JP2005331401A - 位置検出装置、手振れ補正機構及び撮像装置 - Google Patents

位置検出装置、手振れ補正機構及び撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホール素子を用いた位置検出装置においてマイクロコンピュータの破壊を防止する。
【解決手段】位置検出装置10Aでは、通常時においては、電圧調整回路37及びリミッタ部34がマイクロコンピュータ5に大きな電圧が印加されることを防止するように機能する。一方で、電圧調整回路37及びリミッタ部34が非能動状態のときには、センサ電源71とセンサ部2との間の上流側回路がスイッチング回路39により遮断される。これにより、いかなる場合であっても、センサ電源71の電圧などの大きな電圧がマイクロコンピュータ5に印加されなくなり、マイクロコンピュータ5の破壊を防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、2物体の相対位置を検出する位置検出装置、ならびに当該位置検出装置を利用した手振れ補正機構及び撮像装置に関する。
2つの物体の相対位置を検出する位置検出装置(リニアエンコーダ等)としては、各種の方式のものが存在する。
小型化、低コスト化、低消費電力化などの要請がある場合には、各種方式のうち、永久磁石(磁力発生体)とホール素子(磁気センサ)とを用いた磁気式の位置検出装置を用いることが好適である。磁気式の位置検出装置においては、ホール素子の出力信号を処理する処理回路において、ホール素子に対する永久磁石の相対位置が求められる。そして、求められた相対位置を示す位置信号が、位置に基づく演算を行なう演算回路としてのマイクロコンピュータなどに処理回路から出力される。
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
特開2001−86783号公報 特開平10−213451号公報
ところで、ホール素子や磁石は温度による特性変化が大きく、磁気式の位置検出装置の感度は環境温度に影響を受けやすい。このため、ホール素子の入力電圧の調整により感度調整を行なうことで、環境温度の影響を緩和することが考えられる。このような電圧調整を高精度に行なうためには、調整回路としてのトランジスタをホール素子とグランドとの間に配置することが望ましい。
このトランジスタは、能動化状態(ベース電流が流れる状態)においてはベース電圧に応じてホール素子の入力電圧を調整することとなる。一方で、このトランジスタは、非能動化状態(ベース電流が流れない状態)では、ホール素子の−側の電源端子とグランドとの間を遮断する。このため、ホール素子の電源電圧がほぼそのまま処理回路を介してマイクロコンピュータに印加されるおそれがある。また一般に、ホール素子の電源電圧は、マイクロコンピュータの駆動電圧よりも高い。このため、ホール素子の電源電圧がマイクロコンピュータにそのまま印加されると、マイクロコンピュータが破壊される可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、位置信号の出力先の演算回路の破壊を防止できる位置検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、位置検出装置であって、磁力発生体からの磁気を検出するセンサ部と、前記センサ部からの出力値に基づいて、前記磁力発生体と前記センサ部との間の相対位置を導出し、前記相対位置を示す位置信号を演算回路に出力する位置導出手段と、前記演算回路の駆動電圧よりも大きな電圧を前記センサ部の一方の電源端子に印加するセンサ電源と、能動状態において前記センサ部の入力値を調整し、非能動状態において前記センサ部の他方の電源端子とグランドとの間の下流側回路を遮断する調整回路と、前記調整回路が非能動状態のときに、前記センサ電源と前記センサ部の前記一方の電源端子との間の上流側回路を遮断するスイッチング回路と、を備えている。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の位置検出装置において、前記調整回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、をさらに備え、前記指示手段は、前記上流側回路の接続から遮断への切替指示の後、所定時間経過後、前記調整回路の能動状態から非能動状態への移行指示を行なう。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の位置検出装置において、前記調整回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、をさらに備え、前記指示手段は、前記調整回路の非能動状態から能動状態への移行指示の後、所定時間経過後、前記上流側回路の遮断から接続への切替指示を行なう。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検出装置において、前記センサ部は、互いに離間して配置される1組の磁気センサ対で構成され、前記位置導出手段は、前記1組の磁気センサ対からの各出力値に基づいて前記相対位置を導出し、前記調整回路は、能動状態において、前記1組の磁気センサ対にかかる各電圧を調整して、前記1組の磁気センサ対からの各出力値の大きさの和を一定値とする。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の位置検出装置において、前記1組の磁気センサ対、1つの前記位置導出手段、及び、1つの前記調整回路の組み合わせを1つの検出ユニットとしたとき、複数の検出ユニットを備え、前記複数の検出ユニットにそれぞれ含まれる前記1組の磁気センサ対の配置は、前記複数の検出ユニットの間で相対固定される。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の位置検出装置において、1つの前記スイッチング回路が、前記複数の検出ユニットの間で兼用される。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検出装置において、前記センサ部は、1つの磁気センサで構成され、前記調整回路は、能動状態において、前記磁気センサへの供給電流を一定に調整する。
また、請求項8の発明は、位置検出装置であって、磁力発生体からの磁気を検出するセンサ部と、前記センサ部からの出力値に基づいて、前記磁力発生体と前記センサ部との間の相対位置を導出し、前記相対位置を示す位置信号を演算回路に出力する位置導出手段と、前記演算回路の駆動電圧よりも大きな電圧を前記センサ部の一方の電源端子に印加するセンサ電源と、能動状態において前記センサ部の入力値を調整し、非能動状態において前記センサ電源と前記センサ部の前記一方の電源端子との間の上流側回路を遮断する調整回路と、を備えている。
また、請求項9の発明は、請求項1または8に記載の位置検出装置において、前記演算回路に入力前の前記位置信号の電圧を所定範囲に制限するリミッタ回路、をさらに備えている。
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の位置検出装置において、前記リミッタ回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、をさらに備え、前記指示手段は、前記上流側回路の接続から遮断への切替指示の後、所定時間経過後、前記リミッタ回路の能動状態から非能動状態への移行指示を行なう。
また、請求項11の発明は、請求項9に記載の位置検出装置において、前記リミッタ回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、をさらに備え、前記指示手段は、前記リミッタ回路の非能動状態から能動状態への移行指示の後、所定時間経過後、前記上流側回路の遮断から接続への切替指示を行なう。
また、請求項12の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載の位置検出装置において、前記センサ部は、互いに離間して配置される1組の磁気センサ対で構成され、前記位置導出手段は、前記1組の磁気センサ対からの各出力値に基づいて前記相対位置を導出し、前記調整回路は、能動状態において、前記1組の磁気センサ対にかかる各電圧を調整して、前記1組の磁気センサ対からの各出力値の大きさの和を一定値とする。
また、請求項13の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の位置検出装置において、演算回路は、マイクロコンピュータである。
また、請求項14の発明は、手振れ補正機構であって、請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、手振れを補正するために相対移動する2物体の相対位置を、前記位置検出装置を用いて検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて前記2物体の相対駆動を行って、手振れを補正する駆動手段と、を備えている。
また、請求項15の発明は、撮像装置であって、請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、手振れを補正するために相対移動する2物体の相対位置を、前記位置検出装置を用いて検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて前記2物体の相対駆動を行って、手振れを補正する駆動手段と、を備えている。
また、請求項16の発明は、撮像装置であって、フォーカスレンズを含む撮像光学系と、請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、前記位置検出装置を用いて前記フォーカスレンズの位置を検出し、当該フォーカスレンズの位置を制御するレンズ位置指示手段と、を備えている。
また、請求項17の発明は、撮像装置であって、ズームレンズを含む撮像光学系と、請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、前記位置検出装置を用いて前記ズームレンズの位置を検出し、当該ズームレンズの位置を制御するレンズ位置指示手段と、を備えている。
請求項1の発明によれば、調整回路が非能動状態のとき、上流側回路がスイッチング回路により遮断される。これにより、駆動電圧よりも大きな電圧が演算回路に印加されなくなり、演算回路の破壊を防止できる。
また、請求項2の発明によれば、センサ部の一方の電源端子に電圧が完全に印加されなくなってから下流側回路を遮断するため、演算回路の破壊を効果的に防止できる。
また、請求項3の発明によれば、下流側回路が完全に接続されてから、センサ部の一方の電源端子に電圧が印加されるため、演算回路の破壊を効果的に防止できる。
また、請求項4の発明によれば、温度変化による誤差を補償できる。
また、請求項5の発明によれば、相対位置をより正確に検出できる。
また、請求項6の発明によれば、構成を簡単にできる。
また、請求項7の発明によれば、温度変化による誤差を補償できる。
また、請求項8の発明によれば、調整回路が非能動状態のとき、上流側回路が遮断される。これにより、駆動電圧よりも大きな電圧が演算回路に印加されなくなり、演算回路の破壊を防止できる。
また、請求項9の発明によれば、位置信号の電圧が所定範囲に制限されるため、大きな電圧が演算回路に印加される現象を効果的に防止できる。
また、請求項10の発明によれば、センサ部の一方の電源端子に電圧が完全に印加されなくなってからリミッタ回路を非能動状態に移行させるため、演算回路の破壊を効果的に防止できる。
また、請求項11の発明によれば、リミッタ回路が能動状態に完全に移行してから、センサ部の一方の電源端子に電圧が印加されるため、演算回路の破壊を効果的に防止できる。
また、請求項12の発明によれば、温度変化による誤差を補償できる。
また、請求項13の発明によれば、マイクロコンピュータの破壊を防止できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成概要>
第1の実施の形態においては、1次元位置を検出する位置検出装置10Aについて説明する。この位置検出装置10Aは、磁気式のリニアエンコーダである。
図1は、位置検出装置10Aに含まれる構成要素の物理的な配置を示す斜視図であり、図2は、位置検出装置10Aの電気的な構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、位置検出装置10Aは、1つの磁力発生体としての磁石1と、この磁石1からの磁気を検出するセンサ部2とを備えている。センサ部2は、互いに離間して配置される2つのホール素子(言い換えれば、1組のホール素子対(磁気センサ対))2a,2bから構成される。磁石1は、角柱形状の永久磁石で構成されている。磁石1のZ方向に沿った端部両面は、互いに異なる極性に磁化されており、図の例では磁石1の上面側はN極、下面側はS極となっている。
ホール素子対2a,2bは、位置検出装置10Aが採用される装置本体などの固定側の物体(固定部材)に取り付けられる。一方、磁石1は、固定部材に対して移動する移動側の物体(移動部材)に取り付けられる。そして、移動部材に取り付けられた磁石1は、固定部材に取り付けられたホール素子対2a,2bに対して所定の方向(図中のX方向)に移動可能とされる。この磁石1が移動可能なX方向は、ホール素子対2a,2bの配置方向と一致する。なお、ホール素子対2a,2bを移動部材、磁石1を固定部材に取り付けてもよいが、このように電気配線不要の磁石1を移動部材に取り付けることで、移動部材に対する配線が少なくともこの要素(磁石)については不要となり、配線設計の自由度を増すことができる。
位置検出装置10Aでは、これらの磁石1とセンサ部2との間の相対位置が検出される。より具体的には、1組のホール素子対2a,2bの配置方向としてのX方向における、ホール素子対2a,2bに対する磁石1の位置(一次元位置)が導出される。
図2に示すように、位置検出装置10Aは、処理回路3及びマイクロコンピュータ5をさらに備えている。処理回路3は、センサ部2からの出力値に基づいて演算処理を行って磁石1の位置を導出し、導出した磁石1の位置を示す位置信号をマイクロコンピュータ5に出力する。マイクロコンピュータ5は磁石1の位置に基づく演算を行なう演算回路であり、入力される位置信号を各種制御や処理に利用する。
このような位置検出装置10Aの各部には、3つの電源71,72,73から駆動用の電力が供給される。マイクロコンピュータ5の駆動電圧は3.3Vであり、3.3Vのマイコン電源73から電力が供給される。また、ホール素子2a,2bには、マイクロコンピュータ5の駆動電圧よりも高い5Vのセンサ電源71から電力が供給され、処理回路3にも5Vの処理回路電源72から電力が供給される。
処理回路3は、上述した磁石1の位置を導出する「位置導出機能」とともに、環境温度の変化の影響を排除する「温度補償機能」、及び、センサ部2及び処理回路3の各処理部への電源71,72からの電力供給に係る制御を行なう「電源制御機能」をさらに備えている。以下、このような処理回路3の3つの機能のそれぞれについて詳細に説明する。
<1−2.位置導出機能>
まず、処理回路3の位置導出機能について説明する。
図3は、ホール効果を利用した磁電変換素子であるホール素子による磁気の検出原理を示す図である。図に示すように、ホール素子2a(2b)の+側及び−側の電源端子e1,e2の間に所定の入力電圧Vinを印加して電流(荷電粒子)を流し、当該電流の流れる方向に垂直な方向(図中の軸BDに沿った方向)に磁場をかけると、荷電粒子が当該磁場においてローレンツ力を受け、ホール素子2a(2b)の一方に偏在する。そのため、ホール素子2a(2b)には、軸BDに沿った磁気(磁界)の強さに応じた電位差(以下、「ホール起電力」という。)Vhが生じる。したがって、このホール起電力を出力値とすることで、ホール素子2a(2b)は軸BDに沿った磁気の強さを測定する磁気センサとして機能する。
本実施の形態では、このようなホール素子の性質を利用して、磁石1の位置が検出される。つまり、図1に示す配置状態においては、磁石1とセンサ部2との間の相対位置に応じて、センサ部2の2つのホール素子2a,2bにて検出される磁気の強さがそれぞれ変化する。したがって、これら2つのホール素子2a,2bの出力値(ホール起電力)に基づいて、磁石1の位置が検出される。
以下、磁石1の中心位置が2つのホール素子2a,2bの間のちょうど中央位置にある状態を「基準状態」とし、この基準状態における磁石1の位置を「基準位置」とする。また、ホール素子2a,2bが磁気を検出する軸BDを「検出軸」BDという。図1に示す各ホール素子2a,2bは検出軸BDに沿った磁束密度を検出し、それぞれが検出した磁束密度に応じたホール起電力Vha,Vhbを出力することとなる。
ここで、磁石1が基準位置から+X方向に移動した場合を想定する。この場合には、磁石1の移動に伴ってセンサ部2の周囲の磁束密度分布が変化し、一方のホール素子2aのホール起電力Vha(より正確にはその絶対値)は基準状態よりも小さな値となり、他方のホール素子2bのホール起電力Vhb(より正確にはその絶対値)は基準状態よりも大きな値となる。また逆に、磁石1が基準位置から−X方向に移動した場合を想定すると、一方のホール素子2aのホール起電力は基準状態よりも大きな値となり、他方のホール素子2bのホール起電力は基準状態よりも小さな値となる。なお、ホール素子2a,2bの検出軸BDの向きによってはホール起電力の符号(正負)が逆転するが、本実施の形態では図1に示すように、各ホール素子2a,2bの検出軸BDの向きが同一となるように設置されているものとする。
そして、次の式(1)に示すように、2つのホール素子2a,2bの各ホール起電力Vha,Vhbの差(減算値)ΔVを導出すれば、この値ΔVは、ホール素子対2a,2bに対する磁石1の位置を表す値となる。
Figure 2005331401
つまり、この値ΔVと磁石1の位置x(X方向における位置)との間には1対1の対応関係があり、位置xが所定の範囲内であれば、位置xと値ΔVとの間には比較的良好な線形性(リニアリティ)が存在する。このため、値ΔVを導出することは、ホール素子対2a,2bに対する磁石1の位置を導出することに実質的に相当する。
なお、磁石1がX方向のいずれかの向きに移動しても、一方のホール素子のホール起電力の増加分と他方のホール素子のホール起電力の減少分とは同一となるため、各ホール起電力Vha,Vhbの和は一定の値となる。
処理回路3の位置導出機能は、以上の原理を利用して磁石1の相対位置を導出する。図2に示す処理回路3の処理部のうち、差動増幅部31(31a,31b)及び減算部32が、位置導出機能を実現する。
すなわち、差動増幅部31aにおいては一方のホール素子2aの出力電位Va1,Va2の差であるホール起電力Vhaが求められるとともに、差動増幅部31bにおいては他方のホール素子2bの出力電位Vb1,Vb2の差であるホール起電力Vhbが求められる。そして、減算部32により、これらのホール起電力Vha,Vhbの差ΔV(=Vha-Vhb)、すなわち、磁石1の相対位置が導出される。この減算部32からの値ΔVを有する信号は、磁石1の相対位置を示す位置信号Lsとなる。
処理回路3は、位置導出機能の付随的な機能を実現する処理部として、フィルタ部33及びリミッタ部34を備えている。減算部32から出力された位置信号Lsは、これらのフィルタ部33及びリミッタ部34を経由した後、処理回路3の信号出力端子e4からマイクロコンピュータ5に出力される。フィルタ部33は、ローパスフィルタであり、位置信号Lsからノイズ成分を除去する。また、リミッタ部34は、位置信号Lsの電圧を所定範囲に制限する。つまり、マイクロコンピュータ5に入力前の位置信号Lsの電圧は、所定の値よりも大きくならないようにリミッタ部34により制限される。
<1−3.温度補償機能>
次に、処理回路3の温度補償機能について説明する。一般に、ホール素子2a,2bの感度(ホール素子感度)は、環境温度の影響を受けて変化する。また一方で、磁石1の残留磁束密度も、環境温度に起因して変化する。したがって、処理回路3の位置導出機能の検出精度は環境温度の影響を受け、環境温度が変動すると位置信号Lsの値ΔVに誤差が生じることとなる。
このような環境温度の変化の影響を排除するため、処理回路3の温度補償機能はセンサ部2(ホール素子2a,2b)に対する入力電圧を調整し、上記の2つのホール起電力Vha,Vhbの和(加算値)が常に同一の値となるように制御する。ホール起電力は、磁気の強さとともに、入力電圧の大きさにも応じても変化する。したがって、ホール素子2a,2bの入力電圧の調整は、ホール素子2a,2bの感度調整に相当する。
図2に示すように、センサ部2の+側の電源端子e1及び−側の電源端子e2は、2つのホール素子2a,2bの間で共通しており、2つのホール素子2a,2bはセンサ電源71からの電力供給系統に関して電気的に並列に配置されている。したがって、これらの電源端子e1,e2の間の電位差が、2つのホール素子2a,2bのそれぞれにかかる入力電圧Vinとなる。処理回路3の温度補償機能は、この入力電圧Vinを調整する。
ここで、環境温度に応じた値ΔVの誤差を補償する温度補償の原理について説明する。この説明においては、変動する要素を環境温度Tのみとするため、磁石1はある位置x1に存在し、この位置x1から移動しないとする。
まず、ホール起電力Vha,Vhbを環境温度Tの関数とみなし、それぞれVha(T),Vhb(T)と表現する。ホール起電力Vha(T),Vhb(T)は、次の式(2),(3)で表現できる。
Figure 2005331401
Figure 2005331401
ここで、Va0は、環境温度Tが標準となる温度(基準温度)T0、かつ、磁石1が位置x1に存在するという条件下でのホール素子2aの単位入力電圧あたりの出力値を表し、Vb0は、同一条件下でのホール素子2bの単位入力電圧あたりの出力値を表す。また、Vin(T)は、環境温度Tの関数としての入力電圧Vinを表し、α(T)は、環境温度Tの関数としてのホール素子感度係数(基準温度T0のときに対するホール素子感度の比)を表し、β(T)は、環境温度Tの関数としての磁石1の残留磁束密度係数(基準温度T0のときに対する残留磁束密度の比)を表す。
処理回路3の温度補償機能は、2つのホール起電力Vha,Vhbの加算値(Vha+Vhb)が一定値となるように制御する。このため、次の式(4)が成立する。
Figure 2005331401
式(4)の各項に、式(2),(3)の右辺を代入して整理すると、次の式(5)が導出される。
Figure 2005331401
また、位置信号Lsの値ΔVを環境温度Tの関数としてΔV(T)と表現する。環境温度T1のときの値ΔV(T1)、及び、環境温度T1のときの値ΔV(T2)は、式(2),(3)を考慮すると、それぞれ次の式(6),(7)と表現される。
Figure 2005331401
Figure 2005331401
そして、式(7)のVin(T2)に式(5)の右辺を代入し、式(6)を考慮すると、次の式(8)が成立する。
Figure 2005331401
すなわち、環境温度T1のときの位置信号Lsの値ΔV(T1)と、環境温度T2のときの位置信号Lsの値ΔV(T2)とは互いに等しくなる。つまり、環境温度TがT1からT2に変化したとしても、位置信号Lsの値ΔV(T1)は一定となるわけである。また、この説明では、磁石1がある位置x1に存在するとしたが、磁石1がいかなる位置xに存在したとしても式(8)は同様に成立する。
以上により、2つのホール起電力Vha,Vhbの加算値(Vha+Vhb)を一定値となるように制御すると、環境温度Tが変化したとしても、位置信号Lsの値ΔVは、環境温度Tの変化の影響を受けないことがわかる。処理回路3の温度補償機能は、この原理を利用して環境温度の変化による値ΔVの誤差を補償する。図2に示す処理回路3の処理部のうち、加算部35、調整演算部36及び電圧調整回路37が、温度補償機能を実現する。
電圧調整回路37は、センサ部2の−側の電源端子e2とグランドとの間に配置される回路であり、NPN型のトランジスタ37tを備えている。トランジスタ37tのコレクタはセンサ部2の−側の電源端子e2に接続され、エミッタは抵抗を介してグランドに接続されている。したがって、トランジスタ37tのベース電圧を調整すれば、Vce(コレクタ−エミッタ間電圧)が変動し、これにより、2つのホール素子2a,2bにかかる入力電圧Vinが調整される。
上述したように、この入力電圧Vinは、2つのホール起電力Vha,Vhbの加算値が一定の値となるように調整される。すなわちまず、加算部35により、2つのホール起電力Vha,Vhbの加算値(Vha+Vhb)が求められる。次に、求められた加算値(Vha+Vhb)は、調整演算部36によって、所定の値Vctと比較される。この値Vctは、加算値(Vha+Vhb)を一定とすべき値である。
そして、加算値(Vha+Vhb)と一定値Vctとの比較結果に基づく調整信号Asが調整演算部36から電圧調整回路37に出力される。この調整信号Asにより、電圧調整回路37のトランジスタ37tのベース電圧が調整され、その結果、入力電圧Vinが調整される。詳細には、加算値(Vha+Vhb)が一定値Vctよりも大きい場合には、入力電圧Vinを小さくするために(Vceを大きくするために)ベース電圧を下げる調整信号Asが調整演算部36から出力される。また逆に、加算値(Vha+Vhb)が一定値Vctよりも小さい場合には、入力電圧Vinを大きくするために(Vceを小さくするために)ベース電圧を上げる調整信号Asが調整演算部36から出力される。このような処理により、処理回路3の温度補償機能は、2つのホール起電力Vha,Vhbの加算値を一定値に制御する。
<1−4.電源制御機能>
次に、処理回路3の電源制御機能について説明する。図2に示す処理回路3の処理部のうち、電源制御部38及びスイッチング回路39が、電源制御機能を実現する。この電源制御機能は、処理回路3の各処理部31〜36、及び、ホール素子2a,2bの電力供給状態を制御する。
図に示すように、電源制御部38は、2つの出力線Pv,Svを備えている。一方の出力線である電力供給線Pvは処理回路3の各処理部31〜36にそれぞれ接続されており、他方の出力線である信号供給線Svはスイッチング回路39に接続されている。
電力供給線Pvは、電源制御部38の内部においてスイッチを介して処理回路電源72に接続される。したがって、処理回路3の各処理部31〜36には、電力供給線Pvを介して処理回路電源72からの電力が供給される。この電力の供給/停止は、電源制御部38により切り替えられる。
スイッチング回路39は、センサ電源71とセンサ部2の+側の電源端子e1との間に配置される回路であり、PNP型のトランジスタ39tを備えている。このトランジスタ39tのエミッタはセンサ電源71、コレクタはセンサ部2の+側の電源端子e1にそれぞれ接続されている。
前述した信号供給線Svは、トランジスタ39tのベースに接続される。そして、トランジスタ39tのベースには、信号供給線Svを介して電源制御部38からスイッチング信号Ssが出力される。このスイッチング信号Ssにより、トランジスタ39tのエミッタ−コレクタ間、すなわち、センサ電源71とセンサ部2の+側の電源端子e1との間の回路(以下、「上流側回路」という。)の接続/遮断(閉/開)が切替えられる。詳細には、スイッチング信号Ssの出力時には上流側回路が接続されて、ホール素子2a,2bに電力が供給される。この際、センサ電源71の電圧である5Vが、センサ部2の+側の電源端子e1に印加される。逆に、スイッチング信号Ssの非出力時には上流側回路が遮断され、ホール素子2a,2bへの電力が停止される。
電源制御部38による電力供給線Pvを介した電力の供給/停止、及び、信号供給線Svを介したスイッチング信号Ssの出力/非出力は、マイクロコンピュータ5からの指示信号に応答して切替えられる。マイクロコンピュータ5は、電源制御部38に対して2つの指示信号Cs1,Cs2を出力する。そして、電源制御部38は、第1指示信号Cs1のレベル(H/L)に応じて電力の供給/停止を切替え、第2指示信号Cs2のレベル(H/L)の切替に応じてスイッチング信号Ssの出力/非出力を切替える。
第1指示信号Cs1がHレベルの場合は、電力供給線Pvを介して電力が供給され、これにより、処理回路3の各処理部31〜36が能動状態(オン状態)となる。逆に、第1指示信号Cs1がLレベルの場合は、電力供給線Pvを介した電力の供給が停止される。これにより、処理回路3の各処理部31〜36は、非能動状態(オフ状態)となる。つまり、マイクロコンピュータ5による第1指示信号Cs1のレベルの切替は、リミッタ部34を含む各処理部31〜36の能動状態と非能動状態との間の移行指示に相当する。
ところで、調整演算部36の能動状態では、調整演算部36から電圧調整回路37への調整信号Asが出力される。このため、トランジスタ37tのベース電流が流れ、コレクタ−エミッタ間が導通状態となり、センサ部2の−側の電源端子e2とグランドとの間の回路(以下、「下流側回路」という。)が接続される。逆に、調整演算部36の非能動状態では調整信号Asが出力されなくなるため、トランジスタ37tのベース電流が流れず、トランジスタ37tのコレクタ−エミッタ間が非導通状態となり、下流側回路が遮断される。つまり、トランジスタ37tは、ベース電流が流れる状態(以下、「能動状態」という。)では上述したように入力電圧Vinを調整し、逆に、ベース電流が流れない状態(以下、「非能動状態」という。)では入力電圧Vinを調整せず、下流側回路を遮断する。
このように、調整演算部36の能動状態/非能動状態と、電圧調整回路37の能動状態/非能動状態とは連動している。したがって、マイクロコンピュータ5による第1指示信号Cs1のレベルの切替は、電圧調整回路37の能動状態と非能動状態との間の移行指示にも相当する。
また、第2指示信号Cs2がHレベルの場合は、信号供給線Svを介してスイッチング信号Ssが出力され、スイッチング回路39により上流側回路が接続される。逆に、第2指示信号Cs2がLレベルの場合は、スイッチング信号Ssが出力されず、スイッチング回路39により上流側回路が遮断される。したがって、マイクロコンピュータ5による第2指示信号Cs2のレベルの切替は、上流側回路の通電/遮断の切替指示に相当する。
<1−5.非能動状態における上流側回路の遮断>
ところで、位置検出装置10Aでは、第1指示信号Cs1をLレベルとして処理回路3の各処理部31〜37を非能動状態とする場合においては必ず、第2指示信号Cs2もLレベルとして、スイッチング回路39により上流側回路を遮断するようになっている。これは、マイクロコンピュータ5の破壊を防止するためである。
ここで仮に、処理回路3の各処理部31〜37の非能動状態において、上流側回路の接続を維持した場合について想定する。この場合では、上流側回路が接続されていることから、センサ部2の+側の電源端子e1にはセンサ電源71の電圧5Vが印加される。一方で、電圧調整回路37が非能動状態であるため、下流側回路が遮断される。このことから、+側の電源端子e1から−側の電源端子e2へは電流が流れず、ホール素子2a,2bのホール起電力を出力するための端子e3へ電流が流れようとする。
+側の電源端子e1と端子e3との間におけるホール素子2a,2bの等価回路は抵抗である。さらに、非能動状態における差動増幅部31、減算部32、フィルタ部33及びリミッタ部34は抵抗として機能する。したがって、センサ部2の+側の電源端子e1から処理回路3の信号出力端子e4までは、単なる抵抗として機能する。この抵抗の値は、マイクロコンピュータ5の内部の抵抗値と比較して非常に小さい。
このことから結局、センサ部2の+側の電源端子e1に印加された電圧が、ほぼそのまま処理回路3の信号出力端子e4に印加される。つまり、センサ電源71の電圧5Vが、マイクロコンピュータ5に印加されることとなる。前述したように、マイクロコンピュータ5の駆動電圧は3.3Vであり、センサ電源71の電圧5Vはこの駆動電圧よりも大きい。このことから、このようにセンサ電源71の電圧が印加されると、マイクロコンピュータ5は破壊される可能性がある。
これに対して、本実施の形態の位置検出装置10Aのように、処理回路3の各処理部31〜37の非能動状態において必ず上流側回路を遮断すれば、センサ部2の+側の電源端子e1に電圧が印加されないため、このようなマイクロコンピュータ5の破壊を防止することができるわけである。
なお、処理回路3の各処理部31〜37の能動状態においては、電圧調整回路37が能動状態であり下流側回路が接続されることから、センサ部2の+側の電源端子e1から−側の電源端子e2へ電流が流れる。したがって、マイクロコンピュータ5にセンサ電源71の電圧が直接的に印加されることはない。また仮に何らかの影響により、位置信号Lsの電圧(ΔV)が比較的大きな値となったとしても、この電圧はリミッタ部34により、所定の値よりも大きくならないように制限される。したがって、電圧調整回路37及びリミッタ部34の能動状態においては、マイクロコンピュータ5に駆動電圧以上の電圧が印加されるおそれはない。
<1−6.指示信号の切替タイミング>
このように位置検出装置10Aでは、第1指示信号Cs1をLレベルとするときには必ず第2指示信号Cs2もLレベルとされる。しかし、これらは同一タイミングで切替えられるわけではない。
図4は、指示信号Cs1,Cs2をHレベルからLレベルに切替える場合(例えば、位置検出装置10Aをの電源をオフする際)における指示信号Cs1,Cs2のレベルの変化を示すタイムチャートである。図に示すように、まず、第2指示信号Cs2がHレベルからLレベルに切替えられる(時点Tp1)。そして、この時点Tp1から所定時間Wt1の経過後、第1指示信号Cs1がHレベルからLレベルに切替えられる(時点Tp2)。すなわち、上流側回路の接続から遮断への切替指示が先行してなされた後、所定時間Wt1の経過後、電圧調整回路37及びリミッタ部34の能動状態から非能動状態への移行指示が行なわれることとなる。
バイポーラトランジスタを主構成とするスイッチング回路39は応答速度が低いため、第2指示信号Cs2をLレベルに切替えた後も、暫くは上流側回路が通電される。このため、指示信号Cs1,Cs2を同時にLレベルに切替えたとすると、電圧調整回路37及びリミッタ部34が非能動状態にもかかわらず、センサ部2の+側の電源端子e1にセンサ電源71の電圧が印加され、マイクロコンピュータ5が破壊されるおそれがある。
これに対して図4に示すように、第1指示信号Cs1をLレベルとするタイミングを、第2指示信号Cs2をLレベルとするタイミングより所定時間Wt1遅延させることで、センサ部2の+側の電源端子e1に電圧が完全に印加されなくなってから、電圧調整回路37及びリミッタ部34を非能動状態へ移行させることができる。このため、マイクロコンピュータ5の破壊を効果的に防止できることとなる。遅延させる時間Wt1は、スイッチング回路39の応答速度に合わせて、例えば5μ秒程度に設定される。
また、指示信号Cs1,Cs2をLレベルからHレベルに切替える場合(例えば、位置検出装置10Aの電源をオンする際)においても、第1指示信号Cs1と第2指示信号Cs2とで、Hレベルに切替えるタイミングは相違される。
図5は、この場合における指示信号Cs1,Cs2のレベルの変化を示すタイムチャートである。図に示すように、まず、第1指示信号Cs1がLレベルからHレベルに切替えられる(時点Tp3)。そして、この時点Tp3から所定時間Wt2の経過後、第2指示信号Cs1がLレベルからHレベルに切替えられる(時点Tp4)。すなわち、電圧調整回路37及びリミッタ部34の非能動状態から能動状態への移行指示が先行してなされた後、所定時間Wt2の経過後、上流側回路の遮断から接続への切替指示が行なわれることとなる。
電圧調整回路37及びリミッタ部34もバイポーラトランジスタ(あるいは、それを用いたオペアンプ)を主構成とするため、応答速度が低い。このため、第1指示信号Cs1をHレベルに切替えたとしても、これらは瞬時に能動状態にならない。したがって、指示信号Cs1,Cs2を同時にHレベルに切替えたとすると、電圧調整回路37及びリミッタ部34が非能動状態にもかかわらず、センサ部2の+側の電源端子e1にセンサ電源71の電圧が印加され、マイクロコンピュータ5が破壊されるおそれがある。
これに対して図5に示すように、第2指示信号Cs2をHレベルとするタイミングを、第1指示信号Cs1をHレベルとするタイミングより所定時間Wt2遅延させることで、電圧調整回路37及びリミッタ部34が能動状態へ完全に移行してから、センサ部2の+側の電源端子e1に電圧を印加することができる。このため、マイクロコンピュータ5の破壊を効果的に防止できることとなる。遅延させる時間Wt2は、電圧調整回路37及びリミッタ部34の応答速度に合わせて、例えば5μ秒程度に設定される。
以上、第1の実施の形態について説明したように、位置検出装置10Aでは、電圧調整回路37及びリミッタ部34が非能動状態のときには必ず、センサ電源71とセンサ部2との間の上流側回路がスイッチング回路39により遮断される。これにより、駆動電圧よりも大きな電圧がマイクロコンピュータ5に印加されなくなり、マイクロコンピュータ5の破壊を防止できることとなる。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。本実施の形態では、1つの電圧調整回路が、入力電圧Vinの調整、及び、上流側回路の遮断の双方の目的に利用される。以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図6は、本実施の形態の位置検出装置10Bの電気的な構成を模式的に示す図である。本実施の形態では、センサ電源71とセンサ部2の+側の電源端子e1との間の上流側回路に電圧調整回路61が配置されている。また、センサ部2の−側の電源端子e2とグランドとの間の下流側回路は直接接続されている。
電圧調整回路61は、PNP型のトランジスタ61tを備えており、そのエミッタはセンサ電源71、コレクタはセンサ部2の+側の電源端子e1にそれぞれ接続されている。また、トランジスタ61tのベースには、調整演算部36から調整信号Asが出力される。この調整信号Asにより、トランジスタ61tのベース電流が流れるとともに、ベース電圧が調整され、ホール素子2a,2bの入力電圧Vinが調整される。つまり、電圧調整回路61は、能動状態において、処理回路3の温度補償機能の一部として機能する。
本実施の形態では、PNP型のトランジスタ61tを採用しているため、トランジスタ61tのベースは、調整信号Asの非出力時においてセンサ電源71と同電圧になるようにプルアップされている。そして、入力電圧Vinの調整に対してのベース電圧の大小関係は、第1の実施の形態と反対となる。詳細には、加算値(Vha+Vhb)が一定値Vctよりも大きい場合には、入力電圧Vinを小さくするために(Vceを大きくするために)ベース電圧が上げられる。また逆に、加算値(Vha+Vhb)が一定値Vctよりも小さい場合には、入力電圧Vinを大きくするために(Vceを小さくするために)ベース電圧が下げられる。
また、調整演算部36から調整信号Asが出力されない状態では、ベース電流が流れないことから、上流側回路は遮断される。つまり、電圧調整回路61は、非能動状態において、上流側回路を遮断する。したがって、本実施の形態の電圧調整回路61は、第1の実施の形態の電圧調整回路37、及び、スイッチング回路39の双方の機能に兼用されることとなる。
このように本実施の形態では、電圧調整回路61が上流側回路に配置されていることから、電圧調整回路61の非能動状態において、必ず上流側回路が遮断される。このため、センサ部2の+側の電源端子e1には電圧が印加されず、マイクロコンピュータ5の破壊が防止される。
またところで、電圧調整回路61の能動状態において、仮に何らかの影響により、位置信号Lsの電圧(ΔV)が比較的大きな値となったとしても、この電圧はリミッタ部34により制限される。このため、電圧調整回路61の能動状態においても、マイクロコンピュータ5に駆動電圧以上の電圧が印加されるおそれはないこととなる。
また、本実施の形態の電源制御部38も、2つの出力線Pva,Pvbを備えているが、双方共に処理回路電源72からの電力を供給するための電力供給線となっている。第1供給線Pvaは、処理回路3の各処理部31〜35に接続されている。したがって、第1供給線Pvaを介した電力の供給/停止により、リミッタ部34を含む処理回路3の各処理部31〜35の能動状態と非能動状態とが切替えられる。
一方、第2供給線Pvbは、調整演算部36のみに接続されている。本実施の形態においても、調整演算部36の能動状態/非能動状態と、電圧調整回路61の能動状態/非能動状態とは連動する。したがって、第2供給線Pvbを介した電力の供給/停止により、調整演算部36及び電圧調整回路61の能動状態と非能動状態とが切替えられることとなる。
本実施の形態においても、マイクロコンピュータ5からは電源制御部38に対して2つの指示信号Cs1,Cs2が出力される。そして、電源制御部38は、第1指示信号Cs1のレベル(H/L)に応じて第1供給線Pvaを介した電力の供給/停止を切替え、第2指示信号Cs2のレベル(H/L)の切替に応じて第2供給線Pvbを介した電力の供給/停止を切替える。
指示信号Cs1,Cs2をHレベルからLレベルに切替える場合においては、図4に示すとおりに指示信号Cs1,Cs2のレベルが切替えられる。したがって、上流側回路の接続から遮断への切替指示(電圧調整回路61の能動状態から非能動状態への移行指示)が先行してなされた後、所定時間Wt1の経過後、リミッタ部34の能動状態から非能動状態への移行指示が行なわれることとなる。
また、指示信号Cs1,Cs2をLレベルからHレベルに切替える場合においては、図5に示すとおりに指示信号Cs1,Cs2のレベルが切替えられる。したがって、リミッタ部34の非能動状態から能動状態への移行指示が先行してなされた後、所定時間Wt2の経過後、上流側回路の遮断から接続への切替指示(電圧調整回路61の非能動状態から能動状態への移行指示)が行なわれることとなる。これにより、本実施の形態においても、マイクロコンピュータ5の破壊が効果的に防止される。
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。本実施の形態では、センサ部2として一つのホール素子のみを有している。以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図7は、本実施の形態の位置検出装置10Cの電気的な構成を模式的に示す図である。本実施の形態では、センサ部2が一つのホール素子2cのみで構成されており、この出力電位Vc1,Vc2の差であるホール起電力Vhcが、ホール素子2cに対する磁石1の相対位置としてされる。つまり、ホール起電力Vhcがそのまま、磁石1の相対位置を示す位置信号Lsの値とされる。
したがって、処理回路3は、位置導出機能としてホール起電力Vhcを求めるための1つの差動増幅部31のみを備え、減算部32は備えていない。差動増幅部31から出力される位置信号Lsは、フィルタ部33及びリミッタ部34を経由した後、処理回路3の信号出力端子e4からマイクロコンピュータ5に出力される。
また、本実施の形態では、環境温度の変化の影響を排除するために、センサ電源71からホール素子2cへの供給電流が一定値に調整される。このため、処理回路3は、温度補償機能として定電流回路62を備えている。
定電流回路62は、センサ部2の−側の電源端子e2とグランドとの間の下流側回路に配置され、主としてオペアンプ62a、トランジスタ62t及び抵抗R1で構成される。トランジスタ62tのコレクタはセンサ部2の−側の電源端子e2に接続され、エミッタは抵抗R1を介してグランドに接続されている。エミッタ−コレクタ間を流れる電流は、オペアンプ62aの+入力端子の電圧Vrefと抵抗R1とで規定される一定の値に調整される。つまり、ホール素子2cに供給される電流が一定値に調整されるわけである。
定電流回路62は、オペアンプ62aに供給される電力に応じて、能動状態と非能動状態との間で状態移行する。定電流回路62は、能動状態では、上述のようにホール素子2cへの供給電流を一定値に調整するが、非能動状態では下流側回路を遮断することとなる。
電源制御部38及びスイッチング回路39の構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、電力供給線Pvは、処理回路3の差動増幅部31、フィルタ部33、リミッタ部34、及び、定電流回路62のオペアンプ62aに接続されている。したがって、電力供給線Pvを介した電力の供給/停止により、差動増幅部31、フィルタ部33、リミッタ部34及び定電流回路62の能動状態と非能動状態とが切替えられることとなる。
本実施の形態においても、リミッタ部34及び定電流回路62の非能動状態において、上流側回路の接続を維持した場合には、マイクロコンピュータ5が破壊されるおそれがある。このため、リミッタ部34及び定電流回路62の非能動状態においては必ず、スイッチング回路39により上流側回路が遮断されるようになっている。
また、本実施の形態においても、マイクロコンピュータ5からは電源制御部38に対して2つの指示信号Cs1,Cs2が出力される。そして、電源制御部38は、第1指示信号Cs1のレベル(H/L)に応じて電力の供給/停止を切替え、第2指示信号Cs2のレベル(H/L)の切替に応じてスイッチング信号Ssの出力/非出力を切替える。
指示信号Cs1,Cs2をHレベルからLレベルに切替える場合においては、図4に示すとおりに指示信号Cs1,Cs2のレベルが切替えられる。したがって、上流側回路の接続から遮断への切替指示が先行してなされた後、所定時間Wt1の経過後、定電流回路62及びリミッタ部34の能動状態から非能動状態への移行指示が行なわれることとなる。
また、指示信号Cs1,Cs2をLレベルからHレベルに切替える場合においては、図5に示すとおりに指示信号Cs1,Cs2のレベルが切替えられる。したがって、定電流回路62及びリミッタ部34の非能動状態から能動状態への移行指示が先行してなされた後、所定時間Wt2の経過後、上流側回路の遮断から接続への切替指示が行なわれることとなる。これにより、本実施の形態においても、マイクロコンピュータ5の破壊が効果的に防止される。
<4.第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。本実施の形態では、磁石1の2次元相対位置が導出される。以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図8は、本実施の形態の位置検出装置10Dに含まれる構成要素の物理的な配置を示す斜視図であり、図9は、位置検出装置10Dの電気的な構成を模式的に示す図である。
図8に示すように、位置検出装置10Dは、1つの磁石1を備えるとともに、4個のホール素子2a,2b,2c,2d、言い換えれば、2組のホール素子対(磁気センサ対)(2a,2b),(2c,2d)を備えている。これらのホール素子対の配置は、相対的に固定されている。1組のホール素子対2a,2bはX方向に離間して配置され、別の1組のホール素子対2c,2dはY方向に離間して配置されている。つまり、ホール素子対2a,2bの配置方向(X方向)と、ホール素子対2c,2dの配置方向(Y方向)とは、互いに直交している。
また、ホール素子対2a,2bは一のセンサ部2として機能し、ホール素子対2c,2dは他の一のセンサ部2として機能する。そして、磁石1は、相対的に固定されたこれらの2組のセンサ部2に対して、X方向及びY方向の双方向に移動可能とされている。位置検出装置10Dでは、このように移動する磁石1の2組のセンサ部2に対する2次元の相対位置が検出される。
図9に示すように、位置検出装置10Dでは2組のセンサ部2に対応可能に、2つの処理回路30が設けられている。そして、一方の処理回路30では、ホール素子対2a,2bの出力値に基づいて磁石1のX方向における位置xが導出され、他方の処理回路30では、磁石1のY方向における位置yが導出される。つまり、位置検出装置10Dは、それぞれが磁石1の一次元位置を検出する2組の検出ユニットU1,U2を備えていることとなる。
処理回路30は、第1の実施の形態の処理回路3とは相違し、「電源制御機能」は備えておらず、「位置導出機能」及び「温度補償機能」のみを有している。したがって、処理回路3の構成は、図2に示す処理回路3の構成から、スイッチング回路39及び電源制御部38を除いた構成となっている。すなわち、1つの検出ユニットは、1つのセンサ部2(1組のホール素子対)、1つの位置導出機能(リミッタ部34を含む)、及び、1つの温度補償機能(電圧調整回路37を含む)を含んで構成されることとなる。
したがって、各検出ユニットU1,U2の処理回路30からは、相対位置を示す位置信号Lsがマイクロコンピュータ5に出力される。詳細には、ホール素子対2a,2bを含む検出ユニットU1の処理回路30は磁石1のX方向における相対位置を示す位置信号Ls1を出力し、ホール素子対2c,2dを含む検出ユニットU2の処理回路30は磁石1のY方向における相対位置を示す位置信号Ls2を出力する。すなわち、マイクロコンピュータ5には、磁石1の2次元の相対位置が入力される。また、各ユニットU1,U2のセンサ部2(ホール素子対)はそれぞれ、その出力値の加算値が一定値となるように、電圧調整回路37により入力電圧Vinが調整される。
また、位置検出装置10Dでは、「電源制御機能」を担うスイッチング回路39及び電源制御部38が、検出ユニットU1,U2とは独立して構成されている。これらの「電源制御機能」の構成は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、第1の実施の形態と同様にマイクロコンピュータ5からの指示信号Cs1,Cs2に基づいて動作する。ただし、電源制御部38の電力供給線Pvは、2つの検出ユニットU1,U2の双方の処理回路30に接続されており、また、スイッチング回路39は、検出ユニットU1,U2の双方のセンサ部2の+側の電源端子e1に接続されている。
つまり、本実施の形態においては、1つのスイッチング回路39及び1つの電源制御部38が、検出ユニットU1,U2の双方において兼用されているわけである。これにより、検出ユニットU1,U2のそれぞれに「電源制御機能」を設けた場合よりも構成を簡単にすることができ、また、制御も容易とすることができる。
なお、本実施の形態の位置検出装置10Dは、2つの検出ユニットを有しているが、3以上の検出ユニットを有していてもよい。検出ユニットの数によらず、複数の検出ユニットの間でセンサ部2(ホール素子対)の配置を相対的に固定すれば、センサ部2に対する磁石1の相対位置を高精度に求めることができる。
また、ホール素子対の配置方向は複数の検出ユニットの間で相違させてもよく、平行としてもよい。ホール素子対の配置方向を複数の検出ユニットの間で相違させた場合は、磁石1の相対位置を複数の次元で求めることができる。一方、ホール素子対の配置方向を複数の検出ユニットの間で平行とした場合は、その配置方向における磁石1の位置を正確に測定することができる。
また、本実施の形態の位置検出装置10Dは、それぞれがセンサ部2の入力電圧Vinを調整する検出ユニットを2つ備えるものであったが、第3の実施の形態と同様にそれぞれがセンサ部2への供給電流を一定値に調整する検出ユニットを2つ備えるものであってもよい。
<5.第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施形態においては、位置検出装置の具体的な利用形態を例示する。ここでは、撮像装置の手振れ補正機構に上述のような位置検出装置を利用する場合について詳細に説明する。なお、本発明は、静止画像を撮像するタイプの撮像装置(デジタルスチルカメラ等)、および動画像を撮像するタイプの撮像装置(デジタルムービーカメラ等)のいずれにも適用可能である。
図10は、手振れ補正機能を備えた撮像装置(ここではデジタルスチルカメラ)300Aを示す図である。撮像装置300Aは、カメラ本体60と、複数のレンズ40が組み込まれた鏡胴70と、鏡胴70の側面部に固定されたジャイロセンサ50と、鏡胴70の端面に取り付けられる手振れ補正装置100とを備えて構成される。
手振れ補正装置100は、その内部にCCDなどの撮像素子16が設けられており、ジャイロセンサ50によって検出される撮像装置300Aのブレに応じて、撮像素子16を光軸Lに垂直なXY平面内で移動させることにより、手振れ補正を行うものである。例えば、撮像装置300Aによる撮影中に、図10の矢印D1で示すように、撮像装置300Aがぶれて、鏡胴70に入射する光軸Lがずれた場合、手振れ補正装置100は撮像素子16を矢印D2に示すように移動させて光軸Lのずれを補正する。この手振れ補正装置100は、位置検出装置としての機能を内蔵しており、手振れ補正時にはその位置検出機能によってXY平面内での撮像素子16の現在位置を検出し、その位置情報を、撮像素子16の位置を高精度に制御するためのフィードバック情報として用いるように構成されている。
図11は、手振れ補正装置100の組立分解斜視図である。図11に示すように、手振れ補正装置100は主として、鏡胴70の端面に固設されるベース板12、ベース板12に対してX軸方向に移動する第1スライダ14、および、第1スライダ14に対してY軸方向に移動する第2スライダ13の3つの部材が組み合わされて構成される。
ベース板12は、中央に開口121が形成された環状の金属フレーム122を基材として形成されるものであり、その金属フレーム122が鏡胴70に固定される。ベース板12は、金属フレーム122に、X軸方向に延設される第1アクチュエータ123と、複数のホール素子を内蔵して構成される磁気センサユニット22とが配設された構成となっている。また、金属フレーム122周縁部の所定位置には第1スプリング掛け124が形成されるとともに、周縁部の複数箇所にL字状の基板保持具125が形成されている。
第2スライダ13は、その中央に撮像素子16を収容して固定可能な開口131が形成された樹脂製の枠体132を備え、その枠体132に、Y軸方向に延設される第2アクチュエータ133と、剛球19をZ軸方向両面に遊嵌する剛球受け134と、磁石を支持するための磁石支持部21とが設けられた構成となっている。磁石支持部21は、開口131を基準にみると、第2アクチュエータ133よりもさらに外側であって、ベース板12に設けられる磁気センサユニット22に対向する位置に形成されている。
図12は、磁石支持部21を正面からみた場合の要部拡大図である。図12に示すように、磁石支持部21は、第2アクチュエータ133の外側に形成された壁面211からさらに外側に向けて延設された平板状の磁石支持アーム212によって形成され、磁石支持アーム212の先端部下面側に磁石受け部213が設けられている。磁石受け部213は、磁石23を嵌入して固定できるようになっている。そして図12に示すように、磁石支持アーム212の下面側に固定される磁石23は、ベース板12の磁気センサユニット22と対向する位置に配置される。そして磁石23の下面と磁気センサユニット22の表面(上面)とは互いに略平行となるように設けられる。
図11に戻り、第1スライダ14は、その中央部に第2スライダ13を収めるための開口141が形成されたアルミニウム製の環状フレーム142を基材として形成されるものであり、そのフレーム142に、第1摩擦結合部143、第2摩擦結合部144および第2スプリング掛け145が設けられた構成を有している。第1摩擦結合部143はベース板12の第1アクチュエータ123と対向する位置に設けられ、第2摩擦結合部144は第2スライダ13の第2アクチュエータ133と対向する位置に設けられる。また、第2スプリング掛け145はベース板12の第1スプリング掛け124に対向する位置に設けられる。
第1アクチュエータ123および第2アクチュエータ133はそれぞれ、図13に示すように、静止部材81と圧電素子82と駆動ロッド83とを備えており、静止部材81がベース板12若しくは第2スライダ13に固定され、圧電素子82の一端側が静止部材81に固定されるとともに他端側が駆動ロッド83に接続された構成を有している。そして圧電素子82に印加される駆動パルスに応じた量および方向に駆動ロッド83が移動するようになっている。このとき駆動ロッド83の移動方向は、各アクチュエータが延設された方向、すなわち図13の例では矢印84で示される方向となる。
以上のような手振れ補正装置100が組み上げられるときには、撮像素子16が第2スライダ13の開口131に嵌合して固設されるとともに、第1アクチュエータ123の駆動ロッド83と第1摩擦結合部143とが摩擦結合され、第2アクチュエータ133の駆動ロッド83と第2摩擦結合部144とが摩擦結合される。また、第1スプリング掛け124と第2スプリング掛け145との間にはスプリング18が架設され、ベース板12および第1スライダ14がスプリング18によって相互に接近する向きに付勢される。このとき、第2スライダ13は、ベース板12と第1スライダ14とに剛球19を介して挟み込まれた状態とされる。これにより、Z軸負方向側から正方向側に向かって、ベース板12、第2スライダ13、第1スライダ14の順に重なって、これら部材12,13,14が配置されることとなる。
このような手振れ補正装置100が組み上げられた状態で、第1アクチュエータ123の駆動ロッド83が移動すると、これに摩擦結合する第1摩擦結合部143の移動により第1スライダ14がベース板12に対してX軸方向に移動する。このとき、第1スライダ14の移動にあわせて第2スライダ13もベース板12に対してX軸方向に移動する。また、第2アクチュエータ133の駆動ロッド83が移動すると、これに摩擦結合する第2摩擦結合部144の移動により第2スライダ13が第1スライダ14に対してY軸方向に移動する。このとき、第1スライダ14のベース板12に対する移動はなされないため、第2スライダ13は単独でベース板12に対してY軸方向に移動することとなる。
このことから、手振れ補正装置100においては、第1スライダ14および第2スライダ13のそれぞれが撮像素子16を保持して、固定部材(固定体)たるベース板12に対して移動可能な移動部材(移動体)として構成されている。そして第1スライダ14はベース板12に対し、X軸方向に沿って直線的に移動するのみであるが、第2スライダ13は第1スライダのX軸方向への移動に加えて、Y軸方向に単独移動できるので、第2スライダ13は撮像素子16を保持した状態で、光軸に垂直なXY平面内を移動可能なように構成されている。
なお、第1アクチュエータ123および第2アクチュエータ133のそれぞれの駆動ロッド83は、第2スライダ13のX軸方向およびY軸方向それぞれへの直線的移動をガイドするガイド手段としての機能も有している。
図14は、図11のI−I断面で切断した断面図であり、手振れ補正装置100が組み上げられ、鏡胴70に取り付けられた状態を示す図である。手振れ補正装置100は、ベース板12に設けられた磁気センサユニット22と、第2スライダ13に取り付けられた磁石23とを互いに対向する位置で近接状態に支持しており、磁気センサユニット22が磁石23によって生じる磁界の変化を良好に検知できるように配置されている。上述のように第2スライダ13はXY平面内を移動することができ、第2スライダ13の移動に伴って磁気センサユニット22に対する磁石23の位置が変動するようになっている。XY平面において磁気センサユニット22に対する磁石23の位置が変動することにより、磁気センサユニット22が検知する磁界は第2スライダ13の移動に伴って変化することになる。したがって、磁気センサユニット22が磁石23によって生じる磁界の変化を検知することにより、第2スライダ13の移動状況(すなわち現在位置)を検知することができるようになっており、磁気センサユニット22および磁石23はベース板12に対する第2スライダ13の位置を検出するための位置検出機構20を構成している。そして磁石23には電気的配線を行う必要がないので、位置検出機構20は配線作業を著しく省力化するという点で有益なものとなっている。
また、第2スライダ13に設けられる撮像素子16の背面側(Z軸正方向側)には、放熱板17を介して第1基板41が設けられており、撮像素子16は第1基板41に接続されている。そのため、第1基板41は第2スライダ13と一体的にX方向およびY方向に移動する。また、ベース板12の基板保持具125には第2基板42が固定されている。第1基板41と第2基板42は、光軸方向(Z軸方向)に重なって配置され、第2スライダ13の移動によって、第1基板41は、第2基板42に対して平行に移動する。第1基板41および第2基板42は、可撓性を有するフレキシブル基板43によって互いに結線され、信号の送受信が可能なように構成されている。
磁気センサユニット22は、図示しない信号線によって第2基板42に接続される。また、撮像装置300Aのブレを検知して、X軸方向およびY軸方向のブレに関する角速度信号を出力するジャイロセンサ50も、図示しない信号線によって第2基板42に接続される。
第1基板41には、撮像素子16を制御する素子や回路が配置され、撮像素子16からの出力信号(画像信号)はフレキシブル基板43を介して第2基板42に与えられる。第2基板42には、撮像素子16からの出力信号を処理する回路や、第2スライダ13の位置を検知する磁気センサユニット22からの信号を処理する回路等が配置されるとともに、出力回路からの位置信号(X座標値およびY座標値)と、ジャイロセンサ50から入力する角速度信号とに基づいて、第1及び第2アクチュエータ123,133を駆動制御するための制御回路(マイクロコンピュータ等を含む回路)が配置される。そして第2基板42からは、撮像素子16の内部に設けられる制御回路であって手振れ補正装置100とは異なる回路に、撮像素子16で取得された画像信号が出力されるとともに、図示しない信号線で接続された第1及び第2アクチュエータ123,133のそれぞれに対して駆動信号(駆動パルス)が送出される。
そして上記のような回路配置において、第2スライダ13に設けられる磁石23には電気的配線を必要としないことから、第1基板41と第2基板42との配線パターンを比較的簡単にすることができ、設計上の部品の配置や配線の引き回し等に自由度が増すとともに、組立時の作業効率を向上させている。特に、移動部材に対する配線は、その移動部材の移動にとって抵抗となることがあるので、可能な限り移動部材への配線は避けることが望まれる。本実施形態においては、磁石23が移動部材である第2スライダ13に設けられるので、位置検出機構20の配線が第2スライダ13の移動を妨げることがなく、好適な配置となっている。
次に、上述した手振れ補正装置100の動作について説明する。図15は、本実施形態にかかる手振れ補正装置100の駆動制御回路の電気的構成を示すブロック図である。この制御回路は、鏡胴70に入射される光軸Lのブレを検知して角速度信号を出力するジャイロセンサ50と、第2スライダ13(撮像素子16)の位置を検出する磁気センサユニット22からの信号を処理する処理回路24と、手振れ補正の総合的な制御を行い、入力される各種信号に基づいて駆動量を演算するマイクロコンピュータ(マイコン)101と、マイクロコンピュータ101からの駆動信号に基づいて所定周波数の駆動パルスを発生させる駆動回路102とを備えて構成されている。駆動回路102によって発生される駆動パルスは、第1および第2アクチュエータ123,133に出力され、各アクチュエータの延設方向に沿って第1および第2スライダ14、13が移動する。
ジャイロセンサ50は、カメラ本体60が矢印D1で示すようにぶれると、2軸方向(X軸方向およびY軸方向)の角速度を検出してマイクロコンピュータ101に出力する。
マイクロコンピュータ101は、ジャイロセンサ50から角速度信号を入力すると、光学系の焦点距離信号から撮像素子16上(結像面上)のぶれによる像の移動量、移動速度を算出する。そして算出した移動速度と第2スライダ13(撮像素子16)の現在位置とから、第1および第2アクチュエータ123,133に印加すべき所定周波数の供給電圧を決定する。すなわち、マイクロコンピュータ101は、磁気センサユニット22から入力する信号に基づいて求められる第2スライダ13(撮像素子16)が現在存在している位置(現在位置)と、ジャイロセンサ50から入力する角速度信号に基づいて決定される撮像素子16が本来あるべき位置(目標位置)とを比較し、本来あるべき位置に撮像素子16が移動するように、各スライダ13,14を駆動させるフィードバック制御を行う。
駆動回路102は、マイクロコンピュータ101からの信号を受けて、各アクチュエータ123,133の共振周波数の7割程度の周波数の駆動パルスを出力する。駆動パルスは、圧電素子82に印加され、第1および第2スライダ13,14を駆動ロッド83に沿って移動させる。具体的には、緩やかな立ち上がり部分と急激な立下り部分とを有する鋸歯状波の駆動パルスを圧電素子82に印加することによって、駆動ロッド83に摩擦結合した部材13(又は14)を、摩擦力と慣性力との大小関係に応じた作用によって、一方の方向に移動させることができる。また逆に、圧電素子82に印加する鋸歯状波の波形を変えて急速な立ち上がりと緩やかな立下りとからなる駆動パルスを印加することによれば、今度は部材13(又は14)を逆の方向に移動させることができる。
このように第1および第2アクチュエータ123,133はそれぞれインパクトアクチュエータとして構成されており、駆動ロッド83に摩擦結合された各スライダ13,14が、圧電素子82の伸縮動作に伴って駆動ロッド83上を摺動する。第1アクチュエータ123に駆動パルスが与えられることによって第1スライダ14がX軸方向へ移動すると、第1スライダに連結されている第2スライダ13も同時にX軸方向に移動する。また、第2アクチュエータ133に駆動パルスが印加された場合は、第1スライダ14とは独立して第2スライダ13だけがY軸方向に移動(自走)する。そして、第2スライダ13は、第1スライダ14とベース板12の間にかかるスプリング18と、各部材の間の剛球19により、抵抗が少なくかつ光軸方向に変動することなく移動する。このとき第1基板41および第2基板42を接続するフレキシブル基板43は、折り曲げられた曲げ部分がよれて、第2スライダ13の移動を吸収するように機能する。
以上のように、手振れ補正装置100は位置検出装置としての機能を内蔵しており、その特徴的構成として、位置検出機構20が磁気センサユニット22と磁石23とを備えたものとなっている。本実施形態においては、移動部材と固定部材との少なくとも一方については位置検出用の配線を行う必要のない位置検出機構20が実現されている。
また、この位置検出機構20の各構成要素は、第4の実施の形態の位置検出装置10D(図8、図9参照)の構成要素に対応している。具体的には、磁石23は磁石1に対応し、磁気センサユニット22は、4つのホール素子2a〜2dで構成される2組のセンサ部2に対応する。また、処理回路24は、2つの処理回路30、及び、スイッチング回路39及び電源制御部38に対応する。また、図15に示すマイクロコンピュータ101はその機能の一部として、第4の実施の形態の位置検出装置10Dにおけるマイクロコンピュータ5の機能を担うこととなる。
したがって、このような位置検出機構(位置検出装置とも称せられる)を備える撮像装置300Aは、第4の実施の形態と同様の利点を得ることができる。また、この位置検出装置は非接触式であるため、当該位置検出装置が撮像装置における騒音発生源とならずに済むなどの利点を得ることもできる。
また、ここでは、ホール素子2a,2bのセンサ配列方向が第1アクチュエータ123の移動方向(X軸方向)に略一致するように配置されるとともに、ホール素子2c,2dのセンサ配列方向が第2アクチュエータ133の移動方向(Y軸方向)に略一致するように配置されている。そのため、磁気センサユニット22で検出される座標値の座標系が、第1および第2アクチュエータ123,133を制御するために用いられる座標系と略一致することになり、信号処理を行う際に座標変換の演算を行う必要がなく、効率的な信号処理が可能な構成となっている。
さらに、4個のホール素子を図8のように配置することにより、4個のホール素子からなる1つのセンサパッケージとしての磁気センサユニット22を配置するだけで、X方向およびY方向の2方向についての磁界の変化を検知することができるようになり、しかもその磁気センサユニット22に対向して1個の磁石23を設置するだけで、X方向およびY方向の2方向について位置検出が可能な位置検出機構20が実現されることになる。このように、図8に示すホール素子2a〜2dの配置は、位置検出機構20の小型化に適したものとなっている。
なお、この実施形態においては、磁気センサユニット22が4個のホール素子を内蔵し、1個の磁気センサユニットでX軸方向およびY軸方向の2方向について磁界の変化を検知できるように構成した例を示した。しかし、1方向についての磁界変化を検知するために1個の磁気センサユニットを設けるようにしてもよい。例えば、第1アクチュエータ123の外側の位置にX軸方向についての位置検出を行う磁気センサユニットを1個設け、第2アクチュエータ133の外側の位置(上記実施の形態で示した位置検出機構20の設置位置)にY軸方向についての位置検出を行う磁気センサユニットを1個設けるようにしてもよい。この場合、各磁気センサユニットに対応する位置検出機構の構成要素は、第1ないし3の実施の形態の位置検出装置10A〜10Cのいずれかの対応構成要素を採用できる。
また、この実施の形態では、移動部材である第1および第2スライダ13,14を移動させるために、駆動手段として圧電素子82を利用したインパクトアクチュエータが適用される場合を例示したが、これに限定されるものではなく、他の駆動手段や駆動方式のものを採用するようにしてもよい。
<6.第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。この第6の実施の形態においては、位置検出装置の別の具体的利用形態を例示する。ここでは、撮像装置のレンズ位置の検出に上記の位置検出装置を利用する場合について説明する。
図16は、撮像装置(ここではデジタルスチルカメラ)300Bを示す図である。
撮像装置300Bは、複数のレンズ40、カメラ本体60、および鏡胴70等を備える。この撮像装置300Bは、オートフォーカス機能およびズーム機能を有しており、複数のレンズ40として、フォーカスレンズ40Fおよびズームレンズ40Zを含むレンズを有している。フォーカスレンズ40Fおよびズームレンズ40Zは、それぞれ独立に、光軸方向において鏡胴70に対して相対的に移動することが可能である。
また、フォーカスレンズ40Fおよびズームレンズ40Zには、それぞれ、各レンズ位置を検出する位置検出装置10F,10Zが設けられている。
各位置検出装置10F,10Zは、それぞれ上記第1の実施の形態の位置検出装置10Aと同様の構成を有している。例えば、位置検出装置10Fは、磁石1とホール素子2a,2bとを備えている。また、位置検出装置10Zも、同様に、磁力発生体(磁石)1とホール素子2a,2bとを備えている。なお、図16においては、図示されていないが、各位置検出装置10F,10Zの各ホール素子対からの出力を処理するため、第1の実施の形態と同様の処理回路3等がカメラ本体60内に設けられている。
また、位置検出装置10Fの磁石1は、移動部材であるフォーカスレンズ40Fの底部に固定されており、位置検出装置10Fのホール素子2a,2bは、固定部材である鏡胴70の内面に固定されている。したがって、フォーカシング時などにおいて、位置検出装置10Fは、フォーカスレンズ40Fの鏡胴70に対する相対位置を検出することが可能である。そして、この位置検出装置10Fによるフォーカスレンズ40Fの位置を検出し、その検出結果を用いて、当該フォーカスレンズ40Fの位置を制御することができる。例えばフィードバック制御等によって、フォーカスレンズ40Fの位置を目標位置に追従させることが可能である。
同様に、位置検出装置10Zの磁石1は、移動部材であるズームレンズ40Zの底部に固定されており、位置検出装置10Zのホール素子2a,2bは、固定部材である鏡胴70の内面に固定されている。したがって、ズーム時などにおいて、位置検出装置10Zは、ズームレンズ40Zの鏡胴70に対する相対位置を検出することが可能である。そして、この位置検出装置10Zによるズームレンズ40Zの位置を検出し、その検出結果を用いて、当該ズームレンズ40Zの位置を制御することができる。例えばフィードバック制御等によって、ズームレンズ40Zの位置を目標位置に追従させることが可能である。
この撮像装置300Bによれば、第1の実施の形態と同様の利点を得ることが可能である。また、この位置検出装置は非接触式であるため、当該位置検出装置が撮像装置における騒音発生源とならずに済む、あるいは、駆動負荷が低減される、摺動等に伴うゴミが出ないなどの利点を得ることもできる。なお、撮像装置300Bでは、第1の実施の形態と同様の位置検出装置が採用されているが、第2ないし第4の実施の形態と同様の位置検出装置が採用されてもよい。
<7.変形例>
以上、本発明実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、磁力発生体としては、電磁石等の永久磁石以外のものを採用してもよい。また、磁気センサとしては、MR素子等を採用してもよい。
また、上記第1及び第3実施の形態ではスイッチング回路39はPNP型のトランジスタ39tを主構成としてしていたが、P型のFETを主構成としてもよい。
また、上記第5及び第6の実施の形態の撮像装置はデジタルスチルカメラであったが、携帯電話装置などに含まれる撮像装置としてのマイクロカメラユニット等に上記実施の形態に係る位置検出装置を採用してもよい。
第1の実施の形態の位置検出装置の概略構成を示す斜視図である。 第1の実施の形態の位置検出装置の電気的構成を示す図である。 ホール素子による磁気の検出原理を示す図である。 指示信号のレベルの変化を示す図である。 指示信号のレベルの変化を示す図である。 第2の実施の形態の位置検出装置の電気的構成を示す図である。 第3の実施の形態の位置検出装置の電気的構成を示す図である。 第4の実施の形態の位置検出装置に概略構成を示す斜視図である。 第4の実施の形態の位置検出装置の電気的構成を示す図である。 位置検出装置が組み込まれた撮像装置を示す図である。 手振れ補正装置の組立分解斜視図である。 磁石支持部を正面からみた場合の要部拡大図である。 インパクトアクチュエータの構成を示す図である。 図11のI−I断面を示す断面図である。 手振れ補正装置の駆動制御回路の電気的構成を示すブロック図である。 位置検出装置が組み込まれた別の撮像装置を示す図である。
符号の説明
1 磁石
2 センサ部
2a,2b ホール素子
3 処理回路
5 マイクロコンピュータ
34 リミッタ部
37 電圧調整回路
39 スイッチング回路

Claims (17)

  1. 位置検出装置であって、
    磁力発生体からの磁気を検出するセンサ部と、
    前記センサ部からの出力値に基づいて、前記磁力発生体と前記センサ部との間の相対位置を導出し、前記相対位置を示す位置信号を演算回路に出力する位置導出手段と、
    前記演算回路の駆動電圧よりも大きな電圧を前記センサ部の一方の電源端子に印加するセンサ電源と、
    能動状態において前記センサ部の入力値を調整し、非能動状態において前記センサ部の他方の電源端子とグランドとの間の下流側回路を遮断する調整回路と、
    前記調整回路が非能動状態のときに、前記センサ電源と前記センサ部の前記一方の電源端子との間の上流側回路を遮断するスイッチング回路と、
    を備えることを特徴とする位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の位置検出装置において、
    前記調整回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、
    をさらに備え、
    前記指示手段は、前記上流側回路の接続から遮断への切替指示の後、所定時間経過後、前記調整回路の能動状態から非能動状態への移行指示を行なうことを特徴とする位置検出装置。
  3. 請求項1に記載の位置検出装置において、
    前記調整回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、
    をさらに備え、
    前記指示手段は、前記調整回路の非能動状態から能動状態への移行指示の後、所定時間経過後、前記上流側回路の遮断から接続への切替指示を行なうことを特徴とする位置検出装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検出装置において、
    前記センサ部は、互いに離間して配置される1組の磁気センサ対で構成され、
    前記位置導出手段は、前記1組の磁気センサ対からの各出力値に基づいて前記相対位置を導出し、
    前記調整回路は、能動状態において、前記1組の磁気センサ対にかかる各電圧を調整して、前記1組の磁気センサ対からの各出力値の大きさの和を一定値とすることを特徴とする位置検出装置。
  5. 請求項4に記載の位置検出装置において、
    前記1組の磁気センサ対、1つの前記位置導出手段、及び、1つの前記調整回路の組み合わせを1つの検出ユニットとしたとき、
    複数の検出ユニットを備え、
    前記複数の検出ユニットにそれぞれ含まれる前記1組の磁気センサ対の配置は、前記複数の検出ユニットの間で相対固定されることを特徴とする位置検出装置。
  6. 請求項5に記載の位置検出装置において、
    1つの前記スイッチング回路が、前記複数の検出ユニットの間で兼用されることを特徴とする位置検出装置。
  7. 請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検出装置において、
    前記センサ部は、1つの磁気センサで構成され、
    前記調整回路は、能動状態において、前記磁気センサへの供給電流を一定に調整することを特徴とする位置検出装置。
  8. 位置検出装置であって、
    磁力発生体からの磁気を検出するセンサ部と、
    前記センサ部からの出力値に基づいて、前記磁力発生体と前記センサ部との間の相対位置を導出し、前記相対位置を示す位置信号を演算回路に出力する位置導出手段と、
    前記演算回路の駆動電圧よりも大きな電圧を前記センサ部の一方の電源端子に印加するセンサ電源と、
    能動状態において前記センサ部の入力値を調整し、非能動状態において前記センサ電源と前記センサ部の前記一方の電源端子との間の上流側回路を遮断する調整回路と、
    を備えることを特徴とする位置検出装置。
  9. 請求項1または8に記載の位置検出装置において、
    前記演算回路に入力前の前記位置信号の電圧を所定範囲に制限するリミッタ回路、
    をさらに備えることを特徴とする位置検出装置。
  10. 請求項9に記載の位置検出装置において、
    前記リミッタ回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、
    をさらに備え、
    前記指示手段は、前記上流側回路の接続から遮断への切替指示の後、所定時間経過後、前記リミッタ回路の能動状態から非能動状態への移行指示を行なうことを特徴とする位置検出装置。
  11. 請求項9に記載の位置検出装置において、
    前記リミッタ回路の能動状態と非能動状態との間の移行指示、及び、前記上流側回路の接続/遮断の切替指示を行なう指示手段、
    をさらに備え、
    前記指示手段は、前記リミッタ回路の非能動状態から能動状態への移行指示の後、所定時間経過後、前記上流側回路の遮断から接続への切替指示を行なうことを特徴とする位置検出装置。
  12. 請求項8ないし11のいずれかに記載の位置検出装置において、
    前記センサ部は、互いに離間して配置される1組の磁気センサ対で構成され、
    前記位置導出手段は、前記1組の磁気センサ対からの各出力値に基づいて前記相対位置を導出し、
    前記調整回路は、能動状態において、前記1組の磁気センサ対にかかる各電圧を調整して、前記1組の磁気センサ対からの各出力値の大きさの和を一定値とすることを特徴とする位置検出装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の位置検出装置において、
    演算回路は、マイクロコンピュータであることを特徴とする位置検出装置。
  14. 手振れ補正機構であって、
    請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、
    手振れを補正するために相対移動する2物体の相対位置を、前記位置検出装置を用いて検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて前記2物体の相対駆動を行って、手振れを補正する駆動手段と、
    を備えることを特徴とする手振れ補正機構。
  15. 撮像装置であって、
    請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、
    手振れを補正するために相対移動する2物体の相対位置を、前記位置検出装置を用いて検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて前記2物体の相対駆動を行って、手振れを補正する駆動手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  16. 撮像装置であって、
    フォーカスレンズを含む撮像光学系と、
    請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、
    前記位置検出装置を用いて前記フォーカスレンズの位置を検出し、当該フォーカスレンズの位置を制御するレンズ位置指示手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  17. 撮像装置であって、
    ズームレンズを含む撮像光学系と、
    請求項1から請求項13のいずれかに記載の位置検出装置と、
    前記位置検出装置を用いて前記ズームレンズの位置を検出し、当該ズームレンズの位置を制御するレンズ位置指示手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
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