JP2005330262A

JP2005330262A - 固形粉末化粧料

Info

Publication number: JP2005330262A
Application number: JP2004357972A
Authority: JP
Inventors: Takamitsu Imai; 隆充今井
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2004-04-20
Filing date: 2004-12-10
Publication date: 2005-12-02
Anticipated expiration: 2024-12-10
Also published as: JP4870923B2; EP1593366A1; CN1689638A; CN1689638B; US20050238596A1; EP1593366B1; DE602005012016D1

Abstract

【課題】使用性及び安定性に優れた固形粉末化粧料を提供する。
【解決手段】（Ａ）ワックス、（Ｂ）デキストリン脂肪酸エステル、（Ｃ）液状油、及び（Ｄ）粉体を含有し、成分（Ｄ）の含有量が８０質量％以上である固形粉末化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、使用性及び安定性に優れた固形粉末化粧料に関する。

固形粉末化粧料は、粉体に油分等を混合し、粉砕・圧縮成型して製造されており、塗布具へのとれや、塗布時の化粧料ののび等の使用性を改善するための検討がなされている。

例えば、特許文献１には、金属石鹸とデキストリン脂肪酸エステルを含有し、使用性及び安定性に優れた固型粉末化粧料が記載され、特許文献２には、小麦ふすまとデキストリン脂肪酸エステルを含み、肌への付着性や展延性、安全性に優れた化粧料が記載されている。また、特許文献３には、液状炭化水素油とデキストリン脂肪酸エステルを含有し、溶剤を加えて充填た後、溶剤を除去して得られる固形粉末化粧料が記載されている。
しかしながら、化粧料の使用性を良くすると、製品の成型強度、経時での保型性等の安定性が悪くなるという問題が生じ、使用性と安定性の両者を満足するのは困難であった。
特開２００３−９５８４７号公報特開２０００−３５５５３０号公報特開２００４−２７７３６６号公報

本発明の目的は、使用性及び安定性に優れた固形粉末化粧料を提供することにある。

本発明者らは、粉体中にワックスとデキストリン脂肪酸エステルを均一に分散させることにより、塗布具へのとれや、塗布時ののび、なじみが良く、使用性に優れ、しかも保型性や耐衝撃性も良好な固形粉末化粧料が得られることを見出した。

本発明は、（Ａ）ワックス、（Ｂ）デキストリン脂肪酸エステル、（Ｃ）液状油、及び（Ｄ）粉体を含有し、成分（Ｄ）の含有量が８０質量％以上である固形粉末化粧料を提供するものである。

本発明の固形粉末化粧料は、使用性及び安定性に優れたものであり、塗布具へのとれが細かく均一であり、塗布時の化粧料ののび、なじみが良く、きめ細かい仕上がりが得られ、しかも輸送や落下時などの耐衝撃性、保型性に優れたものである。また、化粧持ちも良好である。

本発明で用いる成分（Ａ）のワックスは、２５℃で固体であり、固体／液体状態に可逆変化するもので、４０℃以上、特に５５℃以上の融点を有する疎水性化合物である。炭化水素系、エステル系、シリコーン系等の成分よりなるワックスが含まれ、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス、これらの混合物等から選ばれる。例えば、ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス；カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ等の植物性ワックス；モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、ペトロラタム、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物性ワックス；ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、硬化ひまし油、水素添加ホホバ油、１２−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、シリコーンワックス等の合成ワックスなどが挙げられる。これらのうち、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウが、耐衝撃性に優れるので好ましい。

これらのうち、ＡＳＴＭＤ−１３２１に記載の方法により測定される針入度が、２５℃において２０〜１１０のものが、更に耐衝撃性に優れるので好ましく、特に２５℃における針入度が２０〜１１０のマイクロクリスタリンワックスを含むものが、耐衝撃性及び塗布具へのとれの細かさの点でより好ましい。
ワックスとしては、針入度が２０〜１１０のものと、それ以外のものを併用することができる。併用する場合には、ワックス全体に対する針入度２０〜１１０のワックスの割合が、６０質量％以上であることが好ましい。

成分（Ａ）のワックスは、全１種以上を用いることができ、全組成中に０．１〜５質量％、特に１〜４質量％含有させるのが、耐衝撃性及び塗布具へのとれの細かさの点で好ましい。

本発明で用いる成分（Ｂ）のデキストリン脂肪酸エステルとしては、炭素数８〜２４の脂肪酸と平均重合度３〜１５０のデキストリンとのエステル化合物が好ましい。具体的には、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸・ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸・２−エチルヘキサン酸デキストリン等が挙げられる。これらのうち、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸・２−エチルヘキサン酸デキストリンが、化粧持ちの点で好ましく、パルミチン酸デキストリンがより好ましい。

成分（Ｂ）は１種以上を用いることができ、全組成中に０．０１〜１０質量％、０．１〜４質量％、特に０．２〜２質量％含有させるのが、耐衝撃性及び塗布具へのとれの細かさの点で好ましい。

本発明で用いる成分（Ｃ）の液状油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、成分（Ａ）のワックスと成分（Ｂ）のデキストリン脂肪酸エステルを溶解するものを用いるのが好ましい。例えば、カカオ脂、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油等の油脂類；イソノナン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類；ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等の脂肪酸エステル類；流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素油；シリコーン油、フッ素油などが挙げられる。これらのうち、イソステアリン酸イソプロピル、流動イソパラフィン、スクワラン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールが、化粧持ちの点で好ましく、イソステアリン酸イソプロピル、流動イソパラフィンがより好ましい。

液状油としては、２５℃における粘度が１０００mPa・s以下、特に２００mPa・s以下のものが、塗布具へのとれの細かさ、仕上がりのきめ細かさの点で好ましい。２種以上の液状油を用いる場合には、含有量が最大の液状油の粘度が、２５℃において１０００mPa・s以下、特に２００mPa・s以下であるのが好ましい。なお、粘度は、回転粘度計（Ｂ８Ｌ型、東機産業社）を用い、２５℃にて回転数６rpmで測定するものであり、ローターはNo.１〜４を適宜選択する。

成分（Ｃ）の液状油は、１種以上を用いることができ、全組成中に１〜１５質量％、特に３〜１０質量％含有させるのが、塗布時の化粧料ののびと肌へのなじみがよいので好ましい。

本発明で用いる成分（Ｄ）の粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カルミン、カーボンブラック、これらの複合体等の無機粉体；ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、ＣＩピグメントイエロー、ＣＩピグメントオレンジ、長鎖アルキルリン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩、Ｎ−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、これらの複合体等の有機粉体；さらに、上記無機粉体と有機粉体との複合体などが挙げられる。

また、光輝性真珠光沢顔料（パール顔料）、例えば、薄片状母材と被覆層からなり、母材が雲母、合成金雲母、シリカ及びガラスから選ばれ、被覆層が金属、金属酸化物、金属錯体及び有機顔料から選ばれる着色剤である真珠光沢顔料を用いることもできる。光輝性真珠光沢顔料は、平均粒径１０μｍ以上、特に１０〜１００μｍのものが好ましい。光輝性真珠光沢顔料は、全組成中に２０質量％以上、特に２０〜６０質量％含有されるのが、塗布具へのとれの細かさ、仕上がりのきめ細かさの点で好ましい。

成分（Ｄ）の粉体は、表面処理したものを用いることもできる。表面処理としては、例えばシリコーン処理、脂肪酸処理、アミノ酸処理、レシチン処理、金属石鹸処理、アルキル処理、フッ素化合物処理、エステル処理、これらの複合処理等が挙げられる。
具体的には、シリコーン処理としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーン樹脂等による処理；脂肪酸処理としては、ミリスチン酸、ステアリン酸等による処理；フッ素化合物処理としては、パールフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルシラン等による処理が挙げられる。

表面処理剤の使用量は、処理前の粉体質量に対して０．１〜１０質量部、特に２〜９質量部であるのが好ましい。疎水化処理方法は、特に制限されず、通常の方法に従って行うことができる。

成分（Ｄ）の粉体は、全組成中に８０質量％以上、好ましくは８５〜９６質量％、より好ましくは８８〜９５質量％含有される。

また、本発明においては、成分（Ａ）のワックスと、成分（Ｂ）のデキストリン脂肪酸エステルの含有質量比（Ｂ）／（Ａ）が、０．１〜０．５、特に０．２〜０．４であることが仕上がりのきめ細かさ、保型性の点で好ましい。さらに、成分（Ａ）のワックスと成分（Ｂ）のデキストリン脂肪酸エステルの含有質量の合計と、成分（Ｃ）の液状油の含有質量比（（Ａ）＋（Ｂ））／（Ｃ）は、０．１４〜１．１、特に０．３５〜０．６４であることが化粧持ちの点で好ましい。

本発明の固形粉末化粧料には、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等を、適宜含有することができる。

本発明の固形粉末化粧料は、例えば、（Ａ）ワックスと（Ｂ）デキストリン脂肪酸エステルを、（Ｃ）液状油に加熱溶解し、更に（Ｄ）粉体を加えた混合物を圧縮成型することにより製造することができる。特に、（Ａ）ワックスと（Ｂ）デキストリン脂肪酸エステルが、（Ｃ）液状油に溶解する温度で、これらと（Ｄ）粉体を均一に混合することにより製造するのが好ましい。より具体的には、（Ａ）ワックスと、（Ｂ）デキストリン脂肪酸エステルを、（Ｃ）液状油に加熱溶解したものを油性成分とし、予めその温度で混合した（Ｄ）粉体に添加して、均一に混合するのが好ましい。油性成分の添加方法としては、スプレーで噴霧することもできる。得られた混合物は、そのまま圧縮成型することができるが、混合物を室温に冷却した後、粉砕して圧縮成型するのが好ましい。

本発明の固形粉末化粧料は、例えばファンデーション、フェイスパウダー、固形白粉、アイシャドウ、アイブロウ、頬紅等のメイクアップ化粧料や、ボディパウダーなどとして好適である。

実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
（評価方法）
（１）針入度の測定：
ワックス成分を加熱溶融し、冷却したものを試料とし、TESTING APPARATUS FOR PENETORATION（NIKKA ENGINEERING社）を用いて測定した。
試料をその融点より１７℃高い温度まで加熱して溶融した。コルク栓（No.16）２個を水平な台に並べて置き、その上に黄銅板を載せ、上面に剥離剤（グリセリンと水を等量ずつ混合したもの）を薄く塗布した。規定の試料容器（黄銅シリンダー、内径２５．４mm、高さ３１．８mm、壁厚３．２mm）を黄銅板に載せた後、溶融試料を試料容器の上縁に盛り上がる程度に流し込み、１時間室温（２２〜２６℃）で放冷した。これを黄銅板から取り外し、２５℃の恒温水中に１時間放置した。質量の合計を１００ｇにした規定の針を試料中に垂直に５秒間進入させ、ダイヤルゲージを読み取り、針の進入した深さを測定した。試料の針入度は、針の進入した深さを０．１mmまで測定し、これを１０倍した数値で表す。４個の測定値を平均し、小数点第１位を四捨五入して針入度とした。

（２）使用性：
１０人の専門パネラーにより、各固形粉末化粧料を用いたときの、塗布具へのとれの細かさ、塗布時の化粧料ののび、なじみ、仕上がりのきめ細かさ、化粧持ちを官能評価し、下記基準により判定した。
◎；７人以上が良いと評価した。
○：４〜６人が良いと評価した。
△：２〜３人が良いと評価した。
×：１人以下が良いと評価した。

（３）耐衝撃性：
直径２．５cmの中皿に充填圧縮成型した固形粉末化粧料を容器にセットし、５０cmの高さから厚さ２５mmのラワン材ベニヤ板上に繰返し落下させた。かけや割れなどの異常が生じるまでの回数により、以下の基準で評価した。
◎；１５回以上。
○：１０〜１４回。
△：５〜９回。
×：１〜４回。

実施例１〜９及び比較例１〜３
表１に示す組成の固形粉末化粧料を製造し、塗布具へのとれの細かさ、塗布時の化粧料ののび、なじみ、仕上がりのきめ細かさ、化粧持ち及び耐衝撃性を評価した。結果を表１に併せて示す。

（製法）
粉体成分を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、別途ワックス成分とデキストリン脂肪酸エステル成分と液状油成分を８０〜９０℃に加熱して融解したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、固形粉末化粧料を得た。

実施例１０〜１６
表２に示す組成の固形粉末化粧料を、実施例１〜９と同様にして製造し、塗布具へのとれの細かさ、塗布時の化粧料ののび、なじみ、仕上がりのきめ細かさ、化粧持ち及び耐衝撃性を評価した。結果を表２に併せて示す。

実施例１７（アイシャドウ）
表３に示す組成のアイシャドウを製造した。

（製法）
成分（１）〜（１０）と成分（１４）〜（１５）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（１１）〜（１３）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、アイシャドウを得た。

実施例１８（アイシャドウ）
表４に示す組成のアイシャドウを製造した。

（製法）
成分（１）〜（１４）と成分（２０）〜（２１）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（１５）〜（１９）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、アイシャドウを得た。

実施例１９（ファンデーション）
表５に示す組成のファンデーションを製造した。

（製法）
成分（１）〜（８）と成分（１２）〜（１３）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（９）〜（１１）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、ファンデーションを得た。

実施例２０（固形白粉）
表６に示す組成の固形白粉を製造した。

（製法）
成分（１）〜（８）と成分（１２）〜（１３）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（９）〜（１１）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、固形白粉を得た。

実施例２１（頬紅）
表７に示す組成の頬紅を製造した。

（製法）
成分（１）〜（１１）と成分（１５）〜（１６）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（１２）〜（１４）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、頬紅を得た。

実施例２２（アイブロウ）
表８に示す組成のアイブロウを製造した。

（製法）
成分（１）〜（８）と成分（１２）〜（１３）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（９）〜（１１）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、アイブロウを得た。

実施例２３（ボディパウダー）
表９に示す組成のボディパウダーを製造した。

（製法）
成分（１）〜（８）と成分（１２）〜（１４）を混合して８０〜９０℃に加熱したものに、成分（９）〜（１１）を８０〜９０℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し圧縮成型して、ボディパウダーを得た。

実施例１７〜２３で得られた固形粉末化粧料はいずれも、塗布具へのとれの細かさ、塗布時の化粧料ののび、なじみ、仕上がりのきめ細かさ、化粧もち及び耐衝撃性に優れるものであった。

Claims

（Ａ）ワックス、（Ｂ）デキストリン脂肪酸エステル、（Ｃ）液状油、及び（Ｄ）粉体を含有し、成分（Ｄ）の含有量が８０質量％以上である固形粉末化粧料。
成分（Ａ）が、２５℃における針入度が２０〜１１０のものを含むものである請求項１記載の固形粉末化粧料。
（Ｄ）粉体として、平均粒径１０μｍ以上の光輝性真珠光沢顔料を全組成中に２０質量％以上含有する請求項１又は２記載の固形粉末化粧料。
成分（Ａ）と成分（Ｂ）を、成分（Ｃ）に加熱溶解し、更に成分（Ｄ）を加えた混合物を圧縮成型して得られる請求項１〜３のいずれか１項記載の固形粉末化粧料。