従来、電子写真方式或いは静電記録方式を用いて、像担持体を一様に帯電して、外部情報からの画像情報に基づいて、その帯電面の電位を変更して静電潜像を形成し、現像剤を用いて、その静電潜像を現像し、記録媒体に転写し、それを定着する画像形成工程を実行する画像形成装置としては、例えば、図11に示す構成のものが知られている。
この例では、像担持体として感光ドラム100を用いて電子写真方式の画像形成工程が実行される。感光ドラム100とは、例えばアルミニウム製の円筒基体の表面に感光材料層(例えば有機感光材料層)を形成したものであり、回転駆動される。感光ドラム100の周囲には、回転方向上流側から順に、帯電手段である帯電ローラ101、潜像を形成する手段である露光手段である不図示のレーザビーム走査光学系、現像手段としての現像器102、転写手段としての転写ローラ111、クリーニング手段としてのクリーナ109が配置される。
帯電ローラ101にて感光ドラム100上を均一に帯電した後、レーザビーム走査光により静電潜像を感光ドラム100上に形成する。そして、静電潜像に応じて現像器102中のトナー(現像剤)により可視像化(現像)する。
記録媒体即ち転写紙Pは、不図示の給紙口から可視像(トナー像)の形成と同期を取って給紙され、感光ドラム100と転写ローラ111との略当接部で可視像(トナー像)の転写を受け、転写紙P上の画像は定着器110で溶融定着され、画像形成物として装置外に排出される。
こうした画像形成動作を実行する画像形成装置において、現像手段である現像器102は、現像剤担持体としての現像ローラ103、現像ローラ103に非磁性一成分トナー(負極性)を供給する供給ローラ105、供給ローラ105近傍に容器中のトナーを搬送する撹拌部材106、現像ローラ103上のトナー量を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード104等を有して構成される。
ここで、現像ローラ103は感光ドラム100と当接するため弾性体で形成される。又、現像ブレード104は金属薄板のバネ弾性を利用して現像ローラ103に軽圧接触される。そして、現像ローラ103には、トナーを現像ローラ103から感光ドラム100側へ転移させるために、現像バイアス電源107により所定電位となるように現像バイアスが印加される。
そして、ここでは、特許文献1や特許文献2に記載された画像形成装置のように、現像剤規制部材である現像ブレード104にトナーの帯電量を安定化させるために、ブレードバイアス電源108が接続され、所定電位となるようにブレードバイアスが印加される。ブレードバイアス電源108は、現像バイアス電源107と同電位を供給するもの、各々異なる電位を供給するもの等、各種ある。
上記のように従来例の画像形成装置においては、現像ローラ103と現像ブレード104それぞれに固定のDCバイアスを印加することで、トナーへの帯電性付与もしくはトナーコート等の安定化を図っていた。
しかしながら、このような画像形成装置では、トナー飛散や反転トナーの現像ブレード104への固着、現像ブレード104へのトナー融着を防止しつつ、トナーコートを安定させることは困難であった。
例えば、上記従来例にて示した画像形成動作を行ったところ、以下に示す不具合が見られた。
第1の不都合としては、上記従来例にて現像バイアス電源107とブレードバイアス電源108を同電位とした場合に、約1000枚程の画像形成後において中間調の画像に縦スジ状の濃度ムラが発生した。これは、現像ブレード104を通過した現像ローラ103上にも現れていた。
このときの現像ブレード104を観察した結果、現像ブレード104における、現像ブレード104と現像ローラ103の当接部近傍且つ固定端側のa部に、トナーの融着塊が発生していた。トナーの融着塊がある部分は、トナーの流れがせき止められるため現像ローラ103上のトナー量は薄くなり、画像上で縦スジ状の濃度ムラを発生させていた。この縦すじ状の濃度ムラが発生する現象は、下記に図12のトナー融着状態を示す概略図を用いて説明するように、ここで現像剤として使用されている非磁性一成分トナーに含まれる外添剤G1、G2が現像ブレード104に融着することから発生する。
負極性を有する非磁性一成分トナーTは、トナー粒子と補助粒子としての外添剤から構成されている。現像ローラ103に担持されるトナーは負極性であり、通常環境においては、現像ブレード104を通過した現像ローラ103上に担持されたトナー層は、約−20〜−50V程度の電位を有する(トレック社製 表面電位計model334にて測定)。現像ローラ103と現像ブレード104の当接部cでは、トナーによって現像ブレード104の表面が常に摺擦されるため、外添剤の付着は発生しにくい。
しかし、上記a部は現像ローラ103回転方向で現像ローラ103と現像ブレード104の当接部cより下流側であるので、a部では、トナー層が現像ブレード103表面から徐々に離れていくため、電位勾配が発生することとなる。即ち、現像ローラ103と現像ブレード104の表面電位が同電位であったとしても、現像ローラ103上に担持されている負極性に帯電されたトナー層が電位を有するため、トナー層の最表面のほうが現像ブレード104より負極性に大きくなる。
従って、トナー層の最表面のトナーに付着している負極性の外添剤G1がトナー表面から離脱して現像ブレード104表面a部に付着することとなる。現像ブレード104表面a部に付着する外添剤G1が画像形成をすすめるうちに除々に増加していき、付着した外添剤により見かけ現像ブレード104の表面が粗されたようになる。
このため、粗れた表面にトナーが捕獲され、トナー層によって摺擦されることで摩擦熱により溶融し、トナーの融着塊が発生するものと考えられる。
そこで、特許文献2に示されるように、例えば現像ローラ103には現像バイアス電源107から−300Vの電圧が供給され、現像ブレード104にはブレードバイアス電源108から−400Vが供給されると、現像ローラ103と現像ブレード104間には常時約100Vの電位差が生じることとなる。このことによって、現像ローラ103上のトナー層による電荷を加味してもトナー層表面からの負極性の外添剤G1のトナー表面からの離脱を抑制することは可能である。
しかしながら、このように電位差を設けた場合、以下に説明する第2の不具合が生じた。
例えば、連続して、ほぼべた画像に近い高印字率の画像を出力した場合に、つまり大量のトナーが現像ローラ103と現像ブレード104との間を通過するような画像形成において、ベタ画像の濃度低下及び縦スジが発生した。これは、現像ブレード104を通過した現像ローラ103上にも現れていた。
ここで印字率とは、印字可能領域に対するトナーを転写紙P上に付着させようとする領域の割合をいう。更に印字可能領域とは転写される転写紙Pの全領域から先後端及び左右の余白領域(マージン)を除いた領域をいう。トナーを転写紙P上に付着させようとする領域は、露光手段の発光した領域により決定される。しかし、トナーを転写紙P上に付着させようとする領域は、感光ドラム100の露光された部分にトナーを供給して顕像化する所謂反転現像と、未露光部にトナーを供給して顕像化する所謂正規現像とでは異なる。
反転現像では、露光手段の発光がない場合は印字率は0%となり、印字可能領域の全てが露光されると印字率は100%となる。逆に正規現像では、露光手段の発光がない場合は印字率は100%となり、印字可能領域の全てが露光されると印字率は0%となる。
以下、本願では反転現像で説明する。
反転現像では上記のようにトナーを転写紙P上に付着させようとする領域は、露光手段の発光により制御される。この露光手段の発光は画像信号によって決定される。従って、印字率は画像信号の発光信号のピクセル数(画素数)を計数することにより求められる。
ここで、印字率の高い画像を出力した場合の縦スジの発生の原因を解明すべく現像ブレード104を観察した結果、現像ブレード104における現像ブレード104と現像ローラ103の当接部c近傍で且つ自由端側のb部に、トナーが一面に付着していた。トナーの付着は溶融してはいないが、エアーブラシにてエアーを吹き付けても吹き飛ばない程度に固着していた。
b部のトナーの固着によりトナーの流れがせき止められるため、現像ローラ103上のトナー量は薄くなり、画像上で縦スジ状の濃度ムラを発生させていた。
常時現像ローラ103(−300V)と現像ブレード104(−400V)の電位を印加した場合について具体的に説明する。
供給ローラ105によって摩擦帯電されたトナーが現像ローラ103と現像ブレード104との当接部前(b部近傍)に到達すると、トナー層中に混ざっている反転トナー(正極性に帯電したトナー)が電位差の影響により現像ブレード104表面のb部に引きつけられることになる。特に、現像ローラ103と現像ブレード104の電位差を大きくしていく程、反転トナーを引きつけるため、現像ブレード104のb部のトナー固着がひどくなる。
トナー固着が増加していくと、現像ローラ103と現像ブレード104との当接部前のb部近傍に侵入してくるトナー量がせき止められるため、トナー層の減少となる。その結果、ベタ画像の濃度低下となってしまった。更に、長手方向で現像ブレード104のb部に付着するトナー固着量が異なるため、濃度低下に加えて縦スジが発生することになる。
更に、ベタ画像や高印字率の画像を数十枚以上連続して出力した場合には、トナー固着はより早く生成される。これは、高印字率の画像を連続出力すると、トナーのトリボが低くなり、トナー層によって作られる表面電位が低くなるためである。
そして、更に、特に、新品現像器の印字開始から数百枚程度のものには更に顕著に発生した。これは、新品現像器中のトナーは、外添剤がトナーに強固に付着していない状態であり、トナー表面から遊離しやすいため、現像ローラ103と現像ブレード104間の電界に追随しやすいためである。
この現象は、トナーの補助粒子として負極性の外添剤G1に加えて正極性の外添剤G2を混在させた場合には、特に顕著に発生することとなる。この現象は、正極性外添剤が先に現像ブレード104自由端先端に付着し、付着した外添剤がトナーをトラップするために生じると考えられる。正極性外添剤G2は帯電性の安定化、トナーの流動性の調節等にトナー粒子及び負極性外添剤に加えて追加される場合がある。この正極性外添剤G2は上記反転トナーと同様の動きをすることから、現像ブレード104の自由端先端であるb部に付着することとなる。固着した正極性外添剤G2は上記同様、濃度低下及び縦スジを発生させることになる。
又、現像ブレード104に印加する電圧についても、使用する環境によってトナー層の表面電位が変化するため、細かな制御が必要となる。特にトナー層の表面電位は、低湿環境では高くなり、高湿環境では低くなる傾向にあるためである。
特開平03−125169号公報
特開平05−011599号公報
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
まず、図1により本実施例の画像形成装置について説明する。本実施例の画像形成装置において設置された各画像形成手段の構成や、その基本動作は、従来例にて説明した図11に示される画像形成装置と同様であり、像担持体の被露光部に現像剤であるトナーを付着させて可視化する反転現像系であり、負帯電トナーを担持した現像剤担持体を像担持体に当接させて現像を行う一成分画像形成装置である。
従って、本実施例においても、像担持体としての感光ドラム1は、矢印x方向に回転可能である。そして、その回転過程において、感光ドラム1は、一次帯電器である帯電ローラ2により、表面が負極性に一様帯電される。そして、感光ドラム1の回転に伴って、一様に帯電された表面は露光手段3により露光される。被露光部の電荷が消失することで、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
現像器4は、静電潜像の被露光部に現像剤としてのトナーを転移させ、静電潜像を可視像化する現像手段である。用いられるトナーは非磁性一成分トナーを用いる。又、本実施例は被露光部にトナーを転移させる所謂反転現像系である。
感光ドラム1上に転移したトナーは、転写帯電器としての転写ローラ5により転写紙Pに転移される。転写されずに感光ドラム1上に残ったトナーはクリーニング手段6により感光ドラム1上より除去される。
転写紙P上のトナーは定着器7により熱溶融され、転写紙P上に溶融定着され永久画像となり、画像形成物として装置外に排出される。
そして、本実施例の画像形成装置において、現像器4は現像剤担持体としての現像ローラ8、現像ローラ8にトナーを供給する供給ローラ12、現像剤規制部材としての現像ブレード9、供給ローラ12側にトナーを搬送する撹拌部材13から構成される。
現像ローラ8は駆動装置としてのモータ15により感光ドラム1の回転方向と順方向である矢印y方向に回転可能である。現像ローラ8は感光ドラム1表面に当接して現像を行う所謂接触現像であることから、現像ローラ8はゴム等の弾性を有することが望ましい。現像ローラ8には現像バイアス電源10から約−300Vの電圧が供給される。感光ドラム1上の被露光部電位と現像バイアス電源10から供給される電位差により現像ローラ8上のトナーが感光ドラム1上の被露光部に転移する。
一方、現像ブレード9は金属薄板から構成され、薄板のバネ弾性を利用して現像ローラ8に接触当接される。金属薄板の材質は、ステンレス鋼、リン青銅等が使用可能であるが、本実施例においては、厚さ0.1mmのリン青銅薄板を用いた。現像ブレード9と現像ローラ8の摺擦によりトナーは摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。現像ブレード9には、ブレードバイアス電源11から所定電圧が供給される。
本実施例では、現像ブレード9として金属薄板を用いたが、これに限定されるものでなく、例えば、金属薄板上に導電ゴム等をチップ形状に貼り付けたり、導電剤をコートしてもよい。
つまり、本実施例の画像形成装置において、現像バイアスとブレードバイアスは、それぞれ第1、第2の電圧印加手段としての電源(現像バイアス電源10、ブレードバイアス電源11)を有しており、それぞれからDCバイアスを印加することにより、トナーへの帯電性付与と均一なトナーコートを促進させる構成がとられている。
そして、制御手段である制御装置14が、現像ローラ8の回転駆動の制御、並びに電圧印加手段としての現像バイアス電源10及びブレードバイアス電源11の電圧値等の制御等を行うCPU及びROMを備えている。
更に、画像形成装置内には、制御装置14に連結した状態で、外部からの画像情報(画像データ)を信号処理する信号処理回路32、発光を示す画素信号であるレーザON信号数等を演算していく演算回路30と加算結果を格納するメモリ31が設置される。ここで、画像情報は、感光ドラム1上に形成された静電潜像を構成する個々のドットに対する情報であり、このドットに対してレーザON信号がだされたものに対して演算回路30がカウントする。つまり、発光数をカウントする。メモリ31には、前回の画像形成時に発光した発光数を記憶する。
反転現像系を用いていることから、画像信号のうちレーザ3のON信号の部分に相当する画素についてトナーが消費される。従って、信号処理回路32によりビットマップデータに処理された画像信号のうち、トナーが消費される色のレーザ3のON信号を、画像情報として加算処理していくことで、前回の画像形成時に使用されたドット数が計数される。
本実施例においては、信号処理回路32にて処理されたビットマップデータのうちレーザON信号のドット数V(画素数:VK)を抽出する。抽出された結果は、制御装置14のROMに記憶されている所定量と演算回路30にて比較されるとともに、メモリ31に格納される。
上記のように、現像ローラ8と現像ブレード9とに、それぞれ現像バイアスとブレードバイアスとして、それぞれの電源からDCバイアスを印加することにより、トナーへの帯電性付与と均一なトナーコートを促進させる構成がとられた画像形成装置において、本発明の特徴としては、現像ローラ8の回転中における現像ローラ8と現像ブレード9の電位関係が、画像形成時には略同電位となり、非画像形成時の少なくとも一部においては所定の電位差を有するように制御され、非画像形成時において、現像ブレード9に付着した外添剤を除去し、現像ブレード9をリフレッシュされることが挙げられる。更に、現像ブレード9をリフレッシュするバイアスを、画像形成する印字率によって制御することで、高印字率の画像を連続出力した場合におけるトナーの固着を防止するものである。
尚、本実施例では、この印字率は、上記に記載した方法で、制御装置14と連結した信号処理回路32によって外部情報が信号処理された画像信号であるレーザON信号数がメモリ31に記憶されているが、このメモリ31に記憶された、感光ドラム1上に形成される静電潜像を構成する全ドット数に対しての、個々のドットにおける画像信号数(レーザON信号数)である。
尚、本発明は、正現像系の画像形成装置においても適用でき、その場合は、現像工程において静電潜像の電荷が除去されない部分にトナーが付着するので、この画像信号としては電荷が除去されない部分に対応するドットがカウントされることになる。それ以外に、潜像形成方法によって、この画像信号のカウント方法はそれに適応した方法で、現像剤が使用される量に対応した信号がカウントされるように行われる。
そして、上記したように、画像信号のうちレーザON信号の部分に相当する画素についてトナーが消費されるので、この印字率は1枚の画像に対する現像剤の消費量に対応している。つまり、印字率の高い画像は、それだけ多くのトナーが静電潜像へ移動することになり、広い面積において、従来例に述べた現像ブレード9に融着、固着したトナーの影響がでる。よって、印字率に応じて、上記の現像ブレード9をリフレッシュするバイアスを制御することで、効果が上がる。
ここで、本明細書において、画像形成時とは、現像ローラ8が画像形成物としての記録媒体である転写紙Pの画像形成領域(余白領域を除いた部分)に転写すべき可視像を現像している間の時間を意味する。
又、非画像形成時とは、画像形成時以外であって且つ現像ローラ8が回転している時間、例えば転写紙Pの余白領域に相当する部分が現像工程に供されている時間を意味し、この間、実際には可視像は形成されない、例えば、画像形成前の準備前回転時や、画像形成終了後の準備後回転時、複数枚プリント時の転写紙Pと転写紙Pの画像形成間(紙間)の時間、電源ON時の準備前多回転時等を意味する。
ここで、上記の本実施例における本発明の特徴部分である、上記の画像形成工程において実行される現像バイアス及びブレードバイアスの印加方法について、図2及び図3を用いて説明する。
図2は本実施例による画像形成動作における各画像形成手段の動作シーケンスを示すタイミングチャートであり、例えば、感光ドラム1と現像ローラ8が回転駆動されている時間において、チャートを凸として示す。又、現像バイアス電源10、ブレードバイアス電源11の動作に関しては、これらによって印加されるバイアスの大きさを、凸部分の高さで表している。ここでは、2枚を連続プリントした場合を示す。
図3は、これらによるフローチャートを示す。これは各制御の工程を、実施する順にステップS1〜S11で表している。ここでは、1枚目に低印字率の画像を、2枚目に高印字率の画像を出力した場合の画像形成動作について説明する。本実施例では、下記に説明するように、図3に示すフローチャートによる画像形成動作に従って、バイアス制御を実施し、その結果、図2に示されるような現像バイアス及びブレードバイアスのバイアス制御が実施される。
尚、本実施例においては、感光ドラム1と現像ローラ8が常時当接した状態であるため、感光ドラム1の回転と現像ローラ8の回転が同期して行われる。しかし、感光ドラム1と現像ローラ8が常時離間している所謂非接触現像の場合や、接触現像であっても離間可能な機構を有している場合には、感光ドラム1と現像ローラ8の回転は非同期で行ってもよい。
図3のフローチャートに従って、ステップS1にて、不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請を待つ。画像形成の要求があると、ステップS2にて、前回の画像形成時の現像ブレード9と現像ローラ8間の電位差をメモリ31から読み込む。例えば、電位差として500Vが選択されたとする。
読み込みが終了すると、ステップS3として感光ドラム1及び現像ローラ8の回転開始にともなって準備前回転のバイアスが印加される。準備前回転では、現像バイアス電源10から約−300Vの電圧が印加される。それと同時に電位差500Vに対応するようにブレードバイアス電源11から約−800Vの電圧がそれぞれ印加される(S3)。
ステップS3において、現像ローラ8等の回転開始当初は、まだ画像を描き出す前の準備回転の時間であり、非画像形成時である。転写紙P上の画像に影響を及ぼさない時間である非画像形成時に、現像ブレード9に−800Vを、現像ローラ8には−300Vを印加する。即ち、負帯電性の粒子(トナー及び外添剤)にとって現像ブレード9側から現像ローラ8側へ転移可能な電位差が供給されることになる。従って、現像ローラ8の回転開始直後に現像ブレード9の、従来例に用いた図12においては現像ローラ8(図12では103)と現像ブレード9(図12では104)当接部c部から固定端側であるa部に付着された負極性外添剤G1は、本実施例では、現像ローラ8側へ転移される。
ステップS3にて現像ブレード9に−800Vを、現像ローラ8には−300Vを一瞬印加した後は、現像バイアス電源10とブレードバイアス電源11の電圧はほぼ同電位の−300Vとなり、1枚目の画像形成領域となり画像形成が行われ、画像形成時となる(S4)。
これと同時に、制御手段14に連結された信号処理回路32によって1枚目の画像形成時において形成された感光ドラム1上の静電潜像における画像信号(レーザON信号)数つまり露光手段3の発光数が計数(カウント)される。そして、ここから計算された画像のピクセル数即ち印字率に応じて制御装置14内のROMに前もって格納された所定値と比較して(S5)、必要な電位差を制御装置14に戻す。これにより、次の非画像形成時に印加するブレードバイアス値が決定される(S6)。
ここで、本実施例では、信号処理回路32による、レーザON信号数のROMに記憶された所定値との比較とは、所定の印字率に対する現像バイアスとブレードバイアスとの非画像形成時における電位差の比較を意味し、この所定値に対する電位差から今回の印字率に対する電位差を求める。1枚目の印字は低印字率の画像のため、画像形成時との電位差としては大きい500Vが設定される。そして、この電位差の値をメモリ31に格納する(S7)。
本実施例では、直接現像バイアスとブレードバイアスの電位差をメモリ31に格納するようにしたが、これに限定されるものでなく、現像バイアスとブレードバイアスの印加電圧をそのままメモリ31に格納してもよい。
画像形成時においては、現像ローラ8及び現像ブレード9の表面電位は略同電位となるため、現像ローラ8の回転動作により現像ブレード9の当接部から固定端側(図12ではa部)に、トナー層のもつ電荷によって負極性の外添剤が転移する。
そして、次の画像形成要求があるかどうか確認する(S8)。
1枚目の画像形成時が終了すると、次の画像形成との間の所謂「紙間」といわれる領域になる。この紙間において、現像ブレード9に−800Vの電圧が印加される(S9)。この現像ブレード9に印加されたバイアスにより、1枚目の画像形成中に現像ブレード9の当接部から固定端側に付着した負極性外添剤は、現像ローラ8側に転移する。
この固定端側の負極性外添剤の現像ローラ8への転移は、現像ローラ8が回転している間に行われていることから、再び現像ブレード9側に負極性外添剤が戻ることはない。
更に、低印字率の画像出力のため現像ローラ8に担持されているトナーは、現像ブレード9や供給ローラ12により何回も摩擦帯電されているため、トナーに付着する外添剤はトナーと強固に付着している。従って、大きな電位差を現像ブレード9と現像ローラ8間に印加しても正極性外添剤が現像ブレード9の自由端側に付着することはない。
そして、1枚目の画像形成と同様に2枚目の画像形成が行われる(S4)。2枚目の画像形成時も現像バイアス電源10とブレードバイアス電源11の電圧はほぼ同電位のバイアスが1枚目と同様に印加される(S4)。2枚目の画像は高印字率のため、あまりトリボの高くない電荷のトナーが現像ローラ8に担持されることになる。このため、高印字率の場合には現像ブレード9の固定端側にはあまり負極性の外添剤が堆積しない。
ここで、2枚目の画像形成中に1枚目と同様にドット数に対するレーザON信号数が計数される(S5、S6)。但し、2枚目の画像形成は高印字率の画像形成のため、現像ブレード9と現像ローラ8間の電位差は低く設定される。例として2枚目の印字は高印字率の画像のため、電位差としては小さい70Vが設定される。そして、この電位差の値をメモリ31に格納する(S7)。
そして、次の画像形成要求があるかどうか確認する(S8)。
これで画像形成要求がない場合は、2枚目の画像形成が終了したのち次回のプリントのための準備後回転になる(S10)。
このときは現像ブレード9に、図1に示すように、電差が70Vとなるように−370Vの電圧が印加される。準備後回転前の画像形成(2枚目)は、高印字率であったため、あまりトリボの高くない電荷のトナーが供給ローラ12によって現像ローラ8に担持されることになる。このため、現像ブレード9と現像ローラ8の当接部上流側には、外添剤が遊離しやすいトナーが近づくことになる。しかし、現像ブレード9と現像ローラ8間の電位差は70Vと低いため、現像ブレード9と現像ローラ8の当接部上流側に作用する電界は小さいものとなる。そのため、外添剤が遊離しやすいトナーでも、現像ブレード9の自由端側先端に正極性の外添剤が固着することはない。又、高印字率の場合には現像ブレード9の固定端側にはあまり負極性の外添剤が堆積しないため、大きい電位差は必要としない。
この後回転バイアスがONされることによって、現像ブレード9に印加されたバイアスにより、高印字率の画像を出力した場合においても、現像ブレード9の自由端側先端に正極性の外添剤が固着することはない。
本実施例においては、印字率の大小で二値的に用いたが、これにとらわれるものでなく、印字率と電位差のテーブルを用いて、印字率参照後に最適な電位差を印加するようにしてもよい。
そして、準備後回転動作が終了して、現像ローラ8と感光ドラム1の回転が停止する(S11)。
このように、画像形成される印字率を計数し、印字率が低い場合には画像形成時に現像ブレード9の当接部から固定端側に付着した負極性外添剤を、非画像形成時に現像ブレード9と現像ローラ8間に電位差を大きく設定して現像ローラ8側に戻すことで、現像ブレード9の融着を防止し、現像ブレード9をリフレッシュすることが可能となる。そして、印字率が高い場合には非画像形成時に現像ブレード9と現像ローラ8間に電位差を小さくすることで現像ブレード9の自由端先端(図12でb部)に正極性外添剤を堆積させることがない。
その結果、低印字率の画像や高印字率の画像を偏って連続出力しても現像ブレード9へのトナー融着や固着を防止することが可能となる。
本実施例では、準備前回転の間、現像バイアス電源10とブレードバイアス電源11との間には電位差が設けられる。しかし、電位差をつける時間としては、これに限定されるものでなく、もっと短い時間でも可能である。
更に、電位差を制御すると同時に、印加する時間を同時に制御することも可能である。即ち、高印字率の画像の場合は電位差を設ける時間を短くし、低印字率の画像の場合は出に差を設ける時間を長くする等である。
又、現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を生じさせてリフレッシュ動作を行なう際、現像ローラ8の電位より現像ブレード9の電位のほうが現像剤の帯電極性と同極性側に大きくすることが必要である。
本実施例においては、トナー粒子中(100重量部)に補助粒子を外添した。外添した補助粒子は負極性外添剤としてシリカを1重量部、正極性外添剤として酸化チタン0.1重量部を加えた。特に、正極性外添剤を加えた場合には、トナーの流動性の調節、安定したトナーへの帯電性付与が可能である。従来例においては、現像ブレード104の自由端先端b部(図12)に正極性外添剤が付着してしまうため、使用することができなかった。本実施例においては、現像ブレード9と現像ローラ8間に印加するバイアスを制御できるため、正極性外添剤が現像ブレード9の自由端先端に付着することによる画像不良は発生しない。
これら外添剤は、トナー粒子100重量部に対し、0.01〜10重量部が用いられ、好ましくは、0.05〜5重量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
外添剤の添加量が0.01重量部未満の場合には、一成分系現像剤の流動性が悪化し、転写及び現像の効率が低下してしまう。
一方、外添剤の量が10重量部を越える場合には、過多な外添剤が感光ドラム1や現像ローラ8に付着してトナーへの帯電性を悪化させたり、画像を乱したりする。
以上に説明したように、非画像形成時の少なくとも一部において、現像ローラ8と現像ブレード9に作用する電位差を、画像情報に応じて変化させることで、現像ブレード9へのトナー付着・堆積・融着を防ぎ、画像濃度低下及び縦スジを防止することが可能となる。
即ち、例えば、図2に示されるような現像バイアス及びブレードバイアスの制御を実施することで、つまり、本発明の画像形成装置においては、現像ローラ8である現像剤担持体の回転中における、現像ローラ8と現像ブレード9である現像剤規制部材との電位関係が、画像形成時には略同電位となり、非画像形成時の少なくとも一部においては所定の電位差を有するように制御するので、非画像形成時において、現像ブレード9に付着した外添剤を除去し、現像ブレード9がリフレッシュされる。
そして、現像ブレード9をリフレッシュするバイアスを、画像形成する印字率によって制御することで、高印字率の画像を連続出力した場合におけるトナーの固着を防止できる。
即ち、例えば、本実施例においては、毎プリント時において、画像形成時に略同電位にして現像ブレード9の現像ローラ8との当接部より固定端側(図12ではa部)に付着した負極性外添剤を、非画像形成時に現像ローラ8側に転移させ、現像ブレード9をリフレッシュすることで、現像ブレード8へのトナーの融着を防止でき、この現像ブレード9をリフレッシュするバイアスを画像の印字率に応じて変化させることで、特に高印字率の場合においても、現像ブレード9の現像ローラ8との当接部より自由端側(図12ではb部)におけるトナーの固着を防止できる。
又、このリフレッシュ動作は非画像形成時の短時間に行われるため、たとえ現像ブレード9の自由端先端に反転トナーや正極性外添剤が付着したとしても、画像形成時にはトナー層の電位により現像ローラ8側へ戻るように作用するので、同様現像ブレード8に外添剤が累積して堆積することはなく、縦スジや濃度低下等の画像不良を発生させることはない。
特に、本発明においては、非画像形成時に現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を作用させる場合、現像ローラ8が回転していることが重要である。なぜなら、現像ローラ8の回転が停止した状態で電位差を作用させても再付着する場合があるためである。現像ローラ8が回転していることで現像ローラ8側に戻した正極性外添剤を現像ブレード9と現像ローラ8との当接部で現像ローラ8の回転方向下流側部である固定端側(図12でa部)から遠ざけることが可能となり、再付着を防ぐこととなる。
尚、非画像形成時に現像ローラ8と現像ブレード9に作用させる電位差については、60V〜500Vであることが望ましい。これは、60V以下であると現像ブレード9に付着した負極性外添剤を現像ローラ8側に転移しにくくなり、現像ブレード9の融着を防止する効果が得られにくいためである。又、500V以下としているのは、これ以上になると現像ローラ8と現像ブレード9間で放電が発生しやすくなることと、現像ブレード9と現像ローラ8間に流れる電流が大きくなってしまい、高容量の電源が必要となるからである。
又、本発明においては、トナーに外添される補助粒子として、複数の補助粒子を使用することが可能である。特に、補助粒子の一つにトナーの極性と逆極性の外添剤(正極性)を用いることで、現像ローラ8の回転動作と相まって、現像ブレード9に付着した負極性外添剤を擦り落とすことも可能となる。更に、過度のチャージアップも抑制することができる。
又、少なくとも現像手段を画像形成装置本体に着脱自在なカートリッジとして構成することが好ましい。この場合、現像手段のみをカートリッジ化した現像カートリッジとしてもよいが、実施例2に説明する図4に示す画像形成装置のように、現像手段に加えて像担持体・帯電手段・クリーニング手段などを一体化したプロセスカートリッジとするのが更に好適である。これにより、トナー補給や寿命を過ぎた現像器の交換等、諸々メンテナンス作業に係わる使用者の労力を軽減し、簡単な操作で安定した出力画像が得られるようになる。
実施例2
本発明の画像形成装置は、実施例1に説明した図1に示す構成の画像形成装置と同様に、画像形成工程における現像工程において現像ローラ8と現像ブレード9との間にトナーに帯電性を付与する現像器4を有する構成であり、現像ローラ8と現像ブレード9の電位関係を、画像形成時には各々略同電位とし、少なくとも非画像形成時の一部において所定の電位差を有するように制御することを特徴としている。このように本発明の画像形成装置では、非画像形成時において、現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を発生させ、現像ブレード9に付着した外添剤を除去し、現像ブレード9をリフレッシュすること(リフレッシュ動作)により、画像薄や縦スジの発生を防止するものである。
そして、更に、本実施例においては、図4に示される本実施例の画像形成装置の全体構成から分かるように、現像ローラ8と現像ブレード9へのバイアスを単一の電圧印加手段16により印加し、画像形成時に現像ローラ8と現像ブレード9とを略同電位とし、非画像形成時に印加電圧を変化させて現像ローラ8と現像ブレード9の電位を変動させる際、遅延制御手段17により現像ブレード9の電位変動を現像ローラ8の電位変動に対して遅延させるように制御(遅延制御)し、そのことにより、現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を発生させることを特徴としている。尚、本実施例では、各画像形成手段の構成とその画像形成動作に関しては、現像バイアスやブレードバイアスの電源の構成以外は図1に示されるものと同様の手段、部材が使用されている。
即ち、電源回路では比較的高価なトランス及びトランスに付随する回路系を安価な遅延回路に置き換えることが可能となるため、電源回路のコストを低く抑えることが可能となる。
更に、出力された画像情報により、遅延制御手段17によって発生させる電位差を制御することで、低印字率の画像や高印字率の画像を偏って連続出力しても現像ブレード9へのトナー融着や固着を防止することが可能となる。
このように該画像形成装置では、単一の電圧印加手段16で現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を生じさせることができるので、簡易な構成で画像薄や縦スジの発生を防止できる。
従って、実施例1と比べて別電源を必要とすることないため、安価に本発明を実施することが可能となる。
又、現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を生じさせてリフレッシュ動作を行なう際は、実施例1同様に、現像ローラ8の電位より現像ブレード9の電位のほうを現像剤の帯電極性と同極性側に大きくする。
即ち本実施例においても、プリント毎の画像形成時に現像ローラ8と現像ブレード9との間の電位関係を略同電位にして現像ブレード9に付着した負極性外添剤を、非画像形成時に現像ローラ8側に転移させて現像ブレード9をリフレッシュすることで、現像ブレード9へのトナーの固着および融着を防止する。
このリフレッシュ動作は、本実施例においては、非画像形成時、即ち転写紙P上の余白領域に相当する部分が現像に供されている時間、画像形成前の準備前回転時、画像形成終了後の準備後回転時、紙間等にて、例えば現像ローラ8に−300Vが印加されている場合には現像ブレード9に−300Vより大きい電圧(例えば、−360V〜−900V等)を短時間印加する。即ちインパルス的に変化させる電圧であり、以下「インパルス電圧」と称す。このインパルス電圧を印加することで、その後、現像ブレード9と現像ローラ8との間に電位差を発生させる。そして、電位差は画像形成時に付着した負極性外添剤を現像ローラ8側に戻すように作用する。この時に、インパルス的に変化させる動作とは、画像形成時よりも現像剤の帯電極性と同方向に大きく、15msec〜20msec程度の短時間だけ電圧を印加する動作をいう。
尚、該電圧を20msec以上印加しても良いが、この印加時間が長くなりすぎると紙間や前回転等を長く取らなければならず、スループットの低下につながるので、20msec以下とするのが望ましい。又、該印加時間を15msec以下としても良いが、電源の応答性の遅れから、15msecより短くしすぎると目的の電圧を得るのが難しくなってくるので、15msec以上とするのが望ましい。
インパルス電圧を制御することで、非画像形成時における現像ブレード9に接続された遅延手段によって生じる現像ローラ8と現像ブレード9との間の電位差を制御することができる。
従って、本実施例においても、画像情報に応じてインパルス電圧を制御することで、現像ブレード9と現像ローラ8との間に発生する電位差を制御し、現像ブレード9へのトナー融着及び固着を防止できる。
非画像形成時に現像ローラ8と現像ブレード9に作用させる電位差については、60V以上であれば良く、望ましくは60V以上700V以下、更に好ましくは60V以上500V以下であると良い。これは、60V以下であると現像ブレード9に付着した負極性外添剤を現像ローラ8側に転移することができず、現像ブレード9の融着を防止する効果が得られなくなってくるためである。
又、電位差が大きければ効果も大きくなるため、上限は定めないが、現像ローラ8と現像ブレード9との間でのリーク(絶縁破壊)の許容限界が実質的な上限となる。しかし、単一の電圧印加手段であり、蓄積される電荷も大きくないため、700Vの電位差が発生してもリークすることがなかった。尚、電位差としては、700Vであれば充分に、本発明の目的の達成は可能である。更に、好ましくは500V以下としたのは、500V以上になると現像ローラ8と現像ブレード9間において放電が開始され易いためである。
ここで、本実施例における具体的な画像形成動作について、図5と図6を用いて説明する。
本実施例の画像形成装置は、像担持体である感光ドラム1の被露光部にトナーを付着させて可視化する反転現像系であり、負帯電トナーを担持した現像ローラ8を感光ドラム1に当接させて現像を行う一成分画像形成装置である。
本実施例では、図4の画像形成装置の全体構成図に示すように、プロセスカートリッジHとして、少なくとも感光ドラム1と現像器4である現像手段が一体化され、画像形成装置本体に対して着脱自在とし、その消耗度合いにより交換が可能となっている。本実施例ではプロセスカートリッジHには、感光ドラム1と現像器4の他に、帯電ローラ2、クリーニング手段6を包含している。
制御装置(制御手段)14は、現像ローラ8の回転駆動の制御、並びに現像バイアス接点19及びブレードバイアス接点20へ供給する電圧値等の制御を行う。又、画像情報の処理を行う演算回路30からの結果を受けて、インパルス電圧の制御をも行う。
本実施例では、単一電圧印加手段としての高圧電源16が備えられ、現像バイアス接点19、ブレードバイアス接点20を介して現像ローラ8及び現像ブレード9へ電圧供給を行う。
高圧電源16内には、遅延制御手段17が配され、現像バイアス接点19から分岐され、ブレードバイアス接点20へ供給される電圧の遅延制御を行っている。
この遅延制御手段17は、ダイオードD1、抵抗R1、コンデンサC1から構成され、本実施例においては、R1:100MΩ、C1:2200pFとした。
この制御装置14による現像バイアス及びブレードバイアスの制御について、図5、図6を用いて説明する。図5は、図2同様にして示した、本実施例による画像形成動作における各画像形成手段の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。ここでは、2枚を連続プリントした場合を示す。図6は、これらによるフローチャートを示す。ここでは、制御動作をステップS21〜S33にて示し、新品の現像器に近い状態で、前回の画像形成は低印字率(印字率約1%)の画像が形成され、今回の1枚目に中印字率の画像(印字率約30%)を、2枚目に高印字率の画像(印字率約60%)を出力した場合について説明する。本実施例では、下記に説明するように、図6に示すフローチャートによる画像形成動作に従って、バイアス制御を実施し、その結果、図5に示されるような現像バイアス及びブレードバイアスのバイアス制御が実施される。
ここで、インパルス電圧を印加するときには、感光ドラム1と現像ローラ8が離間されていることが望ましい。理由としては、感光ドラム1と現像ローラ8が当接しているときに、インパルス電圧を印加すると、現像ローラ8上のトナーが感光ドラム1に現像してしまう場合があるからである。離間できない場合は、感光ドラム1上の表面電位をあらかじめ高くしておくとよい。
図6に示すフローチャートに従って、ステップS21にて不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請を待つ。画像形成の要求があると、ステップS22に進み、前回のインパルス電圧値をメモリ31から読み込む。前回の画像形成が低印字率のため、例えばインパルス電圧値として−800Vが選択されたとする。
読み込みが終了すると、ステップS23にて感光ドラム1及び現像ローラ8の回転開始にともなって準備前回転のインパルス電圧(−800V)が現像バイアスが接点19及びブレードバイアス接点20に印加される。
インパルス電圧が現像ローラ8と現像ブレード9にそれぞれ約−800Vの電圧が印加されると同時に、ブレードバイアス接点20には約−800Vの電圧が印加される。即ち、現像バイアス接点19及びブレードバイアス接点20に供給される電圧について、立ち上がりはほぼ同時のタイミングで立ち上がる。
約20msec後に、ステップS24にて、画像形成時に印加されたインパルス電圧によって所定電圧(―300V)に現像バイアスが下げられる。現像バイアス接点19及びブレードバイアス接点20に供給される電圧が立ち下がるときには、現像バイアス接点19に供給される電圧はすぐに立ち下がるが、ブレードバイアス接点20については、図5に示されるように、遅延制御手段17のR1とC1により時定数をもって立ち下がることになる。
このように現像ローラ8に印加される電圧はすぐ立ち下がり、現像ブレード9に印加される電圧は除々に降下するため、現像ローラ8と現像ブレード9間には、電位差が発生することとなる。従って、現像ローラ8と現像ブレード9間には、最大500Vの電位差が生じることになる。そして、最大500Vの電位差は時間経過に従って小さくなっていく。
そして、この電位差は現像ブレード9の当接部から固定端側に付着した負極性の外添剤を、現像ローラ8側に転移させるように作用する。その結果、現像ブレード9表面に付着する負極性外添剤をリフレッシュすることになる。現像ローラ8が回転している間に行われていることから、再び現像ブレード9側に負極性外添剤が戻ることはない。
そして、ステップS25にて現像ローラ8が感光ドラム1に当接され、現像バイアス接点19とブレードバイアス接点20の電圧が略同電位の−300Vの状態で、現像ローラ8との当接部における感光ドラム1表面が1枚目の画像形成領域となり画像形成が行われ、画像形成時となる。これと同時に、形成画像のドット数に対するレーザON信号つまり露光手段3の発光数が計数される。そして、計算された画像のピクセル数に応じて制御装置14内のROMに格納された所定値と比較して(S26)、必要な電位差を制御装置14に戻す。これにより、次の非画像形成時に印加するインパルス電圧値が決定される(S27)。例として、1枚目の印字は中印字率の画像のため、電位差としては300Vが設定される。即ち、インパルス電圧としては、−600Vが設定される。
そして、このインパルス電圧と総出力枚数の計数の値をメモリ31に格納する(S28)。
この画像形成時は、現像ローラ8及び現像ブレード9が略同電位であるため、現像ローラ8の回転動作により現像ブレード9の当接部から固定端側に、トナー層のもつ電荷によって負極性の外添剤が転移する。しかしながら、反転トナーや正極性外添剤等が現像ブレード9に付着することはない。
そして、次の画像形成要求があるかどうか確認する(S29)。
1枚目の画像形成時が終了すると、次の画像形成との間の所謂「紙間」といわれる領域になる。この紙間において、まず現像ローラ8が感光ドラム1から離間された後、現像バイアスにインパルス電圧(−600V)が印加される(S30)。約20msecの間、−600Vが現像ローラ8と現像ブレード9に印加された後、ステップS24にて現像バイアスが所定値(−300V)に戻る。
バイアス接点19及びブレードバイアス接点20に供給される電圧が立ち下がるときには、現像バイアス接点19に供給される電圧はすぐに立ち下がるが、図5に示されるように、ブレードバイアス接点20については、遅延制御手段17のR1とC1により時定数をもって立ち下がることになる。
このように現像ローラ8に印加される電圧はすぐ立ち下がり、現像ブレード9に印加される電圧は除々に降下するため、現像ローラ8と現像ブレード9間には、電位差が発生することとなる。従って、現像ローラ8と現像ブレード9間には、最大300Vの電位差が生じることになる。そして、最大300Vの電位差は時間経過に従って小さくなっていく。
これによって、前の画像形成(中印字率)によって現像ブレード9の固定端側に付着した負極性外添剤を現像ローラ8側に戻す。その結果、現像ブレード9表面に付着する負極性外添剤をリフレッシュすることになる。現像ローラ8が回転している間に行われていることから、再び現像ブレード9側に負極性外添剤が戻ることはない。
本実施例において、遅延制御手段17の電圧降下の速度は、主にC1に蓄積される電荷によって決められる。しかし、現像ローラ8が回転して現像ブレード9やトナーと摺擦することで、現像ブレード9からは負電荷が供給される。従って、実際の遅延制御手段17による電圧降下はR1とC1の時定数より短いものとなる。本実施例では、約900msecの時間で現像ローラ8と現像ブレード9の電位差がほぼ0となっていた。尚、本実施例において紙間は、1secとしているので、この紙間中に上記遅延制御による電位差を現像ローラ8と現像ブレード9との間に与え、充分にリフレッシュ動作を行うことが可能である。
よって、現像ブレード9のリフレッシュ動作が行われた後で、再び現像ローラ8が感光ドラム1に当接され、2枚目の画像形成が行われる(S25)。ここでも1枚目と同様に、画像形成時においては、前述同様に負極性外添剤が現像ブレード9の当接部から自由端先端に付着堆積していく。これと同時に、画像形成時のドット数及び総出力枚数が計数される。
そして、計算された画像のピクセル数に応じて制御装置14内のROMに格納された所定値と比較して(S26)、必要な電位差を制御装置14に戻す。これにより、次の非画像形成時に印加するインパルス電圧値が決定される(S27)。例として2枚目の印字は高印字率の画像のため、電位差としては70Vが設定される。即ち、インパルス電圧としては、−370Vが設定される。そして、このインパルス電圧と総出力枚数の計数の値をメモリ31に格納する(S28)。
そして、次の画像形成要求があるかどうか確認する(S29)。
そして2枚目の画像形成が終了し、次回のプリントのための準備後回転になる時に、感光ドラム1から現像ローラ8が離間される。そして、インパルス電圧(−370V)が現像ローラ8と現像ブレード9に印加される(S31)。前述と同様に約20msecの間、−370Vが現像ローラ8と現像ブレード9に印加された後、現像バイアスが所定値(−300V)に戻る(S32)。
このときも紙間と同様に現像ブレード9に印加される電圧の遅延制御が行われ、現像ローラ8と現像ブレード9間に電圧差が発生する。ただし、インパルス電圧が低いため、遅延制御手段17のコンデンサC1に蓄えられた容量は小さくなり、発生する電位差は小さく、且つ、印加時間も短くなる。
そのため、高印字率の場合には、現像ブレード9の固定端側に付着した負極性外添剤を現像ローラ8に戻す作用が小さいかわりに、自由端側に正極性外添剤や反転トナーを転移させる作用も小さくなる。又、高印字率においては、現像ブレード9の固定端側に負極性外添剤が堆積する作用は小さいため、現像ブレード9に融着して問題になることはない。
そして、準備後回転動作が終了して、現像ローラ8と感光ドラム9の回転が停止する(S33)。
このように、本実施例では、画像形成時に現像ブレード9の当接部から固定端側に付着した負極性外添剤を、非画像形成時に現像ブレード9と現像ローラ8との間に所定の電位差(遅延制御により漸減する電位差)を生じさせて負極性外添剤を現像ローラ8に戻すことで、現像ブレード9をリフレッシュすることが可能となる。そして、画像情報に応じて該電位差を可変するもとになるインパルス電圧を制御することで、現像ブレード9へのトナー付着・堆積・融着を防ぎ、画像濃度不良及び縦スジを防止することが可能となる。
尚、現像ブレード9と現像ローラ8との間に所定の電位差を生じさせるタイミングとして、非画像形成時としているのは、画像形成時に該両部材間に電位差を生じさせると、現像ローラ8上に規制されるトナー担持量が変化してしまい、画像上で濃度の段差が発生するためである。
尚、本実施例では、画像形成要素のうち、比較的消耗の激しい、トナーを含む現像手段を、画像形成装置本体Hに着脱可能なカートリッジとすることで、諸々のメンテナンス作業に係わる使用者の労力軽減を図った。しかし、必ずしも図4に示すようなプロセスカートリッジの構成でなくともよく、現像器4のみカートリッジとしたものでも良い。
更に、本実施例においては、電圧の遅延制御手段17を画像形成装置の高圧電源16内に設けたがこれに限定されるものでなく、現像ブレード8の電位を制御できれば、具体的には電圧を印加する回路内にあれば、高圧電源16と別体で構成しても良く、例えばカートリッジH内に備えることも可能である。
実施例3
本実施例においては、出力された画像情報により、上記遅延制御手段によって発生させる電位差を制御することで、低印字率の画像や高印字率の画像を偏って連続出力しても現像ブレードへのトナー融着や固着を防止することは実施例2と同様である。
本実施例では、更に現像器4による画像形成枚数を計数することで、電位差の制御をより確実にして、耐久を通じて良好な状態を保つことが可能となる。
図7に、本実施例の画像形成装置の全体構成を示す。本実施例の画像形成装置は、図1を用いて説明した実施例1と同様の画像形成動作を実施し、プロセスカートリッジHが設けられ、現像バイアス及びブレードバイアスのバイアス印加構成以外は図1に示した画像形成装置とほぼ同様の構成である。即ち、像担持体である感光ドラム1の被露光部にトナーを付着させて可視化する反転現像系であり、負帯電トナーを担持した現像ローラ8を像担持体に当接させて現像を行う一成分画像形成装置である。
ここで、本実施例において、枚数係数手段33が設けられ、現像器4の画像形成枚数即ち総出力枚数を計数する。計数結果については、インパルス電圧値の演算に反映される。
図8は、枚数係数手段33による本実施例における現像器4の総出力枚数による制御を説明する図であり、複数の総出力枚数における印字率とインパルス電圧との関係をグラフとして示されている。ここに示されるように、実施例2と同様に画像の印字率によりインパルス電圧値が決められ、印字率が高くなるとインパルス電圧を低く設定する。即ち、非画像形成時における電位差が印字率が低い時は高く、印字率が高い時は低く設定される。
ここに示されるように、総出力枚数が少ない場合(図8における曲線e)に比べて、総出力枚数が多い場合(図8における曲線f)は、印字率に対するインパルス電圧が高い。つまり、総出力枚数が多くなるに従って、印字率に対するインパルス電圧が高くなるように設定されている。
このように設定する理由は、トナーからの外添剤の遊離が出力枚数が多くなるに従って減少していき、逆にトナーの劣化によるブレード9へのトナー融着の度合いが大きくなるからである。
ここで制御装置14による、枚数係数手段33に応じた現像バイアス及びブレードバイアスの制御について、図9、図10を用いて説明する。図9は、図2、図6同様にして示した、本実施例による画像形成動作における各画像形成手段の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。ここでは、2枚を連続プリントした場合を示す。図10は、これらによるフローチャートを示す。ここでは、制御動作をステップS51〜S63に示し、新品の現像器に近い状態で、前回の画像形成は低印字率(印字率約1%)の画像が形成され、今回の1枚目に中印字率の画像(印字率約30%)を、2枚目に高印字率の画像(印字率約60%)を出力した場合について説明する。本実施例でも、下記に説明するように、図10に示すフローチャートに従った、待機状態から工程(ステップ)S51〜S63における画像形成動作に従って、バイアス制御を実施し、その結果、図9に示されるような現像バイアス及びブレードバイアスのバイアス制御が実施される。そして、更に、本実施例では、実施例2と比較して2000枚時点でのシーケンスについて述べる。
図10において、不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請を待つ(S51)。画像形成の要求があると、前回のインパルス電圧値をメモリ31から読み込む(S52)。前回の画像形成が低印字率のため、例えばインパルス電圧値として−800Vが選択されたとする。
読み込みが終了すると、感光ドラム1及び現像ローラ8の回転開始にともなって準備前回転のインパルス電圧(−800V)が現像バイアスが接点19及びブレードバイアス接点20に印加される(S53)。インパルス電圧が現像ローラ8と現像ブレード9にそれぞれ約−800Vの電圧が印加されると同時に、ブレードバイアス接点20には約−800Vの電圧が印加される。即ち、現像バイアス接点19及びブレードバイアス接点20に供給される電圧について、立ち上がりはほぼ同時のタイミングで立ち上がる。
印加されたインパルス電圧が約20msec後に画像形成時の現像ローラに印加する所定電圧(―300V)に現像バイアスが下げられる(S54)。現像バイアス接点19及びブレードバイアス接点20に供給される電圧が立ち下がるときには、現像バイアス接点19に供給される電圧はすぐに立ち下がるが、ブレードバイアス接点20については、遅延制御手段17のR1とC1により時定数をもって立ち下がることになる。
このように現像ローラ8に印加される電圧はすぐ立ち下がり、現像ブレード9に印加される電圧は除々に降下するため、現像ローラ8と現像ブレード9間には、電位差が発生することとなる。従って、現像ローラ8と現像ブレード9間には、最大500Vの電位差が生じることになる。そして、最大500Vの電位差は時間経過に従って小さくなっていく。
そして、現像ローラ8が感光ドラム1に当接される。
現像バイアス接点19とブレードバイアス接点20の電圧が略同電位の−300Vの状態で、1枚目の画像形成領域となり画像形成が行われる(画像形成時)。
これと同時に、画像形成時のドット数及び総出力枚数が計数される(S55)。そして、計算された画像のピクセル数及び現在の総出力枚数に応じて制御装置14内のROMに格納された所定値と比較して(S56)、必要な電位差を制御装置14に戻す。これにより、次の非画像形成時に印加するインパルス電圧値が決定される(S57)。
ここでは、次の非画像形成時のインパルス電圧値は、図8のグラフの曲線eに示される状況のように現像器4が初期に近い場合は、図9のブレードバイアスチャートeに示されるように、実施例2と同様に300Vのインパルス電圧が印加される。しかし、図8のグラフの曲線fに示される状況のように出力枚数が2000枚と多い場合には、図9のブレードバイアスチャートfに示すように、電位差としては500Vが設定される。即ち、インパルス電圧としては、−800Vが設定される。
そして、このインパルス電圧と総出力枚数の計数の値をメモリ31に格納する(S58)。
この画像形成時は、現像ローラ8及び現像ブレード9が略同電位であるため、現像ローラ8の回転動作により現像ブレード9の当接部から固定端側に、トナー層のもつ電荷によって負極性の外添剤が転移する。しかしながら、反転トナーや正極性外添剤等が現像ブレードに付着することはない。
そして、次の画像形成要求があるかどうか確認する(S59)。
1枚目の画像形成時が終了すると、次の画像形成との間の所謂「紙間」といわれる領域になる。この紙間において、まず現像ローラ8が感光ドラム1から離間された後、現像バイアスにインパルス電圧(−800V)が印加される(S60)。約20msecの間、−800Vが現像ローラ8と現像ブレード9に印加された後、現像バイアスが所定値(−300V)に戻る(S54)。
バイアス接点19及びブレードバイアス接点20に供給される電圧が立ち下がるときには、現像バイアス接点19に供給される電圧はすぐに立ち下がるが、ブレードバイアス接点20については、遅延制御手段17のR1とC1により時定数をもって立ち下がることになる。
このように現像ローラ8に印加される電圧はすぐ立ち下がり、現像ブレード9に印加される電圧は除々に降下するため、現像ローラ8と現像ブレード9間には、電位差が発生することとなる。従って、現像ローラ8と現像ブレード9間には、最大500Vの電位差が生じることになる。そして、最大500Vの電位差は時間経過に従って小さくなっていく。これによって、前の画像形成(中印字率)によって現像ブレード9の固定端側に付着した負極性外添剤を現像ローラ8側に戻す。その結果、現像ブレード9表面に付着する負極性外添剤をリフレッシュすることになる。現像ローラ8が回転している間に行われていることから、再び現像ブレード9側に負極性外添剤が戻ることはない。
つまり、現像器4が初期状態に近い場合は、中印字率ではインパルス電圧を抑制して、現像ローラ8と現像ブレード9との間の電位差を低くすることで、初期状態におきやすい外添剤の遊離によるブレード固着を防止する。総出力枚数が増えていった場合にはブレード融着を防止するようにインパルス電圧を大きくして、ブレード融着を防止することが可能となる。
そして、現像ローラ8が感光ドラム1に当接され、2枚目の画像形成が行われる。画像形成時においては、前述同様に負極性外添剤が現像ブレード9の当接部から固定端に付着堆積していく。但し、2枚目の印字は高印字率の画像のため付着量としては極微量である。これと同時に、画像形成時のドット数及び総出力枚数が計数される(S55)。そして、計算された画像のピクセル数及び現在の総出力枚数に応じて制御装置14内のROMに格納された所定値と比較して(S56)、必要な電位差を制御装置14に戻す。これにより、次の非画像形成時に印加するインパルス電圧値が決定される(S57)。例として2枚目の印字は高印字率の画像のため、電位差としては300Vが設定される。即ち、インパルス電圧としては、−600Vが設定される。そして、このインパルス電圧と総出力枚数の計数の値をメモリ31に格納する(S58)。
ここでも、現像器4が初期状態に近い場合は、高印字率ではインパルス電圧を抑制して、現像ローラ8と現像ブレード9間の電位差を低くすることで、初期状態におきやすい外添剤の遊離によるブレード固着を防止する。総出力枚数が増えていった場合にはブレード融着を防止するようにインパルス電圧を大きくして、ブレード融着を防止することが可能となる。
そして、次の画像形成要求があるかどうか確認する(S59)。
そして2枚目の画像形成が終了し、次回のプリントのための準備後回転になる時に、感光ドラム1から現像ローラ8が離間される。そして、インパルス電圧(−600V)が現像ローラ8と現像ブレード9に印加される(S61)。前述と同様に約20msecの間、−600Vが現像ローラ8と現像ブレード9に印加された後、現像バイアスが所定値(−300V)に戻る(S62)。
そして準備後回転動作が終了して、現像ローラと感光ドラムの回転が停止する(S63)。
このように、本実施例では、画像形成時に現像ブレード9の当接部から固定端側に付着した負極性外添剤を、非画像形成時に現像ブレード9と現像ローラ8との間に所定の電位差(遅延制御により漸減する電位差)を生じさせて負極性外添剤を現像ローラ8に戻すことで、現像ブレード9をリフレッシュすることが可能となる。そして、画像情報及び総出力枚数に応じて該電位差を可変するもとになるインパルス電圧を制御することで、出力枚数に関係なく現像ブレード9へのトナー付着・堆積・融着を防ぎ、画像濃度不良及び縦スジを防止することが可能となる。
本実施例では、インパルス電圧により現像ローラ8と現像ブレード9との間の電位差を制御したが、CR回路の時定数を用いていることから、制御としてコンデンサの容量(C)や抵抗(R)を可変にして制御することも可能である。
尚、本実施例においては、現像器4による画像形成枚数を、非画像形成時の現像バイアスとブレードバイアスとの電位差を制御する条件に加えたが、環境条件等の他の条件を加えることもできる。
又、本明細書においては、単色のみの現像器を用いて説明したが、これにこだわるものではない。もちろん複数の現像器を用いたカラー画像形成装置においても適用可能である。
更に、現像器として接触現像方式を用いたが、弾性現像ローラを用いた非接触現像方式においても適用可能である。