JP2005336172A - 腎虚血再灌流障害治療又は予防薬 - Google Patents

腎虚血再灌流障害治療又は予防薬 Download PDF

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Abstract

【課題】 腎臓の虚血再灌流障害に対する優れた治療又は予防効果を示す医薬を提供すること。
【解決手段】 式(I)
【化1】
Figure 2005336172

〔式中、Rは置換されていてもよい窒素含有非芳香族複素環基等を、Aは置換されていてもよく、かつ鎖中に二重結合等を有していてもよい直鎖又は分岐状のアルキレン基等を、Xは酸素原子等を、Mはアリーレン基等を;R、R、RおよびRは、水素原子、水酸基等を、Rは水素原子等を、mは0又は1〜6から選ばれる整数を、Rは置換されていてもよいアリール基等を、Rは−CO(Y)12(ここで、Yは酸素原子等を、pは0又は1を、R12は水素原子;水酸基等で置換されていてもよいアルキル基等を示す。)等を示す。〕で表される化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有することを特徴とする腎虚血再灌流障害治療または予防薬。
【選択図】 なし

Description

本発明は、腎虚血再灌流障害の治療又は予防薬に関する。さらに詳細には、サイトカイン産生阻害作用を有する後掲の式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有することを特徴とする腎虚血再灌流障害の治療又は予防薬に関する。
急性腎不全は、腎機能の急激な低下をきたす症候群であり、臨床所見として、血中尿素窒素(BUN)及び血清クレアチニン(Cr)の著しい上昇が観察される。このような急性腎不全は、しばしば、腎臓の虚血再灌流、例えば心拍数の低下や出血による腎血流の低下に伴う腎ショックや腎移植等の虚血状態からの血流の再開後に起こる障害により引き起こされ、臨床上の大きな問題となっている。腎臓の虚血再灌流障害では、低酸素障害に加え、ATPの減少がミトコンドリア機能不全や細胞外ナトリウム、カルシウムや活性酸素種の蓄積を引き起こし、続いて、プロテアーゼ類、NO合成酵素、ホスホリパーゼ類、エンドヌクレアーゼ類などの酵素系が活性化され、遂には細胞死に至る。また、補体、サイトカインやケモカイン(走化性サイトカイン)が活性化され、それ自身が細胞毒になるばかりではなく、白血球を虚血部位に引き寄せて、更なる障害を引き起こし、さらには、血管内皮細胞の障害が虚血状態を長引かせ、うっ血、浮腫および炎症性細胞の更なる浸潤を引き起こすことが知られている(非特許文献1参照)。
上述のように、腎虚血再灌流障害では炎症反応が重要なプロセスとして引き起こされるが、腎尿細管上皮細胞や浸潤した炎症性細胞が産生するサイトカインやケモカインが該炎症反応の重要なファクターであることが知られている。例えば、腎尿細管上皮細胞は、TNF−α(tumor necrosis factor-α)、IL−1(interleukin-1)、MCP―1(monocyte chemoattractant protein-1)、IL−8、PDGF(platelet-derived growth factor)、エンドセリン−1、VEGF(vascular endothelial growth factor)等の種々のサイトカインやケモカインを産生しており、腎障害においてこれらが、炎症性細胞の内皮細胞への接着や障害部位への遊走などの重要な役割を果たしていることが明らかになっている(非特許文献2参照)。
したがって虚血再灌流障害を引き起こした腎臓において、サイトカインの作用又は産生を抑制することにより、虚血再灌流障害から腎臓を保護できる可能性が考えられるが、現在のところ、サイトカインの活性又は産生を阻害することによる腎臓の虚血再灌流障害の治療、予防法は確立されていないのが現状である。
特許文献1及び2には、IL−8、IL−1、IL−6、TNF−α及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)などの炎症性サイトカインの産生を強く阻害するアミド化合物が記載されており、炎症性疾患の予防・治療に有効であることが開示されているが、当該アミド化合物の腎虚血再灌流障害に対する効果については記載されていない。
米国特許第6174887号明細書 国際公開第97/08133号パンフレット 「ライフサイエンシス(Life Sciences)」,(オランダ),2003年,第74巻,p.543−552. 「ドラッグニュース&プロスペクティブズ(Drug News & Perspectives)」,(スペイン),2003年,第15巻,第8号,p.477−482.
本発明の目的は、腎臓の虚血再灌流障害に対する優れた治療又は予防効果を示す医薬を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、サイトカイン産生阻害活性を有する後記化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩が、意外にも、腎虚血再灌流障害に対する優れた治療又は予防効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]式(I)
Figure 2005336172
〔式中、Rは置換されていてもよい窒素含有非芳香族複素環基;水酸基;R;Rで置換されたアルコキシ基;Rで置換されたアルキルチオ基;又はRで置換されたアルキルアミノ基〔ここで、Rはアミノ基、グアニジノ基、アミジノ基、カルバモイル基、ウレイド基、チオウレイド基、ヒドラジノ基、ヒドラジノカルボニル基又はイミノ基(これらの基は、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい)である〕を示し;
Aは置換されていてもよく、かつ鎖中に1又は2以上の二重結合又は三重結合を有していてもよい直鎖又は分岐状のアルキレン基;又は単結合を示し;
Xは酸素原子;硫黄原子;シクロアルキレン基;窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する2価の芳香族複素環基;−SO−;−SO−;−C=C−;−C≡C−;−CO−;−COO−;−OOC−;−CS−;−COS−;−O−CO−O−;−NH−CO−NH−;−NH−CS−NH−;−NH−C(=NH)−NH−;−NR−;−NRCO−;−CONR−;−NRSO−;−SONR−;−NR−COO−;−OOC−NR−;又は−CR10−〔ここで、Rは水素原子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラルキル基;又はアミノ保護基を示し、R及びR10は同一又は異なって、水素原子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;又はアラルキル基を示す〕を示し;
Mはアリーレン基;シクロアルキレン基;又は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有し、かつ縮合環を形成してもよい2価の複素環基を示し;
、R、R、Rは同一又は異なってそれぞれ、水素原子(但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つは水素原子ではない。);水酸基;ハロゲン原子;アルコキシ基;メルカプト基;アルキルチオ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アリールオキシカルボニル基;アシル基;水酸基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基;又は−O−CO−R11〔ここで、R11は置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよいアラルキルオキシ基;置換されていてもよいアルキルチオ基;置換されていてもよいアリールチオ基;又はアルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子及び、低級アルキル基又はアシル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕を示し;
は水素原子;ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアラルキル基;又はアミノ保護基を示し;
mは0又は1〜6から選ばれる整数を示し;
は置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよい低級アルキル基;置換されていてもよい低級アルコキシ基;置換されていてもよい低級アルキルチオ基;低級アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基;又は置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基を示し;
は水素原子;置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する芳香族複素環基;又は−CO(Y)12〔ここで、Yは酸素原子;硫黄原子;−NR13−;又は−NR13−SO−(R13は水素原子;アルキル基;アラルキル基;水酸基;アルコキシ基;アリール基;又はアミノ保護基を示す。)を示し、pは0又は1を示し、R12は水素原子;置換されていてもよいアルケニル基;置換されていてもよいアルキニル基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいアラルキル基;アダマンチル基;シクロアルキリデンアミノ基;置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基;又は水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基、及びアミノ基(該アミノ基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕を示す。〕で表される化合物又はその薬理学的に許容される酸付加塩〔以下、これらを合せて化合物(I)ともいう。〕を有効成分として含有することを特徴とする腎虚血再灌流障害治療または予防薬。
[2]Rが低級アルキル基で置換されていてもよいピペラジニル基、低級アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基またはアミノ基(当該アミノ基は、低級アルキル基で置換されていてもよい)であり;
Aが直鎖のアルキレン基であり;
Xが酸素原子、硫黄原子、−NH−または−CH−であり;
Mがアリーレン基であり;
、R、RおよびRが、同一または異なってそれぞれ、水素原子(但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つは水素原子ではない。);水酸基;ハロゲン原子または−O−CO−R11’(ここで、R11’はアミノ基、アシルオキシ基およびベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されてもよい低級アルキル基;または低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。)であり;
が水素原子であり;
mが1であり;
がフェニル基であり;
が−COO−R12’(ここで、R12’は水素原子;アラルキル基;アダマンチル基;シクロアルキリデンアミノ基;低級アルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基;低級アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基;水酸基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ピペラジニル基および低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基である、上記[1]記載の治療または予防薬。
[3]化合物(I)が、(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネートまたはその薬理学的に許容される酸付加塩である、上記[1]記載の治療または予防薬。
[4]化合物(I)が、(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネート・二塩酸塩である、上記[1]記載の治療または予防薬。
[5]化合物(I)が、炎症性サイトカイン産生阻害作用を有するものである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の治療または予防薬。
[6]炎症性サイトカインが腫瘍壊死因子(TNF)−α、IL−6、IL−8、CINC−1(Cytokine-induced neutrophil chemoattractant-1)またはそれらの組み合わせである、上記[5]記載の治療または予防薬。
[7]静脈内注射製剤の剤形である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の治療または予防薬。
化合物(I)は、腎臓の虚血再灌流障害部位において産生される炎症性サイトカイン、例えばTNF−α、IL−6、IL−8、CINC−1等の産生量を抑制することにより腎障害を改善する。したがって、化合物(I)を含有する本発明の薬剤は、優れた腎虚血再灌流障害の治療又は予防薬である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の腎虚血再灌流障害治療又は予防薬は、有効成分として化合物(I)を含有する。化合物(I)は、特許文献1または2に記載の方法で製造することができる。
式(I)において、Rは、置換されていてもよい窒素含有非芳香族複素環基;水酸基;R;Rで置換されたアルコキシ基;Rで置換されたアルキルチオ基;又はRで置換されたアルキルアミノ基〔ここで、Rはアミノ基、グアニジノ基、アミジノ基、カルバモイル基、ウレイド基、チオウレイド基、ヒドラジノ基、ヒドラジノカルボニル基又はイミノ基(これらの基は、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい)である〕を表し、好ましくは、低級アルキル基で置換されていてもよいピペラジニル基、低級アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基、低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基である。
Aは置換されていてもよく、かつ鎖中に1又は2以上の二重結合又は三重結合を有していてもよい直鎖又は分岐状のアルキレン基;又は単結合を表し、好ましくは、直鎖のアルキレン基である。
Xは酸素原子;硫黄原子;シクロアルキレン基;窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する2価の芳香族複素環基;−SO−;−SO−;−C=C−;−C≡C−;−CO−;−COO−;−OOC−;−CS−;−COS−;−O−CO−O−;−NH−CO−NH−;−NH−CS−NH−;−NH−C(=NH)−NH−;−NR−;−NRCO−;−CONR−;−NRSO−;−SONR−;−NR−COO−;−OOC−NR−;又は−CR10−〔ここで、Rは水素原子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラルキル基;又はアミノ保護基を、R、R10は同一又は異なって、水素原子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;又はアラルキル基を示す〕を表し、好ましくは酸素原子、硫黄原子、−NH−又は−CH−である。
Mはアリーレン基;シクロアルキレン基;又は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有し、かつ縮合環を形成してもよい2価の複素環基を表し、好ましくはアリーレン基である。
、R、R、Rは同一又は異なってそれぞれ、水素原子(但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つは水素原子ではない。);水酸基;ハロゲン原子;アルコキシ基;メルカプト基;アルキルチオ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アリールオキシカルボニル基;アシル基;水酸基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基;又は−O−CO−R11〔ここで、R11は置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよいアラルキルオキシ基;置換されていてもよいアルキルチオ基;置換されていてもよいアリールチオ基;又はアルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子及び、低級アルキル基又はアシル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕を表し、好ましくは、水素原子(但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つは水素原子ではない。);水酸基;ハロゲン原子;又は−O−CO−R11’〔ここで、R11’はアミノ基、アシルオキシ基及びベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい低級アルキル基;低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。〕である。
は水素原子;ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアラルキル基;又はアミノ保護基を表し、好ましくは水素原子である。
mは0又は1〜6から選ばれる整数を表し、好ましくは1である。
は置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよい低級アルキル基;置換されていてもよい低級アルコキシ基;置換されていてもよい低級アルキルチオ基;低級アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基;又は置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基を表し、好ましくはフェニル基である。
は水素原子;置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する芳香族複素環基;又は−CO(Y)12〔ここで、Yは酸素原子;硫黄原子;−NR13−;又は−NR13−SO−(R13は水素原子;アルキル基;アラルキル基;水酸基;アルコキシ基;アリール基;又はアミノ保護基を示す。)を示し、pは0又は1を示し、R12は水素原子;置換されていてもよいアルケニル基;置換されていてもよいアルキニル基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいアラルキル基;アダマンチル基;シクロアルキリデンアミノ基;置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基;又は水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基、及びアミノ基(該アミノ基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕を表し、好ましくは、−COO−R12’〔ここで、R12’は水素原子;アラルキル基;アダマンチル基;シクロアルキリデンアミノ基;低級アルキル基で置換さてもよいシクロヘキシル基;低級アルキル基で置換さてもよいピペリジル基;水酸基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ピペラジニル基、及び低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕である。
「アルコキシ基」とは、炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基を意味し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基である。RのRで置換されたアルコキシ基の「アルコキシ基」は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などの直鎖のアルコキシ基であり、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜4個の直鎖のアルコキシ基が好ましい。
「低級アルコキシ基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基を意味し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
「アルキルチオ基」とは、炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のアルキルチオ基を意味し、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、ネオヘキシルチオ基等が挙げられる。RのRで置換されたアルキルチオ基の「アルキルチオ基」は、好ましくはメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基などの直鎖のアルキルチオ基であり、特にメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基などの炭素数1〜4個の直鎖のアルキルチオ基が好ましい。
「低級アルキルチオ基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルキルチオ基を意味し、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等が挙げられる。
「アルキルアミノ基」とは、炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のモノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノを意味し、具体的にはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、イソヘキシルアミノ基、ネオヘキシルアミノ基等が挙げられ、好ましくはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などの直鎖のアルキルアミノ基である。特に好ましくは炭素数1〜4個の直鎖のアルキルアミノ基であり、具体的にはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等である。
「窒素含有非芳香族複素環基」とは、少なくとも1個の窒素原子を有し、硫黄原子又は酸素原子を有していてもよい3〜7員の非芳香族複素環基を意味し、これらはベンゼン環と縮合していてもよい。具体的にはアジリジニル基、チアゼチジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、オキサジニル基、チアジニル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ジオキサゼピニル基、チアゼピニル基、ジアゼピニル基、パーヒドロジアゼピニル基、アゼピニル基、パーヒドロアゼピニル基、インドリニル基、イソインドリニル基等が挙げられる。好ましくはアジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピラゾリジニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、パーヒドロアゼピニル基であり、特に好ましくはピロリジニル基、モルホリノ基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基である。
「アルキル基」とは、炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のアルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基等が挙げられる。
「低級アルキル基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「ハロゲン化低級アルキル基」とは、前記の低級アルキル基にハロゲン原子が置換したものである。具体的にはフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロエチル基、ジクロロエチル基、ペンタトリフルオロエチル基、トリクロロエチル基、フルオロプロピル基等が挙げられ、好ましくは、フルオロメチル基、クロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基である。
「シクロアルキル基」とは、炭素数3〜7個のシクロアルキル基を意味し、具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられ、好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5又は6個のシクロアルキル基である。
「アラルキル基」とは、前記のアルキル基に後記のアリール基が置換したものであって、具体的にはベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、ナフチルメチル基等が挙げられ、好ましくはベンジル基、フェネチル基である。
「アラルキルオキシ基」とは、前記のアラルキル基を有するアラルキルオキシ基であり、具体的にはベンジルオキシ基、ベンズヒドリルオキシ基、トリチルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基、2−フェニルプロピルオキシ基、4−フェニルブチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等が挙げられる。好ましくはベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基である。
「アラルキルオキシカルボニル基」とは、前記のアラルキル基を有するアラルキルオキシカルボニル基であり、具体的にはベンジルオキシカルボニル基、ベンズヒドリルオキシカルボニル基、トリチルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、3−フェニルプロピルオキシカルボニル基、2−フェニルプロピルオキシカルボニル基、4−フェニルブチルオキシカルボニル基、ナフチルメトキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくはベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基である。
「アリール基」とは、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等を意味し、好ましくはフェニル基、ナフチル基である。
「アリールオキシ基」とは、前記のアリール基を有するアリールオキシ基であり、具体的にはフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
「アリールオキシカルボニル基」とは、前記のアリール基を有するアリールオキシカルボニル基であり、具体的にはフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
「アリールチオ基」とは、前記のアリール基を有するアリールチオ基であり、具体的にはフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
「アミノ保護基」とは、通常用いられる保護基であり、アミノ基を諸反応から保護するものであれば特に限定されない。具体的には、アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オキサリル基、スクシニル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、2−ブロモアセチル基、2−ヨードアセチル基、2,2−ジクロロアセチル基、2,2,2−トリクロロアセチル基、2,2,2−トリフルオロアセチル基、フェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、アダマンチルカルボニル基、フタロイル基等);アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロ−tert−ブトキシカルボニル基、ベンズヒドリルオキシカルボニル基、ビス−(4−メトキシフェニル)メトキシカルボニル基、フェナシルオキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基、2−トリフェニルシリルエトキシカルボニル基、フルオレニル−9−メトキシカルボニル基等);アルケニルオキシカルボニル基(例えば、ビニルオキシカルボニル基、2−プロペニルオキシカルボニル基、2−クロロ−2−プロペニルオキシカルボニル基、3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシカルボニル基、2−メチル−2−プロペニルオキシカルボニル基、2−ブテニルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基等);アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、4−ブロモベンジルオキシカルボニル基、2−クロロベンジルオキシカルボニル基、3−クロロベンジルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等);低級アルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等);アルキレンビス(ジアルキルシリル)基(例えば、エチレンビス(ジメチルシリル)基、プロピレンビス(ジメチルシリル)基、エチレンビス(ジエチルシリル)基等);アルキルチオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、tert−ブチルチオカルボニル基等);アラルキルチオカルボニル基(例えば、ベンジルチオカルボニル基等);ホスホリル基(例えば、ジシクロヘキシルホスホリル基、ジフェニルホスホリル基、ジベンジルホスホリル基、ジ−(4−ニトロベンジル)ホスホリル基、フェノキシフェニルホスホリル基等);ホスフィニル基(例えば、ジエチルホスフィニル基、ジフェニルホスフィニル基等)等が挙げられる。
「鎖中に1又は2以上の二重結合又は三重結合を有していてもよい直鎖又は分岐状のアルキレン基」とは、炭素数1〜10個の直鎖又は分岐状の鎖中に1又は2以上の二重結合又は三重結合を有していてもよいアルキレン基を意味し、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、プロピルエチレン基、イソプロピルエチレン基、メチルペンタエチレン基、エチルヘキサメチレン基、ジメチルエチレン基、メチルトリエチレン基、ジメチルトリメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ペンタジエニレン基、ヘキセニレン基、ヘキサジエニレン基、ヘキサトリエニレン基、ヘプテニレン基、ヘプタジエニレン基、ヘプタトリエニレン基、オクテニレン基、オクタジエニレン基、オクタトリエニレン基、オクタテトラエニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、メチルプロピニレン基等が挙げられる。好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ペンタジエニレン基、ヘキセニレン基、ヘキサジエニレン基、ヘキサトリエニレン基、ヘプテニレン基、ヘプタジエニレン基、ヘプタトリエニレン基、オクテニレン基、オクタジエニレン基、オクタトリエニレン基、オクタテトラエニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基等の直鎖のアルキレン基であり、特に好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素数1〜8個の直鎖のアルキレン基である。
「窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する2価の芳香族複素環基」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する5又は6員の2価の芳香族複素環基を意味し、具体的にはテトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、テトラジン環、トリアジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピリジン環等の2価の基が挙げられる。好ましくは5員の2価の芳香族複素環基であり、具体的にはテトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環の2価の基である。特に好ましくはオキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環の2価の基である。
「シクロアルキレン基」とは、炭素数3〜7個のシクロアルキレン基、即ち2価のシクロアルキル基を意味し、具体的にはシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等が挙げられる。好ましくは炭素数5又は6個のシクロアルキレン基であり、具体的にはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基である。
「アリーレン基」とは、具体的にはフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基等が挙げられ、好ましくはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基である。
「窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有し、かつ縮合環を形成してもよい2価の複素環基」とは、具体的にはジオキソラン環、ジチオール環、ピロリジン環、モルホリン環、オキサジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、チアトリアゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、テトラジン環、トリアジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピリジン環、フロイソオキサゾール環、イミダゾチアゾール環、チエノイソチアゾール環、チエノチアゾール環、イミダゾピラゾール環、シクロペンタピラゾール環、ピロロピロール環、チエノチオフェン環、チアジアゾロピリミジン環、チアゾロチアジン環、チアゾロピリミジン環、チアゾロピリジン環、オキサゾロピリミジン環、オキサゾロピリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾピラジン環、プリン環、ピラゾロピリミジン環、イミダゾピリジン環、ベンゾイミダゾール環、インダゾール環、ベンゾオキサチオール環、ベンゾジオキソール環、ベンゾジチオール環、インドリジン環、インドリン環、イソインドリン環、フロピリミジン環、フロピリジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、チエノピリミジン環、チエノピリジン環、ベンゾチオフェン環、シクロペンタオキサジン環、シクロペンタフラン環、ベンゾオキサジン環、ベンゾチアジン環、キナゾリン環、ナフチリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾピラン環、ピリドピリダジン環、ピリドピリミジン環等の2価の複素環基が挙げられる。好ましくはピペラジン環、ピペリジン環、ピリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環の2価の複素環基である。
「アルコキシカルボニル基」とは、炭素数2〜7個の直鎖又は分岐状のアルコキシカルボニル基を意味し、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基、ネオヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜5個の直鎖又は分岐状のアルコキシカルボニル基である。
「低級アルコキシカルボニル基」とは、炭素数2〜5個の直鎖又は分岐状のアルコキシカルボニル基を意味し、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基である。
「アシル基」とは、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、カプロイル基、イソカプロイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、グリセロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカテクオイル基、ガロイル基等が挙げられ、好ましくはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基である。
「アシルオキシ基」とは、前記のアシル基を有するアシルオキシ基であり、具体的にはホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、カプロイルオキシ基、イソカプロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、プロピオロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基、トルオイルオキシ基、ヒドロアトロポイルオキシ基、アトロポイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、フロイルオキシ基、グリセロイルオキシ基、トロポイルオキシ基、ベンジロイルオキシ基、サリチロイルオキシ基、アニソイルオキシ基、バニロイルオキシ基、ベラトロイルオキシ基、ピペロニロイルオキシ基、プロトカテクオイルオキシ基、ガロイルオキシ基等が挙げられ、好ましくはホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基である。
「窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する3〜7員の複素環基を意味し、具体的にはアジリジニル基、オキシラニル基、アゼチル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、チアトリアゾリル基、テトラゾリル基、ジチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ジオキソラニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フラニル基、チエニル基、テトラジニル基、ジチアジアジニル基、チアジアジニル基、トリアジニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、オキサジニル基、チアジニル基、ピペラジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピリジル基、ピラニル基、チオピラニル基、ジオキサゼピニル基、ジアゼピニル基、アゼピニル基等が挙げられる。好ましくは5又は6員の複素環基であり、具体的にはチアトリアゾリル基、テトラゾリル基、ジチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ジオキソラニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フラニル基、チエニル基、テトラジニル基、ジチアジアジニル基、チアジアジニル基、トリアジニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、オキサジニル基、チアジニル基、ピペラジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピリジル基、ピラニル基、チオピラニル基であり、Rでは、特に好ましくはピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピリジル基である。R12では、特に好ましくはピロリル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピリジル基である。
「窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する芳香族複素環基」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する5又は6員の芳香族複素環基を意味し、具体的にはテトラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、テトラジニル基、トリアジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピリジル基等が挙げられる。好ましくは5員の芳香族複素環基であり、具体的にはテトラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基である。特に好ましくはオキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基である。
「アルコキシアルコキシ基」とは、炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基を意味し、具体的にはメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、イソブトキシメトキシ基、sec−ブトキシメトキシ基、tert−ブトキシメトキシ基、ペンチルオキシメトキシ基、イソペンチルオキシメトキシ基、ネオペンチルオキシメトキシ基、tert−ペンチルオキシメトキシ基、ヘキシルオキシメトキシ基、イソヘキシルオキシメトキシ基、ネオヘキシルオキシメトキシ基、tert−ヘキシルオキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、イソブトキシエトキシ基、sec−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、ペンチルオキシエトキシ基、イソペンチルオキシエトキシ基、ネオペンチルオキシエトキシ基、tert−ペンチルオキシエトキシ基、ヘキシルオキシエトキシ基、イソヘキシルオキシエトキシ基、ネオヘキシルオキシエトキシ基、tert−ヘキシルオキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基、イソプロポキシプロポキシ基、ブトキシプロポキシ基、イソブトキシプロポキシ基、sec−ブトキシプロポキシ基、tert−ブトキシプロポキシ基、ペンチルオキシプロポキシ基、イソペンチルオキシプロポキシ基、ネオペンチルオキシプロポキシ基、tert−ペンチルオキシプロポキシ基、ヘキシルオキシプロポキシ基、イソヘキシルオキシプロポキシ基、ネオヘキシルオキシプロポキシ基、tert−ヘキシルオキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基、プロポキシブトキシ基、イソプロポキシブトキシ基、ブトキシブトキシ基、イソブトキシブトキシ基、sec−ブトキシブトキシ基、tert−ブトキシブトキシ基、ペンチルオキシブトキシ基、イソペンチルオキシブトキシ基、ネオペンチルオキシブトキシ基、tert−ペンチルオキシブトキシ基、ヘキシルオキシブトキシ基、イソヘキシルオキシブトキシ基、ネオヘキシルオキシブトキシ基、tert−ヘキシルオキシブトキシ基、メトキシペンチルオキシ基、エトキシペンチルオキシ基、プロポキシペンチルオキシ基、イソプロポキシペンチルオキシ基、ブトキシペンチルオキシ基、イソブトキシペンチルオキシ基、sec−ブトキシペンチルオキシ基、tert−ブトキシペンチルオキシ基、ペンチルオキシペンチルオキシ基、イソペンチルオキシペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシペンチルオキシ基、ヘキシルオキシペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシペンチルオキシ基、ネオヘキシルオキシペンチルオキシ基、tert−ヘキシルオキシペンチルオキシ基、メトキシヘキシルオキシ基、エトキシヘキシルオキシ基、プロポキシヘキシルオキシ基、イソプロポキシヘキシルオキシ基、ブトキシヘキシルオキシ基、イソブトキシヘキシルオキシ基、sec−ブトキシヘキシルオキシ基、tert−ブトキシヘキシルオキシ基、ペンチルオキシヘキシルオキシ基、イソペンチルオキシヘキシルオキシ基、ネオペンチルオキシヘキシルオキシ基、tert−ペンチルオキシヘキシルオキシ基、ヘキシルオキシヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシヘキシルオキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基で置換された炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基であり、具体的にはメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、イソブトキシメトキシ基、sec−ブトキシメトキシ基、tert−ブトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、イソブトキシエトキシ基、sec−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基、イソプロポキシプロポキシ基、ブトキシプロポキシ基、イソブトキシプロポキシ基、sec−ブトキシプロポキシ基、tert−ブトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基、プロポキシブトキシ基、イソプロポキシブトキシ基、ブトキシブトキシ基、イソブトキシブトキシ基、sec−ブトキシブトキシ基、tert−ブトキシブトキシ基である。
「低級アルコキシ低級アルコキシ基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基で置換された炭素数1〜4個の直鎖又は分岐状のアルコキシ基であり、具体的にはメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、イソブトキシメトキシ基、sec−ブトキシメトキシ基、tert−ブトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、イソブトキシエトキシ基、sec−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基、イソプロポキシプロポキシ基、ブトキシプロポキシ基、イソブトキシプロポキシ基、sec−ブトキシプロポキシ基、tert−ブトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基、プロポキシブトキシ基、イソプロポキシブトキシ基、ブトキシブトキシ基、イソブトキシブトキシ基、sec−ブトキシブトキシ基、tert−ブトキシブトキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基である。
「アルケニル基」とは、炭素数2〜6個の直鎖又は分岐状のアルケニル基を意味し、具体的にはアリル基、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−1−ブテニル基、クロチル基、1−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられる。
「アルキニル基」とは、炭素数2〜6個の直鎖又は分岐状のアルキニル基を意味し、具体的にはプロパルギル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−ペンチニル基、1−メチル−3−ペンチニル基、1−メチル−4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
「シクロアルキリデンアミノ基」とは、具体的にはシクロプロピリデンアミノ基、シクロブチリデンアミノ基、シクロペンチリデンアミノ基、シクロヘキシリデンアミノ基、シクロヘプチリデンアミノ基等が挙げられ、好ましくはシクロペンチリデンアミノ基、シクロヘキシリデンアミノ基である。
「置換されていてもよい窒素含有非芳香族複素環基」の「置換されていてもよい」とは、1〜3個の置換基により置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよい。また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述の低級アルキル基;前述のハロゲン化低級アルキル基;前述のシクロアルキル基;前述のアラルキル基;前述のアリール基;前述のアミノ保護基等が挙げられる。好ましくは低級アルキル基、アミノ保護基である。
「置換されていてもよく、かつ鎖中に1又は2以上の二重結合又は三重結合を有していてもよい直鎖又は分岐状のアルキレン基」の「置換されていてもよい」とは、1又は2個以上の置換基で置換されていてもよいことを意味し、当該置換基は、同一又は異なっていてもよい。置換基の具体例としては、前述のハロゲン原子;水酸基;アミノ基(前述の低級アルキル基、前述のハロゲン化低級アルキル基、前述のシクロアルキル基、前述のアラルキル基、前述のアリール基及び前述のアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。);前述の低級アルコキシ基;前述のアラルキル基;前述のシクロアルキル基等である。
11における「置換されていてもよいアルコキシ基」及び「置換されていてもよいアルキルチオ基」の「置換されていてもよい」とは、1又は2個以上の置換基により置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述のハロゲン原子;前述の低級アルコキシ基;前述のアルキルチオ基;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい);カルボキシル基;前述のアルコキシカルボニル基;前述のアシル基;前述のアシルオキシ基;前述のアリール基;前述のアリールオキシ基;前述のアリールチオ基;前述のアリールオキシカルボニル基;前述のアラルキルオキシ基;前述のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくはアミノ基;低級アルコキシ基;ハロゲン原子;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アラルキルオキシカルボニル基である。
11における「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」、「置換されていてもよいアリールオキシ基」、「置換されていてもよいアラルキルオキシ基」及び「置換されていてもよいアリールチオ基」の「置換されていてもよい」とは、環上に1〜3個の置換基を有していてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述の低級アルキル基;前述のハロゲン原子;前述の低級アルコキシ基;前述のアルキルチオ基;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい);カルボキシル基;前述のアルコキシカルボニル基;前述のアシル基;前述のアシルオキシ基;前述のアリール基;前述のアリールオキシ基;前述のアリールチオ基;前述のアリールオキシカルボニル基;前述のアラルキルオキシ基;前述のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくは低級アルキル基;アミノ基;低級アルコキシ基;ハロゲン原子;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アラルキルオキシカルボニル基であり、特に好ましくは低級アルキル基である。
における「置換されていてもよいアラルキル基」の「置換されていてもよい」とは、アリール基上に1〜3個の置換基を有していてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述の低級アルキル基;前述の低級アルコキシ基;前述のアシル基;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい);前述のアルコキシカルボニル基;前述のアリールオキシカルボニル基;前述のアリールオキシ基;前述のアルキルチオ基;前述のアリールチオ基;前述のアリール基;前述のハロゲン原子等が挙げられる。好ましくは低級アルキル基;低級アルコキシ基;ハロゲン原子であり、特に好ましくは低級アルキル基である。
における「置換されていてもよい低級アルキル基」、「置換されていてもよい低級アルコキシ基」及び「置換されていてもよい低級アルキルチオ基」の「置換されていてもよい」とは、1又は2個以上の置換基により置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述のハロゲン原子;水酸基;前述のアルコキシ基;前述のアリールオキシ基;アミノ基(前述の低級アルキル又は前述のアシル基で置換されていてもよい);メルカプト基;前述のアルキルチオ基;前述のアリールチオ基;カルボキシル基;前述のアルコキシカルボニル基;前述のアリールオキシカルボニル基;カルバモイル基;前述のハロゲン化低級アルキル基;スルファモイル基;シアノ基;ニトロ基;アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基等);アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基等);アリールスルホニル基(例、フェニルスルホニル基等)等が挙げられる。好ましくはハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基;アミノ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基である。
における「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」及び「置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基」の「置換されていてもよい」とは、1又は2個以上の置換基により置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述の低級アルキル基;前述のハロゲン原子;水酸基;前述のアルコキシ基;前述のアリールオキシ基;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい);メルカプト基;前述のアルキルチオ基;前述のアリールチオ基;カルボキシル基;前述のアルコキシカルボニル基;前述のアリールオキシカルボニル基;カルバモイル基;前述のハロゲン化低級アルキル基;スルファモイル基;シアノ基;ニトロ基;アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基等);アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基等);アリールスルホニル基(例、フェニルスルホニル基等);等が挙げられる。好ましくは低級アルキル基;ハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基;アミノ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基である。
における「置換されていてもよいアルキル基」の「置換されていてもよい」とは、1又は2個以上の置換基により置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、水酸基;前述の低級アルコキシ基;メルカプト基;前述の低級アルキルチオ基;カルボキシル基;前述の低級アルコキシカルボニル基;ハロゲン原子;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい)等が挙げられる。好ましくは水酸基;ハロゲン原子;低級アルコキシ基である。
における「置換されていてもよいアリール基」及び「置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する芳香族複素環基」の「置換されていてもよい」とは、環上に1〜3個の置換基を有していてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述の低級アルキル基;水酸基;前述の低級アルコキシ基;メルカプト基;前述の低級アルキルチオ基;カルボキシル基;前述の低級アルコキシカルボニル基;ハロゲン原子;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい);等が挙げられる。好ましくは水酸基;低級アルキル基;ハロゲン原子;低級アルコキシ基である。
12における「置換されていてもよいアルケニル基」及び「置換されていてもよいアルキニル基」の「置換されていてもよい」とは、1又は2個以上の置換基により置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、水酸基;前述のアルコキシ基;カルボキシル基;前述のアルコキシカルボニル基;前述のアシルオキシ基;アミノ基(前述のアラルキル、前述のアリール基、前述のアラルキル基又は前述のアミノ保護基で置換されていてもよい)等が挙げられる。好ましくは水酸基;アルコキシ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アシルオキシ基である。
12における「置換されていてもよいシクロアルキル基」、「置換されていてもよいアリール基」及び「置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基」の「置換されていてもよい」とは、環上に1〜3個の置換基を有していてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、水酸基;前述の低級アルコキシ基;メルカプト基;前述の低級アルキルチオ基;カルボキシル基;前述の低級アルコキシカルボニル基;前述の低級アルキル基;アミノ基(前述の低級アルキル基で置換されていてもよい);前述のハロゲン原子;カルバモイル基;シアノ基;前述のアシル基;ニトロ基;スルファモイル基;アルコキシチオカルボニル基;チオアルカノイル基;アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等);アゾメチン基(前述の低級アルキル基、前述のアリール基又は前述のアラルキル基で置換されていてもよい);アルコキシアミノ基(例、メトキシアミノ基、イソプロポキシアミノ基等);ヒドラジノ基(前述の低級アルキル基、前述のアリール基又は前述のアラルキル基で置換されていてもよい);アミノオキシ基(前述の低級アルキル基、前述のアリール基又は前述のアラルキル基で置換されていてもよい);アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル基等)等が挙げられる。好ましくは水酸基;低級アルキル基;ハロゲン原子;低級アルコキシ基;アミノ基;カルボキシル基である。
12における「置換されていてもよいアラルキル基」の「置換されていてもよい」とは、アリール基上に1〜3個の置換基を有していてもよいことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよく、また置換基の位置は任意であって特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、前述の低級アルキル基;前述の低級アルコキシ基;前述のアシル基;アミノ基(前述の低級アルキル基又は前述のアシル基で置換されていてもよい);前述のアルコキシカルボニル基;前述のアリールオキシカルボニル基;前述のアリールオキシ基;前述のアルキルチオ基;前述のアリールチオ基;前述のアリール基;前述のハロゲン原子等が挙げられる。好ましくは低級アルキル基;低級アルコキシ基;ハロゲン原子である。
化合物(I)における酸付加塩としては、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、硝酸)又は有機酸(例えば、シュウ酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、乳酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、吉草酸、マロン酸、ニコチン酸、プロピオン酸)とから形成される酸付加塩が挙げられる。本発明の好ましい酸付加塩は、塩酸との塩であり、さらに好ましくは二塩酸塩である。
化合物(I)には、不斉炭素に基づく1又は2以上の立体異性体が存在し得る。本発明は、当該異性体及びその混合物をも包含する。さらに、化合物(I)の水和物、薬理的に許容される有機溶媒(例えば、エタノール等)との溶媒和物、並びにプロドラッグも本発明に包含される。
「プロドラッグ」とは、化学的又は代謝的に分解し得る基を有し、生体に投与された後、元の化合物に復元して本来の薬効を示す本発明化合物の誘導体であり、共有結合によらない複合体及び塩を含む。
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のカルボキシル基が、エチル基、ピバロイルオキシメチル基、1−(アセチルオキシ)エチル基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、カルボキシルメチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基、フェニル基、o−トリル基等で修飾された化合物;化合物(I)の水酸基が、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、ジメチルカルバモイル基、スルホ基で修飾された化合物;化合物(I)のアミノ基が、ヘキシルカルバモイル基、3−メチルチオ−1−(アセチルアミノ)プロピルカルボニル基、1−スルホ−1−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)メチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基等で修飾された化合物等が挙げられる。
化合物(I)は、好ましくは、式(II)
Figure 2005336172
で表される(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネート(すなわち、N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニン エチルエステル)又はその薬理学的に許容される酸付加塩〔以下、合わせて化合物(II)ともいう。〕である。
さらに好ましくは、化合物(I)は、式(II-a)
Figure 2005336172
で表される、(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネート 二塩酸塩(すなわち、N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニン エチルエステル 二塩酸塩)〔以下、化合物(II−a)ともいう。〕である。
化合物(I)は、動物(例えば、ラット、マウス、ブタ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、サル、ヒト等の哺乳動物)の虚血再灌流障害部位で産生される各種炎症性サイトカイン(例えば、TNF−α、IL−6、IL−8、CINC−1、GM−CSF等)の産生を抑制する。本発明の化合物(I)は炎症性サイトカイン産生のシグナル経路の上流を直接に阻害しているため、虚血再灌流障害を引き起こした各種臓器を効果的に保護することができると考えられるが、特に腎臓において顕著な保護作用がみられる。しかして、本発明の化合物(I)は、腎虚血再灌流障害を伴う各種疾患や病態の治療または予防に有効な医薬、すなわち腎虚血再灌流障害治療薬または予防薬の有効成分として有用である。例えば、腎虚血再灌流障害を伴う疾患や病態に対する化合物(I)の適用としては、心拍出量低下や出血等に伴う腎血流の低下に起因するショック腎に対する化合物(I)の単回または持続点滴による後投与;腎動脈や大動脈の収縮や狭窄による腎血流の低下、出血による腎血流の低下、腎臓手術に伴う腎動静脈のクランプ等に伴う急性虚血性腎不全に対する化合物(I)の単回または持続点滴による後投与;腎移植後に摘出腎の血流途絶による虚血後、腎血管吻合に伴う血流再開によって生じる腎虚血再灌流障害を予防するためのレシピエントに対する化合物(I)の単回または持続点滴による前投与;腎移植におけるドナーからの摘出腎の血流途絶に伴う腎虚血再灌流障害を予防するための化合物(I)の単回前投与;腹部大動脈の手術等での大動脈遮断に伴う腎血流の低下、大動脈の損傷等による腎血流の低下、腎臓手術に伴う腎動静脈のクランプ等に伴う腎虚血に対する化合物(I)の単回または持続点滴による後投与または予めわかっている場合は予防的前投与;腎血流の低下を伴う腎血管損傷に対する化合物(I)の単回または持続点滴による後投与;心拍出量低下や出血等に伴う腎血流の低下、腎動脈の収縮に起因する腎血流量低下に対する化合物(I)の単回または持続点滴による後投与;血管の物理的圧迫による腎血流の低下を伴う腎動脈狭窄症に対する化合物(I)の単回または持続点滴による予防的前投与;ショック腎、急性虚血性腎不全、腎虚血、腎血管損傷、腎血流量低下、腎動脈狭窄症等に伴う急性腎不全に対する化合物(I)の単回または持続点滴による後投与;心拍出量低下や出血等に伴う腎血流の低下を伴う人口心肺後腎障害に対する化合物(I)の単回または持続点滴による予防的前投与;あるいは急性腎後性腎不全、急性腎性腎不全、急性腎前性腎不全、腎機能障害、腎機能低下、腎血栓、腎梗塞、腎塞栓、腎動脈血栓症、腎動脈塞栓症、腎動脈損傷、腎動脈閉塞症等に対する適用が挙げられる。
化合物(I)は、腎虚血再灌流障害の治療又は予防のために動物(例えば、ラット、マウス、ブタ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、サル、ヒト等の哺乳動物、好ましくヒト(雄性および雌性))に常法により投与することが出来る。化合物(I)はそのまま投与することも出来るが、好ましくは、医薬組成物として投与される。当該医薬組成物は、化合物(I)を1又は2以上の薬理学的に許容される担体又は賦形剤と共に含有し、さらに他の治療剤及び/又は成分を含んでいてもよい。担体又は賦形剤は、他の成分と両立することができ、無毒性のものであればよい。
化合物(I)を有効成分として含有する医薬組成物として用いる場合には、通常、薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤及び/又はその他の添加剤(例えば、水、植物油、アルコール(例、エタノール又はベンジルアルコール)、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、ラクトース、炭水化物(でんぷん等)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラノリン、白色ワセリン等)と混合して、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、注射剤、点眼剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤、エアゾール剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の剤形の医薬組成物とすることが出来る。
経口投与では、微紛又は顆粒の形態で、希釈剤、分散剤及び/又は表面活性剤を含んでいてもよく、例えば、水中、シロップ中、乾燥状態でのカプセルもしくは分包中、懸濁剤を含んでもよい非水性溶液もしくは懸濁液中、又は結合剤及び滑剤を含んでいてもよい錠剤中に存在していてもよい。甘味剤、矯味剤、保存剤(例えば、抗菌性保存剤)、懸濁剤、粘稠剤及び/又は乳化剤も医薬組成物中に存在していてもよい。
非経口投与では、医薬組成物は液剤又は懸濁剤の剤形であり、化合物(I)及び精製水を含有することが出来る。液剤又は懸濁剤に含まれていてもよい成分としては、保存剤(例えば、抗菌性保存剤)、緩衝剤、それらの溶液及び混合物が挙げられる。医薬組成物の成分は、1以上の機能を発揮してもよい。医薬組成物は、一用量又は複数用量の容器、例えば、シールされたバイアル及びアンプルに入れ凍結乾燥状態で保存することができ、使用前に殺菌された液状担体(例えば、水や生理食塩水)に添加すればよい。好ましい態様としては、化合物(I)は、D−マンニトールと共に含有する凍結乾燥製剤として製剤される。凍結乾燥製剤は、好ましくは使用前に生理食塩水で希釈される。
化合物(I)を含有する医薬組成物は、医薬分野で周知の方法〔例えば、ガナロ(Gennaro)ら、「レミントンの製薬科学」1990年、第18版、マック出版(Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Co., 1990)、特に第8章「医薬製剤とその製造(Part 8: Pharmaceutical Preparations and their Manufacture)」〕に記載の方法によって、調製することが出来る。当該方法は化合物(I)を医薬組成物の他の成分と共に会合させる工程を含む。
本発明の治療・予防薬は、幾つかの適当な方法で投与することができ、投与ルートは特に限定されないが、経口、口腔内、鼻腔内、経皮、注射、徐放、制御放出、イオン導入(iontophoresis)、超音波導入(sonophoresis)が挙げられる。注射は特に限定されないが、静脈内(intravenous)、筋肉内(intramuscular)、皮下(subcutaneous)、腹腔内(intraperitoneal)、髄腔内(intraspinal)、クモ膜下内(intrathecal)、脳室内(intracerebroventricular)、動脈(intraarterial)内、その他の注射ルート等の非経口ルートが挙げられる。非経口投与では、医薬組成物を液状又は非液状の殺菌した注射製剤とすることができ、好ましくは、静脈内注射製剤である。
化合物(I)の適切な投与量は、患者の虚血再灌流障害のタイプや症状、投与経路、性差、体重等のより変化する。成人の経口投与の場合、例えば、化合物(I)(特に化合物(II)又は(II-a))の1日の用量として、通常約0.01〜1,000mg(例えば、約0.05mg、約0.1mg、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又はその範囲)であり、好ましくは約0.1〜100mgである。
化合物(I)(特に化合物(II)又は(II-a))が成人に静脈内投与される場合、例えば、1日の用量として、通常、約0.01〜100mg/kg(例えば、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、又はその範囲)であり、好ましくは約0.01〜50mg/kgであり、一回又は数回(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上)に分けて投与することが出来る。あるいは、化合物(I)(特に化合物(II)又は(II-a))は、期間(例えば、数時間から一日又はそれ以上)を選択して、持続静脈内投与してもよい。持続投与の一日総投与量は、通常、非持続静脈内投与で使用される一日投与量と同じである。
本発明の治療又は予防薬は、腎虚血再灌流障害を治療又は予防するために適切な時期に投与される。例えば、再灌流の約2時間前から再灌流の約30分後まで(例えば、再灌流の約1.75時間前、再灌流の約1.5時間前、再灌流の約1.25時間前、再灌流の約1時間前、再灌流の約50分前、再灌流の約40分前、再灌流の約30分前、再灌流の約20分前、再灌流の約10分前、再灌流とおよそ同時、再灌流の約5分後、再灌流の約10分後、再灌流の約15分後、再灌流の約20分後、再灌流の約25分後、又はその範囲)の間に投与することができる。
ヒトを含む動物の虚血再灌流の後、炎症性サイトカインが上昇し、その炎症性サイトカインが腎機能低下に直接影響を与えていることが知られている。例えば、IL−1β、IL−6、IL−8、インターフェロン(IFN)−γ、TNF−α、CINC−1等が、広範囲の虚血に続き、上昇することが報告されている。従って、本発明は、炎症性サイトカイン産生阻害作用を有する化合物(I)を投与することにより、1又は2以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の炎症性サイトカインの産生を阻害して、腎虚血再灌流障害を治療又は予防する医薬、すなわち、特定の炎症性サイトカイン産生阻害剤を含有する腎虚血再灌流障害治療または予防薬を提供するものである。産生が阻害される炎症性サイトカインは、好ましくは、TNF−α、IL−1β、IL−6、IL−8、IL−10、顆粒球コロニー刺激因子(GM−CSF)又はCINC−1であり、より好ましくは、IL−6、IL−8、TNF−α、CINC−1又はその組み合わせである。さらには、2以上の炎症性サイトカイン(例えば、3以上、4以上、5以上)の産生が組み合わされて阻害される態様が最も好ましい。
なお、CINC−1はラットにおける好中球走化性因子であり、ヒトの好中球走化性因子であるIL−8とは配列上の相同性は低いが、その機能においてIL−8と類似しており、ラットにおけるIL−8に相当するサイトカインと位置付けられる(薬学雑誌、2002年、第122巻、第4号、P.263−268参照)。
以下、本発明の有用性を示すため、試験例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。評価試験は、化合物(I)として(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネート 二塩酸塩〔化合物(II−a)〕を用いて行った。
試験例1:ラット腎虚血再灌流障害抑制効果の評価
雄性Wistar系ラット(300−350g)を正常群(N群という、n=8)、コントロール群(C群という、n=8)および化合物(II−a)投与群(J群という、n=8)に群分けした。全てのラットをネンブタール腹腔内投与(50mg/kg)により麻酔し、C群およびJ群のラットの左大腿静脈を露出し、C群には生理食塩水(0.6mL)、J群には化合物(II−a)の5%マンニトール溶液(15mg/mL)を30mg/kgの用量(約0.6〜0.7mL)で静脈内ボーラス投与し、N群は擬似手術を行った。次いで、右側の腎臓を摘出し、薬物投与30分後に左側の腎臓を背部より露出し、腎門部をクリップで挟み、45分間虚血を行った後クリップを外し、血流を再灌流させた。
虚血再灌流24時間後の血清、尿および腎臓を採取した。腎機能のパラメーターとして血中尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン(Cr)および尿中N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(NAG)を常法に従い測定し、腎機能障害を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005336172
腎臓の虚血再灌流により、BUN、CrおよびNAGは有意に上昇し、腎機能が障害されていることが示唆された(表1、C群)。化合物(II−a)の投与により、BUN、CrおよびNAGの上昇は抑制され、腎障害が改善されていることが分った(表1、J群)。
試験例2:ラット腎虚血再灌流障害におけるCINC−1産生阻害作用の評価
(1)雄性Wistar系ラット(300−350g)を試験例1と同様に腎虚血再灌流処理を行い、腎障害モデルを作成した。虚血再灌流処理前(pre群)、腎虚血再灌流後1、2、3、6、12時間の腎臓をそれぞれ採取し(C群という、n=7×6)、定法に従いCINC−1タンパク量を測定した。結果を表2に示す。
(2)試験例1と同様に処理して、擬似手術群(N群という、n=7)および化合物(II−a)投与群(30mg/kg、J群という、n=7)を作成した。上記(1)にてC群のCINC−1タンパク量産生量が最高値を示した時間(腎虚血再灌流後2時間後)においてそれぞれの群から腎臓を採取し、上記(1)と同様の方法によりCINC−1タンパク産生量を測定し、比較検討を行った。結果を表3に示す。
Figure 2005336172
Figure 2005336172
腎虚血再灌流によりCINC−1のタンパク発現が増加し、2時間後にピークに達した。虚血前化合物(II−a)投与により、ピーク時において、CINC−1タンパク発現量は有意に抑制された。
以上の結果より、ラット腎虚血再灌流障害によりラット好中球走化性因子であるCINC−1の産生量が亢進して、これが腎虚血再灌流障害において重要な役割を演じていることが示唆された。虚血前化合物(II−a)投与により、腎虚血再灌流障害部位におけるCINC−1産生量が抑制され、その結果として腎障害が予防的に改善されることが示唆された。
CINC−1は、ヒトにおけるIL−8に相当する好中球走化性因子であり、ヒトの腎虚血再灌流障害においても本発明の化合物(I)を投与することにより、IL−8をはじめとする炎症性サイトカインの産生が抑制されて、その結果として腎障害に対する予防又は治療的効果が期待できる。
製剤例1:静脈内注射製剤(凍結乾燥製剤)
1)化合物(II−a) 1 mg
2)D−マンニトール 10 mg
3)グリシン 10 mg
4)ポリソルベート80 0.1mg
合計 21.1mg
1)〜4)を水に溶かし、バイアルに充填した。薬液を充填したバイアルを凍結乾燥することにより静脈内注射製剤を製造した。

Claims (7)

  1. 式(I)
    Figure 2005336172

    〔式中、Rは置換されていてもよい窒素含有非芳香族複素環基;水酸基;R;Rで置換されたアルコキシ基;Rで置換されたアルキルチオ基;又はRで置換されたアルキルアミノ基〔ここで、Rはアミノ基、グアニジノ基、アミジノ基、カルバモイル基、ウレイド基、チオウレイド基、ヒドラジノ基、ヒドラジノカルボニル基又はイミノ基(これらの基は、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい)である〕を示し;
    Aは置換されていてもよく、かつ鎖中に1又は2以上の二重結合又は三重結合を有していてもよい直鎖又は分岐状のアルキレン基;又は単結合を示し;
    Xは酸素原子;硫黄原子;シクロアルキレン基;窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する2価の芳香族複素環基;−SO−;−SO−;−C=C−;−C≡C−;−CO−;−COO−;−OOC−;−CS−;−COS−;−O−CO−O−;−NH−CO−NH−;−NH−CS−NH−;−NH−C(=NH)−NH−;−NR−;−NRCO−;−CONR−;−NRSO−;−SONR−;−NR−COO−;−OOC−NR−;又は−CR10−〔ここで、Rは水素原子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラルキル基;又はアミノ保護基を示し、R及びR10は同一又は異なって、水素原子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;又はアラルキル基を示す〕を示し;
    Mはアリーレン基;シクロアルキレン基;又は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有し、かつ縮合環を形成してもよい2価の複素環基を示し;
    、R、R、Rは同一又は異なってそれぞれ、水素原子(但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つは水素原子ではない。);水酸基;ハロゲン原子;アルコキシ基;メルカプト基;アルキルチオ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アリールオキシカルボニル基;アシル基;水酸基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基;又は−O−CO−R11〔ここで、R11は置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよいアラルキルオキシ基;置換されていてもよいアルキルチオ基;置換されていてもよいアリールチオ基;又はアルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子及び、低級アルキル基又はアシル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕を示し;
    は水素原子;ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアラルキル基;又はアミノ保護基を示し;
    mは0又は1〜6から選ばれる整数を示し;
    は置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよい低級アルキル基;置換されていてもよい低級アルコキシ基;置換されていてもよい低級アルキルチオ基;低級アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基;又は置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基を示し;
    は水素原子;置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する芳香族複素環基;又は−CO(Y)12〔ここで、Yは酸素原子;硫黄原子;−NR13−;又は−NR13−SO−(R13は水素原子;アルキル基;アラルキル基;水酸基;アルコキシ基;アリール基;又はアミノ保護基を示す。)を示し、pは0又は1を示し、R12は水素原子;置換されていてもよいアルケニル基;置換されていてもよいアルキニル基;置換されていてもよいシクロアルキル基;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよいアラルキル基;アダマンチル基;シクロアルキリデンアミノ基;置換されていてもよく、かつ窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基;又は水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のヘテロ原子を有する複素環基、及びアミノ基(該アミノ基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ保護基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基を示す。〕を示す。〕で表される化合物又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有することを特徴とする腎虚血再灌流障害治療または予防薬。
  2. Rが低級アルキル基で置換されていてもよいピペラジニル基、低級アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基またはアミノ基(当該アミノ基は、低級アルキル基で置換されていてもよい)であり;
    Aが直鎖のアルキレン基であり;
    Xが酸素原子、硫黄原子、−NH−または−CH−であり;
    Mがアリーレン基であり;
    、R、RおよびRが、同一または異なってそれぞれ、水素原子(但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つは水素原子ではない。);水酸基;ハロゲン原子または−O−CO−R11’(ここで、R11’はアミノ基、アシルオキシ基およびベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されてもよい低級アルキル基;または低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。)であり;
    が水素原子であり;
    mが1であり;
    がフェニル基であり;
    が−COO−R12’(ここで、R12’は水素原子;アラルキル基;アダマンチル基;シクロアルキリデンアミノ基;低級アルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基;低級アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基;又は水酸基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ピペラジニル基および低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基である、請求項1記載の治療または予防薬。
  3. 式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩が、(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネートまたはその薬理学的に許容される酸付加塩である、請求項1記載の治療または予防薬。
  4. 式(I)で表される化合物の薬理学的に許容される酸付加塩が、(-)-エチル N-{3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ベンゾイル}-L-フェニルアラニネート・二塩酸塩である、請求項1記載の治療または予防薬。
  5. 式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩が、炎症性サイトカイン産生阻害作用を有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の治療または予防薬。
  6. 炎症性サイトカインが腫瘍壊死因子(TNF)−α、IL−6、IL−8、CINC−1(Cytokine-induced neutrophil chemoattractant-1)またはそれらの組み合わせである、請求項5記載の治療または予防薬。
  7. 静脈内注射製剤の剤形である、請求項1〜6のいずれかに記載の治療または予防薬。
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