JP2005505540A - 改善された治療プロトコール - Google Patents
改善された治療プロトコール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005505540A JP2005505540A JP2003522577A JP2003522577A JP2005505540A JP 2005505540 A JP2005505540 A JP 2005505540A JP 2003522577 A JP2003522577 A JP 2003522577A JP 2003522577 A JP2003522577 A JP 2003522577A JP 2005505540 A JP2005505540 A JP 2005505540A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dose
- dox
- treatment
- administered
- chemotherapeutic agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0019—Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/70—Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
- A61K31/715—Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
- A61K31/726—Glycosaminoglycans, i.e. mucopolysaccharides
- A61K31/728—Hyaluronic acid
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K45/00—Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
- A61K45/06—Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/30—Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
- A61K47/36—Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
Description
【0001】
本発明は、癌を含む細胞増殖障害のような疾患の化学療法領域に関するものである。特に本発明は、被験者の処置における保護薬剤としてのヒアルロナン (HA) の使用に関するものである。HAは化学療法剤とともに投与されると、被験者に投与される用量の化学療法剤の投与が長期化される。HAの保護効果によって化学療法剤の投与量が一般に有効な投与量として認められている量よりもかなり高くすることができ、そのような投与量は本発明でなければ、被験者において受け容れがたい副作用を引き起こすと予想される。
【発明の背景】
【0002】
明細書中に引用した参考文献の図書目録の詳細は、本明細書の最後に列記する。
【0003】
本明細書における先行文献の引用は、その先行文献がいずれかの国における技術常識を示すことを認め、あるいはそのことを示唆する記載ではなく、およびそのようなものとして解釈されるべきではない。
【0004】
人間を含む動物を苦しめる多くの疾患は、化学療法剤によって処置される。例えば、化学療法剤は膠原病または自己免疫疾患、代謝障害および皮膚病を含む腫瘍性疾患の処置に有効であることが立証されており、これらの薬剤の中には、非常に有効であり (例えばビンクリスチンおよびブレオマイシン)、好中球減少症のような毒性副作用の問題を引き起こさないものもある。
【0005】
化学療法剤を正しく使用するには、化学療法剤を選択し、投与量を決定し、および治療を行う前に、疾患の自然史や病理生理学を徹底的に熟知している必要がある。各被験者は、顕性または潜在性感染、血液疾患、栄養失調状態および重篤な代謝障害のような毒性を増強しかねない要因に向けて注意深く評価されなければならない。さらに、肝臓、腎臓および骨髄のような特定の主要器官の機能状態はきわめて重要である。それゆえ、適切な化学療法剤の選択や有効な治療方法の工夫は被験者の症状によって影響される。残念なことに、多くの化学療法剤は正常組織と悪性組織との間の選択性を欠くため、重大な副作用をもたらす。
【0006】
望ましくない毒性副作用には、心毒性、毛髪欠乏、胃腸毒性 (吐き気および嘔吐を含む)、神経毒性、肺毒性、喘息および骨髄抑制 (好中球減少症を含む) が含まれる。
【0007】
化学療法に付随する骨髄抑制は、少なくとも部分的に、骨髄の造血前駆細胞 (HPCs) の著しい薬物誘発性の機能低下の結果である (Shimamura et al., Exp. Hematol. 16: 681-685, 1988)。続いて起こる好中球数の減少が二次感染を引き起こし、その軽重が好中球減少症の持続性と重篤度を引き起こす (Bodey et al., Ann. Intern. Med. 64: 328, 1966)。二次感染の結果、患者は化学療法から解放され、細胞毒性処置の潜在的利益を制限する広域スペクトラム抗生物質の処置下に置かれる。しかし抗生物質の使用にもかかわらず、重篤な好中球減少症患者が敗血症により死亡することは珍しいことではない (Pettengel et al., Blood 80(6): 430-436, 1992)。
【0008】
一般に、好中球減少症のレベルは骨髄の再生能および/または投与される薬物の投与量に依存する。実際、好中球減少症は被験者に与える薬物投与量を軽減する決定の主な理由となることが多い (Dotti et al., Haematologica 80: 142-145, 1995)。薬物投与量の軽減は化学療法の有効性、または潜在的有効性の欠乏を典型的に伴うため、薬物投与量の軽減は望ましくない。それゆえ、化学療法に付随する好中球減少症の頻度または重篤度を緩和することができ、それによって薬物投与量の軽減を回避でき、または化学療法剤の標準的な投与量よりも高用量で投与することすら可能とする投与計画または同時投与薬物を同定する必要がある。
【0009】
マウスモデルにおける骨髄抑制を軽減するいくつかの最近の研究において、5-フルオロウラシル (Shimamura et al., Blood 69: 353-355, 1987)、とりわけドキソルビシン (Shimamura et al., 1988, supra) の初期注射後、ヒト組換え顆粒球コロニー刺激因子 (rG-CSF) を毎日皮下注射することにより、好中球減少症からの回復が促進されることが観察されている。ヒトrG-CSFは造血前駆細胞の増殖と分化を刺激することによって本効果を発揮する (Cohen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 2484-2488, 1987)。より最近には、rG-CSFが細胞毒性の化学療法を受けた患者において、好中球減少症の回復を促進するアジュバントとして使われた (Sheridan et al., Lancet 339: 640-644, 1992; Pettengell et al., 1992, supra; Anglin et al., Leuk, Lymphoma 11: 469-472, 1993; Kotaka et al., Int. J. Utrol. 6: 61-67, 1999)。しかし、rG-CSFの適用は最適には、数が増大した造血前駆細胞が細胞毒性薬物に対して過敏となる可能性があるため (Dotti et al., 1995, supra)、化学療法の繰り返しサイクルと組合せなければならない。
【0010】
化学療法剤の癌または標的細胞殺傷のための高用量を毒性副作用を伴わずに、またはそのレベルを軽減させて、使用できるプロトコールを開発する必要がある。
【発明の概要】
【0011】
本明細書を通して、その文脈から他の意味が類推されなければ、「含む」という語句、または「含まれる」または「含んでいる」のようなバリエーションの語句は、記載している要素または数字またはそれらの群を含むことを意味すると理解され、他の要素または数字またはそれらの群を除外する意味ではない。
【0012】
本発明は、被験者が一般的な細胞毒性薬物を用いて処置を受けるときに、ヒアルロナン (HA) が保護物質として被験者に使用することができるという決定を一部分基礎としている。被験者が細胞毒性薬物を投与され得る場合には、癌のような生命を脅かす疾患の処置がある。これらの場合において一義的な治療目標は、悪性細胞を退縮させることである。しかし、現在利用できる治療に有効な薬剤は、期待されるよりも特異性が低く、それらの投与が、最終的には被験者の正常細胞の多くを同様に死滅させる。癌が十分すばやく退縮されないと、同時に起こる正常細胞への望ましくない影響がとても高いため、処置を縮小し、または停止しなければならないところまで被験者の状況を悪化することがある。これが処置を受ける被験者に悲惨な結果をもたらし得る。
【0013】
化学療法剤の治療効果を延長および増大するために十分な長期間、処置の休止の必要性を緩和することができる薬剤は、癌やその他の疾患の多くの形態の処置に明瞭な利点を示すであろう。処置計画にHAを利用する利益はいくつか既に知られているものもあるが、HAの保護効果は現在まで知られていない。
【0014】
それゆえに本発明はある側面では、単回投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも200%まで高用量であることができ、および/または累積投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも600%まで高用量であることができる化学療法剤を長期に投与する方法であって、有効量のHAをその前に、および/または同時に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0015】
本方法では、HAのその前の、および/または同時の投与は、本発明でなければ同時に起こる正常細胞への望ましくない有害な影響を改善または廃止する効果すら有する。治療薬剤の細胞毒性効果によって患者の健康は悪影響を受けないため、上記の治療薬剤を通常投与量よりも高用量で投与でき、およびより長期間作用させることが可能である。これは、望ましくない悪性細胞に対する投与薬物の望ましい細胞毒性効果により処置が成功する機会を増大させる。
【0016】
それゆえ、本発明は別の側面では、単回投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも200%まで高用量であることができ、および/または累積投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも600%まで高用量であることができる化学療法剤によって対象を長期に処置する方法であって、有効量のHAを上記の化学療法剤の前に、および/または同時に投与することを特徴とする方法を包含する。
【0017】
このような処置方法の結果は、通常観察される受け容れがたい重篤な副作用が除去されることである。
【0018】
HAはポリマー分子であるので、さまざまな分子量の分子を含むものとして製剤化できる。より低い分子量を有する製剤も本発明の方法に有効であるが、750,000から2,000,000 Daの範囲のモーダル分子量をもつHAを含む製剤が好ましい。より高い分子量のHAは、低濃度では自己凝集して三次元網構造を形成するような三次構造をとる利点がある。この網構造は制御可能な多孔性と分子次元を特徴としており、これにより多糖類の容積ドメイン中に保持される治療用分子とその外部環境との間に平衡を確立することが可能となる。HA三次元構造への治療用分子の「充填」により、病態部位への治療薬剤の放出を制御でき、続いて正常組織に対する非特異的な標的性を克服できる。特に好ましい分子量は750,000から1,000,000 Daの範囲である。
【0019】
好ましい態様では、HA製剤は化学療法剤の投与と同時にまたはその前に被験者に投与することができる。注射用溶液、粉末製剤、錠剤またはカプセル剤、または他の簡便な形態など、当業者によく知られている多くの方法によってHA製剤は調製できる。
【好ましい態様の詳しい説明】
【0020】
本発明では有効量のHAの存在下、正常細胞への化学療法剤の望ましくない累積的な細胞毒性効果が改善されることが明らかにされた。通常、この望ましくない細胞毒性により、結果的に化学療法剤を除き、または少なくとも処置レベルまたは処置期間を軽減することが必要となる。
【0021】
しかし本発明の方法によれば、HAを使用することにより、化学療法患者における化学療法剤の投与量または投与期間の望ましくない軽減の必要性を回避することができる。好中球減少症、心毒性、および吐き気、嘔吐や重篤な体重損失によって明らかになる胃腸毒性を含む受け容れがたい重篤な副作用が緩和または回避される。有効量のHAの非存在下では化学療法剤が投与されたなら起こり得る以上のレベルまで化学療法剤の投与量を、有効量のHAをその前に、および/または同時に投与することによって、増大することができる。
【0022】
それゆえに本発明はある側面では、単回投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも200%まで高用量であることができ、および/または累積投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも600%まで高用量であることができる、化学療法剤を長期に投与する方法であって、有効量のHAをその前に、および/または同時に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0023】
当業者であれば、化学療法を受けている被験者が受け容れがたい副作用に苦しんでおり、改変したまたは代替の処置を受けさせるべきか否か、またはいつ受けさせるべきかを容易に決定することができる。例えば、化学療法患者が5-フルオロウラシルおよび/またはドキソルビシンのような細胞毒性の化学療法剤を投与されており、その投与期間中、好中球減少症、心毒性および胃腸毒性のような受け容れがたい副作用を示すことが予想される場合には、臨床医は、化学療法剤の投与量を軽減するかわりに、本発明に従い、有効量のHAをその前に、および/または同時に投与することにより、その化学療法剤の投与量を維持または増加させることができる。そのような副作用は「受け容れがたい重篤な副作用」と呼称することがある。
【0024】
「その前に、および/または同時に投与する」とは、被験者に化学療法剤が投与される前に、それと同時に、またはその後に、HAを投与することができることを意味する。HAを化学療法剤の前に投与する場合、化学療法剤の投与の約24時間前から約5分前に投与するのが好ましく、より好ましくは約12時間前から約10分前に、さらに好ましくは約5時間前から約10分前に、および最も好ましくは約0.5時間前に投与する。HAを化学療法剤の後に投与する場合、化学療法剤の投与の0.05時間後から24時間後に投与するのが好ましく、より好ましくは0.1時間後から5時間後に、および最も好ましくは約0.5時間後に投与する。
【0025】
投与する化学療法剤は、好ましくはカルムスチン (BCNU)、クロラムブシル (ロイケラン)、シスプラチン (プラチノール)、チタラビン、ドキソルビシン (アドリアマイシン)、フルオロウラシル (5-FU)、メトトレキセート (メキセート)、シクロホスホアミド、CPT11、エトポシド、プリカマイシン (ミトラシン) および例えばパクリタキセルのようなタキサンから成る群から選択する。
【0026】
最も好ましい場合には、化学療法剤はドキソルビシン (アドリアマイシン) である。ドキソルビシンはアントラサイクリングリコシド抗生物質であり、臨床上使用されている最も有効な抗腫瘍薬物のひとつである (Carter, J. Nat. Cancer Inst. 55: 1265-1274, 1975)。臨床での有効性は、乳癌腫、肺癌腫および甲状腺癌腫を含む固形腫瘍、急性白血病およびリンパ腫のような血液学的悪性腫瘍および柔組織肉腫および骨肉腫および神経芽細胞腫のような広範囲の腫瘍状態にわたる。
【0027】
当業者であれば、一般的な治療処置において、連続投与により受け容れがたい副作用が生じる時点に関する判断を経験に基づいて行うことができる。この時点を超えて細胞毒性薬剤を連続投与することを本明細書では、薬物を「長期に投与」と呼称する。
【0028】
それゆえ、本発明の別の側面は、一般に有効な投与量として認められている量よりも200%まで高用量の化学療法剤を長期に投与する処置の方法であって、有効量のHAを上記の化学療法剤の前に、および/または同時に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0029】
本明細書で使用する「被験者」という用語は、化学療法剤を用いた処置が必要な疾患または状態をもつ動物を意味する。好ましくは、被験者は細胞増殖障害 (例えば腫瘍障害) に罹患している。本発明の目的の被験者は、ヒトおよび他の霊長類、家畜動物 (例えば羊、馬、牛、豚、ロバ)、研究用動物 (例えばラット、マウス、ウサギ、モルモット) およびコンパニオン動物 (例えば犬および猫) のような哺乳類を含むが、それらに限定されない。ヒトは霊長類の中で最も好ましい。
【0030】
腫瘍疾患に苦しむ被験者の処置において、細胞毒性薬物には投与される薬物に応じて「一般に有効な投与量として認められている量」があり、これは処置する臨床医が熟知しており、それ以上の量は、臨床医は現在では一般に処方したがらない量である。これは、上記のように処方された細胞毒性薬物の正常細胞への有害効果がこれらの受け容れがたい重篤な副作用が続くのを予防するために処置を軽減し、取り除くまで、長期にわたり蓄積されるからである。当業者であれば、種々の化学療法剤について、一般に有効な投与量として認められている量を何が構成するかを認識している。
【0031】
しかし本発明のとおりに、単回投与量が200%まで高用量であることができ、および/または累積投与量が600%まで高用量であることができる化学療法剤を投与することができる。「200%まで高用量である」という表現は約5%から約200%までの間のいずれかの数字または分数を含み、包含するものと理解されるべきである。より好ましい範囲は約20%から約150%までである。最も好ましい態様では、一般に有効な投与量として認められている量は約35%から約100%まで増加される。
【0032】
それゆえに本発明の別の側面は、被験者を処置する方法であって、上記の化学療法剤が有効量のHAの前に、および/または同時に投与されるときに、臨床的に受け容れがたい副作用を引き起こす投与量よりも高用量の化学療法剤を投与できるという特徴を有する上記の方法を提供している。
【0033】
ここで用いられているように、「有効量」という用語は、化学療法剤の副作用の重篤度を減少させるのに有効なHA量を意味しており、一般に有効な投与量として認められている量と同用量または高用量の化学療法剤の投与量を使用することができる。
【0034】
特有の「有効量」は、その前に、または同時に投与される化学療法剤の同一性、患者の肉体的条件、処置される哺乳類のタイプ、処置の継続期間および (もしあれば) 同時になされる治療の性質のような因子によって明らかに変化する。しかし一般に、有効量のHAは体重キログラムあたり約0.5 mgから約10 mgのオーダーであり、一日に体重キログラムあたり約5 mgから約20 mgの間が好ましい量である。(一日患者一人当たり約0.3 gから約3 gまで)
【0035】
HAはポリマー分子であるので、さまざまな分子量の範囲を示す。それゆえHA製剤は種々の分子量の分子を含むことができる。ほとんどいずれの平均モーダル分子量のHA製剤は本発明の方法に有効である。しかし、より好ましい製剤はより高いモーダル分子量のものである。750,000から2,000,000 Daの範囲のモーダル分子量をもつHAが好ましい。より高い分子量のHAは、低濃度では自己凝集して三次元網構造を形成するような三次構造をとる利点がある。この網構造は制御可能な多孔性と分子次元を特徴としており、これにより多糖類の容積ドメイン中に保持される治療用分子とその外部環境との間に平衡を確立することが可能となる。HA三次元構造への治療用分子の「充填」により、病態部位への治療薬剤の放出を制御でき、続いて正常組織に対する非特異的な標的性を克服できる。特に好ましい分子量は750,000から1,000,000 Daの範囲である。
【0036】
本発明の方法は、上記の化学療法剤が有効量のHAの非存在下投与された場合に被験者に受け容れがたい重篤な副作用を引き起こすと予想される量の、またはそれ以上の量の化学療法剤を継続的に、または長期に使用することを可能にする。投与量は、特定の化学療法剤の同一性やその他の因子に応じて変化する。しかし本発明の方法では、例えば60 mg/m2以上の、より好ましくは80 mg/m2以上の、および最も好ましくは100 mg/m2以上のドキソルビシンを投与することができる。
【0037】
化学療法剤および/またはHAは、経口的に、局部的に、非経口的に、腫瘍内注射によって、または従来の製薬的に許容される非毒性の担体、アジュバント、およびビヒクルを含むユニット製剤の投与のときに投与することができる。ここで用いられる「非経口的」という用語は、皮下注射、エーロゾル注射、静脈注射、筋肉注射、鞘内注射、頭蓋注射、舌下注射、リンパ注射、または注入、または灌流のテクニックを含む。
【0038】
ここで用いられているように、「製薬的に許容される担体」とは、被験者に化学療法剤、および/またはHAを運搬するための製薬的に許容される溶媒、担持した薬剤、またはビヒクルである。担体は、液体または固体であり、計画された投与方法とともに選択される。
【0039】
従って化学療法剤、および/またはHAは、例えば局部的の、経口の、および非経口の製薬的な製剤化のような本発明の方法での使用のために製剤化され得る。それゆえに化学療法剤、および/またはHAを、錠剤、水性または非水性懸濁液、口内錠、トローチ、粉末、顆粒、乳液、カプセル、シロップ、またはエリキシル剤として経口的に投与することができる。経口的な使用のための製剤は、甘味料、香料、着色料、および保存料のうちのひとつ、またはそれ以上から成る。化学療法剤、および/またはHAの錠剤構成物は、錠剤製品に適する製薬的に許容される非毒性の賦形剤とともに組合せ中に活性な成分を含むことができる。これらの賦形剤は例えば、(1)炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムのような不活性な希釈剤、(2)コーンスターチまたはアルギン酸のような粒化剤および分解剤、(3)澱粉、ゼラチン、またはアカシアのような結合剤、(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクのような潤滑剤である。そのような錠剤は、胃腸管での分解および吸収を遅らせる既知の技術によって、コーティングしない、またはコーティングすることができ、長期間持続する作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を用いることができる。コーティングには放出制御のための浸透性治療用錠剤を形成するために、U.S. Patent Nos. 4,256,108、4,160,452、および4,265,874記載の技術を使用することができる。
【0040】
HAだけでなく化学療法剤は、本発明の方法の使用のために、生体内の塗り薬、非経口注射、または長期間の個別の、または他のものと一緒の緩やかな灌流によって投与され得る。投与ルートは、静脈注射、動脈注射、腹膜注射、筋肉注射、皮下注射、口腔注射、または超真皮注射であることができる。非経口的投与の調製は、無菌の水性または非水性溶液、懸濁液および乳液を含む。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、およびエチルオレートのような注射用有機エステルである。水性担体は、食塩および緩衝化媒質などの、水、アルコール性/水性溶液、乳液、または懸濁液を含む。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンガーのブドウ糖、ブドウ糖、および塩化ナトリウムが含まれ、乳酸塩のリンガーの静脈注射ビヒクルには、流動体および栄養補給剤、電解質補給剤 (リンガーのブドウ糖を基本とするもの)、および同種のものが含まれる。保存料および他の添加物は、例えば抗菌物質、抗酸化物質、キレート剤、発育因子、および不活性ガス、および同種のものの中にも存在しうる。
【0041】
HAは小さな単薄膜小嚢、大きな単薄膜小嚢、および多薄膜小嚢のようなリポソーム運搬システムの形態でも投与することができる。リポソームはコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンのような種々のホスホリピッドから形成され得る。
【0042】
本発明の方法は、細胞増殖障害の処置のための化学療法剤を被験者のどの部分に処置すべきかということに使用され得ることを明らかにする。「細胞増殖障害」とは、ある細胞またはいくつかの細胞が、新生物、腫瘍、または癌を引き起こす変質的発育、典型的な異常型発育を示すことを意味する。細胞増殖障害は例えば、乳癌、肺癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、神経組織癌、卵巣癌、子宮癌、肝臓癌、膵臓癌、上皮組織癌、頭部組織癌、および頚部組織癌、さらには胃潰瘍系組織癌、腸系組織癌、外分泌系組織癌、内分泌系組織癌、リンパ系組織癌、または造血系組織癌を含む。
【0043】
本発明の方法は、神経消耗障害、ホルモンの不均衡、および同種のものの処置のために化学療法剤を被験者のどの部分に処置すべきかということに使用され得る。
【0044】
本明細書に含まれているいずれの文書、証書、物質、装置、記事、または同種のものに関する検討は、本発明のための文脈を提供する目的のためだけのものである。いずれかの、またはすべてのこれらの事項は、先行文献の基礎部分を形成するか、または本出願の各請求項の優先日の前にオーストラリアまたはその他の地域に存在する本発明に関する分野の一般的な共通知識であるかのいずれかの承認として解釈されるべきではない。
【0045】
本発明は、下記の非制限的な例の参照としてさらに記載する。しかし下記の例は例証となるのみであると理解されるべきであり、本明細書で記述される本発明の一般性についての制限として解釈されるべきではない。特に、本発明は癌に関する詳細について記載される場合には、本明細書での発見は癌の処置に限定されるものではないと明らかに理解される。例えばHAは、他の条件で処置されるような化学療法剤の細胞毒性副作用の処置に使用することができる。
【実施例】
【0046】
実施例1
細胞毒性のインビボモデル(1)
静脈注射用薬物
抗癌剤のドキソルビシン (アドリアマイシン) は、以下に「Dox」と呼称するが、Asta Medical (NSW, オーストラリア) からそれぞれの容量が2.5 mLで最終濃度が2 mg/mLのものをシリンジ単位で、または最終濃度が2 mg/mLである0.9%無菌塩化ナトリウムから再構成されるドキソルビシンの塩酸塩粉末として購入した。乾燥ヒアルロナン (HA) 824,000 KDaはPearce Pharmaceuticals (ビクトリア、オーストラリア) から購入し、無菌水に溶かして最終濃度を10 mg/mLとし、0.22 μmフィルターを通して殺菌し、使用するまで4℃で保存した。ヒアルロナンとドキソルビシンの組合せ(以下に「HyDox」と呼称する)は、望む投与量のドキソルビシンとなるように、計量した10 mg/mLのヒアルロナンと計量した0.5 mg/mLのDoxを混合して調製した。本研究を通して使用するHAの投与量は体重あたり13.3 mg/kgであった。Doxの投与量は6, 9, 12, 16, 24 mg/kgであった。
【0047】
実験用動物
オスのF1マウス (C57 x CBA; 11〜13週齢) をAnimal Central Division (モナシュ大学、ビクトリア、オーストラリア) から得て、インビボ研究で使用した。マウスはランダムに各処置群 (処置群あたり6匹) に分配し、実験開始前の2〜3週間は順応させた。処置群は、それぞれ投与量6, 9, 12, 16および24 mg/kgのDoxを受ける「薬物のみ」の群、6, 9, 12, 16, 24 mg/kgのDoxの投与30分前にHA (13.3 mg/kg) を注射される群、および6, 9,および12 mg/kgのHyDoxの群に分割した。二つの対照群には、生理食塩水、HA (13.3 mg/kg) をそれぞれ静脈注射した。処置群を始める前に、各実験動物の血液 (200 μL) を後部眼窩洞出血により収集し、EDTAを含んだチューブにすぐに移し変えて、軽くはじいて混合し、分析まで氷上で保存した。対応する対照、薬物、またはHA/薬物の組合せとともにマウスの尾静脈に単回ボーラス静脈内注射を行った後、これを0日目とした。そして前述の方法により、1, 4, 7, 10, 14日目に連続してマウスの採血を行った。すべての血液サンプルは、Adiva 120 Differential Coulter Counter (Bayer Diagnostics, USA) で白血球組織の分析を行った。本研究期間を通して、マウスの数、食物摂取量、および一般的な活動レベルを日にちベースで記録した。14日目にマウスを頚部脱臼によって死亡させ、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、胃、腸、および睾丸を取り除き、すぐに食塩水で緩衝されたリン酸塩中の10% v/v ホルマリン溶液に固定した。
【0048】
一般的な毒性
Doxを投与されたマウスは、HyDox製剤の場合、またはDox注射の30分前の13.3 mg/kgのHAにあらかじめ敏感な場合のいずれも、本実験期間中生存した。より高用量のDoxを投与した処置群にだけマウスの死亡が観察された。24 mg/kgのDoxを投与した群では、二匹のマウスが本研究の最後まで生存したのに対し、同量のDoxの投与の30分前にHAを受けたマウスは、処置期間中生存した (図3)。薬物の静脈注射の後、8日目に不意に死亡した9 mg/kgのDoxを投与した群のマウス一匹を除いて、他のすべてのマウスは本研究の最後まで生存した。
【0049】
血液学的決定
好中球減少症
すべての群の0日目の平均好中球数は、血液中1.39 x 103 cells/μL±0.60 SD (最小値=0.54, 最大値=3.34 x 103 cells/μL) であった。処置群どうしの比較を可能にするためデータを標準化するために、実験データは各マウスの採血時基準値に対する割合として表し、続く1, 4, 7, 10,および14日目の測定結果も同様に表した。(0日目の血量=100%)
【0050】
6 mg/kgドキソルビシンとHyDox処置群
本研究のDox最低投与量は6 mg/kgであり、ヒトの30 mg/m2の投与量に相当する。二つの薬物の組合せ (HyDoxまたはDoxの投与前のHA) において、好中球減少症は実際に逆で、「Doxのみ」の処置群と比較したときに末梢好中球レベルの増加が観察された (図1および2中、6 mg/kgとラベルされたパネル)。その最高値は約160% (テーブル1A、BおよびC) であり、4日目に観察された。7日目まで段階的に低下したが、「Doxのみ」の群よりも高い値を保っており、好中球レベルは14日目になってもベースラインまで回復しなかった。
テーブル1A
0日目の割合として表された全ドキソルビシン投与量と薬物の組合せの好中球減少症のデータ: ドキソルビシン注射の好中球減少症のデータ
【表1】
*本実験の終わりに、二匹のマウスだけが生存した。これらのサンプルのうち一つが不意に凝固したため、一つの血液サンプルのみで、好中球含有量を分析した。
テーブル1B
ヒアルロナン (13.3 mg/Kg、824,000 Da) をドキソルビシンの30分前に注射した場合の好中球減少症のデータ
【表2】
テーブル1C
HyDox製剤と対照注射の場合の好中球減少症のデータ
【表3】
【0051】
9 mg/kgドキソルビシンとHyDox処置群
9 mg/kgのDoxはヒトの45 mg/m2の投与量に相当し、類似の傾向がHyDox製剤とHAがDoxの投与前に投与されたときの両方で観察された (それぞれFigure 1および2)。しかし、これら両方の処置群において末梢好中球がわずかに減少したが、4日目までにこれらの値は約150%まで増加した。「Doxのみ」の群において、薬物誘発性の最低血算値の好中球減少症が4日目に観察され、0日目の採血時基準値の約72%であった。続く7, 10および14日目の測定で、Doxの投与前にHAを投与する群での好中球の割合が、Doxのみの群で観察されたパターンに戻ることが明らかになった。(Figure 2, 9 mg/kgとラベルされたパネル)
【0052】
12 mg/kgドキソルビシンとHyDox処置群
好中球減少症に対するHAの保護効果は、Doxの投与前にHAを投与する群と比較したときに、12 mg/kgのHyDox (ヒトの60 mg/m2に相当) を投与したときにおいてよりいっそう明らかであった。(Figure 1および2のそれぞれ) 4日目のみ12 mg/kgのHyDoxを投与した群の末梢好中球が平均64%レベルまで低下した。その後、末梢好中球は採血時基準値よりも大きな値を回復し、および維持した。また好中球減少症の最も低いレベルはDoxのみの群において観察された。(Figure 1, 12 mg/kgのパネル、黒線)
【0053】
16 mg/kgおよび24 mg/kgのドキソルビシンとHyDox処置群
16 mg/kgおよび24 mg/kgのDox投与群には、HyDoxの製剤化に直面する困難、およびマウスへの注射の容量制限のために、HyDoxを含まなかった。それゆえこれらの投与量において、DoxのみおよびDoxの投与前のHAを研究した。HAが薬物投与前に投与された場合、103%の値が観察された一方で、Dox16 mg/kg (ヒトの80 mg/m2の投与量に相当) 中の好中球レベルが1日目までに約59%になった (Figure 2; 16 mg/kgとラベルされたパネル)。好中球減少症の最も低いレベルが4日目に観察され、「Doxのみ」の群でより重篤であった。好中球減少症の程度は、24 mg/kgの投与量のDoxで非常に重篤で、HAとともに投与するかまたはしないかで同じ重篤度であった。(Figure 2; 24 mg/kgとラベルされたパネル)
【0054】
すべての処置群を通して、最低血算値の好中球減少症は投与量に依存し、HyDoxの群またはDoxの投与前にHAを投与された群のいずれも投与された同用量のDoxと比較して、Doxのみを受けた処置群において、より重篤であった (Figure 4)。食塩水の対照注射の投与は好中球レベルにあまり効果はなく、それゆえグラフ化しなかった。データはテーブル1Cに示す。
【0055】
ほとんど予期しなかったことは、HA対照群から得られた結果で、他のすべての実験群と同じ投与量 (13.3 mg/kg) を注射した群である。HA群の末梢好中球の割合は、HyDox製剤の場合 (Figure 1) とHAが薬物の30分前に投与された場合 (Figure 2) の両方で6 mg/kgと9 mg/kgの投与量に非常に類似していた。
【0056】
他の血液学的測定
好中球測定だけでなく、赤血球、ヘモグロビンの割合、ヘマトクリットの割合、血小板の割合およびリンパ球の割合も考慮した。これらのパラメータのデータを、テーブル2から6に示す。これらのテーブルにあるすべてのデータは採血前の値に対する割合として表されており、薬物注射の前0日目から得られた。
テーブル2
ヘモグロビンの割合
【表4】
(b/f) はドキソルビシンの30分前にヒアルロナンを注射したことを示す。
** ではこの処置群からのサンプルが測定1日目に「ゼロ」と読まれた。
テーブル3
ヘマトクリットの割合
【表5】
テーブル4
血小板の割合
【表6】
テーブル5
赤血球の割合
【表7】
テーブル6
リンパ球の割合
【表8】
【0057】
HyDox製剤におけるすべての投与量において、末梢リンパ球の割合が同用量のDoxと比べてより大きく観察された (テーブル6)。HAの対照注射により末梢リンパ球がますます増加し、最大168%の増加が4日目に確認された。24 mg/kgのDoxを投与したときの血小板の増加は、同用量の投与における好中球数の増加と関連しており、これはおそらく体内組織のダメージとその感染を示している。
【0058】
代謝ストレス
すべての処置群で、日ベースで体重損失が見られた。本研究の終わりに、データを本来の体重の割合として表し、この方法でグラフ化した。HAおよび食塩水注射を対照する群の両方において、体重損失の割合は同じであった。それゆえ、HAデータのみを比較のための実験データとともにプロットした。すべての実験群の体重損失のデータはHAと食塩水対照を含み、テーブル7A、7Bおよび8に示す。
テーブル7A
6, 9および24 mg/kgの投与量のドキソルビシン、および6, 9および24 mg/kgの投与量のドキソルビシン注射の前のHA投与の際の体重損失のデータ。データは処置開始前の本来の体重の割合として表される。
【表9】
テーブル7B
12および16 mg/kgの投与量のドキソルビシン、および12および16 mg/kgの投与量のドキソルビシン注射の前のHA投与の際の体重損失のデータ
【表10】
テーブル8
6, 9および12 mg/kgの投与量のHyDox注射の際の体重損失のデータ
【表11】
【0059】
マウスの体重損失は投与量に依存し、最も高い程度の損失が24 mg/kgの投与群において観察され、本来の体重のほぼ25%が7日目までに減少した (Figure 5; 24 mg/kgとラベルされたパネル)。より低い6および9 mg/kgの投与量のDoxを投与した場合において、Doxの投与前のHAにおける体重損失はHA対照データと比較でき、Doxの投与前に9 mg/kgのHAを投与した場合において8日目までにほぼ本来の開始体重まで戻り始めた。9 mg/kgのDoxのみの群は最大ほぼ-10%まで減少したが、Doxの投与前にHAを投与した群では最大-5.7%だけにとどまった。12 mg/kgの用量のDox投与の前にHAを投与した群 (ヒトの60 mg/m2に相当) では、体重損失が対照群において観察されたものとまた比較できたが、Doxのみの群と比較したときは、体重損失が本来の体重のほとんど13%が11日目までに損失したことがより明らかになり始めた。(Figure 5)
【0060】
興味深いことに、HyDox製剤において同用量の投与がテストされたときに、体重損失が対応するDoxのみの群と同じであった (Figure 6)。しかしより低い投与量のHyDoxが試験されたときに、6および9 mg/kgの群は体重損失がなく、7日目までに実際に本来の開始体重を超える体重を得始めた。
【0061】
上記データは、ヒトの30, 45および60 mg/m2に相当する投与量では、HyDoxおよびDoxの30分前にHAを投与された群において好中球減少症が軽減され、血液循環への好中球の放出が実際に蓄積される可能性を有することを示す。これは、薬物関連の好中球減少症のための処置の不完全性に妨げられることの多い現在の化学療法計画の見地からは重要な発見である。
【0062】
実施例2
心毒性のインビボモデル(1)
実験動物
大人のメスのWistarラット (10週齢) はAnimal Central Division (モナシュ大学、ビクトリア、オーストラリア) から購入し、6つの実験群 (処置群あたりn=8) にランダムに分配した。群1から3は毎週(1)1.5 mg/kgのDoxのみ;(2)1.5 mg/kgのDoxの30分前に投与するHA;および(3)1.5 mg/kgのHyDoxの静脈注射を受けた。群4から5は毎週それぞれ食塩水および13.3 mg/kgのHAと同用量の静脈注射を受けた。群6は処置なしとした。
【0063】
本研究の開始前に、血液 (500 μL) がそれぞれのラットから尾静脈血手順によって集められた。血液は1.5 mLキャピジェクトチューブに集められ、最低30分間凝固させた。この後、凝固物は3,500 gavで2分間の遠心分離によってペレット化し、得られた血清をきれいな1.5 mLのエッペンドルフに移し変え、さらなる分析まで-20℃で即座に保存した。採血前処置の後、各実験動物にそれぞれの薬物の組合せを注射し、または対照処置を行い、投与の24時間後、ラットの尾静脈から採血し、上記のように処置を施した。その後、動物は1週間ごとに12週間の間、薬物組合せの注射を受け、血液は処置後24時間で集められた。群1、2、および3の動物が受けたDoxの全累積投与量は18 mg/kgであった。
【0064】
分析のための組織の加工
最後の注射から1週間後、ラットは首を切って死亡させ、内臓は食塩水で緩衝されたリン酸塩中の10% v/v ホルマリン溶液に固定した。組織固定の前に、腎臓、肝臓、および骨格筋の一部および心臓をすぐに取り除き、氷中のチューブ中に置いた。組織はすぐに使用するか、または評価まで-80℃で保存した。「ウェット」組織重量を記録する前に、各サンプルは細かく小片にし、1 mM EDTAを含む氷冷0.25 Mスクロース、0.1 mM EDTAを含む50 mMのpH7.8のリン酸カリウム緩衝液の二種類で激しく洗浄した。組織は2 mLの氷-リン酸塩-EDTA緩衝液に再懸濁させ、Ultraturraxホモジナイザーを用いて、5秒の破裂を3回、5分以上の間、氷上で均一化した。細かい懸濁液はリン酸塩-EDTA緩衝液とともに4 mLの最終的な容積までにし、後述の酵素およびGSHの評価分析のために使用した。
【0065】
抗酸化酵素および GSH の評価分析
4 mLの均一化された組織から、1 mLをきれいな1.5 mLエッペンドルフに移し、氷上で保存した。別の1 mLのリン酸塩緩衝液が3 mLの均一化された組織に最終容積が4 mLとなるように加えた。酵素の評価分析のために均一化されたクルードホモジネート (4 mL) がTLA100.2ローターを固定したBeckman TL-100 ultracentrifugeを用いて、100,000 x g、4℃で60分間遠心分離した。遠心分離の後、透明な高スピードの上澄みを分割し、グルタチオンペルオキシダーゼ (GP)、カタラーゼおよびジスムターゼ超酸化物 (SOD) 活性の直接的な決定まで-80℃で保存した。
【0066】
GSHの評価分析のために、0.25 mLの25% w/vメタホスホリック酸を1 mLの本来のクルードホモジネートに加え、徹底的に混合し、氷上で15分間培養した。たんぱく質沈殿物は10,000 g、4℃で10分間遠心分離によって錠剤化した。透明な上澄みをきれいなチューブに移し変え、3日を超えない期間-70℃で保存するか、またはGSHレベルを直接決定するかのいずれかの処置を行った。GSHレベルはCohn & Lyleによって記載されたo-フタルアルデヒドを用いた蛍光評価分析により決定した。(Anal. Biochem. 14(3): 434-440, 1996)
【0067】
SOD活性はMcCord & Fridovichによる方法 (J. Biol. Chem. 244(22): 6056-6063, 1969) によってシトクロムcを測定して決定した。GP活性は間接的に連結した評価分析 (Paglia & Valentine, J. Lab. Clin. Med. 70(1): 158-169, 1967) によって評価した。カタラーゼ活性はClaiborneによる記載の方法 (Am. Rev. Respir. Dis. 131(6): 947-949, 1985) によって240 nmでのH2O2の分解に続いて測定された。
【0068】
100,000 gおよび10,000 gの上澄みのたんぱく質濃度はBCAたんぱく質評価分析を用いて決定した。
【0069】
心臓トロポニン -T (cTnT) の血清レベル
Doxによって引き起こされる心毒性の程度を定量するために、cTnTの血清レベルをRoche Diagnostics (ビクトリア、オーストラリア) からの心臓トロポニンTの免疫分析を用いた研究を通して集めた各血清サンプルについて決定した。
【0070】
電子顕微鏡による心ダメージの分析
動物犠牲の直後に、静脈隔膜の横断片を心臓から切断し、リン酸塩緩衝液中の2%グルタルアルデヒド、2%パラホルムアルデヒド、および4%グルコースに固定した。標準のポストバッファリング、オスミウム酸染色、およびプロセシングを続けて行った。標本はPhilipの電子顕微鏡で試験し、心筋細胞中の心ダメージの頻度および重篤度がBillinghamらによる方法 (Can. Treat. Rep. 62: 865-872, 1978) によって段階化した。要するに、主に横断された心筋細胞から成るようにブロックを選択した。障害は記録し、心ダメージの程度が空胞化された筋細胞の割合として表した。
【0071】
Figure 7は心毒性へのHA/Doxの効果を示す。このグラフによって示されるように、HAのDoxとの製剤、またはDox投与前のHA注射は心毒性の開始を遅らせることができる。ラット研究からの血清トロポニンTのデータは、本段階ではHyDoxが確かにトロポニンTの放出を遅らせる効果を有することを示す。(HyDoxの心毒性が12 mg/kgの累積投与量において始まるが、Doxの累積的投与量は9 mg/kgである。)
【0072】
Figure 8A-8Bはラットの心毒性へのHAおよびDoxの効果を示す。動物の心臓の空胞化した筋細胞はDoxを受けるのに対して、動物の空胞化していない正常な筋細胞はHAおよびDoxで処置されることに注意すべきである。
【0073】
実施例3
細胞毒性のインビボモデル(2)
実験動物
オスのF1マウス (C57 x CBA, 11〜13週齢) はAnimal Central Division (モナシュ大学、ビクトリア、オーストラリア) から得た。各投与処置のために計6群 (群あたりn=8マウス) が使われた。各処置群からのデータは、日々の評価が確立されるように4日ごとに各群からサンプリングし (個別に数えられた)、6つの群の結果を相互参照することによって確立した。各群は薬物投与の前に上記のように扱われた。本研究を通して血液を集め、先の例で概略されるように好中球含有量を分析した。最後には、すべての動物が人道的に犠牲になり、内臓はPBS中の10% v/vホルマリン中で固定された。
【0074】
血液学的決定
本研究は、それぞれヒトの60 mg/m2および80 mg/m2の治療に相当する量の12 mg/kgおよび16 mg/kgの二種類の投与量のDoxに焦点を絞った。また処置間の比較のためのデータを標準化するために、好中球減少症を0日目 (投与前) の好中球の割合として表した。
【0075】
12 mg/kgのドキソルビシンおよびHyDox処置群
12 mg/kgの投与量で実施例1記載の好中球減少症に似た傾向が観察された。(Figure 9, 12 mg/kgのパネル) HyDox投与の24時間後の好中球含有量の約74%までの低下にもかかわらず、2日目および3日目までにそれぞれ267%および207%までの末梢好中球の平均的増加があった。Doxのみの群で末梢好中球の増加が観察され、2日目にピークとなったにもかかわらず、HyDoxで処置された群で得られた最大値には達しなかった。最低血算値の好中球減少症の開始および継続期間が両方の群において同様に重篤であり、4日目に初めて起こり、7日目までに正常なレベルに回復するまで2日間続いた。
【0076】
16 mg/kgのドキソルビシンおよびHyDox処置群
16 mg/kgのDoxの投与において、テストされた薬物の組合せに関わりなく、同様の好中球減少症プロフィールが観察された (Figure 9)。この傾向にも関わらず、好中球減少症の開始が、HyDox製剤で処置を受けた群 (Figure 9, 16 mg/kgのパネル, 実線) において1日の差で遅れ、5日目に起こった。最低血算値の好中球減少症が両方の薬物投与の組合せの場合と同じであったが、HyDoxで処置された群において正常な測定への回復まで24時間続くだけであった。対照的にDoxで処置されたマウスは最低血算値の好中球減少症からの回復に48時間以上かかった。
【0077】
これは、末梢好中球の減退の後起こり、4日目までに最低血算値の好中球減少症が薬物の組合せ間で比較でき、正常な測定に戻るまで48時間続いた。
【0078】
16 mg/kgのDoxで処置されたマウスにおいて、いずれの薬物の組合せにおいても、同じ好中球減少症プロフィールが観察された。両方の群は、薬物の静脈注射に続いて2日目までに末梢好中球の増加を示し、これは好中球数の減少に先行して起こった。しかし16 mg/kgのHyDoxを受けたマウスにおいて好中球数の減少は、24時間の差で遅れたが、Doxのみを受けたマウスと比較したときと同様に重篤であった。(Figure 9)
【0079】
他の血液学的考察
赤血球数、ヘモグロビン、血小板およびリンパ球の特異な結果の分析はHyDoxとともに、または薬物のみのいずれかにおいてDoxが投与されたときの効果にどのような違いも示さなかった。
【0080】
代謝ストレス
体重損失は本来の開始体重の割合として表した。体重損失は12 mg/kgのDoxまたはHyDoxで処置された群において4日目まで等しかった。しかし、5日目までにHyDoxの群は体重を回復し始めて12日目までに本来の開始体重まで回復した (Figure 10A, 12 mg/kg)。対照的に12 mg/kgのDoxで処置された動物は、体重を回復し始める前に6日目まで体重を損失し続けた。12 mg/kgの投与量の群において、体重損失の最大の割合は12.9%で6日目に起こったのに対し、HyDox群は4日目までに最大9.6%のみの損失であった。Doxのみを受けたマウスはその本来の開始体重を回復しなかった。(Figure 10A, 12 mg/kg)
【0081】
16 mg/kgのDoxおよびHyDox製剤で処置されたマウスの体重損失は同様の傾向に従い、両方の群はその本来の体重を回復しなかった。しかし、二つの群間の等しい体重損失にも関わらず、Doxのみを受けたマウスは研究期間を通して平均してより多くの食物を消費したことは興味深い (Figure 10B, 16 mg/kgのDox)。この効果は12 mg/kgの薬物投与でのHyDoxを受けた群においてよりいっそう顕著であった。HyDoxの群は本研究を通して同量の食物を消費したが、Doxのみのデータと比較したときよりも早く体重を回復した。(Figure 10B, 12 mg/kg)
【0082】
実施例4
心毒性のインビボモデル(2)
静脈注射用薬物および他の化学物質
ドキソルビシンをドキソルビシン塩酸塩粉末としてAsta Medical (NSW, オーストラリア) から購入し、最終濃度が2 mg/mLの0.9%無菌塩化ナトリウムに再構成した。乾燥HA、824,000 DaをPearce Pharmaceuticals (ビクトリア、オーストラリア) から購入し、無菌水に溶かして最終濃度を10 mg/mLとして、0.22 μmフィルターを通して殺菌し、使用するまで4℃で保存した。HyDoxは計量した10 mg/mLのHAを計量した0.5 mg/mLのDoxと混合することによって調製し、1.0 mg/kgの望む投与量のDoxとなるようにした。
【0083】
本研究を通して使用したHAの投与量は13.3 mg/kg体重であった。グルタチオン、o-フタルアルデヒド、キサンチン、キサンチンオキシダーゼ (Buttermilkから購入、Grade I)、還元NADPHタイプIIIをシグマケミカルから購入した。(St. Louis, MO) カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼおよびグルタチオンリダクターゼはRoche Molecular Biochemicals (NSW, オーストラリア) から購入した。他のすべての試薬はアナリティカルグレードであった。
【0084】
実験動物
大人のメスの自発性高血圧のラット (10週齢) をBaker Medical Research Institute (メルボルン、オーストラリア) から購入し、4つの実験群 (処置群あたりn=10) にランダムに分配した。群1および2には毎週(1)1.0 mg/kgのDoxのみ:(2)1.0 mg/kgのHyDoxの静脈注射を行った。群3には毎週13.3 mg/kgのHAの静脈注射を行った。群4は処置なしとした。12週間の間、薬物組合せを1週間ごとに動物に注射した。両方の処置群の受けたDoxの全累積投与量は13 mg/kgであった。
【0085】
分析のために抗酸化剤酵素およびGSHの組織プロセシングおよび評価分析を実施例2記載のとおりに実行した。透過型電子顕微鏡による心ダメージの分析もまた実施例2記載のとおりに実行した。
【0086】
心筋の病態、超微細構造の研究
誘発的な慢性の心毒性モデルを発展させるために、DoxのみまたはHyDoxのいずれの場合も、毎週1.0 mg/kgのDoxを4回の注射によりラットに投与した。実験群に与えたDoxの全累積投与量は13 mg/kgであった。そしてHA存在下の、またはHA非存在下のDoxへの慢性的な影響がそれぞれ心保護または心毒性かを評価するために電子顕微鏡を使用した。処置群にわたる解剖組織上の変化を最小にするために、左心室の側面の境界のサンプルのEM分析を行った。
【0087】
13 mg/kgの累積投与量のDoxは、自発性高血圧のラットモデルには心毒性であることが電子顕微鏡試験によって明らかになり、他の同様の被験者の研究と一致した。主に細胞質の空胞化、筋原線維の破壊および筋細胞の超構造組織への***としてDox心毒性が特に述べられている。
【0088】
HyDoxを受けたラットから得られた顕微鏡写真と比較したとき、Doxで処置されたラットでははるかに多く心筋細胞の空胞化が発生した (それぞれFigure 11Cおよび11D)。Doxはクリステへの小さな***を伴ったミトコンドリアの膨潤も引き起こした。しかしその重篤度は、Doxのみを受けたラットにおいてより高かった。実際、退行性のミトコンドリアの変化はこれらの副細胞器官への完全な***に関連しており、ミエリン特徴の出現と一致した (Figure 12Aおよび12B、実線矢印)。これらの観察はHyDoxを受けたラットではほとんど見られなかった (Figure 12B)。Doxへの慢性的な影響が、筋原線維の溶解およびZ-バンドの誤配列を含む組織化された筋原線維配列への穏やかな***も引き起こした。またこれらのDoxの心毒性の特徴はDoxのみを受けたラットにおいて常により重篤であった (Figure 12A、点線矢印)。筋原線維の溶解がまだ明らかではあるが、HyDoxで処置されたラットにおいて、重篤度は低く、まだ順序正しい筋原線維配列が明らかであった。(Figure 12B、ダッシュ矢印)
【0089】
すべての処置群での心筋細胞の空胞化の重篤度を図13に示す。HyDox群と比較したとき、Dox群の筋細胞の空胞化はほぼ2〜3倍大きい。(p<0.05: 処置群間のt-テスト)
【0090】
Dox ± HA への慢性的影響に続く抗酸化剤レベル
フリーラジカルスカベンジング酵素すなわちジスムターゼ超酸化物、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼのレベルおよび還元グルタチオン (GSH) のレベルをDox±HAへの慢性的影響の後に測定した。対照のために、肝臓、腎臓、および骨格筋の抽出物からの抗酸化剤もまた決定した。心臓、肝臓、腎臓、および骨格の抗酸化剤の容量へのDoxおよびHyDoxへの慢性的な影響の効果をFigure 14に示す。
【0091】
カタラーゼ
DoxおよびHyDoxの対照群と比較したとき、HyDoxに反応した心臓カタラーゼにわずかな増加が観察された。HyDox活性が両方の対照群から観察されたものに反映しているのに対して、肝臓カタラーゼはDox群に反応して著しく増加した。(Figure 14A)
【0092】
還元グルタチオン (GSH)
肝臓GSHのレベルはHyDoxを受けたラットにおいて著しく減少した。しかし、Doxで処置されたラットのGSHレベルは対照値に関連して変化しなかった (Figure 14)。同様の傾向が心臓のレベルで観察されたが、Dox処置が対照に類似の値を与えたのに対し、HyDox処置ではGSH含有量を減少した。(Figure 14: 除かれた肝臓のデータの挿入)
【0093】
グルタチオンペルオキシダーゼ
対照群から得られた値と比較したときに、HyDoxおよびDox処置の両方で同様に、心臓のグルタチオンペルオキシダーゼのレベルが増加した (Figure 14C)。対応する対照データと比較したときに、両方の薬物組合せの群で、類似の肝臓、腎臓、および骨格のグルタチオンペルオキシダーゼ活性を示した。(Figure 14C)
【0094】
ジスムターゼ超酸化物 (SOD)
処置なしの対照群と比較したときに、心臓SOD活性は処置群間で比較的、変化しなかった (Figure 14D)。HA対照群はこの酵素の活性を著しく減少した (Figure 14D)。骨格SOD活性が緩やかに増加したのに対して、(Figure 14D) 肝臓および腎臓SODの抑圧が両方の処置群で観察された。HyDox活性が両方の対照群から観察されたものと反映したのに対して、肝臓カタラーゼ活性がDoxの影響に反応して著しく増加した。(Figure 14A)
【0095】
心毒性がDox治療の全累積投与量を500〜550 mg/m2に制限する複雑な要因である。DoxとHAを組合せること (HyDox) によって、心毒性のレベルがDoxのみと比較したときにほぼ3倍に軽減されることをこれらのデータが示している。従って、HyDoxの使用によって、通常起こる心毒性を引き起こさずに、高有効性抗癌剤のより高用量の累積投与が可能となる。心毒性を伴わない処置の完成は腫瘍への反応の蓋然性を拡張し、究極的に生存数を増加させる。
【0096】
実施例5
段階I 臨床試験−進行した癌患者におけるドキソルビシン+HAの組合せ (「HyDox」)
Doxとの同時のHAの投与が進行した癌患者におけるDoxの毒性に影響するか否かを決定するために段階Iの研究を行った。
【0097】
本研究に含まれる適格性の判断基準は、以下のとおりであった。患者は、組織学的に、または細胞学的に確認されるような進行した、または転移した癌を有していなければならない。患者は前に治療を受けているべきではなく、多くても前に一つの治療計画しか有するべきではなく、および前にアントラサイクリンを投与されるべきではない。患者は歩行可能で、適切な骨髄、肝臓および腎臓機能を有した18歳から75歳であるべきである。
【0098】
最初の治療サイクルでの処置計画では、患者はDoxのみまたはDoxとHAを受けるかで任意抽出される。二番目のサイクルでは会話が適用された。続く4回のサイクルで、患者はDoxとHAを受けた。これは、結果解釈に影響される患者間の変化を軽減しながら、最初の2サイクルにおいて毒性分析における患者自身の対照として各患者が活動することを可能にした。
【0099】
HyDox製剤 (注入バッグとして) が以下のようにして調製された。HAはGlycoMed Research, ニューヨーク, USAから得て、蒸留水中に粉末HAを溶かして0.22 μmフィルターを通し、無菌化して調製した10 mg/mlの原料から使用した。DoxはAsta Medicaから得て、250 mgのラクトースを含む50 mgの小瓶として供給され、8分から12分間の一定の回転によって25 mLの通常の注射用食塩水を再構成した。注射用塩化ナトリウムはBaxter Healthcare, シドニー、オーストラリアから500 mLの注入バッグとして得た。注射用HyDoxは13.3 mg/kgのHAと30, 45または60 mg/m2のDoxから調製した。
【0100】
Dox±HAを3週間サイクルで1時間以上かけて静脈投与により与えた。段階Iの研究におけるDoxの初期投与量は30 mg/m2であり、HAの投与量は500 mg/m2であった。二段階で60 mg/m2の標準投与量に達するように投与量をだんだんと増加した。従って初期投与量のレベルは30 mg/m2、次は45 mg/m2でその次は60 mg/m2とした。
【0101】
4人の患者が各投与量レベルにおいて処置された。その結果は、HAがDoxの既知のいずれの毒性も増加させないことを示した。より高用量のレベルでは、60 mg/m2の投与により、Doxによって誘発される毛髪欠乏および好中球減少症の程度の両方が軽減されるだけでなく、治療後の吐き気および嘔吐も明らかに減少した。好中球数の結果をテーブル9に示す。患者の幸福が改善されたようだ。他の毒性は報告されなかった。
テーブル9
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【0102】
実施例6
段階I 臨床試験−転移した結腸直腸の癌患者における5-フルオロウラシル+HAの組合せ (「Hyfive」)
転移した結腸直腸の癌患者に、HAと5-フルオロウラシルの組合せ (Hyfive) で類似の段階Iの研究を実行した。適格性の判断基準は、アントラサイクリンが使用できること以外は実施例3と同様である。処置計画は実施例3で行ったものを続けた。
【0103】
HyDox製剤 (注入バッグとして) は以下のようにして調製した。実施例3で行ったように、HAおよび注射用塩化ナトリウムをGlycoMed ReseachおよびBaxter Healthcareからそれぞれ得た。DoxはDavid Bull Laboratoriesから500 mgの5-フルオロウラシル (5-FU) を含む10 mlの小瓶として得た。
【0104】
5-FU±HAを4週間のサイクルで1時間以上かけて静脈投与により与えた。本研究での5-FUの初期投与量は3日間で毎日450 mg/m2であり、各5-FU投与とともに500 mg/m2のHAを投与した。連続5日間の各サイクルで450 mg/m2の標準投与量に二段階で達するように投与量をだんだんと増加した。従って初期投与量のレベルは3日間は毎日450 mg/m2で、次の4日間は450 mg/m2で最後の5日間は毎日450 mg/m2とした。
【0105】
4人の患者が各投与量レベルにおいて処置された。HAが5-FUの既知のいずれの毒性も増加させないことをその結果が示した。より高用量のレベルでは、治療後の吐き気および嘔吐が明らかに減少し、好中球減少症または胃腸管毒性を示さなかった。好中球数の結果をテーブル10に示す。
テーブル10
【表17】
【表18】
【表19】
【0106】
実施例7
細胞毒性のインビボモデル(3)
実施例5および6で、それぞれ6ヶ月および6週間の間、HA/細胞毒性薬物の組合せの効果を調査し、メトトレキセートまたは5-FUへのHAの付加が腫瘍への反応を拡張し、転移を軽減し、および胃腸毒性を軽減することを示した。それらの結果が、ヌードマウスにおけるヒトの乳癌の異種移植に対する処置において、シクロホスホアミド、メトトレキセートおよび5-フルオロウラシル (CMF) の有効性へのHAの効果の調査の後に付け加えられた。以下のような有効性のパラメータを調査した。主な腫瘍容積、癌の転移、および体重、臓器の病態、血液学、および生存に関する処置毒性。
【0107】
ヒトの乳癌腫細胞線
ヒトの乳癌腫細胞線MDA-MB-468 (American Tissue Culture Collection, Rockville, USA) をCD44およびRHAMMのHAレセプターの表現に基づいて選択した。細胞は定期的に成長し、10% w/vウシ胎児血清および10 μg/mlのゼンタマイシンで満たされたLeibovitz L-15 Medium (Sigma, St. Louis, USA) の175 cm2培養フラスコまたは700 cm2ローラーボトルで単層として二次培養した。マウスへの注射のために細胞は80%コンフルエンシーまで成長させ、0.05%トリプシン/0.01%EDTA溶液中でトリプシン化され、Beckman TJ-6ベンチ遠心分離 (Beckman, メルボルン、オーストラリア) で10分間400 gavでの遠心分離によって2回洗浄し、Model-ZM Coulterカウンター (Coulter Electronics, イギリス) を用いて数を数え、血清フリーなLeibovitz L-15 Mediumで2 x 108 cell/mlで再懸濁した。
【0108】
マウスの腫瘍モデル
無胸腺症のCBA/WEHIの6〜8週齢のメスのヌードマウス (Walter and Elisa Hall Research Institute, メルボルン、オーストラリア) を特定病原体フリーの条件下、無菌の食物および水を自由に与えつつ飼育した。各マウスに1 x 107 cellsを含む50〜100 μlの注射を1回行った。第一の乳首の下、***脂肪部分に直接的に26ゲージ針でそれらの細胞を注射した。(Lamszus et al., Lab. Invest. 76(3): 339-353, 1997) 腫瘍測定が毎週3つの垂直な直径 (d1d2d3) を測定することによってなされた。腫瘍容積は公式 (1/6)π(d1d2d3) を用いて見積もった。CMF±HAを用いた処置を癌細胞接種の約4〜8週間後に開始した。テーブル11は処置開始時点における各処置群の平均腫瘍容積を示す。
テーブル11
【表20】
【0109】
動物の維持および飼育場所
同じ数のマウスを各ケージに割り当てた。実験の段階に依存して、ケージあたりの動物の数は5〜8まで変化した。モナシュ大学のCentral Animal Services SPF施設で施設内品質保証プログラムに一致してすべての動物を飼育した。
【0110】
ヒトの乳癌異種移植の評価 : 乳癌腫における HA レセプターの免疫的組織化学的決定
腫瘍誘発の約8週間後、二つの腫瘍をもったマウスに致死量のネンブタールを与えた。マウスを死亡させて3分以内に、腫瘍を外科的に取り除き、すぐに10% v/vホルマリン緩衝液に12時間固定した。その固定した腫瘍を70〜100% v/vエタノールで脱水し、パラフィンに埋め込んだ。断片 (2から4 μm) を切り取ってスライドに置き、油分をとり、水中に入れた。スライドはPBSで5分間3回洗浄した。異染性たんぱく質を10% w/vウシ胎児血清での10分間の培養によって遮断し、PBSですすいだ。抗体の検出を室温 (RT) で60分間適用した。抗血清または抗体はRHAMM (Applied Bioligands Corporation, Manitoba, カナダ), CD44H, CAEに対するもので、二次抗体はZymed (カリフォルニア, USA) から購入した。スライドはPBSで5分間3回洗浄し、メタノール中0.3% H2O2で20分間浸すことにより、内部に生じるペルオキシダーゼ活性を遮断した。さらなるPBSでの5分間3回の洗浄に続いて、ペルオキシダーゼ-結合ブタ抗ウサギ二次抗血清 (Dako, カリフォルニア, USA) をRTで60分間適用した。Sigma Fast DAB (3,3'-ジアミノベンジジン, Sigma, St. Louis, USA) 錠剤を製造説明書によって調製し、DAB溶液をRTで5〜10分間適用した。スライドを10分間タップ水で洗浄し、ヘマトキシリンで対比染色し、脱水して置いた。
【0111】
CMF/HA 薬物組合せの調製および注射
シクロホスホアミド/メトトレキセート/5-フルオロウラシル (CMF) 注射をマウスの体重によって個別にし、ヒトでは以下の用量に相当する15 mg/kg MTX/30 mg/kg Cycloおよび30 mg/kg 5-FUを注射した。
15 mg/kg MTX=ヒトの565 mg/m2に相当
30 mg/kg Cyclo=ヒトの1 g/m2に相当
30 mg/kg 5-FU=ヒトの400 mg/m2に相当
5-FUをmtxに加え、薬物組合せを1 m:シリンジに抜き出すことにより100 μl注射を調製した。そしてシクロは個別のシリンジに抜き出した。
【0112】
5-FU/HAを目的としてピロゲンフリーなHA原料溶液 (10 mg/ml; 形式的にmr 8.5x105 da) を20 mg/mlの5-FU原料溶液に加え、渦動しながら一晩かけて培養し、最終HA濃度がマウスの体重の12.5 mg/kgに相当するまでとした。注射を個別にマウスの体重によって行い、100 μl中で30 mg/kg 5-FUおよび12.5 mg/kg HAを注入した。
【0113】
HA/CMF注射をマウスの体重によって個別に行い、15 mg/kg MTX/30 mg/kg Cyclo/30 mg/kg 5-FUおよび12.5 mg/kg HAを注入し、これはヒトでは上記に示した用量となる。
【0114】
mtxを5-FU/HAに加え、薬物組合せを調製して100 μlの注射を調製した。そしてCycloは個別のシリンジに抜き出した。
【0115】
マウスはランダムに以下の処置群に分配した。
食塩水 (7日サイクルの1日目および2日目)
12.5 mg/kg HA 850 kD (7日サイクルの1日目および2日目)
12.5 mg/kg HA 850 kD (7日サイクルの1日目および3日目)
CMF (7日サイクルの1日目および2日目)
12.5 mg/kg HA 850 kD/CMF (7日サイクルの1日目および2日目)
CMF (7日サイクルの2日目および4日目)
1日目および3日目の12.5 mg/kg HA 850 kD; CMF (7日サイクルの2日目および4日目)
処置は尾静脈を経由して定量的に投与された。動物に5-FU/MTX±HAに続いて2分後にCycloを注射した。動物の体重および腫瘍容積を日にちベースで測定した。
【0116】
腫瘍および体臓器の採集およびプロセシング
実験の終わりに、動物が疾患の進行のために安楽死すべきであるとき、または6週間の処置計画が完了したときは、0.1 mlのネンブタール (60 mg/ml) を腹膜内注射することによって動物を麻痺させ、血液を採集し、子宮頚部脱臼により死亡させた。
【0117】
マウスを死亡させてすぐに、腫瘍、肝臓、心臓、脾臓、膀胱、左および右腎臓、子宮、肺、胃、腸、脳、およびリンパ節が切開され、重量を量り、および10% v/vホルマリン中に置いた。組織を組織学的にプロセシングするまで16〜24時間の間、固定した。固定した組織を100% v/vエタノールに段階的に脱水し、パラフィンブロックに埋め込み、そこから2〜4 μmの断片をガラス顕微鏡スライドに置いた。ヘマトキシリン核ステインおよびエオシン細胞質ステインを用いた組織断片の染色により、処置毒性を示すいずれの病理学的特徴も際立った。
【0118】
処置の副作用のモニタリング
胃腸 (GI) 管毒性
動物の下痢のようなGI管不調および体重損失のようなより重篤な毒性の徴候を調べた。体重損失を腫瘍の重量を引いて見積もられる実質体重を計算することによって調べ、腫瘍の重量はShibamoto et al., Br. J. Cancer 74(11): 1709-1713, 1996で引用されている1 g x 腫瘍容積 (cm3) のように計算した。重量の変化を実証するため、以下のように動物の体重を処置開始時での体重に標準化した。
体重 (腫瘍を除く)-処置開始時の体重 (腫瘍を除く)/ x 100
処置開始時の体重 (腫瘍を除く)
【0119】
骨髄抑制
赤血球、血小板、および白血球数をマウスの粘性の食塩水中の血液を1/50〜1/2000に希釈し、血球計で数えることによって見積もった。血液の塗抹を作り、およびGiemsaで染色し、それによって好中球、リンパ球、および赤血球の相対的な割合の定量化が可能となった。血球サブ集団の全概算をマウスの血液の公表されているデータと比較した。
【0120】
臓器の重量への処置の効果
処置が臓器の萎縮または増大を誘発しないことを確かめるために、臓器を取り出し、死後出血の間に重量を量った。各臓器の重量を全体の実質体重の割合として計算し、食塩水のみの群の臓器の重量と比較した。
【0121】
全体の集団の生存時間
全体の生存時間を処置の開始後、動物が生きた時間 (日または週) として計算した。
【0122】
CMF 誘発毒性への HA の効果
胃腸毒性: 体重のモニタリング
下痢のGI毒性の存在を毎日調べたところ、処置群のうちどの群もその徴候を示さなかった。GI毒性の明らかな徴候に加えて、動物の実質体重 (腫瘍を除く) も6週間の研究期間中に観察した。他のすべての処置群と比較したときに、HAのCMFの前の、または同時の投与が、統計的に著しい体重の増加の原因となった。(テーブル12またはFigure 15)
テーブル12
CMF胃腸毒性へのHAの効果の統計的比較
【表21】
【0123】
骨髄毒性: 好中球減少症
CMF処置計画で白血球 (WBC) の全体的な循環の減少に続いて骨髄毒性を示した。HA/CMFのその前の、または同時の投与が毒性に打ち勝つようだ (テーブル13〜15)。WBCサブ集団は、CMFによって最も影響を受ける多形体細胞タイプであり、HA/CMFが数の増加の原因となる場合には、血液循環への好中球前駆体の補充の可能性が示される。
テーブル13
骨髄毒性へのCMF/HA処置の効果
【表22】
テーブル14
血球の食塩水処置群との比較
【表23】
テーブル15
血球のHA/CMF処置群との比較
【表24】
【0124】
臓器重量への処置の効果
HAまたはCMFへのHAの添加は処置なしの群と比較したとき (テーブル16) に著しい脾臓の拡大を引き起こし、脾臓の病態試験がいずれの異常組織または細胞病変も示さなかった。HAも心臓の重量のわずかな減少を引き起こすようで、組織の病態評価でいずれの異常病変も引き起こさなかった。CMF処置計画によって子宮萎縮が発生するが、HAの同時の投与によってかなり抑えられるようだ。CMFもGI管の拡大を引き起こす。
テーブル16
食塩水による処置なしの対照臓器重量との臓器重量の比較
【表25】
【0125】
臓器病態への処置の効果
CMFで処置した動物の臓器の病態評価は、肝臓がいくらか逆の病変を示すことを示した (テーブル17)。肝臓では、重要な壊死および炎症の範囲がCMF、CMFに続くHA、食塩水、およびHA処置群で観察された。重要な壊死および炎症の最もひどい程度がCMFのみを受けたCMF群で、または動物がHAで処置される前に観察された。HAの添加は肝臓の壊死および炎症を全体的に抑制した。
テーブル17
肺および肝臓において観察される逆の病変への処置の比較
【表26】
【0126】
生存への処置の効果
CMF処置計画はとても毒性が高く、動物は過度の体重損失を通して死亡した。他の処置群は毒性を引き起こさなかった。HA/CMFの同時の投与によって処置毒性が全体的に除去され、続いて著しく生存期間が増加した。(テーブル18およびFigure 16)
テーブル18
生存へのHA/CMFの効果の統計的比較
【表27】
先の結果は、HAのCMFの前の、または同時の投与が処置毒性を変え、抗腫瘍の有効性を維持することを示す。
【0127】
実施例8
試験管内でのH9C2ラットの未発達の心筋細胞におけるドキソルビシン細胞毒性へのヒアルロナンの効果
H9C2心筋細胞を、DMEM中10% w/v FCSで50,000 cells/ml/wellの密度とし、24穴板中で一晩中沈殿させた。24時間後、細胞を1% w/v FCS中での成長により4日間分化させた。4日後、0 μg/ml, 0.0097 μg/ml, 0.0195 μg/ml, 0.03905 μg/ml, 0.0781 μg/ml, 0.1562 μg/ml, 0.3125 μg/ml, 0.625 μg/ml, 1.25 μg/ml, 2.5 μg/mlおよび5 μg/mlのDoxを含む成長媒質中で細胞を48時間培養した。各Dox濃縮をHAの存在下、および非存在下4回行った。HAの分子量は824,000 kDであり、Doxの存在下細胞に適用した濃度は、1 μM, 2.5 μM, 5 μM, 7.5 μMおよび10 μMであった。
【0128】
Dox±HAでの48時間の培養後、細胞をハンクス液で洗浄し、0.5 mlのトリプシン/EDTAによって分離して均一な単細胞懸濁液を生成し、細胞を15 mlの食塩水で懸濁した。15.5 mlの細胞懸濁液はCoulterカウンターを用いて細胞数を数えるために使用した。Dox±HA数の各濃度を薬物なし/HA対照なしの細胞数の平均の割合として表した。結果をFigure 17に示す。
【0129】
本文献中の技術者は、本明細書に記載された本発明が特に記載されているものよりも他の変形および修飾を受けやすいものであると理解できる。本発明はそのようなすべての変形および修飾を含むものと解釈されるべきである。本発明は、本明細書に個々に、またはまとめて呼称されている、または示されているすべての段階、特徴、構成、および化合物、および上記の段階または特徴のいずれかの二つ、またはそれ以上のいずれの、およびどの組合せをも含む。
【0130】
参考文献
Aglietta, M., Piacibello, W., Sanavio, F., Stacchini, A., Apra, F., Schena, M., Mossetti, C., Carnino F, Caligaris-Cappio, F & Gavosto F. Kinetics of human hemopoietic cells after in vivo administration of granulocyte-macrophage colony-stimulating factor. J. Clin. Invest. 83: 551-557, 1989.
Anglin, P., Strauss, B. A., & Brandwein, J. M. Prevention of chemotherapy-induced neutropenia using G-CSF with VACOP-B, A case report. Leuk. Lymphom. 11: 469-472, 1993.
Billingham, M. E., Mason, J. W., Bristow, M. R., and Daniels, J. R.Anthracycline cardiomyopathy monitored by morphologic changes. Can. Treat. Rep. 62: 865-872, 1978.
Bodey, G. P., Buckley, M., Sathe, Y. S.,Freireich, E. J. Quantitative relationships between circulating leukocytes and infection in patients with acute leukemia. Ann. Intern. Med. 64: 328-340,1966.
Carter, S.K. Adriamycin-a review. J. Nat. Cancer.Inst. 55: 1265-1274, 1975.
Claiborne, R. A. and Dutt, A. K. Ioniazid-induced pure red cell aplasia. Am. Rev. Respir. Dis.131(6): 947-949, 1985.
Cohen, A. M., Zsebo, K. M., Inoue, H., Hines, H., Hines, D., Boone, T. C., Chazin, V. R., Tsai, L., Ritch, T., and Souza, L. M. In vivo stimulation of granupoiesis by recombinant human granulocyte colony-stimulating factor. Proc.Natl. Acad. Sci. 84: 2484-2488, 1987.
Cohn, V. H. and Lyle, J., Anal Biochem. 14 (3): 434-404,1966.
Dotti, G., Carlo-Stella, C., Mangoni, L., Cottafavi, L., Caramatti, C., Ahnici, C., and Rizzoli, V. Granulocyte colony-stimulating factor (G-CSF) prevents dose-limiting neutropenia in lymphoma patients receiving standard dose chemotherapy. Haematologica 80: 142-145, 1995.
Grigg, A., Begley, C. G., Juttner, C. A., Szer, J., To L. B., Maher, D., McGrath, K. M., Morstyn, G., Fox, R. M and Sheridan W. P. Effect of peripheral blood progenitor cells mobilized by filgrastim (G-CSF) on platelet recovery after high-dose chemotherapy. Bone Marrow Transplant ll: 23-29,1993.
Hryniuk, W. M, The importance of dose intensity in the outcome of chemotherapy. In: Advances in Oncology: Hellman S, De Vita V, Rosemberg S, Eds., Philadelphia: J. B. Lippincott: pp. 1121-414, 1988.
Kotake, T., Usami. M., Miki, T., Togashi, M., Akaza, H., Kubota, Y., & Matsumura Y. Effect of recombinant human granulocyte colony stimulating factor (lenograstim) on chemotherapy induced neutropenia in patients with urothelial cancer. Int. J. Urol. 6: 61-67, 1999.
Lamszus, K., Jin, L., Fuchs, A., Shi, E., Chowdhury, S., Yao, Y., Polverini, P. J., Laterra. J., Goldberg, I. D. and Rosen, E. M. Scatter factor stimulates tumor growth and tumor angiogenesis in human breast cancers in the mammary fat pads of nude mice. Lab. Invest. 76 (3): 39-353, 1997.
Legras, S., Levesque, J. P., Charrad, R., Morimoto, K., Le Bousse, C., Clay, D., Jasmin C &Smadja-Joffe F. CD44-mediated adhesiveness of humanhematopoietic progenitors to HA is modulated by cytokines. Blood 89: 1905-1914,1997.
Levesque, J. P., Leavesley. , D. I., Niutta, S., Vadas, M., & Simmons, P. J. Cytokines increase human haematopoietic cell adhesiveness by activation of very late antigen (VLA)- 4 andVLA-5 integrins. J. Exp. Med. 181: 1805-1815, 1995.
Maher DW, Lieschke GJ, Green M, Bishop J, Stuart-HarrisR, Wolf M, Sheridan WP, Kefford RF, Cebon J, Olver I, et al. Filgrastim in patients with chemotherapy-induced febrile neutropenia. A double-blind, placebo-controlled trial. Ann.Intern. Med. 121: 492-501, 1994.
Mavroudis, D. A., Read, E. J., Molldrem, J., Raptis, A., Plante, M., Carter, C. S, Phang, S., Dunbar, C. E. and Barrett, A. J. T cell-depleted granulocyte colony-stimulating factor (G- CSF) modified allogenic bone marrow transplantation for haematological malignancy improves graftCD34+ cell content but is associated with delayed pancytopenia. Bone MarrowTransplant 21: 431-440, 1998.
McCord, J. M. and Fridovich.I. The utility of superoxide dismutase in studying free radical reactions. I. Radicals generated by the interaction of sulfite, dimethyl sulfoxide, and oxygen. J. Biol. Chem. 244(22): 6056-6063,1969.
Paglia, D. E. and Valentine, W. N. Studies on the quantitative and qualitative characterization of erythrocyte glutathione peroxidase. J. Lab. Clin. Med. 70(1): 158-169, 1967.
Pettengell, R., Gurney, H., Radford, J. A., Deakin, D. P., James, R., Wilkinson, P. M., Kane, K., Bentley, J., and Crowther, D. Granulocyte colony-stimulating factor to prevent dose- limiting neutropenia in non-Hodgkin's lymphoma: a randomized controlled trial. Blood 80(6): 430-436, 1992.
Scott, J. E., Cummings, C., Brass, A., and Chen, Y. Secondary and tertiary structures of HA in aqueous solution, investigated by rotary shadowing-electron microscopy and computer simulation. Biochem.J: 274: 699-705, 1991.
Shibamoto, Y., Murata, R., Miyauchi, S., Hirohashi, M., Takagi, T., Sasai, K., Shibata. T., Oya, N., and Takahashi, M. Combined effect of clinically relevant doses of emitefur, a new 5-fluorouracil derivative, and radiation in murine tumours. Br. J. Cancer 74(11): 1709-1713,1996.
Shimamura, M., Kobayashi, Y., You, A., Urabe, A., Okabe, T., Komatsu, Y., Itoh, S., and Takaku, F. Effect of human recombinant granulocyte colony-stimulating factor on hematopoietic injury in mice induced by 5-fluorouracil. Blood 69: 353-355, 1987.
Shimamura, M. , Takigawa, T., Urabe, A., Okabe, T., Souza, L. M. and Takalcu, F. Synergistic effect of dolichyl phosphate and human recombinant granulocyte colony- stimulating factor on recovery from neutropenia in mice treated with anti-cancer drugs. Exp.Hematol.16: 681-685, 1988.
Simmons, P. J., Zannettino, A., Gronthos, S.,Leavesley, D. Potential adhesion mechanisms for localization of haematopoietic progenitors to bone marrow stoma. Leuk. Lymphoma. 12: 353-363, 1994.
Sheridan, W. P., Begley, C. G., Juttner, C. A., Szer, J., To, L. B., Maher, D., McGrath, K. M., Morstyn, G., and Fox,R. M. Effect of peripheral-blood progenitor cells mobilized by filgrastin (G-CSF) on platelet recovery after high-dose chemotherapy. Lancet 339: 640- 644,1992.
Watanabe, T., Dave, B., Heimann, D. G., Lethaby, E., Kissinger, A and Talmadge, J. E. GM-CSF mobilized peripheral blood CD34+ cells differ from steady-state bone marrow CD34+ cells in adhesion molecule expression. Bone Marrow Transplant 19: 1175-1981, 1997.
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】Figure 1A,1Bおよび1Cは、ドキソルビシンおよびHyDox製剤を注射されたマウスの末梢血液好中球へのドキソルビシンの効果を示した図的表示である。11〜13週齢のオスのF1マウスに、それぞれ(A)6 mg/kg、(B)9 mg/kgおよび(C)12 mg/kgの投与量で上記のドキソルビシンと組合せて注射した。血液は静脈注射後、0 (ベースライン), 1, 4, 7, 10および14日目に集めた。サンプルは材料および方法で概略しているように好中球数を分析した。毎日のデータは0日目の好中球の平均的割合±誤差としてグラフ化した。(破線: ドキソルビシン; 実線: HyDox; 点線: HA) 実験データはテーブル1Aおよび1Cに示す。
【0132】
【図2】Figure 2A, 2B, 2C, 2Dおよび2Eは、ドキソルビシンおよびドキソルビシン投与前のHAを注射されたマウスの末梢血液好中球へのドキソルビシンの効果を示した図的表示である。11〜13週齢のオスのF1マウスに、それぞれ(A)6 mg/kg、(B)9 mg/kg、(C)12 mg/kg、(D)16 mg/kg、および(E)24 mg/kgのドキソルビシンを上記薬物と組合せて注射した。血液を集めて、先に記載したように好中球数を分析した。毎日のデータは0日目の好中球の平均的割合±誤差としてグラフ化した。(破線: ドキソルビシン; 実線: ドキソルビシンの30分前に注射されたHA) 実験データはテーブル1Aおよび1Bに示す。
【0133】
【図3】Figure 3は、ドキソルビシンを注射されたマウスの生存の割合を示した図的表示である。二つの処置群のみで、本研究の継続期間の終了前に何匹かが死亡した。その処置群は9 mg/kg (実線) および24 mg/kg (破線) のドキソルビシンを投与した群である。他のすべてのマウスは、ヒアルロナンと合わせてより低用量のドキソルビシンおよびより高用量のドキソルビシンを受けたものを含み、本研究の最後まで生存した。
【0134】
【図4】Figure 4は、HAを伴って、およびHAなしで、段階的に増減するドキソルビシンとともに観察された最低血算値の好中球減少症を示した図的表示である。各処置投与量に関して、最も低レベルの好中球数を記録し、グラフ化した。好中球減少症を各個別の処置群群の0日目の測定の割合として示す。(実線=Hydox; 中断した線=Dox; 点線=Dox投与前のHA)
【0135】
【図5】Figure 5A, 5B, 5C, 5Dおよび5Eは、ドキソルビシンおよびドキソルビシン投与前のHAを注射されたマウスの代謝ストレスへのドキソルビシンの効果を示した図的表示である。オスのF1マウスに、それぞれ(A)6 mg/kg、(B)9 mg/kg、(C)12 mg/kg、(D)16 mg/kg、および(E)24 mg/kgの投与量でドキソルビシンを上記の薬物と組合せて注射し、マウスの体重を日にちベースで記録した。データは体重の増減を表し、本来の体重の平均の割合±誤差として表している。(破線: ドキソルビシン; 実線: ドキソルビシン投与前のHA; 点線: HA) グラフのデータはテーブル2Aおよび2Bに示す。
【0136】
【図6】Figure 6A, 6Bおよび6Cは、代謝ストレスへのHyDox製剤の効果を示した図的表示である。オスのF1マウスに、それぞれ(A)6 mg/kg、(B)9 mg/kgおよび(C)12 mg/kgのドキソルビシンおよび同用量のHyDox製剤を静脈注射した。体重を日にちベースで記録し、図3に記載された同じ方法でグラフ化した。表したデータは、平均±誤差として表している。(破線: ドキソルビシン; 実線: HyDox; 点線: HA) これらのグラフのデータはテーブル3に示す。
【0137】
【図7】Figure 7は、心毒性へのHA/Doxの効果を示した図的表示である。
【0138】
【図8】Figure 8Aおよび8Bは、(A)ドキソルビシンおよび(B)ヒアルロナンおよびドキソルビシンへの慢性的な影響の後のラットの心筋細胞の変化を示した電子顕微鏡写真を表している。
【0139】
【図9】Figure 9Aおよび9Bは、HyDoxを注射されたマウスの末梢血液好中球へのドキソルビシンの効果を示した図的表示である。マウスにそれぞれ(A)12 mg/kgおよび(B)16 mg/kgの投与量のドキソルビシンとともにHyDoxを注射された。その結果が4日ごとに採血した6群の結果に相互参照することによって確立された。この方法で、日々の好中球含有量の評価を決定することができた。毎回のポイントでプロットされたデータは、その群 (n=8) の本来の0日目の数の割合±誤差として表される平均好中球数を表す。(実線: HyDox; 破線: ドキソルビシン; 点線: HA)
【0140】
【図10】Figure 10Aおよび10Bは、代謝ストレスおよび食物消費量へのHyDox製剤の効果を示した図的表示である。(A)オスのF1マウスに12および16 mg/kgのDoxおよびHyDoxを静脈注射した。体重を日にちベースで記録し、グラフ化し、およびデータは、本来の開始体重の割合としての体重の増減として表した。各データポイントは8匹のマウスの平均±誤差である。(B)同じ実験群において、食物消費量を日にちベースでモニターし、マウス1匹、1日あたり消費する食物の平均量として表した。点は、n=6〜8の平均食物量を表す。(破線および黒丸: ドキソルビシン; 実線および+: HyDox) パネルAにおける点線: HA対照
【0141】
【図11】Figure 11A, 11B, 11Cおよび11Dは、ドキソルビシン±ヒアルロナンへの慢性的な影響の後のラットの心筋変化を示した電子顕微鏡写真を表している。ラットにドキソルビシンまたはHyDoxを12週間かけて毎週注射した。ドキソルビシンの累積投与量は13 mg/kgであった。サンプル中の心筋に含まれる大きな融合した空胞(実線矢印)は、ドキソルビシンのみ(C)およびHyDox(D)から得られたことに注意する。筋細胞の空砲化の重篤度はHyDox(D)を受けたラットにおいてずっと少なかった。筋細胞の空砲化はテストされた対照群の処置なし(A)およびヒアルロナン(B)において最も少なかった。
【0142】
【図12】Figure 12A, 12B, 12Cおよび12Dは、ドキソルビシンへの慢性的な影響の後の心筋中の筋原線維量の損失を示した電子顕微鏡写真を表している。ドキソルビシン(A)を受けたラットは、筋原線維の特徴的な平行性の損失とZ-バンドの曇り (点線矢印) によって示された筋原線維溶解をより大きく示した。この損失は、順序正しい筋原線維配列がまだ存在するHyDox処置を受けたラット (B、点線矢印) からのサンプルには見られなかった。ミトコンドリアプロフィールが大きくなり、クリステの***も見られた。ミトコンドリア機能への重篤な***がミエリン特徴の出現によって明らかとなった。(AおよびB、実線矢印) これらの観察がHyDoxを受けたラット(B)ではほとんど見られなかった。対照群から得られたすべてのサンプルで、Z-バンドの平行な整列によって示される完全なミトコンドリアおよび順序正しい筋原線維の配列が含まれていた。(CおよびD: それぞれヒアルロナンおよび処置なし)
【0143】
【図13】Figure 13は、空胞化された筋細胞の割合を心筋症のかかりやすさとして示した図的表示である。ラットからの心室内隔膜の断片が伝達電子分析のために加工され、ダメージの程度が記録された。筋細胞の空砲化がすべての影響を受けた細胞に不変の特徴であったため、本特徴が傷を評価する有効な方法として使われた。いずれかの超薄断片において、影響を受けていない心筋細胞の数だけでなく、傷ついた細胞 (例えば、空胞化したもの) の数により、完全な横断面を評価できた。そして各サンプルにおける傷ついた細胞の比率を割合として表した。データは平均±誤差 (n=8〜10) で表す。HA=ヒアルロナン; NT=処置なし; *Doxのみの群と比較したときp<0.001 (t-test)
【0144】
【図14】Figure 14A, 14B, 14Cおよび14Dは、ドキソルビシン±HAへの慢性的な影響の後の抗酸化レベルを示した図的表示である。抗酸化酵素カタラーゼ (CAT) [A]; グルタチオンペルオキシダーゼ[C]; ジスムターゼ超酸化物 (SOD) [D]の活性、および軽減されたグルタチオン[B]のレベルをDoxおよびHyDoxへの慢性的な影響の後に測定した。各バーは8から10匹の動物の平均的な評価±誤差を表している。[B]において心臓のGSH含有量が見えるように、肝臓データを除き、再グラフ化した (B: 挿入)。*処置群[A]間、およびHyDoxおよびDox[B]間ではp<0.05 (変異度の一方的分析)
【0145】
【図15A】Figure 15Aは、マウスの体重へのCMF/HA治療の効果を示した図的表示である。HAのCMFの前の、または同時の投与で、体重が統計的に著しく増加した。6つの処置群が示されている。丸=食塩水; 逆三角=1日目、2日目のHA; 四角=1日目、3日目のHA; 菱形=1日目、2日目のCMF; 三角=1日目、2日目のCMF/HA; 六角形=CMFに続く1日目、3日目のHA。さらなる詳細はテーブル12に示す。
【0146】
【図15B】Figure 15Bは、マウスの体重へのCMF/HA治療の効果の直線回帰分析を示した図的表示である。
【0147】
【図16】Figure 16は、マウスの平均生存数へのCMF/HA処置計画の効果を示した図的表示である。HAの同時投与により毒性が排除され、生存期間が統計的に著しく増加した。(p<0.05) さらなる詳細はテーブル18に示す。
【0148】
【図17】Figure 17は、異なる濃度におけるDoxの細胞毒性すなわち心筋細胞を分化させるH9C2へのHAの異なる濃度範囲の効果を示した投与量対応曲線の図的表示である。
Claims (20)
- 一般に有効な投与量として認められている量よりも高用量の化学療法剤を長期に投与する方法であって、有効量のHAをその前に、および/または同時に投与することを特徴とする方法。
- 単回投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも200%まで高用量であることができ、および/または累積投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも600%まで高用量であることができる、請求項1記載の方法。
- 化学療法剤の投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも約10%から約150%高用量である、請求項2記載の方法。
- 化学療法剤の投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも約35%から約100%高用量である、請求項3記載の方法。
- HAおよび化学療法剤を同時に投与する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
- 化学療法剤の投与の約24時間前から約5分前にHAを投与する請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
- 化学療法剤の投与の約12時間前から約10分前にHAを投与する請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
- 化学療法剤の投与の約30分前にHAを投与する請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
- 有効量のHAが1日あたり約0.5 mg/kg体重から約20 mg/kg体重である、請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
- 有効量のHAが1日あたり約5 mg/kg体重から約10 mg/kg体重である、請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
- 単回投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも200%まで高用量であることができ、および/または累積投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも600%まで高用量であることができる化学療法剤によって対象を長期に処置する方法であって、有効量のHAを上記の化学療法剤の前に、および/または同時に投与することを特徴とする方法。
- 化学療法剤の投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも約10%から約150%高用量である、請求項12記載の方法。
- 化学療法剤の投与量が、一般に有効な投与量として認められている量よりも約35%から約100%高用量である、請求項12記載の方法。
- HAおよび化学療法剤を同時に投与する請求項11から請求項13のいずれかに記載の方法。
- 化学療法剤の投与の約24時間前から約5分前にHAを投与する請求項11から請求項13のいずれかに記載の方法。
- 化学療法剤の投与の約12時間前から約10分前にHAを投与する請求項11から請求項13のいずれかに記載の方法。
- 化学療法剤の投与の約30分前にHAを投与する請求項11から請求項13のいずれかに記載の方法。
- 有効量のHAが1日あたり約0.5 mg/kg体重から約20 mg/kg体重である、請求項11から請求項17のいずれかに記載の方法。
- 有効量のHAが1日あたり約5 mg/kg体重から約10 mg/kg体重である、請求項11から請求項17のいずれかに記載の方法。
- 悪性疾患を処置する際に、化学療法剤の投与の前に、および/または同時に投与する医薬を製造するためのHAの使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
AUPR7302A AUPR730201A0 (en) | 2001-08-27 | 2001-08-27 | Preventive treatment for toxic side-effects caused by chemotherapeutic agents |
AUPR9504A AUPR950401A0 (en) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | Methods for treatment |
PCT/AU2002/001160 WO2003018062A1 (en) | 2001-08-27 | 2002-08-27 | Improved therapeutic protocols |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005505540A true JP2005505540A (ja) | 2005-02-24 |
JP2005505540A5 JP2005505540A5 (ja) | 2006-01-12 |
Family
ID=25646785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003522577A Pending JP2005505540A (ja) | 2001-08-27 | 2002-08-27 | 改善された治療プロトコール |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US20050042303A1 (ja) |
EP (1) | EP1427447A4 (ja) |
JP (1) | JP2005505540A (ja) |
CN (1) | CN1578677A (ja) |
CA (1) | CA2458856C (ja) |
MX (1) | MXPA04001828A (ja) |
WO (1) | WO2003018062A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009502813A (ja) * | 2005-07-27 | 2009-01-29 | アルケミア オンコロジー ピーティーワイ リミテッド | ヒアルロナンを用いる治療プロトコル |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1140198B1 (en) | 1999-01-13 | 2007-10-31 | Alchemia Oncology Pty Limited | Use of hyaluronan for the manufacture of a medicament for the enhancement of the efficacy of cytotoxic drugs |
AUPQ879500A0 (en) | 2000-07-14 | 2000-08-10 | Meditech Research Limited | Hyaluronan as cytotoxic agent, drug presensitizer and chemo-sensitizer in the treatment of disease |
US9066919B2 (en) | 2000-07-14 | 2015-06-30 | Alchemia Oncology Pty Limited | Hyaluronan as a chemo-sensitizer in the treatment of cancer |
US20050042303A1 (en) * | 2001-08-27 | 2005-02-24 | Brown Tracey Jean | Therapeutic protocols |
US8338648B2 (en) * | 2004-06-12 | 2012-12-25 | Signum Biosciences, Inc. | Topical compositions and methods for epithelial-related conditions |
US8319625B2 (en) * | 2005-09-01 | 2012-11-27 | Simplexgrinnell Lp | Fire alarm textual notification related application |
MY149606A (en) | 2005-09-07 | 2013-09-13 | Alchemia Oncology Pty Ltd | Therapeutic compositions comprising hyaluronan and therapeutic antibodies as well as methods of treatment |
WO2009033047A2 (en) * | 2007-09-07 | 2009-03-12 | University Of Chicago | Methods and compositions for treating diseases and conditions involving higher molecular weight hyaluronan |
EP2832309B1 (en) | 2013-07-31 | 2018-03-07 | Biedermann Technologies GmbH & Co. KG | Implant for bones or vertebrae with self-constrained flexibility |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04504579A (ja) * | 1989-09-21 | 1992-08-13 | ハイアル ファーマスティカル コーポレイション | 症状及び疾病の治療 |
WO2000041730A1 (en) * | 1999-01-13 | 2000-07-20 | Meditech Research Limited | A composition and method for the enhancement of the efficacy of drugs |
Family Cites Families (46)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US410452A (en) * | 1889-09-03 | Liam wiiarton | ||
US4141973A (en) * | 1975-10-17 | 1979-02-27 | Biotrics, Inc. | Ultrapure hyaluronic acid and the use thereof |
US4256108A (en) * | 1977-04-07 | 1981-03-17 | Alza Corporation | Microporous-semipermeable laminated osmotic system |
US4160452A (en) * | 1977-04-07 | 1979-07-10 | Alza Corporation | Osmotic system having laminated wall comprising semipermeable lamina and microporous lamina |
US4265874A (en) * | 1980-04-25 | 1981-05-05 | Alza Corporation | Method of delivering drug with aid of effervescent activity generated in environment of use |
US4522811A (en) * | 1982-07-08 | 1985-06-11 | Syntex (U.S.A.) Inc. | Serial injection of muramyldipeptides and liposomes enhances the anti-infective activity of muramyldipeptides |
IT1229075B (it) * | 1985-04-05 | 1991-07-17 | Fidia Farmaceutici | Medicamenti per uso topico, ottenuti tramite l'impiego dell'acido ialuronico |
US5166331A (en) * | 1983-10-10 | 1992-11-24 | Fidia, S.P.A. | Hyaluronics acid fractions, methods for the preparation thereof, and pharmaceutical compositions containing same |
US5532341A (en) * | 1985-03-28 | 1996-07-02 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Human pluripotent hematopoietic colony stimulating factor |
US4851521A (en) * | 1985-07-08 | 1989-07-25 | Fidia, S.P.A. | Esters of hyaluronic acid |
US5202431A (en) * | 1985-07-08 | 1993-04-13 | Fidia, S.P.A. | Partial esters of hyaluronic acid |
US4665107A (en) * | 1986-03-21 | 1987-05-12 | Koh-I-Noor Rapidograph, Inc. | Pigment encapsulated latex aqueous colorant dispersions |
IT1219587B (it) * | 1988-05-13 | 1990-05-18 | Fidia Farmaceutici | Polisaccaridi carbossiilici autoreticolati |
US5128450A (en) * | 1989-06-30 | 1992-07-07 | Urdal David L | Nonglycosylated human interleukin-3 analog proteins |
US5208020A (en) * | 1989-10-25 | 1993-05-04 | Immunogen Inc. | Cytotoxic agents comprising maytansinoids and their therapeutic use |
US5095037B1 (en) * | 1989-12-21 | 1995-12-19 | Nissho Kk | Combined anti-inflammatory agent |
US5733891A (en) * | 1990-10-18 | 1998-03-31 | Shiseido Co., Ltd. | Compound for medicinal ingredient and hyaluronic acid and process for producing the same |
CA2082951C (en) * | 1991-03-15 | 1999-12-21 | Robert M. Platz | Pulmonary administration of granulocyte colony stimulating factor |
WO1998017320A1 (en) * | 1991-07-03 | 1998-04-30 | Hyal Pharmaceutical Corporation | Use of hyaluronan in gene therapy |
US5977088A (en) * | 1991-07-03 | 1999-11-02 | Hyal Pharmaceutical Corporation | Formulations containing hyaluronic acid |
ES2149768T3 (es) * | 1992-03-25 | 2000-11-16 | Immunogen Inc | Conjugados de agentes enlazantes de celulas derivados de cc-1065. |
CA2089621A1 (en) * | 1993-02-16 | 1994-08-17 | Rudolf Edgar Falk | Formulations containing hyaluronic acid |
US5847002A (en) * | 1993-04-16 | 1998-12-08 | Hyal Pharmaceutical Corporation | Compositions, for inhibition, control and regression of angiogenesis, containing hyaluronic acid and NSAID |
US5744155A (en) * | 1993-08-13 | 1998-04-28 | Friedman; Doron | Bioadhesive emulsion preparations for enhanced drug delivery |
ITPD940054A1 (it) * | 1994-03-23 | 1995-09-23 | Fidia Advanced Biopolymers Srl | Polisaccaridi solfatati |
JP2000502322A (ja) * | 1995-09-14 | 2000-02-29 | ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・カンパニー | P53−関連腫瘍の処置におけるインスリン様成長因子結合性プロテイン3(igf−bp3) |
US5968972A (en) * | 1995-10-26 | 1999-10-19 | Baker Norton Pharmaceuticals, Inc. | Method for increasing the oral bioactivity of pharmaceutical agents |
AUPN814496A0 (en) * | 1996-02-19 | 1996-03-14 | Monash University | Dermal penetration enhancer |
KR100236771B1 (ko) * | 1997-04-01 | 2000-02-01 | 성재갑 | 히아루론산을 이용한 약물의 서방성 미세입자 제형 |
CA2175282A1 (en) * | 1996-04-29 | 1997-10-30 | Rudolf Edgar Falk | Use of forms of hyaluronic acid (ha) for the treatment of cancer |
US5756537A (en) * | 1996-11-08 | 1998-05-26 | Parkash S. Gill, M.D., Inc. | Regime for paclitaxel in Kaposi's sarcoma patients |
EP0891775A4 (en) * | 1996-12-27 | 2002-07-24 | Seikagaku Kogyo Co Ltd | MEDICINE FOR URBAN BLADDER DISORDERS |
DK0971961T3 (da) * | 1997-04-04 | 2003-03-24 | Fidia Advanced Biopolymers Srl | N-sulfaterede hyaluronsyreforbindelser, derivater deraf og en fremgangsmåde til deres fremstilling |
US6087350A (en) * | 1997-08-29 | 2000-07-11 | University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education | Use of pretreatment chemicals to enhance efficacy of cytotoxic agents |
GB9727524D0 (en) * | 1997-12-31 | 1998-02-25 | Pharmacia & Upjohn Spa | Synergistic antitumor composition containing a biologically active ureido compound |
US20020015724A1 (en) * | 1998-08-10 | 2002-02-07 | Chunlin Yang | Collagen type i and type iii hemostatic compositions for use as a vascular sealant and wound dressing |
IT1303735B1 (it) * | 1998-11-11 | 2001-02-23 | Falorni Italia Farmaceutici S | Acidi ialuronici reticolati e loro usi medici. |
ATE216998T1 (de) * | 1999-03-09 | 2002-05-15 | Sigma Tau Ind Farmaceuti | Camptothecin-derivate mit antitumor-wirkung |
IT1306643B1 (it) * | 1999-04-08 | 2001-10-02 | Fidia Advanced Biopolymers Srl | Processo per la preparazione dei composti autoreticolati dell'acidoialuronico e dei suoi derivati ottenibili mediante la tecnica |
US9066919B2 (en) * | 2000-07-14 | 2015-06-30 | Alchemia Oncology Pty Limited | Hyaluronan as a chemo-sensitizer in the treatment of cancer |
AUPQ879500A0 (en) * | 2000-07-14 | 2000-08-10 | Meditech Research Limited | Hyaluronan as cytotoxic agent, drug presensitizer and chemo-sensitizer in the treatment of disease |
CA2437417C (en) * | 2001-02-22 | 2016-07-26 | Anika Therapeutics, Inc. | Thiol-modified hyaluronan |
US20050042303A1 (en) * | 2001-08-27 | 2005-02-24 | Brown Tracey Jean | Therapeutic protocols |
WO2006047744A2 (en) * | 2004-10-26 | 2006-05-04 | Agennix Incorporated | Compositions of lactoferrin related peptides and uses thereof |
CA2616607C (en) * | 2005-07-27 | 2015-06-02 | Alchemia Oncology Pty Limited | Therapeutic protocols using hyaluronan |
MY149606A (en) * | 2005-09-07 | 2013-09-13 | Alchemia Oncology Pty Ltd | Therapeutic compositions comprising hyaluronan and therapeutic antibodies as well as methods of treatment |
-
2002
- 2002-08-27 US US10/479,934 patent/US20050042303A1/en not_active Abandoned
- 2002-08-27 JP JP2003522577A patent/JP2005505540A/ja active Pending
- 2002-08-27 CN CNA028214358A patent/CN1578677A/zh active Pending
- 2002-08-27 EP EP02759888A patent/EP1427447A4/en not_active Withdrawn
- 2002-08-27 WO PCT/AU2002/001160 patent/WO2003018062A1/en active IP Right Grant
- 2002-08-27 MX MXPA04001828A patent/MXPA04001828A/es not_active Application Discontinuation
- 2002-08-27 CA CA2458856A patent/CA2458856C/en not_active Expired - Fee Related
-
2009
- 2009-06-11 US US12/482,870 patent/US20090306012A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04504579A (ja) * | 1989-09-21 | 1992-08-13 | ハイアル ファーマスティカル コーポレイション | 症状及び疾病の治療 |
WO2000041730A1 (en) * | 1999-01-13 | 2000-07-20 | Meditech Research Limited | A composition and method for the enhancement of the efficacy of drugs |
Non-Patent Citations (7)
Title |
---|
JPN6009033599, Int. J. Pharmacol., 1994, 106, pp.161−166 * |
JPN6009033602, 平成8年度ヒューマンサイエンス基礎研究事業 官民共同プロジェクト研究報告 第4分野, 1997, pp.82−91 * |
JPN6009033605, Polymer Preprints, Japan, 1992, 41(3), pp.479 * |
JPN6009033608, Polymer Preprints, Japan, 1992, 42(3), pp.898 * |
JPN6010013028, 「5−FU注250協和」添付文書 * |
JPN6010013029, 「アドリアシン注用10」添付文書 * |
JPN6010013030, 「ドキシル注20mg」添付文書 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009502813A (ja) * | 2005-07-27 | 2009-01-29 | アルケミア オンコロジー ピーティーワイ リミテッド | ヒアルロナンを用いる治療プロトコル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20090306012A1 (en) | 2009-12-10 |
MXPA04001828A (es) | 2005-03-07 |
CA2458856C (en) | 2011-02-15 |
CN1578677A (zh) | 2005-02-09 |
US20050042303A1 (en) | 2005-02-24 |
EP1427447A4 (en) | 2007-05-23 |
CA2458856A1 (en) | 2003-03-06 |
EP1427447A1 (en) | 2004-06-16 |
WO2003018062A1 (en) | 2003-03-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11246876B2 (en) | Anti-cancer effects of JAK2 inhibitors in combination with thalidomide derivatives and glucocorticoids | |
US20090306012A1 (en) | Therapeutic protocols | |
US8287894B2 (en) | Hyaluronan as a drug pre-sensitizer and chemo-sensitizer in the treatment of disease | |
EP2307041B1 (en) | Tpo mimetic peptide for preventing hematological disorder associated with cancer treatment | |
KR20170085955A (ko) | 림프종의 치료 | |
EA032345B1 (ru) | Способ лечения рака с использованием кофермента q10 | |
JP2017503019A (ja) | 細胞回復のための組成物並びにその作製及び使用方法 | |
TW201701880A (zh) | 改善持續釋放藥物治療之藥物動力學及治療指數之方法 | |
JP2019052182A (ja) | 細胞復元のための無細胞組成物及び同組成物の作成及び使用方法 | |
US20230255948A1 (en) | Combination Therapy for Cancer | |
Zhang et al. | Doxorubicin-liposome combined with clodronate-liposome inhibits hepatocellular carcinoma through the depletion of macrophages and tumor cells | |
AU2002325635C1 (en) | Improved therapeutic protocols | |
AU2002325635A1 (en) | Improved therapeutic protocols | |
JP2009509974A (ja) | 抗癌治療 | |
EP3960177A1 (en) | Composition comprising ttf-ngr for use in treating soft-tissue sarcoma | |
JP2018518488A (ja) | 放射線増感剤として作用する多剤複合薬 | |
Zhang et al. | A programmable bispecific nano-immuno-engager promotes T cell homing and reprograms tumour microenvironment | |
Abed et al. | Nanoencapsulation of MDM2 Inhibitor RG7388 and Class-I HDAC Inhibitor Entinostat Enhances their Therapeutic Potential Through Synergistic Antitumor Effects and Reduction of Systemic Toxicity | |
JP2018012666A (ja) | 卵巣明細胞腺がん治療薬 | |
WO2013123478A1 (en) | Use of immunomodulators for the treatment of cancer |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050818 |
|
A524 | Written submission of copy of amendment under section 19 (pct) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524 Effective date: 20050818 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050818 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080911 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090707 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20091006 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20091014 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100107 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100316 |