JP2005505177A - 音声信号を再生する方法及び音声再生システム - Google Patents

Abstract

マイクロフォンを備えたヘッドフォンによる、音声信号を再生する方法において、少なくとも１つの外部音源からの不要な音声信号が、前記少なくとも１つの外部音源からの音声信号を反対の位相でシミュレートする音声信号によって補償される。前記反対の位相の音声信号は、第１のフィルタ装置において前記少なくとも１つの外部音源のオーディオ入力信号から得られた信号に応答して前記ヘッドフォンにおいて生成される。前記フィルタ装置は結果のマイクロフォン信号によって制御される。更に、必要な音声信号が、前記第１のフィルタ装置の対応する伝達関数と略等しい伝達関数を持つ第２のフィルタ装置において、更なるオーディオ入力信号から得られる信号に応答して前記ヘッドフォンにおいて生成される。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、音声信号を再生する方法、及び該方法を適用するためのマイクロフォンを備えたヘッドフォンを持つ音声再生システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えばデュアルウインドウのテレビジョンの場合のように、同一の部屋の中で２以上の人物が異なるオーディオ信号を聴きたい場合、前記人物の少なくとも１人は典型的にはヘッドフォンを装着する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
このような場合、理想的には、ヘッドフォンの聴取者は前記テレビジョンのラウドスピーカを聴いている人物と同じ音声の品質を聴取したいと欲する。このことは、前記ヘッドフォンにおけるラウドスピーカの寄与がキャンセルされるべきであり、改善された方法で必要なオーディオ信号が処理されるべきであることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
それ故、ラウドスピーカのような少なくとも１つの外部音源からの不要な信号の寄与をキャンセルするために、及び前記ヘッドフォンの聴取者がラウドスピーカの聴取者と同一の品質の音声信号を聴取するように必要なオーディオ信号を処理するために、本発明によれば、マイクロフォンを備えたヘッドフォンによって音声信号を再生する方法であって、少なくとも１つの外部音源からの不要な音声信号は、前記少なくとも１つの外部音源からの音声信号を反対の位相でシミュレートする音声信号によって補償され、前記反対の位相の音声信号は、第１のフィルタ装置において前記少なくとも１つの外部音源のオーディオ入力信号から得られる信号に応答して前記ヘッドフォンにおいて生成され、前記第１のフィルタ装置は結果のマイクロフォン信号によって制御され、必要な音声信号は、前記第１のフィルタ装置の対応する伝達関数と略等しい伝達関数を持つ第２のフィルタ装置において更なる音声入力信号から得られる信号に応答して前記ヘッドフォンにおいて生成される方法が備えられる。
【０００５】
従って、手短に言えば、本発明によれば、ヘッドフォンのための不要な信号又はノイズのキャンセルシステムが、ヘッドフォンのための必要な音声信号シミュレーションシステムと組み合わせられる。後者の音声信号は、音声が前記ラウドスピーカから出てくるように思われるように（仮想３Ｄ音声）シミュレートされる。
【０００６】
ヘッドフォンのための不要な信号又はノイズのキャンセルシステムは、特に例えば国際特許出願公開ＷＯ９４／３００２９より知られている。この文献においては、急速にノイズを変化させる、未知の低周波及び高周波をキャンセルするノイズキャンセルシステムが記載されている。ここでは、ヘッドフォンに含まれたマイクロフォンが、前記ヘッドフォンにおいて生成された音声信号をピックアップする。前記マイクロフォンからの信号に基づいて未知のノイズが推定され、その後ノイズキャンセルアルゴリズムによってアンチノイズ（anti-noise）信号が生成される。前記ヘッドフォンに供給されるこれらのアンチノイズ信号は、ノイズを減少させる。この方法の不利点は、全ての音声信号がある程度抑制されることである。本発明においては、この不利点が回避されることができ、一方で、既知の不要な音声信号がキャンセルされるため、好適な実施例においては、不要な音声信号（ノイズ）の推定が不要であり、前記不要な音声信号のキャンセルを容易化する。
【０００７】
更に、国際特許出願公開ＷＯ０１／４９０６６は、少なくとも１つの外部音源から来るように感じられる音声信号をシミュレートする音声再生システムを示していることに留意されたい。しかしながら、該音声再生システムは、不要な信号をキャンセルする方法を含んでいない。前記国際特許出願におけるシステムは、以下の２つのフェーズで動作可能である。第１のフェーズにおいては、フィルタ装置が、前記フィルタ装置に供給されるオーディオ入力信号によって、音声生成手段において前記オーディオ入力信号を補償する信号が生成されるように調節される。次いで、第２のフェーズにおいては、前記少なくとも１つの外部音源が動作不可能とされ、それにより前記音声生成手段は、前記少なくとも１つの外部音源をシミュレートする音声再生を提供する。前記第１のフェーズは、外部音源（ラウドスピーカ）から聴取者の耳の内部のヘッドフォン中のマイクロフォンへの伝達関数を測定するために導入される。前記音声は次いで、前記オーディオ信号をこれらの伝達関数に調節された前記フィルタ手段に通し、結果の音声を前記ヘッドフォンを通して再生することにより生成される。
【０００８】
初期化の間、前記第１及び第２のフィルタ装置の特性は、音源シミュレーションアルゴリズムによって計算されても良い。前記アルゴリズムは、前記マイクロフォン信号から得られ前記フィルタ特性を調節するために供給される信号が最小化され又は略ゼロとなるように前記特性を制御する。
【０００９】
前記マイクロフォン信号における必要な信号が前記フィルタ装置の調節を妨害することを防ぐために、訂正信号が前記マイクロフォン信号に供給される。前記訂正信号は、前記第２のフィルタ装置において必要なオーディオ入力信号から得られる。
【００１０】
好適な実施例においては、前記第２のフィルタ装置のオーディオ入力信号が、音声再生のための必要な入力信号の、及び前記マイクロフォン信号のためのマスキング信号の機能を持つ。
【００１１】
前記ヘッドフォンを装着している人物が幾らかの時間前記ラウドスピーカのリアルな音声信号を聴きたい場合、前記第２のフィルタ装置のオーディオ入力信号が、当該時間の間前記外部音源のオーディオ入力信号と略等しくされる。他の可能性はそれ故前記ヘッドフォンをスイッチオフすることである。
【００１２】
本発明はまた、音声生成手段及びマイクロフォンを備えたヘッドフォンと、制御手段とを有し、前記制御手段は、それぞれ少なくとも１つの外部音源を前記少なくとも１つの外部音源に供給されたものと同一の不要なオーディオ入力信号に応答して反対の位相でシミュレートし、及び必要な音声信号に帰着するオーディオ入力信号に応答して前記少なくとも１つの外部音源をシミュレートするために、前記音声生成手段によって生成された音声信号を制御するための第１及び第２のフィルタ装置と、前記マイクロフォンによって供給され前記制御手段に送られる信号が最小化される又は略ゼロであるように前記第１及び第２のフィルタ装置を調整する調整手段とを備えた、請求項１乃至６のいずれか一項に記載の方法を適用するための音声再生システムに関する。特に、前記第１及び第２のフィルタ装置は略同一である。
【００１３】
前記マイクロフォン信号中の必要な信号が前記フィルタ装置の調節を妨害することを防ぐために、前記制御手段は更に、前記必要なオーディオ入力信号から得られる訂正信号を用いて前記マイクロフォン信号を訂正するための結合手段及び訂正手段を有し、前記訂正手段の伝達関数は、前記マイクロフォンへの音声生成手段の伝達関数と略等しい。
【００１４】
前記第１のフィルタ装置の入力信号のための外部音源又はオーディオ入力チャネルよりも多くの、前記第２のフィルタ装置のオーディオ入力信号のためのオーディオ入力チャネルがあることが起こっても良い。この場合には、前記フィルタ装置のフィルタの幾つかは、前記フィルタ中のメモリに保存された固定されたテーブルの形で存在しても良い。
【００１５】
本発明は更に、上述の第１及び第２のフィルタ装置を処理するための、上述した方法において適用されるアルゴリズムに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
本発明は、以下に記載されるような例及び添付する図を参照しながら明らかとなり説明されるであろう。
【００１７】
説明される例においては、ラウドスピーカ１乃至５の形をとる５つの外部音源、即ちオーディオ中央チャネル、左及び右チャネル、並びにサラウンドチャネル用のものがある。これらのラウドスピーカのためのオーディオ入力信号はそれぞれｘ_Ｃ、ｘ_Ｌ、ｘ_Ｒ、ｘ_ＬＳ及びｘ_Ｒｓによって示され、一般にはｘ_ｉによって示される。図の中央において、人物の頭部が示されている。該人物は音声生成手段７及びマイクロフォン８を備えたヘッドフォン６を装着している。本発明による処理は、前記人物の左耳についてのみ考慮される。右耳についての処理は同様であるからである。マイクロフォン８は、ラウドスピーカ１乃至５からの及び音声生成手段７からの音声信号に応じてマイクロフォン信号ｍを供給する。音声生成手段７の入力信号は制御手段９によって供給される。該制御手段は、フィルタ１１乃至１５及び結合手段１６を備えたフィルタ装置１０、並びに調整装置１７を有する。フィルタ１１乃至１５の伝達関数は、それぞれｈ_Ｃ，Ｌ、ｈ_Ｌ，Ｌ、ｈ_Ｒ，Ｌ、ｈ_ＬＳ，Ｌ及びｈ_ＲＳ，Ｌによって示され、一般にはｘ_ｉ，Ｌによって示される。これらのフィルタの入力信号は、簡単さのため、前記ラウドスピーカ即ちそれぞれｘ_Ｃ、ｘ_Ｌ、ｘ_Ｒ、ｘ_ＬＳ及びｘ_ＲＳのための入力信号と同一となるように選択される。フィルタ装置１０は、信号Σｘ_ｉ・ｈ_ｉ，Ｌを音声生成手段７に供給する。この表現、及び以下の数学的な表現における「点」は、関連する信号及び関数の周波数ドメインにおける乗算及び時間ドメインにおける繰り込みを表す。
【００１８】
後に議論される、線２８及び結合手段２５介して音声生成手段７に供給される信号とは別に、マイクロフォン８によって確立される音声生成手段７の出力信号はｇｘ_Ｌ・Σｘ_ｉ・ｈ_ｉ，Ｌによって表されることができる。ここで、ｇｘ_Ｌは左のマイクロフォン８への音声生成手段７の伝達関数である。ラウドスピーカ１乃至５から左のマイクロフォン８への伝達関数が、ｇｘ_Ｃ，Ｌ、ｇｘ_Ｌ，Ｌ、ｇｘ_Ｒ，Ｌ、ｇｘ_ＬＳ，Ｌ及びｇｘ_ＲＳ，Ｌによって、一般にはｇｘ_ｉ，Ｌによって表される場合には、左のマイクロフォン８からの信号ｍは、以下によって表されることができる：
ｍ＝Σｘ_ｉ・[ｈ_ｉ，Ｌ・ｇｘ_Ｌ＋ｇｘ_ｉ，Ｌ]
フィルタ特性は、ｍが最小化されるように、理想的な状況においてｍ＝０となるように、前記調整手段において音源シミュレーションアルゴリズムによって計算され調整される。このことは、初期化の後、音声生成手段７からの信号が前記ラウドスピーカからの信号と等しいが反対の位相であり、従って前記フィルタによって前記ラウドスピーカからの音声信号がシミュレートされることを意味する。
【００１９】
初期化の間、マイクロフォン信号ｍが最小化されるようにフィルタ１１乃至１５が調節される場合、前記ラウドスピーカの所望のキャンセルが得られる。この場合においては、フィルタ１１乃至１５の伝達関数：ｈ_ｉ，Ｌ＝−ｇｘ_ｉ，Ｌ／ｇｘ_Ｌは固定される。
【００２０】
前記ヘッドフォンを装着した人物が移動即ち他の場所に行った場合、ラウドスピーカ１乃至５から前記マイクロフォンへの伝達関数は変化し、そのためフィルタ１１乃至１５の伝達関数は、もはやｍが最小化された形態とは一致しない。この場合において前記初期化は新たな位置について繰り返されることができるが、前記初期化フェーズにおいて、多くの頭部の位置及び／又は近隣の位置について、フィルタ特性のセットが確立され、調整手段１７において保存されると有利となり得る。例えばヘッドフォン６に取り付けられた既知のヘッドトラッカ２１によって、前記ヘッドフォンを装着した人物の頭部の位置が確立されることができ、それと共にフィルタ特性の特定のセットが選択されることができる。幾つかの場合においては、例えば、前記ヘッドトラッカのトラッキングレートが十分でないときは、固定されたフィルタ特性を持つフィルタ、又は前記ヘッドフォンを装着している人物の頭部が移動する度に連続的に測定される（更新される）フィルタ特性を持つフィルタが利用されることは有利である。
【００２１】
以上において、不要なオーディオ信号のための音声再生システムのキャンセル部分が説明された。以下においては、該音声再生システムの音声シミュレーション部分が説明される。
【００２２】
必要なオーディオ信号ｄ_ｃ、ｄ_Ｌ、ｄ_Ｒ、ｄ_ＬＳ、ｄ_ＲＳ、一般にはｄ_ｉを、それぞれラウドスピーカ１乃至５から来るように感じられるように再生するために、制御装置９はフィルタ１９乃至２３を備えた第２のフィルタ装置１８及び結合手段２４を有する。これらのフィルタ１９乃至２３はフィルタ１１乃至１５と略等しく、後者のフィルタと同様に調整手段１７によって保持される。実際的な実施例においては、同一の音源シミュレーションアルゴリズムが、フィルタ１１乃至１５及びフィルタ１９乃至２３について利用される。フィルタ装置１８は、結合手段２５においてフィルタ装置１０の出力信号に加算された信号Σｄ_ｉ・ｈ_ｉ，Ｌを、音声生成手段７に供給する。ここで、前記マイクロフォンからの信号は以下によって表されることができる：
Σ｛ｘ_ｉ・[ｈ_ｉ，Ｌ・ｇｘ_Ｌ＋ｇｘ_ｉ，Ｌ]＋ｄ_ｉ・ｈ_ｉ，Ｌ・ｇｘ_Ｌ｝
同一のフィルタ調節：ｈ_ｉ，Ｌ＝−ｇｘ_ｉ，Ｌ／ｇｘ_Ｌを維持するために、前記マイクロフォン信号は訂正される必要がある。それ故、フィルタ装置１８の出力信号は、音声生成手段７からマイクロフォン８への伝達関数と略同一の伝達関数を持つ訂正装置２６を通過させられる。前記マイクロフォン信号は、結合装置２７において、訂正装置２６の出力信号、即ちΣｄ_ｉ・ｈ_ｉ，Ｌ・ｇｘ_Ｌを用いて減少させられる。
【００２３】
好適な実施例においては、前記第１及び第２のフィルタ装置は全く同じフィルタ装置によって実現される。この場合においては、該フィルタ装置の入力信号はｘ_ｉ＋ｄ_ｉとなり、一方で結合装置２５の機能は前記全く同じフィルタ装置に統合され、それにより音声生成手段７に供給される後者のフィルタ装置の出力信号は同一のままである。しかしながら、このことは前記フィルタが適応モードでない場合にのみ当てはまる。
【００２４】
上述の音声再生システムによって、初期化の後、前記ラウドスピーカからの不要な信号は、特定の実施例においては前記ヘッドフォンを装着している人物が位置している前記ラウドスピーカが配置された部屋中の位置とは関係なく抑制され、一方で必要な信号が前記ラウドスピーカから来るかのようにシミュレートされる。
【００２５】
前記第２のフィルタ装置１８の入力信号は、残余信号、即ち非理想的なキャンセルの後に残った調整手段１７に送られるマイクロフォン信号をマスキングすることができる。信号ｄ_ｉが無い場合、信号ｄ_ｉが供給されている場合には聴こえない妨害する音声が聴かれる。従って、オーディオ信号ｄ_ｉは、音声再生のための所望の入力信号と、前記マイクロフォン残余信号のためのマスキング信号との、２重の機能を持つ。
【００２６】
前記ヘッドフォンを装着している人物が幾分かの間ラウドスピーカ１乃至５のリアルな音声信号を聴きたい場合、信号ｄ_ｉがその時間の間信号ｘ_ｉと略等しくされるような手段が提供される。他の可能性はそれ故、前記ヘッドフォンをスイッチオフするためのスイッチ手段の存在である。この場合においては前記ヘッドフォンの聴取者は前記ラウドスピーカの音声のみを聴取する。
【００２７】
以上説明された方法及び実施例は、少なくともその一部が、本発明による音声再生システムを有するオーディオ機器中の信号処理手段上で実行可能な、又は本発明による音声再生システムを有するオーディオ装置と協働することが可能なコンピュータプログラムの形態をとり得るアルゴリズムによって実現されても良い。図の一部が特定のプログラム可能な機能を実行するユニットを示す限りにおいて、これらのユニットは前記コンピュータプログラムの一部として考慮されることができる。
【００２８】
図には示されていないが、対応する制御手段が右耳における前記ラウドスピーカからの不要な信号を抑制するために、及び前記ラウドスピーカから来る必要な音声信号をシミュレートするために備えられることに留意されたい。
【００２９】
本発明は説明された実施例に限定されるものではない。変更が可能である。例えば、外部音源の数は重要ではない。入力チャネルｘ_ｉのためのラウドスピーカ又はオーディオ入力チャネルよりも多くの、オーディオ入力チャネルｄ_ｉのためのオーディオ入力チャネルがある場合、前記フィルタの幾つかはメモリ中に保存された固定されたテーブルの形で存在しても良い。
【００３０】
前記第１のフィルタ装置に供給される不要なオーディオ入力信号は、前記ラウドスピーカの不要なオーディオ入力信号と等しい必要はない。両方の入力信号の間に関連があれば十分である。更に、他の不要な信号又はノイズキャンセルシステムが、前記音声信号シミュレーションシステムと組み合わせられても良い。説明された実施例においては、不要な信号のキャンセルシステムが前記不要な信号が既知である場合について説明されたが、不要な信号のキャンセルシステムは、前記不要な信号が未知であり例えば国際特許出願公開ＷＯ９４／３００２９におけるように推定される必要がある場合に利用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明による音声再生システムを模式的に示す。

Claims (15)

1. マイクロフォンを備えたヘッドフォンによって音声信号を再生する方法であって、少なくとも１つの外部音源からの不要な音声信号は、前記少なくとも１つの外部音源からの音声信号を反対の位相でシミュレートする音声信号によって補償され、前記反対の位相の音声信号は、第１のフィルタ装置において前記少なくとも１つの外部音源のオーディオ入力信号から得られる信号に応答して前記ヘッドフォンにおいて生成され、前記第１のフィルタ装置は結果のマイクロフォン信号によって制御され、必要な音声信号は、前記第１のフィルタ装置の対応する伝達関数と略等しい伝達関数を持つ第２のフィルタ装置において更なる音声入力信号から得られる信号に応答して前記ヘッドフォンにおいて生成される方法。
2. 初期化の間、前記第１及び第２のフィルタ装置の特性は音源シミュレーションアルゴリズムによって計算され、前記アルゴリズムは、前記マイクロフォン信号から得られ前記フィルタ特性を調節するために供給される信号が最小化され又は略ゼロとなるように前記特性を制御する、請求項１に記載の音声信号を再生する方法。
3. 訂正信号が前記マイクロフォン信号に供給され、前記訂正信号は前記第２のフィルタ装置において前記必要なオーディオ入力信号から得られる、請求項２に記載の、音声信号を再生する方法。
4. 前記第２のフィルタ装置のオーディオ入力信号が、音声再生のための必要な入力信号の、及び前記マイクロフォン信号のためのマスキング信号の機能を持つ、請求項１乃至３のいずれか一項に記載の音声信号を再生する方法。
5. 前記ヘッドフォンを装着している人物が幾らかの時間前記ラウドスピーカのリアルな音声信号を聴きたい場合、前記第２のフィルタ装置のオーディオ入力信号が、当該時間の間前記外部音源のオーディオ入力信号と略等しくされる、請求項１乃至４のいずれか一項に記載の音声信号を再生する方法。
6. 前記ヘッドフォンを装着している人物が幾らかの時間前記ラウドスピーカのリアルな音声信号を聴きたい場合、前記ヘッドフォンがスイッチオフされる、請求項１乃至４のいずれか一項に記載の、音声信号を再生する方法。
7. 音声生成手段及びマイクロフォンを備えたヘッドフォンと、制御手段とを有し、前記制御手段は、それぞれ少なくとも１つの外部音源を前記少なくとも１つの外部音源に供給されたものと同一の不要なオーディオ入力信号に応答して反対の位相でシミュレートし、及び必要な音声信号に帰着するオーディオ入力信号に応答して前記少なくとも１つの外部音源をシミュレートするために、前記音声生成手段によって生成された音声信号を制御するための第１及び第２のフィルタ装置と、前記マイクロフォンによって供給され前記制御手段に送られる信号が最小化される又は略ゼロであるように前記第１及び第２のフィルタ装置を調整する調整手段とを備えた、請求項１乃至６のいずれか一項に記載の方法を適用するための音声再生システム。
8. 前記第１及び第２のフィルタ装置は略同一であることを特徴とする、請求項７に記載の音声再生システム。
9. 前記第１及び第２のフィルタ装置は、同一のフィルタ装置によって実現されることを特徴とする、請求項８に記載の音声再生システム。
10. 前記制御手段は更に、前記必要なオーディオ入力信号から得られる訂正信号を用いて前記マイクロフォン信号を訂正するための結合手段及び訂正手段を有し、前記訂正手段の伝達関数は、前記マイクロフォンへの音声生成手段の伝達関数と略等しいことを特徴とする、請求項７、８又は９に記載の音声再生システム。
11. 前記第１のフィルタ装置の入力信号のための外部音源又はオーディオ入力チャネルよりも多くの前記第２のフィルタのオーディオ入力信号のためのオーディオ入力チャネルがある場合、前記フィルタ装置のフィルタの幾つかは、前記フィルタ中のメモリに保存された固定されたテーブルの形で存在することを特徴とする、請求項７乃至１０のいずれか一項に記載の音声再生システム。
12. 請求項７乃至１１のいずれか一項に記載のフィルタ装置を処理するための、請求項１乃至６のいずれか一項に記載の方法において適用されるアルゴリズム。
13. 請求項７乃至１１のいずれか一項に記載の音声再生システムを備えたオーディオ機器。
14. 請求項７乃至１１のいずれか一項に記載の音声再生システムを有するオーディオ機器中の信号処理手段において動作可能な、又は前記オーディオ機器と協働することが可能なコンピュータプログラム。
15. 信号処理手段によって実行されるべき命令を担持する情報担体であって、前記命令は前記信号処理手段が請求項１乃至６のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能とするものである情報担体。