JP2005344168A - 薄膜形成方法,膜厚測定方法及び膜厚測定装置 - Google Patents

薄膜形成方法,膜厚測定方法及び膜厚測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 比較的薄い薄膜の膜厚を精度良く測定することができる薄膜形成方法を提供する。
【解決手段】 計測光の強度の変化量を表す光量変化値を算出(ステップSa1)する。そして、光量変化値が増加傾向にあるのか減少傾向にあるのかを判定するとともに、光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたことを判定(ステップSa2〜ステップSa10又はステップSb2〜ステップSb6)し、光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたことを判定したときの計測光の強度の変化量である変曲点変化値を決定する(ステップSa11,ステップSb7)。所望の膜厚の薄膜が形成される際の光量変化値である目標光量変化値を、変曲点変化値に基づいて設定し(ステップS5)、光量変化値が目標光量変化値に達したことを判定することにより所望の膜厚が形成されたことを測定する(ステップS9)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、基体に形成される薄膜の膜厚を測定しながら薄膜の形成を行う薄膜形成方法,膜厚測定方法及び膜厚測定装置に係り、特に基体に形成される薄膜に光を照射し、その反射光又は透過光の強度を計測することによって薄膜の膜厚を測定しながら薄膜の形成を行う薄膜形成方法,膜厚測定方法及び膜厚測定装置に関する。
薄膜が形成されている基体に波長λの光を照射したとき、その反射光又は透過光(以下「反射光等」という)を計測すると、計測される反射光等の強度が、薄膜の光学的膜厚ndの増加とともに、周期的に極値を現すことが広く知られている(図9参照)。すなわち、薄膜の屈折率をnとすると、形成された薄膜の光学的膜厚ndがλ/4の整数倍となる度に、反射光等の極値が周期的に現れることが知られている。
従来の膜厚測定技術では、この周期的に表れる極値を利用して、成膜中の薄膜の膜厚を測定している(例えば、特許文献1)。図9は、従来の膜厚測定技術を説明する説明図である。従来の技術では、図9に示すように、蒸着開始後における反射光等の極値近傍の強度の平均値と、無蒸着時の反射光等の強度との差をA、反射光等の極値通過後における任意点の強度と、極値近傍の強度の平均値との差をBとして、B/Aが目標値を示したことを検知することで、その目標値に応じた膜厚を測定している。
この従来の膜厚測定技術によれば、膜厚の変化に対する反射光等の光量変化の比較的大きいところに上記任意点を設定することで、ノイズの影響を受けにくく、また、B/Aという「比」を利用するので膜の屈折率が多少変化しても膜厚に変化を生じない。
特公昭57−24485号公報(第1−4頁、第3図)
しかし、上述の従来の膜厚測定技術では、周期的(光学的膜厚ndがλ/4になる度)に現れる極値を利用するため、光学的膜厚ndがλ/4より大きくならないと、上記B/Aの値を検知することができない。このため、nd>λ/4の範囲でなければ精度良く光学的膜厚ndを測定できないという問題があった。このように、精度良く測定できる膜厚の範囲が限定されると、光学的膜厚ndがλ/4よりも小さい薄膜を安定して生産することができず、製品としての薄膜の品質にバラツキが生じてしまう。また、薄膜の設計の制約を大きくし、薄膜の設計の難易度が増してしまう。
例えば、光学薄膜の一種には、ある波長λの光のみ透過し、その他の波長域を反射させるバンドパスフィルターがある。このバンドパスフィルターの成膜において、λ/4よりも薄い光学的膜厚を検知する必要がある場合、従来は、測定精度を維持するために、波長λとは異なる(波長λよりも小さい)波長λの光を用いて光学的膜厚の検知を行っていた。このとき、λとλに対する薄膜の屈折率が異なる(波長分散がある)と、光学的膜厚の検知に制御上の誤差が生じる1つの要因になっていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、比較的薄い薄膜の膜厚を測定しながら薄膜の形成を行うことができる薄膜形成方法,膜厚測定方法及び膜厚測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の薄膜形成方法は、薄膜が形成されている基体に光を照射し、該光の反射光又は透過光である計測光の強度を計測することで薄膜の膜厚を測定しながら、前記基体の表面に薄膜を形成する薄膜形成方法において、前記基体へ向けて薄膜の原料を供給して前記基体に薄膜を形成しながら、前記計測光の強度の変化量を表す光量変化値(例えば、後述のΔR)を算出する変化値算出工程(例えば、後述のステップSa1)と、該変化値算出工程で算出した前記光量変化値(例えば、後述のΔR)が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かのうち少なくとも一方を判定する変曲点判定工程(例えば、後述のステップSa2〜ステップSa10又はステップSb2〜ステップSb6)と、該変曲点判定工程で前記光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたと判定した時点の前記光量変化値(例えば、後述のΔR)、又は当該時点近傍の前記光量変化値(例えば、後述のΔR)に基づいて、膜厚を測定する基準となる変曲点変化値(例えば、後述のΔRc)を決定する変曲点変化値算出工程(例えば、後述のステップSa11,ステップSb7)と、該変曲点変化値算出工程で決定した前記変曲点変化値(例えば、後述のΔRc)に基づいて、所望の膜厚の薄膜が形成される際の光量変化値である目標光量変化値(例えば、後述のΔRg)を設定する目標光量変化値設定工程(例えば、後述のステップS5)と、前記光量変化値が前記目標光量変化値設定工程で設定した前記目標光量変化値(例えば、後述のΔRg)に達したことを判定することにより所望の膜厚が形成されたことを検出する目標膜厚検知工程(例えば、後述のステップS9)と、を行い、前記目標膜厚検知工程で前記光量変化値が前記目標光量変化値設定工程で設定した前記目標光量変化値に達したことを判定したことにより、前記基体へ向けた膜原料の供給を停止する停止工程(例えば、後述のステップS10)を含むことを特徴とする。
このように、本発明では、光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたか否かの判断に基づいて変曲点変化値を決定し、この変曲点変化値に基づいて目標光量変化値を定め、光量変化値がこの目標光量変化値に達したことを判定することで所望の膜厚が形成されたことを検知している。光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたか否かの判断は、光学的膜厚が小さい段階でも行うことができるため、変曲点変化値も光学的膜厚が小さい段階で決定することができる。したがって、本発明によれば、膜厚が小さい段階でも所望の膜厚が形成されたことを検知することが可能となる。
上記課題を解決するために、請求項5に記載の膜厚測定方法は、薄膜が形成されている基体に光を照射し、該光の反射光又は透過光である計測光の強度を計測することで薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、前記計測光の強度の変化量を表す光量変化値を算出する変化値算出工程と、該変化値算出工程で算出した前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かのうち少なくとも一方を判定する変曲点判定工程と、該変曲点判定工程で前記光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたと判定した時点の前記光量変化値、又は当該時点近傍の前記光量変化値に基づいて、膜厚を測定する基準となる変曲点変化値を決定する変曲点変化値算出工程と、該変曲点変化値算出工程で決定した前記変曲点変化値及び前記光量変化値に基づいて膜厚を検知する膜厚検知工程(例えば、後述のステップS8や、ステップS9)と、を行うことを特徴とする。
また、請求項9に記載の膜厚測定装置は、薄膜が形成されている基体に光を照射し、該光の反射光又は透過光である計測光の強度を計測することで薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、前記計測光の強度の変化量を表す光量変化値を算出する変化値算出手段と、該変化値算出工程で算出した前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かのうち少なくとも一方を判定する変曲点判定手段と、該変曲点判定工程で前記光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたと判定した時点の前記光量変化値、又は当該時点近傍の前記光量変化値に基づいて、膜厚を測定する基準となる変曲点変化値を決定する変曲点変化値算出手段と、該変曲点変化値算出工程で決定した前記変曲点変化値及び前記光量変化値に基づいて膜厚を検知する膜厚検知手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、本発明では、光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたか否かの判断に基づいて変曲点変化値を決定し、この変曲点変化値に基づいて膜厚を検知している。光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたか否かの判断は、光学的膜厚が小さい段階でも行うことができるため、変曲点変化値も光学的膜厚が小さい段階で決定することができる。したがって、本発明によれば、膜厚が小さい段階でも精度良く膜厚を測定することが可能となる。
また、請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると判定した回数又は増加傾向にあると判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
また、請求項5に記載の膜厚測定方法において、前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると判定した回数又は増加傾向にあると判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
また、請求項9に記載の膜厚測定装置において、前記変化値算出手段及び前記変曲点判定手段は、前記光量変化値の算出を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定手段は、前記光量変化値が減少傾向にあると判定した回数又は増加傾向にあると判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
このように構成することにより、計測光の強度変化にノイズがある場合でも、ノイズの影響を少なくして適切な変曲点変化値を決定することが可能となる。
また、請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると複数回連続して判定した回数又は増加傾向にあると複数回連続して判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
また、請求項5に記載の膜厚測定方法において、前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると複数回連続して判定した回数又は増加傾向にあると複数回連続して判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
また、請求項9に記載の膜厚測定装置において、前記変化値算出手段及び前記変曲点判定手段は、前記光量変化値の算出を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定手段は、前記光量変化値が減少傾向にあると複数回連続して判定した回数又は増加傾向にあると複数回連続して判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
このように構成することにより、計測光の強度変化にノイズがある場合でも、ノイズの影響を少なくして適切な変曲点変化値を決定することが可能となる。
また、請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると所定の頻度で判定したか否か、又は増加傾向にあると所定の頻度で判定したか否かに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
また、請求項5に記載の膜厚測定方法において、前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると所定の頻度で判定したか否か、又は増加傾向にあると所定の頻度で判定したか否かに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
また、請求項9に記載の膜厚測定装置において、前記変化値算出手段及び前記変曲点判定手段は、前記光量変化値の算出を所定の時間間隔で複数回行い、前記変曲点判定手段は、前記光量変化値が減少傾向にあると所定の頻度で判定したか否か、又は増加傾向にあると所定の頻度で判定したか否かに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定すると好適である。
このように構成することにより、計測光の強度変化にノイズがある場合でも、ノイズの影響を少なくして適切な変曲点変化値を決定することが可能となる。
以上のように、本発明の膜厚形成方法によれば、膜厚が小さい段階でも、膜厚を測定して所望の膜厚の薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明の膜厚測定方法及び膜厚測定装置によれば、基体に形成される比較的薄い薄膜の膜厚を測定することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1は、本実施形態の膜厚測定装置を本実施形態の成膜装置に用いられた場合の概略図である。図2は、本実施形態における膜厚制御処理のフローチャートである。図3は、図2の膜厚処理で行われる本実施形態の変曲点判定処理のフローチャートである。図4は、膜厚制御データを記憶する膜制御データテーブルの一例を示している。図5は、図4で示した膜制御データテーブルに基づいて、成膜時間tと相対光量R/Rの関係、及び成膜時間tと光量変化値ΔRの関係をグラフで示したものである。図6は、薄膜が形成されている基板に波長λの光を照射したときの反射光強度の基準曲線を表したグラフである。
図1に示すように、本実施形態では、成膜装置として蒸着により薄膜を形成する蒸着装置100を用いている。蒸着装置100は、真空槽1と、基体ホルダ2と、蒸着源3と、シャッタ5と、真空ポンプ6を備えている。
真空槽1は、公知の蒸着装置で通常用いられるようなステンレススチール製の容器であり、概ね直方体の形状をしている。真空槽1には、排気用の排気口1aが設けられ、排気口1aを介して真空ポンプ6が接続されている。真空槽1の内部は、真空ポンプ6を作動させることによって減圧され、真空状態となる。また、真空槽1には、形成する薄膜の膜厚を監視するための開口1bが、真空槽の天井の中心に形成されている。開口1bは、石英ガラス等で形成された透明の蓋体1cで塞がれて、気密が保たれている。
基体ホルダ2は、薄膜を形成させる基体を保持するためのものであり、本実施形態の基体ホルダ2は、ドーム形状を有している。ドーム形状をした基体ホルダ2の内側面には複数枚の基板Sが配設される。基板Sの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では板状のものを用いている。なお、基板Sとして、光学レンズ等の形状をしたものを用いることもできる。基板Sは、真空槽1の底面に配置された蒸着源3と対向するように、基体ホルダ2に冶具やボルトで保持される。
基体ホルダ2には、基板Sと同様に、モニタ基板Sが冶具やボルトで保持されている。モニタ基板Sも、基板Sと同様に、真空槽1の底面に配置された蒸着源3と対向するように、基体ホルダ2に保持される。本実施形態では、基体ホルダ2の中心に貫通孔が設けられ、この貫通孔を塞ぐようにモニタ基板Sが保持されている。なお、モニタ基板Sの材料は特に限定されないが、屈折率が判明している材料として、二酸化ケイ素等を用いることができる。本実施形態では、通称白板ガラスと呼ばれている、ショット社製のB270を用いている。
なお、基板Sやモニタ基板Sは、本発明の基体に相当するものである。また、モニタ基板Sとして基板Sと同じ物を用いることもできる。
蒸着源3は、真空槽1の底面に設けられる。本実施形態の蒸着源3は、電子ビーム蒸着源であり、薄膜の原料を保持する坩堝3aと、坩堝3aに充填された原料に照射する電子ビームを発生させるための電子銃3bとを備えている。水冷した坩堝3aに充填された蒸着原料に電子ビームを照射することにより、蒸着原料を蒸発させるように構成されている。
電子銃3bには、電子銃電源4が接続されている。電子銃電源4によって電子銃3bに電力を供給することで、電子銃3bから電子ビームを発生させて、この電子ビームによって、坩堝3a内の蒸着原料が加熱される。加熱された蒸着原料の蒸発物である原料蒸発物は、薄膜の原料として真空槽1内に拡散し、その一部が基体ホルダ2に保持された基板Sや、モニタ基板Sに供給され、基板Sや、モニタ基板Sの表面に付着して薄膜を形成する。
シャッタ5は、シャッタ板5aと、回転棒5bと、シャッタ駆動モーター5cとで構成されている。シャッタ板5aは、蒸着源3(坩堝3a)を覆う大きさを備えた板状の部材である。シャッタ板5aには、回転棒5bが接続されている。回転棒5bは、真空槽1の底面に軸支され、シャッタ駆動モーター5cに連結されている。シャッタ駆動モーター5cを駆動させることで、回転棒5bが回転し、シャッタ板5aは、この回転棒5bの回転にともなって、蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆う位置と、覆わない位置との間で移動するようになっている。
シャッタ板5aが蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆わない位置にあるときには、坩堝3a内から蒸発した原料蒸発物を、基板Sやモニタ基板Sに供給可能となる。すなわち、シャッタ板5aが蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆わない位置にあるときには、成膜を行うことが可能である。シャッタ板5aが蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆う位置にあるときには、坩堝3a内から蒸発した原料蒸発物を、基板Sやモニタ基板Sに供給することができない。すなわち、シャッタ板5aが蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆う位置にあるときには、成膜を行うことができない。
本実施形態の膜厚測定装置は、投光器21と、受光器22と、投光側ミラー23と、受光側ミラー24と、A−D変換器25と、制御手段30とを備えて構成されている。投光器21はレーザー光または白色光を発する光源を備え、受光器22はフォトダイオードまたは光電管を備える。投光側ミラー23及び受光側ミラー24は、投光器21で発したレーザーまたは白色光を反射する鏡である。
投光側ミラー23は、投光器21から発したレーザー光または白色光を真空槽1内のモニタ基板Sへ反射させる角度で設置されている。受光側ミラー24は、モニタ基板Sや、モニタ基板Sの表面に形成された薄膜で反射されたレーザー光または白色光を受光器22へ向けて反射させる角度で設置されている。
投光器21から発したレーザー光または白色光は、投光側ミラー23、蓋体1cを介して真空槽1内のモニタ基板Sへ入射される。レーザー光または白色光は、モニタ基板Sや、モニタ基板Sの表面に形成された薄膜で反射され、蓋体1c、受光側ミラー24を介して受光器22で受光される。受光器22では、受光した光の強度に応じた電気信号を出力する。なお、投光器21で白色光を光源とする場合には、受光器22に波長選択機能(フィルタ等)を備え、選択した波長の光を選択的に受光する構成にする。
ここで、受光器22で受光される光について説明する。表面に薄膜が形成されたモニタ基板Sに波長λの光を照射すると、薄膜表面からの反射光とモニタ基板Sからの反射光とが両者の位相差によって干渉をおこす。薄膜の屈折率や光学的膜厚は、この位相差に影響する。したがって、受光器22で受光される反射光の強度は、薄膜の屈折率及び光学的膜厚に依存して変化する。本実施形態では、このように受光器22で受光される光の強度に基づいて形成する薄膜の光学的膜厚を測定・制御する。なお、本実施形態では、モニタ基板S等での反射光を受光して薄膜の光学的膜厚を制御しているが、透過光を受光して薄膜の膜厚を制御することもできる。また、光学的膜厚は、薄膜の屈折率と幾何学的膜厚の積であるため、光学的膜厚がわかれば、屈折率が判明している薄膜の幾何学的膜厚も知ることができ、幾何学的膜厚の測定・制御も可能である。したがって、以下の説明においても、光学的膜厚を屈折率で除することで幾何学的膜厚を算出することができる。
A−D変換器25は、受光器22と電気的に接続され、受光器22から出力された電気信号をデジタル信号に変換して出力する。A−D変換器25は制御手段30と電気的に接続され、A−D変換器25から出力されたデジタル信号は、制御手段30に入力される。
制御手段30は、各種の制御を行う制御部31と、ハードディスクや半導体メモリーなどの記憶手段32を備える。制御手段30は、本発明の変化値算出手段,変曲点判定手段,変曲点変化値算出手段,膜厚検知手段に相当する。
制御部31は、A−D変換器25からのデジタル信号等の入力を受け付ける入力手段や、CPU(Central Processing Unit)や、CPUの動作で必要に応じて情報の記憶を行うRAMや、シャッタ駆動モーター5cを制御するモータードライバ等を備えて構成されている。なお、オペレーターが制御部31への指示を与えるために、制御部31への指示を入力するためのキーボード等が制御部31に接続され、制御部31は入力手段からオペレーターからの指示を受け付ける。記憶手段32には、制御部31で行われる処理、例えば後述の膜厚制御処理の動作プログラムや、後述の膜厚制御データ等が記憶されている。
制御手段30は、A−D変換器25からのデジタル信号の入力を受ける。また、A−D変換器25からのデジタル信号を処理して後述の膜厚制御データを記憶手段32へ記憶する。さらに、膜厚制御データに基づいて後述の膜厚制御処理を行い、シャッタ駆動モーター5cへ制御信号を出力する。
以上に説明した本実施形態の膜厚測定装置を用いて、蒸着装置100で形成される薄膜の光学的膜厚を測定し、所望の光学的膜厚の薄膜を基体(基板Sやモニタ基板S)の表面に形成する方法を、以下に説明する。
まず、坩堝3aに形成する薄膜の原料を充填する。本実施形態では、原料としてTaを使用して、Taの薄膜を作成した。なお、原料や成膜する薄膜の種類は、これに限定されるものではない。基体ホルダ2には、基板Sやモニタ基板Sを保持させ、基体ホルダ2を真空槽1内に配置する。この状態で、真空ポンプ6を作動させて、真空槽1内を所定の圧力まで減圧する。例えば、約1×10−3Pa以下に減圧する。この段階では、シャッタ板5aは蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆う位置にある。
真空槽1内が上記所定の圧力で安定したら、電子銃電源4によって電子銃3bに対する電力供給を開始する。次に、オペレーターが制御部31に対して成膜の開始の指示を与えると、制御部31は、シャッタ駆動モーター5cへ制御信号を出力して、シャッタ駆動モーター5cを駆動させ、シャッタ板5aを、蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆わない位置へ移動させる。これにより、基板Sやモニタ基板Sへの原料蒸発物の供給が開始され、薄膜の形成(蒸着)が開始される。以降、薄膜の形成中は、投光器21からレーザー光または白色光が発し続けられ、受光器22で受光が続けられ、A−D変換器25を介して制御部31へデジタル信号が入力可能となる。薄膜の形成は、後述のステップS10が行われるまで続けられる。
本実施形態では、制御部31は、オペレーターによる制御部31に対する成膜の開始の指示により、図2,図3に示す膜厚制御処理を開始する。
図2,図3は、本実施形態における膜厚制御処理のフローチャートである。なお、図3は、図2の膜厚処理で行われる本実施形態の変曲点判定処理のフローチャートである。以下、図2,3を用いて、制御部31が行う本実施形態の膜厚制御処理を説明する。
まず、ステップS1では、初期化を行う。初期化では、増減カウンタLidの値を「0」にセットし、減増カウンタLdiの値を「0」にセットし、変曲点フラグをリセット(「0」にセット)する。増減カウンタLid,減増カウンタLdi,変曲点フラグは、制御手段30のRAMに記憶されている。増減カウンタLid,減増カウンタLdi,変曲点フラグについては、さらに後述する(ステップSa2〜ステップSa11参照)。また、ステップS1の初期化では、A−D変換器25から入力されるデジタル信号に基づいて、現在の受光器22の受光量Rを計測する。計測した受光量は、基準光量RとしてRAMの基準光量を記憶する記憶領域に記憶する。さらに、成膜時間tの計測を開始する。なお、以下の処理中に、オペレーターからの初期化の指示を受け付けた場合にも、ステップS1の処理を行う。
ステップS1に続いて、ステップS2では、計測データの取込みを行う。計測データとは、現時点(現測定ポイント)の成膜時間tと、現時点の受光器22の受光量Rである。受光量Rは、A−D変換器25から入力されるデジタル信号に基づいて計測される値であり、受光器22で受光する光である計測光の強度を表すものである。本実施形態では、T秒毎に測定ポイントが設定され、成膜時間tがT秒経過する度にステップS2を実行し、計測データの取込みが行われる。ステップS2で取込んだ計測データは、RAMの計測データを記憶する領域に一時記憶される。なお、Tの値(測定ポイントの間隔)は、オペレーターが制御手段30に対して予め任意に設定しておく値であり、記憶手段32に記憶されている。Tの値は、ステップS1〜ステップS4を処理する時間に対して充分に長い時間を設定しておくことが好ましく、本実施形態では、受光量Rのノイズの影響を少なくするため、データ量を少なくして制御部31の処理負担を軽減するためにT秒=2秒として設定している。
ステップS2に続いて、ステップS3では、変曲点判定処理を行う。変曲点判定処理は、受光器22における受光量Rの変化を監視して、成膜時間が経過するにつれて変化する受光量Rの変化量が増加傾向にあるか、減少傾向にあるか等の判定を行うために行われる処理である。
図3は、本実施形態の変曲点判定処理のフローを示している。本実施形態の変曲点判定処理では、以下のステップSa1〜ステップSa11が行われる。
ステップSa1では、RAMに記憶されている成膜時間t,受光量R,基準光量Rと、記憶手段32に保存されている測定間隔T及び過去の膜厚制御データに基づいて、現測定ポイントの相対光量R/R,光量変化値ΔR,2階光量変化値Δを算出する。そして、RAMに記憶してあった成膜時間tとともに、算出した相対光量R/R,光量変化値ΔR,2階光量変化値Δを記憶手段32に膜厚制御データとして保存する。このステップSa1の処理によって、本発明の変化値算出工程が行われる。
相対光量R/Rの値は、受光器22で受光する計測光の強度を相対的に表すものであり、RをRで除した値に100を掛けて算出する。したがって、単位は%である。
光量変化値ΔRの値は、成膜時間が経過するにつれて変化する受光量Rの変化量、すなわち、計測光の強度の変化量を表す値である。本実施形態では、光量変化値ΔRとして、次のような値を採用している。
すなわち、成膜時間(t−T)秒からt秒までの各測定ポイントにおける相対光量R/Rの平均値をR/RAve(t)と表記し、成膜時間(t−T−T)秒から(t−T)秒までの各測定ポイントにおける相対光量R/Rの平均値をR/RAve(t−T)と表記して、光量変化値ΔRを、次に示す(式1)で定義している。
Figure 2005344168
なお、Tの値は、オペレーターが制御手段30に対して予め任意に設定しておく値であり、記憶手段32に保存される。本実施形態では、受光器22における受光量R等のノイズの影響を少なくするためにT秒=10秒として設定している。
2階光量変化値Δの値は、成膜時間が経過するにつれて変化する受光量Rの変化量である光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか判断を行うための要素となる値である。本実施形態では、Δとして、次のような値を採用している。
すなわち、t秒における光量変化値ΔRをΔR(t)と表記し、(t−T)秒における光量変化値ΔRをΔR(t−T)と表記して、2階光量変化値Δを、次に示す(式2)で定義している。
Figure 2005344168
(式2)で定義される2階光量変化値Δの正負が、光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかの判断を行うための要素となる。
ステップSa1では、これらの膜厚制御データを、成膜時間t(現測定ポイント)の膜厚制御データとして記憶手段32の膜制御データテーブル32aに追加して保存する。
図4は、膜厚制御データを記憶する膜制御データテーブル32aの一例を示している。図4の各値は、上述の蒸着装置100によって薄膜を形成した実験における、膜厚制御データを示している。本実験では、受光器22で波長λ=550nmの光の光量を計測している。形成した薄膜はTaであり、その屈折率は
2.225である。成膜レートは0.25nm/secであった。
図5は、図4で示した膜制御データテーブル32aに基づいて、成膜時間tと相対光量R/Rの関係、及び成膜時間tと光量変化値ΔRの関係をグラフで示したものである。図5における左の縦軸が相対光量R/Rを表し、右の縦軸が光量変化値ΔRを表し、横軸が成膜時間tを表している。なお、図5において、横軸の値に、形成される薄膜の成膜レート(単位時間当りに成膜される薄膜の厚み)と、薄膜の屈折率を掛ければ、光学的膜厚に等しくなる。
ステップSa1に続いて、ステップSa2では、増減カウンタLidの値が「0」であるか否かの判定を行う。ステップSa2で、増減カウンタLidの値が「0」でないと判定されるとステップSa3へ進み、増減カウンタLidの値が「0」であると判定されるとステップSa7へ進む。
ステップSa3では、2階光量変化値Δの値が「0」以上であるか否かの判定を行う。ステップSa3で、2階光量変化値Δの値が「0」以上であると判定されるとステップSa4へ進み、2階光量変化値Δの値が「0」より小さいと判定されるとステップSa5へ進む。
ステップSa4では、増減カウンタLidの値を「0」にセットし、減増カウンタLdiの値に「+1」する処理を行い、変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。
ステップSa5では、増減カウンタLidの値に「+1」する処理を行い、ステップSa6へ進む。
ステップSa6では、増減カウンタLidの値がLであるか否かの判定を行う。ステップSa6で、増減カウンタLidの値がLであると判定されるとステップSa11へ進み、増減カウンタLidの値がLではないと判定されると変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。Lの値は、オペレーターが制御手段30に対して予め設定する値であり、記憶手段32に保存されている。本実施形態では、Lの値を「3」に設定している。
ステップSa7では、2階光量変化値Δの値が「0」以上であるか否かの判定を行う。ステップSa7で、2階光量変化値Δの値が「0」以上であると判定されるとステップSa9へ進み、2階光量変化値Δの値が「0」より小さいと判定されるとステップSa8へ進む。
ステップSa8では、増減カウンタLidの値を「+1」する処理を行い、減増カウンタLdiの値を「0」にセットし、変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。
ステップSa9では、減増カウンタLdiの値に「+1」する処理を行い、ステップSa10へ進む。
ステップSa10では、減増カウンタLdiの値がLであるか否かの判定を行う。ステップSa10で、減増カウンタLdiの値がLあると判定されるとステップSa11へ進み、減増カウンタLdiの値がLではないと判定されると変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。
本実施形態では、以上のステップSa2〜ステップSa10を、測定ポイント毎に行うことによって、本発明の変曲点判定工程が行われ、光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかの判断を行うとともに、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたこと、又は光量変化値ΔRが減少傾向から増加傾向に転じたことを判定している。
すなわち、各測定ポイントでステップSa3やステップSa7を行うことで、各測定ポイントにおいて光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか減少傾向にあるかを判定している。そして、複数回の測定ポイントにおいて、光量変化値ΔRが減少傾向にあると連続して判定した回数を、増減カウンタLidの値で計数する。また、複数回の測定ポイントにおいて、光量変化値ΔRが増加傾向にあると連続して判定した回数を、減増カウンタLdiの値で計数する。さらに、ステップSa6,ステップSa10で、増減カウンタLidの値,減増カウンタLdiの値が、Lに達したことを判定した時点で、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたこと,減少傾向から増加傾向に転じたことを判定している。そして、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたこと、又は減少傾向から増加傾向に転じたことを判定すると、ステップSa11へ進む。
ステップSa11では、変曲点変化値ΔRcの決定と、変曲点フラグのセット(「1」にセット)が行われ、その後、変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。ステップSa11で決定した変曲点変化値ΔRcや変曲点フラグは、制御部31のRAMに記憶される。このステップSa11の処理によって、本発明の変曲点変化値算出工程が行われる。
変曲点変化値ΔRcは、薄膜の光学的膜厚を測定する基準となる光量変化値ΔRの値である。変曲点フラグは、変曲点変化値ΔRcの決定が行われたことを示すものである。
変曲点変化値ΔRcの決定方法は、種々考えられる。例えば、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたと判断した時点の光量変化値ΔRの値や、光量変化値ΔRが減少傾向から増加傾向に転じたと判断した時点の光量変化値ΔRの値、又は当該時点近傍の光量変化値ΔRの値に基づいて、変曲点変化値ΔRcを決定することができる。
本実施形態では、受光器22における受光量等のノイズの影響を考慮して、次に説明する方法で行う。すなわち、記憶手段32の膜制御データテーブル32aから、(t−(L−1)×T)秒からt秒までの各測定ポイントにおける光量変化値ΔRを読み出して、それらの平均値を変曲点変化値ΔRcとしている。
以上説明した変曲点判定処理を測定ポイント毎に行うことで、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたこと、又は減少傾向から増加傾向に転じたことを判定し、当該判定した時点又はその近傍の光量変化値ΔRから、変曲点変化値ΔRcの値を決定している。
特に、本実施形態では、次の理由から、ノイズの影響を少なくして変曲点変化値ΔRcを決定することが可能である。
制御部31に対して、A−D変換器25から入力されるデジタル信号には、受光器22における受光量等のノイズが含まれることがある。短期間内の測定ポイントでみた場合、光量変化値ΔRが増加傾向にあるか減少傾向にあるかを表す2階光量変化値Δの正負がノイズによって入れ替わることも考えられる。そこで、本実施形態では、変曲点変化値ΔRcを決定するために、「0」以上の2階光量変化値Δの値が連続して保存されるべき回数、または「0」未満の2階光量変化値Δの値が連続して保存されるべき回数をLで定義付けて、ステップSa6,ステップSa10の判断を行っている。こうすることで、Δの正負の別に与えるノイズの影響を少なくして、変曲点変化値ΔRcを適切に決定することが可能になっている。なお、上記の実施形態では、Δの正負の別に与えるノイズの影響を少なくするために、Lの値を「3」に設定したが、Lの値は「3」に限定されるものではなく。Δの正負の別に与えるノイズの影響を少なくでき、かつ変曲点変化値ΔRcを適切に決定できる範囲で、任意の整数を設定することができる。
ステップS3の変曲点判定処理(ステップSa1〜ステップSa11)の後、ステップS4(図2参照)を行う。
ステップS4では、変曲点フラグがセットされているか否かの判定を行う。ステップS4で、変曲点フラグがセットされていると判定するとステップS5へ進む。一方、ステップS4で、変曲点フラグがセットされていないと判定するとステップS2へ進み、次の測定ポイントについて、再度ステップS2,ステップS3の処理を行う。
ステップS5では、目標光量変化値ΔRgの設定を行う。このステップS5の処理によって、本発明の目標光量変化値設定工程が行われる。目標光量変化値ΔRgは、目標とする光学的膜厚の薄膜が形成された際の光量変化値ΔRを定める値である。目標光量変化値ΔRgの値は、ステップSa11で決定した変曲点変化値ΔRcを基準として定められる。目標光量変化値ΔRgの値は、変曲点変化値ΔRcに基づく予め設定された計算式に基づいて算出される。この計算式は、オペレーターが制御手段30に対して予め任意に設定して、記憶手段32に保存されている。例えば、次に示す(式3)として定義され、記憶手段32に保存されている。
Figure 2005344168
kの値は、目標の光学的膜厚に応じて設定可能である。本実施形態では、薄膜が形成されている基板Sに、波長λの光を照射したときの光学的膜厚x(=nd)と反射光強度F(x)の関係を表した基準曲線に基づいて、後述の(式5)によってkを定めている。このとき、基準曲線は、所定の計算式から導き出されたものとすることもできるし、屈折率と膜厚が既知の薄膜について実際の反射光等の強度を測定した予備実験の結果から求めたものとすることもできる。
本実施形態では、次に示す(式4−1)〜(式4−4)で示される計算式に基づいて基準曲線を求めている。
Figure 2005344168
Figure 2005344168
Figure 2005344168
Figure 2005344168
なお、上記式で、F(0)は、膜厚0のときの反射光強度を示すもので、任意の値を設定できる。また、rは、入射する測定光がモニタ基板Sの表面で反射されたときの反射率である。rは、入射する測定光がモニタ基板Sの表面及び裏面で反射されたときの反射率である。nは、モニタ基板Sの屈折率である。nは、形成する薄膜の屈折率である。
図6は、基準曲線を反射光強度と光学的膜厚の関係で表したグラフである。薄膜が形成されている基板Sに波長λの光を照射したときの反射光強度を測定すると、図6に示すように、測定される反射光強度が、薄膜の幾何学的膜厚dの増加とともに、周期的に極値を現すことが広く知られている。すなわち、薄膜の屈折率をnとすると、形成された薄膜の光学的膜厚x(=nd)がλ/4の整数倍となる度に、反射光等の極値が周期的に現れることが知られている。
図6の(a)で示した基準曲線は、光学的膜厚xに対する反射光強度F(x)の関係を示している。なお、図6に示した基準曲線は、上述の(式4−1)〜(式4−4)で示される式に基づく曲線である。
図6に示したように、f(x)は、x=xで極大値を示す。
本実施形態では、x=xを目標とする光学的膜厚として、kの値を、次に示す(式5)で定義している。
Figure 2005344168
ステップS5に続いて、ステップS6では、ステップS2と同様に計測データの取込みを行い、取込んだ計測データ(成膜時間t、受光量R)を、RAMの計測データを記憶する領域に一時記憶する。
ステップS6に続いて、ステップS7では、ステップSa1と同様に、RAMに記憶されている成膜時間t,受光量R,基準光量Rと、記憶手段32に保存されている測定間隔T及び過去の膜厚制御データ(図4;膜制御データテーブル32aの値)に基づいて、現測定ポイントの相対光量R/R,光量変化値ΔR,2階光量変化値Δを算出する。そして、RAMに記憶してあった成膜時間tとともに、算出した相対光量R/R,光量変化値ΔR,2階光量変化値Δを、記憶手段32の膜制御データテーブル32aに膜厚制御データとして保存する。
ステップS7に続いて、ステップS8では、光学的膜厚の算出を行う。すなわち、ステップSa11で決定した変曲点変化値ΔRcと、ステップS7で算出したに光量変化値ΔRに基づいて、現測定ポイントにおける薄膜の光学的膜厚dの検知を行う。具体的には、本実施形態では、次に示す(式6)に定義した式によって、光学的膜厚dの測定を行う。
Figure 2005344168
すなわち、(式6)の右辺に、ステップSa11で決定した変曲点変化値ΔRcと、ステップS6で算出した光量変化値ΔRを代入することで、左辺のf(d)を求める。(式6)で算出したf(d)を、光学的膜厚x=dにおける上述の関数f(x)の値を表すものと定義し、(式6)で算出したf(d)から、関数f(x)に基づいて光学的膜厚d(=x)を算出する(図5,図6参照)。つまり、ステップSa11で決定した変曲点変化値ΔRcと、ステップS7で算出したに光量変化値ΔRの比に基づいて、現測定ポイントにおける薄膜の光学的膜厚dの測定を行う。
ステップS8に続いて、ステップS9では、光量変化値ΔRが目標光量変化値ΔRgに達して、目標とする光学的膜厚の薄膜が形成されたか否かを測定する。すなわち、ステップS6で算出した光量変化値ΔRが、目標光量変化値ΔRgの値よりも小さいか否かを判定する。ステップS9で光量変化値ΔRが、目標光量変化値ΔRgの値よりも小さいと判定して、目標とする光学的膜厚の薄膜が形成されたことを検知すると、ステップS10へ進む。一方、ステップS9で光量変化値ΔRが、目標光量変化値ΔRgの値よりも小さくないと判定した場合には、ステップS6へ進み、次の測定ポイントについて、再度ステップS6〜ステップS9の処理を行う。ステップS8またはステップS9の処理によって、本発明の膜厚検知工程が行われる。特に、ステップS9の処理によって、本発明の目標膜厚検知工程が行われる。
なお、ステップSa11で決定した変曲点変化値ΔRcが負の値であった場合には、ステップS9は、次のように行う。すなわち、光量変化値ΔRが、目標光量変化値ΔRgの値よりも大きいと判定した場合にステップS10へ進み、目標光量変化値ΔRgの値よりも大きくないと判定した場合には、ステップS6へ進み、次の測定ポイントについて、再度ステップS6〜ステップS9の処理を行う。
ステップS10では、シャッタ板5aを蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆う位置へ移動させるように、シャッタ駆動モーター5cへ制御信号を出力する。ステップS10でシャッタ駆動モーター5cへ制御信号を出力されると、シャッタ駆動モーター5cが駆動され、シャッタ板5aが蒸着源3(坩堝3a)の上部を覆う位置へ移動する。これにより、基板Sやモニタ基板Sへの原料蒸発物が供給が停止され、薄膜の形成(蒸着)が終了し、目標とする光学的膜厚の薄膜を形成することが可能となる。このステップS10の処理によって、本発明の停止工程が行われる。
以上のように、本実施形態では、光学的膜厚の測定を行うためや、目標とする光学的膜厚の薄膜が形成されたか否かを検知するために、受光量Rの変化量を示す光量変化値ΔRに着目した点に特徴がある。成膜時間の経過(光学的膜厚の増加)に対する相対光量R/Rの変化の様子と、成膜時間の経過(光学的膜厚の増加)に対する光量変化値ΔRの変化の様子を比較すると、いずれも成膜時間の経過(光学的膜厚の増加)に伴って、周期的に極値を示す(図5,図6参照)点で共通する。しかし、図5,図6をみて判るように、光量変化値ΔRは、相対光量R/Rに比べて早い時間(光学的膜厚が薄い段階)で極値を示す。
従来のように、相対光量R/Rの極値を基準にして目標とする光学的膜厚の薄膜が形成されたか否かを測定する場合には、精度良く光学的膜厚を測定するために、相対光量R/Rが極値を示す成膜時間(光学的膜厚=λ/4)まで待って、相対光量R/Rの極値を確定しなくてはならなかった。これに対して、本実施形態のように、光量変化値ΔRの極値に相当する変曲点変化値ΔRcを基準にして目標とする光学的膜厚の薄膜が形成されたか否かを測定する構成とすれば、成膜時間が短い段階で(光学的膜厚がλ/4よりも小さい段階で)光量変化値ΔRが極値を示すため、光学的膜厚がλ/4よりも小さい段階で精度良く光学的膜厚を測定することが可能となる。したがって、本実施形態によれば、λ/4よりも小さい光学的膜厚を備える薄膜を精度良く安定して生産することができる。このため、薄膜の設計の制約を緩和して、薄膜の設計の難易度を減らすことが可能となる。
例えば、光学薄膜では、波長によって屈折率が大きく変化(波長分散)し、特定の波長に対してのみ利用されるような薄膜も存在する(例えば、バンドパスフィルター)。この場合に、薄膜が利用される波長λと、膜厚を測定する際に使用する光の波長λとが異なると、波長分散の影響によって、膜厚の測定誤差が生じる原因となる。本実施形態によれば、このような誤差の発生を回避できる。すなわち、従来は、λ/4よりも薄い膜厚を検知しようとする場合には、測定光の波長λをλよりも小さくすることで、λ/4の膜厚を精度良く検知していた。このため、λとλの不一致に起因して測定誤差を生じることもあった。これに対して、本実施形態によれば、測定光の波長λをλと一致させたままで、精度良くλ/4よりも薄い薄膜を検知することができる。したがって、λとλの不一致に起因する測定誤差を回避できる。
要するに、計測される反射光等の強度(相対光量R/R)は、時間変化(光学的膜厚の増加)にともなって、概ね三角関数の曲線を示し、光学的膜厚ndがλ/4になる度に周期的に極値を示す。本発明は、この概ね三角関数の曲線で変化する強度の曲線を微分すると、曲線の位相が短波長側(光学的膜厚が小さい方)にシフトした曲線となることに着目してなされたものである。即ち、強度を示す曲線の極値付近の変化のなだらかな位置は微分曲線では0近辺の値となり、極値の中間位置である変化の大きい位置は微分曲線では最大値もしくは最小値を示す。
従来の技術では、計測される反射光等の強度を示す曲線において周期的に現れる極値を利用するため、光学的膜厚ndがλ/4よりも大きい値にならないとB/Aの値を検知できない。本発明では、計測される反射光等の強度を示す曲線を微分することにより、λ/4よりも薄い光学的膜厚で極値が現れる曲線を得られる点に着目した。このλ/4よりも薄い光学的膜厚で現れる極値を利用した光学的膜厚の検知を行うことで、従来はλ/4よりも大きい値でないと行うことができなかった光学的膜厚の検知を、より薄い光学的膜厚でも行うことができる。
ところで、所望の膜厚が形成された時点で迅速に成膜を停止するためには、制御手段30で迅速に処理することが求められる。しかし、強度を示す曲線を微分する処理は複雑な処理であるため、制御手段30の処理負担が増大し、制御手段30の処理が遅れる。
そこで、本実施形態では、相対光量R/Rを微分するのではなく、一定時間における相対光量R/Rの変化の差分である光量変化値ΔRを計算して求め、この光量変化値ΔRに基づく制御を行っている。このように制御することで、制御手段30の処理が比較的簡素化することができ、所望の膜厚が形成された時点で迅速に成膜を停止する処理を行うことができる。
以上に説明した実施の形態は、例えば、次の(a)〜(d)のように、改変することもできる。
(a) 上述の実施形態では、光量変化値ΔRを、(式1)のように定義しているが、本発明の光量変化値は、上記の実施形態の(式1)の他にも、様々に定義することができる。要するに、時間変化(光学的膜厚の増加)にともなって、光学的膜厚ndがλ/4になる以前に極値を示す値を、計測光の強度の変化量を示す光量変化値として定義づければよい。計測光の強度の変化量を示す光量変化値としては、上述の実施形態の他に、例えば、次の(a−1),(a−2)を定義することができる。
(a−1) 成膜時間t秒における相対光量R/RをR/R(t)と表記し、成膜時間(t−T)秒における相対光量R/RをR/R(t−T)と表記して、光量変化値ΔRを、次に示す(式7)で定義することもできる。
Figure 2005344168
図7は、成膜時間tと相対光量R/Rの関係、及び成膜時間tと光量変化値ΔRの関係をグラフで示したものである。図7では、図4で示した膜制御データテーブル32aの膜厚制御データのうち、(式1)で算出した光量変化値ΔRの値を、(式7)で算出した光量変化値ΔRの値で置き換えて、グラフ化している。なお、T秒=2秒、T秒=10秒である。
(式1)で算出した光量変化値ΔRの値を示している図5と、(式7)で算出した光量変化値ΔRの値を示している図7を比較して判るように、(式1)で光量変化値ΔRの値を算出した場合のほうが、(式7)で光量変化値ΔRの値を算出した場合よりも光量変化値ΔRの変化の様子が滑らかである。したがって、受光器22における受光量等のノイズの影響を少なくするためには、上述の実施形態における(式1)で光量変化値ΔRを定義した方が好ましい。
(a−2) 上述の実施形態では、制御手段30の処理負担を考慮して、本発明の光量変化値を、上記の(式1)で定義した。しかし、制御手段30の処理能力が高い場合や、制御手段30の処理負担の影響を考慮する必要がない場合等には、本発明の光量変化値を次のように定義することもできる。
すなわち、光量変化値ΔRの値を、成膜時間t秒における相対光量R/Rの微分値とすることもできる。または、光量変化値ΔRの値を、成膜時間t秒における相対光量R/Rの微分値の平均値から、成膜時間(t−T)秒における相対光量R/Rの微分値の平均値を引いた値等とすることもできる。これに合わせて、上記実施形態の2階光量変化値Δの値も、成膜時間t秒における相対光量R/Rの2階微分値とすることもできるし、成膜時間t秒における光量変化値ΔRから成膜時間(t−T)秒における光量変化値ΔRを引いた値等とすることもできる。
(b) 上述の実施形態では、(t−(L−1)×T)秒からt秒までの各測定ポイントにおける光量変化値ΔRの平均値を、変曲点変化値ΔRcとしていた。しかし、変曲点変化値ΔRcの決定方法はこれに限定されない。例えば次の(b−1)〜(b−4)に示すように変曲点変化値ΔRcの決定を行うこともできる。いずれの場合でも、ノイズの影響を極力減らして、適切な変曲点変化値ΔRcを算出できる方法で、変曲点変化値ΔRcを決定すればよい。
(b−1) (t−(L−1)×T)秒からt秒までとは異なる、t秒近傍の所定期間における各測定ポイントの光量変化値ΔRの平均値を、変曲点変化値ΔRcとすることができる。
(b−2) (t−(L−1)×T)秒からt秒までの期間や、t秒近傍のその他の所定期間における各測定ポイントの光量変化値ΔRから選んだ、最大値や最小値を、変曲点変化値ΔRcとすることができる。
(b−3) (t−(L−1)×T)秒からt秒までの期間や、t秒近傍のその他の所定期間における各測定ポイントの光量変化値ΔRから、最大と最小の光量変化値ΔRを除いて、その残りの光量変化値ΔRの平均値を、変曲点変化値ΔRcとすることもできる。
(b−4) (t−(L−1)×T)秒からt秒までの期間や、t秒近傍のその他の所定期間における各測定ポイントの光量変化値ΔRのから選んだ、任意の1つの光量変化値ΔRを、変曲点変化値ΔRcとすることもできる。
(c) 上述の実施形態における変曲点判定処理(図3)を、図8に示すように改変することもできる。
図8は、上述の実施形態とは別の実施形態に係る変曲点判定処理のフローを示している。図8の変曲点判定処理では、以下のステップSb1〜ステップSb7が行われる。なお、図8の変曲点判定処理を行うために、上述の実施形態におけるステップS1(図2参照)の処理内容が次のように改変される。
ステップS1の初期化では、負値出現率Qを初期値(特に限定されないが、例えば「0」)にセットし、変曲点フラグをリセット(「0」にセット)する。負値出現率Qについては後述する(ステップSb2〜ステップSb6参照)。また、A−D変換器25から入力されるデジタル信号に基づいて、現在の受光器22の受光量Rを計測する。計測した受光量は、基準光量RとしてRAMの基準光量を記憶する記憶領域に記憶する。さらに、成膜時間tの計測を開始する。なお、以下の処理中に、オペレーターからの初期化の指示を受け付けた場合にも、ステップS1の処理を行う。
図8の変曲点判定処理では、まず、ステップSb1を行う。ステップSb1の処理は、上述の実施形態におけるステップSa1と同様である。
ステップSb1に続いて、ステップSb2では、負値出現率QがQよりも小さいか、Q以上かを判定する。負値出現率Qとは、2階光量変化値Δの値として、負の値がどの程度の頻度で出願しているかを表すものである。
本実施形態の負値出現率Qは、成膜時間(t−T)秒からt秒までのM回の各測定ポイントにおいて、何回の頻度で負の2階光量変化値Δが出現したかを表すものである。m回の頻度で負の2階光量変化値Δが出現しているとすれば、負値出現率Qは、次に示す(式8)で定義される。
Figure 2005344168
なお、この場合も、上述の実施形態と同様に、Tの値は、オペレーターが制御手段30に対して予め任意に設定しておく値であり、記憶手段32に保存されるものである。本実施形態では、受光器22における受光量等のノイズの影響を少なくするためにT秒=10秒として設定している。
本実施形態では、負値出現率Qの値から光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを判定している。
ステップSb2では、前回の現測定ポイントにおける負値出現率Qの値が、Qよりも小さいか、Q以上かを判定している。なお、各測定ポイントにおける負値出現率Qの値は、後述のステップSb3,ステップSb5でRAMに記憶されるものである。
ステップSb2において、負値出現率Qの値がQよりも小さく、光量変化値ΔRが増加傾向にあると判断した場合(Q<Q)には、ステップSb3へ進む。一方、ステップSb2において、負値出現率Qの値がQ以上で、光量変化値ΔRが減少傾向にあると判断した場合(Q≧Q)には、ステップSb5へ進む。Q値は、オペレーターが制御手段30に対して予め任意に設定しておく値であり、記憶手段32に保存されるものである。本実施形態では、2階光量変化値Δの値として、正と負が半々に出現している状態を、光量変化値ΔRが増加傾向にあるか否かの判断基準とするために、Q=0.5として設定している。
ステップSb3,ステップSb5では、記憶手段32に保存されているT及び過去の膜厚制御データ(膜制御データテーブル32a)に基づいて、現測定ポイントの負値出現率Qを算出する。算出した負値出現率Qは、RAMに記憶する。ステップSb3に続いてステップSb4を行い、ステップSb5に続いてステップSb6を行う。
ステップSb4では、負値出現率Qの値がQよりも小さいか否かを判定する。ステップSb4で、負値出現率Qの値がQよりも小さく、光量変化値ΔRが依然として増加傾向にあると判断した場合(Q<Q)には、変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。一方で、ステップSb4において、負値出現率Qの値がQ以上(Q≧Q)であると判定し、前回の測定ポイントでは増加傾向であった(ステップSb2では、Q<Qと判定している。)光量変化値ΔRが減少傾向に転じたと判断した場合には、ステップSb7へ進む。
ステップSb6では、負値出現率Qの値がQよりも小さいか否かを判定する。ステップSb6で、負値出現率Qの値がQ以上であり、光量変化値ΔRが依然として減少傾向にあると判断した場合(Q≧Q)には、変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。一方で、ステップSb6において、負値出現率Qの値がQよりも小さい(Q<Q)と判定し、前回の測定ポイントでは減少傾向であった(ステップSb2では、Q≧Qと判定している。)光量変化値ΔRが増加傾向に転じたと判断した場合には、ステップSb7へ進む。
本実施形態では、以上のステップSb2〜ステップSb6を、測定ポイント毎に行うことによって、本発明の変曲点判定工程が行われ、光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかの判断を行うとともに、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたこと、又は光量変化値ΔRが減少傾向から増加傾向に転じたことを判定している。
すなわち、各測定ポイントでステップSb4やステップSb6を行うことで、各測定ポイントにおいて光量変化値ΔRが増加傾向にあるのか減少傾向にあるかを判定している。そして、ステップSb4でQ≧Qと判定することで、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたことを判定している。また、ステップSb6でQ<Qと判定することで、光量変化値ΔRが減少傾向から増加傾向に転じたことを判定している。そして、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたこと、又は減少傾向から増加傾向に転じたことを判定すると、ステップSb7へ進む。
ステップSb7では、変曲点変化値ΔRcの決定と、変曲点フラグのセット(「1」にセット)が行われ、その後、変曲点判定処理からステップS4(図2)へ移行する。ステップSb7で決定した変曲点変化値ΔRcや変曲点フラグは、制御部31のRAMに記憶される。このステップSb7の処理によって、本発明の変曲点変化値算出工程が行われる。
上記の実施形態と同様に、変曲点変化値ΔRcは、薄膜の光学的膜厚を測定する基準となる光量変化値ΔRの値であり、光量変化値ΔRが増加傾向から減少傾向に転じたと判断した時点の光量変化値ΔRの値や、光量変化値ΔRが減少傾向から増加傾向に転じたと判断した時点の光量変化値ΔRの値、又は当該時点近傍の光量変化値ΔRの値に基づいて定められる値である。
変曲点変化値ΔRcの決定方法は、種々考えられるが、受光器22における受光量等のノイズの影響が小さくなるように決定するとよい。例えば、次に示す(c−1)〜(c−3)の方法で決定することが考えられる。
(c−1) 記憶手段32の膜制御データテーブル32aから、(t−T)秒から(t−T)秒までの各測定ポイントにおける光量変化値ΔRを読み出して、それらの平均値を、変曲点変化値ΔRcとすることができる。この場合の、T秒やT秒の値は、適切な変曲点変化値ΔRcを算出できれば、任意である。例えば、T=T、T=0することで、適切な変曲点変化値ΔRcを算出できる。また、(t−T)秒から(t−T)秒を、(t−T)秒からt秒の間の中間の期間になるように設定することによっても、適切な変曲点変化値ΔRcを算出できる。
(c−2) 記憶手段32の膜制御データテーブル32aから、(t−T)秒から(t−T)秒までの各測定ポイントにおける光量変化値ΔRを読み出して、その中から最大と最小の光量変化値ΔRを除いた、残りの光量変化値ΔRの平均値を、変曲点変化値ΔRcとすることができる。この場合のT秒やT秒の値は、前記(c−1)の場合と同様である。
(c−3) 記憶手段32の膜制御データテーブル32aから、(t−T)秒から(t−T)秒までの各測定ポイントにおける光量変化値ΔRを読み出して、それらの最大値や最小値を、変曲点変化値ΔRcとすることができる。この場合のT秒やT秒の値は、前記(c−1)の場合と同様である。
(c−4) 記憶手段32の膜制御データテーブル32aから、(t−T)秒から(t−T)秒までの各測定ポイントにおける光量変化値ΔRを読み出して、それらの中から選んだ任意の1つの光量変化値ΔRを、変曲点変化値ΔRcとすることができる。この場合のT秒やT秒の値は、前記(c−1)の場合と同様である。
以上のように、図8の実施形態に係る変曲点判定処理では、負値出現率Qの値がQよりも小さいか否かで、光量変化値ΔRが増加傾向にあるか否かを判断しているため、受光器22における受光量等のノイズの影響を小さくしながら、光量変化値ΔRが減少傾向や増加傾向に転じたときの変曲点変化値ΔRcを適切に決定することができる。
(d) 以上の実施形態では、蒸着装置100を用いて、蒸着により基板Sの表面に薄膜を形成した実施例を説明したが、蒸着装置100の代わりにスパッタ等の他の周知のPVD(physical vapor deposition)を行う成膜装置や、CVD(chemical vapor deposition)を行う成膜装置で基板Sの表面に薄膜を形成することもできる。いずれの場合も、以上に説明した実施形態と同様に、成膜中に膜厚測定装置で薄膜の光学的膜厚を測定し、目標の光学的膜厚が形成されたところで基板Sに対する薄膜原料の供給を停止する。
例えば、スパッタを行う成膜装置を用いた場合には、スパッタターゲットと基板Sの間を遮蔽する位置と、遮蔽しない位置との間で駆動するシャッタ板5aを設けて、シャッタ板5aの駆動によって、基板Sに対する薄膜原料の供給の開始(成膜の開始)と終了(成膜の終了)を制御するようにする。また、CVDを行う成膜装置を用いる場合には、薄膜の原料となる原料ガスの供給を制御する制御バルブの開閉を制御部31で制御する構成として、基板Sに対する薄膜原料の供給の開始(成膜の開始)と終了(成膜の終了)を、原料ガスの供給の開始と終了で制御する。
本実施形態の膜厚測定装置を説明する概略図である。 本実施形態における膜厚制御処理のフローチャートである。 図2の膜厚処理で行われる本実施形態の変曲点判定処理のフローチャートである。 膜厚制御データを記憶する膜制御データテーブルの一例を示している。 成膜時間tと相対光量R/Rの関係、及び成膜時間tと光量変化値ΔRの関係をグラフで示したものである。 薄膜が形成されている基板に波長λの光を照射したときの反射光強度の基準曲線を表したグラフである。 別の実施形態における、成膜時間tと相対光量R/Rの関係、及び成膜時間tと光量変化値ΔRの関係をグラフで示したものである。 別の実施形態に係る変曲点判定処理のフローを示している。 従来の膜厚測定技術を説明する説明図である。
符号の説明
1 真空槽
1a 排気口
1b 開口
1c 蓋体
2 基体ホルダ
3 蒸着源
3a 坩堝
3b 電子銃
4 電子銃電源
5 シャッタ
5a シャッタ板
5b 回転棒
5c シャッタ駆動モーター
6 真空ポンプ
21 投光器
22 受光器
23 投光側ミラー
24 受光側ミラー
25 A−D変換器
30 制御手段
31 制御部
32 記憶手段
32a 膜制御データテーブル
100 蒸着装置
S 基板
モニタ基板

Claims (12)

  1. 薄膜が形成されている基体に光を照射し、該光の反射光又は透過光である計測光の強度を計測することで薄膜の膜厚を測定しながら、前記基体の表面に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
    前記基体へ向けて薄膜の原料を供給して前記基体に薄膜を形成しながら、
    前記計測光の強度の変化量を表す光量変化値を算出する変化値算出工程と、
    該変化値算出工程で算出した前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かのうち少なくとも一方を判定する変曲点判定工程と、
    該変曲点判定工程で前記光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたと判定した時点の前記光量変化値、又は当該時点近傍の前記光量変化値に基づいて、膜厚を測定する基準となる変曲点変化値を決定する変曲点変化値算出工程と、
    該変曲点変化値算出工程で決定した前記変曲点変化値に基づいて、所望の膜厚の薄膜が形成される際の光量変化値である目標光量変化値を設定する目標光量変化値設定工程と、
    前記光量変化値が前記目標光量変化値設定工程で設定した前記目標光量変化値に達したことを判定することにより所望の膜厚が形成されたことを検出する目標膜厚検知工程と、を行い、
    前記目標膜厚検知工程で前記光量変化値が前記目標光量変化値設定工程で設定した前記目標光量変化値に達したことを判定したことにより、前記基体へ向けた膜原料の供給を停止する停止工程を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると判定した回数又は増加傾向にあると判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると複数回連続して判定した回数又は増加傾向にあると複数回連続して判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると所定の頻度で判定したか否か、又は増加傾向にあると所定の頻度で判定したか否かに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
  5. 薄膜が形成されている基体に光を照射し、該光の反射光又は透過光である計測光の強度を計測することで薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、
    前記計測光の強度の変化量を表す光量変化値を算出する変化値算出工程と、
    該変化値算出工程で算出した前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かのうち少なくとも一方を判定する変曲点判定工程と、
    該変曲点判定工程で前記光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたと判定した時点の前記光量変化値、又は当該時点近傍の前記光量変化値に基づいて、膜厚を測定する基準となる変曲点変化値を決定する変曲点変化値算出工程と、
    該変曲点変化値算出工程で決定した前記変曲点変化値及び前記光量変化値に基づいて膜厚を検知する膜厚検知工程と、を行うことを特徴とする膜厚測定方法。
  6. 前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると判定した回数又は増加傾向にあると判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の膜厚測定方法。
  7. 前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると複数回連続して判定した回数又は増加傾向にあると複数回連続して判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の膜厚測定方法。
  8. 前記変化値算出工程及び前記変曲点判定工程を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定工程では、前記光量変化値が減少傾向にあると所定の頻度で判定したか否か、又は増加傾向にあると所定の頻度で判定したか否かに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の膜厚測定方法。
  9. 薄膜が形成されている基体に光を照射し、該光の反射光又は透過光である計測光の強度を計測することで薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、
    前記計測光の強度の変化量を表す光量変化値を算出する変化値算出手段と、
    該変化値算出工程で算出した前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かのうち少なくとも一方を判定する変曲点判定手段と、
    該変曲点判定工程で前記光量変化値が減少傾向又は増加傾向に転じたと判定した時点の前記光量変化値、又は当該時点近傍の前記光量変化値に基づいて、膜厚を測定する基準となる変曲点変化値を決定する変曲点変化値算出手段と、
    該変曲点変化値算出工程で決定した前記変曲点変化値及び前記光量変化値に基づいて膜厚を検知する膜厚検知手段と、を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。
  10. 前記変化値算出手段及び前記変曲点判定手段は、前記光量変化値の算出を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定手段は、前記光量変化値が減少傾向にあると判定した回数又は増加傾向にあると判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の膜厚測定装置。
  11. 前記変化値算出手段及び前記変曲点判定手段は、前記光量変化値の算出を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定手段は、前記光量変化値が減少傾向にあると複数回連続して判定した回数又は増加傾向にあると複数回連続して判定した回数を計数して、該計数した回数が所定数に達したか否かを判定することに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の膜厚測定装置。
  12. 前記変化値算出手段及び前記変曲点判定手段は、前記光量変化値の算出を所定の時間間隔で複数回行い、
    前記変曲点判定手段は、前記光量変化値が減少傾向にあると所定の頻度で判定したか否か、又は増加傾向にあると所定の頻度で判定したか否かに基づいて、前記光量変化値が増加傾向から減少傾向に転じたか否か、又は前記光量変化値が減少傾向から増加傾向に転じたか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の膜厚測定装置。
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