JP2005324248A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

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Sumitomo Inomata
純朋 猪俣
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栄二 熊谷
Tetsuaki Kamiya
哲章 神谷
Takashi Ogata
敬 緒方
Takeshi Hayakawa
毅 早河
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Abstract

【課題】 所定形状の孔を精度良く形成することができるレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供すること。
【解決手段】 被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を所定位置として孔加工し、所定の孔51を形成する孔形成工程と、孔形成工程後、光軸を略同一としたまま、レーザ光60の焦点位置61を所定位置とは異なる位置に少なくとも1回変更して孔加工し、所定の孔51を整形する整形工程とを備え、孔形成工程と整形工程の少なくとも一方において、被加工物50の内部におけるレーザ光60の拡散と、被加工物50の内壁面で反射されたレーザ光60の収束とにより、孔51の断面が、少なくとも反射により拡散から収束に転じる広部を1つ有する所定のパターンとなるように孔加工した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザ光を被加工物に照射して、孔(特に貫通孔)を形成するレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、レーザ光を対物レンズ等の光学系で被加工物に集光照射することによって、材料を蒸発除去して加工するレーザ加工方法(装置)が知られている。
このレーザ加工方法によると、エネルギ密度の最も大きい焦点を被加工物の加工すべき位置に合わせることにより、この焦点部分を蒸発除去する。そして、この焦点位置を移動させることで、被加工物を孔加工(又は切断)することができる。
しかしながら、上述のレーザ加工方法の場合、集光レンズを上下動することにより、焦点位置を移動させているので、被加工物の下部を加工するために下部に焦点を合わせた時に、比較的にエネルギ密度が高いレーザ光が被加工物の上部の広範囲に焦点ぼやけ(ディフォーカス)状態で吸収されてしまう。従って、加工すべきではない非加工部までが蒸発除去されてしまい、例えば貫通孔の周囲部が下部から上部に拡開するテーパ状となる。すなわち、所定形状の孔を精度良く形成することができない。
それに対し、上記問題を解決するレーザ加工方法(装置)として、本出願人は先に特許文献2を開示している。このレーザ加工方法によると、レーザ光の焦点位置を被加工物の上部側から下部側に移動するにつれて、焦点位置を頂点とするレーザ光の広がり角度が広くなるように、レーザ光の焦点位置を被加工物の厚さ方向に移動させる。従って、被加工物の下部を加工するときに、焦点位置を頂点とする広い広がり角度のレーザ光を照射することにより、上部においてディフォーカス状態で照射されたレーザ光のエネルギ密度を下げることができる。すなわち、加工すべき部分のみを蒸発除去することができるので、直状の孔を精度良く形成することができる。
特開昭58−38689号公報 特開2002−239769号公報
しかしながら、特許文献2に示す加工方法の場合、連続的に焦点を移動させて、1回の工程で被加工物に例えば貫通孔を形成する。従って、加工条件によっては、被加工物の蒸発除去されるべき部位が完全に蒸発除去されないうちにレーザ光の焦点位置が移動されることがあり、所定形状の孔を精度良く形成することができない恐れがある。
本発明は上記問題点に鑑み、所定形状の孔を精度良く形成することができるレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1〜10に記載の発明は、レーザ光を被加工物に照射して、孔を形成するレーザ加工方法に関するものである。
先ず請求項1に記載のように、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を所定位置として孔加工し、所定の孔を形成する孔形成工程と、孔形成工程後、光軸を略同一としたまま、レーザ光の焦点位置を所定位置とは異なる位置に少なくとも1回変更して孔加工し、所定の孔を整形する整形工程とを備え、孔形成工程と整形工程の少なくとも一方において、被加工物の内部におけるレーザ光の拡散と、被加工物の内壁面で反射されたレーザ光の収束とにより、被加工物を所定パターンに孔加工することを特徴とする。
本発明者が比較的板厚の大きな被加工物に焦点位置を固定してレーザ光を照射し、それにより形成される孔(例えば貫通孔)の板厚方向の断面形状を確認したところ、孔の断面が、被加工物の内部におけるレーザ光の拡散と、被加工物の内壁面で反射されたレーザ光の収束とにより、少なくとも反射により拡散から収束に転じる広部を1つ有する所定のパターンを有していることが判明した。これは、被加工物の内部において、レーザ光が焦点位置から拡散し続けるのではなく、被加工物内にて拡散し、エネルギ密度が低下してそれ以上加工できなくなったレーザ光は、蒸発除去されて略鏡面化した被加工物の孔壁面にて反射されて収束することによるものと考えられる。
そこで、本発明においては、上記現象を利用し、所定形状の孔を精度良く形成することとした。先ず被加工物に対するレーザ光の焦点位置を所定位置とし、レーザ光を被加工物に照射して、例えば少なくとも広部を1つ有する所定パターンの孔を形成する。そして、孔形成後、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を変更してレーザ光を被加工物に照射することにより、上記所定パターンとは板厚方向にずれた所定パターンにて孔を整形する。すなわち、広狭差を低減する。例えば、孔形成工程で形成された1つの広部を有する所定パターンに対して、整形工程において収束から拡散に転じる1つの狭部(焦点位置による)を有する所定パターンを重ね合わせることで、広狭差を低減することができる。
このように、本発明のレーザ加工方法によると、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を変えて、各工程において焦点位置に起因した形状となるように被加工物をしっかりと加工し、それぞれの加工形状を重ね合わせて孔形状を整形するので、焦点位置を連続的に変化させながら孔形成する従来のレーザ加工方法よりも所定形状の孔を精度良く形成することができる。
また、従来のように、例えば被加工物の上方に焦点位置を設けて孔形成し、焦点位置を被加工物の下方に設けて先に形成された孔を整形する場合に比べて、焦点位置の移動距離を短くできるので、効率良く所定形状の孔を形成することができる。
さらに、請求項2に記載のように、レーザ光が集光レンズを介して被加工物に照射される構成の場合、少なくとも広部を1つ有する所定パターンを、集光レンズからの出射径、集光レンズから焦点位置までの焦点距離、およびレーザ光のエネルギ密度の少なくとも1つにより調整することができる。
例えば、被加工物の内部に広部と狭部を有する所定の広狭パターンをもって孔加工する構成とした場合、出射径を小さくすると集光角度が小さくなり、広部と狭部との間隔が長くなる。また、焦点距離を長くすると集光角度が小さくなり、広部と狭部との間隔が長くなる。さらには、エネルギ密度を高くすると、被加工物に与える熱エネルギが高くなり、溶融範囲が径方向で広がるため、孔径は大きくなり、広部と狭部との間隔も長くなる。このように、集光レンズからの出射径、集光レンズから焦点位置までの焦点距離、およびレーザ光のエネルギ密度の少なくとも1つによって、所定パターンを調整することができる。すなわち、整形後の孔形状を制御することができる。
特に請求項3に記載のように、所定パターンを、狭部と広部とが交互に繰り返される形状とすることが好ましい。すなわち、広部と狭部との間隔を短くすることが好ましい。この場合、より効率良く(焦点位置の移動距離が少なく)、所定形状の孔を形成することができる。
また、広部と狭部との間隔が短い(あるいは集光角度が大きい)ほど、広狭差をなくすための単位長さ当たりの除去領域が小さくなる。従って、少ない焦点位置の移動回数で、所定形状の孔を精度良く形成することができる。さらには、除去領域が小さいので、整形時のレーザ光による熱影響が小さくなり、所定形状の孔を精度良く形成することができる。
尚、本発明のレーザ加工方法により形成される孔の形状(所定形状の孔)は、特に限定されるものではない。例えば真直度の高い孔や、被加工物の下部側ほど孔径が大きくなるような形状を有する孔を形成することができる。また、孔は非貫通孔であっても良いし、貫通孔であっても良い。貫通孔の場合、請求項4に記載のように、孔形成工程において、貫通孔を形成しても良い。また、孔形成工程では非貫通孔を形成し、整形工程にて貫通孔としても良い。
また、レーザ光の焦点位置は、請求項5に記載のように、被加工物の内部及び外部の少なくとも一方に設定されれば良い。例えば被加工物の内部だけでなく外部にレーザ光の焦点位置を設定することにより、特に板厚の薄い被加工物であっても、所定形状の孔を精度良く形成することができる。
請求項6に記載のように、整形工程において、レーザ光の焦点位置をすべてが異なる位置となるように複数回変更することが好ましい。このように焦点位置に起因して形成される複数の形状を重ね合わせることにより、整形された孔の壁面をより滑らかと(広狭差をより小さく)することができる。すなわち、所定形状の孔をより精度良く形成することができる。
被加工物に対するレーザ光の焦点位置の変更は、請求項7に記載のように、レーザ光の焦点を固定した状態で被加工物を移動させることによりなされても良いし、請求項8に記載のように、被加工物の位置を固定した状態でレーザ光の焦点を移動させることによりなされても良い。しかしながら、被加工物を移動させると、振動の影響で加工精度が悪化する恐れがあり、また、被加工物が重い或いはサイズが大きければ、被加工物を移動させる装置も剛性が高いものが必要となる。従って、被加工物の位置を固定した状態でレーザ光の焦点を移動させた方が良い。
請求項9に記載のように、整形工程において、レーザ光の焦点位置の変更とともにレーザ光のエネルギ密度を変化させて、孔を整形すると良い。本出願人による先願にも記載があるように、レーザ光の焦点位置によってエネルギ密度を変化させることにより、加工すべき部分のみを蒸発除去することができるので、所定形状の孔をより精度良く形成することができる。
尚、請求項1〜9に記載の発明は、請求項10に記載のように、一般的に樹脂材料よりも融点が高く、被加工物内部でレーザ光を反射しやすい金属材料からなる被加工物に対して特に効果的である。
次に、請求項11〜20に示す発明は、レーザ光を出力する出力部と、被加工物にレーザ光を集光照射する集光レンズとを備え、被加工物に所定形状の貫通孔を形成するレーザ加工装置に関する発明である。
先ず請求項11に記載のように、被加工物を貫通したレーザ光を検出する検出部と、検出部からの検出信号に基づいて、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を同軸上で変化させることのできる焦点可変機構とをさらに備え、レーザ光の焦点位置を所定位置とし、被加工物の内部におけるレーザ光の拡散と、被加工物の内壁面で反射されたレーザ光の収束とにより、所定パターンの貫通孔を形成後、レーザ光の焦点位置を所定位置とは異なる位置に少なくとも1回変化させて、貫通孔を整形することを特徴とする。
このように、本発明のレーザ加工装置によると、レーザ光の焦点位置を所定位置として、被加工物の内部におけるレーザ光の拡散と、被加工物の内壁面で反射されたレーザ光の収束とにより、少なくとも反射により拡散から収束に転じる広部を1つ有する所定パターンの貫通孔を形成した際、検出部が被加工物を貫通したレーザ光を検出し、この検出信号に基づいて、焦点可変機構が被加工物に対するレーザ光の焦点位置を上記所定位置とは異なる位置に自動的に変化させる。すなわち、請求項1に記載の発明の作用効果にて説明したように、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を変えて、焦点位置に起因した形状となるように被加工物をしっかりと加工し、それぞれの加工形状を重ね合わせて孔形状を整形する。従って、本発明のレーザ加工装置によると、所定形状の孔を自動で精度良く形成することができる。
請求項12に記載のように、集光レンズから出射されるレーザ光の出射径を調整する出射径調整部と、レーザ光のエネルギ密度を調整するエネルギ密度調整部とをさらに備え、出射径調整部、エネルギ密度調整部、および焦点可変機構の少なくとも1つにより、所定パターンを調整可能な構成とすることが好ましい。本発明の作用効果は、請求項2に記載の発明の作用効果と同様であるので、その記載を省略する。
焦点可変機構は、請求項13に記載のように、レーザ光の焦点位置を被加工物の内部及び外部の少なくとも一方に設定すれば良い。本発明の作用効果は、請求項5に記載の発明の作用効果と同様であるので、その記載を省略する。
また、焦点可変機構は、請求項14に記載のように被加工物に対するレーザ光の焦点位置を1回だけ変化させても良いし、請求項15に記載のようにすべてが異なる位置となるように複数回変化させても良い。1回だけ変化させる場合、検出部がレーザ光の到達有無を検出すれば良いので、装置構成を簡素化することができる。また、レーザ光の焦点位置を複数回変化させる構成とすると、整形された孔の壁面をより滑らかと(広部間の間隔を狭く)することができるので、所定形状の孔をより精度良く形成することができる。尚、複数回変化させる場合には、例えばCCDカメラを備えるレーザプロファイラを検出部とし、当該検出部により貫通形状やレーザ光強度等を検出する構成とすることで、焦点可変機構は焦点位置を複数回変化させることができる。
また焦点可変機構は、請求項16に記載のように、レーザ光の焦点を固定した状態で被加工物を移動させて、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を変化させても良い。しかしながら、被加工物を移動させると、振動の影響で加工精度が悪化する恐れがある。また、被加工物が重い或いはサイズが大きい場合、焦点可変機構も剛性が高いものが必要となる。
そこで、請求項17に記載のように、出力部と集光レンズとの間に、曲面の曲率が変化可能なレンズ部をさらに備える構成とし、被加工物の位置を固定した状態でレンズ部の曲率を変化させて、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を変化させると良い。または請求項18に記載のように、被加工物の位置を固定した状態で集光レンズをレーザ光の光軸に沿って移動させて、被加工物に対するレーザ光の焦点位置を変化させると良い。
請求項19に記載のように、整形時において、焦点可変機構によりレーザ光の焦点位置を変化させ、エネルギ密度調整部によりレーザ光のエネルギ密度を変化させて、貫通孔を整形することが好ましい。本発明の作用効果は、請求項9に記載の発明の作用効果と同様であるので、その記載を省略する。
尚、請求項11〜19に記載の発明は、請求項20に記載のように、特に金属材料からなる被加工物に対して効果的である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の一例を示す概略構成図である。本実施形態に示すレーザ加工方法およびレーザ加工装置は、例えば金属板に所定形状の孔(例えば貫通孔)を形成するのに適しており、具体的にはエンジンの噴射ノズル形成に適用することができる。
図1において、符号10はレーザ光を集光して被加工物に照射する集光レンズを、符号20は集光レンズ10へのレーザ光の入射角を変化させるためにレンズ面の曲率を変えることができる可変焦点レンズ装置を、符号30は反射板としてのミラーを、符号40はレーザ光を出力する出力部を、符号50は被加工物を示している。
本実施形態のレーザ加工装置100は、集光レンズ10、可変焦点レンズ装置20、ミラー30、及び出力部40とにより構成される。尚、このレーザ加工装置100の構成は、本出願人が先に出願した特開2002−239769号公報にて開示されているレーザ加工装置の構成と同様であるので、以下において詳細な説明は省略する。
可変焦点レンズ装置20は、その曲面の曲率が変化可能に構成されたレンズ部21と、レンズ部21の曲率を変化させるためにレンズ部21に接合されている積層型圧電アクチュエータ22とにより構成される。そして、積層型圧電アクチュエータ22に印加する電圧量を調整することにより、積層型圧電アクチュエータ22を構成する圧電バイモルフの変化量、すなわち電圧印加後のレンズ部21の凹凸形状を調整することができる。従って、被加工物50に対するレーザ光の焦点位置を変化させることができる。
出力部40は、被加工物50を孔加工するために所定波長のレーザ光60を出力するように構成されている。本実施形態においては、レーザ光60としてYAG基本波(波長1064nm)の第2高調波であるSHG(波長532nm)を出力するように構成されている。尚、本実施形態に適用できるレーザ光60は上記例に限定されるものではなく、レーザ発振器から発振されたレーザ光、或いはその高調波であれば、被加工物50の構成材料等の加工条件に応じて適宜選択して用いることができる。
以上のように構成されるレーザ加工装置100において、出力部40から出力されたレーザ光60は、ミラー30により被加工物50に向けて反射され、可変焦点レンズ装置20に入射する。そして、レーザ光60は、可変焦点レンズ装置20のレンズ部21の凹凸形状に応じて所定の広がり角をもって出射され、集光レンズ10にて集光されて、所定の焦点位置をもって被加工物50に照射される。これにより、被加工物50の加工すべき部位が蒸発除去され、孔が形成される。
ここで、本発明者は上記構成のレーザ加工装置100を用いて、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置を固定して被加工物50に照射し、それにより形成される孔(本実施形態においては貫通孔)の板厚方向の断面形状を調査した。この調査においては、レーザ光60として、上述したYAG第2高調波であるSHG(532nm)を、出力2W、周波数1kHz、集光レンズ10からの出射径を3mmφとして使用した。また、板厚0.5〜1.5mmのクロムモリブデン鋼(SCM)を被加工物50とした。
この加工結果を図2(a)〜(e)に示す。尚、図2(a)〜(e)においては、板厚1.0mmの被加工物50に対して白抜き矢印方向にレーザ光60を照射しており、図中における符号61はレーザ光60の焦点位置を示している。また、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61は、被加工物50表面を基準(0)とした場合、(a)は−0.4mm、(b)は−0.2mm、(c)は基準(0)、(d)は0.4mm、(e)は0.6mmの位置に設定している。
図2(a)〜(e)に示すように、被加工物50内において、形成された貫通孔51の断面形状は、被加工物50の内部におけるレーザ孔60の拡散と、被加工物50の内壁面で反射されたレーザ孔60の収束とにより、少なくとも反射により拡散から収束に転じる広部を1つ有する所定のパターンになることが判明した。これは、被加工物50内において、レーザ光60は焦点位置61から拡散し続けるのではなく、被加工物50内にて拡散し、エネルギ密度が低下してそれ以上拡散方向に被加工物50を蒸発除去できなくなると、蒸発除去により略鏡面化された貫通孔51の内壁面にて反射されて収束することによるものと考えられる。尚、図2(a)〜(e)においては、貫通孔51の断面形状が、広部だけでなく、収束から拡散に転じる狭部も有する所定の広狭パターンとなっている。狭部は、被加工物50内に焦点位置が設定される場合には、当該焦点位置にも形成される。
また、貫通孔51の広狭パターンは、図2(a)〜(e)に示すように、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61に応じて変化することも明らかとなった。そこで、本実施形態においては、上記現象を利用することにより、被加工物50に所定形状の孔を精度良く形成することとした。
次に、所定形状の孔(その一例として真直度の高い貫通孔51)を形成するためのレーザ加工方法について、図3(a),(b)を用いて説明する。図3は本実施形態のレーザ加工方法を説明するための概略断面図であり、(a)は孔形成工程、(b)は整形工程を示す図である。加工条件は、図2に示した条件と同一であり、これにより、被加工物50としての板厚1mmのSCMに略50μmの孔径を有する貫通孔51を形成することとした。
先ず、被加工物50に基準孔を形成する孔形成工程を実施する。図3(a)に示すように、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置を所定位置61a(図3(a)においては被加工物50の表面位置)とし、被加工物50にレーザ光60を照射する。これにより、少なくとも反射により拡散から収束に転じる広部を1つ有する所定パターンの貫通孔51を形成する。尚、図3(a)において、貫通光51の断面形状は、広部だけでなく、収束から拡散に転じる狭部も有する所定の広狭パターンとなっている。
ここで、形成された貫通孔51は所定の広狭パターンを有しており、広部と狭部の広狭差が大きいので、広狭差を低減するために再度レーザ光60を照射し、貫通孔51を所定の形状に整形する整形工程を実施する。本実施形態においては真直度が高くなるように貫通孔51を整形する。図3(b)に示すように、レーザ光60の光軸を略同一としたまま、レーザ光60の焦点位置を所定位置61aとは異なる位置61bに変化(図3(b)においては0.4mm移動)させ、被加工物50にレーザ光60を照射する。これにより、図3(a)に示す広狭パターンとは板厚方向にずれた広狭パターンにて貫通孔51が整形され、図3(b)に示すように貫通孔51の広部と狭部の広狭差が小さくなる。尚、本実施形態においては、レーザ加工装置100の可変焦点レンズ装置20に印加される電圧量を調整することにより、被加工物50の位置を固定した状態でレーザ光60の焦点位置61を変化させるものとする。このとき、レーザ光60の出力をオフした状態で焦点位置61を変化させても良いし、レーザ光60を出力した状態で焦点位置61を変化させても良い。しかしながら、レーザ光60を出力した状態で焦点位置61を変化させる場合には、焦点位置61が変化する過程でレーザ光60が被加工物50に影響を与えない(加工しない)ように変化させる必要がある。
このように、本実施形態に示すレーザ加工方法によると、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変えて、各工程において焦点位置61に起因した形状(広狭パターン)となるように被加工物50をしっかりと加工し、それぞれの加工形状を重ね合わせて所定形状の貫通孔51を形成する。従って、焦点位置を連続的に変化させながら孔形成する従来のレーザ加工方法よりも所定形状の貫通孔51を精度良く形成することができる。
尚、焦点位置の移動は、広狭差を低減するために実施するので、隣接する広部間(または狭部間)の1ピッチ分の距離範囲で設定されれば良い。従来、被加工物50がプリント基板ではあるが、例えば図4(a)に示すように、被加工物50の上方に焦点位置61aを設けて所定の貫通孔51を形成し、その後、図4(b)に示すように、焦点位置61bを被加工物50の下方に設けて先に形成された孔加工方法が特開2003−53572号公報にて提案されている。しかしながら、この孔加工方法によると、焦点位置61の移動距離が長く、また被加工物50の内部中央付近の広狭差を低減することが困難である。尚、図4は従来例を示す図であり、(a)は孔形成工程、(b)は整形工程を示している。
それに対し、本発明のレーザ加工方法によると、図3(a),(b)に示したように、少なくとも1つの広部を有する所定パターンの貫通孔51を形成するので、焦点位置61aの移動距離を短くできる。従って、効率良く所定形状の孔を形成することができる。また、被加工物50の内部に、少なくとも広部を1つ有する所定パターンを形成することができるので、少なくとも収束から拡散に転じる狭部を1つ有する所定パターンと組み合わせることで、真直度の高い貫通孔51を形成することができる。
尚、少なくとも広部を1つ有する貫通孔51の断面形状(所定パターン)は、被加工物50の構成材料、板厚、レーザ光の波長等にもよるが、本発明者が検討したところ、図5に示すように、集光レンズ10からの出射径、集光レンズ10から焦点位置までの焦点距離、およびレーザ光60のエネルギ密度の少なくとも1つにより調整可能であることが判明した。その一例を図6(a),(b)に示す。図6は、貫通孔51の断面形状(広狭パターン)の調整例を示す図であり、(a)は出射径が3mmφ、(b)は出射径が9mmφの場合を示す図である。尚、図6(a)は図2(b)に対応している。
図6(a),(b)に示すように、被加工物50に形成される広狭パターンは、出射径3mmφよりも出射径9mmφの方が、被加工物50に形成される広部と狭部との間隔が短くなり、被加工物50内においてより多くの広狭を繰り返してしていた。これは、出射径が大きいほど集光角度が大きくなり、被加工物50内における拡散角度も大きいので、短い距離で内壁面にて反射されるエネルギ密度まで低下し、反射により拡散から収束に転じるためであると考えられる。
同様に、焦点距離が長いほど集光角度が小さくなり、広部と狭部との間隔が長くなった。また、エネルギ密度が高いほど、被加工物50に与える熱エネルギが高くなり、溶融範囲が径方向で広がるため、孔径は大きくなり、広部と狭部との間隔が長くなった。尚、エネルギ密度を高くしすぎると、被加工物50の内壁面にて反射が起こらずにレーザ光60が拡散しつづけることとなる。例えば、図6(a)に示す条件で、レーザ光60の出力を4Wとした場合、広部が形成されず、焦点位置61からレーザ光60が拡散した形状となった。
このように、集光レンズ10からの出射径、集光レンズから焦点位置までの焦点距離、およびレーザ光のエネルギ密度の少なくとも1つによって、少なくとも広部を1つ有する貫通孔51の断面形状(所定パターン)を調整することができる。すなわち、整形後の孔形状を制御することができる。尚、出射径、焦点位置、エネルギ密度をそれぞれ変化させて組み合わせることにより、所定形状の孔をより精度良く形成することも可能である。例えば、整形工程において、レーザ光60の焦点位置61の変更とともにレーザ光60のエネルギ密度を変化させて、孔を整形しても良い。本実施形態においては、レーザ加工装置100が可変焦点レンズ装置20を有しており、可変焦点レンズ装置20から出射されるレーザ光60の広がり角を変化させることによってエネルギ密度と、集光レンズ10からのレーザ光60の出射径を変化させることができる。従って、それぞれを組み合わせることにより、所定形状の孔をより精度良く形成することができる。
その際、所定パターンを、図6(b)に示すような狭部と広部とが交互に繰り返される形状とすることが好ましい。すなわち、広部と狭部との間隔を短くすることが好ましい。この場合、焦点位置の移動距離をより短くすることができるので、より効率良く所定形状の孔を形成することができる。また、広部と狭部との間隔が短い(あるいは集光角度が大きい)ほど、広狭差をなくすための単位長さ(例えば隣接する広部間(狭部間)の1ピッチ)当たりの除去領域が小さくなる。従って、少ない焦点位置の移動回数で、所定形状の貫通孔51を精度良く形成することができる。さらには、除去領域が小さいので、整形時のレーザ光60による熱影響が小さくなり、所定形状の貫通孔51を精度良く形成することができる。
また、本実施形態においては、整形工程において被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を1回のみ変更して整形を行う例を示した。しかしながら、特に真直度の高い貫通孔51場合には、整形工程においてすべてが異なる位置となるように焦点位置61を複数回変更し、各焦点位置において整形を行うことが好ましい。この場合、整形された貫通孔51の内壁面をより滑らかに(広狭差をより小さく)することができるので、所定形状の孔をより精度良く形成することができる。
また、本実施形態においては、図3(a),(b)に示すように、被加工物50の内部のみにレーザ光60の焦点位置61(61a,61b)を設定する例を示した。しかしながら、被加工物50の内部だけでなく、被加工物50の外部に設けても良い。このように、被加工物50の内部及び外部の少なくとも一方にレーザ光60の焦点位置61を設けると、特に板厚の薄い被加工物50であっても、所定形状の孔を精度良く形成することができる。
また、本実施形態においては、レーザ加工装置100が可変焦点レンズ装置20を有し、可変焦点レンズ装置20に印加する電圧量を調整することにより、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変化させる例を示した。しかしながら、可変焦点レンズ装置20を有さない構成としても良い。その場合、集光レンズ10及び被加工物50の少なくとも一方を移動させて、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変える構成とすれば良い。しかしながら、被加工物50を移動させると、振動の影響で加工精度が悪化する恐れがあり、また、被加工物50が重い或いはサイズが大きければ、被加工物50を移動させる装置も剛性が高いものが必要となる。従って、被加工物50の位置を固定した状態で、レーザ光60の焦点を移動(可変焦点レンズ装置20或いは集光レンズ10により)させた方が良い。
また、本実施形態において、金属材料からなる被加工物50に孔(貫通孔51)を形成する例を示した。しかしながら、被加工物50の構成材料は金属材料に限定されるものではない。それ以外にも樹脂等を適用することができる。ここで、本実施形態に示したレーザ加工方法においては、被加工物50内部でのレーザ光60の反射による収束と拡散現象を利用しているため、被加工物50の孔(貫通孔51)の内壁面が略鏡面化されることが好ましい。しかしながら、樹脂を構成材料とした場合、金属よりも融点が低いため、金属を材料とした場合よりも略鏡面化されにくいものと考えられる。従って、本実施形態で示したレーザ加工方法は、特に金属材料からなる被加工物50を孔加工するのに効果的である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、本実施の形態におけるレーザ加工装置100の構成を示す概略図である。
第2の実施形態におけるレーザ加工装置100は、第1の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、少なくとも広部を1つ有する所定形状の貫通孔51を形成するために、自動的に被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変化させる点である。
本実施形態に示すレーザ加工装置100は、第1の実施形態で示したレーザ加工方法を適用して被加工物50に貫通孔51を形成する装置である。図7に示すように、本実施形態におけるレーザ加工装置100は、基本的に第1の実施形態で示したレーザ加工装置100と同様の構成を有しており、さらに被加工物50を貫通したレーザ光60を検出する検出部70と、検出部70からの検出信号に基づいて、可変焦点レンズ装置20に印加する電圧量を制御する制御部80とを備えている。このように、本実施形態においては、可変焦点レンズ装置20と制御部80とにより、検出部70からの検出信号に基づいて、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を同軸上で変化させることのできる焦点可変機構を構成している。
検出部70は、被加工物50に孔形成工程にて基準孔となる貫通孔51が形成され、被加工物50を通過したレーザ光60を検出するように構成されている。このような検出部70としては、例えばフォトダイオードを適用することができる。この場合、装置構成は簡素化することができるが、一度貫通孔51が形成されてレーザ光60の焦点位置61が変化されると、すでに貫通孔51が形成されているため、それ以後検出信号だけによってレーザ光60の焦点位置61を変化させることができない。しかしながら、出力部40から所定の時間だけレーザ光60が出力されるように制御部80が出力部40を制御する構成とすれば、孔形成工程にて貫通孔51が形成された後であっても、検出部70からの検出信号に基づいて、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変化させることができる。
また、検出部70として例えばCCDカメラを用いたレーザ光プロファイラを適用すると、貫通孔51の加工状態やレーザ光60の強度等をリアルタイムで検出することができる。従って、孔形成工程にて貫通孔51が形成された後であっても、検出部70からの検出信号に基づいて、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変化させることができる。
このように、本実施形態のレーザ加工装置100によると、レーザ光60の焦点位置61を所定位置として少なくとも広部を1つ有する所定形状の貫通孔51を形成した際、検出部70が被加工物50を貫通したレーザ光60を検出し、この検出信号に基づいて制御部80が可変焦点レンズ装置20への印加電圧を制御し、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を上記所定位置とは異なる位置に自動的に変化させる。すなわち、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を自動的に変化させて、焦点位置61に起因した形状となるように被加工物50をしっかりと加工し、それぞれの加工形状を重ね合わせて孔形状を整形することができる。従って、所定形状の孔を自動で精度良く形成することができる。
特に、レーザ光60の焦点位置61を複数回変化させる構成とすると、整形された貫通孔51の内壁面をより滑らかと(広狭差をより小さく)することができるので、所定形状の貫通孔51をより精度良く形成することができる。
尚、本実施形態において、検出部70からの検出信号に基づいて、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を同軸上で変化させることのできる焦点可変機構が、可変焦点レンズ装置20と制御部80とにより構成される例を示した。しかしながら、焦点可変機構は上記例に限定されるものではない。例えば、レーザ加工装置100が可変焦点レンズ装置20を有さない場合、焦点可変機構は、検出部70からの検出信号に基づいて集光レンズ10及び被加工物50の少なくとも一方を移動させ、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61を変えるように構成されたものであれば良い。しかしながら、被加工物50を移動させると、振動の影響で加工精度が悪化する恐れがあり、また、被加工物50が重い或いはサイズが大きければ、被加工物50を移動させる装置も剛性が高いものが必要となる。従って、焦点可変機構は、被加工物50の位置を固定した状態で、レーザ光60の焦点を移動させるように構成された方が良い。
また、本実施形態においては、第1の実施形態で示したように、可変焦点レンズ装置20がレーザ光60のエネルギ密度を変化させるエネルギ密度調整部と集光レンズ10から出射されるレーザ光60の出射径を調整する出射径調整部を兼ねている。従って、被加工物50に対するレーザ光60の焦点位置61とともに、レーザ光60のエネルギ密度や出射径も変化させることができ、所定形状の孔をより精度良く形成することも可能である。尚、エネルギ密度は、上記以外にも例えば出力部40からの出力によっても調整することができる。また、出射径も、集光レンズ10とともに、図示されないエキスパンダやコリメータを配置することで、調整することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施することができる。
本実施形態において、レーザ加工装置100がミラー30を有する例を示した。しかしながら、ミラー30を有さない構成としても良い。
また、本実施形態においては、所定形状の孔として貫通孔51を形成する例を示した。しかしながら、孔形状としては特に限定されるものではない。例えば円筒状の貫通孔や、被加工物50の下部側ほど孔径が大きくなるような形状を有する貫通孔を形成することもできる。また、上記においては貫通孔51の例を示したが、非貫通孔についても同様である。
また、本実施形態においては、孔形成工程、整形工程ともに、広部と狭部を有する所定の広狭パターンによって被加工物50を孔加工し、所定形状の貫通孔51を形成する例を示した。しかしながら、孔形成工程と、整形工程の少なくとも一方において、少なくとも広部を1つ有する所定のパターンで被加工物50を孔加工することにより、所定形状の孔を形成する構成であれば良い。例えば、図8(a)に示すように、先ず孔形成工程において、焦点位置61aを被加工物50の内部に設け、貫通孔51の断面形状が、焦点位置61aを収束から拡散に転じる狭部とする所定パターンとなるように孔加工する。その後、図8(b)に示すように、形成工程において、焦点位置61bを移動させて(被加工物50の表面位置)、貫通孔51の断面形状が広部を1つ有する所定パターンとなるように孔加工し、整形された貫通孔51を所定形状としてもよい。
本発明の第1の実施形態におけるレーザ加工装置の概略構成図である。 被加工物に対するレーザ光の焦点位置を所定位置に固定して孔加工した際の加工形状を示す図であり、被加工物表面を基準(0)として、(a)は−0.4mm、(b)は−0.2mm、(c)は基準(0)、(d)は0.4mm、(e)は0.6mmの位置に焦点位置を設定したものである。 レーザ加工方法を説明するための概略断面図であり、(a)は孔形成工程、(b)は整形工程を示す図である。 従来例を示す概略断面図であり、(a)は孔形成工程、(b)は整形工程を示す図である。 貫通孔の断面形状の調整方法を説明するための図である。 貫通孔の断面形状(広狭パターン)の調整例を示す図であり、(a)は出射径が3mmφ、(b)は出射径が9mmφの場合を示す図である。 第2の実施形態におけるレーザ加工装置の概略構成図である。 変形例を示す概略断面図であり、(a)は孔形成工程、(b)は整形工程を示す図である。
符号の説明
10・・・集光レンズ
20・・・可変焦点レンズ装置
40・・・出力部
50・・・被加工物
51・・・貫通孔
60・・・レーザ光
61,61a,61b・・・焦点位置
70・・・検出部
80・・・制御部
100・・・レーザ加工装置

Claims (20)

  1. レーザ光を被加工物に照射して、孔加工するレーザ加工方法であって、
    前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を所定位置として孔加工し、所定の孔を形成する孔形成工程と、
    前記孔形成工程後、光軸を略同一としたまま、前記レーザ光の焦点位置を前記所定位置とは異なる位置に少なくとも1回変更して孔加工し、前記所定の孔を整形する整形工程とを備え、
    前記孔形成工程と前記整形工程の少なくとも一方において、前記被加工物の内部における前記レーザ光の拡散と、前記被加工物の内壁面で反射された前記レーザ光の収束とにより、前記被加工物を所定パターンに孔加工することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記レーザ光は、集光レンズを介して前記被加工物に照射され、
    前記所定パターンは、前記集光レンズからの出射径、前記集光レンズから前記焦点位置までの焦点距離、および前記レーザ光のエネルギ密度の少なくとも1つにより調整されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記所定パターンを、前記被加工物の内部において前記レーザ光が収束から拡散に転じる狭部と、前記反射により拡散から収束に転じる広部とが、交互に繰り返される形状とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記孔形成工程において、前記孔として貫通孔を形成することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  5. 前記レーザ光の焦点位置は、前記被加工物の内部及び外部の少なくとも一方に設定されることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  6. 前記整形工程において、前記レーザ光の焦点位置をすべてが異なる位置となるように複数回変更することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  7. 前記整形工程において、前記レーザ光の焦点を固定した状態で前記被加工物を移動させることにより、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を変更することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  8. 前記整形工程において、前記被加工物の位置を固定した状態で前記レーザ光の焦点を移動させることにより、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を変更することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  9. 前記整形工程において、前記レーザ光の焦点位置の変更とともに前記レーザ光のエネルギ密度を変化させて、前記孔を整形することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  10. 前記被加工物は金属材料からなることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  11. レーザ光を出力する出力部と、
    被加工物に前記レーザ光を集光照射する集光レンズとを備え、前記被加工物に所定形状の貫通孔を形成するレーザ加工装置において、
    前記被加工物を貫通した前記レーザ光を検出する検出部と、
    前記検出部からの検出信号に基づいて、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を同軸上で変化させる焦点可変機構とをさらに備え、
    前記レーザ光の焦点位置を所定位置とし、前記被加工物の内部における前記レーザ光の拡散と、前記被加工物の内壁面で反射された前記レーザ光の収束とにより、所定パターンの貫通孔を形成し、
    前記レーザ光の焦点位置を前記所定位置とは異なる位置に少なくとも1回変化させて、前記貫通孔を整形することを特徴とするレーザ加工装置。
  12. 前記集光レンズから出射される前記レーザ光の出射径を調整する出射径調整部と、前記レーザ光のエネルギ密度を調整するエネルギ密度調整部とをさらに備え、
    前記出射径調整部、前記エネルギ密度調整部、および前記焦点可変機構の少なくとも1つにより、前記所定パターンが調整されることを特徴とする請求項11に記載のレーザ加工装置。
  13. 前記焦点可変機構は、前記レーザ光の焦点位置を前記被加工物の内部及び外部の少なくとも一方に設定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のレーザ加工装置。
  14. 前記焦点可変機構は、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を1回だけ変化させることを特徴とする請求項11〜13いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  15. 前記焦点可変機構は、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を、すべてが異なる位置となるように複数回変化させることを特徴とする請求項11〜13いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  16. 前記焦点可変機構は、前記レーザ光の焦点を固定した状態で前記被加工物を移動させて、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を変化させることを特徴とする請求項11〜15いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  17. 前記出力部と前記集光レンズとの間に、曲面の曲率が変化可能なレンズ部をさらに備え、
    前記焦点可変機構は、前記被加工物の位置を固定した状態で前記レンズ部の曲率を変化させて、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を変化させることを特徴とする請求項11〜15いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  18. 前記焦点可変機構は、前記被加工物の位置を固定した状態で前記集光レンズを前記レーザ光の光軸に沿って移動させて、前記被加工物に対する前記レーザ光の焦点位置を変化させることを特徴とする請求項11〜15いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  19. 前記整形時において、前記焦点可変機構により前記レーザ光の焦点位置を変化させ、前記エネルギ密度調整部により前記レーザ光のエネルギ密度を変化させて、前記貫通孔を整形することを特徴とする請求項11〜18いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  20. 前記被加工物は金属材料からなることを特徴とする請求項11〜19いずれか1項に記載のレーザ加工装置。
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