JP2005342508A - 経皮端子および医療用チューブ - Google Patents

経皮端子および医療用チューブ Download PDF

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Abstract

【課題】 生体組織との密着性の高く、かつ、医療用チューブを経皮部付近にて固定することができる経皮端子を提供する。
【解決手段】 経皮端子1は、生体内に挿入された医療用チューブの周囲に存在する生体組織の位置を固定する経皮端子であって、基体の表面の少なくとも一部が、基材とリン酸カルシウム焼結体とが化学結合してなるリン酸カルシウム複合体で被覆されている。また、経皮端子1は、胴部に鍔部が設けられている形状がより好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、体内留置型医療用デバイスにおける生体内挿入部での細菌感染を防止するための経皮端子に関するものであり、より詳細には、生体密着性が高い経皮端子に関するものである。
近年、経皮カテーテル等の体内留置型医療用デバイスが医療に用いられている。例えば、上記経皮カテーテルは、生体外から生体内に挿入され、腹膜透析等の医療行為が行われている。ところが、経皮カテーテル等の体内留置型医療用デバイスを生体内に埋植(移植)した場合、生体組織が、上記体内留置型医療用デバイスを異物と認識してしまう。そして、上記生体組織と上記医療用デバイスとが密着しないため、表皮がカテーテルに沿って内側に落ち込むいわゆるダウングロース(上皮組織がカテーテル表面に沿って内部へ陥入していく現象)が生じることとなる。そして、このダウングロースが深くなると消毒が行き届かず、細菌の感染経路を形成することとなり、皮膚の炎症などを引き起こしてしまう。そして、最終的には上記体内留置型医療用デバイスを引き抜かなければならない状態を生じてしまうという問題がある。そこで、このような問題点を解決するために、生体密着性を付与した様々な体内留置型医療用デバイスが提案されている。
例えば、体内留置型医療用デバイスとして、生体適合性の高いハイドロキシアパタイトセラミックスからなる経皮端子が提案されている(非特許文献1参照)。
また、表面に生体適合性の高いハイドロキシアパタイトを接着や溶融によって取り付けている経皮カテーテルが提案されている。
H. AOKI, in"Medical Applications of Hydroxyapatite" (Ishiyaku EuroAmerica Inc., 1994) p. 133
しかしながら、上記の従来の技術に開示の構成では、以下に示す問題がある。
上記非特許文献1に開示の構成では、ハイドロキシアパタイトセラミックスのみで経皮端子が構成されている。ハイドロキシアパタイトは、歯の成分であり優れた軟組織親和性を示すが、ハイドロキシアパタイトセラミックスは、硬くて脆い性質がある。また、この経皮端子は、硬いために生体内に埋植した場合でも、ハイドロキシアパタイトセラミックスと生体組織との間に隙間ができる場合があり、密着性が悪いと問題点がある。さらに、ハイドロキシアパタイトセラミックスのみで経皮端子を構成する場合には、当該経皮端子の大きさが大きくなってしまう。従って、上記非特許文献1に開示の構成では、上記経皮端子が破損し易く、また、上記経皮端子を生体内に埋植した場合には、患者が当該経皮端子端子の固さにより違和感を生じてしまうという問題点がある。
また、カテーテルの表面に生体適合性の高いハイドロキシアパタイトを接着や溶融させた場合には、カテーテルに直接、ハイドロキシアパタイトを取り付けているため、上記ハイドロキシアパタイトを取り付けた部分の物性が他の部分とは異なってしまうという問題がある。特に、ハイドロキシアパタイトを溶融によってカテーテルに導入した場合には、カテーテルの物性が損なわれ、カテーテルが切れてしまう場合がある。また、カテーテルにハイドロキシアパタイトを直接、接着した場合には、接着剤にハイドロキシアパタイトが取り込まれてハイドロキシアパタイトが露出している面積が少なくなったり、接着が不十分である場合にはハイドロキシアパタイトがカテーテルから脱離したりする場合があるという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体組織との密着性の高く、かつ、医療用チューブを経皮部付近にて固定することができる経皮端子を提供することにある。
本発明に係る経皮端子は、上記課題を解決するために、生体内に挿入される医療用チューブを当該医療用チューブの挿入位置で固定する経皮端子であって、上記医療用チューブを保持する基体の表面の少なくとも一部が、基材と生体親和性セラミックスとが化学結合してなる生体親和性セラミックス複合体で被覆されていることを特徴としている。
上記経皮端子とは、例えば、カテーテルや、補助人工心臓(VAS)の送血管・脱血管等の生体内と生体外とを結ぶ医療用チューブを生体内で固定するものである。具体的には、経皮端子は、皮下組織およびその近傍の生体組織を経由して生体のさらに内部に挿入される医療用チューブを経皮部(皮下組織およびその近傍)で固定するものである。
ここで、生体親和性セラミックスとは、生体組織との接着性・親和性をもつセラミックスを指し、特にリン酸カルシウム焼結体や粒子表面を処理することにより生体との接着性を発現する酸化チタンなどのことである。すなわち、上記生体親和性セラミックスとは、リン酸カルシウムおよび酸化チタンの少なくとも一方を示す。
また、生体親和性セラミックス複合体とは、生体活性を有する基材(高分子基材)と生体親和性セラミックスとが化学結合を介して結合しているものであり、基材の物性と生体親和性セラミックスの物性との両方の物性を備えているものである。そして、上記生体親和性セラミックスは、生体組織との接着性にもち、また、上記基材および基体は、生体内に埋植した場合でも生体に影響を及ぼさないものである。そして、上記基材および基体は、弾性を有していることが好ましい。
上記の構成によれば、基体の表面の少なくとも一部が上記生体親和性セラミックス複合体で被覆されている。従って、上記生体親和性セラミックス複合体と生体組織とが良好に接着することにより、経皮端子部において生体組織との密着性が高い経皮端子を提供できる。
また、生体親和性セラミックスのうち特にリン酸カルシウムが生体との接着性・親和性が優れているため、好ましくリン酸カルシウムカルシウム焼結体がさらに好ましい。以下そのリン酸カルシウム焼結体について記載する。上記リン酸カルシウム焼結体とは、非晶質(アモルファス)のリン酸カルシウムを高温(例えば、800℃〜1300℃の温度範囲内)で焼結させたものである。また、リン酸カルシウム複合体とは、生体活性を有する基材(高分子基材)とリン酸カルシウム焼結体とが化学結合を介して結合しているものであり、基材の物性とリン酸カルシウム焼結体の物性との両方の物性を備えているものである。そして、上記リン酸カルシウム焼結体は、生体組織との接着性に優れており、また、上記基材および基体は、生体内に埋植した場合でも生体に影響を及ぼさないものである。そして、上記基材および基体は、弾性を有していることが好ましい。
また、生体親和性セラミックスのうち酸化チタン表面を処理することにより生体との接着性・親和性を発現することができる。そこで、以下その酸化チタンについて記載する。
上記酸化チタンとは、粒子表面を生体組織と親和性を持つようにするため、化学処理を行って粒子表面にアミノ基等のカチオン性官能基を導入したものである。また、酸化チタン複合体とは、生体活性を有する基材(高分子基材)と酸化チタン粒子とが化学結合を介して結合しているものであり、基材の物性と酸化チタン粒子の物性との両方の物性を備えているものである。つまり、上記酸化チタンとは、カチオン性官能基を有するものである。
そして、上記表面処理した酸化チタン(粒子)は、生体組織との接着性に優れており、また、上記基材および基体は、生体内に埋植した場合でも生体に影響を及ぼさないものである。そして、上記基材および基体は、弾性を有していることが好ましい。
上記の構成によれば、基体の表面の少なくとも一部が上記生体親和性セラミックス複合体で被覆されている。従って、上記生体親和性セラミックス複合体と生体組織とが良好に接着することにより、経皮端子部において生体組織との密着性が高い経皮端子を提供できる。つまり、上記構成とすることで、上記生体親和性セラミックスと医療用チューブの周囲における組織とを好適に密着させることができるので、医療用チューブの挿入位置を好適に固定することができるので、ダウングロースを抑制することができる。また、生体親和性セラミックス複合体を被覆した経皮端子は、硬い生体親和性セラミックスを、弾性を有する基材と結合させて用いているので、例えば、ハイドロキシアパタイトからなる経皮端子と比べて破損することがない。さらに、上記経皮端子を生体内に埋植した場合に、患者が感じる違和感を低減させることができる。また、上記構成とすることにより、医療用チューブと異なる基体に生体親和性セラミックス複合体を被覆しているので、医療用チューブの物性を損なわせることがない。つまり、安全に医療用チューブを生体内で固定することができる経皮端子を提供することができる。
また、生体親和性セラミックスは、非晶質のものと比べて結晶性が高く、溶解性が低い。従って、上記の構成とすることにより、医療用チューブを長期間、生体内に埋植させる用途で経皮端子を用いる場合であっても、良好に使用することができる。
本発明に係る経皮端子は、上記基体には、上記医療用チューブの挿入方向に対する当該基体の移動を抑制する鍔部が設けられている構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記医療用チューブの延伸方向に対する上記基体の移動を抑制する鍔部が設けられている。これにより、より一層、医療用チューブの移動(生体内の内部方向に上記経皮端子が移動すること)を抑制することができるので、ダウングロースの進行を抑制することができる。なお、上記移動には、平行移動および回転移動を含む。従って、上記経皮端子を生体内で固定した場合、上記鍔部が、上記経皮端子の生体における位置を固定するとともに、上記経皮端子が回転(生体内での経皮端子のねじれも含む)することを抑制する。
本発明に係る経皮端子は、上記鍔部には、穴部が形成されている構成がより好ましい。上記の構成によれば、上記鍔部には穴部が形成されている。これにより、例えば、上記経皮端子を生体内に埋入させたとき、生体内の組織は、上記穴部を通り、他の組織と接着することになる。これにより、上記経皮端子の位置をより一層強固に固定することができる。
本発明に係る経皮端子は、上記鍔部が、上記基体の一端から他端までの間に設けられているとともに、上記一端から鍔部を含む領域(または、上記一端から鍔部までの領域)のみに、上記生体親和性セラミックス複合体が被覆されている構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記基体の一端から鍔部を含む領域のみが生体親和性セラミックスで被覆されている。なお、上記生体親和性セラミックス複合体は、生体組織との接着性に優れるだけでなく、例えば雑菌等の生体外の他の細胞等に対しても良好な接着性を示す。従って、上記構成とすることにより、例えば、経皮端子の生体親和性セラミックス複合体が被覆されていない領域を生体外に出した状態で当該経皮端子を埋植した場合でも、経皮端子の生体外に露出している部分には、生体親和性セラミックス複合体で被覆されていないので、上記雑菌が経皮端子に接着することを防止することができる。すなわち、経皮端子の一部を生体外に露出させた状態での埋植が可能となる。
本発明に係る経皮端子は、鍔部は、医療用チューブの挿入方向に対して所定の角度を有するように設けられている構成がより好ましい。
上記の構成とすることにより、経皮端子を生体内に埋植させて、当該経皮端子で医療用チューブを使用する場合、鍔部を医療用チューブの挿入方向に対して傾斜させることにより、生体外に出ている医療用チューブを生体に沿わせることができる。これにより、医療用チューブが、生体外で邪魔になることを低減させることができる。
また本発明にかかる経皮端子の鍔部には、生体内へ上記経皮端子を埋殖する際に、その生体への埋殖し易さと生体への高い接着力の発現の両立を考慮した形状が求められる。具体的には、生体内埋殖時に経皮端子が上記医療用チューブの延伸方向に対して経皮端子生体内側表面と経皮端子生体外側表面が存在する。
ここで、経皮端子生体内側表面とは、生体内埋殖時に経皮端子が上記医療用チューブの延伸方向に対して垂直に存在する経皮端子の中心面より挿入方向にある経皮端子表面をいう。また、経皮端子生体外側表面とは、生体内埋殖時に経皮端子が上記医療用チューブの延伸方向に対して垂直に存在する経皮端子の中心面より生体の外側方向の面をいう。
そして、形状の対称性が低い場合その埋殖方向により埋殖し易さが違ってくるのである。
上記医療用チューブおよび経皮端子を、生体内に埋殖させる場合には、生体における埋殖部上皮を一部切開し、上記医療用チューブを穿刺・留置し、上記医療用チューブを生体へ差し込むこととなる。そこで、経皮端子生体内側表面の鍔部は、差し込み(埋殖し)易い先端の細い形状を持ち、かつ、生体との接着面を得るため広い面積を有していることがより好ましい。そして、上記鍔部における差し込み方向と反対側の端部は、生体との接着面を取るため広い面積を有している構成がより好ましい。
上記構成とすることにより、差し込み(埋殖し)易くそして生体との接着性の向上を図ることができる
また、本発明にかかる経皮端子の鍔部には、鍔部の表面面積に対して一定の割合となるように穴部が複数個設けられている構成がより好ましい。
上記構成とすることで、経皮端子を埋殖した後、生体組織が上記穴部を伸展することにより通過して、その通過した側の鍔部表面に接着している生体組織とその伸展した組織とが接着し、あたかも経皮端子の鍔部を組織という糸で縫い付けたように生体に固定することができる。これにより、上記医療用チューブの挿入方向に対する当該基体の移動および回転を抑制することができる。
本発明に係る経皮端子は、上記基体の少なくとも一部が、多数の粒子状の生体親和性セラミックス複合体で被覆されている構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記基体の少なくとも一部が、多数の粒子状の生体親和性セラミックス複合体で被覆されている。これにより、基体の表面を被覆している生体親和性セラミックスの表面積を増加させることができるの、より一層良好に経皮端子を生体組織と密着させることができる。
本発明に係る経皮端子は、上記医療用チューブと一体化されてなる構成であってもよい。
上記の構成によれば、経皮端子が、上記医療用チューブと一体化されて構成されているので、上記経皮端子を固定することにより、カテーテルの移動を抑制することができる。
以下、生体親和性セラミックスのうち特にリン酸カルシウム焼結体についての説明をする。
本発明に係る経皮端子は、上記リン酸カルシウム複合体は、長軸方向の長さが1μm〜1cmの範囲内であり、短軸方向の長さが1nm〜1mmの範囲内である柱状または球状の形状である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、リン酸カルシウム複合体を粒状または繊維状とすることにより、基体表面を被覆しているリン酸カルシウム複合体の表面積を増加させることができる。
本発明に係る経皮端子は、上記基材がシルクフィブロインである構成がより好ましい。
シルクフィブロインは、生体活性が高い。上記の構成によれば、シルクフィブロインを基材として用いることにより、生体適合性の高い経皮端子を提供することができる。
本発明に係る経皮端子は、上記課題を解決するために、生体内に挿入される医療用チューブを当該医療チューブの挿入位置で固定する経皮端子であって、上記医療用チューブを保持する基体の表面の少なくとも一部が、シルクフィブロインで被覆されていることを特徴としている。
シルクフィブロインは、生体適合性が高いので、上記の構成とすることにより、生体適合性の高い経皮端子を提供することができる。
また、本発明にかかる医療用チューブは、上記経皮端子を備えていることを特徴としている。これにより、医療用チューブを生体内に埋植した場合でも、上記医療用チューブが移動することを防止できる。
本発明に係る経皮端子は、生体内に挿入される医療用チューブを当該医療用チューブの挿入位置で固定する経皮端子であって、上記医療用チューブを固定する基体の表面の少なくとも一部が、基材とリン酸カルシウム焼結体とが化学結合してなるリン酸カルシウム複合体で被覆されている構成である。
これにより、上記リン酸カルシウム複合体と生体組織とが良好に接着することにより、経皮端子部において生体組織との密着性が高い経皮端子を提供できる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態にかかる経皮端子は、生体の経皮部(皮下組織)に埋植する経皮端子であって、基体表面の少なくとも一部が、基材と生体親和性セラミックスとが化学結合してなる生体親和性セラミックス複合体で被覆されている構成である。
本発明にかかる生体親和性セラミックス複合体は、基体の表面の少なくとも一部が、リン酸カルシウム焼結体または酸化チタンと基材とが化学結合してなるリン酸カルシウム複合体または酸化チタン複合体、もしくは複数種類の生体親和性セラミックスで被覆されている。
以下の説明では、「リン酸カルシウムと基材が化学結合してなる複合体」について説明する。
(リン酸カルシウム焼結体)
ここで、上記リン酸カルシウム焼結体について説明する。上記リン酸カルシウム焼結体(リン酸カルシウムセラミックスとも呼ばれる)とは、アモルファス(非晶質)のリン酸カルシウムと比べた場合に結晶性が高いリン酸カルシウムを示している。具体的には、リン酸カルシウム焼結体は、アモルファス(非晶質)のリン酸カルシウムを焼結させることにより得られる。そして、上記リン酸カルシウム焼結体は、該リン酸カルシウム焼結体自体の表面に、カルシウムイオン(Ca2+)、リン酸イオン(PO 2−)および水酸化物イオン(OH)の少なくとも何れか1つのイオンを有している。
そして、上記リン酸カルシウム焼結体は、生体活性が高い。上記リン酸カルシウム焼結体としては、具体的には、例えば、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、トリリン酸カルシウム(β(α)-リン酸トリカルシウム(Ca(PO))、メタリン酸カルシウム(Ca(PO)、オクタリン酸カルシウム(OCP)、Ca10(PO、Ca10(POCl等の焼結体が挙げられる。なお、上記リン酸カルシウム焼結体を構成するリン酸カルシウムは、湿式法や、乾式法、加水分解法、水熱法等の公知の製造方法によって、人工的に製造されたものであってもよく、また、骨、歯等から得られる天然由来のものであってもよい。また、上記リン酸カルシウム焼結体には、リン酸カルシウムの水酸イオンおよび/またはリン酸イオンの一部が炭酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオン等で置換された化合物等が含まれていてもよい。
そして、リン酸カルシウム焼結体は、非晶質のリン酸カルシウムと比べて、結晶性が高く、生体において溶解性が低いので、上記経皮端子長期間に渡り生体内に埋植する場合であっても、好適に使用することができる。
また、リン酸カルシウム焼結体の1つの結晶面には、少なくともリン酸イオンまたはカルシウムイオンが存在する。具体的には、リン酸カルシウムの結晶面によって存在するイオンは異なり、互いに異なる結晶面に、カルシウムイオンおよびリン酸イオンが存在している。また、上記リン酸カルシウム焼結体に水酸化物イオンが含まれている場合には、該水酸化物イオンは、上記カルシウムイオンまたはリン酸イオンが存在している結晶面の少なくとも1つの結晶面に存在することとなる。
ここで、上記リン酸カルシウム焼結体の製造方法について説明する。本実施の形態にかかるリン酸カルシウム焼結体は、アモルファスのリン酸カルシウムを焼結させることにより得ることができる。具体的には、上記例示のリン酸カルシウムを800℃〜1300℃の温度範囲内で所定時間焼結させることにより、リン酸カルシウム焼結体を得ることができる。上記リン酸カルシウムを焼結させることによって、結晶性を高めることができ、例えば、生体内に導入した場合における溶解性を小さくすることができる。このリン酸カルシウム焼結体の結晶化の度合いは、X線回折法(XRD)により、測定することができる。具体的には、リン酸カルシウム複合体の各結晶面を示すピークの半値幅が狭ければ狭いほど結晶性が高い。
上記リン酸カルシウムを焼結させる焼結温度の下限値としては、800℃以上がより好ましく、900℃以上がさらに好ましく、1000℃以上が特に好ましい。焼結温度が800℃よりも低いと、焼結が十分でない場合がある。一方、焼結温度の上限値としては、1300℃以下がより好ましく、1250℃以下がさらに好ましく、1200℃以下が特に好ましい。焼結温度が1300℃よりも高いと、後述する基材が有する官能基と直接化学結合することが困難になる場合がある。従って、焼結温度を、上記範囲内とすることにより、生体内で溶解し難く(結晶性が高く)、かつ、基材が有する官能基と直接化学結合することができるリン酸カルシウム焼結体を製造することができる。また、焼結時間としては、特に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、例えば、リン酸カルシウム焼結体を構成する材料として、ハイドロキシアパタイト焼結体またはβ(α)-リン酸トリカルシウムを用いる場合、該ハイドロキシアパタイト焼結体またはβ(α)-リン酸トリカルシウムは、生体組織との親和性および生体環境における安定性が優れているために、医療用材料として好適である。また、ハイドロキシアパタイト焼結体は、生体内で溶解し難い。従って、例えば、上記ハイドロキシアパタイト焼結体を用いてリン酸カルシウム複合体を製造した場合には、生体内で長期間、生体活性を維持することができる。
また、上記リン酸カルシウム焼結体は、粒子状であることがより好ましく、微粒子であることがさらに好ましい。具体的には、リン酸カルシウム焼結体が球形状である場合、その直径は10nm〜100μmの範囲内がより好ましく、50nm〜10μmの範囲内がさらに好ましい。上記範囲内のリン酸カルシウム焼結体の微粒子を用いることにより、得られる経皮端子に弾性を付すことができる。また、本実施の形態では、上記リン酸カルシウム焼結体と基材とを化学的に結合しているので、上記範囲内の粒子径を有するリン酸カルシウム焼結体を用いた場合でも、当該リン酸カルシウム焼結体の物性が損なわれることがない。
(基材)
本実施の形態にかかる基材としては、高分子基材がより好ましく、医療用高分子がさらに好ましく、有機高分子が特に好ましい。上記基材としては、具体的には、例えば、シリコーンポリマー(シリコーンゴムであっても良い)、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリアミン、ポリウレア、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等の合成高分子;セルロース、アミロース、アミロペクチン、キチン、キトサン等の多糖類、コラーゲン等のポリペプチド、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類等、シルクフィブロイン等の天然高分子等が挙げられる。上記例示の基材のうち、長期安定性、強度および柔軟性等の特性が優れている点で、シリコーンポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、または、シルクフィブロインが好適に使用される。また、例えば、上記有機高分子と上記無機材料とを組み合わせて基材としてもよい。
本実施の形態にかかる基材の表面には、リン酸カルシウム焼結体自体と化学結合することができる官能基を有していることが好ましい。上記基材の表面に官能基を有していることにより、リン酸カルシウム焼結体に化学的前処理を施すことなく、化学結合させることができる。以下に、基材表面に、リン酸カルシウム焼結体と化学結合可能な官能基が導入されている場合について説明する。
上記リン酸カルシウム焼結体が、ハイドロキシアパタイト焼結体である場合、これらハイドロキシアパタイト焼結体は、イソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基と化学結合することが可能である。つまり、基材が有する官能基として、イソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有している場合には、この基材とハイドロキシアパタイト焼結体とを化学結合させることができる。なお、上記アルコキシシリル基とは、Si−ORを含む基を示している。つまり、本実施の形態において、アルコキシシリル基には、≡Si−OR,=Si−(OR),−Si−(OR)等が含まれる。なお、上記≡Si−OR,=Si−(OR)の「≡」および「=」は、三重結合、二重結合のみを示すものではなく、それぞれの結合の手が、異なる基と結合していてもよい。従って、例えば、−SiH−(OR)や−SiH−(OR)等もアルコキシシリル基に含まれる。また、上記Si−ORのRとは、アルキル基または水素を示している。
上記基材表面の官能基は、基材自体が有する官能基であってもよく、また、基材表面を、例えば、酸・アルカリ処理、コロナ放電、プラズマ照射、表面グラフト重合等の公知の手段によって、上記基材を改質することにより導入されたものであってもよい。
また、上記官能基を導入するために、基材に活性基を導入し、この活性基を用いて官能基を導入してもよい。
上記基材の形状としては、シート状でもよく、粒子状でもよく、特に限定されるものではない。その中で、上記基材の形状としては、後述する基体の大きさよりも著しく小さい粒子状(球状)または柱状(円柱状)がより好ましい。そして、基材の形状が粒子状である場合、具体的には、上記基材の大きさは、長軸方向の長さが1cm〜1μmの範囲内であり、短軸方向の長さが1mm〜1nmの範囲内である柱状または球状の形状であることがより好ましい。具体的には、上記基材が円柱状である場合、長軸方向の長さが5μm〜1mmの範囲内であり、短軸方向が100nm〜10nmの範囲内である場合がさらに好ましく、長軸方向の長さが10μm〜200μmの範囲内であり、短軸方向が1μm〜50μmの範囲内である場合が特に好ましい。また、上記基材が球状である場合には、最大直径が1μm〜1mmの範囲内がさらに好ましく、10μm〜500μmの範囲内が特に好ましい。上記範囲内の形状の基材を用いることで、基材におけるリン酸カルシウム焼結体の結合量を増加させることができるので、より生体活性が高いリン酸カルシウム複合体を得ることができる。
(リン酸カルシウム複合体)
そして、上記官能基を有する基材と、リン酸カルシウム焼結体とを反応させることによりリン酸カルシウム複合体を得ることができる。つまり、リン酸カルシウム焼結体と基材とは化学結合にて結合されている。そして、上記基材とリン酸カルシウム焼結体とを化学結合させるには、例えば、基材に上記リン酸カルシウム焼結体と化学結合可能な官能基を導入し、両者を反応させる方法や、リン酸カルシウム焼結体に上記基材と化学結合可能な反応性官能基を導入し、両者を反応させればよい。
そして、本実施の形態にかかるリン酸カルシウム複合体が例えば、ハイドロキシアパタイト複合体である場合、基材の表面に、ハイドロキシアパタイト焼結体が化学結合されている。具体的には、ハイドロキシアパタイト焼結体に存在する水酸基(−OH)と、上記基材または表面修飾したリンカーが有するイソシアネート基(―NCO)またはアルコキシシリル基とが、直接、化学結合している。上記基材のアルコキシシリル基が−Si≡(OR)である場合、ハイドロキシアパタイト焼結体と基材との間には、化学式(1)に示すような結合が存在することとなる。
(ただし、上記X、Yは、基材またはハイドロキシアパタイト焼結体の一方を示し、上記Xが基材の場合にはYはハイドロキシアパタイト焼結体であり、また、XとYとが逆の場合もある)
なお、上記化学式(1)のケイ素原子(Si)は、アルコキシシリル基の一部である。具体的には、上記ケイ素原子は、基材の表面修飾したグラフト鎖の一部でもよく、高分子鎖が有するアルコキシシリル基の一部でもよい。また、上記化学式(1)の酸素原子(O)は、アルコキシシリル基の一部、または、ハイドロキシアパタイト焼結体が有する水酸基の一部である。また、上記化学式(1)のXとSiとの間は、高分子鎖で結合されていてもよく、低分子鎖で結合されていてもよく、直接結合していてもよい。
また、上記官能基がイソシアネート基の場合には、ハイドロキシアパタイト焼結体と基材とは、ウレタン結合で化学結合されている。
また、本実施の形態において用いるリン酸カルシウム複合体としては、基材に、上記リン酸カルシウム焼結体と化学結合可能な官能基を導入し、上記リン酸カルシウム焼結体と上記官能基とを反応させることにより得られるものがより好ましい。より詳細には、リン酸カルシウム複合体は、イソシアネート基、アルコキシシルル基、および4‐メタクリロキシエチルトリメルリテートアンハイドライド基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する基材と、リン酸カルシウム焼結体(ハイドロキシアパタイト焼結体がより好ましい)と化学結合してなる構成がさらに好ましい。上記リン酸カルシウム焼結体と化学結合可能な官能基を基材に導入し、当該官能基とリン酸カルシウム焼結体とを反応させることにより、リン酸カルシウム焼結体に化学的前処理を施すことなくリン酸カルシウム複合体を製造することができるので、リン酸カルシウム焼結体の生体活性を損なわせることなく、リン酸カルシウム複合体を得ることができる。
本実施の形態にかかるリン酸カルシウム複合体は、基材におけるリン酸カルシウム焼結体の結合量(吸着率)が5重量%以上であることがより好ましい。上記結合量としては、7重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましく、12重量%以上が特に好ましい。上記結合量が5重量%以上とすることにより、上記リン酸カルシウム複合体を、例えば、経皮端子等の医療用材料に用いた場合に、高い生体適合性を示すことができる。
また、本実施の形態にかかるリン酸カルシウム複合体は、リン酸カルシウム焼結体と基材とが、イオン的相互作用によって化学結合していてもよい。これについて以下に説明する。
本実施の形態におけるリン酸カルシウム複合体において、リン酸カルシウム焼結体が、当該リン酸カルシウム焼結体と基材とがイオン的相互作用によって化学結合する場合、上記基材の表面には、上記官能基がイオン化されたイオン性官能基が存在している。そして、基材の表面にイオン性官能基が存在している場合には、イオン性官能基とリン酸カルシウム焼結体自体のイオンとがイオン的な相互作用によって化学結合することにより、リン酸カルシウム複合体(リン酸カルシウム複合体)を形成することとなる。
上記イオン性官能基は、酸性官能基または塩基性官能基に分類される。
上記酸性官能基としては、具体的には、例えば、−COO,−SO 2−,−SO ,−O、RNC(S) 等が挙げられる。また、上記塩基性官能基としては、具体的には、例えば、−NH3+、エチレンジアミン、ピリジン等が挙げられる。つまり、上記基材の表面には、上記例示の、酸性官能基または塩基性官能基が存在している。なお、上記RNC(S) のRは、アルキル基を示している。
また、上記イオン性官能基としては、酸処理またはアルカリ処理等の化学的処理によりイオン化するものであればよく、具体的には、例えば、カルボキシル基、ジカルボキシル基、ジチオカルバミン酸イオン、アミン、エチレンジアミン、ピリジン等が挙げられる。
なお、上記官能基としては、例えば、該官能基とリン酸カルシウム焼結体自体とが配位結合によって結合することができる、非イオン性官能基(中性官能基)等であってもよい。
(基体)
上記基体としては、弾性を有していることが好ましい。上記基体を構成する材料としては、医療用プラスチック、エラストマー等が好適に使用される。上記医療用プラスチック、エラストマーとしては、例えば、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂(フッ素含有樹脂)、シリコーンゴム等のシリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素化シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリ‐N‐ビニルピロリドン、セグメント化ポリウレタン等が挙げられる。そして、上記基体を構成する材料としては、最終的に得られる経皮端子に挿入される医療用チューブと同じ材料であることがより好ましい。また、上記基体は、上記生体親和性セラミックス複合体の被覆を良好にするために、例えば、エッチング、グロー放電処理または表面処理剤等の塗布によって表面処理を行ってもよい。
ここで、上記基体の形状について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、筒状のものを基体としてもよい。なお、筒状の内部には、医療用チューブが挿入される。
上記基体は、鍔部を有していることがより好ましい。以下の説明では、鍔部を有する経皮端子について説明する。
本実施の形態にかかる基体は、図2、図23、図24および図25に示すように、胴部10と鍔部20とを有している。鍔部20は、複数個設けられていてもよい。そして、胴部10の内部(内側)に、医療用チューブが挿入される。また、上記胴部10と鍔部20とは同じ材料で構成されていてもよく、互いに異なっていてもよい。また、上記基体には、上記鍔部20に穴部30が設けられている構造もある。このとき、上記穴部30が複数設けられていてもよい。以下、これらについて説明する。
上記胴部10は、経皮端子1を医療用チューブに固定するものである。そして、上記胴部10は、当該胴部10に挿入する医療用チューブの挿入方向に延びた形状になっている。そして上記胴部10は、医療用チューブの挿入方向と直交する面における形状(断面形状)が円形または楕円形の筒状になっている。そして、胴部10の医療用チューブの挿入方向の長さについては、使用する用途によって異なるが、例えば、肺高血圧症治療用カテーテル(長期留置型中心静脈カテーテル)用途に使用する場合には、0.5mm〜2cm程度であればよく、また、腹膜透析用カテーテル用途に使用する場合には、0.5mm〜4cm程度であればよい。また、胴部10の内径は、上記経皮端子1に挿入する医療チューブの太さと同じ程度である。そして、胴部10の厚さ(肉厚)としては、使用する用途によっても異なるが、上記経皮端子1に挿入する医療用チューブの肉厚を100%とした場合、0を超えて10000%以内の範囲内がより好ましく、100〜5000%の範囲内がさらに好ましい。上記胴部10の厚さを上記範囲内とすることにより、経皮端子1を医療用チューブに、十分に固定することができる。
上記鍔部20は、上記医療用チューブの延伸方向に対する当該基体(経皮端子1)の移動および回転を抑制するものである。上記医療用チューブを生体に埋殖した場合には、当該医療用チューブは、生体外と生体内とを結んだ状態となる。そして、上記医療用チューブは、主に、当該医療用チューブの延伸方向に外力が加わることとなる。このとき、経皮端子1に鍔部20を設けていることにより医療用チューブの延伸方向(医療用チューブにおける経皮端子1の挿入方向)における経皮端子1の移動を抑制することができる。
また、外部からの力および生体の動きによる医療用チューブの歪みから上記医療用チューブの円筒の回転方向に上記医療用チューブへローリング力がかかることが知られている。このとき、経皮端子1に鍔部20を設けていることにより医療用チューブの回転方向(医療用チューブにおける経皮端子の胴回りの回転方向)における経皮端子1の移動を抑制することができる。
上記鍔部20の形状としては、上記胴部10の胴回り全部に設けられていてもよく、また、胴回りの一部のみに設けられていてもよい。また、上記鍔部20は、複数個設けられていてもよい。具体的には、例えば、胴部10の両方の端部に上記鍔部20が設けられていてもよく、上記胴部10の一方の端部に設けられていてもよい。そして、鍔部20は、経皮端子1における医療用チューブの挿入方向、換言すると、経皮端子1の軸方向から見た面積が、胴部10の面積よりも大きくなるように設けられている。
上記鍔部20の形状としては、上記胴部10の胴回り全部に設けられていてもよく、胴回りの一部のみに設けられてもよい。また、上記鍔部20は、複数個設けられていてもよい。具体的には、例えば、胴部10の両方の端部に上記鍔部20が設けられていてもよく、上記胴部10の一方の端部に設けられていてもよい。また、上記胴部10の真ん中部分に設けられていてもよい。そして、鍔部20は、経皮端子1における医療用チューブの挿入方向、換言すると、経費端子1の軸方向から見た面積が、胴部10の面積よりも大きくなるように設けられている。
また、上記鍔部20は、上記胴部10の軸方向(経皮端子1の軸方向)に対して、所定の角度を有するように突出している。具体的には、上記鍔部20は、胴部10の軸方向から見て、30〜150°の範囲内の角度を有するように、胴部10から突出していることがより好ましい。そして、上記鍔部20を胴部10の軸方向に対して、所定の角度となるように傾斜させて胴部10に設けることにより、例えば、経皮端子1を生体内に埋植した際に、当該経皮端子1に固定されるカテーテルを生体に沿わせることができる。なお、上記鍔部20の胴部10の軸方向に対する傾斜角としては、用途によって異なるが、例えば、長期留置型中心静脈カテーテルを固定する経皮端子1の場合には、10〜170°の範囲内がより好ましく、20〜160°の範囲内がさらに好ましい。そして、上記傾斜角のうち最終的に得られる経皮端子の生体適合性の観点では、上記傾斜角は、60〜120°の範囲内が特に好ましい。また、上記経皮端子を生体内に埋植して使用するという観点では、上記傾斜角は、15〜45°(135〜165°)の範囲内が特に好ましい。
また、上記長期留置型中心静脈カテーテルを固定する経皮端子1について、好ましい形状について説明する。長期留置型中心静脈カテーテルを生体内に埋植する場合、図17に示すような形で、埋植することとなる。具体的には、胸のあたりからカテーテルが生体外に延びるように埋植することになる。このとき、経皮端子1の鍔部20を、上記のように所定の傾斜角となるように胴部10に設けることにより、カテーテルを生体外に生体に沿って出すことができる。
また、医療用チューブの挿入方向から見た上記鍔部20の面積、換言すると、胴部10の軸方向に対して直交する断面における鍔部20の面積は、胴部10の軸方向に対して直交する断面における胴部10と当該胴部10内の中空部とを併せた面積を1としたとき、0を超えて10以内の範囲内がより好ましく、0.05〜5の範囲内がさらに好ましい。
つまり、上記基体の形状としては、図2に示したように、上記鍔部20が、上記基体の軸方向における胴部10の中央付近に設けられていてもよく、また、図3に示すように、胴部10の末端に鍔部20が設けられていてもよく、さらには、図4に示すように、鍔部20が、基体の軸方向に対して所定の角度を有するように設けられていてもよい。また、例えば、胴部10の両末端にそれぞれ鍔部20が設けられていてもよく、これら鍔部20は、胴部10の周りの一部のみに突出するように設けられていてもよい。さらには、上記両末端に設けられた鍔部20は、基体の軸方向に対して所定の角度を有するように設けられてもよい。
上記鍔部20の形状は、生体内へ埋殖する際のその生体埋殖し易さと生体への高い接着力の発現する形状が求められる。具体的には、生体内埋殖時に経皮端子1が上記医療用チューブの延伸方向に対して経皮端子生体内側表面と経皮端子生体外側表面が存在する。そこで、鍔部20形状、具体的には、鍔部20の対称性によっては、経皮端子1の埋殖のし易さが異なる場合がある。これについて、以下に説明する。
上記医療用チューブおよび経皮端子1の生体への埋殖は、生体における埋殖部上皮を一部切開し、上記医療用チューブを穿刺・留置し、上記医療用チューブを生体へ差し込むこととなる。そして、経皮端子1の経皮端子生体内側表面の鍔部20は、医療用チューブを穿刺する際に生体内に差し込み(埋殖し)易い先端の細い形状を有することが好ましい。また、上記に加えて、生体との接着面をより広く取るためには、鍔部20の面積は広いことが好ましい。
この2つの観点より、上記経皮端子1の鍔部は、生体内に医療用チューブを差し込む際に差し込みやすいように、差し込み側の鍔部20の形状は先端が細い形状であることがより好ましい。また、差し込み側に対して反対側の鍔部20の形状は、より広い面積(生体に対してより広い接着面)を有するために、突出していることがより好ましい。
具体的には、図24および図25に示すような形状が好ましい。
上記図24に示す鍔部2の形状はあたかもムササビが、空気から浮力を得るため皮膜を広げたような形状をしており、経皮端子生体内側表面がムササビの頭の方向ということができる。より詳細には、図24に示す経皮端子1は、鍔部2のうちの4箇所が、さらに突出している形状であり、当該経皮端子1を生体内に挿入する際に、上記鍔部20の先端が、他の部分よりも細くなっている形状である。
また、図25に示す鍔部2の形状はあたかもスペースシャトルが、空気から浮力を得るため羽を広げたような形状をしており、経皮端子生体内側表面がスペースシャトルの飛行方向ということができる。より詳細には、図25に示す経皮端子1は、鍔部2のうちの生体に埋入させる場合の埋入方向における後端側の2箇所が突出している形状である。
上記構成をとることにより、差し込み(埋殖し)易くそして生体との接着性の向上を図ることができる。さらにこの接着力の向上より上記医療用チューブの挿入方向に対する、上記経皮端子1の移動および回転を抑制することができる。
また、上記経皮端子1の鍔部20には、複数の穴部30が設けられていることがより好ましい。これについて以下に説明する。
図23は、鍔部20に穴部30が設けられている経皮端子1の概略の構成を示す図面である。上記穴部30は、上記医療用チューブの延伸方向に対する当該基体の移動および上記医療用チューブの回転を抑制するために設けられている。上記医療用チューブを生体に埋殖した場合には、当該医療用チューブは、生体外と生体内とを結んだ状態となる。そして、上記医療用チューブは、主に、当該医療用チューブの延伸方向に外力が加わることとなる。このとき、経皮端子1の鍔部20に穴部30を設けていることにより医療用チューブの延伸方向(医療用チューブにおける経皮端子1の挿入方向)における経皮端子1の移動を抑制することができる。また、外部からの力および生体の動きによる医療用チューブの歪みから、上記医療用チューブに対して、ローリング力がかかることが知られている。これにより、上記医療用チューブは回転することになる。そこで、経皮端子1の鍔部20に穴部30を設けることにより、上記医療用チューブの回転方向(医療用チューブにおける経皮端子1の胴回りの回転方向)における経皮端子1の移動および回転を抑制することができる。
より具体的には、上記鍔部20に穴部30が存在することにより、上記経皮端子1を生体内に埋殖すると、生体内に存在する生体組織が経皮端子1の穴部30へと伸展して通過する。そして、鍔部20の表面に接着している生体組織とその伸展した組織とが、接着する。これにより、あたかも経皮端子1の鍔部20に存在する穴部30を、組織という糸で縫い付けた状態となるため、上記経皮端子1を生体に固定することができる。そして上記のように経皮端子1を固定することにより、上記医療用チューブの挿入方向に対する経皮端子1の移動および回転を抑制することができる。つまり、上記経皮端子1の鍔部20に穴部を設けることにより、当該経皮端子1を生体内に埋植した際に、上記鍔部20の両側に存在している組織同士が、上記穴部30を介して互いに接着することになる。これにより、生体内に埋植した経皮端子1の、生体内における位置を固定することができるとともに、当該経皮端子1が回転することを抑制することができる。
上記穴部30は、上記鍔部20の一部のみに設けられていてもよく、鍔部20の全領域に設けられていてもよい。さらに、上記穴部30は、複数個設けられていてもよい。具体的には、たとえば鍔部20の間部(つばの真ん中)に穴部30が設けられていてもよく、上記鍔部20の端部に設けられていてもよい。また、複数の穴部30の配置が上記鍔部20の形状に対して対称に配置されていなくてもよい。
また、鍔部20に配置されたすべての穴部30の個数は、1〜20個が好ましく、2〜10個がより好ましく、4〜8個が特に好ましい。
上記穴部30を上記のように鍔部20に設けることで、上記医療用チューブの延伸方向に対する経皮端子1の移動および回転を、より一層抑制することができる。
なお、上記穴部30の個数が多すぎる(例えば、20個よりも多く穴部30を設けた)場合には、上記鍔部20に面積が少なくなってしまい、経皮端子1の十分な機械的物性を得ることができなくなる場合がある。また、穴部30の個数を多くしすぎると、上記鍔部20に配置される穴部30の大きさが比較的小さくなってしまうので、生体組織が穴部30を十分に通り抜けることができず上記医療用チューブの延伸方向に対する当該基体の移動および上記医療用チューブの回転を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
また、鍔部20に設けられた複数の穴部30は、上記胴部10の延伸軸(延伸方向)と直交する線に対して対称に配置されていることがより好ましい。そして、上記複数の穴部30を、上記のように対称に配置することで、経皮端子1の移動および回転を十分に抑制することができる。
また、鍔部20に配置されたすべての穴部30の面積の合計は、医療用チューブの挿入方向から見た上記鍔部20の面積(鍔部に配置された穴部の面積も含む。また、鍔部と同一平面の胴部10の軸方向に対しての直交する断面の面積は含まない。)に対して、鍔部20の面積を100%としたとき0%を超えて40%以内の範囲内の面積が好ましく、0.1〜30%の範囲内の面積がより好ましく、1〜20%の範囲内の面積が特に好ましい。
上記穴部30の面積が40%よりも多い場合には、上記鍔部20における穴部30の割合が大きすぎるため、経皮端子1自体が十分な機械的物性を得ることができない。また、穴部30の1個あたりの面積が大きくなるので、穴部30を通り抜けた組織が他の生体組織と接着した場合でも、上記経皮端子1を十分に固定する力を得ることができなくなる場合があり、上記医療用チューブの延伸方向に対する上記経皮端子1の移動および回転を抑制する効果が十分に得られない場合がある
また、鍔部20に配置されたすべての穴部30形状としては、例えば、丸型形状、楕円形状、三角形状、四角形状等の形状でもよく、不定形でも良い。
さらに、鍔部20に配置されたすべての穴部30形状は同じでなくてよく、複数ある穴部30の形状がそれぞれ異なっていてもよい。
(経皮端子)
そして、上記生体親和性セラミックス複合体を、基体表面に被覆することにより、本実施の形態にかかる経皮端子1を得ることができる。
以下、生体親和性セラミックのうちリン酸カルシウムについての実施について説明する。
上記リン酸カルシウム複合体を、基体表面に被覆することにより、本実施の形態にかかる経皮端子1を得ることができる。また、基体表面にシルクフィブロインを被覆することにより、上記経皮端子1を得ることができる。つまり、本実施の形態にかかる経皮端子1は、その表面が、生体親和性セラミックス複合体(リン酸カルシウム複合体)および/またはシルクフィブロインによって被覆されている。上記生体親和性セラミックス複合体(リン酸カルシウム複合体)および/またはシルクフィブロインと基材とは、例えば、接着剤等を用いて物理的に接合されていてもよく、また、化学結合によって結合させてもよい。上記接着剤を用いてリン酸カルシウム複合体と基体とを接合する場合に用いられる上記接着剤としては、具体的には、例えば、シリコーン系接着剤、ポリエチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ナイロン、ウレタンエラストマー、酢酸ビニル、アクリル樹脂等が挙げられる。
そして、上記経皮端子1の医療用チューブと接する面以外の表面に、上記リン酸カルシウム複合体が被覆されている。
上記リン酸カルシウム複合体は、例えば、図20に示すように、上記経皮端子1表面の全てを被覆していてもよく、また、例えば、図5、図6に示すように、一部のみ(図5;鍔部20のみ、図6;鍔部20と胴部10の一部)が被覆されていてもよい。また、例えば、上記鍔部20のみをリン酸カルシウム複合体で被覆してもよい。また、上記経皮端子1の一部をリン酸カルシウム複合体で被覆するとともに、他の一部をシルクフィブロインで被覆してもよい。
また、例えば、図7に示すように、鍔部20の領域を超えて、リン酸カルシウム複合体が被覆されていてもよい。
基体表面にリン酸カルシウム複合体を被覆する方法としては、具体的には、例えば、接着剤等を用いて物理的に接合する方法、および、基体とリン酸カルシウム複合体を化学結合によって結合する方法等がある、なお、基体とリン酸カルシウム複合体とを化学結合にて結合する場合には、上記リン酸カルシウム焼結体と基体とを化学結合させる方法と同様であり、詳細な説明を省略する。
リン酸カルシウム複合体を、基体表面に接着剤を用いて接合する場合、シート状のリン酸カルシウム複合体ものを基体表面に貼り付けてもよく、また、粒子状のリン酸カルシウム複合体を基体表面につけてもよく、また、繊維状のリン酸カルシウム複合体を基体表面につけてもよい。そして、粒子状または繊維状のリン酸カルシウム複合体を基体表面につけることにより、経皮端子1端子の表面に存在するリン酸カルシウム焼結体の表面積が増えるので、経皮端子1の生体適合性をより一層向上させることができる。さらに、繊維状のリン酸カルシウム複合体を基体表面につけた場合には、この経皮端子1を生体内に移植すると、上記繊維状のリン酸カルシウム複合体同士の間に組織が入りこむために、さらに生体適合性が向上するので、好適に、経皮端子1を生体内で固定することができる(絡み合い効果)。なお、シート状、粒子状、繊維状のリン酸カルシウム複合体は、基材が、上記形状であり、リン酸カルシウム焼結体は、上記基材よりも著しく粒子径が小さい。つまり、リン酸カルシウム複合体の形状は、基材の形状と同じである。また、上記繊維状または粒子状のリン酸カルシウム複合体とは、長軸方向の長さが1μm〜1cmの範囲内であり、短軸方向の長さが1nm〜1mmの範囲内である柱状または球状の形状を示している。
さらに、リン酸カルシウム複合体を基体表面に被覆する際、当該リン酸カルシウム複合体を基体に対して起毛状態となるように被覆することがより好ましい。起毛状態となるように、リン酸カルシウム複合体を基体に被覆させることにより、経皮端子1におけるリン酸カルシウム焼結体の表面積がより多くすることができるので、当該経皮端子1を皮下組織に良好に固定することができる。
以上のように本実施の形態にかかる経皮端子1は、基体表面が、リン酸カルシウム焼結体と基材とが化学結合してなるリン酸カルシウム複合体で被覆されている構成である。上記の構成とすることにより、生体適合性の高い経皮端子1を提供することができる。また、リン酸カルシウム焼結体は、基材と化学結合を介して結合されているので、リン酸カルシウム焼結体および基材の物性が損なわれることがない。さらに、基体および/または基材として弾性を有する材料を用いることで、経皮端子1全体に弾性を持たせることができるので、当該経皮端子1を埋植した場合に、患者が感じる違和感をより低減させることができる。また、上記経皮端子1を、医療用チューブに挿入して使用する場合には、従来のように医療用チューブにリン酸カルシウムを融着させる構成と比べて、簡単かつ安全に使用することができる。また、上記経皮端子1は、硬いリン酸カルシウム焼結体を、弾性を有する基材に結合させたリン酸カルシウム複合体を用いているので、例えば、ハイドロキシアパタイトからなる経皮端子1と比べて、破損することがない。
なお、リン酸カルシウム複合体を構成している基材と、上記基体とは、同じ材料であってもよく、互いに異なった材料であってもよい。また、上記経皮端子1と医療用チューブとを一体に形成してもよい。
ここで、上記経皮端子1を生体に移植(埋植)する場合について説明する。上記経皮端子1を生体内に埋植する場合、経皮端子1のうち、リン酸カルシウム焼結体が被覆されている部分が生体内になるように埋植することがより好ましい。また、経皮端子1全部を生体内に埋植させてもよい。例えば、経皮端子1の一部を露出させるようにして埋植する場合であっても、経皮端子1に被覆したリン酸カルシウム複合体の部分を生体内に埋植させることにより、生体外に露出している経皮端子1の部分に雑菌等が付着することを防止することができる。
また、経皮端子1の埋植方法としては、具体的には、図1に示すように、経皮端子1の全体を埋植するとともに、鍔部20が皮下組織と皮膚との間に来るように埋植する方法や、図8に示すように、鍔部20が皮下組織に配置されるように埋植する方法等がある。また、経皮端子1の形状が、当該経皮端子1の鍔部20が基体の軸方向に対して所定の傾きを有する場合、図9に示すように、鍔部20が、皮膚と皮下組織との間に配置されるように埋植する方法や、図10、図26に示すように、鍔部20が皮下組織になるように埋植する方法等がある。なお、経皮端子1の鍔部20が基体の軸方向に対して所定の傾きを有する場合には、鍔部20が、皮下組織と皮膚との間の境界面と平行になるように埋植すればよい。
そして、本実施の形態にかかる経皮端子1は、様々な医療チューブに挿入して使用することが可能である。上記経皮端子1の具体的な用途としては、例えば、肺高血圧症治療用カテーテル(長期留置型中心静脈カテーテル)、腹膜透析用カテーテル、補助人工心臓(VAS)の送血管・脱血管の皮膚挿入部位、人工肛門・人工膀胱、高カロリー用カテーテル、胃ろう、経皮電極、外シャント、ブラッドアクセスに好適に利用できる。
また、上記の説明では、生体親和性セラミックスがリン酸カルシウムの場合について説明しているが、酸化チタンの場合でも上記と同様である。また、本実施の形態にかかる経皮端子は、生体内に挿入される医療用チューブを当該医療チューブの挿入位置で固定する経皮端子であって、上記医療用チューブを保持する基体の表面の少なくとも一部が、基材とリン酸カルシウムおよび酸化チタンの少なくとも一方とが化学結合してなる生体親和性セラミックス複合体で被覆されている構成であることがより好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例および比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
(ハイドロキシアパタイト焼結体の製造方法)
まず、本実施例にかかるハイドロキシアパタイト焼結体の製造方法についた説明する。
連続オイル相としてドデカン、非イオン性界面活性剤として曇天31℃のペンタエチレングリコールドデシルエーテルを用いて、上記非イオン性界面活性剤0.5gを含有している連続オイル層40mlを調整した。次に、上記調整した連続オイル層にCa(OH)分散水溶液(2.5モル%)を10ml添加した。そして、得られた分散液を十分に撹拌した後、その水/オイル(W/O)乳濁液に1.5モル%のKHPO溶液10mlを添加して、反応温度50℃で、24時間撹拌しながら反応させた。得られた反応物を遠心分離により分離することにより、ハイドロキシアパタイトを得た。そして、上記ハイドロキシアパタイトを800℃の条件で、1時間加熱することにより、ハイドロキシアパタイト焼結体の粒子(以下、HAp粒子と称する)を得た。このHAp粒子は、単結晶体であり、長径が300〜400nmであった。
(ハイドロキシアパタイト複合体粒子の製造方法)
まず、基材である繊維状のシルクフィブロイン(藤村製糸株式会社製、品名;羽二重、以下、SF繊維と称する)を、長軸方向の平均長さ100μm、短軸方向の平均長さ10μmに切断した。そして、得られたSF繊維(以下、cutSFと称する)をソックスレー抽出器で不揮発成分の抽出除去を行った。
次に、ソックスレー抽出済みのcutSF600mgをドクター試験管に入れた後、そこに、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)82mgを純水18mlに溶かしたもの、および、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(KBE503)1088μlをペンタエチレングリコールドデシルエーテル292μlに加えて十分に撹拌したものを添加した。そして、液体窒素にて凍結、脱気、解凍、窒素置換するという作業を2回繰り返した。
次に、反応溶液を、50℃の湯浴で、60分間加熱することにより反応を行なった。その後、反応溶液を、定性濾紙(保留粒子径5μm)を用いて濾過した。これにより、cutSFの表面にアルコキシシリル基が導入されたシルクフィブロイン繊維(濾滓)と、高分子化したKBEおよびシリル基がエステル化した分子(濾液)とを分離した。そして、さらに、高分子化したKBEを分離するために、cutSFの表面にアルコキシシリル基が導入されたシルクフィブロイン繊維をエタノール中で、1分間超音波(出力20kHz、35W)処理し、さらに2時間撹拌しながら洗浄した後、定性濾紙にて濾過した。その後、真空乾燥することにより、末端にアルコキシシリル基を有する高分子鎖をグラフト重合させたシルクフィブロイン繊維、すなわち、アルコキシシリル基導入シルクフィブロイン繊維(以下、KBE−cutSFと称する)を得た。また、このときの反応時間におけるアルコキシシリル基の導入率は、8.3重量%であった。なお、上記導入率は、未処理のcutSFの重量をAg、反応後のcutSFの重量(KBE−cutSF)をBgとして、下式(3)により求めた。
導入率(重量%)=((B−A)/A)×100 ・・・(3)
一方、溶媒(トルエン:メタノール=8.6:1)15mlに上記HAp粒子300mgを加え、20秒間超音波処理することで分散させた後、30分〜1時間静置した。
また、HAp粒子を静置している間に、30mlのエレンマイヤーに溶媒(トルエン:メタノール=8.6:1)15mlに、KBE−cutSF約300mgを分散させた。
そして、KBE−cutSFを分散させたエレンマイヤーに、パスツールピペットにて、上記HAp粒子を分散させた上澄み溶媒を静かに移した。その後、1分毎に、KBE−cutSFとHAp粒子とが混合した分散溶媒をスポイドにて静かにかき混ぜた。
そして、上記のかき混ぜ操作を10回繰り返した後、上記定性濾紙にてHAp粒子が吸着したKBE−cutSF(以下、KBE-cutSF-HApと称する)と吸着していないHAp粒子を分離した。具体的には、上澄みのHAp粒子を濾過し、その後に、沈殿したKBE-cutSF-HApを回収した。
その後、分離したKBE-cutSF-HApをエタノール中で、2時間撹拌・洗浄し、1分間超音波処理した後、上記定性濾紙にて濾過した。
そして、濾別したKBE-cutSF-HApを60℃で乾燥後、120℃、1mmHg 、2時間処理した。これにより、ハイドロキシアパタイト複合体粒子(KBE-cutSF-HAp)を合成した。なお、上記合成したハイドロキシアパタイト複合体粒子をFT−IR(拡散反射法)を用いて分析した結果、HAp粒子が基材に結合していることがわかった。
(細胞接着試験)
次に、上記ハイドロキシアパタイト複合体粒子(KBE-cutSF-HAp)の細胞接着試験を行った。これについて以下に説明する。
24マルチウェルディッシュに静置した上記KBE-cutSF-HApおよび未処理繊維(SF繊維)に対して、マウス線維芽細胞(L929)をそれぞれ1×10個/ウェルずつ播種した。そして、培養液としてα−MEM培地(10%牛血清、50IUペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、2.550μg/mlアンフォテリシンB入り)を用いて、一昼夜、培養を行った。
培養後、上記KBE-cutSF-HApおよび未処理繊維をリン酸緩衝液で十分に洗浄した後、細胞を固定した後、両者を走査型電子顕微鏡にて観察した。具体的には、KBE-cutSF-HApの場合を図11、未処理繊維の場合を図12に示す。この結果より、ハイドロキシアパタイト複合体の場合には、未処理繊維の場合と比較して、細胞接着性が著しく向上していることが分かる。
(経皮端子の製造方法)
以下に、ハイドロキシアパタイト複合体粒子(KBE-cutSF-HAp)を基体に被覆して、経皮端子を製造する方法について説明する。なお、シート状のハイドロキシアパタイト複合体を被覆して経皮端子を製造する方法については、単に基体にシート状のハイドロキシアパタイト複合体を貼り付けたのみであり、詳細な説明は省略する。
まず、基体の表面のうち、ハイドロキシアパタイト複合体粒子を被覆しない部分(被覆部以外)にはカバーテープを巻いておいた。
次に、シリコンラバーの基体におけるカテーテルが挿入される方向を軸として360rpmで回転させながら、シリコーン接着剤(GE東芝シリコーン株式会社製、非腐食性速乾性接着シール材、TSE-399)を基体に塗布した後、5600rpmで10秒間回転させることにより、余分な接着剤を取り除いた。
そして、上記接着剤が塗布された基体を360rpmで回転させながら、上記ハイドロキシアパタイト複合体粒子をまんべんなくつけ、その後、余分なハイドロキシアパタイト複合体粒子を取り去った。
その後、ハイドロキシアパタイト複合体粒子で被覆された基体を85℃で5分間乾燥させ、5分後に回転棒からはずした。そして、減圧下(133Pa(1mmHg))で120℃、2時間乾燥を行った。
次に、上記基体を純水に浸し、超音波(出力20kHz、35W)を3分間照射することにより、上記基体を洗浄した。さらに超音波照射終了後、純水中で基体を1時間攪拌して洗浄した後、乾燥させ、24時間放置することにより本発明かかる経皮端子を製造した。このようにして得られた経皮端子の走査型電子顕微鏡画像を示す図面を図13に示す。なお、カバーテープについては、ハイドロキシアパタイト複合体粒子を接着剤が塗布されている基体につけた後で取り除いた。
(実施例2)
上記リン酸カルシウム複合体の代わりに、上記ソックスレー抽出済みのcutSFを用いた以外は、上記実施例1と同様の操作により、表面にシルクフィブロインが被覆された経皮端子を製造した。
(実施例3)
上記実施例1と同様の操作により、鍔部と胴部とのすべてがリン酸カルシウム複合体で被覆されている経皮端子を製造した。この経皮端子を図20に示す。また、この経皮端子を医療用チューブに装着したものを図21に示す。
(動物埋植実験)
以下に、ハイドロキシアパタイト複合体で表面を被覆した経皮端子およびシルクフィブロインで表面を被覆した経皮端子を動物に埋植した場合の影響を調べた。具体的には、この経皮端子をラットおよびウサギに埋植した場合の影響を調べた。これについて以下に詳細に説明する。なお、以下の実験では、基体表面の全てをハイドロキシアパタイト複合体で被覆した経皮端子(実施例1)、および、基体表面の全てをシルクフィブロインで被覆した経皮端子(実施例2)を用いている。
上記の製造方法にて得られた、ハイドロキシアパタイト複合体で表面を被覆した経皮端子(実施例1)と、シルクフィブロインで表面を被覆した経皮端子(実施例2)と、被覆していない経皮端子(基体のみ)とをそれぞれ、オートクレープにて殺菌処理後、ラットに埋植し、経過を観察した。また、上記実施例1と実施例2との経皮端子をオートクレープにて殺菌処理後、それぞれウサギに埋植して経過を観察した。
ラットに8週間埋植した結果(基体のみの場合は2週間)を図14に示す。また、ウサギに3週間埋植した結果を図15に、10週間埋植した結果を図16に示す。なお、図14〜図16中、実施例1の経皮端子(a)、実施例2の経皮端子における実験結果を(b)、基体のみの経皮端子おける実験結果を(c)で示す。
図14(a)〜(c)から分かるように、KBE-cutSF-HApで表面を被覆した経皮端子(実施例1)の場合、および、シルクフィブロインで表面を被覆経皮端子(実施例2)の場合には、基材のみ(比較例)と比べて、密着性が向上していることがわかる。なお、上記基材のみの場合には、ラットに埋植してから2週間で脱離した。また、図15、図16に示すように、実施例1および実施例2の経皮端子は、皮膚組織に密着し、発赤、炎症等が観察されないことがわかる。
また、上記実施例3にかかる経皮端子を備えたカテーテル(医療用チューブ)についても上記と同様にして、ウサギに埋植した。ウサギに6ヶ月埋殖した場合におけるウサギ皮膚表面像画像を図22に示す。この結果より、上記経皮端子が生体組織と密着しており、炎症等が見られないことが分かる。
(細胞接着試験2)
以下に、ハイドロキシアパタイト複合体とシルクフィブロインとの細胞接着試験について説明する。
24マルチウェルディッシュに静置したハイドロキシアパタイト複合体(KBE-cutSF-HAp)およびシルクフィブロイン(SF繊維)に対して、マウス線維芽細胞(L929)をそれぞれ1×10個/ウェルずつ播種した。そして、培養液として10%FCSを用いて、48時間培養を行った。
その後、上記培養液を捨てた後、PBS1mlを注入し捨てた。そして、1%のグルタールアルデヒド1mlを注入した。その後、ベークライトで固定した後、接着性細胞(L929細胞)とSFおよびSF-HAp複合体との接着部分を切断し、その切断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したものを評価した。その結果を図18、図19に示す。この結果、ハイドロキシアパタイト複合体の場合、図18に示すように、多くの箇所でHApが直接SF表面とL929細胞とにくいこんで接している(アンカリング効果がみられる)。一方、SF繊維とL929細胞とは、図19に示すように接着しるが、一定の間隔で乖離が見られた。従って、ハイドロキシアパタイト複合体のほうが、SF繊維よりも強固に細胞と接着していることが分かる。つまり、ハイドロキシアパタイト複合体を有する経皮端子の場合、シルクフィブロインのみが基体表面に被覆している経皮端子よりも、より強固に細胞に接着することができる。
本発明にかかる経皮端子は、生体内に長期間に渡り埋植する医療用カテーテルを固定する経皮端子として好適に利用できる。
鍔部が皮下組織と皮膚との間に来るように経皮端子を埋植している様子を示す断面図である。 本実施の形態にかかる経皮端子を構成する基材の形状を示す斜視図である。 本実施の形態にかかる経皮端子を構成する基材の他の形状を示す上面図(a)および正面図(b)である。 本実施の形態にかかる経皮端子を構成する基材のさらに他の形状を示す上面図(a)および正面図(b)である。 鍔部のみがリン酸カルシウム複合体で被覆されている経皮端子を示す図面である。 鍔部と胴部の一部とがリン酸カルシウム複合体で被覆されている経皮端子を示す図面である。 鍔部の領域を超えて、リン酸カルシウム複合体が被覆されている経皮端子を示す図面である。 鍔部が皮下組織に配置されるように経皮端子を埋植している様子を示す断面図である。 鍔部が皮下組織と皮膚との間に来るように経皮端子を埋植している他の様子を示す断面図である。 鍔部が皮下組織に配置されるように経皮端子を埋植している他の様子を示す断面図である。 実施例1のリン酸カルシウム複合体を用いて細胞接着試験を行った結果を示す走査型電子顕微鏡画像を示す図面である。 リン酸カルシウム焼結体を結合させていない基材のみを用いて細胞接着試験を行った結果を示す走査型電子顕微鏡画像を示す図面である。 経皮端子の走査型電子顕微鏡画像を示す図面である。 実施例1の経皮端子(a)と実施例2の経皮端子(b)とリン酸カルシウム焼結体を結合させていない基体(c)とをそれぞれラットに埋植させた場合における画像を示す図面である。 実施例1および実施例2の経皮端子をウサギに3週間埋植した場合における画像を示す図面である。 実施例1および実施例2の経皮端子をウサギに10週間埋植した場合における画像を示す図面である。 肺高血圧症治療におけるプロスタサイクリン在宅持続静注療法用長期留置型中心静脈カテーテルを固定する場合における経皮端子の生体内への取り付け位置を示す図面である。 ハイドロキシアパタイト複合体を用いて細胞接着試験2を行った結果を示す走査型電子顕微鏡画像を示す図面である。 シルクフィブロインを用いて細胞接着試験2を行った結果を示す走査型電子顕微鏡画像を示す図面である。 鍔部と胴部すべてがリン酸カルシウム複合体で被覆されている経皮端子を示す図面である。 実施例3の経皮端子が備えられた医療用チューブを示す図面である。 実施例3の経皮端子をウサギに6ヶ月間埋植した場合における画像を示す図面である。 (a)は鍔部に穴部が形成された経皮端子の概略構成を示す上面図であり、(b)は側面図である。 (a)はムササビ型経皮端子の概略構成を示す上面図であり、(b)は側面図である。 (a)はスペースシャトル型経皮端子の概略構成を示す上面図であり、(b)は側面図である。 鍔部が皮下組織に配置されるように経皮端子を埋植しているさらに他の様子を示す断面図である。
符号の説明
1 経皮端子
10 胴部
20 鍔部
30 穴部

Claims (12)

  1. 生体内に挿入される医療用チューブを当該医療チューブの挿入位置で固定する経皮端子であって、
    上記医療用チューブを保持する基体の表面の少なくとも一部が、基材と生体親和性セラミックスとが化学結合してなる生体親和性セラミックス複合体で被覆されていることを特徴とする経皮端子。
  2. 上記基体には、上記医療用チューブの挿入方向に対する当該基体の移動を抑制する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の経皮端子。
  3. 上記鍔部には、穴部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の経皮端子。
  4. 上記鍔部が、上記基体の一端から他端までの間に設けられているとともに、上記一端から鍔部を含む領域のみが、上記生体親和性セラミックス複合体で被覆されていることを特徴とする請求項2記載の経皮端子。
  5. 上記鍔部は、医療用チューブの挿入方向に対して所定の角度を有するように設けられていることを特徴とする請求項2記載の経皮端子。
  6. 上記基体の少なくとも一部が、多数の粒子状の生体親和性セラミックス複合体で被覆されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮端子。
  7. 上記医療用チューブと一体化されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮端子。
  8. 上記生体親和性セラミックスがリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の経皮端子
  9. 上記リン酸カルシウム複合体は、長軸方向の長さが1μm〜1cmの範囲内であり、短軸方向の長さが1nm〜1mmの範囲内である柱状または球状の形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の経皮端子。
  10. 上記基材がシルクフィブロインであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の経皮端子。
  11. 生体内に挿入される医療用チューブを当該医療チューブの挿入位置で固定する経皮端子であって、
    上記医療用チューブを保持する基体の表面の少なくとも一部が、シルクフィブロインで被覆されていることを特徴とする経皮端子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の経皮端子を備えることを特徴とする医療用チューブ。
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