JP2005506979A - オキソ置換及びヒドロキシ置換炭化水素のキナルドイル−アミン誘導体を使用するアルツハイマー病の治療方法 - Google Patents

オキソ置換及びヒドロキシ置換炭化水素のキナルドイル−アミン誘導体を使用するアルツハイマー病の治療方法 Download PDF

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Abstract

1、R2、R3、及びN*が本発明で定義するとおりである式(I)の化合物を使用することにより、アルツハイマー病及び他の疾患を治療し、及び/又はβ−セクレターゼ酵素を阻害し、及び/又は哺乳動物でのAβペプチドの沈着を抑制する方法が開示される。

Description

【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年8月28日出願の米国特許仮出願第60/315,550号明細書に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、アルツハイマー病及び他の類似疾患の治療、より詳細には、β−セクレターゼ、すなわち、アミロイド前駆体タンパク質を切断して、アルツハイマー病患者の脳中に見られるアミロイド斑の主成分であるAβペプチドを産生する酵素をその方法で阻害する化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(AD)は、主に老化と関連した、進行性の脳の変性疾患である。ADの臨床上の症状は、記憶、認知能力、理性、判断力、及び見当識の喪失を特徴とする。疾患が進行するにつれて、運動、感覚、及び言語能力も影響を受け、複合的認知機能の全面的な機能障害がもたらされる。このような認知能力の喪失は徐々に生じるが、通常は重度の機能障害をもたらし、その結果4〜12年で死に至る。
【0004】
アルツハイマー病は、脳の主な2つの病理学的所見、すなわち神経原線維変化と、大部分はAβとして知られているペプチド断片凝集体からなるβアミロイド(もしくは神経突起)斑を特徴とする。ADの個体は、特有の脳でのβアミロイド沈着(βアミロイド斑)及び脳血管でのβアミロイド沈着(βアミロイド血管障害)、並びに神経原線維変化を示す。神経原線維変化は、アルツハイマー病だけでなく、他の痴呆誘発疾患でも起こる。解剖すると、通常記憶及び認知にとって重要なヒトの脳領域にこのような病変が多数見出される。
【0005】
臨床上ADでない高齢なヒトの大多数の脳内でも、解剖学的分布がより限定された形のこのような病変がそれよりも少数であるが見出される。アミロイド形成的な斑及び血管のアミロイド血管障害は、トリソミー21(ダウン症候群)、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血(HCHWA−D)、及び他の神経形成障害に罹患した個体の脳の特徴でもある。βアミロイドは、ADの定義をなす特徴であり、今や疾患発症の原因となる前駆体又は因子と考えられている。認知活動を担う脳領域でのAβ沈着は、AD発症の主要な要因である。βアミロイド斑は、大部分はアミロイドβペプチド(Aβ、βA4とされることもある)からなる。βペプチドは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)がタンパク質分解されることによって誘導され、39〜42個のアミノ酸からなる。APPのプロセシングには、セクレターゼと呼ばれる数種のプロテアーゼが関与している。
【0006】
APPのAβペプチドN末端でのβ−セクレターゼによる切断、及びそのC末端での1種又は複数のγセクレターゼによる切断がβアミロイド形成経路、すなわちAβが形成される経路をなす。αセクレターゼによるAPPの切断によって、α−sAPP、すなわちAPPの分泌型が生成するが、これはβアミロイド斑の形成をもたらさない。この交代性の経路が、Aβペプチドの形成を妨げる。APPのタンパク分解性プロセシング断片についての記述は、たとえば、米国特許第5,441,870号、同第5,721,130号、及び同第5,942,400号に出ている。
【0007】
アスパルチルプロテアーゼは、β−セクレターゼ切断部位でのAPPのプロセシングを担う酵素として特定されている。β−セクレターゼ酵素は、BACE、Asp、及びMemapsinを含むさまざまな名称を用いて開示されている。たとえば、Sinha等のNature 第402巻:537〜554(p501)、1999年、及び公告されたPCT出願WO00/17369を参照されたい。
【0008】
何通りかの証拠は、進行性の大脳βアミロイド・ペプチド(Aβ)沈着がADの発生において種のような役割を担い、数年又は数十年後に認知に関する症状を発生させることが示唆する。たとえば、SelkoeのNeuron 第6巻:487ページ、1991年を参照されたい。正常な個体及びAD対象のどちらにおいても、培養液中で成長させた神経細胞からAβが遊離すること、及び脳脊髄液(CSF)中にAβが存在することが実証された。たとえば、Seubert等のNature 第359巻:325〜327ページ、1992年を参照されたい。
【0009】
Aβペプチドは、β−セクレターゼによるAPPプロセシングの結果として蓄積されるので、AD治療ではこの酵素の活性を阻害することが望ましいと提言されている。β−セクレターゼ切断部位でのAPPのin vivoプロセシングは、Aβ生成の律速ステップであるので、AD治療のための治療ターゲットになると考えられている。たとえば、Sabbagh,M.等のAlz.Dis.Rev.第3巻、1〜19ページ1997年を参照されたい。
【0010】
BACE1ノックアウト・マウスは、Aβを産生せず、正常な表現型を示した。APPを過剰発現するトランスジェニック・マウスと交雑させたると、その子孫では、脳抽出物中のAβ量が対照動物に比べて減少する(Luo等のNature Neuroscience 第4巻:231〜232ページ、2001年)。この証拠も、脳においてβ−セクレターゼ活性を阻害し、Aβを減少させることがAD及び他のβアミロイド障害を治療する治療方法になるという提言を支持する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在では、アルツハイマー病の進行を阻止し、予防し、又は後退させる有効な治療はない。したがって、アルツハイマー病の進行を遅らせ、かつ/又は第1にこれを予防できる薬剤が早急に求められている。
【0012】
β−セクレターゼの有効な阻害剤であり、β−セクレターゼを媒介とするAPPの切断を阻害し、Aβ産生の有効な阻害剤であり、かつ/又はアミロイドβの沈着又はその斑を減少させるのに有効な、ADなど、アミロイドβの沈着又はその斑を特徴とする疾患を治療及び予防するための化合物が求められている。
【0013】
米国特許第5,679,688号は、オキソ置換炭化水素及びヒドロキシ置換炭化水素のキナルドイル−アミン誘導体を開示し、このような化合物が、HIVプロテアーゼ阻害剤としてAIDS治療用に使用できることを提示している。米国特許第5,679,688号の開示の全体を参照により本出願に組み込む。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;アルツハイマー病の進行を遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、パーキンソン病に随伴する前頭側頭型痴呆(FTDP)、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物
【化1】
Figure 2005506979
[式中、Rは、基Rであり
Rは、
Figure 2005506979
からなる群から選択され、
R”及びR”’は、それぞれ独立に、任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C24)アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C25)アラルキル、通常は(C〜C16)アラルキル、(C〜C18)アルケニル、通常は(C〜C12)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、通常は(C〜C16)アラルケニル、(C〜C18)アルキニル、通常は(C〜C12)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、通常は(C〜C16)アラルキニル、又は複素環であり、
R’は、(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C24)アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C25)アラルキル、通常は(C〜C16)アラルキル、(C〜C18)アルケニル、通常は(C〜C12)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、通常は(C〜C16)アラルケニル、(C〜C18)アルキニル、通常は(C〜C12)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、通常は(C〜C16)アラルキニル、又は複素環から誘導された、任意選択で置換されている二価の基であり、
あるいはRは、次式
【化2】
Figure 2005506979
[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、合わせて=O、=S、=NH、又は=NRである。]であり;
は、次式
【化3】
Figure 2005506979
[式中、Rは、先に規定したとおりであり、Dは、O又はSであり、Yは、水素、−R、又はOR(Rは、先に規定したとおりであるか、又は存在する官能基が任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基である)であり、Bは、任意選択で不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O−、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、先に規定した基Rによって置換されていてよい。]であり、
任意選択で、N、N、R、及びRは、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
【化4】
Figure 2005506979
[式中、pは1〜3であり、各Rは、それぞれ独立に上で規定したとおりであり、Rは、
Figure 2005506979
であり、各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、各Lは、それぞれ独立に、Rであるか、又はin vivoで不安定なヒドロキシル保護基である]を形成し、あるいはR、N、及びRは、一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Y(Yは、先に規定したとおりである)によってさらに置換されていてもよく;
は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されてもよい(C〜C)アルキリデン、通常は(C〜C)アルキリデンであり;
Qは、次式
【化5】
Figure 2005506979
[式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである。]であり、
任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、及びAが一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系の一部を形成し;
Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSであり、Rは、先に規定したとおりであり、及びXは、水素又はXであり、Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS(O)−であり、zは1又は2であり、Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、通常は(C〜C12)アルキル複素環、複素環(C〜C24)アリールオキシ、通常は複素環(C〜C16)アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、通常は(C〜C12)アルコキシ、(C〜C18)アルコキシ(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルコキシ、(C〜C12)アルキル、(C〜C24)アリールオキシ(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C16)アリールオキシ(C〜C12)アルキル、(C〜C24)アリールオキシ(C〜C18)アルコキシ、通常は(C〜C16)アリールオキシ(C〜C12)アルコキシ、(C〜C24)アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C24)アリール(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C16)アリール(C〜C12)アルキル、(C〜C24)アリール(C〜C18)アルキル複素環、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C12)アルキル複素環、複素環オキシ(C〜C18)アルキル、通常は複素環オキシ(C〜C12)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、通常は(C〜C12)アルキルアミノ、ジ(C〜C18)アルキルアミノ、通常はジ(C〜C12)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、通常は(C〜C16)アリールアミノ、ジ(C〜C24)アリールアミノ、通常はジ(C〜C16)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、通常は(C〜C12)アラルキルアミノ、又はジ(C〜C25)アラルキルアミノ、通常はジ(C〜C12)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、以下で規定するように任意選択で置換されていても、又は基Reで置換されていてもよく、Reは、次式の基
【化6】
Figure 2005506979
[式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である。]であり、
あるいはXは、先に規定したReであり、
あるいはXは、任意選択で保護されたアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基であり、あるいは
WがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成している。]又は薬剤として許容可能なその塩
を投与することを含む。
【0015】
本発明の方法で使用する化合物は、一緒になって、任意選択で置換されている(C〜C18)アルキリデン、通常は(C〜C)アルキリデンである、必ずしもビシナルでない2個のR置換基を含んでよい。
【0016】
本発明の方法で使用する化合物は、示したZ−NH結合が、
Figure 2005506979
など、変更された等配電子結合(isosteric bond)によって置換された化合物を含んでいてもよく、各Raは、それぞれ独立に先に規定したとおりである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
一態様では、本発明は、アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;アルツハイマー病の進行を遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、パーキンソン病に随伴する前頭側頭型痴呆(FTDP)、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物
【化7】
Figure 2005506979
[式中、Rは、基Rであり
Rは、
Figure 2005506979
からなる群から選択され、
R”及びR’”は、それぞれ独立に、任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C24)アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C25)アラルキル、通常は(C〜C16)アラルキル、(C〜C18)アルケニル、通常は(C〜C12)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、通常は(C〜C16)アラルケニル、(C〜C18)アルキニル、通常は(C〜C12)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、通常は(C〜C16)アラルキニル、又は複素環であり、
R’は、(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C24)アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C25)アラルキル、通常は(C〜C16)アラルキル、(C〜C18)アルケニル、通常は(C〜C12)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、通常は(C〜C16)アラルケニル、(C〜C18)アルキニル、通常は(C〜C12)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、通常は(C〜C16)アラルキニル、又は複素環から誘導された、任意選択で置換されている二価の基であり、
あるいはRは、次式
【化8】
Figure 2005506979
[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、合わせて=O、=S、=NH、又は=NRである。]であり;
は、次式
【化9】
Figure 2005506979
[式中、Rは、先に規定したとおりであり、Dは、O又はSであり、Yは、水素、−R、又はOR(Rは、先に規定したとおりであるか、又は存在する官能基が任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基である)であり、Bは、任意選択で不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O−、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、先に規定した基Rによって置換されていてよい。]であり、
任意選択で、N、N、R、及びRは、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
【化10】
Figure 2005506979
[式中、pは1〜3であり、各Rは、それぞれ独立に上で規定したとおりであり、Rは、
Figure 2005506979
であり、各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、各Lは、それぞれ独立に、Rであるか、又はin vivoで不安定なヒドロキシル保護基である]を形成し、あるいはR、N、及びRは、一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Y(Yは、先に規定したとおりである)によってさらに置換されていてもよく;
は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されてもよい(C〜C)アルキリデン、通常は(C〜C)アルキリデンであり;
Qは、次式
【化11】
Figure 2005506979
[式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである。]であり、
任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、及びAが一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系の一部を形成し;
Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSであり、Rは、先に規定したとおりであり、及びXは、水素又はXであり、Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS(O)−であり、zは1又は2であり、Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、通常は(C〜C12)アルキル複素環、複素環(C〜C24)アリールオキシ、通常は複素環(C〜C16)アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、通常は(C〜C12)アルコキシ、(C〜C18)アルコキシ(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルコキシ、(C〜C12)アルキル、(C〜C24)アリールオキシ(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C16)アリールオキシ(C〜C12)アルキル、(C〜C24)アリールオキシ(C〜C18)アルコキシ、通常は(C〜C16)アリールオキシ(C〜C12)アルコキシ、(C〜C24)アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C24)アリール(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C16)アリール(C〜C12)アルキル、(C〜C24)アリール(C〜C18)アルキル複素環、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C12)アルキル複素環、複素環オキシ(C〜C18)アルキル、通常は複素環オキシ(C〜C12)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、通常は(C〜C12)アルキルアミノ、ジ(C〜C18)アルキルアミノ、通常はジ(C〜C12)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、通常は(C〜C16)アリールアミノ、ジ(C〜C24)アリールアミノ、通常はジ(C〜C16)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、通常は(C〜C12)アラルキルアミノ、又はジ(C〜C25)アラルキルアミノ、通常はジ(C〜C12)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、以下で規定するように任意選択で置換されていても、又は基Reで置換されていてもよく、Reは、次式の基
【化12】
Figure 2005506979
[式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である。]であり、
あるいはXは、先に規定したReであり、
あるいはXは、任意選択で保護されたアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基であり、あるいは
WがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、以下で規定するような飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成している。]又は薬剤として許容可能なその塩
を投与することを含む。
【0018】
好ましい実施形態では、方法は、次式(IA)の化合物
【化13】
Figure 2005506979
[式中、X、Q、Y、及び各Rは、それぞれ独立に、先に規定したとおりであり、a及びbは、それぞれ独立に、0〜4であり、cは0〜6であり、あるいは必ずしも隣接していない2個のR基は、一緒になって、−(CHR18−(式中、mは2〜8であり、R18はRの意味を有する)となる。]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む。
【0019】
別の好ましい実施形態では、一般式(I)の化合物は、次式(IB)
【化14】
Figure 2005506979
[式中、X、R、A’、Q、A、及びYは、先に規定したとおりであるか、又はA及びA’のどちらかもしくは両方が不在であり、R19及びR20は、Rの意味を有し、あるいはR19、N、N、及びR20は、一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンを形成する。]で表される構造を有する。
【0020】
他の好ましい実施形態では、一般式(I)の化合物は、次式(IC)又は(ID)
【化15】
Figure 2005506979
[式中、
Rは、上で規定したとおりであり、
21は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C12)アリール、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキルであり、
22は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR21とR22が一緒になって、−(CH−(式中、nは2〜8である)であり、
23は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR22とR23が一緒になって、−(CHR25−(式中、mは3〜6であり、R25はR10の意味である)となり、
24は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキル、又は任意選択で置換されている(C〜C12)アリールであり、
あるいは、NR23とNR24が一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンになってもよく、
X及びYは、先に規定したとおりである。]で表される構造を有する。
【0021】
本発明の方法で使用するのに好ましい化合物には、
(i)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(ii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(iii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(iv)3−イソプロピル−3−[(3S)−2−オキソ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(v)3−(1−メチル−3−フェニルプロペン−3−イル)−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(vi)3−(1−メチル−3−フェニルプロピル)−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(vii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(viii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(ix)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(x)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)メトキシカルボニル)−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(xi)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(xii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−グルタミニル)−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(xiii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−スレオニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
(xiv)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、
(xv)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(xvi)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−(2−ピリジル)メトキシ−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(xvii)2−[N−(1S)(2−メチル−1−メトキシカルボニルプロピル)カルバモイル]−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)メトキシ−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(xviii)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(ixx)1−[2−(2−ピリジル)マトキシカルボニルアミノ−]ベンゾイル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
(xx)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン、
(xxi)1−トリメチルアセチル−2−((2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
(xxii)1−トリメチルアセチル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
(xxiii)1−(t−ブチルアミノ)カルボニル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
(xxiv)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,38)−2−ヒドロキシ−3−(N−ピコリノイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxv)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(2−ピリジル)メトキシカルボニル−アントラニロイル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxvi)3−ベンジル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxvii)3−ベンジル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxviii)3−シクロヘキシル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニル−メトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxix)3−シクロヘキシル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxx)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(1−カルボニルメチル)アクリロイル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxxi)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(2(RS)−3−tert−ブチルチオ−2−カルバモイル−メチルプロピオニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxxii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(1−ベンゾイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
(xxxiii)1−t−ブチルオキシカルボニル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン、
(xxxiv)1−t−ブチルオキシカルボニル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン、
(xxxv)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−3−シアノ−L−アラニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4,4,0]デカン
が含まれる。
【0022】
本発明の方法で使用する一部の代表的な化合物の構造は、以下のとおりである。
【0023】
【化16】
Figure 2005506979
【0024】
本発明の方法において有用な化合物は、不斉中心を有し、ラセミ体、ラセミ混合物、及び個々のジアステレオ異性体もしくは鏡像異性体として生じることがあるが、すべての異性体の形を本発明に含める。
【0025】
任意の構成成分又は式Iの中で可変基(たとえば、アリール、複素環、R、R、X、Y、又はZなど)が複数回出現するとき、各出現時のその定義は、他の各出現時のその定義とは無関係である。また、その組合せが安定な化合物をもたらす場合に限り、置換基及び/又は可変基を組み合わせても差し支えない。
【0026】
式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、又は(ID)の化合物は、光学異性体の形で存在していてよく、本発明は、その範囲内に、すべてのジアステレオ異性体及びラセミ混合物を含む、あらゆる比率のすべてのそうした形態を含む。
【0027】
本発明の方法で使用する化合物は、合わせて、任意選択で置換されている(C〜C18)アルキリデン、通常は(C〜C)アルキリデンとなる、必ずしもビシナルでない2個のR置換基を含んでよい。
【0028】
同じく本発明の方法で使用する化合物は、示したZ−NH結合が、
Figure 2005506979
など、変更された等配電子結合によって置換された化合物を含んでいてもよく、各Raは、それぞれ独立に先に規定したとおりである。
【0029】
本出願では、用語「任意選択で置換されている」とは、1個又は複数の水素原子が、
Figure 2005506979
から選択され、RIV及びRが、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C〜C18)アルキル、通常は(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C24)−アリール、通常は(C〜C16)アリール、(C〜C25)アラルキル、通常は(C〜C16)アラルキル、(C〜C18)アルケニル、通常は(C〜C12)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、通常は(C〜C16)アラルケニル、(C〜C18)アルキニル、通常は(C〜C12)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、通常は(C〜C16)アラルキニル、又は複素環である、1個又は複数の基によって置換されていてもよいことを意味する。
【0030】
本出願では、用語「アルキリデン」とは、任意選択で、不飽和の二価アルキル基を指す。そのような基の例は、−CH−、−CHCH−、−CH=CH−、−CHCHCH−、−C(=CH)CH−、−CHCH=CH−、−(CH−、−CHCHCH=CH−、−CHCH=CHCH−、及び−(CH−(rは5〜8である)である。この用語は、その基の結合の1個又は複数が環系の部分を形成している基も指す。そのような基の例は、次の構造、すなわち、
【化17】
Figure 2005506979
である基、並びにN又はO原子がSによって置換されている同様の基である。
【0031】
本出願では、用語「アラルケニル」及び「アラルキニル」とは、それぞれ、先に規定したような1個又は複数のアリール基で置換されたアルケニル基及びアルキニル基を指す。そのような基の例は、スチリル、フェニルアセチレニル、及び2−フェニル−2−ブテニルである。
【0032】
本出願では、用語「飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系」とは、その最高で3個がO、S、又はNによって置換されていてよい最高で16個の炭素原子からなる環系を指し、この環系は、
Figure 2005506979
のうちの1個又は複数で置換されていてよく、
各L及びRは、それぞれ独立に、先に規定したとおりである。そのような環系の例は、上で例示した環式アルキリデン基、及び
【化18】
Figure 2005506979
である。
【0033】
複素環が不安定となる立体配置は、「複素環」又は「飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の環系」の定義の範囲内に含まれない。
【0034】
本出願では、用語「アルキル複素環」とは、上で規定したアルキル基で置換されている、上で規定した複素環基を指す。
【0035】
本出願では、用語「複素環−オキシ−アルキル」とは、式、複素環−O−アルキル(複素環及びアルキルは、上で規定したとおりである)の基を指す。
【0036】
本出願では、用語「アルコキシ」とは、式、アルキル−O−(アルキル基は上で規定したとおりである)の基を指す。
【0037】
本出願では、用語「アリールオキシ」とは、式、アリール−O−(アリール基は上で規定したとおりである)の基を指す。
【0038】
本出願では、用語「アルカノイルオキシ」とは、式、アルキル−C(O)O−(アルキル基は上で規定したとおりである)の基を指す。
【0039】
本出願では、用語「アミノ酸」とは、合成又は天然に存在する、式HNCH(R)COOH(Rは上で規定したとおりである)の化合物を指す。
【0040】
本出願では、用語「アザアミノ酸」とは、CH(R)基が、基−N(R)−(Rは上で規定したとおりである)によって置換されているアミノ酸を指す。
【0041】
式(I)の化合物の適切な薬剤として許容可能な塩には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、臭化水素酸、又はヨウ化水素酸など、薬剤として許容可能な無機酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸、粘液酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、吉草酸など、薬剤として許容可能な有機酸の塩が含まれるがこれだけに限らない。
【0042】
表現「保護された」とは、本出願では、ヒドロキシルやアミノなどの反応性の基が、その反応性の基の水素原子の置換によって置換されて、合成の間そのような基が保護され、かつ/又は式(I)の化合物が、対象に投与された後所望の作用部位に到達し得る前に時期尚早に代謝されないようになっていることを意味するものとする。ヒドロキシル置換基に適する保護基には、たとえばメトキシメチル、ベンジルオキシメチルなどの置換メチルエーテル;ビニル、アシル、及び炭酸基が含まれる。アミノ置換基に適する保護基には、アセチル、t−ブチルアセチル、t−ブチルオキシカルボニル、ベンゾイルもしくはカルボベンジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ピリジンメトキシカルボニル、キノリン−2−カルボニルなどのアシル基、又はアミノアシル残基が含まれる。式(I)の化合物と共に使用してよい保護基は、in vivoで加水分解又は代謝による切断を受けやすくなければならない。
【0043】
化合物の調製
式(I)の化合物は、置換アミンの既知の合成方法によって調製できる。たとえば、次式
【化19】
Figure 2005506979
の化合物は、次式
【化20】
Figure 2005506979
のアミンと次式
【化21】
Figure 2005506979
の置換アルキルハロゲン化物とを反応させて調製することができる。
【0044】
式(IA)の化合物は、次式
【化22】
Figure 2005506979
のアミンと次式
【化23】
Figure 2005506979
のハロゲン化物とを反応させて調製することができる。
【0045】
式(IB)の化合物は、次式
【化24】
Figure 2005506979
のアミンと次式
【化25】
Figure 2005506979
のハロゲン化物とを反応させて調製することができる。
【0046】
式(IC)の化合物は、次式(II)
【化26】
Figure 2005506979
[式中、X、R21、R22、及びRは、始めの方で示した意味を有する。]の化合物と次式(III)
【化27】
Figure 2005506979
[式中、R23、R24、及びYは、始めの方で示した意味を有する。]の化合物とを反応させて調製することができる。
【0047】
式(ID)の化合物は、式(IC)の化合物から、アルコールを酸化的に変換してケトンにする既知の方法に従う酸化によって得ることができる。
【0048】
式(ID)の化合物は、次式(IIa)
【化28】
Figure 2005506979
[式中、X、R、R21、及びR22は、先に規定したとおりであり、Halは、−Cl、−Br、−I、又は−OS(O)Rから選択された基である。]と式(III)の化合物とを反応させて得てもよい。
【0049】
式(IC)及び(ID)の化合物の調製方法は、以下の一般スキーム1〜3によって表されよう。ここに示すスキームでは、以下の略語を定めた。
【0050】
AAはアミノ酸又はアミノ酸残基を指し、AcCNはアセトニトリルを指し、BOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸を指し、CBZはカルボベンズオキシを指し、CDIはN,N’−カルボニルジイミダゾールを指し、DMFはジメチルホルムアミドを指し、DMSOはジメチルスルホキシドを指し、HBTは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを指し、Pyはピリジンを指し、PyxSOは三酸化硫黄のピリジン錯体を指し、RTは室温を指し、L−ValはL−バリンを指す。
【0051】
【化29】
Figure 2005506979
【化30】
Figure 2005506979
【化31】
Figure 2005506979
【0052】
例示した反応スキームは、以下で例示するような一般に知られている方法によって実施することができる。本発明の化合物の合成に使用するアミノ酸もしくはペプチドの模倣物は、一般に市販もされており、又は従来の有機化学的方法によって調製することもできる。
【0053】
中間体(II)、(IIa)、及び(III)までの合成経路は、容易に実現できる。式(II)のキラルなアミノアルキルエポキシドは、以下、すなわち(a)Evans,B.E.らのJ.Org.Chem.、第50巻、4615〜4625ページ(1985年)、(b)Luly,J.R.らのJ.Org.Chem.、第52巻、1487〜1492ページ(1987年)、(c)Handa,B.K.他の欧州特許出願第346,847−A2号(1989年)、及び(d)Marshall,G.R.他の国際特許出願第WO91/08221号に記載の方法を使用して得ることができる。
【0054】
N保護されたアミノアルキルハロメチルケトン(IIa)は、市販もされており、又は(e)RichらのJ.Med.Chem.、第33巻、1285〜1288ページ(1990年)、及び上の参照文献(d)に記載の方法を使用して調製することもできる。
【0055】
ヒドラジド中間体(III)は、(g)Dutta,A.S.らのJ.Chem.Soc.Perkin Trans.I、(1975年)1712〜1720ページ、(h)Ghali,N.I.らのJ.Org.Chem.、第46巻、5413〜5414ページ(1981年)、(i)Gante,J.のSynthesis、(1989年)405〜413ページ、及び(j)「Houben−Weylの有機化学的方法(Houben−Weyl’s Methoden der Organische Chemie)」、第16巻a、第1部、421〜855ページ、Georg Thieme Verlag、ドイツ、シュトゥットガルト(1990年)に記載のものなど、既知の方法を利用して得ることができる。
【0056】
一態様では、この治療方法は、疾患がアルツハイマー病である場合に使用できる。
【0057】
別の態様では、この治療方法は、アルツハイマー病の発症を防ぎ又は遅らせるのを助長し得る。
【0058】
別の態様では、この治療方法は、アルツハイマー病の進行を遅らせるのを助長し得る。
【0059】
別の態様では、この治療方法は、疾患が軽度認知障害である場合に使用できる。
【0060】
別の態様では、この治療方法は、疾患がダウン症候群である場合に使用できる。
【0061】
別の態様では、この治療方法は、疾患がオランダ型遺伝性アミロイド性脳出血である場合に使用できる。
【0062】
別の態様では、この治療方法は、疾患が脳アミロイド血管障害である場合に使用できる。
【0063】
別の態様では、この治療方法は、疾患が変性痴呆である場合に使用できる。
【0064】
別の態様では、この治療方法は、疾患がびまん性レビー小体型アルツハイマー病である場合に使用できる。
【0065】
別の態様では、この治療方法は、上記したものなどの現存する疾患を治療することができる。
【0066】
別の態様では、この治療方法は、上記したものなどの疾患が発生又は進行するのを予防することができる。
【0067】
本発明の方法は、次の治療有効量、すなわち、経口投与では約0.1mg/日〜約1,000mg/日、非経口、舌下、鼻腔内、くも膜下投与では約0.5〜約100mg/日、デポー投与及び植込錠では約0.5mg/日〜約50mg/日、局所投与では約0.5mg/日〜約200mg/日、直腸投与では約0.5mg〜約500mgを使用することができる。
【0068】
好ましい態様では、経口投与の治療有効量は約1mg/日〜約100mg/日であり、非経口投与では1日約5〜約50mgである。
【0069】
より好ましい態様では、経口投与の治療有効量は約5mg/日〜約50mg/日である。
【0070】
本発明はまた、式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩の、アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長する、軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせる、ダウン症候群を治療する、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療する、脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぐ、血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、パーキンソン病に随伴する前頭側頭型痴呆(FTDP)、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者の治療、又は対象におけるそのような疾患もしくは状態の予防に使用する医薬品の製造での使用を含む。
【0071】
一態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患がアルツハイマー病である場合に用いることができる。
【0072】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、アルツハイマー病の発症を防ぐ又は遅らせるのを助長し得る。
【0073】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、アルツハイマー病の進行を遅らせるのを助長し得る。
【0074】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患が軽度認知障害である場合に用いることができる。
【0075】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患がダウン症候群である場合に用いることができる。
【0076】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患がオランダ型遺伝性アミロイド性脳出血である場合に用いることができる。
【0077】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患が脳アミロイド血管障害である場合に用いることができる。
【0078】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患が変性痴呆である場合に用いることができる。
【0079】
別の態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、疾患がびまん性レビー小体型アルツハイマー病である場合に用いることができる。
【0080】
好ましい態様では、式(I)の化合物のこの使用法は、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、CH−(CH−COOH(式中、nは0〜4)、HOOC−(CH−COOH(式中、nは上で定義したとおり)、HOOC−CH=CH−COOH、及びフェニル−COOHからなる群から選択された酸の薬剤として許容可能な塩である。
【0081】
本発明の別の好ましい態様では、対象又は患者はヒトの対象又は患者であることが好ましい。
【0082】
本発明は、β−セクレターゼ活性を阻害し、反応混合物中で、APP−695アミノ酸アイソタイプの番号のMet596とAsp597の間の部位、又はそのアイソタイプもしくは変異体の対応する部位でのアミロイド前駆体タンパク質(APP)の切断を阻害し、細胞中でアミロイドβペプチド(Aβ)の産生を抑制し、動物においてβアミロイド斑の生成を抑制し、また脳中のβアミロイドの沈着を特徴とする疾患を治療又は予防する諸方法も含む。これらの方法はそれぞれ、治療有効量の式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む。
【0083】
本発明は、β−セクレターゼ活性を阻害する方法であって、前記β−セクレターゼを有効阻害量の式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩に曝すことを含む方法も含む。
【0084】
一態様では、この方法は、前記β−セクレターゼを前記化合物にin vitroで曝すことを含む。
【0085】
別の態様では、この方法は、前記β−セクレターゼを前記化合物に細胞中で曝すことを含む。
【0086】
別の態様では、この方法は、動物の細胞中で前記β−セクレターゼを前記化合物に曝すことを含む。
【0087】
別の態様では、この方法は、ヒトにおいて前記β−セクレターゼを前記化合物に曝すことを含む。
【0088】
本発明は、反応混合物中で、APP−695アミノ酸アイソタイプの番号のMet596とAsp597の間の部位、又はそのアイソタイプもしくは変異体の対応する部位でのアミロイド前駆体タンパク質(APP)の切断を阻害する方法であって、前記反応混合物を有効阻害量の式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩に曝すことを含む方法も含む。
【0089】
一態様では、この方法は、次の切断部位、すなわち、APP−751アイソタイプの番号のMet652とAsp653の間、APP−770アイソタイプの番号のMet671とAsp672の間、APP−695スウェーデン変異のLeu596とAsp597の間、APP−751スウェーデン変異のLeu652とAsp653の間、又はAPP−770スウェーデン変異のLeu671とAsp672の間を使用する。
【0090】
別の態様では、この方法は、前記反応混合物をin vitroで曝す。
【0091】
別の態様では、この方法は、前記反応混合物を細胞中で曝す。
【0092】
別の態様では、この方法は、動物細胞中で前記反応混合物を曝す。
【0093】
別の態様では、この方法は、ヒト細胞中で前記反応混合物を曝す。
【0094】
本発明は、細胞中でアミロイドβペプチド(Aβ)の産生を阻害する方法であって、前記細胞に有効阻害量の式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法も含む。
【0095】
一実施形態では、この方法は、動物に投与することを含む。
【0096】
一実施形態では、この方法は、ヒトに投与することを含む。
【0097】
本発明は、動物においてβアミロイド斑の生成を阻害する方法であって、前記動物に有効阻害量の式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法も含む。
【0098】
この態様の一実施形態では、この方法は、ヒトに投与することを含む。
【0099】
本発明は、脳中のβアミロイドの沈着を特徴とする疾患を治療又は予防する方法であって、対象に有効治療量の式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法も含む。
【0100】
一態様では、この方法は、約0.1〜約1000mg/日の範囲の治療量で化合物を使用する。
【0101】
別の態様では、この方法は、約15〜約1500mg/日の範囲の治療量で化合物を使用する。
【0102】
別の態様では、この方法は、約1〜約100mg/日の範囲の治療量で化合物を使用する。
【0103】
別の態様では、この方法は、約5〜約50mg/日の範囲の治療量で化合物を使用する。
【0104】
別の態様では、この方法は、前記疾患がアルツハイマー病である場合に使用することができる。
【0105】
別の態様では、この方法は、前記疾患が軽度認知障害、ダウン症候群、又はオランダ型遺伝性アミロイド性脳出血である場合に使用することができる。
【0106】
本発明は、式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩との複合体にしたβ−セクレターゼを含む組成物も含む。
【0107】
本発明は、β−セクレターゼ複合体を生成する方法であって、前記複合体の生成に適する条件下、反応混合物中でβ−セクレターゼを式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩に曝すことを含む方法も含む。
【0108】
一実施形態では、この方法は、in vitroで曝すことを含む。
【0109】
一実施形態では、この方法は、反応混合物を細胞として使用する。
【0110】
本発明は、少なくとも1個の構成要素が、容器に封入された式(I)の化合物を含んでいる、組み立ての可能な構成要素を含むコンポーネントキットも含む。
【0111】
一実施形態では、このコンポーネントキットは、凍結乾燥された化合物と、希釈剤を含めた少なくとも1種の別の構成要素とを含む。
【0112】
本発明は、複数の容器を含み、各容器が式(I)の化合物又は薬剤として許容可能なその塩の1回分又は複数回分の単位用量を含んでいる容器キットも含む。
【0113】
一実施形態では、この容器キットは、経口送達向けにできた各容器を含み、かつ錠剤、ゲル剤、又はカプセル剤を含む。
【0114】
一実施形態では、この容器キットは、非経口送達向けにできた各容器を含み、かつデポー製品、シリンジ、アンプル、又はバイアルを含む。
【0115】
一実施形態では、この容器キットは、局所送達向けにできた各容器を含み、かつパッチ、メディパッド、軟膏、又はクリームを含む。
【0116】
本発明は、式(I)の化合物もしくは薬剤として許容可能なその塩と、抗酸化剤、抗炎症薬、γセクレターゼ阻害剤、神経栄養剤(neurotrophic agent)、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、スタチン、Aβペプチド、及び抗Aβ抗体からなる群から選択された1種又は複数の治療薬とを含む薬品キットも含む。
【0117】
本発明は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の、β−セクレターゼを媒介とする切断を阻害する化合物、組成物、キット、及び方法を提供する。より詳細には、本発明の化合物、組成物、及び方法は、Aβペプチドの産生を抑制し、Aβペプチドという病理形態に随伴するヒト又は動物の任意の疾患又は状態を治療又は予防するのに有効である。
【0118】
本発明の化合物、組成物、及び方法は、アルツハイマー病(AD)に罹患しているヒトの治療、ADの発生の防止又は遅延を助長するため、軽度認知障害(MCI)に罹患している対象の治療、及びMCIからADへの進行がさもなければ予想されるはずの対象においてADの発生の防止又は遅延をするため、ダウン症候群を治療するため、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血を治療するため、脳アミロイド血管障害を治療し、単発性及び再発性皮質下出血など、起こり得るその予後を予防するため、血管性変性混合型痴呆を含む他の変性痴呆を治療するため、パーキンソン病に随伴する痴呆、パーキンソニズムを伴う前頭側頭型痴呆(FTDP)、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、及びびまん性レビー小体型ADを治療するために有用である。
【0119】
本発明の化合物は、β−セクレターゼ阻害活性を有する。本発明の化合物の阻害活性は、たとえば、本明細書に記載の、又は当技術分野で知られている1種又は複数のアッセイを使用して容易に証明される。
【0120】
式(I)の化合物は酸と反応した場合塩を形成することがある。該当する式(I)の化合物の中でも、薬剤として許容可能な塩が一般に好ましい。通常、より水に溶けやすい、安定した、かつ/又はより結晶性の高い化合物をしばしば生じるからである。薬剤として許容可能な塩とは、親化合物の活性を保持し、これを投与する対象及びこれが投与される状況に有害な又は望ましくない影響を与えないいずれかの塩である。薬剤として許容可能な塩には、無機酸の酸付加塩も有機酸の酸付加塩も含まれる。好ましい薬剤として許容可能な塩には、以下の酸、すなわち酢酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸塩、重硫酸、重酒石酸、酪酸、エデト酸カルシウム、d−カンファースルホン酸、炭酸、クロロベンゼン酸、クエン酸、エデト酸、エジシル(edisylic)酸、エストル(estolic)酸、エシル(esyl)酸、エシレン(esylic)酸、ギ酸、フマル酸、グルセプト(gluceptic)酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキサミン(hexamic)酸、ヘキシルレソルシノイン(hexylresorcinoic)酸、ヒドラバム(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル硝酸、メチル硫酸、粘液酸、ムコン酸、ナプシル(napsylic)酸、硝酸、シュウ酸、p−ニトロメタンスルホン酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、フタル酸、ポリガラクトウロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、スルホン酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、テオクル酸、及びトルエンスルホン酸の塩が含まれる。他の許容される塩については、Int.J.Pharm.第33巻201〜217ページ(1986年)及びJ.Pharm.Sci.第66巻(1)1ページ(1977)を参照されたい。
【0121】
本発明は、β−セクレターゼ酵素活性を阻害し、Aβペプチド産生を抑制するキット、及び方法を提供する。β−セクレターゼ酵素活性を阻害することによって、APPからのAβの産生を阻止又は低減し、脳のβアミロイド沈着形成物を減少又は消失させるものである。
【0122】
本発明の方法
本発明の化合物及び薬剤として許容可能なその塩は、βアミロイド斑など、βアミロイド・ペプチドという病理形態を特徴とする状態に罹患したヒト又は動物を治療し、またそのような状態の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長するために有用である。たとえば、この化合物は、アルツハイマー病を治療する、アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長する、MCI(軽度認知障害)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせる、ダウン症候群を治療する、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療する、脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぐ、血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、パーキンソン病に随伴する前頭側頭型痴呆(FTDP)、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するために有用である。本発明の化合物及び組成物は、アルツハイマー病進行の治療、予防、又は遅延に特に有用である。このような疾患を治療又は予防する場合、本発明の化合物は、個別に使用しても、対象毎について最適となるように併用してもよい。
【0123】
これらの疾患に関して、用語「治療する」とは、本発明の化合物が、現に疾患に罹患しているヒトに使用できることを意味する。本発明の化合物は、疾患に罹っている対象を必ずしも治癒させないが、疾患の進行を遅らせ、又は緩慢化し、あるいは疾患がさらに進行するのを予防し、それによってより有益な人生を個人に与える。
【0124】
用語「予防する」とは、本発明の化合物が、その時点で疾患に罹っていないが、通常なら疾患を発症し、又は疾患の恐れが高まっているはずの者に投与された場合に、その対象者が疾患を発症しないことを意味する。さらに、「予防する」には、年齢、家族歴、遺伝子もしくは染色体の異常のために、かつ/又は脳の組織もしくは体液中に、APPもしくはAPP切断産物の既知の遺伝子変異など、疾患の1種又は複数の生物マーカーが存在するために、最終的に疾患を発症するか、あるいは疾患の危険にあるはずの個人において、この疾患の発症を遅らせることも含まれる。この疾患の発生を遅らせることにより、本発明の化合物は、通常ならその個人が疾患に罹っているはずの期間中にその個人が疾患に罹らないようにし、あるいは疾患が発達する速度、又は個人が最終的に疾患に罹る時期に至るまで本発明の化合物を投与しなかった場合の結果のいくらかを低減する。予防するには、疾患の素因があると考えられる個人に本発明の化合物を投与することも含まれる。
【0125】
好ましい態様では、本発明の化合物は、疾患症状の進行を緩慢化するのに有用である。
【0126】
別の好ましい態様では、本発明の化合物は、疾患症状の更なる進行を予防するのに有用である。
【0127】
上記の疾患の治療又は予防では、本発明の化合物を治療有効量投与する。治療有効量は、当分野の技術者に知られているように、使用するその化合物及び投与経路に応じてさまざまである。
【0128】
上記の状態のいずれかが診断されている対象の治療では、医師は、本発明の化合物を直ちに投与し、必要なだけ無期限に投与を続けてよい。アルツハイマー病であると診断されていないが、アルツハイマー病のリスクが有意にあると考えられる対象の治療では、医師は、好ましくは、対象が加齢に伴う記憶又は認知能力の問題など、初期のアルツハイマー予備症状を覚えたときに治療を開始すべきである。さらに、アルツハイマー病の前兆となるAPOE4や他の生物学的兆候など、遺伝的標識形質の検出によって、アルツハイマー病発症のリスクがあると確定される対象も存在する。そのような状況では、対象に疾患の症状がなくても、本発明の化合物の投与を症状が現れる前に開始してよく、疾患の発生を予防又は延引するために投与を無期限に続けてよい。
【0129】
剤形及び量
本発明の化合物は、経口、非経口、(IV、IM、デポーIM、SQ、及びデポーSQ)、舌下、鼻腔内(吸入)、くも膜下、局所、又は直腸投与することができる。当分野の技術者に知られている剤形は、本発明の化合物の送達に適している。
【0130】
本発明の化合物を治療有効量含む組成物を提供する。化合物は、経口投与用の錠剤、カプセル剤、もしくはエリキシル剤、又は非経口投与用の無菌溶液もしくは懸濁液など、適切な医薬製剤に処方することが好ましい。通常、当技術分野でよく知られている技術及び手順を使用して、上記で述べた化合物を薬剤組成物へと処方する。
【0131】
容認されている製薬の慣行によって、本発明の化合物もしくは化合物の混合物又は生理的に許容される塩もしくはエステル約1〜500mgを、生理的に許容される溶剤、担体、添加剤、賦形剤、保存剤、安定剤、着香剤などと共に、求められる剤形単位の形で配合する。このような組成物又は製剤中の活性物質量は、指示範囲内の適切な用量が得られる量である。組成物は、剤形単位中に処方され、各用量が活性成分を約2〜約100mg、より好ましくは約10〜約30mg含有していることが好ましい。用語「単位剤形」とは、ヒトの対象者及び他の哺乳動物に適する投与単位として物理的に分離した単位であって、各単位が適切な薬剤用賦形剤と共同して所望の治療効果を生じるように計算された予め決定された量の活性物質を含有するものを指す。
【0132】
組成物を調製するには、本発明の1種又は複数の化合物と薬剤として許容可能で適切な担体を混合する。化合物を混合又は添加する際、得られる混合物は、溶液、懸濁液、乳濁液などとしてよい。リポソーム懸濁液も薬剤として許容可能な担体として適切であるといえる。これらは、当分野の技術者に知られている方法に従って調製してよい。得られる混合物の形状は、目的の投与方式、及び選択された担体又は溶剤中での化合物の溶解性を含むいくつかの要因に応じて決める。有効濃度は、治療する疾患、障害、又は状態の少なくとも1種の症状を軽減又は改善するのに十分なものであり、経験的に決定してよい。
【0133】
本明細書で提示する化合物の投与に適する薬剤用担体又は溶剤には、ある投与方式に適することが当分野の技術者に知られている何らかの担体が含まれる。活性材料はその上、所望の作用を弱めない他の活性材料、又は所望の作用を補うもしくは別の作用を有する材料と混合することもできる。化合物は、組成物中に1種だけの薬剤活性成分として処方してもよく、他の活性材料と合わせてもよい。
【0134】
化合物の溶解性が不十分である場合、可溶化する方法を利用してよい。そのような方法は知られており、これには、それだけに限らないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)など、共溶媒を使用すること、Tween(登録商標)など、界面活性剤を使用すること、及び水性重炭酸塩ナトリウムに溶解させることが含まれる。有効な薬剤組成物を処方するために、塩やプロドラッグなど、化合物の誘導体を使用してもよい。
【0135】
化合物濃度は、化合物の投与目的である障害の少なくとも1種の症状を軽減又は改善する投与量の送達に有効なものである。通常、組成物は1回投与用に処方される。
【0136】
本発明の化合物は、徐放性の処方やコーティングなど、体からの急速な***を防ぐ担体と共に調製してよい。そのような担体には、それだけに限らないが、マイクロカプセル化送達系など、徐放製剤が含まれる。活性化合物は、治療する対象への望ましくない副作用がない状態で治療上有用な作用を発揮するのに十分な量の薬剤として許容可能な担体中に含まれる。治療上有効な濃度は、知られているin vitro及びin vivoモデル系で、治療する障害について化合物を試験することによって、経験的に決定してよい。
【0137】
本発明の化合物及び組成物は、複数回又は1回分の容器に封入することができる。封入された化合物及び組成物は、たとえば、組み立てて使用できる構成要素を含むキットの形で提供できる。たとえば、凍結乾燥した形の化合物阻害剤と適切な希釈剤を、使用前に合わせるために別々の成分として提供してよい。同時投与用のキットは、化合物阻害剤及び第2の治療薬を含んでいてよい。阻害剤及び第2の治療薬を別々の構成要素として提供してもよい。キットは、複数の容器を含み、各容器が本発明の化合物の1又は複数単位分を収容していてよい。容器は、それだけに限らないが、経口投与では錠剤、ゲルカプセル剤、徐放カプセル剤など、非経口投与ではデポー製品、充填済シリンジ、アンプル、バイアルなど、局所投与ではパッチ、メディパッド、クリームなどを含む所望の投与方式に適合していることが好ましい。
【0138】
薬物組成物中の活性化合物濃度は、活性化合物の吸収率、不活性化率、***率、投与スケジュール、及び投与量、並びに当分野の技術者に知られている他の要因に応じて決まる。
【0139】
活性成分は、一度に投与しても、数回分に小分けして、時間間隔をおいて投与してもよい。厳密な用量及び治療期間は、治療する疾患に応じて変わるものであり、知られている試験プロトコルを使用して経験的に、あるいはin vivo又はin vitro試験データからの補外によって決定してよいことは理解されよう。濃度及び用量の値は、緩和すべき状態の重症度によっても変わり得ることを留意されたい。さらに、時間の経過と共に、各個の必要度、及びこの組成物の投与を管理又は監督する者による専門的判断に従い、特定の投与レジメンを、あるいずれかの対象向けに調整すべきであること、並びに本明細書で述べる濃度範囲は例に過ぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲又は実施を限定するものでないことも理解されたい。
【0140】
経口投与が望ましい場合、化合物は、それを胃の酸性環境から守る組成物の形で提供すべきである。たとえば、胃ではその完全性を維持し、腸で活性化合物を放出する腸溶コーティング中に組成物を処方することができる。組成物を制酸剤又はそのような他の成分と組み合わせて処方してもよい。
【0141】
経口組成物は、一般に不活性希釈剤又は可食担体を含んでおり、錠剤に圧縮し、又はゼラチン・カプセルに封入してよい。経口で治療的に投与する目的では、活性化合物に添加剤を混ぜ、錠剤、カプセル剤、又はトローチ剤の形で使用することができる。組成物の成分として、薬剤として適合する結合剤及び補助材料を含んでいてもよい。
【0142】
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の材料、すなわち、それだけに限らないが、トラガカント・ゴム、アカシア、トウモロコシデンプン、ゼラチンなど、結合剤;微結晶性セルロース、デンプン、ラクトースなど、賦形剤;それだけに限らないが、アルギン酸やトウモロコシデンプンなど、崩壊剤;それだけに限らないが、ステアリン酸マグネシウムなど、滑沢剤;それだけに限らないが、コロイド状二酸化ケイ素など、流動促進剤(gildant);スクロースやサッカリンなど、甘味剤;及びペパーミント、サリチル酸メチル、果実香料など、着香剤;並びに性質が類似の化合物のいずれかを含有してよい。
【0143】
単位剤形がカプセル剤である場合、上記のタイプの材料に加えて、脂肪油などの液体担体も含有してよい。さらに、剤形単位は、剤形の物理的形状を改変する他のさまざまな材料、たとえば、糖衣及び他の腸溶性薬品類も含んでよい。化合物は、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、チューインガムなどの成分として投与することもできる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤及びある種の保存剤としてのスクロース、色素及び着色剤、着香剤を含んでよい。
【0144】
活性材料は、所望の作用を弱めない他の活性材料又は所望の作用を補う材料と混合することもできる。
【0145】
非経口、皮内、皮下、又は局所投与に使用する溶液又は懸濁液は、以下の成分、すなわち、注射用水、食塩水、不揮発性油など、無菌希釈剤、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、綿実油など、天然の植物油、又はオレイン酸エチルなど、合成脂肪溶剤;ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒;ベンジルアルコールやメチルパラベンなど、抗菌剤;アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウムなど、抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など、キレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩など、緩衝剤;及び塩化ナトリウムやデキストロースなど、浸透圧調整剤のいずれかを含んでよい。非経口製剤は、ガラス又はプラスチック製又は他の適切な材料製のアンプル、使い捨てシリンジ、又は複数回分のバイアルに封入することができる。必要に応じて、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤などを混ぜてよい。
【0146】
静脈内投与する場合、適切な担体には、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水(PBS)、並びにグルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらの混合物など、増粘剤及び可溶化剤を含む溶液が含まれる。組織を標的とするリポソームを含むリポソーム懸濁液も薬剤として許容可能な担体として適切であるといえる。これらは、たとえば、米国特許第4,522,811号に記載されているような知られている方法に従って調製してよい。
【0147】
活性化合物は、徐放性の処方やコーティングなど、化合物が体から急速に***されるのを防ぐ担体と共に調製してよい。そのような担体には、それだけに限らないが、植込剤やマイクロカプセル化送達系などの徐放製剤、及びコラーゲン、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸など、生分解性、生体適合性ポリマーが含まれる。このような処方の調製方法は、当分野の技術者に知られている。
【0148】
本発明の化合物は、経口、非経口(IV、IM、デポーIM、SQ、及びデポーSQ)、舌下、鼻腔内(吸入)、くも膜下、局所、又は直腸投与することができる。当分野の技術者に知られている剤形は、本発明の化合物の送達に適している。
【0149】
本発明の化合物は、経腸的又は非経口的に投与してよい。本発明の化合物は、経口投与する場合、当分野の技術者によく知られているような通常の経口投与用剤形で投与することができる。このような剤形には、通常の固体単位剤形である錠剤及びカプセル剤、並びに溶液、懸濁液、エリキシルなど、液体剤形が含まれる。固体剤形を使用する場合、本発明の化合物の投与が1日1回又は2回だけで済むように、徐放タイプのものにすることが好ましい。
【0150】
対象への経口用剤形の投与は、1日に1回、2回、3回、又は4回である。本発明の化合物は、1日に3回又はより少ない回数、より好ましくは1日に1回又は2回投与することが好ましい。したがって、本発明の化合物は、経口用剤形で投与することが好ましい。どんな経口用剤形を使用するにしても、それが本発明の化合物を胃の酸性環境から守るように設計されていることが好ましい。腸溶コーティングされた錠剤は、当分野の技術者によく知られている。さらに、それぞれをコーティングして胃の酸から保護した小球を充填したカプセル剤も、当分野の技術者によく知られている。
【0151】
経口投与する場合、β−セクレターゼ活性を阻害し、Aβ産生を抑制し、Aβ沈着を抑制し、又はADを治療もしくは予防するのに治療的に有効な投与量は、約0.1mg/日〜約1,000mg/日である。経口での用量が約1mg/日〜約100mg/日であることが好ましい。経口での用量が約5mg/日〜約50mg/日であることがより好ましい。対象は同じ用量から始めてよいが、その用量は、対象の状態が変化するにつれて時間の経過と共に変動することが理解されよう。
【0152】
また本発明の化合物は、ナノ結晶分散処方の形で送達すると有利である。そのような処方の調製は、たとえば、米国特許第5,145,684号に記載されている。米国特許第6,045,829号には、HIVプロテアーゼ阻害剤のナノ結晶分散系及びその使用方法が記載されている。ナノ結晶性処方は、通常、薬物化合物の生物学的利用能をより高くする。
【0153】
本発明の化合物は、非経口的に、たとえば、IV、IM、デポーIM、SC、又はデポーSCによって投与できる。非経口投与する場合、約0.5〜約100mg/日、好ましくは約5〜約50mgの治療有効量を毎日送達すべきである。デポー製剤が1カ月に1度又は2週間に1度注射に使用される場合、投与量は、約0.5mg/日〜約50mg/日とする、又は毎月の投与量を約15mg〜約1,500mgとすべきである。アルツハイマー病の対象は、ある程度健忘症であるので、非経口剤形がデポー製剤であることが好ましい。
【0154】
本発明の化合物は、舌下投与することができる。本発明の化合物は、舌下で与える場合、1日に1〜4回、IM投与について上記で述べた量を与えるべきである。
【0155】
本発明の化合物は、鼻腔内投与することができる。この経路で与える場合の適切な剤形は、当分野の技術者に知られているように、鼻内噴霧器又は乾燥粉末である。本発明の化合物の鼻腔内投与向け投与量は、上記でTM投与について述べた量である。
【0156】
本発明の化合物は、くも膜下投与することができる。この経路で与える場合の適切な剤形は、当分野の技術者に知られているように、非経口剤形とすることができる。本発明の化合物のくも膜下投与向け投与量は、上記でIM投与について述べた量である。
【0157】
本発明の化合物は、局所投与することができる。この経路で与える場合の適切な剤形は、クリーム、軟膏、又はパッチである。本発明の化合物の投与すべき量を考慮すると、パッチが好ましい。局所投与する場合の投与量は、約0.5mg/日〜約200mg/日である。パッチによって送達できる量は限られるので、2個以上のパッチを使用してよい。当分野の技術者に知られているように、パッチの数及び大きさは重要でなく、重要なのは本発明の化合物が治療有効量だけ送達されることである。本発明の化合物は、当分野の技術者に知られているように、坐剤によって直腸投与することができる。坐剤によって投与する場合の治療有効量は、約0.5mg〜約500mgである。
【0158】
本発明の化合物は、当分野の技術者に知られているように、植込錠によって投与することができる。本発明の化合物を植込錠によって投与する場合の治療有効量は、上記でデポー投与について述べた量である。
【0159】
本発明は本発明の新規な化合物及び本発明の化合物の新規な使用方法である。当分野の技術者には、本発明の特定の化合物及び所望の剤形を考えて、当該の剤形を調製し、投与する方法がわかるはずである。
【0160】
MCI(軽度認知障害)を伴う疾患を予防し、又はそれに罹患した対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせる、ダウン症候群を治療する又は予防する、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療する、脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぐ、血管と変性に由来する混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、パーキンソン病に随伴する前頭側頭型痴呆(FTDP)、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するためにも、本発明の各化合物は、上記と同じ投与スケジュールで、同じ製薬上の剤形を使用して、かつ同じ投与経路によって同じ方式で使用される。
【0161】
本発明の化合物は、それ同士で、又は上で挙げた状態を治療又は予防するのに使用される他の薬品と共に使用することができる。そうした薬品には、γセクレターゼ阻害剤、塩酸ドネペジル(アリセプト錠)、塩酸タクリン(COGNEXカプセル)、他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤などの抗アミロイドワクチン及び薬剤、さらに将来の直接もしくは間接的な向神経薬が含まれる。
【0162】
さらに、本発明の化合物は、P−糖タンパク質(P−gp)阻害剤と併用することもできる。P−gp阻害剤の使用は、当分野の技術者に知られている。たとえば、Cancer Research、第53巻、4595〜4602ページ(1993年);Clin.Cancer Res.、第2巻、7〜12ページ(1996年);Cancer Research、第56巻、4171〜4179ページ(1996年);国際公開WO99/64001;及びWO01/10387を参照されたい。重要なのは、P−gp阻害剤の血中濃度が、P−gpによる本発明の化合物の脳血中濃度の低下を阻止する際にその効果が発揮される程度であることである。そのため、P−gp阻害剤及び本発明の化合物は、同じもしくは異なる投与経路によって同時に投与することも、又は別の時間に投与することもできる。投与の時間ではなく、P−gp阻害剤の血中濃度が有効であることが重要である。
【0163】
適切なP−gp阻害剤には、シクロスポリンA、ベラパミル、タモキシフェン、キニジン、ビタミンE−TGPS、リトナビル、酢酸メゲステロール、プロゲステロン、ラパマイシン、10,11−メタノジベンゾスベラン(10,11−methanodibenzosuberane)、フェノチアジン、GF120918などのアクリジン誘導体、FK506、VX−710、LY335979、PSC−833、GF102,918及び他のステロイドが含まれる。追加の薬品が同じ機能を有し、有用であるとみなすことも理解される。
【0164】
P−gp阻害剤は、経口、非経口、(IV、IM、IM−デポー、SQ、SQ−デポー)、局所、舌下、直腸、鼻腔内、及びくも膜下投与、及び植込錠によって投与することができる。
【0165】
治療有効量のP−gp阻害剤は、約0.1〜約300mg/kg/日、好ましくは1日約0.1〜約150mg/kgである。対象はある用量から開始されるにしても、その用量は、対象の状態が変化するにつれて時間と共にさまざまに変えなければならないであろうと理解される。
【0166】
P−gp阻害剤は、経口投与する場合には、当分野の技術者に知られているように、経口投与向けの通常の剤形にして投与することができる。そのような剤形には、錠剤及びカプセル剤の通常の固体単位剤形、並びに溶液、懸濁液、エリキシルなどの液体剤形が含まれる。固体剤形を使用する場合には、P−gp阻害剤を1日1回又は2回しか投与しなくて済むように徐放型の剤形とすることが好ましい。経口用剤形は、対象に1日1回から4回投与する。P−gp阻害剤は、1日に3回又はそれよりも少なく投与することが好ましく、1日に1回又は2回がより好ましい。したがって、P−gp阻害剤は、固体剤形にして投与することが好ましく、さらに、固体剤形は、1日1回又は2回の投与を可能にする徐放形態とすることが好ましい。胃の酸性環境からP−gp阻害剤を保護するように設計された剤形ならどんなものを使用することも好ましい。腸溶コーティングを施された錠剤は、当分野の技術者によく知られている。さらに、酸性の胃から保護されるように各々がコーティングされた小球を充填したカプセル剤も、当分野の技術者によく知られている。
【0167】
さらに、P−gp阻害剤は、非経口的に投与することもできる。非経口的に投与する場合には、この阻害剤は、IV、IM、デポーIM、SQ、又はデポーSQ投与することができる。P−gp阻害剤は、舌下投与することもできる。舌下投与する場合には、P−gp阻害剤は、IM投与と同じ量を1日に1回から4回投与すべきである。
【0168】
P−gp阻害剤は、鼻腔内投与することもできる。この投与経路によって投与する場合には、適切な剤形は、当分野の技術者に知られているように、点鼻用のスプレー又は乾燥粉末である。P−gp阻害剤を鼻腔内投与するための投与量は、IM投与と同じである。
【0169】
P−gp阻害剤は、くも膜下投与することもできる。この投与経路によって投与する場合には、適切な剤形は、当分野の技術者に知られているように、非経口剤形とすることができる。
【0170】
P−gp阻害剤は、局所投与することもできる。この投与経路によって投与する場合には、適切な剤形は、クリーム、軟膏、又はパッチである。投与する必要のあるP−gp阻害剤量を理由としてパッチが好ましい。しかし、パッチによって送達できる量は限られている。したがって、2個以上のパッチが必要になることもある。当分野の技術者に知られているように、パッチの数及び大きさは重要でなく、治療有効量のP−gp阻害剤が送達されることが重要である。P−gp阻害剤は、当分野の技術者に知られているように、座薬によって直腸投与することもできる。
【0171】
P−gp阻害剤は、当分野の技術者に知られているように、植込錠によって投与することもできる。
【0172】
P−gp阻害剤を投与する投与経路についても剤形についても新規性はない。特定のP−gp阻害剤及び所望の剤形の場合について、当分野の技術者ならば、P−gp阻害剤に適する剤形をどのように製剤するかがわかるはずである。
【0173】
本発明の方法で使用する各化合物は、相互に、又は上に列挙した状態を治療又は予防するのに使用される他の治療薬もしくは治療手法と併用することができる。そのような薬品又は手法には、タクリン(テトラヒドロアミノアクリジン、COGNEX(登録商標)として市販されている)、塩酸ドネペジル(アリセプト(登録商標)として市販されている)、及びリバスチグミン(Exelon(登録商標)として市販されている)などのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;γセクレターゼ阻害剤;シクロオキシゲナーゼII阻害剤などの抗炎症薬;ビタミンE及びギンコリドなどの抗酸化剤;たとえばAβペプチドによる免疫化や抗Aβペプチド抗体の投与など、免疫学的手法;スタチン;及びCerebrolysin(登録商標)、AIT−082(Emilieu、2000年、Arch.Neurol.第57巻:454ページ)、将来の他の向神経薬など、直接もしくは間接的向神経薬が含まれる。
【0174】
当分野の技術者には、厳密な投与量及び投与頻度が、本発明の方法で用いたその投与化合物、治療するその状態、治療する状態の重症度、その対象の年齢、体重、体調全般、及び個体が受け得る他の投薬に応じて変わることがわかるはずであり、同様に、投与を行う当分野に通じた医師にもよく知られているはずである。
【0175】
APP切断の阻害
本発明の化合物は、APP695アイソフォームもしくはその変異体の番号のMet595とAsp596の間、又はAPP751やAPP770など、異なるアイソフォームもしくはその変異体の対応する部位(「β−セクレターゼ部位」と呼ぶこともある)でのAPPの切断を阻害する。特定の理論に拘泥しないが、β−セクレターゼ活性の抑制によってβアミロイド・ペプチド(Aβ)の産生が抑制されると考えられている。β−セクレターゼ切断部位での切断をもたらすのに通常は十分である条件下、β−セクレターゼ酵素存在下でのAPP基質の切断を阻害化合物の存在下で分析する、さまざまな阻害アッセイの1つで阻害活性が実証されている。未処理又は不活性対照と比較した、APPのβ−セクレターゼ切断部位での切断の減少は、阻害活性と関連している。本発明の化合物阻害剤の効力を証明するのに使用できるアッセイ系は、知られている。代表的なアッセイ系は、たとえば、米国特許第5,942,400号、同第744,346号、並びに以下の実施例に記載されている。
【0176】
天然、変異、かつ/又は合成APP基質、天然、変異、かつ/又は合成酵素、及び試験化合物を使用して、in vitro又はin vivoでのβ−セクレターゼ酵素活性及びAβ産生を分析できる。この分析では、天然、変異、かつ/又は合成APP及び酵素を発現する一次細胞又は二次細胞、天然のAPP及び酵素を発現する動物モデルを要件としてもよく、この基質及び酵素を発現するトランスジェニック動物モデルを利用してもよい。酵素活性は、たとえば、イムノアッセイ、蛍光定量アッセイ、色素生産性アッセイ、HPLC、又は他の検出手段によって1種又は複数の切断産物を分析して検出できる。反応系中のβ−セクレターゼを媒介とする切断が阻害化合物なしで観察され、測定される対照と比較したときに、生成するβ−セクレターゼ切断産物量を低減させる能力のあったものを、阻害化合物として判定する。
【0177】
β−セクレターゼ
さまざまな形のβ−セクレターゼ酵素が知られており、酵素活性アッセイ及び酵素活性阻害に利用可能かつ有用である。これらには、天然、組換え型、及び合成の形の酵素が含まれる。ヒトβ−セクレターゼは、β部位APP切断酵素(BACE)、Asp2、及びマメプシン2として知られており、たとえば、米国特許第5,744,346号、公告されたPCT特許出願WO98/22597、WO00/03819、WO01/23533、及びWO00/17369、並びに文献での公告(Hussain等のMol.Cell.Neurosci.第14巻419〜427ページ、1999年;Vassar等のScience第286巻735〜741ページ、1999年;Yan等のNature第402巻533〜537ページ、1999年;Sinha等のNature第40巻537〜540ページ、1999年;及びLin等のPNAS USA第97巻1456〜1460ページ、2000年)で特性が述べられている。合成の形の酵素も記載されている(WO98/22597及びWO00/17369)。β−セクレターゼは、ヒト脳組織から抽出、精製することができ、細胞中、たとえば、組換え型酵素を発現する哺乳類細胞中で製造することもできる。
【0178】
好ましい方法は、約50マイクロモルより低い濃度、好ましくは約10マイクロモル未満、より好ましくは約1マイクロモル未満、最も好ましくは約10ナノモル未満の濃度で、β−セクレターゼ酵素活性を50%阻害するのに有効な化合物を用いる。
【0179】
APP基質
β−セクレターゼを媒介とするAPP切断の阻害を証明するアッセイでは、Kang等のNature 第325巻:733〜6ページ、1987年に記載されている695アミノ酸「正常」アイソタイプ、Kitaguchi等のNature第:331巻:530〜532ページ、1981年に記載されている770アミノ酸アイソタイプ、及びスウェーデン変異体(KM670−1NL)(APP−SW)、ロンドン変異体(V7176F)、その他などの変異体を含む、知られている形のAPPのいずれかを利用できる。知られている種々の突然変異体の検討には、たとえば、米国特許第5,766,846号、またHardyのNature Genet.第1巻:233〜234ページ、1992年を参照されたい。それ以外の有用な基質には、たとえばWO00/17369に開示されている二塩基性アミノ酸修飾体のAPP−KK、APP断片及びβ−セクレターゼ切断部位を含む合成ペプチド、野生型(WT)又は、たとえば米国特許第5,942,400号及びWO00/03819に記載の突然変異型、たとえばSWが含まれる。
【0180】
APP基質は、APPのβ−セクレターゼ切断部位(KM−DA又はNL−DA)、たとえば、完全なAPPペプチドもしくは変異体、APP断片、組換え型もしくは合成APP、又は融合ペプチドを含む。融合ペプチドは、酵素アッセイに有用な部分を有する、たとえば、単離及び/又は検出特性を有するペプチドと融合したβ−セクレターゼ切断部位を含むことが好ましい。有用な部位は、抗原結合用抗体エピトープ、標識部分、もしくは他の検出部分、結合基質などであるといえる。
【0181】
抗体
産物のAPP切断特性は、たとえば、Pirttila等のNeuro.Lett.第249巻:21〜4ページ、1999年、及び米国特許第5,612,486号に記載されているさまざまな抗体を使用するイムノアッセイによって測定できる。Aβの検出に有用な抗体には、たとえば、Aβペプチドのアミノ酸1〜16上のエピトープを特異的に認識する単クローン性抗体6E10(Senetek、ミズーリ州セントルイス);それぞれヒトAβ1〜40及び1〜42に特異的な抗体162及び164(New York State Institute for Basic Research、ニューヨーク市スタッテンアイランド);及びβアミロイド・ペプチドの接合区域、すなわち残基16と残基17の間の部位を認識する、米国特許第5,593,846号に記載の抗体が含まれる。米国特許第5,604,102号及び同第5,721,130号に記載されているように、APP残基591〜596の合成ペプチドに対して出現した抗体、及びスウェーデン変異体の590〜596に対して出現したSW192抗体も、APP及びその切断産物のイムノアッセイに有用である。
【0182】
アッセイ系
β−セクレターゼ切断部位でのAPP切断を定量するアッセイは、当技術分野でよく知られている。アッセイの例は、たとえば、米国特許第5,744,346号及び同第5,942,400号に記載されており、以下の実施例でも述べる。
【0183】
細胞未使用アッセイ
本発明の化合物の阻害活性を証明するために使用できるアッセイの例は、たとえば、WO00/17369、WO00/03819、及び米国特許第5,942,400号及び同第5,744,346号に記載されている。そのようなアッセイは、細胞未使用でインキュベートする形で、あるいはβ−セクレターゼ発現細胞及びβ−セクレターゼ切断部位含有APP基質を使用して、細胞をインキュベートする形で実施できる。
【0184】
酵素の切断活性に適するインキュベート条件下、β−セクレターゼ酵素、その断片、又はβ−セクレターゼ活性を有し、APPのβ−セクレターゼ切断部位の切断に有効な合成もしくは組換え型ポリペプチド変異体の存在下、APPβ−セクレターゼ切断部位含有APP基質、たとえば、完全APPもしくは変異体、APP断片、又はアミノ酸配列KM−DA又はNL−DAを含む組換え型もしくは合成APP基質をインキュベートする。適切な基質は、任意選択で、誘導体を含むが、これらは基質ペプチドとペプチドもしくはそのβ−セクレターゼ切断産物を精製もしくは検出しやすくするのに有用な修飾物とを含む融合タンパク質又は融合ペプチドとされる。有用な修飾には、抗体結合のための知られている抗原エピトープの挿入、標識又は検出可能部分の結合、結合性基質の結合などが含まれる。
【0185】
細胞未使用in vitroアッセイのための適切なインキュベート条件には、たとえば、pH4〜7付近かつ約37℃の水溶液中、基質を約200ナノモル〜10マイクロモル、酵素を10〜200ピコモル、及び阻害化合物を約0.1ナノモル〜10マイクロモルとし、時間を約10分間〜3時間とすることが含まれる。このようなインキュベート条件は単に例に過ぎず、特定のアッセイ成分及び/又は所望の測定系の要件に応じて変更できる。特定のアッセイ成分向けにインキュベート条件を最適化するなら、使用する特定のβ−セクレターゼ酵素及びその最適pH、アッセイで使用するかもしれない追加の酵素及び/又は標識などについて考えるべきである。そのような最適化は、決まりきったものであり、大袈裟な実験は必要ない。
【0186】
有用なアッセイの1つでは、マルトース結合タンパク質(MBP)とAPP−SWのC末端125アミノ酸が融合した融合ペプチドが利用される。MBPタンパク質は、抗MBP捕捉抗体によってアッセイ基質上で捕捉される。β−セクレターゼの存在下、捕捉された融合タンパク質をインキュベートすると、基質のβ−セクレターゼ切断部位が切断される。切断活性は、たとえば、切断産物のイムノアッセイによって分析できる。このようなイムノアッセイの1つでは、たとえば、抗体SW192を使用して、切断された融合タンパク質のカルボキシ末端を露出した独特なエピトープが検出される。このアッセイは、たとえば、米国特許第5,942,400号に記載されている。
【0187】
細胞アッセイ
β−セクレターゼ活性及び/又はAβを遊離させるAPPプロセシングの分析には、非常に多くの細胞系アッセイが使用できる。細胞内、かつ本発明の化合物阻害剤の存在下又は不在下、APP基質にβ−セクレターゼ酵素を接触さることによって、この化合物のβ−セクレターゼ阻害活性を実証することができる。有用な阻害化合物の存在下でのアッセイによって、酵素活性が非阻害対照の少なくとも約30%、最も好ましくは少なくとも約50%阻害されることが好ましい。
【0188】
一実施形態では、β−セクレターゼを天然に発現する細胞を使用する。あるいは、細胞に手を加えて、上記で論じた組換え型β−セクレターゼ又は合成変異体酵素を発現させる。APP基質は、培地に加えてもよいが、細胞中に発現させることが好ましい。APP、APPの変異体もしくは突然変異体を天然に発現する細胞、又はAPP、突然変異体もしくは変異体のAPP、組換え型もしくは合成APP、APP断片、β−セクレターゼAPP切断部位を含む合成APPペプチドもしくは融合タンパク質のアイソフォームを発現するように形質転換した細胞を使用するが、ただし、発現したAPPは、酵素との接触が可能であり、酵素による切断活性が分析できるものである。
【0189】
APPをAβへと正常にプロセシングするヒト細胞系が、本発明の化合物の阻害活性を検定するための有用な手段となる。たとえば、ウエスタン・ブロット又はELISAなどの酵素結合イムノアッセイ(EIA)など、イムノアッセイによって、Aβ及び/又は他の切断産物の産生及び培地への遊離を測定する。
【0190】
化合物阻害剤の存在下、APP基質及び活性β−セクレターゼを発現する細胞をインキュベートすると、対照と比較した酵素活性の阻害が実証できる。β−セクレターゼ活性は、APP基質の1種又は複数の切断産物を分析することによって測定できる。たとえば、基質APPに対するβ−セクレターゼ活性の阻害によって、Aβなど、特定のβ−セクレターゼ誘発APP切断産物の遊離が減少することが予想されるはずである。
【0191】
神経細胞と非神経細胞のどちらもがAβをプロセシングし、遊離させるが、内在するβ−セクレターゼ活性が低レベルであり、ELAで検出するのは難しい。したがって、β−セクレターゼ活性がより高く、APPのAβへのプロセシングがより顕著であり、かつ/又はAβの産生もより顕著であると知られている細胞型の使用が好ましい。たとえば、細胞にスウェーデン変異体の形のAPP(APP−SW)、APP−KK、又はAPP−SW−KKを形質移入すると、β−セクレターゼ活性及びAβ産生量が容易に測定できるまでに向上した細胞が得られる。
【0192】
そのようなアッセイでは、たとえば、APP基質のβ−セクレターゼ切断部位でのβ−セクレターゼ酵素活性に適する条件下の培地で、APP及びβ−セクレターゼを発現する細胞がインキュベートされる。細胞に化合物阻害剤を作用させると、培地中に遊離するAβ量及び/又は細胞可溶化液中のAPPCTF99断片量が対照よりも減少する。APPの切断産物は、たとえば、上記で論じた特異的な抗体との免疫反応によって分析できる。
【0193】
β−セクレターゼ活性の分析に好ましい細胞には、初代ヒト神経細胞、導入遺伝子がAPPである初代トランスジェニック動物神経細胞、及びAPPを発現する安定な293細胞系、たとえばAPP−SWなど、他の細胞が含まれる。
【0194】
in vivoアッセイ:動物モデル
上述のとおり、β−セクレターゼ活性及び/又はAβを遊離させるAPPプロセシングの分析には、さまざまな動物モデルが使用できる。たとえば、APP基質及びβ−セクレターゼ酵素を発現するトランスジェニック動物を利用して、本発明の化合物の阻害剤活性を実証することができる。たとえば、米国特許第5,877,399号、同第5,612,486号、同第5,387,742号、同第5,720,936号、同第5,850,003号、同第5,877,015号、同第5,811,633号、及びGanes等のNature 第373巻:523ページ、1995年に、ある種のトランスジェニック動物モデルが記載されている。ADの病態生理に随伴する特性を示す動物が好ましい。本明細書に記載のトランスジェニック・マウスに本発明の化合物阻害剤を投与すれば、その化合物の阻害活性を実証する代替法となる。また、化合物が薬剤として有効な担体中に含まれ、かつ標的組織に適切な治療量が到達する投与経路によって投与されることが好ましい。
【0195】
このような動物では、β−セクレターゼを媒介とする、APPのβ−セクレターゼ切断部位での切断の阻害、及びAβ遊離の抑制が、動物の脳脊髄液などの体液中又は組織中の切断断片を測定することによって分析できる。脳組織のAβ沈着又はAβ斑を分析することが好ましい。
【0196】
酵素によって媒介されるAPPの切断及び/又は基質からのAβの遊離が十分可能である条件下、本発明の阻害化合物の存在下でAPP基質にβ−セクレターゼ酵素を接触させる場合、本発明の化合物は、β−セクレターゼを媒介とする、β−セクレターゼ切断部位でのAPP切断を低減するのに有効であり、かつ/又はAβが遊離する量を減少させるのにも有効である。このような接触として、たとえば上述のような動物モデルに、本発明の阻害化合物を投与すれば、この化合物は、動物脳組織でのAβ沈着を低減し、βアミロイド斑の数を減少させ、かつ/又はその大きさを縮小するのに有効である。その投与をヒトの対象に行えば、Aβ量の増加を特徴とする疾患の進行を抑制又は緩慢化する、ADの進行を緩慢化する、かつ/又はADの恐れのある対象においてこの疾患の発生又は発症を予防するのに有効である。
【0197】
別段の定義づけがない限り、本明細書で使用する科学技術用語はすべて、本発明が属する分野の技術者に一般に理解されているものと同じ意味である。本明細書で参考文献とした特許及び刊行物はすべて、いかなる目的でも参照により本明細書に組み込む。
【0198】
定義
別段の規定がない限り、本発明で使用する科学技術用語はすべて、本発明が属する分野の技術者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。
【0199】
本明細書で言及したすべての特許及び刊行物は、いかようにも参照により本明細書に組み込む。
【0200】
APP、すなわちアミロイド前駆体タンパク質は、たとえば米国特許第5,766,846号に記載されているように、APPの変異体、突然変異体、及びアイソフォームを含む任意のAPPポリペプチドであると定義する。
【0201】
Aβ、すなわちアミロイドβペプチドは、39、40、41、42、及び43個のアミノ酸からなるペプチドを含み、β−セクレターゼ切断部位からアミノ酸39、40、41、42、又は43にまで伸長している、β−セクレターゼを媒介とするAPPの切断の結果として生じた任意のペプチドであると定義する。
【0202】
β−セクレターゼ(BACE1、Asp2、メマプシン2)は、APPがAβのアミノ末端側の縁で切断されるのを媒介するアスパルチルプロテアーゼである。ヒトβ−セクレターゼは、たとえばWO00/17369に記載されている。
【0203】
薬剤として許容可能とは、組成物、製剤、安定性、対象の忍容性、及び生物学的利用能に関して、薬理学/毒物学の観点から対象に許容され、かつ物理学/化学の観点から製薬化学者に容認される特性及び/又は物質を指す。
【0204】
治療有効量とは、治療対象となる疾患の少なくとも1種の症状を低減又は軽減し、あるいはその疾患の1種又は複数の臨床マーカー又は症状の発症を低減又は緩慢化するのに有効な量であると定義する。
【0205】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、及び「the」には、その内容によって別段明示されていない限り、複数の指示対象が含まれることを留意すべきである。したがって、たとえば、「a compound」を含有する組成物に対する言及には、2種以上の化合物の混合物が含まれる。また用語「又は(もしくは)」が、一般に、その内容によって別段明示されていない限り、「及び/又は(もしくは)」を含む意味で用いられることにも留意すべきである。
【0206】
上述のように、本発明の化合物は、不斉炭素原子が存在するかに応じて、異性体混合物、特にラセミ体として、又は純粋な異性体、特に光学対掌体の形で存在し得る。
【0207】
塩形成基を有する化合物の塩は、特に、酸の付加塩、塩基との塩であり、又はいくつかの塩形成基が存在する場合では、混合塩又は分子内塩となることができる。
【0208】
塩とは、特に、式Iの化合物の薬剤として許容可能な塩、又は非毒性の塩である。
【0209】
そのような塩は、たとえば、酸性の基、たとえば炭酸基又はスルホ基を有する式Iの化合物によって形成され、たとえば、元素の周期表のIa、Ib、IIa、及びIIb族の金属から誘導された非毒性の金属塩、たとえばアルカリ金属塩、特に、リチウム、ナトリウム、もしくはカリウム塩、又はアルカリ土類金属塩、たとえば、マグネシウムもしくはカルシウム塩に加え、亜鉛の塩又はアンモニウム塩など、適切な塩基とのその塩、並びに非置換もしくはヒドロキシ置換されたモノ、ジ、もしくはトリアルキルアミン、特にモノ、ジ、もしくはトリ低級アルキルアミンなどの有機アミンと共に、又は第4級アンモニウム塩基、たとえばメチル、エチル、ジエチル、もしくはトリエチル−アミン;エタノール、ジエタノール、もしくはトリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、2−ヒドロキシテトラブチルアミンなどのモノ、ビス、もしくはトリス−(2−ヒドロキシ低級アルキル)−アミン;N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、N−メチル−D−グルカミンなどのN,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ−低級アルキル)アミン;又は水酸化テトラブチルアンモニウムなどの第4級水酸化アンモニウムと共に形成された塩である。塩基性の基、たとえばアミノ基を有する式Iの化合物は、たとえば、適切な無機の酸、たとえば塩化水素酸、臭化水素酸などのハロゲン化水素酸(hydrohalic acid)、あるいは一方又は両方のプロトンが置換された硫酸、1個又は複数のプロトンが置換されたリン酸、たとえばオルトリン酸又はメタリン酸、あるいは1個又は複数のプロトンが置換されたピロリン酸との、あるいは有機のカルボン酸、スルホン酸、スルホ(sulfo)酸、又はホスホン酸、又はN置換スルファミン酸、たとえば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、エンボン酸、ニコチン酸、又はイソニコチン酸との、並びに前述のαアミノ酸などのアミノ酸との、及びメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2−もしくは3−ホスホグリセリン酸、グルコース−6−リン酸、(シクラミン酸塩を形成する)N−シクロヘキシルスルファミン酸との、あるいはアスコルビン酸など、他の酸性有機化合物との酸の付加塩を形成することができる。酸性及び塩基性の基を有する式Iの化合物は、分子内塩を形成することもできる。
【0210】
単離及び精製する目的には、薬剤として許容されない塩を使用することも可能である。
【0211】
化合物の合成
式(I)の化合物は、置換アミンの既知の合成方法によって調製できる。たとえば、次式
【化32】
Figure 2005506979
の化合物は、次式
【化33】
Figure 2005506979
のアミンと次式
【化34】
Figure 2005506979
の置換アルキルハロゲン化物とを反応させて調製することができる。
【0212】
式(IA)の化合物は、次式
【化35】
Figure 2005506979
のアミンと次式
【化36】
Figure 2005506979
のハロゲン化物とを反応させて調製することができる。
【0213】
式(IB)の化合物は、次式
【化37】
Figure 2005506979
のアミンと次式
【化38】
Figure 2005506979
のハロゲン化物とを反応させて調製することができる。
【0214】
式(IC)の化合物は、次式(II)
【化39】
Figure 2005506979
[式中、X、R21、R22、及びRは、始めの方で示した意味を有する。]の化合物と次式(III)
【化40】
Figure 2005506979
[式中、R23、R24、及びYは、始めの方で示した意味を有する。]の化合物とを反応させて調製することができる。
【0215】
式(ID)の化合物は、式(IC)の化合物から、アルコールを酸化的に変換してケトンにする既知の方法に従う酸化によって得ることができる。
【0216】
式(ID)の化合物は、次式(IIa)
【化41】
Figure 2005506979
[式中、X、R、R21、及びR22は、先に規定したとおりであり、Halは、−Cl、−Br、−I、又は−OS(O)Rから選択された基である。]と式(III)の化合物とを反応させて得てもよい。
【0217】
式(IC)及び(ID)の化合物の調製方法は、以下の一般スキーム1〜3によって表されよう。ここに示すスキームでは、以下の略語を定めた。
【0218】
AAはアミノ酸又はアミノ酸残基を指し、AcCNはアセトニトリルを指し、BOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸を指し、CBZはカルボベンズオキシを指し、CDIはN,N’−カルボニルジイミダゾールを指し、DMFはジメチルホルムアミドを指し、DMSOはジメチルスルホキシドを指し、HBTは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを指し、Pyはピリジンを指し、PyxSOは三酸化硫黄のピリジン錯体を指し、RTは室温を指し、L−ValはL−バリンを指す。
【0219】
【化42】
Figure 2005506979
【化43】
Figure 2005506979
【化44】
Figure 2005506979
【0220】
例示した反応スキームは、以下で例示するような一般に知られている方法によって実施することができる。本発明の化合物の合成に使用するアミノ酸もしくはペプチドの模倣物は、一般に市販もされており、又は従来の有機化学的方法によって調製することもできる。
【0221】
中間体(II)、(IIa)、及び(III)までの合成経路は、容易に実現できる。式(II)のキラルなアミノアルキルエポキシドは、以下、すなわち(a)Evans,B.E.らのJ.Org.Chem.、第50巻、4615〜4625ページ(1985年)、(b)Luly,J.R.らのJ.Org.Chem.、第52巻、1487〜1492ページ(1987年)、(c)Handa,B.K.他の欧州特許出願第346,847−A2号(1989年)、及び(d)Marshall,G.R.他の国際特許出願第WO91/08221号に記載の方法を使用して得ることができる。
【0222】
N保護されたアミノアルキルハロメチルケトン(IIa)は、市販もされており、又は(e)RichらのJ.Med.Chem.、第33巻、1285〜1288ページ(1990年)、及び上の参照文献(d)に記載の方法を使用して調製することもできる。
【0223】
ヒドラジド中間体(III)は、(g)Dutta,A.S.らのJ.Chem.Soc.Perkin Trans.I、(1975年)1712〜1720ページ、(h)Ghali,N.I.らのJ.Org.Chem.、第46巻、5413〜5414ページ(1981年)、(i)Gante,J.のSynthesis、(1989年)405〜413ページ、及び(j)「Houben−Weylの有機化学的方法(Houben−Weyl’s Methoden der Organische Chemie)」、第16巻a、第1部、421〜855ページ、Georg Thieme Verlag、ドイツ、シュトゥットガルト(1990年)に記載のものなど、既知の方法を利用して得ることができる。
【0224】
本発明は、以下の実施例を参照しながらより深く理解されるであろう。こうした実施例は、本発明の具体的な実施形態の典型であり、本発明の範囲を限定するものでない。
【実施例】
【0225】
実施例A
酵素阻害アッセイ
MBP−C125アッセイを利用して、本発明の化合物の阻害活性を分析する。このアッセイでは、β−セクレターゼによるモデルAPP基質MBP−C125SWの切断について、未処理対照と比べ、化合物による相対的阻害を決定する。アッセイ・パラメータの詳細な説明は、たとえば、米国特許第5,942,400号に出ている。簡単に述べれば、基質は、マルトース結合タンパク質(MBP)とスウェーデン変異体APP−SWのカルボキシ末端側アミノ酸125個とから形成される融合タンパク質である。β−セクレターゼ酵素は、Sinha等の1999年Nature第40巻537〜540ページで記載されているように、ヒト脳組織から取り出す、あるいは全長酵素(アミノ酸1〜501)として組換えによって作製され、たとえば、WO00/47618に記載されているように、組換え型cDNAを発現する293細胞から調製できる。
【0226】
酵素の阻害は、たとえば酵素切断産物のイムノアッセイによって分析する。ELISAの一例では、抗MBP捕捉抗体が使用され、予めコートし、ブロックした96ウェルの高結合プレートにこの抗体を付着させてから、希釈した酵素を、反応上清と共にインキュベートし、特定のレポーター抗体、たとえばビオチン標識抗SW192レポーター抗体と共にインキュベートし、さらにストレプトアビジン/アルカリホスファターゼと共にインキュベーとする。このアッセイでは、無傷のMBP−C125SW融合タンパク質が切断されると、切断されたアミノ末端断片が生じ、カルボキシ末端に新しいSW−192抗体陽性エピトープが露出する。ホスファターゼによる切断の蛍光基質シグナルによって検出を行う。ELISAは、基質のAPP−SW751変異部位のLeu596に続く切断だけを検出する。
【0227】
具体的なアッセイ手順:
1試験化合物につき96プレートの1列として、6段階濃度曲線(1濃度につき2ウェル)に対して1:1で化合物を連続希釈した。各々の試験化合物をDMSO中に調製して、10ミリモルの保存溶液を作製した。この保存溶液をDMSOで連続的に希釈して、最終化合物濃度を6段階希釈曲線の高位置にある200mMにする。52mMのNaOAc、7.9%のDMSO、pH4.5各190マイクロリットルを予め加えておいた対応するV底プレートの列C上の、各々の2ウェルに各希釈物10マイクロリットルを加える。NaOAcで希釈した化合物を遠心沈殿させて、沈殿物をペレット状にし、20マイクロリットル/ウェルを平底プレートに移し、これに30マクロリットルの氷冷酵素−基質混合物(30マイクロリットル当たり2.5マイクロリットルのMBP−C125SW基質、0.03マイクロリットルの酵素、及び24.5マイクロリットルの氷冷0.09%TX100)を加える。曲線最高点である200mMの化合物の最終反応混合物は、5%のDMSO、20mMのNaOAc、0.06%のTX100、pH4.5に含まれる。
【0228】
プレートを37℃に温めて、酵素反応を開始させた。90分後、37℃で、200マイクロリットル/ウェルの冷試料希釈物を加えて、反応を停止し、80マイクロリットル/ウェルの試料希釈物を含む、対応する抗MBP抗体でコートした捕捉用のELISAプレートに、20マイクロリットル/ウェルを移した。この反応物を終夜4℃でインキュベートし、翌日、抗192SW抗体、次いでストレプトアビジン−AP接合物及び蛍光物質と共に2時間インキュベートした後ELISAを展開する。信号を蛍光プレート・リーダーで読み取る。
【0229】
化合物を加えていない対照ウェルでの酵素反応シグナルと比べ、検出されたシグナルが50%低下した化合物濃度(IC50)を算出することによって、化合物の相対的阻害効力を決定する。
【0230】
実施例B
合成APP基質を使用する細胞未使用の阻害アッセイ
β−セクレターゼによって切断でき、N末端ビオチンを有し、Cys残基にオレゴン・グリーンを共有結合させたために蛍光を発することのできる、合成APP基質を使用して、本発明の阻害化合物の存在下又は不在下でのβ−セクレターゼ活性を検定した。有用な基質には、以下のもの、すなわち、
Figure 2005506979
が含まれる。
【0231】
予めブロックした、融和性の低い、黒色プレート(384ウェル)中、37°で、酵素(0.1nM)及び試験化合物(0.001〜100mM)を30分間インキュベートする。150mMの基質を加えてウェル当たり30マイクロリットルの最終体積にすることによって、反応を開始する。最終のアッセイ条件は、0.001〜100mMの化合物阻害剤、0.1Mの酢酸ナトリウム(pH4.5)、150nMの基質、0.1nMの可溶性β−セクレターゼ、0.001%のTween20、及び2%のDMSOである。アッセイ混合物を37℃で3時間インキュベートし、飽和濃度の免疫的に純粋な(immunopure)ストレプトアビジンを加えて反応を停止した。ストレプトアビジンと共に室温で15分間インキュベートした後、たとえば、LJL Acqurest(Ex485nm/Em530nm)を使用して、蛍光偏光を測定する。β−セクレターゼ酵素の活性は、酵素によって基質が切断されたときに起こる蛍光偏光の変化によって検出する。化合物阻害剤の存在下又は不在下でインキュベートすることによって、合成APP基質のβ−セクレターゼ酵素による切断が特異的に阻害されることが実証される。
【0232】
実施例C
β−セクレターゼ阻害:P26−P4’SWアッセイ
APPのβ−セクレターゼ切断部位を含む合成基質を使用して、たとえば、公告されたPCT出願WO00/47618に記載されている方法を用いる、β−セクレターゼ活性のアッセイを行う。P26−P4’SW基質は、配列(ビオチン)CGGADRGLTTRPGSGLTNIKTEEISEVNLDAEF[配列番号6]のペプチドである。P26−P1標準体は、配列(ビオチン)CGGADRGLTTRPGSGLTNIKTEEISEVNL[配列番号7]を有する。
【0233】
簡潔に述べれば、このアッセイでは、ビオチン結合合成基質を約0〜約200mMの濃度でインキュベートする。阻害化合物を試験する場合、約1.0mMの濃度の基質が好ましい。5%の最終DMSO濃度の反応混合物に、DMSOで希釈した化合物を加える。対照も、最終DMSO濃度の5%を含有している。反応物中のβ−セクレターゼ酵素の濃度を変えて、ELISAアッセイの段階的な範囲、すなわち希釈後約125〜2000ピコモルを有する生成物濃度を得る。
【0234】
反応混合物は、20mMの酢酸ナトリウム、pH4.5、0.06%のトリトンX100も含んでおり、37℃で約1〜3時間インキュベートされる。次いで、試料をアッセイ緩衝液(たとえば、145.4nMの塩化ナトリウム、9.51mMのリン酸ナトリウム、7.7mMのアジ化ナトリウム、0.05%のトリトンX405、6g/リットルのウシ血清アルブミン、pH7.4)で希釈して、反応を失活させ、次いで切断産物のイムノアッセイに向けてさらに希釈する。
【0235】
切断産物は、ELISAによって検定できる。捕捉抗体、たとえば、SW192をコートしたアッセイ・プレート中で、希釈した試料及び標準物質を4℃で24時間インキュベートする。TTBS緩衝液(150mMの塩化ナトリウム、25mMのトリス、0.05%のTween20、pH7.5)で洗浄後、製造者の指示に従って、試料をストレプトアビジンAPと共にインキュベートする。室温で1時間インキュベートした後、サンプルをTTBSで洗浄し、蛍光物質溶液A(31.2g/リットルの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、30mg/リットル、pH9.5)と共にインキュベートする。ストレプトアビジン・アルカリリン酸と反応させると、蛍光法での検出が可能になる。β−セクレターゼ活性の有効な阻害剤である化合物では、基質の切断が対照に比べて減少している。
【0236】
実施例D
合成オリゴペプチド基質を使用するアッセイ
知られているβ−セクレターゼ切断部位、及び任意選択で、蛍光性もしくは色素生産性部分など、検出可能なタグを含む合成オリゴペプチドを調製する。このようなペプチドの例、並びにその製造方法及び検出方法は、米国特許第5,942,400号に記載されており、これを参照により本明細書に組み込む。切断産物は、当技術分野でよく知られている方法に従って、検出するペプチドに適する高速液体クロマトグラフィー又は蛍光もしくは色素生産検出法を使用して検出できる。
【0237】
例として、あるそのようなペプチドは、配列(ビオチン)−SEVNLDAEF[配列番号8]を有し、切断部位が残基5と6の間にある。別の好ましい基質は、配列ADRGLTTRPGSGLTNIKTEEISEVNLDAEF[配列番号9]を有し、切断部位が残基26と27の間にある。
【0238】
β−セクレターゼを媒介とする基質の切断をもたらすのに十分な条件下、β−セクレターゼの存在下でこのような合成APP基質をインキュベートする。化合物阻害剤が存在下での切断結果を対照の結果と比較すると、その化合物の阻害活性の大きさが明らかとなる。
【0239】
実施例E
β−セクレターゼ活性の阻害−細胞アッセイ
米国特許第5,604,102号に記載されているように、β−セクレターゼ活性の阻害を分析するアッセイの例は、天然発生の二重突然変異体Lys651Met52〜Asn651Leu652(APP751の番号)を含むAPP751を形質移入した、ヒト胎児腎細胞系HEKp293(ATCC受入れ番号CRL−1573)を利用しているが、これは一般にスウェーデン変異体と呼ばれ、Aβを過剰産生することが示されている(Citron等のNature 第360巻:672〜674ページ、1992年)。
【0240】
所望の濃度、一般に最高で10マイクログラム/mlの(DMSOで希釈した)阻害剤化合物の存在下/不在下で、細胞をインキュベートする。処理の終わりに、たとえば、切断断片の分析によって、条件を整えた培地のβ−セクレターゼ活性を分析する。Aβは、特定の検出抗体を使用するイムノアッセイによって分析できる。化合物阻害剤の存在下及び不在下で酵素活性を測定すると、β−セクレターゼを媒介とするAPP基質の切断が特異的に阻害されることが実証される。
【0241】
実施例F
AD動物モデルでのβ−セクレターゼの阻害
β−セクレターゼ活性のスクリーニングには、さまざまな動物モデルが使用できる。本発明で使用できる動物モデルの例には、それだけに限らないが、マウス、モルモット、イヌなどが含まれる。使用する動物は、野生型モデル、トランスジェニック・モデル、又はノックアウト・モデルでよい。さらに、哺乳動物モデルも、本明細書に記載のAPP695−SWなど、APPの変異体を発現できる。ヒトでない哺乳動物のトランスジェニック・モデルの例は、米国特許第5,604,102号、同第5,912,410号、及び同第5,811,633号に記載されている。
【0242】
推定上の阻害剤化合物の存在下、in vivoでAβ遊離の抑制を分析するには、Games等のNature 第373巻:523〜527ページ、1995年に記載されているとおりに準備したPDAPPマウスが有用である。米国特許第6,191,166号に記載されているように、生後4カ月のPDAPPマウスに、トウモロコシ油などの溶剤中に処方した化合物を投与する。マウスは化合物(1〜30mg/ml、好ましくは1〜10mg/ml)を投与される。時間経過後、たとえば3〜10時間後、動物を屠殺し、分析用に脳を取り出す。
【0243】
トランスジェニック動物には、選択した投与方式に適する担体中に処方された、ある量の化合物阻害剤を投与する。対照動物は、未処置とする、担体で処置する、又は不活性化合物で処置する。投与は、急性向け、すなわち1回投与又は複数回投与を1日で行うことも、あるいは、慢性向け、すなわち数日間毎日投与を繰り返すこともできる。0時間から始め、選択した動物から脳組織又は脳脊髄液を得、たとえば、Aβ検出用の特定の抗体を使用するイムノアッセイを利用して、Aβを含む、APP切断ペプチドの存在を分析する。試験期間の終わりに動物を屠殺し、脳組織又は脳脊髄液のAβ及び/又はβアミロイド斑の存在を分析する。組織の壊死についても分析する。
【0244】
本発明の化合物阻害剤を投与した動物では、未処置対象に比べ、脳組織又は脳脊髄液中のAβが減少し、脳組織中のβアミロイド斑が縮小することが予想される。
【0245】
実施例G
ヒト対象でのAβ産生の阻害
アルツハイマー病(AD)に罹患した対象は、脳のAβ量の増加を示す。AD対象及び患者に、選択した投与方式に適する担体中に処方した、ある量の阻害剤を投与する。試験期間中、投与を毎日繰り返す。0日から始め、たとえば1カ月に1度、認知及び記憶能力の試験を実施する。
【0246】
化合物阻害剤を投与した対象では、1種又は複数の以下の疾患パラメータ、すなわち、CSF又は血漿中に存在するAβ、脳又は海馬の体積、脳でのAβ沈着、脳のアミドイド斑、認知及び記憶機能についての成績の変化を分析した場合、対照の未処置の対象と比べ、疾患の進行が緩慢化又は安定化することが予想される。
【0247】
実施例H
ADのリスクのある対象でのAβ産生の予防
家族性の遺伝パターン、たとえば、スウェーデン変異の存在を見分ける、かつ/又は診断パラメータをモニタすることによって、AD発生の素因又はリスクのある対象を識別する。AD発生の素因又はリスクがあると識別された対象に、選択した投与方式に適する担体中に処方した、ある量の化合物阻害剤を投与する。試験期間中、投与を毎日繰り返す。0日から始め、たとえば1カ月に1度、認知及び記憶能力の試験を実施する。
【0248】
化合物阻害剤を投与した対象では、1種又は複数の以下の疾患パラメータ、すなわち、CSF又は血漿中に存在するAβ、脳又は海馬の体積、脳のアミロイド斑、認知及び記憶機能についての成績の変化を分析した場合、対照の未処置の対象と比べ、疾患の進行が緩慢化又は安定化することが予想される。
【0249】
温度はすべてセ氏温度である。
【0250】
式(I)の化合物の例には、以下の表1に示す式(IV)の化合物が含まれる。
【0251】
【表1】
Figure 2005506979
Figure 2005506979
【0252】
上の表において、CBZはベンジルオキシカルボニルを指し、QCはキノリン−2−カルボニルを指し、PCは2−ピリジンメトキシカルボニルを指し、Asnはアスパラギンを指し、Valはバリンを指し、Glnはグルタミンを指し、Thrはスレオニンを指し、BZはベンゾイルを指し、PICはピコリニルを指し、CNAlaは3−シアノ−L−アラニンを指す。
【0253】
以下の実施例では、融点は、熱い段階にある装置を用いて得、補正していない。プロトンNMRスペクトルは、それぞれPerkin Elmer R32又はBruker EM300分光計を用いて100MHz又は300MHzで記録した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場のppmである。実施例1〜23に示す化合物の分子量は、メルボルンのラトローブ大学化学科で実施したエレクトロスプレー質量分光分析によって確認した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60−F254プレート(メルク)上で実施した。化合物は、紫外線及び/又は2%過マンガン酸カリウム水溶液によって可視化した。TLC溶媒系の組成(体積)は、以下のとおりであった。すなわち、(A)=ヘキサン/酢酸エチル4:1、(B)=ヘキサン/酢酸エチル3:2、(C)=酢酸エチル、(D)=クロロホルム/メタノール23:2。
【0254】
実施例1
3−イソプロピル−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチル:標題の化合物は、DuttaらのJ.C.S.Perkin I、1975年、1712〜1720ページの方法、又は以下の手順によって調製することができる。すなわち、カルバジン酸t−ブチル13.2g(0.1モル)、アセトン6g(0.103モル)、及び無水硫酸マグネシウム12.5g(0.1モル)を100mLの塩化メチレン中に混ぜた混合物を、室温で12時間攪拌した。濾過によって乾燥剤を除去した後、濾液を減圧下で蒸発させて乾燥させ、シクロヘキサンから結晶化した後、104〜105℃で融解する、対応するヒドラゾン16.9g(収率98%)が得られた。水素化ホウ素リチウム2.04g(0.094モル)を100mLの乾燥THF中に懸濁させた懸濁液に、室温の窒素中で12mL(0.094モル)のクロロトリメチルシランを加えた。30分間攪拌した後、13.45g(0.078モル)のヒドラゾンを室温でゆっくりと加え、2時間攪拌し続けた。次いで、50mLのメタノールを慎重に加え、混合物を減圧下で蒸発させて乾燥させた。残渣をエーテル(150mL)と水(50mL)とに分配した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾別した。濾液に乾燥塩化水素を通し、生成した白色固体を濾過によって除去し、新たな分のエーテルで洗浄し、乾燥させて、標題の化合物の塩酸塩10.5gを得た。ヘキサン(150mL)と20%の水酸化カリウム水溶液とに分配することにより、これを遊離塩基に変換した。収率8.3g(61%)。
【0255】
ステップB:3−イソプロピル−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:N−CBZ−L−フェニルアラニンクロロメチルケトン0.15g(0.45ミリモル)とヨウ化ナトリウムの乾燥DMF飽和溶液1mLの混合物を室温で15分間攪拌した。これに、3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチル0.074g(0.47ミリモル)を加えた後、重炭酸ナトリウム0.095g(1.13ミリモル)を加えた。室温で6時間攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウム0.051g(1.3ミリモル)を加え、さらに30分間攪拌し続けた。溶液を酢酸エチルで30mLに希釈し、2%の重硫酸カリウム水溶液、水、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル20:5)によって残渣を精製すると、118〜119.5℃で融解する標題の化合物が49%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0256】
実施例2
3−イソプロピル−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:N−キナルドイル−L−バリン:キナルジン酸0.62g(3.6ミリモル)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール0.61g(3.76ミリモル)を1mLの乾燥1,4−ジオキサン中に混ぜた混合物を、室温で30分間攪拌した。これに、L−バリン0.43g(3.7ミリモル)及び水酸化リチウム0.155g(3.7ミリモル)を1mLの水に溶かした溶液を加え、得られる混合物を室温で4時間、激しく攪拌した。混合物を水で10mLに希釈し、冷却し(氷水浴)、次いで1N塩酸を用いてpH約3に酸性化し、4℃で2時間放置した。生成した結晶を濾過によって除去し、5mLの冷水で3回洗浄し、高真空中の五酸化リン上で乾燥させて、0.75gの生成物を得た。収率=76%、融点134〜136℃。
Figure 2005506979
【0257】
ステップB:3−イソプロピル−3−[(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例1の生成物0.113g(0.24ミリモル)を2mLのメタノールに溶かした冷却した溶液に、窒素中で0.1gの10%パラジウム担持活性炭を加えた後、0.1gの水素化ホウ素ナトリウムを加えた。反応液を室温に温め、1時間攪拌し、次いで濾過によって触媒を除去し、新たな分のメタノールで洗浄した。濾液を合わせ、1mLの0.1N塩酸水溶液で処理し、減圧下で蒸発させて乾燥させた。残渣を5mLの0.1N水酸化カリウムで処理し、生成物をジエチルエーテル30mLで溶解した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、ステップB生成物0.0797g(収率99%)を得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0258】
ステップC:3−イソプロピル−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドリル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:ステップAからの酸0.0643g(0.24ミリモル)、ステップBからのアミン0.0797g(0.236ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.032g(0.24ミリモル)を0.5mLの無水DMF中に混ぜた混合物に、0.071g(0.24ミリモル)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドのヨウ化メチル塩を加えた。室温で終夜攪拌した後、混合物を酢酸エチルで30mLに希釈し、水5%の重炭酸ナトリウム水溶液、2%の重硫酸カリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:2)によって精製して、186〜189℃で融解する標題の化合物0.091g(収率65%)を得た。
Figure 2005506979
【0259】
実施例3
3−イソプロピル−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドリル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:N−キナルドイル−L−アスパラギン:実施例2ステップAのL−バリンの代わりにL−アスパラギンを用いたとき、同一のプロセスによって、200〜203℃で融解する標題の化合物が85%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0260】
ステップB:3−イソプロピル−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:ステップAの生成物(0.111g、0.386ミリモル)、実施例2ステップBの生成物(0.13022g、0.386ミリモル)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(0.205g、0.46ミリモル)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.052g、0.384ミリモル)を1mLの無水DMFに溶かした攪拌した溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24ml、1.38ミリモル)を加えた。室温で12時間攪拌した後、反応液を酢酸エチルで30mLに希釈し、水、2%の重硫酸カリウム、5%の重炭酸ナトリウム、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製すると、109〜114℃で融解する標題の生成物0.152g(収率65%)が得られた。
Figure 2005506979
【0261】
実施例4
1−(2−ピリジル)メトキシカルボニルアントラニロイル−2−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピル−ヒドラジン
ステップA:(2−ピリジル)メトキシカルボニルアントラニル酸:アントラニール酸メチル10g(66ミリモル)を15mLの無水トルエンに溶かした溶液に、還流させながらホスゲンを2時間バブルした。次いで、減圧下で溶媒を留去して、11.7g(100%)の2−メトキシカルボニルフェニルイソシアナートを得た。NMR(CDCl)3.89(s,3H,CH);7.0〜7.63(m,3H,フェニルH−3,−4,−5);8.0(dd,1H,フェニルH−6)。これを、等モル量の2−ピリジルカルビノールと縮合させた後、得られるエステルを1N水酸化ナトリウムでけん化し、反応混合物をpH4に酸性化することにより、全体で34%の収率で標題の化合物に変換した。酢酸エチルからの結晶化によって粗生成物を精製した。融点=172〜175℃。NMR(DMSO−d)5.2(s,2H,メトキシCH);6.8〜8.8(m,9H,芳香族,NH);10.8(ブロードs,1H,OH)。
【0262】
ステップB:2−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピル−ヒドラジン:実施例3の生成物0.1g(0.165ミリモル)をメタノールの1%塩化メチレン溶液10mLに溶かした溶液に、室温で30分間塩化水素をバブルした。過剰のHClを窒素で洗浄した後、減圧下で溶媒を除去して、標題の化合物0.089g(100%)を白色の固体として得た。
【0263】
ステップC:1−(2−ピリジル)メトキシカルボニルアントラニロイル−2−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピル−ヒドラジン:実施例3ステップBで概略を述べた一般の手順を使用して、ステップAとBの生成物を結合させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製した後、標題の化合物を24%の収率で得た。融点=96〜112℃。
Figure 2005506979
【0264】
実施例5
3−イソプロピル−3−[(2−オキソ−3(S)−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
実施例3の生成物0.0533g(0.088ミリモル)及び三酸化硫黄ピリジン錯体0.049g(0.31ミリモル)を1mLの無水DMSO中に混ぜた混合物に、0.043mL(0.31ミリモル)のトリエチルアミンを加えた。室温で45分間攪拌した後、反応混合物を氷上に注ぎ、室温に温めた。生成した沈殿を濾過によって除去し、水で洗浄し、真空中で終夜乾燥させて、標題の化合物0.044g(収率83%)を得、これを水性メタノールからの結晶化によってさらに精製した。融点=146〜150℃。
Figure 2005506979
【0265】
実施例6
3−(1−メチル−3−フェニルプロペン−3−イル)−3−[(2R及びS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:2(R,S)−3(S)−1,2−エポキシ−3−フェニルメトキシカルボニルアミノ−4−フェニルブタン:N−CBZ−L−フェニルアラニンクロロメチルケトン6g(18ミリモル)を50%のメタノール性テトラヒドロフラン30mLに溶かした溶液に、0.68gの水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で30分間攪拌した後、1N塩酸を用いて混合物を慎重に酸性化し、減圧下で蒸発させて乾燥させた。残渣を塩化メチレンで50mLに希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。蒸発させて、6.02g(100%)の2(R,S)−3(S)−1−クロロ−2−ヒドロキシ−3−フェニルメトキシカルボニルアミノ−4−フェニルブタンを白色固体として得た。これを50mLのイソプロパノール中に溶解させ、2Nのメタノール性水酸化カリウム9mLを室温で加えた。室温で1時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去し、残渣を50mLの酢酸エチルと20mLの水とに分配した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させて乾燥させて、標題の化合物5.3g(収率99%)を得たが、エリトロ−NCH(3.74ppm、72%)とトレオ−NCH(4.2、28%)の相対積分から判定したところ主に2(S)立体異性体であった。
Figure 2005506979
【0266】
ステップB:3−(1−メチル−3−フェニルプロペン−2−イル)カルバジン酸t−ブチル:この化合物は、trans−4−フェニル−3−ブテン−2−オン及びカルバジン酸t−ブチルから、Ghaliら(J.Org.Chem.、1981年、第46巻、5413〜5414ページ)の方法によって、粗生成物をヘキサンから結晶化させた後、全体で約65%の収率で得た。融点=76〜79℃。
Figure 2005506979
【0267】
ステップC:3−(1−メチル−3−フェニルプロペン−3−イル)−3−[(2R及びS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:約15mLの無水エーテル中に入れたステップAからのエポキシド0.57gを、ステップBの生成物1g(3.81ミリモル)を含浸させた8gのアルミナ(E.MerckI)の激しく攪拌した懸濁液に室温で加えた。16時間攪拌し続け、濾過によって触媒を除去し、酢酸エチル(3×25ml)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で蒸発させて乾燥させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル4:1)によって分離精製した。生成物の各画分を真空中で蒸発させて、標題の化合物の2R,3S異性体(0.298 g、28%)及び2S,3S異性体(0.1g、9%)を白色固体として得た。
異性体2R,3S:融点=101〜104℃。
Figure 2005506979
異性体2S,3S:融点=128〜130℃。
Figure 2005506979
【0268】
実施例7
3(1−メチル−3−フェニルプロピル)−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:3−(1−メチル−3−フェニルプロピル)−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例6ステップCの生成物の異性体2R,3Sの水素化分解を実施例2ステップBに記載のとおりに実施することによって、これを98%の収率で白色固体として得た。
【0269】
ステップB:3−(1−メチル−3−フェニルプロピル)−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例3ステップBに示した条件下で、ステップAからのアミン(0.0835g、0.195ミリモル)とN−キナルドイル−L−アスパラギン(実施例3、ステップA)(0.0563g、0.196ミリモル)を縮合させると、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム/メタノール23:2)による精製の後、標題の化合物0.11g(収率81%)が得られた。融点=141〜143℃。
Figure 2005506979
【0270】
実施例8
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4,4,0]デカン
ステップA:cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]−デカン:一般的方法(「フォーゲルの実践有機化学教本Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry)」、第4版、393ページ、Longman Group Limited、英国ロンドン、1978年)によって、cis−1,2−シクロヘキサンジメタノールを定量的にヨウ化cis−1,2−シクロヘキサンジメチルに運搬した。Duttaら(J.C.S.Perkin I、1975年、1712〜1720ページ)の方法によって、2当量の水素化ナトリウムの存在下で、1−ベンジルオキシカルボニル−2−t−ブトキシカルボニルヒドラジン(DuttaらのJ.C.S.Perkin I、1975年、1712〜1720ページ)をヨウ化cis−1,2−シクロヘキサンジメチルを用いてアルキル化すると、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)での精製後、cis−1,6−4−ベンジルオキシカルボニル−3−t−ブトキシカルボニル−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカンが24%の収率で得られた。融点=68〜69.5℃。
Figure 2005506979
水素化分解を実施例2ステップBに記載のとおりに実施することによって、これを95%の収率で標題の化合物に変換した。融点=55〜63℃。
Figure 2005506979
【0271】
ステップB:cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ−[4.4.0]デカン:実施例6ステップCの3−(1−メチル−3−フェニルプロペン−2−イル)カルバジン酸t−ブチルの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル4:1)での精製後に、98〜103℃で融解する標題の化合物が42%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0272】
実施例9
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン
実施例2のt−ブチル−3−イソプロピル−3−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバザートの代わりに実施例8の生成物を用いると、同一の手順によって、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:2)による精製後に標題の化合物が52%の収率で得られた。融点=95〜101℃。
Figure 2005506979
【0273】
実施例10
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン
実施例2ステップBに従って、実施例8の生成物を、cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカンに定量的に変換した。実施例3ステップBと同一のプロセスによって、この物質をN−キナルドイル−L−アスパラギン(実施例3、ステップA)と結合させて、標題の化合物を52%の収率で得た。融点=111〜114℃。
Figure 2005506979
【0274】
実施例11
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)−メトキシカルボニル−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
ステップA:N−(2−ピリジル)メトキシカルボニル−L−バリン:窒素中で、(2−ピリジル)カルビノール(3g)とL−2−イソシアナート−3−メチルブタン酸メチル(4.32g)(Fankhauser P.らのHelv.Chim.Acta、1970年、2298〜2313)の等モル混合物を80〜90℃で12時間攪拌して、7.32g(100%)のN−(2−ピリジル)メトキシカルボニル−L−バリンメチルエステルを無色のシロップとして得た。
Figure 2005506979
これをメタノールで25mLに希釈し、5Mの水酸化カリウム水溶液6.04mLを加えた。得られる混合物を還流させながら1時間攪拌し、次いで室温に冷却し、真空中で蒸発させて乾燥させた。残渣を水で25mLに希釈し、エーテルで洗浄した。氷浴中で水相を冷却し、pH=5に酸性化し、終夜4℃に保った。生じた沈殿を濾別し、少量ずつの冷水(3×15ml)で洗浄し、真空中の五酸化リン上で乾燥させて、116〜118℃で融解する標題の化合物4.92g(収率71%)を得た。
Figure 2005506979
【0275】
ステップB:cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3[N−(2−ピリジル)メトキシカルボニル−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ−[4.4.0]デカン:
実施例10のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いると、同一のプロセスによって、実施例9で示した条件下での精製後、82〜87℃で融解する標題の化合物が38%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0276】
実施例12
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−グルタミニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3.4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
ステップA:N−キナルドイル−L−グルタミン:実施例2ステップAのL−バリンの代わりにL−グルタミンを用いたとき、同一のプロセスによって、188〜190℃で融解する標題の化合物が72%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0277】
ステップB:cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−キナルドイル−L−グルタミニル]アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン:実施例10のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いると、同一のプロセスによって、106〜115℃で融解する題名の化合物が18%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0278】
実施例13
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−スレオニル)−アミノ−4−フェニルブチル[−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
ステップA:N−キナルドイル−L−スレオニン:実施例2ステップAのL−バリンの代わりにL−スレオニンを用いたとき、同一のプロセスによって、184〜185℃で融解する題名の化合物が74%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0279】
ステップB:cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−スレオニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン:実施例10のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いると、同一のプロセスによって、102〜112℃で融解する標題の化合物が36%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0280】
実施例14
2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
ステップA:2−t−ブトキシカルボニル−3−フェニルメトキシカルボニル−2,3−ジアザ−ビシクロ−[2.2.1]ヘプタ−5−エン:1−ベンジルオキシカルボニル−2−t−ブトキシカルボニルヒドラジン1g(4.34ミリモル)(DuttaらのJ.C.S.Perkin I、1975年、1712〜1720ページ)を30mLの無水塩化メチレン中に混ぜた攪拌した混合物に、1.55g(8.7ミリモル)のN−ブロモスクシンイミドを0℃で加え、氷浴中で外から冷却しながら1時間攪拌し続けた。反応混合物を10%のチオ硫酸ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で蒸発させて乾燥させた。残渣を15mLの無水エーテル中に再び溶解させ、新たに蒸留したシクロペンタジエン0.57g(8.7ミリモル)を加え、混合物を1時間室温に保った。減圧下で蒸発させて乾燥させ、標題の化合物0.77g(収率54%)を無色のシロップとして得た。
Figure 2005506979
【0281】
ステップB:2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−5−エン:ステップAの生成物0.2g(0.6ミリモル)及び1N水酸化カリウム水溶液0.8mLを5mLのメタノール中に混ぜた混合物を窒素中で4時間還流させた。得られる混合物を部分的に蒸発させ、水で10mLに希釈し、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発乾燥した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:2)によって精製して、0.05g(収率42%)の2−t−ブトキシカルボニル−2,3.−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エンを得た。この物質(0.049g、0.25ミリモル)を、2(R,S)−3(S)−1,2−エポキシ−3−フェニルメトキシカルボニルアミノ−4−フェニルブタン(実施例6ステップA)0.0744g(0.25ミリモル)を含有する2mLのイソプロパノール中に溶解させ、得られる混合物を窒素中80±5℃で15時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、真空中で蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル4:1)によって精製して、標題の生成物0.054g(収率44%)を得た。融点=111〜113℃。
Figure 2005506979
【0282】
実施例15
2−t−ブトキシカルボニル−3−[{2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
実施例8のcis−1,6−4−ベンジルオキシ−カルボニル−3−t−ブトキシカルボニル−3−4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカンの代わりに実施例14ステップAの生成物を用いると、同様のプロセスによって、標題の化合物が31%の収率で得られた。融点=119〜126℃。
Figure 2005506979
【0283】
実施例16
2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)−メトキシカルボニル−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−2.3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン
実施例2ステップBに従って、実施例15の生成物を、2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンに定量的に変換した。実施例3ステップBと同一のプロセスによって、この物質をN−(2−ピリジル)メトキシカルボニル−L−バリン(実施例11、ステップA)と結合させて、標題の化合物を51%の収率で得た。融点=73〜77℃。
Figure 2005506979
【0284】
実施例17
2−[N−(1S)(2−メチル−1−メトキシカルボニルプロピル)カルボニル]−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)メトキシ−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
実施例4ステップBに従って、実施例16の生成物を、3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)−メトキシ−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ−[2.2.1]ヘプタンの塩酸塩に定量的に変換した。この物質(0.06g、0.113ミリモル)及び等モル量のL−2−イソシアナート−3−メチル−ブタン酸メチルを、0.4mLのエタノール非含有クロロホルム中に溶解させ、それに0.031mLのジイソプロピルエチルアミンを加えた。得られる混合物を窒素中で12時間室温に保ち、次いで、酢酸エチルで15mLに希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。
【0285】
真空中で蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製すると、標題の化合物0.051g(66%)が得られた。融点=79〜84℃。
Figure 2005506979
【0286】
実施例18
2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−1.2.3.4−テトラヒドロフタラジン
ステップA:2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン:1,2,3,4−テトラヒドロフタラジンの塩酸塩0.19g(1.11ミリモル)[Groszkowski及びWesolowskaのArch.Pharm.(Weinheim)第314巻、880ページ(1981年)]及びジ−tert−ブチルジカーボネート0.23g(1.05ミリモル)を5mLのクロロホルム中に混ぜた混合物に、0.147mL(1.05ミリモル)のトリエチルアミンを窒素中で加えた。室温で5時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで30mLに希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。真空中で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル4:1)によって精製すると、0.0921g(37%)の2−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロフタラジンが得られた。NMR(CDCl)1.5(s,9H,t−ブトキシCH);4.0(s,2H,CH−4);4.47(ブロードs,1H,NH);4.64(s,2H,CH−1);6.95(m,4H,芳香族)。実施例14ステップBの2−t−ブトキシ−カルボニル−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−5−エンの代わりにこの物質を用いたとき、同様のプロセスによって、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、クロロホルム/酢酸エチル95:5)での精製後、標題の化合物が24%の収率で得られた。融点=68〜71℃。
Figure 2005506979
【0287】
ステップB:2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン:実施例10のcis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカンの代わりにステップAの生成物を用いると、同一のプロセスによって、標題の化合物が70%の収率で得られた。融点=108〜112℃。R(C)==0.44;R(D)=0.39;
Figure 2005506979
【0288】
実施例19
3p−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)−アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:2(R)−3(S)−1,2−エポキシ−3−フェニルメトキシカルボニルアミノ−4−フェニルブタン:ヨウ化ナトリウム6.02g(40ミリモル)を50mLの無水アセトニトリルに溶かした溶液に、2.6mL(22ミリモル)のクロロトリメチルシランを窒素中で加えた。10分間攪拌した後、2(R,S)−3(S)−1,2−エポキシ−3−フェニルメトキシカルボニルアミノ−4−フェニルブタンの主にエリトロ異性体6g(20.1ミリモル)(実施例6ステップA)を加え、さらに1時間攪拌し続けた。この混合物に、4g(61.2ミリモル)の亜鉛粉を加えた後、6mLの酢酸を加えた。得られる混合物を室温で約5時間激しく攪拌し、固体物質を濾過によって除去した。濾液を真空中で蒸発させて乾燥させ、残渣をエーテルで75mLに希釈し、水及び5Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。真空中で蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル4:1)によって精製すると、5.1g(90%)の(S)−2−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−1−フェニルブタ−3−エンが得られた。R(A)=0.5;融点=87〜88℃
Figure 2005506979
この物質(2.23g、7.93ミリモル)を25mLの乾燥塩化メチレン中に溶解させ、85%の3−クロロペルオキシ安息香酸4.5g(22.1ミリモル)を+4℃で加えた。得られる混合物を上記の温度で2日間攪拌し、次いでエーテルで50mLに希釈し、0℃の10%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をヘキサン/塩化メチレン混合物からの結晶化によって精製して、標題のエポキシド2.1g(収率89%)を得たが、立体化学は主にトレオであった。融点=83〜84℃。
Figure 2005506979
【0289】
ステップB:3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)−アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:ステップAの生成物2.03g(6.83ミリモル)及び3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチル1.2g(7.6ミリモル)を8mLのイソプロパノール中に混ぜた混合物を窒素中70±5℃で12時間攪拌した。真空中で溶媒を蒸発させた後、固体残渣をヘキサンからの再結晶にかけて、114〜115℃で融解する標題の化合物2.6g(収率80%)を得た。
Figure 2005506979
【0290】
実施例20
3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
実施例3の3−イソプロピル−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチルの代わりに実施例19の生成物を用いたとき、同一のプロセスによって、標題の化合物が66%の収率で得られた。融点=203〜204℃
Figure 2005506979
【0291】
実施例21
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
実施例19ステップBの3−イソプロピル−カルバジン酸t−ブチルの代わりに実施例8ステップAの生成物を用いると、同一のプロセスによって、標題の化合物が78%の収率で得られた。融点=110〜111℃
Figure 2005506979
【0292】
実施例22
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
実施例2ステップBの方法に従って、実施例21の生成物(2g、0.037モル)を標題の化合物(1.5gの濃厚なシロップ)に定量的に変換した。
Figure 2005506979
【0293】
上記の生成物をヘキサンから分別結晶すると、0.74gの異性体Aが、123〜124℃で融解する無色の固体として得られた。
Figure 2005506979
【0294】
ヘキサン画分の溶媒を蒸発させた後、0.76gの異性体Bを得た。これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中8%メタノール、R=0.16)によって精製して、0.72gの純粋な異性体Bを無色のシロップとして得た。
Figure 2005506979
【0295】
実施例23
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
実施例10のcis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RS,3S)−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカンの代わりに実施例22の生成物(異性体AとBの混合物)を用いたとき、同一のプロセスによって、標題の化合物が72%の収率で得られた。融点=108〜110℃。
Figure 2005506979
【0296】
溶離するのにトリフルオロ酢酸0.07%及び水10%を含有するアセトニトリル中のトリフルオロ酢酸の0.1%水溶液を37%使用する逆相(WhatmanC半分取カラム)高圧液体クロマトグラフィーによって、この生成物のサンプルを2種の異性体に分離した。異性体A、R=16.8分間;異性体B、R=18.3分間。
【0297】
混合物の代わりに、実施例22の生成物の異性体A及びBを使用したとき、標題化合物のそれぞれの異性体が得られた。
異性体A:収率69%、融点=110〜116℃。
Figure 2005506979
異性体B:収率78%、融点=122〜126℃。
Figure 2005506979
【0298】
実施例24
1−トリメチルアセチル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−1フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン
ステップA:1−トリメチルアセチル−2−イソプロピルヒドラジン:トリメチル酢酸メチル10g(0.086モル)と無水ヒドラジン3.2g(0.1モル)の混合物を12時間還流させ、次いで減圧下で蒸発させて乾燥させた。エーテル/ヘキサン混合物からの結晶化によって残渣を精製して、190〜191℃で融解する9g(収率90%)のトリメチルアセチルヒドラジドを得た。実施例1ステップAのカルバジン酸t−ブチルの代わりにこの生成物を用いると、同一のプロセスによって、標題の化合物が67%の収率で無色の結晶として得られた。
Figure 2005506979
【0299】
ステップB:1−トリメチルアセチル−2−[2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピル−ヒドラジン
実施例19ステップBの3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチルの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が69%の収率で得られた。融点=132〜134℃。
Figure 2005506979
【0300】
実施例25
1−トリメチルアセチル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル(アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン
実施例3の3−イソプロピル−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチルの代わりに実施例24の生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が65%の収率で得られた。融点=222〜223.5℃。
Figure 2005506979
【0301】
実施例26
1−(t−ブチルアミノ)カルボニル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン
無水ヒドラジン0.33g(0.0103モル)を50mLの乾燥エーテル中に混ぜた混合物を激しく攪拌したものに、1g(0.01モル)のイソシアン酸t−ブチルを加えた。得られる混合物を室温で2時間攪拌し、次いで終夜4℃に保った。生成した結晶を濾別し、少量のエーテルで洗浄し、乾燥させて、192〜193℃で融解する0.94g(収率72%)の(t−ブチルアミノ)カルボニルヒドラジンを得た。実施例1ステップAのカルバジン酸t−ブチルの代わりにこれを用いたとき、同一のプロセスによって、1−(t−ブチルアミノ)カルボニル−2−イソプロピルヒドラジンが58%の収率で白色固体として得られた。
Figure 2005506979
実施例19ステップBの3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチルの代わりにこれを用いたとき、同一のプロセスによって、1−(t−ブチルアミノ)カルボニル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジンが68%の収率で白色固体として得られた。
Figure 2005506979
実施例3の3−イソプロピル−[(2R,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチルの代わりにこれを用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が67%の収率で得られた。融点=119〜125℃。
Figure 2005506979
【0302】
実施例27
3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−ピコリノイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル)カルバジン酸t−ブチル
ステップA:N−ピコリノイル−L−アスパラギン:実施例3ステップAのキナルジン酸の代わりにピコリン酸を用いたとき、同一のプロセスによって、171〜172℃で融解する標題の化合物が68%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0303】
ステップB:3−イソプロピル−3−[2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−ピコリノリル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例20のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が58%の収率で得られた。融点=101〜108℃。
Figure 2005506979
【0304】
実施例28
3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−(2−ピリジル)メトキシカルボニルアントラニロイル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
実施例20のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりに実施例4ステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が61%の収率で得られた。融点=155〜157℃。
Figure 2005506979
【0305】
実施例29
3−ベンジル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:3−ベンジルカルバジン酸t−ブチル:実施例1ステップAのアセトンの代わりにベンズアルデヒドを用いたとき、同一のプロセスによって、標題の化合物が69%の収率で濃厚な無色のシロップとして得られた。
Figure 2005506979
【0306】
ステップB:3−ベンジル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例19ステップBの3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチルの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が72%の収率で得られた。融点=142〜143℃。
Figure 2005506979
【0307】
実施例30
3−ベンジル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
実施例20の3−イソプロピル−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチルの代わりに実施例29の生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が71%の収率で得られた。融点=150〜153℃。
Figure 2005506979
【0308】
実施例31
3−シクロヘキシル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:3−シクロヘキシルカルバジン酸t−ブチル:実施例1ステップ1のアセトンの代わりにシクロヘキサノンを用いたとき、同一のプロセスによって、標題の化合物が59%の収率で無色の固体として得られた。
Figure 2005506979
【0309】
ステップB:3−シクロヘキシル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例18ステップBの3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチルの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が76%の収率で得られた。融点=142〜143℃。
Figure 2005506979
【0310】
実施例32
3−シクロヘキシル−3−[(2S.3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
実施例20の3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−カルバジン酸t−ブチルの代わりに実施例31の生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が75%の収率で得られた。融点=140〜144℃。
Figure 2005506979
【0311】
実施例33
3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−(1−カルバモイルメチル)アクリロイル)−アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:(1−カルバモイルメチル)アクリル酸:イタコン酸無水物3g(0.027モル)を30mLのテトラヒドロフラン中に混ぜた混合物に、3mLの28%水酸化アンモニウムを加えた。1時間後、反応混合物を減圧下で蒸発させて乾燥させた。残渣を15mLの水に溶解させ、次いで濃塩酸を用いてpH2に酸性化し、終夜4℃に保った。生成した沈殿を濾別し、少量の冷水で洗浄し、乾燥させて、153〜154℃で融解する標題の化合物1.4g(収率40%)を得た。
Figure 2005506979
【0312】
ステップB:3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−(1−カルバモイルメチル)アクリロイル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例20のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が61%の収率で得られた。融点=118〜122℃。
Figure 2005506979
【0313】
実施例34
3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−2−(RS)−3−tert−ブチルチオ−2−カルバモイルメチルプロピオニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
実施例33の生成物0.057g(0.127ミリモル)及びtert−ブチルメルカプタン0.0172mL(0.152ミリモル)を0.5mLの無水メタノール中に混ぜた混合物に、新たに調製した20%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を1滴加えた。室温で12時間攪拌した後、混合物を蒸発させて乾燥させ、次いでエーテルで10mLに希釈し、水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧下でエーテルを蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製して、標題の化合物0.032g(収率47%)を得た。融点=116〜120℃。
Figure 2005506979
【0314】
実施例35
3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−ベンゾイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル
ステップA:N−ベンゾイル−L−アスパラギン:L−アスパラギン一水和物2g(0.013モル)及び炭酸カリウム2.02g(0.014モル)を15mLの水に溶かした溶液を激しく攪拌したものに、1.51mL(0.013モル)の塩化ベンゾイルを室温で15分間かけて滴下した。2時間攪拌し続け、次いで混合物をエーテル10mLでの抽出にかけ、濃塩酸を用いて水相をpH2に酸性化した。白色の沈殿を濾別し、水で洗浄し、イソプロピルアルコールからの結晶化によって精製して、190〜192℃の標題の化合物2.1g(収率68%)を得た。
Figure 2005506979
【0315】
ステップB:3−イソプロピル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−ベンゾイル−L−アスパラギニル)−アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル:実施例20のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が65%の収率で得られた。融点=182〜185℃。
Figure 2005506979
【0316】
実施例36
1−t−ブトキシカルボニル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン
ステップA:1−t−ブトキシカルボニルヘキサヒドロピリダジン:実施例8ステップAのヨウ化cis−1,2−シクロヘキサンジメチルの代わりに1,4−ジブロモブタンを用いたとき、同一のプロセスによって、1−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルメトキシカルボニルヘキサヒドロピリダジンが65%の収率で得られた。融点=71〜72℃。
Figure 2005506979
実施例2に記載のとおりに水素化分解を実施することによって、これを93%の収率で標題の化合物に変換した。生成物を無色のシロップとして単離した。
【0317】
ステップB:1−t−ブチルオキシカルボニル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン:実施例19ステップBの3−イソプロピルカルバジン酸t−ブチルの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって、標題の化合物が71%の収率で濃厚な無色のシロップとして得られた。
Figure 2005506979
【0318】
実施例37
1−t−ブチルオキシカルボニル−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)−アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン
実施例20の3−イソプロピル−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチルの代わりに実施例36の生成物を用いたとき、同一のプロセスによって標題の化合物が65%の収率で得られた。融点=104〜110℃。
Figure 2005506979
【0319】
実施例38
cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−3−シアノ−L−アラニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン
ステップA:N−キナルドイル−3−シアノ−L−アラニン:N−キナルドイル−L−アスパラギン0.198g(0.69ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.24mL(1.38ミリモル)を1mLのクロロホルム中に混ぜた混合物に、0.146g(0.71ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドを加えた。反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いで10mlの5%重炭酸ナトリウムと10mLのエーテルとに分配した。水相をpH2に酸性化し、クロロホルム(3×10mL)での抽出によって酸を溶解した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、0.101gの粗生成物を得た。この生成物を少量の塩化メチレンからの再結晶にかけて、144〜146℃で融解する標題の化合物0.06gを得た。
Figure 2005506979
【0320】
ステップB:cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−3−シアノ−L−アラニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.4.0]デカン:実施例22(異性体A)のN−キナルドイル−L−アスパラギンの代わりにステップAの生成物を用いたとき、同一のプロセスによって、106〜112℃で融解する標題の化合物が67%の収率で得られた。
Figure 2005506979
【0321】
以上の明細書では、例示目的で実施例を挙げながら本発明の原則を教示しており、本発明の実施については、通常の変形形態、改変形態、又は変更形態をすべて含み、これらが同様に添付の各請求項及びその相当物の範囲内に含まれることが理解されよう。

Claims (34)

  1. その処置を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療又は予防する方法であって、治療有効量の次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、
    Rは、先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環の系を形成している]
    又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  2. その治療を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療する方法であって、前記対象に請求項1で開示した化合物又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  3. βアミロイド変換酵素の活性を調節することによりアルツハイマー病を治療する方法であって、その治療を必要とする対象に請求項1で開示した化合物又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  4. P−gp阻害剤又は薬剤として許容可能なその塩の投与をさらに含む請求項1記載の方法。
  5. アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  6. 式(I)の化合物が、
    (i)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (ii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (iii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (iv)3−イソプロピル−3−[(3S)−2−オキソ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (v)3−(1−メチル−3−フェニルプロペン−3−イル)−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (vi)3−(1−メチル−3−フェニルプロピル)−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (vii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (viii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (ix)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (x)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)メトキシカルボニル)−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (xi)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (xii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−グルタミニル)−アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (xiii)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−スレオニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、
    (xiv)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、
    (xv)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
    (xvi)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−(2−ピリジル)メトキシ−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
    (xvii)2−[N−(1S)(2−メチル−1−メトキシカルボニルプロピル)カルバモイル]−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2−ピリジル)メトキシ−L−バリル]アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
    (xviii)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
    (ixx)1−[2−(2−ピリジル)マトキシカルボニルアミノ−]ベンゾイル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
    (xx)2−t−ブトキシカルボニル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン、
    (xxi)1−トリメチルアセチル−2−((2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
    (xxii)1−トリメチルアセチル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
    (xxiii)1−(t−ブチルアミノ)カルボニル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピルヒドラジン、
    (xxiv)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,38)−2−ヒドロキシ−3−(N−ピコリノイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxv)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(2−ピリジル)メトキシカルボニル−アントラニロイル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxvi)3−ベンジル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxvii)3−ベンジル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxviii)3−シクロヘキシル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニル−メトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxix)3−シクロヘキシル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxx)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(1−カルボニルメチル)アクリロイル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxxi)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(2(RS)−3−tert−ブチルチオ−2−カルバモイル−メチルプロピオニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxxii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N(1−ベンゾイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (xxxiii)1−t−ブチルオキシカルボニル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(フェニルメトキシカルボニル)アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン、
    (xxxiv)1−t−ブチルオキシカルボニル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]ヘキサヒドロピリダジン、
    (xxxv)cis−1,6−3−t−ブトキシカルボニル−4−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルドイル−3−シアノ−L−アラニル)アミノ−4−フェニルブチル]−3,4−ジアザビシクロ[4,4,0]デカン、
    又はこれらの薬剤として許容可能な塩からなる群から選択されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. その処置を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療又は予防する方法であって、1種もしくは複数の薬剤として許容可能な担体及び次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    又は薬剤として許容可能なその塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
  8. アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管障害、血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む変性痴呆からなる群から選択された状態を治療又は予防する医薬の製造における式(I)の化合物の使用
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]。
  9. βセクレターゼ活性を阻害する方法であって、阻害有効量の次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    を接触させることを含む方法。
  10. 切断しやすいAPPアイソタイプの部位でアミロイド前駆体タンパク質(APP)アイソタイプの切断を阻害する方法であって、前記APPアイソタイプの切断阻害有効量の次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    と接触させることを含む方法。
  11. 細胞中でのアミロイドβペプチド(Aβ)の産生を阻害する方法であって、前記細胞に阻害有効量の次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラル
    Figure 2005506979
    キルアミノであり、これらのいずれもが、
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    を投与することを含む方法。
  12. 前記細胞が動物細胞である請求項11記載の方法。
  13. 前記動物細胞が哺乳動物細胞である請求項12記載の方法。
  14. 前記哺乳動物細胞がヒトである請求項13記載の方法。
  15. 次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    との複合体にしたβセクレターゼを含む組成物。
  16. 請求項15記載の組成物を含むβセクレターゼ複合体を生成する方法。
  17. 哺乳動物中でのβアミロイド斑の産生を阻害する方法であって、前記哺乳動物に阻害有効量の次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    を投与することを含む方法。
  18. 前記哺乳動物がヒトである請求項17記載の方法。
  19. 脳に又は脳中にβアミロイドが沈着することを特徴とする疾患を治療又は予防する方法であって、その処置又は予防を必要とする対象に治療有効量の次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環を形成している]
    を投与することを含む方法。
  20. 抗酸化剤、抗炎症薬、γセクレターゼ阻害剤、神経栄養剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、スタチン、P−gp阻害剤、Aβペプチド、及び抗Aβペプチドからなる群から選択された1種又は複数の治療薬を投与することをさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の治療方法。
  21. 次式(I)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、以下のR:
    Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群から選択され、
    R”及びR’”は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18
    アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキ
    ル(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25
    アラルキル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル
    、(C〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環
    からそれぞれ独立に選択され、
    R’は、いずれも任意選択で置換されている(C〜C18)アルキル、
    (C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)アリール、(C〜C25)アラルキル
    、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)アラルキニル、又は複素環から誘導
    された二価の基であり、
    及び以下の部分
    Figure 2005506979
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、上で規定した基Rであり、あるいはRは、上で規定したRの意味を有し、R及びRは、一緒になって=O、=S、=NH、又は=NRである]から選択され;
    は、
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、先に規定したとおりであり、
    Dは、O又はSであり、
    Yは、水素;−Rもしくは−OR;及び存在する官能基が任意選択で保護さ
    れているアミノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基から選択され、
    Bは、任意選択で、不在であるか、又は(C〜C)アルキリデンであり
    、1個又は複数の任意のその中の−CH−基が、−NR−、−NH−、−O
    −、又は−S−によって置換されていてもよいが、ただし、式(I)の化合物
    は、炭素でない原子3個以上からなる鎖を含まず、また、いずれのH原子も、
    先に規定した基Rによって置換されていてもよい]であり、
    、N、R、及びRは、任意選択で、一緒になって次式の環式ジアザアルカン
    Figure 2005506979
    [式中、pは1〜3であり、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    は、
    Figure 2005506979
    から選択され、
    各Rは、それぞれ独立に、上で規定したとおりであり、
    Lは、それぞれ独立に、R又はヒドロキシル保護基である]
    を形成し、
    あるいは
    、N、及びRは、一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成し、これらの系は、−C(O)Yによってさらに置換されていてもよく、Yは、先に規定したとおりであり;
    は、X−W−A’−Q−A−であり、A’及びAは、それぞれ独立に、不在であるか、又は1個又は複数の先に規定した置換基Rで置換されていてもよい(C〜C)アルキリデンであり、
    Qは、次式
    Figure 2005506979
    [式中、L及び各Rは、他のものとは無関係に、先に規定したとおりである]
    、及び任意選択で、QとAが一緒に、又はQとA’が一緒に、又はA’、Q、
    及びAが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環
    の系の一部を形成し、
    Wは、不在であるか、又はN(R)、O、もしくはSから選択され、Rは、
    先に規定したとおりであり、並びに
    Xは、水素、以下のX:Xは、Ra−、RbC(O)−、又はRbS
    (O)−であり、
    zは1又は2であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルキル(C〜C18
    アルキル、複素環、(C〜C18)アルキル複素環、複素環(C〜C24
    )アリールオキシ、(C〜C18)アルコキシ、(C〜C18)アルコキ
    シ(C〜C18)アルキル、(C〜C12)アルキル、(C〜C24
    アリールオキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリールオキ
    シ(C〜C18)アルコキシ、(C〜C24)アリール、(C
    24)アリール(C〜C18)アルキル、(C〜C24)アリール
    (C〜C18)アルキル複素環、(C〜C12)アルキル複素環、複素
    環オキシ(C〜C18)アルキル、(C〜C18)アルキルアミノ、
    ジ(C〜C18)アルキルアミノ、(C〜C24)アリールアミノ、
    ジ(C〜C24)アリールアミノ、(C〜C25)アラルキルアミノ、
    又はジ(C〜C25)アラルキルアミノであり、これらのいずれもが、
    Figure 2005506979
    から選択された1個又は複数の基によって任意選択で置換されていてよく
    、RIV及びRは、それぞれ独立に、(C〜C18)アルキル、(C
    18)シクロアルキル、(C〜C18)−−シクロアルキル(C
    18)アルキル、(C〜C24)−アリール、(C〜C25)アラルキ
    ル、(C〜C18)アルケニル、(C〜C26)アラルケニル、(C
    〜C18)アルキニル、(C〜C26)−アラルキニル、又は複素環、及
    びReであり、
    Reは、次式の基
    Figure 2005506979
    [式中、Zは、RaもしくはRbの意味を有し、又はアシル化されたアミ
    ノ酸、アザアミノ酸、もしくはペプチド残基であり、Rfは、存在する官
    能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖である]
    Re、任意選択で保護されているアミノ酸、アザアミノ酸、又はペプチド残基から選択され、及びWがN(R)であるときには、X、N、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式、もしくは縮合環の系を形成していてもよく、あるいはN、A’、及びN上の置換基Rが一緒になって、飽和もしくは不飽和の環式、二環式もしくは縮合環の系を形成している]
    アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管障害、血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む変性痴呆からなる群から選択された状態を治療又は予防する医薬を製造するための使用。
  22. その処置を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療又は予防する方法であって、治療有効量の次式(IA)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、X、Q、Y、及び各Rは、それぞれ独立に、先に規定したとおりであり、
    a及びbは、それぞれ独立に、0〜4であり、
    cは0〜6であり、
    あるいは2個のR基は、一緒になって、−(CHR18−(式中、mは2〜8であり、R18はRの意味を有する)となる]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  23. その処置を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療又は予防する方法であって、治療有効量の次式(IB)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、X、R、A’、Q、A、及びYは、先に規定したとおりであるか、又はA及びA’のどちらかもしくは両方が不在であり、R19及びR20は、Rの意味を有し、あるいはR19、N、N、及びR20は、一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンを形成する]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  24. その治療を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療又は予防する方法であって、治療有効量の次式(IC)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、上で規定したとおりであり、
    21は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C12)アリール、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキルであり、
    22は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR21とR22が一緒になって、−(CH−(式中、nは2〜8である)であり、
    23は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR22とR23が一緒になって、−(CHR25−(式中、mは3〜6であり、R25はR10の意味である)となり、
    24は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキル、又は任意選択で置換されている(C〜C12)アリールであり、
    あるいは、NR23とNR24が一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンになってもよく、
    X及びYは、先に規定したとおりである]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  25. その治療を必要とする対象においてアルツハイマー病を治療又は予防する方法であって、治療有効量の次式(ID)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、上で規定したとおりであり、
    21は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C12)アリール、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキルであり、
    22は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR21とR22が一緒になって、−(CH−(式中、nは2〜8である)であり、
    23は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR22とR23が一緒になって、−(CHR25−(式中、mは3〜6であり、R25はR10の意味である)となり、
    24は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキル、又は任意選択で置換されている(C〜C12)アリールであり、
    あるいは、NR23とNR24が一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンになってもよく、
    X及びYは、先に規定したとおりである]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  26. アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(IA)の化合物であって、治療有効量の次式(IA)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、X、Q、Y、及び各Rは、それぞれ独立に、先に規定したとおりであり、
    a及びbは、それぞれ独立に、0〜4であり、
    cは0〜6であり、
    あるいは2個のR基は、一緒になって、−(CHR18−(式中、mは2〜8であり、R18はRの意味を有する)となる]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  27. アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(IB)の化合物であって、治療有効量の次式(IB)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、X、R、A’、Q、A、及びYは、先に規定したとおりであるか、又はA及びA’のどちらかもしくは両方が不在であり、R19及びR20は、Rの意味を有し、あるいはR19、N、N、及びR20は、一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンを形成する]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  28. アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(IC)の化合物であって、治療有効量の次式(IC)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、上で規定したとおりであり、
    21は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C12)アリール、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキルであり、
    22は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR21とR22が一緒になって、−(CH−(式中、nは2〜8である)であり、
    23は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR22とR23が一緒になって、−(CHR25−(式中、mは3〜6であり、R25はR10の意味である)となり、
    24は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキル、又は任意選択で置換されている(C〜C12)アリールであり、
    あるいは、NR23とNR24が一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンになってもよく、
    X及びYは、先に規定したとおりである]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  29. アルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせるのを助長し;軽度認知障害(MCI)の対象を治療し、MCIからADへと進行するはずの者においてはアルツハイマー病の発生を防ぐ又は遅らせ;ダウン症候群を治療し;オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血に罹患したヒトを治療し;脳アミロイド血管障害を治療し、可能性のあるその予後、すなわち単発性及び再発性皮質下出血を防ぎ;血管性変性混合型痴呆、パーキンソン病に随伴する痴呆、進行性核上麻痺に随伴する痴呆、皮質基底核変性症に随伴する痴呆、びまん性レビー小体型アルツハイマー病を含む他の変性痴呆を治療するための、アルツハイマー病からなる群から選択された疾患もしくは状態を有する対象、及びそのような治療を必要とする者を治療する、又は対象においてそのような疾患もしくは状態を予防する方法であって、治療有効量の式(ID)の化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、上で規定したとおりであり、
    21は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C12)アリール、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキルであり、
    22は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR21とR22が一緒になって、−(CH−(式中、nは2〜8である)であり、
    23は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C16)アラルキルであり、あるいはR22とR23が一緒になって、−(CHR25−(式中、mは3〜6であり、R25はR10の意味である)となり、
    24は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキル、又は任意選択で置換されている(C〜C12)アリールであり、
    あるいは、NR23とNR24が一緒になって、先に規定したような環式ジアザアルカンになってもよく、
    X及びYは、先に規定したとおりである]又は薬剤として許容可能なその塩を投与することを含む方法。
  30. 前記化合物が、次式Bの化合物
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、存在する官能基が任意選択で保護されている天然アミノ酸の側鎖であり、各Rは、
    Figure 2005506979
    からなる群からそれぞれ独立に選択され、
    R”及びR’”は、(C〜C12)アルキル、(C〜C12)シクロアルキ
    ル、(C〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C12
    アリール、(C〜C16)アラルキル、(C〜C12)アルケニル、(C
    〜C16)アラルケニル、(C〜C12)アルキニル、(C〜C16)アラル
    キニル、又は複素環であり、及び
    R’は、(C〜C12)アルキル、(C〜C12)シクロアルキル、(C
    〜C12)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール
    、(C〜C16)アラルキル、(C〜C12)アルケニル、(C〜C16
    アラルケニル、(C〜C12)アルキニル、(C〜C16)−アラルキニル、
    又は複素環から誘導された、任意選択で置換されている2価の基であり、あるいは
    必ずしもビシナルでない任意の2個のR置換基が、一緒になって、任意選択で置換されている線状の(C〜C)アルキリデンであり、
    及びRは、それぞれ独立に、先に規定したような基Rであり、
    Yは、水素、−−Rもしくは−−ORであり、Rは、先に規定したとおりであり、又は存在する官能基が任意選択で保護されているアミノ酸もしくはペプチド残基であり、
    a及びbは、それぞれ独立に、0〜4であり、
    cは0〜6であり、及び
    Qは、
    Figure 2005506979
    [式中、Lは、R、又は合成の間ヒドロキシル基を保護し、及び/又は式(B)の化合物が時期尚早に代謝されないようにする保護基であり、各Rは、他のものと無関係に、先に定義したとおりである]である]又は薬剤として許容可能なその塩である請求項1〜5及び7〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記化合物が、次式(C)又は(D)
    Figure 2005506979
    [式中、Rは、請求項30で規定したとおりであり、
    21は、水素、任意選択で置換されている(C〜C12)アルキル、任意選択で置換されている(C〜C12)アリール、又は任意選択で置換されている(C〜C16)アラルキルであり、
    22は、水素、(C〜C)アルキル又は(C〜C16)アラルキルであり、あるいは
    21とR22が一緒になって、−−(CH−−(式中、nは2〜8である)となり、
    23は、水素、任意選択で置換された(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C16)アラルキルであり、あるいは
    22とR23が一緒になって、−−(CHR25−−(式中、mは3〜6である)であり、
    25は、Rの意味を有し、
    24は、水素、任意選択で置換された(C〜C12)アルキル、任意選択で置換された(C〜C16)アラルキル、又は任意選択で置換された(C〜C12)アリールであり、
    Y及びRは、請求項1で規定したとおりであり、
    Lは、Rであるか、又は合成の間ヒドロキシル基を保護し、及び/又は式(C)の化合物が時期尚早に代謝されないようにする保護基である]によって表される構造のもの又は薬剤として許容可能なその塩である請求項30記載の方法。
  32. 化合物が、
    (i)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルジル−L−バリル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (ii)3−イソプロピル−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルジル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (iii)3−イソプロピル−3−[(3S)−2−オキソ−3−(N−キナルジル−L−アスパラギニル)−アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、
    (iv)3−(1−メチル−3−フェニルプロピル)−3−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルジル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]カルバジン酸t−ブチル、及び
    (v)1−[2−(2−ピリジル)メトキシカルボニルアミノ−]ベンゾイル−2−[(2RもしくはS,3S)−2−ヒドロキシ−3−(N−キナルジル−L−アスパラギニル)アミノ−4−フェニルブチル]−2−イソプロピル−ヒドラジン、
    又はこれらの薬剤として許容可能な塩の群から選択されている請求項30記載の方法。
  33. 前記化合物が、次式
    Figure 2005506979
    [式中、Lは、Hである、又は合成の間ヒドロキシル基を保護し、及び/又は前記化合物が時期尚早に代謝されないようにする保護基である]又は薬剤として許容可能なその塩を有する請求項30記載の方法。
  34. 前記式のcが0である請求項30記載の方法。
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