JP2005345979A - 残響信号付加装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は、残響信号付加装置に関し、残響効果切り替え時にも自然な残響感を提示することができる残響信号付加装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 切替器2により、第1の残響付加手段31が第3の残響付加手段33に切り替えられると、第1の残響付加手段31には入力信号が無くなるので、切り替え前の入力信号を元に作成された残響信号が順次出力される。切り替え先の第3の残響付加手段33では、第1の残響付加手段31と同様に、入力信号を元に、設定された係数に従って残響信号が生成・合成され、順次出力される。第1の残響付加手段31で切り替え時に未出力だった音響信号(残響信号)は、加算器4により第3の残響付加手段33でその後に生成・合成された音響信号に時間軸を揃えて加算されて出力される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響信号に残響を付加する残響信号付加装置に関し、特に、残響効果を動的に変更する残響信号付加装置に関する。
従来、電気楽器や音響再生装置などにおいて、入力となる音響信号に対して、遅延付加、振幅減衰などの処理を施すことにより残響信号を生成し、この残響信号を元の音響信号に加算して空間的な音の拡散や楽音の響き感などを模擬する残響信号付加装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
図8は従来の残響信号付加装置の概略を示すブロック図である。図8において、残響信号付加装置は、入力音響信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog-to-Digital)変換器1と、入力信号に残響を付加する残響付加手段3と、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A(Digital-to-Analog)変換器5と、残響を付加した後のアナログ信号を増幅する増幅器6とを備え、残響信号を付加した音響信号をスピーカ10などに出力する。
このような残響信号付加装置において、入力音響信号は、A/D変換器1によりデジタル音響信号に変換され、残響付加手段3により後述の方法で残響が付加され、D/A変換器5によりアナログ音響信号に変換され、増幅器6により緩衝増幅されて、出力音響信号としてスピーカ10などに出力される。
図9は残響付加手段3の代表的な例を示した図である。
図9(a)の残響付加手段34は、音質の補正を行う第1のイコライザ341、第2のイコライザ343と、設定されたフィルタを畳み込む畳み込み器342と、遅延を付加する遅延器344と、遅延器344の出力を逐次蓄積して時間軸を揃えて累積加算するバッファメモリ345とを備えている。
この残響付加手段34は、入力されたデジタル音響信号を、第1のイコライザ341により等価処理し、畳み込み器342により予め設定されたフィルタを畳み込み、第2のイコライザ343により再度等価処理を施した後、遅延器344により遅延を付加し、バッファメモリ345により時間軸を揃えて累積加算し、残響が付加されたデジタル音響信号を生成する。
図9(b)の残響付加手段35は、入力信号を減衰する減衰器351と、遅延を付加する遅延器352と、2つの信号を加算合成する加算器353とを備えている。
この残響付加手段35は、入力されたデジタル音響信号を分配し、その一方に減衰器351による信号減衰を課した後、遅延器352で遅延を付加することにより残響分の音響信号を生成し、これを加算器353にて入力音響信号と加算合成することにより残響が付加されたデジタル音響信号を生成する。
図9(c)の残響付加手段36は、入力信号を減衰する減衰器361と、遅延を付加する遅延器362と、2つの信号を加算合成する加算器363とを備えている。
この残響付加手段36は、入力されたデジタル音響信号を分配し、その一方に減衰器361による信号減衰を課した後、遅延器362で遅延を付加することにより残響分の音響信号を生成し、これを入力音響信号にフィードバックして加算器363にて加算合成する。分配された他方から残響が付加されたデジタル音響信号が出力される。
これらの残響付加手段3を備えた残響信号付加装置において、その残響効果を動的に変更する場合、残響付加手段3の係数を変更することが考えられる。この係数とは、図9(a)の残響付加手段34では、イコライザ341、343の設定値や遅延器344の遅延量のことで、図9(b)の残響付加手段35、図9(c)の残響付加手段36では、減衰器351、361の減衰比率や遅延器352、362の遅延量のことである。
これらは、所望効果を探るための調整手段として備えられているもので、演出上の残響効果の切り替えや、ある音場の遷移をシミュレートするような用途には適していない。
また、このような残響効果を動的に変更する場合、図10に示すように、異なる残響効果を生成するように係数やフィルタを設定された残響付加手段34、35、36を並列に配置し、その前段及び後段にセレクタやマトリクスなどの切替器2a、2bを配置し、切替器2a、2bにより残響付加手段3を切り替えて残響効果を動的に変更する。なお、切替器2a、2bは連動し、同じタイミングで残響付加手段3を切り替えるようになっている。
このような構成では、想定される音場に係る係数を予め設定できるので、ある音場の遷移をシミュレートするような用途にも適している。
特開平11−234799号公報 (6−7、図1)
しかしながら、残響音は、現在の音響信号から発生する未来の音響信号であるため、このような従来の残響信号付加装置では、切り替え前に残響付加手段3によって生成された残響音が、切り替えによって出力されずに破棄されると、後部残響音が打ち切られた(その瞬間だけ残響音が無くなる)不自然な残響音となってしまう。また、その際、再生レベルからゼロレベルに急激に切り替えられるため、クリックと呼ばれる異音も発生する。
近年、バーチャルリアリティやシミュレーションなどの分野において、音響効果をよりリアルなものとするため、残響効果を動的に変更したいという要求が出てきているが、従来の残響信号付加装置では上述の理由により残響効果切り替え時に異音が発生してしまい、リアルな音響効果とは程遠いものとなってしまう。
そこで、本発明は、残響効果を動的に変更したときに未出力の残響音を変更後の音響信号に加算することにより、残響効果切り替え時にも自然な残響感を提示することができる残響信号付加装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明は、同じ入力信号に異なる残響音を付加する複数の残響付加手段と、該複数の残響付加手段の1つに選択的に入力信号を供給する供給手段と、前記複数の残響付加手段の全ての出力を同期加算する加算手段とを備えることを特徴とするものである。
この発明では、残響付加手段を切り替えても、切り替え元の残響付加手段で切り替えの時点で未出力の残響信号も切り替え先の残響付加手段の出力と加算されて出力される。
上記課題を解決する第2の発明は、同じ入力信号から異なる残響音を生成する複数の残響特性の1つを選択して入力信号に畳み込んで残響音を生成する残響音生成手段と、該残響音生成手段の生成した残響音および前記入力信号を、既に蓄積されている信号と同期加算して再蓄積する蓄積加算手段とを備えることを特徴とするものである。
この発明では、蓄積加算手段に蓄積されている信号と残響音生成手段の出力および入力信号が時間軸を揃えて加算されて蓄積され、残響特性切り替え前の残響信号も蓄積加算手段に蓄積され、残響特性切り替え後の出力と時間軸を揃えて加算され出力される。
上記課題を解決する第3の発明は、コンピュータを、同じ入力信号に異なる残響音を付加する複数の残響付加手段、該複数の残響付加手段の1つに選択的に入力信号を供給する供給手段、前記複数の残響付加手段の全ての出力を同期加算する加算手段、として機能させるものである。
この発明では、残響付加手段を切り替えても、切り替え元の残響付加手段で切り替えの時点で未出力の残響信号も切り替え先の残響付加手段の出力と加算されて出力される。
上記課題を解決する第4の発明は、コンピュータを、同じ入力信号から異なる残響音を生成する複数の残響特性の1つを選択して入力信号に畳み込んで残響音を生成する残響音生成手段、該残響音生成手段の生成した残響音および前記入力信号を、既に蓄積されている信号と同期加算して再蓄積する蓄積加算手段、として機能させるものである。
この発明では、蓄積加算手段に蓄積されている信号と残響音生成手段の出力および入力信号が時間軸を揃えて加算されて蓄積され、残響特性切り替え前の残響信号も蓄積加算手段に蓄積され、残響特性切り替え後の出力と時間軸を揃えて加算され出力される。
本発明によれば、同じ入力信号に異なる残響音を付加する複数の残響付加手段の全ての出力を加算器により時間軸を揃えて加算しているので、残響付加手段を切り替えても切り替え元の残響付加手段の未出力の残響信号は加算器により切り替え先の残響付加手段の出力と加算されて出力され、残響効果切り替え時にも自然な残響感を提示することができる。
本発明によれば、蓄積加算手段で残響音生成手段の生成した残響音および入力信号を蓄積している信号と時間軸を揃えて加算して蓄積しているので、残響音生成手段で残響特性を切り替えても、切り替え前の残響信号は蓄積加算手段に蓄積され、切り替え後の出力と時間軸を揃えて加算されて出力され、残響効果切り替え時にも自然な残響感を提示することができる。
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明の第1実施形態の残響信号付加装置を示す図である。
図1において、本実施形態の残響信号付加装置は、入力音響信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog-to-Digital)変換器1と、第1から第3の残響付加手段31〜33の1つに選択的に入力音響信号を供給するセレクタやマトリクスなどの切替器2と、同じ入力信号に異なる残響音を付加する第1から第3の残響付加手段31〜33と、第1から第3の残響付加手段31〜33の出力を同期加算する加算器4と、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A(Digital-to-Analog)変換器5と、入力信号を増幅する増幅器6と、を備え、残響信号を付加した音響信号をスピーカ10などに出力する。
このような残響信号付加装置において、入力された音響信号は、A/D変換器1によりサンプリング周期毎にサンプリングされ、デジタル音響信号に変換され、サンプリング周期毎に出力され、切替器2で選択されている残響付加手段31に入力される。
選択された残響付加手段31では、サンプリング周期毎に入力されるデジタル音響信号に信号処理を行い、所定のサンプリング周期分の短時間デジタル残響信号が生成され、残響が付加されたデジタル音響信号が出力される。未選択の残響付加手段32、33では、入力信号が無いので、切り替え前の未出力信号が残っている場合を除き出力は無信号となる。
これら第1から第3の残響付加手段31〜33の出力は、加算器4で時間軸を揃えて同期加算(同じサンプリング周期のもの同士が加算)され、D/A変換器5によりアナログ音響信号に変換され、増幅器6により緩衝増幅されて、出力音響信号としてスピーカ10などに出力される。
図2は、残響付加手段31〜33を切り替えたときの出力と加算器4による加算後の信号出力を示した図である。
図2(a)は、あるタイミング(t=n)で第1の残響付加手段31が選択されている場合の残響付加手段で生成される信号と加算器4で加算後の出力信号を示している。
選択されている第1の残響付加手段31では、タイミングnで入力された入力信号を元に、設定された係数(またはフィルタ)に従って残響信号(タイミングn以降の音響信号、mタイミング分(図ではm=12))が生成され、タイミングn以前に生成された残響信号と合成され、タイミングnではタイミングnの分の音響信号のみ出力され、以降各タイミング毎に残響信号の生成と合成処理が行われ、該タイミング分のみの音響信号が出力される。
図では、タイミングnの時点で生成・合成されている音響信号を示しており、以降順次信号が入力されると、タイミングn以降の音響信号は変化することになる。
選択されていない第2、第3の残響付加手段32、33では、入力信号が無いので、未出力の信号が残っている場合を除いて出力は無信号となる(この図の例では、未出力の信号が残っていないものとする)。よって、加算器4の出力は、第1の残響付加手段31の出力と同一となる。
このタイミングで残響効果を変えるため、外部からの指示により切替器2が動作して、第1の残響付加手段31に替わって第3の残響付加手段33が選択されるように切り替えられると、第1の残響付加手段31には入力信号が無くなるので、図2(a)の音響信号が順次出力される。
切り替え先の第3の残響付加手段33では、第1の残響付加手段31と同様に、入力信号を元に、設定された係数(またはフィルタ)に従って第1の残響付加手段31とは異なった残響効果の残響信号が生成・合成され、順次出力される。
図2(b)は、タイミングnでの切り替え後、7タイミング時点(図2(a)のAの時点)での第1の残響付加手段31の出力と、第3の残響付加手段33で生成される信号と、加算器4で加算後の出力信号を示している。
第1の残響付加手段31では、タイミングnで未出力となっていた図2(a)に示す音響信号が、タイミングごとに出力され、タイミングn+7の時点では図2(b)のようになっていて、タイミングn+7の音響信号が出力される。
第3の残響付加手段33では、タイミングnから、設定された係数に従って残響信号の生成・合成が行われ、タイミングn+7の時点では図2(b)のような、タイミングn+7の音響信号と、それ以降mタイミング分の残響信号が生成される。
加算器4の出力は、第3の残響付加手段33がタイミングn+7時点で生成・合成された音響信号(図2(b)で示している信号)をそのまま出力することとすると、図2(b)に示すように、第1の残響付加手段31で切り替え時に未出力だった音響信号(残響信号)が、第3の残響付加手段33でその後に生成・合成された音響信号と時間軸を揃えて加算されて出力される。
すなわち、切り替え時に未出力だった音響信号が破棄されることなく、切り替え先の残響付加手段の出力する音響信号に同期加算され出力される。
図3は、本実施形態の残響信号付加装置として動作するコンピュータのブロック図である。
図3に示すように、このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、A/D変換器94、D/A変換器95がバス96を介して接続されていて、D/A変換器95の出力が増幅器6を通してスピーカ10などに出力される。
CPU91は、ROM92内に格納されているプログラムに従って、装置各部を制御して所定の動作を実行するものである。
RAM93は、装置各部の駆動条件や管理データ等の各種情報を記憶するとともに動作する上で必要なデータを記憶するものである。
A/D変換器94は、入力音響信号をデジタル信号に変換するものである。
D/A変換器95は、デジタル信号をアナログ信号に変換して出力するものである。
このようなコンピュータにおいて、入力信号はA/D変換器94でデジタル信号に変換され、後述するプログラムで処理された後、D/A変換器95でアナログ信号に変換されて、増幅器6により緩衝増幅されて、出力音響信号としてスピーカ10などに出力される。
図4は、このようなコンピュータを本実施形態の残響信号付加装置として動作させるためのプログラムのフローチャートである。
図4に示すように、まず、予め作成された残響効果を設定する係数若しくはフィルタのデータを全残響付加手段について設定し、全ての残響付加手段を定義する係数、若しくはフィルタを設定する(S11)。
次いで、最初に使用される残響付加手段を参照するため、選択されている残響付加手段(例えば、関数)を指定するインデックスを最初に使用される残響付加手段に設定する(S12)。
次いで、入力待ちループに入り(S13)、デジタル音響信号の入力を待つ。デジタル音響信号はA/D変換器94から一定のタイミングで逐次入力される。
デジタル音響信号の入力があると、入力されたデジタル音響信号を読み込み(S14)、外部から残響付加手段を切り替える指示が出されているか判定する(S15)。
残響付加手段を切り替える指示が出されていなければ、選択された残響付加手段に入力音響信号を入力して入力音響信号に残響を付加させる(S16)。
選択された残響付加手段では、入力されたデジタル音響信号に残響が付加され、出力タイミングごとに該出力タイミング分の残響の付加されたデジタル音響信号が出力される。
そして、出力タイミングごとに出力される各残響付加手段の出力を加算し(S17)、加算結果を再生用に逐次出力し(S18)、次の入力信号を待つためS13に戻る。
なお、この場合、初期状態なので選択されていない残響付加手段には未出力の信号は無く入力信号も無いので、出力は無信号となる。
S13からS18の処理を繰り返して、入力デジタル音響信号に残響が付加されたデジタル音響信号が出力される。
次に、異なる残響効果に変えるため、外部から残響付加手段を切り替える指示が出されると、S16において、残響付加手段を切り替える指示が出されていると判定され、選択されている残響付加手段を指定するインデックスを指示された残響付加手段に変更し(S19)、選択された残響付加手段に入力音響信号を入力して入力音響信号に残響を付加させる(S16)。
この時点で、切り替え前に選択されていた残響付加手段には入力信号が無くなり、これ以前に入力されたデジタル音響信号に基づいて生成された残響信号が出力タイミングごとに出力される。
そして、新しく選択された残響付加手段にはデジタル音響信号が入力され、入力されたデジタル音響信号に残響が付加され、出力タイミングごとに出力される。
この切り替え前に選択されていた残響付加手段の出力と新しく選択された残響付加手段の出力を出力タイミングごとに加算し(S17)、加算結果を再生用に出力する(S18)。
このように本実施形態においては、複数の残響付加手段3の出力を、加算器4で時間軸を揃えて加算して出力しているので、切り替え元の残響付加手段3で切り替え時に未出力の残響信号も、切り替え先の残響付加手段3の生成した残響が付加された音響信号に加算して出力することができ、残響効果切り替え時の異音を無くすことができ、残響効果切り替え時にも自然な残響感を提示することができる。
これにより、時間的、空間的な音響変化を自然に演出することができ、例えば、屋外、コンサートホールとそのホワイエなど複数の音響空間を往来するようなバーチャルリアリティコンテンツ、一階席と二階席の視聴比較を行うようなシミュレーションなどの仮想的な音響再生、番組制作における録音技術などへの応用が可能となる。
次に、図5〜図7は本発明第2実施形態の残響信号付加装置を示す図である。なお、本実施形態は、上述第1実施形態と略同様に構成されているので、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分のみ説明する。
本実施形態においては、同じ入力信号から異なる残響音を生成する複数の残響特性(インパルス応答)を保持して、それを動的に任意に切り替えて演算を行う残響音生成手段7と、入力デジタル信号を既に蓄積されている信号と時間軸を揃えて加算して再蓄積するバッファメモリ(蓄積加算手段)8とを備えることを特徴としている。
このような残響信号付加装置において、入力された音響信号は、A/D変換器1によりサンプリング周期毎にサンプリングされ、デジタル音響信号に変換され、サンプリング周期毎に残響音生成手段7に入力される。
残響音生成手段7は、サンプリング周期毎に入力されるデジタル音響信号に選択された残響特性を畳み込み、畳み込み結果の所定のサンプリング周期分のデジタル信号を出力する。
残響音生成手段7から出力された所定のサンプリング周期分のデジタル信号は、バッファメモリ8に入力され、バッファメモリ8に蓄積されている信号と時間軸を揃えて(同一のサンプリング周期同士が)時間毎に加算されて一時的に保持され、逐次入力される所定のサンプリング周期分のデジタル信号も同様に加算・蓄積され(時間毎に累積加算され)、出力タイミング毎に逐次出力される。
バッファメモリ8から出力されたデジタル音響信号は、D/A変換器5によりアナログ音響信号に変換され、増幅器6により緩衝増幅されて、出力音響信号としてスピーカ10などに出力される。
図6は、残響音生成手段7の残響特性を切り替えたときの残響音生成手段7の出力とバッファメモリ8の内容を示した図である。
図6(a)は、あるタイミング(t=n)の残響音生成手段7で生成される信号とバッファメモリ8の内容を示している。
残響音生成手段7では、タイミングnで入力された入力信号に選択されている残響特性を畳み込み、残響信号(タイミングn以降の音響信号、mタイミング分(図ではm=12))が生成され、入力信号とともに出力される。
バッファメモリ8は、便宜上、初期化されていたとすると、残響音生成手段7が出力した畳み込み結果を蓄積し、タイミングnではタイミングnの分の音響信号のみ出力される。
以降各タイミング毎に、残響音生成手段7では残響信号の生成が行われ、バッファメモリ8では、蓄積されている前のタイミングまでの残響信号と、今回のタイミングで入力された信号(入力信号+その入力信号に対する残響信号)とが時間軸を揃えて、時間毎に加算されて蓄積され、該タイミング分のみの音響信号が出力される。
このタイミングで残響効果を変えるため、外部から残響音生成手段7の残響特性を切り替える指示が出されると、残響音生成手段7は、入力信号に切り替えられた残響特性(切り替え前の残響特性とは異なる残響音を生成する残響特性)を畳み込み、残響信号を生成して、入力信号とともに出力する。
図6(b)は、タイミングn+1での切り替え後の残響音生成手段7で生成される信号とバッファメモリ8の内容を示している。
バッファメモリ8には、次タイミングでも、以前のタイミングの信号が蓄積されており、残響音生成手段7で残響特性切り替え前に生成されていた前のタイミングまでの残響信号が蓄積されている。
ここに、切り替えられた残響特性で生成された畳み込み結果(入力信号+その入力信号に対する残響信号)が入力され、蓄積されている切り替え前の残響特性により生成された残響信号と、切り替えられた残響特性により生成された信号が時間軸を揃えて、時間毎に加算されて蓄積され、タイミングn+1の分のみの音響信号が出力される。
すなわち、切り替え前に生成された残響信号がバッファメモリ8に蓄えられ、残響特性切り替え後も、この切り替え前に生成された残響信号に切り替え後の残響特性により生成された信号が加算されて出力される。
図7は、本実施形態の残響信号付加装置としてコンピュータを動作させるためのプログラムのフローチャートである。なお、このプログラムは、図3に示すような構成のコンピュータを本実施形態の残響信号付加装置として動作させるものである。
図7に示すように、まず、RAM93内に領域を確保された、生成された残響信号を一時記憶しておくバッファメモリを0クリアしたり、RAM93内に設定された、畳み込み結果を書き込む書き込み位置を初期化したり、RAM93内に設定された、バッファメモリから出力するデータの位置を示す再生位置を初期化したりするなどして初期化し(S31)、予め作成された残響特性セットから使用する残響特性を全てメモリ(RAM93)上に読み込んでおく(S32)。
次いで、最初に使用される残響特性を参照するため、選択されている残響特性を指定するメモリ上のアドレスを最初に使用される残響特性に設定する(S33)。
次いで、入力待ちループに入り(S34)、デジタル音響信号の入力を待つ。デジタル音響信号はA/D変換器94から一定のタイミングで逐次入力される。
デジタル音響信号の入力があると、入力されたデジタル音響信号を読み込み(S35)、外部から残響特性を切り替える指示が出されているか判定する(S36)。
残響特性を切り替える指示が出されていなければ、入力音響信号に選択された残響特性を畳み込み(S37)、畳み込み結果(入力信号+その入力信号に対する残響信号)をバッファメモリの書き込み位置で指示された位置から所定の長さの信号と加算し、結果を書き込み位置で指示された位置から所定の長さ分書き込み(S38)、時間軸を揃えるため、S35で読み込んだデータ長だけバッファメモリの次の書き込み位置をシフトする(S39)。
そして、バッファメモリの再生位置からデータを読み出して出力し(S40)、バッファメモリの再生位置をシフトして(S41)、次の入力信号を待つためS34に戻る。
S34からS41の処理を繰り返して、入力デジタル音響信号に残響が付加されたデジタル音響信号が出力される。
次に、外部から残響特性を切り替える指示が出されると、S36において、残響特性を切り替える指示が出されていると判定され、選択されている残響特性を指定するアドレスを指示された残響特性のアドレスに変更し(S42)、入力音響信号に選択された残響特性を畳み込み(S37)、畳み込み結果をバッファメモリの書き込み位置で指示された位置から所定の長さの信号と加算し、結果を書き込み位置で指示された位置から所定の長さ分書き込み(S38)、時間軸を揃えるため、S35で読み込んだデータ長だけバッファメモリの次の書き込み位置をシフトする(S39)。
この時点で、切り替え前に選択されていた残響特性を畳み込んだ畳み込み結果はバッファメモリに蓄積されており、新しく選択された残響特性による畳み込み結果が切り替え前の残響特性の畳み込み結果と時間軸を揃えて加算され、バッファメモリに蓄積される。
このバッファメモリの再生位置からデータを読み出して出力し(S40)、バッファメモリの再生位置をシフトする(S41)。
このように本実施形態においては、複数の残響特性を動的に切り替える残響音生成手段7の出力をバッファメモリ8に蓄積されている信号と時間軸を揃えて加算して蓄積しているので、残響特性切り替え時に未出力の残響信号もバッファメモリに蓄積されていて、切り替え先の残響特性で生成した残響が付加された音響信号に加算して出力することができ、残響効果切り替え時の異音を無くすことができ、残響効果切り替え時にも自然な残響感を提示することができる。
本発明の第1実施形態の残響信号付加装置を示す図であり、そのブロック図である。 その残響付加手段の出力と加算器による加算後の出力を示す図である。 本発明の第1実施形態の残響信号付加装置として動作するコンピュータのブロック図である。 そのプログラムの処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の残響信号付加装置を示す図であり、そのブロック図である。 その残響付加手段の出力とバッファメモリの内容を示す図である。 そのプログラムの処理を示すフローチャートである。 従来の残響信号付加装置のブロック図である。 従来の残響付加手段のブロック図である。 従来の残響効果を動的に切り替える残響信号付加装置のブロック図である。
符号の説明
1 A/D変換器
2、2a、2b 切替器
3、34〜36 残響付加手段
31 第1の残響付加手段
32 第2の残響付加手段
33 第3の残響付加手段
4 加算器
5 D/A変換器
6 増幅器
7 残響音生成手段
8 バッファメモリ
10 スピーカ
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 A/D変換器
95 D/A変換器
96 バス
341 第1のイコライザ
342 畳み込み器
343 第2のイコライザ
344 遅延器
345 バッファメモリ
351 減衰器
352 遅延器
353 加算器
361 減衰器
362 遅延器
363 加算器

Claims (4)

  1. 同じ入力信号に異なる残響音を付加する複数の残響付加手段と、該複数の残響付加手段の1つに選択的に入力信号を供給する供給手段と、前記複数の残響付加手段の全ての出力を同期加算する加算手段とを備えることを特徴とする残響信号付加装置。
  2. 同じ入力信号から異なる残響音を生成する複数の残響特性の1つを選択して入力信号に畳み込んで残響音を生成する残響音生成手段と、該残響音生成手段の生成した残響音および前記入力信号を、既に蓄積されている信号と同期加算して再蓄積する蓄積加算手段とを備えることを特徴とする残響信号付加装置。
  3. コンピュータを、同じ入力信号に異なる残響音を付加する複数の残響付加手段、該複数の残響付加手段の1つに選択的に入力信号を供給する供給手段、前記複数の残響付加手段の全ての出力を同期加算する加算手段、として機能させるためのプログラム。
  4. コンピュータを、同じ入力信号から異なる残響音を生成する複数の残響特性の1つを選択して入力信号に畳み込んで残響音を生成する残響音生成手段、該残響音生成手段の生成した残響音および前記入力信号を、既に蓄積されている信号と同期加算して再蓄積する蓄積加算手段、として機能させるためのプログラム。
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