JP2005514335A - 腫瘍イメージング及び治療のためのpacap組成物及び方法 - Google Patents

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Abstract

VPACレセプターを発現する腫瘍は、PACAP又は生物学的に活性なPACAPの断片若しくは類似体を含む化合物で像を生成させ又は治療することができる。

Description

本発明は、一般に、核医学の分野及び分子腫瘍イメージング又は治療剤に関係し、一層詳細には、VPACレセプターを発現する腫瘍のイメージング及び治療のための放射性標識した薬剤に関係する。
癌は、毎年数百万人の生命を奪っている手ごわい細胞増殖性疾患である。乳癌だけでも、米国内で、年に50,000人を超える女性が苦しんでいる。乳癌は、伝統的に、超音波、MRI又はマンモグラフィーにより検出され、その後、組織学を行ない、外科的切除とその後の化学療法及び/又は放射線療法が行われる。乳癌(及び他の癌)の死亡率は、腫瘍の早期の診断と治療によって減少させることができる(Kelsey JL, Epidemiol.1: 74-109, 1989)。腫瘍の早期の検出に有効な方法は、腫瘍特異的な放射性イメージング剤を用いるシンチグラフィーイメージングである。
多くの放射性腫瘍イメージング剤が乳癌の検出のために用いられてきたが、成功の程度は変動する。例えば、レセプター特異的な生物分子(例えば、ニューロペプチド)は、ナノモルの濃度でレセプターに結合し、治療及び診断の両分野で相当の関心が寄せられてきた(Fischman AJ 等、J.Nucl.Med.34:2253-2263, 1993;Hokfelt T Neuron 7:867-879, 1991)。
しかしながら、唯一の市販のニューロペプチドイメージング剤111In−[DTPA−D−Phe1]オクトレオチドは、乳癌の検出において十分に上首尾のものではなかった(van Eijck CHJ等、Lancet 343: 640-643, 1994;McCready VR等、Lancet 343: 617, 1994)。van Eijck等(前出)は、この薬剤を用いた場合、52の原発性乳癌の内、75%のシンチグラフィー陽性しか達成されなかったことを報告している。その上更に、van Eijck等は、111In−[DTPA−D−Phe1]オクトレオチドを用いた腋窩のイメージングが、触診できない癌を含むリンパ節を、組織学的に判明した転移を有する13人の患者の内の4人しか検出しなかったことを示した。乳癌のイメージングに関する111In−[DTPA−D−Phe1]オクトレオチドの低い効率は、乳癌細胞で発現されるこの薬剤に特異的なオンコジーンレセプターの低い密度に帰するものである。それ故、乳癌のイメージングに対する111In−[DTPA−D−Phe1]オクトレオチドの有用性は、限られたものである。
123I−Tyr3−オクトレオチドも又、放射性診断イメージングに用いられてきたが、この薬剤は、乳癌のイメージングのための評価はされていない(Krenning EP等、Eur.J.Nucl.Med.20:716-731,1993)。しかしながら、111In−[DTPA−D−Phe1]オクトレオチドの乳癌を映す乏しい能力に基づいて、123I−Tyr3−オクトレオチドは、有用な乳癌イメージング剤であることは期待されていない。
何れにしても、放射性ヨウ化剤は、一般に、臨床現場では認可された放射性ヨウ化治療剤を順当に調製できないので、イメージング剤又は治療剤としての利用には望ましいものではない。放射性ヨウ化剤は、特別な制限も有する;例えば、125I標識した薬剤は、典型的には、比較的半減期が長くて(約59日)放射性核種の放射エネルギーが低いので、イメージング用途に用いられない。123I標識した薬剤は、123Iがサイクロトロンで生成される放射性核種であって製造するのが高価であり且つこの放射性核種は商業的に有用であるには半減期が短過ぎる(13.3時間)ので好適でない。131I標識した薬剤は、良質のシンチグラフィーイメージングのためには高過ぎる放射エネルギーを有している。
テクネチウム−99m(99mTc)は、140KeVでガンマー線を放射し、6時間の物理的半減期を有し且つモリブデン−99/99mTc生成機を用いて現場で容易に生成できるので、診断用イメージング剤において広く用いられている。99mTcの一層短い半減期は、正常な器官への放射線量を最少にし、その放射エネルギーは、ガンマーカメラによる効率的な検出を可能にする。それ故、99mTcは、臨床核医学応用で選択される放射性核種のほぼ90%を占めている。
イメージング剤は、典型的には、金属キレート化部分を介して99mTcで標識する。この99mTc金属キレート化部分は又、一般に、186Re及び188Reなどの治療用放射性核種と錯体形成することもできる。それ故、キレート化剤を含む単一の薬剤は、有利には、診断剤又は治療剤として利用されうる(それに依存して、放射性核種が用いられる)。
M. Thakur のU.S.6,395,255号は、血管作用性腸ポリペプチド(VIP)ベースの薬剤を99mTcキレート化剤を用いて標識する方法を開示している。U.S.6,395,255号に開示されているキレート化剤及び標識化学は、VIP剤を99mTc又はレニウム放射性核種で標識するのには適している。しかしながら、U.S.6,395,255号に開示されたVIP剤は、VIPレセプターを発現している腫瘍細胞にしか結合しない。ある種の腫瘍は他の型のレセプターを高濃度で発現するので、これらの腫瘍細胞により発現される一層広範囲のレセプターに結合できるイメージング剤又は治療剤は有利である。
下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)は、最初にウシの視床下部から単離された38アミノ酸よりなるペプチドである(Miyata A等、Biochem.Biophys Res.Commun.164:567-574, 1989)。このペプチドは、下垂体前葉細胞の単層培養において細胞内及び細胞外cAMPの蓄積を刺激する(Gottschall PE等、Endocrinology 127:272-277,1990)。Gottschall等、1990, 前出は、27アミノ酸のPACAP(PACAP27)をウシの下垂体から単離し、PACAP38とPACAP27が同等に活性であって、これらが単一の176アミノ酸前駆体に由来するということを決定した。
PACAP27は、下垂体細胞におけるアデニレートシクラーゼの刺激において、28アミノ酸の血管作用性小腸ペプチドVIP28の10倍強力である(Gottschall等、1990, 前出)。125I−PACAP27は又、正常な肺の膜に結合したVIP28を置換することもできる。VIP28に対するIC50値は、約15nMであり、PACAP27に対するIC50値は、約1.5nMである。
PACAP27は、PACAP、VIP−R1及びVIP−R2レセプターに対して高い親和性で結合するが、VIP28は、VIP−R1及びVIP−R2レセプターに対してのみ高い親和性で結合する(Zia F等、Cancer.Res.55:4886-4891, 1995)。これらのPACAP、VIP−R1及びVIP−R2レセプター{集合的に、VPACレセプターと呼ばれる(Reubi JC, J.Nucl.Med.36:1846-1853, 1995;Reubi JC等、Cancer Res.60:1305-1312, 2000)}は、乳癌(Zia H等、Cancer Res.56:3486-3489, 1996)及び他の腫瘍細胞(Harmar T等、TiPs 15:97-98, 10 1994;Reubi JC等、Eur.J.Nucl.Med.24:1058, 1997;Le Meuth V等、Amer.J.Physiol.260:G265-74, 1991;Basille M等、Brain Res.82:1-2, 1994;Vertrongen P等、Neuropeptides 30:491-496, 1996;Olianas MC等、J.Neurochem.67:1292-1300, 1996;Lelievre V等、Neuropeptides 30:313-322, 1996;及びParkman HP等、Regulatory Peptides 71:185-190, 1998)において高濃度で発現される。例えば、VPACレセプターを発現する腫瘍(乳癌以外)には、卵巣癌、子宮内膜腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、食道癌、大腸癌、膵臓癌、神経内分泌系腫瘍及び脳腫瘍が含まれる。
しかしながら、PACAPを用いる標的を定めた放射性医薬品の生成は僅かしか成功していない。例えば、N末端においてDTPAに結合されたPACAP27の生物学的活性が、100から0.01未満に減じたことを示したReubi JC等、Eur.J.Nucl.Med.24:1058, 1997を参照されたい。
それ故、必要なものは、ある種の腫瘍細胞に存在する一種以上のレセプターに高い親和性で結合するPACAPなどのレセプター特異的生体分子に基づく放射性の腫瘍イメージング剤又は治療剤である。これらのイメージング剤又は治療剤は、理想的には、金属キレート化剤によって診断用又は治療用放射性核種で標識されるべきである。
発明の概要
本発明は、PACAP、VIP−R1及びVIP−R2レセプターを発現する乳癌その他の腫瘍のイメージング又は治療のための放射性標識されたPACAP並びに生物学的に活性なPACAPの断片及び類似体の利用に向けられている。PACAP、VIP−R1及びVIP−R2レセプターは、以後、集合的に、「VPACレセプター」と呼ぶこととする。
従って、本発明は、VPACレセプターを発現する腫瘍を検出する方法であって、有効量の式A又はBのイメージング用化合物をかかる腫瘍を有し又は有すると疑われる患者に投与することを含む当該方法を提供する。このイメージング用化合物の投与後に、患者の身体の少なくとも部分のシンチグラフィーイメージを生成させる。式A及びBは、下記の通りである
(A) M(I)−X1−P−X2
(B) X1−P−X2−M(I)。
(各式A及びB中:
Mは、キレート化剤であり
(I)は、Mに結合体化されたイメージング用放射性核種であり;
1は、0から20個の天然の又は合成のアミノ酸であり;
Pは、PACAP又はその類似体若しくは断片であり;そして
2は、0から20個の天然の又は合成のアミノ酸である。)
この発明は又、VCAPを発現する腫瘍の成長を、かかる腫瘍を有する患者において阻止し又は逆行させる方法であって、有効量の式C又はDの治療用化合物をかかる腫瘍を有し又は有すると疑われる患者に投与することを含む当該方法をも提供する。式C及びDは次の通りである
(C) M(T)−X1−P−X2
(D) X1−P−X2−M(T)。
(各式C及びD中:
Mは、キレート化剤であり
(T)は、Mに結合体化された治療用放射性核種であり;
1は、0〜20個の天然の又は合成のアミノ酸であり;
Pは、PACAP又はその類似体若しくは断片であり;そして
2は、0〜20個の天然の又は合成のアミノ酸である。)
図面の簡単な説明
図1A及び1Bは、それぞれ、MAG3及びGly−(D)Ala−Gly−Glyの構造表示である。MAG3において、R1=R2=R3=R4=Hである。テトラペプチドにおいては、R1=R2=R4=Hであり、そしてR3=CH3である。
図2は、99mTc−TP3475(この発明のイメージング剤)の製法及び標識の概略図である。
図3は、99mTc−TP3475のHPLCの溶出プロフィルである。100%の放射能が、保持時間(Rt)12.5分にて、単一ピークで溶出する。TP3475(U.V.)についてのRtも又、12.5分である。このクロマトグラムにおいて、U.V.ピークは、注入されたTP3475の量が0.01μg未満であったので、検出可能でない。遊離の99mTcは、Rt3.2分で溶出する。X軸は、溶出時間(分)である。斜線は、勾配組成を表している。
図4は、99mTc−TP3475の構造を表した概略図である。
図5は、PACAP27及びPACAP類似体TP3475の増大する濃度の、休止しているフクロネズミの内部肛門括約(IAS)平滑筋張力に対する効果を示すプロットである。このデータは、10-5Mの濃度で、IAS張力の低下%は、PACAP27及びTP3475の両者について等しかったことを示している。
略号
Aba − 4−アミノ酪酸
ADP − アデノシン5’−二リン酸
cAMP − 環状アデノシン一リン酸
CPTA − [4−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデク−1−イル)メチル]安息香酸
HT−29 − ヒト結腸直腸癌細胞株
IC50 − 50%阻害濃度
%ID/g − 組織1g当たりの注入された投与量パーセント
Kd − 解離定数
LS174T − ヒト結腸直腸癌細胞株
mCi − ミリキュリー
MAG3 − [N−[N[N−(ベンジルチオ)アセチル]グリシル]グリシル]グリシン
MD MB231 − エストロゲン非依存性ヒト乳癌細胞株
PACAP − 下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド
RIA − ラジオイムノアッセイ
Rt − 保持時間
T47D − エストロゲン依存性ヒト乳癌細胞株
TFA − トリフルオロ酢酸
VIP − 血管活性腸管ペプチド
アミノ酸略号
本発明のペプチド化合物を記載するのに用いる命名法は、アミノ基が各アミノ酸残基の左側に与えられカルボキシ基が各アミノ酸残基の右側に与えられるという慣例に従うものである。本発明の選択した特定の具体例を表す式において、アミノ及びカルボキシ末端基は、特に示さなくても、別途示さないかぎり、生理的pH値にあると仮定した場合の形態にあると理解されよう。アミノ酸構造式において、各残基は、一般に、下記の一覧表に合致するアミノ酸の慣用名に対応する一文字表示又は三文字表示によって表される。
Figure 2005514335
定義
「アミノ酸」なる表現は、ここで用いる場合、天然及び合成のアミノ酸の両者並びにDアミノ酸及びLアミノ酸の両者を包含することを意味する。「標準アミノ酸」は、天然のペプチド中に一般に見出される20種類の標準的なL−アミノ酸の何れかを意味する。「非標準アミノ酸」は、それが合成により生成されたか天然起源から得られたかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を意味する。ここで用いる場合、「合成のアミノ酸」は又、化学的に改変されたアミノ酸をも包含し、塩、アミノ酸誘導体(例えば、アミド)及び置換を包含するがこれらに限らない。本発明のペプチドに(特に、カルボキシ末端又はアミノ末端に)含まれるアミノ酸は、メチル化、アミド化、アセチル化、又は他の化学基による置換(ペプチドの循環半減期をそれらの生物学的活性に悪影響を及ぼさずに変えうるもの)によって改変されうる。加えて、ジスルフィド結合は、この発明のペプチド中に存在してもしなくてもよい。
アミノ酸は、下記の一般的構造を有している:
Figure 2005514335
アミノ酸は、側鎖R:(1)脂肪族側鎖、(2)ヒドロキシル(OH)基を含む側鎖、(3)硫黄原子を含む側鎖、(4)酸又はアミド基を含む側鎖、(5)塩基性基を含む側鎖、(6)芳香族環を含む側鎖、及び(7)プロリン(側鎖がアミノ基と融合しているイミノ酸)に基づいて7つのグループに分類される。
「PACAPの生物学的活性」を有する化合物は、アデニリルシクラーゼ活性を少なくとも約10倍刺激するか、又は核のオンコジーンの発現を少なくとも約10倍増大させる化合物を意味する(後記の実施例3に記載したアッセイにより、エストロゲン非依存性(MDA MB231)又はエストロゲン依存性(T47D)ヒト乳癌細胞における同量のVIP28と比べて)。
「単離された」は、ヒトの活動により、天然状態から変化され又は取り出されたことを意味する。例えば、生きた動物中に自然に存在している核酸配列又はペプチドは、「単離されて」いないが、天然状態で共存する物質から部分的に又は完全に分離された同じ核酸又はペプチドは「単離されている」。単離された核酸配列又はタンパク質は、実質的に精製された形態で存在してよいし、又は例えば宿主細胞のような非天然環境に存在してもよい。
ここで用いる場合、ペプチドの末端アミノ基に関する「保護基」は、ペプチド合成において伝統的に採用されている様々なアミノ末端保護基の何れかを意味する。かかる保護基には、例えば、アシル保護基例えばホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、スクシニル基及びメトキシスクシニル基;芳香族ウレタン保護基例えばベンジルオキシカルボニル基;及び脂肪族ウレタン保護基例えばt−ブトキシカルボニル又はアンダマンチルオキシカルボニル基が含まれる。適当な保護基については、Gross及びMienhofer編、The Peptides, vol.3, pp.3-88(Academic Press, New York, 1981)を参照されたい。
ここで用いる場合、ペプチドの末端カルボキシ基に関する「保護基」は、ペプチド合成において伝統的に採用されている様々なカルボキシル末端保護基の何れかを意味する。かかる保護基には、例えば、末端カルボキシル基にエステル結合又はエーテル結合によって結合されたt−ブチル、ベンジル又は他の許容しうる基が含まれる。
「類似体」は、任意の天然の又は意図的に生成されたPACAP(単一の又は複数のアミノ酸の置換、欠失、付加又は置換によって特徴つけられるが、PACAPの生物学的活性を保持しているもの)を包含する。かかる類似体は、(a)PACAPの一つ以上のアミノ酸残基が保存的又は非保存的アミノ酸によって置換されている類似体;(b)一つ以上のアミノ酸が追加された類似体;(c)一つ以上のアミノ酸が、通常はアミノ酸に存在しない置換基を含む類似体;(d)PACAP又はその部分が他のペプチドと融合している類似体;(e)一つ以上の非標準的アミノ酸残基(即ち、天然のタンパク質中で見出される20種類の標準L−アミノ酸以外のもの)がPACAP配列中に組み込まれ又は代用されている類似体;及び(f)一つ以上の非アミノ酸結合基がPACAPの部分に組み込まれ又は置き換わった類似体を包含する。
「ペプチド」と「タンパク質」は、交換可能に用いられ、ペプチド結合又は改変ペプチド結合(例えば、ペプチド同配体)により共有結合された少なくとも2つのアミノ酸残基よりなる化合物をいう。タンパク質又はペプチドを構成することのできるアミノ酸の最大数に制限は課さない。これらのここに記載の及び添付の請求の範囲に記載のペプチド又はタンパク質を構成するアミノ酸は、Lアミノ酸が言及されていてもD又はLアミノ酸の何れかであると理解される。ここに記載のペプチド又はタンパク質を構成するアミノ酸は又、自然のプロセス例えば翻訳後プロセッシングにより改変され、又は当分野で周知の化学的改変技術によって改変されうる。改変は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖及びアミノ又はカルボキシル末端を含むペプチドの何処においても起きうる。同じ種類の改変が、所定のペプチド中の幾つかの部位において同じ程度又は変化する程度で存在しうるということは理解される。所定のペプチドは、多くの種類の改変を含むこともできる。改変には、アシル化、アセチル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム成分の共有結合、ヌクレオチド若しくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質若しくは脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解過程、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アミノ酸のトランスファーRNA媒介のタンパク質への付加例えばアルギニル化、及びユビキチン化が含まれる。例えば、PROTEIN-STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES, 第2版、T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York, 1993及びWold, F., Posttranslational Protein Modifications: Perspectives and Prospects, p.1-12 (POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS, B.C.Johnson編、Academic Press, New York, 1983);Seifter等、「Analysis for protein modification and nonprotein cofactors」、Meth Enzymol (1990) 182:626-646及びRattan等、「Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging」、Ann NY Acad Sci (1992) 663:48-62を参照されたい(これらの開示を本明細書中に参考として援用する)。
ここで用いる場合、基準タンパク質に対して「実質的に同じアミノ酸配列」を有するペプチド又はペプチドの部分は、基準タンパク質に対して80%を超える同一性又は類似性を有するアミノ酸配列を有するペプチド又はその部分を意味する。好ましくは、配列同一性は、約85%より大きく、一層好ましくは約90%より大きく、特に好ましくは約95%より大きく、最も好ましくは約98%より大きい。ここで用いる場合、基準ペプチドに関する「配列同一性」は、BLAST(basic local alignment search tool) 2.0.14 アルゴリズムを採用したBLASTP及びTBLASTNプログラムを利用することによって計算することができる(かかる計算で使用すべきBLASTP及びTBLASTNのセッティングは、下記の表1に示してある)。アミノ酸配列同一性は、BLASTP及びTBLASTNプログラムによる「同一性」の下で報告されている。アミノ酸配列同一性を計算するための技術は、当業者には周知であり、BLASTアルゴリズムの利用は、Altschul等(1990), J.Mol.Biol.215:403-10及びAltschul等(1997), Nucleic Acids Res.25:3389-3402に記載されている(これらの全開示を参考として本明細書中に援用する)。BLASTP及びTBLASTNプログラムは、BLAST2.0.14アルゴリズムを利用している。
Figure 2005514335
発明の詳細な説明
PACAP又は生物学的に活性なPACAPの類似体若しくは断片を含む腫瘍特異的な診断イメージング用及び治療用化合物は、VPACレセプターを発現する腫瘍の像を得るため又は該腫瘍を治療するために有利に利用される。38アミノ酸又は27アミノ酸形態のPACAPの両者が単離されており、これらは、それぞれ、PACAP38及びPACAP27として公知である。PACAP38の一次アミノ酸配列は、SEQ ID NO:1に与えてある。PACAP27の一次アミノ酸配列は、SEQ ID NO:2に与えてある。PACAP38及びPACAP27は、同じ176アミノ酸のPACAP前駆体タンパク質から得られ、該前駆体の配列は、SEQ ID NO:3に与えてある。ここで用いる場合、用語「PACAP」は、PACAP38(SEQ ID NO:1)、PACAP27(SEQ ID NO:2)及び176アミノ酸のPACAP前駆体タンパク質(SEQ ID NO:3)を包含する。
PACAPは、ウシの視床下部から、公知技術(例えば、Miyata等、Biochem.Biophys,Res.Commun.164:567-574,1989及びGottschall PE等、Endocrinology 127:272-277,1990参照。これらの開示を参考として本明細書中に援用する)によって単離することができる。PACAPは又、生物学的系による合成及び化学的方法による合成を含む任意の公知の手段によって、合成により生成することもできる。
ペプチドの生物学的合成は、当分野では周知であり、PACAP核酸配列をコードする天然の又は合成の遺伝子の転写及び翻訳を含む。これらの核酸を、適当な宿主細胞における増殖及び発現のための適当なプラスミド発現ベクター中にサブクローン化することができる。核酸配列及びプラスミド発現ベクターを構築し、宿主をトランスフェクトして、関心ある核酸配列を発現させる技術は、当分野では広く実施されており、通常の知識を有する実務家は、特定の条件及び手順を記述した標準的リソースマテリアルを熟知している。例えば、組換え分子のクローニング及び発現のための一般的方法は、Sambrook等、Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratories, 1982;及びAusubel, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley and Sons, 1987に記載されている(これらの全開示を参考として本明細書中に援用する)。
PACAPを直接合成するのに適した化学的ペプチド合成技術(手動式及び自動化技術を含む)も又、当業者に周知である。例えば、PACAPは、伝統的な固相合成法を用いて、デノボで合成することができる。かかる方法において、ペプチド鎖は、一連のカップリング反応によって調製され、該反応においては、成分のアミノ酸が成長中のペプチド鎖に所望の順序で加えられる。様々なN−保護基例えばカルボベンジルオキシ基又はt−ブチルオキシカルボニル基;様々なカップリング試薬例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又はカルボニルジイミダゾール;様々な活性エステル例えばN−ヒドロキシフタルイミド又はN−ヒドロキシ−スクシンイミドのエステル;及び様々な開裂用試薬例えばトリフルオロ酢酸(TFA)、ジオキサン中のHCl、ホウ素トリス−(トリフルオロアセテート)及びシアノゲンブロミド;並びに中間体の単離と精製を伴う溶液中での反応の利用は、当業者に周知である。好適な化学的ペプチド合成法は、当業者に周知の伝統的なメリーフィールド固相手順に従う。固相合成手順に関する更なる情報は、Steward及びYoung, Solid Phase Peptide Synthesis, W.H.Freeman & Co., San Francisco, 1969;Advances in Enzymology 32:221-296, (Nold FF, 編), Interscience Publishers, New York, 1969中のMerrifieldによる総説章;及びErikson及びMerrifield (1990), The Proteins 2:61-64を参照することにより得ることができる(これらの全開示を参考として本明細書中に援用する)。
本発明のイメージング剤及び治療剤は又、生物学的に活性なPACAPの断片をも含む。本発明による生物学的に活性なPACAPの断片は、例えば、一層大きな天然若しくは合成のPACAPの化学的若しくは酵素的な断片化により、又は上記のような生物学的若しくは化学的合成によって得ることができる。
本発明のイメージング剤及び治療剤は又、生物学的に活性なPACAPの類似体をも含んでいる。かかる類似体を得るための技術は、当業者に公知であり、例えば、標準的な組換え核酸技術、固相ペプチド合成技術及び化学合成技術(上記)が含まれる。結合基を利用して、PACAP及び他のペプチドの部分を結合し又は置き換えることもできる。結合基には、例えば、PACAPのアミノ末端部分とカルボキシル末端部分を連結することのできる環状化合物が含まれる。類似体を生成するための技術は、米国特許第6,030,942号にも記載されており、その全開示を参考として本明細書中に援用する(類似体は、この6,030,942号特許においては、「ペプトイド」と呼ばれている)。
PACAP類似体は、一部分が実質的にPACAPと同じアミノ酸配列を有する融合ペプチドをも包含する。かかる融合ペプチドは、当分野で周知の技術により、例えば、PACAP及び異質のペプチド配列をコードする核酸配列を同一の発現ベクター中にサブクローン化し、それでPACAP及び異質配列が同一タンパク質中に一緒に発現されるようにすることによって生成することができる。
この発明のイメージング用化合物及び治療用化合物は、PACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体を金属キレート化剤に結合させることによって形成される。ここで用いる場合、「結合された」は、共有結合されたことを意味する。次いで、このキレート化剤をイメージング用又は治療用の放射性核種と結合させる。このキレート化剤は、PACAP又は生物学的に活性なPACAPの断片若しくは類似体と、そのペプチド構造上の、生成した化合物のPACAP生物学的活性を邪魔しない任意の点で結合することができる。好ましくは、このキレート化剤は、PACAP又は生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体と、ペプチドのN又はC末端で結合し、一層好ましくはC末端で結合する。
この発明のイメージング用又は治療用化合物は、好ましくは、PACAP又は生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体のN又はC末端の何れかに対する一種以上の天然又は合成のアミノ酸の「スペーサー」を含む。次いで、キレート化剤を、このスペーサーに結合させることができる。このスペーサーは、放射性核種又はキレート化剤による立体障害を最少にして、このイメージング用又は治療用化合物におけるPACAP生物学的活性を保護するのを助成する。
従って、上記のこの発明のイメージング用化合物についての式A及びB、並びに治療用化合物についての式C及びDにおいて、X1又はX2をMに結合する随意のスペーサーをそれぞれZ1又はZ2として表すことができる。この随意のスペーサーを有する式を以下に与える。
(A) M(I)−Z1−X1−P−X2
(B) X1−P−X2−Z2−M(I)。

(C) M(T)−Z1−X1−P−X2
(D) X1−P−X2−Z2−M(T)。
これらの式中の残りの記号は、発明の概要で上記した通りである。
スペーサーZ1又はZ2は、例えば、1〜20アミノ酸を、好ましくは1〜4アミノ酸を、一層好ましくは1アミノ酸を含むことができる。特に好適なスペーサーは、4−アミノ酪酸(「Aba」としても知られる)を含む。好ましくは、スペーサーとして用いられるAbaは、D−立体配置である。
キレート化剤は、金属イオン又は多原子イオン(例えば、TcO)と錯体形成することのできる様々なキレート化化合物の少なくとも一つの残基を含むことができる。ここで用いる場合、「キレート化剤」は、PACAP、生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体に結合することができ、そして金属原子と結合することのできる電子供与体原子を含有する化合物である。このキレート化剤は、配位結合によって金属原子と結合して、「キレート化錯体」又は「キレート化合物」と呼ばれる環状構造を形成する。
本発明における使用に適しているキレート化剤は、NxSyキレート化化合物を包含する。ここで用いる場合、用語「NxSyキレート化化合物」は、金属放射性核種と配位結合することができて且つPACAP又はその生物学的に活性な類似体若しくは断片に結合することのできるキレート化剤を意味し、これらのキレート化剤は、次の配置のコアを有する:N2S2(例えば、米国特許第4,897,225号;第5,164,176号;又は第5,120,526号に記載の通り);N3(例えば、米国特許第4,965,392号に記載の通り);N2S3(例えば、米国特許第4,988,496号に記載の通り);N2S4(例えば、米国特許第4,988,496号に記載の通り);N3S3(例えば、米国特許第5,075,099号に記載の通り);N4(例えば、米国特許第4,963,688号及び第5,227,474号に記載の通り)又はNS3。好適なNxSyキレート化化合物は、N2S2、N3S又はN4コアを含む。典型的なNxSyキレート化化合物は、Fritzberg等、P.N.A.S.USA 85:4024-29,1988及びWeber等、Bioconj.Chem.1:431-37,1990にも記載されている。本節で確認された雑誌の論文及び米国特許の開示をすべて参考として本明細書中に援用する。
特に好適なN4キレート化剤は、[N−[N[N−(ベンジルチオ)アセチル]グリシル]グリシル]グリシン(メルカプトアセチルトリグリシン又はMAG3としても知られる)及びVanbilloen HP等、Nucl.Med.Biol.22:325-338,1995(全開示を参考として本明細書中に援用する)に記載されたテトラペプチドGly−(D)Ala−Gly−Gly(SEQ ID NO:4)である。Gly−(D)Ala−Gly−Glyは、メルカプト基が一層安定で且つ容易に取り込まれるアミノ基で置き換えられたMAG3の誘導体である。この両N4キレート化剤の構造を図1に示してある。
Gly−(D)Ala−Gly−Glyの配列は、ペプチド合成中に、PACAP又は生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体のN又はC末端、好ましくはC末端に取り込まれうる。この工程は、キレート化剤を別々にペプチドに結合する必要性を排除するので好適であり、該工程は、ペプチド上の官能基をブロックして脱ブロックすること、反応混合物をHPLCにより精製し、そして所望の生成物を質量スペクトル分析によって同定することを含みうる。上記のように、AbaをGly−(D)Ala−Gly−GlyとPACAP又は生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体との間のスペーサーとして利用することができる。Abaは、ペプチド合成中に更なるステップを必要とせずに、PACAP又は生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体に結合することができる。MAG3又はGly−(D)Ala−Gly−Glyキレート化剤を有するペプチド化合物の生成、これらのキレート化剤のAbaを有するペプチドへの結合、及びそれらの結合したキレート化剤のイメージング用又は治療用放射性各種への結合は、米国特許第6,395,255号に記載されており、その全開示を参考として本明細書中に援用する。
NxSyキレート化化合物をタンパク質に結合させる方法は、例えば米国特許第5,175,257号及び第6,171,577号に開示されたように、当分野で公知であり、それらの全開示を参考として本明細書中に援用する。例えば、NxSyキレート化化合物を、PACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体に、化学的に反応性の「結合基」(タンパク質が変性せず悪影響を与えない条件下で反応性)を用いて結合させることができる。この結合基は、キレート化剤から分離し又は該剤と一体化していてよい。一体式結合基を有するキレート化剤は、「二官能性キレート化剤」として公知である。この結合基は、タンパク質上の官能基に対して十分に反応性であり、それで反応は実質的に水溶液中で行なうことができ、例えば、タンパク質が変性しうる高温に加熱することによって強制する必要がない。
適当な結合基の例には、活性エステル、イソチオシアネート、アミン、ヒドラジン、マレイミド又は他のマイケル型アクセプター、チオール、及び活性化ハリドが含まれる。好適な活性エステルのうちには、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、チオフェニルエステル、2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステル、及び2,3,5,6−テトラフルオロチオフェニルエステルがある。後者の3種類の活性エステルは、水溶性を増大させる基をフェニル環のパラ(即ち、4位)又はオルトの位置に含むことができる。かかる基の例は、CO2H、SO3 -、PO3 2-、OPO3 2-、OSO3 -及びN+3であり、ここに、各Rは、H又はアルキル基を表す。
本発明における使用のための他の適当なキレート化剤には、直鎖状、環状及び分枝したポリアミノ−ポリカルボン酸及びそれらのオキシ亜リン酸同等物例えばエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(EDTA);N,N,N’,N'',N''−ジエチレン−トリアミン五酢酸(DTPA);1,4,7,10−テトラアゾシクロドデカン−N,N’N'',N'''−四酢酸(DOTA);1,4,7,10−テトラアゾ−シクロドデカン−N,N’N''−三酢酸(DO3A);1−オキサ−4,7,10−トリアザシクロドデカン−N,N’N''−三酢酸(OTTA);トランス(1,2)−シクロヘキサノジエチレン−トリアミン−五酢酸(CDTPA);1−オキサ−4,7,10−トリアザシクロドデカン三酢酸(DOXA);1,4,7−トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA);及び1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン四酢酸(TETA)が含まれる。
かかるキレート化剤は、当分野で公知の任意の適当な方法によってPACAPに結合させることができる。例えば、キレート化剤は、PACAP上のアミン、チオール又はヒドロキシ基とエステル、アミドチオエステル又はチオアミド結合を形成することのできる金属配位原子団の一つによってPACAPに結合させることができる。或は、キレート化剤を、キレート化剤に直接結合している官能基(例えば、Meares等、JACS 110:6266-6267に記載された、DOTAの環の炭素に結合したCH2−フェニル−NCS基、その全開示を参考として本明細書中に援用する)によってPACAPに結合させることができる。このキレート化剤は又、ホモまたはヘテロ二官能性リンカー(例えば、ビスアミン、ビスエポキシド、ジオール、二酸、又は二官能化PEG)によって直接PACAPに結合させることもできる。上記のように、一体化結合基を有するキレート化剤は、「二官能性キレート化剤」として公知である。好ましくは、ポリアミノ−ポリカルボン酸キレート化剤をPACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体に該ペプチドのC末端で結合させる。
PACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体に結合されたキレート化剤のイメージング用又は治療用放射性核種を用いる適当なメタレーション法は、例えば、米国特許第5,175,257号及び6,171,577号(その全開示を参考として本明細書中に援用する)に記載されたような当業者の技能内にある。例えば、イメージング用又は治療用放射性核種を、この発明の化合物に、直接組込み、テンプレート合成及び/又はトランスメタレーションによって組み込むことができる。直接組込みが、好適である。
直接組込みのためには、イメージング用又は治療用放射性核種は、キレート化剤によって容易に(例えば、キレート化剤含有化合物の水溶液を水溶液中の金属塩に単にさらすか混合するだけで)錯体化されなければならない。この金属塩は、任意の塩であってよいが、好ましくは、ハロゲン塩などの金属の水溶性の塩である。一層好ましくは、かかる塩は、金属イオンのキレート化剤との結合を邪魔しないように選択される。このキレート化剤含有化合物は、緩衝用塩例えばクエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩及び/又はホウ酸塩と混合して、直接組込みのための最適pHにすることができる。
イメージング目的のためには、イメージング用放射性核種を、99mTc;87Y;67Ga;64Cu;及び111Inから選択する。好適なイメージング用放射性核種は、99mTcである。PACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体及びイメージング用放射性核種を含むこの発明の化合物は、「イメージング用化合物」である。
治療目的のためには、「治療用放射性核種」を、47Sc、64Cu、67Cu、67Ga、212Pb、68Ga、90Y、111In、153Sm、212Bi、210At、211At、177Lu、186Re及び188Reから選択する。好適な治療用放射性核種は、90Y、186Re及び188Reである。PACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体及び治療用放射性核種を含むこの発明の化合物は、「治療用化合物」である。
この発明のイメージング用化合物を用いて、VPACを発現する腫瘍を、かかる腫瘍を有し又は有することが疑われる患者において検出することができる。ここで用いる場合、「患者」は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を包含する。非ヒト哺乳動物には、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ及びゲッ歯類(例えば、ラット、マウス、モルモット及びウサギ)が含まれる。VPACレセプターを発現する腫瘍には、肺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆道癌、大腸癌、直腸癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌及び甲状腺癌;扁平上皮細胞癌;腺癌;小細胞癌;メラノーマ及び脳腫瘍例えばグリオーマ及び神経芽細胞腫が含まれる。
この発明の実施において、有効量のPACAP又は生物学的に活性なその断片若しくは類似体を含むイメージング用化合物を、患者に、任意の適当な腸内又は腸管外投与経路によって投与する。腸管外投与が好適である。
適当な腸管外投与法には、血管内投与(例えば、静脈内ボーラス注射、静脈点滴、動脈内ボーラス注射、動脈点滴及び血管系へのカテーテル点滴注入法);組織周囲及び組織内注射(例えば、腫瘍周囲及び腫瘍内注入);皮下注射又は皮下点滴を含む皮下デポジション(例えば、浸透ポンプによる);及び例えばカテーテル又は他の配置デバイス(例えば、坐薬又は多孔性、非多孔性若しくはゼラチン状の物質、シアラスティック膜若しくは繊維を含むインプラント)による腫瘍又は腫瘍を囲む組織への直接適用が含まれる。皮下注射又は点滴を腫瘍又は腫瘍が疑われる部位の近くにすることは、特にその腫瘍又は腫瘍が疑われる部位が皮膚又は皮膚の近くにあるならば好適である。このイメージング用化合物は、好ましくは、血管内注射によって、一単位投与量で、例えば慣用の注射用媒質例えば等張塩溶液、血漿又は生物学的に適合性の等張緩衝液(例えば、リン酸塩、Hepes又はTyrode緩衝液)にて投与する。
血管内に注入した場合、本発明のイメージング用化合物は、容易に管外に遊出して固形癌内へ到達して、腫瘍細胞間のタイトジャンクション、繊維状間質、間質性圧力勾配、及び結合部位バリヤーの存在にもかかわらず、その腫瘍塊中に比較的均一に分布する。同様に、腫瘍周囲又は腫瘍中に投与されたこの発明のイメージング用化合物は、容易に腫瘍塊中に分布する。
ここで用いる場合、この発明のイメージング用化合物の「有効量」は、患者におけるPACAP又はVPACを発現する腫瘍のシンチグラフィーイメージを生成するのに十分な量である。イメージング用化合物の有効量は、慣用的に、放射能例えばmCiによって表される。一般に、有効量のイメージング用化合物は、体重70kg当たり約0.01〜100mCiであり、好ましくは、体重70kg当たり約0.1〜50mCiである。
イメージング用化合物を患者に投与した後に、少なくとも患者の部分のシンチグラフィーイメージが生成される。例えば、イメージは、望ましくは、腫瘍を含む又は含むと疑われる患者の身体の部分から得られる。このシンチグラフィーイメージは、投与されたイメージング用化合物が腫瘍に到達して腫瘍細胞上のPACAP及びVPACレセプターに結合するのに十分な時間が経過した後に生成される。典型的には、このイメージング用化合物は、注射から数分以内に腫瘍に到達して結合する。しかしながら、この腫瘍のイメージングは、所望であれば、イメージング用化合物の注射の数時間後に起こしうる。その腫瘍は、任意のシンチグラフィーイメージング技術(二次元シンチグラフィー、SPECT又はPETを含む)を用いて画像化することができる。患者のシンチグラフィーイメージを生成するための技術及び機械は、当分野で周知である。
放射性標識した医薬は、しばしば、腎臓に保持される。それ故、かかる薬剤の腎臓での保持を最小にすることは望ましい(何故なら、これは、患者の臓器への放射線負荷量を最小にして、腫瘍のコントラストを増大させるであろうから)。アミノ酸(例えば、リジン)の放射性標識した医薬に対する予備投与又は該医薬との同時投与が放射性医薬品の腎臓での取り込みを有意に減少させることは、公知である。それ故、本発明のイメージング法は、適宜、イメージング用化合物の腎臓での取り込みを低減させるためのアミノ酸の予備投与又は同時投与を包含する。このアミノ酸は、上記の任意の適当な腸内又は腸管外経路によって投与することができ、該経路は、イメージング用化合物のために用いた投与経路と同じであっても異なってもよい。
当業者は、本発明のイメージング用化合物の前に、該イメージング用化合物の腎臓での取り込みを阻止するために、患者に予備投与し又は同時投与すべきアミノ酸の量を容易に決定することができる。例えば、Kobayashi H.等、Cancer Res.56:3788-3795,1996 Bernard BF等、J.Nucl.Med.38:1929-1933,1997;Behr TM等、Eur.J.Nucl.Med.25:201-212,1998(これらの全開示を参考として本明細書中に援用する)を参照されたい。
一般に、本発明のイメージング用化合物に対して予備投与し又は同時投与すべきアミノ酸の量は、体重1kg当たり0.1〜5gであり、好ましくは、体重1kg当たり0.4〜2gである。予備投与し又は同時投与すべき好適なアミノ酸は、D−リジンである。
VPACを発現する腫瘍を有することが疑われているだけであって、実際はかかる腫瘍を有しない患者がこの発明のイメージング法を受けることができるということは理解される。勿論、かかる患者は、陰性の結果を生じる。
この発明の治療用化合物を用いて、VPACを発現する腫瘍を、かかる腫瘍を有する患者において治療することができる。この発明の実施において、PACAP又はその生物学的に活性なPACAP断片若しくは類似体を含む治療用化合物の有効量を、イメージング用化合物について上記した任意の適当な腸内又は腸管外投与経路によって、患者に投与する。血管内又は腫瘍内投与が好適である。本発明の治療用化合物は又、イメージング用化合物について上記したように、容易に管外に遊出して固形腫瘍に到達し及び/又は腫瘍塊内に比較的均一に分布する。
治療用化合物の有効量は、慣用的に放射能によって表される(例えば、mCi)。ここで用いる場合、この発明の治療用化合物の「有効量」は、患者においてVPACを発現する腫瘍の成長を阻止し又は逆行させるのに十分な量である。所定の患者に投与される治療用化合物の有効量は、投与方法、治療すべき腫瘍のステージ又は重篤さ、患者の体重及び一般的健康状態などの因子並びに処方する医師の判断に依存するであろう。
一般に、患者に投与される治療用化合物の有効量は、体重70kg当たり約1〜1000mCiであり、好ましくは、体重70kg当たり約10〜500mCiであり、一層好ましくは、体重70kg当たり約20〜100mCiである。本発明の治療方法がその治療用化合物の複数の投与を包含するということは理解される。
本発明の治療方法は又、適宜、上記のように、治療用化合物の腎臓での取り込みを低減するためにアミノ酸の予備投与又は同時投与を含む。このアミノ酸の投与量及び投与経路は、イメージング法について上記した通りである。予備投与又は同時投与するのに適したアミノ酸は、D−リジンである。
当業者は、VPACを発現する腫瘍の成長が阻止されるか又は逆行されるかを、例えば上記のイメージング法を利用して、治療の前後の腫瘍サイズを直接視覚的に観察することによって、容易に決定することができる。腫瘍成長の阻止又は逆行は、治療前後の腫瘍のサイズを物理的手段(例えば、組織塊の触診又は組織塊のカリパスなどの測定器具を用いた測定)によって評価することによって測定することもできる。
この発明のイメージング用及び治療用化合物は、好ましくは、患者への投与前に、当分野で公知の技術によって、医薬組成物として配合される。本発明の医薬組成物は、少なくとも無菌で且つ発熱物質を含まないことで特徴付けられる。ここで用いる場合、「医薬配合物」は、ヒト用の配合物と獣医学用途の配合物を包含する。
本発明の医薬配合物は、この発明のイメージング用化合物又は治療用化合物及び生理的に許容しうるキャリアー媒質を含む。好適な生理的に許容しうるキャリアー媒質は、水、緩衝された水、規定食塩水、0.4%塩溶液、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などである。
この発明の医薬組成物は、慣用の医薬用賦形剤及び/又は添加剤をも含むことができる。適当な医薬用賦形剤には、安定剤、抗酸化剤、オスモル濃度調節剤、緩衝剤及びpH調節剤が含まれる。適当な添加剤には、生体適合性の緩衝剤(例えば、トロメタミン塩酸塩)、又はカルシウム塩若しくはナトリウム塩(例えば、塩化カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム又は乳酸カルシウム)の添加(例えば、1〜50モルパーセント)が含まれる。この医薬組成物は、所望であれば、少量の湿潤剤又は乳化剤又はpH緩衝剤をも含むことができる。経口用配合物は、標準的キャリアー例えば医薬等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、マグネシウムステアレート、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含むことができる。
本発明の医薬組成物は又、中性又は塩形態で配合されたこの発明の治療用化合物又はイメージング用化合物をも含むことができる。これらのイメージング用化合物又は治療用化合物の製薬上許容しうる塩は、遊離のアミノ基により形成されたもの(例えば、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸及び酒石酸から誘導されたもの)及び遊離のカルボキシル基により形成されたもの(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン及びプロカインから誘導されたもの)を含む。
この発明を、今から、下記の非制限的実施例によって説明する。
実施例1−TP3475の製造
TP3475と呼ばれるPACAP27の類似体を、米国特許第6,395,255号(前出)に示した技術によって製造した。TP3475は、Gly−(D)Ala−Gly−Glyキレート化剤にPACAP27のC末端で結合されたPACAP27よりなる。Abaスペーサーは、キレート化剤とPACAP27の間に位置している。
簡単にいえば、PACAP27を、標準的固相合成技術によって合成した。C末端のAbaスペーサー及びGly−(D)Ala−Gly−Glyキレート化剤を、固相合成反応を続けることにより、適当なアミノ酸残基のPACAP27のC末端への順次的付加によってPACAP27に結合した。この類似体をその分子量(予想分子量3475.17、見出された分子量3475.18)に因んで、TP3475と命名した。TP3475の一次配列は、図2に示してあり、SEQ ID NO:5に与えてある。
実施例2− 99m Tcを用いるTP3475の放射性標識
TP3475のメタレーションを、米国特許第6,395,255号(前出)の手順に従って99mTcを用いて行なった。このメタレーション反応は、本質的に下記のようにして行なったが、99mTc−TP3475と呼ばれるこの発明のイメージング用化合物を生成した。
清浄な窒素フラッシュした10mlのシリコン化したガラス瓶に10μgのTP3475を、10μlの酢酸緩衝液pH4.6(10μlの0.005M HCl中の100μgのSnCl2・2H2O及び300μlの0.067M Na3PO4、pH12)にて加えた。この瓶の内容物を、その瓶をアセトンドライアイスバス中に置くことにより急速冷凍した。次いで、その瓶をGene Vac凍結乾燥機内に置いて、2時間凍結乾燥し、窒素を充填して、シールし、メタレーション反応まで−20℃に貯蔵した。
メタレーション反応のために、瓶の内容物を周囲温度にして、10〜40mCiの99mTc(200μlの0.9%NaCl中)をその瓶の中に注入した。その混合物を100℃で30分間インキュベートし、1mlの0.1M Na2HPO4の添加により反応混合物のpHを6〜6.5に上昇させた。125mgのNaアスコルビン酸塩を安定剤として加えた。メタレーションしたイメージング用化合物99mTc−TP3475のHPLC分析を、Rainin HPLCにて、逆相C−18マイクロボンドカラムを使用して、0.1%TFA(H2O中)を溶媒Aとして用いて、0.1%TFA(アセトニトリル中)を溶媒Bとして用いて行なった。勾配を、溶媒Bが0分で10%で28分で90%となるようにした。99mTc−TP3475は、22℃で24時間にわたって安定であった。22℃での収率は、HPLCにより測定した場合、定量的であって、Rt.12.5分で、単一ピークを生じる。99mTc−TP3475のHPLC溶出プロフィルを図3に与え、99mTc−TP3475の構造を図4に示す。
99mTc−TP3475の安定性をも37℃で24時間まで、100mM過剰のシステイン、DTPA及びHSA中で評価した。同様の研究をヒトの血清にて行なった。HPLC分析は、試験した媒質中での99mTc−TP3475の優れた安定性を示した。
実施例3−TP3475の乳癌への結合の評価
99mTc−TP3475及びVIP28のヒトの大腸癌細胞株LS174T及びHT−29への結合、及びヒト乳癌細胞株MDA MB231(エストロゲン非依存性)及びT47D(エストロゲン依存性)への結合を、下記のように評価する。125I−PACAP27を対照として用いる。細胞を組織培養にて成長させて、アッセイを、米国特許第6,395,255号(前出)に記載のように実施する。TP3475 VIP28及び125I−PACAP27のIC50及びKd値を標準的方法によって確認する。
投与量の関数としてのcAMP活性の測定 − エストロゲン依存性T47D及びエストロゲン非依存性MDA MB231細胞株に由来する約5×106細胞をSIT培地で2回洗って、1%BSA、1mg/mlバシトラシン、及び100μMイソブチル−メチル−キサンチンを含むSIT培地に懸濁する。TP3475、VIP28及び125I−PACAP27を、これらの細胞に、濃度を増しながら加え、5分後に、反応を等容のエタノールの添加により消滅させる。試料をボルテックスミキサーにかけて、Moody TW,Peptides 17:545-555,1995(この全開示を参考として本明細書中に援用する)に記載されたようにcAMP RIAによりアッセイするまで−80℃に凍結する。データを、cAMP対ペプチド濃度としてプロットする。
c−fos及びc−myc mRNA 核オンコジーン誘導の測定 − TP3475のヒト乳がん細胞におけるc−fos及びc−myc遺伝子の発現を刺激する能力を評価する。上記のT47D及びMDA MB231細胞株の何れかに由来する約5×106細胞を、15cmディッシュにて培養し、0.5%ウシ胎児血清を含むSIT培地で4時間処理する。TP3475、PACAP27及びVIP28を、別々に、これらの培養細胞に加えて、それらの細胞を60分間インキュベートする。インキュベーション期間後に、その培地を取り出して、全RNAをそれらの処理した細胞から、Chirgwin等、Biochemistry 18:5294-5299,1979(その全開示を参考として本明細書中に援用する)のグアニジニウムイソチオシアネート法を用いて単離する。
処理した細胞から単離した全RNAの10μgを変性して、0.66M ホルムアルデヒド−1%アガロースゲル中で分離する。このゲルをエチジウムブロミドを用いて染色してRNA強度を評価する。次いで、このRNAを一晩標準的技術を用いてNytranメンブレン上にブロットし、そのメンブレンをc−fos及びc−mycのcDNAプローブと、標準的ノーザンブロットハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズさせる。これらのc−fos及びc−myc cDNAプローブを、Bethesda Research Laboratories ランダムプライミングキットを用いて、製造者の指示に従って、[32P]dCTPで標識する。このハイブリダイズしたメンブレンを洗い、Kodak XAR-2フィルムに露出してオートラジオグラムを現像する。処理した細胞と対照用細胞におけるc−fos及びc−myc mRNA発現のレベルをデンシトメーターを用いて定量する。
実施例4−TP3475のフクロネズミの内部肛門括約(IAS)平滑筋組織の基礎張力に対する効果
PACAP27は、IASの基礎張力の濃度依存性の低下を引き起こすことが、Rattan S 等、J.Pharmacol.Exper.Thera.263:722-728,1997(この全開示を参考として本明細書中に援用する)に記載されたアッセイにより知られている。このIASアッセイを、最大低下に達するまで増大する濃度のTP3475を用いて、本質的に下記のように行った。PACAP27を対照として用いた。
平滑筋切片の調製 − 成体のフクロネズミ(Didelphis virginiana)の雄又は雌を腹腔内ペントバルビタール(40mg/kg)処理後に犠牲にした。大きい血管及び付着組織(外部及び括約筋を含む)を取り除いて、肛門管を開き、粘膜の側を上にしてピンで、酸素化したKrebs溶液(NaCl、118.07;KCl、4.69;CaCl2、2.52;MgSO4、1.16;NaH2PO4、1.01;NaHCO3、25;及びグルコース、11.10)を含む解剖用トレイ上に留めた。この粘膜を除去して、内部肛門括約筋円形平滑筋切片(約2mm×1cm)を肛門管の最下部位から調製した。
等長張力の測定 − IAS平滑筋切片を温度制御したKrebs溶液を含む2mlの「筋肉バス」に移して、95%O2−5%CO2混合物で連続的に泡立てた。絹縫合糸を用いて、筋肉片の一層低い末端を筋肉バスの底に結び付け、他方、他の末端を、等長力トランスデューサー(モデルFTO3;Grass Instruments Co, マサチューセッツ、Quincy)に結合させた。等長張力をBeckman Dynograph レコーダー(Beckman Instruments, イリノイ、Schiller Park)にて記録した。最初、1gの張力を、筋肉切片に加え、それらの切片を、ときどき洗浄しつつ、約1時間にわたって平衡させた。安定した張力を発生し且つ電場刺激に応答して弛緩した切片だけを用いた。最適長さ及びベースラインの両方を、Rattan S等、1997 (前出)に記載されたように測定した。
図5に示した結果は、10-5M 濃度で、PACAP27とTP3475の両方が、等しいIAS張力の低下を引き起こしたことを示している。これらのデータは、TP3475の生物学的活性が、スペーサー及びキレート化剤のPACAP27のC末端への付加のために傷つけられなかったことを示している。
実施例5− 99 mTc−TP3475の、ヌードマウスに移植されたヒト乳癌細胞における組織分布及び薬力学
研究を、エストロゲン依存性(T47D)又はエストロゲン非依存性(MDA MB231)腫瘍を有するヌードマウスにおいて下記のように行なう。
何れかの腫瘍細胞株に由来する約5×106の生存力のある細胞を、各マウスの右大腿部に移植して、腫瘍を形成させる。各研究群は、5匹の腫瘍を有するマウスよりなり、これらのマウスには、側部尾静脈に、1マイクログラム未満のイメージング用化合物を含む200〜700μCi線量の99mTc−TP3475を注射する(比活性1400〜2500Ci/mモル以上)。動物を、注射の15分、1時間、2時間、4時間及び24時間後に犠牲にして、組織1g当たりのIDの%を全組織において測定する。腫瘍を有するマウスの対照群には、125Iでモノヨード化したPACAP27を注射する。この125I−PACAP27を、対照用動物への注射の前に、比活性を99mTc−TP3475と同じに調節する。すべての動物を、専用のコンピューター及び低エネルギーパラレルホールコリメーターを備えたGESTARCAMガンマーカメラを用いて、像を描く。
結果は、数値により与えられ並びにヒストグラム(時間の関数につき配置)で与えられる。腫瘍/筋肉及び腫瘍/血液比をも、注射した化合物につき計算する。注射後15分で犠牲にした動物において、動的イメージング研究を、15秒フレームを用いて行なう。関心ある領域を用いて、動的曲線を、腫瘍、心臓、肝臓、腎臓及び膀胱につきプロットする。これらのデータは、他のデータ点と組み合わせて、各顕著な臓器(腫瘍を含む)における放射能の取り込み及びクリアランスの測定を可能にする。尿中に排出された放射能の化学的性質及び量を測定するために、動物を、代謝ケージ内に置く。尿中の放射能を周期的に測定して、尿の試料をHPLCを用いて分析する。
実施例6−ラットにおける 99m Tc−TP3475の血液クリアランス
99mTc−TP3475の血液クリアランスを、Sprague-Dawleyラットにおいて、下記のように研究した。3匹のSprague-Dawleyラット(それぞれ体重約250グラム)に片側の尾静脈から1mCiの99mTc−TP3475を注入し、一続きの血液試料を、三連で、反対側の尾静脈から、注射後1、5、10、15及び30分で取り出し、そして注射後1、2、4、6、18及び24時間で取り出した。これらの血液試料の重量を計り、放射能を、注射時に調製した標準99mTcに対して、標準的シンチレーション計数技術を用いて計数した。ID/g %を、時間の関数としてプロットした。
99mTc−TP3475の血液クリアランスは、二相性であり、α−t1/2は、約6分であり、β−t1/2は、約90分であった。これらのデータは、注入された99mTc−TP3475に由来する放射能の75%が約12分で循環から取り除かれることを示している。
実施例7−腫瘍の大きさ及び 99m Tc−TP3475の比活性の腫瘍による取り込みに対する効果
腫瘍の大きさの99mTc−TP3475の取り込みに対する影響 − イメージング用化合物の取り込みに対する腫瘍の大きさの影響を、上記の実施例5に記載した腫瘍を有するマウスにおいて次のように研究する。99mTc−TP3475及び125I−PACAP27(対照)を腫瘍を有するマウスに注射する。腫瘍の直径をバーニヤカリパスによって測定する。これらの研究を、注射後、実施例5の組織分布の研究により測定して、最適のイメージング時間で行なう。データを、ID/g %対絶対腫瘍重量としてプロットする。これらの実験において、投与されるレセプター特異的なペプチド分子の数を一定不変に維持するために、化合物の比活性及び注射する化合物の量を一定に保つ。
注射された99mTc−TP3475の比活性の腫瘍による取り込みに対する影響 − レセプター特異的なイメージング剤又は治療剤の腫瘍による取り込みは、注入されたレセプター特異的化合物の量の関数として変化しうる。注射された99mTc−TP3475の量(比活性により表される)の効果を、実施例5に記載した腫瘍を有するマウスにおいて、次のように研究する。1000〜25,000Ci/mモルの範囲の既知の比活性を有する5つの99mTc−TP3475製剤を製造する。5匹の腫瘍を有するマウスの5つの別々の群の各々に、一定量の放射能(約700μCi)を注射する(それぞれ、0.1、0.5、1、1.5又は2μgの99mTc−TP3475を含む)。組織分布を注射後24時間で評価する。これらの化合物の腫瘍及び他の組織における取り込み、及びこれらの組織からの放射能のクリアランスを比較する。
実施例8−腎臓での 99m Tc−TP3475の取り込みの最少化
治療群の5匹のマウスに、50mgのD−リジンと、1マイクログラム未満のイメーイング用化合物を含む200〜700μCi線量の99mTc−TP3475(1400〜2500Ci/mモル以上の比活性)とを同時注入する。対照群の5匹のマウスは、99mTc−TP3475のみを受けた。治療群の及び対照群の動物を、注射後15分、1時間、2時間、4時間及び24時間で犠牲にして、腎臓組織におけるID/g %を測定する。
実施例9− 99m Tc−TP3475のレセプターの特異性
ヒトの乳がんにおける99mTc−TP3475のレセプター特異性を測定するために、PACAPによるレセプターブロッキングの研究を行った。T47D異種移植片を有するヌードマウスにおいて、99mTc−TP3475の腫瘍による取り込みは、PACAPを予備注射した場合には、約50%減少した。
他のレセプターブロッキング実験を、次のように行った。99mTc−TP3475の静脈注射の30分前に、上記の腫瘍を有するマウスに、最大で50μgのTP3475(100μlのPBS中)を静脈注射する。動物の像を、実施例5の組織分布研究から測定された最適の時間で生成させ、次いで、定量的な組織分布研究のために動物を犠牲にする。これらのデータは、99mTc−TP3475に対するレセプターの特異性の測定を可能にする(腫瘍組織における及びおそらく肺、肝臓及び脾臓などの他の臓器における減少した放射能取り込みにより示される)。
実施例10− 99m Tc−TP3475のヒトの腫瘍への結合
99mTc−TP3475及び99mTc−VIP28の扁平上皮細胞癌;腺癌;小細胞癌;メラノーマ;グリオーマ;神経芽細胞腫;及び肺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆道癌、大腸癌、直腸癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、脳腫瘍、前立腺癌及び甲状腺癌への結合を、次のように評価する。99mTc−VIP28を、米国特許第6,395,255号(前出)に記載されたように調製する。
各腫瘍型の試料を、低温保持装置を用いて10〜20μmの切片に切って、顕微鏡用のスライドガラスに載せる。これらの切片を載せたスライドガラスを、少なくとも3日間、−20℃に貯蔵して組織のスライドガラスへの接着を改善する。次いで、これらのスライドガラスを、周囲の室温に達するまで温め、22℃で、90分間、30pM 99mTc−TP3475又は99mTc−VIP28の何れかを含有する50mM トリスHCl、pH7.4;2% BSA;2mM EGTA;1mM バシトラシン及び5mm MgCl2中で、モノヨード化125I−PACAP27又は125I−VIP28の存在下でインキュベートする。
インキュベーション後に、これらのスライドガラスを、氷冷した50mM トリスHCl、pH7.4及び0.25% BSAで4回洗い、水で1回洗って、乾燥空気流中で乾燥させる。次いで、これらのスライドガラスを、3H ウルトラフィルム(Amersham,英国)に1週間、露出する。オートラジオグラフを、コンピューター補助されたイメージ処理システムを用いて定量する。フィルムを、125Iオートラジオグラフィー標準にも露出する。放射性ヨード化された対応物の特異的結合を阻止するKd及びIC50値を、99mTc−TP3475又は99mTc−VIP28につき、各腫瘍型において測定する。
実施例11− 99m Tc−TP3475の、 99m Tc−Sesta−MIBI及びIn−111−DTPA−D−Phe 1 −オクトレオチドと比較した効果
99mTc−TP3475、99mTc−Sesta−MIBI及び111In−DTPA−D−Phe1−オクトレオチドの乳癌のイメージングについての効果を比較した。125I−PACAPを対照として用いた。99mTc−Sesta−MIBIは、レセプター特異的な薬剤ではないが、FDAにより認可されており、おそらく、***イメージングのために最も一般的に用いられている薬剤である。111In−DTPA−D−Phe1−オクトレオチドは、乳癌細胞上の1つの型のレセプター(SSTRレセプター)に特異的な市販のイメージング剤である。
111In−DTPA−D−Phe1−オクトレオチド及び99mTc−Sesta−MIBIは、核薬学から得られた。99mTc−TP3475を上記のように調製して、125I−PACAPを標準的技術によって調製した。腫瘍を有するマウスにおけるすべての薬剤の薬物速度論及び組織分布を、上記の実施例5におけるように測定した。99mTc−TP3475及び111In−DTPA−D−Phe1−オクトレオチドをこれらの腫瘍を有するマウスに同時注入した。マウスの組織中の同時注入された99mTc−TP3475及び111In−DTPA−D−Phe1−オクトレオチドを、それらの各放射性核種に特徴的なエネルギーウインドウ(例えば、99mTcについての140KeV、及び111Inについての173KeV及び247KeV)を利用することにより計数した(±15又は20%)。これらの組織における111Inの計数は、99mTcが完全に崩壊したときに再び測定した(例えば、10−12半減期)。
24時間での99mTc−TP3475の腫瘍による取り込みは、24時間で約0.2% ID/gであった。これは、腫瘍による125I−PACAPの取り込み(0.23±0.03% I.D./g)とほぼ等しく、111In−DTPA−D−Phe1−オクトレオチド(0.09±0.01% ID/g)及び99mTc−Sesta−MIBI(0.18±0.0% I.D/g)の取り込みより高かった。
ここで参照したすべての文献を、参考として本明細書中に援用する。本発明は、好適具体例及び幾つかの図面と共に記載したが、本発明から離れずに本発明と同じ機能を実施するために、他の類似の具体例を用いることができ或は記載した具体例の改変及び付加を行うことができるということは、理解されるべきである。それ故、本発明は、如何なる単一の具体例に限定されるべきではなく、むしろ、広さ及び範囲においては、添付の請求の範囲の記載に従って解釈すべきである。
図1A及び1Bは、それぞれ、MAG3及びGly−(D)Ala−Gly−Glyの構造表示である。 99mTc−TP3475(この発明のイメージング剤)の製法及び標識の概略図である。 99mTc−TP3475のHPLCの溶出プロフィルである。 99mTc−TP3475の構造を表した概略図である。 PACAP27及びPACAP類似体TP3475の増大する濃度の、休止しているフクロネズミの内部肛門括約(IAS)平滑筋張力に対する効果を示すプロットである。
【配列表】
Figure 2005514335
Figure 2005514335
Figure 2005514335

Claims (33)

  1. VPACレセプターを発現する腫瘍を、かかる腫瘍を有し又は有していることが疑われる患者において検出する方法であって、下記:
    (1)有効量の式A又はBのイメージング用化合物を患者に投与し;そして
    (2)その患者の少なくとも部分のシンチグラフィーイメージを生成させる
    ことを含み、
    ここに、式A及びBが下記の通りである、当該方法
    (A) M(I)−X1−P−X2
    (B) X1−P−X2−M(I)
    (両式A及びB中:
    Mは、キレート化剤であり、但し、式Aにおいて、X1がなくてPがPACAP27(SEQ ID NO:2)である場合には、Mは、ポリアミノ−ポリカルボン酸キレート化剤でなく;
    (I)は、Mに結合したイメージング用放射性核種であり;
    1は、0から20個の天然の又は合成のアミノ酸であり;
    Pは、PACAP、又はPACAPの生物学的活性を示すその類似体若しくは断片であり;そして
    2は、0〜20個の天然の又は合成のアミノ酸である)。
  2. Mが、NxSyキレート化化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. NxSyキレート化化合物が、N2S2又はN3Sコアを含む、請求項2に記載の方法。
  4. NxSyキレート化化合物が、N4コアを含む、請求項2に記載の方法。
  5. NxSyキレート化化合物が、MAG3又はGly−(D)Ala−Gly−Glyを含む、請求項2に記載の方法。
  6. 式Bのキレート化剤Mが、ポリアミノ−ポリカルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  7. Iを、99mTc;87Y;67Ga;64Cu;及び111Inよりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
  8. Iが、99mTcである、請求項7に記載の方法。
  9. 式Aのイメージング用化合物が、更に、X1とMを結合させるスペーサーZ1を含み、式Bのイメージング用化合物が、更に、X2とMを結合させるスペーサーZ2を含む、請求項1に記載の方法。
  10. スペーサーZ1とスペーサーZ2が、別々に、4−アミノ酪酸を含む、請求項9に記載の方法。
  11. Pが、SEQ ID NO:2を含む、請求項1に記載の方法。
  12. イメージング用化合物が、99mTc−TP3475である、請求項1に記載の方法。
  13. VPACを発現する腫瘍を、肺癌;乳癌;卵巣癌;胃癌;膵臓癌;喉頭癌;食道癌;精巣癌;肝臓癌;耳下腺癌;胆道癌;大腸癌;直腸癌;子宮頸癌;子宮癌;子宮内膜癌;腎臓癌;膀胱癌;脳腫瘍;前立腺癌;甲状腺癌;偏平上皮細胞癌;腺癌;小細胞癌;メラノーマ;グリオーマ;及び神経芽細胞腫よりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
  14. 患者が、非ヒト哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
  15. 患者に投与されるイメージング用化合物の有効量が、体重70kg当たり約0.01〜100mCiである、請求項1に記載の方法。
  16. 患者に投与されるイメージング用化合物の有効量が、体重70kg当たり約0.1〜50mCiである、請求項1に記載の方法。
  17. イメージング用化合物の前に又は該化合物と同時にリジンを投与し、それで該イメージング用化合物の腎臓での取り込みを最少にするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  18. VPACレセプターを発現する腫瘍の成長を、かかる腫瘍を有する患者において阻止し又は逆行させる方法であって、該方法は、有効量の式C又はDの組成物を患者に投与することを含み、式C及びDが下記の通りである当該方法:
    (C) M(T)−X1−P−X2
    (D) X1−P−X2−M(T)
    (式中、
    Mは、キレート化剤であり;
    (T)は、Mに結合された治療用放射性核種であり;
    1は、0〜20個の天然の又は合成のアミノ酸であり;
    Pは、PACAP又はPACAPの生物学的活性を示すその類似体若しくは断片であり;そして
    2は、0〜20個の天然の又は合成のアミノ酸である)。
  19. Mが、NxSyキレート化化合物を含む、請求項18に記載の方法。
  20. NxSyキレート化化合物が、N2S2又はN3Sコアを含む、請求項19に記載の方法。
  21. NxSyキレート化化合物が、N4コアを含む、請求項19に記載の方法。
  22. NxSyキレート化化合物が、MAG3又はGly−(D)Ala−Gly−Glyを含む、請求項21に記載の方法。
  23. Tを、47Sc、64Cu、67Cu、67Ga、212Pb、68Ga、90Y、111In、153Sm、212Bi、210At、211At、177Lu、186Re及び188Reよりなる群から選択する、請求項18に記載の方法。
  24. Tが、90Y;186Re;又は188Reである、請求項23に記載の方法。
  25. 式Cの治療用化合物が、更に、X1とMを結合させるスペーサーZ1を含み、式Dの治療用化合物が、更に、X2とMを結合させるスペーサーZ2を含む、請求項18に記載の方法。
  26. スペーサーZ1とスペーサーZ2が、別々に、4−アミノ酪酸を含む、請求項25に記載の方法。
  27. Pが、SEQ ID NO:2を含む、請求項18に記載の方法。
  28. VPACを発現する腫瘍を、肺癌;乳癌;卵巣癌;胃癌;膵臓癌;喉頭癌;食道癌;精巣癌;肝臓癌;耳下腺癌;胆道癌;大腸癌;直腸癌;子宮頸癌;子宮癌;子宮内膜癌;腎臓癌;膀胱癌;脳腫瘍;前立腺癌;甲状腺癌;偏平上皮細胞癌;腺癌;小細胞癌;メラノーマ;グリオーマ;及び神経芽細胞腫よりなる群から選択する、請求項18に記載の方法。
  29. 患者が、非ヒト哺乳動物である、請求項18に記載の方法。
  30. 患者に投与されるイメージング用化合物の有効量が、体重70kg当たり約1〜1000mCiである、請求項18に記載の方法。
  31. 患者に投与されるイメージング用化合物の有効量が、体重70kg当たり約10〜500mCiである、請求項18に記載の方法。
  32. 患者に投与されるイメージング用化合物の有効量が、体重70kg当たり約20〜100mCiである、請求項18に記載の方法。
  33. 治療用化合物の前に又は該化合物と同時にリジンを投与し、それで該治療用化合物の腎臓での取り込みを最少にするステップを更に含む、請求項18に記載の方法。
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