JP2005335089A - 伝動ベルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝動ベルトの製造方法において、圧縮ゴム層と接着ゴム層との加硫時間が長くなっても、心線と接着ゴム層との間の接着力の低下を小さく抑えると共に、耐熱走行寿命の改善された伝動ベルトを製造する方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル心線にクロロスルホン化ポリエチレンゴムを含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)にて接着処理を施し、これを接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層したものを加圧加熱下に加硫して、共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムからなる圧縮ゴム層と接着ゴム層とを加硫接着する伝動ベルトの製造方法において、上記RFL又は上記接着ゴム層用未加硫ゴムシート中に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を含有させる。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステル心線にクロロスルホン化ポリエチレンゴムを含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)にて接着処理を施し、これを接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層したものを加圧加熱下に加硫して、共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムからなる圧縮ゴム層と接着ゴム層とを加硫接着する伝動ベルトの製造方法において、上記RFL又は上記接着ゴム層用未加硫ゴムシート中に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を含有させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、伝動ベルトの製造方法に関し、詳しくは、圧縮ゴム層と接着ゴム層とを共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム加硫物から形成すると共に、上記接着ゴム層内にポリエステル繊維からなる心線を埋設し、接着してなる伝動ベルトの製造方法であって、加硫時の作業性にすぐれるのみならず、耐熱走行寿命の長い伝動ベルトの製造方法に関する。
一般に、VベルトやVリブドベルト等のような伝動ベルトは、圧縮ゴム層と接着ゴム層とを有し、この接着ゴム層内に心線が埋設、接着されており、ベルトの上面又は下面又は側面を含む全周面は、必要に応じて、ゴム引き帆布が接着されている。
このような伝動ベルトにおいて、従来、一般に、圧縮ゴム層にはクロロプレンゴムや、水素化ニトリルゴムとクロロスルホン化ポリエチレンゴムとの混合物が用いられているが、近年、伝動ベルトの廃棄に伴う環境保護の観点から、伝動ベルトの素材ゴムにも、脱塩素化の要請に基づいて、圧縮ゴム層と共に、接着ゴム層にも、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを用いることが試みられている。
しかし、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、既に知られているように、ポリエステル繊維からなる心線(以下、ポリエステル心線という。)に対して接着性が十分でなく、従って、従来、ポリエステル心線を用いる伝動ベルトにおいては、接着ゴム層と心線との接着が十分でなく、また、繰り返し屈曲によって接着力が低下し、その結果、長時間にわたる走行時にベルトから心線が露出したり、ゴム層に割れが生じる等の問題があった。
一般に、伝動ベルトの製造においては、心線をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(以下、RFLという。)なる水性接着剤に浸漬し、加熱乾燥して、心線に接着処理を施した後、接着ゴム層中に埋設することによって、心線とゴムとを接着している。ここに、心線の接着処理に用いるRFLの組成、特に、ラテックス成分を形成するゴム種が心線と接着ゴム層との間の接着力に大きい影響を及ぼすので、これまでも、RFLの組成について種々の検討がなされている。
例えば、圧縮ゴム層と接着ゴム層とが共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム加硫物からなり、ポリエステル心線を接着ゴム層中に埋設、接着してなる伝動ベルトの製造において、ゴム成分がクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種のゴムラテックスをむRFLにてポリエステル心線を接着処理することによって、ポリエステル心線と接着ゴム層との間の接着力を改善することができることが知られている(特許文献1参照)。
また、ポリエステル心線に多官能のイソシアネート化合物やエポキシ化合物を含む溶液を含浸させ、加熱、乾燥して、第1の接着処理を施し、次に、レゾルシン−ホルマリン−ラテックスを用いて第2の接着処理を施した後、更に、例えば、クロロスルホン化ポリエチレンに加硫剤を配合した処理液にて第3の接着処理を施し、このようにして、3段にわたる接着処理を施した心線をエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム未加硫シートからなる接着ゴム層に密着加硫させて、伝動ベルトを製造する方法も知られている(特許文献2参照)。
しかし、心線をこのように接着処理した場合であっても、伝動ベルトの製造に際して、圧縮ゴム層と接着ゴム層とを加硫接着する際に加圧加熱下に長時間にわたって加硫した場合に心線と接着ゴム層との間の接着力が低下するので、加硫作業において時間を厳密に制御しなければならないという困難があり、また、得られた伝動ベルトを自動車のエンジンルームのような高温環境下に長時間走行させた場合にも、心線と接着ゴム層との間の接着力が低下する問題があり、最悪の場合には、伝動ベルトが破損するおそれもあることが見出されており、このような問題の解決が強く要望されている。
特開2001−3991号公報
特開2002−294178報
本発明は、圧縮ゴム層と接着ゴム層とを共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムから形成し、この接着ゴム層内にポリエチレン心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造における上述したような問題を解決するためになされたものであって、伝動ベルトの製造時に圧縮ゴム層と接着ゴム層との加硫時間が長くなっても、心線と接着ゴム層との間の接着力を抑えて、加硫時の作業性の自由度を高めると共に、高温環境下においても耐熱走行性にすぐれる伝動ベルトを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックスに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックス中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合することを特徴とする伝動ベルトの製造方法が提供される。以下、この方法を本発明の第1の方法という。
また、本発明によれば、ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、第1の接着処理を施した後、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含有するオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記オーバーコーティング剤に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合することを特徴とする伝動ベルトの製造方法が提供される。以下、この方法を本発明の第2の方法という。
更に、本発明によれば、ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合することを特徴とする伝動ベルトの製造方法が提供される。以下、この方法を本発明の第3の方法という。
また、本発明によれば、ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、第1の接着処理を施した後、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含有するオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記オーバーコーティング剤に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合し、上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合すると共に、上記オーバーコーティング剤と上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートにそれぞれのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の合計量を30重量部以下とすることを特徴とする伝動ベルトの製造方法が提供される。以下、この方法を本発明の第4の方法という。
更に、本発明によれば、ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、第1の接着処理を施した後、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含有するオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックスに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックス中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合し、上記オーバーコーティング剤に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合し、上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の元素の受酸剤を上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合すると共に、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックスと上記オーバーコーティング剤と上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートにそれぞれのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の合計を30重量部以下とすることを特徴とする伝動ベルトの製造方法。以下、この方法を本発明の第5の方法という。
本発明によれば、上述したように、受酸剤をRFL、オーバーコーティング剤及び接着ゴム層のための未加硫ゴム配合物の少なくとも1種にそれらの有するゴム成分に対して所定の割合にて配合することによって、ポリエステル心線を埋設した接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる積層体を加圧加熱下に加硫する際に、ポリエステル心線の接着処理に用いたRFL中のクロロスルホン化ポリエチレンゴム又はアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムに由来して発生するハロゲン酸を上記受酸剤によって中和し、かくして、上記積層体の加硫によって得られる加硫接着体において、心線と接着ゴム層との間の接着が上記ハロゲン酸によって劣化することを抑えて、加硫を長時間にわたって行っても、心線と接着ゴム層との間の接着力の低下を抑えて、しかも、耐熱走行寿命の改善された伝動ベルトを得ることができる。
本発明において、伝動ベルトは、Vリブドベルト及びVリブドベルトを含むものとする。
図1は、伝動ベルトの一例であるVリブドベルトの横断面図を示し、ベルトの上面は、単層又は複数層のゴム引き帆布1にて形成されており、これに隣接して、接着ゴム層3が積層されている。この接着ゴム層には、複数のポリエステル心線2が間隔を置いてベルト長手方向に延びるように埋設されている。更に、この接着ゴム層に隣接して、圧縮ゴム層5が積層されている。この圧縮ゴム層には、ベルト長手方向に延びるように相互に間隔を有するリブ4を有する。多くの場合、圧縮ゴム層5には、その耐側圧性を高めるために、ベルトの幅方向に短繊維6が配向して分散されている。
図2は、伝動ベルトの一例であるローエッジ型のVベルトの横断面図を示し、ベルトの上面は、上記と同様に、単層又は複数層のゴム引き帆布1にて形成されており、必要に応じて、上ゴム層7が積層され、これに隣接して、上記と同様に心線2が埋設された接着ゴム層3が積層され、更に、これに隣接して、圧縮ゴム層5が積層されている。多くの場合、圧縮ゴム層5には、その耐側圧性を高めるために、ベルトの幅方向に短繊維6が配向して分散されている。圧縮ゴム層は、通常、単層又は複数層のゴム引き帆布1にて被覆されている。
本発明によれば、ラテックス成分としてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むRFLをポリエステル心線に含浸させ、加熱乾燥して、ポリエステル心線に第1の接着処理を施し、次いで、必要に応じて、未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを適宜の有機溶媒に溶解してなるオーバーコーティング剤を更にポリエステル心線に含浸させ、加熱乾燥して、ポリエステル心線に第2の接着処理を施し、この後、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート(以下、接着ゴム層用未加硫ゴムシートという。)間に載置し、この接着ゴム層用未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート(以下、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートという。)に積層し、このようにして得た積層物を加圧加熱し、加硫して、共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムからなる圧縮ゴム層と接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、
(a)上記RFLか、 (b)上記接着ゴム層用未加硫ゴムシートか、又は
(c)上記オーバーコーティング剤か
に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を配合して用いるものである。以下、このように、受酸剤を配合するRFL、接着ゴム層のための未加硫ゴムシート及びオーバーコーティング剤をそれぞれ受酸剤の配合対象ということとする。
(a)上記RFLか、 (b)上記接着ゴム層用未加硫ゴムシートか、又は
(c)上記オーバーコーティング剤か
に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を配合して用いるものである。以下、このように、受酸剤を配合するRFL、接着ゴム層のための未加硫ゴムシート及びオーバーコーティング剤をそれぞれ受酸剤の配合対象ということとする。
本発明によれば、上述したように、上記受酸剤を上記RFL、接着ゴム層用未加硫ゴムシート又はオーバーコーティング剤のいずれの配合対象に配合してもよく、この場合において、各配合対象への受酸剤の配合割合は、各配合対象中のそれぞれのゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲である。
しかし、本発明によれば、上記受酸剤を上記RFL、接着ゴム層のための未加硫ゴムシート及びオーバーコーティング剤から選ばれる少なくとも1種の配合対象に配合してもよい。この場合においては、受酸剤の各配合対象への配合量を各配合対象中のそれぞれのゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲とすると共に、それぞれのゴム成分100重量部に対して各配合対象に配合した受酸剤の合計量を30重量部以下とする。
本発明において、上記配合対象のいずれか1種に受酸剤を配合する場合、受酸剤の配合量がゴム成分100重量部に対して1重量部よりも少ないときは、ポリエステル心線を埋設した接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる積層体を加圧加熱下に加硫する際に、ポリエステル心線の接着処理に用いたRFL中のクロロスルホン化ポリエチレンゴム又はアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムに由来して発生するハロゲン酸を上記受酸剤によって十分に中和することができず、従って、上記積層体の加硫によって得られる伝動ベルトにおいて、心線と接着ゴム層との間の接着が上記ハロゲン酸によって劣化するので、加硫を長時間にわたって行ったとき、心線と接着ゴム層との間の接着力の低下が著しく、また、耐熱走行寿命も劣るものである。
他方、受酸剤の配合量がゴム成分100重量部に対して30重量部よりも多いときは、却って、得られる伝動ベルトにおいて、心線と接着ゴム層との間の接着が十分でなく、また、耐熱走行寿命も短い。
上記配合対象の2種又は3種に受酸剤を配合する場合、各配合対象にそのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の合計量が各配合対象への配合量の下限量の合計よりも少ないときは、上述したと同様に、ポリエステル心線を埋設した接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる積層体を加圧加熱下に加硫する際にRFL中のゴム成分に由来して発生するハロゲン酸を上記受酸剤によって十分に中和することができず、従って、上記積層体の加硫によって得られる伝動ベルトにおいて、心線と接着ゴム層との間の接着が上記ハロゲン酸によって劣化するので、加硫を長時間にわたって行ったとき、心線と接着ゴム層との間の接着力の低下が著しく、また、耐熱走行寿命も劣ることとなる。
他方、各配合対象にそのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の配合量が30重量部よりも多いときは、却って、得られる伝動ベルトにおいて、心線と接着ゴム層との間の接着が十分でなく、また、耐熱走行寿命も短い。
本発明において、このように受酸剤を配合したRFL又はオーバーコーティング剤を用いて、ポリエステル心線に接着処理を施す場合、それぞれ受酸剤を配合しないRFL又はオーバーコーティング剤を用いて、ポリエステル心線に接着処理を施す場合と同じ条件下に接着処理を施すことができる。また、接着ゴム層用未加硫ゴムシートに受酸剤を配合する場合も、接着ゴム層用未加硫ゴムシートに受酸剤を配合しない場合と同じ加硫条件下に圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートと加硫接着することができる。
本発明において、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとしては、エチレンを除くα−オレフィンとエチレンとジエン(非共役ジエン)の共重合体からなるゴム、それらの一部ハロゲン置換物、又はこれらの2種以上の混合物が用いられ、上記エチレンを除くα−オレフィンとしては、好ましくは、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテンから選ばれる少なくとも1種が用いられる。なかでも、好ましいエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、これらの一部ハロゲン置換物、特に、一部塩素置換物、又はそれらの2種以上の混合物である。
特に、本発明においては、エチレン−プロピレン−ジエンゴムとして、例えば、エチレン50〜80重量%、プロピレン50〜20重量%、非共役ジエンがエラストマーのヨウ素価として50以下、好ましくは、4〜40、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜120程度のものが好ましく用いられる。上記ジエン成分としては、特に、限定されるものではないが、通常、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデンノルボルネン(ENB)等の非共役ジエンが適宜に用いられる。
本発明においては、心線として、ポリエステル心線が用いられるが、なかでも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等が好ましく用いられる。また、上記ポリエステル心線は、クロロスルホン化ポリエチレンとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種のゴムをラテックス成分とするRFLにて接着処理(後述する第2の接着処理を施す場合には、この接着処理を第1の接着処理という。)を施し、必要に応じて、更に、後述するように、未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを適宜の有機溶媒に溶解してなるオーバーコーティング剤にてポリエステル心線に第2の接着処理を施して、上記接着ゴム層内に埋設し、接着する。
クロロスルホン化ポリエチレンは、ポリエチレンに塩素と二酸化硫黄とを反応させて得られるゴムであって、加硫点として、クロロスルホニル基を有する。通常、塩素含有量が15〜45重量%、好ましくは、25〜35重量%の範囲にあり、硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲にある。また、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンは、上記クロロスルホン化ポリエチレンにおいて、極性基である塩素の導入量を低減し、代わりにアルキル基を導入して、分子の結晶性を乱して、低温特性(耐寒性)とゴム弾性のバランスを図ったものであって、塩素量は、通常、25〜30重量%の範囲にあり、硫黄量は1重量%以下、好ましくは、0.6〜0.8重量%の範囲である。
RFLは、通常、レゾルシンとホルマリンとをレゾルシン/ホルマリンモル比1/3〜3/1にて塩基性触媒の存在下に縮合させて、レゾルシン−ホルマリン樹脂(レゾルシン−ホルマリン初期縮合物、以下、RFという。)の5〜80重量%濃度の水溶液を調製し、これとゴムラテックスを混合することによって調製することができる。RFLにおいて、固形分濃度は、特に限定されるものではないが、通常、10〜50重量%の範囲である。
本発明の第1の方法によれば、前記受酸剤を配合した上記RFLをポリエステル心線に含浸させ、加熱乾燥して、接着処理を施す。特に、RFLへの受酸剤の配合量は、RFLのゴムラテックス中のゴム成分100重量部に対して、2〜15重量部の範囲が好ましい。
本発明において、ポリエステル心線をこのように受酸剤を配合したRFLにて接着処理するには、例えば、ポリエステル心線を上記RFLに浸漬した後、180〜240℃、好ましくは、190〜230℃の範囲の温度に20〜100秒間加熱(ベーキング)し、乾燥して、RFLをポリエステル心線に定着させることが好ましい。
本発明の第2の方法によれば、ポリエステル心線にRFLにて接着処理を施した後、ポリエステル心線に受酸剤を配合したオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施す。この第2の方法において、ポリエステル心線に第2の接着処理を施すには、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを例えばトルエンに溶解させてなるオーバーコーティング剤をポリエステル心線に含浸させ、40〜70℃の範囲の温度に20〜100秒間加熱し、乾燥して、オーバーコーティング剤を心線に定着させる。
このような第2の方法においても、オーバーコーティング剤への受酸剤の配合割合は、オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは、2〜15重量部の範囲である。
本発明の第3の方法によれば、RFLにて接着処理を施したポリエステル心線を受酸剤を配合した接着ゴム層用未加硫ゴムシート間に載置する。このような第3の方法においても、接着ゴム層用未加硫ゴムシートへの受酸剤の配合量は、接着ゴム層用未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは、2〜15重量部の範囲である。
本発明の第4の方法は、上記第2の方法と第3の方法とを組合わせてなるものであり、ポリエステル心線にRFLにて接着処理を施した後、ポリエステル心線に受酸剤を配合したオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施すと共に、このように接着処理を施したポリエステル心線を受酸剤を配合した接着ゴム層用未加硫ゴムシート間に載置するものである。
この第4の方法においては、オーバーコーティング剤にそのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の配合量と接着ゴム層用未加硫ゴムシートにそのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の配合量の合計量は、好ましくは、20重量部以下である。
本発明の第5の方法は、上記第1の方法と第2の方法と第3の方法とを組合わせてなるものであり、受酸剤を配合したRFLにてポリエステル心線に第1の接着処理を施した後、更に、受酸剤を配合したオーバーコーティングにてポリエステル心線に第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理したポリエステル心線を受酸剤を配合した接着ゴム層用未加硫ゴムシート間に載置するものである。
この第5の方法において、RFLにそのラテックス中のゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の配合量とオーバーコーティング剤にそのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の配合量と接着ゴム層のための未加硫ゴムシートにそのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の配合量の合計量は30重量部以下である。
本発明の方法において、圧縮ゴム層及び接着ゴム層を形成するために用いるエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、必要に応じて、カーボンブラック、シリカ、ガラス繊維、セラミックス繊維等の増強剤、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤等の通常のゴム工業で用いられる種々の薬剤を含有してなる配合物として用いられる。
圧縮ゴム層や接着ゴム層を形成するためのエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物は、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを、必要に応じて、上述したような薬剤と共に、ロール、バンバリー等、通常の混合手段を用いて均一に混合することによって得ることができる。
本発明においては、ポリエステル心線をRFLにて接着処理する前に、イソシアネート化合物又はエポキシ化合物を含む溶液に心線を浸漬した後、150〜200℃の範囲の温度に20〜100秒間加熱して乾燥することによって、心線に前処理を行なってもよい。
上記イソシアネート化合物としては、特に、限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が好ましく用いられる。また、このようなイソシアネート化合物にトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のように分子内に活性水素を2つ以上有する化合物を反応させて得られる多価アルコール付加ポリイソシアネートや、上記イソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール類、第2級アミン類等のブロック化剤を反応させて、イソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックしたブロック化ポリイソシアネートも、イソシアネート化合物として好適に用いることができる。
他方、エポキシ化合物も、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物であれば、特に、限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールと、エピクロロヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルエタン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やフェノール樹脂とエピクロロヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物が好ましく用いられる。
このようなイソシアネート化合物やエポキシ化合物の溶液を形成するための溶媒も、特に、限定されるものではなく、用いるイソシアネート化合物やエポキシ化合物に応じて、水や適宜の有機溶媒が用いられる。通常、イソシアネート化合物は化学的に非常に活性であるので、非水系溶液とされるが、しかし、例えば、前述したように、フェノール類等にてイソシアネート基をブロックしたものは、水溶液としても用いることができる。有機溶媒としては、通常、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン、酢酸エチル、酢酸アミル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル等が好適に用いられる。このような溶液におけるイソシアネート化合物やエポキシ化合物の濃度は、通常、5〜50重量%の範囲である。
このように、本発明の方法によれば、RFLにてポリエステル心線に接着処理を施し、必要に応じて、オーバーコーティング剤にて第2の接着処理を施し、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層用未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層用未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートに積層し、このようにして得た積層物を加圧加熱し、加硫して、伝動ベルトを製造する際に、上記RFLと上記オーバーコーティング剤と上記接着ゴム層用未加硫ゴムシートから選ばれる少なくとも1種に受酸剤を配合したものを用いて、伝動ベルトを製造することによって、加硫時の作業性にすぐれるのみならず、耐熱走行寿命の長い伝動ベルトを得ることができる。
前述したように、このように、受酸剤を配合したRFLにてポリエステル心線に第1の接着処理を施し、又はこのように接着処理した心線に更に受酸剤を配合したオーバーコーティング剤にて第2の接着処理を施し、又は受酸剤を配合した接着ゴム層用未加硫ゴムシート間にポリエステル心線を載置する以外は、従来より知られている通常の方法によって、伝動ベルトを製造することができる。
従って、例えば、Vリブドベルトに例をとれば、表面が平滑な円筒状の成形ドラムの周面に1枚又は複数枚のゴム引き帆布と接着ゴム層用未加硫ゴムシートを巻き付けた後、この上に心線を螺旋状にスピニングし、更に、その上に接着ゴム層用未加硫ゴムシートを巻き付けた後、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを巻き付けて積層体とし、これを加硫缶中にて加熱加圧し、加硫して、環状物を得る。次に、この環状物を駆動ロールと従動ロールとの間に掛け渡して、所定の張力の下で走行させながら、これに研削ホイールにて表面に複数のリブを形成する。この後、この環状物を更に別の駆動ロールと従動ロールとの間に掛け渡して走行させながら、所定の幅に裁断すれば、製品としてのVリブドベルトを得ることができる。
但し、本発明によれば、圧縮ゴム層と接着ゴム層との加硫時間が長くなっても、心線と接着ゴム層との間の接着力を抑えることができるので、加硫時の作業性の自由度は高まっている。従って、本発明によれば、上記積層体を加硫缶中にて加熱加圧し、加硫して、環状物を得る際に、例えば、面圧3920kPa、温度160℃の条件下に加硫する場合であれば、加硫時間を20〜120分の間とすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
(ゴム配合物)
以下においては、圧縮ゴム層と接着ゴム層のための未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物とオーバーコーティング剤用のゴム配合物として、それぞれ表1に示す組成のものを用いた。
(ゴム配合物)
以下においては、圧縮ゴム層と接着ゴム層のための未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物とオーバーコーティング剤用のゴム配合物として、それぞれ表1に示す組成のものを用いた。
(RFLの調製)
レゾルシン7.31重量部とホルマリン(37重量%濃度)10.77重量部とを混合、攪拌し、これに水酸化ナトリウム水溶液(固形分0.33重量部)を加えて、攪拌し、この後、水160.91重量部を加え、5時間熟成して、固形分濃度6.4重量%のレゾルシン−ホルマリン樹脂(RF、レゾルシン−ホルマリン初期縮合物)の水溶液を調製した。このRF水溶液21.71重量部(固形分1.39重量部)に固形分濃度40重量%のクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックス33.73重量部(固形分13.49重量部)と受酸剤として酸化マグネシウム0.4重量部(CSM100重量部に対して3重量部)と水を加えて、12時間熟成し、固形分濃度20重量%のRFLを調製した。
レゾルシン7.31重量部とホルマリン(37重量%濃度)10.77重量部とを混合、攪拌し、これに水酸化ナトリウム水溶液(固形分0.33重量部)を加えて、攪拌し、この後、水160.91重量部を加え、5時間熟成して、固形分濃度6.4重量%のレゾルシン−ホルマリン樹脂(RF、レゾルシン−ホルマリン初期縮合物)の水溶液を調製した。このRF水溶液21.71重量部(固形分1.39重量部)に固形分濃度40重量%のクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックス33.73重量部(固形分13.49重量部)と受酸剤として酸化マグネシウム0.4重量部(CSM100重量部に対して3重量部)と水を加えて、12時間熟成し、固形分濃度20重量%のRFLを調製した。
(ポリエステル心線の第1及び第2の接着処理)
1100dtex/2×3の撚り組成からなるポリエチレンテレフタレート心線を多官能イソシアネートのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)に浸漬し、240℃で40秒間加熱、乾燥して前処理した。次いで、このように前処理した心線を上記RFLに浸漬し、200℃で80秒間加熱、乾燥して、第1の接着処理を施した後、表1に示すオーバーコーティング剤用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)に浸漬し、60℃で40秒間加熱、乾燥して、第2の接着処理を施した。
1100dtex/2×3の撚り組成からなるポリエチレンテレフタレート心線を多官能イソシアネートのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)に浸漬し、240℃で40秒間加熱、乾燥して前処理した。次いで、このように前処理した心線を上記RFLに浸漬し、200℃で80秒間加熱、乾燥して、第1の接着処理を施した後、表1に示すオーバーコーティング剤用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)に浸漬し、60℃で40秒間加熱、乾燥して、第2の接着処理を施した。
(加硫接着体の製作とその接着力の評価)
接着処理を施したポリエステル心線を表1に示す接着ゴム層用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)からなる未加硫ゴムシートの間に挟み、面圧3920kPa、温度160℃の条件下に20分(伝動ベルトの製造時の加硫時間35分に相当する。)又は100分間、加圧加熱して、2つの加硫接着体を調製した。これらの加硫接着体からそれぞれポリエステル心線3本を露出させて、引き抜き接着力を測定した。加圧加熱20分と100分のいずれにおいても、接着力(心線3本)が100N以上であれば、ベルトに用いることができると判断される。結果を表2に示す。
接着処理を施したポリエステル心線を表1に示す接着ゴム層用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)からなる未加硫ゴムシートの間に挟み、面圧3920kPa、温度160℃の条件下に20分(伝動ベルトの製造時の加硫時間35分に相当する。)又は100分間、加圧加熱して、2つの加硫接着体を調製した。これらの加硫接着体からそれぞれポリエステル心線3本を露出させて、引き抜き接着力を測定した。加圧加熱20分と100分のいずれにおいても、接着力(心線3本)が100N以上であれば、ベルトに用いることができると判断される。結果を表2に示す。
(伝動ベルトの製造と耐熱走行寿命の評価)
表面が平滑な円筒状の成形ドラムの外周面にゴム引き帆布を1枚以上巻き付け、このゴム引き帆布の上に表1に示す接着ゴム層用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)からなる未加硫ゴムシートを巻き付けた。次いで、この接着ゴム層用の未加硫ゴムシート上に上記接着処理を施したポリエステル心線を所定ピッチで螺旋状にスピニングした後、その上に上記と同じ接着ゴム層用の未加硫ゴムシートを巻き付け、更に、その上に表1に示す圧縮ゴム層用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)からなる未加硫ゴムシートを巻き重ねて、未加硫ゴムシート積層体を形成した。
表面が平滑な円筒状の成形ドラムの外周面にゴム引き帆布を1枚以上巻き付け、このゴム引き帆布の上に表1に示す接着ゴム層用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)からなる未加硫ゴムシートを巻き付けた。次いで、この接着ゴム層用の未加硫ゴムシート上に上記接着処理を施したポリエステル心線を所定ピッチで螺旋状にスピニングした後、その上に上記と同じ接着ゴム層用の未加硫ゴムシートを巻き付け、更に、その上に表1に示す圧縮ゴム層用のゴム配合物(受酸剤を含まない。)からなる未加硫ゴムシートを巻き重ねて、未加硫ゴムシート積層体を形成した。
この未加硫ゴムシート積層体を加硫缶に装填し、内圧588kPa、外圧883kPa、温度160℃で35分間、蒸気加硫して、加硫環状体を得た。次いで、この加硫環状体を二軸研削機に掛け渡して走行させ、この加硫環状体の外周面を研削ホイールにて研削して、圧縮ゴム層に複数のリブを形成した。このように複数のリブを形成した加硫環状体をベルト幅カット機に掛け渡し、リブ数3に幅切りして、本発明によるVリブドベルトを得た。
図3に示すように、得られたVリブドベルトBを駆動プーリ11(外径120mm)、従動プーリ12(外径120mm)、テンションプーリ13(外径45mm)からなる走行試験機に掛け渡し、雰囲気温度110℃、従動負荷16馬力、テンションプーリ初期張力834N、駆動プーリ回転数4900rpmにて走行させ、心線が露出するか、又はゴム層に割れを生じるまでの時間を耐熱走行寿命とした。結果を表2に示す。
実施例2
実施例1において、酸化マグネシウムのRFLへの配合量を1.33重量部(クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックス中のCSM100重量部に対して10重量部)とした以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、酸化マグネシウムのRFLへの配合量を1.33重量部(クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックス中のCSM100重量部に対して10重量部)とした以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例3
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例4
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して10重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して10重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例5
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合すると共に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合すると共に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例6
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合すると共に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して10重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合すると共に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して10重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例7
実施例1において、RFLにCSM100重量部に対して酸化マグネシウム3重量部を配合すると共に、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して受酸剤酸化カルシウム10重量部を配合し、更に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して酸化カルシウム10重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、RFLにCSM100重量部に対して酸化マグネシウム3重量部を配合すると共に、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して受酸剤酸化カルシウム10重量部を配合し、更に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して酸化カルシウム10重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表2に示す。
比較例1
RFL、オーバーコーティング剤及び接着ゴム層のためのゴムシートのいずれにも、受酸剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
RFL、オーバーコーティング剤及び接着ゴム層のためのゴムシートのいずれにも、受酸剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
比較例2
実施例1において、RFLにCSM100重量部に対して酸化マグネシウム30重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において、RFLにCSM100重量部に対して酸化マグネシウム30重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
比較例3
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して30重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して30重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
比較例4
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合すると共に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して30重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において、受酸剤として、酸化マグネシウムに代えて、酸化カルシウムを用い、これをRFLに代えて、オーバーコーティング剤にそのゴム100重量部に対して3重量部を配合すると共に、接着ゴム層のためのゴム配合物にそのゴム100重量部に対して30重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
比較例5
実施例1において、受酸剤酸化マグネシウムに代えて、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)と酸化亜鉛との水性分散液をRFL中のCSM100重量部に対して6.3重量部(酸化亜鉛はCSM100重量部に対して5重量部)を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において、受酸剤酸化マグネシウムに代えて、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)と酸化亜鉛との水性分散液をRFL中のCSM100重量部に対して6.3重量部(酸化亜鉛はCSM100重量部に対して5重量部)を配合した以外は、実施例1と同様にして、加硫接着体を製作し、その接着力を測定し、また、実施例1と同様にして、伝動ベルトを製造し、その耐熱走行寿命を測定した。結果を表3に示す。
表2及び表3に示す結果から明らかなように、本発明に従って、受酸剤をRFL、オーバーコーティング剤及び接着ゴム層のための未加硫ゴム配合物の少なくとも1種にそれらの有するゴム成分に対して所定の割合にて配合することによって、接着ゴム層、ポリエステル心線及び圧縮ゴム層からなる積層体を加圧加熱下に加硫する際に、ポリエステル心線の接着処理に用いたRFL中のクロロスルホン化ポリエチレンゴム又はアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムに由来して発生するハロゲン酸が上記受酸剤によって中和される。従って、本発明によれば、上記積層体を加圧加熱下に加硫して得られる加硫接着体において、心線と接着ゴム層との間の接着が上記ハロゲン酸によって劣化し難く、加硫を長時間にわたって行っても、接着力の低下を小さく抑えて、しかも、耐熱走行寿命の改善された伝動ベルトを得ることができる。
1…ゴム引き帆布
2…心線
3…接着ゴム層
4…リブ
5…圧縮ゴム層
6…短繊維
7…上ゴム層
11…駆動プーリ
12…従動プーリ
13…テンションプーリ
2…心線
3…接着ゴム層
4…リブ
5…圧縮ゴム層
6…短繊維
7…上ゴム層
11…駆動プーリ
12…従動プーリ
13…テンションプーリ
Claims (5)
- ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックス又は上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤をそれぞれ上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックス中のゴム成分又は上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合することを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
- ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、第1の接着処理を施した後、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含有するオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記オーバーコーティング剤に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合することを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
- ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、第1の接着処理を施した後、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含有するオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記オーバーコーティング剤に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合し、上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合すると共に、上記オーバーコーティング剤と上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートにそれぞれのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の合計量を30重量部以下とすることを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
- ラテックスとしてクロロスルホン化ポリエチレンゴムとアルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックスをポリエステル繊維からなる心線に含浸させ、加熱乾燥して、第1の接着処理を施した後、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含有するオーバーコーティング剤を含浸させ、加熱乾燥して、第2の接着処理を施し、次いで、このように接着処理を施した心線を接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート間に載置し、この接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに積層し、加圧加熱し、加硫して、上記圧縮ゴム層と上記接着ゴム層とを加硫接着し、上記接着ゴム層内に上記接着処理を施した心線を埋設、接着してなる伝動ベルトの製造方法において、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックスに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックス中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合し、上記オーバーコーティング剤に酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の受酸剤を上記オーバーコーティング剤中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合し、上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートに酸化マグネシウムと酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種の元素の受酸剤を上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシート中のゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲で配合すると共に、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックスと上記オーバーコーティング剤と上記接着ゴム層形成用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなる未加硫ゴムシートにそれぞれのゴム成分100重量部に対して配合した受酸剤の合計を30重量部以下とすることを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2004153453A JP2005335089A (ja) | 2004-05-24 | 2004-05-24 | 伝動ベルトの製造方法 |
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Cited By (2)
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JP2008069276A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム組成物、繊維ゴム複合体およびホース |
CN108299968A (zh) * | 2016-09-05 | 2018-07-20 | 阿茨合众有限及两合公司 | 力传递传动带 |
-
2004
- 2004-05-24 JP JP2004153453A patent/JP2005335089A/ja active Pending
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