JP2005504715A - 持続放出特性を有する吸入用粒子 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の背景
生物活性剤、例えば、治療剤、診断剤、および予防剤の肺送達は、例えば、経口投与、経皮投与および非経口投与の魅力的な代替物を提供する。すなわち、肺投与は、典型的には、医学介入(自己投与)を必要とせず完了され、注入治療にしばしば付随する疼痛は避けられ、経口治療で頻繁に遭遇する、生物活性剤の酵素的およびpH媒介性分解の量が有意に減少されうる。さらに、肺は、薬物吸収のための大きな粘膜表面を提供し、吸収された薬物の初回通過肝臓影響がない。さらに、多くの分子、例えば、高分子の高バイオアベイラビリティが、肺送達または吸入により達成されうることが示された。典型的には、深肺、または肺胞は、吸入された生物活性剤、特に、全身送達を必要とする薬剤のための主要な標的である。
【0002】
局所性循環および/または全身性循環への生物活性剤の放出動態または放出プロフィールは、肺送達を利用するものを含む、ほとんどの治療において鍵となる重要なものである。すなわち、多くの疾患または状態は、有効な治療を提供するために、定常性または持続性のレベルの生物活性剤の投与を必要とする。典型的には、これは、複数投薬レジメにより、または医薬を持続様式で放出する系を使用することにより達成されうる。
【0003】
しかし、肺系への生物活性剤の送達は、典型的には、投薬後に薬物の迅速な放出を生じる。例えば、Pattonら、米国特許第5,997,848号は、肺送達による乾燥粉体製剤の投与後のインスリンの迅速な吸収を記載する。ピークインスリンレベルは、霊長類について約30分およびヒト被験体について約20分で到達された。さらに、Heinemann、TrautおよびHeiseは、Diabetic Medicine 14: 63-72 (1997)において、吸入後の健康なボランティアにおける作用の開始(グルコース注入速度により評価される)が迅速であり、約30分で最大半減作用に達したことを開示している。
【0004】
このように、生物活性剤を含有し、製剤の生物活性剤が全身性循環および/または局所性循環に持続様式で放出される吸入に適切な製剤が必要とされている。
【0005】
発明の要旨
本発明は、荷電した薬剤と逆の電荷を有する脂質とを組み合わせることにより、薬剤の持続放出プロフィールを生じるという予期せぬ発見に基づく。
【0006】
本発明は、一般に、薬剤が持続様式で放出される、患者への治療剤、予防剤および診断剤の肺送達の方法、および該方法における使用に適切な粒子に関する。特に、本発明は、治療、予防または診断を必要とする患者の気道に、荷電した脂質と会合した、治療剤、予防剤もしくは診断剤またはその任意の組み合わせを含有する粒子の有効量を投与することを含み、ここで荷電した脂質は薬剤と会合する際、薬剤の電荷とは逆の全体で正味の電荷を有する、治療剤、予防剤または診断剤の肺送達のための方法に関する。投与された粒子からの薬剤の放出は、持続様式で起こる。
【0007】
ある態様では、治療剤、予防剤または診断剤と逆に荷電した脂質との会合は、イオン複合体形成から生じうる。別の態様では、治療剤、予防剤または診断剤と逆に荷電した脂質との会合は、水素結合から生じうる。
【0008】
さらなる態様では、治療剤、予防剤または診断剤と逆に荷電した脂質との会合は、イオン複合体形成と水素結合との組み合わせから生じうる。
【0009】
前記方法における使用に適切な粒子は、薬剤の電荷とは逆の電荷を有する荷電した脂質と会合した治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。電荷は、投与の前、会合の際に逆である。好ましい態様では、投与の前、会合の際の薬剤および脂質の電荷は、肺のpHで薬剤および脂質が有する電荷である。
【0010】
例えば、肺送達に適切な粒子は、全体で正味の正の電荷を有する脂質と会合した全体で正味の負の電荷を有する治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。例えば、薬剤は、負である全体で正味の電荷を有するインスリンであり得、脂質は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスファチジルコリン(DPePC)であり得る。
【0011】
あるいは、肺送達に適切な粒子は、全体で正味の負の電荷を有する脂質と会合した全体で正味の正の電荷を有する治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。例えば、薬剤は、全体で正の電荷を有するアルブテロールであり得、脂質は、全体で正味の負の電荷を有する1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DPPG)であり得る。
【0012】
さらに、肺送達に適切な粒子は、脂質との会合の前に、薬剤の溶液のpHを調整することにより改変されうる全体で正味の電荷を有する治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。例えば、約7.4のpHで、インスリンは、負である全体で正味の電荷を有する。それゆえ、インスリンおよび正に荷電した脂質は、投与の前にこのpHで会合し得、荷電した脂質と会合した薬剤を有する粒子が調製され、ここで、荷電した脂質は薬剤の電荷とは逆の電荷を有する。しかし、インスリンにおける荷電はまた、溶液中にある場合には、インスリンのpI(pI=5.5)よりも低いように溶液のpHを変更することにより正である全体で正味の電荷を有するように変更されうる。このように、例えば、インスリンが溶液中で約4のpHである場合、インスリンは正である全体で正味の電荷を有する。この場合のように、正に荷電したインスリンは、負に荷電した脂質、例えば、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロ−ル)](DSPG)と会合しうる。
【0013】
荷電した脂質との会合の前の治療剤、予防剤、または診断剤の電荷の変更は、多くの薬剤、特にタンパク質により達成されうる。例えば、タンパク質における電荷は、タンパク質の等電点(pI)より下または上で噴霧乾燥フィード溶液により調節されうる。電荷変更はまた、分子のpKaよりも下または上で噴霧乾燥フィード溶液により小分子について達成されうる。
【0014】
特定の態様では、本発明の粒子は、1より多くの脂質、1より多くの生物活性剤または両方を含有する。さらに、荷電した脂質は、正味の電荷を有さない脂質と組み合わされうる。
【0015】
粒子は、生物活性剤および脂質とは異なるカルボン酸をさらに含有しうる。ある態様では、カルボン酸は、少なくとも2つのカルボキシル基を含む。カルボン酸は、その塩ならびに2つまたはそれより多くのカルボン酸および/またはその塩の組み合わせを含む。好ましい態様では、カルボン酸は、親水性カルボン酸またはその塩である。クエン酸および例えばクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩が好ましい。カルボン酸および/またはその塩の組み合わせまたは混合物もまた使用されうる。
【0016】
本発明における使用に適した粒子は、多価塩またはそのイオン性成分をさらに含有しうる。好ましい態様では、塩は二価の塩である。別の好ましい態様では、塩は、例えば、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属の塩である。本発明の粒子はまた、塩および/またはそれらのイオン性成分の混合物または組み合わせを含みうる。
【0017】
本発明における使用に適切な粒子は、アミノ酸をさらに含有しうる。好ましい態様では、アミノ酸は疎水性である。
【0018】
粒子(本明細書中では粉体とも呼ばれる)は、吸入に適切な乾燥粉体の形態でありうる。粒子は、約0.4g/cm3よりも小さい、好ましくは約0.1g/cm3よりも小さい嵩密度を有しうる。さらに、本発明における使用に適切な粒子は、約5マイクロメートル〜約30マイクロメートルのメジアン幾何学的直径(median geometric diameter)を有しうる。さらに別の態様では、本発明における使用に適切な粒子は、約1〜約5マイクロメートルの空気力学的直径を有する。
【0019】
本発明は、多数の利点を有する。例えば、吸入に適切な粒子は、持続放出プロフィールを有するように設計されうる。この持続放出プロフィールは、肺に投与された生物活性剤の長期滞在を提供し、薬剤の治療レベルが局所環境または全身性循環に存在する時間を増大する。薬剤の持続放出は、糖尿病の処置のためのインスリン等の薬剤の持続放出を必要とする多くの治療剤、診断剤および予防剤について現在使用されている注射治療の所望の代替物を提供する。さらに、本発明は、吸入治療において典型的に見られる薬剤の高初期放出が減少している肺系への送達方法を提供する。結果的に、患者コンプライアンスおよび快適さは、投薬の頻度が減少することだけでなく、患者により受け入れられる治療を提供することにより増大しうる。
【0020】
本発明の前述および他の目的、特徴ならびに利点は、付随する図面に説明されるような以下の本発明の好ましい態様のより詳細な記載から明らかである。図面は、縮図である必要はなく、本発明の原理を説明する上で強調がなされている。
【0021】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい態様の記載は以下の通りである。
治療剤、予防剤、または診断剤はまた、本明細書中では「生物活性剤」、「医薬」または「薬物」とも呼ばれうる。
【0022】
本発明は、治療、予防、または診断を必要とする患者の気道に、荷電した脂質と会合した治療剤、予防剤もしくは診断剤または任意のその組み合わせを含有する粒子の有効量を投与することを含み、ここで荷電した脂質は薬剤とは逆の全体で正味の電荷を有する、治療剤、予防剤および診断剤の肺送達のための方法に関する。薬剤は、持続様式で投与された粒子から放出される。
【0023】
本発明の粒子は、持続様式で生物活性剤を放出する。このように、粒子は、持続放出特性を有する。本明細書中で使用される用語「持続放出」は、薬剤の有効なレベルの放出の期間が、投与の前に、逆に荷電した脂質と会合しない同一の生物活性剤で見られるよりも長い活性剤の放出をいう。さらに、持続放出はまた、投与後の最初の2時間、より好ましくは最初の1時間に典型的に見られる薬剤のバースト(初期バーストともしばしば呼ばれる)の減少をいう。好ましい態様では、持続放出は、バーストの減少に加えて放出の期間がより長いことの両方により特徴づけられる。例えば、インスリンの持続放出は、投与後少なくとも4時間以降(例えば、約6時間以上)で上昇したレベルを示す放出でありうる。
【0024】
本明細書中で使用される用語「肺送達」は、気道に送達することをいう。本明細書中で規定される「気管」は、口腔咽頭部および喉頭を含む上気道、続いて、気管および続いて気管支および細気管支への二分枝を含む下気道(例えば、末端および呼吸)を含む。上気道および下気道は、伝導気道と呼ばれる。次いで、末端細気管支は、次いで肺胞または深肺と呼ばれる最終段階の呼吸帯域に至る呼吸細気管支に分かれる。深肺、または肺胞は、典型的には、全身薬物送達のために吸入された治療製剤の所望の標的である。
【0025】
ある態様では、治療剤、予防剤または診断剤および逆に荷電した脂質は、イオン結合、例えば、主としてイオン複合体形成の結果として会合されうる。別の態様では、治療剤、予防剤または診断剤および逆に荷電した脂質は、主として水素結合の結果として会合されうる。イオン結合および水素結合の組み合わせは、生物活性および荷電した脂質の会合に寄与しうることが理解される。
【0026】
イオン結合は、原子または原子群間の電荷/電荷相互作用により起こる結合である。逆の電荷は誘引するので、イオン性化合物中の原子はこの誘引により一緒になる。
【0027】
水素結合は、水素原子が2つの分子間で共有される結合をいう。例えば、窒素、酸素、硫黄または亜リン酸等の電気陰性原子に共有結合的に付着した水素原子は、第2の電気陰性原子、例えば、窒素、酸素、硫黄または亜リン酸と部分的な正の電荷を共有する。
【0028】
本方法における使用に適切な粒子は、投与の前、会合の際に薬剤の電荷とは逆の電荷を有する荷電した脂質と会合した治療剤、予防剤または診断剤を含みうる。好ましい態様では、会合の際に、薬剤および脂質により有される電荷は、薬剤および脂質が投与後に肺pHで有する電荷と等しい。
【0029】
例えば、肺送達に適切な粒子は、全体で正味の正の電荷を有する脂質と会合した全体で正味の負の電荷を有する治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。例えば、薬剤はインスリンであり得、脂質は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスファチジルコリン(DPePC)等のエチルホスファチジルコリンでありうる。
【0030】
あるいは、肺送達に適切な粒子は、好ましくは肺pH範囲において、全体で正味の負の電荷を有する脂質と会合した全体で正味の正の電荷を有する治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。例えば、薬剤は、全体で正の電荷を有する硫酸アルブテロールであり得、脂質は、全体で正味の負の電荷を有する1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DPPG)でありうる。
【0031】
さらに、肺送達に適切な粒子は、荷電した脂質と会合する前に薬剤の溶液のpHを調整することにより変更されうる全体で正味の電荷を有する治療剤、予防剤または診断剤を含有しうる。例えば、約7.4のpHで、インスリンは、負である全体で正味の電荷を有する。それゆえ、インスリンおよび正に荷電した脂質は、投与の前に、このpHで会合し得、荷電した脂質と会合した生物活性剤を有する粒子が調整され、ここで荷電した脂質は会合の際に薬剤の電荷とは逆の電荷を有する。しかし、インスリンはまた、溶液中にある場合、インスリンのpI(pI=5.5)よりも低く溶液のpHを変更することにより正である全体で正味の電荷を有するように変更されうる。このようにして、インスリンがpH4の溶液にある場合、例えば、正である全体で正味の電荷を有する。この場合のように、正に荷電したインスリンは、負に荷電した脂質、例えば、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DSPG)と会合し得る。治療剤、予防剤または診断剤の電荷の変更は、多くの薬剤、特にタンパク質に適用可能である。
【0032】
本明細書中に使用される用語「肺pH範囲」は、患者の肺において遭遇されうるpH範囲をいう。典型的には、ヒトにおいては、このpHの範囲は、6.4〜約6.7のように約6.4〜約7.0である。気道裏打ち液(airway lining fluid (ALF))のpH値は、R.A. Parentによる"Comparative Biology of the Normal Lung", CRC Press, (1991)において報告されており、6.44〜6.74の範囲である。
【0033】
本明細書中で使用される用語「荷電された脂質」は、全体で正味の電荷を有しうる脂質をいう。脂質における電荷は、負または正でありうる。脂質は、脂質および活性剤が会合した場合、活性剤の電荷とは逆の電荷を有するように選択されうる。好ましい態様では、荷電された脂質は荷電されたリン脂質である。好ましくは、リン脂質は、肺に対して内因性であるか、または肺への投与の際に内因性リン脂質に代謝されうる。荷電した脂質の組み合わせが使用されうる。荷電した脂質の組み合わせはまた、会合の際に生物活性剤の電荷とは逆の全体で正味の電荷を有する。
【0034】
荷電したリン脂質は、1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)]および1,2-ジアシル-sn-グリセロール-3-ホスフェート等の負に荷電した脂質でありうる。
【0035】
1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)]リン脂質は、式Iにより表されうる:
【化1】
式中、R1およびR2は、独立して、約3〜約24炭素原子、好ましくは約10〜約20炭素原子を有する脂肪族基である。
【0036】
式I〜VIにおける本明細書中で使用される用語としての脂肪族基は、完全に飽和されうる置換または非置換の直鎖、分岐鎖もしくは環状のC1-C24炭化水素をいい、これは窒素、酸素または硫黄等の1以上のヘテロ原子を含み得、および/または不飽和の1以上のユニットを含みうる。
【0037】
脂肪族基における適切な置換基としては、-OH、ハロゲン(-Br、-Cl、-Iおよび-F)、-O(脂肪族基、置換基された)、-CN、-NO2、-COOH、-NH2、-NH(脂肪族基、置換脂肪族基)、-N(脂肪族基、置換脂肪族基)2、-COO(脂肪族基、置換脂肪族基)、-CONH2、-CONH(脂肪族基、置換脂肪族基)、-SH、-S(脂肪族基、置換脂肪族基)および-NH-C(=NH)-NH2が挙げられる。置換脂肪族基はまた、ベンジル、置換ベンジル、アリール(例えば、フェニル、ナフチルまたはピリジル)または置換アリール基を置換基として有しうる。置換脂肪族は、1以上の置換基を有しうる。
【0038】
このタイプの負に荷電したリン脂質の特定の例としては、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DSPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DMPG)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DPPG)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DLPG)、および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](DOPG)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
1,2-ジアシル-sn-グリセロール-3-ホスフェートリン脂質は、式IIにより表されうる:
【化2】
式中、R1およびR2は、独立して、約3〜約24炭素原子、好ましくは約10〜約20炭素原子を有する脂肪族基である。
【0040】
このタイプのリン脂質の特定の例としては、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(DMPA)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(DPPA)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(DOPA)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(DSPA)、および1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(DLPA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
荷電した脂質は、1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホコリン等、1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリンおよび1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホアルカノールアミン等、1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホエタノールアミン等の正に荷電した脂質でありうる。
【0042】
1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホコリンリン脂質は式IIIにより表されうる:
【化3】
式中、R1およびR2は、独立して約3〜約24炭素原子、好ましくは、約10〜約20炭素原子を有する脂肪族基である。R3は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の約1〜約24炭素を有する脂肪族基である。
【0043】
このタイプの正に荷電したリン脂質の特定の例としては、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DPePC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DMePC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DSePC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DLePC)、および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOePC)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホアルカノールアミンリン脂質は、式IVにより表されうる:
【化4】
式中、R1およびR2は、独立して約3〜約24炭素原子、好ましくは約10〜約20炭素原子を有する脂肪族基である。R3は、約1〜約24炭素を有する脂肪族基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等である。R4は、独立して、水素または約1〜約6炭素原子を有する脂肪族基である。
【0045】
このタイプの正に荷電したリン脂質の特定の例としては、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルエタノールアミン(DPePE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DMePE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DSePE)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DLePE)、および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DOePE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本発明における使用に適切な他の荷電した脂質としては、1995年11月14日に発行されたHorrobinら、米国特許第5,466,841号、それぞれ1997年12月16日および1999年5月11日に発行されたHeath、米国特許第5,698,721号および米国特許第5,902,802号、および1984年10月30日に発行されたMylesら、米国特許第4,480,041号に記載されているものを含み、それら全ての全体の内容が参考として本明細書中に援用される。
【0047】
荷電した脂質および治療剤、予防剤または診断剤は、約0.25:1以上、好ましくは約0.25:1〜約1:0.25、例えば、約0.5:1〜約1:0.5の脂質対活性剤の電荷比で本発明の粒子中に存在しうる。好ましくは、電荷比は約1:1である。過剰の電荷が存在する場合、過剰の電荷は液体により寄与されることが好ましい。
【0048】
適切な電荷比は以下のように決定されうる。最初に、生物活性剤および脂質の両方に存在する電荷の数が、投与の前に、2つの会合が起こる条件で決定されるべきである。次に、生物活性剤および脂質の両方の等量が決定されるべきである。これは、約7.4のpHで、生物活性剤としてインスリンおよび荷電した脂質としてDPePCを使用する以下の実施例で行われうる。
【0049】
インスリンの分子量: 5,800g/モル
インスリンにおける負荷電の数: 6等量
電荷当たりの等量: 5,800x1/6=967g
DPePCの分子量: 763g/モル
DPePCにおける負電荷の数: 1等量
電荷当たりの等量: 763x1/1=763g
【0050】
したがって、例えば、1:1 荷電比のDPePC 対インスリンを得るために、
763gのDPePC が967gのインスリンに関連するか、
または
1gのDPePC が1.27(967/763=1.27)g のインスリンに関連する。
代替的には、
967gのインスリンが763gのDPePC に関連するか、
または
1gのインスリンが0.79(763/967=0.79)g のDPePC に関連する。
モルに置き換えると、
1 モルのDPePC が1/6 モルのインスリンに関連するか、
または
1 モルのインスリンが6 モルのDPePC に関連する。
【0051】
この解析は、生物活性剤および脂質の所望の任意の比率およびその任意の組み合わせに必要な脂質および活性剤の量を決定するために使用されうる。
【0052】
荷電脂質は、約1 〜約99重量%の範囲の量で粒子中に存在しうる。好ましくは、荷電した脂質は、約10〜約90重量%の範囲の量で粒子中に存在する。
【0053】
本発明の粒子はまた、双性イオンであり、したがって全ての正味の電荷を所有しないリン脂質を含みうる。かかる脂質は、吸入に適切な特性を粒子に提供するのを援助しうる。本発明での使用に適切なかかるリン脂質としては、1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3- ホスホコリンおよび1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3- ホスホエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの脂質は、好ましくは、約10〜約90重量%の範囲の量で粒子中に存在しうる。好ましくは、これらの脂質は、約50〜約80重量%の範囲の量で粒子中に存在しうる。
【0054】
1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3- ホスホコリンリン脂質は、式V:
【化5】
R1およびR2は、独立して約3 〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪族基である
により表されうる。
【0055】
1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3- ホスホコリンリン脂質の具体的な例としては、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3- ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3- ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジラウロイル(dilaureoyl)-sn-3-グリセロ- ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3- ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3- ホスホコリン(DOPC)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3- ホスホアルカノールアミンリン脂質は、式VI:
【化6】
式中、R1およびR2は、独立して約3 〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪族基であり、R4は、独立して水素または約1 〜約6 個の炭素原子を有する脂肪族基である
により表されうる。
【0057】
この型のリン脂質の具体的な例としては、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3- エタノールアミン(DPPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3- ホスホエタノールアミン(DMPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3- ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3- ホスホエタノールアミン(DLPE)、および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3- ホスホエタノールアミン(DOPE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
治療薬、予防薬または診断薬は、本明細書において「生物活性剤」、「医薬」または「薬物」とも呼ばれうる。1つ以上の生物活性剤が、本発明の粒子中に存在しうることが理解される。親水性薬剤ならびに疎水性薬剤が使用されうる。薬剤は、全体として正味の電荷を所有しうるはずである。本発明の粒子中に存在する生物活性剤の量は、約0.1 重量%〜約95重量%、例えば、約5 〜約75%、約10〜約50%等でありうる。薬物が粒子中に分配されている粒子が好ましい。
【0059】
適切な生物活性剤としては、局所的に、全身的にまたはそれらの組み合わせで作用しうる薬剤が挙げられる。本明細書で使用される「生物活性剤」という用語は、インビボで放出された場合、所望の生物活性、例えば、インビボでの治療、診断および/または予防特性を所有する薬剤またはその薬学上許容されうる塩である。
【0060】
生物活性剤の例としては、治療、予防または診断活性を有する合成無機および有機化合物、タンパク質およびペプチド、多糖および他の糖、脂質、ならびにDNA およびRNA 核酸配列が挙げられるが、これらに限定されない。例えば1モル当たり100 〜500,000 グラム以上の広範囲の分子量を有する薬剤が、使用されうる。
【0061】
薬剤は、例えば、血管作用剤、神経刺激剤、ホルモン、抗凝固剤、免疫調節剤、細胞傷害剤、予防薬、抗生物質、抗ウイルス剤、アンチセンス、抗原、抗腫瘍剤および抗体等の種々の生物活性を有しうる。
【0062】
タンパク質としては、インスリン、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、インターロイキン、インターフェロン(β-IFN、α-IFNおよびγ-IFN)、エリスロポエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子、酵素(例えば、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノゲン賦活剤)、腫瘍サプレッサー、血中タンパク質、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンおよび黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH))、ワクチン(例えば、腫瘍、細菌およびウイルス抗原)、抗原、血液凝固因子;成長因子;顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF 」)等の完全なタンパク質、ムテインおよびその活性断片が挙げられる;ペプチドとしては、タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、およびタンパク質アゴニスト、カルシトニンが挙げられる;核酸としては、例えば、アンチセンス分子、オリゴヌクレオチド、およびリボザイムが挙げられる。ヘパリン等の多糖もまた、投与されうる。
【0063】
肺内への局所送達のための生物活性剤としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、または嚢胞性線維症の治療のため等の薬剤が挙げられる。例えば、嚢胞性線維症等の疾患の治療のための遺伝子が投与され得、喘息に対しては、βアゴニストステロイド、抗コリン作用薬、およびロイコトリエンモディファイヤーが投与されうる。
【0064】
他の具体的な生物活性剤としては、硫酸エストロン、硫酸アルブテロール、副甲状腺ホルモン放出ペプチド、ソマトスタチン、ニコチン、クロニジン、サリチレート、クロモリンナトリウム、サルメテロール(salmeterol)、ホルメテロール(formeterol)、L-ドパ、カルビドパまたはそれらの組み合わせ、ガバペナチン(gabapenatin) 、クロラゼペート、カルバマゼピンおよびジアゼパムが挙げられる。
【0065】
核酸配列としては、遺伝子、例えば転写を阻害するために相補的なDNA に結合しうるアンチセンス分子、およびリボザイムが挙げられる。
【0066】
粒子は、任意の種々の診断薬を含み得、患者に投与した後、薬剤を局所的または全身的に送達する。例えば、画像剤が使用され得、画像剤としては、陽電子射出断層撮影法(PET) 、コンピュータ連動断層撮影法(CAT) 、シングルフォトンエミッションコンピュータ断層撮影法、X 線、X 線透視および磁気共鳴画像法(MRI) に使用される市販の薬剤が挙げられる。
【0067】
MRI における造影剤として使用するための適切な物質の例としては、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)およびガドペントテートジメグルミン(gadopentotate dimeglumine) 等現在入手可能なガドリニウムキレート、ならびに鉄、マグネシウム、マンガン、銅およびクロムが挙げられる。
【0068】
CAT およびX 線のために有用な物質の例としては、ジアトリゾエートおよびイオタラメートに代表されるイオン性モノマー、ならびにイオン性ダイマー(例えばイオキサグレート)等の静脈投与のためのヨウ素ベースの物質が挙げられる。
【0069】
診断薬は、当該分野で利用可能な標準技術および市販の装置を用いて検出されうる。
【0070】
粒子は、薬剤および脂質とは別個のカルボン酸をさらに含みうる。1つの態様において、カルボン酸は、少なくとも2つのカルボキシル基を含む。カルボン酸は、その塩ならびに2つ以上のカルボン酸および/またはその塩の組み合わせを含む。好ましい態様において、カルボン酸は親水性カルボン酸またはその塩である。適切なカルボン酸としては、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシトリカルボン酸(hydroxytricarboxilic acid) 等が挙げられるが、これらに限定されない。例えばクエン酸ナトリウム等のクエン酸およびクエン酸塩が好ましい。カルボン酸および/またはそれらの塩の組み合わせまたはその混合物もまた使用されうる。
【0071】
カルボン酸は、約0 〜約80重量%の範囲の量で粒子中に存在しうる。好ましくは、カルボン酸は、約10〜約20%の量で粒子中に存在しうる。
【0072】
本発明での使用に適切な粒子は、多価塩またはそのイオン成分をさらに含みうる。本明細書で使用される場合、「多価」塩とは、1より大きい原子価のイオン成分を有する塩のことを言う。例えば、2価塩。好ましい態様において、塩は2価塩である。別の好ましい態様において、塩は、例えば塩化カルシウム等のアルカリ土類金属の塩である。本発明の粒子はまた、塩および/またはそのイオン成分の混合物または組み合わせを含みうる。
【0073】
塩またはそのイオン成分は、約0 〜約40重量%の範囲の量で粒子中に存在する。
【0074】
本発明での使用に適切な粒子は、さらにアミノ酸を含有しうる。好ましい態様において、アミノ酸は疎水性である。適切な天然疎水性アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、グリシンおよびトリプトファンが挙げられるが、これらに限定されない。疎水性アミノ酸の組み合わせもまた使用されうる。非天然アミノ酸としては、例えば、β−アミノ酸が挙げられる。疎水性アミノ酸のD、L立体配置およびラセミ混合物の両方が使用されうる。適切な疎水性アミノ酸としては、アミノ酸誘導体またはアミノ酸アナログもまた挙げられうる。本明細書で使用される場合、アミノ酸アナログとしては、以下の式:-NH-CHR-CO- (式中、R は、脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、芳香族基または置換芳香族基であり、R は、天然アミノ酸の側鎖に対応しない)を有するDまたはL立体配置のアミノ酸が挙げられる。本明細書で使用する場合、脂肪族基としては、完全に飽和している、窒素、酸素または硫黄等の1個または2個のヘテロ原子を含む、および/または1個以上の不飽和単位を含むものである、直鎖、分枝または環状C1−C8炭化水素が挙げられる。芳香族基またはアリール基としては、フェニルおよびナフチル等の炭素環式芳香族基、ならびにイミダゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピラニル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニルおよびアクリジンチル等の複素環式芳香族基が挙げられる。
【0075】
脂肪族、芳香族またはベンジル基上の適切な置換基としては、-OH 、ハロゲン(-Br 、-Cl 、-Iおよび-F)、-O(脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基)、-CN 、-NO2、-COOH 、-NH2、-NH (脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基)、-N(脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基)2、-COO(脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基)、-CONH2、-CONH (脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基)、-SH 、-S(脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、芳香族基または置換芳香族基)および-NH-C(=NH)-NH2が挙げられる。また、置換ベンジル(benzylic)基または芳香族基は、脂肪族基または置換脂肪族基を置換基として有し得る。また、置換脂肪族基は、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基を置換基として有し得る。置換脂肪族基、置換芳香族基または置換ベンジル基は、1個またはそれ以上の置換基を有し得る。アミノ酸置換基を修飾することにより、例えば、親水性である天然アミノ酸の脂質親和性または疎水性を高めることができる。
【0076】
多くの適切なアミノ酸、アミノ酸アナログおよびその塩が商業的に入手され得る。その他のものは、当該技術分野において公知の方法によって合成され得る。合成手法は、例えば、Green とWuts、「有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」、John Wiley and Sons ,第5および7章、1991に述べられている。
【0077】
疎水性は、一般に、非極性溶媒と水との間でのアミノ酸の分配に関して定義される。疎水性アミノ酸は、非極性溶媒に選択性を示す酸である。アミノ酸の相対的疎水性は、疎水性スケールで表わすことができ、グリシンは、0.5 の値を有する。かかるスケールでは、水に選択性を有するアミノ酸は、0.5 より低い数値を有し、非極性溶媒に選択性を有するアミノ酸は、0.5 より大きい数値を有する。本明細書で使用する場合、疎水性アミノ酸という用語は、疎水性スケールで0.5 またはそれ以上の数値を有する、すなわち、少なくともグリシンに等しい、非極性酸中に分配する傾向を有するアミノ酸を指す。
【0078】
使用されうるアミノ酸の例としては、グリシン、プロリン、アラニン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、チロシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい疎水性アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、グリシンおよびトリプトファンが挙げられる。疎水性アミノ酸の組み合わせも使用され得る。さらに、疎水性と親水性(水に選択的に分配する)アミノ酸の組み合わせも、全体としての組み合わせが疎水性である場合には、使用され得る。1以上のアミノ酸の組み合わせも用いられ得る。
【0079】
アミノ酸は、約 0〜約60重量%の量で本発明の粒子中に存在し得る。好ましくは、アミノ酸は、約 5〜約30重量%の範囲の量で粒子中に存在し得る。疎水性アミノ酸の塩は、約 0〜約60重量%の量で本発明の粒子中に存在し得る。好ましくは、アミノ酸の塩は、約 5〜約30重量%の範囲の量で粒子中に存在する。アミノ酸を含む粒子の形成および送達方法は、噴霧乾燥の間における多孔性粒子の形成のための単純アミノ酸の使用なる表題の1999年8月25日に提出された米国特許出願第09/382,959号に記載されており、その全教示は、参照により、本明細書に取り込まれる。
【0080】
さらなる態様において、前記粒子は、例えば、緩衝塩、デキストラン、多糖類、ラクトース、トレハロース、シクロデキストリン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、脂肪酸、脂肪酸エステル、無機化合物、リン酸塩等の他の物質をも含み得る。
【0081】
本発明の1つの態様において、粒子はポリマーをさらに含有しうる。ポリマーの使用は、放出をさらに延期しうる。生体適合性または生分解性のポリマーが好ましい。かかるポリマーは、例えば、Edwards らに1999年2月23日に交付された米国特許第5,874,064 号に記載されており、その教示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
さらに別の態様において、粒子は、1つの上記荷電した脂質以外の界面活性剤を含む。本明細書で使用される場合、「界面活性剤」という用語は、水と有機系ポリマー溶液間の界面、水/空気界面または有機系溶剤/空気界面等の2つの非混和性相間の界面に優先的に吸収される任意の薬剤をいう。界面活性剤は、一般に、ミクロ粒子に吸収されると、同様にコートされた粒子は引き付けない部分を外部環境に対して提示する傾向にあるような親水性部分および親油性部分を有し、それにより粒子の凝集が低減される。界面活性剤はまた、治療薬または診断薬の吸収を促進し得、該薬剤のバイオアベイラビリティーを増加し得る。
【0083】
本発明の粒子を作製するのに使用されうる適切な界面活性剤としては、ヘキサデカノール;ポリエチレングリコール(PEG )等の脂肪族アルコール;ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル;パルミチン酸またはオレイン酸等の界面活性脂肪酸;グリココール酸塩;サーファクチン(surfactin) ;ポロキソマー(poloxomer) ;トリオレイン酸ソルビタン(Span85)等のソルビタン脂肪酸エステル;およびチロキサポールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
前記界面活性剤は、約0〜約60重量%の範囲の量で粒子中に存在し得る。好ましくは、約 5〜約50重量%の範囲の量で粒子中に存在し得る。
【0085】
粒子がカルボン酸、多価塩、アミノ酸、界面活性剤またはそれらの任意の組み合わせを含む場合、粒子のこれらの成分と荷電した脂質との間の相互作用が生じうることが理解される。
【0086】
粒子は、本明細書において粉体とも称され、吸入に適切な乾燥粉体の形態でありうる。特定の態様では、粒子は、約0.4g/cm3未満の嵩密度を有しうる。約0.4g/cm3未満の嵩密度を有する粒子は、本明細書において、「空気力学的に軽い粒子」と称される。約0.1g/cm3未満の嵩密度を有する粒子が、より好ましい。
【0087】
空気力学的に軽い粒子は、好ましいサイズ、例えば、少なくとも約5ミクロン(μm)の体積メジアン幾何学的直径(VMGD)を有する。1つの態様において、VMGDは、約5μm〜約30μmである。本発明の別の態様では、前記粒子は、約 9μm〜約30μmの範囲のVMGDを有する。他の態様では、前記粒子は、少なくとも5μm、例えば、約5μm〜約30μmのメジアン直径、質量メジアン直径(MMD )、質量メジアンエンベロープ直径(MMED)または質量メジアン幾何学的直径(MMGD)を有する。
【0088】
空気力学的に軽い粒子は、好ましくは約1μm〜約5μmの、本明細書では「空気力学的直径」とも称される「質量メジアン空気力学的直径」(MMAD)を有する。本発明の1つの態様では、MMADは、約1μm〜約3μmである。別の態様では、MMADは約3μm〜約5μmである。
【0089】
本発明の別の態様では、前記粒子は、約0.4g/cm3未満の本明細書において「質量密度」とも称されるエンベロープ質量密度を有する。等方性粒子のエンベロープ質量密度は、それを内部に包み込むことができる最小球体エンベロープ体積で割った粒子の質量と定義される。
【0090】
嵩密度は、デュアルプラットホームマイクロプロセッサ制御嵩密度テスター(Dual Platform Microprocessor Controlled Tap Density Tester)(Vankel,NC )またはGeoPycTM装置(Micrometrics Instrument Corp.,Norcross,GA 30093 )等の当業者に公知の装置を用いて測定され得る。嵩密度は、エンベロープ質量密度の標準測定値である。嵩密度は、「USPかさ密度および嵩密度」、米国薬局方協約、Rockville,MD, 第10版補遺、4950〜4951、1999の方法を用いて測定できる。低嵩密度に寄与することができる特徴としては、不規則な表面テクスチャーと多孔性構造が挙げられる。
【0091】
粒子の直径、例えば、VMGDは、マルチサイザー(Multisizer )IIe (Coulter Electronic,Luton,Beds,England )のような電気的ゾーンセンシング装置またはレーザー回折装置(例えばSympatec,Princeton,NJ によって製造されているHelos )を用いて測定できる。粒子直径を測定するための他の装置は当該技術分野において周知である。サンプル中の粒子の直径は、粒子組成物および合成の方法等の要因に依存して変化する。サンプル中の粒子のサイズ分布は、気道内の標的部位内における至適沈着を可能にするように選択できる。
【0092】
実験的には、空気力学的直径は、重力沈降法を用いて測定することができ、かかる方法により、粒子全体が一定の距離を沈降するのに要する時間を使用して、粒子の空気力学的直径を直接推定する。質量メジアン空気力学的直径(MMAD)を測定するための間接的方法は、多段液体インピンジャー(MSLI)である。
【0093】
空気力学的直径、daer は、式:
【数1】
(式中、dg は、幾何学的直径、例えば、MMGDであり、ρは、粉体密度である)
から算出され得る。
【0094】
約0.4g/cm3未満の嵩密度、少なくとも約5μmのメジアン直径、および約1μm〜約5μm、好ましくは約1μm〜約3μmの空気力学的直径を有する粒子は、口腔咽頭領域における慣性沈着および重力沈着をより多く免れることができ、気道または深肺(deep lung) に標的される。より大きな、より多孔性の粒子は、吸入治療のために現在使用されているようなより小さく密なエーロゾル粒子よりも効率的にエーロゾル化することができるので、それらの使用は好都合である。
【0095】
また、より小さな粒子に比べて、好ましくは、少なくとも約5μmのVMGDを有するより大きな空気力学的に軽い粒子はまた、食細胞の細胞質ゾル空隙からの粒子のサイズ排除により、潜在的に肺胞マクロファージによる食作用吸収と肺からのクリアランスをより成功裡に回避することができる。肺胞マクロファージによる粒子の食作用は、粒子直径が約3μmを超えると急激に低下する。Kawaguchi,H.ら、Biomaterials 7:61 〜66(1986);Krenis,L.J.とStrauss,B.,Proc.Soc.Exp.Med.,107:748〜750(1961);およびRudt,S. とMuller,R.H., J.Contr.Rel.,22:263〜272(1992) 。粗表面を有する球体のような統計的に等方性の形態の粒子に関しては、粒子エンベロープ体積は、完全な粒子食作用のためにマクロファージ内で必要とされる細胞質ゾル空隙の体積とほぼ等しい。
【0096】
当該粒子は、深肺または上気道または中央気道のような気道の選択された領域への局所送達のために、適切な材料、表面粗度、直径および嵩密度で作製され得る。例えば、上気道送達のためにはより高密度またはより大きな粒子が使用され得るか、あるいは同じまたは異なる治療薬で提供される、サンプル中における異なるサイズの粒子の混合物が1回の投与で肺の異なる領域を標的とするように投与され得る。約3〜約5μmの範囲の空気力学的直径を有する粒子が中央気道および上気道への送達にとって好ましい。深肺への送達のためには約1〜約3μmの範囲の空気力学的直径を有する粒子が好ましい。
【0097】
エーロゾルの慣性嵌入と重力沈降が通常の呼吸条件での気道および肺細葉における主要な沈着機序である。Edwards,D.A.,J.Aerosol Sci.,26:293〜317(1995) 。両方の沈着機序の重要性は、粒子(またはエンベロープ)体積ではなくエーロゾルの質量に比例して上昇する。肺におけるエーロゾル沈着部位はエーロゾルの質量によって決定されるので(少なくとも平均空気力学的直径が約1μmをこえる粒子については)、粒子表面の不規則性と粒子の多孔性を高めることによって嵩密度を低下させることは、他の物理的パラメータがすべて等しければ、より大きな粒子エンベロープ体積を肺に送達することができる。
【0098】
嵩密度が低い粒子は、実際のエンベロープ球体直径に比べて小さな空気力学的直径を有する。空気力学的直径、daer は、式:
【数2】
(式中、エンベロープ質量ρは、g/cm3 の単位である)
によってエンベロープ球体直径、dに関係づけられる(Gonda,I. 「エーロゾル送達における物理−化学的原理(Physico-chemical principles in aerosol delivery) 」Topics in Pharmaceutical Sciences 1991より(D.J.A.CrommelinとK.K.Midha 編集) 、p.95〜117,Stuttgart:Medpharm Scientific Publishers,1992)。ヒト肺の肺胞領域における単分散エーロゾル粒子の最大沈着(約60%)は、約daer=3μmの空気力学的直径について起こる。Heyder,J. ら、J.Aerosol Sci.,17:811 〜825(1986) 。その小さなエンベロープ質量密度により、最大深肺沈着を示す単分散吸入粉末を含む空気力学的に軽い粒子の実際の直径dは:
【数3】
(式中、dは常に3μmより大きい)
である。例えば、エンベロープ質量密度、ρ=0.1g/cm3を示す空気力学的に軽い粒子は、9.5 μmの大きさのエンベロープ直径を有する粒子について最大沈着を示す。粒子サイズが大きくなると粒子間接着力が低下する。Visser,J.,Powder Technology,58:1〜10。従って、大きな粒子サイズは、より低い食作用損失に寄与することに加えて、エンベロープ質量密度の低い粒子に関して深肺へのエーロゾル適用の効率を高める。
【0099】
空気力学的直径は、肺内での最大沈着を提供するように算出され得、以前、直径約5ミクロン未満、好ましくは約1〜約3ミクロンの非常に小さな粒子の使用によって達成されており、当該粒子は次いで食作用に供される。より大きな直径を有するが十分に軽い(すなわち「空気力学的に軽い」特徴の)粒子を選択することは、肺への等しい送達をもたらすが、より大きなサイズの粒子は食作用を受けない。滑面を有するものに比べて、粗面または不均質面を有する粒子を使用することによって改良された送達が得られ得る。
【0100】
適切な粒子は、予め選択されたサイズ分布を有する粒子サンプルを提供するために、例えば、濾過または遠心分離により作製または分離され得る。例えば、サンプルにおける約30%、50%、70%または80%を超える粒子は、少なくとも約5μmの選択範囲内の直径を有し得る。特定の割合の粒子が含まれるべき選択範囲は、例えば、約5〜約30μmまたは最適には、約5〜約15μmであってもよい。1つの好ましい態様では、前記粒子の少なくとも一部が、約9〜約11μmの直径を有する。また、任意に、少なくとも約90%、または任意に、約95%もしくは約99%が選択範囲内の直径を有するものである粒子サンプルが、作製され得る。前記粒子サンプル中におけるより高い割合での空気力学的に軽く、かつより大きな直径の粒子の存在は、該粒子中に取り込まれた治療薬または診断薬の深肺への送達を増強する。大きな直径の粒子とは、一般的に、少なくとも約5μmのメジアン幾何学的直径を有する粒子を意味する。
【0101】
粒子は、噴霧乾燥によって調製されうる。例えば、噴霧乾燥混合物は、本明細書において「フィード溶液」または「フィード混合物」とも呼ばれ、会合の際に生物活性剤および該活性剤と反対の電荷を有する1つ以上の荷電した脂質を含み、噴霧ドライヤーに供給される。
【0102】
例えば、タンパク質活性剤を使用する際、薬剤は、薬剤のpIより大きいかまたは小さい緩衝系に溶解されうる。具体的には、インスリンは、例えば、水性緩衝系(例えば、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩等)または0.01N HCl に溶解されうる。次に、得られた溶液のpHが、適切な塩基性溶液(例えば、1N NaOH )を用いて所望の値に調整されうる。1つの好ましい態様において、pHは、約pH7.4 に調節されうる。このpHで、インスリン分子は、正味の負電荷(pI=5.5)を有する。別の態様において、pHは、約pH4.0 に調整されうる。このpHで、インスリン分子は、正味の正電化(pI=5.5)を有する。典型的には、陽性リン脂質は、有機溶媒または溶媒の組み合わせに溶解される。次に、2つの溶液を共に混合し、得られた混合物を噴霧乾燥する。
【0103】
小分子活性薬剤に関しては、薬剤は、イオン化しうる基のpKa より大きいかまたは小さい緩衝系に溶解されうる。詳細には、硫酸アルブテロールまたは硫酸エストロンが、例えば、水性緩衝系(例えば、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩等)または洗浄のために滅菌水に溶解されうる。次に、得られた溶液のpHが、適切な酸性または塩基性溶液を用いて所望の値に調整されうる。pHが約pH3 〜約pH8 の範囲に調整される場合、硫酸エストロンは、1モル当たり1つの負電荷を所有し、硫酸アルブテロールは、1モル当たり1つの正電荷を所有する。したがって、電荷相互作用が、適切なリン脂質の選択により変更されうる。典型的には、負に帯電したリン脂質または正に帯電したリン脂質が、有機溶媒または溶媒の組み合わせに溶解され、次に2つの溶液を共に混合し、得られた混合物を噴霧乾燥する。
【0104】
噴霧乾燥される混合物に存在し得る適切な有機溶媒としては、アルコール、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられるが、これらに限定されない。他の有機溶媒としては、ペルフルオロカーボン、ジクロロメタン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、メチル-tert-ブチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。フィード混合物に存在しうる水性溶媒としては、水または緩衝溶液が挙げられる。有機溶媒および水性溶媒の両方が、噴霧ドライヤーに供給される噴霧乾燥混合物に存在しうる。1つの態様では、エタノール:水の比率が約50:50〜約90:10の範囲であるエタノール水溶媒が好ましい。混合物は、酸性またはアルカリ性のpHを有しうる。任意に、pH緩衝液が含まれうる。好ましくは、pHは約3 〜約10の範囲でありうる。
【0105】
噴霧乾燥される混合物に使用される1つまたは複数の溶媒の全量は、一般に99重量%より大きい。噴霧乾燥される混合物に存在する固体(薬物、荷電した脂質および他の成分)の量は、一般に約1.0 重量%よりも少ない。好ましくは、噴霧乾燥される混合物中の固体の量は、約0.05〜約0.5 重量%の範囲である。
【0106】
噴霧乾燥プロセスにおける有機溶媒および水性溶媒を含む混合物の使用は、親水性成分と疎水性成分の組み合わせを可能にする一方、粒子内でのかかる成分の組み合わせの可溶化を促進するために、リポソームまたは他の構造もしくは複合体の形成を必要としない。
【0107】
適切な噴霧乾燥技術が、例えば、K. Mastersによる「噴霧乾燥ハンドブック(Spray Drying Handbook) 」, John Wiley & Sons, New York, 1984 に記載されている。一般に、噴霧乾燥の間に、加熱空気または加熱窒素等の熱ガス由来の熱を使用して、連続液体フィードを噴霧することにより形成された液滴由来の溶媒をエバポレートする。他の噴霧乾燥技術が、当業者に周知である。好ましい態様において、ロータリーアトマイザーが使用される。回転噴霧を使用する適切な噴霧ドライヤーの例としては、Niro, Denmark により製造されたMobile Minor噴霧ドライヤーが挙げられる。熱ガスは、例えば、空気、窒素またはアルゴンであり得る。
【0108】
好ましくは、本発明の粒子は、約100 ℃〜400 ℃の入口温度および約50℃〜約130 ℃の出口温度を用いる噴霧乾燥により得られる。
【0109】
噴霧乾燥粒子は、粒子凝集を低減し、粉体の流動性を改善するために、粗面テクスチャーで作製され得る。噴霧乾燥粒子は、乾燥粉体吸入デバイスを介してエアゾール化を増強する特性を有するよう作製され得、口、喉および吸入デバイスへのより低い沈着をもたらす。
【0110】
本発明の粒子は、肺系への薬物送達に適切な組成物中で使用され得る。例えば、かかる組成物は、患者への投与、好ましくは吸入を介する投与のための粒子および薬学上許容され得るキャリアを含み得る。粒子は、治療薬を含まないより大きなキャリア粒子と共に同時送達され得、後者は、例えば約50μm 〜約100 μm の範囲の質量メジアン直径を有する。粒子は、呼吸系への投与のために、それのみで、または液体(例えば生理食塩水)もしくは粉体等の任意の適切な薬学上許容され得るキャリア中で投与され得る。
【0111】
医薬、例えば、1つ以上の上記薬物を含む粒子は、治療、予防または診断を必要とする患者の気道に投与される。粒子の呼吸系への投与は、当該分野で公知の手段により得る。例えば、粒子は吸入デバイスから送達される。好ましい態様において、粒子は、乾燥粉体吸入器(DPI) を介して投与される。メーター用量吸入器(MDI) 、ネブライザーまたは点滴注入技術もまた使用され得る。
【0112】
患者の気道に粒子を投与するために使用され得る種々の適切なデバイスおよび吸入の方法は、当該分野で公知である。例えば、適切な吸入器が、1976年8 月5 日にValentini らに発行された米国特許第4,069,819 号明細書、1991年2 月26日にValentini らに発行された米国特許第4,995,385 号明細書、および1999年12月7 日にPattonらに発行された米国特許第5,997,848 号明細書に記載されている。患者の気道に粒子を投与するために使用されうる種々の適切なデバイスおよび吸入の方法は、当該分野で公知である。例えば、適切な吸入器は、Valentini らに発行された米国特許第4,995,385 号明細書および米国特許第4,069,819 号明細書、Pattonに発行された米国特許第5,997,848 号明細書に記載されている。他の例としては、限定されないが、Spinhaler(登録商標)(Fisons, Loughborough, U.K.)、Rotahaler(登録商標)(Glaxo-Wellcome, Research Triangle Technology Park, North Carolina) 、FlowCaps(登録商標)(Hovione, Loures, Portugal) 、Inhalator(登録商標)(Boeringer-Ingelheim, Germany)、およびAerolizer(登録商標)(Novartis, Switzerland) 、diskhaler(Glaxo-Wellcome, RTP, NC) および当業者に公知の他のものが挙げられる。好ましくは、粒子は、乾燥粉体吸入器を介して、乾燥粉体として投与される。
【0113】
好ましくは、気道に投与された粒子は、上気道(中咽頭および喉頭)、その後に気管支および細気管支への分岐部に続く気管を含む下気道を通過し、その後、最終的な呼吸領域である肺胞または深肺へと至る呼吸細気管支に順番に分かれる末端細気管支を通過して運ばれる。本発明の好ましい態様において、粒子の集団のほとんどは、深肺に沈着する。本発明の別の態様において、送達は主に中央気道に対して行われる。上気道への送達もまたなされうる。
【0114】
本発明の1つの態様において、粒子の肺系への送達は、2000年6 月9 日に提出された米国特許出願「大きな治療用質量エアゾールの非常に有効な送達」、米国出願第09/591,307号(参照により本明細書にそのまま取り込まれる)に記載のような単回の呼吸活性化ステップである。本発明の別の態様において、吸入器容器に保管された粒子の質量の少なくとも50%が、被験体の呼吸系に単回の呼吸活性化ステップで送達される。さらなる態様において、医薬の少なくとも5ミリグラム、好ましくは10ミリグラムが、単回呼吸で、容器に封入された粒子を被験体の気道に投与することにより送達される。15、20、25、30、35、40および50ミリグラム程の高量が送達され得る。
【0115】
本明細書で使用される用語「有効量」は、所望の治療または診断上の効果または効力を達成するのに必要な量を意味する。薬物の実際の有効量は、利用される具体的な薬物またはその組合せ、具体的な処方組成、投与の形態、患者の年齢、体重、状態、ならびに処置される症状または状態の重篤度により変化し得る。特定の患者に対する用量は、従来の考察を用いて(例えば、適切な従来の薬理学的プロトコルにより)当業者により決定され得る。例えば、硫酸アルブテロールの有効量は、約100マイクログラム(μg)〜約10ミリグラム(mg)の範囲である。
【0116】
エアゾール用量、処方および送達系もまた、特定の治療適用に対して選択され得、例えば、Gonda, I. 「気道への治療剤および診断剤の送達のためのエアゾール」Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 6: 273-313, 1990; およびMoren 「エアゾール用量型および処方」Aerosols in Medicine, Principles, Diagnosis and Therapy, Morenら編、Esevier, Amsterdam, 1985に記載されている。
【0117】
薬物放出速度は、放出定数に関して記載され得る。一次放出定数は、以下の等式を用いて示され得る:
【数4】
式中、kは一次放出定数である。M( \ )は、薬物送達システム、例えば乾燥粉体中の薬物の総質量であり、M(t)は、時間tにおいて乾燥粉体から放出された薬物の質量である。
【0118】
等式(1)は、放出媒体のある特定の体積において放出された薬物の量(すなわち質量)または放出された薬物の濃度のいずれかで示され得る。例えば、等式(1)は、
【数5】
のように表してもよい。式中、kは一次放出定数である。C( \ )は、放出媒体における薬物の最大理論濃度であり、C(t)は、時間tにおいて乾燥粉体から放出媒体に放出される薬物の濃度である。
【0119】
一次放出定数による薬物放出速度は、以下の式:
【数6】
を用いて計算することができる。
【0120】
表4および8に示す放出定数は、等式(2)に採用される。
【0121】
本明細書で使用される単語「a」または「an」は、1つまたはそれ以上をいう。
【0122】
本明細書で使用される用語「名目上の用量」は、投与の目的のための粒子の集団中に存在し、かつ投与に利用され得る最大量を示す生物学的活性剤の総質量をいう。
【実施例】
【0123】
材料
Humulin L(ヒトインスリン亜鉛懸濁液)をリリー社から入手した(100U/mL)。
【0124】
質量メジアン空気力学的直径−MMAD(μm)
質量メジアン空気力学的直径を、Aerosizer/Aerodisperser(Amherst Process Instrument,Amherst,MA)を用いて測定した。約2mgの粉体製剤をAerodisperser内に導入し、空気力学径を飛行時間型測定により測定した。
【0125】
体積メジアン幾何学的直径−VMGD(μm)
体積メジアン幾何学的直径を、HELOSレーザー回折計(Sympatec)と共にRODOS乾燥粉体分散器(Sympatec、Princeton、NJ)を用いて測定した。粉体を、RODOS入口へ導入し、2バールで調節した圧縮気流によって生成される剪断力によってエアロゾル化した。エアロゾル雲を、続いてHELOSの測定ゾーン(レーザービームからの光を散乱し、粒子サイズ分布を推測するため、およびメジアン値を測定するために使用されるフラウンホーファー回折パターンを生成する)へ引き寄せた。
【0126】
記載される場合、体積メジアン幾何学的直径をCoulter Multisizer IIを用いて測定した。粒子の同時存在(coincidence)が5〜8%の間になるまで、約5〜10mgの粉体製剤を50mLのイソトン(isoton)II溶液に添加した。
【0127】
血漿インスリンレベルの測定
ラット血漿中のインスリンの定量を、ヒトインスリン特異的RIAキット(Linco Research,Inc.,St.Charles,MO、カタログ番号HI−14K)を用いて行った。アッセイでは、ラットインスリンとの0.1%未満の交差反応性が示された。アッセイキット手順を、ラットから得た低血漿容量が適用されるように改良した。感度は約5μU/mLであった。
【0128】
エストロン−硫酸塩血漿レベルの測定
ラット血漿中のエストロン−硫酸塩の定量を、エストロン−硫酸塩RIAキット(Diagnostic Systems Laboratories,Inc.,Webster,TX、カタログ番号DSL−C5400)を用いて行った。アッセイキット手順を、ラットから得た低血漿容量が適用されるように、およびヒト血清標準マトリクスの影響を補正されるように改良した。感度は約0.025ng/mLであった。
【0129】
インスリン製剤の調製
表1に列挙する粉体製剤を以下のようにして調製した。予備噴霧乾燥用溶液を、脂質をエタノールに、およびインスリン、ロイシンおよび/またはクエン酸ナトリウムを水に溶解することにより調製した。次いで、エタノール溶液と水溶液を、エタノール/水が60/40の比率で混合した。噴霧乾燥に使用する溶液の最終の全溶質濃度は、1g/Lから3g/Lで変動した。一例として、DPPC/クエン酸塩/インスリン(60/10/30)噴霧乾燥用溶液を、600mgのDPPCを600mLのエタノールに溶解し、100mgのクエン酸ナトリウムおよび300mgのインスリンを400mLの水に溶解し、次いで2つの溶液を混合して1g/L(w/v)の全溶質濃度を有する1リットルの共溶媒を作製することにより調製した。3g/L(w/v)の高溶質濃度は、同容量のエタノールおよび水に各溶質を3倍多く溶解することにより調製した。
【0130】
次いで、溶液を乾燥粉体を作製するために使用した。Nitro Atomizer Portable Spray Dryer(Niro、Inc.、Columbus、MD)を使用した。可変圧力(1〜5bar)で圧縮された空気が、ドライヤーの上に配置した回転アトマイザー(2,000〜30,000rpm)を動かした。種々の速度(20〜66mL/分)での液体供給物を、電気的測定ポンプ(LMI、モデル番号A151−192s)によって連続的にアトマイザーへポンピングした。入口温度および出口温度の両方を測定した。入口温度を、手動で制御した;100℃〜400℃の間で変わり得、そして100、110、150、175、または200℃で、5℃の制御限界で安定させた。出口温度を、入口温度ならびに気体供給速度および液体供給速度のような因子によって決定した(50℃〜130℃の間で変化した)。容器を、粉体産物を収集するためにサイクロンへきつく取り付けた。
【0131】
【表1】
【0132】
インスリン含有粉体の物理的特徴を表2に記載する。MMADおよびVMGDは先に詳述したようにして測定した。
【0133】
【表2】
【0134】
インスリンを含有する製剤の物理的特徴を示す表2に記載のデータは、該製剤の吸入可能性を示唆するもの(predictive)である。すなわち、先に考察したように、本明細書に記載のようにして調製された粉体が有する大幾何学的直径、小空気力学的直径および低密度は、該粒子を吸入可能なものとする。
【0135】
インビボインスリン実験
インスリンを含有する乾燥粉体製剤をラットに肺投与後の、ラットの血流内へのインスリン吸収の速度および程度を測定するために、以下の実験を行った。
【0136】
投与した名目上のインスリン投与量は、ラット1匹あたり100μgとした。名目上の投与量を達成するため、ラット1匹あたりに投与した粉体の全重量を、各粉体の組成割合に応じて0.2mg〜1mgの範囲とした。雄Sprague−DawleyラットをTaconic Farms(Germantown,NY)から入手した。使用時、動物の体重は平均386g(±5gS.E.M.)であった。動物は食事と水に自由にアクセス可能とした。
【0137】
粉体は、ラット用吸入デバイス(PennCentury(Philadelphia、PA)を用いて肺に送達した。粉体量を吸入試料チャンバに移した。吸入器の送達チューブを、口を介して気管へ挿入し、チューブの先端がカリナ(最初の分岐部)から約1cmになるまで進めた。吸入器サンプルチャンバから粉体を送達するために使用した空気体積は3mLであった(10mL注射器から送達される)。ラットへの粉体送達を最大にするため、この注射器を、1粉体用量あたり合計で3回の空気放出のためにもう2回多く再充填および排出した。
【0138】
注射可能なインスリン製剤Humulin Lを、25μgインスリンの名目上の投与量に対して7.2μLの注射容量で皮下注射により投与した。投与の前日にラットの頸静脈内にカテーテルを配置した。サンプリング時に、血液サンプルを頸静脈カテーテルから採取し、直ぐにEDTAコートチューブに移した。サンプリング時間は、粉体投与後0、0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間とした。場合によっては、さらなるサンプリング時間(12時間目)を含める、および/または24時間目を割愛した。遠心分離後、血液サンプルから血漿を回収した。血漿サンプルを、24時間以内に解析を行なう場合には4℃で、または回収後24時間より後に解析を行なう場合には−75℃で保存した。血漿インスリン濃度は上述のようにして測定した。
【0139】
表3は、上述のアッセイを用いて定量したインスリン血漿レベルを含む。
【0140】
【表3】
【0141】
表3のインビボ放出データは、インスリンおよび正に荷電した脂質(DPePCおよびDSePC)を含有する粉体製剤は、インスリンおよび脂質DPPCを含有する粉体製剤(製剤1および13)で見られるものよりも有意に低いインスリン初期バースト、ならびに6〜8時間で、持続的な上昇レベルを有することを示す。図1に製剤2、3、6および15からのインスリンの放出プロフィールを示す。
【0142】
さらに、脂質および活性剤が、全体として正反対であり、したがって電荷相互作用を行いうる電荷を有するpHにおいて噴霧乾燥製剤の調製がなされるならば、中性pHで達成されるのと同じ電荷を有する帯電脂質の使用も採用され得る。例えば、負に荷電した脂質DPPGを用いた製剤5を参照のこと。製剤5は、約4.0のpHで調製し、噴霧乾燥した。このpHでは、DPPGは負に荷電しており、インスリンは正に荷電していることにより(pI=5.5)、電荷相互作用の発生をもたらす。しかしながら、DPPGおよびインスリンの両方が全体として負電荷を有するpH=7.4においてDPPGおよびインスリンを調製し、噴霧乾燥する場合である製剤14では、電荷相互作用が起こるための適切な環境は提供されない。製剤5が示したインスリンの初期バースト(240.8±67.6μU/mL)が、製剤14(933.9±259.7μU/mL)と比べて有意に低く、処置後6〜8時間でより高い持続レベルを有したことは特筆すべきである。図2は、製剤5、14および13A(脂質、DPPC)のインビボ放出プロフィールの比較を示す。
【0143】
インスリン含有製剤のインビトロ解析
インスリン含有乾燥粉体製剤のインビトロ放出を、GietzらによるEur. J. Pharm. Biopharm., 45:259-264 (1998)に記載のようにして行なったが、いくつかの変更を伴った。簡単には、20mLのスクリューキャップ付ガラス製シンチレーションバイアル内で、約10mgの各粉体製剤と4mLの加温(37℃)1%アガロース溶液とをポリスチレン撹拌棒を用いて混合した。次いで、得られた混合物を1mLのアリコートで、1組の5つの別の20mL容ガラス製シンチレーションバイアルに分配した。乾燥粉体含有アガロース分散物を、遮光した室温デシケーターボックス内で冷却し、ゲル化させた。約37℃の回転振盪器で放出試験を行った。所定の時点で先の放出媒体(1.5mL)を除去し、新たな放出媒体(1.5mL)を各バイアルに添加した。これらの試験の代表的な時間点は、5分、1,2,4,6および24時間とした。使用した放出媒体は、20mM 4−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、138mM NaCl、0.5%Pluronic(Synperonic PE/F68; 放出媒体中でのインスリン線維化を防止するため);pH7.4)から構成された。既知濃度のインスリン標準品を用いるPierce (Rockford, IL)タンパク質アッセイキット(Anal Biochem, 150:76-85 (1985)を参照のこと)を用いて放出媒体中でのインスリン濃度をモニターした。
【0144】
表4に、インスリンを含有する表1の粉体製剤のインビトロ放出データおよび一次放出定数をまとめる。
【0145】
【表4】
【0146】
表4に示すデータは、正に荷電した脂質DpePC(製剤4および6〜11)およびDSePC(製剤2および3)を用いたインスリン含有粉体製剤では、低速放出性の注射可能なインスリン製剤Humulin Lで観察されるものと類似の一次放出定数が達成され得ることを示す。さらにこれらの同製剤の一次放出定数は、高速放出性の注射可能なインスリン製剤Humulin Rで観察されるものより有意に小さい。そのため、種々の組成の正に荷電した脂質を有する持続放出乾燥粉体インスリン製剤が製剤化され得る。
【0147】
硫酸エストロン含有粉体製剤の調製
表に記載の硫酸エストロン粉体製剤を、以下のようにして調製した。予備噴霧乾燥用溶液を、脂質(lipin)をエタノールに、および硫酸エストロンとロイシンを水に溶解することにより調製した。次いで、エタノール溶液と水溶液を、エタノール/水が70/30の比率(ration)で混合した。噴霧乾燥に使用する溶液の最終の全溶質濃度は、1g/Lから3g/Lで変動した。一例として、DPePC/ロイシン/硫酸エストロン(76/20/4)噴霧乾燥用溶液を、760mgのDPePCを700mLのエタノールに溶解し、200mgのロイシンおよび40mgの硫酸エストロンを300mLの水に溶解し、次いで2つの溶液を混合して1g/L(w/v)の全溶質濃度を有する1リットルの共溶媒を作製することにより調製した。例えば3g/L(w/)の高溶質濃度は、同容量のエタノールおよび水に各溶質を3倍多く溶解することにより調製した。
【0148】
インスリンを含有する粉体製剤について上述した手順にしたがって混合物を噴霧乾燥した。噴霧乾燥中、供給速度は約50mL/分とし、入口温度は約110℃〜約120℃の範囲とし、出口温度は約52℃とした。
【0149】
硫酸エストロン含有粉体の物理的特徴を表5に記載する。MMADおよびVMGDは先に詳述したようにして測定した。
【0150】
【表5】
【0151】
硫酸エストロンを含有する製剤の物理的特徴を示す表5に記載のデータは、該製剤の吸入可能性を示唆するものである。すなわち、先に考察したように、本明細書に記載のようにして調製された粉体が有する大幾何学的直径、小空気力学的直径および低密度は、該製剤を吸入可能なものとする。
【0152】
インビボ実験−硫酸エストロン含有粉体
硫酸エストロンを含有する乾燥粉体製剤の肺投与後の、ラットの血流内への硫酸エストロン吸収の速度および程度を測定するために、以下の実験を行った。
【0153】
投与した名目上の硫酸エストロン投与量は、ラット1匹あたり1mgの粉体中40μgとした。雄Sprague−DawleyラットをTaconic Farms(Germantown,NY)から入手した。使用時には、動物の体重は平均415g(±10g S.E.M.)であった。動物は食事と水に自由にアクセス可能とした。
【0154】
粉体を、ラット用吸入デバイス(PennCentury(Philadelphia、PA)を用いて肺に送達した。粉体量を吸入器の試料チャンバに移した。次いで、吸入器の送達チューブを、口を介して気管へ挿入し、チューブの先端がカリナ(最初の分岐部)から約1cmになるまで進めた。吸入器の試料チャンバから粉体を送達するために使用した空気体積は3mLであった(10mL注射器から送達される)。ラットへの粉体送達を最大にするため、この注射器を、1粉体用量あたり合計で3回の空気放出のためにもう2回多く再充填および排出した。
【0155】
投与の前日にラットの頸静脈内にカテーテルを配置した。サンプリング時に、血液サンプルを頸静脈カテーテルから採取し、直ぐにEDTAコートチューブに移した。サンプリング時間は、粉体投与後0、0.25、0.5、1、2、4および6時間とした。遠心分離後、血液サンプルから血漿を回収した。血漿サンプルを、24時間以内に解析を行なう場合には4℃で、または回収後24時間より後に解析を行なう場合には−75℃で保存した。
【0156】
表6は、上述のアッセイを用いて定量した硫酸エストロン血漿レベルを含む。
【0157】
【表6】
【0158】
表6に示し、図3に図示的に示した結果は、脂質DPPC(全体として正味電荷がない)および硫酸エストロンを用いた製剤と比較した場合、DPePC(全体として正電荷)および硫酸エストロン(負電荷)を含有する製剤は、硫酸エストロンの持続放出を示すことを示す。具体的には、投与後6時間目、硫酸エストロンの血漿レベルは、DPPC含有製剤で0.33±0.12ng/mLであるのと比べ、DPePC含有製剤では1.49±0.48ng/mLであった。
【0159】
アルブテロール含有粉体製剤の調製
表7に記載の硫酸アルブテロール粉体製剤を、以下のようにして調製した。予備噴霧乾燥用溶液を、脂質をエタノールに、および硫酸アルブテロールとロイシンとを水に溶解することにより調製した。次いで、エタノール溶液と水溶液を、エタノール/水が70/30の比率で混合した。噴霧乾燥に使用する溶液の最終の全溶質濃度は、1g/Lから3g/Lで変動した。一例として、DPPC/ロイシン/硫酸アルブテロール(76/16/8)噴霧乾燥用溶液を、760mgのDPPCを700mLのエタノールに溶解し、160mgのロイシンおよび870mgの硫酸アルブテロールを300mLの水に溶解し、次いで2つの溶液を混合して1g/L(w/v)の全溶質濃度を有する1リットルの共溶媒を作製することにより調製した。3g/L(w/v)の高溶質濃度は、同容量のエタノールおよび水に各溶質を3倍多く溶解することにより調製した。溶液を、インスリン含有製剤について上述したようにして噴霧乾燥した。具体的には、入口温度は約110℃〜約140℃とし、出口温度は約45〜57℃の範囲とした。
【0160】
硫酸アルブテロール含有粉体の物理的特徴を表7に記載する。MMADおよびVMGDは先に詳述したようにして測定した。
【0161】
【表7】
【0162】
硫酸アルブテロールを含有する製剤の物理的特徴を示す表7に記載のデータは、該製剤の吸入可能性を示唆するものである。すなわち、先に考察したように、本明細書に記載のようにして調製された粉体が有する大幾何学的直径、小空気力学的直径および低密度は、該粒子を吸入可能なものとする。
【0163】
硫酸アルブテロール製剤のインビボ試験
表7に記載の硫酸アルブテロール製剤の持続効果を評価するため、モルモットにおける肺機能評価のための全身体プレチスモグラフィ方法を使用した。
【0164】
使用したシステムは、BUXCO XA肺機能ソフトウェアを備えるBUXCO全身体無制限プレチスモグラフィーシステム(BUXCO Electronics、Inc.、Sharon、CT)であった。この方法は、Silbaugh,S.A.およびMauderly,J.L.、American Physiological Society、Vol.84:1666−1669(1984))ならびにChang,B.T.ら、Journal of Pharmacological and Toxicological Methods、Vol.39(3):163−168(1998))に記載される通りに行なった。この方法は、霧状化によって得られるメタコリンを用いて個々の動物を経時的に繰り返しチャレンジすることを可能にした。流れパラメータに基づく気道抵抗の計算した測定値、強化休止PenHを、メタコリン誘導性気管支収縮からの保護のマーカーとして使用した。ベースライン肺機能(気道過剰反応)値を、いずれの実験処理の前にも測定した。次いで、生理食塩水およびメタコリンに応じる気道過剰反応を、硫酸アルブテロール製剤の投与後の種々の時点(2〜3、16および24時間)で評価した。平均PenHを、生理食塩水またはメタコリンを用いたチャレンジ後の4分と9分の間に収集したデータから計算した。各時点でのベースラインPenHの割合を、各実験動物について計算した。その後、同じ硫酸アルブテロール製剤を受けた動物からの値を、平均して、各時点での平均群応答(±標準誤差)を決定した。
【0165】
投与した硫酸アルブテロールの名目上の投与量は、DPPGを基剤とする製剤(#21)では50μgとし、DPPCを基剤とする製剤(#20)では25μgとした。この名目投与量を達成するため、投与した粉体の全重量を、それぞれ0.625mgおよび2.5mgとした。
【0166】
雄性Hartleyモルモットを、Elm Hill Breeding Labs(Chelmsford、MA)から入手した。使用時、動物の体重は平均363g(±5g S.E.M.)であった。動物は食事と水に自由にアクセス可能とした。粉体量を吸入試料チャンバ(モルモット用吸入器デバイスPenn Century(Philadelphia、PA)に移した。吸入器の送達チューブを、口を介して気管へ挿入し、チューブの先端がカリナ(最初の分岐部)から約1cmになるまで進めた。吸入器サンプルチャンバから粉体を送達するために使用した空気体積は3mLであった(10mL注射器から送達される)。モルモットへの粉体送達を最大にするため、注射器を、1粉体用量あたり合計で3回の空気放出のためにもう2回多く再充填および排出した。メタコリンチャレンジを、投与後2〜3、16および24時間の時点で実行した。
【0167】
図4は、DPPC(全体として正味電荷がない)および硫酸アルブテロールを含有する製剤と比較した場合、DPPG(全体として負電荷)および硫酸アルブテロール(全体として正電荷)を含有する製剤は、投与後少なくとも24時間、メタコリン誘導性気管支収縮に対する持続的保護を提供したことを示す。
【0168】
別の実験では、DPPCを基剤とする製剤における200μgもの硫酸アルブテロールは、誘導された気管支収縮に対する長時間保護を提供しなかった。
【0169】
インビトロ放出試験−硫酸アルブテロール
硫酸アルブテロールの制御放出試験を、COSTAR(登録商標)Brand Transwell Inserts,With Plates、Sterileを用いて行った。プレートに4.7cm2の面積を有する6つのウェルを設けた。インサートサイズは24mmであり、孔径は3.0μmであった。所定量の被験粉体(約10〜15mg)をHPMC Size#2カプセル内に入れた。次いで、カプセルを吸入器内に配置し、内蔵(in-house)真空システムを用いて粉体をTranswellインサート上に噴霧した。製剤化は三連で行なった。
【0170】
噴霧後、予め37℃で30分間平衡化しておいた容量1.8mLのリン酸緩衝生理食塩水(pH=7.4)を含むTranswellプレート内にインサートを配置した。実験中において緩衝液の蒸発を防ぐため、Transwellプレートを密閉した。
【0171】
Transwell実験は、回転振盪器の37℃のインキュベータにおいて100min−1のスピードで行った。実験中の特定の時間点において、1.8mLのリン酸緩衝生理食塩水をTranswellプレートから取り出した。次いで、インサートを、1.8mLの新しいリン酸緩衝生理食塩水を含む別のTranswellプレートに入れた。典型的なTranswell実験は4時間行なう。サンプルは、5分、15分、30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間および4時間後に抜き出す。
【0172】
予め決められたのインビトロ放出時間点にサンプリングしたPBS緩衝液中の硫酸アルブテロールの量を、Phenomenex Luna 5μ、C8(2)、250×4.6mmカラム(Torrance,CA)および275nmでのUV検出を用いてRP−HPLC法により定量した。
【0173】
表8に、硫酸アルブテロールを含有する表7の粉体製剤のインビトロ放出データおよび一次放出定数をまとめる。DSPC(正味電荷がない)および硫酸アルブテロール(正)を含有する粉体製剤と比較した場合、DSPG(負電荷)および硫酸アルブテロールを含有する粉体製剤の一次放出定数は約4倍低い。
【0174】
【表8】
【0175】
本発明をその好ましい態様に関して具体的に示し記載したが、当業者は、添付の請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく本発明において形態および詳細の種々の変更を行いうることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】図1は、インスリンおよび全体で正味の電荷を有さない脂質(DPPC)またはインスリンとは逆の全体で正味の電荷を有する脂質(DSePCおよびDPePC)のいずれかを含有する乾燥粉体製剤のインビボ放出プロフィールを示すグラフである。
【図2】図2は、pH4または7.4のいずれかで活性剤とともに噴霧乾燥した、全体で正味の電荷を有さない脂質(DPPC)と組み合わせたインスリンまたは全体で負の電荷を有する荷電した脂質(DPPC)と組み合わせたインスリンを含有する乾燥粉体製剤のインビボ放出プロフィールのグラフである。
【図3】図3は、硫酸エストロン(-)、および全体で正味の電荷を有さない脂質(DPPC)または全体で硫酸エストロンとは逆の電荷を有する脂質(DPePC, +)のいずれかを含有する乾燥粉体製剤のインビボ放出プロフィールを示すグラフである。
【図4】図4は、噴霧により与えられたメタコリンで何度も繰り返しチャレンジした動物における硫酸アルブテロールおよび脂質の乾燥粉体製剤の投与後の時間に対するベースラインより上のPenHのパーセントのグラフである。
Claims (47)
- 荷電した脂質と会合した生物活性剤を含有し、ここで該荷電した脂質は全体で正味の正の電荷を有し、該薬剤は会合の際に全体で正味の負の電荷を有し、該薬剤の放出が持続される粒子の有効量を治療、予防または診断を必要とする患者の気道に投与することを含む、肺系を介する送達方法。
- 薬剤と荷電した脂質との会合がイオン複合体形成を含む請求項1記載の方法。
- 脂質と薬剤との会合が水素結合をさらに含む請求項2記載の方法。
- 脂質対生物活性剤の電荷比が約0.25:1〜約1:0.25である請求項1記載の方法。
- 脂質対生物活性剤の電荷比が約0.5:1〜約1:0.5である請求項4記載の方法。
- 脂質対生物活性剤の電荷比が約1:1である請求項5記載の方法。
- 生物活性剤がタンパク質である請求項1記載の方法。
- タンパク質がインスリンである請求項7記載の方法。
- 持続放出が投与後少なくとも約6時間である請求項8記載の方法。
- 脂質が1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホコリンまたは1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホアルカノールアミンである請求項1記載の方法。
- 1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホコリンが1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DPePC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DMePC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DSePC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DLePC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOePC)またはその任意の組み合わせである請求項10記載の方法。
- 1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホアルカノールアミンが1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルエタノールアミン(DPePE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DMePE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DSePE)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DLePE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DOePE)またはその任意の組み合わせである請求項10記載の方法。
- 粒子が約0.4g/cm3未満の嵩密度を有する請求項1記載の方法。
- 粒子が約0.1g/cm3未満の嵩密度を有する請求項15記載の方法。
- 粒子が約5マイクロメートル〜約30マイクロメートルのメジアン幾何学的直径を有する請求項1記載の方法。
- 粒子が約1〜約5ミクロンの空気力学的直径を有する請求項1記載の方法。
- 粒子が約1〜約3ミクロンの空気力学的直径を有する請求項18記載の方法。
- 粒子が約3〜約5ミクロンの空気力学的直径を有する請求項18記載の方法。
- 肺系への送達が深肺への送達を含む請求項1記載の方法。
- 肺系への送達が中央気道への送達を含む請求項1記載の方法。
- 肺系への送達が上気道への送達を含む請求項1記載の方法。
- 粒子が全体で正味の電荷を有さない脂質をさらに含む請求項1記載の方法。
- 粒子がカルボン酸またはその塩をさらに含む請求項1記載の方法。
- カルボン酸が少なくとも2つのカルボキシル基を含む請求項25記載の方法。
- 粒子が多価金属塩またはそのイオン成分をさらに含む請求項1記載の方法。
- 多価塩がアルカリ土類金属の塩である請求項27記載の方法。
- 粒子がアミノ酸をさらに含む請求項1記載の方法。
- アミノ酸が疎水性である請求項29記載の方法。
- 疎水性アミノ酸がロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニンまたはその任意の組み合わせである請求項30記載の方法。
- 荷電した脂質と会合したインスリンを含有し、ここで該荷電した脂質は、会合の際にインスリンの全体で正味の負の電荷とは逆の全体で正味の正の電荷を有し、該インスリンの放出が持続される粒子の有効量を治療を必要とする患者の気道に投与することを含む、肺系を介する送達方法。
- 脂質が1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホコリンまたは1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホアルカノールアミンである請求項32記載の方法。
- 1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホコリンが1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DPePC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DMePC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DSePC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DLePC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOePC)またはその任意の組み合わせである請求項33記載の方法。
- 1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-アルキルホスホアルカノールアミンが1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルエタノールアミン(DPePE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DMePE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DSePE)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DLePE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホエタノールアミン(DOePE)またはその任意の組み合わせである請求項33記載の方法。
- 薬剤と荷電した脂質との会合がイオン複合体形成を含む請求項32記載の方法。
- 脂質および薬剤の会合が水素結合をさらに含む請求項36記載の方法。
- 脂質対生物活性剤の電荷比が約0.25:1〜約1:0.25である請求項32記載の方法。
- 脂質対生物活性剤の電荷比が約0.5:1〜約1:0.5である請求項38記載の方法。
- 脂質対生物活性剤の電荷比が約1:1である請求項39記載の方法。
- 粒子がカルボン酸をさらに含有する請求項32記載の方法。
- 粒子がアミノ酸をさらに含有する請求項32記載の方法。
- 粒子が全体で正味の電荷を有さない脂質をさらに含有する請求項32記載の方法。
- 粒子が多価金属塩またはそのイオン成分をさらに含有する請求項32記載の方法。
- 肺系への送達が深肺への送達を含む請求項32記載の方法。
- 肺系への送達が中央気道への送達を含む請求項32記載の方法。
- 肺系への送達が上気道への送達を含む請求項32記載の方法。
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