JP2005337224A - エンジン始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動操作が容易である現場ではリコイルロープの引き操作だけで容易にエンジンの始動ができ、エンジンの始動操作が困難な現場ではエンジンを停止させた状態でワンタッチ始動を可能にしたエンジン始動装置を提供する。
【解決手段】駆動部(D) と従動部(M) との間の動力伝達系に緩衝・蓄力手段(9,10,11) が介装して、ロープ(6) の引き操作により自動的にエンジンを始動させるエンジン始動装置(1) の前記従動部(M) に、エンジンの始動時期を任意に選択できる始動時期選択手段(13,15,16)を配している。更に、前記従動部(M) は前記緩衝・蓄力手段(9,10,11) の蓄力がエンジンを始動させるに必要な所要量に達すると、リコイル操作によるそれ以上の蓄力を不能にするとともに、蓄力が所要量に達したことを認識する報知信号を発するトルクリミッタ手段(9,8,10;10,82,83,84)を更に有していることが望ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃エンジンの始動装置に関し、詳しくはリコイルロープの弱い引き力をもって滑らかに始動できるエンジン始動装置にあって、特にリコイルロープの引き操作が困難な場所においても安全かつ確実にエンジンを始動させることのできる始動装置に関する。
手動による内燃エンジンの始動装置は、通常、リコイルロープを引くことによってロープリールを回転させ、このロープリールの回転をエンジンのクランク軸に伝達してエンジンの始動を行っているが、この種のエンジン始動装置は、リコイルロープの引き速度をある程度高くして引く必要があるばかりでなく、引き長さも長い。そのため、高年齢の人や力の弱い人には、容易に内燃エンジンを始動することができないことが多い。そこで、リコイルロープの引き力が小さい人でも容易に内燃エンジンを始動させることのできるエンジン始動装置が、例えば実開平1−91075号公報(特許文献1)や、特公昭52−23025号公報(特許文献2)、特開2001−132591号公報(特許文献3)、特開2001−65435号公報(特許文献4)などにより提案されている。
このうち特許文献1のエンジン始動装置によれば、同軸線上に配された、リコイルロープを巻き回したリコイルドラムと、同リコイルロープを前記リコイルドラムに巻き回す方向に付勢する第1のゼンマイと、前記リコイルドラムに形成された第1ラチェットと、エンジンのクランク軸に設けられた第2ラチェット爪とエンジン始動方向と回転時に係合する第2ラチェットと、同第2ラチェットに連結され同ラチェットをエンジン始動方向に回転させるバネ力を蓄積する第2ゼンマイと、前記第2ラチェットに設けられ且つ前記第1ラチェットに係合して前記リコイルドラムの回転を前記第2ラチェットを介して前記第2ゼンマイに伝達し同ゼンマイにバネ力を蓄積させる第1ラチェット爪と、前記第2ラチェットに離脱可能に係合して前記第2ゼンマイのバネ力による第2ラチェットの回転を阻止するストッパ部材とを有している。
この始動装置によりエンジンを始動させるには、予めストッパ部材を第2ラチェットに係合させておき、リコイルロープを適当回数引っ張ってリコイルドラムを回転させて第2ゼンマイに十分なバネ力を蓄積させておき、エンジン始動時にストッパ部材と第2ラチェットとの係合を外すと、第2ゼンマイのバネ力によりクランク軸を回転させエンジンを始動させる。第2ゼンマイにバネ力を蓄積するときは、ゼンマイを回転させるだけでエンジンからの負荷がかからないため、リコイルロープの引き力は小さくて済み、力の弱い人でも容易にリコイルロープの引き操作を行うことができ且つ必要時に確実にエンジンを始動させることができる。
一方、上記特許文献2及び3のエンジン始動装置は、特許文献1の前記エンジン始動装置からストッパ部材を排除するとともに、第2ゼンマイに蓄積されるバネ力がエンジンの圧縮行程における最大負荷を越えるまでは第2ゼンマイのバネ力が開放されず、第2ゼンマイのバネ力がエンジンの圧縮行程における最大負荷を越えた瞬間にバネ力が開放されてクランクを回転させるようにして、エンジンを自動的に始動させる。
また、上記特許文献4のエンジン始動装置は、ゼンマイ蓄力機構と、ゼンマイ蓄力機構に回転力を蓄力させる手動のロープリールと、ゼンマイ蓄力機構の出力側の回転を阻止して蓄力された回転力を所定のトルクまで保持するストッパを有するリセットレバーと、ストッパが解除されたとき蓄力された回転力を内燃エンジンのクランク軸に伝達する伝達機構とを備えている。なお、リセットレバーは、手動でストップ位置からフリー位置へと切換え可能とされ、上記特許文献3と同様の操作でエンジンを自動的に始動させることもできるとしている。すなわち、このエンジン始動装置によれば、定常はリセットレバーをフリー位置にしない限り、ストッパはストップ位置にあり、ゼンマイ蓄力機構の出力側の回転を阻止している。この状態で、数回リコイルロープを引いて、ゼンマイ蓄力機構にエンジンを始動させるに十分な蓄力を貯えさせ、十分な蓄力が貯えられると、同時にリセットレバーが自動的にフリー位置に移動してエンジンを始動させるというものであって、力の弱い人でも容易にエンジンを作動させることができるというにある。
実開平1−91075号公報 特公昭52−23025号公報 特開2001−132591号公報 特開2001−65435号公報
ところで、上記特許文献1のエンジン始動装置によれば、ストッパ部材を第2ラチェットに係合させていないときにリコイルロープを引っ張っても、第2ラチェットがリコイルドラム及び第2ゼンマイの外側端部を固定するケースと一緒に共回りするため、第2ゼンマイにはバネ力が蓄積されず、エンジンを始動させることができない。従って、このエンジン始動装置によりエンジンを始動させるためには、予めストッパ部材を第2ラチェットに係合させておく必要がある。しかも、この始動装置によればリコイルロープの引き操作を複数回行わないかぎり所要のバネ力が蓄積されないため、通常の力をもつ操作者にとっては始動に手間がかかり到底馴染むことができない。
一方、上記特許文献2及び3のエンジン始動装置では、単にリコイルロープを引っ張るだけで自動的にエンジンの始動ができるため、作業空間が広く安定した作業現場であれば作業効率が向上する。しかしながら、例えばこのエンジン始動装置を搭載したチェーンソーを使って樹木の枝打ちなどを行おうとする場合には、必然的に高所で且つ足場の悪い不安定な作業現場が多く、さらには周辺には他の枝葉が張り出しており、自由な操作が困難な狭い空間における作業とならざるを得ない。こうした高所で且つ足場が確保しにくいような作業現場では、通常、エンジンを停止させたまま現場まで行き、そこでリコイルロープを大きく引いてエンジンを始動させる。このとき、周りの枝葉などが邪魔をして或いは足場が固まらずリコイルロープの引き操作が上手く行えない場合が多い。
また、エンジンを背負って作業を行う背負い式の例えば刈り払い機などにも上記特許文献2及び3に開示されたエンジン始動装置が搭載される。この背負い式の刈り払い機は、エンジンと長尺な操作管とが可撓性パイプで連結されており、同可撓性パイプには可撓軸が挿通されて前記操作管に挿通された伝達軸と結合し、同伝達軸の回転により同操作管の先端に取り付けられた回転刃を回転させるようにしている。また、前記エンジンと操作管の連結端部との間には、前記可撓性パイプの他にも複数本のワイヤーやリード線などが介装されている。このような背負い式の刈り払い機のエンジンを始動させるには、例えば左手に長尺な操作管を握り、右手にて上記リコイルロープの引き操作を行う。このときの引き操作は、エンジンを背中に背負っているため、リコイルロープの操作ハンドルを手前から前方へと引くことになる。この操作はリコイルロープを手前に引く場合と較べると、極めて操作がしにくいだけでなく極めて大きな引き力が必要になる。このエンジン始動操作の最中も、左手で長尺な操作管の手前側端部を握った不安定な状態で、周辺に注意をしながら先端の回転刃を空中に保持させておかなければならない。
一方、上記特許文献4に開示されたエンジン始動装置によれば、ストッパがかかった状態では、リコイルロープを引いて緩衝・蓄力手段にエンジンの始動に十分な蓄力がなされる段階で、リセットレバーが自動的に移動してストッパが外れ、エンジンを自動的に始動させてしまう。そのため、この装置にあってもエンジンの始動時期を任意に選択することは不可能である。また、リセットレバーをフリー位置に移動させて、エンジンを始動させるには、従来と同様にリコイルロープを大きく且つ素早く引かなければならない。従って、リコイルロープを大きく且つ素早く引くことができない上述のような高所や周辺の操作空間が狭い作業現場にあっては、予め緩衝・蓄力手段に所要の蓄力を貯えておくことができないため、その現場においてリコイルロープを何回に分けて引いてエンジンを始動させなければならない。この引き操作も不可能な場合には、手作業による作業となり、極めて非効率な作業となる。
本発明は、上記従来の手動式エンジン始動装置がもつ様々な課題を同時に解消すべくなされたものであり、その具体的な目的はエンジンの始動操作が容易である現場ではリコイルロープの引き操作だけで容易にエンジンの始動ができ、エンジンの始動操作が困難な現場ではエンジンを停止させた状態でワンタッチ始動を可能にしたエンジン始動装置を提供することにある。
かかる目的は、本発明の基本構成である、リコイリング機構を有する駆動部と従動部との間の動力伝達系に緩衝・蓄力手段が介装されるとともに、従動部とエンジンとの間が自動断接手段を介して連結され、前記駆動部の動力を前記従動部との間に配された前記緩衝・蓄力手段に蓄力し、同緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンの最大負荷を越えたとき、その蓄力が全面的に開放されて前記従動部を自動的に回転させてエンジンを始動させるエンジン始動装置において、前記従動部には、エンジンの始動時期を任意に選択できる始動時期選択手段が配され、前記従動部を自動的に回転させてエンジンを始動させる第1始動モードとエンジンの始動時期を任意に選択できる第2始動モードとが任意に切り換え可能にされてなることを特徴とするエンジン始動装置によって効果的に達成される。
前記始動時期選択手段は、前記緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンを始動させるに必要な所要量に達すると、リコイル操作によるそれ以上の蓄力を不能にするとともに、蓄力が所要量に達したことを知らせる報知信号を発するトルクリミッタ手段を更に備えていることが好ましい。
前記自動断接手段は、前記従動部を前記緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンの最大負荷を越えるまでは停止し、前記蓄力がエンジンの最大負荷を越えるとエンジンの回転を始動させ、エンジンが所定の回転速度に達するとエンジンとの連結が自動的に切り離される断接機構を備えている。また、前記始動時期選択手段は、前記従動部の停止/回転の切換えを行う切換部材と、同切換部材の切換操作により前記従動部と係脱する係脱部材とを有している。この切換部材と前記係脱部材とがリンク又は弾性手段を介して連結されていることが好ましい。
好ましい態様によれば、前記従動部がラチェットを有する回転部材から構成され、前記係脱部材が前記ラチェットと係脱する係脱爪を有し、前記切換部材がエンジン始動装置のケース表面に配されたスライド式切換部材であり、同スライド式切換部材のスライド操作により前記係脱爪を前記ラチェットに係脱させる。また、他の好ましい態様によれば、前記従動部がラチェットを有する回転部材から構成され、前記係脱部材が前記ラチェットと係脱する係脱爪を有し、前記切換部材がエンジン始動装置のケース表面に配されたプッシュ式切換部材であり、同プッシュ式切換部材の押圧操作により前記係脱爪を前記ラチェットに係脱させる。
作用効果
エンジンの始動現場が広く、安全にリコイルロープの引き操作ができる場合には始動時期選択手段の自動始動側を選択して、従来と同様にリコイルロープを大きく引き緩衝・蓄力手段の蓄力を利用して直接エンジンを始動させることができる。一方、例えば樹木の上のような高所の作業では、始動時期選択手段のエンジン停止状態を維持しつつ緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯える側へと切り換えて、地上の操作がしやすい広い場所でリコイルロープを引いて、緩衝・蓄力手段に予め必要な蓄力を貯えておく。この状態で、現場へと行き、そこで前記始動時期選択手段をエンジン始動側へと切り換える。この切替えにより緩衝・蓄力手段に貯えられた蓄力が全面的に開放され従動部を介して自動的にエンジンを始動させる。
このように、本発明によれば始動時期選択手段によってエンジンの始動時期を任意に選択するようにできるため、エンジンの始動操作のしやすい場所では、始動時期選択手段をリコイルロープの引き操作によって直接エンジンが始動できる側へと切換操作を行って、その場でリコイルロープを引いてエンジンを始動させる。この場合には、リコイルロープを素早く大きく引けばエンジンは自動的に始動する。一方、力の弱い高齢者などが作業を行おうとするときや、リコイルロープの引きにくい場所でエンジンを始動させなければならないようなときは、緩衝・蓄力手段の蓄力が貯えられ、任意の時期にエンジンを1発始動できる始動時期選択手段を作動状態におく。仮に力が弱い人であっても何回かに別けてリコイルロープを引けば、確実にエンジンの始動に必要な蓄力を緩衝・蓄力手段に貯えることができ、またエンジンを作動させるに十分な蓄力が貯えられたとき、始動時期選択手段を、例えばエンジン始動側に切り換えるだけの簡単な操作で、瞬時にエンジンを始動させることができる。
前記始動時期選択手段に、上述のごとくトルクリミッタ手段を更に備えさせておけば、特にエンジンの始動時期選択手段が、エンジン停止状態を維持しつつ緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯えるロック側へと切り換えられて作動状態にある場合、予め地上の操作がしやすい広い場所でリコイルロープを引き、緩衝・蓄力手段にエンジンを始動させるに十分な所要の蓄力を予め貯えておくときにも、始動時期選択手段の選択をアンロック側、すなわちエンジンの始動側へと切り換えるに必要十分な蓄力がなされているかどうかを容易に知ることができる。このようなトルクリミッタ手段を備えていない場合には、蓄力が限界になるまでリコイルロープを何度も引き、或いは蓄力がエンジンを始動させるには不十分なままでロックを解除しかねない。しかるに、上述のごとくトルクリミッタ手段を備えさせることにより、緩衝・蓄力手段にエンジンの始動に必要な蓄力が貯えられたか否かを目視又は信号音により容易に確認することができるようになるため、リコイルロープの引き操作を余分に行ったり、あるいは不十分な引き操作となることがなくなり、蓄力が十分になされたことを確認した上で、始動時期選択手段をアンロック側に切り換えて、エンジンを確実に且つ瞬時に始動させることができる。
一方、前記自動断接手段としては、例えばエンジンの高速回転を利用して従動部と係脱する係合爪とクラッチや係脱孔などとから構成される自動断接機構を採用すると、前記従動部は前記緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンの最大負荷を越えるまでは前記断接機構を介してエンジン側と連結して、その回転を停止しており、前記蓄力がエンジンの最大負荷を越えると、その蓄力の開放により従動部と前記断接機構との連結を保持した状態で回転しエンジンを始動させる。ここで、エンジンが所要の回転速度に達すると、その高速回転により従動部と前記断接機構との接続が自動的に切れてエンジンの作動が持続される。
前記始動時期選択手段が切換操作部材と従動部に対する係脱部材とを含んでいる場合、前記切換部材を操作することにより、前記係脱部材を従動部に係脱させて同従動部のロック/アンロックの切換えができる。この係脱操作により任意に従動部の停止/回転、すなわちエンジンの停止と始動とを選択できる。また、前記切換部材及び係脱部材とをリンク又は弾性手段を介して連結するようにすれば、従動部の停止/回転の切換操作が確実になされるようになる。ここで、前記従動部をラチェットを有する回転部材から構成し、前記係脱部材を前記ラチェットと係脱する係脱爪により構成するときは、前記切換部材としてエンジン始動装置のケース表面に配されたスライド式又はプッシュ式切換部材を採用することができ、それらの切換部材をスライドさせ又は押圧するだけで、前記係脱爪を容易に且つ確実にラチェットに係合させ又はラチェットから離脱させて、従動部を確実に停止又は回転させることができる。
発明を実施するための好適な形態
以下、本発明に係るエンジン始動装置の好ましい実施形態を図面に基づき具体的に説明する。なお、本実施形態ではチェーンソーに適用される小型の空冷式内燃エンジンの始動装置を例示しているが、例えば刈払い機や回転式鋸などの同様のエンジン始動装置として適用が可能である。
図1は本発明に係るエンジン始動装置を搭載した小型エンジンの内部構造の一例を示す断面図、図2は同エンジン始動装置のケース体内部に配される構成部材の分解斜視図、図3は同内部構造の組付け時における部材配置を示す斜視図、図4は同始動時期選択手段の係合状態を示す内部構造図、図5は同始動装置における始動時期選択手段の離脱状態を示す内部構造図である。
本実施形態による小型エンジン100は、図1及び図2に示すように、本発明のエンジン始動装置1と、同始動装置1の従動部側のラチェットホイール8と、同ラチェットホイール8と自動的に係脱するクランク軸101と、同クランク軸101に固設されたファン102と、前記クランク軸101に連結されたエンジン本体103と、同エンジン本体103に連結された出力軸104と、これらの機器を内蔵するエンジンケース105と、同ケース105の上面にあって前後に架設されるとともに左側面に上下方向に架設された操作ハンドル106とを備えている。この操作ハンドル106にはスロットルレバー106aなどが装着されている。
エンジン始動装置1は、図2及び図3に示すように、小型エンジン100のクランク軸101と軸線をほぼ一致させて、同クランク軸101の一端部に近接して配される。このエンジン始動装置1は、図2に示すとおりケース体2に収容設置される。このケース体2には、第1のボス部21がクランク軸側に向けて突設されている。この第1ボス部21には、以下に述べる各エンジン始動部材が順次組付けられて止めネジ3によってケース体2に固設される。
前記エンジン始動装置1は駆動部Dと従動部Mとを備えている。前記駆動部Dは、前記ケース体2の内面に一端が当接するリコイル用ゼンマイ4と、栗断面と同様の形状をもち中央部に円形孔51が形成され、前記ゼンマイ4をケース体2の内面に当接状態で位置決め固定するゼンマイケース5と、一端にハンドル61を有するリコイルロープ6と、同リコイルロープ6の他端を巻回し周面上に固定して前記リコイルロープ6を巻き回すリコイル用リール7とを備えている。一方の従動部Mは、径の異なる2つのラチェット部8a,8bが同軸線上に一体化して配されたラチェットホイール8を備えている。前記駆動部Dと従動部Mとの間には本実施形態における緩衝・蓄力手段が介装される。この緩衝・蓄力手段は、前記リコイル用リール7に係合して一方向に回転するスプリング端位置決め用ラチェットホイール9と、同スプリング端位置決め用ラチェットホイール9に一端が固定される蓄力用コイルスプリング10と、同コイルスプリング10の他端を係着固定するスプリング端固定部材11とを備えている。
また本実施形態によれば、本発明の最も特徴的構成である、緩衝・蓄力手段に予め必要十分な蓄力を貯えておき、エンジンの始動時期を任意に選択できる始動時期選択手段を備えている。この始動時期選択手段は、エンジンの始動現場が広く、安全に且つ確実にリコイルロープ6の引き操作ができる場所では始動時期選択手段の自動始動側を選択して、リコイルロープ6を従来と同様に大きく引き蓄力用コイルスプリング10に貯えられた蓄力を利用して即座にエンジンを始動させ、例えば樹木の上のように高所でリコイルロープ6の引き操作が困難な作業現場の作業では、始動時期選択手段をエンジン停止状態を維持して緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯える側に切り換えておき、地上の操作がしやすい場所でリコイルロープ6を引き、蓄力用コイルスプリング10に予め必要な蓄力を貯えておく。この状態で、現場へと行き、そこで前記始動時期選択手段をエンジン始動側へと切り換える。この切換えにより、蓄力用コイルスプリング10に貯えられた蓄力が瞬時に全面的に開放され、従動部Mを介して即座にエンジンを始動させる。
上記駆動部Dに配されたリコイル用ゼンマイ4の外側端部は、図2に示すようにケース本体2の内面に係着する外側端固定部42aが形成され、内側内周面には上記リコイル用リール7の背面側の一部に固着される内側端固定部42bが形成されている。
このように構成されたリコイル用ゼンマイ4は、ゼンマイ本体の前記外側端固定部42とゼンマイケース5の挿通孔5aとがほぼ一致する状態で位置決めされている。更に、前記挿通孔5aはケース体2の内面に形成された第2ボス部22に遊嵌され、上記第1ボス部に回転不能に位置決めされている。
リコイル用リール7は、図2に示すように、外周の一部が径方向に膨出した2枚の環状フランジ部71が相対して配され、その内周間にはリコイルロープ6を巻回するための外周面を有するロープ巻回部72が形成されている。このロープ巻回部72により囲まれる空間部の第1ボス部21との対向側の端縁には、中央部にケース体2から離間する方向に向けて突出するボス部73を有するとともに、その中央ボス部73を囲むようにして複数の矩形窓75が等間隔に形成されたホイールハブに類似する形状をもつ円板部74が一体化されている。また、前記円板部74の中央ボス部73の周辺近傍の偏心位置には、上記ゼンマイ4の内側端固定部42bを係着する係着孔74aが形成されている。
このリコイル用リール7を本実施形態によるエンジン始動装置に組付けるには、上述のごとくリコイル用ゼンマイ4をゼンマイケース5を介してケース体2に固設したのち、前記リコイル用ゼンマイ4の内側端固定部42bをリコイル用リール7の係着孔74aに係着固定することにより行われる。上記リコイルロープ6は、その一端が前記リコイル用リール7の一対のフランジ部71の膨出部分間に固定されている。一方、同リコイルロープ6の巻回し端はケース体2のロープ引出口23からケース外に引き出されており、そのリコイルロープ6の引出し端部にはハンドル61が固着されている。リコイルロープ6をリコイル用リール7に巻き回した状態で、上記ケース体2から突出する上記第1ボス部21にリコイル用リール7の中央ボス部73を外側から遊嵌させる。
前記リコイル用ゼンマイ4の内側端固定部42bをリコイル用リール7の係着孔74aに係着固定し、リコイル用ゼンマイ4の一方の上記外側端固定部42aを既述したとおりケース2に係着固定することによって、リコイルロープ6を引くと後述するスプリング端位置決め用ラチェットホイール9の係脱爪部93がリコイル用リール7の矩形窓75に係止する。この係止により、リコイル用リール7のを蓄力方向に回転させると、リコイル用リール7に固定されたリコイル用ゼンマイ4の内側端部がリコイル用リール7と一緒に回転し、リコイル用リール7からの動力をゼンマイ4に蓄積する。ここで、リコイルロープ6の引き力を開放すると、前記スプリング端位置決め用ラチェットホイール9の係脱爪部93とリコイル用リール7の矩形窓75との係止が解かれ方向、すなわちゼンマイ4の蓄力が開放する方向にリコイル用リール7が逆転し、リコイルロープをリコイル用リール7に自動的に巻き戻す。
前記リコイル用リール7に係合して一方向に回転する上記スプリング端位置決め用ラチェットホイール9は、その全体が前記リコイル用リール7の円板部74に内嵌する円板部材からなり、図2に示すとおり、その中央部には前記リコイル用リール7とは反対側に突出するボス部91を有している。このボス部91はリコイル用リール7の中央ボス部73に外側から遊嵌する。また、前記ボス部91の突出側周縁には一部が切欠された周壁部92が形成されており、ボス部91の突出側とは反対側の裏面周縁には、リコイル用リール7の上記円板部74の中央から突出する中央ボス部73の近傍偏心位置に、上記ゼンマイ本体42の内側端部に形成された複数の矩形状の上記矩形窓75と係脱する係脱爪部93が形成されている。本実施形態によれば、前記矩形窓75は6個形成され、前記係脱爪部93は120°の位相差をもって3個形成されている。同爪部93の形状は、図2に示すように、後端がスプリング位置決め用ラチェットホイール9の本体9aの表面から周方向の先端に向けて徐々に上傾斜して立ち上がり、その先端が前記本体9aの表面に対して直交する垂直面93aに形成されている。
このスプリング位置決め用ラチェットホイール9を前記リコイル用リール7に組付けるときは、同スプリング位置決め用ラチェットホイール9をリコイル用リール7の上記ロープ巻回部72と中央ボス部73との間に形成される円板部74に自由回転可能に嵌着させる。このとき、図2に示す押付けスプリング94によって、スプリング位置決め用ラチェットホイール9をリコイル用リール7の円板部74に向けて常に押圧している。その結果、組付け終了時には、一部の係脱爪部93がリコイル用リール7の一部の矩形窓75に係着する。こうしてスプリング位置決め用ラチェットホイール9が前記リコイル用リール7に組付けられると、一部の係脱爪部93がリコイル用リール7の矩形窓75の一部に係着した状態でリコイル用リール7と一緒に回転する。
一方、このスプリング位置決め用ラチェットホイール9の上記周壁部92の一部切欠部分に、上記蓄力用コイルスプリング10の一端部10bが係着され位置決め固定される。この蓄力用コイルスプリング10の前記一端部10bは、その軸線に平行に屈曲されてスプリング本体10aを越えて延びており、その一端部10bの長さは上記スプリング端固定部材11に係着する長さとされている。一方、同蓄力用コイルスプリング10の他端部10cも、その軸線と平行に屈曲されてスプリング本体10aの外側に延設されており、その長さは上記ラチェットホイール8に係着する長さとされている。
図2に示すとおり、前記スプリング端固定部材11は、リング状円板部11aと、同リング状円板部11aから略120°の位相差をもって外側に放射状に延設されている3本の脚部11bとからなる。各脚部11bの先端部には上記ケース体の固設部に固設するためのネジ挿通孔が形成されている。また前記リング状円板部11aの内径面には、蓄力用コイルスプリング10の上記一端部10bを蓄力方向で係着する。このスプリング端固定部材11の外側表面側に隙間を介して、従動部Mの構成部材である上記ラチェットホイール8が自由回転可能に取り付けられる。
このラチェットホイール8は、大径の第1ラチェット部8aと同心上に配された小径の第2ラチェット部8bとが一体に積み重ねられた2層のラチェット機構を備えている。また、このラチェットホイール8の中央部には留めネジ挿入孔が形成された軸線方向に段差をもつ筒状に形成され、その第1及び第2ラチェット部8a,8bの共通する有肉部には、上記蓄力用コイルスプリング10の他端部10cを係着させる係着孔8cが形成されている。このラチェットホイール8の第1ラチェット部8aの周辺には、本発明の最も特徴とする上記始動時期選択手段の構成部材の一つである略L字型の屈曲レバー13が回動可能に配されている。
前記始動時期選択手段は、一端に前記第1ラチェット部8aと係脱する係着爪部13aを有する略L字型の前記屈曲レバー13と、同屈曲レバー13を回動操作するためのスライド式切換部材16と、前記屈曲レバー13とスライド式切換部材16とを連結するC字状リンク15とを備えている。前記屈曲レバー13は、その屈曲部13bを中心に回動できるようにケース体2の上記第1ボス部21と離間する位置に取り付けられる。前記スライド式切換部材16は図示せぬ操作グリップの近傍であって指先により簡単に操作し得るケース体2の表面位置に取り付けられる。屈曲レバー13の前記係着爪部13aは、図1〜図3に示すように付勢バネ14によって第1ラチェット部8aに係止する方向に付勢されている。操作のしやすさから、上記スライド式切換部材16は、図1に示すように操作ハンドル106の近傍に配することが好ましい。
前記屈曲レバー13の係着爪部13aとは屈曲部13bを挟んで反対側の回動操作部13cの端部引っ掛け孔13c’には前記C字状リンク15の一端フック部15aが引っ掛けられている。また、同C字状リンク15の他端フック部15bは、ケース体2の上記リコイルロープ引出口23の近傍の外表面に取り付けられた上記スライド式切換部材16の引っ掛け孔16cに引っ掛けられている。このスライド式切換部材16は、図1に示すように、上面が上方に突出する湾曲面とされるとともに、その表面に滑止め溝が複数本形成されたヘッド部16aと、同ヘッド部16aの下面から下方に突出する薄板状のスライド部16bとを有している。同スライド部16bには前記C字状リンク15の他端フック部15bを引っ掛ける引っ掛け孔16cが形成されている。
一方、このスライド式切換部材16をケース体2の表面でスライド可能にするため、ケース体2のスライド式切換部材配設位置には、前記薄板状のスライド部16bを遊嵌するスリット2aが形成されており、前記スライド式切換部材16のヘッド部16aがケース体2の表面に配されるとともに前記スライド部16bが前記スリット2aに差し込まれ、スライド式切換部材16を前記C字状リンク15を介して上記屈曲レバー13の回動操作部13cと連結する。いま、係着爪部13aを付勢バネ14の付勢に抗して第1ラチェット部8aから外すために屈曲レバー13を回動させるには、スライド式切換部材16をスリット2aに沿って、係着爪部13aを外す方向にスライドさせる。このスライド操作により、屈曲レバー13の回動操作部13cがC字状リンク15を介して引っ張られ、図4において時計回りに回動し、図5に示すように係着爪部13aが第1ラチェット部8aから外れて、第1ラチェット部8aのロック状態が維持されるようになっている。スライド式切換部材16を逆にスライドさせると、付勢バネ14の付勢により係着爪部13aを第1ラチェット部8aに係止する方向に回動させて、図4に示すように前記係着爪部13aが第1ラチェット部8aに係止してロック状態となる。
上記第2ラチェット部8bには、例えば図示せぬエンジンのクランク軸に取り付けられ、エンジンの高速回転時の遠心力により係合が自動的に外れる公知の図示せぬラチェット爪が係合している。ここでは、この遠心クラッチの構造及び機能は公知であるため、その詳細な説明は省略する。
以上の各始動部材がケース体2の第1ボス部21を中心軸として順次積み重ねるように組み込まれて、留めネジ3をもってケース体2の内部に収納固設される。
上述のように構成された本実施形態によるエンジン始動装置1の動作を説明する。
まず、広い作業現場におけるリコイルロープ6の引き操作によるエンジン始動装置1の通常の始動動作について説明すると、エンジンを始動させるときは、最初に上記屈曲レバー13の係着爪部13aをラチェットホイール8の第1ラチェット部8aから外す方向に、上記スライド式切換部材16をスライドさせてラチェットホイール8を図5に示すアンロックの状態におく。次いで、上記ハンドル61を握ってリコイルロープ6を大きく引くと、前記リコイル用リール7を一方向に回転させる。このリコイル用リール7の回転は、ゼンマイ4の内側端部を蓄力方向に回転させて蓄力させる。このとき、前記リコイル用リール7の矩形窓75が上記蓄力用コイルスプリング10を位置決め固定するスプリング端位置決め用のラチェットホイール9の係脱爪部93に係着する。リコイル用リール7をゼンマイ4の蓄力方向に回転させ、前述のごとくゼンマイ4に動力の一部を蓄積させると同時に、同ラチェットホイール9をもリコイル用リール7と同一方向に回転させる。
このスプリング端位置決め用のラチェットホイール9を回転させることにより、同ラチェットホイール9に一端部10bが位置決め固定された上記蓄力用コイルスプリング10の前記一端部10bがラチェットホイール9の回転とともに蓄力方向に回転する。この回転中、蓄力用コイルスプリング10の他端部10cは従動部Mである上記ラチェットホイール8に係着されており、一方でこのラチェットホイール8の第2ラチェット部8bにはエンジン側のクランク軸に取り付けられ、遠心力により係止が外れる図示せぬ係脱爪が係止している。この係脱爪は、遠心力により係止が外れる公知の構造を有している。前記ラチェットホイール9は、エンジンが停止状態にあるとき回転を続けるが、前記蓄力用コイルスプリング10の蓄力が同エンジンの圧縮時の最大負荷に越えると、前記ラチェットホイール8を回転させてエンジンを始動させる。エンジンの駆動が定常に入ると、そのクランク軸の高速回転により前記係脱爪が遠心力によりラチェットホイール8との係止を自動的に外し、クランク軸は高速回転を持続する。
このようにエンジンの始動がなされたのちリコイルロープ6をゆるめると、ゼンマイ4に貯えられた蓄力を開放して、リコイル用リール7を蓄力を開放する方向に回転させ、リコイルロープ6を自動的にリコイル用リール7に巻き戻す。このように、本実施形態によるエンジン始動装置によれば、最初に上記スライド式切換部材16をスライドさせて、屈曲レバー13の係着爪部13aをラチェットホイール8の第1ラチェット部8aから外しておけば、従来と同様に単にリコイルロープ6の引き操作によりエンジン100を確実に始動させることができる。
一方、例えば作業現場が高所にあり、しかも現場周辺がリコイルロープ6を大きく引くだけの空間がない場合、足場が悪い場合、或いは腕力が弱くリコイルロープ6を急速に引くことが難しい場合などリコイルロープ6を一気に引くことができないときに、エンジンを始動させようとするには、予め上記スライド式切換部材16を上述の方向とは逆方向のロック方向にスライドさせて、屈曲レバー13の係着爪部13aをラチェットホイール8の第1ラチェット部8aに係止させて図4に示すロック状態とし、同ラチェットホイール8の回転を積極的に停止させておく。この状態でリコイルロープ6を引くと、リコイル用リール7がスプリング端位置決め用のラチェットホイール9の回転を伴って回転し、上述と同様に蓄力用コイルスプリング10に動力を貯える。
このとき、たとえば途中でリコイルロープ6の引出し操作を止めて、ゼンマイ4の蓄力を開放させてリコイル用リール7を前記ラチェットホイール9との係合が外れる方向に回転させ、リコイルロープ6をリコイル用リール7に巻き戻すこともできる。このリコイル用リール7の回転時は、リコイル用リール7と前記ラチェットホイール9とは係合することはないが、同ラチェットホイール9に一端部10bが位置決め固定された蓄力用コイルスプリング10の前記一端部10bは、更に固定部材であるスプリング端固定部材11のラチェット面11cに係止されるとともに、同蓄力用コイルスプリング10の他端部10cが上記屈曲レバー13の係着爪部13aにより回転を停止させられている従動部Mのラチェットホイール8に係着しているため、上記ラチェットホイール9は回転しないため、それまでに貯えられた蓄力用コイルスプリング10の蓄力も開放されない。そのため、前述のように途中でリコイルロープ6の引出し操作を止めて、改めてリコイルロープ6の引出し操作を行っても、蓄力用コイルスプリング10にはそのリコイルロープ6の引出し操作に基づく蓄力が先に蓄積されたスプリング力に加算されて蓄積されるため、リコイルロープ6の引出し操作を複数回行うことによっても、蓄力用コイルスプリング10にエンジンを始動させるに必要な所要量の蓄力を貯えることができる。
図6〜図8は、本発明の好ましい第2実施形態による従動部Mを示している。
この従動部Mは、上述の実施形態と同様に第1及び第2のラチェット部81,82を備えたラチェットホイール80から構成されている。ただし、上記実施形態では第1及び第2ラチェット部8a,8bが一体に形成されているが、本実施形態では第1及び第2ラチェット部81,82が別体から構成されており、小径の第2ラチェット部82が大径の第1ラチェット部81に同心上で相対回転可能に組付けられている。そして本実施形態によれば、前記第1及び第2ラチェット部81,82との間に、本発明におけるトルクリミッタ手段が配されている。
そのトルクリミッタ手段の具体的構成を図6〜図8を参照して具体的に説明する。
この実施形態にあって、前記ラチェットホイール80以外の構成は、上記第1実施形態と実質的に変わるところがないため、以下の説明では、トルクリミッタ手段を内蔵するラチェットホイール80の構造とそのトルクリミッタ機能について説明するに止める。
本実施形態によるラチェットホイール80もまた、上記第1実施形態と同様に、同一軸心上に段差をもって大径の第1ラチェット部81と小径の第2ラチェット部82とを備えている。ただし、本実施形態では第1ラチェット部81と第2ラチェット部82とが固着一体化されておらず、別体が組付けられて相対回転可能に一体化されている。
大径の第1ラチェット部81は、図7及び図8に示すように外周にラチェット歯81aが形成された環状板材からなり、その内径部には周方向に連続する環状溝部81bが形成されるとともに、その底面には同じく周方向に同一ピッチで連続する凹凸面81cが形成されている。一方の小径の第2ラチェット部82は、図7に示すとおり同一軸線上に大径部82bと小径部82cとが段差をもって一体に形成されており、その小径部82cの外周面にラチェット歯82aが形成されている。また、前記第2ラチェット部82の大径部82bの肉厚は上記第1ラチェット部81の内周面に形成された環状溝部81bに摺動可能に嵌着する寸法であり、その外周面には180°の位相差をもって中心方向に向けて延びる盲孔82dが2個形成されている。この盲孔82dには圧縮スプリング83が嵌入されており、その外径側端部に小径の鋼球84が嵌着されている。
前記第1ラチェット部81の環状溝部81bに第2ラチェット部82の大径部82bの外周部が嵌着されると、前記鋼球84は圧縮スプリング83により外径側に付勢されて第1ラチェット部81の前記管状溝81bに形成された凹凸面81cに押しつけられる。前記鋼球84が前記凹凸面81cの凹部81c−1に嵌着したとき、第1及び第2ラチェット部81,82は、圧縮スプリング83のバネ力に基づき、所要のトルク差で一体に回転するか或いは相対回転するようになる。なお、本実施形態では装置の軽量化を図るため、第2ラチェット部82の回転中心部は除肉して中空としている。また、図6において符号82eは図示せぬ香箱に収納される蓄力ゼンマイの内側端部が嵌着固定される図2に示す係着孔8cに相当するが、この蓄力手段の端部の係着固定方法や固定位置は、前記第2ラチェット部82上にあって同図の形態に限らず種々の形態で設けることが可能である。
次に、図示は省略したが、第1実施形態を示す図2及び図8を参照しながら、本実施形態のエンジン始動装置による第2始動モードのときのエンジン始動について簡単に説明する。なお、トルクリミッタ手段については第1始動モードでエンジンを始動しても同様に機能するため、ここでは第2始動モードによるエンジン始動についてのみ説明する。
この第2実施形態にあっても、先ずスライド式切換部材16を操作して始動時期選択手段である屈曲レバー13の係着爪部13aを大径の第1ラチェット部81に係止させる。スライド式切換部材16が切り換えられたことを確認して、リコイルロープ6を引きリコイルリール7を駆動回転させる。このリコイルリール7の回転力が蓄力用ラチェットホイール9に伝達されて、蓄力用コイルスプリング10に蓄力がなされる。この蓄力がエンジンを始動させるに十分な大きさに達すると、小径の第2ラチェット部82には蓄力用コイルスプリング10の蓄力を解放しようとする力が働く。
この解放しようとする力が、大径の第1ラチェット部81の内周面に形成された凹凸面81cの凹部81c−1に圧縮スプリング83のバネ力により弾着する鋼球84の凹部81c−1に対する弾着力を上回ると、同鋼球84は凹凸面81cの凸部81c−2を乗り越えるようになる。従って、この状態になると、その後にリコイルロープ6をいくら引いても鋼球84は凹凸面81cの凸部81c−2を乗り越えるだけで、小径の第2ラチェット部82は空回りするだけとなり、蓄力用コイルスプリング10にはそれ以上蓄力がなされなくなる。そして、この空回りするとき、鋼球84が凹凸面81cの凸部81c−2を乗り越えるたびに乗り越え音を発するようになり、作業員に蓄力用コイルスプリング10にエンジンを始動するに十分な蓄力が貯えられたことを知らせる。そのため、作業員はリコイルロープ6をそれ以上に引く必要はなくなる。
こうして、蓄力用コイルスプリング10に十分な蓄力が貯えられると、いつでもエンジンが始動できる状態となる。従って、この状態としたのち、エンジンを停止させたまま所望の作業現場へと赴き、現場にて任意の始動時期にスライド式切換部材16を操作して、屈曲レバー13の係着爪部13aの大径の第1ラチェット81に対する係止を外して、ロック状態からアンロック状態に切り換える。この切換えにより、瞬時にしてエンジンを始動させることができる。ここで、スライド式切換部材16が不用意に移動しないように、同スライド式切換部材16自体に操作と同時に解除できる図示せぬロック機構や、開けないかぎり同スイッチ16を操作することができないような開閉蓋を設けておくとよい。
図9及び図10は、本発明の第3実施形態を示している。この実施形態は上述の第1及び第2実施形態と異なり、緩衝・蓄力手段として蓄力用コイルスプリング10に代えてゼンマイ110を使っている。また、ゼンマイ110を採用することにより、蓄力用コイルスプリング10の位置決め固定用のラチェットホイール9とスプリング端固定部材11とを排除している。その具体的な構成を、図9を参照して簡単に説明する。なお、同図において上記第1及び第2実施形態と実質的に同一の部材には同一符号を付している。
この実施形態によるエンジン始動装置も、図9に示すとおりカバーケース体2に収容設置されて構成される。このケース体2にも、第1ボス部21がクランク軸側に向けて突設されている。この第1ボス部21には、以下に述べる各エンジン始動部材が順次組付けられて止めネジ3によって組付けられる。
前記エンジン始動装置の回転駆動部Dは、上記第1実施形態と同様に、前記カバーケース体2の内面に外側フック端が当接するリコイル用ゼンマイ4と、同ゼンマイ4を収容し、リコイル用ゼンマイ4の前記外側フック端とともにケース体2の内面に当接状態で位置決め固定するゼンマイケース5と、一端にハンドル61を有するリコイルロープ6と、同リコイルロープ6の他端を巻回し周面上に固定して前記リコイルロープ6を巻き回すリコイル用リール7とを備えている。一方の回転従動部Mは、径の異なる第1及び第2のラチェット部8a,8bが同軸線上に固着一体化して配されたラチェットホイール8を備えている。前記回転駆動部Dと回転従動部Mとの間には本実施形態における緩衝・蓄力手段が介装される。
この緩衝・蓄力手段は、図9に示すように円形の箱体からなる香箱119と同香箱119に収納された蓄力用ゼンマイ110とを有している。前記香箱119は、カバーケースから突出する第1ボス部21に取り付けられた図示せぬ軸受形状をもつワンウェイクラッチにより一方向に回転可能に支承されている。本実施例によれば、図10に拡大して示すように、前記香箱119の収容部119aの内周面に本発明におけるトルクリミッタ手段の一部である突部119bが等間隔に複数突設されている。この突部119bの形状は、香箱119の収容部119aの内周面に沿って前記リコイルリール7の蓄力時の回転方向では蓄力用ゼンマイ110の外側フック部110aが係着し、同外側フック部110aを蓄力用ゼンマイ110の蓄力方向に回転させる係止面119b−1が形成され、その頂点乗越え部119b−2から蓄力時の回転方向の後方へと収容部119aの内周面に向けてなだらかに下傾斜する傾斜面119b−3が形成されている。前記ゼンマイ110の内側フック部110bは上記回転従動部Mのラチェットホイール8の図示せぬ中心の円筒ボス部に近接する背面部に固着されている。
前記突部119bは、香箱119が蓄力方向に回転されて蓄力用ゼンマイ110に所要の蓄力が貯えられると、同ゼンマイ110の外側フック部110aが突部119bとの係止を解除されて、その外側フック部110aは前記突部119bを乗り越えるようになり、香箱119がそれ以上回転しても蓄力用ゼンマイ110には蓄力がなされなくなる。このとき、香箱119が回転を続けると、前記蓄力用ゼンマイ110の外側フック部110が突部119bを乗り越えるたびに乗越え音を発生し、作業員に蓄力が所要量に達したことを知らしめる。
一方、香箱119のリコイル用リール7に対面する背面には、図示せぬラチェット歯が形成されており、前記リコイル用リール7とともに回転する駆動片112の回転により香箱9を蓄力用ゼンマイ110の蓄力方向に駆動回転する。この駆動片112は、図9に示すとおり、円筒軸部112aと同円筒軸部112aの外周面から180°の位相差をもって径方向に延出する一対の翼片部112bとを有している。同翼片部112bは、円筒軸部112aの中心から径方向に向かって拡幅し、同時に香箱の蓄力方向の側面が肉厚とされ、反蓄力方向の側面を薄肉としている。
また、前記リコイル用リール7の香箱側内面には、前記翼片部112bを位置決めするための突起7aが突設されている。この突起7aは、図2に示すようにリコイル用リール7の前記香箱側内面に4個設けられており、その突起7aの配置は、前記駆動片112の翼片部112bを収容する一対の突起7aをリコイル用リール7の回転中心に関して対称に二組配している。この一対二組の突起7a間に一対の翼片部112bが収容され位置決めされる。この一対の翼片部112bは、リコイル用リール7の回転時には翼片部112bを突起7aが当接してリコイル用リール7とともに回転する。
前記駆動片112は圧縮バネ113によって常に香箱119の背面に押し付けられており、リコイル用リール7の蓄力方向の回転により同方向に回転する前記翼片部112bの肉厚部分が香箱119の背面に形成された図示せぬラチェット歯と係合し、香箱119を蓄力方向に回転させる。このとき、香箱119の内部に収容された蓄力用ゼンマイ110は、その内側フック片部110bが従動部Mのラチェットホイール8に固着され、その外側フック部110aは上述のとおり香箱119の内周面に形成された突部119bに係止され、所要の蓄力が貯えられるまでは、香箱119を蓄力方向に回転させる。前記香箱119の従動部側の開放面は環状カバー120により閉塞され、内部に収容された蓄力用ゼンマイ110の軸線方向の動きを規制している。
回転従動部Mは、既述したとおり第1実施形態と同様に、大径と小径の第1及び第2ラチェット8a及び8bを有するラチェットホイール8を備えている。このラチェットホイール8には、既述したとおり上記蓄力用ゼンマイ110の内側フック部110bが固着されており、その小径の第2ラチェット8bには図示せぬエンジンのクランクシャフトに設けられた遠心クラッチ爪が係止されているため、エンジンが始動するまでは前記香箱119の蓄力方向の回転に追随することなく静止した状態にある。図9において、上記第1実施形態と同様に、屈曲レバー13の係着爪部13aは、スライド式切換部材16の切換操作により、上記ラチェットホイール8の大径の第1ラチェット8aに係脱する。
前記屈曲レバー13はく字状を呈しており、その屈曲部13bがカバーケース体2の底部に第1ボス部21に隣接して回動自在に枢着されている。この屈曲レバー13は上記ラチェットホイール8の大径の第1ラチェット8aと係脱する係着爪部13aと同係着爪部13aを屈曲部を中心に回動操作する回動操作部13cとからなり、係着爪部13aが前記大径の第1ラチェット部8aに係着する方向に捩じりコイルバネ14によって一方向に付勢されている。
また本実施形態にあっても、上記第1実施形態と同様に、カバーケース2の上面端部に上記スライド式切換部材16が図5の左右方向にスライド可能に取り付けられている。このスライド式切換部材16の構造及び設置は、上記第1実施形態と実質的に変わるところがない。従って、前記スライド式切換部材16を図5の右方向にスライドさせると、上記屈曲レバー13が時計方向に回動して、係着爪部13aがラチェットホイール8の大径の第1ラチェット部8aから外れる。ここで、リコイルロープ6を引いてリコイル用リール7を回転させることにより香箱119を回転させ、ゼンマイ10に十分なバネ力を貯えさせて、その蓄力がエンジンを始動させるに十分な力に達すると、従動部Mのラチェットホイール8を介して図示せぬ遠心クラッチを回転させてエンジンのクランクシャフトに回転力を伝達し、エンジンを始動させる。
反対に、カバーケース2上の右寄りにある前記スライド式切換部材16をカバーケース2の左側へとスライドさせると、上記屈曲レバー13は捩じりコイルバネ14の弾力を受けて、ラチェットホイール8の大径ラチェット8aに係着する。この状態では、リコイルロープ6を引いてリコイル用リール7を回転させると、香箱119を蓄力方向に回転させることができるが、図示せぬワンウェイクラッチにより反対方向の回転を阻止され、同時に従動部Mのラチェットホイール8は一切回転を止められる。そのため、リコイルロープ6を引いてリコイル用リール7を回転させると、香箱119が回転してゼンマイ110に蓄力だけが貯えられるようになる。
そのため、リコイルロープ6の引き操作を途中で止めて手を離しても、そのまま蓄力は香箱119とラチェットホイール8との間で維持されることになる。従って、例えば力の弱い人による引き操作や、リコイルロープ6の引き操作が自由に行えないような場所では、何回かに分けてリコイルロープ6を引いて、ゼンマイ10にエンジンを始動させるに十分なバネ力を貯えたのちに、上記スイッチ式切換部材16を図5の右側へとスライドさせて、上記屈曲レバー13を時計方向に回動させ、係着爪部13aをラチェットホイール8の大径の第1ラチェット部8aから外すと同時に、エンジンを瞬時に始動させる。このとき貯えられた蓄力がエンジンを始動させるに十分な力に達したかどうかは、既述したトルクリミッタ手段の作動により発せられる報知信号により確実に知ることができる。
このように、本実施形態にあっては上記スライド式切換部材16をカバーケース2の表面上でスライドさせることにより、回転駆動部Dのリコイルロープ6の引き操作でリコイル用リール7をエンジン回転方向に回転させて、緩衝・蓄力手段の香箱119を同方向に回転させながらゼンマイ110に所要のバネ力を貯えさせ、その貯えられた蓄力を直接従動部Mであるラチェットホイール8に伝え、その蓄力がエンジンの始動に必要十分な力に達すると自動的にエンジンを始動させることができるばかりでなく、前記スライド式切換部材16を逆方向にスライドさせると、前記回転駆動部Dのリコイルロープ6を引き緩衝・蓄力手段の香箱119を同方向に回転させて蓄力用ゼンマイ110にエンジン始動に必要なバネ力を予め貯えさせておくことができ、その貯えられた蓄力を維持させた状態で、所望時に任意の場所で蓄力用ゼンマイ110に貯えられた前記蓄力を開放し、その場で瞬時にエンジンを始動させることができる。
前述のように、蓄力用コイルスプリング10にエンジンを始動させるに十分な蓄力が貯えられたのちであれば、その蓄力を維持した状態で、例えば上記高所の作業現場にて、上記始動時期選択手段の構成部材であるスライド式切換部材16を、屈曲レバー13の係着爪部13aがラチェットホイール8の第1ラチェット部8aから外れる方向にスライドさせてロック状態を解除するだけの操作で、その場で直ちにエンジンを始動させることができる。なお上記実施形態では、始動時期選択手段の構成部材としてスライド式切換部材16を挙げたが、スライド式に限定されず、例えば図示を省略したプッシュボタン式切換部材を採用して、その押圧操作により屈曲レバー13の係着爪部13aをラチェットホイール8の第1ラチェット部8aに係脱させることも可能である。
以上の説明からも理解できるように、本発明に係るエンジン始動装置によれば、リコイルロープの引出し操作が容易な作業現場や腕の力が強い人による作業の場合には、作業現場において効率的にエンジンを始動させることができ、また仮にエンジンを始動させることが困難な作業現場でのエンジンの始動や、或いは腕の力の弱くリコイルロープの素早い引出し操作が困難な場合のエンジン始動であっても、簡単な選択操作だけで任意の時間に容易に且つ確実にエンジンを始動させることができるようになる。更に本発明によれば、蓄力伝達系にトルクリミッタ手段を介装することにより、エンジン始動に必要十分な蓄力が緩衝・蓄力手段に貯えられたことが知らされ、それにより無駄なリコイルロープの引き操作が排除される。
本発明の始動装置を備えた小型エンジンの横断面図である。 本発明の好適な第1実施形態を示すエンジン始動装置の分解斜視図である。 同エンジン始動装置の構成部材の組付け時における配置関係を示す説明図である。 同エンジン始動装置の従動部がロック状態にあるときの内部構造例を示す説明図である。 同エンジン始動装置の従動部がアンロック状態にあるときの内部構造例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態であるエンジン始動装置に適用されるトルクリミッタ手段の例を示す外観平面図である。 図6のVII-VII 線に沿った矢視断面図である。 図7のVIII-VIII 線に沿った矢視断面図である。 本発明の第3実施形態であるエンジン始動装置の分解斜視図である。 同実施形態に付設される他のトルクリミット手段の例を香箱開放側から見た平面図である。
符号の説明
1 エンジン始動装置
10 蓄力用コイルスプリング
10a スプリング本体
10b 一端部
10c 他端部
11 スプリング端固定部材
11a リング状円板部
11b 脚部
11c ラチェット面
13 屈曲レバー
13a 係着爪部
13b 屈曲部
13c 回動操作部
13c’ 引っ掛け孔
14 付勢バネ
15 C字状リンク
15a,15b (一端及び他端)フック部
16 スライド式切換部材
16a ヘッド部
16b スライド部
16c 引っ掛け孔
2 ケース体
2a スリット
21 第1ボス部
22 第2ボス部
23 (リコイルロープの)引出口
3 止めネジ
4 リコイル用ゼンマイ
42a 外側端固定部
42b 内側端固定部
5 ゼンマイケース
5a (ゼンマイケースの)挿通孔
51 中央孔
6 リコイルロープ
61 ハンドル
7 リコイル用リール
7a 突起
71 フランジ部
72 リコイルロープ巻回し部
73 中央ボス部
74 円板部
74a (ゼンマイの内側端固定用の)係着孔
75 矩形窓
8 (従動部側の)ラチェットホイール
8a 第1ラチェット部
8b 第2ラチェット部
8c 係着孔
80 ラチェットホイール
81 (大径の)第1ラチェット
81a ラチェット歯
81b 環状溝部
81c 係着孔
81c−1 凹部
81c−2 凸部
82 (小径の)第2ラチェット
82a ラチェット歯
82b 大径部
82c 小径部
82d 盲孔
82e (蓄力ゼンマイの内側フック部)固定部
83 圧縮スプリング
84 鋼球
9 (蓄力用コイルスプリングの位置決め固定用)ラチェットホイール
9a 本体
91 ボス部
92 周壁部
93 係脱爪部
93a 垂直面
94 押付けスプリング
100 エンジン
101 クランク軸
102 ファン
103 エンジン本体
104 出力軸
105 エンジンケース
106 操作ハンドル
106a スロットルレバー
110 蓄力ゼンマイ
110a 外側フック部
110b 内側フック部
112 駆動片
112a 円筒軸部
112b 翼片部
113 圧縮バネ
119 香箱
119a (ゼンマイ)収容部
119b 突部
119b-1 係止面
119b-2 頂点乗越え部
119b-3 傾斜面
119c ラチェット歯
120 環状カバー
D 駆動部
M 従動部

Claims (7)

  1. リコイリング機構を有する駆動部と従動部との間の動力伝達系に緩衝・蓄力手段が介装されるとともに、従動部とエンジンとの間が自動断接手段を介して連結され、前記駆動部の動力を前記従動部との間に配された前記緩衝・蓄力手段に蓄力し、同緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンの最大負荷を越えたとき、その蓄力が全面的に開放されて前記従動部を自動的に回転させてエンジンを始動させるエンジン始動装置において、
    前記従動部には、エンジンの始動時期を任意に選択できる始動時期選択手段が配されてなることを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記従動部は、前記緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンを始動させるに必要な所要量に達すると、リコイル操作によるそれ以上の蓄力を不能にするとともに、蓄力が所要量に達したことを認識する報知信号を発するトルクリミッタ手段を更に有してなる請求項1記載のエンジン始動装置。
  3. 前記自動断接手段は、前記緩衝・蓄力手段の蓄力がエンジンの最大負荷を越えるまでは前記従動部との接続を保持して従動部の回転を停止させ、前記蓄力がエンジンの最大負荷を越えるとその蓄力により従動部を回転させるとともにエンジンが始動し、エンジンが所定の回転速度に達するとエンジンとの連結が自動的に切れる断接機構を含んでなる請求項1記載のエンジン始動装置。
  4. 前記始動時期選択手段は、前記従動部のロック/アンロックの切換えを行う切換操作部材と、同切換操作部材の切換操作により前記従動部の係合部と係脱する係脱部材とを有してなる請求項1又は2記載のエンジン始動装置。
  5. 前記切換部材と前記係脱部材とがリンク又は弾性手段を介して連結されてなる請求項3記載のエンジン始動装置。
  6. 前記従動部がラチェットを有する回転部材からなり、前記係脱部材が前記ラチェットと係脱する係脱爪を有してなり、前記切換操作部材がエンジン始動装置のケース表面に配されたスライド式切換部材であり、同スライド式切換部材のスライド操作により前記係脱爪を前記ラチェットに係脱させる請求項5記載のエンジン始動装置。
  7. 前記従動部がラチェットを有する回転部材からなり、前記係脱部材が前記ラチェットと係脱する係脱爪を有し、前記切換操作部材がエンジン始動装置のケース表面に配されたプッシュ式切換部材であり、同プッシュ式切換部材の押圧操作により前記係脱爪を前記ラチェットに係脱させる請求項5記載のエンジン始動装置。
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