NH(CO)C65、又は−S−CH2−Fであり;
    Figure 2005518354
    で表される結合は二重結合又は一重結合のいずれかである請求項5〜7いずれか1項記載の医薬組成物。
  11. 2は21−アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニソン、クロベタゾール、クロコルトロン、cloprednol、コルチコステロン、コルチゾン、cortivazol、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、difuprednate、エノクソロン、fluazacort、flucloronide、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカソン、formocortal、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ハイドロコルチゾン、ロテプレドノール・エタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニソン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニソン、プレドニバル、プレドニリデン、rimexolone、tixocortol、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンbenetonide、トリアムシノロンヘキサアセトニド、並びにそれらの塩、の残基である請求項5〜7いずれか1項記載の医薬組成物。
  12. 更にキャリア、賦形剤、溶媒、アジュバント、希釈剤、分散剤及び界面活性剤の群から選ばれた少なくとも一種を含有する請求項1又は2の医薬組成物。
  13. 上記キャリアは生体適合性ポリマーを含有する請求項12の医薬組成物。
  14. 上記ポリマーはPVAを含有する請求項13の医薬組成物。
  15. 上記医薬組成物は約6未満のpHを有する請求項1又は2の医薬組成物。
  16. 少なくとも1の構成成分は、コドラッグのlogP値よりも少なくとも1のlogPユニット少ないlogP値を有する請求項1又は2の医薬組成物。
  17. コドラッグは約1〜約3のlogP値を有する請求項1又は2の医薬組成物。
  18. コドラッグは約3〜約6のlogP値を有する請求項1又は2の医薬組成物。
  19. 上記医薬組成物は局所的な皮膚投与用である請求項1又は2の医薬組成物。
  20. 上記医薬組成物は全身的な経皮投与用である請求項1又は2の医薬組成物。
  21. 第一構成成分は第二構成成分と同じである請求項1又は2の医薬組成物。
  22. 第一構成成分は第二構成成分と異なる請求項1又は2の医薬組成物。
  23. 第一及び第二構成成分は、第一構成成分の官能基と第二構成成分の官能基との間に形成された共有結合を通して直接的に結合されている請求項1又は2の医薬組成物。
  24. 第一及び第二構成成分は、第一及び第二構成成分にその官能基により共有結合している結合基を介して互いに結合している請求項1又は2の医薬組成物。
  25. 第一構成成分はコルチステロイドである請求項3又は4の医薬組成物。
  26. 第二構成成分はコルチステロイド、角質溶解薬、皮膚処理剤、抗増殖剤、又は非ステロイド性抗炎症性剤である請求項3又は4の医薬組成物。
  27. コルチステロイドはトリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセテート、フルオシノロンアセトニド、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、及びハイドロコルチゾンエステルの群から選ばれる請求項25又は26の医薬組成物。
  28. 第一構成成分は抗増殖剤で第二構成成分は非ステロイド性抗炎症性薬であり、第一構成成分はフロクスウリジンではなく、第一構成成分が5−フルオロウラシルである場合には第二構成成分はフルルビプロフェン又はインドメタシンではない請求項1又は2の医薬組成物。
  29. 第一構成成分は抗増殖剤で(第二)構成成分はコルチステロイド剤であり、抗増殖剤が5−フルオロウラシルである場合には、コルチステロイドはフルオシノロンアセトニド、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デソキシメタゾン、又はハイドロコルチゾン−17−ブチレートのいずれでもなく、抗増殖剤は1−β−アラビノフラノシルシトシン誘導体ではない請求項1又は2の医薬組成物。
  30. それを必要としている患者へ治療的有効量の請求項1又は2の医薬組成物、又はその医薬的に許容できる塩を投与することを含む治療方法。
  31. 上記医薬組成物は局所的な皮膚投与用である請求項30の方法。
  32. 上記医薬組成物は全身的な経皮投与用である請求項30の方法。
  33. 第一構成成分は第二構成成分と同じである請求項30の方法。
  34. 第一構成成分は第二構成成分と異なる請求項30の方法。
  35. 第一及び第二構成成分は、第一構成成分の官能基と第二構成成分の官能基との間に形成された共有結合を通して直接的に結合されている請求項30の方法。
  36. 第一及び第二構成成分は、第一及び第二構成成分にその官能基により共有結合している結合基を介して互いに結合している請求項30の方法。
  37. 治療的有効量は、患者に、鎮痛、抗炎症、抗生物質、抗真菌、抗ウィルス、抗増殖、皮膚処理、遮光、皮膚保護、代謝拮抗、抗乾癬、及び/又は角質溶解効果を生じるのに有効な量である請求項30の方法。
  38. 1以上の生物学的活性成分を皮膚に又は皮膚を通して放出する装置(device)であり、請求項1の組成物;及びコドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段;を含む装置。
  39. 上記コドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段は、顕微針、包帯、ガーゼパッド、又は貼付剤である請求項38の装置。
  40. 上記コドラッグを皮膚に又は皮膚を通して放出する手段は貼付剤であり、その貼付剤は不透過性バッキング層、透過性皮膚密着層、及び上記医薬組成物を含有する貯留層を有する請求項39の装置。
  41. 上記貯留層は、溶媒、透過性補強剤、ハイドロゲル、及び非親水性ポリマーの群から選ばれた少なくとも一種を有する請求項40の装置。
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