JP2005337469A - 油井管用ネジ継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コストの増加が小さく適用範囲が狭まることなく、従来の限度を超える限界トルク値が得られる油井管用ネジ継手を提供する。
【解決手段】 ネジ結合される雄側のピン1と雌側のカップリング2とからなり、これらの双方が互いに対応する部位に、ネジ部3と、該ネジ部の先端側に順次連なるシール部4および該シール部端のショルダー部5Aとを有する油井管用ネジ継手において、前記ショルダー部のみに該ショルダー部の摩擦係数を前記ネジ部および前記シール部よりも高くするエラストマー等の皮膜もしくは潤滑材7を施したもの。
【選択図】 図1
【解決手段】 ネジ結合される雄側のピン1と雌側のカップリング2とからなり、これらの双方が互いに対応する部位に、ネジ部3と、該ネジ部の先端側に順次連なるシール部4および該シール部端のショルダー部5Aとを有する油井管用ネジ継手において、前記ショルダー部のみに該ショルダー部の摩擦係数を前記ネジ部および前記シール部よりも高くするエラストマー等の皮膜もしくは潤滑材7を施したもの。
【選択図】 図1
Description
本発明は、油井管用ネジ継手に係わり、特に、高い締め付けトルクが作用しても、耐流体漏れ性能を維持可能な油井管用ネジ継手に関する。ここで、油井管とは、油井あるいはガス井に使用される管を意味する。
近年、油井あるいはガス井は、掘削費用削減、生産性向上等のため井戸の底部を斜めあるいは水平に掘るものが増加している。この際、井戸底部のケーシングとしてライナーと呼ばれる保護用管材を回転させながら押し込むことがある。この回転力は井戸上部から伝達されるが、この場合、途中の管材の継手部分も、回転に伴うトルクを受けることとなる。この途中の管材の継手部分として、雄ネジを設けたピンと、該雄ネジに螺合させる雌ネジを設けたカップリングとで構成され、先端部分にメタル-メタルシール部を有するネジ継手(以下、特殊ネジともいう。)がよく用いられている。
一般に、特殊ネジを締め付けていくと、締め付けの回転数とトルクの関係は図3に示すようになる。すなわち、初めにA点で、ネジ部の干渉が始まるとともにトルクが上昇し始める。次にB点で、メタル-メタルシール部(以下、単にシール部という。)の干渉が始まってトルクの上昇率(1ターン当たりのトルクの上昇量)が増加する。さらにC点で、ショルダー部と呼ばれる部分が干渉し始めるが、この干渉とともにトルクは急激に増加を始める。そしてトルクが所定の最終締め付け目標トルクに到達したときに、締め付けを停止する。
このとき、最終の締め付け時のトルクが高すぎると(正確にはショルダー部に作用するトルクが高すぎると)、例えば図4に示すように、カップリング2および/またはピン1の該当ショルダー部5が塑性変形し始める。それに伴い、シール部4は本来の形状を保たなくなり、シール性能の維持ができなくなる。
ショルダー部が上記のように塑性変形しはじめるとき(図3のD点)のトルク値を限界トルク値という。この限界トルク値が高いほど最終締め付け目標トルクを大きく設定することができるからシール性は良好である。この限界トルク値を高める方法として、例えば図5に示すスウェージタイプ特殊ネジのように、ショルダー部の厚みを大きくする方法が知られている。
しかし、ショルダー部の厚みを大きくするためには、ネジ加工の前に当該ネジ加工される管の先端のみを縮径する必要がある。この縮径を行うためには工程を付加する必要があるので、コストが大きく増加する問題があった。また、前記縮径を行うと必然的にショルダー部の内径が小さくなるので、ネジ継手に内挿される管あるいはツール類の外径を縮小せざるを得なくなり、ネジ継手の適用範囲が狭まる問題があった。また、ショルダー部の内径は、API規定のドリフトのための限度未満には小さくできないから、トルク上昇に限度があるという問題もあった。
本発明は、上記問題を解決し、コストの増加が小さく適用範囲が狭まることなく、従来の限度を超える限界トルク値が得られる油井管用ネジ継手を提供することを目的とする。
本発明は、ネジ結合される雄側のピンと雌側のカップリングとからなり、これらの双方が互いに対応する部位に、ネジ部と、該ネジ部の先端側に順次連なるシール部および該シール部端のショルダー部とを有する油井管用ネジ継手において、前記ショルダー部のみに該ショルダー部の摩擦係数を前記ネジ部および前記シール部よりも高くする皮膜もしくは潤滑材を施したことを特徴とする油井管用ネジ継手である。
本発明では、さらに前記シール部端のショルダー部とは異なる1または2以上の位置にショルダー部を有し、前記シール部端のショルダー部あるいはさらにこれとは異なる1または2以上の位置のショルダー部のいずれか1または2以上のみに前記皮膜もしくは潤滑材を施したものであってもよい。
本発明では、前記ネジ部および前記シール部の潤滑に用いるコンパウンドあるいは潤滑材を溜まらせるコンパウンド溜まりを設けたものが好ましい。
本発明によれば、ショルダー部の内径を縮小せずに限界トルク値を上昇させることができるから、コストの増加が小さく適用範囲の狭まりもなく、従来の限度を超える限界トルク値が得られる。
本発明のネジ継手は、上述の特殊ネジに類する。特殊ネジでは、これを締め付けていったときのトルクは、ネジの変形に伴うピンとカップリングの接触抵抗と摩擦係数の積に比例する。したがって、摩擦係数を高くすれば、同じ変形量でも高いトルクが発生することになる。
油井管の締め付け時には、ネジのかじり防止等のため、一般に、API(米国石油協会)のAPI 5A2に規定された性能を有するコンパウンドが塗布されるが、このコンパウンドの摩擦係数は凡そ0.05である。これ以外のコンパウンドが使用される場合もあるが、多くのコンパウンドは0.05×(0.8〜1.2)程度の範囲内の摩擦係数を有する。さらに近年ではコンパウンドとは異なる成分系の潤滑材も開発されているが、それらの摩擦係数は概ねコンパウンドのそれと同じ範囲に入る。
特殊ネジの締め付けは苛酷な締め付けであり、特にシール部は高い面圧にさらされるため、上記コンパウンドもしくは潤滑材を使用することが必要不可欠である。
ネジ部は、シール部に比べると理想状態でははるかに面圧は小さいが、実際の製造では、ピンとカップリング相互のリード、テーパといった寸法の違いにより、局所的な応力集中が生じ、締め付け時のゴーリング発生の可能性は否定できない。したがって、シール部同様、上記コンパウンドもしくは潤滑材を使用することが必要不可欠である。
一方、ショルダー部は、接触面積はシール部に比べてはるかに大きく、かつ一般的にシール部と同等の加工精度を有するため、接触応力は他の部位に比べ、実質的に小さいという特徴がある。
本発明は、この特徴をもたらす条件を勘案してなされたもので、シール部およびネジ部には従来どおりのコンパウンドもしくは潤滑材を適用し、ショルダー部のみに摩擦係数を高くする皮膜もしくは潤滑材を施すようにしたものである。ショルダー部は他の部位に比べ、実質的に耐ゴーリング性が良いため、摩擦係数を高くしても問題ないのである。
摩擦係数を高くする皮膜もしくは潤滑材の施工には、エラストマー(摩擦係数:0.1〜0.2程度)等の高粘性物質の薄膜を、塗布あるいは貼付等にて付着させ、またはこれと同程度に高い摩擦係数の潤滑材を塗布するとよい。
ところで、特殊ネジでは、シール部端のショルダー部のほかにこれとは異なる1または2以上の位置に設けられる場合がある。例えば図2には、シール部4端のショルダー部5A以外に、これとは異なるネジ部3の先端、中間、基端の位置にショルダー部5B、5C、5Dがそれぞれ設けられた例を示した。このような場合における摩擦係数を高くする皮膜もしくは潤滑材の施工対象は、シール端のショルダー部5Aのみとしてもよいが、必要に応じてこれ以外のショルダー部のいずれか1つまたは2つ以上を同施工対象に加えるのが好ましい。
また、特殊ネジの形状によっては、締め付け時に、シール部およびネジ部に塗布した従来のコンパウンドあるいは潤滑材が、摩擦係数を高くする皮膜もしくは潤滑材を施したショルダー部に流入し、ショルダー部の摩擦係数が低下して限界トルク値が十分上昇しなくなる場合がある。このような場合には、例えば図1に示すように、ネジ部3とシール部4の潤滑に用いるコンパウンド(あるいは潤滑材)を溜まらせるコンパウンド溜まり6を設けるとよい。これにより、締め付け時のネジ部の干渉やシール部の干渉によって押し出されたコンパウンド(あるいは潤滑材)は、通過抵抗が他の部位に比べて小さいコンパウンド溜まり6に優先的に溜まるので、これがショルダー部5A(あるいは5B)へ流入するのを有効に防止することができる。このコンパウンド溜まりを設ける位置は、図1ではネジ部3とシール部4との間の位置としているが、これに限らず、シール性が損なわれない限りにおいて、ネジ部からシール部にかけての範囲内の何処であってもよく、またその個数も特に限定されない。
なお、図1では、シール部端のショルダー部5Aにエラストマーを適用した例を示した。
材質、寸法形状(外径4.5インチ)が同一の特殊ネジ継手のうちから無作為に2本を抽出した。このネジ継手では、シール部端にのみショルダー部を有する。前記抽出した2本のうちの1本を、ネジ部、シール部、シール部端のショルダー部にAPI 5A2相当のコンパウンド(摩擦係数0.05)45グラムをネジ山形状が見える程度の均一厚さに塗布して比較例とし、もう1本を、ネジ部、シール部に同上のコンパウンドを同様に塗布し、シール部端のショルダー部にはエラストマー(摩擦係数0.10)を均一厚さに塗布して実施例とした。なお、コンパウンドおよびエラストマーの塗布はピンに対して行った。
比較例および実施例のネジ継手について、締め付け試験を行い、限界トルク値を測定した。その結果、限界トルク値は、比較例を100とした相対値でみて、実施例では150と比較例よりも向上した。
本発明は、油井管を用いて石油、天然ガス等の地下資源を採掘する産業に利用することができる。
1 ピン
2 カップリング
3 ネジ部
4 シール部
5,5A,5B,5C,5D ショルダー部
6 コンパウンド溜まり
7 摩擦係数を高くする皮膜もしくは潤滑材
2 カップリング
3 ネジ部
4 シール部
5,5A,5B,5C,5D ショルダー部
6 コンパウンド溜まり
7 摩擦係数を高くする皮膜もしくは潤滑材
Claims (3)
- ネジ結合される雄側のピンと雌側のカップリングとからなり、これらの双方が互いに対応する部位に、ネジ部と、該ネジ部の先端側に順次連なるシール部および該シール部端のショルダー部とを有する油井管用ネジ継手において、前記ショルダー部のみに該ショルダー部の摩擦係数を前記ネジ部および前記シール部よりも高くする皮膜もしくは潤滑材を施したことを特徴とする油井管用ネジ継手。
- さらに前記シール部端のショルダー部とは異なる1または2以上の位置にショルダー部を有し、前記シール部端のショルダー部あるいはさらにこれとは異なる1または2以上の位置のショルダー部のいずれか1または2以上のみに前記皮膜もしくは潤滑材を施したことを特徴とする請求項1記載の油井管用ネジ継手。
- 前記ネジ部および前記シール部の潤滑に用いるコンパウンドあるいは潤滑材を溜まらせるコンパウンド溜まりを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の油井管用ネジ継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004160750A JP2005337469A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | 油井管用ネジ継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004160750A JP2005337469A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | 油井管用ネジ継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=35491255
Family Applications (1)
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2004
- 2004-05-31 JP JP2004160750A patent/JP2005337469A/ja active Pending
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