JP2005511682A - オレフィンのアリール化法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、パラジウム触媒、立体的に要求の多い窒素塩基、及び双極性非プロトン性溶剤の存在で、ハロゲン芳香族化合物又はアリールスルホネートとオレフィンとを反応させることによる、オレフィンのアリール化法に関する。

Description

本発明は、パラジウム触媒及び立体的に要求の多い窒素塩基の存在で、場合により双極性非プロトン性溶剤中で、ハロゲン芳香族化合物又はアリールスルホネートとオレフィンとを反応させることによる、オレフィンのアリール化法に関する。
多くのアリールオレフィンは、ファインケミカル、UV−吸収剤、ポリマーのための出発生成物、及び作用物質中間生成物として、工業的に非常に重要である。
アリールオレフィンの製造はしばしば、ヨウ素−又は臭素芳香族化合物、まれに塩素芳香族化合物、又はアリールスルホネートとオレフィンとをパラジウム触媒カップリングすることにより行われる。高価であり、かつ高分子量により生じる多量の廃棄物のために、ヨウ素−及び臭素芳香族化合物を工業規模で使用することは不利である。塩素芳香族化合物は入手がより容易であるためにより有利であるが、それと比較してより低い反応性を示す。
Littke及びFu (J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 6989)は、塩素芳香族化合物とオレフィンとを、室温で、パラジウム−ジベンジリデンアセトン([Pd(dba)])及びトリ−t−ブチルホスフィンの使用下に、ジシクロヘキシルメチルアミンの存在下に、ジオキサン中で反応させる方法を記載している。しかしながら、記載された方法に関しては、ターンオーバー数(TON)が低く、かつ多量のパラジウム触媒が必要であり、これは工業的な適用を非経済的なものにする。
従って、ハロゲン芳香族化合物、殊に塩素芳香族化合物をオレフィンと、効率的な方法でカップリングさせる方法を開発することが求められていた。
そこで、
−一般式(I)
Ar−[X] (I)
[式中、
nは、1又は2を表し、かつ
Arは、置換又は非置換の芳香族基を表し、かつ
Xは、その都度無関係に、塩素、臭素、ヨウ素又はスルホネートを表す]
の芳香族化合物を、
−パラジウム−触媒、
−少なくとも1種の立体的に要求の多い窒素塩基の存在下に、
−二重結合上に少なくとも1個の水素原子を有するオレフィンと、
−双極性非プロトン性溶剤の存在で
反応させることを特徴とする、アリールオレフィンの製造法が見出された。
ここで、有利な範囲の任意の組合せが本発明の範囲に含まれることに注意されたい。
Arは、本発明の範囲内で、例えば有利に、6〜24個の骨格炭素原子を有する炭素環式芳香族基、又は、5〜24個の骨格炭素原子を有し、環1つ当たり0、1、2又は3個の骨格炭素原子が、但し分子全体においては少なくとも1個の骨格炭素原子が、窒素、硫黄又は酸素の群から選択されたヘテロ原子により置換されていてよい複素芳香族基を表す。更に、炭素環式芳香族基又は複素芳香族基は、環1つ当たり、ヒドロキシ、フッ素、ニトロ、シアノ、遊離又は保護されたホルミル、C〜C12−アルキル、C〜C14−アリール、C〜C15−アリールアルキル、−PO−[(C〜C)−アルキル]、−PO−[(C〜C14)−アリール]、−PO−[(C〜C)−アルキル)(C〜C14)−アリール)]、トリ(C〜C−アルキル)シロキシル、又は一般式(II)
A−B−D−E (II)
[式中、相互に無関係に、
Aは、欠失しているか、又はC〜C−アルキレン基を表し、かつ
Bは、欠失しているか、又は酸素、硫黄又はNRを表し、
ここで、Rは水素、C〜C−アルキル、C〜C15−アリールアルキル又はC〜C14−アリールを表し、かつ
Dはカルボニル基を表し、かつ
Eは、R、OR、NHR又はN(Rを表し、
ここで、RはC〜C−アルキル、C〜C15−アリールアルキル、C〜C−ハロゲンアルキル又はC〜C14−アリールを表し、かつ
は、その都度無関係に、C〜C−アルキル、C〜C15−アリールアルキル又はC〜C14−アリールを表すか、又はN(Rはまとまって環式アミノ基を表す]
の基、
又は一般式(IIIa〜e)
A−E (IIIa)
A−SO−E (IIIb)
A−B−SO (IIIc)
A−SOW (IIId)
A−COW (IIIe)
[式中、
A、B、E及びRは前記の意味を有し、かつWはOH、NH又はOMを表し、ここで、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの半当量、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを表し得る]
の基から選択される5個までの同じか又は異なる置換基により置換されていてよい。
アルキルもしくはアルキレンもしくはアルコキシは、本発明の範囲内において、その都度無関係に、直鎖、環式、分枝鎖又は非分枝鎖アルキル−もしくはアルキレン−もしくはアルコキシ−基を表し、前記基は、場合によりC〜C−アルコキシ−基により更に置換されていてもよい。同様のことが、アリールアルキル−基のアルキレン部にも当てはまる。
例えば、全文脈において有利に、C〜C−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、シクロヘキシル及びn−ヘキシルを表し、更にC〜C−アルキルは例えば、n−ヘプチル、n−オクチル又はイソ−オクチルを表し、更にC〜C12−アルキルは例えば、n−デシル及びn−ドデシルを表し、更にC〜C20はn−ヘキサデシル及びn−オクタデシルを表す。
例えば、C〜C−アルキレンは、全文脈において有利に、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,1−ブチレン、1,2−ブチレン、2,3−ブチレン及び1,4−ブチレンを表し、更にC〜C−アルキレンは、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,1−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキシレン及び1,8−オクチレンを表す。
例えば、C〜C−アルコキシは、全文脈において有利に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ及びt−ブトキシを表し、C〜C−アルコキシは更にシクロヘキシルオキシを表す。
置換基としての一般的記号Arylには、炭素環式芳香族基、及び、環1つ当たり0、1、2又は3個の骨格原子が、但し分子全体においては少なくとも1個の骨格原子が、窒素、硫黄又は酸素の群から選択されたヘテロ原子である複素芳香族基が含まれる。C〜C10−アリールは、例えば有利に、フェニル、ピリジル、o−、m−、又はp−トリルを表し、更にC〜C14−アリールはアントラセニルを表す。
同様のことが、アリールアルキル−基のアリール部にも当てはまる。C〜C15−アリールアルキルは、例えば有利にベンジルを表す。
ハロゲンアルキルもしくはフルオロアルキルは、本発明の範囲内で、その都度有利に、直鎖、環式、分枝鎖又は非分枝鎖アルキル基を意味し、前記基は、フッ素、塩素、又は臭素の群から相互に無関係に選択されたハロゲン原子により、又はフッ素により、一置換、多置換又は全置換されていてよい。
例えば有利に、C〜C−ハロゲンアルキルは、全文脈において有利に、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル及びノナフルオロブチルを表し、C〜C−フルオロアルキルは、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル及びノナフルオロブチルを表す。
保護されたホルミルとは、アミナール、アセタール又は混合されたアミナールアセタールに変換することにより保護されているホルミル基を表し、この際アミナール、アセタール及び混合されたアミナールアセタールは非環式又は環式であってよい。
例えば有利に、保護されたホルミルは1,1−(2,5−ジオキシ)−シクロペンチレン−基を表す。
有利に、本発明による方法のために、一般式(I)
[式中、
nは1であり、かつ
Arは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ビナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、ピリジニル、オキサゾリル、チオフェン−イル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン−イル、ジベンゾフラン−イル、ジベンゾチオフェン−イル、フラニル、インドリル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアゾリル及びキノリニルの群から選択された、置換又は非置換の芳香族基を表し、前記芳香族基は更に、環1つ当たり0、1、2又は3個の基で更に置換されていてよく、前記基はその都度相互に無関係に、
フッ素、ニトロ、シアノ、ジ(C〜C−アルキル)−アミノ、ホルミル、C〜C−アルキル、C〜C10−アリール、C〜C−フルオロアルキル、C〜C−フルオロアルコキシ、C〜C−アルコキシ、CO(C〜C−アルキル)、COO−(C〜C)−アルキル、−CON(C〜C−アルキル)
の群から選択されており、かつ
Xは、塩素、臭素、ヨウ素、C〜C−ペルフルオロアルキルスルホニルオキシ、例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ又はノナフルオロブタンスルホニルオキシ、又はベンゼンスルホニルオキシ又はトリルスルホニルオキシを表す]
の芳香族化合物を使用する。
殊に有利に、本発明による方法のために、一般式(I)
[式中、
nは1であり、かつ
Arはフェニル基を表し、前記基は0、1、2又は3個の基で更に置換されていてよく、前記基はその都度相互に無関係に、
フッ素、シアノ、C〜C−アルキル、ホルミル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アセチル、COO−(C〜C)−アルキル、−CON(C〜C−アルキル)
の群から選択されており、かつ
Xは、塩素又は臭素を表す]
の芳香族化合物を使用する。
極めて殊に有利に、4−クロロベンゾトリフルオリドを使用する:
パラジウム触媒として、例えば有利に、パラジウム錯体を使用する。
パラジウム錯体は、例えば、反応溶液中のパラジウム化合物及び適当な配位子から製造されてもよいし、既に単離されたパラジウム錯体の形で使用されてもよい。
本発明による方法のためには、単離されたパラジウム錯体として、例えば、配位子としてリン化合物、例えばホスフィン、ホスファイト、ホスホナイト又はその混合物、有利にホスフィンを含有するパラジウム錯体が適当である。
配位子としてリン化合物を含有するパラジウム錯体としては、例えば有利に、一般式(IV)
[PdLAn] (IV)
[式中、
Lは、その都度一リン化合物を表すか、又は
はまとまって二リン化合物を表し、かつ
Anは、アニオン、有利に、クロリド、ブロミド、ヨージド、アセテート、プロピオネート、アリル又はシクロペンタジエニルを表す]
のような化合物か、又は一般式(IVb)
[PdL] (IVb)
[式中、
nは2、3又は4を表し、かつ
Lは、その都度、一リン化合物か、又は二リン化合物の半当量を表すことができる]
のような化合物を使用することができる。
一リン化合物は、例えば有利に、一般式(Va)
P(E−R (Va)
[式中、
Eは、その都度相互に無関係に、かつRとは無関係に、欠失しているか、又は酸素を表し、かつ
基Rは、その都度相互に無関係に、C〜C−アルキル、又は、非置換の、Rにより1、2又は3回置換された、フェニル−、ナフチル−又はフェロセニルを表し、ここで、Rは、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、塩素、フッ素−、N(C〜C−アルキル)、CO−(C〜C−アルキル)、−CON(C〜C−アルキル)、シアノ−又はCO(C〜C−アルキル)を表す]
のような化合物である。
殊に有利な一リン化合物は、一般式(Va)[式中、Eは欠失しており、基Rは相互に無関係にC〜C−アルキルを表すか、又は、非置換の、Rにより1、2又は3回置換された、フェニル−又はナフチル−又はフェロセニルを表し、ここで、
は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、塩素又はフッ素を表す]
のような化合物である。
一般式(Va)[式中、Eは欠失しており、基Rのうち2又は3個は、相互に無関係にC〜C−アルキルを表し、かつ、基Rのうち0又は1個は、非置換の、Rにより1、2又は3回置換された、フェニル−又はナフチル−を表し、ここで、
は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、塩素又はフッ素を表す]
のような一リン化合物は、極めて殊に有利である。
一リン化合物として、トリ−(t−ブチル)ホスフィン、フェニルジ−(t−ブチル)ホスフィン及びフェロセニル−ジ−(t−ブチル)ホスフィンは更に有利である。
ニリン化合物は、例えば有利に、一般式(Vb)
(R−E)P−E−Z−E−P(E−R (Vb)
[式中、
Eは、その都度相互に無関係に、かつR及びZとは無関係に、欠失しているか、又は酸素を表し、かつ
基Rは、相互に無関係に、C〜C−アルキル、又は、非置換の、Rにより1、2又は3回置換された、5〜12個の骨格炭素原子を有するフェニル−、ナフチル−又はヘテロアリールを表し、ここで、
は、その都度無関係に、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、フッ素−又はシアノ−の群から選択されており、かつ
Zは、C〜C−アルキレン、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−シクロヘキシル、1,1’−フェロセニル、1,2−フェロセニル、2,2’−(1,1’−ビナフチル)及び1,1’−ビフェニルの群からの、非置換又は置換された基を表す]
のようなニリン化合物であってよい。
有利に、配位子として一リン化合物を含有する錯体を使用する。
単離された有利なパラジウム錯体は、パラジウム(II)ビストリフェニルホスファン−ジ−クロリド、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスファン、パラジウム(0)ビストリ−o−トリルホスファン、パラジウム(0)トリシクロヘキシルホスファンジアリルエーテル−錯体、パラジウム(0)ビストリシクロヘキシルホスファンである。
本発明による方法のためには、パラジウム触媒として、反応溶液中のパラジウム化合物及び配位子から製造されるパラジウム錯体は有利である。
パラジウム化合物として、例えば有利に、Pd(ジベンジリデンアセトン)又はアリルパラジウムクロリド又は−ブロミド、又は一般式(VIa)
Pd(Y (VIa)
[式中、
はアニオンを表し、有利に、クロリド、ブロミド、アセテート、プロピオネート、ニトレート、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、アセチルアセトネート、アリル又はシクロペンタジエニルを表す]
のようなパラジウム化合物、又は、一般式(VIb)
Pd(Y (VIb)
[式中、
はアニオンを表し、有利に、クロリド、ブロミド、アセテート、メタンスルホネート、又はトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、テトラフルオロボレート、又はヘキサフルオロホスフェートを表し、かつ、
Lはその都度、ニトリル、有利にアセトニトリル、ベンゾニトリル、又はベンジルニトリル、又はオレフィン、有利にシクロヘキセン又はシクロオクテンを表すか、又は
はまとまって、ジオレフィン、有利にノルボルナジエン又は1,5−シクロオクタジエンを表す]
のパラジウム化合物、又は、一般式(VIc)
[Pd(Y] (VIc)
[式中、
は、ハロゲン化物、有利にクロリド又はブロミドを表し、かつ
Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す]
のパラジウム化合物を使用することができる。
パラジウム化合物として、パラジウム(II)アセテート、パラジウム(II)クロリド、パラジウム(II)ブロミド、パラジウム(II)プロピオネート、パラジウム(II)アセチルアセトネート、リチウム−、ナトリウム又はカリウムテトラクロロパラデート、パラジウム(II)クロリドビスベンゾニトリル、パラジウム(II)クロリドビスアセトニトリル、シクロペンタジエニル−アリル−パラジウム(II)、及びパラジウム−ジベンジリデンアセトン−錯体、例えば[Pd(dba)]は有利である。
反応溶液中にパラジウム錯体を生じさせるために、配位子として、一般式(Va)及び(Vb)のリン化合物を使用することは有利であり、その際、一般式(Va)の一リン酸化合物は更に有利である。この場合、上記の有利な範囲が同様に当てはまる。
反応混合物中のリン対パラジウムのモル比は、例えば1:1〜100:1であってよく、2:1〜15:1は有利であり、2:1〜10:1は殊に有利である。
本発明による方法のために、パラジウムに対する一般式(I)の化合物中の交換可能なXのモル比は、例えば10〜20000であってよく、100〜5000の比は有利であり、500〜2000の比は極めて殊に有利である。
本発明による方法は、少なくとも1個の、有利に1個の、立体的に要求の多い窒素塩基の存在で実施される。
立体的に要求の多い窒素塩基は、例えば、一般式
NR10 (VII)
[式中、
、R及びR10は、その都度相互に無関係に、C〜C20−アルキル、C〜C14−アリール又はC〜C15−アリールアルキルを表すか、又は、その都度、基R、R及びR10のうち2又は3個は、窒素原子と共に、環1つ当たり4〜8個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式複素環を形成してよいが、
但し、基R、R及びR10のうち1、2又は3個は、有利に1又は2個はその都度相互に無関係に、3級又は4級のsp−炭素原子を介して窒素原子に結合しているか、又は、オルト位で1回又は2回、有利に2回置換されているアリール基を表すという条件付きである]
のアミンである。
3級又は4級のsp−炭素原子を介して窒素原子に結合していてよい基は、例えば有利に、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、シクロペンチル−、シクロヘキシル−及びシクロヘプチルである。
オルト位で1回又は2回置換されているアリール基は、例えば、o−トリル、2,6−ジメチルフェニル、2−エチル−6−メチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、o−アニシル及び2,6−ジメトキシフェニルである。
単環式複素環は、本発明の範囲内で、例えば、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びN−メチル−2,5−ジメチルピロリドンである。
立体的に要求の多い窒素塩基は、更に、窒素に対して2つのオルト位が置換されているN−複素芳香族化合物である。
2,6−二置換ピリジン、例えば有利に、2,6−ルチジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−ジイソプロピルピリジン、2,6−ジメトキシピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジンは有利である。
本発明による方法のために、立体的に要求の多い窒素塩基として、極めて殊に有利に、エチルジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルアニリン、トリイソブチルアミン、エチルジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン及び2,6−ビス−ジイソプロピルピリジンが使用され、
これらのうち、
ジシクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミンは更に有利である。
使用する塩基のモル量は、一般式(I)中の交換可能なXに対して、例えば0.5〜100倍、有利に1.0〜10倍、殊に有利に1.0〜1.5倍、極めて殊に有利に1.0〜1.2倍であってよい。
本発明による方法の実施態様の1つにおいて、立体的に要求の多い窒素塩基は、別の塩基と組み合わせて使用されてよい。これに関して、例えば、立体的に要求の多い窒素塩基の量の1〜95%を、立体的に要求の少ない窒素塩基と交換することができる。
立体的に要求の少ない窒素塩基は、本発明の範囲内で、例えば、アルカリ−及びアルカリ土類金属カルボキシレート、例えばアセテート、プロピオネート、ベンゾエート、アルカリ及びアルカリ土類金属−炭酸塩、−炭酸水素塩、−リン酸塩、−リン酸水素塩、−水酸化物である。アルカリ金属は、有利にリチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウムであり、アルカリ土類金属は、有利にカルシウム、マグネシウム及びバリウムである。
二重結合上に少なくとも1個の水素原子を有するオレフィンとして、例えば、一般式(VIII)
11CH=CR1213 (VIII)
[式中、相互に無関係に、
11は水素又はメチルを表し、かつ
12は水素又はメチルを表し、かつ
13は、水素、シアノ、SOM、C〜C−アルキル、6〜18個の骨格炭素原子を有する炭素環式芳香族基、又は、5〜18個の骨格炭素原子を有し、環1つ当たり0、1、2又は3個の骨格炭素原子が、但し分子全体においては少なくとも1個の骨格炭素原子が、窒素、硫黄又は酸素の群から選択されたヘテロ原子により置換されていてよい複素芳香族基、又は一般式(IX)
Figure 2005511682
(ここで、Gは、OM、OH、NH、OR14、NHR14又はN(R14を表し、かつR14は、C〜C12−アルキル、C〜C15−アリールアルキル又はC〜C14−アリールを表すか、又は、
N(R14はまとまって環式アミノ基、例えばモルホリノ、ピロリジノ又はピペリジノを表し、ここでMはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの半当量、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを表してよい)の基を表す]
のようなオレフィンを使用することができる。
炭素環式芳香族基及び複素芳香族基は、一般式(I)の芳香族化合物で記載したのと同様に置換されていてよい。
一般式(VIII)のオレフィンの有利な例は、エテン、プロペン、ブテン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロペン、場合により置換されているビニル−C〜C10−芳香族化合物、例えばスチレン、又は異性体ビニルナフタリン、2−、3−又は4−フルオロスチレン、2−、3−又は4−クロロスチレン、2−、3−又は4−ブロモスチレン、2−、3−又は4−ヨードスチレン、2−、3−又は4−シアノスチレン、2−、3−又は4−(C〜C12)−アルコキシスチレン、例えば2−、3−又は4−メトキシスチレン、2−、3−又は4−ニトロスチレン、2−、3−又は4−スチレンカルボン酸、2−、3−又は4−スチレンカルボン酸−C〜C12−アルキルエステル、例えば、2−、3−又は4−スチレンカルボン酸メチルエステル、2−、3−又は4−スチレンカルボン酸−C〜C12−アリールエステル、例えば2−、3−又は4−スチレンカルボン酸フェニルエステル、2−、3−又は4−スチレンスルホン酸、又はその塩、3−又は4−ビニルフタル酸、3−又は4−ビニルフタル酸ジ−C〜C12−アルキルエステル、例えば3−又は4−ビニルフタル酸ジメチルエステル、3−又は4−ビニルフタル酸ジ−C〜C10−アリールエステル、例えば3−又は4−ビニルフタル酸ジフェニルエステル、3−又は4−無水ビニルフタル酸、ビニルヘタリール、例えばN−ビニルイミダゾール、又は2−又は4−ビニルピリジン、更にはアクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸−C〜C12−アルキルエステル、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸−2−エチル−ヘキシルエステル、アクリル酸アミド、ビニルスルホン酸及びそのスルホネート及びアクリル酸アミドである。
少なくとも1個の水素置換基を有するオレフィンとしては、エチレン、プロペン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)エステル、アクリル酸アミド、1,1,1−トリフルオロ−2−プロペン及びスチレンが極めて殊に有利であり、その際、アクリロニトリル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸アミド及びスチレンは更に有利であり、アクリル酸アミドは最も有利である。
使用するオレフィンの量は、一般式(I)の芳香族化合物のモル量に対して、例えば0.2〜200倍(溶剤として使用する場合)であってよく、0.5〜5倍は有利であり、0.8〜1.2倍は極めて殊に有利である。0.9〜1.0倍は更に有利である。
遊離酸基、例えばスルホン酸−又はカルボン酸基を有する、一般式(I)の芳香族化合物又は一般式(VIII)のオレフィンを使用する場合、使用する塩基、立体的に要求の多い窒素塩基又は立体的に要求の少ない窒素塩基の量を、相応して増加させなければならない。
本発明による方法は、双極性非プロトン性溶剤の存在で行われる。
有利な双極性非プロトン性溶剤は、以下のものである:アミド系溶剤、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン又はN−メチルカプロラクタム、
スルホキシド及びスルホン、例えばジメチルスルホキシド又はテトラメチレンスルホン(スルホンラン)、又はこのような溶剤の混合物、
ニトリル、例えばアセトニトリル、ベンゾニトリル及びベンジルニトリル、ケトン、例えばジメチルケトン、ジエチルケトン、メチル−t−ブチルケトン。
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドンは殊に有利である。
ジメチルアセトアミドは極めて殊に有利である。
場合により使用される溶剤の量は、一般式(I)の芳香族化合物1モル当たり、例えば50ml〜5000ml、有利に100〜500mlであってよい。
反応温度は、例えば20℃〜200℃、有利に80℃〜150℃、殊に有利に80℃〜120℃であってよい。
反応は、例えば0.2〜100バールで実施されてよいが、標準圧が有利である。
反応時間は、例えば0.2時間〜72時間であってよいが、1〜36時間が有利である。
反応は、有利に保護ガス雰囲気下で、酸素及び湿度の十分な排除下に実施される。保護ガスとして、例えば窒素及び希ガス、例えばアルゴン、又はこのようなガスの混合物が該当する。
本発明による方法の有利な実施態様において、反応容器中に、一般式(I)の芳香族化合物と、オレフィン、塩基、パラジウム化合物及び配位子とを保護ガス下に一緒に装入し、バッチを撹拌下に反応温度に加熱する。反応の終了後、混合物を水に注ぐ。そうすると固体の生成物が沈殿し、これを吸引濾過し、例えば水で洗浄することができる。液体生成物を、水に混和不可能であるか又はほとんど混和不可能である有機溶剤を用いて抽出し、例えば蒸留により後処理することができる。
固体の生成物は、場合により、例えば再結晶又は再析出により更に精製されてよい。
また、一般式(I)の芳香族化合物と、オレフィン、塩基及び配位子とを一緒に反応容器中に装入し、パラジウム化合物を添加することもできる。
更に、一般式(I)の芳香族化合物と、塩基、配位子及びパラジウム化合物とを一緒に反応容器中に装入し、オレフィンを添加することもできる。
更に、オレフィンと、塩基、配位子及びパラジウム化合物とを一緒に反応容器中に装入し、一般式(I)の芳香族化合物を添加することもできる。
更に、塩基、配位子及び一般式(I)の芳香族化合物を反応容器中に装入し、パラジウム化合物を添加することもできる。
上記の添加可能性において、その都度、配位子をパラジウム化合物と一緒に添加することもできる。
場合により残存する塩基を塩として結合させるために、後処理の際に弱酸水溶液を使用することは有利である。例えばアルカリ化、及び有機溶剤を用いた洗浄液の抽出により、塩基を回収することができる。
本発明による方法では、一般式(X)
Ar−(R11C=CR1213 (X)
[式中、
Ar及びnは一般式(I)で記載された意味を有し、かつ、R11、R12、R13は、一般式(VIII)で記載された意味を有する]
のアリールオレフィンが得られる。
本発明による方法は、一般式(XI)
Ar−(R11=R1213) (XI)
[式中、
Arは一般式(I)で記載された意味を有し、かつ、R11、R12は一般式(X)で記載された意味を有し、かつR13はシアノか、又は一般式(XI)の基(該所に記載された意味を伴う)を表す]
のアリールアクリル酸誘導体の製造のために殊に適当である。
本発明による方法の利点は、容易に実施が可能であること、及び、芳香族オレフィンの収率が高いことである。更に、パラジウム触媒1モル当たりハロゲン芳香族化合物100モルをはるかに上回る触媒ターンオーバー数(TON)を達成する。
実施例
実施例1−9
シュレンク容器中に、4−クロロベンゾトリフルオリド0.4ml、アクリルアミド0.178g、パラジウムアセテート1.4mg(0.24モル%)及びフェニルジ(t−ブチル)ホスファン4.8mg、及びジメチルアセトアミド2mlを装入する。このバッチに、それぞれ、記載された塩基を記載された量添加し、保護ガス下で130℃に加熱する。4時間後、試料を採取し、HPLCで分析する。
Figure 2005511682
実施例10
シュレンク容器中に、4−クロロベンゾトリフルオリド0.40ml、アクリルアミド0.178g、パラジウムアセテート0.7mg(0.12モル%)、ジ(t−ブチル)フェニルホスファン2.7mg及びジメチルアセトアミド3mlを装入する。このバッチに、シクロヘキシルジエチルアミン0.559gを添加し、その後、該バッチを保護ガス下で120℃に加熱する。5.5時間後、試料を採取し、HPLCで分析する。所望の生成物への変換率84%(TON 700、TOF 127h−1)。
実施例11及び12
それぞれ、シュレンク容器中に、 − ジメチルアセトアミド3ml中に(実施例11)、ジオキサン3ml中に(実施例12) − アクリルアミド237.6mg、4−クロロベンゾトリフルオリド0.50ml、ジシクロヘキシルメチルアミン0.87ml、パラジウムアセテート4.2mg、ジ(t−ブチル)フェニルホスファン16.5mg及び内部標準としての1,3,5−トリメトキシベンゼン100mgを溶解させる。その後、容器を100℃で同じ油浴中に設置し、規則的な間隔で、試料をHPLCのために採取する。その後、時間−変換率−表を作成する。
Figure 2005511682
実施例13及び14
それぞれ、シュレンク容器中に、 − ジメチルアセトアミド4ml中に(実施例13)、ジオキサン4ml中に(実施例14) − アクリルアミド237.6mg、4−クロロベンゾトリフルオリド0.50ml(3.71ミリモル)、ジシクロヘキシルメチルアミン0.87ml、パラジウムアセテート0.8mg(0.11モル%)、ジ(t−ブチル)フェニルホスファン3.3mg及び内部標準としての1,3,5−トリメトキシベンゼン100mgを溶解させる。その後、2つの小管を130℃で同じ油浴中に設置し(圧力管中でジオキサンを伴うバッチ)、3時間に亘り撹拌する。反応前及び反応終了後に試料をそれぞれ採取し、それをもとにHPLCで変換率を算出する。ジメチルアセトアミド(実施例13)中では3時間後に変換率33%(TON 298、TOF 99h−1)が達成されたが、ジオキサン(実施例14)中では単に2.4%であった。
実施例15及び16
それぞれ、シュレンク容器中に、 − ジメチルアセトアミド4ml中に(実施例15)、ジオキサン4ml中に(実施例16) − アクリルアミド237.6mg(3.34ミリモル)、4−クロロベンゾトリフルオリド0.50ml(3.71ミリモル)、ジシクロヘキシルメチルアミン0.87ml(4.08ミリモル)、パラジウムアセテート0.8mg(3.7マイクロモル)、トリ(t−ブチル)ホスファン3.0mg(14.9マイクロモル)及び内部標準としての1,3,5−トリメトキシベンゼン100mgを溶解させる。その後、2つの小管を130℃で同じ油浴中に設置し(圧力管中でジオキサンを伴うバッチ)、3時間に亘り撹拌する。反応前及び反応終了後に試料をそれぞれ採取し、それをもとにHPLCで変換率を算出する。ジメチルアセトアミド(実施例15)中では3時間後に変換率52%(TON 469;TOF 156h−1)が達成されたが、ジオキサン(実施例16)中では変換なしであった。

Claims (16)

  1. アリールオレフィンの製造法において、
    −一般式(I)
    Ar−[X] (I)
    [式中、
    nは、1又は2を表し、かつ
    Arは、置換又は非置換の芳香族基を表し、かつ
    Xは、その都度無関係に、塩素、臭素、ヨウ素又はスルホネートを表す]
    の芳香族化合物を、
    −パラジウム−触媒、
    −少なくとも1種の立体的に要求の多い窒素塩基の存在下に、
    −二重結合上に少なくとも1個の水素原子を有するオレフィンと、
    −双極性非プロトン性溶剤の存在で
    反応させることを特徴とする、アリールオレフィンの製造法。
  2. 双極性非プロトン性溶剤として、アミド系溶剤、スルホキシド、ニトリル、ケトン又はスルホラン、又はその混合物を使用する、請求項1記載の方法。
  3. 双極性非プロトン性溶剤として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン、又はその混合物を使用する、請求項1記載の方法。
  4. 一般式(I)において、
    Arは、6〜24個の骨格炭素原子を有する炭素環式芳香族基、又は、5〜24個の骨格炭素原子を有し、環1つ当たり0、1、2又は3個の骨格炭素原子が、但し分子全体においては少なくとも1個の骨格炭素原子が、窒素、硫黄又は酸素の群から選択されたヘテロ原子により置換されている複素芳香族基を表し、その際、
    炭素環式芳香族基又は複素芳香族基は、環1つ当たり、ヒドロキシ、フッ素、ニトロ、シアノ、遊離又は保護されたホルミル、C〜C12−アルキル、C〜C14−アリール、C〜C15−アリールアルキル、−PO−[(C〜C)−アルキル]、−PO−[(C〜C14)−アリール]、−PO−[(C〜C)−アルキル)(C〜C14)−アリール)]、トリ(C〜C−アルキル)シロキシル、又は一般式(II)
    A−B−D−E (II)
    [式中、相互に無関係に、
    Aは、欠失しているか、又はC〜C−アルキレン基を表し、かつ
    Bは、欠失しているか、又は酸素、硫黄又はNRを表し、
    ここで、Rは水素、C〜C−アルキル、C〜C15−アリールアルキル又はC〜C14−アリールを表し、かつ
    Dはカルボニル基を表し、かつ
    Eは、R、OR、NHR又はN(Rを表し、
    ここで、RはC〜C−アルキル、C〜C15−アリールアルキル、C〜C−ハロゲンアルキル又はC〜C14−アリールを表し、かつ
    は、その都度無関係に、C〜C−アルキル、C〜C15−アリールアルキル又はC〜C14−アリールを表すか、又はN(Rはまとまって環式アミノ基を表す]
    の基、
    又は一般式(IIIa〜e)
    A−E (IIIa)
    A−SO−E (IIIb)
    A−B−SO (IIIc)
    A−SOW (IIId)
    A−COW (IIIe)
    [式中、
    A、B、E及びRは前記の意味を有し、かつWはOH、NH又はOMを表し、ここで、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの半当量、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを表す]
    の基から選択される5個までの同じか又は異なる置換基により置換されており、
    Xは、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメタンスルホニルオキシ又はノナフルオロブタンスルホニルオキシを表す、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. パラジウム触媒としてパラジウム錯体を使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. パラジウム触媒として、反応溶液中のパラジウム化合物及びリン化合物から生じるパラジウム錯体を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. リン化合物として、一般式(Va)
    P(E−R (Va)
    [式中、
    Eは、その都度相互に無関係に、かつRとは無関係に、欠失しているか、又は酸素を表し、かつ
    基Rは、その都度相互に無関係に、C〜C−アルキル、又は、非置換の、Rにより1、2又は3回置換された、フェニル−、ナフチル−又はフェロセニルを表し、ここで、Rは、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、塩素、フッ素−、N(C〜C−アルキル)、CO−(C〜C−アルキル)、−CON(C〜C−アルキル)、シアノ−又はCO(C〜C−アルキル)を表す]
    の一リン化合物を使用するか、又は
    一般式(Vb)
    (R−E)P−E−Z−E−P(E−R (Vb)
    [式中、
    Eは、その都度相互に無関係に、かつR及びZとは無関係に、欠失しているか、又は酸素を表し、かつ
    基Rは、相互に無関係に、C〜C−アルキル、又は、非置換の、Rにより1、2又は3回置換された、5〜12個の骨格炭素原子を有するフェニル、ナフチル−又はヘテロアリールを表し、ここで、
    は、その都度無関係に、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、フッ素−又はシアノ−の群から選択されており、かつ
    Zは、C〜C−アルキレン、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−シクロヘキシレン、1,1’−フェロセニレン、1,2−フェロセニレン、2,2’−(1,1’−ビナフチレン)及び1,1’−ビフェニレンの群からの、非置換又は置換された基を表す]
    のニリン化合物を使用する、請求項6記載の方法。
  8. リン化合物として、トリ−(t−ブチル)ホスフィン、フェニルジ−(t−ブチル)ホスフィン及びフェロセニル−ジ−(t−ブチル)ホスフィンを使用する、請求項6又は7記載の方法。
  9. 反応混合物中のリン対パラジウムのモル比が1:1〜100:1である、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. パラジウムに対する一般式(I)の化合物中のXのモル比が10〜20000である、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 立体的に要求の多い窒素塩基として、一般式
    NR10 (VII)
    [式中、
    、R及びR10は、その都度相互に無関係に、C〜C20−アルキル、C〜C14−アリール又はC〜C15−アリールアルキルを表すか、又は、その都度、基R、R及びR10のうち2又は3個は、窒素原子と共に、環1つ当たり4〜8個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式複素環を形成してよいが、
    但し、基R、R及びR10のうち1、2又は3個は、その都度相互に無関係に、3級又は4級のsp−炭素原子を介して窒素原子に結合しているか、又は、オルト位で1回又は2回置換されているアリール基を表すという条件付きである]
    のアミンか、又は、
    窒素に対して2つのオルト位が置換されているN−複素芳香族化合物を使用する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 立体的に要求の多い窒素塩基として、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、及びシクロヘキシルジメチルアミンを使用する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 二重結合上に少なくとも1個の水素原子を有するオレフィンとして、一般式(X)
    11CH=CR1213 (X)
    [式中、相互に無関係に、
    11は水素又はメチルを表し、かつ
    12は水素又はメチルを表し、かつ
    13は、水素、シアノ、SOM、C〜C−アルキル、6〜18個の骨格炭素原子を有する炭素環式芳香族基、又は、5〜18個の骨格炭素原子を有し、環1つ当たり0、1、2又は3個の骨格炭素原子が、但し分子全体においては少なくとも1個の骨格炭素原子が、窒素、硫黄又は酸素の群から選択されたヘテロ原子により置換されていてよい複素芳香族基、又は一般式(XI)
    Figure 2005511682
    (ここで、Gは、OM、OH、NH、OR14、NHR14又はN(R14を表し、かつR14は、C〜C12−アルキル、C〜C15−アリールアルキル又はC〜C10−アリールを表すか、又は、
    N(R14はまとまって環式アミノ基を表し、ここでMはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの半当量、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを表す)の基を表す]
    のようなオレフィンを使用する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 反応温度が20℃〜200℃である、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 医薬品又は農薬を製造するための、請求項1から14までのいずれか1項の記載に従って製造されたアリールオレフィンの使用。
  16. 光保護剤を製造するための、請求項1から15までのいずれか1項の記載に従って製造されたアリールアクリル酸誘導体の使用。
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