JP2005345745A - Ndフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】マスク、あるいは該マスクの保持機構を必要とせず、連続的に濃度が変化するNDフィルタの作製が可能となる、安価なNDフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラを提供する。
【解決手段】蒸着源またはターゲットから基板に到達した遮光材を該基板に付着させ、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを成膜するNDフィルタの製造方法において、前記基板として、透明でかつ柔軟なフィルムで形成された湾曲面からなる基板面を有する基板1を準備する工程と、前記基板1を用い、前記遮光材が前記蒸着源または前記ターゲットから前記基板面へ到達する角度が連続的に変化するようにして遮光膜4を成膜する工程と、を有する構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】蒸着源またはターゲットから基板に到達した遮光材を該基板に付着させ、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを成膜するNDフィルタの製造方法において、前記基板として、透明でかつ柔軟なフィルムで形成された湾曲面からなる基板面を有する基板1を準備する工程と、前記基板1を用い、前記遮光材が前記蒸着源または前記ターゲットから前記基板面へ到達する角度が連続的に変化するようにして遮光膜4を成膜する工程と、を有する構成とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、NDフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラに関し、特にビデオカメラあるいはスチルビデオカメラ等の撮影系に使用するのに適したNDフィルタの製造方法に関するものである。
光量絞りは、銀塩フィルムあるいはCCD等の固体撮像素子へ入射する光量を制御するために設けられており、被写界が明るい場合により小さく絞り込まれる様になっている。したがって、快晴時や高輝度の被写界を撮影すると絞りは小絞りとなり、光の回折現象が生じ、像性能は劣化する。また、小絞りでは、絞り羽根の動きに対する光量の増減が大きくなるためハンチング現象が起こる。
これらの対策として、絞り羽根端部にフィルム状のND(Neutral Density)フィルタを取りつけ、被写界の明るさが同じでも絞りの開口が大きくなる様な工夫をしている。さらに、近年、撮像素子の感度が向上したため、前記NDフィルタの濃度を濃くして、絞りの開口が小さくならない様にしてある。
これらの対策として、絞り羽根端部にフィルム状のND(Neutral Density)フィルタを取りつけ、被写界の明るさが同じでも絞りの開口が大きくなる様な工夫をしている。さらに、近年、撮像素子の感度が向上したため、前記NDフィルタの濃度を濃くして、絞りの開口が小さくならない様にしてある。
しかし、NDフィルタの濃度を濃くすると、回折により解像度が低下するという問題がある。すなわち、図4に示すような従来例のビデオカメラ等に使用される撮影光学系では、フィルタを通過した光aと通過しない光bの光量差が大きくなり、光bが支配的となる。光aは回折が問題になるほど絞られていないのに対し、光bでは、NDフィルタの濃度が濃いため小絞りと同じ状態となり、回折成分の多い光となる。ここで、前述したように光bが支配的であるから、全体としては回折成分の多い解像度が低下した像となる。このような欠点を解決するために、特許文献1〜特許文献3等においてNDフィルタの濃度を光軸中心に向かって順次透過率が大となる様な構造を採り、これにより光bの回折を減らし全体の解像度を上げることができるようにした提案がなされている。
すなわち、特許文献1では、通常のカメラにおける写真フィルムに、グラデーションパターンを撮影して現像し、このネガをNDフィルタとしている。
また、特許文献2では、2枚のNDフィルタを光軸に向かいずらして配置することによって二段階の濃度を設け、隣接する素通し部、NDフィルタ1枚の部分、NDフィルタ2枚の部分等により、絞り羽根部の濃度差を小さくし回折を減らすように構成されている。
特許文献3等では、真空蒸着法等を用い、基板とスリット型マスクとの間隔を一定に保つようにして、基板に対しスリット型マスクを設け、スリット型マスクを該基板と一体的にドーム上を公転させ、成膜蒸着源と基板との位置関係から、該基板に蒸着させる蒸着粒子が該スリット型マスクを通過して基板に到達できたり、スリット型マスクに遮られ基板まで到達できなかったりすることで、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを製造する方法が提案されている。
特開平6−95208号公報
特開平11−64923号公報
特開2004−061900号公報
また、特許文献2では、2枚のNDフィルタを光軸に向かいずらして配置することによって二段階の濃度を設け、隣接する素通し部、NDフィルタ1枚の部分、NDフィルタ2枚の部分等により、絞り羽根部の濃度差を小さくし回折を減らすように構成されている。
特許文献3等では、真空蒸着法等を用い、基板とスリット型マスクとの間隔を一定に保つようにして、基板に対しスリット型マスクを設け、スリット型マスクを該基板と一体的にドーム上を公転させ、成膜蒸着源と基板との位置関係から、該基板に蒸着させる蒸着粒子が該スリット型マスクを通過して基板に到達できたり、スリット型マスクに遮られ基板まで到達できなかったりすることで、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを製造する方法が提案されている。
しかしながら、銀塩の粒子により光の回折、散乱が起こり解像度が低下する。これによると、いわゆる銀塩フィルムを使って濃度を出しているため、濃度の濃い部分では銀塩が密集し、薄い部分では銀塩が殆どなく、これらの部分では回折、散乱は問題にならない。これに対して、濃度中間部では粒径数ミクロンの銀塩粒子が散在しており、この部分で回折、散乱が生じることになる。このため、絞り羽根の移動により中間部を透過した光が固体撮像素子に到達する光の中で支配的になった場合、解像度の低下した画像となる。粒径が小さいほど程度は軽くなるが、製造上の限度である0.2μm程度にしても、その影響を無くすことはできない。
上記特許文献2においては、濃度が二段階であり、より段階の多いものや連続的に濃度が変化するものに比べ解像度が劣ることになる。また2枚のNDフィルタを使うため部品費と絞り羽根への貼り付け工数が2倍程度になるという問題がある。
これらに対して、上記特許文献3等では、連続的に濃度が変化するNDフィルタの作製が可能となるが、製造に際してスリット型マスクや、該マスクの保持機構が必要となる。
上記特許文献2においては、濃度が二段階であり、より段階の多いものや連続的に濃度が変化するものに比べ解像度が劣ることになる。また2枚のNDフィルタを使うため部品費と絞り羽根への貼り付け工数が2倍程度になるという問題がある。
これらに対して、上記特許文献3等では、連続的に濃度が変化するNDフィルタの作製が可能となるが、製造に際してスリット型マスクや、該マスクの保持機構が必要となる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、マスク、あるいは該マスクの保持機構を必要とせず、連続的に濃度が変化するNDフィルタの作製が可能となる、安価なNDフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラを提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成したNDフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラを提供するものである。
すなわち、本発明のNDフィルタの製造方法は、蒸着源またはターゲットから基板に到達した遮光材を該基板に付着させ、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを成膜するNDフィルタの製造方法において、前記基板として、透明でかつ柔軟なフィルムで形成された湾曲面からなる基板面を有する基板を準備する工程と、前記基板を用い、前記遮光材が前記蒸着源または前記ターゲットから前記基板面へ到達する角度が連続的に変化するようにして遮光膜を成膜する工程と、を有することを特徴としている。
すなわち、本発明のNDフィルタの製造方法は、蒸着源またはターゲットから基板に到達した遮光材を該基板に付着させ、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを成膜するNDフィルタの製造方法において、前記基板として、透明でかつ柔軟なフィルムで形成された湾曲面からなる基板面を有する基板を準備する工程と、前記基板を用い、前記遮光材が前記蒸着源または前記ターゲットから前記基板面へ到達する角度が連続的に変化するようにして遮光膜を成膜する工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、マスク、あるいは該マスクの保持機構を必要とせず、連続的に濃度が変化するNDフィルタの作製が可能となる、安価なNDフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラを実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例により説明する。
本発明の実施例におけるNDフィルタの製造方法は、上記した本発明の構成を適用したものである。
図1及び図2に本発明の実施例によるNDフィルタの製造方法を示す。
図1において、1は透明な厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)の基板である。2は滑らかで周期的な曲面形状を持つ治具である。また、3は基板1の端部を押さえるための押さえ治具であり、治具2と形状を合わせた周期的な曲面形状を有している。ここで、治具2を周期的な曲面形状としたのは多数個取りを可能とするためであり、必要に応じて、単一の曲面形状としてもよい。
図1及び図2に本発明の実施例によるNDフィルタの製造方法を示す。
図1において、1は透明な厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)の基板である。2は滑らかで周期的な曲面形状を持つ治具である。また、3は基板1の端部を押さえるための押さえ治具であり、治具2と形状を合わせた周期的な曲面形状を有している。ここで、治具2を周期的な曲面形状としたのは多数個取りを可能とするためであり、必要に応じて、単一の曲面形状としてもよい。
本実施例では、治具2に基板1を密着させ、押さえ治具3で端部を押さえ、図2に示す状態として、特開平10−133253号公報のNDフィルタの作製と同様の真空蒸着法により、連続的に濃度が変化する遮光膜4を形成した。なお、上記真空蒸着法に代えて、スパッタリング法等を用いてもよい。これらの成膜法は一般的に知られていることでもあるから、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例では図2に示すように片面のみに成膜を行なったが、必要に応じて両面に形成するようにしてもよい。本実施例ではもっとも厚い部分で0.4μmの膜厚であった。なお、遮光膜は複数の層より成るが、この図2では省略されている。
次いで、適切な熱処理により周期的な曲面形状によるカール部を軽減し、図3に示すような三角形の形状に切り抜いて、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを形成した。
本実施例によれば、スリット型マスクや、あるいは該マスクを所定間隔に保持するための機構等が不要となるため、安価にグラデーション濃度分布を有するNDフィルタを作製することができる。また、本実施例によるNDフィルタを用い、光学系と、該光学系を通過する光量を制限する上記した光量絞り装置と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有するカメラを実現することができる。
次いで、適切な熱処理により周期的な曲面形状によるカール部を軽減し、図3に示すような三角形の形状に切り抜いて、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを形成した。
本実施例によれば、スリット型マスクや、あるいは該マスクを所定間隔に保持するための機構等が不要となるため、安価にグラデーション濃度分布を有するNDフィルタを作製することができる。また、本実施例によるNDフィルタを用い、光学系と、該光学系を通過する光量を制限する上記した光量絞り装置と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有するカメラを実現することができる。
1:基板
2:滑らかで周期的な曲面形状を持つ治具
3:押さえ治具
4:遮光膜
2:滑らかで周期的な曲面形状を持つ治具
3:押さえ治具
4:遮光膜
Claims (6)
- 蒸着源またはターゲットから基板に到達した遮光材を該基板に付着させ、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを成膜するNDフィルタの製造方法において、
前記基板として、透明でかつ柔軟なフィルムで形成された湾曲面からなる基板面を有する基板を準備する工程と、
前記基板を用い、前記遮光材が前記蒸着源または前記ターゲットから前記基板面へ到達する角度が連続的に変化するようにして遮光膜を成膜する工程と、
を有することを特徴とするNDフィルタの製造方法。 - 前記湾曲面が、周期的な曲面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタの製造方法。
- 前記フィルムが、プラスチックで形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のNDフィルタの製造方法。
- 前記遮光膜を成膜する工程において、前記基板面の表面または表裏両面に遮光膜を成膜することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のNDフィルタの製造方法。
- 相対的に駆動されて絞り開口の大きさを可変する複数の絞り羽根と、該絞り羽根により形成された開口内の少なくとも一部に配置される光量調整のためのNDフィルタとを備えた光量絞り装置において、
前記NDフィルタが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたNDフィルタによって構成されていることを特徴とする光量絞り装置。 - 光学系と、該光学系を通過する光量を制限する請求項5に記載の光量絞り装置と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有することを特徴とするカメラ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004165096A JP2005345745A (ja) | 2004-06-02 | 2004-06-02 | Ndフィルタの製造方法、光量絞り装置、該光量絞り装置を有するカメラ |
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