JP2005504061A - アミノグリコシドの脂質誘導体 - Google Patents

アミノグリコシドの脂質誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、スペーサーを介して脂質に結合したアミノグリコシドおよびそのポリグアニジル誘導体から成る新規なトランスフェクション化合物に関する。上記の化合物は、異なる細胞型における核酸のインビトロ、エクスビボまたはインビボトランスフェクションのために有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸の細胞内への転移を可能にする新規化合物に関する。より正確には、これらの新規化合物は、アミノグリコシドおよびそのポリグアニジル化誘導体の脂質誘導体である。これらは、核酸の種々の細胞型内へのインビトロ、エクスビボまたはインビボトランスフェクションのために有用である。
【背景技術】
【0002】
バイオテクノロジーの発展とともに、核酸を有効に細胞内へ転移させることが必要になってきた。これは、例えば組換えタンパク質を製造するために、または実験室においては遺伝子発現の調節、遺伝子をクローニングすることまたはいずれかのその他のDNAを包含する操作を研究するために、インビトロで核酸を細胞内へ転移させることを包含することができる。それはまた、例えばトランスジェニック動物の創造、ワクチンの製造、標識付け研究あるいはまた治療的アプローチのために、インビボで核酸を細胞内へ転移させることも包含することができる。それはまた、骨髄移植のためまたは免疫療法ためのアプローチ、または続いてそれらを再投与することを予想しての生体から除去した細胞内への遺伝子の転移を包含するその他の方法において、エクスビボで核酸を細胞内へ転移させることも包含することができる。
【0003】
今日、外因性遺伝物質の細胞内送達のためにいくつかの方法が提案されている。特にそれらの1つは、完全に危険がないわけではないウイルス法と比較して非常に有利な代替法を構成する非ウイルス性ベクターの使用を基にしている。これらの合成ベクターは、2つの主要な機能:トランスフェクションされるべき核酸を複合体化および圧縮すること、および形質膜そして場合により核膜を横断するその通過を促進することを有する。
【0004】
こうして例えばポリマーまたは生化学的ベクター(細胞受容体と関連する陽イオンたんぱく質より成る)のようないくつかの合成ベクターファミリーが開発されたが、しかし重要な進歩は、特にリポフェクタント、さらに特定すれば陽イオン脂質の開発にともなって達成された。こうして、陽イオン脂質がその全正電荷のため自発的に全体的に負であるDNAと干渉して、ヌクレアーゼに対してDNAを保護することができそしてDNAの細胞内放出のために細胞膜に結合することができるヌクレオリピド(nucleolipid)複合体を形成することが証明された。このように、今まで開発された非ウイルス性ベクターのほとんどは、DNAに結合することを可能にするためのアミンプロトン付加に基づいている。
【0005】
今まで種々の型の陽イオン脂質が合成されてきた:第四級アンモニウム基を含む脂質(例えばDOTMA、DOTAP、DMRIE、DLRIEなど)、例えばDOGS、DC−コール(chol)または特許出願WO97/18185に開示されたリポポリアミンのようなリポポリアミン、DOSPAのような第四級アンモニウム基とポリアミンとの両者を組み合わせている脂質、またはアミンから誘導される種々の他の陽イオン実体、特にアミジニウム基を含む脂質(例えばADPDE、ADODEまたは特許EP0888379B1またはUS6,143,729の脂質、特にBGTC)。
【0006】
陽イオン脂質の構造/活性関連性は、まだ本当には理解されていないけれども、一般的に、陽イオン成分の性質は、[それは、結局与えられた陽イオン脂質の有効性を決定する全体の分子の性質および物理化学的特性(疎水性/親水性平衡、コリピド(colipid)との相互作用などのような)であるけれども]、トランスフェクション活性に主要な影響力を有することが考えられる(例えばFelgner外、Am.Chem.Soc., 1996、第177−190頁参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この理由で、過去数年、新規な陽イオン実体を有する陽イオン脂質を開発することに相当量の努力が費やされた。本発明の目的は、正確には、アミノグリコシドまたはそのポリグアニジル化誘導体から成るその陽イオン成分によって独創的であり、そして核酸のインビトロ、エクスビボまたはインビボトランスフェクションのために有効に使用することができる新規なトランスフェクション化合物を提供することである。これらの新規化合物は、アミノグリコシドが非常に多種のRNA分子中に見出される立体下部構造と相互作用することができ(Walter外、Curr.Opin.Chem.Biol., 1999、3、第694−704頁)、そのためそれらが非常に多種のトランスフェクション化合物を合成するために特に適当な構造的特徴を有する新規陽イオン基を構成するので、特に有利である。特に、アミノグリコシドは6個までのアミノ基および数個のヒドロキシル官能基を含有する多官能性化合物である。これらの基の1個またはそれ以上の選択的アシル化は、そのためトランスフェクションに使用するために必要とされる親油性を有するアミノグリコシドを得ることを可能にした。さらに、アミノグリコシドは、1工程で容易にポリグアニジル化することができて、この工程は、例えばその陽イオン成分中にアミンの代わりにグアニジニウム基を有するトランスフェクション化合物を合成することを可能にする。最後に、これらの新規なトランスフェクション化合物はまた、その陽イオン成分を構成するアミノグリコシドが抗生物質として薬物学においてすでに広く使用されている天然化合物であって、実際にそれらの抗菌活性は、それらの原核rRNAとの相互作用から誘導される(Moazed外、Nature、1987、327、第389−394頁;Puhrohit外、Nature、1994、370、第659−662頁)ので、医薬的観点から特に有利でもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の主題は、こうして、スペーサーを介して脂質に結合したアミノグリコシドおよびそのポリグアニジル化誘導体から成ることを特徴とするトランスフェクション化合物である。
【0009】
特に、本発明の主題は、一般式(I):
A−Y−L (I)
[式中:
Aは、アミノグリコシドまたはそのポリグアニジル化誘導体を表し、
Yは、スペーサーを表し、そして
Lは:
相互に独立して水素原子または脂肪性脂肪族鎖を表すR1およびR2を有するかまたはR1またはR2が存在しない基−(R1)R2(R1およびR2の少なくとも1つが脂肪性脂肪族鎖を表すことになる)、または
ステロイドの誘導体を表すR3を有する基−N−R3または−O−R3を表す]
のトランスフェクション化合物である。
【0010】
本発明の目的のためには、用語“アミノグリコシド”[または“アミノシド(aminosides)”]は、アミノシクリトール基のゲニンと一般的に数個のサッカリド[その少なくとも1個は、アミノ糖(オサミン)である]との組み合わせによって形成される天然ヘテロシドを意味することを意図している。そのためこれらは、抗生物質特性を有するプソイドオリゴ糖であると考えることができる。適当なアミノグリコシドの例として、アミカシン、アルベカシン、デオキシヒドロストレプトマイシン、デストマイシンA、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ゲンチシン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、イセパマイシン(isepamycin)、カナマイシン、ミクロノマイシン(micronomycin)、パロモマイシン、リボスタマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド(streptonicozide)、ネオマイシン、トブラマイシン、シソマイシンまたは半合成アミノシドを挙げることができる。
【0011】
本発明に従うアミノグリコシドのポリグアニジル化誘導体は、アミノ官能基がグアニジウム官能基によって置き換えられたアミノグリコシドである。例えば、カナマイシンのポリグアニジル化誘導体、またはグアニジノカナマイシンがBaker外(J.Org.Chem., 2000、65、第9054−9058頁)によって記載された。
【0012】
本発明に従えば、用語“スペーサー”は、アミノグリコシドまたはそのポリグアニジル化誘導体とその分子の脂質成分との間に結合を形成すること、およびこれらの間のいずれかの望ましくない相互作用を減少させるためにこれらの2成分を引き離すことの両方を可能にするいずれかの化学基を意味することを意図している。その結果として、スペーサーは、例えば1ないし6個の炭素原子を有するアルキル、ケトン、エステル、エーテル、アミノ、アミド、アミジン、カルバメートまたはチオカルバメート官能基、グリセロール、尿素、チオ尿素または芳香環から選択される1個またはそれ以上の化学官能基から成ることができる二官能価化学基である。例えば、スペーサーは、式:
−C(O)−
−NH−C(O)−CH2−CH2
−W−(CH2−)k−W’−
または:−(CH2−)i−W−(CH2)j
(式中、i、jおよびkは、1ないし6の間で選択される整数であり、そしてWおよびW’は、同一であるかまたは異なっていることができて、ケトン、エステル、エーテル、アミノ、アミド、アミジン、カルバメートまたはチオカルバメート官能基、グリセロール、尿素、チオ尿素または芳香環から選択される基である)の基から選択されることができる。
【0013】
本発明の目的のためには、用語“脂肪性脂肪族鎖”は、上記脂肪性脂肪族鎖が脂質特性を有するという条件で、10ないし22個の炭素原子を含有し、そして場合により1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する飽和または不飽和アルキル基を意味することを意図している。好ましくは、これらは10ないし22個の炭素原子および1、2または3個の不飽和を含有する直鎖状または分枝アルキル基である。好ましくは、上記アルキル基は10、12、14、16、18、20または22個の炭素原子を含む。さらに特定的には脂肪族基−(CH2)11CH3、−(CH2)13CH3、(CH2)15CH3および−(CH2)17CH3を挙げることができる。
【0014】
本発明の目的のためには、用語“ステロイドの誘導体”は、コレスタン型の多環式化合物を意味することを意図している。これらの化合物は、天然であるかまたは天然でないことができて、好ましくはコレステロール、コレスタノール、3−α−5−シクロ−5−α−コレスタン−6−β−オール、コール酸、コレステリルホルメート、コレスタニルホルメート、3−α−5−シクロ−5−α−コレスタン−6−β−イルホルメート、コレステリルアミン、6−(1,5−ジメチルヘキシル)−3a,5a−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]シクロプロパ−[2,3]シクロペンタ[1,2−f]ナフタレン−10−イルアミンまたはコレスタニルアミンから選択される。
【0015】
AおよびYが一般式(I)において上で定義したとおりであり、そしてLが、ステロイドの誘導体を表すR3を有する基−OR3であるトランスフェクション化合物は、本発明の目的のために好ましいトランスフェクション化合物のサブクラスを構成する。
さらに好ましくは、本発明に従うトランスフェクション化合物は、AおよびYが上で定義したとおりであり、そしてLが、コレステロール基を表すR3を有する基−OR3である一般式(I)の化合物から選択される。
【0016】
さらにより好ましいトランスフェクション化合物は、特に式:
【化1】
Figure 2005504061
の3β[6’−カナマイシン−カルバモイル]コレステロール[“カナコール(KanaChol)”]、式:
【化2】
Figure 2005504061
の3β[6’−(1,3,3”−トリグアニジノ)カナマイシン−カルバモイル]コレステロール(“TGKC”)および式:
【化3】
Figure 2005504061
の(5”−アミノエチルスルファニル)ネオマイシンカルバモイルコレステロール[“ネオコール(NeoChol)”]である。
【0017】
本発明がまた、それらが存在するときは一般式(I)の生成物の異性体、およびまたその混合物類、またはその塩にも関することは、理解される。
特に、本発明の化合物は無毒性でしかも薬学的に受容できる塩の形であることができる。これらの無毒性塩には無機酸(例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸)との塩、または有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、フマル酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または蓚酸)との塩が含まれる。
【0018】
本発明に従う一般式(I)の化合物は、通常の有機合成の技術を使用して溶液中または当業者には周知である固体担体上で、示された順序でまたはいずれかの他の公知で同等に適当な変形に従って、下記の工程を実施することによって製造される:
【0019】
1)脂質成分Lの製造
一般式(I)の化合物の脂質成分Lが、例えばスペーサーの窒素原子に、結合した基−(R1)R2によって表されるとき、式HN(R1)R2のアミンを最初に形成させる。上記アミンは、相当するアミドを形成するように一方が置換基R1を含有しそして他方が置換基R2を含有するカルボン酸とアミンとを縮合させ、続いてこのようにして得られる上記アミドを還元することによって得ることができる。
【0020】
アミドの形成は、成分を混合し、そして関係する物質の融解温度よりも高い温度、一般に20℃ないし200℃まで加熱することによって融解させ、その後生成される水を媒質の脱水によるか;またはより有利には例えば五酸化リンまたはいずれかの水を吸収することができる他の物質のような乾燥剤の存在において、除去することによって有利に実施される。この中間体アミドはまた、この方法の変形または変化させられるカルボン酸またはその誘導体、条件および試薬[R.C.Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH編者(editors)]を包含し、そして当業者には周知のいずれかの他のアミド形成法(例えばペプチド型のカップリングのような)を使用して形成させることもできる。
上で得たアミドの式HN(R1)R2のアミンへの還元は、例えば水素化アルミニウムリチウムのような還元剤、またはこの場合に有効であるいずれかのその他の水素化物または還元剤を使用して、実施することができる。そのときこの手順は、好ましくは、非プロトン性溶媒(例えばテトラヒドロフランまたはエーテル類)中で、溶媒の沸点より低い温度で乾燥および/または不活性雰囲気下で実施される。
もう一つの変形に従えば、HN(R1)R2として表示される脂質成分は、市販されているかもしれない。
一般式(I)の化合物の脂質成分Lが基−NR3または−OR3によって表されるとき、それは、好ましくは市販されている製品から選択される。
【0021】
2)スペーサーYのグラフティング(grafting)
次にスペーサーYを当業者には公知の通常の技術に従って、前記工程で得られる脂質成分Lに結合させる。好ましい変形に従えば、アミド結合が、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはいずれかの他のエーテルのような適当な溶媒中で、溶媒の沸点より低い温度で、乾燥および/または不活性雰囲気下で脂質成分LをN−アシル化することによって形成される。この反応は、好ましくは、N,N−ジメチルアミノピリジンのようなアミン塩基の存在において、またはトリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンのような非求核アミン塩基と混合したこの塩基の存在において、起こる。ピリジンもまた、単独でまたは、別の塩基と混合するか、上記溶媒の1つで希釈するか、またはそれ自体を溶媒として使用して、使用することができる。
もう一つの変形に従えば、脂質成分Lが基−OR3を表すとき、相当するアルコールR3OHをホスゲンで処理するとクロロホルミエート(chloroformiate)が得られる(時には市販されている)。
【0022】
3)アミノグリコシドのグラフティング
Y−L組み合わせ上へのアミノグリコシドのグラフティングは、それらが天然化合物中に存在しても、当業者には公知の通常法に従って産出される改変から生じても、アミノグリコシドによってもたらされるアミンおよび/またはヒドロキシル官能基を使用して実施される。
変形に従えば、アミド結合が、ペプチド結合を得るために使用される通常法に従って、適当に活性化されたY−L組み合わせを用いてアミノグリコシドのアミン官能基をN−アシル化することによって形成される。
一般式(I)の化合物の脂質成分Lが基−OR3によって表されるとき、好ましい可能性は、アミノグリコシドをアルコールR3OHの、時には市販されているクロロホルミエートで処理することによって得られるカルバメート結合を介して成分AおよびLを結合させることにある。この反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはいずれかの他のエーテルのような適当な溶媒中で、溶媒の沸点より低い温度で、乾燥および/または不活性雰囲気下で、そしてトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたはピリジンのような非求核アミン塩基の存在において起こる。
一般に、本発明の文脈において優先的に使用されるアミノグリコシドは、すべて市販されている。
【0023】
4)アミンのグアニジンへの変換
アミノグリコシドのアミン官能基のグアニジン官能基への変換は、当業者には公知の技術、特に、例えばBaker外(J.Org.Chem., 2000、65、第9054−8頁)、Luedtke外(J.Am.Chem., 2000、122、第12035−12036頁)またはIwanowicz外(Synth.Commun.1993、23、第1443−1445頁)によって記載された技術に従って容易に実施することができる。有利には、Iwanowicz外(Synth.Commun.1993、23、第1443−1445頁)によって記載された技術および試薬を使用する。
当然、種々の置換基がこの反応を妨げ得るときは、これらをあらかじめ適合性でありそしてその分子の残部に影響を及ぼすことなく導入し、そして除去することができる基で保護することが好ましい。これは当業者には公知の通常法に従って、特にT.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、Wiley−Interscience中、McOmie、Protective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press中またはP.J.Kocienski、Protecting Groups、Thieme中に記載された方法に従って実施される。
さらに、この製造法の各工程の後、適宜、当業者には公知のいずれかの方法に従って、得られた化合物を分離しそして精製するための工程を実施することができる。
【0024】
本発明のもう一つの主題は、本発明に従うトランスフェクション化合物および核酸を含む組成物に関する。各成分の各々の量は、使用するトランスフェクション化合物、核酸および所望の適用(特にトランスフェクションされるべき細胞の型)に依存して当業者によって容易に調整されることができる。
【0025】
本発明の目的のためには、用語“核酸”は、デオキシリボ核酸およびリボ核酸の両方を意味することを意図している。これらは、天然または人工の配列、そして特にゲノムDNA(gDNA)、相補的DNA(cDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)またはリボソームRNA(rRNA)、DNA/RNAキメロプラスト(chimeroplast)または合成または半合成配列のようなハイブリッド配列、修飾オリゴヌクレオチドまたは非修飾オリゴヌクレオチド、であることができる。これらの核酸は、ヒト、動物、植物、細菌、ウイルスなど由来のものであることができる。これらは、当業者には公知のいずれかの技術を用いて、特にスクリーニングライブラリーにより、化学的合成により、またはスクリーニングライブラリーによって得られる配列の化学的または酵素的修飾を包含する混合法により得ることができる。これらは化学的に修飾することができる。一般にこれらは、少なくとも10、20、50または100の連続ヌクレオチド、そして好ましくは少なくとも200の連続ヌクレオチドを含有する。さらに好ましくは、これらは少なくとも500の連続ヌクレオチドを含有する。
【0026】
特にデオキシリボ核酸に関しては、これらは、短いオリゴヌクレオチドまたはより長い配列と同様に、一本鎖または二本鎖であることができる。特に、核酸は有利にはプラスミド、ベクター、エピソーム、発現カセットなどから成る。これらのデオキシリボ核酸は、標的細胞において機能的であってもよいし機能的でなくてもよい複製の原核または真核起点、1またはそれ以上の標識遺伝子、転写または複製を調節する配列、治療上有用な遺伝子、修飾されていてもよいし修飾されていなくてもよいアンチセンス配列、他の細胞成分に結合するための領域などを有することができる。
好ましくは、核酸は、調節配列の制御下で治療上有用な1またはそれ以上の遺伝子、たとえば標的細胞において活性である1またはそれ以上のプロモーターおよび転写ターミネーターを含む。
【0027】
本発明の目的のためには、表現“治療上有用な遺伝子”は、特に、治療効果を有するタンパク質生成物をコード化しているいずれかの遺伝子を意味することを意図している。このようにコード化されたタンパク質生成物は、特にタンパク質またはペプチドであることができる。このタンパク質生成物は、標的細胞に関して外因性、相同性または内因性である、すなわち標的細胞がいずれの病的状態をも示さないとき標的細胞中に正常に発現される生成物であることができる。この場合にはタンパク質の発現は、例えば細胞における不十分な発現、または改変のために不活性または弱活性であるタンパク質の発現に対して補償すること、または上記タンパク質を過剰発現することを可能にする。治療上有用な遺伝子はまた、増大した安定性、変更された活性などを有する細胞タンパク質の突然変異体をコード化することもできる。タンパク質生成物はまた、標的細胞に関して非相同であることもできる。この場合には、発現されたタンパク質は、例えば細胞中に欠如した活性を加えるかまたは導入して、それについて病的状態と戦うことを可能にするか、または免疫反応を刺激することを可能にすることができる。
【0028】
本発明の目的のための治療用生成物のうちには、特に酵素、血液誘導体、ホルモン、リンホカインおよびサイトカインおよびその阻害剤またはそのアンタゴニスト(インターロイキン、インターフェロン、TNF、インターロイキン1アンタゴニスト、インターロイキン1に対する可溶性受容体およびTNFαなど:FR92/03120)、成長因子、神経伝達物質またはその前駆体または合成酵素、栄養因子[BDNF、CNTF、NGF、IGF、GMF、aFGF、bFGF、NT3、NT5、HARP/プレイトロフィン(pleitrophin)など]、アポリポタンパク質(ApoAI、ApoAIV、ApoEなど:FR93/05125)、ジストロフィンまたはミニジストロフィン(FR91/11947)、嚢胞性繊維症に関連するCFTRタンパク質、腫瘍抑制遺伝子(p53、Rb、Rap1A、DCC、k−revなど:FR93/04745)、凝固に関係する遺伝子コード化因子(因子VII、VIIIおよびIX)、DNA修復に関係する遺伝子、自殺遺伝子(チミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ)、ヘモグロビンのためまたはその他のタンパク質輸送体のための遺伝子、代謝酵素、分解酵素などを挙げることができる。
【0029】
治療上有用な核酸はまた、アンチセンス配列または遺伝子または、リボザイム機能を有するRNAをコード化しているDNAであることもできて、標的細胞におけるその発現は、遺伝子の発現または細胞mRNAの転写を制御することを可能にする。このような配列は、例えば標的細胞において、細胞mRNAに対して相補的なRNA内に転写されることができ、こうして特許EP140308に記載された技術に従ってそれらのタンパク質中への翻訳を遮断することができる。治療用遺伝子はまた、配列をコード化しているリボザイムをも含み、このリボザイムは選択的に標的RNAを分解することができる(EP321201)。
【0030】
上に示したように、核酸はまた、ヒトまたは動物において、免疫反応を発生させることができる抗原ペプチドをコード化している1またはそれ以上の遺伝子を含むこともできる。この特定の態様においては、本発明は、特に感染、例えばウイルスまたは細菌感染、または癌を治療または予防するためにヒトまたは動物に適用されるワクチンの製造または免疫療法治療の実施を可能にする。これらは、特にエプスタイン−バーウイルス、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス(EP185573)、仮性狂犬病ウイルス、シンシチウム形成ウイルスまたはその他のウイルスに対して特異的な抗原ペプチドまたは腫瘍に対して特異的な抗原ペプチドであることができる(EP259212)。
【0031】
優先的には、核酸はまた所望の細胞または器官において、治療上有用な遺伝子および/または抗原ペプチドをコード化している遺伝子の発現を可能にする配列を含む。これらの配列が感染細胞中で機能することができるとき、これらは当然問題の遺伝子の発現の原因となる配列であることができる。これらはまた異なる起点の配列(他のタンパク質の発現の原因となるかまたは合成の)であることもできる。特に、これらは真核またはウイルス遺伝子のプロモーター配列であることができる。例えばこれらは感染させるように意図された細胞のゲノムから誘導されるプロモーター配列であることができる。同様にこれらはウイルスのゲノムから誘導されるプロモーター配列であることができる。これに関しては、例えばE1A、MLP、CMV、RSVなどの遺伝子プロモーターを挙げることができる。さらに、これらの発現配列は活性化配列、調節配列などを加えることによって改変することができる。それはまた、誘導性または抑制性プロモーターであることもできる。
【0032】
さらに、核酸はまた、特に治療上有用な遺伝子の上流の合成された治療用生成物を標的細胞の分泌経路中に向けるシグナル配列を含むこともできる。このシグナル配列は、治療用生成物の天然シグナル配列であることができるが、しかしそれはまたいずれかの他の機能性シグナル配列または人工シグナル配列であることもできる。核酸はまた合成された治療用生成物を細胞の特定区画の方に向けるシグナル配列を含むこともできる。
【0033】
本発明に従う組成物はまた、トランスフェクション化合物/核酸複合体と関連し、そしてそのトランスフェクション力を改善することができる1種またはそれ以上のアジュバントを含むこともできる。別の態様においては、そのため本発明は、核酸、上記のとおりのトランスフェクション化合物およびトランスフェクション化合物/核酸複合体と関連し、そしてそのトランスフェクション力を改善することができる少なくとも1種のアジュバントを含む組成物に関する。本発明に従う化合物のトランスフェクション力を増大させることを可能にするこれらのアジュバントは、有利には脂質(例えば中性脂質、特にリン脂質)、ペプチド[例えばヒストン、ヌクレオリン(nucleolin)またはWO96/25508に記載されたもののようなプロタミン誘導体]、タンパク質(例えばWO97/12051に記載されたもののようなHMG型のタンパク質)および/またはポリマー[例えば、トランスフェクション化合物/核酸製剤をコロイド状に安定させるために独立してまたは脂質に結合した形でこの製剤内に導入されるポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG−コレステロールのようなトランスフェクション化合物/核酸製剤を“ステルス(stealth)”製剤に変えることを可能にするポリマー]から選択される。この観点から、本発明の組成物はアジュバントとして、特に脂質凝集体を形成する特性を有する1またはそれ以上の天然脂質を含むことができる。用語“脂質凝集体”は、すべての型(単膜および多重膜の両方)のリポソームおよびまたミセルまたはより無定形の凝集体をも包含する総称である。
【0034】
より優先的には、本発明の文脈において使用される中性脂質は2つの脂肪性鎖を含有する脂質である。特に有利には、生理的条件下で双性イオン性であるかまたはイオン電荷のない天然または合成脂質が使用される。これらは、さらに特定すれば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、オレオイルパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジステアロイル−、ジパルミトイル−およびジミリストイルホスファチジルエタノールアミンおよびまた、1ないし3回N−メチル化されているその誘導体、ホスファチジルグリセロール、ジアシルグリセロール、グリコシルジアシルグリセロール、セレブロシド(特にガラクトセレブロシドのような)、スフィンゴ脂質(特にスフィンゴミエリンのような)またはアシアロガングリオシド(特にアシアロGM1およびアシアロGM2のような)から選択することができる。特に好ましい代替法に従えば、本発明の文脈において使用される脂質アジュバントはDOPE、DOPC、コレステロールまたはPEG−コレステロールのような非イオン界面活性剤の脂質誘導体から選択される。
【0035】
これらの種々の脂質は、当業者には周知の通常技術を使用して、合成によるかまたは器官(例えば脳)または卵からの抽出によるかのどちらかで得ることができる。特に天然脂質の抽出は有機溶媒を使用して実施することができる(またLehninger、Biochemistryも参照)。
好ましくは、本発明の組成物は、モル/モルで核酸1当量当たり0.01ないし20当量のアジュバント、より好ましくは0.5ないし5モル当量を含む。
【0036】
もう一つの代替法に従えば、上に列挙したアジュバントは、本発明に従う組成物のトランスフェクション力を改善することを可能にし;特にペプチド、タンパク質または、ポリエチレングリコールのような特定のポリマーは、本発明に従うトランスフェクション化合物に結合することができて、単純に混合はされないであろう。特にPEGは、本発明に従うアミノグリコシドの脂質誘導体に、アミノグリコシドの残留するアミンまたはアミノグリコシドのヒドロキシル基のいずれかで共有結合することができる。
【0037】
特に有利な態様に従えば、本発明に従う組成物はまた、核酸の転移を指示することを可能にするターゲッティングエレメントをも含む。このターゲッティングエレメントは、特定の所望の細胞型または組織(腫瘍細胞、肝細胞、造血細胞など)への核酸の転移を指示することを可能にする細胞外ターゲッティングエレメントであることができる。それはまた、特定の好ましい細胞区画(ミトコンドリア、核など)への核酸の転移を指示することを可能にする細胞内ターゲッティングエレメントであることもできる。ターゲッティングエレメントは、本発明に従うトランスフェクション化合物および核酸と混合することができて、この場合にはターゲッティングエレメントは、好ましくは脂肪性脂肪族鎖(少なくとも10個の炭素原子)またはポリエチレングリコールに共有結合する。もう一つの代替法に従えば、ターゲッティングエレメントは、スペーサーYを作っている化学官能基の1つの上、または脂質成分の末端で(例えばこれらが脂肪性脂肪族鎖を表すときは、R1および/またはR2の末端で)、または残留するアミンの1つまたはヒドロキシル基でアミノグリコシド上に直接、のいずれかで本発明に従うトランスフェクション化合物に共有結合させられる。最後に、ターゲッティングエレメントはまた先に詳細に述べたように核酸に結合させることもできる。
【0038】
本発明の文脈において使用することができるターゲッティングエレメントのうちには、糖、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、脂質、ニューロメディエーター(neuromediator)、ホルモン、ビタミンまたはその誘導体を挙げることができる。優先的にはこれらは糖、ペプチド、ビタミンまたは、例えば抗体または抗体フラグメント、細胞受容体リガンドまたはそのフラグメント、受容体または受容体フラグメントのようなタンパク質である。例えば、それらは成長因子受容体のため、サイトカイン受容体のため、細胞レクチン型の受容体のためまたは葉酸(folate)受容体のためのリガンド、またはインテグリンのような接着タンパク質受容体に対する親和力を有するRGD配列を含有するリガンドであることができる。またトランスフェリン受容体、HDL受容体およびLDL受容体または葉酸(folate)輸送体を挙げることもできる。ターゲッティングエレメントはまた、アシアログリコプロテインのためまたはシアリルルイスXのようなシアリル化(sialidized)種のための受容体のようなレクチン、またはFab抗体フラグメントまたは単鎖抗体(ScFv)を標的にすることを可能にする糖であることもできる。
【0039】
本発明の主題はまた、インビトロ、インビボまたはエクスビボで細胞内に核酸を転移させるための本発明に従うトランスフェクション化合物の使用でもある。より正確には、本発明の主題は疾患、特にタンパク質または核酸生成物における欠失の結果起こる疾患を治療することを目的とする医薬製品を製造するための、本発明の文脈において定義したとおりのトランスフェクション化合物の使用である。上記医薬製品中に含有されるポリヌクレオチドは、上記タンパク質または核酸生成物をコード化するか、またはインビボまたはエクスビボで上記疾患を補正することができる上記核酸生成物を構成する。
【0040】
例えば治療においてまたは遺伝子調節を研究するかまたは病的状態の動物モデルを創造するために、インビボで使用するためには、本発明に従う組成物は局所、皮膚、経口、直腸内、膣内、非経口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮、気管内、腹腔内などの投与を予想して製剤化することができる。好ましくは、本発明の組成物は注射用製剤、特に所望の器官内への直接注射のための、または局所投与(皮膚および/または粘膜上)のための、薬学的に受容できる賦形剤を含有する。これらは、特に無菌の等張溶液または乾燥組成物、特に凍結乾燥組成物であることができ、この組成物は適宜滅菌水または生理食塩水を加えることによって注射用溶質が作り上げられることを可能にする。注射のために使用する核酸の用量およびまた投与数は、種々のパラメーターに依存して、特に使用する投与法、問題の病的状態、発現されるべき遺伝子または所望の治療期間に依存して調整することができる。特に投与法に関しては、それは組織内、例えば腫瘍内への直接注射、または循環系内への注射のどちらかであることができるか、またはそれは培養中に細胞を処理し、続いてそれらを注射または移植術によってインビボで再移植することを包含することができる。本発明の文脈における関連組織は、例えば筋肉、皮膚、脳、肺、気管、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、膀胱、胃、腸、睾丸、卵巣、直腸、神経系、目、腺、結合組織などである。
【0041】
本発明のもう一つの主題は、下記の工程:
(1)複合体を形成するように核酸を本発明に従うトランスフェクション化合物と接触させること、および
(2)細胞を(1)で形成した複合体と接触させること
を含む、核酸を細胞内に転移させる方法に関する。
【0042】
本発明はまた、下記の工程:
(1)複合体を形成するように核酸を本発明に従うトランスフェクション化合物と接触させること、および
(2)ヒトまたは動物体の細胞を(1)で形成した複合体と接触させること
を含む、ヒトまたは動物体を治療する方法にも関する。
【0043】
細胞は、細胞を上記複合体とともにインキュベートすること(インビトロまたはエクスビボ用)によるかまたは複合体を生体内に注射すること(インビボ用)によって複合体と接触させることができる。一般に、投与しようとする核酸の量は、例えば治療または予防されるべき疾患、核酸のまさしくその性質、プロモーターの強度、核酸によって発現される生成物の生物学的活性、個体または動物の身体的条件(体重、年令など)、投与法および製剤型のような非常に多くの因子に依存する。一般にインキュベーションは、好ましくは、例えば106個の細胞当たり0.01ないし1000μgの核酸の存在において実施される。インビボ投与用には、0.01ないし50mgの範囲の核酸用量を例えば使用することができる。投与は単一用量または中間の期間をもった繰り返し用量として実施することができる。
【0044】
本発明の組成物がまた1種またはそれ以上の上で定義したとおりのアジュバントをも含有するとき、アジュバントはあらかじめ本発明に従うトランスフェクション化合物および/または核酸と混合される。別法として、アジュバントをヌクレオリピド(nucleolipid)複合体の投与前に投与することができる。
【0045】
もう一つの有利な代替法に従えば、組織にトランスフェクションを改善することを意図する化学的または物理的処置を行うことができる。物理的処置の場合には、これは電気伝達(electrotransfer)の場合におけるように電気インパルス、または“ソドポレーション(sodoporation)” の場合におけるように機械的力を使用することができる。
本発明は、こうして下記疾患を補正することができるタンパク質をコード化しているかまたはおそらく核酸内に転写されている核酸のインビボまたはインビトロ投与を含み、上記核酸が上で定義した条件下で本発明に従うトランスフェクション化合物と関連しているインビボで核酸を転移させるため、特に疾患を治療するための特に有利な方法を提供する。
【0046】
本発明のトランスフェクション化合物は、核酸を初代細胞中または樹立株中に転移させるために特に有用である。これらは、分化形または多能性形(前駆体)の線維芽細胞、筋肉細胞、神経細胞(ニューロン、星状細胞、グリア細胞)、肝細胞、造血細胞(リンパ球、CD34細胞、樹状細胞など)、上皮細胞などであることができる。
【0047】
本発明のもう一つの主題はまた、1種またはそれ以上の本発明に従うトランスフェクション化合物およびその混合物類を含むトランスフェクションキットにも関する。このようなキットは、例えばバイアルまたはチューブのような種々の容器を入れることができる区画を含むパッケージング形であることができる。これらの容器の各々は、個々にまたは混合したトランスフェクションを実施するために必要とされる種々の要素:例えば1種またはそれ以上の本発明に従うトランスフェクション化合物、1種またはそれ以上の核酸、1種またはそれ以上のアジュバント、細胞などを含む。
【0048】
上記取り合わせのほかにも、本発明はまた、下記の実施例および図面から明らかになるであろうその他の特徴および/または利点をも含み、そしてこの実施例および図面は、本発明を具体的に説明するがその範囲を限定するものではないと考えられるべきである。特に、出願人は、何ら限定を包含することなく、本発明に従うトランスフェクション化合物を製造するために使用することができる操作プロトコルおよびまた反応中間体を提供する。もちろん、これらの同じ化合物を製造するために類似方法を開発するための基礎としてこのプロトコルまたは中間生成物を使用することは、当業者の範囲内である。
【0049】
図1:(5”−アミノエチルスルファニル)ネオマイシンカルバモイルコレステロールトリフルオロアセテートの合成のための反応スキーム(実施例3と比較)。a)Boc2O、Et3N、DMF/H2O、60℃、88%。b)塩化2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル、ピリジン、50%。c)HS−CH2−CH2−NH2、NaOEt/EtOH、46%。d)クロロギ酸コレステリル、Et3N、THF/DMF、52%。e)トリフルオロ酢酸、T<0℃、40分、98%。
図2:トランスフェクション化合物“カナコール(KanaChol)”のインビトロトランスフェクション活性の用量−反応曲線。レポーター遺伝子の発現を、プラスミドDNAを用いて形成されるリポプレックス(lipoplexes)の電荷比(charge ratio)の関数として示す。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgを必要な量の脂質と混合することによって調製したリポプレックスを使用して実施例4に記載するプロトコルに従って、HeLa、HEK293およびCOS細胞をトランスフェクションした。データは、細胞タンパク質1mg当たりの相対光単位(relative light unit)(RLU)で表す。
図3:カナコール(KanaChol)/DOPE(モル比1:1)リポソームのインビトロトランスフェクション活性の用量−反応曲線。レポーター遺伝子の発現をプラスミドDNAを用いて形成されるリポプレックスの電荷比(charge ratio)の関数として示す。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgを、指示された電荷比(charge ratio)によって特徴づけられるリポプレックスを形成するために必要な量の脂質と混合することによって調製したリポプレックスを使用して実施例5に記載するプロトコルに従って、HeLa、HEK293およびCOS細胞をトランスフェクションした。データは、細胞タンパク質1mg当たりの相対光単位(RLU)で表す。
図4:トランスフェクション化合物カナコール(KanaChol)の細胞毒性。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgを、指示された電荷比(charge ratio)によって特徴づけられるリポプレックスを形成するために必要な量の脂質と混合することによって調製したリポプレックスを使用して実施例4に記載するプロトコルに従って、HeLa細胞をトランスフェクションした。トランスフェクションの48時間後に、細胞を回収し、そして細胞数、抽出タンパク質に減少を生じる細胞死、の指数として細胞溶解産物中の細胞タンパク質の総量を使用して毒性を定量した。細胞溶解産物中の総細胞タンパク質を、リポプレックスの電荷比(charge ratio)の関数として表す。データは、細胞溶解産物(固定体積)中の抽出細胞タンパク質の濃度として表される。
図5:カナコール(KanaChol)/DOPE(モル比1:1)リポソームの細胞毒性。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgを、指示された電荷比(charge ratio)によって特徴づけられるリポプレックスを形成するために必要な量の脂質と混合することによって調製したリポプレックスを使用して実施例5に記載するプロトコルに従って、HeLa細胞をトランスフェクションした。トランスフェクションの48時間後に、細胞を回収し、そして細胞数、抽出タンパク質に減少を生じる細胞死、の指数として細胞溶解産物中の細胞タンパク質の総量を使用して毒性を定量した。細胞溶解産物中の総細胞タンパク質を、リポプレックスの電荷比(charge ratio)の関数として表す。データは、細胞溶解産物(固定体積)中の抽出細胞タンパク質の濃度として表される。
図6:トランスフェクション化合物カナコール(KanaChol)またはカナコール(KanaChol)/DOPE(1:1)リポソームのどちらかでトランスフェクションした種々の細胞株におけるルシフェラーゼの発現。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgと、正電荷比(charge ratio)3〜5を得るために必要な量の脂質とを混合することによって調製したカナコール(KanaChol)/DNAリポプレックスまたはカナコール(KanaChol)/DOPE/DNAリポプレックス(正電荷比(charge ratio)3〜5を有する)のどちらかを使用して実施例6に記載するプロトコルに従って、種々の細胞株をトランスフェクションした。データは細胞タンパク質1mg当たりの相対光単位(RLU)で表す。
図7:TGKC/DOPE(モル比1:1)リポソームでトランスフェクションした種々の細胞株におけるルシフェラーゼの発現。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgと、正電荷比(charge ratio)3〜5を得るために必要な量の脂質とを混合することによって調製したTGKC/DOPE/DNAリポプレックス(正電荷比(charge ratio)3〜5を有する)を使用して実施例7に記載するプロトコルに従って、種々の細胞株をトランスフェクションした。データは細胞タンパク質1mg当たりの相対光単位(RLU)で表す。
図8:ネオコール(NeoChol)トランスフェクション化合物でトランスフェクションした種々の細胞株(HEK293、NIH 3T3、HeLa、COS、16HBE)におけるルシフェラーゼの発現。レポーター遺伝子の発現を、プラスミドDNAを用いて形成されるリポプレックスについて種々の電荷比(charge ratio)で示す。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgを混合することによって調製したネオコール(NeoChol)/DNAリポプレックスを使用して実施例8に記載するプロトコルに従って、種々の細胞株をトランスフェクションした。データは細胞タンパク質1mg当たりの相対光単位(RLU)で表す。
図9:ネオコール(NeoChol)/DOPEリポソーム(モル比1:1)でトランスフェクションした種々の細胞株(HEK293、NIH 3T3、HeLa、COS、16HBE)におけるルシフェラーゼの発現。レポーター遺伝子の発現を、プラスミドDNAを用いて形成されるリポプレックスについて種々の電荷比(charge ratio)で示す。ルシフェラーゼを発現しているプラスミドDNA5μgを混合することによって調製したネオコール(NeoChol)/DOPE/DNAリポプレックスを使用して実施例8に記載するプロトコルに従って、種々の細胞株をトランスフェクションした。データは細胞タンパク質1mg当たりの相対光単位(RLU)として表す。
図10:コール(Chol)−PEG(ポリエチレングリコールがコレステロールに共有結合しているハイブリッド分子)で安定化させたカナコール(KanaChol)/DOPE/DNAリポプレックスまたはコール(Chol)−PEGで安定化させたネオコール(NeoChol)/DOPE/DNAの点滴注入後のマウスの気道におけるCAT遺伝子の発現。正電荷比(charge ratio)、コール(Chol)−PEGで安定化させたカナコール(KanaChol)/DOPE/DNAリポプレックスについて3.75またはコール(Chol)−PEGで安定化させたネオコール(NeoChol)/DOPE/DNAリポプレックスについて3.3、およびコレステロール−PEG/DNA重量/重量比2を特徴とするこれらのリポソームを使用して、CAT遺伝子を発現しているプラスミドDNA100μgの全用量を送達した。鼻腔内点滴注入を実施した後、処置したマウスの気管および肺を、実施例9に記載した方法に従ってCAT発現を測定するために除去した。データはCATタンパク質ng/100mg総細胞タンパク質で表す。
図11:プラスミドpCMV−Lucの図による表示。
図12:プラスミドpCIK−CATの図による表示。
【0050】
〔実施例〕
カナマイシンAと同じく、トリエチルアミン、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、二硫化炭素、木炭上パラジウム、テトラデシルアミン、ジ−tert−ブチルジカーボネート、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−ベンジルオキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド、炭酸2−(トリメチルシリル)エチルp−ニトロフェニルおよびコレステリルクロロホルミエートのような試薬および触媒は、市販されている。さらに、N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニルチオ尿素は、Synth.Commun.(1993)、23、第1443−1445頁に発表された手順に従って製造され、そしてネオマイシンアミンはTor外(J.Am.Chem.Soc.2000、122、980−981)に従って製造された。
プロトン核磁気共鳴(1HNMR)スペクトルは、ブルーカー(Bruker)200MHzスペクトロメーター上で記録した。化学シフトは、ppm[パーツ・パー・ミリオン(parts per million)で表し、そして多重性は通常の省略を使用して表す。
【0051】
使用するプラスミドは下記のものである:
−Patel外による発表(BBRC、2001、6、第536−543頁)に記載されたpCMV−Luc、これはサイトメガロウイルスのCMV極初期プロモーターの制御下でルシフェラーゼをコード化しているluc遺伝子を含有する。このプラスミドは図11に示される。それは、プラスミドpGL2−ベーシック(Basic)[プロメガ(Promega)]中にluc遺伝子の上流にCMVプロモーター[インビトロゲン(Invitrogen)のpcDNA3プラスミドから]をサブクローニングすることによって作製された。それはサイズ6255bpである。
−D.Giel(オックスフォード、英国)から得られるpCIK−CAT(インビボトランスフェクション用)、これは、Pitard外(J.Gene Med.2001、3、478−487)によって記載されている。それは、プラスミドpCI[プロメガ(Promega)]中に大腸菌(E.coli)CAT遺伝子をサブクローニングすることによって作製された。このプラスミドは図12に示される。それはサイズ4697bpである。
【実施例1】
【0052】
3β[6’−カナマイシン−カルバモイル]コレステロール[“カナコール(KanaChol)”]の合成
a)[(1 , , 3”−トリアミノ)−6’−N−(ベンジルオキシカルボニル)]カナマイシンAの合成
N−ベンジルオキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド(5.18g;16.5ミリモル)およびトリエチルアミン(1.67g;16.5ミリモル)を、ジメチルスルホキシド(800ml)と水(80ml)との混合物中の遊離塩基の形のカナマイシンA(8g;16.5ミリモル)の溶液に加えた。室温で一晩撹拌した後にかなりの沈殿が形成され、そしてTCL(薄層クロマトグラフィー)による反応混合物の分析は、未反応の生成物の存在を示した。次に混合物が均一になるまで再度水(640ml)を加え、続いてN−ベンジルオキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド(2.6g;8.3ミリモル)を加えた。4日撹拌した後、溶媒を真空下で蒸発させて除去し、そして残留物をジクロロメタン/メタノール/アンモニア(5:4:1)混合物からメタノール/アンモニア(9:1)混合物までの範囲の溶離剤を使用するシリカカラム上のクロマトグラフにかけた。関係する分画から溶媒を蒸発させることによって期待された化合物を回収した(7.15g;70%)。
b)[1 , , 3”−トリアザ(トリメチルシリルエトキシカルボニル)]−[6’−N−(ベンジルオキシカルボニル)]カナマイシンA(“カナ(Kana)−トリ[Teoc]−モノ[Cbz]”)の合成
トリエチルアミン(0.25g;3当量;2.42ミリモル)および混合炭酸2−(トリメチルシリル)エチルp−ニトロフェニル(0.92g;4当量;3.23ミリモル)を、水(7ml)/ジオキサン(16ml)混合物中のカナ(Kana)−モノ[Cbz](0.5g;0.81ミリモル)の溶液に加えた。混合物を55℃で48時間撹拌し、そして濃縮した後、得られた懸濁液を、水(60ml)で予備飽和させたブタノール中に注いだ。1N水酸化ナトリウム溶液(800ml)および飽和塩化ナトリウム溶液で数回洗浄した後、ブタノール相を蒸発乾固した。メタノールとアセトンとの混合物を残留物に加え、こうして得られた溶液を濃縮することによって所望の生成物を黄色粉末の形で得た(0.73g;86%)。
c)[1 , , 3”−トリアザ(トリメチルシリルエトキシカルボニル)]カナマイシンA(“カナ(Kana)−トリ[Teoc]−NH 2 ”)の合成
木炭上パラジウム(10%のPd/C;0.3g)を脱気したメタノール(25ml)中のカナ(Kana)−トリ[Teoc]−モノ[Cbz](0.3g;0.29ミリモル)の溶液に加えて、水素流をこの混合物中に1時間泡立たせた。この後者を水素雰囲気下で再度一晩撹拌した後、懸濁液をセライト(celite)上で濾過して、蒸発乾固した。こうして白色固体の形の所望の生成物(0.23g;90%)を得た。
d)[1 , , 3”−トリアザ(トリメチルシリルエトキシカルボニル)]−[6’−N−(3−オキソカルボニルコレステリル)]カナマイシンA(“カナ(Kana)−トリ[Teoc]−コール(Chol)”)の合成
トリエチルアミン(1.5当量;0.017g;0.16ミリモル)およびコレステリルクロロホルミエート(1.5当量;0.074g;0.16ミリモル)を、テトラヒドロフラン(5ml)とジメチルホルムアミド(2ml)との混合物中のカナ(Kana)−トリ[Teoc]−NH2(0.1g;0.11ミリモル)の溶液に加えた。混合物を室温で48時間撹拌した後、ジメチルホルムアミドのみが残留するまで減圧下で濃縮した。この溶液に水を加えると白色沈殿の形成が起こり、これを濾過した(0.12g;83%)。
e)1 , , 3”−トリアミノ−6’−N−(3−オキソカルボニルコレステリル)カナマイシンAトリフルオロアセテート[“カナコール(Kanachol)”]の合成
前記工程で得たカナ(Kana)−トリ[Teoc]−コール(Chol)(0.070g;0.053ミリモル)を、氷浴中で0℃に保持したトリフルオロ酢酸中に45分間懸濁させた。室温にもどした後、混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をメタノール中に取り込ませ、そして再度濃縮して乾燥させた。この手順を数回繰り返すことによってカナコール(Kanachol)を白色固体の形で得た(0.063g;97%)。
1H NMR(CD3OD):δ(ppm)5.32(m、1H、アノマーH);5.09(m、1H、コレステロールのH);4.97(m、1H、アノマーH);4.30(m、1H、コレステロールのH);3.85−2.98(m、16H、グリコシド環の種々のプロトン);2.30−0.81(m、44H、グリコシド環およびコレステロール核の種々のプロトン);0.63(s、3H、コレステロールのCH3)。
【実施例2】
【0053】
3β[6’−(1 , , 3”−トリグアニジノ)カナマイシン−カルバモイル]コレステロール(“TGKC”)の合成
a)[1 , , 3”−トリアザ(N , N’−ビス−tert−ブトキシカルボニルジアミノメチレン)−6’−N−(3−オキソカルボニルコレステリル)カナマイシンA(“カナ(Kana)−トリ[GuanBoc]−コール(Chol)”)の合成
トリエチルアミン(30当量;0.36g;3.63ミリモル)、N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニルチオ尿素(3.5当量;0.117g;0.42ミリモル)および塩化第二水銀(3.5当量;0.115g;0.42ミリモル)を、ジメチルホルムアミド(10ml)中の、上記実施例のプロトコルに従って得たカナコール(Kanachol)(0.15g;0.12ミリモル)の溶液に連続して加えた。混合物を室温、不活性雰囲気下で48時間撹拌した。次に溶液を水と酢酸エチルとの混合物中に注ぎ、水性相を酢酸エチルで4回抽出した。飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、プールした有機画分を濃縮して乾燥させた。所望の生成物を白色粉末の形で得た(0.1g;51%)。
b)[1 , , 3”−トリアザ(N , N’−ビスジアミノメチレン)−[6’−N−(3−オキソカルボニルコレステリル)カナマイシンA(“カナ(Kana)−トリ[Guan]−コール(Chol)”または“KTGC”)の合成
前記工程で得たカナ(Kana)−トリ[GuanBoc]−コール(Chol)(0.060g;0.037ミリモル)を、氷浴中に保持したトリフルオロ酢酸中に懸濁させた。0℃に2.5時間置いてから室温にもどした後、混合物を濃縮して乾燥させた。赤褐色残留物をメタノール中に取り込ませた後、再度濃縮して乾燥させた。この操作を3回繰り返した。次にペンタンを加え、そして細かい懸濁液を得るために混合物を音波破砕して、この懸濁液をその後遠心分離した。こうして0.030gの純粋なKTGCを回収した(収率:60%)。
1H NMR(D2O):δ(ppm)5.48(m、1H、アノマーH);5.05(m、1H);3.97(m、1H、コレステロールのH);3.70−2.60(m、グリコシド環の種々のプロトン);2.18−0.80(m、グリコシド環およびコレステロール核の種々のプロトン)。
【実施例3】
【0054】
(5”−アミノエチルスルファニル)ネオマイシンカルバモイルコレステロール[“ネオコール(NeoChol)”]の合成
Tor外(J.Am.Chem.Soc.2000、122、980−981)に従って実施した改変から生じるアミン官能基を使用して、アミノグリコシドネオマイシンをY−L集合上にグラフトした。ネオコール(NeoChol)の合成のための反応スキームを図1に示す。
a)N−ヘキサ−tert−ブチルオキシカルボニルネオコール(NeoChol)の合成
トリエチルアミン(14ml;0.10ミリモル;1.2当量)およびクロロギ酸コレステリル(43.1mg;0.10ミリモル;1.2当量)を、テトラヒドロフラン(6ml)とジメチルホルムアミド(2ml)との混合物中のTor外(J.Am.Chem.Soc.2000、122、980−981)に従って製造されたネオマイシンアミン(102mg、0.08ミリモル、1当量)の溶液に加えた。反応混合物は徐々に曇りそしてこれを一晩撹拌した。次に揮発性溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を溶離剤として90/5/5 ジクロロメタン/メタノール/酢酸エチル混合物を用いてシリカカラム上でクロマトグラフにかけた。関係する分画から溶媒を蒸発させることによって期待された生成物を白色固体の形で回収した。
Rf=0.45(ジクロロメタン/メタノール 9:1;薄層クロマトグラフィー)
1H NMR(200MHz、CDCl3):δ(ppm)6.15(幅広s);5.90(m、1H);5.35(m、2H);5.36(m、1H、コール(Chol));5.25−4.86(m、5H);4.60−3.20(m、15H);3.10(m、1H);2.86(m、2H);2.69(m、2H);2.50−1.72(m、10H);1.72−0.84(m、87H);0.71(s、3H、CH3コール(Chol))。
質量(MALDI−TOF):[MNa+]1708.98。
【0055】
B):(5”−アミノエチルスルファニル)ネオマイシンカルバモイルコレステロールトリフルオロアセテートの合成
前記工程で得たN−ヘキサ−tert−ブチルオキシカルボニルネオコール(NeoChol)(60mg;0.035ミリモル;1当量)を、氷浴中に置いたトリフルオロ酢酸(2ml)中に懸濁させた。0℃に50分置いた後、混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をメタノール中に取り込ませた後、再度濃縮して乾燥させた。この操作を3回繰り返してから固体残留物を水に溶解させ、そして凍結乾燥させ;こうしてネオコール(NeoChol)を綿のような白色粉末の形で回収した(59.6mg;95.2%)。
1H NMR(200MHz、[D4]メタノール):δ 6.05(幅広s、1H);5.46−5.31(m、3H);4.43−4.29(m、4H);4.21−3.82(m、5H);3.67−3.11(m、13H);2.89−2.60(m、3H);2.58−2.25(m、3H);2.20−1.73(m、7H);1.72−0.84(m、33H);0.71(s、3H、CH3コール(Chol))。
質量(MALDI−TOF):[MH+]1086.83;[MNa+]1108.80。
【実施例4】
【0056】
水性媒質中のトランスフェクション化合物カナコール(KanaChol)のインビトロトランスフェクションの用量−反応曲線
この実施例の目的は、本発明のトランスフェクション化合物がインビトロで細胞をトランスフェクションする能力を具体的に示すことであった。
この研究を、種々の量のカナコール(KanaChol):DNA5μg当たり6.6、13.2、33、66または132ナノモルのカナコール(KanaChol)を含むリポプレックスについて実施した。理論的平均電荷比(charge ratio)を決定するために、1μgのDNAが3ナノモルの負電荷を表すこと、およびカナマイシンの3個のアミン基がリポプレックスの形成およびトランスフェクションの間に中性pHでプロトン付加されることが考慮された。実際に、核酸と複合体化したカナマイシンについての電気泳動ゲルシフト研究は、カナコール(KanaChol)の平均正電荷がむしろ2〜3であることを示唆した。
【0057】
カナコール(KanaChol)/DNAリポプレックスの調製:実施例1に従って得たカナコール(KanaChol)を、20mMの正電荷濃度で20mMのヘペス(Hepes)緩衝液(pH7.4)に溶解させた(3個のアミン官能基が中性pHでプロトン付加されることを考えて)。その後Vigneron外(PNAS、93、第9682−9686頁、1996年9月)またはPatel外(Biochem.and Biophys.Res.Comm., 281、第536−543頁、2001)によって記載されたプロトコルに従ってリポプレックスを調製した。
【0058】
細胞培養:子宮頚部上皮癌由来のヒトHeLa細胞[アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American type Culture Collection)(ATCC)ロックビル(Rockville)、メリーランド、米国]を、10%のウシ胎仔血清および抗生物質で補足したMEM(最少必須培地)型の培地の存在において培養した。この培地および添加剤は、Gibco/BRL Life Technologies[ガイタースバーグ(Gaithersburg)、メリーランド、米国]から得た。細胞をインキュベーター内で37℃、そして二酸化炭素5%でフラスコ中で培養した。同一手順をHEK293およびCOS細胞について使用した。
【0059】
トランスフェクション:トランスフェクションの1日前に、1ウェル当たりほぼ250,000の細胞にして、6−ウェルプレート中にHeLa細胞を移した。これらの希釈は24時間後にほぼ80%の集密を示した。トランスフェクションのために細胞を2回洗浄し、そして血清を含まない500μlの培地とともに37℃でインキュベートした。5μgのプラスミドDNAを含有する複合体500μlを各ウェルに加えた(この複合体は、ウェルに加える少なくとも30分前に調製した)。
37℃で6時間後に、血清を含まないプレートを10%(v/v)のFCS(“ウシ胎仔血清”)で補足した。
すべてのプレートを37℃、そして5%二酸化炭素に24時間置いた。
このプロトコルは、Vigneron外(PNAS、93、第9682−9686頁、1996年9月)またはPatel外(Biochem.and Biophys.Res.Comm., 281、第536−543頁、2001)によって記載されたものと同様である。
【0060】
ルシフェラーゼ活性の決定:簡単には、トランスフェクションした細胞を500μlのPBS(リン酸緩衝液)で2回洗浄した後、250μlの試薬(25mMトリホスフェート、pH7.8/8mM MgCl2/1mMジチオトレイトール/15%グリセロール/1%トリトンX−100)を用いて溶解させた。次にこの溶解産物をマイクロ遠心機中での遠心分離(15℃で15分)によって透明にした。
遠心分離した溶解産物の上澄み液の20μlのアリコートを100μlの溶解緩衝液中で希釈して、これに4μlの25mM ATP(Sigma)および20μlの25mMルシフェリン(Sigma)を加えた。次に試料をルメット(Lumet)LB9501 閾値計[ベルトホールド(Berthold)、ナシュア(Nashua)、ニューハンプシャー]内に入れて、発光積分値を10秒間測定した。
こうしてルシフェラーゼ活性を相対光単位(“RLU”)で表して、バイオラド(Biorad)キットを使用して得られた試料タンパク質濃度を用いて標定した。
このプロトコルは、Vigneron外(PNAS、93、第9682−9686頁、1996年9月)またはPatel外(Biochem.and Biophys.Res.Comm., 281、第536−543頁、2001)によって記載されたものと同様である。
【0061】
図2に要約する3種の細胞株についての結果は、ほぼ5の理論的平均電荷比(charge ratio)を有するリポプレックスについて最適トランスフェクション効率をもつ高い発現水準を示した。トランスフェクションはCOS細胞株において最も高かった。
制御はまた、カナマイシン(コレステロール誘導体には結合していない)とDNAとの間で形成される複合体を用いても実施され:トランスフェクションは観察されなかった。
そのためこれらのデータは、カナコール(KanaChol)がインビトロでのDNAの細胞内への有効なトランスフェクションを実施することを可能にすることを証明している。これらの結果はまた、トランスフェクションが、正のリポプレックスと全体として負である細胞表面との間の静電的相互作用に関係するという仮説とも首尾一貫している。
【0062】
図2はまた、トランスフェクション効率が非常に高い電荷比(charge ratio)(ほぼ7より大きい)に対しては低下することも示している。この低下は、それらを大量に使用するとき、一般に陽イオン脂質の、そしてそのため特にカナコール(KanaChol)の、特定の毒性効果を反映することができる。
こうして、カナコール(KanaChol)の細胞毒性はまた、DNAについて種々の電荷比で測定することもできる。毒性は、細胞数の指数として、1ウェル当たりの細胞溶解産物中の細胞タンパク質の総量を使用して定量した。1ウェル当たりの細胞溶解産物中の細胞タンパク質の総量の減少は、細胞数の減少に相当し、そしてその結果として、細胞に関するカナコール(KanaChol)/DNAリポプレックスの一定の細胞毒性の存在を反映する。
【0063】
タンパク質水準の決定:タンパク質水準は、Oudrhriri外(PNAS、94、第1651−1656頁、1997)によって記載されたものと同一のプロトコルに従ってバイオラド(Biorad)キットを使用し、そして製造業者の使用説明書に従って決定した。
図4に要約する結果は、高電荷比(charge ratio)での抽出細胞タンパク質の総数の減少、すなわちカナコール(KanaChol)濃度の増大と平行した細胞毒性の増大を示す。こうして試験した3種の細胞株における高電荷比(charge ratio)でのトランスフェクション活性の低下は、非常に大量に使用されたカナコール(KanaChol)の特定の毒性の存在に関連づけることができる。
【実施例5】
【0064】
カナコール(KanaChol)/DOPEリポソームのインビトロトランスフェクションの用量−反応曲線
この実施例の目的は、中性脂質を用いてリポソームの形に製剤化したとき、本発明に従うトランスフェクション化合物がインビトロで細胞をトランスフェクションする能力を具体的に示すことであった。
陽イオン脂質は、しばしば中性脂質DOPEとともにリポソームの形に製剤化される。実際に、DOPEの使用は、そのフソゲン(fusogenic)特性のために、それらがその中にインターナライゼーションされている細胞内取り込み小胞からのリポプレックスの退去を促進することによってトランスフェクションを助けるであろうと考えられる。こうして、一連の陽イオン脂質について、それらを50%のDOPEとともに製剤化することは、双性イオン性脂質を用いない製剤化と比較してトランスフェクション効率を2−ないし5−倍増大させることを可能にすることが、Felgner外(J.Biol.Chem., 1994、269、第2550−2561頁)によって示された。
【0065】
この理由で、カナコール(KanaChol)/DOPE(1:1モル)リポソームは、下記のように調製された:クロロホルム中のカナコール(KanaChol)とDOPEとの混合物(モル比1:1)を真空下で蒸発させ、そして20mMヘペス(Hepes)緩衝液(pH7.4)中に再懸濁させた。脂質の最終濃度は、5mg/mlであった。次にこの混合物を、リポソームを得るために、ソニファイアー・セル・ディスラプター(Sonifier Cell Disruptor)B−30ターミナルを備えたブランソン・ソニファイアー(Branson Sonifier)450超音波機を使用して10分間音波破砕した。得られた溶液を室温まで冷却した後、0.22μmフィルター[ミレックス(Millex)GS、ミリポア(Millipore)]を通して濾過した。
【0066】
上記実施例と同様に、この研究は、3種の細胞株HeLa、HEK293およびCOSにおいて変動する理論的平均電荷比(charge ratio)でのトランスフェクション効率を測定するために、種々の量のカナコール(KanaChol)を含むリポソームについて実施した。
【0067】
図3に要約する結果は3種の細胞株についての高水準のルシフェラーゼ発現を示す。これらのトランスフェクション水準は、カナコール(KanaChol)単独(DOPEを含まない)の製剤化で得られたものに完全に匹敵して、このことは使用した3種の細胞株が非常に容易にトランスフェクションできるものであるという事実によって説明することができる。これに対して、カナコール(KanaChol)/DOPE/DNAリポソームを使用したときは、高電荷比(charge ratio)でのトランスフェクション活性の明確な減少はないことが観察された。
こうしてカナコール(KanaChol)/DOPEリポソームの細胞毒性もまた、
上記実施例に記載したものと同様のプロトコルに従ってDNAを使用して種々の電荷比(charge ratio)で測定された。図5に要約するデータはこれらのリボソーム製剤が高電荷比(charge ratio)で明らかな毒性を示さないことを示す。そのためリポソーム製剤中に使用したカナコール(KanaChol)が有効であってしかも無毒であるトランスフェクションベクターであったことは、明らかである。
【実施例6】
【0068】
トランスフェクション化合物カナコール(KanaChol)およびカナコール(KanaChol)/DOPEリポソームのインビトロトランスフェクション活性に対するスペクトル
この実施例の目的は、本発明に従うトランスフェクション化合物が、それらを単独で使用してもDOPEを含むリポソームの形で使用しても、インビトロで他の細胞型をトランスフェクションする能力を具体的に示すことであった。
実施例4および5で実施したインビトロトランスフェクション実験を他のあまり一般的でない細胞株(各細胞株の種および特異性を図6に示す)を使用することを除き、再度同様に実施した。カナコール(KanaChol)/DNAおよびカナコール(KanaChol)/DOPE/DNA製剤を3と5との間(実施例4および5で限定したとおりの最適値)の電荷比(charge ratio)で使用した。得られた結果を図6の表に要約する。
カナコール(KanaChol)/DOPE(モル比1:1)製剤はすべての細胞株に対して高いトランスフェクション効率を誘発し、単独で使用した(DOPEを含まない)カナコール(KanaChol)は、全体的に、特に細胞株16HBEおよびHepG2において、比較的有効でないことが明らかである。そのためDOPEの使用はトランスフェクション効率に有益な効果を有するであろうことが明らかである。
【実施例7】
【0069】
TGKC/DOPEリポソームのインビトロトランスフェクション活性
この実施例の目的は、本発明に従うポリグアニジル化トランスフェクション化合物(リポソームの形で製剤化した)がインビトロで細胞をトランスフェクションする能力を具体的に示すことであった。
実施例5に記載したプロトコルと同様にして得たTGKC/DOPE(モル比1:1)製剤は、こうして前記実施例に記載したものと同様のトランスフェクション法に従って、インビトロで種々の細胞株(COS、HeLa、NIH3T3およびMITC)をトランスフェクションするために使用された。TGKC/DOPE/DNAリポプレックスの電荷比(charge ratio)を3と5との間、すなわちカナコール(KanaChol)を用いて先に最適であることが証明された値に固定した。当然のことに理論的平均電荷比(charge ratio)を決定するためには、TGKCの3個のグアニジウム基は(グアニジウム官能基の高pKaのために)中性pHで正に荷電されていると考えられた。
図7に要約する結果はTGKC/DOPEリポソームが試験した種々の細胞株を有効にトランスフェクションすることを可能にしたことをはっきり示す。
【実施例8】
【0070】
ネオコール(NeoChol)トランスフェクション化合物およびネオコール(NeoChol)/DOPEリポソームに対するインビトロトランスフェクション活性スペクトル
この実施例の目的は、本発明に従うトランスフェクション化合物が、それらを単独で使用してもDOPEを含むリポソームの形で使用しても、インビトロで種々の細胞型をトランスフェクションする能力を具体的に示すことである。
実施例4、5、6および7で実施したインビトロトランスフェクション実験を、種々の電荷比(charge ratio)[ネオコール(NeoChol)/DNAについては1.3と26との間、そしてネオコール(NeoChol)/DOPE/DNAについては0.66と26との間)で、そして一連の5種の細胞株(HeLa、NIH 3T3、HEK293、COSおよび16HBE)において、ネオコール(NeoChol)/DNAおよびネオコール(NeoChol)/DOPE/DNA製剤を使用して同様に実施した。リポプレックスおよびリポソームは実施例4および5に記載したプロトコルと同様に[ネオコール(NeoChol)について中性pHで5個のアミノ官能基をプロトン付加することを見積もって]調製した。得られた結果を図8および9に要約する。
図8に要約する結果は、ネオコール(NeoChol)/DNA製剤が試験した種々の細胞株を有効にトランスフェクションすることを可能にしたことをはっきり示す。
ネオコール(NeoChol)/DOPE製剤(モル比1:1)は、すべての細胞株に対して高いトランスフェクション効率を誘発し、単独で使用した(DOPEを含まない)ネオコール(NeoChol)は、全体的に、特に16HBE細胞株において(高電荷比(charge ratio)を除き)、少し有効でないことが明らかである。そのためDOPEの使用はトランスフェクション効力に有益な効果を有するであろうことが明らかである。
【実施例9】
【0071】
カナコール(KanaChol)/DOPE/コール(Chol)−PEGリポソームを使用するマウスの気道内へのインビボ遺伝子転移
この実施例は、本発明に従うトランスフェクション化合物がインビボで細胞内にDNAをトランスフェクションする能力を具体的に示す。
インビボ遺伝子転移は、体重30gのメスのBALB/cマウスの気道内で(鼻腔内投与)、コール(Chol)−PEGで安定化させたカナコール(KanaChol)/DOPE/DNAまたはネオコール(NeoChol)/DOPE/DNAリポプレックスを含有するトランスフェクション培地50μl(1回の投与当たり)を用いて実施した。各動物は、ほぼ4時間おきに3回の投与、すなわち総量で100μgのpCIK−CATプラスミドDNAを受けた。
使用した製剤は下記のように調製された:カナコール(KanaChol)/DOPEリポソームを、実施例6に記載したプロトコルに従って調製した。次に無菌の安定剤コール(Chol)−PEG(ほぼ100のオキシエチレン単位を含有するポリエチレングリコール鎖に結合したコレステロール)の溶液を加えて、その直後に水溶液中のpCIK−CATプラスミドDNAと混合した。DNA濃度は、その結果ほぼ0.6mg/mlであり、そして正電荷比(charge ratio)は3.75であった。そのとき最終コール(Chol)−PEG/DNA比率は2(重量/重量)であった。コール(Chol)−PEGの使用は、リポソーム製剤の鼻腔内点滴注入によりインビボでマウスの気道において非常に高いトランスフェクション効率を有することを可能にするコロイド的に安定な溶液の生成を可能にする。ネオコール(NeoChol)/DOPE/コール(Chol)−PEG製剤は、同様に調製されたが、使用した正電荷比(charge ratio)はこれらの製剤については3.3であった。
この場合に使用したレポーター遺伝子は、CAT[“大腸菌(Escherichia
Coli)クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ”]遺伝子であった。気道内への投与は鼻腔内点滴注入により実施した。トランスフェクション後48時間で動物を殺して、肺および気管を分析用に分離して除去した。組織片をTEN緩衝液[40mMのトリス(Tris)−HCl、1mMのEDTAおよび150mMの塩化ナトリウム、pH7.8]中に入れ、そしてウルトラ−ツラックス(Ultra−Turrax)T25攪拌機(Fisher Bioblock Scientific、ストラスブール、フランス)を使用して氷上でほぼ30秒間撹拌した。次に細胞を3回の凍結融解サイクルで溶解させて遠心分離によって透明な上澄みを得た。CAT濃度を、製造業者(Boehringer Mannheim)の使用説明書に従って実施するCAT ELISA検定を使用して決定した。CAT水準は総タンパク質100mg当たりのCATタンパク質ngで表し、タンパク質濃度はバイオ−ラド(Bio−Rad)検定を使用して決定した。
【0072】
図10の表は、気管および肺のホモジネートにおいて得られたCAT遺伝子の発現の水準を示す。CAT遺伝子の発現は肺において最も高かった。図10はまた、同一用量の“裸の” DNA(すなわち非製剤化DNA)の投与後に非常に低水準の発現が得られたことをも示す。これらの結果は、この実験条件下でカナコール(KanaChol)/DOPEおよびネオコール(NeoChol)/DOPEリポソームは、裸の DNAで得られたものよりも大きい、マウスの気道におけるインビボトランスフェクション効率を可能にすることを示唆している。ネオコール(NeoChol)/DOPEリポソームを使用して得られた発現水準は、カナコール(KanaChol)/DOPEリポソームを使用して得られた発現水準と同一程度の大きさであった。これらの結果はまた、BGTC/DOPE製剤(出願WO97/31935に記載されている)を使用して得た結果と全く同様であり、これらのBGTC/DOPE製剤は気道をトランスフェクションするために格別有効でしかも有利であることが証明された製剤である[Densmore外、J.of Gene Med., 1999、第1(4)巻]。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】(5”−アミノエチルスルファニル)ネオマイシンカルバモイルコレステロールトリフルオロアセテートの合成のための反応スキームを示す。
【図2】トランスフェクション化合物“カナコール(KanaChol)”のインビトロトランスフェクション活性の用量−応答曲線を示す。
【図3】カナコール(KanaChol)/DOPE(モル比1:1)リポソームのインビトロトランスフェクション活性の用量−応答曲線を示す。
【図4】トランスフェクション化合物カナコール(KanaChol)の細胞毒性を示す。
【図5】カナコール(KanaChol)/DOPE(モル比1:1)リポソームの細胞毒性を示す。
【図6】トランスフェクション化合物カナコール(KanaChol)またはカナコール(KanaChol)/DOPE(モル比1:1)リポソームのどちらかでトランスフェクションした種々の細胞株におけるルシフェラーゼの発現を示す。
【図7】TGKC/DOPE(モル比1:1)リポソームでトランスフェクションした種々の細胞株におけるルシフェラーゼの発現を示す。
【図8】ネオコール(NeoChol)トランスフェクション化合物でトランスフェクションした種々の細胞株(HEK293、NIH 3T3、HeLa、COS、16HBE)におけるルシフェラーゼの発現を示す。
【図9】ネオコール(NeoChol)/DOPEリポソーム(モル比1:1)でトランスフェクションした種々の細胞株(HEK293、NIH 3T3、HeLa、COS、16HBE)におけるルシフェラーゼの発現を示す。
【図10】コール(Chol)−PEG(ポリエチレングリコールがコレステロールに共有結合しているハイブリッド分子)で安定化させたカナコール(KanaChol)/DOPE/DNAリポプレックス(lipoplexes)またはコール(Chol)−PEGで安定化させたネオコール(NeoChol)/DOPE/DNAの点滴注入後のマウスの気道におけるCAT遺伝子の発現を示す。
【図11】プラスミドpCMV−Lucの図による表示。
【図12】プラスミドpCIK−CATの図による表示。

Claims (39)

  1. 適宜、異性体、混合物または塩の形の、スペーサーを介して脂質に結合したアミノグリコシドおよびそのポリグアニジル化誘導体から成ることを特徴とするトランスフェクション化合物。
  2. 適宜、異性体、混合物または塩の形の、一般式(I):
    A−Y−L (I)
    [式中:
    Aは、アミノグリコシドまたはそのポリグアニジル化誘導体を表し、
    Yは、スペーサーを表し、そして
    Lは:
    相互に独立して水素原子または脂肪性脂肪族鎖を表すR1およびR2を有するかまたはR1またはR2が存在しない基−(R1)R2(R1およびR2の少なくとも1つが脂肪性脂肪族鎖を表すことになる)、または
    ステロイドの誘導体を表すR3を有する基−N−R3または−O−R3を表す]
    の請求項1に記載のトランスフェクション化合物。
  3. アミノグリコシドがアミカシン、アルベカシン、デオキシヒドロストレプトマイシン、デストマイシンA、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ゲンチシン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、イセパマイシン、カナマイシン、ミクロノマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド、ネオマイシン、トブラマイシン、シソマイシンまたは半合成アミノシドから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のトランスフェクション化合物。
  4. スペーサーが1ないし6個の炭素原子を有するアルキル、ケトン、エステル、エーテル、アミノ、アミド、アミジン、カルバメートまたはチオカルバメート官能基、グリセロール、尿素、チオ尿素または芳香環から選択される1個またはそれ以上の化学官能基を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のトランスフェクション化合物。
  5. スペーサーが式:
    −C(O)−
    −NH−C(O)−CH2−CH2
    −W−(CH2−)k−W’−
    または:−(CH2−)i−W−(CH2)j
    (式中、i、jおよびkは、1ないし6の間で選択される整数であり、そしてWおよびW’は、同一であるかまたは異なっていることができて、ケトン、エステル、エーテル、アミノ、アミド、アミジン、カルバメートまたはチオカルバメート官能基、グリセロール、尿素、チオ尿素または芳香環から選択される基である)の基から選択されることを特徴とする、請求項4に記載のトランスフェクション化合物。
  6. 脂肪性脂肪族鎖が10ないし22個の炭素原子および場合により1個またはそれ以上の不飽和を含有するアルキル基から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物。
  7. 脂肪性脂肪族鎖が脂肪族基−(CH2)11CH3、−(CH2)13CH3、(CH2)15CH3および−(CH2)17CH3から選択されることを特徴とする、請求項6に記載のトランスフェクション化合物。
  8. ステロイドの誘導体がコレスタン型の多環式化合物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物。
  9. ステロイドの誘導体がコレステロール、コレスタノール、3−α−シクロ−5−α−コレスタン−6−β−オール、コール酸、コレステリルホルミエート、コレスタニルホルミエート、3−α−5−シクロ−5−α−コレスタン−6−β−イルホルミエート、コレステリルアミン、6−(1,5−ジメチルヘキシル)−3a,5a−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]シクロプロパ[2,3]シクロペンタ[1,2−f]ナフタレン−10−イルアミンまたはコレスタニルアミンから選択されることを特徴とする、請求項8に記載のトランスフェクション化合物。
  10. 3β[6’−カナマイシン−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物。
  11. 3β[6’−(1,3,3”−トリグアニジノ)カナマイシン−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物。
  12. (5”−アミノエチルスルファニル)ネオマイシンカルバモイルコレステロールであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物、および核酸を含むことを特徴とする組成物。
  14. 核酸がデオキシリボ核酸またはリボ核酸であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  15. 核酸が調節配列の制御下で治療上有用な1またはそれ以上の遺伝子を含むことを特徴とする、請求項13または14に記載の組成物。
  16. 核酸がアンチセンス配列または遺伝子であることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. また1種またはそれ以上のアジュバントをも含むことを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. アジュバントが脂質、ペプチド、タンパク質および/またはポリマーから選択されることを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
  19. アジュバントが中性脂質から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
  20. 中性脂質が生理的条件下で双性イオン性であるかまたはイオン電荷のない天然または合成脂質から選択されることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  21. 中性脂質がジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、オレオイルパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジステアロイル−、ジパルミトイル−およびジミリストイルホスファチジルエタノールアミンおよびまた、1ないし3
    回N−メチル化されているその誘導体、ホスファチジルグリセロール、ジアシルグリセロール、グリコシルジアシルグリセロール、セレブロシド(特にガラクトセレブロシドのような)、スフィンゴ脂質(特にスフィンゴミエリンのような)、アシアロガングリオシド(特にアシアロGM1およびアシアロGM2のような)、DOPCおよびコレステロールから選択されることを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
  22. アジュバントがポリエチレングリコール(PEG)またはPEG−コレステロールであることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
  23. また細胞外または細胞内ターゲッティングエレメントをも含むことを特徴とする、請求項13〜22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. ターゲッティングエレメントが糖、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、脂質、ニューロメディエーター、ホルモン、ビタミンまたはその誘導体から選択されることを特徴とする、請求項23に記載の組成物。
  25. ターゲッティングエレメントが、少なくとも10個の炭素原子を含有する脂肪性アルキル鎖またはポリエチレングリコール(PEG)に共有結合していることを特徴とする、請求項23または24に記載の組成物。
  26. ターゲッティングエレメントが、請求項1〜11のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物、または核酸のいずれかに共有結合していることを特徴とする、請求項23に記載の組成物。
  27. また注射用製剤用に薬学的に受容できる賦形剤をも含むことを特徴とする、請求項13〜26のいずれか1項に記載の組成物。
  28. また皮膚および/または粘膜に投与するために薬学的に受容できる賦形剤をも含むことを特徴とする、請求項13〜26のいずれか1項に記載の組成物。
  29. 核酸を転移させるための請求項1〜12のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物の使用。
  30. 疾患を治療することを目的とする医薬製品を製造するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載のトランスフェクション化合物の使用。
  31. 下記の工程:
    (1)複合体を形成するように核酸を請求項1〜12で定義したとおりのトランスフェクション化合物と接触させること、および
    (2)細胞を(1)で形成した複合体と接触させること
    を含むことを特徴とする、核酸を細胞内に転移させる方法。
  32. 転移剤および/または核酸をあらかじめ請求項18〜25で定義したとおりの1種またはそれ以上のアジュバントおよび/またはターゲッティングエレメントと混合することを特徴とする、請求項31に記載の核酸を細胞内に転移させる方法。
  33. 請求項18〜22で定義したとおりの1種またはそれ以上のアジュバントをあらかじめ細胞に投与することを特徴とする、請求項31に記載の核酸を細胞内に転移させる方法。
  34. 細胞にまた、化学的または物理的処置をも行うことを特徴とする、請求項31〜33の
    いずれか1項に記載の核酸を細胞内に転移させる方法。
  35. 下記工程:
    (1)複合体を形成するように核酸を請求項1〜12で定義したとおりのトランスフェクション化合物と接触させること、および
    (2)ヒトまたは動物体の細胞を(1)で形成した複合体と接触させること
    を含む、ヒトまたは動物体を治療する方法。
  36. 転移剤および/または核酸をあらかじめ請求項18〜25で定義したとおりの1種またはそれ以上のアジュバントおよび/またはターゲッティングエレメントと混合することを特徴とする、請求項35に記載のヒトまたは動物体を治療する方法。
  37. 請求項18〜22で定義したとおりの1種またはそれ以上のアジュバントをあらかじめ下記のヒトまたは動物体に投与することを特徴とする、請求項35に記載のヒトまたは動物体を治療する方法。
  38. 下記のヒトまたは動物体にまた、化学的または物理的処置をも行うことを特徴とする、請求項35〜37のいずれか1項に記載のヒトまたは動物体を治療する方法。
  39. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の1種またはそれ以上のトランスフェクション化合物およびその混合物類を含むことを特徴とするトランスフェクションキット。
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