JP2005505172A - 位置に敏感な情報用の通信システムおよびその方法 - Google Patents
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Abstract
携帯装置（１００）は、短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク（１１４）およびワイド・エリア通信システム（１１６）と通信を行う。携帯装置（１００）は、短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク（１１４）から位置データを受信する。携帯装置（１００）は、短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク（１１４）から受信した位置データを含む、位置に敏感な情報をワイド・エリア通信システム（１１６）に対して生成する。
Description
【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般に通信システムに関し、より詳細には位置に敏感な情報（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｓｅｎｓｉｔｉｖｅ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）用の通信システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
短距離ワイヤレス通信およびパーソナル・エリア・ネットワーク通信機能は、ビジネス用のモバイル製品だけでなく、一般の家庭製品においても急速に普及すると考えられる。現在、ワイヤレス機能を有する多くの製品には互換性がない。短距離ワイヤレスＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＨｏｍｅＲＦ、およびＩＥＥＥ８０２．１１などのローカル・エリア・ネットワーク（ＷＬＡＮ）プロトコルの互換化に向けて歩んでいる。これら短距離ＷＬＡＮプロトコルは、低電力でしかも短距離で動作する。更に、これら短距離ＷＬＡＮプロトコルは、一般に無許可のスペクトルを用い、汎ヨーロッパ・ディジタル移動通信システム（Ｇｌｏｂａｌ Ｓｙｓｔｅｍ ｆｏｒ Ｍｏｂｉｌｅ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ：ＧＳＭ）などの機器も使用しているワイド・エリア通信プロトコルやＲｅＦＬＥＸ（登録商標）プロトコルとの間の調整がほとんどできない。
【０００３】
短距離ワイヤレス通信は、例えば、赤外線データ協会（ＩｒＤＡ）通信規格を用いることによって提供することができる。ＩｒＤＡは、ポイントツーポイントの狭角（３０度の円錐）の特定（ａｄ−ｈｏｃ）データ送信規格であり、０〜１メートルの距離で、毎秒９６００ビット〜毎秒１６メガビットの速度で動作するように設計されている。同様に、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ通信規格を用いることによって短距離通信を提供することができる。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈは、短距離のポイントツーマルチポイントの音声およびデータ転送規格であり、１０センチメートルから１０メートルまでの基準距離で動作するように設計されており、これは送信電力を増加させることによって、１００メートルまで延長させることができる。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈは、２．４ギガヘルツ無線周波数範囲で動作する。
【０００４】
ＩｒＤＡやＢｌｕｅｔｏｏｔｈ技術などの短距離ＷＬＡＮプロトコルによって、機器間を接続する多くの私有ケーブルの代わりに、１つの汎用短距離無線リンクを使用できるようになる。例えば、短距離ＷＬＡＮプロトコル技術は、今日ラップトップ・コンピュータと携帯電話機との間、プリンタ、個人情報端末、デスクトップ・コンピュータ、ファクシミリ、キーボード、およびジョイスティック間、あるいはその他の類似のディジタル機器間で接続するために用いられている、かさばるケーブルの代わりに用いることができる。更に、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い機、洗濯機および乾燥機、ステレオ、テレビジョン、ディジタル・ビデオ・ディスク、ビデオ・ゲーム、照明、洗浄、冷却および加熱システムなどの家電製品も、かかる短距離無線リンクを利用することができる。
【０００５】
低電力短距離プロトコルの潜在的用途には、周辺機器のワイヤレス接続、デスクトップ・コンピュータや有線ネットワークへの高速データ転送、および同じチャネルを同様のワイヤレス通信装置間で共有することによる短距離ＷＬＡＮの確立が含まれる。通常、短距離ＷＬＡＮでは、機器の１つがマスタとして機能し、その他はスレーブとして機能する。例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈシステムでは、ＷＬＡＮ内に７台までの活動中のスレーブが存在することができるが、それよりもかなり多くが、いわゆる停止状態（ｐａｒｋｅｄ ｓｔａｔｅ）で同じマスタにロックされたままとなっている可能性がある。これら停止ユニットは、チャネル上で活動する状態になることはできないが、マスタとの同期を取ったまま維持される。マスタは、常に活動中のユニットおよび停止ユニット双方に対して、チャネル・アクセスを制御している。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈシステムのマスタは、ポーリング方式を用いて、チャネル上でのトラフィックを制御する。一旦短距離ＷＬＡＮが確立されると、マスタ−スレーブの役割が交換されることもあり得る。衝突を回避するために、２つのスレーブ間の通信は、マスタ・ユニットを通じてでないと行うことはできない。
【０００６】
Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈシステムなどの短距離ＷＬＡＮの多くはスキャタネット（ｓｃａｔｔｅｒｎｅｔ）に対応している。スキャタネットとは、重複するカバレッジ・エリアを有する２つ以上のネットワークの組み合わせのことである。各ネットワークが有することができるマスタは１つのみである。しかし、１つのネットワークのマスタは、別のネットワークにおいてスレーブとして参加することができ、スレーブも異なるネットワークに時分割多重化で参加することができる。スキャタネット内部のネットワークは、時間同期も周波数同期もしていない。各ネットワークは、それ自体のホッピング・シーケンスを用いている。
【０００７】
最近、携帯装置の中に、装置の位置を決定する機能を組み込んだものがある。例えば、ワイヤレス通信システムが各基地局において方向検出機器を用いて、携帯装置の位置を決定することができる。装置の現在地は、２つ以上の送信基地局が同じ信号を受信する場合、三角測量法によって計算する。したがって、２つ以上の送信基地局が同じ信号を受信することができなければ、携帯装置の位置を正確に決定することができない。加えて、２つ以上の基地局が同じ信号を受信できたとしても、システムの携帯装置の位置を高い精度で決定する能力は、なおも携帯装置と基地局受信機との間の伝搬シグナリング経路がランダムであるために損なわれている。
【０００８】
同様に、携帯装置は、全地球測地システム（ＧＰＳ）用の受信機を含めば、その現在位置を決定することができる。全地球測地システム（ＧＰＳ）は、２４機の衛星およびそれらの地上局のコンスタレーションから形成される全世界規模の無線航行システムである。ＧＰＳは、これら「人工の星」を基準点として用いて、メートル単位の精度で位置を計算する。ＧＰＳ受信機は、宇宙にある衛星を、地球上の位置に対する基準点として用いる。ＧＰＳ受信機は、無線信号の伝達時間から距離を測定する。ＧＰＳ受信機の伝達時間を測定するタイミングは非常に正確である。ＧＰＳ受信機は、距離と共に、衛星が宇宙のどこにあるか正確に把握する。最後に、ＧＰＳ受信機は、信号が大気を伝達する際に生ずるあらゆる遅延を補正する。携帯装置に関する欠点として、装置内に位置判定部品を含ませることに伴うコストの上昇および大型化がある。
【０００９】
通常、短距離ＷＬＡＮは、携帯装置の位置を決定するためには、固定のスマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置を予め知っておくか、または携帯装置が通信に利用している短距離ＷＬＡＮネットワークの位置制限を把握する。このため、短距離ＷＬＡＮは、位置に敏感な情報を提供するために、携帯装置から現在位置を要求する必要がない。例えば、短距離ＷＬＡＮは、オフィス・ビル内に所定のスマート・ネットワーク・アクセス・ポイントを配したファイアウオールを有する私有ネットワークであり得る。このため、携帯装置がその現在地がわかっていなくても、自動販売機の位置、または装置の現在地から建物内の会議室に対する方向に関する情報は、かかる私有ネットワーク内部で得られる。
【００１０】
今日の通信システムの欠点の１つは、ローカル・エリア通信システムのみが位置データを有することにある。したがって、提供可能な情報は、ローカル・エリア通信システムを通じて要求された位置に敏感な情報しかない。携帯装置は、ローカル・エリア通信システムから独立して、位置に敏感な情報を受信する機能を有していない。装置ユーザにとって不利なことは、短距離ＷＬＡＮが、ワイド・エリア通信システムであれば提供できる、周囲エリアについての位置に敏感な情報を全く有することができないことにある。例えば、あるオフィスから会議室に対する方向は、オフィス・ビル内部の短距離ＷＬＡＮから与えることができるが、ファイアウオールの後ろに位置する同じ短距離ＷＬＡＮからは、昼食の日替わり特別メニューや、地元のシーフード・レストランへの道順を検索できるようにはなっていないことも考えられる。
【００１１】
位置決定機能が内蔵されていない携帯装置は、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションを用いることができないか、またはユーザが手作業で位置データを入力しなければならない。（即ち、番地［ｓｔｒｅｅｔ ａｄｄｒｅｓｓ］および都市名、または郵便番号［ｚｉｐ ｃｏｄｅ］を入力することによって）。例えば、この内蔵位置検出機能の欠如は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかの解決策がないことによる可能性があり、あるいは位置決定を可能にするために解決策が必要とする情報にアクセスすることができないためであるという可能性がある。位置データを手作業で入力することは、特に、ユーザが自身の自宅近くの地理的エリアから離れて移動する場合には、問題となり得る。
【００１２】
専用短距離ＷＬＡＮ機器は、短距離ＷＬＡＮ内で通信を行うために用いる通信機能には、１つの方法を内蔵するのが一般的である。これらの機器は、恐らく、その位置を知る必要がない。この理由は、これらが情報を受信することができるネットワークが、それらがどこにいるか正確に把握することができるためである。したがって、かかる機器にその現在位置を提供するとすれば、短距離ＷＬＡＮ帯域幅の非効率的な使用となる。この理由は、その帯域を他の機器が用いることができないためである。
【００１３】
携帯装置が内蔵位置決定機能を用いることなく、多数の通信方法を有する携帯装置のために、位置に敏感な情報の特定および通信の便宜を図るシステムおよび方法が求められている。（例えば、携帯装置の内蔵位置決定機能は、ハードウェアまたはソフトウェア解決策のいずれかの欠如のために、あるいは解決策が位置決定を可能にするために必要な情報にアクセスすることができないために、利用することができない。）更に、効率的かつ低コストで、個々のローカル・エリア通信ネットワークまたはシステムとは独立して、位置に敏感な情報に容易にアクセスできるようにするシステムおよび方法も求められている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
添付図面に示す、限定的なものではなく例示としての実施形態に沿って、本発明について説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。
要求に従って、本発明の詳細な実施形態をここに開示する。しかし、開示する実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明は種々の形態で具体化できることは言うまでもない。したがって、ここに開示する具体的な構造的および機能的詳細は、限定として解釈するのではなく、単に特許請求の範囲の基準として、そして事実上あらゆる適切な詳細構造に本発明を様々に採用するために当業者に教示する代表的基準として解釈するものとする。更に、ここで用いる用語や句は、限定としてではなく、逆に本発明の理解可能な説明を提示することを意図している。
【００１５】
図１を参照すると、短距離ＷＬＡＮ１１４およびワイド・エリア通信システム１６を有する通信システム１０が示される。図１に示すワイド・エリア通信システム１１６は、基地局１６を含み、同じ場所に配置した基地送信機１８および基地受信機２０が、図示のようなワイド・エリア有効領域をカバーする。典型的なワイド・エリア通信システムは、例えば、モトローラ・インコーポレーテッド（Ｍｏｔｏｒｏｌａ）のＲｅＦＬＥＸ（登録商標）メッセージング・プロトコルを利用することができる。
【００１６】
尚、本発明によるワイド・エリア通信システム１１６は、あらゆるワイヤレスＲＦチャネル、例えば、一方向または双方向ページャ・チャネル、移動セルラ電話チャネル、または移動無線チャネルを利用して機能できることは、当業者には認められよう。同様に、ワイド・エリア通信システム１１６は、赤外線チャネル、オーディオ・チャネル、およびローカル・エリア・ネットワークなどの、その他の種類の通信チャネルを利用しても機能できることは、当業者には認められよう。以下の説明では、「ワイド・エリア通信システム」という用語は、前述のシステムまたは均等物のいずれをも意味するものとする。
【００１７】
図１の通信システム１０は、通信システム１０内部で動作する複数の機器を含む。好ましくは、機器（即ち、パーソナル・コンピュータ２４、ワイヤレス通信装置２６、個人情報端末２８、プリンタ３０、およびコンピュータ３２）は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ技術などの短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いて短距離ＷＬＡＮ１１４のＷＬＡＮ有効領域３４内部で通信する機器である。尚、本発明による短距離ＷＬＡＮプロトコルは、ＩｒＤＡ、ＨｏｍｅＲＦ、およびＩＥＥＥ８０２．１１などのあらゆる短距離ワイヤレス・プロトコルを利用して機能できることは、当業者には認められよう。更に、これらの機器の一部、例えば、ワイヤレス通信装置２６は、ワイド・エリア通信システム１１６上でも動作可能であることも、当業者には認められよう。
【００１８】
図２は、本発明による図１の通信システム１０内部で用いる携帯装置１００の好適な実施形態の電気ブロック図である。尚、本発明による携帯装置１００は、図１のパーソナル・コンピュータ２４、ワイヤレス通信装置２６、個人情報端末２８、プリンタ３０、またはコンピュータ３２であってもよいことは、当業者には認められよう。更に、本発明による携帯装置１００は、移動携帯電話機、移動無線データ端末、データ端末が取り付けられている移動携帯電話機、またはシャウムバーグ（Ｓｃｈａｕｍｂｕｒｇ）所在のモトローラ・インコーポレーテッド（Ｍｏｔｏｒｏｌａ Ｉｎｃ．）が製造する「Ｐａｇｅｗｒｉｔｅｒ ２０００Ｘ」などの双方向ページャであってもよいことも当業者には認められよう。更に、携帯装置１００は、ワイヤレス通信機能を有する小型携帯パーソナル・コンピュータであってもよい。以下の説明では、「携帯装置」という用語は、前述の機器または均等物のいずれをも意味するものとする。
【００１９】
好ましくは、携帯装置１００は、短距離ワイヤレス送受信機１０２、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４、プロセッサ１０６、ユーザ・インターフェース１０８、ディスプレイ１１０、警報回路１１８、およびメモリ１１２を備える。
【００２０】
短距離ワイヤレス送受信機１０２は、携帯装置１００が、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ技術などの短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いて、短距離ＷＬＡＮ１１４内部で他の類似の機器と通信するための通信手段を提供する。短距離ワイヤレス送受信機１０２は、従来の復調技法を用いて、短距離ＷＬＡＮ１１４から通信信号を受信する。更に、短距離ワイヤレス送受信機１０２は、プロセッサ１０６に結合されており、プロセッサ１０６からのコマンドに応答する。短距離ワイヤレス送受信機１０２がプロセッサ１０６からコマンドを受信すると、短距離ワイヤレス送受信機１０２は信号を短距離ＷＬＡＮ１１４に送る。短距離ワイヤレス送受信機１０２は、フィルタ、ミキサ、小信号増幅器、復調器、ならびに短距離ＷＬＡＮプロトコルに応じて情報担持信号を受信、復調、デコード、および送信するために必要なその他の公知の要素等、当業者には公知の構成部品を含む。
【００２１】
ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、携帯装置１００がワイド・エリア通信プロトコルを用いてワイド・エリア通信システム１１６内部で通信するための通信手段を提供する。ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、従来の復調技法を用いて、ワイド・エリア通信システム１１６からの通信信号を受信する。更に、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、プロセッサ１０６に結合されており、プロセッサ１０６からのコマンドに応答する。ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４がプロセッサ１０６からコマンドを受信すると、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４はワイド・エリア通信システム１１６に信号を送る。ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、フィルタ、ミキサ、小信号増幅器、復調器、ならびにワイド・エリア通信システム１１６が用いるワイド・エリア通信プロトコルに応じて情報担持信号を受信、復調、デコード、および送信するために必要なその他の公知の要素等、当業者には公知の構成部品を含む。
【００２２】
携帯装置１００は、プロセッサ１０６を更に備える。プロセッサ１０６は、短距離ワイヤレス送受信機１０２に結合され、更にワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４にも結合され、短距離ワイヤレス送受信機１０２およびワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を制御する。プロセッサ１０６は、従来の信号処理技法を利用して、受信したメッセージを処理する。好ましくは、プロセッサ１０６は、イリノイ州シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造するＭＣ６８３２８マイクロ・コントローラと同等なものである。尚、他の類似のプロセッサもプロセッサ１０６に利用可能であり、プロセッサ１０６の処理要件に対応するために、同じ種類または別の種類の追加プロセッサも必要に応じて利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００２３】
プロセッサ１０６は、ディスプレイ１１０に結合されていることが好ましい。プロセッサ１０６は、メッセージを受信すると、コマンド信号をディスプレイ１１０に伝達し、メッセージの受信および記憶を示す視覚的通知を生成する。ディスプレイ１１０が、メッセージを受信し記憶したというコマンド信号をプロセッサ１０６から受信すると、メッセージ指示を表示する。例えば、メッセージ指示は、ディスプレイ１１０上にある複数のメッセージ・アイコンのうちの１つを活性することであり得る。更に、プロセッサ１０６は、コマンド信号をディスプレイ１１０に伝達し、装置の近似位置などの、装置ユーザに関心のあるその他のあらゆる情報を装置ユーザに通知する。ディスプレイ１１０は、プロセッサ１０６からのコマンド信号を受信すると、装置の近似位置などの必要な情報を表示し、装置ユーザに視覚的通知を行う。ディスプレイ１１０は、例えば、テキストを表示するために利用される液晶ディスプレイであってもよい。尚、ドット・マトリクス・ディスプレイなどの他の類似のディスプレイもディスプレイ１１０に利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００２４】
プロセッサ１０６は、ユーザ・インターフェース１０８に更に結合されており、これに応答することが好ましい。ユーザ・インターフェース１０８は、キーパッド、１つ以上のボタン、音声応答インターフェース、または携帯装置１００の装置ユーザが開始した手動応答とインターフェースするその他の何らかの同様な方法であってもよい。プロセッサ１０６は、ユーザ・インターフェース１０８から信号を受信すると、関連する機能を実施する。例えば、装置の近似位置の視覚的通知がディスプレイ１１０に表示されると、装置ユーザは、ユーザ・インターフェース１０８を介して、表示された装置の近似位置を受け入れるか、拒否することができる。
【００２５】
プロセッサ１０６は、警報回路１１８にも結合されていることが好ましい。プロセッサ１０６は、メッセージを受信して処理すると、メッセージを受信し記憶したことの通知として、警報回路１１８に対してコマンド信号を生成することが好ましい。更に、プロセッサ１０６は、携帯装置１００によって要求されるその他の任意の目的のためにも、警報回路１１８に対してコマンド信号を生成することができる。例えば、プロセッサ１０６から警報回路１１８へのコマンド信号は、装置ユーザに装置位置が変化したこと、短距離ＷＬＡＮ有効エリア３４（図１参照）から離れたこと、または位置に敏感な情報が入手できるようになったことを知らせるために生成され得る。警報回路１１８は、対応するスピーカ駆動回路を有し、メロディやその他の可聴警報を再生可能なスピーカ（図示せず）、対応するバイブレータ駆動回路を有し物理的振動を発生可能なバイブレータ、または対応するＬＥＤ駆動回路を有し視覚的警報を生成可能な１つ以上のＬＥＤ（図示せず）を含むことができる。尚、その他の同様な警報手段、ならびに前述の可聴、振動、および視覚警報出力のいずれの組み合わせでも、警報回路１１８には使用可能であることは、当業者には認められよう。
【００２６】
プロセッサ１０６は、携帯装置１００の必要な機能を実行するために、メモリ１１２に結合されており、情報のほか、本発明に従ってプロセッサ１０６をプログラムするソフトウェアを記憶している。メモリ１１２は、好ましくは、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）（図示せず）を含む。好適な実施形態では、メモリ１１２は、位置情報メモリ１２０、装置プロファイルメモリ１２２、発見ルーチン・メモリ１２４、通信処理メモリ１２６、および装置識別情報メモリ１２８を備える。
【００２７】
携帯装置１００は、メモリ１１２の位置情報メモリ１２０に、複数の位置データを記憶することが好ましい。複数の位置データは、短距離ＷＬＡＮ１１４から携帯装置１００の位置座標を要求する、プロセッサ１０６から短距離ワイヤレス送受信機１０２へのコマンドにより、携帯装置１００によって取得され得る。あるいは、装置位置座標などの複数の位置データは、携帯装置１００からの要求なしに、自動的に短距離ＷＬＡＮ１１４から受信されてもよい。例えば、短距離ＷＬＡＮ１１４は、複数の位置データを携帯装置１００に、短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いたメッセージとして、または短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いた別のメッセージへの添付（即ち、サービス発見処理の一部として）として送信し得る。次に、位置座標は、位置情報メモリ１２０内に、複数の位置データとして記憶される。例えば、複数の位置データが、現在地、現在の時刻のほか、以前の位置、および関連する以前の時刻を含んでいてもよい。尚、現在および以前の時刻は、短距離ＷＬＡＮ１１４によって決定され、他の位置データと共に携帯装置１００に送信され得ることは、当業者には認められよう。あるいは、携帯装置１００は、現在の時刻や以前の時刻の計算のためにクロック（図示せず）を有してもよい。本発明の好適な実施形態では、プロセッサ１０６は、短距離ＷＬＡＮ１１４の位置データを短距離ＷＬＡＮ１１４から受信し、この位置データを位置情報メモリ１２０に記憶する。プロセッサ１０６は、記憶した位置データを用いて、携帯装置１００の位置を概算することができる。
【００２８】
携帯装置および装置ユーザに有利なのは、携帯装置１００は、位置データを受信して位置情報メモリ１２０に記憶する際に、位置に敏感な情報を、短距離ＷＬＡＮ１１４のみならず、ワイド・エリア通信システム１１６など、短距離ＷＬＡＮ１１４とは独立した他のいずれの通信システムからでも要求できることにある。例えば、位置に敏感な情報は、特定の都市内にあるレストラン、ガソリン・スタンド、または地域の公園のリストであってもよい。また、位置に敏感な情報は、特定のオフィス・ビル内のオフィスのリストであってもよい。尚、位置に敏感な情報は、前述の項目またはその均等物のいずれでも可能であることは、当業者には認められよう。位置に敏感な情報は、インターネットを介して、または短距離ＷＬＡＮ１１４またはワイド・エリア通信システム１１６に接続されている他のいずれかのサーバに記憶されているデータベースを介して、短距離ＷＬＡＮ１１４またはワイド・エリア通信システム１１６によって取得され得る。更に、位置に敏感な情報は、短距離ＷＬＡＮ１１４またはワイド・エリア通信システム１１６によって、各システムのそれぞれのプロトコルを用いて、各システムに接続されている別の機器に情報を要求することによっても取得され得る。尚、位置に敏感な情報は、前述の情報源または均等物のいずれからでも取得可能であることは、当業者には認められよう。
【００２９】
この方法の利点は、携帯装置１００がその位置データを短距離ＷＬＡＮ１１４から取得でき、次に、その特定の位置に関連する位置に敏感な情報を、短距離ＷＬＡＮ１１４、ワイド・エリア通信システム１１６、および／または本来はかかる情報にアクセスすることができないその他の任意の独立した通信ネットワークからでも取得できることにある。このように携帯装置１００によるアクセスが不可能なのは、位置決定機能が内蔵されていないため、このような解決策のために余分なコストを節約する必要があるため、位置決定を実現する解決策が必要とする情報にアクセスできないため、またはその他のなんらかの同等の理由による可能性がある。
【００３０】
一実施形態では、複数の位置データは、携帯装置１００が複数の位置間を移動するのに伴い、定期的に更新される。例えば、飛行場内を歩き回っている人は、飛行場の他の地区内にある、所望のサービス、オフィス、レストラン、クラブ、トイレ、ゲート等の位置の情報を得ることができる。この人の携帯装置のアプリケーションは、この人が移動中に通過した各スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントから受信した位置座標などの位置データを利用して、携帯装置１００の位置データを更新し、更新した位置データを、携帯装置のディスプレイ１１０に表示することが好ましい。
【００３１】
携帯装置１００は、メモリ１１２の装置プロファイルメモリ１２２に、装置プロファイル情報を記憶する。装置プロファイル情報とは、例えば、装置のバッテリの寿命、装置のバッテリの容量、装置の処理能力、ならびに短距離ＷＬＡＮおよびワイド・エリア通信システム双方へのアクセスなどであり得る。更に、装置プロファイル情報は、ダイアル・アップ・ネットワーク接続、ファクシミリ、印刷、ＴＣＳ−バイナリ（Ｔｅｌｅｐｈｏｎｙ Ｃｏｎｔｒｏｌ／Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ ｆｏｒ ｐｈｏｎｅｓ）、ＴＣＳ−ＡＴ、パーソナル・エリア・ネットワーク（ＰＡＮ）、オーディオビジュアル（Ａ／Ｖ）、ＯＢＥＸ（Ｏｂｊｅｃｔ Ｅｘｃｈａｎｇｅ ｐｒｏｔｏｃｏｌ：オブジェクト交換プロトコル）、および静止画像などであり得る。好ましくは、プロファイルは、１組の規則であり、これに従うことにより当該プロファイルが相互運用可能となるものである。例えば、ＰＡＮプロファイルは、ＩＰ（インターネット・プロトコル）上で実行するＰＰＰ（ポイント・ツー・ポイント・プロトコル）を要求することができる。尚、本発明による携帯装置１００の装置プロファイル情報は、前述の技術イネーブラ（ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ｅｎａｂｌｅｒ）または均等物のいずれでも可能であることは当業者には認められよう。
【００３２】
更に、メモリ１１２は、発見ルーチン・メモリ１２４も備える。発見ルーチン・メモリ１２４は、サービス発見プロトコルをデコードする際にプロセッサ１０６の動作を制御するプログラムを記憶する。例えば、短距離ＷＬＡＮがＢｌｕｅｔｏｏｔｈプロトコルを用いる場合、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部のサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）が、装置にプログラムされたアプリケーションが、利用可能なサービスを発見し、これら利用可能なサービスの特徴を判定するための手段を提供する。サービス発見プロトコルには、装置が設けるサービスに関する情報を徐々に発見する機構が設けられている。これは、クライアントが特定のサービスを必要としないことと判断するために、交換する必要のあるデータ量を極力抑えることを意図している。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈのサービス発見機構は、自己完結型であり、したがって中央のサーバ／データベースへの登録を必要としない。初期接続および設定の後、携帯装置１００は短距離ＷＬＡＮ１１４に対してサービス要求を行う。サービス発見プロトコルは、短距離ＷＬＡＮ１１４内部においてＳＤＰクライアントおよびＳＤＰサーバ間の通信に関与する。ＳＤＰサーバは、当該ＳＤＰサーバに関連するサービスの特徴を記述したサービス・レコードのリストを維持している。各サービス・レコードは、単一のサービスに関する情報を格納している。クライアントは、ＳＤＰ要求を発行することによって、ＳＤＰサーバが維持しているサービス・レコードから情報を引き出すことができる。全地球測地システム（ＧＰＳ）レコードを作成し、要求時にこの情報をＳＤＰクライアントに提供するようにすることも可能である。このレコードは、ＧＰＳ衛星またはその他の情報源から得られる緯度、経度、緩和（ａｌｌｅｖｉａｔｉｏｎ）、および時刻を含むことができる。ＳＤＰレコード情報は、アクセス・ポイントのデータであってもよく、局所的に記憶される。尚、サービス発見プロトコルは、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部におけるサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）、または短距離ＷＬＡＮ１１４の短距離ＷＬＡＮプロトコルによって用いられる同等のサービス発見プロトコルであればいずれでも可能であることは当業者には認められよう。
【００３３】
メモリ１１２は、更に、短距離ＷＬＡＮ１１４が用いる短距離ＷＬＡＮプロトコルに従って通信を処理し、ワイド・エリア通信システム１１６が用いるワイド・エリア通信プロトコルに従って通信を処理するようにプロセッサ１０６をプログラムするための通信処理メモリ１２６も含む。
【００３４】
メモリ１１２は、更に、携帯装置１００を一意に識別する装置識別情報１２８も含む。携帯装置１００に割り当てられる装置識別情報１２８は、ワイド・エリア通信システム１１６内においても、短距離ＷＬＡＮ１１４においても固有の選択呼アドレスであることが好ましい。尚、ワイド・エリア通信システム１１６および短距離ＷＬＡＮ１１４において用いるために割り当てられる他の携帯装置にも装置識別情報が割り当てられ、これも固有の選択呼アドレスから成ることが好ましいことは、当業者には認められよう。装置識別情報１２８によって、ワイド・エリア通信システム１１６および／または短距離ＷＬＡＮ１１４から、指定された装置識別情報を有する携帯装置のみへのメッセージ送信が可能となる。また、装置識別情報１２８は、ワイド・エリア通信システム１１６および／または短距離ＷＬＡＮ１１４が受信する、携帯装置１００からのメッセージおよび応答を識別する。一実施形態では、携帯装置には個人識別番号も割り当てられており、個人識別番号は、公衆電話交換網（ＰＳＴＮ）内部における電話番号と関連付けられている。携帯装置のために割り当てられた個人識別番号および相関付けられた電話番号のリストが、加入者データベースの形式で端末に記憶されており、ワイド・エリア通信システム１１６および／または短距離ＷＬＡＮ１１４がこれを使用する。
【００３５】
図３は、本発明による図１の短距離ＷＬＡＮ１１４の好適な実施形態を示す。好ましくは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０はマスタとして機能し、携帯装置１００、プリンタ１３４、およびワイヤレス機器１３２など、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に結合されている複数の機器の各々はスレーブとして機能する。尚、本発明による複数の装置の各々は、移動携帯電話機、移動無線データ端末、データ端末が取り付けられている移動携帯電話機、またはイリノイ州シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造する「Ｐａｇｅｗｒｉｔｅｒ ２０００Ｘ」などの双方向ページャであってもよいことは当業者には認められよう。同様に、本発明による複数の装置の各々は、プリンタ、パーソナル・コンピュータ、または個人情報端末であってもよい。更に、複数の装置は、ワイヤレス通信機能を有する小型携帯パーソナル・コンピュータを含み得る。以下の説明では、「装置」という用語は、前述の装置のいずれかまたは均等物を意味する。あるいは、複数の装置の１つ以上は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の役割を果たし得ることも、当業者には認められよう。
【００３６】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、短距離ＷＬＡＮ１１４とワイド・エリア通信ネットワーク１１６との間のブリッジであり得る。同様に、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、迅速に変化する移動環境における複数の短距離ＷＬＡＮ間のブリッジであってもよい。短距離ＷＬＡＮ１１４内にある１つの機器は、ＧＳＰ受信機、または位置を判断しこれを移動中の別の機器にブロードキャストすることができる同様の手段を含むことが好ましい。あるいは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ電話提供ダイアル・アップ・ネットワークであってもよく、この場合、ＧＰＳ座標は、接続直後に、サービス・レコードにある携帯装置１００に伝達される。すると、携帯装置１００上のアプリケーションは、位置に敏感な情報を得るために、このデータを用いて位置要求（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｑｕｅｒｙ）を書式設定し得る。更に、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈに対応するファクシミリ機であってもよい。この場合、ファクシミリ機は、ファクシミリ機に格納されている、サービス発見レコードから受信したＧＰＳ座標を含むファクシミリを送ることができる。このデータを用いれば、受信側にファクシミリ機の位置を通知することができる。尚、本発明によるスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、前述のいずれかまたは均等物であってもよいことは、当業者には認められよう。
【００３７】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント（ＳＮＡＰ）１３０は、ＳＮＡＰメモリ１４２およびＳＮＡＰプロセッサ１４４を含むことが好ましい。ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、受信した情報を処理する従来の信号処理技法を利用する。好ましくは、ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造するＭＣ６８３２８マイクロ・コントローラと同等なものである。尚、他の類似のプロセッサもＳＮＡＰプロセッサ１４４に利用可能であり、ＳＮＡＰプロセッサ１４４の処理要件に対応するために、同じ種類または別の種類の追加プロセッサも必要に応じて利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００３８】
ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の必要な機能を実行するためにＳＮＡＰメモリ１４２に結合されており、情報のほか、本発明に従ってＳＮＡＰプロセッサ１４４をプログラムするためのソフトウェアを記憶している。ＳＮＡＰメモリ１４２は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）（図示せず）を含むことが好ましい。好適な実施形態では、ＳＮＡＰメモリ１４２は、ＳＮＡＰ位置情報メモリ１４６、ＳＮＡＰプロファイルメモリ１４８、ＳＮＡＰ発見ルーチン・メモリ１５０、およびＳＮＡＰ通信処理メモリ１５２を備える。
【００３９】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、ＳＮＡＰメモリ１４２のＳＮＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶することが好ましい。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４４が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＳＰシステムからブロードキャストされる複数のＧＳＰ信号を利用して場所位置（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｐｏｓｉｔｉｏｎ）を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力した短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。あるいは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、インターネットなどの有線アクセス・ポイントから位置データを得ることができる。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４０】
ＳＭＡＰ位置情報メモリ１４６に記憶される位置データは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０についての位置座標を含むことが好ましい。本発明によれば、ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の位置座標を含む登録情報を携帯装置１００に送り、携帯装置が短距離ＷＬＡＮ１１４にアクセスすることができるようにしている。携帯装置１００は、更に、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の位置座標を利用して、携帯装置１００の位置を概算する。
【００４１】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、ＳＮＡＰメモリ１４２のＳＮＡＰプロファイルメモリ１４８に、ＳＮＡＰプロファイル情報を記憶する。ＳＮＡＰプロファイル情報は、装置のバッテリの寿命、装置のバッテリの容量、装置の処理能力、ならびに短距離ＷＬＡＮおよびワイド・エリア通信システム双方へのアクセスなどであり得る。更に、装置プロファイル情報は、ダイアル・アップ・ネットワーク接続、ファクシミリ、印刷、ＴＣＳ−バイナリ、ＴＣＳ−ＡＴ、パーソナル・エリア・ネットワーク（ＰＡＮ）、オーディオビジュアル（Ａ／Ｖ）、ＯＢＥＸ、および静止画像などであり得る。尚、本発明によれば、ＳＮＡＰプロファイル情報は、前述の技術イネーブラ（ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ｅｎａｂｌｅｒ）または均等物のいずれでも可能であることは当業者には認められよう。
【００４２】
更に、メモリ１４２は、ＳＮＡＰ発見ルーチン・メモリ１５０も備える。ＳＮＡＰ発見ルーチン・メモリ１５０は、例えば、サービス発見プロトコルをデコードする際にＳＮＡＰプロセッサ１４４の動作を制御するプログラムを記憶する。例えば、短距離ＷＬＡＮがＢｌｕｅｔｏｏｔｈプロトコルを用いる場合、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部のサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）が、装置内のアプリケーションが、利用可能なサービスを発見し、これら利用可能なサービスの特徴を判定するための手段を提供する。尚、サービス発見プロトコルは、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部におけるサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）、または短距離ＷＬＡＮ１１４の短距離ＷＬＡＮプロトコルによって用いられる同等のサービス発見プロトコルであればそのいずれでもよいことは当業者には認められよう。
【００４３】
ＳＮＡＰメモリ１４２は、更に、短距離ＷＬＡＮ１１４が用いる短距離ＷＬＡＮプロトコルに従って通信を処理するようにＳＮＡＰプロセッサ１４４をプログラムするためのＳＮＡＰ通信処理メモリ１５２も含む。
【００４４】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、ネットワーク・バックボーン１３８に結合されている。好適な実施形態では、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、内蔵位置決定機能を有するワイヤレス機器１３２、例えば、ＧＰＳ機能内蔵の、ワイヤレス・アクセス・プロトコル（ＷＡＰ）に対応の移動電話機がネットワークにアクセスできるようにする。また、ネットワーク・バックボーン１３８には端末１４０も結合されている。端末１４０は、端末インターフェース１５４、端末プロセッサ１５６、および端末メモリ１５８を含む。
【００４５】
端末プロセッサ１５６は、短距離ＷＬＡＮ１１４の通信を処理し、短距離ＷＬＡＮ１１４を制御する。好適な実施形態では、端末プロセッサ１５６は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０と協働して、位置決定機能を内蔵したワイヤレス機器１３２が通信ネットワークにアクセスして、ワイヤレス機器１３２の位置座標を要求し、ワイヤレス機器１３２から位置座標を受信し、端末プロセッサ１５６が結合されている端末メモリ１５８に位置座標を記憶できるようにする。端末プロセッサ１５６は、従来の信号処理技法を利用して、受信した情報を処理する。好ましくは、端末プロセッサ１５６は、イリノイ州シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造するＭＣ６８３２８マイクロ・コントローラと同等なものである。尚、他の類似のプロセッサも端末プロセッサ１５６に利用可能であり、ＳＮＡＰプロセッサ１４４の処理要件に対応するために、同じ種類または別の種類の追加プロセッサも必要に応じて利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４６】
端末プロセッサ１５６は、端末インターフェース１５４に結合されており、オペレータが端末プロセッサ１５６の制御およびプログラミングを行えるようになることが好ましい。例えば、端末インターフェース１５４は、従来のキーパッドおよびディスプレイの組み合わせであってもよい。あるいは、端末１４０は、遠隔制御され、それ自体のキーボードを有さないネットワーク・ルータまたはブリッジであってもよい。尚、他の類似の種類の端末も、端末１５６の要件を満たすために利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４７】
端末プロセッサ１５６は、端末１４０の必要な機能を実行するために、端末メモリ１５８に結合され、情報のほか、本発明に従って端末プロセッサ１５６をプログラムするためのソフトウェアを記憶している。端末メモリ１５８は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）（図示せず）を含むことが好ましい。
【００４８】
図４は、本発明による図１の通信システムの動作の一実施形態を示すフロー図である。図４のフロー図は、短距離ＷＬＡＮ１１４と携帯装置１００との相互作用を示している。この処理は、ステップ１６０にて開始し、ここで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶する。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４４が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＰＳシステムからブロードキャストされる複数のＧＰＳ信号を利用して場所位置を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０または短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４９】
次に、ステップ１６２において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の存在を検出する。次に、ステップ１６４において、携帯装置１００は、それ自体がワイド・エリア通信機能を有する装置のクラスの一員であることを、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に明らかにする。例えば、携帯装置１００は、それ自体が図１のワイド・エリア通信システム１１６内において通信する機能を有することを明らかにする。次に、ステップ１６６において、携帯装置１００は、携帯装置１００の発見ルーチン・メモリ１２４に記憶されている発見ルーチンを用いて発見動作を開始する。次に、ステップ１６８において、処理は、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されているかどうかを判定する。携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されていない場合、処理は停止する。一方、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されている場合、処理はステップ１７０に移り、このステップで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、発見動作（ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ ｏｐｅｒａｔｉｏｎ）中に、位置データを携帯装置１００に送る。次に、ステップ１７２において、携帯装置１００は、ステップ１７０において受信した位置データを、携帯装置１００の位置情報メモリ１２０に記憶する。次に、ステップ１７４において、携帯装置１００は位置に敏感な情報を要求する。次に、ステップ１７６において、処理は、携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にあるかどうかを判定する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にある場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にない場合、処理はステップ１８０に移り、このステップで、位置情報メモリ１２０に記憶されている位置を携帯装置１００のユーザに示す。例えば、位置データは、ディスプレイ１１０上に表示することができる。次に、処理はステップ１８２に移り、このステップで、示した位置がユーザに受け入れ可能かどうかを判定する。例えば、ユーザは、携帯装置１００のユーザ・インターフェース１０８を用いて、位置を受け入れることができる。示した位置がユーザには受け入れることができない場合、ステップ１８３において、ユーザは手作業で現在位置を入力することができる。次に、ステップ１７８において、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。ステップ１８２において、示した位置がユーザに受け入れ可能である場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。
【００５０】
以上に記載したように、携帯装置１００は、短距離ＷＬＡＮ１１４から位置データを得ることによって、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションの利点を利用することができる。
【００５１】
図５は、本発明による図１の通信システムの動作の代替実施形態のフロー図である。図５のフロー図は、短距離ＷＬＡＮ１１４と携帯装置１００との間の相互作用を示している。この処理は、ステップ１６０にて開始し、ここで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＭＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶する。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４０が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＰＳシステムからブロードキャストされる複数のＧＰＳ信号を利用して場所位置を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０または短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００５２】
次に、ステップ１６２において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の存在を検出する。次に、ステップ１６４において、携帯装置１００は、それ自体がワイド・エリア通信機能を有する装置のクラスの一員であることを、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に明らかにする。例えば、携帯装置１００は、それ自体が図１のワイド・エリア通信システム１１６内において通信する機能を有することを明らかにする。次に、ステップ１６６において、携帯装置１００は、携帯装置１００の発見ルーチン・メモリ１２４に記憶されている発見ルーチンを用いて発見動作を開始する。次に、ステップ１６８において、処理は、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されているかどうかを判定する。携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されていない場合、処理は停止する。一方、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されている場合、処理はステップ１７０に移り、このステップで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、発見動作中に、位置データを携帯装置１００に送る。次に、ステップ１７２において、携帯装置１００は、ステップ１７０において受信した位置データを、携帯装置１００の位置情報メモリ１２０に記憶する。次に、ステップ１７４において、携帯装置１００は、位置に敏感な情報を要求する。次に、ステップ１７６において、処理は、携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にあるかどうかを判定する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にある場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。
【００５３】
携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にない場合、処理はステップ１８４に移り、このステップで、ステップ１７０の実行時（スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０が位置データを送る）と、ステップ１７４の実行時（携帯装置１００が位置に敏感な情報を要求する）との間の時間差「Ｍ」を判定する。次に、ステップ１８６において、時間差「Ｍ」を所定数「Ｎ」と比較する。所定数「Ｎ」は、好ましくは、携帯装置１００の位置が正確である信頼度が低い場合の時間差であり、このため、装置ユーザ（したがって、携帯装置１００も含む）が移動中のときには、位置に敏感な情報は装置ユーザにとって精度が低い可能性がある。時間差「Ｍ」が所定数「Ｎ」よりも小さい場合、処理はステップ１７８に移り、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。尚、ステップ１７８の位置に敏感な情報に対する要求が、時間差「Ｍ」を含んでいても、あるいは以前の位置（図示せず）からの経過時間を含んでいてもよいことは、当業者には認められよう。次に処理が停止する。尚、ワイド・エリア通信システム１１６は、位置に敏感な情報に対する要求を受信したことを受けて、位置に敏感な情報を生成し、この位置に敏感な情報を携帯装置１００に送信することが好ましいことは、当業者には認められよう。一実施形態では、ワイド・エリア通信システム１１６は、受信した時間差を用いて、携帯装置１００（図示せず）からの時間差を含んだ、位置に敏感な情報に対する要求を受信したことを受けて、位置に敏感な情報を決定する。代替実施形態では、ワイド・エリア通信システム１１６は、受信した以前の位置からの経過時間を用いて、以前の位置（図示せず）からの経過時間を含んだ、位置に敏感な情報に対する要求を受信したことを受けて、位置に敏感な情報を決定する。
【００５４】
時間差「Ｍ」が所定数「Ｎ」未満でない場合、処理はステップ１８８に移り、このステップで、「Ｍ」および「Ｎ」間の差に直接比例する周囲のエリアを含むように、位置に敏感な情報に対する要求を変更する。例えば、Ｍが５分、Ｎが１０分の場合、地元レストランの要求を、標準の要求である半径１マイルから、半径５マイルの要求に拡張する。この理由は、過ぎ去った５分間にユーザは数マイル移動しており、直前の基地の位置から半径１マイルでは、携帯装置ユーザの新たな位置で価値のある結果が得られないためである。尚、ステップ１８８において、周囲エリアは、このほか、郵便番号、群の境界、都市の境界などによって特徴付けられる地理的エリア、またはその他の同等な地理的エリア（図示せず）であればいずれでもよいことは、当業者には認められよう。次に、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。尚、ステップ１７８の位置に敏感な情報に対する要求が、時間差「Ｍ」を含んでいても、あるいは以前の位置（図示せず）からの経過時間を含んでいてもよいことは、当業者には認められよう。次に処理が停止する。
【００５５】
以上に記載したように、携帯装置１００は、短距離ＷＬＡＮ１１４から位置データを得ることによって、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションの利点を利用することができるという効果がある。
【００５６】
図６は、本発明による図１の通信システムの動作の代替実施形態を示すフロー図である。図６のフロー図は、短距離ＷＬＡＮ１１４と携帯装置１００との間の相互作用を示している。処理はステップ１６０にて開始し、ここで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＭＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶する。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４０が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＰＳシステムからブロードキャストされる複数のＧＰＳ信号を利用して場所位置を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０または短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００５７】
次に、ステップ１６２において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の存在を検出する。次に、ステップ１６６において、携帯装置１００は、携帯装置１００の発見ルーチン・メモリ１２４に記憶されている発見ルーチンを用いて発見動作を開始する。次に、ステップ１６８において、処理は、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されているかどうかを判定する。携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されていない場合、処理は停止する。
【００５８】
一方、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されている場合、処理はステップ１８９に移り、このステップで、携帯装置１００は発見動作を完了する。次に、ステップ１９０において、携帯装置は、位置検出サービス要求をスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に対して行う。次に、ステップ１９２において、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、位置検出サービス機能を確認する。次に、ステップ１９４において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０から位置データを要求する。次に、処理はステップ１７０に移り、このステップで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は位置データを携帯装置１００に送る。次に、ステップ１７２において、携帯装置１００は、ステップ１７０において受信した位置データを、携帯装置１００の位置情報メモリ１２０に記憶する。次に、ステップ１７４において、携帯装置１００は、位置に敏感な情報を要求する。次に、ステップ１７６において、処理は、携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にあるかどうかを判定する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にある場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にない場合、処理はステップ１８０に移り、このステップで、位置情報メモリ１２０に記憶されている位置を携帯装置１００のユーザに示す。例えば、位置データは、ディスプレイ１１０上に表示することができる。次に、処理はステップ１８２に移り、このステップで、示した位置がユーザに受け入れ可能かどうかを判定する。例えば、ユーザは、携帯装置１００のユーザ・インターフェース１０８を用いて、位置を受け入れることができる。示した位置がユーザには受け入れることができない場合、ステップ１８３において、ユーザは手作業で現在位置を入力することができる。次に、ステップ１７８において、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。ステップ１８２において、示した位置がユーザに受け入れ可能である場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。
【００５９】
以上に記載したように、携帯装置１００は、短距離ＷＬＡＮ１１４から位置データを得ることによって、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションの利点を利用することができるという効果がある。
【００６０】
以上、好適な実施形態に関して本発明を説明したが、本発明から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、かかる変形や変更は全て、添付した特許請求の範囲に規定されている本発明の主旨および範囲に該当するものと見なすと解釈することとする。
【図面の簡単な説明】
【００６１】
【図１】短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークおよびワイド・エリア通信システムを有する通信システムのブロック図。
【図２】本発明による図１の通信システム内部で使用する携帯装置の電気ブロック図。
【図３】本発明による図１の通信システムで使用する短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークの電気ブロック図。
【図４】本発明による図１の通信システムの動作を示すフロー図。
【図５】本発明による図１の通信システムの動作を示すフロー図。
【図６】本発明による図１の通信システムの動作を示すフロー図。
【０００１】
本発明は、一般に通信システムに関し、より詳細には位置に敏感な情報（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｓｅｎｓｉｔｉｖｅ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）用の通信システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
短距離ワイヤレス通信およびパーソナル・エリア・ネットワーク通信機能は、ビジネス用のモバイル製品だけでなく、一般の家庭製品においても急速に普及すると考えられる。現在、ワイヤレス機能を有する多くの製品には互換性がない。短距離ワイヤレスＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＨｏｍｅＲＦ、およびＩＥＥＥ８０２．１１などのローカル・エリア・ネットワーク（ＷＬＡＮ）プロトコルの互換化に向けて歩んでいる。これら短距離ＷＬＡＮプロトコルは、低電力でしかも短距離で動作する。更に、これら短距離ＷＬＡＮプロトコルは、一般に無許可のスペクトルを用い、汎ヨーロッパ・ディジタル移動通信システム（Ｇｌｏｂａｌ Ｓｙｓｔｅｍ ｆｏｒ Ｍｏｂｉｌｅ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ：ＧＳＭ）などの機器も使用しているワイド・エリア通信プロトコルやＲｅＦＬＥＸ（登録商標）プロトコルとの間の調整がほとんどできない。
【０００３】
短距離ワイヤレス通信は、例えば、赤外線データ協会（ＩｒＤＡ）通信規格を用いることによって提供することができる。ＩｒＤＡは、ポイントツーポイントの狭角（３０度の円錐）の特定（ａｄ−ｈｏｃ）データ送信規格であり、０〜１メートルの距離で、毎秒９６００ビット〜毎秒１６メガビットの速度で動作するように設計されている。同様に、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ通信規格を用いることによって短距離通信を提供することができる。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈは、短距離のポイントツーマルチポイントの音声およびデータ転送規格であり、１０センチメートルから１０メートルまでの基準距離で動作するように設計されており、これは送信電力を増加させることによって、１００メートルまで延長させることができる。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈは、２．４ギガヘルツ無線周波数範囲で動作する。
【０００４】
ＩｒＤＡやＢｌｕｅｔｏｏｔｈ技術などの短距離ＷＬＡＮプロトコルによって、機器間を接続する多くの私有ケーブルの代わりに、１つの汎用短距離無線リンクを使用できるようになる。例えば、短距離ＷＬＡＮプロトコル技術は、今日ラップトップ・コンピュータと携帯電話機との間、プリンタ、個人情報端末、デスクトップ・コンピュータ、ファクシミリ、キーボード、およびジョイスティック間、あるいはその他の類似のディジタル機器間で接続するために用いられている、かさばるケーブルの代わりに用いることができる。更に、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い機、洗濯機および乾燥機、ステレオ、テレビジョン、ディジタル・ビデオ・ディスク、ビデオ・ゲーム、照明、洗浄、冷却および加熱システムなどの家電製品も、かかる短距離無線リンクを利用することができる。
【０００５】
低電力短距離プロトコルの潜在的用途には、周辺機器のワイヤレス接続、デスクトップ・コンピュータや有線ネットワークへの高速データ転送、および同じチャネルを同様のワイヤレス通信装置間で共有することによる短距離ＷＬＡＮの確立が含まれる。通常、短距離ＷＬＡＮでは、機器の１つがマスタとして機能し、その他はスレーブとして機能する。例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈシステムでは、ＷＬＡＮ内に７台までの活動中のスレーブが存在することができるが、それよりもかなり多くが、いわゆる停止状態（ｐａｒｋｅｄ ｓｔａｔｅ）で同じマスタにロックされたままとなっている可能性がある。これら停止ユニットは、チャネル上で活動する状態になることはできないが、マスタとの同期を取ったまま維持される。マスタは、常に活動中のユニットおよび停止ユニット双方に対して、チャネル・アクセスを制御している。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈシステムのマスタは、ポーリング方式を用いて、チャネル上でのトラフィックを制御する。一旦短距離ＷＬＡＮが確立されると、マスタ−スレーブの役割が交換されることもあり得る。衝突を回避するために、２つのスレーブ間の通信は、マスタ・ユニットを通じてでないと行うことはできない。
【０００６】
Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈシステムなどの短距離ＷＬＡＮの多くはスキャタネット（ｓｃａｔｔｅｒｎｅｔ）に対応している。スキャタネットとは、重複するカバレッジ・エリアを有する２つ以上のネットワークの組み合わせのことである。各ネットワークが有することができるマスタは１つのみである。しかし、１つのネットワークのマスタは、別のネットワークにおいてスレーブとして参加することができ、スレーブも異なるネットワークに時分割多重化で参加することができる。スキャタネット内部のネットワークは、時間同期も周波数同期もしていない。各ネットワークは、それ自体のホッピング・シーケンスを用いている。
【０００７】
最近、携帯装置の中に、装置の位置を決定する機能を組み込んだものがある。例えば、ワイヤレス通信システムが各基地局において方向検出機器を用いて、携帯装置の位置を決定することができる。装置の現在地は、２つ以上の送信基地局が同じ信号を受信する場合、三角測量法によって計算する。したがって、２つ以上の送信基地局が同じ信号を受信することができなければ、携帯装置の位置を正確に決定することができない。加えて、２つ以上の基地局が同じ信号を受信できたとしても、システムの携帯装置の位置を高い精度で決定する能力は、なおも携帯装置と基地局受信機との間の伝搬シグナリング経路がランダムであるために損なわれている。
【０００８】
同様に、携帯装置は、全地球測地システム（ＧＰＳ）用の受信機を含めば、その現在位置を決定することができる。全地球測地システム（ＧＰＳ）は、２４機の衛星およびそれらの地上局のコンスタレーションから形成される全世界規模の無線航行システムである。ＧＰＳは、これら「人工の星」を基準点として用いて、メートル単位の精度で位置を計算する。ＧＰＳ受信機は、宇宙にある衛星を、地球上の位置に対する基準点として用いる。ＧＰＳ受信機は、無線信号の伝達時間から距離を測定する。ＧＰＳ受信機の伝達時間を測定するタイミングは非常に正確である。ＧＰＳ受信機は、距離と共に、衛星が宇宙のどこにあるか正確に把握する。最後に、ＧＰＳ受信機は、信号が大気を伝達する際に生ずるあらゆる遅延を補正する。携帯装置に関する欠点として、装置内に位置判定部品を含ませることに伴うコストの上昇および大型化がある。
【０００９】
通常、短距離ＷＬＡＮは、携帯装置の位置を決定するためには、固定のスマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置を予め知っておくか、または携帯装置が通信に利用している短距離ＷＬＡＮネットワークの位置制限を把握する。このため、短距離ＷＬＡＮは、位置に敏感な情報を提供するために、携帯装置から現在位置を要求する必要がない。例えば、短距離ＷＬＡＮは、オフィス・ビル内に所定のスマート・ネットワーク・アクセス・ポイントを配したファイアウオールを有する私有ネットワークであり得る。このため、携帯装置がその現在地がわかっていなくても、自動販売機の位置、または装置の現在地から建物内の会議室に対する方向に関する情報は、かかる私有ネットワーク内部で得られる。
【００１０】
今日の通信システムの欠点の１つは、ローカル・エリア通信システムのみが位置データを有することにある。したがって、提供可能な情報は、ローカル・エリア通信システムを通じて要求された位置に敏感な情報しかない。携帯装置は、ローカル・エリア通信システムから独立して、位置に敏感な情報を受信する機能を有していない。装置ユーザにとって不利なことは、短距離ＷＬＡＮが、ワイド・エリア通信システムであれば提供できる、周囲エリアについての位置に敏感な情報を全く有することができないことにある。例えば、あるオフィスから会議室に対する方向は、オフィス・ビル内部の短距離ＷＬＡＮから与えることができるが、ファイアウオールの後ろに位置する同じ短距離ＷＬＡＮからは、昼食の日替わり特別メニューや、地元のシーフード・レストランへの道順を検索できるようにはなっていないことも考えられる。
【００１１】
位置決定機能が内蔵されていない携帯装置は、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションを用いることができないか、またはユーザが手作業で位置データを入力しなければならない。（即ち、番地［ｓｔｒｅｅｔ ａｄｄｒｅｓｓ］および都市名、または郵便番号［ｚｉｐ ｃｏｄｅ］を入力することによって）。例えば、この内蔵位置検出機能の欠如は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかの解決策がないことによる可能性があり、あるいは位置決定を可能にするために解決策が必要とする情報にアクセスすることができないためであるという可能性がある。位置データを手作業で入力することは、特に、ユーザが自身の自宅近くの地理的エリアから離れて移動する場合には、問題となり得る。
【００１２】
専用短距離ＷＬＡＮ機器は、短距離ＷＬＡＮ内で通信を行うために用いる通信機能には、１つの方法を内蔵するのが一般的である。これらの機器は、恐らく、その位置を知る必要がない。この理由は、これらが情報を受信することができるネットワークが、それらがどこにいるか正確に把握することができるためである。したがって、かかる機器にその現在位置を提供するとすれば、短距離ＷＬＡＮ帯域幅の非効率的な使用となる。この理由は、その帯域を他の機器が用いることができないためである。
【００１３】
携帯装置が内蔵位置決定機能を用いることなく、多数の通信方法を有する携帯装置のために、位置に敏感な情報の特定および通信の便宜を図るシステムおよび方法が求められている。（例えば、携帯装置の内蔵位置決定機能は、ハードウェアまたはソフトウェア解決策のいずれかの欠如のために、あるいは解決策が位置決定を可能にするために必要な情報にアクセスすることができないために、利用することができない。）更に、効率的かつ低コストで、個々のローカル・エリア通信ネットワークまたはシステムとは独立して、位置に敏感な情報に容易にアクセスできるようにするシステムおよび方法も求められている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
添付図面に示す、限定的なものではなく例示としての実施形態に沿って、本発明について説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。
要求に従って、本発明の詳細な実施形態をここに開示する。しかし、開示する実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明は種々の形態で具体化できることは言うまでもない。したがって、ここに開示する具体的な構造的および機能的詳細は、限定として解釈するのではなく、単に特許請求の範囲の基準として、そして事実上あらゆる適切な詳細構造に本発明を様々に採用するために当業者に教示する代表的基準として解釈するものとする。更に、ここで用いる用語や句は、限定としてではなく、逆に本発明の理解可能な説明を提示することを意図している。
【００１５】
図１を参照すると、短距離ＷＬＡＮ１１４およびワイド・エリア通信システム１６を有する通信システム１０が示される。図１に示すワイド・エリア通信システム１１６は、基地局１６を含み、同じ場所に配置した基地送信機１８および基地受信機２０が、図示のようなワイド・エリア有効領域をカバーする。典型的なワイド・エリア通信システムは、例えば、モトローラ・インコーポレーテッド（Ｍｏｔｏｒｏｌａ）のＲｅＦＬＥＸ（登録商標）メッセージング・プロトコルを利用することができる。
【００１６】
尚、本発明によるワイド・エリア通信システム１１６は、あらゆるワイヤレスＲＦチャネル、例えば、一方向または双方向ページャ・チャネル、移動セルラ電話チャネル、または移動無線チャネルを利用して機能できることは、当業者には認められよう。同様に、ワイド・エリア通信システム１１６は、赤外線チャネル、オーディオ・チャネル、およびローカル・エリア・ネットワークなどの、その他の種類の通信チャネルを利用しても機能できることは、当業者には認められよう。以下の説明では、「ワイド・エリア通信システム」という用語は、前述のシステムまたは均等物のいずれをも意味するものとする。
【００１７】
図１の通信システム１０は、通信システム１０内部で動作する複数の機器を含む。好ましくは、機器（即ち、パーソナル・コンピュータ２４、ワイヤレス通信装置２６、個人情報端末２８、プリンタ３０、およびコンピュータ３２）は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ技術などの短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いて短距離ＷＬＡＮ１１４のＷＬＡＮ有効領域３４内部で通信する機器である。尚、本発明による短距離ＷＬＡＮプロトコルは、ＩｒＤＡ、ＨｏｍｅＲＦ、およびＩＥＥＥ８０２．１１などのあらゆる短距離ワイヤレス・プロトコルを利用して機能できることは、当業者には認められよう。更に、これらの機器の一部、例えば、ワイヤレス通信装置２６は、ワイド・エリア通信システム１１６上でも動作可能であることも、当業者には認められよう。
【００１８】
図２は、本発明による図１の通信システム１０内部で用いる携帯装置１００の好適な実施形態の電気ブロック図である。尚、本発明による携帯装置１００は、図１のパーソナル・コンピュータ２４、ワイヤレス通信装置２６、個人情報端末２８、プリンタ３０、またはコンピュータ３２であってもよいことは、当業者には認められよう。更に、本発明による携帯装置１００は、移動携帯電話機、移動無線データ端末、データ端末が取り付けられている移動携帯電話機、またはシャウムバーグ（Ｓｃｈａｕｍｂｕｒｇ）所在のモトローラ・インコーポレーテッド（Ｍｏｔｏｒｏｌａ Ｉｎｃ．）が製造する「Ｐａｇｅｗｒｉｔｅｒ ２０００Ｘ」などの双方向ページャであってもよいことも当業者には認められよう。更に、携帯装置１００は、ワイヤレス通信機能を有する小型携帯パーソナル・コンピュータであってもよい。以下の説明では、「携帯装置」という用語は、前述の機器または均等物のいずれをも意味するものとする。
【００１９】
好ましくは、携帯装置１００は、短距離ワイヤレス送受信機１０２、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４、プロセッサ１０６、ユーザ・インターフェース１０８、ディスプレイ１１０、警報回路１１８、およびメモリ１１２を備える。
【００２０】
短距離ワイヤレス送受信機１０２は、携帯装置１００が、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ技術などの短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いて、短距離ＷＬＡＮ１１４内部で他の類似の機器と通信するための通信手段を提供する。短距離ワイヤレス送受信機１０２は、従来の復調技法を用いて、短距離ＷＬＡＮ１１４から通信信号を受信する。更に、短距離ワイヤレス送受信機１０２は、プロセッサ１０６に結合されており、プロセッサ１０６からのコマンドに応答する。短距離ワイヤレス送受信機１０２がプロセッサ１０６からコマンドを受信すると、短距離ワイヤレス送受信機１０２は信号を短距離ＷＬＡＮ１１４に送る。短距離ワイヤレス送受信機１０２は、フィルタ、ミキサ、小信号増幅器、復調器、ならびに短距離ＷＬＡＮプロトコルに応じて情報担持信号を受信、復調、デコード、および送信するために必要なその他の公知の要素等、当業者には公知の構成部品を含む。
【００２１】
ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、携帯装置１００がワイド・エリア通信プロトコルを用いてワイド・エリア通信システム１１６内部で通信するための通信手段を提供する。ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、従来の復調技法を用いて、ワイド・エリア通信システム１１６からの通信信号を受信する。更に、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、プロセッサ１０６に結合されており、プロセッサ１０６からのコマンドに応答する。ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４がプロセッサ１０６からコマンドを受信すると、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４はワイド・エリア通信システム１１６に信号を送る。ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４は、フィルタ、ミキサ、小信号増幅器、復調器、ならびにワイド・エリア通信システム１１６が用いるワイド・エリア通信プロトコルに応じて情報担持信号を受信、復調、デコード、および送信するために必要なその他の公知の要素等、当業者には公知の構成部品を含む。
【００２２】
携帯装置１００は、プロセッサ１０６を更に備える。プロセッサ１０６は、短距離ワイヤレス送受信機１０２に結合され、更にワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４にも結合され、短距離ワイヤレス送受信機１０２およびワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を制御する。プロセッサ１０６は、従来の信号処理技法を利用して、受信したメッセージを処理する。好ましくは、プロセッサ１０６は、イリノイ州シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造するＭＣ６８３２８マイクロ・コントローラと同等なものである。尚、他の類似のプロセッサもプロセッサ１０６に利用可能であり、プロセッサ１０６の処理要件に対応するために、同じ種類または別の種類の追加プロセッサも必要に応じて利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００２３】
プロセッサ１０６は、ディスプレイ１１０に結合されていることが好ましい。プロセッサ１０６は、メッセージを受信すると、コマンド信号をディスプレイ１１０に伝達し、メッセージの受信および記憶を示す視覚的通知を生成する。ディスプレイ１１０が、メッセージを受信し記憶したというコマンド信号をプロセッサ１０６から受信すると、メッセージ指示を表示する。例えば、メッセージ指示は、ディスプレイ１１０上にある複数のメッセージ・アイコンのうちの１つを活性することであり得る。更に、プロセッサ１０６は、コマンド信号をディスプレイ１１０に伝達し、装置の近似位置などの、装置ユーザに関心のあるその他のあらゆる情報を装置ユーザに通知する。ディスプレイ１１０は、プロセッサ１０６からのコマンド信号を受信すると、装置の近似位置などの必要な情報を表示し、装置ユーザに視覚的通知を行う。ディスプレイ１１０は、例えば、テキストを表示するために利用される液晶ディスプレイであってもよい。尚、ドット・マトリクス・ディスプレイなどの他の類似のディスプレイもディスプレイ１１０に利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００２４】
プロセッサ１０６は、ユーザ・インターフェース１０８に更に結合されており、これに応答することが好ましい。ユーザ・インターフェース１０８は、キーパッド、１つ以上のボタン、音声応答インターフェース、または携帯装置１００の装置ユーザが開始した手動応答とインターフェースするその他の何らかの同様な方法であってもよい。プロセッサ１０６は、ユーザ・インターフェース１０８から信号を受信すると、関連する機能を実施する。例えば、装置の近似位置の視覚的通知がディスプレイ１１０に表示されると、装置ユーザは、ユーザ・インターフェース１０８を介して、表示された装置の近似位置を受け入れるか、拒否することができる。
【００２５】
プロセッサ１０６は、警報回路１１８にも結合されていることが好ましい。プロセッサ１０６は、メッセージを受信して処理すると、メッセージを受信し記憶したことの通知として、警報回路１１８に対してコマンド信号を生成することが好ましい。更に、プロセッサ１０６は、携帯装置１００によって要求されるその他の任意の目的のためにも、警報回路１１８に対してコマンド信号を生成することができる。例えば、プロセッサ１０６から警報回路１１８へのコマンド信号は、装置ユーザに装置位置が変化したこと、短距離ＷＬＡＮ有効エリア３４（図１参照）から離れたこと、または位置に敏感な情報が入手できるようになったことを知らせるために生成され得る。警報回路１１８は、対応するスピーカ駆動回路を有し、メロディやその他の可聴警報を再生可能なスピーカ（図示せず）、対応するバイブレータ駆動回路を有し物理的振動を発生可能なバイブレータ、または対応するＬＥＤ駆動回路を有し視覚的警報を生成可能な１つ以上のＬＥＤ（図示せず）を含むことができる。尚、その他の同様な警報手段、ならびに前述の可聴、振動、および視覚警報出力のいずれの組み合わせでも、警報回路１１８には使用可能であることは、当業者には認められよう。
【００２６】
プロセッサ１０６は、携帯装置１００の必要な機能を実行するために、メモリ１１２に結合されており、情報のほか、本発明に従ってプロセッサ１０６をプログラムするソフトウェアを記憶している。メモリ１１２は、好ましくは、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）（図示せず）を含む。好適な実施形態では、メモリ１１２は、位置情報メモリ１２０、装置プロファイルメモリ１２２、発見ルーチン・メモリ１２４、通信処理メモリ１２６、および装置識別情報メモリ１２８を備える。
【００２７】
携帯装置１００は、メモリ１１２の位置情報メモリ１２０に、複数の位置データを記憶することが好ましい。複数の位置データは、短距離ＷＬＡＮ１１４から携帯装置１００の位置座標を要求する、プロセッサ１０６から短距離ワイヤレス送受信機１０２へのコマンドにより、携帯装置１００によって取得され得る。あるいは、装置位置座標などの複数の位置データは、携帯装置１００からの要求なしに、自動的に短距離ＷＬＡＮ１１４から受信されてもよい。例えば、短距離ＷＬＡＮ１１４は、複数の位置データを携帯装置１００に、短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いたメッセージとして、または短距離ＷＬＡＮプロトコルを用いた別のメッセージへの添付（即ち、サービス発見処理の一部として）として送信し得る。次に、位置座標は、位置情報メモリ１２０内に、複数の位置データとして記憶される。例えば、複数の位置データが、現在地、現在の時刻のほか、以前の位置、および関連する以前の時刻を含んでいてもよい。尚、現在および以前の時刻は、短距離ＷＬＡＮ１１４によって決定され、他の位置データと共に携帯装置１００に送信され得ることは、当業者には認められよう。あるいは、携帯装置１００は、現在の時刻や以前の時刻の計算のためにクロック（図示せず）を有してもよい。本発明の好適な実施形態では、プロセッサ１０６は、短距離ＷＬＡＮ１１４の位置データを短距離ＷＬＡＮ１１４から受信し、この位置データを位置情報メモリ１２０に記憶する。プロセッサ１０６は、記憶した位置データを用いて、携帯装置１００の位置を概算することができる。
【００２８】
携帯装置および装置ユーザに有利なのは、携帯装置１００は、位置データを受信して位置情報メモリ１２０に記憶する際に、位置に敏感な情報を、短距離ＷＬＡＮ１１４のみならず、ワイド・エリア通信システム１１６など、短距離ＷＬＡＮ１１４とは独立した他のいずれの通信システムからでも要求できることにある。例えば、位置に敏感な情報は、特定の都市内にあるレストラン、ガソリン・スタンド、または地域の公園のリストであってもよい。また、位置に敏感な情報は、特定のオフィス・ビル内のオフィスのリストであってもよい。尚、位置に敏感な情報は、前述の項目またはその均等物のいずれでも可能であることは、当業者には認められよう。位置に敏感な情報は、インターネットを介して、または短距離ＷＬＡＮ１１４またはワイド・エリア通信システム１１６に接続されている他のいずれかのサーバに記憶されているデータベースを介して、短距離ＷＬＡＮ１１４またはワイド・エリア通信システム１１６によって取得され得る。更に、位置に敏感な情報は、短距離ＷＬＡＮ１１４またはワイド・エリア通信システム１１６によって、各システムのそれぞれのプロトコルを用いて、各システムに接続されている別の機器に情報を要求することによっても取得され得る。尚、位置に敏感な情報は、前述の情報源または均等物のいずれからでも取得可能であることは、当業者には認められよう。
【００２９】
この方法の利点は、携帯装置１００がその位置データを短距離ＷＬＡＮ１１４から取得でき、次に、その特定の位置に関連する位置に敏感な情報を、短距離ＷＬＡＮ１１４、ワイド・エリア通信システム１１６、および／または本来はかかる情報にアクセスすることができないその他の任意の独立した通信ネットワークからでも取得できることにある。このように携帯装置１００によるアクセスが不可能なのは、位置決定機能が内蔵されていないため、このような解決策のために余分なコストを節約する必要があるため、位置決定を実現する解決策が必要とする情報にアクセスできないため、またはその他のなんらかの同等の理由による可能性がある。
【００３０】
一実施形態では、複数の位置データは、携帯装置１００が複数の位置間を移動するのに伴い、定期的に更新される。例えば、飛行場内を歩き回っている人は、飛行場の他の地区内にある、所望のサービス、オフィス、レストラン、クラブ、トイレ、ゲート等の位置の情報を得ることができる。この人の携帯装置のアプリケーションは、この人が移動中に通過した各スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントから受信した位置座標などの位置データを利用して、携帯装置１００の位置データを更新し、更新した位置データを、携帯装置のディスプレイ１１０に表示することが好ましい。
【００３１】
携帯装置１００は、メモリ１１２の装置プロファイルメモリ１２２に、装置プロファイル情報を記憶する。装置プロファイル情報とは、例えば、装置のバッテリの寿命、装置のバッテリの容量、装置の処理能力、ならびに短距離ＷＬＡＮおよびワイド・エリア通信システム双方へのアクセスなどであり得る。更に、装置プロファイル情報は、ダイアル・アップ・ネットワーク接続、ファクシミリ、印刷、ＴＣＳ−バイナリ（Ｔｅｌｅｐｈｏｎｙ Ｃｏｎｔｒｏｌ／Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ ｆｏｒ ｐｈｏｎｅｓ）、ＴＣＳ−ＡＴ、パーソナル・エリア・ネットワーク（ＰＡＮ）、オーディオビジュアル（Ａ／Ｖ）、ＯＢＥＸ（Ｏｂｊｅｃｔ Ｅｘｃｈａｎｇｅ ｐｒｏｔｏｃｏｌ：オブジェクト交換プロトコル）、および静止画像などであり得る。好ましくは、プロファイルは、１組の規則であり、これに従うことにより当該プロファイルが相互運用可能となるものである。例えば、ＰＡＮプロファイルは、ＩＰ（インターネット・プロトコル）上で実行するＰＰＰ（ポイント・ツー・ポイント・プロトコル）を要求することができる。尚、本発明による携帯装置１００の装置プロファイル情報は、前述の技術イネーブラ（ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ｅｎａｂｌｅｒ）または均等物のいずれでも可能であることは当業者には認められよう。
【００３２】
更に、メモリ１１２は、発見ルーチン・メモリ１２４も備える。発見ルーチン・メモリ１２４は、サービス発見プロトコルをデコードする際にプロセッサ１０６の動作を制御するプログラムを記憶する。例えば、短距離ＷＬＡＮがＢｌｕｅｔｏｏｔｈプロトコルを用いる場合、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部のサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）が、装置にプログラムされたアプリケーションが、利用可能なサービスを発見し、これら利用可能なサービスの特徴を判定するための手段を提供する。サービス発見プロトコルには、装置が設けるサービスに関する情報を徐々に発見する機構が設けられている。これは、クライアントが特定のサービスを必要としないことと判断するために、交換する必要のあるデータ量を極力抑えることを意図している。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈのサービス発見機構は、自己完結型であり、したがって中央のサーバ／データベースへの登録を必要としない。初期接続および設定の後、携帯装置１００は短距離ＷＬＡＮ１１４に対してサービス要求を行う。サービス発見プロトコルは、短距離ＷＬＡＮ１１４内部においてＳＤＰクライアントおよびＳＤＰサーバ間の通信に関与する。ＳＤＰサーバは、当該ＳＤＰサーバに関連するサービスの特徴を記述したサービス・レコードのリストを維持している。各サービス・レコードは、単一のサービスに関する情報を格納している。クライアントは、ＳＤＰ要求を発行することによって、ＳＤＰサーバが維持しているサービス・レコードから情報を引き出すことができる。全地球測地システム（ＧＰＳ）レコードを作成し、要求時にこの情報をＳＤＰクライアントに提供するようにすることも可能である。このレコードは、ＧＰＳ衛星またはその他の情報源から得られる緯度、経度、緩和（ａｌｌｅｖｉａｔｉｏｎ）、および時刻を含むことができる。ＳＤＰレコード情報は、アクセス・ポイントのデータであってもよく、局所的に記憶される。尚、サービス発見プロトコルは、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部におけるサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）、または短距離ＷＬＡＮ１１４の短距離ＷＬＡＮプロトコルによって用いられる同等のサービス発見プロトコルであればいずれでも可能であることは当業者には認められよう。
【００３３】
メモリ１１２は、更に、短距離ＷＬＡＮ１１４が用いる短距離ＷＬＡＮプロトコルに従って通信を処理し、ワイド・エリア通信システム１１６が用いるワイド・エリア通信プロトコルに従って通信を処理するようにプロセッサ１０６をプログラムするための通信処理メモリ１２６も含む。
【００３４】
メモリ１１２は、更に、携帯装置１００を一意に識別する装置識別情報１２８も含む。携帯装置１００に割り当てられる装置識別情報１２８は、ワイド・エリア通信システム１１６内においても、短距離ＷＬＡＮ１１４においても固有の選択呼アドレスであることが好ましい。尚、ワイド・エリア通信システム１１６および短距離ＷＬＡＮ１１４において用いるために割り当てられる他の携帯装置にも装置識別情報が割り当てられ、これも固有の選択呼アドレスから成ることが好ましいことは、当業者には認められよう。装置識別情報１２８によって、ワイド・エリア通信システム１１６および／または短距離ＷＬＡＮ１１４から、指定された装置識別情報を有する携帯装置のみへのメッセージ送信が可能となる。また、装置識別情報１２８は、ワイド・エリア通信システム１１６および／または短距離ＷＬＡＮ１１４が受信する、携帯装置１００からのメッセージおよび応答を識別する。一実施形態では、携帯装置には個人識別番号も割り当てられており、個人識別番号は、公衆電話交換網（ＰＳＴＮ）内部における電話番号と関連付けられている。携帯装置のために割り当てられた個人識別番号および相関付けられた電話番号のリストが、加入者データベースの形式で端末に記憶されており、ワイド・エリア通信システム１１６および／または短距離ＷＬＡＮ１１４がこれを使用する。
【００３５】
図３は、本発明による図１の短距離ＷＬＡＮ１１４の好適な実施形態を示す。好ましくは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０はマスタとして機能し、携帯装置１００、プリンタ１３４、およびワイヤレス機器１３２など、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に結合されている複数の機器の各々はスレーブとして機能する。尚、本発明による複数の装置の各々は、移動携帯電話機、移動無線データ端末、データ端末が取り付けられている移動携帯電話機、またはイリノイ州シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造する「Ｐａｇｅｗｒｉｔｅｒ ２０００Ｘ」などの双方向ページャであってもよいことは当業者には認められよう。同様に、本発明による複数の装置の各々は、プリンタ、パーソナル・コンピュータ、または個人情報端末であってもよい。更に、複数の装置は、ワイヤレス通信機能を有する小型携帯パーソナル・コンピュータを含み得る。以下の説明では、「装置」という用語は、前述の装置のいずれかまたは均等物を意味する。あるいは、複数の装置の１つ以上は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の役割を果たし得ることも、当業者には認められよう。
【００３６】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、短距離ＷＬＡＮ１１４とワイド・エリア通信ネットワーク１１６との間のブリッジであり得る。同様に、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、迅速に変化する移動環境における複数の短距離ＷＬＡＮ間のブリッジであってもよい。短距離ＷＬＡＮ１１４内にある１つの機器は、ＧＳＰ受信機、または位置を判断しこれを移動中の別の機器にブロードキャストすることができる同様の手段を含むことが好ましい。あるいは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ電話提供ダイアル・アップ・ネットワークであってもよく、この場合、ＧＰＳ座標は、接続直後に、サービス・レコードにある携帯装置１００に伝達される。すると、携帯装置１００上のアプリケーションは、位置に敏感な情報を得るために、このデータを用いて位置要求（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｑｕｅｒｙ）を書式設定し得る。更に、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈに対応するファクシミリ機であってもよい。この場合、ファクシミリ機は、ファクシミリ機に格納されている、サービス発見レコードから受信したＧＰＳ座標を含むファクシミリを送ることができる。このデータを用いれば、受信側にファクシミリ機の位置を通知することができる。尚、本発明によるスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、前述のいずれかまたは均等物であってもよいことは、当業者には認められよう。
【００３７】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント（ＳＮＡＰ）１３０は、ＳＮＡＰメモリ１４２およびＳＮＡＰプロセッサ１４４を含むことが好ましい。ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、受信した情報を処理する従来の信号処理技法を利用する。好ましくは、ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造するＭＣ６８３２８マイクロ・コントローラと同等なものである。尚、他の類似のプロセッサもＳＮＡＰプロセッサ１４４に利用可能であり、ＳＮＡＰプロセッサ１４４の処理要件に対応するために、同じ種類または別の種類の追加プロセッサも必要に応じて利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００３８】
ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の必要な機能を実行するためにＳＮＡＰメモリ１４２に結合されており、情報のほか、本発明に従ってＳＮＡＰプロセッサ１４４をプログラムするためのソフトウェアを記憶している。ＳＮＡＰメモリ１４２は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）（図示せず）を含むことが好ましい。好適な実施形態では、ＳＮＡＰメモリ１４２は、ＳＮＡＰ位置情報メモリ１４６、ＳＮＡＰプロファイルメモリ１４８、ＳＮＡＰ発見ルーチン・メモリ１５０、およびＳＮＡＰ通信処理メモリ１５２を備える。
【００３９】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、ＳＮＡＰメモリ１４２のＳＮＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶することが好ましい。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４４が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＳＰシステムからブロードキャストされる複数のＧＳＰ信号を利用して場所位置（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｐｏｓｉｔｉｏｎ）を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力した短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。あるいは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、インターネットなどの有線アクセス・ポイントから位置データを得ることができる。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４０】
ＳＭＡＰ位置情報メモリ１４６に記憶される位置データは、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０についての位置座標を含むことが好ましい。本発明によれば、ＳＮＡＰプロセッサ１４４は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の位置座標を含む登録情報を携帯装置１００に送り、携帯装置が短距離ＷＬＡＮ１１４にアクセスすることができるようにしている。携帯装置１００は、更に、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の位置座標を利用して、携帯装置１００の位置を概算する。
【００４１】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、ＳＮＡＰメモリ１４２のＳＮＡＰプロファイルメモリ１４８に、ＳＮＡＰプロファイル情報を記憶する。ＳＮＡＰプロファイル情報は、装置のバッテリの寿命、装置のバッテリの容量、装置の処理能力、ならびに短距離ＷＬＡＮおよびワイド・エリア通信システム双方へのアクセスなどであり得る。更に、装置プロファイル情報は、ダイアル・アップ・ネットワーク接続、ファクシミリ、印刷、ＴＣＳ−バイナリ、ＴＣＳ−ＡＴ、パーソナル・エリア・ネットワーク（ＰＡＮ）、オーディオビジュアル（Ａ／Ｖ）、ＯＢＥＸ、および静止画像などであり得る。尚、本発明によれば、ＳＮＡＰプロファイル情報は、前述の技術イネーブラ（ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ｅｎａｂｌｅｒ）または均等物のいずれでも可能であることは当業者には認められよう。
【００４２】
更に、メモリ１４２は、ＳＮＡＰ発見ルーチン・メモリ１５０も備える。ＳＮＡＰ発見ルーチン・メモリ１５０は、例えば、サービス発見プロトコルをデコードする際にＳＮＡＰプロセッサ１４４の動作を制御するプログラムを記憶する。例えば、短距離ＷＬＡＮがＢｌｕｅｔｏｏｔｈプロトコルを用いる場合、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部のサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）が、装置内のアプリケーションが、利用可能なサービスを発見し、これら利用可能なサービスの特徴を判定するための手段を提供する。尚、サービス発見プロトコルは、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ内部におけるサービス発見プロトコル（ＳＤＰ）、または短距離ＷＬＡＮ１１４の短距離ＷＬＡＮプロトコルによって用いられる同等のサービス発見プロトコルであればそのいずれでもよいことは当業者には認められよう。
【００４３】
ＳＮＡＰメモリ１４２は、更に、短距離ＷＬＡＮ１１４が用いる短距離ＷＬＡＮプロトコルに従って通信を処理するようにＳＮＡＰプロセッサ１４４をプログラムするためのＳＮＡＰ通信処理メモリ１５２も含む。
【００４４】
スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、ネットワーク・バックボーン１３８に結合されている。好適な実施形態では、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、内蔵位置決定機能を有するワイヤレス機器１３２、例えば、ＧＰＳ機能内蔵の、ワイヤレス・アクセス・プロトコル（ＷＡＰ）に対応の移動電話機がネットワークにアクセスできるようにする。また、ネットワーク・バックボーン１３８には端末１４０も結合されている。端末１４０は、端末インターフェース１５４、端末プロセッサ１５６、および端末メモリ１５８を含む。
【００４５】
端末プロセッサ１５６は、短距離ＷＬＡＮ１１４の通信を処理し、短距離ＷＬＡＮ１１４を制御する。好適な実施形態では、端末プロセッサ１５６は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０と協働して、位置決定機能を内蔵したワイヤレス機器１３２が通信ネットワークにアクセスして、ワイヤレス機器１３２の位置座標を要求し、ワイヤレス機器１３２から位置座標を受信し、端末プロセッサ１５６が結合されている端末メモリ１５８に位置座標を記憶できるようにする。端末プロセッサ１５６は、従来の信号処理技法を利用して、受信した情報を処理する。好ましくは、端末プロセッサ１５６は、イリノイ州シャウムバーグ所在のモトローラ・インコーポレーテッドが製造するＭＣ６８３２８マイクロ・コントローラと同等なものである。尚、他の類似のプロセッサも端末プロセッサ１５６に利用可能であり、ＳＮＡＰプロセッサ１４４の処理要件に対応するために、同じ種類または別の種類の追加プロセッサも必要に応じて利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４６】
端末プロセッサ１５６は、端末インターフェース１５４に結合されており、オペレータが端末プロセッサ１５６の制御およびプログラミングを行えるようになることが好ましい。例えば、端末インターフェース１５４は、従来のキーパッドおよびディスプレイの組み合わせであってもよい。あるいは、端末１４０は、遠隔制御され、それ自体のキーボードを有さないネットワーク・ルータまたはブリッジであってもよい。尚、他の類似の種類の端末も、端末１５６の要件を満たすために利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４７】
端末プロセッサ１５６は、端末１４０の必要な機能を実行するために、端末メモリ１５８に結合され、情報のほか、本発明に従って端末プロセッサ１５６をプログラムするためのソフトウェアを記憶している。端末メモリ１５８は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）（図示せず）を含むことが好ましい。
【００４８】
図４は、本発明による図１の通信システムの動作の一実施形態を示すフロー図である。図４のフロー図は、短距離ＷＬＡＮ１１４と携帯装置１００との相互作用を示している。この処理は、ステップ１６０にて開始し、ここで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶する。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４４が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＰＳシステムからブロードキャストされる複数のＧＰＳ信号を利用して場所位置を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０または短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００４９】
次に、ステップ１６２において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の存在を検出する。次に、ステップ１６４において、携帯装置１００は、それ自体がワイド・エリア通信機能を有する装置のクラスの一員であることを、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に明らかにする。例えば、携帯装置１００は、それ自体が図１のワイド・エリア通信システム１１６内において通信する機能を有することを明らかにする。次に、ステップ１６６において、携帯装置１００は、携帯装置１００の発見ルーチン・メモリ１２４に記憶されている発見ルーチンを用いて発見動作を開始する。次に、ステップ１６８において、処理は、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されているかどうかを判定する。携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されていない場合、処理は停止する。一方、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されている場合、処理はステップ１７０に移り、このステップで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、発見動作（ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ ｏｐｅｒａｔｉｏｎ）中に、位置データを携帯装置１００に送る。次に、ステップ１７２において、携帯装置１００は、ステップ１７０において受信した位置データを、携帯装置１００の位置情報メモリ１２０に記憶する。次に、ステップ１７４において、携帯装置１００は位置に敏感な情報を要求する。次に、ステップ１７６において、処理は、携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にあるかどうかを判定する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にある場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にない場合、処理はステップ１８０に移り、このステップで、位置情報メモリ１２０に記憶されている位置を携帯装置１００のユーザに示す。例えば、位置データは、ディスプレイ１１０上に表示することができる。次に、処理はステップ１８２に移り、このステップで、示した位置がユーザに受け入れ可能かどうかを判定する。例えば、ユーザは、携帯装置１００のユーザ・インターフェース１０８を用いて、位置を受け入れることができる。示した位置がユーザには受け入れることができない場合、ステップ１８３において、ユーザは手作業で現在位置を入力することができる。次に、ステップ１７８において、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。ステップ１８２において、示した位置がユーザに受け入れ可能である場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。
【００５０】
以上に記載したように、携帯装置１００は、短距離ＷＬＡＮ１１４から位置データを得ることによって、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションの利点を利用することができる。
【００５１】
図５は、本発明による図１の通信システムの動作の代替実施形態のフロー図である。図５のフロー図は、短距離ＷＬＡＮ１１４と携帯装置１００との間の相互作用を示している。この処理は、ステップ１６０にて開始し、ここで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＭＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶する。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４０が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＰＳシステムからブロードキャストされる複数のＧＰＳ信号を利用して場所位置を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０または短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００５２】
次に、ステップ１６２において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の存在を検出する。次に、ステップ１６４において、携帯装置１００は、それ自体がワイド・エリア通信機能を有する装置のクラスの一員であることを、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に明らかにする。例えば、携帯装置１００は、それ自体が図１のワイド・エリア通信システム１１６内において通信する機能を有することを明らかにする。次に、ステップ１６６において、携帯装置１００は、携帯装置１００の発見ルーチン・メモリ１２４に記憶されている発見ルーチンを用いて発見動作を開始する。次に、ステップ１６８において、処理は、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されているかどうかを判定する。携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されていない場合、処理は停止する。一方、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されている場合、処理はステップ１７０に移り、このステップで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、発見動作中に、位置データを携帯装置１００に送る。次に、ステップ１７２において、携帯装置１００は、ステップ１７０において受信した位置データを、携帯装置１００の位置情報メモリ１２０に記憶する。次に、ステップ１７４において、携帯装置１００は、位置に敏感な情報を要求する。次に、ステップ１７６において、処理は、携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にあるかどうかを判定する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にある場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。
【００５３】
携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にない場合、処理はステップ１８４に移り、このステップで、ステップ１７０の実行時（スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０が位置データを送る）と、ステップ１７４の実行時（携帯装置１００が位置に敏感な情報を要求する）との間の時間差「Ｍ」を判定する。次に、ステップ１８６において、時間差「Ｍ」を所定数「Ｎ」と比較する。所定数「Ｎ」は、好ましくは、携帯装置１００の位置が正確である信頼度が低い場合の時間差であり、このため、装置ユーザ（したがって、携帯装置１００も含む）が移動中のときには、位置に敏感な情報は装置ユーザにとって精度が低い可能性がある。時間差「Ｍ」が所定数「Ｎ」よりも小さい場合、処理はステップ１７８に移り、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。尚、ステップ１７８の位置に敏感な情報に対する要求が、時間差「Ｍ」を含んでいても、あるいは以前の位置（図示せず）からの経過時間を含んでいてもよいことは、当業者には認められよう。次に処理が停止する。尚、ワイド・エリア通信システム１１６は、位置に敏感な情報に対する要求を受信したことを受けて、位置に敏感な情報を生成し、この位置に敏感な情報を携帯装置１００に送信することが好ましいことは、当業者には認められよう。一実施形態では、ワイド・エリア通信システム１１６は、受信した時間差を用いて、携帯装置１００（図示せず）からの時間差を含んだ、位置に敏感な情報に対する要求を受信したことを受けて、位置に敏感な情報を決定する。代替実施形態では、ワイド・エリア通信システム１１６は、受信した以前の位置からの経過時間を用いて、以前の位置（図示せず）からの経過時間を含んだ、位置に敏感な情報に対する要求を受信したことを受けて、位置に敏感な情報を決定する。
【００５４】
時間差「Ｍ」が所定数「Ｎ」未満でない場合、処理はステップ１８８に移り、このステップで、「Ｍ」および「Ｎ」間の差に直接比例する周囲のエリアを含むように、位置に敏感な情報に対する要求を変更する。例えば、Ｍが５分、Ｎが１０分の場合、地元レストランの要求を、標準の要求である半径１マイルから、半径５マイルの要求に拡張する。この理由は、過ぎ去った５分間にユーザは数マイル移動しており、直前の基地の位置から半径１マイルでは、携帯装置ユーザの新たな位置で価値のある結果が得られないためである。尚、ステップ１８８において、周囲エリアは、このほか、郵便番号、群の境界、都市の境界などによって特徴付けられる地理的エリア、またはその他の同等な地理的エリア（図示せず）であればいずれでもよいことは、当業者には認められよう。次に、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。尚、ステップ１７８の位置に敏感な情報に対する要求が、時間差「Ｍ」を含んでいても、あるいは以前の位置（図示せず）からの経過時間を含んでいてもよいことは、当業者には認められよう。次に処理が停止する。
【００５５】
以上に記載したように、携帯装置１００は、短距離ＷＬＡＮ１１４から位置データを得ることによって、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションの利点を利用することができるという効果がある。
【００５６】
図６は、本発明による図１の通信システムの動作の代替実施形態を示すフロー図である。図６のフロー図は、短距離ＷＬＡＮ１１４と携帯装置１００との間の相互作用を示している。処理はステップ１６０にて開始し、ここで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＭＡＰ位置情報メモリ１４６に、複数の位置データを記憶する。複数の位置データは、例えば、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０のＳＮＡＰプロセッサ１４０が、当技術分野で公知の方法によって、ＧＰＳシステムからブロードキャストされる複数のＧＰＳ信号を利用して場所位置を計算することによって、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって取得され得る。あるいは、位置データは、手作業で入力したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０または短距離ＷＬＡＮ１１４の位置座標を含む。尚、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０によって位置データを得る他の方法も、本発明に従って利用可能であることは、当業者には認められよう。
【００５７】
次に、ステップ１６２において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の存在を検出する。次に、ステップ１６６において、携帯装置１００は、携帯装置１００の発見ルーチン・メモリ１２４に記憶されている発見ルーチンを用いて発見動作を開始する。次に、ステップ１６８において、処理は、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されているかどうかを判定する。携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されていない場合、処理は停止する。
【００５８】
一方、携帯装置１００が短距離ＷＬＡＮ１１４で許可されている場合、処理はステップ１８９に移り、このステップで、携帯装置１００は発見動作を完了する。次に、ステップ１９０において、携帯装置は、位置検出サービス要求をスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０に対して行う。次に、ステップ１９２において、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は、位置検出サービス機能を確認する。次に、ステップ１９４において、携帯装置１００は、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０から位置データを要求する。次に、処理はステップ１７０に移り、このステップで、スマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０は位置データを携帯装置１００に送る。次に、ステップ１７２において、携帯装置１００は、ステップ１７０において受信した位置データを、携帯装置１００の位置情報メモリ１２０に記憶する。次に、ステップ１７４において、携帯装置１００は、位置に敏感な情報を要求する。次に、ステップ１７６において、処理は、携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にあるかどうかを判定する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にある場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。携帯装置１００が、位置データを受信したスマート・ネットワーク・アクセス・ポイント１３０の範囲内にない場合、処理はステップ１８０に移り、このステップで、位置情報メモリ１２０に記憶されている位置を携帯装置１００のユーザに示す。例えば、位置データは、ディスプレイ１１０上に表示することができる。次に、処理はステップ１８２に移り、このステップで、示した位置がユーザに受け入れ可能かどうかを判定する。例えば、ユーザは、携帯装置１００のユーザ・インターフェース１０８を用いて、位置を受け入れることができる。示した位置がユーザには受け入れることができない場合、ステップ１８３において、ユーザは手作業で現在位置を入力することができる。次に、ステップ１７８において、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。ステップ１８２において、示した位置がユーザに受け入れ可能である場合、処理はステップ１７８に移り、このステップで、携帯装置１００は、ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機１０４を介して、位置に敏感な情報に対する要求をワイド・エリア通信システム１１６に送信する。次に処理が停止する。
【００５９】
以上に記載したように、携帯装置１００は、短距離ＷＬＡＮ１１４から位置データを得ることによって、位置に敏感なソフトウェア・アプリケーションの利点を利用することができるという効果がある。
【００６０】
以上、好適な実施形態に関して本発明を説明したが、本発明から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、かかる変形や変更は全て、添付した特許請求の範囲に規定されている本発明の主旨および範囲に該当するものと見なすと解釈することとする。
【図面の簡単な説明】
【００６１】
【図１】短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークおよびワイド・エリア通信システムを有する通信システムのブロック図。
【図２】本発明による図１の通信システム内部で使用する携帯装置の電気ブロック図。
【図３】本発明による図１の通信システムで使用する短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークの電気ブロック図。
【図４】本発明による図１の通信システムの動作を示すフロー図。
【図５】本発明による図１の通信システムの動作を示すフロー図。
【図６】本発明による図１の通信システムの動作を示すフロー図。
Claims (10)
- 位置に敏感な情報を受信する携帯装置であって、
短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク内において通信し、該短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークから位置データを受信する短距離ワイヤレス送受信機と、
ワイド・エリア通信システム内において通信し、該ワイド・エリア通信システムから位置固有の情報を要求するワイド・エリア・ワイヤレス送受信機と、
前記短距離ワイヤレス送受信機および前記ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機に結合され、かつ
前記短距離ワイヤレス送受信機から前記位置データを受信し、
前記位置データを受信したことを受けて前記携帯装置の位置を決定し、
前記位置に関連する前記ワイド・エリア通信システムから位置固有の情報を要求する前記ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機に、前記位置を含むコマンドを送るようにプログラムされているプロセッサと、
を備える携帯装置。 - 前記プロセッサに結合され、前記位置データを記憶するためのメモリを更に備える、請求項１記載の位置固有の情報を通信する携帯装置。
- 前記プロセッサに結合され、装置ユーザに前記位置を通知するディスプレイと、
前記プロセッサに結合され、前記装置ユーザが前記位置を受け入れた場合に、前記プロセッサにコマンドを送るユーザ・インターフェースと、
を更に備える、請求項１記載の位置に敏感な情報を通信する携帯装置。 - 位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークであって、
前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を含む位置データを記憶するＳＮＡＰメモリと、
前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を携帯装置に送るＳＮＡＰプロセッサと、を有するスマート・ネットワーク・アクセス・ポイントを備えており、
前記携帯装置が、前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントに結合され、前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を用いて当該携帯装置の位置を決定する、短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。 - 前記ＳＮＡＰプロセッサは、
前記携帯装置が前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの範囲内にあるときを決定し、
前記携帯装置が前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの範囲内にあるときに、前記携帯装置に前記位置座標を送るように適合されている、請求項４記載の位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。 - 前記携帯装置は、
前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントと通信し、前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を受信する短距離ワイヤレス送受信機と、
ワイド・エリア通信システム内で通信し、該ワイド・エリア通信システムから位置固有の情報を要求するワイド・エリア・ワイヤレス送受信機と、
前記短距離ワイヤレス送受信機および前記ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機に結合され、かつ
前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を前記短距離ワイヤレス送受信機から受信し、
前記位置座標を受信したことを受けて前記携帯装置の位置を決定し、
前記位置に関連する前記ワイド・エリア通信システムから位置固有の情報を要求する前記ワイド・エリア・ワイヤレス送受信機に、前記位置を含むコマンドを送るようにプログラムされているプロセッサと、
を備える、請求項４記載の位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。 - 前記ＳＮＡＰプロセッサは、前記携帯装置によってワイド・エリア通信機能の通知を受信したことを受けて、前記位置座標を前記携帯装置に送るように適合されている、請求項６記載の位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。
- 前記携帯装置は、
前記プロセッサに結合され、装置ユーザに前記位置を通知するディスプレイと、
前記プロセッサに結合され、前記装置ユーザが前記位置を受け入れた場合、前記プロセッサにコマンドを送るユーザ・インターフェースと、
を更に備える、請求項６記載の位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。 - 前記携帯装置は、
前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントと通信し、前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を受信する短距離ワイヤレス送受信機と、
前記短距離ワイヤレス送受信機に結合され、かつ
前記短距離ワイヤレス送受信機から、前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントの位置座標を受信し、
前記位置座標を受信したことを受けて、前記携帯装置の位置を決定し、
前記位置に関連する前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントから前記位置固有の情報を要求するようにプログラムされているプロセッサと、
を備える、請求項４記載の位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。 - 前記スマート・ネットワーク・アクセス・ポイントは、
発見動作を実行し、
前記短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークで前記携帯装置が許可されているかどうかを判定し、
前記短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークで前記携帯装置が許可されている場合、前記携帯装置から位置固有の情報の要求を受信し、
位置検出サービス機能を確認し、
前記位置固有の情報を前記携帯装置に送るように適合されている、請求項９記載の位置に敏感な情報を通信するための短距離ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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