JP2005321101A - 軸受用プラスチックシール - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェルド部の接合強度を向上することができ、生産コストを低減することができる軸受用プラスチックシールを提供する。
【解決手段】 成形金型21内に形成したリング状キャビティ19の周縁部に設けられた樹脂射出ゲート10から強化繊維12を添加した溶融樹脂をリング状キャビティ19内に射出することにより成形されるリング状の軸受用プラスチックシール20であって、射出成形後のリング状キャビティ19内に射出されて二つの流れとなった溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部P2の中央が、リング状キャビティ19の円周方向に非平坦な凸形状に突出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は転がり軸受用のプラスチックシールに関し、特に、ウェルド部の接合強度を向上させた軸受用プラスチックシールに関するものである。
図6に示したように、転がり軸受の一種である玉軸受2は、外輪3と内輪4との間に複数個のボール(転動体)5を配置したもので、各ボール5相互の間隔は内外輪間に装着される保持器6によって保持している。さらに、玉軸受2の片面又は両面には、外部から内外輪3,4間への異物の侵入防止や、充填されたグリース等の潤滑剤の漏れ防止のため、軸受用プラスチックシール1が装着されている。
軸受用プラスチックシール1は、リング状部材であり、その内周縁を軸受の内輪に嵌合固定する内輪固定タイプと、その外周縁を軸受の外輪に嵌合固定する外輪固定タイプとがあるが、一般的には、図6に示した軸受用プラスチックシール1のような外輪固定タイプのものがよく使用されている。また、軸受用プラスチックシール1は、外輪3に設けられた嵌合溝7に嵌合する取付嵌合部1aと、内輪4に設けられたシール溝8に摺接させるか、或いは僅かな隙間をもたせてシール溝8との間でラビリンスを形成するリップ部1bと、これら取付嵌合部1a及びリップ部1bを連結する連結部1cとを、適宜樹脂材料による射出成形によって一体成形したものである。
軸受用プラスチックシール1が装着される外輪3の側面には、嵌合溝7よりも内径を小さく設定した最小径部7aが形成されている。軸受用プラスチックシール1の取付嵌合部1aは、最小径部7aよりも外径が大きく設定されており、軸受用プラスチックシール1を玉軸受2の外輪3に装着する際には、軸受用プラスチックシール1を内方へ弾性変形させた状態にして最小径部7aを通過させ、嵌合溝7内に挿入する。そして、嵌合溝外側面7bと嵌合溝内側面7cとの間で取付嵌合部1aを歪ませて嵌合溝7内に緊密嵌合させることによって、軸受用プラスチックシール1が外輪3に嵌合固定される。
一方、軸受用プラスチックシール1のような樹脂製リングを射出成形する際には、図7に示したように、成形金型11内にリング状キャビティ9を形成し、このリング状キャビティ9の周縁部に設けた樹脂射出ゲート10から適宜樹脂材料を射出することで、所定形状の樹脂製リングを成形する射出成形方法が一般的である。ところが、樹脂射出ゲート10からリング状キャビティ9内に射出された溶融樹脂は、キャビティ9内で二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の先端部が再び合流するウェルド部P1(樹脂射出ゲート10と略反対側)にウェルドラインLを生じる。
樹脂材料により異なるが、この様な射出成形におけるウェルド部の接合強度が低下することは一般に良く知られている。そこで、ウェルドラインLを目立たなくする方法として、ウェルド部にガス抜きや樹脂溜まりを設ける方法や、溶融樹脂の温度を上げたり、金型温度を高くするなどの成形条件による対応や、真空引き成形、ウェルド部局部加熱などの方法が行われてきた。
ところで、上記のような軸受用プラスチックシール1を、例えば、高耐久性及び高い成形精度が要求される高速回転用転がり軸受のプラスチックシール等に使用する場合は、樹脂材料としてガラス繊維等の強化繊維を添加した繊維強化樹脂を使用したり、あるいは、樹脂材料として液晶ポリマーを使用したりして、その強度が向上されている。
しかしながら、図8に示すように、ガラス繊維等の強化繊維12を添加した繊維強化樹脂の場合には、ウェルド部P1において、添加した強化繊維12及び分子鎖が流動直角方向(ウェルドラインLに沿う方向)に揃って配向されてしまい、からみつきが発生し難くなり、軸受用プラスチックシール1のウェルド部P1の接合強度が低下してしまうという問題があった。
また、液晶ポリマーは、強化繊維12を含まない非強化樹脂の場合でもウェルド部の接合強度が小さく、強化繊維12を含む繊維強化樹脂の場合は更に接合強度が低下する。このため、樹脂材料として液晶ポリマーを使用した軸受用プラスチックシール1の場合、軸受組立時の弾性変形によりウェルド部P1から割れてしまうという問題があった。
さらに、ウェルド部P1における接合強度の低下という問題を回避するため、樹脂射出ゲートをディスクゲートに変更してウェルドライン自体が発生しないようにした樹脂製リングの射出成形方法も開発されている。しかしながら、ディスクゲートを利用する射出成形方法では、ゲート痕を小さくできないため、成形品の後加工量が大幅に増大して生産コストが高価になるという問題がある。また、成形品の内外径の同軸度も高精度化が難しく、軸受用プラスチックシールの射出成形方法としては不適格であった。
本発明は、上記したような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ウェルド部の接合強度を向上することができ、生産コストを低減することができる軸受用プラスチックシールを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 成形金型内に形成したリング状キャビティの周縁部に設けられた樹脂射出ゲートから強化繊維を添加した溶融樹脂をリング状キャビティ内に射出することにより成形されるリング状の軸受用プラスチックシールであって、射出成形後のリング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部の中央が、リング状キャビティの円周方向に非平坦な凸形状に突出することを特徴とする軸受用プラスチックシール。
(2) 軸受用プラスチックシールは、リング状キャビティにおけるウェルド部から外れた周縁部に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設け、樹脂溜まりの設置位置を、樹脂射出ゲートからの周縁上の距離が樹脂射出ゲートとウェルド部との間の周縁距離の5/6を超えない範囲に設定し、且つ、樹脂溜まりとリング状キャビティとを連通する連通部の開口横断面積を、リング状キャビティに射出された溶融樹脂が、リング状キャビティ内に充填された後に、樹脂溜まり内に充填されるように、リング状キャビティから樹脂溜まりへの溶融樹脂の流入量を制限する広さに設定し、溶融樹脂を樹脂射出ゲートからリング状キャビティに射出することにより成形されることを特徴とする(1)に記載の軸受用プラスチックシール。
(3) 溶融樹脂は、強化繊維を添加した繊維強化樹脂又は液晶ポリマーであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の軸受用プラスチックシール。
本発明の軸受用プラスチックシールによれば、射出成形後のリング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部の中央が、リング状キャビティの円周方向に非平坦な凸形状に突出するため、ウェルド部における溶融樹脂の接触面積を増加することができ、分子鎖を溶融樹脂の流動方向に配向することができるので、ウェルド部の接合強度を向上することができる。
また、上記構成によれば、リング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流するウェルド部に達し、リング状キャビティ内に溶融樹脂が充填された後に、樹脂溜まり近傍のリング状キャビティ内の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり内に流入し、溶融樹脂が樹脂溜まり内に充填される。
そこで、ウェルド部で対向して合流する溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿って樹脂溜まり側に樹脂流動が起こるので、各溶融樹脂の対向面は樹脂溜まり側に突出した非平坦な形状となる。従って、ウェルド部では合流する溶融樹脂の接触面積が増加し、分子鎖も溶融樹脂の流動方向に配向されるので、ウェルド部での樹脂の接合強度が高くなる。
また、好ましくは連通部の開口横断面積が、リング状キャビティの開口横断面積よりも小さくされる。この場合、樹脂溜まりの容量を必要最小限の大きさとした状態で、溶融樹脂が、リング状キャビティ内に充填された後に、樹脂溜まり内に充填されるように構成することができる。
また、好ましくは樹脂溜まりが、リング状キャビティの周縁部における樹脂射出ゲートとウェルド部との間で、且つ樹脂射出ゲートから5/6の範囲内に設けられる。上述の範囲内に樹脂溜まりの装備位置を設定することにより、ウェルド部での十分な樹脂流動を発生させ、さらに高い接合強度を得ることができる。
また、好ましくは樹脂溜まりが、成形金型における突出しピンとの間に形成される。この場合、突出しピンの長さを変更することにより、樹脂溜まりの容量を容易に変更することができる。
また、上記構成によれば、ディスクゲートを利用する従来の射出成形方法のように、ゲート痕が大きくなることはなく、成形金型から取り出した成形品の樹脂射出ゲート及び連通部の部分を切断するだけでよいので、成形品の後加工量を大幅に減少することができる。これにより、生産コストを低減することができる。
さらに、上記構成によれば、溶融樹脂は、強化繊維を添加した繊維強化樹脂又は液晶ポリマーであるため、ウェルド部の接合強度をさらに向上することができると共に、軸受用プラスチックシールの強度を大幅に向上することができ、高耐久性及び高い成形精度を達成することができる。
以下、本発明に係る軸受用プラスチックシールの一実施形態を説明するために、軸受用プラスチックシールの射出成形方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る軸受用プラスチックシールの射出成形方法を説明するための成形金型の部分水平断面図、図2は図1におけるII−II断面矢視図、図3は図1に示す成形金型のリング状キャビティ内におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明図、図4は成形金型の変形例を説明するための部分水平断面図である。
本発明に係る軸受用プラスチックシールの射出成形方法は、図1及び図2に示すように、成形金型21内に形成したリング状キャビティ19の周縁部に設けた樹脂射出ゲート10からリング状キャビティ19内に溶融樹脂を射出することで、所定形状の軸受用プラスチックシール20を製造するものである。
そして、リング状キャビティ19の周縁部上で、樹脂射出ゲート10のゲート位置からリング状キャビティ19の周方向に約半周分進んだウェルド部P2と樹脂射出ゲート10との間に、リング状キャビティ19内に射出された溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まり23が設けられている。なお、本射出成形方法の場合、樹脂溜まり23の形成位置は、図1に示すように、樹脂射出ゲート10の形成位置から周方向に沿って約45゜移動した位置である。
樹脂溜まり23は、リング状キャビティ19の開口横断面積よりも小さい開口横断面積を備えた連通部27を介してリング状キャビティ19に連通されている。そして、樹脂射出ゲート10からリング状キャビティ19内に溶融樹脂が射出された際、リング状キャビティ19から樹脂溜まり23に流入する溶融樹脂は、連通部27によって流入量が制限される。
即ち、リング状キャビティ19内に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流するウェルド部P2に達し、このリング状キャビティ19内に溶融樹脂が充填された時点で、図2に示したように、樹脂溜まり23内には空所23aが残るように、連通部27の開口横断面積及び樹脂溜まり23の容量が設定される。なお、本射出成形方法の場合、樹脂溜まり23が、図2に示したように、成形金型21における突出しピン25との間に形成されており、樹脂溜まり23の容量は、金型の手直しを行わずとも突出しピン25の長さの変更によって容易に調整が可能になっている。
そして、溶融樹脂は、二つの流れとなった溶融樹脂の各先端部がウェルド部P2に到達してリング状キャビティ19内に充填された後に、樹脂溜まり23近傍のリング状キャビティ19内の一部の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり23内に流入し、この樹脂溜まり23内に充填される。
即ち、ウェルド部P2で対向して合流する溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿って樹脂溜まり23側に樹脂流動が起こるので、射出成形後の溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部P2である各溶融樹脂の対向面Zの中央が、図1及び図3に示すように、リング状キャビティ19の円周方向に非平坦な凸形状に突出している。従って、ウェルド部P2では、合流する溶融樹脂の接触面積が増加し、分子鎖が溶融樹脂の流動方向に配向されるので、ウェルド部P2での樹脂の接合強度が高くなる。
また、本実施形態の軸受用プラスチックシール20の樹脂材料としては、図3に示すように、ガラス繊維(グラスファイバー)等の強化繊維12を添加した繊維強化樹脂や液晶ポリマーを使用するが、ウェルド部P2において、対向面Zが一方に凸形状となるので、添加した強化繊維12も溶融樹脂の流動方向に配向され、からみつきが発生する。
従って、上記射出成形方法により成形された軸受用プラスチックシール20は、射出成形後の溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部P2である各溶融樹脂の対向面Zの中央が、リング状キャビティ19の円周方向に非平坦な凸形状に突出している。これにより、樹脂材料に強化繊維12を添加した繊維強化樹脂や液晶ポリマーを使用すると共に、上述の如き成形金型21を用いて射出成形されるにもかかわらず、ウェルド部P2の接合強度を向上することができる。なお、上述した射出成形方法は、基本的には、リング状キャビティ19の周縁に装備した単一の樹脂射出ゲート10から溶融樹脂を射出する成形方法である。
また、ディスクゲートを利用する従来の射出成形方法のように、ゲート痕が大きくなることはなく、成形金型21から取り出した成形品は、樹脂射出ゲート10及び連通部27の部分を切断するだけでよいので、成形品の後加工量を大幅に減少でき、生産コストを低減できる。また、成形品の内外径の同軸度の高精度化も容易にすることができる。
従って、本実施形態の軸受用プラスチックシール20によれば、射出成形後のリング状キャビティ19内に射出されて二つの流れとなった溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部P2の中央が、リング状キャビティ19の円周方向に非平坦な凸形状に突出するため、ウェルド部P2における溶融樹脂の接触面積を増加することができ、分子鎖を溶融樹脂の流動方向に配向することができるので、ウェルド部P2の接合強度を向上することができる。
また、本実施形態の軸受用プラスチックシール20によれば、軸受用プラスチックシール20は、リング状キャビティ19におけるウェルド部P2から外れた周縁部に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まり23を設け、樹脂溜まり23の設置位置を、樹脂射出ゲート10からの周縁上の距離が樹脂射出ゲート10とウェルド部P2との間の周縁距離の5/6を超えない範囲に設定し、且つ、樹脂溜まり23とリング状キャビティ19とを連通する連通部27の開口横断面積を、リング状キャビティ19に射出された溶融樹脂が、リング状キャビティ19内に充填された後に、樹脂溜まり23内に充填されるように、リング状キャビティ19から樹脂溜まり23への溶融樹脂の流入量を制限する広さに設定し、溶融樹脂を樹脂射出ゲート10からリング状キャビティ19に射出することにより成形されるため、ディスクゲートを利用する従来の射出成形方法のようにゲート痕が大きくなることはなく、成形金型から取り出した軸受用プラスチックシール20の樹脂射出ゲート10及び連通部27の部分を切断するだけでよいので、成形品の後加工量を大幅に減少することができる。これにより、生産コストを低減することができる。
また、本実施形態の軸受用プラスチックシール20によれば、溶融樹脂は、強化繊維を添加した繊維強化樹脂又は液晶ポリマーであるため、ウェルド部P2の接合強度をさらに向上することができると共に、軸受用プラスチックシール20の強度を大幅に向上することができ、高耐久性及び高い成形精度を達成することができる。
また、上記射出成形方法によれば、樹脂溜まり23がリング状キャビティ19の開口横断面積よりも小さい開口横断面積を備えた連通部27を介してリング状キャビティ19に連通されているので、この樹脂溜まり23の容量を必要最小限の大きさとした状態で、溶融樹脂がリング状キャビティ19内に充填された後に、樹脂溜まり23内に充填されるように構成することができる。これにより、樹脂溜まり23に流入する溶融樹脂の流入量を低減し、樹脂材料の無駄を最小限とすることができると共に、成形金型21が大型化するのを抑制することができる。
なお、上記射出成形方法に使用する成形金型の変形例として、成形金型21の代わりに成形金型31を使用してもよい。成形金型31は、図4に示すように、樹脂溜まり23の形成位置を樹脂射出ゲート10の形成位置から周方向に沿って約150°移動した位置に変更すると共に、断面形状を変更した以外は、上記成形金型21と同様の構成である。
そして、この成形金型31を使用して軸受用プラスチックシール20を製造したところ、上記成形金型21を用いた場合と同様、樹脂材料に強化繊維12を添加した繊維強化樹脂又は強化繊維12を添加した液晶ポリマーを使用しても、軸受組立時の弾性変形によりウェルド部から割れてしまうことがなく、高耐久性及び高い成形精度を有する軸受用プラスチックシール20を得ることができた。
但し、樹脂溜まり23の形成位置をそれ以上ウェルド部P2に近づけた成形金型を用いて軸受用プラスチックシール20を成形した場合には、ウェルド部P2における接合強度の向上が期待したほど得られなかった。これは、樹脂溜まり23の形成位置がウェルド部P2に近いと、ウェルド部P2で対向して合流する溶融樹脂の圧力均衡が崩れることによる樹脂流動が少なくなり、ウェルド部P2である各溶融樹脂の対向面Zが平坦に近くなる為と推測される。
従って、ウェルド部P2付近における溶融樹脂の周方向への樹脂流動を大きくし、ウェルド部P2の対向面Zを非平坦化することによって、ウェルド部P2の接合強度を向上するためには、樹脂溜まり23が、リング状キャビティ19の周縁部における樹脂射出ゲート10とウェルド部P2との間で、且つ樹脂射出ゲート10から5/6の範囲内に設けられることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、上記射出成形方法は、軸受用プラスチックシールの射出成形方法に限定されるものではなく、一般的な樹脂製リング全般に適用することができる。
また、樹脂材料に繊維強化樹脂や液晶ポリマーを使用したが、これに限定されず、各種樹脂を使用してもよい
さらに、上記射出成形方法に使用した成形金型は、サイドゲートであるが、これに限定されず、サブマリンゲート等にも適用してもよい。
次に、上記射出成形方法により成形された本発明の軸受用プラスチックシール20の作用効果を確認するために行った曲げ強度試験について説明する。
本試験では、図1に示す成形金型21を使用して本実施形態の射出成形方法により成形した軸受用プラスチックシール20を実施例品とし、図7に示す成形金型11を使用して従来の射出成形方法により成形した軸受用プラスチックシール1を比較例品として、それぞれの曲げ強度を測定した。なお、樹脂材料には、グラスファイバーを30wt%充填した液晶ポリマーを使用した。また、比較例品の曲げ強度を1とした場合の実施例品の曲げ強度を相対比較した。結果を図5のグラフに示す。
図5のグラフから明らかなように、本発明の軸受用プラスチックシールである実施例品は、比較例品の5倍以上の曲げ強度を有することがわかった。また、実施例品の軸受への組み込み試験においても、ウェルド部の割れは発生しなかった。
本発明に係る軸受用プラスチックシールの射出成形方法を説明するための成形金型の部分水平断面図である。 図1におけるII−II断面矢視図である。 図1に示す成形金型のリング状キャビティ内におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明図である。 成形金型の変形例を説明するための部分水平断面図である。 実施例における曲げ強度の強さを示すグラフ図である。 軸受用プラスチックシールを備えた玉軸受の要部断面図である。 従来の樹脂製リングの射出成形方法を説明する成形金型の部分水平断面図である。 図7に示す成形金型のリング状キャビティ内におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明図である。
符号の説明
10 射出ゲート
12 強化繊維
19 リング状キャビティ
20 軸受用プラスチックシール
21 成形金型
23 樹脂溜まり
25 突出しピン
27 連通部
P2 ウェルド部
Z 対向面

Claims (3)

  1. 成形金型内に形成したリング状キャビティの周縁部に設けられた樹脂射出ゲートから強化繊維を添加した溶融樹脂を前記リング状キャビティ内に射出することにより成形されるリング状の軸受用プラスチックシールであって、
    射出成形後の前記リング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった前記溶融樹脂の各先端部が対向して合流することで形成されるウェルド部の中央が、前記リング状キャビティの円周方向に非平坦な凸形状に突出することを特徴とする軸受用プラスチックシール。
  2. 前記軸受用プラスチックシールは、前記リング状キャビティにおける前記ウェルド部から外れた周縁部に、前記溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設け、
    前記樹脂溜まりの設置位置を、前記樹脂射出ゲートからの周縁上の距離が前記樹脂射出ゲートと前記ウェルド部との間の周縁距離の5/6を超えない範囲に設定し、
    且つ、前記樹脂溜まりと前記リング状キャビティとを連通する連通部の開口横断面積を、前記リング状キャビティに射出された前記溶融樹脂が、前記リング状キャビティ内に充填された後に、前記樹脂溜まり内に充填されるように、前記リング状キャビティから前記樹脂溜まりへの前記溶融樹脂の流入量を制限する広さに設定し、
    前記溶融樹脂を前記樹脂射出ゲートから前記リング状キャビティに射出することにより成形されることを特徴とする請求項1記載の軸受用プラスチックシール。
  3. 前記溶融樹脂は、強化繊維を添加した繊維強化樹脂又は液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2記載の軸受用プラスチックシール。
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