JP2005323642A - 高圧蒸気滅菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡潔な構造を有し、滅菌容器の温度を高めることが容易であり、エネルギを有効利用でき、かつ滅菌容器の内容積を大きく設計することができる、高圧蒸気滅菌装置を提供する。
【解決手段】 圧力容器として形成された滅菌容器2を囲んで液体熱媒容器4が設けられており、容器2、4の間にはシリコーンオイル等の液体熱媒6が収容されており、ヒータ8により液体熱媒6を加熱することにより容器2およびその中の被滅菌物が加熱される。液体熱媒6を用いることにより、容器2内を均一高温にすることができ、滅菌処理後の被滅菌物の乾燥に有益である。蒸気発生器10に蒸気化される水を供給する管路12の一部12cは、液体熱媒6中に浸漬されており、蒸気発生器10に供給される原水の予熱、並びに乾燥処理後の液体熱媒6の迅速な降温が実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療用器具等の被滅菌物を高圧蒸気を用いて滅菌する装置に関する。
医療器具等の被滅菌物を高圧蒸気(典型的には135℃、0.22MPaの飽和蒸気)を用いて滅菌する高圧蒸気滅菌装置が従来から知られている。このような滅菌装置においては、滅菌容器内に被滅菌物が収容され、被滅菌物が加熱され、さらに滅菌容器内の空気が除去された後、滅菌容器内に飽和蒸気が導入され、滅菌容器内が所定時間飽和蒸気雰囲気に維持され、これにより被滅菌物が滅菌される。滅菌容器の加熱には、かつては滅菌容器の外周に巻き付けた電気ヒータを用いていたこともあったが、滅菌容器の温度制御の容易化および温度の均一化の観点から、滅菌容器の外側に蒸気ジャケットを設けてこの蒸気ジャケット内に高温蒸気を供給することにより滅菌容器を加熱するものが主流となってきている。このような滅菌装置の一例が特許文献1に記載されている。
しかし、上記従来装置では、滅菌容器および蒸気ジャケットの両方を蒸気に耐えうる強度および耐食性を持たせて設計しなければならない。このため、高価な高耐食性材料の使用および構造の複雑化による製造コスト増、並びに装置全体重量の増大という問題がある。また、近年では、滅菌装置に、滅菌後の被滅菌物を迅速に完全に乾燥させる機能を持たせることが求められているが、このためには乾燥処理時における滅菌容器内の温度を滅菌処理時の温度よりも高くすることが望ましい。しかし、この場合、蒸気ジャケットにより高温の蒸気を供給する必要があり、そのためには蒸気発生器の能力を高めるか、あるいは滅菌用蒸気を生成するための蒸気発生器とは別の蒸気発生器を設ける必要がある。このことは滅菌装置の構造の複雑化および製造コスト増につながる。また、蒸気ジャケット内に供給される蒸気は、滅菌容器の加熱という役割を終えた後は、通常は廃棄されてしまうため、蒸気の持つ熱エネルギが無駄になってしまう。さらには、後に詳述するように、圧力容器に関する法的規制により滅菌容器の大きさが制限を受けるため、一度に大量の被滅菌物を処理できる大きな滅菌容器を実現することが困難である。
特開2001−178798号(図1、段落0014等)
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、簡潔な構造を有し、滅菌容器の温度を高めることが容易であり、エネルギを有効利用でき、かつ滅菌容器の内容積を大きく設計することができる、高圧蒸気滅菌装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明においては、滅菌容器の加熱を液体熱媒を介して行うようにした。更に、本発明においては、蒸気発生器に供給される水と液体熱媒との間で熱交換が可能となるようにした。
すなわち、本発明は、被滅菌物を装填可能な圧力容器として形成された滅菌容器と、前記滅菌容器を囲む液体熱媒容器と、前記滅菌容器に滅菌用の蒸気を供給する蒸気発生器と、を備え、前記液体熱媒容器に収容された液体熱媒を介して前記滅菌容器が加熱されることを特徴とする高圧蒸気滅菌装置を提供する。
好ましくは、本発明に係る高圧蒸気滅菌装置は、前記蒸気発生器に気化すべき水を供給する水供給管路を更に備え、前記水供給管路の一部は、前記液体熱媒容器内に収容された液体熱媒に浸漬されるように前記液体熱媒容器内に通されており、これにより前記水供給管路を通過する水と前記液体熱媒容器内の液体熱媒との間で熱交換が可能となっている。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
高圧蒸気滅菌装置は、圧力容器として形成された滅菌容器2を有する。滅菌容器2は、液体熱媒容器4内に収容され、図示しない支持部材により液体熱媒容器4に固定されている。滅菌容器2と液体熱媒容器4との間の空間には液体熱媒6が収容されている。液体熱媒容器4は、単に液体熱媒6をその内部に保持するものであり、圧力容器ではない。液体熱媒容器4の上部開口は気密性の高くない蓋4aにより閉塞されており、液体熱媒容器4内の圧力は、常時、実質的に大気圧に等しい。
滅菌容器2の一部には、被滅菌物の滅菌容器2への出し入れを可能とするため開口(図示せず)が形成されており、この開口は扉(図示せず)により気密に閉塞することができる。滅菌容器2の開口に対応する位置に、液体熱媒容器4にも開口(図示せず)が設けられており、滅菌容器2の開口部分と液体熱媒容器4の開口部分とは筒状部材(図示せず)により、この筒状部材に液体熱媒6が侵入しないような態様で、連結されている。この筒状部材を介して、被滅菌物を液体熱媒6に晒すことなく、滅菌容器2に出し入れできるようになっている。上記構造は、本発明の要旨とは直接関係無いため、図面の簡略化のため、図示は省略した。
滅菌容器2と液体熱媒容器4との間の空間に抵抗加熱式の電気ヒータ8(H)が挿入されており、この電気ヒータ8は液体熱媒6に浸漬され、液体熱媒6を加熱する。液体熱媒6の温度分布を均一化するために、液体熱媒容器4内にインペラまたは攪拌子等の液体熱媒攪拌手段を設けることが好ましい。なお、電気ヒータ8は必ずしも液体熱媒容器4内に設ける必要はなく、例えば、液体熱媒容器4に液体熱媒容器4外に設けられた液体熱媒循環管路を接続し、液体熱媒循環管路の一部に電気ヒータを設けてもよい。また、電気ヒータ8は、液体熱媒容器4の外表面に巻き付けてもよい。更には、電気ヒータ8に代えて他の適当な公知の形式のヒータを用いることも可能であるが、温度制御の容易性を考慮すると電気ヒータを用いることが好ましい。
液体熱媒6は、後述する乾燥温度T2に至るまでの温度において、安定して液体状態を維持することができるものであれば任意の材料とすることができる。なお、液体熱媒6は公知の熱媒油の中から適当なものを選択して用いることが好ましいが、特に本実施形態においては、液体熱媒6としてシリコーンオイル(具体的にはポリジメチルシロキサン)を用いることとした。
また、高温蒸気滅菌装置は、滅菌容器2に供給する蒸気を生成する蒸気発生器10を有しており、この蒸気発生器10はそこに供給された水を内蔵されたヒータH(10a)により気化して蒸気とする。蒸気発生器10には、原水供給管路12を介して原水タンク14が接続されている。原水タンク14内に貯留された水(精製水)は、原水加圧ポンプ12a(WP)を動作させることにより、蒸気発生器10に送り込まれる。なお、符号12bは、原水の逆流を防止するための逆止弁である。
原水供給管路12の蒸気発生器10よりも上流側の部分12cは、滅菌容器2と液体熱媒容器4との間の空間に好ましくは両容器2,4に接触しないように通されており、液体熱媒6に浸漬されている。部分12cにおいて、その中を流れる水と液体熱媒6との間で熱交換が行われる。部分12cは、滅菌容器2と液体熱媒容器4との間の空間を蛇行するように配置することができる。若しくは、部分12cは滅菌容器2の周りに螺旋状に配置することもできる。なお、部分12cは上述したように原水供給管路12をなすパイプ材の一部であってもよいが、原水供給管路12をなすパイプ材に介設された一般的な構造の熱交換器(例えば拡大伝熱面を有するもの)であってもよい。
蒸気発生器10で生成された蒸気は、蒸気供給管路16を通って滅菌容器2に供給される。蒸気供給管路16には、蒸気発生器用安全弁(リリーフ弁)16a、蒸気流量調整弁16b、電磁弁(シャットオフ弁)16cおよび滅菌容器用安全弁16dが、上流側から順に介設されている。電磁弁16cと安全弁16dとの間には、滅菌容器2を必要に応じて空気パージするために、給気管路18が接続されている。給気管路18には、空気中の埃や雑菌の侵入を防止するためのフィルタ18aと、電磁弁18bが介設されている。
滅菌容器2には、排気・排水管路20が連結されている。排気・排水管路20は、真空排気管路22と、高圧蒸気排気管路24と、蒸気トラップ管路26とに分岐している。真空排気管路22には、電磁弁22a、真空ポンプ22b(VP)および真空排気逆止弁22cが上流側から順に設けられている。高圧蒸気排気管路24には、電磁弁24a、逆止弁24bが上流側から順に設けられている。蒸気トラップ管路26には、蒸気トラップ26aが設けられている。上記の管路22、24、26は合流して再び単一の排気・排水管路20となり、排気・排水系28(一般的な下水でよい)に通じている。
なお、排気・排水管路20には、蒸気発生器10から凝縮水を排出するためのドレン管路30、原水タンク14からオーバーフローした原水を排水するための管路31、原水タンク14から例えば装置の停止時に不要となった原水を排出するためのドレン管路32が接続されている。管路30には電磁弁30aおよび逆止弁30bが、管路31には逆止弁31aが、管路32には逆止弁32aおよびドレン弁32bが、それぞれ介設されている。
原水タンク14は、精製水供給源33から精製水の供給を受けることができる。また、原水タンク22は市水供給源34(一般的な上水道でよい)から市水の供給を受けることもできる。原水タンク14に供給される水の切替えは、給水切替弁35により行うことができる。原水タンク14と精製水供給源33との間を接続する給水ラインには、精製水元弁36、給水切替弁35および電磁弁37が、上流側から順に設けられている。原水タンク14と市水供給源34との間を接続する給水ラインには、市水元弁38、ストレーナ39、圧力計40、給水切替弁35および電磁弁37が、上流側から順に設けられている。更に、市水供給源34は、真空ポンプ22b(VP)の真空引きを行うために真空ポンプ22bに市水を供給する。真空ポンプ22bと市水供給源44との間を接続する給水ラインには、市水元弁39、ストレーナ39、圧力計40、電磁弁41、定流量弁42が、上流側から順に設けられている。
なお、以下に、滅菌容器2、液体熱媒容器4、原水タンク14および蒸気発生器20に付設されたセンサ類について簡単に説明しておく。符号TIC1、TIC2、TIC3およびTIC4で示された部材は、表示機能付き温度センサである。TIC1およびTIC2は、排気・排水管路20にて滅菌容器2内の蒸気温度を間接的に検出し、TIC4はヒータ8の温度を検出し、TIC3は液体熱媒6の温度を検出する。滅菌容器2に付設されている符号PGで示された部材は滅菌容器2内の圧力を表示する圧力計、符号PS2で示す部材は滅菌容器2内の圧力が所定値を超えた場合に作動する圧力スイッチ、符号PE1で示す部材は滅菌容器2内の圧力に応じた検出信号を出力する圧力センサである。また、蒸気発生器10に付設されている符号PGで示された部材は蒸気発生器10内の圧力を表示する圧力計、符号PS1で示す部材は蒸気発生器10内の圧力が所定値を超えた場合に作動する圧力スイッチ、符号BS1で示す部材は蒸気発生器10内の温度が所定値を超えた場合に作動するバイメタルスイッチである。また、原水タンク14に付設されている符号FLLS1で示す部材は原水タンク14内の水位が下限となったことを検出するフロートレス水位スイッチ、符号LS1で示す部材は原水タンク14内の水位が上限となったことを検出する水位スイッチである。図示しないコントローラが、予め定められている処理シーケンス並びに上記のセンサおよびスイッチ類による検出データに基づいて、滅菌装置の適切な動作が実現されるようにヒータ、電磁弁、ポンプ等の部材を制御する。
次に、上記の構成を具備した高圧蒸気滅菌装置の作用について説明する。
まず、ヒータ8により滅菌容器2周囲の液体熱媒6が所定の温度、例えば134℃(以下「滅菌温度T1」と呼ぶ)に加熱される。これにより、滅菌容器2自体および滅菌容器2内の雰囲気も滅菌温度T1となる。次に、滅菌容器2内に被滅菌物(図示せず)が装填される。なお、被滅菌物の滅菌容器2内への装填は、液体熱媒6の昇温前に行ってもよい。
次に、滅菌容器2内の空気を蒸気で置換する。まず、電磁弁16c、18b、24aが閉じられ、かつ電磁弁22aが開かれる。この状態で、真空ポンプ22b(VP)が作動し、滅菌容器2内が所定の真空度まで減圧される。次に、電磁弁22aが閉じられるとともに電磁弁16cが開かれ、蒸気発生器10から滅菌容器2内に蒸気が供給される。これにより純度の高い蒸気雰囲気が滅菌容器2内に確立される。なお、真空ポンプ22bの能力が低い場合には、真空ポンプ22bによる滅菌容器2の吸引と滅菌容器2内への蒸気供給とを繰り返し行うことにより、空気濃度の低い高純度の蒸気雰囲気を滅菌容器2内に確立することができる。滅菌容器2内は、飽和蒸気(例えば134℃、0.22MPaの蒸気)により満たされる。蒸気発生器10は、滅菌容器2内に飽和蒸気雰囲気を形成するのに十分な蒸気供給能力、例えば0.3MPaの圧力の蒸気を供給する能力を有しており、例えば圧力スイッチPS2と電磁弁16cとを連動させて蒸気を断続的に滅菌容器2内に供給することにより、滅菌容器2内に飽和蒸気雰囲気が維持される。滅菌容器2内は、所定時間、上記の飽和蒸気雰囲気に維持され、これにより滅菌容器2内に収容された被滅菌物は滅菌される。
被滅菌物の滅菌が終了したら、被滅菌物の乾燥が行われる。すなわち、まず、電磁弁24aが開かれる。これにより、滅菌容器2内の蒸気が高圧蒸気排気管路24を通って排気され、滅菌容器2内の圧力がほぼ大気圧まで低下する。その後、ヒータ8への供給電力を増し、滅菌温度T1(134℃)に維持されていた液体熱媒6の温度をより高い所定温度(以下「乾燥温度T2」と呼ぶ)、例えば145℃に昇温する。乾燥温度は、被滅菌物がダメージを受けない限りにおいて、145℃より高くしても構わない。昇温後、乾燥を促進するために、滅菌容器2内の雰囲気が吸引される。すなわち、電磁弁24aが閉じられるとともに電磁弁22aが開かれ、真空ポンプ22b(VP)が作動する。これにより、被滅菌物および滅菌容器2内に残存する水分を効率良く除去することができる。被滅菌物は、所定時間、上述した高温(乾燥温度T2)の減圧雰囲気に置かれる。乾燥が完了したら、電磁弁22aが閉じられるとともに真空ポンプ22bが停止される。その後、給気管路18の電磁弁18bが開かれ、これにより空気が滅菌容器2内に導入され、滅菌容器2内が常圧に戻される。なお、真空ポンプ22bの能力が低い場合には、真空ポンプ22bによる吸引と電磁弁18bの開放による空気導入を交互に行うことが好適である。これにより、滅菌容器2内の水分はより効率的に除去される。
滅菌容器2内が常圧に戻されたら、滅菌容器2から被滅菌物を取り出すことができる。なお、その後、別の被滅菌物の滅菌処理を引き続き行う場合には、滅菌容器2内の温度を前記滅菌温度T1まで低下させた後、再度上述した各工程が行われる。なお、滅菌容器2内の温度を低下させるために、原水供給管路12の部分12cにおける水と液体熱媒6との間での熱交換を利用することができる。
本実施形態に係る滅菌装置は、以下に述べる利点を有している。
(1)液体熱媒容器4は、液体熱媒6を保持するだけの強度を有していればよく、高圧に耐え得るように設計する必要は無い。このため、液体熱媒容器4は簡単な板金加工により作成することができ、滅菌装置の製造コストの低減につながる。また、液体熱媒容器4、ひいては滅菌装置全体の重量を低減することができる。
(2)蒸気ジャケットに供給される蒸気により滅菌容器を加熱する従来型の滅菌装置の場合と異なり、液体熱媒容器4には蒸気が接触することはない。このため、シリコーンオイルのような非腐食性液体を液体熱媒6として用いることにより、液体熱媒容器4を耐食性の低い材料、すなわち廉価な材料で形成することが可能となる。この場合、むろん、滅菌容器2の外側表面にも高い耐食性は要求されない。このため、滅菌容器2を耐食性のさほど高くない材料により形成し、滅菌容器2の内側表面に耐食性被覆を設けるといった設計も可能となる。従って、滅菌装置の製造コストの低減を図ることができる。
(3)蒸気は、温度および圧力に依存して様々な状態(例えば、飽和蒸気の状態、過熱蒸気の状態)をとるが、飽和蒸気は滅菌に最も適していることは周知の事実である。本実施形態では、滅菌容器2の加熱媒体として流体である液体熱媒6を用いるため、蒸気ジャケットに供給される蒸気により滅菌容器を加熱する従来型の滅菌装置と同様に、滅菌容器2の壁体を均等に加熱することができる。このことにより、滅菌容器2内の蒸気を安定して所望の状態(滅菌効率の高い飽和蒸気の状態)に維持することが容易となる。
(4)滅菌容器2の加熱媒体として液体熱媒6を用いることにより、滅菌容器2を滅菌温度T1(例えば134℃)より高い乾燥温度T2(例えば145℃)に昇温することが容易である。蒸気ジャケットに供給される蒸気により滅菌容器を加熱する従来型の滅菌装置では、当該蒸気を乾燥温度T2のような高温に維持するには、蒸気ジャケットの高強度化や蒸気発生器の能力増大が必要となり、このことは滅菌装置の大幅な製造コスト増につながる。しかしながら、本実施形態によれば、滅菌装置の製造コストを増大させることなく、容易に滅菌容器2内を高温にすることができる。
(5)蒸気発生器10に供給される原水は原水供給管路12の部分12cにおいて液体熱媒6と熱交換され予熱された状態で蒸気発生器10に供給される。このため、蒸気発生器10の動作を安定させることができる。また、滅菌装置において続けて複数のバッチ処理が行われる場合、被滅菌物の乾燥および取り出しの後に、液体熱媒6の温度を前記滅菌温度T1(134℃)まで低下させる必要がある。しかし、液体熱媒6は従来技術で用いられている気体熱媒(蒸気)に比べて熱容量が大きいため、単に自然放熱により冷却したのでは降温に時間がかかる。しかし、本実施形態においては、蒸気発生器10に原水を供給する原水供給管路12が液体熱媒6内に浸漬されているので、原水供給管路12内の水と液体熱媒6との熱交換により、液体熱媒6を強制的に迅速に冷却することができる。このため、複数のバッチ処理を短時間で行うことができる。また、液体熱媒6が持つエネルギを有効利用することができる。
(6)上記(5)とも関連するが、液体熱媒6を用いることにより、エネルギの無駄を少なくすることができる。すなわち、蒸気ジャケットに供給される蒸気により滅菌容器を加熱する従来型の滅菌装置の場合には、滅菌容器の加熱に用いられた後の未だエネルギの高い蒸気が廃棄されることになるため、エネルギの無駄が多い。これに対して、本実施形態によれば、液体熱媒6を用いた場合には、液体熱媒容器4の外表面からの輻射熱以外で、エネルギが無駄に消費されることはない。このような輻射熱によるエネルギロスは、例えば、液体熱媒容器4の周囲に断熱材を設けることにより容易に低減することができる。
(7)安全上の観点から、圧力容器の内容積は使用圧力に所定の係数を乗じた値以下とするよう、法律で制限されている。蒸気ジャケットに供給される蒸気により滅菌容器を加熱する従来型の滅菌装置の場合には、滅菌容器および蒸気ジャケットの容積の総和が前記内容積として扱われるため、蒸気ジャケットの容積により滅菌容器の容積が制限されてしまう。しかし、本実施形態に係る滅菌装置では、液体熱媒容器4は圧力容器ではないため、液体熱媒容器4の内容積は前記内容積には算入されない。このため滅菌容器2の容積を大きく設計することができる。
本発明による高圧蒸気滅菌装置の一実施形態を示す系統図。
符号の説明
2 滅菌容器
4 液体熱媒容器
6 液体熱媒
10 蒸気発生器
12 水供給管路
12c 水供給管路の一部

Claims (2)

  1. 被滅菌物を装填可能な圧力容器として形成された滅菌容器と、
    前記滅菌容器を囲む液体熱媒容器と、
    前記滅菌容器に滅菌用の蒸気を供給する蒸気発生器と、
    を備え、
    前記液体熱媒容器に収容された液体熱媒を介して前記滅菌容器が加熱されることを特徴とする高圧蒸気滅菌装置。
  2. 前記蒸気発生器に気化すべき水を供給する水供給管路を更に備え、
    前記水供給管路の一部は、前記液体熱媒容器内に収容された液体熱媒に浸漬されるように前記液体熱媒容器内に通されており、これにより前記水供給管路を通過する水と前記液体熱媒容器内の液体熱媒との間で熱交換が可能となっていることを特徴とする、請求項1に記載の高圧蒸気滅菌装置。
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