JP2005344058A - エポキシ樹脂硬化物の処理方法 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化物の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通常熱分解に必要とされる温度以下で効率的にエポキシ樹脂硬化物を処理できる処理方法を提供し、これによりエポキシ樹脂硬化物の再利用を容易にする。
【解決手段】エポキシ樹脂硬化物をリン酸類及び有機溶媒を含む分解処理液中で、樹脂硬化物に超音波振動を与えてエポキシ樹脂硬化物を分解または溶解処理する。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂硬化物の処理方法に関する。更に詳しくは、エポキシ樹脂硬化物を分解あるいは溶解することにより、再利用することを可能にする処理方法に関する。
エポキシ樹脂硬化物は、機械的特性、電気特性、耐熱性、耐食性及び接着性などに優れているため、船舶、自動車、缶等の塗料用途、変圧器、各種絶縁材、ICの封止材、積層板等の電気・電子用途、コンクリートの補修、新旧コンクリートの打ち継ぎ、補強鋼板の接着等の土木建築用途、自動車部品、航空機部品、電子材料等の接着剤用途、ゴルフシャフト、テニスラケット等のスポーツ用品から、パイプ、防食タンク等の産業材料などの複合材料等、種々の分野で利用され、重要な役割を果たしている。
このようにエポキシ樹脂硬化物は優れた特性、汎用性を有するが、一方で、熱硬化性樹脂であるために、エポキシ樹脂硬化物を主原料とする成型品並びにエポキシ樹脂硬化物が接着あるいは塗布されている製品の再利用が困難である。
近年、廃棄物問題が深刻化する中で、これらの廃棄物による地球環境汚染は問題になっており、その処理および再資源化の早急な技術確立が求められている。また、力学的性質等を向上させるために配合する各種の充填材は、溶解させることが困難であり、これらの材料も再利用することができなかった。
このような問題に対する解決策として、種々の開示が為されている。例えば、エポキシ樹脂硬化物を溶解させる方法としては、プリント配線板の加工工程中で利用するエポキシ樹脂硬化物の粗化やエッチングがある。これらの処理は、表面粗化処理、デスミア処理、エッチバック処理などと称され、特開昭54−144968号公報、特開昭62−104197号公報においては、濃硫酸やアルカリ性過マンガン酸溶液などを処理液として使用し、エポキシ樹脂硬化物を化学的に処理している。また、特開平5−218651号公報では、エポキシ樹脂にアルカリに可溶なアクリル樹脂を添加して、エッチングする方法も検討されている。
無機質充填材であるシリカ配合樹脂硬化物からシリカを分離して回収することを目的とする発明としては、特開平5−139715号公報並びに特開平6−87123号公報に示されるように、樹脂成形材料を800℃以上の温度で焼却してシリカを回収する方法がある。さらに、特開平7−330946号公報には、無機充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物を樹脂成分の分解温度以上の温度で熱分解することにより無機充填材を回収する方法が示されている。
また、特開平8−85736号公報では、水酸基の供給源となる化合物と加熱して、エポキシ樹脂を熱分解する方法が示されている。
しかし、これらはどれもエポキシ樹脂硬化物の好ましい処理方法ではない。
エポキシ樹脂硬化物を化学的に処理する方法は、腐食性の化学物質を使用するため人体への有害性、装置の安全性を考慮した場合は好ましくない。すなわち、前述の濃硫酸、アルカリ性過マンガン酸溶液などを処理液として使用する方法は、特定化学物質に指定されている危険な薬品を用いるという問題があるばかりでなく、溶解速度が遅く効率性に劣るという問題もある。
しかしながら、腐食性の化学物質を使用しない場合には、処理速度が著しく遅くなるため、非効率で実用的ではない。
また、アクリル樹脂を添加する方法では、エポキシ樹脂の優れた耐熱性、電気特性等が、混合されたアクリル樹脂によって損なわれることが予想でき、好ましくない。
エポキシ樹脂硬化物を熱分解により処理する前述の特開平8−85736号公報記載の方法では、樹脂の熱分解を、樹脂が約340℃〜900℃の温度範囲内、特に350℃〜450℃前後となるように加熱して行っており、一般的には約370℃〜390℃で行うとされている。したがって、酸素を含む雰囲気下でエポキシ樹脂硬化物を熱分解すると、樹脂を構成する炭素原子並びに水素原子は酸化されてそのほとんどが二酸化炭素と水になり、樹脂の合成原料として再利用することは困難である。また、酸素を含まない雰囲気下でエポキシ樹脂硬化物を熱分解すると、樹脂を構成する炭素原子に結合した水素原子は脱離しやすく、主に炭素が生成し、これも樹脂原料として再利用することは難しい。また、高温での処理により、エポキシ樹脂硬化物中に配合されたガラス繊維等の充填材は劣化してしまい再利用できない。
また、熱硬化性樹脂を高温で熱分解することにより無機充填材を回収する方法は、樹脂を熱分解してガス化するため、エネルギーとしての再利用以外には、樹脂処理生成物を再利用することはできない。さらに、シリカやガラス繊維等の充填材は変質して再利用できなくなる可能性がある。
本発明者らは、特開平8−325436号公報、特開平8−325437号公報、特開平8−325438号公報、特開平9−316445号公報、特開平10−126052号公報に、常圧下、200℃以下の低い温度で、エポキシ樹脂硬化物をエッチング除去し、プリント配線板の回路を形成するためのエッチング液として、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒からなるエッチング液を開示した。しかし、これらの発明はいずれもエポキシ樹脂硬化物の一部分をエッチング除去することにより、電気回路等を形成することを目的とするものであり、エポキシ樹脂硬化物の再利用を目的とするものではない。
特開昭54−144968号公報 特開昭62−104197号公報 特開平5−218651号公報 特開平5−139715号公報 特開平6−87123号公報 特開平7−330946号公報 特開平8−85736号公報 特開平8−325436号公報 特開平8−325437号公報 特開平8−325438号公報 特開平9−316445号公報 特開平10−126052号公報
以上を鑑み、本発明は、通常熱分解に必要とされる温度以下で、効率的にエポキシ樹脂硬化物を処理できる処理方法を提供し、これによりエポキシ樹脂硬化物の再利用を容易にしようとするものである。
この課題を解決するために、本発明ではリン酸類及び有機溶媒を含む処理液中でエポキシ樹脂硬化物に超音波振動を与えることにより、分解または溶解することでこれを可能とした。
本発明中、「処理」という用語は、エポキシ樹脂硬化物を分解または溶解することを意味し、それは、エポキシ樹脂のエーテル結合の切断も含み、さらには、エポキシ樹脂硬化物から再利用可能なモノマーもしくはオリゴマー等の中低位分子化合物を得ることを意味する。特に、本発明では処理液中ではエポキシ樹脂硬化物が、その質量を減少させることも意味している。
本発明によれば、リン酸類及び有機溶媒を含む処理液中でエポキシ樹脂硬化物に超音波振動を与えることにより、通常熱分解に必要とされる温度以下で、効率的にエポキシ樹脂硬化物を分解または溶解することが可能であり、腐食性が低減された処理液を用いるため、安全性も向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂硬化物の処理方法は、リン酸類及び有機溶媒を含む処理液を用い、一般的に広く用いられているエポキシ樹脂を主原料とする成型品、もしくはエポキシ樹脂硬化物が絶縁材料、接着剤、塗料等として一部使用されている製品をその処理対象とし、これらの再利用を可能とするものである。
エポキシ樹脂は、末端に反応性のエポキシ基を持つ分子量が数百から約一万のオリゴマーであり、目的、用途に応じた硬化剤と組み合わせ硬化(橋かけ)することで上記特性を有するエポキシ樹脂硬化物となる。さらに、必要に応じて硬化促進剤、触媒、エラストマ、難燃剤などがエポキシ樹脂硬化物の配合成分として添加されることもある。
本発明の処理対象であるエポキシ樹脂硬化物は、分子内にエポキシ基を有する化合物、すなわちエポキシ樹脂を成分として含有するものであればどのようなものでもよく、以下の例に限定されないが、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがある。これらは併用していてもよく、エポキシ樹脂以外の成分が硬化物の成分として含まれていてもよい。これらの中でも、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂のようなハロゲン化エポキシ樹脂を難燃剤として含有する硬化物が多用されているが、環境保護の観点からダイオキシン問題を鑑み、ハロゲン化エポキシ樹脂を含有する硬化物は焼却等、高温で処理されないことが望ましく、本発明の対象として好適である。
このほかにも分子鎖の延長、末端エポキシ基の封止、末端エポキシ基の開環、他官能基の導入および末端基純度の調節等の変性された変性エポキシ樹脂でもよい。
本発明の処理対象であるエポキシ樹脂硬化物に添加されている硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるために一般的に用いられているものであれば特に限定されず、多官能フェノール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれらのハロゲン化物などがある。
また、本発明の処理対象であるエポキシ樹脂硬化物には、硬化促進剤が配されていてもよい。代表的な硬化促進剤として、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩等があるが、これに限定されるものではない。
さらには、シリカ粉、アルミナ粉、炭酸カルシウム粉、ガラス繊維などの無機充填材、エラストマ、難燃剤および触媒等これらに限定されない各種添加剤が、用途に応じて任意に添加されていてもよく、不純物等が含まれていてもよい。
本発明では、エポキシ樹脂硬化物を処理液を用いて分解または溶解する。この処理液は、リン酸類及び有機溶媒が含まれていることが必要である。
本発明で使用するリン酸類としては、例えば、リン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ピロ亜リン酸などのリン酸系化合物があげられる。これら、リン酸類は、リン酸類の塩であってもよく、例えば、前記リン酸系化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、錫、アンモニウムなどの金属または陽イオンとの塩が挙げられる。これらリン酸類の塩は、1個の金属と2個の水素を有する第一塩、2個の金属と1個の水素を有する第二塩、3個の金属を有する第三塩のいずれでもよく、酸性塩、アルカリ性塩、中性塩のいずれでもよい。これらの化合物は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、これらの化合物以外に、どのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
上記リン酸類の中で、処理液への溶解性を考慮すれば、リン酸類のアルカリ金属塩が好ましく、リン酸類のカリウム塩が特に好ましい。また、水溶性の溶媒を使用する場合には、それらの水和物がさらに好ましく、リン酸カリウム水和物が特に好適である。
本発明で使用する有機溶媒としては、例えば、アミド系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系などの有機溶媒があげられる。
かかる有機溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カプロラクタム、カルバミド酸エステル等のアミド系;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ベンジルアルコール、グリセリン、ジプロピレングリコール等のアルコール系;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ホロン、イソホロン等のケトン系;ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセタール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系などが挙げられる。
上記有機溶媒の中でも、リン酸類およびエポキシ樹脂硬化物との親和性の観点から、アルコール系溶媒もしくはアミド系溶媒が好ましい。中でも、アルコール系溶媒では、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール#200、ポリエチレングリコール#300、ポリエチレングリコール#400がより好ましい。アミド系溶媒では、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
上記有機溶媒は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、上記有機溶媒は水、液体アンモニア、液体二酸化炭素等の無機系溶媒と併用してもよく、また、不純物が含まれていてもかまわない。
本発明で使用する処理液は、有機溶媒に対し、リン酸類が0.001〜80重量%の範囲の任意の濃度になるよう調整することが好ましい。0.001重量%未満では樹脂硬化物の分解または溶解速度が遅くなり処理効率に劣る傾向があり、80重量%を越えると処理液を調整することが困難である。前記濃度範囲の中で、特に好ましいのは、0.1〜20重量%である。
またリン酸類は、必ずしもすべてが処理液中に溶解している必要はなく、すべてが溶解していない飽和溶液においても、溶質は平衡状態にあり、リン酸類が失活した場合にはそれを補うので有効である。
さらに、処理液中の溶解していないリン酸類は、保存、処理時に処理液中に存在すればよく、沈殿していても分散していてもよい。分散させる方法としては、機械的撹拌、気体のバブリング、振動、超音波振動等、通常分散させる際に用いられる方法であれば限定されない。
処理液を調整する際の温度はどのような温度でもよいが、常圧で調整する場合には、作業効率や、操作性、液の取り扱い性などの観点から、使用する溶媒の凝固点以上、沸点以下であることが好ましい。また、処理液を調整する際の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、常圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよい。
また、処理液には、界面活性剤等を添加して使用してもかまわない。
本発明の処理方法は、処理液中にエポキシ樹脂硬化物を浸漬することによって行うことができる。
また、処理を行うに際し、エポキシ樹脂硬化物の大きさは、特に制限されないが、処理効率、コスト等の点から0.1立方センチメートル以上、100立方センチメートル以下にすることが好ましく、100立方センチメートルを超える大きさの場合には、破砕等によりエポキし樹脂硬化物の大きさを調整し、上記範囲内とすることが好ましい。破砕は、たとえば、衝撃式破砕機、せん断式破砕機、圧縮式破砕機(ロール式、コンベア式、スクリュー式)、スタンプミル、ボールミル、ロッドミルなどによって行うことができる。
本発明の処理対象であるエポキシ樹脂硬化物の代表例として、一般的なプリント配線板を処理する場合は、処理前に破砕等の調整を行わずに、そのままで本発明の処理液に浸漬することで処理することが可能である。もちろん、処理効率、処理のしやすさ等のために破砕を行ってから処理してもよい。
本発明においては、エポキシ樹脂硬化物を処理液を用いて分解または溶解する際に、エポキシ樹脂硬化物に超音波振動を与える。超音波は人間の聴覚器官では捉えられない周波数の高い音波のことで、一般的に周波数は20kHz以上であり、診断装置や洗浄器等に用いられている。本発明で使用する超音波の周波数は、20kHz以上であればよく、好ましくは20kHz〜1MHzである。超音波振動を与える方法としては、超音波発振器を利用することが望ましく、例えば、振動を伝播するホーンの部分を、エポキシ樹脂硬化物が浸漬した処理液中に浸すことにより超音波振動を与えることができる。超音波振動を与える時間は、超音波の周波数や処理条件等により異なるため、処理対象物に応じて分解または溶解されるまでの時間が適宜選択される。
処理する際の処理液の温度は、その時に使用される処理液によって決定されるが、処理液の状態が液体であればよい。また、所望の処理速度の調整、処理のしやすさ等のために、処理液の凝固点以上、沸点以下の範囲で任意に決定される。処理後の回収材の品質低下を防ぐためには、250℃以下の温度で処理することが好ましく、220℃以下の温度で処理することがさらに好ましい。
処理時の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、大気圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよいが、安全性、効率および処理の容易さを重視する場合には、大気圧下である方が好ましい。
処理速度を高める場合には加温、加圧することも有効である。
本発明の処理方法を用いて処理されたエポキシ樹脂硬化物の処理生成物は、工業的に有用な樹脂を得るための原料として有効に再利用されうる。
本発明の処理方法で得られる処理生成物は、有機化合物であれば特に限定されないが、樹脂の合成原料として再利用可能な化合物であればより好ましい。樹脂の合成原料として再利用可能な化合物としては、フェノール類、フェノール類のグリシジルエーテル化物、フェノール類の金属塩、アミン類、カルボン酸類及びこれらのハロゲン化物、水添化物がある。また、これらの化合物を工業的に生産する際の原料も含まれる。例えば、フェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、プロピルフェノール、エチルフェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、及びこれらのグリシジルエーテル化物、ハロゲン化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などがある。
さらに、一度以上使用された処理液は、新たなエポキシ樹脂硬化物を処理するために再度使用することが可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量400)750gとビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量560)150gを併用し、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂230g、促進剤にイミダゾール5.7gを使用し、臭素含有量20%の樹脂板を作製した。樹脂板は、厚さ約1.0mmとし、真空プレスを用いて170℃、90分間加熱硬化して得た。これを、10mm×30mmに切断して試験片とし、重量測定を行った。
処理液は、表1に示す組成となるように各成分を四つ口フラスコもしくは試験管に秤量し、室温で穏やかに撹拌して得た。処理に際しては、この処理液が入ったフラスコにコンデンサ、温度計、窒素導入口、超音波発生装置から超音波振動を伝播するホーンを取り付けた。窒素気流中で穏やかに撹拌しながら、オイルバスを使用して140℃〜160℃の範囲に加温した。試験管の場合は、超音波洗浄器に試験管を浸漬した。
試験片の質量を測定した後、処理液中に試験片を浸漬し、大気圧下、表1に示す温度で超音波振動を与えた。4時間後に取り出して再び質量を測定した。処理前後の質量変化から、樹脂硬化物の溶解率を算出した。
本発明例1〜4、比較例1〜8を表1に示す。
Figure 2005344058
表1により、リン酸類及び有機溶媒を含む処理液中で樹脂に超音波振動を与えて処理を行った本発明例1〜4は、超音波振動以外は同条件の比較例1〜4と比較して溶解率が向上し、さらに、処理液の組成が異なる比較例5〜8と比較して溶解率が著しく向上したことが分かる。

Claims (12)

  1. リン酸類及び有機溶媒を含む処理液中でエポキシ樹脂硬化物に超音波振動を与えることによりエポキシ樹脂硬化物を分解または溶解することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  2. リン酸類がリン酸類の塩であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  3. 処理液にアルカリ金属が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  4. リン酸類がリン酸類のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項2または3に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  5. リン酸類がリン酸類のカリウム塩であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  6. リン酸類がリン酸類の水和物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  7. リン酸類がリン酸カリウム水和物であることを特徴とする請求項6に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  8. 有機溶媒がアミド系溶媒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  9. 有機溶媒がアルコール系溶媒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  10. エポキシ樹脂硬化物がハロゲン化エポキシ樹脂を含有する硬化物であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  11. 分解または溶解を250℃以下で行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
  12. 分解または溶解を大気圧下で行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009019141A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電気機器のリサイクル
CN101407596B (zh) * 2008-09-25 2011-08-17 上海第二工业大学 从废弃印刷线路板的非金属粉末中回收环氧树脂和玻璃纤维的方法
CN115490914A (zh) * 2022-08-18 2022-12-20 南昌航空大学 一种磷酸回收环氧树脂制备磷酸盐类阻燃剂的方法

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