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Description
本発明は、発明の名称に記載したような方法と装置に関する。更に詳しくは、延伸の実質的な部分が環状押出しダイの円形の出口オリフィスと引き抜き手段(ローラ、ベルト等)の間にセットされた環状摩擦手段によって生じる。この引き抜き手段は、フィルムが溶融状態または半溶融状態にあるときに、ダイからチューブを引っ張る。
本発明は直交積層体、すなわち2つまたはそれ以上フィルムからなる積層体の製造に特別な観点を着想した。フィルムはそれぞれ一軸方向に延伸されるかまたは両方向に延伸され、その際一方の方向が優勢であり、延伸直交の(優勢)方向で互いに積層される。これは実際にはチューブ状フィルムをほぼ一軸方向に延伸し、延伸付勢されたウェッブを形成するためにらせん状にフィルムを切断し、互いに十字延伸によって2つまたはそれ以上のウェッブを積層することによって達成される。
代替的にまたは補助的に、付勢時の延伸はほぼ溶融状態で、チューブ状フィルムを“ねじり”、押出しダイから引っ張ることによって達成可能である。
直交積層フィルムに関する技術の概要は本発明者の特許文献1に記載されている。
本発明の方法は更に正確に言うと、少なくとも1つの溶融熱可塑性材料の流れを、円形の押出しダイから押し出すことによって、チューブ状の延伸フィルムを形成するためのプロセスであって、このプロセス内で、ダイ内の円形の出口オリフィスから出た流れが冷却され、かつ少なくとも部分的にまだ溶融している間に少なくとも縦方向に延伸され、縦方向延伸が出口オリフィスと移動する引き抜き手段との間に生じる引張り力によって行われる、プロセスに関する。
このプロセスでは、少なくとも部分的にまだ溶融している流れが出口オリフィスと引き抜き手段との間を移動するときに環状装置(以下、摩擦装置)を通過して摩擦装置に摩擦接触し、この接触によって生じた摩擦力がこの摩擦装置に接触している間に、流れの温度または流れの張力の調節による方法以外の制御可能な方法で変更可能である。
この種の方法装置は特許文献2によって知られている。この発明は主として溶融状態で縦方向延伸を行い、主として“結晶化範囲”内で横方向延伸を行う。それによって、横方向延伸を得るためのブローイング効果が高められる。その点では、この技術は本発明の目的から逸脱している。本発明の目的は縦方向延伸を促進することである。しかしながら、特許文献2では、バブル内に環状のインサートが設けられている。このインサートは必然的にかつ不意に、フィルムに対する摩擦によってフィルムを縦方向に延伸する働きをする。環状インサートを取り囲む環状ノズルが設けられている。この環状ノズルはチューブとインサートの方に空気を吹き付ける。この段階で、チューブは“結晶化の範囲”である。これらの装置の機能は、フィルムの第1の部分“風船”を残りの部分から分離することである。これにより、熱可塑性材料が“結晶化の範囲”にもたらされたときに、チューブを正圧で強く吹き付けて“風船”にすることができる。同時に、材料が完全に溶融している領域では、風船内の圧力が大気圧近くに保たれる。それによって、横方向延伸が避けられる。
押し出されたチューブの内側の心金は、チューブの較正のために幅広く使用された。その例については、特許文献3と4が参照される。
WO−A−93/14928
DE−A−4308689
GB−A−2112703
EP−A−0285368
特許文献2における風船の外側からの強い空気冷却に加えて、上記のインサートの上流の風船内で、内部空気冷却が行われる。これはインサートを冷却するが、このインサートの温度の制御のための手段は開示されていない。押出されたチューブに対する摩擦は恐らく、インサートの所定の温度とインサートの下流の風船内の所定の圧力のために、チューブの方への空気吹き付け量によって制御可能である。しかしながら、技術水準はこのような摩擦制御について何ら述べていない。
Dutch Van Leer機構またはその子会社の1つに発行された1975年頃からの特許(発明者はこの出願時でなく後で確認できた)は固体状態でのチューブの内側の心金上にわたる、押し出しチューブの縦方向延伸に関する。一方、チューブは押出しダイから引っ張られる。
しかしながら実際には、大きな収縮力のために、この方法を実施することは非常に困難である。この収縮力は、固体のフィルムが引っ張られるきに生じ、チューブを心金に密着保持しようとする。
チューブ状延伸フィルムを形成するプロセスとそのための装置に関する本発明は、バブルの内側またはバブルの外側に配置することができる摩擦装置が流体冷却媒体によって内側から冷却され、流れと接触する摩擦装置の表面の温度を制御可能にし、この温度と摩擦が、摩擦装置と引き抜き手段の間で縦方向延伸に寄与するために制御可能であり、それによってチューブ状フィルム製品が縦方向に収縮可能であることを特徴とする。押出しフィルムの溶融範囲の上限で行われる収縮試験に関して、収縮性が好ましくは少なくとも約4の係数である。すなわち、フィルムは、収縮試験温度まで加熱されるときに、その長さ野4分の1またはその長さ以下だけ縦方向に収縮する。
チューブ状フィルムは、摩擦装置から出ると、縦方向延伸の間接触することができるかあるいは風船(バブル、気泡)の内側の空気圧がチューブの直径を維持するかあるいは横方向収縮させるためにチューブに空気を強く吹き付ける。このような吹き付けは通常は、後述する特別な安全対策を必要とする。
本発明を用いる際に、縦方向溶融延伸は高い精度で調節可能であり、および/またはきわめて強く行うことができる。これは複数の使用のため、特に直交積層での上記の使用のために重要である。
特に大きな溶融延伸を達成するために、本発明の実施形は、ポリマー材料またはその一部が溶融し、部分的に結晶化している間に延伸の主要な部分が行われることを特徴とする。ポリマー材料の少なくとも5%が延伸の間結晶化していると有利である。ポリマー流れが少なくとも2つの適合性のあるまたは適合したポリマーの混合物を含み、一方のポリマーの大部分が結晶状態であり、他方のポリマーの大部分が溶融状態である間に、延伸の主要な部分が行われると有利である。
本発明の他の実施形は、摩擦装置とフィルムの間の摩擦が空気潤滑によって制御され、この空気が摩擦装置の穴または微孔質金属に押し込まれ、空気が流れと接触する表面の少なくとも一つの領域を形成していることを特徴とする。
その代わりに、摩擦装置に逆らって流れを吸込むことによって摩擦を制御することができる。従って、微孔質金属または溝パターンを有する流れ接触面から、吸込むことができる。それによって、溝はダイ軸線の周りに円形である。溝は圧力下で制御される。
摩擦装置の引張り力は、正圧または負圧を当接するためのフィードバック手段を介して監視および使用される。この手段は摩擦を決定し、それによって延伸の程度が制御される。
押出しチューブ状フィルムが特別に厚い場合および/または特別な高分子量のポリマーからなっている場合、摩擦装置はフィルムの本体の溶融範囲内の表面温度または溶融範囲の上側の表面温度を有することができる。しかしながら、これは例外であり、フィルムが共押出され、この装置に面する側に低溶融表面層を有するときに、上記装置は通常、この表面層の溶融範囲よりも低い温度を有する。そうでないと、摩擦装置上でのフィルムの摩擦的でスムースな滑りを得ることが困難である。これは、接触の時間が短く、それによって非常に薄い表面層が固化し、フィルムの本体が予め決定された延伸温度の近くの温度を維持することを意味する。厚い固化層は摩擦装置を出るときに、フィルムの内部から熱によって再び溶融するかまたは部分的に溶融する。
きわめて強い摩擦制御延伸を達成するためには、延伸中のフィルム温度を、前述したように、結晶化範囲内または結晶化範囲の少し上方に保たなければならない。結晶化の下では、フィルムは通常、摩擦装置に衝突する前に効果的に冷却される。そのための本発明の実施形では、摩擦装置の上流において風船の内側または外側に、ほぼ環状、円筒状または円錐状の冷却部分(以下、衝撃冷却部分と言う)が設けられている。、流れはほぼ摩擦なしにまたは小さな摩擦で衝撃冷却部分を通過および接触し、例えば微孔質金属または穴からの空気潤滑によって達成される。この衝撃冷却部分はその内側から流体冷却媒体によって冷却され、熱の少なくとも半分を取り去るために充分に低い温度に保たれ、この熱が延伸にとって望ましい値まで流れの温度を下げるために必要な熱である。
摩擦装置の上流と、上記の衝撃冷却部分が使用されていればこの衝撃冷却部分の下流に、類似の構造の温度微調節部分としての部分(以下、温度微調節部分と言う)が設けられ、この温度微調節部分が環状、円錐形または円筒形であり、流れの平均温度を微調節するために適合している。
一連の次の装置部分、すなわち
a)オリフィスの片側を形成するダイ部分と、
b)もし設けられていれば冷却部分と、
c)もし設けられていれば温度微調節部分と、
d)摩擦装置
は低熱伝達連結による相互連結のために互いに密接している。
a)オリフィスの片側を形成するダイ部分と、
b)もし設けられていれば冷却部分と、
c)もし設けられていれば温度微調節部分と、
d)摩擦装置
は低熱伝達連結による相互連結のために互いに密接している。
この装置のすべての部分は、風船の同じ側で内側または外側に設けられている。
ダイから出るときにすぐにチューブ状フィルムを効果的に冷却するための好ましい方法では、出口オリフィスから出る流れがダイの軸線に対して少なくとも20°の角度をなし、運動の方向が軸線から離れるようにまたは軸線の方に向き、そして冷却部分で合流する。この冷却部分は出口オリフィスに近接しているかあるいは出口オリフィスの一方の側を形成するダイ部分に連結されている(勿論、出口オリフィスを形成する溝は、ダイ軸線に対して20°に近い角度またはそれ以上の角度をなしている。上記の冷却部分は、使用される場合には上記の衝撃冷却部分であってもよいし、使用される場合には上記の温度微調節手段であってもよいし、そうでない場合には摩擦装置であってもよい。流れが上記の部分を流れる領域の実質的な部分は、軸方向に見たときに丸められている。それによって、フィルムは、この部分または部分のこの組み立てに沿って移動する間に、ダイ軸線の方に少なくとも20°回転させられる。
ダイの出口のこの配置は、ダイの出口オリフィスがダイの外周面に設けられているかあるいはダイが内周部によって定められた中央のキャビティを備えている場合にダイの内周面に設けられていると、非常に好都合である。これは、押出しのスタートアップと関連して非常に実際的な配置である。というのは、溶融物質の保持が容易であり、環状の冷却および温度制御部分を経て溶融物質を容易に供給することができるからである。
従って、流れが軸線に対して90°または90°近くの角度でダイから離れると有利である。これは、通常は平らなダイを備えている取付け場所毎に、出口オリフィスの隙間を調節することできる。これを達成するために、出口オリフィスの少なくとも片側が唇部によって画成可能である。この唇部は取付け場所ごとにオリフィスの隙間の異なる調節を可能にするために充分に可撓性である。平らなダイの構造で知られている押し引きスクリューや一層高級装置のような簡単な機械的装置を使用することができる。
周辺押出し自体は知られている。例えばUS−A−2769200(Longstretch 等) 、US−A−3079636(Aykanian) 、US−A−3513504(Ronden等) 参照。これらの特許における周辺押出しの目的は、フィルムを損傷せずに、高い吹き付け比を達成することである。これらの特許は、方向を回転させるために環状装置の使用を開示していない。フィルムは上記方向に沿って横方向から軸方向に移動する。上記の特許は出口オリフィスに設けられた調節手段を開示していない。
上記のように、チューブ状フィルムは、摩擦装置によって引っ張られる間、縦方向延伸中に周囲で接触することが可能である。これにより、延伸は単軸となり、内側の圧力によって直径が維持されるかまたは比較的に高い正圧で吹き付けられ、それによって延伸の縦方向成分に加えて大きな横方向延伸が達成される。次の測定は、チューブ状フィルムが摩擦装置を出る前に、チューブ状フィルムに作用する正圧を回避するために行うことができる。
摩擦装置が風船の内側にあると、摩擦装置に当たる前に流れに含まれる空気部分(以下空気1と言う)は、摩擦装置から出た後の流れに含まれる空気(以下空気2と言う)から孤立し、空気2は周囲の大気圧りもはるかに高い圧力の下に保たれ、空気1の圧力はこの周囲の圧力にほぼ保たれている。摩擦装置が風船の外側に配置されていると、ダイと摩擦装置の間に、風船を取り囲む空気のための閉鎖スペースが設けられる。風船内の空気圧は周囲の圧力よりもはるかに高い圧力に保たれ、閉鎖スペース内の外側圧力は風船の内側の圧力にほぼ一致している。
前述のように、本発明の特に重要な用途は直交積層体の製造にある。そのためにおよび他の用途のために、ダイから出る流れは通常は2つ、3つまたはそれ以上の層の共押出し物である。主たる層は中央で引張り強さのための層であり、牛清掃および/またはヒートシール層は両表面層または一方の表面層である。直交積層体を製造するために、プロセスのパラメータはチューブ状フィルムの延伸に適合させるべきである。この延伸は主として縦方向であるかまたはチューブ内でらせん方向に追従する。主としてらせんまたは“スクリュー”状の延伸を行うために、引き抜き手段を形成する第1の端部と、摩擦装置、衝撃冷却部分(もしそれが使用されている場合)および“温度微調節部分”(もしそれが使用されている場合)を備えた押出しダイを形成する第2の端部との間で回転を行うことができる。
次に、図面を参照して本発明を詳しく説明する。図面はすべて、環状の押出しダイの軸線を通る断面を示している。
周辺の環状の共押出し機の外側部分が図1に示してある。この共押出し機は、本出願人の出願のWO−A−02/51617の図7〜9(本出願について優先権が請求される複数の特許出願の一つ)に詳細に示してあるダイを備えていると好都合である。ダイ自体の参照番号は上記出願の図から採用されている。ダイ軸線は一点鎖線(1)と平行であるが、矢印で示すように、実際の軸線は図において更に右側にある。勿論、周辺の共押出しダイの異なる構造を使用することができる。
ダイはボウルとディスクの形をした部分から組み立てられている。この部分のうち(5),(6),(7a),(7b)は図1から見える。3個の要素(A),(B),(C)はフィルムB/A/Cから共押出し成形される。本発明が直交積層されるフィルムを作るために使用されると、中間層を形成する(A)は主たる強度を与える層であり、(B),(C)の表面層は積層体および/またはヒートシールされた層を形成する(直交積層技術に関する上記特許参照)。これらの層は(A)よりも低い溶融レンジと、低い溶融粘度を有する。実際の例として、(A)は比較的に高い分子量の25%のホモポリプロピレンと、25%のHMWHDPE と50%のLLDPE からなる互換性(適合した)混合物である。(C)はヒートシール層として選択されるときには、単純なLLDPE であり、(B)は積層として選択されるきには、例えばEPDMのようなエチレンの低溶融共重合体または低溶融メタロセン・ポリエチレンまたはLLDPE との混合物またはLLDPE を備えたこのようなポリマーである。(B)は内部オリフィス(19)で(A)と合流し、(C)は内部オリフィス(20)で(A)と合流する。これらの2個のオリフィスは互いに直接隣接し、これは、表面成分が中央成分よりも低い溶融粘度を有するときに、流動学的な理由から非常に有利である。
合流する3つの成分は出口通路(18)を覆って出口(21)の方へ半径方向に進む。出口から出ると、チューブ状のB/A/Cフィルムが相変わらず半径方向に“摩擦装置”(101)の外面の方に引っ張られる。ここで、“摩擦装置”(101)の表面に追従して上方に曲げられる。この摩擦装置はトロイド(“ドーナツ形”)の一部を形成する。フィルムは移動中、摩擦装置(101)によって冷却され、そして空気潤滑される。しかし、これは、摩擦装置(101)とフィルムの間の摩擦が制御されるように、制御して行われる。摩擦はB/A/Cフィルム内の温度と組み合わさって、フィルムに生ぜしめられる縦方向の延伸を制御する。空気潤滑、温度制御および摩擦制御のための手段については後述する。
B/A/Cフィルムが摩擦装置(101)から離れると、バブル内の正圧によって、B/A/Cフィルムはその直径が大きくなり、それによって大きく横方向に延伸され、しかし、同軸でない延伸特性が好まされるときには、吹き込み率が非常に低くなるかまたは逆(収縮)であってもい。縦方向の延伸の間の大きな収縮力により、チューブが収縮するときに通常は風船(気泡、バブル)内に正圧が生じる。
B/A/Cフィルムが摩擦装置(101)から離れると、B/A/Cフィルムは(図示していない)空気によって更に冷却され、好ましくは外側と内側の両側が周知の方法で冷却される。フィルムは(図示していない)周知の方法で案内板と駆動ローラを用いて輸送され、その後通常は平らなフィルムのように巻き取られる。大きな延伸力のために、案内板の代わりにコンベヤベルトのセットを用いる必要があるかもしれない。その1つの応報が例えば上記のUS−A−3513504から知られている。
出口オイリフィス(21)において、ダイ唇部(25)が調節可能に形成されている。それによって、円周の周りで隙間を変化させ、それによって流れの不測の相違を補償することができる。これは、溝が、はっきりした円錐形またはチューブ状の代わりに、平らであるか(図示していない)あるいはほとんど平らであるときに、簡単に達成可能である。調節は円形の列のねじによって行うことができる。このねじの一つ(26)が示してある。簡単なねじとして示してあるが、プッシュプルねじでもよい。ねじの代わりに、例えば平らなダイの出口オリフィスの類似調節のために使用される熱膨張装置を用いてもよい。
既に述べたように、周辺押出しを行うことは新規ではない。そして、これに関連して出口オリフィスを調節することは知られている。しかしながら、本発明に関連して特に重要である。というのは、フィルムの厚さを達成するための普通の事前対策が困難にするからである。異なる円周位置での押出しチューブ状フィルムの異なる冷却方式でのこの普通の事前対策作業は、風船の局部空気冷却によってあるいはダイ唇部の異なる局部冷却によって行われる。しかしながら、このようなシステムは、本発明で使用されるフィルムの接触冷却と組合せられない。
摩擦装置(101)での空気潤滑とB/A/Cフィルムの冷却に関する詳細と、摩擦と温度を制御する手段に関する詳細について次に説明する。摩擦装置(101)は鋼で作ることができ、フィルムが通過する面のほぼ全部が、丸形の板(102)として示す、微孔質の金属によって作られている。この板は摩擦装置(101)の基礎の鋼部分にねじ止め可能である(異なるダイ部分を連結するために使用されるねじはいずれも図示していない)。微孔質の板は約0.01mmの孔の大きさを有すると有利である。空気潤滑のための圧縮空気はある数のパイプから供給される。図1には、このパイプの1つ(103)が示してある。溝の網が摩擦装置(101)内に分配されている。図はダイの軸線上にセンタリングされて円周状に延びる溝(104)を示している。図は溝(104)に対して垂直に延びる溝を示していない。すなわち、フィルムが非常に厚いときおよび/または非常に高い平均分子量のフィルムであるときに、或るケースでは、正圧の代わりに、吸引作用を加えることができる。
摩擦装置(101)は冷却流体、例えば水、油または空気を循環させるための環状の空洞(105)を備えている。循環流体は、摩擦装置(101)の表面の温度を数度内で制御することができる。そのために、表面に比較的に近接させて熱電対を設けることができる(図示していない)。
冷却流体は1本だけ示したパイプ(106)から環状空洞(105)内外に配向される。このパイプと上記または後述の他のパイプは、ダイの中央で大きな空洞を通過する。この空洞は特許出願WO−A−0251617の上記の図7から明らかである。冷却流体のためのパイプは循環ポンプと加熱/冷却ユニットに接続されている。同様に、上記のパイプは空気アキュムレータと、圧力調節手段を備えたコンプレッサ(吸引の場合には真空ポンプ)に接続されている。
摩擦装置(101)は多数(たとえ3個または4個)のアームを介してダイの部分(6)に固定されている。このアームは1本(107)だけ示してある。ダイ部分(6)は対応するアーム(108)を備えている。このアームはそれぞれ、熱絶縁板(109)を介してアーム(107)に固定されている。これは高温のダイ部分と低温の摩擦装置の間での多量の熱に移動を回避するためになされている。各々のアーム(107)は比較的に薄いブリッジ部分(110)を備えている。この薄さはフィルムの可変の引張りによって、測定可能な曲げの変化を達成するのに充分である。これらの薄い部分の少なくとも1つには、適当な動力計、例えばストレンゲージ装置(111)が付属している。この装置からの信号は正圧または真空を制御しかつフィルムと摩擦装置(101)の間の摩擦を減少または増加させる装置に供給される。従って、延伸が所望な値に維持される。(111)の曲がりに対して強すぎる抵抗を生じないようにするために、各パイプ(103),(106)および(112)(最後にパイプについては後述する)は波形セグメントからなっていてもよい(図示していない)。
内部の空気冷却と、セットされた吹き込み比を維持するために必要な空気圧は、慣用の装置によって得られる。この装置はダイの中央の上記の空洞を通過している。この装置は環境から閉鎖されている。ダイの部分(6)と摩擦装置(101)の間に設置された薄い板(113)は、圧力下に保持された風船の内側を、ダイと摩擦装置の間の空間(114)から分離する。この空間はパイプ(112)を介して周囲の圧力に保持される。分割板(113)がないと、フィルムは出口(21)から出るときに風船の内側の圧力によって破壊されるであろう。
大まかに言うと、フィルムをほぼ周囲温度まで冷却するために使用される熱の約半分が、接触冷却によって取り出され、普通の空気冷却システムがその後で使用されるので、搬出装置を備えた“タワー”は非常に短くすることが可能である。らせん状に延びる配向が所望される場合には、この搬出装置は軸線回りに回転し、平らなチューブ状フィルムは“タワー”の頂部に巻取り可能である。
主たる層がホモPP(約160°Cで凝固する)、HMWHDPE (約125°Cで凝固する)およびLLDPE (約120°Cで凝固する)の混合物からなる上記の例を用いると、フィルムは約220〜240°Cの温度で出口(21)から出て、便利な高い縦方向延伸を達成するために、かなりの量の引き抜きが130〜150°Cで行われる。充分に迅速な冷却を達成し、そして風船の内側の下側溶融表面層が(101)に付着しないようにするために、(101)は例えば約50°Cに冷却される。(101)の表面にわたるフィルムの移動長さは、フィルムが(101)を離れるときにフィルムの平均温度が125°Cまで下がらないように適応させなければならない。(101)に直接接触するフィルムの薄い部分はこの温度以下に冷却されて凝固するがしかし、フィルムが(101)から離れるときに再び溶融する。
縦方向の引き抜き比と温度と摩擦抵抗の間のバランスに依存して、大部分の引き抜きはPPが結晶する前または後で起こり得る。従って、出口(21)から離れる例えば2.5mmの厚さのフィルムは、PPが凝固する前に0.250mmの厚さまで引き抜くことができ、その後で0.05mmの厚さまで引き抜くことができる。
図2では、円形ダイの内側キャビティに通じる周辺出口からの押出しに関連して、ダイ軸線が一点鎖線(1)によって示している。このキャビティの上側部分は円形の板(115)によって大気に対して閉鎖されている。この板の上方において風船の内側に、正圧が保たれ、内部冷却が行われる。圧力を加える装置と冷却装置は図示していない。薄い板(113)によって、空間(114)が大気から分離され、この空間内の圧力がパイプ(112)を経て、風船の内側の圧力とほぼ同じ値に保たれる(風船はフィルムの左側に示してある)。他の観点では、図1に関連して説明したことに基づいて、図2を完全に理解することが可能である。
図1の説明から明らかなように、延伸と引き抜き比の最も所望な組合せを、図1,2に示した比較的に簡単な装置によって得ることは比較的に困難である。図3〜5に示した一層複雑な装置は、この関係を改善する。各々の構造体において、次の3個の独立した部分が使用されている。
a)衝撃冷却部分(16)、
b)温度微調節部分(117)および
c)摩擦装置(118)。
b)温度微調節部分(117)および
c)摩擦装置(118)。
この3個の部分は、断熱板(119)によって互いに断熱されている。3個の部分の各々は潤滑用空気を配向するための装置と(あるいは(118)の場合には空気を吸い込むための装置であってもよい)と、冷却/加熱液体を循環させるための装置を備えている。これらの装置は図1に関連して説明した装置に似ている。3個の部分は互いに独立して制御される。部分(116)と(117)を通過する間、ストレインゲージ装置(111)からの情報を用いて摩擦が制御される。破線(120)は溝を示している。空気潤滑のために使用される圧縮された空気が、この溝を通って逃げることができる。
図1,2に関連して説明したように、フィルムが出口(21)から離れるときに、フィルムの2つの側の間の大きな圧力差を避けることが重要である。これは分離された壁(121,122)を使用することによって達成される。
図6に示した摩擦装置(118)の変形では、摩擦が吸込みによって制御され、微孔質の金属を介して制御されない。その代わりに、この部分に溝(124)が設けられている。この溝は例えば約3mmのピッチと、約2mmの深さと、1mmの幅と、丸められた頂部(125)を備え、穴(123)から制御された真空が供される。
適当な材料からなる上記の例を使用すると、衝撃冷却部分(116)を約140〜150°Cにフィルムを冷却する温度に保つことができ、フィルムのこの温度を一層正確に調節するように温度微調節部分(117)を例えば145°Cに保つことができ、固着を防止するための部分(118)を50°Cに保つことができる。摩擦装置(118)の通過は時間がかからず、平均フィルム温度における降下は非常に低い。
Claims (35)
- 結晶化範囲を有する少なくとも一種の溶融熱可塑性材料の流れを、ダイ内の円形の出口オリフィスから押し出し、円形の押出しダイを出た溶融状態の熱可塑性材料の該流れを冷却し、かつ少なくとも縦方向に延伸し、該縦方向延伸は出口オリフィスと移動する引き抜き手段との間に生じる引張り力によって行われ、該流れは出口オリフィスと引き抜き手段との間を移動するときに環状摩擦装置を通りかつ環状摩擦装置に摩擦接触し、環状摩擦装置はチューブ状流れによって画定される風船の内側または風船の外側に配置することができる、少なくとも一種の熱可塑性材料のチューブ状の縦方向延伸フィルムを形成する方法であって、溶融熱可塑性材料の該流れを該ダイから押し出した後直ちに、該溶融状態の熱可塑性材料の該流れを環状摩擦装置に通し、そこで該流れを冷却して該流れの温度を融点から結晶化範囲内の温度に低下させる間に、該流れに、該摩擦装置の表面の穴もしくは微孔を通して吸引または空気潤滑を生じることによって該摩擦接触から生じる制御された摩擦抵抗を施すことを含む、チューブ状の縦方向延伸フィルムを形成する方法。
- 押出しフィルムの溶融範囲の上限で行われる収縮試験に関して、縦方向収縮性が、少なくとも4倍であり、それで長さが四分の一以下に短縮される、請求項1記載の方法。
- ポリマー材料が溶融から結晶化の範囲内にある間に、延伸の半分より多くが行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- ポリマー材料が溶融されている間に、ポリマー材料の少なくとも5%が結晶化されている間に、延伸の半分より多くが行われることを特徴とする、請求項3記載の方法。
- ポリマー流れが少なくとも2種の相溶性のまたは相溶化されたポリマーの混合物を含み、一方のポリマーが結晶状態にありおよび他方のポリマーが溶融状態にある間に、延伸の半分より多くが行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
- 前記空気潤滑を、空気を摩擦装置の穴もしくは微孔を通して押し出し、そして該押し出された空気が、流れが接触する摩擦装置の表面の少なくとも部分を形成するようにして実施する、ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
- 前記吸引を、穴もしくは微孔に通じる溝に負圧を加えて前記摩擦装置に向かって流れを吸引することによって実施する、ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
- 吸引を微孔質金属を通して加えることを特徴とする、請求項7記載の方法。
- 流れと接触する表面が溝パターンを備え、溝がダイ軸線の周りに環状であり、溝に風船の摩擦装置と接触しない表面にかかる圧力より低い制御される圧力を加えることを特徴とする、請求項7記載の方法。
- 摩擦装置に作用する引張り力が監視され、フィードバック手段によって摩擦を調節するために使用され、それによって延伸の程度が制御されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
- 摩擦装置の直ぐ上流において風船の内側または外側に、環状、円筒状または円錐状の衝撃冷却部分が設けられ、流れが摩擦なしに衝撃冷却部分を通過し、衝撃冷却部分がその内側から流体冷却媒体によって冷却され、そして流れの温度を結晶化範囲に下げるために必要な熱の少なくとも半分を取り去る程に低い温度に保たれることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
- 衝撃冷却部分を通過した流れが、微孔質金属または穴もしくは微孔を通る空気潤滑によって潤滑されることを特徴とする、請求項11記載の方法。
- 摩擦装置の直ぐ上流に、温度微調節部分が設けられ、この温度微調節部分が環状、円錐形または円筒形であり、流れが摩擦なしに温度微調節部分を通過し、流れの平均温度を微調節するために、温度微調節部分がその内側から流体熱交換媒体によって冷却または加熱されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
- 摩擦装置が風船の内側にあるとき、摩擦装置と接触する前の流れに含まれる空気の部分、すなわち空気1が、摩擦装置から出た後の流れに含まれる空気、すなわち空気2から孤立し、空気2が周囲の雰囲気の圧力よりも高い圧力に保たれ、空気1の圧力がこの周囲の圧力に保たれ、摩擦装置が風船の外側にあるときに、ダイと摩擦装置の間に、風船を取り囲む空気のための閉鎖スペースが設けられ、風船の内側の空気の圧力が、周囲の圧力よりも高い圧力に保たれ、前記閉鎖スペース内の外側の圧力が風船の内側の圧力に一致していることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
- 流れが少なくとも2つの層の共押出し物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
- らせん状に延伸されたチューブ状フィルムを製造するために、引き抜き手段を備えた第1の端部と、押出しダイおよび摩擦装置を備えた第2の端部との間で回転が行われることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
- チューブ状フィルムを切断して、延伸の方向が縦方向への角度を形成するウェッブを生成し、そしてそのような2つのウェッブを延伸の方向が交差するように配置させてなる直交積層体を形成する、請求項16記載の方法。
- 各々少なくとも2つのフィルムを延伸の主方向が交差するように互いに積層させてなる直交積層体を製造するための、請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法に従って製造されるチューブ状フィルムの使用。
- チューブ状フィルムが外部のヒートシール層または積層を含む共押出し物である、請求項18記載の方法。
- 溶融した材料が通って流れる円形の出口オリフィス(21)を有する環状ダイおよび、ダイを通して押し出される材料のチューブに、材料がまだ少なくとも一部溶融している間に、縦方向の張力を与えるための移動する引き抜き手段、そして出口オリフィス(21)と引き抜き手段との間にあって、ダイの直ぐ下流で熱可塑性材料の流れに接触するためにチューブの内側かまたは外側のいずれかに配置された環状の摩擦装置(101)、摩擦装置の表面に穴もしくは微孔(102,104)が備えられ、摩擦装置(101)の内部にキャビティ(105)が配置されそして流体熱交換媒体が該キャビティ(105)を通って流れ、それにより、溶融熱可塑性材料の該流れが該ダイから押し出された後直ちに、該流れは摩擦装置(101)の内側のキャビティ(105)を通って流れる流体熱交換媒体によって内側から温度制御される間に、該流れに、該摩擦装置の表面の穴もしくは微孔を通して吸引または空気潤滑を生じることによって該摩擦接触から生じる制御された摩擦抵抗が施されることを特徴とする、熱可塑性材料(A)を押出す装置。
- 穴もしくは微孔(123)または微孔質の金属(102)を通して摩擦装置に空気の内部に向かう流れを課すための真空ポンプを含む、請求項20記載の装置。
- 摩擦装置の表面が溝付きパターンを備え、この溝がダイ軸線周りに環状であることを特徴とする、請求項21記載の装置。
- 摩擦装置に加えられる引張り力を測定し、流れと摩擦装置との間の摩擦を制御するためにこの測定を使用するための手段(111)を備えていることを特徴とする、請求項21〜23のいずれか一つに記載の装置。
- 摩擦装置の上流の、環状、円筒形または円錐形の衝撃冷却部分(116)を備え、押し出された流れが衝撃冷却部分を摩擦なしに通過し、衝撃冷却部分がその内部(105)を通る冷却媒体の流れによって冷却され、それにより流れを冷却して結晶化範囲にするために必要な熱の少なくとも半分が、流れから取り除かれることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一つに記載の装置。
- 衝撃冷却部分(105)が、表面にわたる流れの通路を潤滑するために空気潤滑手段(102,104)を備えていることを特徴とする、請求項24記載の装置。
- 摩擦装置の直ぐ上流の、環状、円筒状または円錐形の温度微調節部分(117)を備え、摩擦装置にわたって、押し出された流れが摩擦なしに通過し、摩擦装置がその内部(105)を通る冷却媒体の流れによって冷却されることを特徴とする、請求項20〜25のいずれか一つに記載の装置。
- 出口オリフィス(21)がダイの外周面に設けられていることを特徴とする、請求項20〜26のいずれか一つに記載の装置。
- 摩擦装置(101)が風船の内側にあることを特徴とする、請求項20〜26のいずれか一つに記載の装置。
- 出口オリフィス(21)がダイの内周面に設けられていることを特徴とする、請求項20〜26のいずれか一つに記載の装置。
- 摩擦装置(101)が風船の外側にあることを特徴とする、請求項29記載の装置。
- 摩擦装置の後のチューブの内部の空間から、摩擦装置(101,118)の前のチューブの内部の空間(114)を孤立させための手段(113,121)を備え、および摩擦装置(101,118)の後の空間内に摩擦装置の前の空気圧より高い空気圧を加えるための手段(112)を備えていることを特徴とする、請求項28記載の装置。
- ダイと摩擦装置(101,118)との間の空間(114)を閉じるための手段(113,122)と、周囲よりも高い空気圧を閉鎖空間(114)内に加えるための手段と、風船内の空間を大気から孤立させかつ周囲よりも高い空気圧を風船内に加えるための手段(115)を備えていることを特徴とする、請求項30記載の装置。
- ダイが少なくとも2種の熱可塑性材料(A,B,C)を共押出すことを特徴とする、請求項20〜32のいずれか一つに記載の装置。
- 引き抜き手段が押出しダイ(5,6,7a,7b)と摩擦装置(101,118)に対して回転可能であることを特徴とする、請求項20〜33のいずれか一つに記載の装置。
- 引き抜き手段の後でチューブを切断して、配向の主方向が縦方向と角度を形成するウェッブを形成し、そしてそのような2つのウェッブを配向の主方向が交差するように積層するための手段を更に含む、請求項19〜33のいずれか一つに記載の装置。
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