JP2005320811A - 場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング - Google Patents

場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング Download PDF

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Abstract

【課題】場所打ち杭の施工において鉄筋かごの引き上げを確実に防止するとともに、煩雑なインナービットの取り付け作業を不要にするファーストケーシングを提供すること。
【解決手段】ファーストケーシング1は、管状の本体3と掘削ビット5を有している。本体3の内壁側は、当該本体の縦断面の厚みが先端側から基端側にかけて徐々に小さくなるように、テーパ状に形成されている。このような特徴によれば、従来のように内壁にインナービットを溶接しないでも、従来と同様に、本体3の内壁と向かい合う管状領域に溝を形成することが可能になる。また、本体3の内壁は、凹凸のないフラットな面を有するテーパ状に形成されている。そのため、ファーストケーシング1を地中から引き抜く際において、仮に鉄筋かごがファーストケーシング1の本体3の内壁に接触した場合であっても、本体3の内壁に鉄筋かごが引っ掛かることはない。
【選択図】図1

Description

本発明は、場所打ち杭の施工において用いられるケーシングチューブに関し、特に、継ぎ足し方式のケーシングチューブの先頭管として使用されるファーストケーシングに関する。
土木、建築工事で場所打ち杭等の地中構造物を施工するのに使用する建設機械として、管状ケーシングを回転させながら地中に圧入して縦孔を掘削する縦孔掘削用の掘削装置が従来から一般的に知られている。この掘削装置によって地中に圧入される管状ケーシングは、互いに連結可能な複数のケーシングチューブで構成される。
そして、オールケーシング掘削工法で深孔を掘るときに用いられる連結・継ぎ足し方式の管状ケーシングの最先端の管は、一般的にファーストケーシング(先頭管)と称されている。以下、従来より用いられているファーストケーシングの構成、および当該ファーストケーシングに関連した問題点を、図6〜図8を参照しながら説明する。
図6は、本体63の内壁にインナービット71を接合した状態の従来のファーストケーシング61を示す正面図である(本体63の一部を切り欠いた状態で示す)。
図7は、図6に示すファーストケーシング61を先頭に含む管状ケーシング80を、地盤に回転圧入している様子を示す正面図である(管状ケーシング80を断面図で示す)。
図8は、地盤に圧入された図6に示すファーストケーシング61を先頭に含む管状ケーシング80の内側において杭を構築する様子を示す図である。この図8において、図8(A)は、管状ケーシング80の内側に鉄筋かご50を建て込んだ様子を示している。一方、図8(B)は、管状ケーシング80を引き抜きながら、コンクリートを打設している様子を示している。
従来のファーストケーシング61は、図6及び図7に示すように、管状の本体63と、回転圧入時において地盤を掘削するための複数の掘削ビット(ケーシングビット)65と、継ぎケーシング2を継ぎ足すための管状の連結部67と、を有している。複数の掘削ビット65は、それぞれ超硬合金製の刃を有しており、本体の下端の環状端部64において溶接して又は着脱自在にボルト止め或いはピン止めして取付けられている。
加えて、従来のファーストケーシング61の内壁側には、図6及び図7に示すように、1又は複数のインナービット(インサートビット)71が、施工現場において溶接等により接合されるようになっている。
このようなインナービット71を内壁に設けることにより、ファーストケーシング61を圧入する際に、図7に示すように管状ケーシング80の内壁対向位置(内壁と向かい合う管状領域)に溝9が形成されるようになる。そして、このような溝9を形成することにより、図7に示すように、ハンマーグラブ21のシェル23によって、管状ケーシング80内の土砂を容易に掴むことができるようになっている。
従来から一般的に知られている縦孔掘削用の掘削装置は、こうしたファーストケーシング61を先頭に含む複数のケーシングチューブと、このケーシングチューブを回転させながら地中に押し込むことができる回転圧入装置とを備え、ケーシングチューブを回転圧入装置により把持して回転させながら地中に圧入して掘削ビットで円形の縦孔を掘削するようになっている。なお、本明細書において、ファーストケーシングを先頭に含む複数のケーシングチューブ(すなわち、ファーストケーシングに1又は複数の継ぎケーシングを継ぎ足したもの)を、「管状ケーシング」と称する。
この掘削装置では、最初に、管状ケーシング80の先頭管をなすファーストケーシング61で縦孔を掘削してこれを地中に建て込む。次いで、このファーストケーシング61に、掘削ビットを取り付けていないケーシングチューブ(継ぎケーシング2)を適宜継ぎ足して孔壁の崩壊を防止しながら縦孔の掘削を続行し(図7参照)、これらの各ケーシングを順次地中に建て込んで行く。
また、縦孔の掘削過程で管状ケーシング80内に溜った土砂は、ハンマーグラブ21で地上に搬出する。こうした方法で縦孔を掘削する工法をオールケーシング工法と称する。このオールケーシング工法で縦孔を掘削した後は、通常、図8(A)に示すように管状ケーシング80内に鉄筋かご50を建て込む。次いで、図8(B)に示すように、ファーストケーシング61を含む管状ケーシング80を地上に引き上げながらコンクリートを打設して、鉄筋コンクリートから成る地中構造物を構築するようになっている。
しかしながら、上述したファーストケーシングを用いての場所打ち杭の施工には、以下に述べるような問題点があった。
従来のファーストケーシングは、図6及び図7に示すようなインナービット71を内壁に備えた状態で地盤に圧入されるようになっている。ところが、インナービット71は、内壁において突き出た状態で取り付けられるようになっている。そのため、コンクリートの打設に伴って管状ケーシング80を引き上げるときに、内壁から突き出たインナービット71が、格子状に組み立てられた鉄筋かご50に引っ掛かるという事態が頻繁に生じていた。
インナービット71が鉄筋かご50に引っ掛かると、図8(B)に示すように、管状ケーシング80と共に鉄筋かご50も地上へ引き上げられてしまう。このような事態が生ずると、注入されたコンクリートミルクだけでは鉄筋コンクリートが形成されないため、その箇所における施工をやり直さなければならない。このような施工のやり直しは、工期の延長を余儀なくさせるだけでなく、施工コストを大幅に引き上げてしまうという問題があった。
また、従来は、施工現場において、ファーストケーシングの内壁にインナービット71を溶接等により取り付けていたため、その取り付け作業が煩雑である等の問題もあった。
そこで、上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、場所打ち杭の施工において鉄筋かごの引き上げを確実に防止するとともに、煩雑なインナービットの取り付け作業を不要にするファーストケーシングを提供することにある。
上述した目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明によって達成される。
(1) 場所打ち杭の施工において用いられ、コンクリートの打設に先立って地盤に対して回転させながら圧入される管状のケーシングであって、
掘削ビットが設けられた先端から反対側の基端にかけて内径が徐々に大きくなるように、内壁側がテーパ状に形成されていることを特徴とする場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
(2) 場所打ち杭の施工において用いられ、コンクリートの打設に先立って地盤に対して回転させながら圧入される管状のケーシングであって、
回転・圧入時において地盤側を臨むようになっている先端と、当該先端とは反対側に位置する基端とを有しており、略管状に形成された本体と、
前記本体の先端に設けられ、地盤を掘削するための掘削ビットと、を含んでおり、
前記略管状の本体は、
縦断面の厚みが先端側から基端側にかけて小さくなるように、内壁側がテーパ状に形成された部分を有しており、
最も厚みが大きい部分において、前記場所打ち杭の施工において用いられる略円筒状鉄筋かごの外径よりも大きい内径を有するように形成されていることを特徴とする場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
(3) 場所打ち杭の施工において用いられ、継ぎ足しながら地盤に対して回転・圧入される複数の管状ケーシングの先頭管として用いられるファーストケーシングであって、
回転・圧入時において地盤側を臨むようになっている先端と、当該先端とは反対側に位置する基端とを有しており、略管状に形成された本体と、
前記本体の先端に設けられ、地盤を掘削するための掘削ビットと、
前記本体の基端側に一体的に設けられ、継ぎケーシングを継ぎ足すことができるようになっている連結部と、を含んでおり、
前記略管状の本体は、
縦断面の厚みが先端側から基端側にかけて小さくなるように、内壁側がテーパ状に形成された部分を有しており、
最も厚みが大きい部分において、前記場所打ち杭の施工において用いられる略円筒状鉄筋かごの外径よりも大きい内径を有するように形成されていることを特徴とする場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
(4) 前記本体の内壁側は、先端から基端のほぼ全長に亘ってテーパ状に形成されていることを特徴とする上記(2)又は(3)記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
(5) 前記掘削ビットは複数設けられ、
当該複数の掘削ビットは、
前記本体の先端の環状端部において等角度間隔で配置されているとともに、
前記本体の先端側から見たときに少なくとも2以上の同心円上に位置するように、配置されていることを特徴とする上記(2)乃至(4)の何れかに記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
(6) 前記本体の先端は、少なくとも2段以上のリング状段部を有するように形成されており、
前記複数の掘削ビットは、前記リング状段部の各段に設けられていることを特徴とする上記(5)記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
(7) 前記複数の掘削ビットは、少なくとも2種以上の形状を有する掘削ビットから構成されていることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
上記(1)〜(3)に係る本発明によれば、ファーストケーシングの本体の内壁側はテーパ状に形成されている。加えて、当該ファーストケーシングの本体の縦断面は、先端により近い位置においてより大きな厚みを有するようになっている。このような特徴によれば、従来のようにインナービットを溶接しないでも、ファーストケーシング自体をそのままの状態で回転圧入するだけで、従来と同様に当該ケーシングの内壁対向位置(内壁と向かい合う管状領域)に溝を形成することが可能になる。それゆえ、本発明によれば、従来要していたインナービットの溶接に伴う煩雑な作業が不要になるので、場所打ち杭の施工における作業性を大幅に改善することが可能になる。
また、本発明のファーストケーシングによれば、本体の内壁は、凹凸のないフラットな面を有するテーパ状に形成されている。そのため、コンクリート打設に伴って当該ファーストケーシングを地中(杭孔)から引き抜く際において、仮に格子状鉄筋かごがファーストケーシングの本体の内壁に接触した場合であっても、ファーストケーシングの内壁に鉄筋かごが引っ掛かることはない。もちろん、従来のようにインナービットを取り付ける必要はないので、インナービットに鉄筋かごが引っ掛かるという事態が生じることはない。そのため、本発明によれば、ファーストケーシングを先端に含む管状ケーシングの引き抜き時において、杭孔から鉄筋かごを引き上げてしまうことを確実に防止することが可能になる。
上記(4)に係る本発明によれば、ファーストケーシングの本体の内壁側は、先端から基端のほぼ全長に亘ってテーパ状に形成されている。そのため、内壁側を部分的にテーパ状に形成する場合と比較すると、内壁側の長さ方向の勾配をより緩やかにすることができるとともに、内壁の全体を平坦に形成することが可能になる。その結果、ファーストケーシングの引き抜き時における、鉄筋かごの引っ掛かり及び引き上げをより確実に防止することが可能になる。
上記(5)に係る本発明によれば、複数の掘削ビットは本体先端の環状端部において等角度間隔で配置されている。しかも、本体の先端側から見たときに少なくとも2以上の同心円上に位置するように配置されている。このように掘削ビットを配置することにより、単一の円上に同数の掘削ビットを等角度間隔で配置する場合と比較して、切粉(掘削土)の排出性を向上させることができる。その結果、隣接する掘削ビット間に切粉が挟まって詰まることを防止することができるので、ファーストケーシングの掘削性能を向上させることができる。
上記(6)に係る本発明によれば、ファーストケーシングの本体先端側は、少なくとも2段以上のリング状段部を有するように形成されている。そして、複数の掘削ビットは、リング状段部の各段に設けられるようになっている。このように掘削ビットを配置することにより、同一レベル上(すなわち段部を形成しない場合の単一端面上)に掘削ビットを配置する場合と比較して、切粉の排出性を向上させることができる。その結果、隣接する掘削ビット間に切粉が挟まって詰まることを防止することができるので、ファーストケーシングの掘削性能を向上させることができる。
上記(7)に係る本発明によれば、複数の掘削ビットは、少なくとも2種以上の形状(くさび形や断面矩形等の様々な形状を含む)を有する掘削ビットから構成されている。このような特徴によれば、同一形状・寸法を有する同タイプの掘削ビットのみを用いる場合と比較して、切粉の排出性を向上させることが可能になる。
場所打ち杭の施工においては、コンクリートの打設に先立って、地盤に対して回転させながら圧入される鋼製管状ケーシングが用いられている。この管状ケーシングは、互いに連結可能な複数のケーシングチューブで構成される。そして、本発明に係るファーストケーシングは、この複数のケーシングチューブの先頭管として用いられる。以下、添付図面に基づいて、本発明に係るファーストケーシングの詳細について説明する。
[ファーストケーシングの構成]
まず最初に、図1〜図3に基づいて、本発明に係るファーストケーシングの構成について説明する。
図1は、本発明に係るファーストケーシング1を示す縦断面図である。
図2は、図1に示すファーストケーシング1を先端側(底面側)から見たときの掘削ビット5の配置の概略を示す図である。
図3は、継ぎケーシング2を継ぎ足しながら図1に示すファーストケーシング1を地盤8に回転圧入している様子を示す図である。
ファーストケーシング1は、主として、本体3と、掘削ビット5と、連結部7とを有している。
このファーストケーシング1において、本体3は、略管状に形成されている。本体3の先端(図1の下側)は、当該ファーストケーシング1の回転圧入時において地盤側を臨むようになっている。一方、本体3の基端(図1の上側)は、図示しないケーシング回転圧入装置の側を臨むようになっている。
ファーストケーシング1の本体3の内壁側は、当該本体の縦断面(図1において右下ハッチングで示す)の厚みが先端側から基端側にかけて徐々に小さくなるように、テーパ状に形成されている。そのため、本体3の内径は、先端から基端にかけて徐々に大きくなるようになっている。最も縦断面の厚みが大きい部分(図1において先端)において、本体3は、場所打ち杭の施工において用いられる略円筒状鉄筋かごの外径よりも大きい内径を有している。
なお、本発明において、テーパの形状は、直線状および曲線状の両方の態様を含むことに留意されたい。また、本体3の内壁側において、テーパ状に形成すべき箇所の長さは特に限定されないが、図1に示すように先端から基端のほぼ全長に亘ってテーパ状に形成されていることが好ましい。
地盤を掘削するための掘削ビット5は、本体3の先端の環状端部31に複数設けられ、図2に示すように等角度間隔で配置されている。また、複数の掘削ビット5は、本体3の下端側(先端側)から見たときに3つの同心円上に位置するように、配置されている。
3つの同心円上のうち、最も内側の円上には、図2に示すように8個の掘削ビット5が内ビットとして設けられている。また、最も外側の円上には、16個の掘削ビット5が外ビットとして設けられている。そして、中間の円上には、2個の掘削ビット5が中心ビットとして設けられている。
なお、複数の掘削ビット5は、必ずしも、同一形状・寸法を有する同タイプの掘削ビットから構成されている必要はなく、2種以上の形状(例えばくさび形や断面矩形等の様々な形状を含む)を有する掘削ビットから構成されていてもよい。複数の掘削ビット5を、異なる形状を有する掘削ビットで構成した場合には、同一形状・寸法を有する同タイプの掘削ビットのみを用いる場合と比較して、切粉(掘削土)の排出性を向上させることが可能になる。
環状の連結部7は、図1に示すように、本体3の基端側において一体的に設けられている。ファーストケーシング1を圧入する際には、連結部7を介して、継ぎケーシング2をファーストケーシング1の基端側に継ぎ足すことができるようになっている(図3参照)。
[ファーストケーシングを用いた場所打ち杭の施工]
次に、図4に基いて、上述したファーストケーシングを用いた場所打ち杭の施工手順の概略を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図4は、地盤8に圧入された図1に示すファーストケーシング1を先頭に含む管状ケーシング10の内側において杭を構築する様子を示す図である。この図4において、図4(A)は、管状ケーシング10の内側に鉄筋かご50を建て込んだ様子を示している。一方、図4(B)は、管状ケーシング10を引き抜きながら、コンクリートを打設している様子を示している。
場所打ち杭の構築工事においては、まず、周知のケーシング回転圧入装置(図示せず)を用いて、必要な数の継ぎケーシング2を順次継ぎ足しながらファーストケーシング1を地盤8に対して押し込んでいく(図3参照)。その際、押し込んだ管状ケーシング10の中の土砂を、従来と同様にハンマーグラブ21を用いて掘削・排土する(図7参照)。上述した工程を繰り返しながら、所定深度の杭孔を形成する。
そして、管状ケーシング10の内側を排土し終わったら、予め円筒状に組み立てておいた鉄筋かご50を、図4(A)に示すように管状ケーシング10内に建て込む。続いて、図4(B)に示すように管状ケーシング10を引き抜き回収しながら、当該管状ケーシングの内側にコンクリートを流し込む。以上の工程を経て、一箇所におけるコンクリート杭の打設が完了する。
[本発明によって達成される優れた効果]
上述した本発明によれば、ファーストケーシング1の本体3の内壁側はテーパ状に形成されている。加えて、当該ファーストケーシング1の本体3の縦断面は、先端により近い位置においてより大きな厚みを有するようになっている。このような特徴によれば、従来のようにインナービットを溶接しないでも、ファーストケーシング1自体をそのままの状態で回転圧入するだけで、従来と同様に当該ケーシングの内壁対向位置(本体の内壁と向かい合う管状領域)に溝9を形成することが可能になる(図3及び図7参照)。それゆえ、本発明によれば、従来要していたインナービットの溶接に伴う煩雑な作業が不要になるので、場所打ち杭の施工における作業性を大幅に改善することが可能になる。
また、本発明のファーストケーシングによれば、本体3の内壁は、凹凸のないフラットな面を有するテーパ状に形成されている。そのため、コンクリートの打設に伴って当該ファーストケーシング1を地中(杭孔)から引き抜く際において、仮に格子状鉄筋かご50がファーストケーシング1の本体3の内壁に接触した場合であっても、ファーストケーシングの内壁に鉄筋かご50が引っ掛かることはない。もちろん、従来のようにインナービットを取り付ける必要はないので、図8(B)に示すようにインナービットに鉄筋かご50が引っ掛かるという事態が生じることはない。そのため、本発明によれば、ファーストケーシング1を先端に含む管状ケーシング10の引き抜き時において、杭孔から鉄筋かご50を引き上げてしまうことを確実に防止することが可能になる。
また、ファーストケーシング1の本体3の内壁側を、先端から基端のほぼ全長に亘ってテーパ状に形成した場合には、内壁側の長さ方向の勾配をより緩やかにすることができるとともに、内壁の全体を平坦に形成することが可能になる。その結果、ファーストケーシング1の引き抜き時における、鉄筋かご50の引っ掛かり及び引き上げをより確実に防止することが可能になる。
さらに、上述した本発明によれば、複数の掘削ビット5は本体先端の環状端部31において等角度間隔で配置されている。しかも、本体3の先端側から見たときに3つの同心円上に位置するように配置されている。このように掘削ビット5を配置することにより、単一の円上に同数の掘削ビットを等角度間隔で配置する場合と比較して、切粉の排出性を向上させることができる。その結果、隣接する掘削ビット間に切粉が挟まって詰まることを防止することができるので、ファーストケーシングの掘削性能を向上させることができる。
[ファーストケーシングの変形例]
次に、図5に基づいて、変形例に係るファーストケーシングの特徴について説明する。
変形例に係るファーストケーシング1においては、本体3の先端は、2段のリング状段部35を有するように形成されている。そして、複数の掘削ビット5は、リング状段部35の各段に設けられている。
このような特徴によれば、同一面上(すなわち段部を形成しない場合の単一端面上)に掘削ビットを配置する場合と比較して、切粉の排出性を向上させることができる。その結果、隣接する掘削ビット間に切粉が挟まって詰まることを防止することができるので、ファーストケーシングの掘削性能を向上させることができる。
以上、本発明に係るファーストケーシングの実施形態について詳細に説明した。なお、本発明の構成は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々の改変が可能であることに留意されたい。
本発明は、場所打ち杭の施工において鉄筋かごの引き上げを確実に防止するとともに、煩雑なインナービットの取り付け作業を不要にするファーストケーシングを提供するのに好適に用いられる。
本発明に係るファーストケーシングを示す縦断面図である。 図1に示すファーストケーシングを先端側から見たときの掘削ビットの配置の概略を示す図である。 継ぎケーシングを継ぎ足しながら図1に示すファーストケーシングを地盤に回転圧入している様子を示す図である。 地盤に圧入された図1に示すファーストケーシングを先頭に含む管状ケーシングの内側において杭を構築する様子を示す図であって、図4(A)は管状ケーシングの内側に鉄筋かごを建て込んだ様子を示しており、図4(B)は管状ケーシングを引き抜きながらコンクリートを打設している様子を示している。 本発明に係るファーストケーシングの変形例を示す縦断面図である。 本体の内壁にインナービットを接合した状態の従来のファーストケーシングを示す正面図である(本体の一部を切り欠いた状態で示す)。 図6に示すファーストケーシングを先頭に含む管状ケーシングを、地盤に回転圧入している様子を示す正面図である(管状ケーシングを断面図で示す)。 地盤に圧入された図6に示すファーストケーシングを先頭に含む管状ケーシングの内側において杭を構築する様子を示す図であって、図8(A)は管状ケーシングの内側に鉄筋かごを建て込んだ様子を示しており、図8(B)は管状ケーシングを引き抜きながらコンクリートを打設している様子を示している。
符号の説明
1 ファーストケーシング
2 継ぎケーシング
3 本体
31 環状端部
35 リング状段部
5 掘削ビット
7 連結部
8 地盤
9 溝
10 管状ケーシング
21 ハンマーグラブ
23 シェル
50 鉄筋かご
61 従来のファーストケーシング
63 本体
64 管状端部
65 掘削ビット
67 連結部
71 インナービット(インサートビット)
80 管状ケーシング

Claims (7)

  1. 場所打ち杭の施工において用いられ、コンクリートの打設に先立って地盤に対して回転させながら圧入される管状のケーシングであって、
    掘削ビットが設けられた先端から反対側の基端にかけて内径が徐々に大きくなるように、内壁側がテーパ状に形成されていることを特徴とする場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
  2. 場所打ち杭の施工において用いられ、コンクリートの打設に先立って地盤に対して回転させながら圧入される管状のケーシングであって、
    回転・圧入時において地盤側を臨むようになっている先端と、当該先端とは反対側に位置する基端とを有しており、略管状に形成された本体と、
    前記本体の先端に設けられ、地盤を掘削するための掘削ビットと、を含んでおり、
    前記略管状の本体は、
    縦断面の厚みが先端側から基端側にかけて小さくなるように、内壁側がテーパ状に形成された部分を有しており、
    最も厚みが大きい部分において、前記場所打ち杭の施工において用いられる略円筒状鉄筋かごの外径よりも大きい内径を有するように形成されていることを特徴とする場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
  3. 場所打ち杭の施工において用いられ、継ぎ足しながら地盤に対して回転・圧入される複数の管状ケーシングの先頭管として用いられるファーストケーシングであって、
    回転・圧入時において地盤側を臨むようになっている先端と、当該先端とは反対側に位置する基端とを有しており、略管状に形成された本体と、
    前記本体の先端に設けられ、地盤を掘削するための掘削ビットと、
    前記本体の基端側に一体的に設けられ、継ぎケーシングを継ぎ足すことができるようになっている連結部と、を含んでおり、
    前記略管状の本体は、
    縦断面の厚みが先端側から基端側にかけて小さくなるように、内壁側がテーパ状に形成された部分を有しており、
    最も厚みが大きい部分において、前記場所打ち杭の施工において用いられる略円筒状鉄筋かごの外径よりも大きい内径を有するように形成されていることを特徴とする場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
  4. 前記本体の内壁側は、先端から基端のほぼ全長に亘ってテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
  5. 前記掘削ビットは複数設けられ、
    当該複数の掘削ビットは、
    前記本体の先端の環状端部において等角度間隔で配置されているとともに、
    前記本体の先端側から見たときに少なくとも2以上の同心円上に位置するように、配置されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
  6. 前記本体の先端は、少なくとも2段以上のリング状段部を有するように形成されており、
    前記複数の掘削ビットは、前記リング状段部の各段に設けられていることを特徴とする請求項5記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。
  7. 前記複数の掘削ビットは、少なくとも2種以上の形状を有する掘削ビットから構成されていることを特徴とする請求項5又は6記載の場所打ち杭の施工に用いるファーストケーシング。


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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103075116A (zh) * 2012-12-28 2013-05-01 中国海洋石油总公司 一种隔水导管管鞋
KR101653658B1 (ko) * 2015-10-16 2016-09-02 석정건설(주) 천공력을 향상시킬 수 있는 편심방지용 추진관
CN111218937A (zh) * 2020-03-31 2020-06-02 中冶建工集团有限公司 泥浆护壁成孔灌注桩桩顶浮浆层破除装置
JP2021055273A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 株式会社オトワコーエイ 掘削用ケーシングのヘッド
CN116044305A (zh) * 2021-01-04 2023-05-02 成都欣皓地基基础工程有限责任公司 方桩钻头及核心部件
JP7445304B2 (ja) 2020-09-11 2024-03-07 アロイ工業株式会社 ケーシングビット

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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