JP2005517022A - 界面活性光開始剤 - Google Patents

界面活性光開始剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2005517022A
JP2005517022A JP2003566057A JP2003566057A JP2005517022A JP 2005517022 A JP2005517022 A JP 2005517022A JP 2003566057 A JP2003566057 A JP 2003566057A JP 2003566057 A JP2003566057 A JP 2003566057A JP 2005517022 A JP2005517022 A JP 2005517022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
group
formula
unsubstituted
phenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003566057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005517022A5 (ja
Inventor
ボーダン,ジゼル
ユング,トゥニヤ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF Schweiz AG
Original Assignee
Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG filed Critical Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Publication of JP2005517022A publication Critical patent/JP2005517022A/ja
Publication of JP2005517022A5 publication Critical patent/JP2005517022A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/46Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/38Polysiloxanes modified by chemical after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/54Silicon-containing compounds
    • C08K5/541Silicon-containing compounds containing oxygen
    • C08K5/5415Silicon-containing compounds containing oxygen containing at least one Si—O bond
    • C08K5/5419Silicon-containing compounds containing oxygen containing at least one Si—O bond containing at least one Si—C bond

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物は、式(Ic)〔式中、R、R1及びR2は、例えば、少なくとも1個のシロキサン基A−X−で置換されているフェニルであり;Ra及びRは、例えば、フェニレンであり;Aは、式(III)の界面活性基であり;A3は、式(III)(式中、nは2〜1000である)の基であり;X及びX1は、−U−C3〜C12シクロアルキレン、−U−C6〜C12ビシクロアルキレンU−C3〜C12シクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、U−C6〜C12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレンであるか;又は−(CH2a−CH−CH2−OH若しくは−(CH2a−O−(CH2b−CH−CH2−OH;II O−CO−(CH2b−O−CO−(CH2c−若しくは−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−若しくは−(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−から選択される基であり;Uは、例えば、−COO−、−(CH2aCOO−であり;Yは、水素;非置換C1〜C20アルキル又はA−X−で置換されているC1〜C20アルキルであり;Y1は、例えば、C1〜C12アルキレンである〕で示される表面に蓄積する、適切な光開始剤である。

Description

本発明は、界面活性光開始剤、そのような光開始剤を使用する安定した引掻き抵抗性コーティングの調製方法、及び新規界面活性光開始剤を含む組成物に関する。
光開始剤の光化学的に架橋されるシリコーン基材との混和性(相溶性)を向上させるため、例えば、WO97/49768、US5,776,658、US4,391,963及びEP−A088842は、特定のポリマーシリル基を含むシリル基により改質されている、例えばヒドロキシケトン、アミノケトン、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン又はチオキサントン型の光開始剤を提案している。更に、特許US4,536,265、US4,534,838及びEP−A162572は、オルガノポリシロキサン基を有する多種多様な光開始剤構造を記載している。これらの化合物は、例えばジアルコキシアセトフェノンから誘導され、シリコーン基材において高められた溶解性を有する。US4,507,187は、シリル基を含有するジケト光開始剤をシリコーンポリマーにおいて良好な溶解性をもつ光開始剤として開示し、この開始剤により得られるポリマーも開示している。US4,477,326は、重合反応の引き金を引く基として光開始剤単位を含有する、自己重合シロキサンポリマーを記載している。シロキサン基を有するポリマー光開始剤は、US4,587,276において特定されている。
A. Kolar, H.F. Gruber及びG. Greberは、反応性シリル誘導体化α−ヒドロキシケトン光開始剤をJ.M.S. Pure Appl. Chem. A31(3) (1994), 305-318で報告している。参考文献は、特に、光開始剤の重合される基材との混和性を向上させる問題、すなわち開始剤を基材中で可能な限り均質に分布させる問題の解決に関して記述している。WO98/00456は、特定のコーティング組成物及び改良されたコーティング表面特性が達成される硬化方法も提案している。
芳香族環上に長アルキル鎖を有するフェニルグリオキサラートエステルが、JCS Perkin Trans. I (1996) 114, in JACS (1992) 121 2657-61及びEP-A 0 517 301に記載されている。
コーティング材産業内では、安定した引掻き抵抗性コーティングの調製のため、新規で省エネルギーの排出を最小化する硬化機構及び適用が探し続けられている。特に要求されることは、特に硬度、抵抗性及び光沢性に関してコーティングの表面を改良することである。
現在、特定の光開始剤が、硬化されるコーティングに使用される場合、目的の特性が達成できることが見出されている。このために、光開始剤は、硬化される配合物に可能な限り均質に分布するのではなく、その代わりに、特に、硬化されるコーティングの表面に蓄積する、すなわち配合物の表面に対する開始剤の特異的配向が存在する。これを達成するには、特別な機能を備えた光開始剤を使用することが必要である。
したがって、本発明は、二価基Xを介してアリールグリオキサラート部分に結合しているシロキサン骨格により特徴づけられている、界面活性シロキサン光開始剤に関する。
基Xは、シクロアルキレン構造、ビシクロアルキレン構造、又はシロキサンのエポキシ誘導体から誘導される基を含む。
本発明は、式(Ia)、(Ib)又は(Ic):
Figure 2005517022
〔式中、
R、R1及びR2は、互いに独立して式(II):
Figure 2005517022
の基であるか、
或いは
R、R1及びR2は、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基(基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環基は、非置換又はA−X−、A1−X1−、A2−X2−、C1〜C8アルキル、フェニル、OR8、SR9及び/若しくはNR1011で置換されており、ここで置換基OR8、SR9及びNR1011は、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して、ナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の又は複素環の更なる置換基と、或いはナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の炭素原子のうちの1個と、或いは複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
但し、少なくとも1個の置換基A−X−、A1−X1−又はA2−X2−が、基Rに、又は基R1若しくはR2のうちの少なくとも1個に存在し;
3、R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、A2−X2−;非置換C1〜C12アルキル又はOH、C1〜C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC1〜C12アルキル;又は1個以上の酸素原子で不連続に中断されているC2〜C12アルキルであるか;或いは
3、R4、R5、R6及びR7は、ハロゲン、OR8、SR9、NR1011、非置換又はC1〜C4アルキル−及び/若しくはC1〜C4アルコキシ置換フェニル(ここで置換基OR8、SR9、NR1011は、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して、フェニル環の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
但し、少なくとも1個の基R3、R4、R5、R6又はR7が、A−X−、A1−X1−又はA2−X2−であり;
8及びR9は、互いに独立して、水素;非置換C1〜C12アルキル又はOH、C1〜C4アルコキシ、フェニル、フェノキシ及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC1〜C12アルキル;又は1個以上の酸素原子で不連続に中断されているC2〜C12アルキル;又は非置換フェニル、C3〜C6アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはナフチル;又はC1〜C4アルコキシ−、フェニル−及び/若しくはC1〜C4アルキル置換フェニル、C3〜C6アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はナフチルであり;
10及びR11は、互いに独立して、水素;非置換C1〜C12アルキル又はOH、C1〜C4アルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されているC1〜C12アルキル;又は1個以上の酸素原子で不連続に中断されているC2〜C12アルキル;又はフェニル、−(CO)R12若しくはSO213であるか;或いはR10及びR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員若しくは7員環(それは、非中断又は−O−若しくは−NR14−で中断されている)を形成し;
12は、C1〜C8アルキル;非置換フェニル又はC1〜C4アルキル及び/若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルであり;
13は、C1〜C12アルキル、非置換フェニル又はC1〜C4アルキルで置換されているフェニルであり;
14は、水素;非置換C1〜C8アルキル;OH若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているC1〜C8アルキル;非置換フェニル;又はOH、C1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルであり;
a及びRbは、互いに独立してフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又は二価複素環式基(これらの基は、非置換又はA−X−、A1−X1−、A2−X2−、C1−C8アルキル、フェニル、OR8、SR9及び/若しくはNR1011で置換されており、ここで置換基OR8、SR9及びNR1011は、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の又は二価複素環の更なる置換基と、又はナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の又は二価複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
A、A1及びA2は、互いに独立して、式(III):
Figure 2005517022
(式中、単位(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)及び/又は(IIIc):
Figure 2005517022
は、ランダム又はブロックで配置され、ここで円は、上記と同義の芳香族基R又はR1が二価基であり、ブリッジX又はX1を介して、対応するシリル基で置換されていることを示すことを意図する)の界面活性基であり;
nは、1〜1000又はシロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、0.1〜1000の数であり;
mは、0〜100の数であり;
pは、0〜10000の数であり;
3は、式(III)(式中、nは2〜1000である)の基であり;
1は、C1〜C18アルキル又は下記式:
Figure 2005517022
の基であり;
2は、C1−C18アルキル又は下記式:
Figure 2005517022
の基
(但し、G2=アルキルの場合、基G2は、酸素ブリッジなしでケイ素原子に直接結合する)であり;
15、R16、R17、R19、R20、R21、R22、R23及びR24は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、フェニル、C2〜C6ヒドロキシアルキル、C2〜C6アミノアルキル又はC5〜C8シクロアルキルであり;
18は、非置換C1〜C18アルキル、C5〜C8シクロアルキル;又はヒドロキシ、C1〜C12アルコキシ、ハロゲン、C3〜C8シクロアルキル及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているC1〜C18アルキル;又は非置換フェニル又はC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているフェニルであり;
X、X1及びX2は、互いに独立して、−U−C3〜C12シクロアルキレン、−U−C6〜C12ビシクロアルキレン、U−C3〜C12シクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、U−C6〜C12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン;
1個以上のC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されている−U−C1〜C10アルキレン、
1個以上の−O−原子及びC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン及び/若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されている−U−C1〜C10アルキレンであるか;又は下記:
Figure 2005517022
若しくは−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−又は
−(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−であり;
Uは、U′又はU″であり;
U′は、−COO−、−(CH2aCOO−であり;
U″は、−Si(CH3)(CH3)−又は−(CH2a−Si(CH3)(CH3)−であり;
aは、1〜10の数であり;
b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であり;
Yは、水素;非置換C1−C20アルキル又は基A−Xで置換されているC1〜C20アルキル;非置換C2〜C18アルケニル又は基A−Xで置換されているC2〜C18アルケニル;非置換C2〜C18アルキニル又は基A−Xで置換されているC2〜C18アルキニルであるか;或いはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル又はフェナントリル(ここで、これらの基は、非置換又はA−X−及び/若しくはC−Cアルキルの1個以上で置換されている)であるか;或いはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び所望であれば更に基A−X−で置換されているC1−C4アルキルであるか;或いはYは、それぞれのグリオキサル酸の塩基であり;
1は、非置換C1〜C12アルキレン又は基A1−X1−で置換されているC1〜C12アルキレン;非置換C4〜C8アルケニレン又は基A1−X1−で置換されているC4〜C8アルケニレン;非置換C4〜C8アルキニレン又は基A1−X1−で置換されているC4〜C8アルキニレン;非置換シクロヘキシレン又は基A1−X1−で置換されているシクロヘキシレン;−O−、−S−又は−NR25−で1回以上中断され、非置換又は基A1−X1−で置換されているC4〜C40アルキレンであるか;或いはY1は、非置換フェニレン又は基A1−X1−で置換されているフェニレンであるか;或いはY1は、式(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV):
Figure 2005517022
の基である(ここで、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV)の基は、非置換又は基A1−X1−で置換されており、そして式(VII)において、Y2は、式(VII)を除いてY1であるか、又はY2は、式(V):
Figure 2005517022
の化合物であり、式(XI)において、R26は、水素、CH2OH又はC1〜C4アルキルであり、そしてRは上記と同義であり、式(XV)において、Wは、C1〜C10アルキレンである)〕で示される化合物を提供する。
定義:
1〜C20アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1〜C18−、C1〜C12−、C1〜C8−、C1〜C6−又はC1〜C4アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル又はエイコシルである。
酸素原子1個以上で中断されているC2〜C12アルキルは、例えば、−O−で1〜9回、1〜7回又は1若しくは2回中断されている。基が−O−で2回以上中断されている場合、酸素原子は、メチレン基の少なくとも1個によりそれぞれ互いに分離している。これにより、例えば、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−〔CH2CH2O〕y−CH3(ここで、y=1〜9)、(CH2CH2O)7CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3又は−CH2−CH(CH3)−O−CH2CH3のような構造単位となる。
2〜C6ヒドロキシアルキルは、OHで置換されているC2〜C6アルキルである。アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、上記で示された定義(対応する数の炭素原子を有する)を有してよい。
2〜C6アミノアルキルは、NH2で置換されているC2〜C6アルキルである。アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、上記で示された定義(対応する数の炭素原子を有する)を有してよい。
1〜C12アルコキシは、直鎖状又は分岐鎖状基を意味し、例えば、C1〜C10−、C1〜C8−、C1〜C6−又はC1〜C4アルコキシである。例は、メトキシ、エトキシ、ポロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ又はドデシルオキシであり、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシであり、好ましくはメトキシである。C1〜C4アルコキシは、同様に直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、対応する数の炭素原子を有して上記で示された定義を有する。
3〜C8シクロアルキルは、少なくとも1個の環を含む直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−若しくはジメチルシクロヘキシル又はシクロオクチルであり、特にシクロペンチル及びシクロヘキシルである。
5〜C8シクロアルキルは、対応する数の炭素原子を有して上記で示された定義を有する。
3〜C12シクロアルキレンは、二価シクロアルキル基であり、例としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン等である。
6〜C12ビシクロアルキレンは、好ましくはビシクロヘプチレン又はビシクロオクチレンである。
3〜C12シクロアルキレン−C1〜C6アルキレンは、例えば、メチルシクロヘキシレンである。
6〜C12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレンは、例えば、2−ノルボルネンエチルである。
2〜C18アルケニルは、単又は多不飽和であってよく、そして直鎖状又は分岐鎖状であってよく、例えば、C1〜C12−、C2〜C8−又はC4〜C12アルケニルである。例は、ビニル、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、ヘプテニル、2,4,4−トリメチルペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル又はオクタデセニルである。
3〜C6アルケニルは、単又は多不飽和であってよく、そして直鎖状又は分岐鎖状であってよく、例えば、C3〜C4アルケニルである。例は、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル又は1−ヘキセニルであり、特にアリルである。
2〜C18アルキニルは、直鎖状又は分岐鎖状及び単又は多不飽和であり、例えば、C6〜C18−、C2〜C12−、C2〜C10−、C2〜C8−、C2〜C4アルキニルである。例は、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、2,4,4−トリメチルペンチニル、2−エチルヘキシニル又はオクチニルである。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり、特に塩素及び臭素であり、好ましくはフッ素である。
置換フェニルは、フェニル環で1〜5回、例えば、1回、2回又は3回、特に1回又は2回置換される。
この文脈における複素環式基には、1個以上、特に1又は2個のヘテロ原子を含有する、脂肪族のみならず芳香族環も含まれる。縮合環系が含まれる。適切なヘテロ原子の例には、特にO、N又はSが含まれる。例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキシニル、ジオキシニル又はピリジルである。5員又は6員環が好ましい。
複素環式基としてのRは、例えば、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、ピリジニル、1,3−ジアジニル、1,2−ジアジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チアントレニル、フラニル、ピラニル、キサンテニル、イミダゾリル、チアゾイリル、ピリミジニル、インダゾリニル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、キサンチル、チオキアンチル、アクリジニル等である。
OR8、SR9又はNR1011置換ナフチル、アントラシル、フェナントリル若しくは複素環式基が、基R8、R9、R10及び/又はR11と5員又は6員環を形成する場合、これは、例えば下記の構造:
Figure 2005517022
(ここで、弧及び2個の二重結合は、当該芳香族環系である)を包含する。
OR8、SR9又はNR1011としてのR3、R4、R5、R6又はR7が、フェニル環上の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子と5員又は6員環を形成する場合、これは、例えば下記の系を含む:
Figure 2005517022
10及びR11が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環(これは、また、−O−又は−NR14−で中断されてよい)を形成する場合、当該の環は、例えば飽和又は不飽和環であり、例としては、アジリジン、ピペラジン、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、ピリジン、1,3−ジアジン、1,2−ジアジン、ピペリジン又はモルホリンであり、特にモルホリニル、ピペリジニル又はピペラジニル環が形成される。
式(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)及び/又は(IIIc)の単位は、ランダム又はブロックで配置され、すなわち式(III)の描写において、これらの単位の順序は任意である。例えば、調製に使用されるシロキサンに応じて、(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)、(IIIc)の単位のブロックは、相互に連続してよく、又は個別の単位がランダム分布方法で結合することも可能である。
1〜C12アルキレンとしてのY1は、上記で示された定義と同一の定義を有してよく、更に、例えばウンデシレン又はドデシレンであってもよい。
−O−、−S−又は−NR25−で1回以上中断されているC4〜C40アルキレンとしてのY1は、アルキレンにおいて直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、−O−、−S−及び/又は−NR25−で1〜20回、1〜12回、1〜8回中断されている。これにより、例えば、−CH2−O−CH2−、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−〔CH2CH2O〕y−(ここで、y=1〜20)、−(CH2CH2O)18CH2CH2−、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH(CH3)−、−CH2−S−CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−S−CH2CH2CH2−、−(CH23−S−(CH23−S−(CH23−、−CH2−(NR5)−CH2−、−CH2CH2−(NR5)−CH2CH2−のような構造単位となる。
2〜C10アルケニレンは、単又は多不飽和、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C2〜C8−、C4〜C8−、C3〜C6−、C2〜C4アルケニレンであり、例としては、エテニレン、1−プロペニレン、1−ブテニレン、3−ブテニレン、2−ブテニレン、1,3−ペンタジエニレン、5−ヘキセニレン又は7−オクテニレンである。
4〜C8アルケニレンは、炭素原子の数に対応して、上記で示された定義と同一の定義を有する。
2〜C10アルキニレンは、単又は多不飽和、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C2〜C8−、C3〜C6−、C2〜C4アキニレンである。例は、ヘキシニレン、ヘプチニレン、2,4,4−トリメチルペンチニレン、2−エチルヘキシニレン、オクチニレン、ノニニレン又はデシニレンである。
当該グリオキサル酸の塩基としてのYは、Yが結合している酸素原子と一緒になって、例えば−O-+である。この場合、Yはアルカリ金属、特にLi、Na又はKのカチオンである。
「a」は、好ましくは1〜10、特に1〜3の数であり、
「b」及び「c」は、好ましくは0〜10、特に0〜3の数であり、
「n」は、好ましくは1〜100、特に1〜20であり、
「p」は、好ましくは1〜1000、特に1〜25の数であり、そして
「m」は0〜100、例えば、0〜50又は0〜25、特に0である。
シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、「n」は、また、1未満であるが0を超えることが可能である。この場合、例えば、0.1〜1000、0.5〜1000、0.8〜1000等の数である。
A、A1、A2及びA3は、式(III)の基である。
1及びR2は、特に、式(II)の化合物又はナフチルであり、好ましくは式(II)の化合物である。
式(Ia)又は(Ib)の化合物において、R、R1及び/又はR2が式(II)の化合物である場合、置換基R3、R4、R5、R6又はR7の少なくとも1個が、基−X−A、−X1−A1又は−X2−A2である。例えば、置換基R3、R4、R5、R6又はR7のうちの1〜3個又は1若しくは2個又は1個が基−X−A、−X1−A1又は−X2−A2である。好ましくは、置換基R3、R4、R5、R6又はR7のうちの1又は2個が基−X−A、−X1−A1又は−X2−A2である。
特に、R3、R7及び/又はR5が、基−X−A、−X1−A1又は−X2−A2である。好ましくは、R3及びR5が、基−X−A、−X1−A1又は−X2−A2である。
基R3、R4、R5、R6及びR7は、基−X−A、−X1−A1又は−X2−A2である他に、特に水素、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、好ましくは水素である。
8及びR9は、特に、C1−C4アルキル、水素、フェニル、−O−中断C2〜C8アルキルであり、好ましくはC1〜C4アルキル又は水素である。
10及びR11は、特にC1〜C4アルキル、好ましくはメチルであるか、又はこれらが結合している窒素原子と一緒になってモルホリニル基を形成する。
12は、特にC1〜C4アルキル又はフェニルである。
14は、特に水素、C1〜C4アルキル又はOH−置換C1〜C4アルキルである。
15、R16及びR17は、好ましくはC1〜C4アルキル、特にメチルである。
18は、特にC1〜C4アルキル、例えばメチルである。
X、X1及びX2は、好ましくは−U−C6-12ビシクロアルキレン若しくはU−C6-12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、又は−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−若しくは−(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−である。
調製方法:
式(I)の化合物は当業者に既知の慣用の方法により調製される。
I.アルケニル改質シロキサン残基により出発
Figure 2005517022
式中、Y、U′、X、G1及びR15は上記と同義である。
R′は、基Rの二価基、例えばフェニレンである。
X″は、−CH=CH2と一緒になって、−C1〜C10アルケニレン、−C3〜C12シクロアルケニレン、−C6〜C12ビシクロアルケニレン、C3〜C12シクロアルケニレン−C1〜C6アルキレン、C6〜C12ビシクロアルケニレン−C1〜C6アルキレンであるか;又は
1個以上のC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されている−C1〜C10アルキレンであるか;又は、
1個以上のO及びC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン及び/若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されている−U−C1〜C10アルケニレンキレンである。
シロキサン試薬のアルケニル部分の二重結合は、また、シクロアルケニル残基又はビシクロアルケニル残基の二重結合であることができる。
例えば、X″−CH=CH2は、ノルボルネニル又は2−(ノルボルネニル)エチルであり、U′は、−CH2−COO−であり、その結果、基Xは、U′−C7ビシクロアルキレン又はU′−(C7ビシクロアルキレン)エチルである。
「....」は、式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基が、この部分に接続することを意味する(式(III)によると、この反応において、出発材料のmは0でなければならない)。
反応温度は、20〜150℃、好ましくは60〜110℃の範囲内で適切に維持される。更に、反応を、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン若しくはクロロベンゼンのような適切な非プロトン性有機溶媒中、又は水のような適切なプロトン性溶媒中で実施することが適切である。しかし、例えば溶媒なしで操作することも可能である。
反応混合物は、通常、反応が実施されている間に撹拌される。
反応を、不活性条件下、例えばアルゴン下又は窒素雰囲気下で実施することも適切である。
反応を実施するために適切な触媒の例は、パラジウム又はパラジウム錯体のような貴金属触媒である。そのような反応は、例えば、Hosokawa et al. in Chem. Lett. (1989) 2001, by Bergbreiter et al. in J. Org. Chem. (1989) 54 (11) 2726又はTrost et al. in J. Am. Chem. Soc. (1985) 107 (21) 6123に記載されている
更に反応は、触媒、例えばH2SO4のような酸を使用して、実施することができる。酸性環境(H2SO4)で実施される反応の例は、Kirchanov et al. in Izv. Akad. Nauk. SSSR, Ser. Khim. (1981) (8) 1914に示されている。
II.アルケニル改質シロキサン化合物により出発
Figure 2005517022
式中、R′、Y、U″、G1及びR15は上記と同義であり、
X″は、−CH=CH2と一緒になって、二価基C3〜C12シクロアルケニレン、C6〜C12ビシクロアルケニレンであるか;又はC1〜C6アルキレン−C3〜C12シクロアルケニレン若しくはC1〜C6アルキレン−C6〜C12ビシクロアルケニレンであるか;或いは
1個以上のC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されているC1〜C10アルキレンであるか;又は、
1個以上のO及びC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン及び/若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されているC1〜C10アルキレンである。
シロキサン試薬のアルケニル部分の二重結合は、また、シクロアルケニル残基又はビシクロアルケニル残基の二重結合であることができる。
例えば、基(X″−CH=CH2)は、ノルボルネニル又はノルボルネニルエチルであり、その結果、基Xは、ビシクロへプチレン又はビシクロヘプチレニルエチルである。
「....」は、式(III)で定義されらシロキサン分子部分の基が、この部分に接続することを意味する(式(III)によると、この反応において、出発材料のmは0でなければならない)。
反応温度は、20〜150℃、好ましくは60〜110℃の範囲内で適切に維持される。更に、反応を、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン又はクロロベンゼンのような適切な非プロトン性有機溶媒中で実施することが適切である。しかし、例えば溶媒なしで操作することも可能である。
反応混合物は、通常、反応が実施されている間に撹拌される。
反応を、不活性条件下、例えばアルゴン下又は窒素雰囲気下で実施することも適切である。
反応を実施するために適切な触媒の例は、白金又はロジウム触媒のような貴金属触媒である。例は、H2PtCl6又はPtCl2(C65−CH=CH22である。これらの触媒は、また、例えば、アルミナのような適切な支持物質に適用してよく、例えばPt/Al23である(例えば、Heraeusから入手可能)。例えば、炭素も支持物質として使用してよい(Pt/C−この触媒は無水である必要がない−例えば、Johnson Mattheyから入手可能)。適切な触媒の例は、特に粉末として又は錯体の形態の白金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、コバルト又は他の金属である。例は、白金海綿、白金黒、クロロ白金酸、クロロ白金酸とアルコールの反応生成物及びクロロ白金酸とビニルシロキサンの錯体である。この種の触媒は、例えば、白金−カルボニル−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−ジビニイルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体として市販されているか、又は当該技術で慣用であり、当業者に既知の方法により得られる。
触媒の濃度は、適切には、例えば1〜1000ppm、例えば150〜400ppmである。
そのような反応は、例えば、US4,507,187、EP−A0162572において、又はEP−A0088842において記載されている。
α−ωビス(ノルボルネニル)ジメチルポリシロキサンを例とするシクロアルキレン置換シロキサンは、DE4128932に記載のようにして調製することができる。
α−ωビス(2−(ノルボルネニル)エチル)ジメチルポリシロキサンを例とする(ビシクロアルケニル)アルキル置換シロキサンは、J. Macromol. Sci., Pure Appl. Chem. (1996) A33(4) 439-457に記載されている。
III.式(I)(式中、Aは、式(III)の界面活性基である)の化合物は、対応するグリオキサルエステルを、エポキシド残基を有するシロキサンと反応させることにより調製することもできる。基Rが式(II)の基である場合の例を示す。
Figure 2005517022
式中、
Y、U′、G1及びR15は、上記で示された定義を有し、
X′は、結合、C1〜C10アルキレン又は−O−で中断されているC1〜C10アルキレンであり、
「....」は、式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基が、この部分に接続することを意味する。
反応は、酸又は塩基の存在下で行われる。
エポキシ基を有するシロキサンは、DE4128894に記載されている。
光開始剤(XVI)及び(XVIII)は、当業者に既知の方法、例えばUS4507187又はEP161830に記載の方法により調製してよい。適切な方法は、また、WO98/33761に発表されている。
幾つかのシロキサン化合物(XVII)及び(XIX)は市販されているか、又は当業者に既知の方法により得られる。例えば、調製方法及び/又は調製のために引用された文献は、Geleste社のカタログ“ABCR Geleste 2000”, pages 434-447で見出すことができる。
式(Ib)又は(Ic)の不斉化合物、すなわちR1とR2及び/又はRaとRbが同一ではない化合物の調製において、反応は、対応する異なる出発材料を1:1の比率で使用して適切に実施される。
上記記載の反応のうちの1つでアルコールが遊離される場合、反応中に形成されるアルコールを反応混合物から除去することを確実にすることが適切である。これは、例えば蒸留により実施される。
使用される溶媒及び出発材料に応じて、反応は異なる温度で実施される。対応する反応に必要な温度及び他の反応条件は常識であり、当業者に周知である。反応生成物を、慣用の方法、例えば、結晶化、蒸留又はクロマトグラフィーにより分離及び精製してよい。
好ましくは、
R、R1及びR2が、互いに独立して上記で示された式(II)の基であり;
3、R4、R5、R6及びR7が、互いに独立して水素又はA−X−、A1−X1−若しくはA2−X2−であり;
但し、少なくとも1個の基R3、R4、R5、R6又はR7が、A−X−、A1−X1−又はA2−X2−であり;
a及びRbがフェニレンであり;
A、A1及びA2が、互いに独立して上記で示された式(III)の界面活性基であり;
nが、整数1〜100であり;
mが、0であり;
pが、整数1〜25であり;
3が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有する)の基であり;
1が、メチル又は−O−Si(R19、R20、R21)であり;
2が、メチル又は−Si(R22、R23、R24)(但し、G2がメチルの場合、基G2は、酸素ブリッジなしでケイ素原子に直接結合する)であり;
15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24が、互いに独立して、C1〜C4アルキル又はフェニルであり;
X、X1及びX2が、−U−C6-12ビシクロアルキレン、又はU−C6-12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、又は
−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−又は
−(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−であり;
Uが、−COO−、−(CH2aCOO−であり;
aが1〜3の数であり;
b及びcが、0〜3の数であり;
Yが非置換C1〜C20アルキルであり;
1が、−O−で1回以上中断されている非置換C1〜C12アルキレンであるか;又はY1が非置換フェニレンであるか;又は
1が、上記で示された式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基であり;
2が、式(VII)を除いてY1であるか、又はY2が式(V)の基である
式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で示される化合物が示される。
特に好ましくは、
a及びRbがフェニレンであり;
3が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有し、そしてpは整数1〜25である)の基であり;
1が、メチル又は−O−Si(CH33であり;
2が、メチル又は−Si(CH33(但し、G2がメチルの場合、基G2は、酸素ブリッジなしでケイ素原子に直接結合する)であり;
15、R16、R17、R18が、メチルであり;
X及びX1が、U−C6-12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、又は
−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−又は
−(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−であり;
Uが、−(CH2aCOO−であり;
aが1〜3の数であり;
b及びcが、0〜3の数であり;
Yが、非置換C1〜C20アルキルである、
式(Ic)で示される化合物である。
式(Ia)又は(Ib)の化合物において、化合物のアリール環、すなわち、フェニル基(式(II))、ナフチル、アントラシル、フェナントリル若しくは複素環基に、1個以上の置換基−X−A−、X1−A1又は−X2−A2が存在するか、又はそれぞれの場合で分子内に基A3が存在する。これらの置換基は、光開始剤化合物の界面活性を生み出す、すなわち硬化される配合物の表面に光開始剤が蓄積することを確実にする基である。
したがって本発明は、また、安定した引掻き抵抗性表面を有するコーティングを生産する方法であって、
(1)
(A)エチレン性不飽和重合性化合物と、
(B)光開始剤とを含む光硬化性配合物を調製し;
(2)この配合物を基材に適用し;そして
(3)配合物を、
波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線のみに曝露するか、又は
波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線に曝露し、かつ電磁放射線に曝露する前、電磁放射線と同時に及び/又は電磁放射線に曝露した後に熱に曝露する、のいずれかにより硬化する方法であり、
配合物が、配合物の表面に蓄積する式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を光開始剤(B)として少なくとも1個含む方法を提供する。
用語「200nm〜IR領域」は、200nm〜2500nm、特に200nm〜1000nmを意味する。
用語「及び/又は」は、定義された代替物(置換基)のうちの1個が存在するだけでなく、一緒に定義された代替物(置換基)の異なる2個以上が一緒に存在する、すなわち異なる代替物(置換基)の混合物が存在できることを意味することを意図する。
用語「少なくとも」は、1個又は1個より多く、例えば、1又は2又は3個、好ましくは1又は2個を定義することを意図する。
特記のない限り、記載及び請求項において、語「含む」は、定義された対象又は定義された対象群を含むが、排他的に記載されていない他のあらゆる物質も除外されないと理解されるべきである。
本発明によると、光開始剤はフリーラジカル重合性系を硬化するために使用され、この目的は、優れた特性を有する硬化表面を得ることである。この目的を達成するために、光開始剤が、硬化される配合物の表面に蓄積することが重要である。既に上記で記載されたように、これは光開始剤における適切な置換基によって達成される。しかし、表面特性の向上は、そのような開始剤を純粋に光硬化性系において使用することにより達成されるばかりでなく、熱/光硬化性混合配合物においても得られる。したがって、本発明は、純粋な光硬化性配合物における式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の光開始剤の使用と、光化学及び熱硬化性混合配合物における式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の光開始剤の使用の両方を提供する。熱硬化は、光への曝露の前、間又は後で実施してよい。
したがって本発明は、また、光硬化性配合物が、熱架橋性化合物(C)を更なる成分として少なくとも1個含み、波長範囲200nm〜IR領域の光に曝露し、その前、同時及び/又はその後に熱に曝露することにより硬化される、上記記載の方法を提供する。
本発明によると、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物は、エチレン性不飽和化合物及びそのような化合物を含む混合物を光重合する界面活性光開始剤として使用され、それぞれの配合物の表面に向かって配向される。
したがって本発明は、また、光開始剤をコーティングの表面に蓄積させる方法であって、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の界面活性光開始剤を、エチレン性不飽和光重合性化合物を含有する光重合性混合物に添加することを含む方法を提供する。
本発明によると、式((Ia)、(Ib)又は(Ic))の開始剤は、界面活性光開始剤として使用されることが意図される場合、シロキサン改質樹脂成分を含む組成物には使用されない。しかし本発明の化合物は、また、開始剤分子の対応するシロキサン改質樹脂との混和性及び相溶性を増加させるために極めて適切である。好ましくは、界面活性光開始剤の適用である。光開始剤は、また、他の光開始剤(E)及び/又は更なる添加剤(D)と組み合わせて使用してよい。
したがって本発明は、また、
(A)少なくとも1個のエチレン性不飽和フリーラジカル光重合性化合物と、
(B)少なくとも1個の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を含む光重合性組成物を提供する。
本発明は、更に、
(A)少なくとも1個のエチレン性不飽和フリーラジカル光重合性化合物と、
(B)少なくとも1個の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤と、
(C)少なくとも1個の熱架橋性化合物を含む光重合性組成物に関する。
本発明によると、組成物は、また、異なる光開始剤(E)及び/又は更なる添加剤(D)を更に含むことができる。
熱架橋触媒の添加も可能である。適切な例は下記に後述される。
組成物成分の定義:
不飽和化合物(A)は、1個以上のオレフィン二重結合を含有できる。これらは、低(モノマー)又は相対的に高(オリゴマー)分子量であってよい。二重結合を含むモノマーの例は、アルキル若しくはヒドロキシアルキルアクリラート又はメタクリラートであり、例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル若しくは2−ヒドロキシエチルアクリラート、イソボルニルアクリラート、メチルメタクリラート又はエチルメタクリラートである。シリコーンアクリラートも興味深い。他の例としては、アクリルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルエーテル、例えばイソブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン及びハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル又は塩化ビニリデンである。
2個以上の二重結合を含むモノマーの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール及びビスフェノールAジアクリラート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート若しくはテトラアクリラート、ビニルアクリラート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート又はトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌラートである。
相対的に高分子量の(オリゴマー)ポリ不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、並びにアクリル化又はビニルエーテル若しくはエポキシ官能ポリエステル、ポリウレタン及びポリエーテルである。不飽和オリゴマーの更なる例は、不飽和ポリエステル樹脂であり、一般的にマレイン酸、フタル酸及び1個以上のジオールから調製され、約500〜3000の分子量を有する。それらに加えて、ビニルエーテルモノマー及びオリゴマー、並びにポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエポキシド主鎖を有するマレイン酸末端基オリゴマーも使用することが可能である。特に適切なものは、WO90/01512に記載されているように、ビニルエーテル基を有する、ポリマーとオリゴマーの組み合わせである。しかし、同じく適切なものは、マレイン酸及びビニルエーテルで官能化されているモノマーのコポリマーである。
同じく適切なものは、フリーラジカル重合性二重結合を1個以上含む化合物である。これらの化合物において、フリーラジカル重合性二重結合は、好ましくは(メタ)アクリロイル基の形態である。(メタ)アクリロイルと本文及び下記の(メタ)アクリルのそれぞれは、それぞれアクリロイル及び/又はメタクリロイルとアクリル及び/又はメタクリルを意味する。好ましくは、少なくとも2個の重合性二重結合が、(メタ)アクリロイル基の形態で分子内に存在する。当該化合物は、例えば、ポリ(メタ)アクリラートの(メタ)アクリロイル官能オリゴマー及び/又はポリマー化合物を含んでよい。この化合物の数平均分子量は、例えば、300〜10000、好ましくは800〜10000である。(メタ)アクリロイル基の形態でフリーラジカル重合性二重結合を好ましく含む化合物は、慣用の方法、例えば、ポリ(メタ)アクリラートを(メタ)アクリル酸と反応させることにより得られる。これら及び他の調製方法は文献に記載され、当業者に既知でいある。
この種の不飽和オリゴマーを、プレポリマーと呼ぶこともできる。
官能化アクリラートも適切である。そのような官能化アクリラート及びメタクリラートポリマーの主鎖(ベースポリマー)を形成するために通常使用される適切なモノマーの例は、アクリラート、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルアクリラート、エチルメタクリラート、n−ブチルアクリラート、n−ブチルメタクリラート、イソブチルアクリラート、イソブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート等である。更に、適切な量の官能モノマーが、官能ポリマーを得るため、重合の間に共重合される。酸官能化アクリラート又はメタクリラートポリマーは、アクリル酸及びメタクリル酸のような酸官能モノマーを使用して得られる。ヒドロキシ官能アクリラート又はメタクリラートポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、2−ヒドロキシプロピルメタクリラート及び3,4−ジヒドロキシブチルメタクリラートのようなヒドロキシ官能モノマーから形成される。エポキシ官能化アクリラート又はメタクリラートポリマーは、グリシジルメタクリラート、2,3−エポキシブチルメタクリラート、3,4−エポキシブチルメタクリラート、2,3−エポキシシクロヘキシルメタクリラート、10,11−エポキシウンデシルメタクリラート等のようなエポキシ官能モノマーを使用して得られる。同様に、例えば、イソシアナート官能化ポリマーは、例えばメタイソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナートのようなイソシアナート官能化モノマーから調製してよい。
特に適切な化合物は、例えば、エチレン性不飽和一官能価又は多官能価カルボン酸のエステル及びポリオール又はポリエポキシド並びにエチレン性不飽和基を鎖若しくは側基に含むポリマーであり、例としては、不飽和ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタン並びにそれらのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタンジエンとブタンジエンのコポリマー、ポリイソプレンとイソプレンのコポリマー、(メタ)アクリル基を側鎖に含むポリマー及びコポリマー並びにそのようなポリマーの1個以上の混合物である。
適切な一官能価又は多官能価不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、不飽和脂肪酸、例えば、リノレン酸若しくはオレイン酸である。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
しかし、飽和ジカルボン酸又はポリカルボン酸を不飽和カルボン酸と混合して使用することも可能である。適切な飽和ジカルボン酸又はポリカルボン酸の例には、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、無水フタル酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸等が含まれる。
適切なポリオールには、芳香族、特に、脂肪族及び脂環式ポリオールが含まれる。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、またノボラック及びレゾールである。ポリエポキシドの例は、前記のポリオール、特に芳香族ポリオール及びエピクロロヒドリンに基づくものである。更に適切なポリオールには、ポリマー鎖又は側鎖基にヒドロキシル基を含有するポリマー及びコポリマーが含まれ、例えば、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー又はポリヒドロキシアルキルメタクリラート若しくはそのコポリマーである。ヒドロキシル末端基を含むオリゴエステルは、更に適切なポリオールである。
脂肪族及び脂環式ポリオールの例は、好ましくは炭素原子2〜12個を有するアルキレンジオールであり、例えば、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは分子量200〜1500を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサングリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びソルビトールである。
ポリオールは、異なる不飽和カルボン酸の1個以上により部分的又は完全にエステル化されてよく、部分エステル中の遊離ヒドロキシル基は、恐らくは他のカルボン酸により改質、例えばエーテル化又はエステル化されている。
エステルの例は下記である。
トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールエタントリアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、トリメチルロールエタントリメタクリラート、テトラメチレングリコールジメタクリラート、トリエチレングリコールジメタクリラート、テトラエチレングリコールジアクリラート、ペンタエリトリトールジアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、ペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールジアクリラート、ジペンタエリトリトールトリアクリラート、ジペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールペンタアクリラート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラート、トリペンタエリトリトールオクタアクリラート、ペンタエリトリトールジメタクリラート、ペンタエリトリトールトリメタクリラート、ジペンタエリトリトールジメタクリラート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリラート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリラート、ペンタエリトリトールジイタコナート、ジペンタエリトリトールトリスイタコナート、ジペンタエリトリトールペンタイタコナート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコナート、エチレングリコールジアクリラート、1,3−ブタンジオールジアクリラート、1,3−ブタンジオールジメタクリラート、1,4−ブタンジオールジイタコナート、ソルビトールトリアクリラート、ソルビトールテトラアクリラート、改質ペンタエリトリトールトリアクリラート、ソルビトールテトラメタクリラート、ソルビトールペンタアクリラート、ソルビトールヘキサアクリラート、オリゴエステルアクリラート及びメタクリラート、グリセロールジアクリラート及びトリアクリラート、1,4−シクロヘキサンジアクリラート、分子量200〜1500を有するポリエチレングリコールのビスアクリラート及びビスメタクリラート又はこれらの混合物。
適切な成分(A)には、また、好ましくは2〜6個、特に2〜4個のアミノ基を有する芳香族、脂環式及び脂肪族ポリアミンを有する、同一又は異なる不飽和カルボン酸のアミドが含まれる。そのようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノ−シクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチルエントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジ(β−アミノエトキシ)−又はジ(β−アミノプロポキシ)エタンである。更なる適切なポリアミンは、恐らくは側鎖に更なるアミノ基を含むポリマー及びコポリマー並びにアミノ末端基を有するオリゴアミドである。そのような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリラート及びN−〔(β−ヒドロキシエトキシ)エチル〕アクリルアミドである。
適切な不飽和ポリエステル及びポリアミドは、例えば、マレイン酸及びジオール又はジアミンから誘導される。マレイン酸は、他のジカルボン酸で部分的に置換されている。それらはエチレン性不飽和コモノマー、例えばスチレンと一緒に使用してよい。また、ポリエステル及びポリアミドは、ジカルボン酸及びエチレン性不飽和ジオール又はジアミンから、特に、例えば炭素原子6〜20個を有する、相対的に長鎖のものから誘導される。ポリウレタンの例は、飽和又は不飽和ジイソシアナート及び不飽和又は飽和ジオールからそれぞれ合成されるものである。
ポリブタジエンおよびポリイソプレン、ならびにそのコポリマーは既知である。適切なコモノマーの例は、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリラート、アクリロニトリル、スチレン又は塩化ビニルのようなオレフィンである。側鎖に(メタ)アクリラート基を含むポリマーも同様に既知である。これらは、例えば、ノボラック性エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物、(メタ)アクリル酸でエステル化されたビニルアルコール若しくはそのヒドロキシアルキル誘導体のホモポリマー又はコポリマー、或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートでエステル化された(メタ)アクリラートのホモポリマー及びコポリマーである。
光重合性化合物(A)は、単独又はあらゆる所望の混合物で使用してよい。好ましくは、ポリオール(メタ)アクリラートの混合物の使用である。
結合剤を本発明の組成物に添加することも可能であり、これは、光重合性化合物が液体又は粘性物質である場合、特に適切である。結合剤の量は、例えば、固体全体に基づき、5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に40〜90重量%であることができる。結合剤の選択は、使用分野、及び例えば、水性及び有機溶媒系における展開能力、基材への付着力及び酸素感受性のようなその分野に必要とされる特性に応じて行われる。
適切な結合剤の例は、約5000〜2000000、好ましくは10000〜100000の分子量を有するポリマーである。例は、ホモポリマー並びにコポリマーアクリラート及びメタクリラート、例えば、メチルメタクリラート/エチルアクリラート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(アルキルメタクリラート)、ポリ(アルキルアクリラート);セルロースエステル及びセルロースエーテル、例えば、酢酸セルロール、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマール、環化ゴム、ポリエーテル、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポルテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカルボナート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、塩化ポリビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリル、メチルメタクリラート及び酢酸ビニルとのコポリマー、酢酸ポリビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタム及びポリ(ヘキサメチレンアジパミド)のようなポリマー、ポリ(エチレングリコールテレフタラート)及びポリ(ヘキサメチレングリコールスクシナート)のようなポリエステルである。
成分(A)、すなわちUV硬化性成分として、下記の(C1)で後述される樹脂を使用することも可能である。特に興味深いこれらの例は、反応性官能基を含む不飽和アクリラートである。反応性官能基は、例えば、ヒドロキシル、チオール、イソシアナート、エポキシド、無水物、カルボキシル、アミノ又はブロック化アミノ基から選択される。OH含有不飽和アクリラートの例は、ヒドロキシエチル及びヒドロキシブチルアクリラート、あるいはまた、グリシジルアクリラートである。
不飽和化合物は、非光重合性膜形成成分との混合物において使用してよい。これらは、例えばニトロセルロース又はセルロースアセトブチラートのような、例えば物理的に乾燥したポリマー又は有機溶媒中のその溶液であってよい。しかし、ポリイソシアナート、ポリエポキシド又はメラミン樹脂のような化学及び/又は熱硬化性樹脂であってもよい。メラミン樹脂とは、メラミン(シアヌル酸トリアミド)とカルボニル化合物、好ましくはホルムアルデヒドとの縮合物のみを意味しない。メラミン樹脂は、例えば、商品名Cymelで市販されている。
熱硬化性樹脂の更なる使用では、光重合及び熱的にも硬化される、いわゆるハイブリッド系における使用が重要である。
成分(A)は、例えば、
(A1)フリーラジカル重合性二重結合を1個以上含み、付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性である他の官能基(例は上記で示されている)を少なくとも1個更に含む化合物、
(A2)フリーラジカル重合性二重結合を1個以上含み、付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性である他の官能基を少なくとも1個更に含み、追加の反応性官能基が、成分(A1)の追加の反応性官能基に対して相補性又は反応性であり、
(A3)所望であれば、フリーラジカル重合性二重結合の他に存在する、成分(A1)又は成分(A2)の官能基に対して、付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性である官能基を少なくとも1個含むモノマー、オリゴマー及び/又はポリマー化合物を少なくとも1個含む化合物、を含有するコーティング組成物を含んでよい。
成分(A2)は、それぞれの場合、成分(A1)に対して反応性又は相補性である基を有する。この文脈において、それぞれの場合、異なる種類の官能基が1個の成分に存在することが可能である。成分(A3)において、付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性であり、フリーラジカル重合性二重結合の他に存在する、成分(A1)又は(A2)の官能基と反応することができる官能基を含む更なる成分を利用できる。成分(A3)は、フリーラジカル重合性二重結合を含まない。そのような(A1)、(A2)(A3)の組み合わせを、WO 99/55785において見出すことができる。適切な反応性官能基の例は、例えば、ヒドロキシル、イソシアナート、エポキシド、無水物、カルボキシル又はブロック化アミノ基から選択される。例は上記に記載されている。
成分(C)の構成成分は、例えば、当該技術で慣用の熱硬化性コーティング系成分である。したがって、成分(C)は2個以上の構成成分を含むことができる。
成分(C)の例は、α,β−不飽和酸及びその誘導体から誘導されるオリゴマー及び/又はポリマーであり、例としては、ポリアクリラート及びポリメタクリラート、並びにアクリル酸ブチルを使用して耐衝撃性改良したポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド及びポリメチルメタクリラートである。成分(C)の更なる例は、一方にはウレタン、遊離ヒドロキシル基又はチオール基を含むポリエーテル、ポリエステル及びポリアクリラートから誘導されるポリウレタンであり、他方には脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートであり、また、その前駆体である。したがって、成分(C)は、例えば、エポキシアクリラート、ウレタンアクリラート又はポリエステルアクリラートのような置換アクリラートから誘導される架橋性アクリル樹脂も含む。メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌラートポリイソシアナート、ポリイソシアヌラート及びエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂並びにその変態も成分(C)の構成成分となることができる。
成分(C)は、例えば、一般的に、熱可塑性又は熱硬化性樹脂、主に熱硬化性樹脂に基づく膜形成結合剤を含む。その例は、アルキド、アクリル、ポリエステル、フェノール、メラミン、エポキシ及びポリウレタン樹脂、並びにそれらの混合物である。それらの例は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., Vol. A18, pp. 368-426, VCH, Weinheim 1991に記載されている。
成分(C)は、常温硬化性又は熱硬化性結合剤であり、硬化触媒の添加が有利である。結合剤の硬化を促進する適切な触媒は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A18, page 469, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim 1991に記載されている。
成分(C)として適切な特定の結合剤の例は下記である:
1.常温又は熱架橋性アルキド、アクリラート、ポリエステル、エポキシ若しくはメラミン樹脂又はそのような樹脂の混合物に基づき、硬化触媒を添加する又は添加しない塗料;
2.ヒドロキシル含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分ポリウレタン塗料;
3.チオール官能アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分ポリウレタン塗料;
4.焼付の間に脱保護されるブロック化イソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアヌラートに基づき、適切であればメラミン樹脂を添加する1成分ポリウレタン塗料;
5.脂肪族又は芳香族ウレタン若しくはポリウレタンと、ヒドロキシル含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂に基づく1成分ポリウレタン塗料;
6.遊離アミン基をウレタン構造に有する脂肪族又は芳香族ウレタンアクリラート又はポリウレタンアクリラートと、メラミン樹脂又はポリエーテル樹脂に基づき、硬化触媒を添加する又は添加しない1成分ポリウレタン塗料;
7.(ポリ)ケチミンと、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分塗料;
8.(ポリ)ケチミンと、不飽和アクリラート樹脂又はポリアセトアセタート樹脂又はメタクリルアミドグリコラートメチルエステルに基づく2成分塗料;
9.カルボキシル−又はアミノ含有ポリアクリラート及びポリエポキシドに基づく2成分塗料;
10.無水物基を含むアクリル樹脂と、ポリヒドロキシ又はポリアミノ成分に基づく2成分塗料;
11.アクリラート含有無水物及びポリエポキシドに基づく2成分塗料;
12.(ポリ)オキサゾリンと、無水物基を含むアクリル樹脂、又は不飽和アクリル樹脂、又は脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分塗料;
13.不飽和(ポリ)アクリラート及び(ポリ)マロナートに基づく2成分塗料;
14.熱可塑性アクリル樹脂又は外面的に架橋されているアクリル樹脂とエーテル化メラミン樹脂の組み合わせに基づく熱可塑性ポリアクリラート塗料。
とりわけ、成分(C)に使用されるブロック化イソシアナートは、例えば、Organischer Metallschutz: Entwicklung und Anwendung von Beschichtungsstoffen [Organic Protection of Metals: Development and Application of Coating Materials], page 159-160, Vincentz Verlag, Hannover (1993)に記載されている。これらは、極めて反応性の高いNCO基が、第一級アルコール、フェノール、アセトアセタート、ε−カプロラクタム、フタルイミド、イミダゾール、オキシム又はアミンのような特定の基との反応により「ブロック」される化合物である。ブロック化イソシアナートは、液体系において、また、ヒドロキシル基の存在下で安定である。加熱すると、ブロッキンング剤が取り除かれ、NCO基は露出される。
1成分(1K)及び2成分(2K)系の両方を成分(C)として使用してよい。そのような系の例は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A18, Paints及びCoatings, pages 404-407, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim (1991)に記載されている。
組成物は、配合物を特別に適合させて、例えば、結合剤/架橋剤の比率を変えることにより最適化できる。そのような方法はコーティング技術の当業者にとって既知である。
本発明の硬化方法において、成分(C)は、好ましくはアクリラート/メラミン(及びメラミン誘導体)、2成分ポリウレタン、1成分ポリウレタン、2成分エポキシ/カルボキシ又は1成分エポキシ/カルボキシに基づく混合物である。これらの系の混合物も可能であり、例としては、メラミン(又はその誘導体)を1成分ポリウレタンに加えたものである。
成分(C)は、好ましくはメラミン又はメラミン誘導体を有するポリアクリラートに基づく結合剤である。好ましくは、また、非ブロック化ポリイソシアナート又はポリイソシアヌラートを有するポリアクリラートポリオール及び/又はポリエステルポリオールに基づく系である。
成分(C)は、成分(C)の結合剤及び/又は架橋剤構成成分と反応することが可能であるOH、SH、NH2、COOH、エポキシ又はNCO基(=C1)の少なくとも1個を更に含むエチレン性不飽和結合(プレポリマー)を含有する、モノマー及び/又はオリゴマー化合物を更に含んでよい。適用及び熱硬化に続いて、エチレン性不飽和結合をUV放射線により架橋された高分量形態に変換する。そのような成分(C)の例は、例えば、上記記載の文献:Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., Vol. A18, pages 451-453又はS. Urano, K. Aoki, N. Tsuboniva及びR. MizuguchiによりProgress in Organic Coatings, 20 (1992), 471-486において、又はH. Terashima及びO. IsozakiによりJOCCA 1992 (6), 222において記載されている。
(C1)は、例えば、OH含有不飽和アクリラート、例としては、ヒドロキシエチルアクリラート又はヒドロキシブチルアクリラート、あるいはまた、グリシジルアクリラートである。 成分(C1)は、任意の構造(例えば、ポリエステル、ポリアクリラート、ポリエーテル等の単位)であってよいが、但し、エチレン性不飽和二重結合であり、また、遊離OH、SH、COOH、NH2、エポキシ又はNCO基が存在する。
(C1)は、また、例えば、エポキシ官能オリゴマーをアクリル酸又はメタクリル酸と反応させて得られる。ビニル二重結合を含むOH官能オリゴマーの典型的な例は、下記:
Figure 2005517022
であり、CH2=CHCOOHを下記:
Figure 2005517022
と反応させることにより得られる。
また、成分(C1)を調製する1つの可能性は、例えば、エポキシ基を1個のみ含有し、分子の別の部位に遊離OH基を含むオリゴマーを反応させることである。
UV架橋及び熱架橋配合物における成分(A)と(C)の比率は、重要ではない。「二重硬化」系は当業者に周知であり、したがって当業者は、特定の目的の適用のためのUV架橋性及び熱硬化性成分の最適な比率を十分に理解している。例えば、組成物は、成分(A)と(B)を、5:95〜95:5、20:80〜80:20又は30:70〜70:30、例えば40:60〜60:40の比率で含むことができる。
「二重硬化」系、すなわちUV硬化性及び熱硬化性成分の両方を含む系の例は、とりわけ、US5,922,473、第6欄〜第10欄に見出される。
本発明の方法で使用される組成物に、溶媒又は水を添加することも可能である。組成物を溶媒なしで使用する場合、それは、例えば、粉末被膜配合物を含む。適切な溶媒は、当業者に既知であり、コーティング技術において特に慣用の溶媒である。例は、種々の有機溶媒、例えばケトン、例としてはメチルエチルケトン、シクロヘキサノン;芳香族炭化水素、例としてはトルエン、キシレン又はテトラメチルベンゼン;グリコールエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル;エステル、例えば酢酸エチル;脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、オクタン、デカン;又は石油溶剤、例えば石油エーテルである。
本発明は、また、水中のエマルション又は溶液中に、成分(A)として、エチレン性不飽和光重合性化合物を1個以上含む組成物を提供する。
そのような放射線硬化性水性プレポリマー分散体は、数多くの種類が市販されている。それは、水の分散体及びそれに分散されているプレポリマーの少なくとも1個を含むと理解される。これらの系における水の濃度は、例えば、5〜80重量%、特に30〜60重量%である。放射線硬化性プレポリマー又はプレポリマー混合物は、例えば、95〜20重量%、特に70〜40重量%の濃度で存在する。これらの組成物において、水及びプレポリマーで記載された百分率の合計は、それぞれの場合において100であり、助剤及び添加剤は、意図される用途に応じて異なる量が追加される。
水中の分散体、多くの場合、溶液における放射線硬化性膜形成プレポリマーは、それ自体水性プレポリマー分散体として既知である単官能又は多官能エチレン性不飽和プレポリマーを含み、遊離基により開始され、例えば、プレポリマー100g当たり0.01〜1.0molの重合性二重結合含有量を有し、また、例えば、少なくとも400、特に500〜10000の平均分子量を有する。しかし、意図される用途に応じて、高分子量を有するプレポリマーも適切である。
例えばEP012339に記載されているように、例えば、重合性C−C二重結合を含有し、10以下の酸価を有するポリエステル、重合性C−C二重結合を含有するポリエーテル、1分子当たり少なくとも2個のエポキシド基と、少なくとも1個のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とを含有するポリエポキシドのヒドロキシル含有反応生成物、ポリウレタン(メタ)アクリラート、また、α,β−エチレン性不飽和アクリル基を含有するアクリルコポリマーが使用される。これらのプレポリマーの混合物も同様に使用される。更なる適切なプレポリマーの例には、EP33896に記載の重合性プレポリマーが含まれ、それらは少なくとも600の平均分子量を有する重合性プレポリマーのチオエーテル付加物であり、カルボキシル基含有量が0.2〜15%であり、プレポリマー100g当たりの重合性C−C二重結合含有量が0.01〜0.8molである。特定のアルキル(メタ)アクリラートポリマーに基づく他の適切な水性分散体はEP041125に記載され、ウレタンアクリラートを含む適切な水分散性放射線硬化性プレポリマーは、例えばDE2936039に示されている。
更なる添加物として、これらの放射線硬化性水性プレポリマー分散体は、分散助剤、乳化剤,酸化防止剤、光安定剤、染料、顔料、充填剤、例えば、タルク、石膏、ケイ酸、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、反応促進剤、均展剤、滑剤、湿潤剤、増粘剤、マット剤、消泡剤、及びコーティング技術において慣用の他の助剤を含むことができる。適切な分散助剤には、極性基を含む高分子量の水可溶性有機化合物が含まれ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はセルロースエーテルである。使用できる乳化剤には、非イオン性であり、また可能であればイオン性の乳化剤が含まれる。
本発明の化合物及びその混合物は、また、放射線硬化性粉末コーティング材のフリーラジカル光開始剤又は光開始系として使用してよい。粉末コーティング材は、固体樹脂及び反応性二重結合を含むモノマーに基づき、例えば、マレアート、ビニルエーテル、アクリラート、アクリルアミド及びその混合物である。フリーラジカルUV硬化性コーティング材は、例えば文献"Radiation Curing of Powder Coating", Conference Proceedings, Radtech Europe 1993 by M. Wittig and Th. Gohmannで記載されているように、不飽和ポリエステル樹脂と固体アクリルアミド(例えば、メチルアクリルアミドグリコラーメチルエステル)及び本発明のフリーラジカル光開始剤とを混合することにより配合してよい。フリーラジカルUV硬化性粉末コーティング材は、また、不飽和ポリエステル樹脂と固体アクリラート、メタクリラート又はビニルエーテル及び本発明の光開始剤(又は光開始剤混合物)とを混合することにより配合してよい。粉末コーティング材は、例えばDE4228514及びEP636669に記載のように結合剤を含んでよい。EP636669に記載の粉末コーティング配合物は、例えば、a)不飽和ポリエステルを有する(半)結晶質若しくは無定形不飽和ポリエステル、不飽和ポリアクリラート又はその混合物の群からの不飽和樹脂であり、特に好ましくはマレイン酸又はフマル酸から誘導されるもの、b)ビニルエーテル官能、ビニルエステル官能若しくは(メタ)アクリラート官能基を含むオリゴマー又はポリマー架橋剤であり、特に好ましくはビニルエーテルオリゴマー、例えばジビニルエーテル官能化ウレタン、c)光開始剤を含有する。
UV硬化性粉末コーティング材は、また、白色又は着色顔料を含んでよい。例えば、好ましくはルチル形二酸化チタンを、硬化された粉末コーティングが良好な隠蔽力を有するため、50重量%までの濃度で使用してよい。この技術には、通常、粉末を静電又は摩擦静電(tribostatic)吹付けにより基材、例えば、金属又は木材に適用し、加熱して粉末を溶融し、平滑な膜が形成された後、例えば、中圧水銀灯、メタルハライドランプ又はキセノンランプを使用する紫外線及び/又は可視光線を用いてコーティングを放射線硬化することが含まれる。放射線硬化性粉末コーティング材のその熱硬化性対応物に対する特に有利な点は、平滑で非常に光沢のあるコーティングの形成を確実にするため、粉末粒子が溶融した後の流動時間を選択的に延長できることである。熱硬化性系と異なり、放射線硬化粉末コーティング材は、相対的に低い温度で溶融するような寿命を短縮させる望まれない影響がなく配合できる。このため、木材又はプラスチックのような感熱性基材のコーティングとしても適切である。
しかし、金属におけるように粉末コーティング材が感熱性基材に適用されない場合(ビヒクルコーティング)、本発明の光開始剤を有する二重硬化粉末コーティング配合物を提供することも可能である。そのような配合物は当業者に既知であり、それらは熱的及びUVの両方により硬化される。この種の配合物は、例えば、US5,922,473で示されている。
本発明の光開始剤の他に、粉末コーティング配合物はUV吸収剤を含むこともできる。適切な例は下記で後述される。
光開始剤の他にも、光重合性混合物は、種々の添加剤(D)を含んでよい。これらの例は、早期重合の防止を意図する熱防止剤、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル(4−ヒドロキシ−TEMPO)及びのその誘導体、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル−4−イル)デカンジオアート若しくはポリアルキルピペリジン−N−オキシル基、3−アリールベンゾフラン−2−オン及びその誘導体、例えば、5,7−ジ−tert−ブチル−3−フェニル−3H−ベンゾフラン−2−オン(例えば、国際出願番号PCT/EP00/12165、2000年12月4日)、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトール又は立体障害フェノール、例えば、2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾールである。暗闇保存安定性を増加させるため、銅化合物、例えば、ナフテン酸銅、ステアリン酸銅若しくはオクチル酸銅、リン化合物、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト若しくはトリベンジルホスファイト、第四級アンモニウム化合物、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド若しくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、又はヒドロキシルアミン誘導体、例えば、N−ジエチルヒドロキシルアミンの使用が可能である。重合の間に大気酸素を排除するため、パラフィン又は同様の蝋様物質を添加することが可能であり、それらは、ポリマーにおいて溶解性が乏しいため、重合の開始時に表面に移動し、そこで、空気の進入を防ぐ透明表面層を形成する。同様に、酸素不透過性層を適用することも可能である。添加できる光安定剤には、UV吸収剤、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルミド又はヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のものが含まれる。これらの化合物は、立体障害アミン(HALS)を用いるか若しくは用いないで、個別又は混合物で使用してよい。
そのようなUV吸収剤及び光安定剤の例は下記である。
1.2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−sec−ブチル−5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチロオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕;2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;〔R−CH2CH2−COO−CH2CH22−(ここで、R=3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(α,α−ジメチルベンジル)−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール;2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5′−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール。
2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2′,4′−トリヒドロキシおよび2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体。
3.置換又は非置換の安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチラート、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
4.アクリラート、例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、メチルα−カルボメトキシシンナマート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナマート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナマート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナマート及びびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
5.立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、ならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg.No.[136504-96-6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4,5〕デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N′−ビス−ホルミル−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ〔メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)〕シロキサン、マイレン酸無水物α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
6.オキサミド、例えば、4,4′−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキサニリド及び2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン,2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ−プロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル〕−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−〔3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
8.ホスファイト及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、2,2′,2″−ニトリロ〔トリエチルトリス(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト〕、2−エチルヘキシル(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
更に、当該技術で慣用の添加剤、例えば、帯電防止剤、流動性向上剤及び付着促進剤の使用も可能である。
基A又はA3を有する式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の光開始剤は、表面に向かって配向され、シロキサン基により表面特性に対して影響を及ぼすもののうちの1つであるため、流動性向上剤としても機能する。当該技術において慣用の更なる流動性向上剤を添加してもよい。その例は、シロキサン化合物又はフッ化炭化水素化合物又はポリアクリラートとして種々に市販されている。
本発明は、更に、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物を、単独又は更なる慣用の流動性向上剤と組み合わせて、流動性向上剤として使用することを提供する。
DIN55945は、均展性を「塗布の間に発生するむらを補正する静止液体コーティングそれ自体の多少とも明らかな能力」と定義する。(参考:J. Bieleman, Lackadditive [Additives for Coatings], VCH Weinheim 1998, chapter 6)。コーティング材の均展性は、その流動性及びその表面張力に著しく左右される。流動性向上剤は、粘度及び/又は表面張力を減少させることにより、湿潤コーティングが膜になり、均一に流展することを助ける物質である。粉末コーティング材の場合、流動性向上剤は、また、溶融粘度及びガラス転移温度を低下させ、更なる脱揮発作用を有する。流動性向上剤は、コーティング全体の外観を損なう均展性欠陥又は表面欠陥を取り除くために使用される。均展性欠陥又は表面欠陥には、ミカン肌作用、構造の形成、クレーター、フィッシュアイ、ドラフトに対する感受性、支持体湿潤の問題、刷毛目、垂れ、断片性、ピンホール等が含まれる。本発明の化合物の流動性向上剤としての使用により、表面張力を低下させることが可能である。表面張力は、表面上の1滴の液体の周辺角度を測定して計算される(接触角測定)。
光重合を促進させるため、更なる添加剤(D)として、アミン、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、3,5−ジメトキシベンジルオクタデシルカルバマート、2−ニトロベンジルオクタデシルカルバマート、エチルp−ジメチルアミノベンゾアート又はミヒラーケトンを添加することも可能である。更なる適切な添加剤には、ヨーロッパ特許EP−B0764698に記載されている面冠アミノ化合物が含まれる。アミンの作用は、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンを添加することにより増強される。酸素捕捉剤として使用できるアミンの例は、EP339841に記載されている置換N,N−ジアルキルアニリンである。更なる促進剤、共開始剤(coinitiators)及び自動酸化剤は、例えばEP438123及びGB2180358に記載されているチオール、チオエーテル、ジスルフィド及びホスフィンである。
当該技術において慣用の連鎖移動試薬を本発明の組成物に添加することも可能である。例は、メルカプタン、アミン及びベンゾチアゾールである。
光重合は、更なる添加剤(D)として、スペクトル感受性を移動又は広げる光増感剤を添加することにより更に促進される。これらの光増感剤は、特に、芳香族カルボニル化合物、例えば、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体であり、また特に、イソプロピルチオキサントン、アントラキノン誘導体及び3−アシルクマリン誘導体、テルフェニル、スチリルケトンであり、また、3−(アロイルメチレン)チアゾリン、カンファキノンであり、また、エオシン染料、ローダミン染料及びエリトロシン染料である。
例えば、上記で示されたアミンも光増感剤として考慮される。
特に、着色された(例えば、二酸化チタンにより)組成物の硬化処理も、例えばEP245639で記載されているように、熱条件下で遊離基を形成する成分、例えばアゾ化合物、例としては2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペントアザジエン又はペルオキシ化合物、例えばヒドロペルオキシド若しくはペルオキシカルボナート、例としてはt−ブチルヒドロペルオキシドである、追加の添加剤(D)を添加することにより促進される。
更なる添加剤(D)として、組成物は、また、例えば光還元性染料、例としてはキサンテン、ベンゾキサンテン、ベンゾチオキサンテン、チアジン、ピロニン、ポルフィリン若しくはアクリジン染料、及び/又は放射線開裂性トリハロメチル化合物を含んでよい。同様な組成物は、例えばEP445624に記載されている。
更なる一般的な添加剤(D)には、意図される用途に応じて、蛍光増白剤、充填剤、例えば、カオリン、タルク、バライト、石膏、白亜若しくはシリカ充填剤、顔料、染料、湿潤剤又は流動性向上剤が挙げられる。
厚い着色コーティングの硬化には、例えばUS5,013,768に記載のガラスマイクロビーズ又は微粉砕ガラス繊維を添加することも適切である。
配合物は、染料及び/又は白色若しくは着色顔料を含むこともできる。意図される用途に応じて、有機及び無機顔料の両方が使用される。そのような添加物は当業者にとって既知であり、幾つかの例としては、例えば、ルチル又はアナターゼ型の二酸化チタン顔料、カーボンブラック、酸化亜鉛、例えば、亜鉛華、酸化鉄、例えば、酸化鉄黄、酸化鉄赤、クロムイエロー、クロムグリーン、ニッケルチタンイエロー、ウルトラマリーンブルー、コバルトブルー、ビスマスバナデート、カドミウムイエロー又はカドミウムレッドである。有機顔料の例は、モノアゾ又はジアゾ顔料、またその金属錯体、フロタロシアニン顔料、多環式顔料、例えば、ペリレン、アントラキノン、チオインディゴ、キナクリドン又はトリフェニルメタン顔料であり、また、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、例えば、テトラクロロイソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、ベンズイミダゾロン及びキノフタロン顔料である。
顔料は、配合物において個別又は混合物で使用してよい。
意図される用途に応じて、顔料は当該技術で慣用の量、例えば、全体量に基づき1〜60重量%又は10〜30重量%の量で配合物に添加される。
配合物は、また、例えば、非常に広範囲の種類の有機染料を含むことができる。例は、アゾ染料、メチン染料、アントラキノン染料又は金属錯体染料である。慣用の濃度は、例えば、全体量に基づき、0.1〜20%、特に1〜5%である。
添加剤の選択は、それぞれの適用分野及びその分野で要求される特性により導かれる。上記記載の添加剤(D)は、当該技術において慣用であり、同様に、当該技術において慣用の量で使用される。
特定の場合において、式(Ia)、(Ib)及び/又は(Ic)の光開始剤の2個以上の混合物の使用が有利であり、例えば、本調製から直接得られる混合物を使用することが有利である。また、既知の光開始剤(E)との混合物を使用することも、当然、可能であり、例としては、カンファキノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−若しくはα−アミノアセトフェノン、例えば、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール、例えば、ベンジルジメチルケタール、フェニルグリオキサラート及びその誘導体、二量体フェニルグリオキサラート、ペルエステル、例えば、EP126541に記載の、例えばベンゾフェノンテトラカルボキシルペルエステル、モノアシルホスフィンオキシド、例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペント−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、ハロメチルトリアジン、例えば、2−〔2−(4−メトキシフェニル)ビニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/共開始剤系、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールと一緒のオルトクロロヘキサフェニルビスイミダゾ−ル、フェロセニウム化合物又はチタノセン、例えば、ジシクロペンタジエニルビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロフェニル)チタン又はホウ酸光開始剤との混合物である。
本発明の光開始剤がハイブリッド系、すなわちフリーラジカル的と陽イオン的の両方で硬化されうる系において使用される場合、式(I)のフリーラジカル硬化剤及び任意の更なるフリーラジカル硬化剤に加えて、例えばUS4,950,581、第18欄、第60行目〜第19欄、10行目に記載されているように、過酸化ベンゾイル(他の適切な過酸化物は、US4,950,581、第19欄、第17行目〜25行目に記載されている)、芳香族スルホニウム、ホスホニウム又はヨードニウム塩のような陽イオン性光開始剤が使用される。
光重合性組成物は、光開始剤を、組成物に基づき0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で適切に含む。光開始剤の上記の量は、その混合物が使用される場合、添加された全ての光開始剤の合計、すなわち光開始剤(B)及び光開始剤(B)+(E)に基づく。
光重合性組成物は、多様な目的のために使用してよく、例えば、木材又は金属用の、例えば、プリントインクとして、クリアコーティング材として、白色塗料として、有彩着色塗料として、粉末コーティング材として、とりわけ紙、木材、金属又はプラスチック用のコーティング材として、建物及び道路のマーキング用の、写真再生技術用の、ホログラフ記録材料用の、画像記録技術用の又は有機溶媒により若しくは水性アルカリを使用して現像できる印刷板製造用の、スクリーン印刷用マスクの製造用の日光硬化性コーティングとして、歯科充填剤として、圧感接着剤を含む接着剤として、積層用樹脂として、液体及び乾燥膜形体の両方のエッチングレジスト又はパーマネントレジストとして、光構造性誘電体として及び電子回路用のはんだレジストとして、あらゆる種類のスクリーンのカラーフィルター製造用又はプラズマディスプレー及びエレクトロルミネセンスディスプレーの製造過程における構造の製造用の、光スイッチ、光格子(干渉グリッド)の製造用の、塊硬化(透明金型中のUV硬化)によるか又は立体リソグラフ法による三次元物品の製造用のレジストとして、例えばUS4,575,330で記載されているように、電子部品をコーティング又は密閉するための複合材料(例えば、適切であれば、ガラス繊維及び/又は他の繊維及び他の助剤を含んでよいスチレンポリエステル)及びゲルコーティング材の複合材料及び高塗厚膜(high-film-build)組成物を製造するため、又は光ファイバー用のコーティングとして使用してよい。組成物は、更に、光学レンズ、例えば、コンタクトレンズ又はフレネルレンズの製造用、また、医療機器、補助具又は移植物の製造用に適切である。
組成物は、また、例えばDE19700064及びEP678534に記載されているように、熱互変特性を有するゲルを製造するために使用してよい。
式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物は、更に、乳化、粒状若しくは懸濁重合の開始剤として、又は液晶モノマー及びオリゴマーの順序状態を固定させる重合における開始剤として、又は有機材料に染料を固着させるための開始剤として使用してよい。
本発明の光硬化性組成物は、例えば、全種類の基材、例としては木材、織物、紙、セラミック、ガラス、特に膜の形態のポリエステル、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン又は酢酸セルロースのようなプラスチック、また、保護被膜が又は画像様式(imagewise)の曝露により画像が印加されるAl、Cu、Ni、Fe、Zn、Mg又はCo及びGaAs、Si又はSiO2のような金属のためのコーティング材として適切である。
基材に液体組成物、溶液又は懸濁液を適用することにより、基材をコーティングしてよい。溶媒及び濃度の選択は、主に組成物の性質及び適用技術により導かれる。溶媒は不活性であるべきであり、すなわち成分とどのような化学反応も起こすべきではなく、適用後の乾燥の間に再び除去することができるべきである。適切な溶媒の例は、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチルおよびエチル3−エトキシプロピオナートのような、ケトン、エーテルおよびエステルである。
配合物は、既知の適用技術、例えば、スピンコーティング、浸清、ナイフコーティング、カーテンコーティング技術、刷毛塗り、吹付け、特に静電吹付け及びリバースロールコーティングにより、また電気泳動塗装により支持体に均一に適用される。感光層を仮の軟質支持体に適用し、次に積層により最終的な支持体に層を移転することも可能である。
適用速度(コーティング厚)及び基材の性質(コーティング支持体)は、所望の適用分野により左右される。乾燥膜厚は、一般的に約0.1μm〜100μmを超える値、好ましくは0.02〜2μmの値を含む範囲である。
光硬化を使用する更なる分野は、例えば、金属板及び管、缶又は壜のクロージャーのコーティングのような金属コーティングの分野、また、ポリマーコーティング、例えば、PVC製壁又は床仕上げ材の光硬化の分野である。
紙コーティングの光硬化の例は、ラベル、レコードジャケット又はブックカバーの無色のワニス塗りである。
本発明の組成物の感光性は、一般的に約200nm〜約600nm(UV領域)の範囲である。適切な放射線は、例えば、日光、又は人工光源からの光に存在する。したがって使用される光源には、非常に広範囲の種類が数多く含まれる。点光源及び配列(ランプカーペット)の両方が適切である。例は、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、中圧、高圧及び低圧水銀灯、可能であれば金属ハロゲン化物でドープされているもの(金属ハロゲンランプ)、マイクロ波励起金属蒸気ランプ、エキシマーランプ、超化学線蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、懐中電灯、写真用投光ランプ、発光ダイオード(LED)、電子線及びX線である。ランプと曝露される基材との距離は、意図される用途並びにランプの種類及び出力に応じて変更され、例えば、2cm〜150cmである。特に適切なものは、レーザー光源、例えば、248nmで照射するKrypton Fレーザーのようなエキシマーレーザーである。可視領域のレーザーも使用される。
既に記述したように、本発明の方法における硬化は、電磁放射線に曝露するだけで実施してよい。しかし、硬化される配合物の組成に応じて、放射線曝露の前、間又は後での熱硬化が適切である。
熱硬化は、当業者に既知の方法に従って実施される。硬化は、一般的に、オーブン、例えば、強制通風炉において、ホットプレート上で、又はIRランプを使用する照射により実施される。使用される結合剤系次第では、助剤を用いない室温での硬化も同様に可能である。硬化温度は、一般的に室温から150℃、例えば、25〜150℃又は50〜150℃である。粉末コーティング材又はコイルコーティング材の場合、硬化温度は、高温、例えば、350℃まででもよい。
配合物が熱硬化性成分(C)を含有する場合、本発明に従って、熱乾燥触媒又は硬化触媒を、追加の添加剤(D)として配合物に添加することも更に可能である。考えられる乾燥触媒又は熱硬化触媒の例は、有機金属化合物、アミン及び/又はホスフィンである。有機金属化合物は、例えば、金属カルボン酸塩、特に金属Pb、Mn、Co、Zn、Hf、Zr若しくはCuのもの、又は金属キレート、特に、金属Al、Hf、Ti若しくはZrのもの、又は有機スズ化合物のような有機金属化合物である。金属カルボン酸塩の例は、Pb、Mn若しくはZnのステアリン酸塩、Co、Zn若しくはCuのオクタン酸塩、Mn及びCoのナフテン酸塩又は対応するリノラート若しくはタラートである。金属キレートの例は、アセチルアセトン、エチルアセチルアセタート、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノン又はエチルトリフルオロアセチルアセタートのアルミニウム、チタン又はジルコニウムキレート及びこれらの金属のアルコキシドである。有機スズ化合物の例は、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジラウラート及びジブチルスズジオクトアートである。アミンの例は、特に第三級アミン、例えば、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン又はジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)及びその塩である。更なる例は、トリメチルベンジルアンモニウムクロリドのような第四級アミンである。硬化触媒として、トリフェニルホスフィンのようなホスフィンの使用も可能である。適切な触媒は、例えば、J. Bieleman, Lackadditive [Additives for Coatings], Wiley-VCH Verlag GmbH, Weinheim, 1998, page 244-247にも記載されている。例は、スルホン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸又はジノニルナフタレンジスルホン酸である。例えば、潜又はブロック化スルホン酸を使用することも可能であり、酸のブロッキングはイオノゲン的又は非イオノゲン的であってよい。
そのような触媒は、当業者に既知であり、当該技術で慣用の濃度で使用される。
本発明は、また、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個含有する不揮発性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の重合方法であって、上記記載の組成物を200〜600nmの範囲で電磁放射線に曝露することを含む方法を提供する。
本発明は、更に、上記記載の組成物の使用、並びに着色及び非着色塗料とワニス、粉末コーティング材、ゲルコーティング材、複合材料又はガラスファイバーケーブルコーティング材の製造方法を提供する。
本発明は、同様に、上記記載の組成物により少なくとも1面をコーティングされているコーティング基材を提供する。
下記の実施例は本発明を例示しているが、本発明がこの実施例に限定されるいかなる意図も示さない。記載の残りの部分及び請求項において、部及び%は、特記のない限り重量部及び重量%である。異性体を示していない、炭素原子を3個以上含むアルキル基の参考例は、それぞれの場合、n異性体を言及すると理解されるべきである。
実施例
実施例1:
下記の調製
Figure 2005517022
式(Ic)〔式中、
Yはエチルであり;
a及びRbは、フェニレンであり;
X及びX1は、U−C7ビシクロアルキレン−C2アルキレン(ここで、U=−CH2−COO−である)であり;
3は、式(III)(式中、n=2であり、m=0であり、p=8であり、G1、G2,、R15、R17及びR18は、メチルである)の基である〕で示される化合物。
トルエン中の2当量の4−カルボキシメチル−フェニルオキソエチルアセタート及び1当量のα−ω−ビス−(2−ノルボルネニル)エチル−ポリシロキサン(Macromol. Sci., Pure Appl. Chem. (1996) A33(4) 439-457に記載のWacker社製品)の混合物を、酸の存在下、還流下で加熱した。
実施例2
Figure 2005517022
式(Ic)〔式中、
Yはエチルであり;
a及びRbは、フェニレンであり;
X及びX1は、−(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−(ここで、c=1であり、b=3であり、a=1であり、c=1である)であり;
3は、式(III)(式中、n=2であり、m=0であり、p=7であり、G1、G2、R15、R17及びR18は、メチルである)の基である〕で示される化合物。
トルエン中の2当量の4−カルボキシメチル−フェニルオキソエチルアセタート及び1当量のα,ω−グリシジル改質ポリシロキサン(DE 41 28 894 A1に記載のWacker社製品)の混合物を、酸の存在下、還流下で加熱した。
適用例1
ポリウレタンアクリラートに基づく明澄なUV硬化系を、下記を混合して調製した:
二官能価ウレタンアクリラート(Actilan(登録商標)200、Akcros)50.0部;
トリプロピレングリコールジアクリラート(SR 306、Cray Valley)25.0部;
トリメチロールプロパントリアクリラートTMPTA(UCB)15.0部;
ジペンタエリトリトールペンタアクリラート(SR 399, Cray Valley)10.0部。
2%の光開始剤を加えて、サンプルを調製した。
混合物を白色チップボードパネルに塗布し、ベルト速度3m/minでUV処理装置(2×80W/cm)を使用して照射した。約50μmの厚さの不粘着性乾燥膜を得た。

Claims (10)

  1. 式(Ia)、(Ib)又は(Ic):
    Figure 2005517022

    〔式中、
    R、R1及びR2は、互いに独立して式(II):
    Figure 2005517022

    の基であるか、
    或いは
    R、R1及びR2は、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基(基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環基は、非置換又はA−X−、A1−X1−、A2−X2−、C1〜C8アルキル、フェニル、OR8、SR9及び/若しくはNR1011で置換されており、ここで置換基OR8、SR9及びNR1011は、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して、ナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の又は複素環の更なる置換基と、或いはナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の炭素原子のうちの1個と、或いは複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
    但し、少なくとも1個の置換基A−X−、A1−X1−又はA2−X2−が、基Rに、又は基R1若しくはR2のうちの少なくとも1個に存在し;
    3、R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、A2−X2−;非置換C1〜C12アルキル又はOH、C1〜C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC1〜C12アルキル;又は1個以上の酸素原子で不連続に中断されているC2〜C12アルキルであるか;或いは
    3、R4、R5、R6及びR7は、ハロゲン、OR8、SR9、NR1011、非置換又はC1〜C4アルキル−及び/若しくはC1〜C4アルコキシ置換フェニル(ここで置換基OR8、SR9、NR1011は、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して、フェニル環の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
    但し、少なくとも1個の基R3、R4、R5、R6又はR7が、A−X−、A1−X1−又はA2−X2−であり;
    8及びR9は、互いに独立して、水素;非置換C1〜C12アルキル又はOH、C1〜C4アルコキシ、フェニル、フェノキシ及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC1〜C12アルキル;又は1個以上の酸素原子で不連続に中断されているC2〜C12アルキル;又は非置換フェニル、C3〜C6アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはナフチル;又はC1〜C4アルコキシ−、フェニル−及び/若しくはC1〜C4アルキル置換フェニル、C3〜C6アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はナフチルであり;
    10及びR11は、互いに独立して、水素;非置換C1〜C12アルキル又はOH、C1〜C4アルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されているC1〜C12アルキル;又は1個以上の酸素原子で不連続に中断されているC2〜C12アルキル;又はフェニル、−(CO)R12若しくはSO213であるか;或いはR10及びR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員若しくは7員環(それは、非中断又は−O−若しくは−NR14−で中断されている)を形成し;
    12は、C1〜C8アルキル;非置換フェニル又はC1〜C4アルキル及び/若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルであり;
    13は、C1〜C12アルキル、非置換フェニル又はC1〜C4アルキルで置換されているフェニルであり;
    14は、水素;非置換C1〜C8アルキル;OH若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているC1〜C8アルキル;非置換フェニル;又はOH、C1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルであり;
    a及びRbは、互いに独立してフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又は二価複素環式基(これらの基は、非置換又はA−X−、A1−X1−、A2−X2−、C1−C8アルキル、フェニル、OR8、SR9及び/若しくはNR1011で置換されており、ここで置換基OR8、SR9及びNR1011は、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の又は二価複素環の更なる置換基と、又はナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の又は二価複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
    A、A1及びA2は、互いに独立して、式(III):
    Figure 2005517022

    (式中、単位(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)及び/又は(IIIc):
    Figure 2005517022

    は、ランダム又はブロックで配置され、ここで円は、上記と同義の芳香族基R又はR1が二価基であり、ブリッジX又はX1を介して、対応するシリル基で置換されていることを示すことを意図する)の界面活性基であり;
    nは、1〜1000又はシロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、0.1〜1000の数であり;
    mは、0〜100の数であり;
    pは、0〜10000の数であり;
    3は、式(III)(式中、nは2〜1000である)の基であり;
    1は、C1〜C18アルキル又は下記式:
    Figure 2005517022

    の基であり;
    2は、C1〜C18アルキル又は下記式:
    Figure 2005517022

    の基
    (但し、G2=アルキルの場合、基G2は、酸素ブリッジなしでケイ素原子に直接結合する)であり;
    15、R16、R17、R19、R20、R21、R22、R23及びR24は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、フェニル、C2〜C6ヒドロキシアルキル、C2〜C6アミノアルキル又はC5〜C8シクロアルキルであり;
    18は、非置換C1〜C18アルキル、C5〜C8シクロアルキル;又はヒドロキシ、C1〜C12アルコキシ、ハロゲン、C3〜C8シクロアルキル及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているC1〜C18アルキル;又は非置換フェニル又はC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているフェニルであり;
    X、X1及びX2は、互いに独立して、−U−C3〜C12シクロアルキレン、−U−C6〜C12ビシクロアルキレン、U−C3〜C12シクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、U−C6〜C12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン;
    1個以上のC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されている−U−C1〜C10アルキレン、
    1個以上の−O−原子及びC3〜C12シクロアルキレン、−U−C3〜C12シクロアルキレン、C6〜C12ビシクロアルキレン及び/若しくは−U−C6〜C12ビシクロアルキレンにより不連続に中断されている−U−C1〜C10アルキレンであるか;又は下記:
    Figure 2005517022

    若しくは−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−若しくは
    −(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−であり;
    Uは、U′又はU″であり;
    U′は、−COO−、−(CH2aCOO−であり;
    U″は、−Si(CH3)(CH3)−又は−(CH2a−Si(CH3)(CH3)−であり;
    aは、1〜10の数であり;
    b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であり;
    Yは、水素;非置換C1〜C20アルキル又は基A−Xで置換されているC1〜C20アルキル;非置換C2〜C18アルケニル又は基A−Xで置換されているC2〜C18アルケニル;非置換C2〜C18アルキニル又は基A−Xで置換されているC2〜C18アルキニルであるか;或いはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び所望であれば更に基A−X−で置換されているC1〜C4アルキルであるか;或いはYは、それぞれのグリオキサル酸の塩基であり;
    1は、非置換C1〜C12アルキレン又は基A1−X1−で置換されているC1〜C12アルキレン;非置換C4〜C8アルケニレン又は基A1−X1−で置換されているC4〜C8アルケニレン;非置換C4〜C8アルキニレン又は基A1−X1−で置換されているC4〜C8アルキニレン;非置換シクロヘキシレン又は基A1−X1−で置換されているシクロヘキシレン;−O−、−S−又は−NR25−(R25は、水素、C1〜C12アルキル若しくはフェニルである)で1回以上中断され、非置換又は基A1−X1−で置換されているC4〜C40アルキレンであるか;或いはY1は、式(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV):
    Figure 2005517022

    の基である(ここで、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV)の基は、非置換又は基A1−X1−で置換されており、そして式(VII)において、Y2は、式(VII)を除いてY1であるか、又はY2は、式(V):
    Figure 2005517022

    の化合物であり、式(XI)において、R26は、水素、CH2OH又はC1〜C4アルキルであり、そしてRは上記と同義であり、式(XV)において、Wは、C1〜C10アルキレンである)〕で示される化合物。
  2. R、R1及びR2が、互いに独立して上記で示された式(II)の基であり;
    3、R4、R5、R6及びR7が、互いに独立して水素又はA−X−、A1−X1−若しくはA2−X2−であり;
    但し、少なくとも1個の基R3、R4、R5、R6又はR7が、A−X−、A1−X1−又はA2−X2−であり;
    a及びRbがフェニレンであり;
    A、A1及びA2が、互いに独立して、請求項1で定義された式(III)の界面活性基であり;
    nが、整数1〜100であり;
    mが、0であり;
    pが、整数1〜25であり;
    3が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有する)の基であり;
    1が、メチル又は−O−Si(R19、R20、R21)であり;
    2が、メチル又は−Si(R22、R23、R24)(但し、G2がメチルの場合、基G2は、酸素ブリッジなしでケイ素原子に直接結合する)であり;
    15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24が、互いに独立して、C1〜C4アルキル又はフェニルであり;
    X、X1及びX2が、−U−C6-12ビシクロアルキレン、又はU−C6-12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、又は
    −(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−又は
    −(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−であり;
    Uが、−COO−、−(CH2aCOO−であり;
    aが1〜3の数であり、
    b及びcが、0〜3の数であり;
    Yが非置換C1〜C20アルキルであり;
    1が、−O−で1回以上中断されている非置換C1〜C12アルキレンであるか;又はY1が非置換フェニレンであるか;又は Y1が、上記で示された式(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基であり;
    2が、式(VII)を除いてY1であるか、又はY2が式(V)の基である、
    請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で示される化合物。
  3. a及びRbがフェニレンであり;
    3が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有し、mは0であり、そしてpは整数1〜25である)の基であり;
    1が、メチル又は−O−Si(CH33であり;
    2が、メチル又は−Si(CH33(但し、G2がメチルの場合、基G2は、酸素ブリッジなしでケイ素原子に直接結合する)であり;
    15、R16、R17、R18が、メチルであり;
    X及びX1が、U−C6-12ビシクロアルキレン−C1〜C6アルキレン、又は
    −(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2b−又は
    −(CH2b−O−(CH2a−CH(OH)−CH2−O−CO−(CH2c−であり;
    Uが、−(CH2aCOO−であり;
    aが1〜3の数であり;
    b及びcが、0〜3の数であり;
    Yが、非置換C1〜C20アルキルである、
    請求項1記載の式(Ic)で示される化合物。
  4. (A)少なくとも1個のエチレン性不飽和フリーラジカル光重合性化合物と、
    (B)少なくとも1個の請求項1〜3のいずれか1項記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で示される界面活性光開始剤と、
    を含む組成物。
  5. (A)少なくとも1個のエチレン性不飽和フリーラジカル光重合性化合物と、
    (B)少なくとも1個の請求項1〜3のいずれか1項記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で示される界面活性光開始剤と、
    (C)少なくとも1個の熱架橋性化合物、及び任意の更なる添加剤(D)及び/又は追加の光開始剤(E)と、
    を含む組成物。
  6. 安定した引掻き抵抗性表面を有するコーティングを製造する方法であって、
    (1)
    (A)エチレン性不飽和重合性化合物と、
    (B)光開始剤とを含む光硬化性配合物を調製し;
    (2)この配合物を基材に適用し;そして
    (3)この配合物を、波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線のみに曝露するか、又は
    波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線に曝露し、かつ電磁放射線に曝露する前、電磁放射線と同時に及び/又は電磁放射線に曝露した後に熱に曝露する、のいずれかにより硬化する方法であり、
    配合物が、光開始剤(B)として、配合物の表面に蓄積する、少なくとも1個の請求項1〜3のいずれか1項記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を含む方法。
  7. 光硬化性配合物が、更なる成分として少なくとも1個の熱架橋性化合物(C)を含み、そして波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線に曝露し、かつ電磁放射線に曝露する前、電磁放射線と同時に及び/又は電磁放射線に曝露した後に熱に曝露することにより硬化される、請求項6記載の方法。
  8. 着色及び非着色塗料とワニス、粉末コーティング材、ゲルコーティング材、複合材料又はガラス繊維ケーブルコーティング材を調製する、請求項6記載の方法。
  9. エチレン性不飽和光重合性化合物を含むコーティングの表面に光開始剤を蓄積させる方法であって、請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を、エチレン性不飽和光重合性化合物を含む光重合性混合物に添加することを含む方法。
  10. エチレン性不飽和化合物又はそのような化合物を含む混合物の光重合のための界面活性光開始剤としての、請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の化合物の使用。
JP2003566057A 2002-02-04 2003-01-28 界面活性光開始剤 Withdrawn JP2005517022A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP02405070 2002-02-04
PCT/EP2003/000819 WO2003066687A2 (en) 2002-02-04 2003-01-28 Surface-active photoinitiators

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005517022A true JP2005517022A (ja) 2005-06-09
JP2005517022A5 JP2005517022A5 (ja) 2006-03-09

Family

ID=27675788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003566057A Withdrawn JP2005517022A (ja) 2002-02-04 2003-01-28 界面活性光開始剤

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20050119435A1 (ja)
EP (1) EP1487881A2 (ja)
JP (1) JP2005517022A (ja)
AU (1) AU2003208347A1 (ja)
WO (1) WO2003066687A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009041A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Kaneka Corp 硬化性組成物及びその硬化物

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MXPA05012854A (es) * 2003-06-06 2006-02-22 Ciba Sc Holding Ag Novedosos fotoiniciadores de polisiloxano tensioactivos.
US7642296B2 (en) * 2004-04-19 2010-01-05 Ciba Specialty Chemicals Corporation Photoinitiators
JP6010352B2 (ja) 2012-06-07 2016-10-19 株式会社オートネットワーク技術研究所 硬化性増感剤、光硬化材料、硬化物及びワイヤーハーネス材料
DE102014107518A1 (de) * 2014-05-28 2015-12-03 Heraeus Kulzer Gmbh Reaktiver Mikro-Applikator mit Metall enthaltenden Additiven zur Verwendung mit dental Adhäsiven
US9988539B2 (en) * 2015-11-12 2018-06-05 Ricoh Company, Ltd. Active-energy-ray-curable composition, active-energy-ray-curable ink, composition stored container, two-dimensional or three-dimensional image forming apparatus, two-dimensional or three-dimensional image forming method, cured material, and structure
JP7472429B2 (ja) * 2018-12-28 2024-04-23 アイジーエム レシンス イタリア ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ 光開始剤

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4477326A (en) * 1983-06-20 1984-10-16 Loctite Corporation Polyphotoinitiators and compositions thereof
US4534838A (en) * 1984-04-16 1985-08-13 Loctite Corporation Siloxane polyphotoinitiators of the substituted acetophenone type
US4507187A (en) * 1984-04-19 1985-03-26 Loctite Corporation Siloxane photoinitiators with aryoyl formate groups
CA2275667A1 (en) * 1997-01-30 1998-08-06 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Non-volatile phenylglyoxalic esters
DE19913353A1 (de) * 1999-03-24 2000-09-28 Basf Ag Verwendung von Phenylglyoxalsäureestern als Photoinitiatoren
TW557298B (en) * 2000-08-14 2003-10-11 Ciba Sc Holding Ag A compound, a photopolymerizible composition, a process for producing coatings and a method for causing a photoinitiator to accumulate at the surface of coatings
DE60334444D1 (de) * 2002-03-06 2010-11-18 Basf Se Enzymatisches verfahren zur herstellung einer photoinitiatoren enthaltenden organosiliziumgruppe
US7157535B2 (en) * 2002-06-19 2007-01-02 National Starch And Chemical Investment Holding Corporation Polymeric photoinitiators

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009041A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Kaneka Corp 硬化性組成物及びその硬化物
JP4578338B2 (ja) * 2005-06-30 2010-11-10 株式会社カネカ 硬化性組成物及びその硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003066687A2 (en) 2003-08-14
US20050119435A1 (en) 2005-06-02
WO2003066687A3 (en) 2003-12-18
AU2003208347A1 (en) 2003-09-02
EP1487881A2 (en) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4675461B2 (ja) 界面活性光開始剤
JP5068413B2 (ja) 界面活性光開始剤を用いるコーティングの製造方法
US6906113B2 (en) Surface-active photoinitiators
JP4021767B2 (ja) 界面活性光開始剤
US20040033317A1 (en) Surface-active photoinitators
US6929828B2 (en) Surface-active photoinitiators
EP1392779B1 (en) Fluorinated-photoinitiators in dual cure resins
JP4222945B2 (ja) 界面活性シロキサン光開始剤
JP2005517022A (ja) 界面活性光開始剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060117

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060117

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060530