JP2007111749A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工対象物を加工する時間を短縮し、かつ形成される穴の側面形状の劣化を防ぐ。
【解決手段】レーザ光源1からパルスレーザビームが出射し、パルス切出手段2に入射する。パルス切出手段2が、入射したパルスレーザビームの1つの原レーザパルスから、時間軸上で分離された複数のレーザパルスを切り出す。制御装置12が加工対象物10a、10b上の複数の被加工点の位置を記憶し、第1の被加工点に、第1の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射し、少なくとも1つの他の被加工点に、第1の原レーザパルスよりも後に出射した第2の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射した後、第1の被加工点に、さらに第2の原レーザパルスよりも後に出射した第3の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが入射するようにレーザ光源1、パルス切出手段2、及び移動機構11a、11bを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工装置及びレーザ加工方法に関し、特に穴あけ加工を主目的とするレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
ビルドアップ基板のビアホール加工は、レーザ工法が主流となっている。最終製品である携帯電話等は、高機能化および軽量化が進み、それに伴いビアホールの数が増加する傾向にある。形成すべきビアホール数に比例しレーザ穴あけ時間がかかるため、レーザ加工時間の短縮が要求されている。
レーザ穴あけ加工を行う方法として、複数ショット連続照射加工、通称バースト加工と、単ショット繰り返し照射加工、通称サイクル加工の2種類の方式が知られている。
バースト加工は、ガルバノスキャナの位置決め終了後、決まったレーザ周波数で複数ショットの連続照射を行い、ビアホールを形成する方法である。加工対象となる基板には、ビアホールを形成する部分の銅箔をエッチング等で除去し、銅箔の下の樹脂層を露出させたコンフォーマル基板等がある。
下記の特許文献1に、2つの光路を進むパルスレーザビームのうち一方を、パルスチョッパにより時間軸上で複数のレーザパルスに分割し、分割した複数のレーザパルスにより樹脂層をバースト加工するレーザ加工方法及びレーザ加工装置が提供されている。
サイクル加工について説明する。ガルバノスキャナの位置決め終了後、レーザパルスを被加工点に1ショットのみ照射した後、ワーク上の他の被加工点にも1ショットずつレーザパルスを照射する工程を1サイクルとする。加工が必要な被加工点への照射が終了したら、2サイクル目として、再び始めの被加工点にレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナを位置決めし、1ショットのレーザパルスを照射した後、ワーク上の他の被加工点にも1ショットずつレーザパルスを照射する。すべての被加工点の加工が完了するまでこのサイクルを繰り返す。
特開2004−98121号公報
バースト加工方法を用いて基板の加工、特に上記のコンフォーマル基板等の加工を行うと、形成されるビアホールの形状が樽状になる。これは、同一の被加工点に複数のレーザパルスを連続して照射することで、被加工部周辺に熱が蓄積されて穴の側面が過剰に除去されることによるものである。
また、サイクル加工では、1穴あたりのレーザパルスのショット間隔が長くなるため、バースト加工のような、加工中の蓄熱による穴の側面形状の劣化を防止できる。しかし、ガルバノスキャナの位置決めに時間がかかるため、一般にバースト加工よりも加工時間が長くなってしまう。
本発明の目的は、加工対象物を加工する時間を短縮し、かつ形成される穴の側面形状の劣化を防ぐことのできるレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームの1つの原レーザパルスから、時間軸上で分離された複数のレーザパルスを切り出すパルス切出手段と、前記パルス切出手段を経由したパルスレーザビームが入射する位置に加工対象物を保持するステージと、前記ステージに保持された加工対象物へのパルスレーザビームの入射位置が移動するように、パルスレーザビームの経路及び該加工対象物の一方を他方に対して移動させる移動機構と、加工対象物上の複数の被加工点の位置を記憶し、第1の被加工点に、第1の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射し、少なくとも1つの他の被加工点に、該第1の原レーザパルスよりも後に出射した第2の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射した後、該第1の被加工点に、さらに該第2の原レーザパルスよりも後に出射した第3の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが入射するように前記レーザ光源、前記パルス切出手段、及び前記移動機構を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
本発明の他の観点によれば、レーザ光源から出射した第1の原レーザパルスから、時間軸上で分離するように切り出された複数のレーザパルスを、加工対象物上の第1の被加工点に入射させる工程と、前記第1の原レーザパルスの後に、前記レーザ光源から出射した第2の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスを、前記加工対象物の第2の被加工点に入射させる工程と、前記第2の原レーザパルスの後に、前記レーザ光源から出射した第3の原レーザパルスから切り出されたうちの1つのレーザパルスを、前記第1の被加工点に入射させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
第1サイクルとして、加工対象物上の第1の被加工点に第1の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射した後、他の被加工点の各々に、第1の原レーザパルスより後の原レーザパルスより切り出された複数のレーザパルスが入射し、それぞれ穴が形成される。第1サイクル後、第2サイクルとして、第1の被加工点に再びレーザパルスが1つだけ入射し、他の被加工点についてもレーザパルスが1ショットずつ入射して穴の加工が終了する。第1サイクルにおいて各々の被加工点に照射される、複数のレーザパルスの間隔が従来よりも短いため、短時間での加工が可能となる。
また、第1の被加工点に第1の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが入射してから第3の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが入射するまでの間に、他の被加工点に第2の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが入射するために必要な時間が経過する。従って、第1の被加工点に形成される穴の側面は、その間に冷却されるため、蓄熱による側面形状の劣化を防止することができる。
図1に、本願の実施例によるレーザ加工装置の概略図を示す。レーザ光源1がパルスレーザビームを出射する。レーザ光源1には、例えばCOレーザが用いられる。
レーザ光源1から出射したパルスレーザビームは、パルス切出器2に入射する。パルス切出器2は、入射したパルスレーザビームの1つの原レーザパルスから、時間軸上で分離された複数のレーザパルスを切り出して光路Aに出射させる。なお、光路Aに出射しなかった残りの成分はビームダンパ3で吸収される。パルス切出器2には、例えば、音響光学素子(Acousto−Optic Modulator、AOM)が用いられる。他のパルス切出器として、電気光学素子(Electro−Optic Modulator、EOM)と偏光ビームスプリッタとを組み合わせたもの等を用いてもよい。
パルス切出器2により切り出されたパルスレーザビームは、貫通孔を有するマスク4で、断面形状を、例えば円形に整形されたのち、折り返しミラー5で反射して、分岐光学系6に入射する。分岐光学系6は、入射したパルスレーザビームを、第1の光路Bを進むパルスレーザビームと、第2の光路Cを進むパルスレーザビームに分岐させる。
第1の光路Bを進むパルスレーザビームは、ガルバノスキャナ8aに入射する。ガルバノスキャナ8aは、一対の揺動可能な反射鏡を含んで構成され、パルスレーザビームを2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ8aで走査されたパルスレーザビームはfθレンズ9aを透過して、加工対象物10aに入射し、加工対象物10aの加工が行われる。加工対象物10aは、XYステージ11aの可動面上に載置されている。fθレンズ9aは、マスク4の貫通孔を加工対象物10aの表面に結像させる。
ガルバノスキャナ8aは、制御装置12からの指令により、パルスレーザビームが加工対象物10aの表面の走査可能領域内の目標位置に入射するように、レーザビームを走査する。XYステージ11aは、制御装置12からの指令により、加工対象物10aの表面の所望の領域を、ガルバノスキャナ8aの走査可能領域内に配置させる。
第2の光路Cを進むパルスレーザビームは、折り返しミラー7で反射して、ガルバノスキャナ8b、fθレンズ9bを経て、加工対象物10bに入射し、加工対象物10aの加工が行われるのと同時に加工対象物10bの加工が行われる。加工対象物10bは、XYステージ11bの可動面上に載置されている。ガルバノスキャナ8b、fθレンズ9b、及びXYステージ11bの作用は、それぞれ、第1の光路Bに配置されたガルバノスキャナ8a、fθレンズ9a、及びXYステージ11aのそれと同様である。
図2に、加工対象物10aの断面図を示す。樹脂層21の表面に銅層22が形成され、樹脂層21の内部には内層配線パターン23が埋め込まれている。樹脂層21は、例えばポリイミドで形成され、内層配線パターン23は、例えば銅で形成されている。また、銅層22に、化学的エッチング等で銅層22を貫通する開口22aが形成されており、加工対象物10aはコンフォーマル基板の構造を成している。この開口22aの中心を被加工点として、パルスレーザビーム30が照射される。
照射されるパルスレーザビーム30の、加工対象物10aの表面におけるビームスポットは、開口22aを内包する大きさである。パルスレーザビーム30のビームスポット及び開口22aが円形であると仮定する。銅層22には例えば直径150μmの開口22aが形成されている。また、開口22aの底面から内層配線パターン23までの深さは例えば60μmである。この開口22aの中心に向けて、ビームスポットの直径が300μmのパルスレーザビーム30が照射される。パルスレーザビーム30が照射されると、開口22aの底面がエッチングされ、穴が形成される。
なお、加工対象物10bも、基本的な構造は加工対象物10aと同様のコンフォーマル基板である。
以下に、本願の実施例におけるレーザ加工方法について詳述する。
図3(A)に、レーザ光源1から出射したパルスレーザビームのうちの1つの原レーザパルス波形を示す。レーザ光源1からは、例えばパルス幅100μsの原レーザパルスが出射する。
図3(B)に、図3(A)における原レーザパルスから切り出したレーザパルス波形を示す。パルス切出器2に入射した原レーザパルスは、ここでは2つのレーザパルスに分割されている。なお、樹脂を加工するのに必要なパルスエネルギ密度は、10J/cm程度であり、レーザ発振器の最大出力、ビームスポットの大きさ等から、パルス幅を10〜20μsにすることが必要になる。この条件は、用いるレーザ発振器や加工する穴の大きさ等に依存する。一例として、分割された1番目のレーザパルスのパルス幅を15μs、2番目のレーザパルスのパルス幅を10μsとすることができる。このように、パルス切出器2を制御することにより、原レーザパルスから切り出される2番目以降のレーザパルスのパルス幅を、1番目のレーザパルスのパルス幅よりも短くすることができる。
以下に、バースト加工とサイクル加工とを組み合わせた参考例の方法と比較して、本願の実施例によるパルスレーザビームの照射方法を説明する。なお、加工対象物10a及び10bの加工は同じ要領で行われるため、ここでは、第1の光路Bを通るレーザパルスによる加工対象物10aの加工について説明する。
図4(A)に、参考例の方法によるパルスレーザビームの照射のタイミングチャートを示す。参考例の方法において、パルスレーザビームの照射は、大きく2つのサイクルに分けられる。第1サイクルは、あらかじめ制御装置12に記憶させた、加工対象物10a上の複数(ここではn個)の開口にそれぞれ対応付けられた被加工点に、それぞれ原レーザパルスを2ショットずつ照射するバースト加工によるサイクルである。
まず、工程A1−1において、第1の被加工点にレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナ8aまたはXYステージ11aを制御して位置決めを行った後、原レーザパルスが2ショット照射され、第1の被加工点が加工される。次に、工程A1−2において、第2の被加工点にレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナ8aを制御して位置決めを行った後、原レーザパルスが2ショット照射され、第2の被加工点が加工される。このような工程をn番目の被加工点に加工が施されるまで行う。
第2サイクルは、第1サイクルでバースト加工が施されたn個の被加工点に、原レーザパルスを1ショットずつ照射するサイクルである。まず、工程A2−1において、第1の被加工点に再びレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナ8aを制御して位置決めを行い、原レーザパルスを1ショット照射する。次に、工程A2−2において、第2の被加工点にレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナ8aを制御して位置決めを行った後、原レーザパルスが1ショット照射される。このような工程をn番目の被加工点に加工が施されるまで行う。
参考例の方法では、レーザパルスを照射する際、次のような制約が生じる。
COレーザ発振器は、一般に、パルスの繰り返し周波数(以下、単に「周波数」と記す。)が高くなると、最大デューティサイクルが直線的に低下する特性を有する。一例として、周波数が1000Hzのときに最大デューティサイクルが10%になるレーザ発振器を使用した場合、周波数1000Hzで発振しているときのパルス幅の最大値は100μsになる。周波数1000Hzで動作させている場合には、パルス幅が100μsよりも長いレーザパルスを出力することはできない。このように、周波数が決定されると、その条件で出力し得るレーサパルスの最大のパルス幅が決まる。逆に、所望のパルス幅が決定されると、そのパルス幅のレーザパルスを出力し得る最大の周波数が決定される。
先述のように、レーザ発振器の特性や加工すべき穴の大きさ等の条件により、一例として、樹脂の加工に必要なパルス幅は10〜20μsである。第1サイクルで照射するレーザパルスのパルス幅を14μsと仮定する。パルス幅が決まると、そのパルス幅のレーザパルスを出力することができる最大周波数が求まる。例えば、最大周波数は、3000Hzになる。周波数が3000Hzのとき、2つの原レーザパルスの周期は、約0.33msである。2つの原レーザパルスの周期を、これよりも短くすることはできない。
また、各工程において、ガルバノスキャナ8aを制御して照射位置を定めるのにも時間を要する。本願の実施例によるガルバノスキャナ8aを用いて対象とする加工対象物の加工を行うと、n−1番目の被加工点からn番目の被加工点に位置合わせを行うのに1msを要する。第2サイクルにおいても同様に位置合わせにそれぞれ1msを要する。
図4(B)に、本願の実施例によるパルスレーザビームの照射のタイミングチャートを示す。本願の実施例においても、パルスレーザビームの照射は、大きく2つのサイクルに分けられる。第1サイクルは、あらかじめ制御装置12に記憶させた加工対象物10a上の複数(ここではn個)の開口にそれぞれ対応付けられた被加工点に、それぞれ1つの原レーザパルスから2ショットを切り出して照射するバースト加工によるサイクルである。
まず、工程B1−1において、第1の被加工点にレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナ8aまたはXYステージ11aを制御して照射位置決めを行った後、第1の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが2ショット照射され、第1の被加工点が加工される。次に、工程B1−2において、第2の被加工点にレーザパルスが照射されるようにガルバノスキャナ8aを制御して照射位置決めを行った後、第2の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが2ショット照射され、第2の被加工点が加工される。このような工程をn番目の被加工点に加工が施されるまで行う。
第2サイクルは、第1サイクルでバースト加工が施されたn個の被加工点の各々に、原レーザパルスから切り出されたレーザパルスを1ショットずつ照射し、被加工点の加工を行うサイクルである。
第2サイクルにおいて切り出されるレーザパルスのパルス幅を、参考例の第2サイクルで照射する原レーザパルスのパルス幅と同じとすると、参考例との加工時間の差は、第1サイクルに生じる。参考例の方法では、レーザ光源1から出射した原レーザパルスを2ショットずつ、光学的変調を施さずに各々の被加工点に照射していたが、本願の実施例では、レーザ光源1から出射した1つの原レーザパルスから2つのレーザパルスを切り出して1つの被加工点に照射している。第1サイクルにおけるレーザパルスの照射方法の違いにより、加工に要する時間が短縮される。
参考例の工程A1−2に要する時間と本願の実施例における工程B1−2に要する時間を比較する。まず、工程A1−2では先述のように、パルス幅14μsの原レーザパルスを用いた場合、照射位置を合わせるのに1ms、2つの原レーザパルスの周期が約0.33ms、2番目の原レーザパルスのパルス幅が約0.01msであり、1穴を加工するために必要な時間が合計で約1.34msになる。
一方、実施例による加工方法の第1サイクルでは、1つの原レーザパルスを出射してから、次の原レーザパルスを出射するまでに、ガルバノスキャナ8aの位置決めに必要な時間1msが経過する。原レーザパルスの周期を、この位置決めに必要な時間1msとパルス幅との和程度に設定する。加工に必要な2つのレーザパルスを切り出すために、原レーザパルスのパルス幅を100μsにする。すると、原レーザパルスの周期は1.1msとなり、その周波数は909Hzとなる。この周波数は、先述したレーザ発振器の特性による、レーザパルスのパルス幅に対して出力し得る周波数の条件を満たしている。図3(B)から、1つの穴に2つのレーザパルスを入射させるのに要する時間幅は0.095msである。この時間を先述の位置決めに必要な時間1msと合わせると、実施例の第1サイクルにおいて1穴あたりの加工に必要な時間は1.095msになり、参考例に比べ加工時間が短縮されている。
第2サイクルで再び同じ被加工点に位置合わせをしてレーザパルスを照射する工程には、参考例の方法、本願の実施例共に同じ時間を要するので、結局、第1サイクルでの短縮時間が全工程の短縮時間となる。従って、本願の実施例による1穴あたりの加工時間は、参考例の方法に対し、約0.245ms短縮される。
また、本願の実施例では、加工対象物10aに形成される穴の側面形状の劣化を防ぐことができる。
図5(A)に、バースト加工のみで穴を形成した場合の加工対象物10aの断面図を示す。バースト加工のみを加工対象物10aに施した場合、側面が樽状に窪んだ、図5(A)のような穴21aが形成される。これは、同一の被加工点に、複数のレーザパルスを連続して照射したことで、被加工部周辺に熱が蓄積されて穴の側面が過剰に除去されたことによるものである。
図5(B)に、本願の実施例による方法で加工した加工対象物10aの断面図を示す。本願の実施例による方法で加工対象物10aを加工した場合、第1サイクルで第1の被加工点にレーザパルスが入射してから第2サイクルで再び第1の被加工点にレーザパルスが入射するまでの間に、第1サイクルにおいて他の被加工点にレーザパルスが入射するために必要な時間が経過する。従って、第1の被加工点に形成される穴の側面は、その間に冷却されるため、穴を形成する過程で蓄熱による側面形状の劣化を防止することができる。従って、加工対象物10aには、側面の窪みの少ない穴21bが形成される。
なお、上記実施例では、第1サイクルで各々の被加工点に2つのレーザパルスを入射させたが、3個以上のレーザパルスを入射させてもよい。一般に、バースト加工を行う場合には、最後に入射するレーザパルスが、穴の形状を大きく劣化させる。上記実施例では、第1サイクルにおいて、複数のレーザパルスを、従来のバースト加工と同程度の短い周期で1つの被加工点に入射させている。ところが、加工に必要な最後の1ショットは、第2サイクルで入射させている。このため、通常のバースト加工とは異なり、最後の1ショットに起因する穴の形状の劣化を軽減することができる。
また、上記実施例では、第1サイクルにおいて1つの穴に入射する2つのレーザパルスのうち、2番目のレーザパルスのパルス幅を、1番目のレーザパルスのパルス幅よりも短くした。第1サイクルで3個以上の複数のレーザパルスを入射させる場合には、後に入射するレーザパルス群の各レーザパルスのパルス幅を、先に入射するレーザパルス群の各レーザパルスのパルス幅よりも短くすることが好ましい。このようなパルス列にすることにより、穴の形状をより高品質に維持することができる。
ただし、第1サイクルに入射する複数のレーザパルスに起因する穴の形状の劣化は軽微であるため、第1サイクルに入射する複数のレーザパルスのパルス幅をすべて等しくしてもよい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本願の実施例で用いられるレーザ加工装置の概略図である。 本願の実施例における加工対象物の断面図である。 (A)は、パルス切出器で切り出す前のパルスレーザビームの波形を示す線図であり、(B)は、図3(A)で示したパルスレーザビームをパルス切出器で切り出したパルスレーザビームの波形を示す線図である。 (A)は、従来の方法におけるパルスレーザビームの出射信号を示す線図であり、(B)は、本願の実施例によるパルスレーザビームの出射信号を示す線図である。 (A)は、バースト加工のみを施した場合の加工対象物の断面図であり、(B)は、本願の実施例による方法で加工した場合の加工対象物の断面図である。
符号の説明
1 レーザ光源
2 パルス切出器
3 ビームダンパ
4 マスク
5、7 折り返しミラー
6 分岐光学系
8a、8b ガルバノスキャナ
9a、9b fθレンズ
10a、10b 加工対象物
11a、11b XYステージ
12 制御装置
21 樹脂層
21a、21b 穴
22 銅層
22a 開口
23 内層配線パターン
30 パルスレーザビーム
A、B、C 光路

Claims (7)

  1. パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームの1つの原レーザパルスから、時間軸上で分離された複数のレーザパルスを切り出すパルス切出手段と、
    前記パルス切出手段を経由したパルスレーザビームが入射する位置に加工対象物を保持するステージと、
    前記ステージに保持された加工対象物へのパルスレーザビームの入射位置が移動するように、パルスレーザビームの経路及び該加工対象物の一方を他方に対して移動させる移動機構と、
    加工対象物上の複数の被加工点の位置を記憶し、第1の被加工点に、第1の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射し、少なくとも1つの他の被加工点に、該第1の原レーザパルスよりも後に出射した第2の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスが入射した後、該第1の被加工点に、さらに該第2の原レーザパルスよりも後に出射した第3の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスが入射するように前記レーザ光源、前記パルス切出手段、及び前記移動機構を制御する制御装置と
    を有するレーザ加工装置。
  2. 前記制御装置は、前記第1の被加工点に、前記第3の原レーザパルスから切り出されたレーザパルスのうちの1つのみが入射するように前記レーザ光源、前記パルス切出手段、及び前記移動機構を制御する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記制御装置は、前記第1の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスのうち、時間軸上で2番目以降のレーザパルスのパルス幅が、1番目のレーザパルスのパルス幅より短くなるように前記パルス切出手段を制御する請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. さらに、前記パルス切出手段から出射したパルスレーザビームを、第1の光路を通って前記加工対象物に入射するパルスレーザビームと、第2の光路を通って他の加工対象物に入射するパルスレーザビームとに分岐させる分岐光学系を有する請求項1から3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  5. レーザ光源から出射した第1の原レーザパルスから、時間軸上で分離するように切り出された複数のレーザパルスを、加工対象物上の第1の被加工点に入射させる工程と、
    前記第1の原レーザパルスの後に、前記レーザ光源から出射した第2の原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスを、前記加工対象物の第2の被加工点に入射させる工程と、
    前記第2の原レーザパルスの後に、前記レーザ光源から出射した第3の原レーザパルスから切り出されたうちの1つのレーザパルスを、前記第1の被加工点に入射させる工程と
    を有するレーザ加工方法。
  6. 原レーザパルスから切り出された複数のレーザパルスのうち、時間軸上で2番目以降のレーザパルスのパルス幅が、1番目のレーザパルスのパルス幅より短くなるように前記パルス切出手段を制御する工程を有する請求項5に記載のレーザ加工方法。
  7. 前記加工対象物は金属層と樹脂層が積層した構造であり、該加工対象物上の前記第1及び第2の被加工点の各々は、該金属層に設けられた複数の開口のうちのいずれかに対応付けられ、該加工対象物上の第1及び第2の被加工点に照射されるパルスレーザビームのビームスポットが、それぞれ、該金属層に設けられた対応する開口を内包する大きさである請求項5または6に記載のレーザ加工方法。
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