JP2005347019A - 非水電解質二次電池およびその電極板の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池およびその電極板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 活物質、結着剤、増粘剤、および水を含む合剤塗料集電体上に塗布して電極板を製造する方法において、熱処理により増粘剤を分解除去するのに長時間を要し、しかも特性の低下が避けられなかった。
【解決手段】 熱処理により極板中の水分を除去し、あわせて増粘剤を飛散させる工程に先立って、水蒸気を導入した、水の沸点以上の高温雰囲気中において熱処理する工程を設ける。これによって熱処理時間を短縮し、極板の合剤と集電体の密着力を低下させずに増粘剤を効率的に除去し、寿命特性および高出力放電特性の向上した電極板を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池、特にその電極板の製造方法に関する。
近年、携帯電話やノートパソコン等のポータブル、コードレス機器の普及により、これらの機器に電力を供給する電池の需要が高まっている。なかでも、小型、軽量で、エネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能な二次電池、特に非水電解質二次電池の需要が高まっている。
非水電解質二次電池の電極板は、リチウムの吸蔵・放出が可能なリチウム含有複合酸化物や炭素材料などの活物質を、導電材、結着剤、および結着剤の分散媒を混練し、得られた合剤塗料を集電体上に塗着し、乾燥、圧延することにより製造される。特に、極板の製造過程において、分散媒に水を用いたとき、増粘剤を添加することによって増粘効果を発揮させ、塗料の混練分散をしやすくする方法がとられる。この増粘剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高分子材料が用いられる。
しかし、増粘剤を含有する合剤は、活物質の周りを増粘剤が一部覆っている状態である。このように増粘剤が活物質表面を被覆していることにより、合剤中の活物質の円滑な電気化学的反応を阻害し、電池特性に悪影響を与えるという問題があった。
この問題を解決するため、正極板の製造法では、高温での熱処理によって、活物質の周りを一部被覆している増粘剤の膜を高温酸化によって分解破壊する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、負極の製造法においても、熱処理温度や、酸素分圧の操作により、増粘剤を分解する方法が開示されている(特許文献2、3参照)。これらの技術によって、増粘剤の被覆の形態を最適化している。
特開平7−105970号公報 特開2001−210318号公報 特開2001−250536号公報
しかしながら、電池特性の向上を目的として、特許文献1〜3に開示の技術を応用し、極板を高温で長時間熱処理し続けると、熱処理温度に耐熱、耐久性のある結着剤を用いる場合は影響は少ないが、結着剤物性の変質温度、熱分解温度以上で長時間熱処理を行うと、極板の合剤と集電体の密着力が低下し、出力特性や充放電サイクル特性の悪化が生じるおそれがある。そして、増粘剤のさらなる分解を行うことによって、特性の改善を試みようとするとき、熱処理工程に長時間を要し、より高温での熱処理を行わなければならない。このため、特性の悪化が予想される。また、上記開示の技術では、増粘剤を分解する程度によっては、熱処理時間を長時間行わなければならないため、生産性が低下する。
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みて、極板の合剤と集電体の密着力を低下させずに増粘剤を効率的に除去し、出力特性および充放電サイクル特性の向上した電極板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも電極活物質、結着剤、増粘剤、および水、必要に応じて加える導電材を含む合剤塗料を調製する工程、前記合剤塗料を集電体上に塗布し、乾燥して合剤層を形成する工程、および熱処理により極板中の水分を除去する工程を有する非水電解質二次電池用電極板の製造方法において、前記極板中の水分を除去する工程に先立って、水蒸気を導入した、水の沸点以上の高温雰囲気中において熱処理する工程を設けることを特徴とする。
この水蒸気を導入した、高温雰囲気での熱処理により、加水分解反応を利用して増粘剤を分解変質し、後工程の水分を除去する工程において増粘剤を飛散させる温度をより低温に、しかも熱処理の時間をより短く変更することができる。このため、結着剤の熱劣化による、合剤と集電体との結着力の低下を抑制し、増粘剤の分解または除去により電池の特性を改善することができる。また、このような熱処理条件の低温化および時間短縮により、生産性を向上させる効果がある。
本発明による電極板の製造方法は、正極板および負極板のいずれか一方に適用しても電池の特性を向上させる効果がある。
本発明によれば、水蒸気を導入した、水の沸点以上の高温雰囲気での熱処理によって、加水分解により増粘剤を分解、変質することができるため、増粘剤の除去のための熱処理工程の温度を低く、処理時間を短くできる。これにより、結着剤の熱劣化を抑制し、増粘剤の残存による特性の低下を防止することができる。さらには電池の生産性を向上することができる。
本発明の非水電解質二次電池用電極板の製造方法は、少なくとも電極活物質、結着剤、水溶性増粘剤、および水を混合して合剤塗料を調製する工程、前記合剤塗料を集電体上に塗布し、乾燥して水分を除去する工程、水蒸気を導入した、水の沸点以上の高温雰囲気中において熱処理する工程、および熱処理により極板中の水分を除去する工程を有する。
ここで、水蒸気を導入した、水の沸点以上の高温雰囲気中において熱処理する工程においては、温度は105〜350℃が好ましく、120〜250℃がより好ましい。
前記の熱処理に続く極板の水分を除去する工程においては、増粘剤を飛散させる効果に優れているという点で温度は120〜250℃が好ましく、また時間においては、フープ状でも従来の1/5の2時間程度で十分である。
正極活物質は、式Lixy1-y2(式中、MおよびNは、Co、Ni、Mn、Cr、Fe、Mg、Al、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、両者は異なるものとする。0.98≦x≦1.10、0≦y≦1。)で表されるリチウム含有複合酸化物が好ましい。正極の集電体には、AlまたはAl合金が好ましい。正極に用いられる結着剤には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のいずれかを含む水性ディスパージョンが好ましい。
負極活物質には、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材、黒鉛材、合金、または金属酸化物が用いられる。負極の集電体には、Cu、Ni、またはCu−Ni合金が好ましい。結着剤は、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ナトリウムゴム、メタクリル酸メチル−メタクリル酸リチウムゴム、メタクリル酸アンモニウム−メタクリル酸リチウムゴム、メタクリル酸メチル−メタクリル酸リチウム−メタクリル酸アンモニウムゴムのいずれか、または複数を組み合わせて用いることが好ましい。
増粘剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースリチウム塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高分子のいずれかまたは複数を組み合わせて用いることができる。この増粘剤の添加による増粘効果によって、合剤塗料の調製に際して活物質、導電材および結着剤の混練・分散をしやすくすることができる。
非水電解質は、非水溶媒と溶質から構成される。溶質は、LiPF6、LiBF4などの各種リチウム化合物を用いることができる。溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの単独または2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
セパレータは、非水電解質二次電池の使用温度範囲に耐えうるものであれば特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが一般的であり、また好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1は、実施例で作製した円筒型リチウム二次電池の概略構成を示す縦断面図である。
正極板5と、負極板6と、両極板の間に配されたセパレータ7とを渦巻き状に捲回した極板群4が、ステンレス鋼製の電池ケース1内に収容されている。正極板は、正極活物質を含む合剤を正極集電体の両面に形成したものであり、負極板は、負極活物質を含む合剤を負極集電体の両面に形成したものである。極板群4には、電解液が保持されている。極板群4の上部および下部には、それぞれ上部絶縁板8および下部絶縁板9が配されている。負極板6は、負極リード6aを介して電池ケース1に接続されている。正極板5は、正極リード5aを介して、正極端子を備えた封口板2に接続されている。電池ケース1の開口部は、封口板2により絶縁パッキング3を介し封口されている。ここでは、円筒型リチウム二次電池を示したが、本発明の非水電解質二次電池は、円筒型に限定されるものではない。
《比較例1》
〔正極板の製造方法〕
リチウム複合酸化物LiCoO2、導電剤のアセチレンブラック、結着剤のポリテトラフルオロエチレン樹脂の水性ディスパージョン、および増粘剤のカルボシキメチルセルロースナトリウム塩を固形分の重量比で100:3:3:0.5の割合で混合し、さらに水を加えて混練して合剤塗料を製造した。この合剤塗料を厚さ20μmのAl箔からなる正極集電体の両面に塗布し、空気中において110℃で乾燥して水を気化、乾燥した。その後、露点−60℃の空気中において250℃で10時間熱処理し、続いて圧延工程にて圧延して厚さ170μmの正極板を製造した。
〔負極板の製造方法〕
活物質の鱗片状黒鉛、結着剤のスチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン、および増粘剤のカルボシキメチルセルロースナトリウム塩を固形分の重量比で100:3:0.3の割合で混合し、さらに水を加えて混練して合剤塗料を製造した。この合剤塗料を厚さ20μmのCu箔からなる負極集電体の両面に塗布し、空気中において110℃で乾燥して水を気化、乾燥した。その後、露点−60℃の乾燥空気中において250℃で10時間熱処理し、続いて圧延工程にて圧延して厚さ170μmの負極板を製造した。
〔電池の製造方法〕
上記の正極板、負極板、および両極板の間に挿入したセパレータを渦巻き状に捲回して極板群を組み立てた。この極板群をステンレス鋼SUS製ケースに収納し、非水電解液を注液後、封口板により密封した。セパレータには、厚み20μmのポリエチレン製多孔質フィルムを用いた。セパレータの空隙率は、水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス社製)により測定したところ45%であった。
このように作製された円筒形リチウム二次電池は、高さ65mm、直径18mmで、設計容量が1800mAhである。非水電解液にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を1mol/l溶解したものを用いた。
《実施例1》
〔正極板の製造方法〕
比較例1と同じ合剤塗料を厚さ20μmのAl箔からなる正極集電体に塗布し、空気中において110℃で乾燥して水を気化、乾燥した。その後、60℃の飽和水蒸気を0.5L/分で連続的に導入している250℃の恒温槽内(内容積110L)で10分間熱処理を行った。その後、露点−60℃の空気中において250℃で2時間熱処理し、その後圧延して170μmの正極板を製造した。
上記の正極板を用いた他は比較例1と同様にして電池を作製した。
《実施例2》
〔負極板の製造方法〕
比較例1と同じ合剤塗料を厚さ20μmのCu箔からなる負極集電体に塗布し、空気中において110℃で乾燥して水を気化、乾燥した。その後、60℃の飽和水蒸気を0.5L/分で連続的に導入している250℃の恒温槽内(内容積110L)で10分間熱処理を行った。その後、露点−60℃の空気中において250℃で2時間熱処理し、その後圧延して170μmの負極板を製造した。
上記の負極板を用いた他は比較例1と同様にして電池を製造した。
《実施例3》
実施例1の正極板と実施例2の負極板を用いて、上と同様にして電池を製造した。
《比較例2》
比較例1の正極板の製造方法および負極板の製造方法において、合剤塗料を塗布し、乾燥した後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を250℃で8時間に変更した他は同様にして正極板および負極板を製造した。この他は、比較例1と同様にして電池を製造した。
《比較例3》
比較例1の正極板の製造方法および負極板の製造方法において、合剤塗料を塗布し、乾燥した後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を250℃で4時間に変更した他は同様にして正極板および負極板を製造した。この他は、比較例1と同様にして電池を製造した。
《比較例4》
比較例1の正極板の製造方法において、合剤塗料を塗布し、乾燥した後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を250℃で2時間に変更した他は同様にして正極板を製造した。この正極板を用いた他は、比較例1と同様にして電池を製造した。
《比較例5》
比較例1の負極板の製造方法において、合剤塗料を塗布し、乾燥した後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を250℃で2時間に変更した他は同様にして負極板を製造した。この負極板を用いた他は、比較例1と同様にして電池を製造した。
《実施例4》
実施例1の正極板の製造方法において、水蒸気を導入した雰囲気下での熱処理後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を150℃で10時間に変更した他は同様にして正極板を製造した。この正極板を用いた他は、実施例1と同様にして電池を製造した。
《実施例5》
実施例1の負極板の製造方法において、水蒸気を導入した雰囲気下での熱処理後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を250℃で10時間に変更した他は同様にして負極板を製造した。この負極板を用いた他は、実施例1と同様にして電池を製造した。
《実施例6》
実施例5の負極板の製造方法によって製造した負極板を用いた他は、実施例4と同様にして電池を製造した。
《比較例6》
比較例1の正極板の製造方法において、合剤塗料を塗布し、乾燥した後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を150℃で10時間に変更した他は同様にして正極板を製造した。この正極板を用いた他は、比較例1と同様にして電池を製造した。
《比較例7》
比較例1の負極板の製造方法において、合剤塗料を塗布し、乾燥した後の、露点−60℃の空気中における熱処理条件を150℃で10時間に変更した他は同様にして負極板を製造した。この負極板を用いた他は、比較例1と同様にして電池を製造した。
《比較例8》
比較例1の合剤塗料を厚さ20μmのAl箔からなる正極集電体に塗布し、空気中において110℃で乾燥して完全に水を気化、乾燥した。その後、60℃の飽和水蒸気を0.5L/分で導入した空気雰囲気の95℃の恒温槽内(内容積110L)で10分間熱処理を行った。その後、露点−60℃の空気中において250℃で2時間熱処理し、その後圧延して170μmの正極板を製造した。
この正極板を用いた他は比較例1と同様にして電池を製造した。
《比較例9》
比較例1の合剤塗料を厚さ20μmのCu箔からなる正極集電体に塗布し、空気中において110℃で乾燥して完全に水を気化、乾燥した。その後、60℃の飽和水蒸気を0.5L/分で導入した空気雰囲気の95℃の恒温槽内(内容積110L)で10分間熱処理を行い、その後、露点−60℃の空気中において250℃で2時間熱処理をし、その後圧延して170μmの負極板を製造した。
この負極板を用いた他は比較例1と同様にして電池を製造した。
以上の実施例および比較例の電池について、以下のようにして評価した。
〔電池評価の方法〕
(i)低温放電試験
25℃に環境において、4.2Vで定電圧充電(ただし、最大電流は1A)し、0℃において、3Aの定電流で終止電圧3.0Vまで放電したときの容量を測定した。
(ii)サイクル寿命試験
25℃の環境において、1Aで4.2Vまで定電流充電した後、4.2Vで30分間定電圧充電(ただし、最大電流は1A)した後、1Aの定電流で終止電圧3.0Vまで放電するサイクルを300回繰り返して、寿命試験を行った。その後、1サイクル目の放電容量C1と300サイクル目の放電容量C300を比較し、下記の式(1)により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=C300/C1×100 (1)
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 2005347019
正極の製造工程において水蒸気を導入した雰囲気下での250℃の熱処理を10分行った実施例1の電池と比較例1の電池を比較すると、0℃における放電容量はほぼ同じである。従って、水蒸気雰囲気下において250℃で熱処理を10分間行うことにより、乾燥空気中での熱処理条件を250℃で10時間から、250℃で1時間に短縮できることがわかる。また、300サイクル後の容量維持率は、実施例1は比較例1の55%に対して85%に向上している。
比較例1〜3の結果より、0℃の放電容量を確保するためには、乾燥空気中での熱処理を250℃で10時間行わなければならない。実施例3によると、水蒸気雰囲気下において250℃で10分間の熱処理を正負極板に行うことにより、水蒸気雰囲気下での熱処理を行わない比較例1より、乾燥空気中の熱処理時間を10時間から2時間へ短縮しても、0℃の放電特性を確保できることがわかる。250℃での熱処理用恒温槽内に水蒸気を導入したことにより、増粘剤は加水分解されて分子量が低減し、気化温度が低下する。このため、熱処理時間を1/5に短縮しても増粘剤は分解飛散され、0℃の放電特性を維持できたものと考えられる。また、本発明の電極板の製造方法により、生産性が向上する効果も検証できた。
実施例2と比較例5の結果を比較すると、負極板の製造工程において水蒸気を導入した250℃の熱処理を10分間行っても、正極板の場合と同様、0℃の放電特性を維持しながら、サイクル寿命を向上できることも確認された。また、実施例3の結果より、水蒸気を導入した熱処理を正極板および負極板の双方で行うと、正負極板のいずれか一方で行うよりさらにサイクル寿命を向上させることができる。これらの結果から、加水分解によって増粘剤のみを気化除去しやすい物性に変質させることができ、これによって短時間の熱処理で増粘剤を分解できるようになった。このため、結着剤の劣化を抑制し、サイクル寿命を向上させることができたものと考えられる。
次に、比較例1と、正極板の製造工程において水蒸気を導入した250℃の熱処理を10分間行った実施例4を比較すると、乾燥空気中での熱処理を250℃10時間から150℃10時間へ100℃温度を下げても、0℃の放電特性を維持できることが確認された。さらには、比較例1の300サイクル後の容量維持率55%から、実施例4では81%にまで特性向上できることも確認された。実施例4と比較例6、実施例5と比較例7の特性を比較した結果、10分間の水蒸気雰囲気下での熱処理を一方の電極板に行うことにより、そのような処理を行わない場合には乾燥空気中で250℃で10時間の熱処理が必要であるが、この熱処理温度を250℃から150℃に下げることができ、しかもサイクル寿命を向上できることがわかる。
比較例8および9では、正極板または負極板の水蒸気雰囲気下での熱処理温度が95℃であり、1気圧の水の沸点100℃より低いため、熱処理による加水分解効果がなく、0℃の放電特性を向上する効果がないことが確認された。また、比較例1に比べて、比較例8および9の電池特性が大きく悪化している。これは、水蒸気が増粘剤の加水分解に作用せず、結着剤および増粘剤に水が吸着し、その吸着された水が放電特性の悪化に作用したためと考えられる。
本発明による非水電解質二次電池は、寿命特性および高出力放電特性に優れており、各種のポータブル電気機器用電源等として有用である。
本発明の実施例にかかる電池の縦断面略図である。
符号の説明
1 電池ケース
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
5a 正極リード
6 負極板
6a 負極リード
7 セパレータ
8 上部絶縁板
9 下部絶縁板

Claims (5)

  1. 少なくとも電極活物質、結着剤、水溶性増粘剤、および水を含む合剤塗料を調製する工程、前記合剤塗料を集電体上に塗布し、乾燥して合剤層を形成する工程、水蒸気を導入した、水の沸点以上の高温雰囲気中において熱処理する工程、および熱処理により水分を除去する工程を有する非水電解質二次電池用電極板の製造方法。
  2. 前記電極活物質が、リチウム含有複合酸化物であり、前記合剤塗料がさらに導電材を含む請求項1記載の非水電解質二次電池用正極板の製造方法。
  3. 前記電極活物質が、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料である請求項1記載の非水電解質二次電池用負極板の製造方法。
  4. 前記増粘剤がメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、およびポリエチレンオキサイドからなる群より選ばれる請求項1記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された電極板を備えた非水電解質二次電池。
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