JP2005326301A - 原子炉出力計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線数の増大を抑制しながら構成を簡素化した原子炉出力計測装置を提供する。
【解決手段】 原子炉の炉心13にこの原子炉の軸方向に沿って延在させて設置される筒体3と、この筒体3内にこの筒体3の延在方向の異なる位置に分散させて配設されたγ線検出用電離箱1と、このγ線検出用電離箱1でγ線の電離作用によって生じる電気量の変化に基づいて原子炉の出力を演算する演算手段9とを備え、この演算手段9は、演算した原子炉の出力の情報に応じて原子炉の保護動作を指令する信号を送信する構成とする。これにより、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器が不要となり、配線数の増大を抑制しながら原子炉出力計測装置の構成を簡素化できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子炉に設置されて原子炉の出力を検出する原子炉出力計測装置に関する。
原子力プラントでは、原子炉圧力容器内にある炉心部分に配置される燃料による核***反応により熱出力を取り出しているが、何らかの理由により出力が変動して上昇したとき、燃料の健全性を確保できる出力レベルを超える前に、安全に原子炉の運転を停止させるなどの保護動作を行なう必要がある。このため、原子炉などの炉心には、原子炉の出力を計測して、計測した出力に応じて原子炉を停止させるなどの保護動作を行なわせるための原子炉出力計測装置が設けられている。
従来の原子炉出力計測装置は、中性子検出器からなる複数の局部領域出力モニタ(Local Power Range Monitor、以下LPRMと略称する)検出器を1つの筒体に収容した複数のLPRM集合体を備えている。LPRM集合体が有する複数のLPRM検出器は、筒体内に、この筒体の延在方向に分散させて配設されている。このような構造の複数のLPRM集合体が、原子炉圧力容器内の原子炉の軸方向に沿って筒体が延在した状態で、炉心内に均等に配設される。
また、LPRM集合体は、筒体内に原子炉の軸方向に沿って内筒が挿入された2重管構造になっており、この内筒内を1つの移動式炉心内計装(Traversing Incore Probe System、以下TIPと略称する)検出器が移動する。つまり、原子炉の軸方向に沿って並んだLPRM検出器と、TIP検出器が内部を移動する内筒とは、並列に筒体内に設けられており、TIP検出器は、原子炉の軸方向に沿って並んだLPRM検出器と平行に、原子炉の軸方向に沿って移動するものである。
個々のLPRM検出器は、個別に設けられた配線を介して平均出力領域モニタ(Average Power Range Monitor、以下APRMと略称する)ユニットに電気的に接続されている。LPRM検出器では、LPRM検出器に塗付された核***用物質に中性子が衝突し、核***により生じた核***片と検出器内パージガスとの衝突電離作用によって電離電流信号が生じる。APRMユニットでは、各LPRM検出器で生じた電離電流信号、つまり、炉心内に均等に配設した各LPRM集合体が有する各LPRM検出器からの信号の平均処理を行うことで、各LPRM検出器からの信号を原子炉全体の出力の情報に変換する。そして、APRMユニットでは、平均処理した信号で原子炉の出力を監視し、原子炉に異常が生じ原子炉の出力が予め設定しておいた設定値以上になると、制御棒操作監視系や原子炉緊急停止系などに、原子炉の保護動作を指令する信号を送信する。
ここで、LPRM検出器は、原子炉の燃料における核***に比例して発生する中性子束を検出するため、LPRM検出器内部の電極に核***用物質として235U及び234Uを塗付し、LPRM検出器内に進入した中性子が235Uに吸収され核***を起こしたときのLPRM検出器内のガスの電離作用を利用することで、中性子束を電離電流信号として出力する。234Uは、235Uの燃焼により生じる感度の低下を抑えるため、234Uと中性子の反応により235Uを再生することで、LPRM検出器の寿命を延ばしている。しかし、このような中性子検出器からなるLPRM検出器では、感度が、中性子照射量に対応して低下していくため、正確な原子炉の出力を計測するためには、定期的な校正が必要となる。
TIP検出器は、このようなLPRM検出器の感度の校正に用いられる。TIP検出器は、235U及び234Uを塗付したLPRM検出器と同様の構成の中性子検出器からなるが、駆動機構によって、内筒内を原子炉の軸方向に沿って移動する。また、TIP検出器は、駆動機構によって、TIP検出器を使用するとき以外は、内筒から引き抜かれ、中性子が照射されない炉外の待機位置にある。これにより、TIP検出器は、中性子の照射による感度の低下が抑制されている。校正を行なう場合、TIP検出器は、駆動機構によって、待機位置からLPRM集合体の内筒内に挿入され、この内筒内を走行することで、原子炉の軸方向に沿って複数の位置で中性子束に対応する電離電流信号を出力する。そして、TIP検出器が各位置で出力した電離電流信号に基づいて、LPRM検出器が指示すべき値を算出し、この算出した指示すべき値と現状のLPRM検出器の指示値とに基づいて、LPRM検出器の校正ゲインを得て補正することで、LPRM検出器の感度の低下を補償している。
このように、従来の原子炉出力計測装置では、内筒内を移動するTIP検出器が設けられているため、TIP検出器の駆動機構などによって装置の構成が複雑になっており、保守作業などの複雑化やコストの増大などの問題を招いている。
これに対して、内筒内を移動するTIP検出器を用いず、内筒内を移動するTIP検出器に代えて原子炉の軸方向に並ぶ複数の検出器を設ける構成の原子炉出力計測装置が提案されている(例えば、特許文献1−5参照)。
これらの原子炉出力計測装置では、複数のLPRM検出器を原子炉の軸方向に配設したLPRM集合体を構成する筒体内に、原子炉の軸方向にLPRM検出器と平行に並んだ複数の温度検出器を設けており、γ線と相関した炉心内の温度を温度検出器で検出することによってγ線量を算出し、算出したγ線量から原子炉の出力を計測している。したがって、各位置の温度検出器で検出した温度に基づいて算出した原子炉の出力の値に基づいて、LPRM検出器が指示すべき値を算出し、この算出した指示すべき値と現状のLPRM検出器の指示値とに基づいて、LPRM検出器の校正ゲインを得ることで、LPRM検出器の感度を校正できる。
特開平6−289182号公報(第3−4頁、第1図) 特開平10−170685号公報(第4頁、第1図) 特開平11−264887号公報(第7−8頁、第1図) 特開2001−99978号公報(第4−5頁、第1図) 特開2003−177193号公報(第3頁、第4図)
ところで、1つのLPRM集合体の1個のLPRM検出器に対して1本の配線が、原子炉内のLPRM集合体から原子炉格納容器の外側に設置されたAPRMユニットや中央制御室などまで引かれている。例えば1100MWeの沸騰水型原子力プラントでは4個のLPRM検出器を有するLPRM集合体を43本炉心に設置するため、172本といった多数の配線が、LPRM集合体から原子炉格納容器の外側に設置されたAPRMユニットなどまで引かれた状態となる。APRMユニットは、通常、中央制御室などに設置される。このため、多数の配線が原子炉格納容器から中央制御室まで引かれた状態となっている。
さらに、TIP検出器に代えて、LPRM集合体を構成する筒体内に複数の温度検出器を設けた場合、1つのLPRM集合体の1個の温度検出器に対して1本の配線が、LPRM集合体から、原子炉格納容器の外側に設置されたγ線量を演算するγ線量演算手段などまで引かれることになる。温度検出器は、例えば、LPRMの数の2倍以上の数が設置されているとすると、TIP検出器を用いた構成の場合の3倍以上といった数の配線が、LPRM集合体から原子炉格納容器の外側に引き出された状態となる。γ線量演算手段なども、通常、中央制御室などに設置されるため、TIP検出器に代えて、LPRM集合体を構成する筒体内に複数の温度検出器を設けた場合、TIP検出器を用いた構成の場合の3倍以上といった多数の配線が、原子炉格納容器から中央制御室まで引かれた状態となってしまう。
LPRM集合体からの配線は、原子炉格納容器に設けられた貫通部を介して原子炉格納容器の外に引き出される。このため、LPRM集合体と、原子炉格納容器の外側に位置するγ線演算手段やAPRMユニットとの間の配線が数倍といったように増加してしまうことによって、原子炉格納容器に設ける貫通部の数を増やす必要や、貫通部やその他の箇所での多数の配線の接続や引き回しなどによる配線作業の複雑化などが生じる。
このように、TIP検出器に代えて、LPRM集合体を構成する筒体内に複数の温度検出器を設けた場合、TIP検出器をなくして装置構成を簡素化することはできるが、配線数の増加により、原子炉出力計測装置の設置作業の複雑化、工事物量やコストの増大、保守作業の複雑化などの問題を招いてしまう。したがって、配線数の増大を抑制しながら装置の構成を簡素化できる原子炉出力計測装置が望まれている。
本発明の課題は、配線数の増大を抑制しながら原子炉出力計測装置の構成を簡素化することにある。
本発明の原子炉出力計測装置は、原子炉の炉心にこの原子炉の軸方向に沿って延在させて設置される筒体と、この筒体内にこの筒体の延在方向の異なる位置に分散させて配設されたγ線検出用電離箱と、このγ線検出用電離箱でγ線の電離作用によって生じる電気量の変化に基づいて原子炉の出力を演算する演算手段とを備え、この演算手段は、演算した原子炉の出力の情報に応じて原子炉の保護動作を指令する信号を送信する構成とすることにより上記課題を解決する。
本発明者らは、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器が、中性子量を検出する中性子検出器からなるLPRM検出器が中性子の照射により感度が低下した場合にLPRM検出器での検出値の補正を行うために設けられたものであることから、LPRM検出器として感度が低下し難い検出器を用いることで、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器をなくしてしまうことを考えた。そして、γ線量は中性子量に相関して変化するため、γ線量を検出することによって原子炉出力を検出することができることから、LPRM検出器としてγ線量を検出する検出器を用いることを考えた。
ここで、TIP検出器に代わる複数の温度検出器は、γ線量の変化と温度変化とが相関していることに基づいて温度からγ線量を検出するものである。しかし、γ線量が変化してから、このγ線量の変化に対応して炉内の温度が変化するまでには時間差がある。このため、γ線量を検出するため、温度検出器をLPRM検出として用いた場合、原子炉出力の異常が発生したとき、実際に異常が発生してから保護動作を行なうまでに時間差が生じてしまうという問題が生ずる。
そこで、本発明の構成のように、LPRM検出器としてγ線検出用電離箱を用いることにより、原子炉出力の異常が発生したとき、ほとんど時間差なく原子炉の保護動作を行なうことができるようになる。さらに、γ線検出用電離箱では、感度の低下がほとんど生じない。したがって、本発明のような構成とすることにより、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器を用いる必要がなくなり、配線数の増大を抑制しながら原子炉出力計測装置の構成を簡素化できる。
また、γ線検出用電離箱は、筒体内にこの筒体の延在方向の異なる位置に分散させて5個以上設置され、演算手段は、筒体内の各位置のγ線検出用電離箱で生じた電気量の変化に基づいて演算した各位置での原子炉の出力の情報を送信する構成とする。このような構成とすることにより、炉心の上部、中央部、底部、そして、上部と中央部の中間位置、中央部と底部の中間位置に対応する筒体内の位置にγ線検出用電離箱を設置し、各位置のγ線検出用電離箱で計測した原子炉の出力の情報を演算手段が送信することにより、この演算手段から送信された情報に基づいて原子炉の出力分布を監視できる。
さらに、γ線検出用電離箱は、筒体内にこの筒体の延在方向の異なる位置に分散させて8個または9個設置されている構成とすれば、配線数の増大を抑制しながら原子炉の出力分布の計測精度を向上できるので好ましい。
また、γ線検出用電離箱で生じた電気量の変化に対応するアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段を備え、このA/D変換手段及び演算手段は、各々光通信部を有し、A/D変換手段は、原子炉格納容器内に設置されており、各々の光通信部間に接続された光ファイバケーブルを介して演算手段にディジタル信号を送信する構成とする。このような構成とすれば、A/D変換手段を原子炉格納容器内に設置することにより、光ファイバケーブルが原子炉格納容器の壁に設けられた貫通部を貫通して原子炉格納容器の外側に引き出されることになる。このため、γ線検出用電離箱からの電気的接続を行なう配線を原子炉格納容器の外側に引き出す場合に比べ、原子炉格納容器内から外側に引き出す配線数を少なくできる。
本発明によれば、配線数の増大を抑制しながら原子炉出力計測装置の構成を簡素化できる。
以下、本発明を適用してなる原子炉出力計測装置の一実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる原子炉出力計測装置の概略構成を原子力プラントに設置した状態で模式的に示す図である。
本実施形態の原子炉出力計測装置は、図1に示すように、局部領域出力モニタ(Local Power Range Monitor、以下、LPRMと略称する)検出器となる複数のγ線検出用電離箱1を筒体3内に収容したLPRM集合体5、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段となるLPRM現場盤7、そして、原子炉の出力などを演算する演算手段となる平均出力領域モニタ(Average Power Range Monitor Unit、以下、APRMと略称する)ユニット9などを備えている。
複数のγ線検出用電離箱1は、LPRM集合体5の筒体3内に、筒体3の延在方向に分散させて設置されている。LPRM集合体5は、原子力プラントの原子炉圧力容器11内の炉心13内に、原子炉の軸方向つまり高さ方向に沿って延在する状態で設置される。したがって、複数のγ線検出用電離箱1は、炉心13内に原子炉の軸方向に沿って分散させて並べて配設した状態となる。また、個々のγ線検出用電離箱1に接続された配線15、つまり、筒体3内に設置されたγ線検出用電離箱1の数と同じ本数の配線15がLPRM集合体5の筒体3の一方の端部、通常、下側に来る端部から引き出された状態となっている。なお、本実施形態の原子力出力検出装置では、LPRM集合体5は、9個のγ線検出用電離箱1を有している。
原子炉出力計測装置は、このようなLPRM集合体5を複数備え、複数のLPRM集合体5は、前述のように、原子炉の軸方向に沿って延在する状態で、炉心13内に均等に分散させて配設される。このとき、各LPRM集合体5の筒体3内の同じ位置に設置されたγ線検出用電離箱1は、炉心13内の高さ方向の同じ位置に来るように設置する。したがって、炉心13の同じ高さに均等に分散されて複数のγ線検出用電離箱1が設置された状態となる。本実施形態の原子力出力検出装置では、LPRM集合体5は、9個のγ線検出用電離箱1を有しているので、炉心13内の高さ方向に9段でγ線検出用電離箱1が設けられた状態となり、各段には、炉心13内に設置したLPRM集合体5の数分のγ線検出用電離箱1が設けられた状態となる。なお、図1では、図をわかりやすくするため、LPRM集合体5を1つしか描いていないが、実際には、複数のLPRM集合体5が炉心13内に設置されている。
LPRM現場盤7は、原子炉圧力容器11と、原子炉圧力容器11を内包する原子炉格納容器17との間の空間に設置され、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路や、A/D変換回路からの電気信号を光信号に変換して光ファイバケーブル19を介して伝送するための光通信回路7aなどを有している。LPRM集合体5からの配線15は、LPRM現場盤7のA/D変換回路側に設けられた入力端子に接続される。一方、光通信回路7a側に設けられた出力端子には光ファイバケーブル19が接続される。
APRMユニット9は、原子力プラントの中央制御室などに設置され、各LPRM集合体5が有する各γ線検出用電離箱1からの電離電流信号の平均処理を行い、原子炉全体の出力を演算するものである。また、APRMユニット9は、演算した原子炉の出力の情報と予め設定しておいた設定値とを比較し、原子炉の出力が設定値以上になっている場合、安全に原子炉の運転を停止させるといった保護動作を指令する信号を送信する。
このようなAPRMユニット9におけるγ線検出用電離箱1をLPRM検出器とした原子炉の出力の算出は、電流値の違いはあるが、原理的には、従来の中性子検出用電離箱をLPRM検出器とした場合と同じである。さらに、APRMユニット9は、保護動作のための原子炉の出力の算出を行なうだけでなく、各LPRM集合体5が有する同一の位置に設置された各γ線検出用電離箱1からの電離電流信号毎に平均処理を行い、炉心13の高さ方向の位置毎の原子炉の出力の情報を演算して送信する構成となっている。
このような本実施形態のAPRMユニット9は、光ファイバケーブル19が接続される入力端子を有し、この入力端子から入力してくる光信号を電気信号に変換するための光通信回路9aを有している。したがって、一端がLPRM現場盤7に接続された光ファイバケーブル19は、原子炉格納容器17に設けられた貫通部17aを貫通して原子炉格納容器17の外側に引き出され、他端がAPRMユニット9の光通信回路9aに設けられた入力端子に接続される。つまり、LPRM現場盤7とAPRMユニット9とは、光ファイバケーブル19を介して光学的に接続されている。なお、貫通部17aは、適当な樹脂材料などを充填することで、光ファイバケーブル19が貫通した状態で閉塞されている。
また、APRMユニット9は、APRMユニット9で算出した原子炉の出力情報に対応する電気信号を出力する出力端子を有し、この出力端子に接続された配線21を介して、原子力プラントの中央制御室などに設置されたプロセス計算機23に電気的に接続されている。プロセス計算機23は、原子力プラントの制御装置の一部であり、APRMユニット9からの保護動作を指令する信号を受け取ると、安全に原子炉の運転を停止させるといった保護動作を行なう。また、プロセス計算機23は、APRMユニット9からの炉心13の高さ方向の位置毎の原子炉の出力の情報を受け取り、炉心13内の出力分布を監視する。
ここで、本発明者らは、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器が、中性子量を検出する中性子検出器からなるLPRM検出器が中性子の照射により感度が低下した場合にLPRM検出器での検出値の補正を行うために設けられたものであることから、LPRM検出器として感度が低下し難い検出器を用いることで、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器をなくしてしまうことを考えた。そして、γ線量は中性子量に相関して変化するため、γ線量を検出することによって原子炉出力を検出することができることから、LPRM検出器としてγ線量を検出する検出器を用いることを考えた。
従来用いられていたTIP検出器に代わる複数の温度検出器は、γ線量の変化と温度変化とが相関していることに基づいて温度からγ線量を検出するものである。しかし、γ線量が変化してから、このγ線量の変化に対応して炉内の温度が変化するまでには時間差がある。このため、γ線量を検出するため、温度検出器をLPRM検出として用いた場合、原子炉出力の異常が発生したとき、実際に異常が発生してから保護動作を行なうまでに時間差が生じてしまうという問題が生ずる。
これに対して、本実施形態の原子炉出力計測装置では、LPRM検出器として、235U及び234Uを用いないγ線検出用電離箱1を用いているため、LPRM検出器の感度の低下がほとんどない。さらに、γ線検出用電離箱1は、温度検出器を用いたγ線量の検出と異なり、γ線量の変化をほとんど時間差なく検出することができる。このため、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器を用いる必要がなくなり、TIP検出器を用いる場合に必要な駆動機構や、TIP検出器に代えて設ける複数の温度検出器分の配線をなくすことができる。また、本実施形態の原子炉出力計測装置と同程度の計測精度を有する原子炉出力計測装置を従来のLPRM集合体がLPRM検出器と温度検出器を有する構成で形成した場合、本実施形態の原子炉出力計測装置の方が1つのLPRM集合体に設置する検出器の数を従来の原子炉出力計測装置よりも少なくできるため、配線数も少なくできる。したがって、配線数の増大を抑制しながら原子炉出力計測装置の構成を簡素化できる。
さらに、実施形態の原子炉出力計測装置では、配線数の増大を抑制できることから、原子炉出力計測装置の設置作業の簡素化、工事物量や工事工数の削減、コストの低減、保守作業や管理業務の簡素化などが可能となる。加えて、本実施形態の原子炉出力計測装置では、TIP検出器の駆動機構がなくなり、また、TIP検出器に代わる複数の温度検出器を用いる場合に比べて検出器の数が減ることからも、装置の守作業を簡素化できる。
さらに、従来の原子炉出力計測装置では、LPRM検出器の校正操作が月1回程度の頻度で必要であるため、原子力発電プラントにおける運転員の負担となっている。しかし、本実施形態の原子炉出力計測装置では、γ線検出用電離箱1は、感度の低下がほとんど生じないことから、原子力発電プラントの運転における運転員の負担を軽減できる。
加えて、LPRM検出器が235U及び234Uなどの核***用物質を用いるものである場合、官庁への届け出などが必要となる、しかし、本実施形態の原子炉出力計測装置では、LPRM検出器が核***用物質を用いないγ線検出用電離箱1であるため、官庁への届け出などが不要となり、原子炉出力計測装置を使用するうえでの管理業務を簡素化できる。
ところで、LPRM検出器で生じた電離電流信号は、炉心性能計算による原子炉の出力分布の監視にも使用される。しかし、従来の原子炉出力検出装置のように、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器を設けた構成では、1つのLPRM集合体の筒体内には、筒体の径の制約などにより、通常、4個以下のLPRM検出器しか設置できない。つまり、原子炉の軸方向つまり高さ方向の4以下の位置でしか原子炉の出力を検出できない。そこで、従来の原子炉出力検出装置では、LPRM検出器で計測するよりも高い精度で原子炉の出力分布を計測するため、例えば月に1回程度、TIP検出器や温度検出器によって炉心の高さ方向のLPRM検出器が設置された位置よりも多数の位置で原子炉の出力を計測して、原子炉の出力分布の監視を行なっている。
これに対して、本実施形態の原子炉出力計測装置のように、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器をなくすと、原子炉の出力分布の監視を行なう場合、複数のγ線検出用電離箱のみで原子炉出力の分布の検出を行うことになる。そこで、本実施形態の原子炉出力計測装置では、1つのLPRM集合体5の筒体3内に、5個以上のγ線検出用電離箱1を筒体3の延在方向の異なる位置に分散させて設置している。本実施形態の原子炉出力計測装置では、TIP検出器や、TIP検出器に代わる複数の温度検出器が不要となるため、その分、筒体3に配線のための場所を確保でき、5個以上といった従来よりも多くのLPRM検出器を筒体内に設置できるようになる。このように、5個以上といった従来よりも多くのLPRM検出器を筒体内に設置することによりLPRM検出器による原子炉の出力分布の計測精度を向上している。
このとき、1つのLPRM集合体5の筒体3内に設置するγ線検出用電離箱1の数が多いほど原子炉の出力分布の計測精度をより向上できるが、設置したγ線検出用電離箱1の数の分だけ配線が増えるため、配線数の増大を抑制する上では、γ線検出用電離箱1の数が多すぎることは望ましくない。そこで、配線数の増大を抑制しながら原子炉の出力分布の計測精度をより向上するためには、1つのLPRM集合体5の筒体3内に設置するγ線検出用電離箱1の数は、8個または9個とすることが望ましい。
さらに、従来の原子炉出力計測装置では、TIP検出器や温度検出器による原子炉の出力の計測が、種々の調整時間も含めて数時間を要するため、1ヶ月に1回程度の頻度でしか行われていない。しかし、本実施形態の原子炉出力計測装置では、LPRM検出器としてγ線検出用電離箱1を用いており、γ線検出用電離箱1からの信号は、オンライン信号として必要な頻度で任意に取り出すことができる。このため、従来のLPRM検出器を用いた炉心性能計算による原子炉の出力分布の監視よりも高い精度での出力分布の監視を、従来よりも高い頻度で行なうことができる。
さらに、本実施形態の原子炉出力計測装置では、LPRM現場盤7が原子炉格納容器17内に設置され、LPRM現場盤7とAPRMユニット9との間が光ファイバケーブル19で接続されている。このため、原子炉格納容器17の貫通部17aからは光ファイバケーブル19が引き出される。このため、従来のように、電気配線が原子炉格納容器の貫通部から引き出されるのに比べ、原子炉格納容器内から原子炉格納容器の外側に引き出される配線の数を減らすことができる。加えて、原子炉格納容器内から原子炉格納容器の外側に引き出される配線の数が減ることにより、原子炉格納容器の貫通部の数も削減できる。また、LPRM現場盤7とAPRMユニット9との間を光伝送とすることにより、雷などによるノイズにも強いシステムを構築することができる。
また、炉心が比較的小さなプラントでは、炉心が比較的大きなプラントに比べ、炉心内に配設できるLPRM集合体の数が少ないため、炉心の平均出力を求めるAPRMユニットに入力するためのLPRM検出器の数、言い換えれば、1つのAPRMユニットに接続されたLPRM検出器の数も少ない。しかし、APRMユニットの故障などが生じても炉心の保護動作を行えるようにするため、APRMユニットは、例えば沸騰水型原子力プラントなどに設置する原子炉出力計測装置では、通常、APRMユニットが6チャンネル必要となる。このため、従来の原子炉出力計測装置では、1個のLPRM検出器の信号を、2つの異なるAPRMユニットに入力することで、同一のLPRM検出器からの信号を、異なるAPRMユニット間で共用させて、各LPRM検出器からの信号を6チャンネルのAPRMユニットに提供している。
しかし、このように1つのLPRM検出器からの信号を異なるAPRMユニット間で共有していると、LPRM検出器が故障し誤った信号を出力した場合、この誤った信号が異なる2つのAPRMユニットに入力することになる。したがって、従来の原子炉出力計測装置では、6チャンネルにすることによってAPRMユニットの故障を補償できるが、LPRM検出器が故障した場合は、LPRM検出器が故障の影響が異なる2つのAPRMユニットに及ぶ可能性を有しており、信頼性が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態の原子炉出力計測装置では、従来の原子炉出力計測装置よりも1つのLPRM集合体5が有するLPRM検出器となるγ線検出用電離箱1の数が多いため、隣り合うLPRM検出器の位置が近くなっている。このため、本実施形態の原子炉出力計測装置では、同一のLPRM集合体5内の上下に隣接するγ線検出用電離箱1からの信号を異なるAPRMユニット9に入力することで、1つのLPRM検出器からの信号を異なるAPRMユニット間で共有した場合と同様にAPRMユニットの故障を補償できる。
したがって、同一のLPRM集合体5内の上下に隣接するγ線検出用電離箱1からの信号を異なるAPRMユニット9に入力し、さらに、異なるAPRMユニット9に同一のγ線検出用電離箱1からの信号が入力されないように各γ線検出用電離箱1からの信号それぞれのAPRMユニット9へ適切に配分することにより、APRMユニット9毎に完全にγ線検出用電離箱1からの信号を分離する。これにより、同一のLPRM検出器からの信号の異なるAPRMユニットでの共有化をなくすことができ、保護動作に対するLPRM検出器の故障の影響も低減できるため、信頼性を向上できる。
また、本発明は、本実施形態の構成に限らず、γ線検出用電離箱をLPRM検出器として用い、1つのLPRM集合体に5個以上のγ線検出用電離箱を設けていれば様々な構成にすることができる。
本発明を適用してなる原子炉出力計測装置の一実施形態の概略構成を原子力プラントに設置した状態で模式的に示す図である。
符号の説明
1 γ線検出用電離箱
3 筒体
5 LPRM集合体
7 LPRM現場盤
9 APRMユニット
11 原子炉圧力容器
13 炉心
17 原子炉格納容器
15、21 配線
19 光ファイバケーブル
23 プロセス計算機

Claims (4)

  1. 原子炉の炉心に該原子炉の軸方向に沿って延在させて設置される筒体と、該筒体内に該筒体の延在方向の異なる位置に分散させて配設されたγ線検出用電離箱と、該γ線検出用電離箱でγ線の電離作用によって生じる電気量の変化に基づいて原子炉の出力を演算する演算手段とを備え、該演算手段は、演算した原子炉の出力の情報に応じて原子炉の保護動作を指令する信号を送信してなる原子炉出力計測装置。
  2. 前記γ線検出用電離箱は、前記筒体内に該筒体の延在方向の異なる位置に分散させて5個以上設置され、前記演算手段は、前記筒体内の各位置のγ線検出用電離箱で生じた電気量の変化に基づいて演算した前記各位置での原子炉の出力の情報を送信してなることを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力計測装置。
  3. 前記γ線検出用電離箱は、前記筒体内に該筒体の延在方向の異なる位置に分散させて8個または9個設置されていることを特徴とする請求項2に記載の原子炉出力計測装置。
  4. 前記γ線検出用電離箱で生じた電気量の変化に対応するアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段を備え、該A/D変換手段及び前記演算手段は、各々光通信部を有し、前記A/D変換手段は、原子炉格納容器内に設置されており、前記各々の光通信部間に接続された光ファイバケーブルを介して前記演算手段にディジタル信号を送信してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原子炉出力計測装置。
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JP2008256681A (ja) * 2007-03-14 2008-10-23 Toshiba Corp 原子力プラントの圧力変動監視システム
JP2014126431A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Toshiba Corp 出力監視システム

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